(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カメラ装置は、前記電子ファインダと前記背面モニタとの間に、少なくとも前記電子ファインダのファインダ窓に対向する領域を含む所定領域が透明又は開口しており、当該所定領域以外の領域が不透明となっている板状部材を有する、
請求項2又は3に記載のカメラ装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、
図1A、及び
図1Bを参照して、本実施の形態にかかるカメラ装置200が適用される無線通信端末の概要について説明する。
図1A、及び
図1Bは、無線通信端末100の構成例を示す外観図である。なお、
図1A、及び
図1Bでは、無線通信端末100がスマートフォンである場合について示している。しかしながら、無線通信端末100は、フィーチャーフォン、携帯ゲーム端末、タブレットPC(Personal Computer)等のその他の無線通信端末であってもよい。
【0015】
図1Aは、無線通信端末100を形成する筐体101の一方の主面(背面)側から見た当該無線通信端末100の外観を示している。なお、筐体101の背面には、ほぼ全領域に配置された有機ELパネル(Organic Light-Emitting Diode Panel)102と、有機ELパネル102と重畳されたタッチパネル103と、幾つかの操作ボタン104と、近接センサ105と、後述のカメラ装置200の一部である撮影レンズ201が配置されている。
【0016】
図1Bは、筐体101の他方の主面(前面)側から見た無線通信端末100の外観を示している。筐体101の前面には、カメラ装置200の一部である撮影レンズ203が配置されている。
【0017】
このように、本実施の形態では、撮影レンズ203によって被写体を撮像する際に、被写体に対向する主面を「前面」と定義し、その他方の主面を「背面」と定義して説明する。
【0018】
有機ELパネル102は、その表示面が筐体101の背面に位置するように配置されている。有機ELパネル102は、無線通信端末100(カメラ装置200)の背面パネル(背面モニタ)として機能する。すなわち、ユーザは、被写体を撮影する際に、有機ELパネル102に表示されたプレビュー画像を参考に、被写体を撮影する。
【0019】
ここで、有機ELパネル102は、透過型の有機ELパネル(透明有機ELパネル)である。すなわち、有機ELパネル102の使用時(点灯時)には、有機ELパネル102に画像が表示され、有機ELパネル102の非使用時(消灯時)には、有機ELパネル102を透かして、筐体101の内部が視認可能となる。ここで、有機ELパネル102は、完全な透明に限られず、半透明であってもよい。ただし、好ましくは、有機ELパネル102として、透過率(透明度)の高いものを採用するとよい。なお、有機ELパネル102は、透過性を有するディスプレイパネルであれば、液晶パネル等の他のディスプレイパネルに置き換えられてもよい。
【0020】
タッチパネル103は、有機ELパネル102の表示面を覆うように配置されるか、又は有機ELパネル102の裏面側に配置される。そして、ユーザの指又はユーザが操作する専用の操作ペン(スタイラス)等で有機ELパネル102のタッチ領域内に触れることで、無線通信端末100を直観的に操作することができる。
【0021】
操作ボタン104は、無線通信端末100に対する補助的な操作に用いられる。なお、無線通信端末によっては、このような操作ボタンが設けられないこともある。
【0022】
近接センサ105は、無線通信端末100に検出対象物が近接していることを非接触で検出するセンサである。近接センサ105は、無線通信端末100にユーザが顔を近づけていることを検出するために用いられる。近接センサ105は、誘導型、静電容量型、超音波型、電磁波型、及び赤外線型等の種類のうち、任意の種類のものを採用するようにしてよい。
【0023】
撮影レンズ203は、筐体101の前面に位置するように配置されたメインの撮影レンズである。一方、撮影レンズ201は、筐体101の背面に位置するように配置されたサブの撮影レンズである。なお、サブの撮影レンズ201は設けられなくても良い。
【0024】
続いて、
図2を参照して、本実施の形態にかかる無線通信端末100の内部構成を説明する。
図2は、本実施の形態にかかる無線通信端末100の内部構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、無線通信端末100のメインボード10には、アプリケーションプロセッサ11、無線処理部12、メモリ13、電源管理部15、ボイス回路16、オーディオ回路17及びセンサ18等が搭載されている。このメインボード10には、上述した有機ELパネル102、タッチパネル103及びカメラ装置200が接続されるほか、マイク107、スピーカ108、バッテリ109、USB110、メモリカード111及びアンテナ112等が接続される。
【0025】
アプリケーションプロセッサ11は、一般的には、さまざまな周辺回路が1つのパッケージに統合されたSoC(System On a Chip)デバイスであり、無線処理部12等の通信関連のデバイスやタッチパネル103、カメラ装置200等の周辺機器を接続するためのインターフェース等、多くのインターフェース回路が含まれる。
【0026】
このアプリケーションプロセッサ11は、メモリ13に格納されたプログラムを読み出して、無線通信端末100の各種機能を実現するための処理を行う。例えば、アプリケーションプロセッサ11は、メモリ13からOS(Operating System)プログラムを読み出し実行するとともに、このOSプログラムを動作基盤とするアプリケーションプログラムを実行する。アプリケーションプロセッサ11は、このように、本実施の形態にかかる処理をアプリケーションプロセッサ11に実行させるプログラムに従って、後述の各種処理を実行する。
【0027】
無線処理部12は、ベースバンドプロセッサ121、無線LAN122及びBluetooth(登録商標)123等を有する。ベースバンドプロセッサ121は、無線通信端末100が送受信するデータに対して符号化(例えば、畳み込み符号やターボ符号等の誤り訂正符号化)処理又は複合化処理等を含むベースバンド処理を行う。より具体的には、ベースバンドプロセッサ121は、送信データをアプリケーションプロセッサ11から受け取り、受け取った送信データに対して符号化処理を施し、さらに、搬送波により変調処理して送信信号を生成し、アンテナ112を介して送信信号を外部へ送信する。また、ベースバンドプロセッサ121は、アンテナ112を介して受信信号を受信し、この受信信号を搬送波により復調処理して受信データを生成し、さらに、この受信データに対して複合化処理を施してアプリケーションプロセッサ11に送信する。
【0028】
メモリ13は、アプリケーションプロセッサ11により利用されるプログラム及びデータを格納する。なお、メモリ13には、電源が遮断されても記憶したデータを保持する不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)と、電源が遮断された場合に記憶したデータがクリアされる揮発性メモリと、が含まれる。
【0029】
バッテリ109は、電池であり、無線通信端末100が外部電源によらずに動作する場合に利用される。なお、無線通信端末100は、外部電源が接続されている場合においてもバッテリ109の電源を利用してもよい。また、バッテリ109としては、二次電池を利用することが好ましい。
【0030】
電源管理部15は、バッテリ109又は外部電源から内部電源を生成する。この内部電源は、無線通信端末100の各ブロックに与えられる。このとき、電源管理部15は、アプリケーションプロセッサ11からの指示に基づいて、各ブロックに供給する内部電源の制御を行う。また、電源管理部15は、外部電源の供給がある場合、バッテリ109への充電制御も行う。
【0031】
オーディオ回路17は、アプリケーションプロセッサ11から送信される音声データをデコードしてスピーカ108を駆動する。ボイス回路16は、マイク107から得た音声情報をエンコードして音声データを生成し、この音声データをアプリケーションプロセッサ11に出力する。
【0032】
センサ18には、上記の近接センサ105、温度センサ、及びGPS(Global Positioning System)センサ等が含まれる。温度センサにより本体側が充電時にバッテリ温度を管理することができる。また、GPSを備えることで、無線通信端末100の位置を高精度に測定することが可能であり、位置を正確に把握することで、目的地までのナビゲーションが可能になる。ここで、無線通信端末100のGPSセンサは、通信により位置測定を補助し、短期間での位置を測定するための機能(A-GPS(Assisted GPS))を備える。
【0033】
有機ELパネル102は、アプリケーションプロセッサ11における処理に従い様々な画像を表示する。有機ELパネル102において表示される画像には、ユーザが無線通信端末100に動作指示を与えるユーザインタフェース画像、静止画像、及び動画像等がある。静止画像には、無線通信端末100のカメラ撮影機能によって被写体を撮影した撮影画像が含まれ、動画像には、その撮影時に被写体を把握するために、適宜、被写体を撮像して生成されるプレビュー画像等が含まれる。
【0034】
カメラ装置200は、アプリケーションプロセッサ11からの指示に従い、撮影指示タイミングにおいて撮像していた画像を撮影画像として取得する。カメラ装置200は、取得した撮影画像をメモリカード111に格納する。撮影指示タイミングは、例えば、ユーザによって撮影を指示する入力が、タッチパネル103又は操作ボタン104に対して行われたタイミングとなる。すなわち、アプリケーションプロセッサ11は、撮影を指示する入力に応じて、カメラ装置200に撮影画像の取得を指示するとともに、カメラ装置200が得た撮像画像を、カメラ装置200から取得する。
【0035】
<実施の形態1にかかるカメラ装置200の構成例>
続いて、
図3を参照して、本実施の形態にかかるカメラ装置200の構成例を説明する。
図3は、本実施の形態にかかるカメラ装置200の構成例を示す断面図である。以下では、カメラ装置200が撮影レンズ201、203のうち撮影レンズ203のみを有する場合を例に説明する。
【0036】
図3に示すように、カメラ装置200は、撮影レンズ203と、イメージセンサ204と、有機ELパネル102と、電子ファインダユニット205と、を備える。なお、無線通信端末100の筐体101は、カメラ装置200の本体部に相当する。すなわち、
図2では、無線通信端末100の筐体101内にカメラ装置200を模式的に図示したが、無線通信端末100の筐体101は、カメラ装置200の本体部として共有される。
【0037】
電子ファインダユニット205は、液晶パネル(内部モニタ)206と、対物レンズ207と、接眼レンズ208と、ミラー(反射部材)209と、ファインダ窓210を備える。なお、
図3に示す電子ファインダユニット205内のレンズの数は、一例であって、これとは異なる数のレンズが設けられていてもよい。
【0038】
撮影レンズ203は、被写体(被写体光)を光信号としてカメラ装置200に取り込む。イメージセンサ204は、撮影レンズ203によって取り込まれた光信号を電気信号に変換する(即ち、被写体を撮像する)。イメージセンサ204による変換結果(画像)は、有機ELパネル102又は液晶パネル206に表示される。
【0039】
有機ELパネル102の使用時(電子ファインダユニット205の非使用時)には、筐体101の背面に配置された有機ELパネル102に画像が表示され、電子ファインダユニット205の液晶パネル206には画像が表示されない。これにより、有機ELパネル102の使用時には、ユーザは、カメラ装置200の背面側から、有機ELパネル102に表示されたプレビュー画像を視認することが可能となる。
【0040】
一方、有機ELパネル102の非使用時(電子ファインダユニット205の使用時)には、電子ファインダユニット205の液晶パネル206に画像が表示され、筐体101の背面に配置された有機ELパネル102には画像が表示されない。これにより、有機ELパネル102の非使用時には、ユーザは、カメラ装置200の背面側から、透過性を有する有機ELパネル102を透かして、カメラ装置200の内部に設けられた電子ファインダユニット205の液晶パネル206に表示されたプレビュー画像を視認することが可能となる。
【0041】
電子ファインダユニット205は、例えば角柱形状である。電子ファインダユニット205には、液晶パネル206が設けられている。より具体的には、液晶パネル206は、電子ファインダユニット205の底面(紙面の下側の面;筐体101の内側寄りの面)付近に設けられている。すなわち、液晶パネル206は、電子ファインダユニット205の底面に設けられていてもよく、電子ファインダユニット205の底面に対して所定の距離だけ上方に設けられていてもよい。なお、液晶パネル206は、その表示面が電子ファインダユニット205の上方向(紙面の上方向)を向くように設けられている。なお、電子ファインダユニット205に設けられるディスプレイパネルは、液晶パネルに限られず、有機ELパネル又はプラズマディスプレイパネル等の他の種類のものであってもよい。
【0042】
対物レンズ207は、電子ファインダユニット205の底面(紙面の下側の面;筐体101の内側寄りの面)付近に設けられている。すなわち、対物レンズ207は、液晶パネル206に対して所定の距離だけ上方に設けられている。これにより、液晶パネル206から出力された画像の光は、対物レンズ207を通過してミラー209に到達する。なお、対物レンズ207は、その光軸が電子ファインダユニット205の上方向(紙面の上方向)を向くように設けられている。つまり、対物レンズ207は、その光軸が液晶パネル206の表示面と垂直になるように設けられている。
【0043】
ミラー209は、対物レンズ207の出射側に設けられている。ミラー209は、対物レンズ207を通過した光を接眼レンズ208に向けて反射する。なお、反射部材として、ミラー209に代えてプリズムを用いてもよい。プリズムを利用することで、光の反射に加えて、光に対してレンズと同様の作用を与えることができる。これによれば、例えば、接眼レンズ208等を削減して、カメラ装置200を、より薄型化することができる。しかしながら、プリズムは、ミラー209と比較して効果であるため、ミラー209を用いることで、コストを低減することができる。
【0044】
接眼レンズ208は、電子ファインダユニット205の側面(紙面の右側の面;筐体101の背面側)付近に設けられている。すなわち、接眼レンズ208は、ファインダ窓210に対して所定の距離だけ前方(紙面の左方向;前面の方向)に設けられている。なお、接眼レンズ208は、その光軸が電子ファインダユニット205の上方向とは異なる方向を向くように設けられている。
図3の例では、接眼レンズ208は、その光軸が筐体101の厚さ方向(紙面の横方向(左右方向))を向くように設けられている。つまり、接眼レンズ208の光軸と、対物レンズ207の光軸とが、直角に交わる状態となっている。すなわち、この場合には、ミラー209は、対物レンズ207からの光を垂直に反射して、接眼レンズ208に出力する。また、接眼レンズ208は、その光軸がファインダ窓210の面と垂直になるように設けられている。
【0045】
ファインダ窓210は、電子ファインダユニット205の側面(紙面の右側の面;筐体101の背面)に設けられている。
図3の例では、ファインダ窓210は、有機ELパネル102と平行となるように設けられている。
【0046】
ここで、ミラー209は、対物レンズ207を通過した光を接眼レンズ208に向けて反射することにより、液晶パネル206の表示面から対物レンズ207、ミラー209、接眼レンズ208を介してファインダ窓210までに必要な長さの光路長を確保することを可能としている。つまり、液晶パネル206、対物レンズ207、ミラー209、及び接眼レンズ208が直線上に配置されていなくても、必要な長さの光路長を確保することを可能としている。これによれば、カメラ装置200の前後方向(紙面の横方向)を薄型化することができる。これは、無線通信端末100が薄型化してきている近年において、カメラ装置200を無線通信端末100に適用する上で特に有効である。
【0047】
なお、対物レンズ207は、液晶パネル206に表示された画像の光束を集光して焦点に実像を作る。この実像は、ミラー209によって接眼レンズ208に反射される。接眼レンズ208は、対物レンズ207によって作られてミラー209によって反射された実像を拡大する。接眼レンズ208によって拡大された実像(プレビュー画像)は、ユーザがファインダ窓210を覗き込むことで確認することができる。これによって、光学ファインダを覗いた場合と同様の被写体までの距離感を実現することができる。
【0048】
以上に説明した構成により、カメラ装置200(無線通信端末100)は、カメラ装置200の撮影機能によって被写体を撮影する際に以下のように動作する。有機ELパネル102の使用時には、電子ファインダユニット205の液晶パネル206を消灯して液晶パネル206にプレビュー画像を表示しないようにするとともに、カメラ装置200の背面の有機ELパネル102を点灯させて有機ELパネル102にプレビュー画像を表示するようにする。これにより、有機ELパネル102の使用時には、ユーザは、カメラ装置200の背面の有機ELパネル102に表示されたプレビュー画像を視認可能となる。
【0049】
一方、有機ELパネル102の非使用時には、カメラ装置200の背面の有機ELパネル102を消灯して有機ELパネル102にプレビュー画像を表示しないようにするとともに、電子ファインダユニット205の液晶パネル206を点灯させて液晶パネル206にプレビュー画像を表示するようにする。これにより、有機ELパネル102の非使用時には、ユーザは、カメラ装置200の背面の有機ELパネル102を透かして、カメラ装置200の内部に設けられた電子ファインダユニット205の液晶パネル206に表示されたプレビュー画像を視認可能となる。
【0050】
このような構成によれば、カメラ装置200(無線通信端末100)において、電子ファインダ(電子ファインダユニット205)を用いた撮影と、背面モニタ(有機ELパネル102)を用いた撮影の両方を実現しつつも、電子ファインダを背面モニタの前方のカメラ装置200内部に納めて、カメラ装置200の背面が背面モニタで覆われたシンプルなデザインとすることができる。そのため、カメラ装置200(無線通信端末100)のデザイン性を向上することができる。
【0051】
<実施の形態1にかかるカメラ装置200の動作例>
続いて、
図4A、
図4B、
図5A、及び
図5Bを参照して、本実施の形態にかかるカメラ装置200の動作例を説明する。
図4A及び
図4Bは、本実施の形態にかかるカメラ装置200の使用例を示す断面図である。
図5A及び
図5Bは、本実施の形態にかかるカメラ装置200の表示例を示す外観図である。
【0052】
図4Aは、有機ELパネル102の使用時における使用例を示しており、
図4Bは、有機ELパネル102の非使用時における使用例を示している。また、
図5Aは、有機ELパネル102の使用時における表示例を示しており、
図5Bは、有機ELパネル102の非使用時における表示例を示している。
【0053】
近接センサ105は、
図4Aに示すように、検出対象物を検出可能となる所定の距離までユーザの顔が近接センサ105に接近していない場合、ユーザの近接を検出していないことを通知する非検出通知信号を、アプリケーションプロセッサ11に出力する。
【0054】
アプリケーションプロセッサ11は、近接センサ105から非検出通知信号が出力されている場合、カメラ装置200の背面の有機ELパネル102を点灯し、イメージセンサ204によって生成されるプレビュー画像を有機ELパネル102に表示する。また、この場合、アプリケーションプロセッサ11は、電子ファインダユニット205の液晶パネル206を消灯し、液晶パネル206には、イメージセンサ204によって生成されるプレビュー画像を表示しないようにする。
【0055】
これにより、
図4Aに示すように、カメラ撮影において、ユーザが、カメラ装置200の背面の有機ELパネル102を参照して、被写体の撮影状況を把握しようとしてカメラ装置200から顔を離した場合、
図5Aに示すように、有機ELパネル102にプレビュー画像が表示される。すなわち、ユーザは、カメラ装置200の背面パネル(有機ELパネル102)に表示されたプレビュー画像を参照することによって、被写体の撮影状況が把握可能となる。
【0056】
一方、近接センサ105は、
図4Bに示すように、検出対象物を検出可能となる所定の距離までユーザの顔が近接センサ105に接近した場合、ユーザの近接を検出し、ユーザの接近を検出していることを通知する検出通知信号を、アプリケーションプロセッサ11に出力する。
【0057】
アプリケーションプロセッサ11は、近接センサ105から検出通知信号が出力されている場合、電子ファインダユニット205の液晶パネル206を点灯し、イメージセンサ204によって生成されるプレビュー画像を液晶パネル206に表示する。また、この場合、アプリケーションプロセッサ11は、カメラ装置200の背面の有機ELパネル102を消灯し、有機ELパネル102には、イメージセンサ204によって生成されるプレビュー画像を表示しないようにする。
【0058】
これにより、
図4Bに示すように、カメラ撮影において、ユーザが、電子ファインダユニット205の液晶パネル206を参照して、被写体の撮影状況を把握しようとしてカメラ装置200に顔を近づけた場合、
図5Bに示すように、液晶パネル206にプレビュー画像が表示される。すなわち、ユーザは、電子ファインダ(電子ファインダユニット205の液晶パネル206)に表示されたプレビュー画像を背面パネル(有機ELパネル102)を透かして参照することによって、被写体の撮影状況が把握可能となる。
【0059】
ここで、カメラ装置200の内部には、有機ELパネル102と電子ファインダユニット205との間において、少なくとも電子ファインダユニット205のファインダ窓210に対向する領域を含む所定領域が透明又は開口しており、その他の領域が不透明である板状の部材を設けるようにするとよい。そのようにすることで、ファインダ窓210を介して液晶パネル206に表示された画像を視認可能としつつ、ファインダ窓210以外の領域についてはカメラ装置200の内部が視認されることを防止することができる。
【0060】
なお、好ましくは、上記の板状部材において、透明又は開口させる領域は、例えば、ファインダ窓210に対向する領域のみを含むようにするか、それよりも数パーセント大きい程度とするとよい。そのようにすることで、カメラ装置200の内部が視認される範囲を、より低減することができる。
【0061】
以上に説明したように、本実施の形態1では、透過性を有する背面モニタ(有機ELパネル102と、背面モニタの前方に背面モニタと重なるように配設された電子ファインダ(電子ファインダユニット205)とを備えるようにしている。そして、背面モニタの使用時には、背面モニタにプレビュー画像を表示することで、ユーザが背面モニタに表示されたプレビュー画像を視認可能とし、背面モニタの非使用時には、電子ファインダにプレビュー画像を表示することで、ユーザが背面モニタを透かして電子ファインダに表示されたプレビュー画像を視認可能とするようにしている。
【0062】
これによれば、ファインダとしての機能を備えつつも、背面パネルと重なるカメラ装置200の内部空間に電子ファインダを配置することで、カメラ装置200の背面全体がパネルで覆われたお洒落なデザインのカメラを提案することができる。すなわち、デザイン性を向上することができる。
【0063】
また、背面パネルを固定的に配置できるので、背面パネルを可動する機構を有するカメラ装置と比較して、カメラ装置全体を薄型化することができる。また、背面パネルを可動する機構を有さないことにより、機構コストも抑制し、信頼性も向上することができる。
【0064】
<実施の形態2>
続いて、本発明の実施の形態2にかかる無線通信端末について説明する。なお、本発明の実施の形態2にかかる無線通信端末及びカメラ装置の構成及び動作は、
図1A〜
図5Bを参照して説明した実施の形態1にかかる無線通信端末100及びカメラ装置200の構成及び動作と同様であるため、説明を省略する。
【0065】
本実施の形態2では、実施の形態1と比較して、有機ELパネル102の材質に関して、さらなる工夫が施されている。
【0066】
まず、一般的に、透過型有機ELパネル(透明有機ELパネル)は、その透過率(透明度)が高い程、その表示画像が暗くなってしまうという特性がある。すなわち、透過率が高い透過型有機ELパネルは、透過率が低い透過型有機ELパネルとを同一の明るさとするためには、透過率が低い透過型有機ELパネルよりも発光強度を強くする(より明るく発光させる)必要がある。つまり、透過率が高い透過型有機ELパネルは、透過率が低い透過型有機ELパネルよりも、消費電力が増加してしまうという特性がある。そこで、本実施の形態2では、有機ELパネル102を以下に説明するような構成とすることで、消費電力を低減するものである。
【0067】
続いて、
図6を参照して、本発明の実施の形態2にかかる有機ELパネル102の構成について説明する。
図6は、本発明の実施の形態2にかかる有機ELパネル102の構成図である。
【0068】
本発明の実施の形態2にかかる有機ELパネル102は、
図6に示すように、少なくともファインダ窓210に対向する領域を含む所定領域300と、それ以外の領域301とで透過率を異なるものとしている。
【0069】
具体的には、有機ELパネル102において、領域300の材質は、ユーザがファインダ窓210からプレビュー画像を視認し易くするために、領域301の材質よりも透過率を高くしている。よって、領域301は、全く透過しない非透過の材質としてもよい。
【0070】
これによれば、ファインダ窓210に対向する領域を含まない領域301は、領域300よりも低い発光強度とし、その消費電力を低減することができる。また、ファインダ窓210に対向する領域を含む領域300は、透過率が高いため、ユーザによる電子ファインダユニット205の液晶パネル206に表示されたプレビュー画像の視認を阻害することもない。
【0071】
なお、好ましくは、透過率を高くする領域300は、例えば、ファインダ窓210に対向する領域のみを含むようにするか、それよりも数パーセント大きい程度とするとよい。そのようにすることで、透過率が低く、発光にかかる消費電力が低い領域301を極力増大させることができるため、より消費電力を低減することができる。
【0072】
以上に説明したように、本実施の形態2では、背面モニタは、少なくとも電子ファインダ(電子ファインダユニット205)のファインダ窓210に対向する領域を含む所定領域の透過率が、その所定領域以外の透過率よりも高くされている。これによれば、背面モニタにおいて、上記所定領域以外を弱い発光強度としても、上記所定領域と明るさを合わせて表示可能となる。したがって、上記所定領域以外は、発光強度を弱くできるため、消費電力を低減することができる。
【0073】
<実施の形態の第1変形例>
続いて、
図7を参照して、本実施の形態にかかるカメラ装置200の第1変形例について説明する。
図7は、本実施の形態にかかるカメラ装置200の第1変形例を示す断面図である。すなわち、以上に説明した実施の形態1、2は、次に説明するように電子ファインダユニット205の構造を変形した態様としてもよい。
【0074】
図7に示すカメラ装置200は、電子ファインダユニット205において、液晶パネル206、対物レンズ207、接眼レンズ208、及びファインダ窓210が、カメラ装置200の前後方向に対して直列に並ぶように設けられている。また、
図7に示すように、ミラー209は不要となる。
【0075】
本変形例では、液晶パネル206は、電子ファインダユニット205の側面(紙面の左側の面;筐体101の前面側)付近に設けられている。すなわち、液晶パネル206は、電子ファインダユニット205の前面に設けられていてもよく、電子ファインダユニット205の前面に対して所定の距離だけ後方(紙面の右方向;背面の方向)に設けられていてもよい。なお、液晶パネル206は、その表示面が電子ファインダユニット205の後方(紙面の右方向;背面の方向)を向くように設けられている。
【0076】
また、対物レンズ207は、電子ファインダユニット205の側面(紙面の左側の面;筐体101の前面側)付近に設けられている。すなわち、対物レンズ207は、液晶パネル206に対して所定の距離だけ後方に設けられている。これにより、液晶パネル206から出力された画像の光は、対物レンズ207を通過して接眼レンズ208に到達する。なお、対物レンズ207は、その光軸が筐体101の厚さ方向(紙面の横方向(左右方向))を向くように設けられている。つまり、対物レンズ207は、その光軸が液晶パネル206の表示面と垂直になるように設けられている。また、接眼レンズ208の光軸と、対物レンズ207の光軸とが一致する状態となっている。
【0077】
液晶パネル206とファインダ窓210の距離は、液晶パネル206の表示面から対物レンズ207、ミラー209、接眼レンズ208を介してファインダ窓210までに必要な長さの光路長を確保できる距離とする。
【0078】
このような構成としても、カメラ装置200(無線通信端末100)の外観は、上述したように、電子ファインダユニット205をカメラ装置200の内部に納めて、カメラ装置200の背面が全体的に有機ELパネル102で覆われたシンプルなデザインとすることができるため、デザイン性を向上することができる。
【0079】
しかしながら、好ましくは、上述したように、ミラー209によって、カメラ装置200の厚さ(前後方向の幅)を増加させることなく、必要な長さの光路長を確保することができるようにすることで、カメラ装置200の厚さを小さくし、よりデザイン性を向上することができる。
【0080】
<実施の形態の第2変形例>
以上に説明した実施の形態1、2では、有機ELパネル102へのプレビュー画像の表示と、液晶パネル206へのプレビュー画像の表示とを、近接センサ205の検出結果に応じて切り替えるようにしているが、これに限られない。
【0081】
ユーザからの切り替えボタン(入力部)の押下に応じて表示を切り替えるようにしてもよい。この場合、無線通信端末100に設けた任意のボタンを切り替えボタンとして割り当てる。切り替えボタンは、例えば、操作ボタン104を割り当ててもよく、有機ELパネル102及びタッチパネル103によって再現される操作ボタンを割り当てるようにしてもよい。
【0082】
そして、ユーザからの切り替えボタンの押下に応じて、操作ボタン104又はタッチパネル103は、切り替えボタンの押下を通知する通知信号をアプリケーションプロセッサ11に出力する。アプリケーションプロセッサ11は、操作ボタン104又はタッチパネル103からの通知信号の出力に応じて、有機ELパネル102の使用時の表示と、有機ELパネル102の非使用時の表示との間で、表示の切り替えを行う。
【0083】
これによれば、ユーザは、カメラ装置200に接近しない状態で、背面モニタ(有機ELパネル102)において、遠巻きに電子ファインダ(電子ファインダユニット205)によるプレビュー画像の表示位置を事前把握することが可能となる。
【0084】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0085】
例えば、上記の実施の形態では、本発明を無線通信端末100に対して適用した例について説明したが、本発明をカメラ装置200として、
図8に示すようなデジタル一眼レフカメラ(特にミラーレスタイプ)に適用するようにしてもよい。一般的に、デジタル一眼レフカメラは、
図8に示すように、撮影レンズ203を含むレンズ部が本体部より突出しているが、その背面は背面モニタ(有機ELパネル102)で覆われたシンプルなデザインとすることができるため、従来よりもデザイン性を向上することができる。