(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制振手段は、容器内に流体が封入され、前記揺れに応じて該流体が該容器内を移動することにより前記揺れを減衰すると共に、前記揺れに対する該容器内での該流体の移動の程度を変更することにより前記揺れの減衰の程度を調整可能なダンパを含む請求項1に記載の制振システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、共振が発生しないように調整できるのは、建物の設計時のみであるという問題があった。そのため、竣工後に地震等の揺れを受けて建物の固有周期が変化したと思われる場合に、建物に振動を加える等によって新たに固有周期を算出し、新たな算出結果に基づいて建物の固有周期を調整することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、竣工後に建物の固有周期を調整できる制振システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、建物の揺れを減衰すると共に該揺れの減衰の程度を調整可能な制振手段と、前記建物に振動を加える微小加速度入力手段と、前記微小加速度入力手段による振動及び地震によって前記建物に生じた加速度を検知する加速度検知手段と、前記建物が建てられた地盤の振動を検知する地盤振動検知手段と、前記加速度検知手段の検知結果及び地盤振動検知手段の検知結果に基づいて前記建物の固有周期及び前記地盤の固有周期を各々算出する演算手段と、前記演算手段が算出した前記建物の固有周期及び前記地盤の固有周期並びに設計時の前記建物の固有周期及び前記地盤の固有周期を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された設計時の前記建物の固有周期及び前記地盤の固有周期と、前記演算手段が新たに算出した竣工後の前記建物の固有周期及び前記地盤の固有周期とを比較することにより、前記制振手段の調整の要否を判定する判定手段と、を備える。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、検知手段が微小加速度入力手段によって建物に加えられた振動及び地震の振動によって建物に生じた加速度を検知し、地盤振動検知手段が地盤の振動を検知する。演算手段は検知手段が検知した加速度に基づいて建物の固有周期を、地盤振動検知手段が検知した振動に基づいて地盤の固有周期を算出する。さらに、判定手段が、記憶手段に記憶されている建物の設計時の固有周期及び地盤の固有周期と、演算手段が竣工後に算出した建物の固有周期及び地盤の固有周期とを比較することにより、制振手段の調整の要否を判定することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の制振システムにおいて、前記制振手段は、容器内に流体が封入され、前記揺れに応じて該流体が該容器内を移動することにより前記揺れを減衰すると共に、前記揺れに対する該容器内での該流体の移動の程度を変更することにより前記揺れの減衰の程度を調整可能なダンパを含んでいる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、制振手段は建物の揺れの減衰力を調整可能なダンパを含んでおり、判定手段の判定が制振手段の調整を要するものの場合に当該ダンパの減衰力を調整して建物の揺れの減衰の程度を変更することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載の制振システムにおいて、前記制振手段は、前記建物の梁上に設置される錘をさらに含み、該錘の質量を変更することにより前記建物の固有周期を調整する。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、制振手段は錘を含んでおり、判定手段の判定が制振手段の調整を要するものの場合に当該錘の質量を変更して、建物の固有周期を調整することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、判定手段が、記憶手段に記憶された建物の固有周期及び地盤の固有周期と、演算手段が新たに算出した建物の固有周期及び地盤の固有周期とを比較することにより、制振手段の調整の要否を判定する。これにより、竣工後に建物の固有周期を調整できるという効果を有する。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、判定手段の判定が制振手段の調整を要するものの場合に制振手段に含まれるダンパの減衰力を調整して建物の揺れの減衰の程度を変更することにより、竣工後に建物の固有周期を調整できるという効果を有する。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、判定手段の判定が制振手段の調整を要するものの場合に制振手段に含まれる錘の質量を変更して、建物の固有周期を調整することができるので、竣工後に建物の固有周期を調整できるという効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る制振システム100及び建物102の一例を示す概略図である。
【0018】
図1に示したように、本実施の形態では、制振システム100は、制振装置10、錘80、加速度センサ104、微小加速度入力装置108、地盤用受振器120及び点検用コンピュータ110から構成されている。これらのうち、制振装置10、錘80及び加速度センサ104は制振対象の建物102に設置されている。
【0019】
微小加速度入力装置108及び点検用コンピュータ110は建物102の保守点検を行う保守点検者が使用する。微小加速度入力装置108は、例えば動荷重検出用のセンサ(ロードセル等)を内蔵したインパルスハンマで構成される。微小加速度入力装置108は、入力された加速度に対する建物102の各部の応答加速度を加速度センサ104によって検出する際に点検用コンピュータ110に接続され、建物102の所定箇所を打撃して建物102に振動を加える加振が可能であると共に、内蔵センサによって建物102の所定箇所への加振力が検出された結果を点検用コンピュータ110へ出力する。
【0020】
加速度センサ104は、建物102に地震波が到来した、又は前述の微小加速度入力装置108によって建物102の所定箇所に打撃が加えられた(加振される)ことで、建物102に入力された加速度に対する建物102の各部の応答加速度を検出する。
【0021】
地盤用受振器120は、建物102が建てられている土地の常時微動を検知するセンサであり、当該土地の地表又は地中に設置される。地盤用受振器120は検知した常時微動のデータを点検用コンピュータ110に出力する。なお、常時微動とは、地盤中を伝播する人工的又は自然現象による種々の振動のうち、特定の振動源から直接的に影響を受けない状態で、さまざまな振動によって誘起される微小な地盤振動である。
【0022】
点検用コンピュータ110は携帯可能な小型のPC(Personal Computer)等である。点検用コンピュータ110は、例えば、CPU110A、ROM及びRAM等のメモリ110B、HDD又はフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部110C、通信I/F(インタフェース)部110Dを備えている。また、点検用コンピュータ110には、ディスプレイ114、キーボード116、マウスやタッチパッド等であるポインティングデバイス118が接続されている。
【0023】
点検用コンピュータ110の通信I/F部110Dには、建物102の保守点検時に、保守点検者によって微小加速度入力装置108が接続される。また、通信I/F部110Dは外部ネットワーク112にも接続されている。
【0024】
点検用コンピュータ110の記憶部110Cには、後述する制振性能点検処理を行うための制振性能点検プログラムが予めインストールされており、保守点検の対象とされた複数の建物(制振装置10が取付けられている建物)の情報が各々登録された建物情報DB(データベース)も記憶されている。
【0025】
建物情報DBに記憶されている単一の建物の情報は属性情報と履歴情報に大別される。このうち属性情報は、設計時の建物の固有周期等の特性値、地盤の固有周期、建物の階数や各階毎の重量、個々の建物毎に予め設定された、微小加速度入力装置108による打撃によって建物に加速度を入力する際の所定の打撃位置(加速度入力位置)等を含む。また履歴情報は、同一の建物に対して過去に行った保守点検の日付、項目、保守点検の際に演算した建物の固有周期等の特性値、地盤の固有周期、錘80の設置位置、錘80の設置数、錘80の質量及び制振装置の設定減衰量等の情報を含む。保守点検の対象とされた個々の建物には建物IDが付与されており、上記の属性情報及び履歴情報は建物IDと対応付けて建物情報DBに登録されている。なお、上記の建物情報DBは、点検用コンピュータ110の記憶部110Cに記憶することに代えて、外部ネットワーク112内の特定のサーバの記憶部に、点検用コンピュータ110がアクセス可能に記憶させるようにしてもよい。
【0026】
次に、制振装置10が取付けられる建物102について説明する。
図2(A)には制振装置10が取付けられる建物ユニット60が示されている。本実施形態に係る制振対象の建物102は建物ユニットであり、建物ユニット60が複数個連結されて構成されている。なお、建物102は単一の建物ユニット60で構成することも可能である。建物ユニット60は、4本の柱32と、互いに平行に配置された長短二組の天井桁大梁42,44と、これらの天井桁大梁42,44に対して上下に平行に配置された長短二組の床桁大梁52,54とを備えており、梁の端部が天井と床の仕口に溶接されることでラーメン構造とされている。但し、建物ユニット60の構造は上記に限られるものではなく、他の箱形の架構構造としてもよい。本実施形態では、天井桁大梁42,44及び床桁大梁52,54に、断面コ字形状のチャンネル鋼(溝形鋼)が用いられている。
【0027】
建物ユニット60は、矩形枠状に組まれた天井フレーム62と床フレーム64とを備えており、これらの間に4本の柱32が立設された構成となっている。天井フレーム62は四隅に配置された天井仕口部(柱)66を備えており、この天井仕口部66に長さが異なる天井桁大梁42,44の長手方向の端部が溶接されている。同様に、床フレーム64は四隅に配置された床仕口部(柱)68を備えており、この床仕口部68に長さが異なる床桁大梁52、54の長手方向の端部が溶接されている。そして、上下に対向して配置された天井仕口部66と床仕口部68との間に、柱32の上下端部が溶接により剛接合され建物ユニット60が構成される。
【0028】
天井桁大梁42,44や床桁大梁52,54の中間部等の建物102の複数箇所には、前述の加速度センサ104が予め設置されている。加速度センサ104は、設置箇所における応答加速度を複数方向(少なくともX方向及びY方向、これにZ方向(鉛直方向)も加えてもよい)について各々検出し、検出結果を点検用コンピュータ110に出力する。
【0029】
次に、制振装置10について説明する。
図2(B)及び
図3に示すように、本実施形態に係る建物ユニット60には、床桁大梁52と天井桁大梁42との間、及び、天井妻大梁44と床妻大梁54との間に制振装置10が各々取り付けられている。なお、以下では、床桁大梁52と天井桁大梁42との間に取付けられた制振装置10を例に説明する。
【0030】
図3に示すように、本実施形態に係る制振装置10はフレーム12、ダンパ74、ダンパ取付支柱72を備えている。床桁大梁52は、図示しないアンカーボルトにて基礎36に固定されており、床桁大梁52の上面には、制振装置10を構成するフレーム12がフランジ板20を介して固定されている。フレーム12は、鉛直方向に延びる鋼製の第1の柱部材14、及び第1の柱部材14に対して傾斜する第2の柱部材16を備えている。なお、フレーム12の形状は他の形状であっても良い。第1の柱部材14は、上側側面にダンパ取付部材70が溶接等で固着されている。
【0031】
また、天井桁大梁42の下面にはダンパ取付支柱72がボルト等で固定されている。ダンパ取付支柱72とダンパ取付部材70との間にはダンパ74が水平に配置されており、ダンパ74は、一端がピン48を介してダンパ取付部材70に連結され、他端がピン48を介してダンパ取付支柱72に連結されている。なお、ダンパ取付支柱72の長さ(鉛直方向)は、フレーム12の長さ(鉛直方向)に対して極めて短く設定されている。これにより、ダンパ取付支柱72に力が作用した時のダンパ取付支柱72の面外方向の倒れ込み変形量が極力抑えられている。
【0032】
ダンパ74は、ダンパ取付部材70とダンパ取付支柱72との相対変位時に減衰力を発生するものであればよい。一例として、作動流体としてオイルが筒状の容器に封入されたオイルダンパでもよいし、作動流体として粘弾性流体が容器に封入された粘弾性ダンパでもよく、周知のダンパを適用することができる。また、本実施形態に係るダンパ74には減衰力調整機構が設けられている。この減衰力調整機構としては、例えばダンパ74の筒体の側部に設けられた調整ダイアルが手動で回転されると、この回転力を筒体内部に設けられたバルブに伝達し、調整ダイアルの回転と連動してバルブの開度を変化させる。かかるバルブの開度の変化に伴い作動流体が通過する流路の断面積が変化するので、作動流体の容器内の移動の程度を変更でき、ダンパ74の減衰力が変化する。ダンパ74の減衰力が向上すると、建物102の固有周期は減少する。また、ダンパ74の減衰力を低下させると、建物102の固有周期は増加する。
【0033】
上記構成の制振装置10は床桁大梁52と天井桁大梁42との間、及び、天井妻大梁44と床妻大梁54との間に各々取り付けられる。床桁大梁52と天井桁大梁42との間に取り付けられた制振装置10は、床桁大梁52及び天井桁大梁42の長手方向(
図2(B)の矢印X方向)の相対変位に対してダンパ74が伸縮することで減衰力を発生する。かかる減衰力により、建物102の振動のうち矢印X方向の振動成分を抑制する。また、天井妻大梁44と床妻大梁54との間に取り付けられた制振装置10は、天井妻大梁44及び床妻大梁54の長手方向(
図2(B)の矢印Y方向)の相対変位に対してダンパ74が伸縮することで減衰力を発生し、建物102の振動のうち矢印Y方向の振動成分を抑制する。
【0034】
図4は、本実施の形態に係る建物102への錘80の設置の例を示す模式図である。
図4(A)は建物ユニットの天井桁大梁42に錘80を設置した場合、
図4(B)は建物ユニットの天井妻大梁44に錘80を設置した場合を各々示している。本実施の形態では、制振装置10のみならず、錘80の設置によっても建物102の固有周期を調整する。
【0035】
例えば、錘80を重くすることで、建物102の固有周期は長くなり、錘80を軽くすることで、建物102の固有周期は短くなる。錘80の質量、設置個数、天井桁大梁42に載せるか、天井妻大梁44に載せるかは、前述の微小加速度入力装置108を用いて実際に建物102の固有周期を測定して決定することが好ましい。
【0036】
錘80は、高密度な材質で出来たもので、天井桁大梁42又は天井妻大梁44に確実に固定できるものであればよい。一例として、天井桁大梁42又は天井妻大梁44にボルト等によって固定できる鋼製の分銅が錘80として使用できる。
【0037】
図4(A)、
図4(B)のいずれの場合も、錘80は柱32の最寄に設置されている。柱32から離れた、例えば、大梁の中央部等に錘80を設置すると大梁を湾曲させる応力が生じるのみならず、大梁が梃子となり柱32にも過大な応力が掛かるので好ましくない。
【0038】
図5は、本実施の形態に係る制振システム100における建物102及び地盤の固有周期が適切か否かの判定に係る制振性能点検処理の一例を示すフローチャートである。ステップ500では、地震発生又は微小加速度入力装置108を用いた所定の打撃位置での打撃によって、建物102に加えられた揺れのデータを取得する。なお、所定の打撃位置は、一例として、建物ユニット60の床桁大梁52又は床妻大梁54である。本実施の形態では、所定の打撃位置は点検用コンピュータ110の建物情報DBに登録されている。
【0039】
ステップ502では、建物102及び地盤の固有周期を算定する。先のステップ500で実地震データを取得した場合には、取得した実地震データに含まれる入力地震波データと点検対象の建物102の応答加速度の測定結果を用いて建物102の固有振動数を算出する。微小加速度入力装置108を用いた場合には、微小加速度入力装置108による打撃によって得たデータに基づき、周波数応答解析を行うことで、建物102固有振動数を算出する。さらに算出した固有振動数から建物102の固有周期が算出される。また、地盤の固有周期は、地盤用受振器120が検知した常時微動のデータをスペクトル解析することにより、算出される。
【0040】
ステップ504では、建物102の固有周期と地盤の固有周期との差が許容範囲であるか否かを判定する。判定は、地震等の大きな揺れを受ける前の建物102の固有周期と地盤の固有周期との差と、大きな揺れを受けた後にステップ502で新たに算出した建物102の固有周期と地盤の固有周期との差とを比較する。この比較により、新たに算出した建物102の固有周期と地盤の固有周期との差が、地震前の建物102の固有周期と地盤の固有周期との差よりも増加していればステップ504では肯定判定をする。逆に、新たに算出した建物102の固有周期と地盤の固有周期との差が、地震前の建物102の固有周期と地盤の固有周期との差よりも減少していればステップ504では否定判定をする。具体的には、例えば以下のようにして判定する。なお、地震等の大きな揺れを受ける前の建物102の固有周期及び地盤の固有周期は、一例として、建物102の設計時の固有周期及び地盤の固有周期である。又は、建物102が未だ地震等の大きな揺れを受けていない時に算出して記憶部110Cに記憶した建物102の固有周期及び地盤の固有周期を地震等の大きな揺れを受ける前の建物102の固有周期及び地盤の固有周期としてもよい。
【0041】
(例1)
地震前:建物の固有周期Tb=0.3秒、地盤の固有周期Tg=0.5秒
地震後:建物の固有周期Tb=0.4秒、地盤の固有周期Tg=0.5秒
建物の固有周期と地盤の固有周期との差が地震に伴い減少しているので、否定判定。
(例2)
地震前:建物の固有周期Tb=0.3秒、地盤の固有周期Tg=0.5秒
地震後:建物の固有周期Tb=0.2秒、地盤の固有周期Tg=0.5秒
建物の固有周期と地盤の固有周期との差が地震に伴い増加しているので、肯定判定。
(例3)
地震前:建物の固有周期Tb=0.5秒、地盤の固有周期Tg=0.3秒
地震後:建物の固有周期Tb=0.6秒、地盤の固有周期Tg=0.3秒
建物の固有周期と地盤の固有周期との差が地震に伴い増加しているので、肯定判定。
(例4)
地震前:建物の固有周期Tb=0.3秒、地盤の固有周期Tg=0.5秒
地震後:建物の固有周期Tb=0.4秒、地盤の固有周期Tg=0.5秒
建物の固有周期と地盤の固有周期との差が地震に伴い減少しているので、否定判定。
【0042】
上記の例2、例3のように肯定判定の場合には、建物102は特に対策を要しないので、処理を終了する。上記の例1、例4のように否定判定の場合には、ステップ506で、ダンパ74の減衰力の調整又は錘80の質量の変更により建物102の固有周期を調整する。ダンパ74の減衰力を小さくすることで、建物102の固有周期は長くなり、ダンパ74の減衰力を大きくすることで、建物102の固有周期は短くなる。また、錘80を重くすることで、建物102の固有周期は長くなり、錘80を軽くすることで、建物102の固有周期は短くなる。
【0043】
ステップ506の処理の後は、ステップ500において、建物102及び地盤の揺れを測定し、ステップ502で、建物及び地盤の固有周期を算出する。そして、ステップ504で算出した各固有周期の差が許容範囲か否かを判定し、肯定判定の場合には処理を終了する。ステップ504で否定判定の場合には、再びステップ506で建物102の固有周期の調整を行う。
【0044】
以上のように、本実施の形態では、記憶部110Cに記憶した建物102の固有周期及び地盤の固有周期と新たに算出した建物102の固有周期及び地盤の固有周期とを比較して、ダンパ74又は錘80の調整の要否を判定する。本実施の形態では、かかる判定に基づいて、竣工後に建物102の振動特性を調整することができる。