特許第6116588号(P6116588)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6116588フレキシブルコイルを使用する誘導タッチセンサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6116588
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】フレキシブルコイルを使用する誘導タッチセンサ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/02 20060101AFI20170410BHJP
   G06F 3/046 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   G06F3/02 A
   G06F3/046 Z
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-553392(P2014-553392)
(86)(22)【出願日】2013年1月17日
(65)【公表番号】特表2015-508191(P2015-508191A)
(43)【公表日】2015年3月16日
(86)【国際出願番号】US2013021833
(87)【国際公開番号】WO2013109687
(87)【国際公開日】20130725
【審査請求日】2016年1月15日
(31)【優先権主張番号】13/355,206
(32)【優先日】2012年1月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397050741
【氏名又は名称】マイクロチップ テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROCHIP TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ポーター, スティーブン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】テルマー, ダン
【審査官】 塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−207629(JP,A)
【文献】 特開2002−236059(JP,A)
【文献】 実開昭60−001045(JP,U)
【文献】 特許第3943876(JP,B2)
【文献】 特開昭54−114278(JP,A)
【文献】 特開2011−185858(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/034677(WO,A1)
【文献】 特開昭53−142680(JP,A)
【文献】 特開2007−218892(JP,A)
【文献】 特開2005−321592(JP,A)
【文献】 特開2010−176438(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0084933(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L5/00−5/28
G06F3/02−3/047
H01H13/00−13/88
25/00−25/06
36/00−36/02
89/00
H03K17/74−17/98
H03M11/04
11/08−11/14
11/20−11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導タッチセンサであって、前記誘導タッチセンサは、
物体によってタッチされるように構成されているフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板と機械的に連絡しているインダクタであって、前記インダクタおよび前記フレキシブル基板は、第1の位置および第2の位置を有し、前記フレキシブル基板および前記インダクタは、力がそこに印加されるときに、前記第2の位置をとり、前記フレキシブル基板および前記インダクタは、前記力が取り除かれるときに、前記第1の位置に戻り、前記フレキシブル基板およびインダクタは、前記力がそこに印加されないときに、凸状であり、前記力がそこに印加されるときに、より凸状でない、インダクタと
を備え、前記インダクタは、前記第1の位置にあるとき、第1のインダクタンス値を有し、前記第2の位置にあるとき、第2のインダクタンス値を有する、誘導タッチセンサ。
【請求項2】
前記第1のインダクタンス値は、前記第2のインダクタンス値よりも小さい、請求項1に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項3】
前記フレキシブル基板は、その中に隙間を有することにより、前記力が前記フレキシブル基板およびインダクタに印加されるかどうかに応じて、前記インダクタのコイル巻線間の距離が増加および減少することを可能にする、請求項1に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項4】
前記コイル巻線間の距離は、前記力が印加されるときに、減少する、請求項に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項5】
前記フレキシブル基板およびインダクタは、前記力がそこに印加されないとき、凸状であり、前記力がそこに印加されるとき、実質的に平坦である、請求項1に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項6】
前記インダクタは、前記フレキシブル基板内に埋め込まれている、請求項1に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項7】
前記インダクタは、前記フレキシブル基板と隣接する、請求項1に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項8】
支持基板と、
前記支持基板と前記フレキシブル基板との間のリッジスペーサであって、前記支持基板、リッジスペーサ、およびフレキシブル基板は、空洞を形成する、リッジスペーサと
をさらに備える、請求項1に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項9】
前記空洞は、フレキシブル材料で充填されている、請求項に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項10】
前記空洞内および前記支持基板の内側面上に伝導性接地板をさらに備え、前記伝導性接地板は、前記第2の位置にあるとき、前記インダクタの前記第2のインダクタンス値に影響を及ぼす、請求項に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項11】
前記空洞内および前記支持基板の内側面上に磁気材料をさらに備え、前記磁気材料は、前記第2の位置にあるとき、前記インダクタの前記第2のインダクタンス値に影響を及ぼす、請求項に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項12】
前記磁気材料は、フェライトおよび鉄粉(powered iron)から成る群から選択される、請求項11に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項13】
前記インダクタのインダクタンス値を測定するために、前記インダクタに結合された電子回路をさらに備える、請求項1に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項14】
前記電子回路は、混合信号集積回路デバイスである、請求項13に記載の誘導タッチセンサ。
【請求項15】
誘導タッチセンサパネルであって、前記誘導タッチセンサパネルは、
マトリクスに配列された複数のタッチキーエリアに分割されているフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板と機械的に連絡している複数のインダクタであって、前記複数のインダクタのそれぞれは、前記複数のタッチキーエリアの対応する1つと関連付けられ、前記複数のインダクタおよび前記複数のタッチキーエリアのそれぞれは、第1の位置および第2の位置を有し、各タッチキーエリアおよびインダクタは、力がそこに印加されるときに、前記第2の位置をとり、各タッチキーエリアおよびインダクタは、前記力が取り除かれるときに、前記第1の位置に戻り、各タッチキーエリアおよびインダクタは、前記力がそこに印加されないときに、凸状であり、前記力がそこに印加されるときに、より凸状でなく、前記インダクタは、前記第1の位置にあるとき、第1のインダクタンス値を有し、前記第2の位置にあるとき、第2のインダクタンス値を有する、インダクタと、
支持基板と、
前記支持基板と複数のタッチキーエリアのそれぞれとの間のリッジスペーサであって、前記支持基板リッジスペーサ、および前記複数のタッチキーエリアは、複数の空洞を形成する、リッジスペーサと
を備える、誘導タッチセンサパネル。
【請求項16】
誘導タッチセンサであって、前記誘導タッチセンサは、
フレキシブル基板と、
支持基板と、
前記支持基板と前記フレキシブル基板との間のリッジスペーサであって、前記支持基板、リッジスペーサ、およびフレキシブル基板は、空洞を形成する、リッジスペーサと、
コイル状バネを備えるインダクタであって、前記インダクタの第1の端部は、前記フレキシブル基板と機械的に連絡しており、かつ、フレキシブル基板の内側表面上に配置されたフレキシブル導体を介して電気的に連絡しており、前記インダクタの第2の端部は、前記支持基板上に配置された伝導性接地板と機械的および電気的に連絡している、インダクタと
を備え、前記インダクタは、第1の位置にあるとき、第1のインダクタンス値を有し、第2の位置にあるとき、第2のインダクタンス値を有し、
前記インダクタは、力が前記フレキシブル基板に印加されるときに、前記第2の位置をとる、誘導タッチセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本開示は、誘導タッチセンサに関し、より具体的には、フレキシブルコイルを使用する誘導タッチセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
誘導タッチセンサ技術は、容量タッチセンサ技術の代替として使用され得る。現在の技術の誘導タッチセンサは、標的(タッチまたは押圧される表面)、スペーサ、およびインダクタンスコイルを備える。標的が作動される(例えば、タッチされる)と、コイルインダクタンスは、値が変化する。コイルのインダクタンス値のこの変化の検出は、誘導タッチセンサの作動を示す。誘導タッチパネルの製造は、複数の誘導タッチセンサを含み、概して、製品の最終組立において、印刷回路基板(PCB)上にエッチングおよび挟着されたセンサの組立を要求する。スペーサが、各キーまたはボタンに対して1つずつのインダクタンスコイルを含むPCBと、各キーまたはボタンに対する標的との間に設置されなければならない。現在の製造技術は、PCB、スペーサを生産し、スペーサをPCBに積層し、次いで、PCB/スペーサアセンブリを標的パネルに装着することから成る。厳しい許容差が、標的とインダクタンス値を変化させる誘導コイルとの間に要求される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(概要)
必要とされるのは、タッチパネル内で使用されることができる誘導タッチセンサを製造するための簡略化され、かつ安価な方法である。
【0004】
ある実施形態によると、誘導タッチセンサは、フレキシブル基板と、フレキシブル基板と機械的に連絡しているインダクタを備えてもよく、インダクタおよびフレキシブル基板は、第1の位置および第2の位置を有し、フレキシブル基板およびインダクタは、力がそこに印加されると、第2の位置をとり、インダクタは、第1の位置にあるとき、第1のインダクタンス値を有し、第2の位置にあるとき、第2のインダクタンス値を有する。
【0005】
さらなる実施形態によると、第1のインダクタンス値は、第2のインダクタンス値よりも大きい。さらなる実施形態によると、第1のインダクタンス値は、第2のインダクタンス値よりも小さい。さらなる実施形態によると、フレキシブル基板は、その中に隙間を有することにより、力がフレキシブル基板およびインダクタに印加されるかどうかに応じて、インダクタのコイル巻線間の距離が、増加および減少することを可能にする。さらなる実施形態によると、コイル巻線間の距離は、力が印加されると、増加する。さらなる実施形態によると、コイル巻線間の距離は、力が印加されると、減少する。
【0006】
さらなる実施形態によると、フレキシブル基板およびインダクタは、力がそこに印加されないとき、実質的に平坦であり、力がそこに印加されるとき、凹状である。さらなる実施形態によると、フレキシブル基板およびインダクタは、力がそこに印加されないとき、凸状であり、力がそこに印加されるとき、より凸状でない。さらなる実施形態によると、フレキシブル基板およびインダクタは、力がそこに印加されないとき、凸状であり、力がそこに印加されるとき、実質的に平坦である。さらなる実施形態によると、インダクタは、フレキシブル基板内に埋め込まれる。さらなる実施形態によると、インダクタは、フレキシブル基板と隣接する。
【0007】
さらなる実施形態によると、支持基板および支持基板とフレキシブル基板との間のリッジスペーサが、追加され、支持基板、リッジスペーサ、およびフレキシブル基板は、空洞を形成する。さらなる実施形態によると、空洞は、フレキシブル材料で充填される。
【0008】
さらなる実施形態によると、空洞内および支持基板の内側面上に伝導性接地板が、追加され、伝導性接地板は、第2の位置にあるとき、インダクタの第2のインダクタンス値に影響を及ぼす。
【0009】
さらなる実施形態によると、空洞内および支持基板の内側面上に磁気材料が、追加され、磁気材料は、第2の位置にあるとき、インダクタの第2のインダクタンス値に影響を及ぼす。さらなる実施形態によると、磁気材料は、フェライトおよび鉄粉(powered iron)から成る群から選択される。
【0010】
さらなる実施形態によると、電子回路が、インダクタのインダクタンス値を測定するために、インダクタに結合される。さらなる実施形態によると、電子回路は、混合信号集積回路デバイスである。
【0011】
別の実施形態によると、誘導タッチセンサパネルは、マトリクスに配列された複数のタッチキーエリアに分割されているフレキシブル基板と、フレキシブル基板と機械的に連絡している複数のインダクタであって、複数のインダクタのそれぞれは、複数のタッチキーエリアの対応する1つと関連付けられ、複数のインダクタおよび複数のタッチキーエリアのそれぞれは、第1の位置および第2の位置を有し、各タッチキーエリアおよびインダクタは、力がそこに印加されると、第2の位置をとり、インダクタは、第1の位置にあるとき、第1のインダクタンス値を有し、第2の位置にあるとき、第2のインダクタンス値を有する、インダクタと、支持基板と、支持基板と複数のタッチキーエリアのそれぞれとの間のリッジスペーサであって、支持基板、リッジスペーサ、および複数のタッチキーエリアは、複数の空洞を形成する、リッジスペーサとを備えてもよい。
【0012】
さらに別の実施形態によると、誘導タッチセンサは、フレキシブル基板と、支持基板と、支持基板とフレキシブル基板との間のリッジスペーサであって、支持基板、リッジスペーサ、およびフレキシブル基板は、空洞を形成する、リッジスペーサと、コイル状バネを備えるインダクタであって、インダクタの第1の端部は、フレキシブル基板と機械的および電気的に連絡しており、インダクタの第2の端部は、支持基板と機械的および電気的に連絡している、インダクタとを備えてもよく、インダクタは、第1の位置にあるとき、第1のインダクタンス値を有し、第2の位置にあるとき、第2のインダクタンス値を有し、インダクタは、力がフレキシブル基板に印加されると、第2の位置をとる。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
誘導タッチセンサであって、前記誘導タッチセンサは、
フレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板と機械的に連絡しているインダクタであって、前記インダクタおよび前記フレキシブル基板は、第1の位置および第2の位置を有し、前記フレキシブル基板および前記インダクタは、力がそこに印加されると、前記第2の位置をとる、インダクタと
を備え、前記インダクタは、前記第1の位置にあるとき、第1のインダクタンス値を有し、前記第2の位置にあるとき、第2のインダクタンス値を有する、誘導タッチセンサ。
(項目2)
前記第1のインダクタンス値は、前記第2のインダクタンス値よりも大きい、項目1に記載の誘導タッチセンサ。
(項目3)
前記第1のインダクタンス値は、前記第2のインダクタンス値よりも小さい、項目1に記載の誘導タッチセンサ。
(項目4)
前記フレキシブル基板は、その中に隙間を有することにより、前記力が前記フレキシブル基板およびインダクタに印加されるかどうかに応じて、前記インダクタのコイル巻線間の距離が増加および減少することを可能にする、項目1に記載の誘導タッチセンサ。
(項目5)
前記コイル巻線間の距離は、前記力が印加されると、増加する、項目4に記載の誘導タッチセンサ。
(項目6)
前記コイル巻線間の距離は、前記力が印加されると、減少する、項目4に記載の誘導タッチセンサ。
(項目7)
前記フレキシブル基板およびインダクタは、前記力がそこに印加されないとき、実質的に平坦であり、前記力がそこに印加されるとき、凹状である、項目1に記載の誘導タッチセンサ。
(項目8)
前記フレキシブル基板およびインダクタは、前記力がそこに印加されないとき、凸状であり、前記力がそこに印加されるとき、より凸状でない、項目1に記載の誘導タッチセンサ。
(項目9)
前記フレキシブル基板およびインダクタは、前記力がそこに印加されないとき、凸状であり、前記力がそこに印加されるとき、実質的に平坦である、項目1に記載の誘導タッチセンサ。
(項目10)
前記インダクタは、前記フレキシブル基板内に埋め込まれている、項目1に記載の誘導タッチセンサ。
(項目11)
前記インダクタは、前記フレキシブル基板と隣接する、項目1に記載の誘導タッチセンサ。
(項目12)
支持基板と、
前記支持基板と前記フレキシブル基板との間のリッジスペーサであって、前記支持基板、リッジスペーサ、およびフレキシブル基板は、空洞を形成する、リッジスペーサと
をさらに備える、項目1に記載の誘導タッチセンサ。
(項目13)
前記空洞は、フレキシブル材料で充填されている、項目12に記載の誘導タッチセンサ。
(項目14)
前記空洞内および前記支持基板の内側面上に伝導性接地板をさらに備え、前記伝導性接地板は、前記第2の位置にあるとき、前記インダクタの前記第2のインダクタンス値に影響を及ぼす、項目12に記載の誘導タッチセンサ。
(項目15)
前記空洞内および前記支持基板の内側面上に磁気材料をさらに備え、前記磁気材料は、前記第2の位置にあるとき、前記インダクタの前記第2のインダクタンス値に影響を及ぼす、項目12に記載の誘導タッチセンサ。
(項目16)
前記磁気材料は、フェライトおよび鉄粉(powered iron)から成る群から選択される、項目15に記載の誘導タッチセンサ。
(項目17)
前記インダクタのインダクタンス値を測定するために、前記インダクタに結合された電子回路をさらに備える、項目1に記載の誘導タッチセンサ。
(項目18)
前記電子回路は、混合信号集積回路デバイスである、項目1に記載の誘導タッチセンサ。
(項目19)
誘導タッチセンサパネルであって、前記誘導タッチセンサパネルは、
マトリクスに配列された複数のタッチキーエリアに分割されているフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板と機械的に連絡している複数のインダクタであって、前記複数のインダクタのそれぞれは、前記複数のタッチキーエリアの対応する1つと関連付けられ、前記複数のインダクタおよび前記複数のタッチキーエリアのそれぞれは、第1の位置および第2の位置を有し、各タッチキーエリアおよびインダクタは、力がそこに印加されると、前記第2の位置をとり、前記インダクタは、前記第1の位置にあるとき、第1のインダクタンス値を有し、前記第2の位置にあるとき、第2のインダクタンス値を有する、インダクタと、
支持基板と、
前記支持基板と複数のタッチキーエリアのそれぞれとの間のリッジスペーサであって、前記支持基板、前記リッジスペーサ、および前記複数のタッチキーエリアは、複数の空洞を形成する、リッジスペーサと
を備える、誘導タッチセンサパネル。
(項目20)
誘導タッチセンサであって、前記誘導タッチセンサは、
フレキシブル基板と、
支持基板と、
前記支持基板と前記フレキシブル基板との間のリッジスペーサであって、前記支持基板、リッジスペーサ、およびフレキシブル基板は、空洞を形成する、リッジスペーサと、
コイル状バネを備えるインダクタであって、前記インダクタの第1の端部は、前記フレキシブル基板と機械的および電気的に連絡しており、前記インダクタの第2の端部は、前記支持基板と機械的および電気的に連絡している、インダクタと
を備え、前記インダクタは、第1の位置にあるとき、第1のインダクタンス値を有し、第2の位置にあるとき、第2のインダクタンス値を有し、
前記インダクタは、力が前記フレキシブル基板に印加されると、前記第2の位置をとる、誘導タッチセンサ。
【0013】
本開示のより完全な理解は、付随の図面と関連して検討される、以下の説明を参照することに
よって得られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本開示の特定の例示的実施形態による、非作動状態および作動状態の誘導タッチキーの渦巻コイルとして形成されるインダクタの概略平面図を図示する。
図2図2は、本開示の別の特定の例示的実施形態による、非作動状態および作動状態の誘導タッチキーの渦巻コイルとして形成されるインダクタの概略平面図を図示する。
図3図3は、本開示の特定の例示的実施形態による、図1または図2に示される誘導タッチキーのインダクタの概略立面切断図を図示する。
図4図4は、本開示の特定の例示的実施形態による、図1または図2に示される誘導タッチキーのインダクタの概略立面切断図を図示する。
図5図5は、本開示の特定の例示的実施形態による、図4に示されるインダクタおよび基板を使用する誘導タッチキーの概略立面切断図を図示する。
図6図6は、本開示のさらに別の特定の例示的実施形態による、非作動状態および作動状態の誘導タッチキーのバネコイルとして形成されるインダクタの概略立面図を図示する。
図7図7は、本開示の特定の例示的実施形態による、図6に示されるインダクタを使用する誘導タッチキーの概略立面切断図を図示する。
図8図8は、本開示の特定の例示的実施形態による、キーパッドのすべてのキーに典型的である誘導感知コイルを示す誘導タッチキーパッドの概略正面図を図示する。
図9図9は、本開示の特定の例示的実施形態による、図6に示されるような誘導タッチキーパッド、誘導タッチアナログフロントエンド、およびデジタルプロセッサを有する電子システムの概略ブロック図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、種々の修正および代替形態が可能であるが、その特定の例示的実施形態が、図面に図示され、本明細書に詳細に説明される。しかしながら、特定の例示的実施形態の本明細書の説明は、本開示を本明細書に開示される特定の形態に限定することを意図するものではなく、対照的に、本開示は、あらゆる修正および添付の特許請求の範囲によって定義される均等物を網羅するものとすることを理解されたい。
【0016】
(詳細な説明)
誘導タッチセンサは、変形可能基板内または変形可能基板上に配置されたインダクタを備える。力が、変形可能基板に印加されると、インダクタの物理的形状は、変化し、それによって、そのインダクタンス値を変化させる。インダクタンス値の変化は、検出され、誘導タッチセンサの関連付けられたタッチキーの作動を示すために使用されることができる。複数の誘導タッチセンサが、タッチパネルを形成するために使用されてもよい。
【0017】
次に、図面を参照すると、例示的実施形態の詳細が、図式的に図示される。図面中の同様の要素は、同様の番号によって表され、同様の要素は、異なる小文字の添え字を伴う同様の番号によって表される。
【0018】
図1を参照すると、本開示の特定の例示的実施形態による、非作動状態および作動状態の誘導タッチキーの渦巻コイルとして形成されるインダクタの概略平面図が、描写される。本明細書で後により完全に説明されるように、インダクタコイル102aは、非作動状態に示され、インダクタコイル102bは、作動状態に示される。インダクタコイル102は、変形可能基板104内または変形可能基板104上において、実質的に平坦な渦巻構成に巻かれる(図3および4参照)。力、例えば、指押しが、インダクタコイル102および変形可能基板104上にかけられると、インダクタコイル102の電気伝導性巻線は、図1の(b)図に示されるように、さらに離間(分離)する。変形可能基板104は、2つの次元(X軸およびY軸)において変形されて、例えば、伸展されて示される。第3の次元(Z軸は、図3および図4に示される)もまた、基板104を伸展させ、コイル巻線間の距離をさらに増加させる。コイル巻線間の隔たりを増加させることによって、インダクタコイル102のインダクタンス値は、減少する。インダクタンス値のこの変化は、測定され、外部力、例えば、指押しによるインダクタコイル102の起動を示すために使用されることができる。電気接続部522および524は、インダクタコイル102のインダクタンス値の決定のために、インダクタコイル102を電子測定回路(図示せず)に結合するように適合される。スロットが、コイル巻線の分離を促進するように、変形可能基板104内に切り込まれてもよいことが想定され、これは、本開示の範囲内である。
【0019】
図2を参照すると、本開示の別の特定の例示的実施形態による、非作動状態および作動状態の誘導タッチキーの渦巻コイルとして形成されるインダクタの概略平面図が、描写される。本明細書に後により完全に説明されるように、インダクタコイル102aは、非作動状態に示され、インダクタコイル102cは、作動状態に示される。インダクタコイル102は、変形可能基板204内または変形可能基板204上において、実質的に平坦な渦巻構成に巻かれる(図3および図4参照)。力、例えば、指押しが、インダクタコイル102および変形可能基板204上にかけられると、インダクタコイル102の電気伝導性巻線は、図2の(b)図に示されるように、さらに離間(分離)する。変形可能基板204は、1次元(X軸)において、変形されて、例えば、伸展されて示される。第3の次元(Z軸は、図3および図4に示される)もまた、基板204を伸展させ、コイル巻線間の距離をさらに増加させる。コイル巻線間の隔たりを増加させることによって、インダクタコイル102のインダクタンス値は、減少する。インダクタンス値のこの変化は、測定され、外部力、例えば、指押しによるインダクタコイル102の起動を示すために使用されることができる。スロットが、コイル巻線の分離を促進するように、変形可能基板104内に切り込まれてもよいことが想定され、これは、本開示の範囲内である。
【0020】
図3を参照すると、本開示の特定の例示的実施形態による、図1または図2に示される誘導タッチキーのインダクタの概略立面切断図が、描写される。インダクタコイル102は、フレキシブル基板104内に埋め込まれて示される。基板104が、その面上に力を有していないとき、基板104の変形は存在せず、コイル102aの巻線は、その間に距離dを空けて離間される。コイル102a構成は、第1のインダクタンス値を有する。力306が、基板104の面に印加されると、基板104のたわみが生じ、コイル102bの巻線は、さらに離間する。(b)に示されるように、コイル102bの巻線は、その間に距離dを空けて離間され、ここでは、d>dである。このとき、コイル102bは、第1のインダクタンス値未満の第2のインダクタンス値を有する。これは、電子回路によって容易に測定される。
【0021】
コイル102は、基板104の表面上(隣接して)に製作されてもよく、またはコイル102は、いずれの基板も全く有さずに製作されてもよいことが想定され、これは、本開示の範囲内である。コイル102は、自立式であり、その非作動形状に戻るように、変形可能に弾力性があってもよい。コイル102の形状が変化し、コイル102の巻線間の距離が変化する限り、コイル102のインダクタンス値も変化する。図3に示されるように、基板104は、力306がその表面(面)に印加されないとき、通常、平坦であり、力306がそこに印加されると、凹状となる。
【0022】
図4を参照すると、本開示の特定の例示的実施形態による、図1または図2に示される誘導タッチキーのインダクタの概略立面切断図が、描写される。インダクタコイル102は、凸状湾曲フレキシブル基板204内に埋め込まれて示される。凸状湾曲基板204が、その面に力を有していないとき、凸状湾曲基板204の変形は存在せず、凸状湾曲基板204の面は、凸状のままであり、コイル102aの巻線310は、その間に距離dを空けて離間される。コイル102a構成は、第3のインダクタンス値を有する。力306が、基板204の凸状面に印加されると、基板204のたわみが生じ、コイル102bの巻線310は、近寄る。(b)に示されるように、コイル102bの巻線310は、その間に距離dを空けて離間され、ここでは、d>dである。このとき、コイル102bは、第3のインダクタンス値よりも大きい第4のインダクタンス値を有する。これは、電子回路によって容易に測定される。
【0023】
コイル102は、凸状基板204の表面上に製作されてもよく、またはコイル102は、いずれの基板も全く有さずに製作されてもよいことが想定され、これは、本開示の範囲内である。コイル102は、自立式であり、その非作動形状に戻るように、変形可能に弾力性があってもよい。コイル102の形状が変化し、コイル102の巻線間の距離が変化する限り、コイル102のインダクタンス値も変化する。図4に示されるように、基板204は、力306がその表面(面)に印加されないとき、通常、凸状湾曲し、力306がそこに印加されると、実質的に平坦になり得る(例えば、より小さく凸状湾曲する)。図4に示される構成は、キーパッド(図8参照)上の隆起された触知タッチキーに容易に適合される。
【0024】
図5を参照すると、本開示の特定の例示的実施形態による、図4に示されるインダクタおよび基板を使用する誘導タッチキーの概略立面切断図が、描写される。概して、数字500によって表される誘導タッチキーは、凸状湾曲フレキシブル基板504内に埋め込まれた巻線310を有するインダクタコイル102を備え、凸状湾曲フレキシブル基板504は、リッジ付き支持体518および520に取り付けられる。これらのリッジ付き支持体518および520は、複数の誘導タッチキー800(図8参照)に一般的であり得る支持基板512、例えば、印刷回路基板(PCB)から基板504を離間させる。変形可能空間508は、凸状湾曲フレキシブル基板504と支持基板512との間に配置される。変形可能空間508は、空気またはガス(空)であってもよく、または変形可能材料、例えば、発泡体、シリコンゲル等で充填されてもよい。
【0025】
必要に応じて、コイル102のインダクタンス値に影響を及ぼす特性を有する磁気材料510、例えば、フェライト、鉄粉等が、空間508内に位置してもよい。伝導性接地板514が、支持基板512の面上に配置され、例えば、印刷回路基板ビア516によって、接地または電源コモン526に接続されてもよい。本伝導性接地板514の目的は、コイル102の巻線310が伝導性接地板514のより近くに移動される場合に、コイル102のインダクタンス値に影響を及ぼす(増加させる)ことであり、図(b)は、凸状湾曲フレキシブル基板504の面に印加される力306を示す。コイル102の巻線310、接地板514、および/または磁気材料510の間の間隔の変化が、凸状湾曲フレキシブル基板504の面に印加される力306により、支持基板512に対する位置を変化させるので、コイル102のインダクタンス値に影響を及ぼすことが想定され、これは、本開示の範囲内である(図5の図(a)と図(b)を比較されたい)。電気接続部522および524は、そのインダクタンス値を決定するために、インダクタコイル102を電子測定回路(図9参照)に結合するために使用される。
【0026】
図6を参照すると、本開示のさらに別の特定の例示的実施形態による、非作動状態および作動状態の誘導タッチキーのバネコイルとして形成されるインダクタの概略立面図が描写される。本明細書に後により完全に説明されるように、インダクタコイル702aは、非作動状態に示され、インダクタコイル702bは、作動状態に示される。インダクタコイル702は、変形可能バネ形状に巻かれる。力306、例えば、指押しが、インダクタコイル702にかけられると、インダクタコイル702の電気伝導性巻線は、図6の(b)図に示されるように、近寄る。コイル巻線間の隔たりを減少させることによって、インダクタコイル702のインダクタンス値は、増加する。インダクタンス値のこの変化は、測定され、外部力、例えば、指押しによるインダクタコイル702の起動を示すために使用されることができる。
【0027】
図7を参照すると、本開示の特定の例示的実施形態による、図6に示されるインダクタを使用する誘導タッチキーの概略立面切断図が、描写される。概して、数字700によって表される誘導タッチキーは、バネ形状インダクタコイル702と、リッジ付き支持体718および720に取り付けられる凸状湾曲フレキシブル基板704とを備える。これらのリッジ付き支持体718および720は、複数の誘導タッチキー800(図8参照)に一般的であり得る支持基板712、例えば、印刷回路基板(PCB)から、基板704を離間させる。変形可能空間708は、凸状湾曲フレキシブル基板704と支持基板712との間に配置される。変形可能空間708は、空気またはガス(空)であってもよく、または変形可能材料、例えば、発泡体、シリコンゲル等で充填されてもよい。
【0028】
伝導性接地板714が、支持基板712の面上に配置され、例えば、印刷回路基板ビア716によって、接地または電源コモン724に接続されてもよい。本伝導性接地板714の目的は、コイル702の一端に接続することであり、コイル702の他端は、凸状湾曲フレキシブル基板704の内側表面上に配置されたフレキシブル導体であり得る導体722と接続される。力306が凸状湾曲フレキシブル基板704の面に印加されるにつれて、コイル702は、圧縮され、それによって、コイル702のインダクタンス値を増加させる(図7の図(a)と図(b)を比較されたい)。電気接続部722および724は、インダクタコイル702のインダクタンス値を決定するために、インダクタコイル702を電子測定回路(図9参照)に結合するために使用される。
【0029】
図8を参照すると、本開示の特定の例示的実施形態による、キーパッドの全キーに典型的である誘導感知コイルを示す誘導タッチキーパッドの概略正面図が描写される。概して、数字800によって表されるキーパッドは、複数の誘導タッチセンサ802を備える誘導タッチセンサキー804のマトリクスとして構成される。複数の誘導タッチセンサ802のそれぞれ1つには、本明細書に上記により完全に説明されたような、力306が印加されると変化するインダクタンス値を有するコイル802がある。
【0030】
図9を参照すると、本開示の特定の例示的実施形態による、図8に示されるような誘導タッチキーパッドと、誘導タッチアナログフロントエンドと、デジタルプロセッサとを有する電子システムの概略ブロック図が描写される。デジタルプロセッサ950(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理アレイ(PLA)等)が、誘導タッチアナログフロントエンド(AFE)952および誘導タッチセンサキーのマトリクス800(例えば、プッシュボタン、標的等)に結合される。デジタルプロセッサ950およびAFE952は、混合信号(アナログおよびデジタル回路)集積回路デバイスの一部であってもよい。
【0031】
誘導タッチAFE952は、単一の低コスト集積回路デバイスを用いて、例えば、関連付けられた誘導センサのインダクタンス値を変化させる標的キーを押すことおよびたわませることによって、誘導センサが作動するときを決定する際に使用される全アクティブ機能を促進する。誘導タッチAFE952は、誘導タッチセンサキーのマトリクス800の各センサのインダクタンス値を測定し、インダクタンス値をそれぞれのアナログ直流(dc)電圧に変換し、そのアナログ直流(dc)電圧は、デジタルプロセッサ950によって読み取られ、デジタル値に変換される。標準的アナログ構成要素が、別個のアナログフロントエンド(AFE)を作製するために使用されてもよく、電子回路設計の当業者および本開示の利点を有する者が、そのような別個のAFEを容易に設計し得ることが想定され、これは、本開示の範囲内である。
【0032】
デジタルプロセッサ950は、クロックおよび制御機能を誘導タッチAFE952に供給し、誘導タッチAFE952のアナログ電圧検出器出力を読み取り、誘導タッチセンサキーのマトリクス800の各キーを選択する。誘導タッチセンサキーのマトリクス800のキーの作動が、決定されると、デジタルプロセッサ950は、その中にプログラムされたように、適切な措置を講じる。
【0033】
本開示の実施形態が、本開示の例示的実施形態を参照することによって、描写、説明、および定義されたが、そのような参照は、本開示の限定を含意するものではなく、そのような限定が、推察されるものでもない。開示される主題は、当業者および本開示の利点を有する者に想起されるように、形態および機能において多数の修正、改変、および均等物が可能である。本開示の描写および説明される実施形態は、実施例にすぎず、本開示の範囲の包括ではない。
図1(a)】
図1(b)】
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9