特許第6116688号(P6116688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6116688電気的な接触接続部を備える複合ガラス板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6116688
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】電気的な接触接続部を備える複合ガラス板
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/12 20060101AFI20170410BHJP
   H01L 31/048 20140101ALI20170410BHJP
   H01L 31/042 20140101ALI20170410BHJP
   C03C 17/40 20060101ALI20170410BHJP
   C03C 17/36 20060101ALI20170410BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   C03C27/12 L
   H01L31/04 560
   H01L31/04 500
   C03C27/12 N
   C03C17/40
   C03C17/36
   B32B17/10
【請求項の数】24
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-524690(P2015-524690)
(86)(22)【出願日】2013年6月28日
(65)【公表番号】特表2015-526375(P2015-526375A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】EP2013063630
(87)【国際公開番号】WO2014019780
(87)【国際公開日】20140206
【審査請求日】2015年3月30日
(31)【優先権主張番号】12178806.1
(32)【優先日】2012年8月1日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512212885
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
【氏名又は名称原語表記】Saint−Gobain Glass France
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ベアンハート ロイル
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター シャル
【審査官】 吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−522391(JP,A)
【文献】 特開2009−015152(JP,A)
【文献】 特開平10−253995(JP,A)
【文献】 実開昭63−149935(JP,U)
【文献】 特表2005−533739(JP,A)
【文献】 特開平03−208840(JP,A)
【文献】 特開2003−176154(JP,A)
【文献】 特開平08−244562(JP,A)
【文献】 特開平07−149549(JP,A)
【文献】 実開昭63−154639(JP,U)
【文献】 米国特許第5099104(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 27/12
B32B 17/06 − 17/10
B60J 1/00
B60S 1/02
C03C 17/36 − 17/40
H01L 31/042 −31/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的な接触接続部を備える複合ガラス板であって、少なくとも、
−熱可塑性の中間層(4)を介して互いに面状に結合された第1のガラス板(1)及び第2のガラス板(2)と、
−前記第1のガラス板(1)の少なくとも内側表面(I)に設けられた、少なくとも1つの導電性の被覆(3)と、
−該導電性の被覆(3)の領域に設けられた少なくとも1つの集合導体(5)と、
−該集合導体(5)の少なくとも1つの領域に設けられた、少なくとも1つの導電性のコンタクト帯材(6)とを有しており、
該コンタクト帯材(6)は、少なくとも1つの電気的なリード線(7)に接続されており、前記コンタクト帯材(6)の少なくとも1つの領域は、前記集合導体(5)と直接に接触しており、
前記集合導体(5)と前記コンタクト帯材(6)の領域との間に、機械的な結合部は一切存在しない、
ことを特徴とする、電気的な接触接続部を備える複合ガラス板。
【請求項2】
前記集合導体(5)と前記コンタクト帯材(6)の領域との間に、う材料又は接着剤を介した結合部は一切存在しない、請求項1記載の複合ガラス板。
【請求項3】
前記コンタクト帯材(6)は、導電性の箔のストリップとして形成されていて、10μm〜500μm厚さを有しており、且つ、錫メッキされた銅、銀、金、アルミニウム、亜鉛、タングステン及び錫のうちの1つを含んでいる、請求項1又は2記載の複合ガラス板。
【請求項4】
前記コンタクト帯材(6)は、10mm〜100mm長さLkび2mm〜40mm幅Bkを有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の複合ガラス板。
【請求項5】
前記コンタクト帯材(6)の長さLkは、前記集合導体(5)の長さLsの80%〜120%ある、請求項1から3までのいずれか1項記載の複合ガラス。
【請求項6】
前記コンタクト帯材(6)は、前記集合導体(5)と全面的に直接に接触している、請求項1から5までのいずれか1項記載の複合ガラス板。
【請求項7】
前記コンタクト帯材(6)は、前記集合導体(5)よりも大きな幅を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の複合ガラス板。
【請求項8】
前記コンタクト帯材(6)は、気的な接続部材(10)を介して、前記電気的なリード線(7)に接続されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の複合ガラス板。
【請求項9】
前記コンタクト帯材(6)は、前記集合導体(5)に接着帯材(8)によって位置固定されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の複合ガラス板。
【請求項10】
前記コンタクト帯材(6)と、前記第2のガラス板(2)との間に、押圧部材(9)が配置されており、該押圧部材(9)は、少なくともポリマー、金属又は合金を含んでおり且つ200μm以上の厚さを有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の複合ガラス板。
【請求項11】
前記集合導体(5)は、焼成されたスクリーン印刷ペーストとして形成されていて、銀粒子を含んでおり、且つ5μm〜40μm厚さを有している、請求項1から10までのいずれか1項記載の複合ガラス板。
【請求項12】
前記電気的なリード線(7)は、箔導体として形成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の複合ガラス板。
【請求項13】
電気的な接触接続部を備える複合ガラス板を製造する方法であって、少なくとも、
イ)第1のガラス板(1)の表面(I)に導電性の被覆(3)を付与し、
ロ)該導電性の被覆(3)の領域に、少なくとも1つの集合導体(5)を付与し、
ハ)前記第1のガラス板(1)の表面(I)に熱可塑性の中間層(4)を配置し、該熱可塑性の中間層(4)に第2のガラス板(2)を配置し、電気的なリード線(7)に接続された、少なくとも1つの導電性のコンタクト帯材(6)を配置し、これにより該コンタクト帯材(6)の少なくとも1つの領域を、前記集合導体(5)と直接に接触させ、
ニ)前記第1のガラス板(1)を、前記熱可塑性の中間層(4)を介して前記第2のガラス板(2)に結合する、
ことを含んでおり、
前記集合導体(5)と前記コンタクト帯材(6)の領域との間に、機械的な結合部は一切存在しない、
ことを特徴とする、電気的な接触接続部を備える複合ガラス板を製造する方法。
【請求項14】
前記方法ステップ ハ)において、前記コンタクト帯材(6)を前記集合導体(5)に配置し、次いで前記熱可塑性の中間層(4)を前記表面(I)に配置する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記方法ステップ ハ)において、前記コンタクト帯材(6)を前記熱可塑性の中間層(4)に取り付け、次いで該熱可塑性の中間層(4)を前記コンタクト帯材(6)と共に、前記表面(I)に配置する、請求項13記載の方法。
【請求項16】
加熱可能なガラス板、アンテナ機能を有するガラス板、切換又は制御可能な光学特性を有するガラス板、又は太陽電池モジュールしての、請求項1から12までのいずれか1項記載の複合ガラス板の使用。
【請求項17】
前記コンタクト帯材(6)は、15μm〜200μmの厚さを有している、請求項3記載の複合ガラス板。
【請求項18】
前記コンタクト帯材(6)は、20mm〜60mmの長さLk、及び、5mm〜30mmの幅Bkを有している、請求項4記載の複合ガラス板。
【請求項19】
前記コンタクト帯材(6)の長さLkは、前記集合導体(5)の長さLsの90%〜110%である、請求項5記載の複合ガラス。
【請求項20】
前記電気的な接続部材(10)は前記コンタクト帯材(6)と一体的に形成されている、請求項8記載の複合ガラス板。
【請求項21】
前記集合導体(5)は、8μm〜20μmの厚さを有しており、且つ、2mm〜30mmの幅Bsを有している、請求項11記載の複合ガラス板。
【請求項22】
前記集合導体(5)は、2mm〜30mmの幅Bsを有している、請求項11記載の複合ガラス板。
【請求項23】
前記集合導体(5)は、4mm〜20mmの幅Bsを有している、請求項11記載の複合ガラス板。
【請求項24】
前記電気的なリード線(7)は、ろう材料又は導電性の接着剤によって前記コンタクト帯材(6)に結合されている、請求項12記載の複合ガラス板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な接触接続部を備える複合ガラス板、該複合ガラス板の製造方法及び使用に関する。
【0002】
複数の個別のガラス板のうちの1つのガラス板の内側表面に、導電性の被覆を有する複合ガラス板が公知であり、導電性の被覆は電気的に接触接続しており、つまり例えば外部の電圧源又は受信機に電気的に接続されている。このような導電性の被覆は、例えば金属をベースとした加熱可能な被覆である。別の公知の導電性の被覆は、例えばエレクトロクロミック機能素子等の、電気的に切換可能な機能素子又は薄膜太陽電池モジュールの表面電極である。導電性の被覆の電気的な接触接続は、典型的には例えば印刷され且つ焼成された銀ペーストから成る集合導体を介して行われる。集合導体は、外部のリード線、例えば平形導線に、直接に又は薄い銅箔から成るコンタクト帯材を介して導電接続されていてよい。電気的な接触接続部を備える従来の複合ガラス板において、リード線又はコンタクト帯材は、ろう材料又は導電性の接着剤を介して、集合導体に結合されている。この場合、ろう接又は接着は、製造過程における1つの独自のプロセス段階なので、複合ガラス板の製造を困難にしている。
【0003】
本発明の課題は、電気的な接触接続部を備える複合ガラス板を改良して、簡単且つ廉価に製造することができるようにすることにある。
【0004】
本発明のこの課題は、本発明に基づき、請求項1記載の電気的な接触接続部を備える複合ガラス板により解決される。好適な構成は、従属請求項に記載されている。
【0005】
電気的な接触接続部を備える、本発明による複合ガラス板は、少なくとも以下の特徴、即ち:
−熱可塑性の中間層を介して互いに面状に結合された第1のガラス板と第2のガラス板、
−第1のガラス板の少なくとも内側表面に設けられた、少なくとも1つの導電性の被覆、
−導電性の被覆の領域に設けられた少なくとも1つの集合導体、及び
−集合導体の少なくとも1つの領域に設けられた、少なくとも1つの導電性のコンタクト帯材、
を有しており、コンタクト帯材は、少なくとも1つの電気的なリード線に接続されており、コンタクト帯材の少なくとも1つの領域は、集合導体と直接に接触している。
【0006】
第1のガラス板及び第2のガラス板は、それぞれ内側表面と外側表面とを有している。第1のガラス板の内側表面と第2のガラス板の内側表面とは、互いに面しており且つ熱可塑性の中間層を介して互いに結合されている。第1のガラス板の外側表面と第2のガラス板の外側表面とは、互いに反対の側を向いており且つ熱可塑性の中間層とは反対の側を向いている。導電性の被覆は、第1のガラス板の内側表面に付与されている。当然、第2のガラス板の内側表面にも、別の導電性の被覆が付与されていてよい。両ガラス板の外側表面も、被覆を有していてよい。「第1のガラス板」及び「第2のガラス板」という概念は、複合ガラス板の2つのガラス板を区別するために選ばれたものである。これらの概念と、幾何学的な配置形式に関する表現とは一切関係ない。本発明による複合ガラス板が、例えば外部環境に対して内部空間を隔離するために、車両又は建物の開口内に設けられている場合、第1のガラス板は、内部空間又は外部環境に面していてよい。
【0007】
本発明の特別な利点は、コンタクト帯材の少なくとも1つの領域が、集合導体と直接に接触している、という点にある。つまり、集合導体とコンタクト帯材との間の導電接続は、溶融性のろう材料又は導電性の接着剤を介してではなく、コンタクト帯材と集合導体との直接接触により行われる。これにより、複合ガラス板の製造は著しく簡略化される。なぜならば、コンタクト帯材と集合導体とが直接接触しない場合に必要となる方法ステップ、例えば集合導体におけるコンタクト帯材のろう接又は接着が省かれるからである。製造過程がより迅速になり、人件費、設備費及び投資を節約することができる。更に、例えばろう接時、或いはろう接又は接着された結合部に機械的な負荷が加えられた場合に生じるような、集合導体の損傷が、有利に回避される。
【0008】
直接的な接触とは、本発明の意味では機械的な結合(例えば接着又はろう接)無しの接触を云う。つまり、集合導体と、コンタクト帯材の領域との間に、機械的な結合部、特にろう材料又は接着剤による結合部は一切存在していない。
【0009】
本発明では、集合導体は、導電性の被覆の上側に配置されており、コンタクト帯材は、集合導体の上側に配置されている。つまり、集合導体は、導電性の被覆の、被覆を備えるガラス板表面とは反対の側の表面に配置されており、コンタクト帯材は、集合導体の、導電性の被覆とは反対の側の表面に配置されている。
【0010】
集合導体(電流集合レール又は「バスバー」と云うこともある)は、導電性の被覆内に均一な電界を形成するために用いられる。このために集合導体は、好適には導電性の被覆の縁部領域内に、導電性の被覆の側縁に沿って配置されている。集合導体の長さは、典型的には導電性の被覆の側縁の長さにほぼ等しいが、やや大きいか小さくてもよい。2つの集合導体が、導電性の被覆の、好適には縁部領域内に、導電性の被覆の対向して位置する2つの側縁に沿って配置されていてもよい。これは例えば、導電性の被覆が電気的に加熱可能な被覆であり、被覆を通って電流が流れるべき場合に当てはまる。例えば電気的に加熱可能な1つの被覆において2つ又はそれ以上の独立した加熱フィールドを形成するために、2つ以上の集合導体が、導電性の被覆に配置されていてもよい。
【0011】
集合導体の幅は、好適には2mm〜30mmであり、特に好適には4mm〜20mmである。より細長い集合導体は、過度に高い電気抵抗、延いては作動中の集合導体の過度に高い加熱につながる。より広幅の集合導体は、望ましくない多量の材料使用、及び複合ガラス板の透明領域の、美的でない、過度に大きな縮小を要する。集合導体の長さは、導電性の被覆の延在長さに従う。
【0012】
典型的にはストリップの形態で形成されている集合導体において、より長い方の寸法を長さと云い、且つ短い方の寸法を幅と云う。
【0013】
好適な構成では、集合導体は、印刷され且つ焼成された導電性の構造体として形成されている。印刷された集合導体は、少なくとも1つの金属、好適には銀を含んでいる。導電性は、好適には集合導体に含まれる金属粒子によって、特に好適には銀粒子によって実現される。金属粒子は、好適にはガラスフリットを有する焼成されたスクリーン印刷ペーストとして、ペースト又はインク等の有機及び/又は無機マトリックス内に位置していてよい。印刷された集合導体の層厚さは、好適には5μm〜40μm、特に好適には8μm〜20μm、更に特に好適には10μm〜15μmである。これらの厚さを有する印刷された集合導体は、技術的に簡単に実現され得ると共に、有利な電流容量を有している。
【0014】
択一的に、集合導体は、導電性の箔のストリップとして形成されていてもよい。この場合、集合導体は、例えば少なくともアルミニウム、銅、錫メッキされた銅、金、銀、亜鉛、タングステン及び/又は錫、或いはこれらの合金を含有している。ストリップは、好適には10μm〜500μm、特に好適には30μm〜300μmの厚さを有している。これらの厚さを有して導電性の箔から成る集合導体は、技術的に簡単に実現され得ると共に、有利な電流容量を有している。ストリップは、例えばろう材料を介して、導電性の接着剤を介して、又は直接載置により、導電性の構造体と導電接続されていてよい。
【0015】
しかしまた集合導体は、例えば超音波ろう接ポイントをもたらすことにより、導電性の被覆からも形成され得る。典型的には、1列の超音波ろう接ポイントが、導電性の被覆にもたらされ、これらの超音波ろう接ポイントは、コンタクト帯材を介して互いに接続され、この場合に各超音波ろう接ポイントは、集合導体の機能を満たしている。
【0016】
コンタクト帯材は、複数の集合導体と直接に接触していてもよい。
【0017】
コンタクト電極と云うこともあるコンタクト帯材は、有利には集合導体の電流容量を高める。更に、コンタクト帯材によって、集合導体とリード線との間のコンタクト箇所の望ましくない加熱が低減され得る。更に、コンタクト帯材は、電気的なリード線による集合導体の電気的な接触接続を容易にする。なぜならば、リード線を、既に付与された集合導体に結合、例えばろう接する必要がないからである。
【0018】
コンタクト帯材は、好適には少なくとも1つの金属を含んでおり、特に好適には銅、錫メッキされた銅、銀、金、アルミニウム、亜鉛、タングステン及び/又は錫を含んでいる。このことは、コンタクト帯材の導電性に関して特に有利である。コンタクト帯材は、好適には上記元素のうちの1つ又は複数を含み、場合によっては別の元素、例えば黄銅又は青銅を含む合金を有していてもよい。
【0019】
コンタクト帯材は、好適には導電性の、薄い箔のストリップとして形成されている。コンタクト帯材の厚さは、好適には10μm〜500μm、特に好適には15μm〜200μm、更に特に好適には50μm〜100μmである。これらの厚さを有する箔は、技術的に簡単に製造され得ると共に供給しやすく、更に有利には、低い電気抵抗を有している。
【0020】
コンタクト帯材の長さは、原則として集合導体の長さと同じであってよく、且つ集合導体の全長に沿って、集合導体上に配置されていてよい。但し有利には、コンタクト帯材は、集合導体よりも短い長さを有している。これにより、コンタクト帯材は、より一層取り扱いやすくなるので、コンタクト帯材の損傷及び折り曲げの危険が低下され、更に、材料を節約することができる。コンタクト帯材の長さは、好適には10mm〜100mm、特に好適には20mm〜60mmである。このことは、コンタクト帯材の良好な取扱い性、並びに集合導体とコンタクト帯材との間の、電気的な接触接続に十分な大きさの接触面積に関して、特に有利である。
【0021】
択一的な好適な構成では、コンタクト帯材の長さは、集合導体の長さの80%〜120%、好適には90%〜110%である。このようなコンタクト帯材により、集合導体の電流容量は、有利に増大される。集合導体は、いわば負荷軽減されるので、局所的な過熱が回避され得る。
【0022】
つまり、コンタクト帯材の長さの有効領域は、全体として約10cm〜集合導体の長さの120%である。
【0023】
コンタクト帯材の幅は、好適には2mm〜40mm、特に好適には5mm〜30mmである。このことは、コンタクト帯材と集合導体との間の接触面積、及びコンタクト帯材と電気的なリード線との簡単な接続に関して、特に有利である。コンタクト帯材の長さ及び幅という表現は、それぞれ集合導体の長さ若しくは幅を規定する延在方向と同じ延在方向に見た寸法を表すものである。
【0024】
好適な構成では、コンタクト帯材は全面的に、集合導体と直接に接触している。このためにコンタクト帯材(コンタクト帯材の長さ及び幅は、最大で集合導体の長さ及び幅に等しいが、典型的には集合導体の長さ及び幅よりも短い)は、集合導体上に載置される。複合ガラス板の簡単な製造、及びコンタクト帯材の全面積の、接触面としての利用という、特別な利点がある。
【0025】
択一的な好適な構成では、コンタクト帯材は、集合導体よりも大きな幅を有している。この場合、コンタクト帯材は、集合導体の少なくとも1つの側縁、好適には集合導体の、対向して位置する2つの側縁を越えて突出している。集合導体の領域では、コンタクト帯材は好適には全面的に、集合導体と直接に接触している。特別な利点は、集合導体の全幅が、接触接続面として利用される、という点にある。更に、コンタクト帯材の側縁が集合導体上に配置されている場合に、コンタクト帯材の側縁領域に形成されることのある応力又は負荷が、回避され得る。
【0026】
しかしまた、コンタクト帯材の所定の領域が、両面接着帯材を介して集合導体に結合されていてもよい。この場合、この領域は、コンタクト帯材と集合導体との間の導電接続には寄与しない。接着帯材の領域から離れたところで、コンタクト帯材は集合導体に直接に接触している。このような両面接着帯材は、方法技術的な利点を有していることがある。なぜならば、コンタクト帯材は複合ガラス板の製造時に集合導体上に位置固定されていて、例えば不本意にずらされることはないからである。
【0027】
導電性の箔のストリップは、集合導体上に配置され且つ集合導体と(好適には全面的に)直接に接触している第1の区分と、集合導体から導出され且つ集合導体から離れたところで電気的なリード線に接続されている第2の区分とを有していてもよい。この場合、第1の区分が本来のコンタクト帯材を形成し、且つ第2の区分が電気的な接続部材を形成しており、コンタクト帯材と接続部材とは、導電性の箔のストリップにより、一体的に形成されている。このために導電性の箔のストリップは1回又は複数回、所望の方向転換を生ぜしめるために、適宜折り曲げられていてよい。接続部材と電気的なリード線との間の接触接続箇所は、複合ガラス板の内側又は外側に配置されていてよい。接触接続箇所が複合ガラス板の外側に配置されている場合、接続部材は集合導体から出発して、複合ガラス板の側縁を越えて延在している。コンタクト帯材と電気的な接続部材とは、択一的に原則として当然2つの部分から、例えばそれぞれが導電性の箔のストリップとして形成されていてもよい。
【0028】
集合導体とコンタクト帯材との間の接触面積は、特に導電性の被覆が加熱可能な被覆であるか、又は表面電極である場合に、150mm以上であり、特に好適には300mm以上であることが望ましい。これにより、電流の有利な伝達が達成される。接触面積は、600mm以下であってよい。導電性の被覆が例えばアンテナ構造体である場合、接触面積は極めて小さく選択されてよく、且つ20mm以上であることが望ましい。
【0029】
本発明では、少なくとも1つのコンタクト帯材が、集合導体上に配置されている。しかしまた、1つ以上のコンタクト帯材、例えば2つのコンタクト帯材が、同じ集合導体の各1つの領域に配置されていてもよい。このことは、コンタクト帯材に接続されたリード線を通って流れる電流を減少させるために所望されていてよく、これにより、個々のコンタクト帯材の領域における複合ガラス板の熱負荷が低減される。
【0030】
コンタクト帯材は、簡単に集合導体上に載置されていてよく、積層された複合ガラス板の内部で持続して安定的に、所定の位置で位置固定される。
【0031】
択一的に、コンタクト帯材は、接着帯材によって集合導体上に位置固定され得る。この場合、接着帯材は、コンタクト帯材の、集合導体とは反対の側の表面に配置された少なくとも1つの領域と、ガラス板の表面、導電性の構造体又は集合導体に配置された少なくとも1つの別の領域とを有している。接着帯材により、所定の圧力がコンタクト帯材に対して、集合導体の方向に加えられる。これにより、コンタクト帯材と集合導体との間の導電接続が有利に安定化される。更に、接着帯材の使用は、方法技術的な利点を有している。なぜならば、コンタクト帯材は複合ガラス板の製造時に集合導体上に位置固定され得、延いては例えば不本意にずらされたり、折り曲げられたり、或いは他の方法で損傷される恐れがないからである。接着帯材の長さ及び/又は幅は、コンタクト帯材の長さ若しくは幅よりも大きく選択されていてよいので、接着帯材の少なくとも2つの対向して位置する縁部は、コンタクト帯材を越えて突出することになる。このような構成は、コンタクト帯材の側縁を越えて突出し且つガラス板表面、集合導体又は導電性の構造体に結合された接着帯材により、複合ガラス板の製造時に溶融された中間層の熱可塑性の材料が、集合導体とコンタクト帯材との間に流入して、電気的な接続を損なうことが阻止される、という利点を有している。しかしまた、1つ又は複数の孔が、コンタクト帯材にもたらされていてもよく、孔内で、接着帯材は集合導体に接着されている。このような構成は、接着帯材の寸法を、コンタクト帯材の寸法よりも小さく、又はコンタクト帯材の寸法に等しく選択することができるので、接着帯材がコンタクト帯材の縁部を越えて突出することはない、という利点を有している。このことは例えば、美的な理由から所望されていることがある。
【0032】
有利な構成では、コンタクト帯材と第2のガラス板との間に、押圧部材が配置されている。この押圧部材は、例えばコンタクト帯材と熱可塑性の中間層との間に配置されているか、又は熱可塑性の中間層と第2のガラス板との間、或いはコンタクト帯材の領域の中間層の2つの箔の間に配置されていてもよい。押圧部材は、適宜に剛性であり、つまり低い弾性を有している。複合ガラス板の内部に設けられた押圧部材により、付加的な圧力が、コンタクト帯材に対して集合導体の方向に加えられる。これにより、コンタクト帯材と集合導体との間の導電接続が、有利に安定化される。
【0033】
押圧部材は、例えば少なくとも1つのポリマー、例えばポリカーボネート(PC)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)を含んでいてよい。しかしまた、押圧部材は少なくとも1つの金属又は合金、例えば銅又は鋼を含んでいてもよい。押圧部材の厚さは、好適には200μm以上である。押圧部材の厚さの上限は、第1のガラス板と第2のガラス板との間の所望の間隔に基づいて得られる。押圧部材の厚さは、例えば200μm〜700μmであってよい。押圧部材の最小の長さ及び幅は、集合導体とコンタクト帯材との間の所望の接触領域に従う。押圧部材は、例えば10mm〜100mm又は20mm〜60mmの長さと、2mm〜40mm又は5mm〜30mmの幅とを有している。
【0034】
押圧部材は、複合ガラス板の製造時に、複合体の内部の適当な位置に簡単に挿入され得る。しかしまた、押圧部材はコンタクト帯材、又は第2のガラス板の内側表面に、例えば両面接着帯材を用いて位置固定されてもよい。
【0035】
押圧部材は、コンタクト帯材と一体的に形成されていてもよい。この場合、コンタクト帯材は、箔ストリップの1区分により形成され、箔ストリップの少なくとも1つの折り曲げられた区分、好適には複数の、折り曲げられ且つ互いに重なるように折り畳まれた区分が、押圧部材を形成している。
【0036】
導電性の被覆は、原則として電気的に接触接続しようとする、如何なる被覆であってもよい。本発明による複合ガラス板が、例えば窓領域に設けられる複合ガラス板の場合に当てはまるような見通しを可能にすることが望ましい場合には、導電性の被覆は、好適には可視スペクトル領域において、透明である。透明な被覆は、本発明の意味では70%を上回る、好適には85%を上回る、可視スペクトル領域における透過率を有している。有利な構成では、導電性の被覆は、1つの層又は複数の個別層から成る層構造体であって、全体の厚さは2μm以下であり、特に好適には1μm以下である。
【0037】
導電性の被覆は、例えば電気的に加熱可能な被覆であってよく、この電気的に加熱可能な被覆によって、複合ガラス板に加熱機能が備えられる。このような加熱可能な被覆は、当業者には自体公知のものである。加熱可能な被覆は、典型的には1つ又は複数の、例えば2つ、3つ、又は4つの導電性の機能層を有している。これらの機能層は、好適には少なくとも1つの金属、例えば銀、金、銅、ニッケル及び/又はクロム、或いは金属合金を含んでいる。機能層は、特に好適には少なくとも90質量%の金属、特に少なくとも99.9質量%の金属を含んでいる。機能層は、金属又は金属合金から成っていてよい。機能層は、特に好適には銀又は銀を含む合金を有している。このような機能層は、特に有利な導電性を有していると同時に、可視スペクトル領域における高い透過率を有している。1つの機能層の厚さは、好適には5nm〜50nmであり、特に好適には8nm〜25nmである。この範囲の機能層の厚さにおいて、有利には可視スペクトル領域における高い透過率及び特に有利な導電性が達成される。
【0038】
典型的には、加熱可能な被覆の2つの隣接する機能層の間に、それぞれ少なくとも1つの誘電層が配置されている。好適には、第1の機能層の下側及び/又は最後の機能層の上側に、別の誘電層が配置されている。1つの誘電層は、例えば窒化ケイ素等の窒化物又は酸化アルミニウム等の酸化物を含む誘電体から成る、少なくとも1つの個別層を有している。しかしまた誘電層は、複数の個別層、例えば誘電体、平滑層、適合層、遮蔽層及び/又は反射防止層を含む複数の個別層を有していてもよい。1つの誘電層の厚さは、例えば10nm〜200nmである。
【0039】
しかしまた導電性の被覆は、表面電極であってもよく、例えば自体公知の太陽電池モジュール、好適には薄膜太陽電池モジュールの表面電極、又は電気的に切換又は制御可能な光学特性を備える複合ガラス板の表面電極であってもよい。このような複合ガラス板は、電気的に切換又は制御可能な機能素子、例えばSPD(suspended particle device 懸濁粒子デバイス)機能素子、PDLC(polymer dispersed liquid crystal 高分子分散型液晶)機能素子、エレクトロクロミック機能素子又はエレクトロルミネッセンス機能素子を有しており且つ当業者には自体公知のものである。表面電極は、少なくとも金属、金属合金又は透明で導電性の酸化物(transparent conducting oxide, TCO 透明導電性酸化物)を含んでおり、例えば銀、モリブデン、インジウム錫酸化物(ITO)又はアルミニウムドープ酸化亜鉛を含んでおり、且つ例えば200nm〜2μmの層厚さを有している。導電性の被覆は、導電性高分子被覆であってもよく、例えば少なくとも共役ポリマーを含むか、又は導電性の粒子を有するポリマーを含んでいる。
【0040】
電気的に加熱可能な被覆は、アンテナ機能を有する被覆であってもよい。
【0041】
導電性の被覆は、好適には電気的に加熱可能な被覆、表面電極又はアンテナであり、且つ好適には透明である。
【0042】
導電性の被覆は、第1のガラス板の内側表面全体にわたって延在していてよい。しかしまた、導電性の被覆は択一的に、第1のガラス板の内側表面の一部にわたってのみ延在していてもよい。導電性の被覆は、好適には第1のガラス板の内側表面の少なくとも50%にわたって、特に好適には少なくとも70%にわたって、更に特に好適には少なくとも90%にわたって延在している。しかしまた導電性の被覆は、第1のガラス板の内側表面の、より小さな部分にわたって延在していてもよく、例えば50%、30%又は20%を下回って延在していてもよい。このことは例えば、複合ガラス板の小さな領域だけを電気的に加熱したい場合に所望されていることがある。
【0043】
有利な構成では、第1のガラス板の内側表面は、2mm〜50mm、好適には5mm〜20mmの幅を有する、周方向に延在する縁部領域を有しており、この縁部領域には、導電性の被覆は設けられていない。この場合、導電性の被覆は大気に対して一切接触しておらず、且つ複合ガラス板の内部で熱可塑性の中間層により、損傷及び腐食から有利に保護されている。第1のガラス板の内側表面は、1つの領域又は複数の別の領域において被覆されていなくてよい。導電性の被覆が電気的に加熱可能な被覆である場合、このような被覆されていない領域は、例えばデータ伝達ウインドウ又は通信ウインドウとして、当業者に知られている。
【0044】
電気的なリード線は、本発明ではコンタクト帯材に接続されている。電気的なリード線は、コンタクト帯材から出発して複合ガラス板の側縁を越えて延在しており、且つコンタクト帯材を外部の機能要素、例えば電圧供給部又は受信機に接続するために用いられる。電気的なリード線は、好適には自体公知のフレキシブルな箔導体(平形導体、平帯導体)として形成されている。箔導体とは、幅が厚さよりも著しく大きい、電気的な導体を意味する。このような箔導体は、例えば銅、錫メッキされた銅、アルミニウム、銀、金又はこれらの合金を含有する、又はこれらから成るストリップ又は帯材である。箔導体は、例えば2mm〜16mmの幅と、0.03mm〜0.1mmの厚さを有している。箔導体は絶縁性の、好適には例えばポリイミドをベースとしたポリマー被覆を有していてよい。複合ガラス板内の導電性の被覆の接触接続に適した箔導体は、例えば0.3mmの全体厚さを有しているに過ぎない。このように薄い箔導体は、個々のガラス板の間で、熱可塑性の中間層に難なく埋め込むことができる。1つの箔導体帯材には、互いに電気的に絶縁された複数の導電層が位置していてよい。電気的なリード線は、好適にはコンタクト帯材に、例えばろう材料又は導電性の接着剤を用いて接続され、その後でコンタクト帯材が、複合ガラス板内にもたらされる。このことは、リード線とコンタクト帯材との間の安定した電気的な接続及び複合ガラス板の簡単な製造に関して有利である。
【0045】
択一的に、細い金属線材も、電気的なリード線として用いることができる。金属線材は特に、銅、タングステン、金、銀又はアルミニウム、又はこれらの金属のうちの少なくとも2つの合金を含んでいる。合金は、モリブデン、レニウム、オスミウム、イリジウム、パラジウム又はプラチナを含んでいてもよい。
【0046】
第1のガラス板と第2のガラス板とは、好適には透明である。第1のガラス板及び/又は第2のガラス板は、好適にはガラスを含んでおり、特に好適には平ガラス、フロート板ガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス又は透明プラスチック、好適には剛性の透明プラスチック、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチロール、ポリアミド、ポリエステル及び/又はポリ塩化ビニルを含んでいる。
【0047】
透明とは、本発明の意味では、可視スペクトル領域において70%を上回る、好適には85%を上回る透過率を有するガラス板若しくは被覆を意味する。
【0048】
第1のガラス板及び第2のガラス板の厚さ並びに大きさは、大幅に可変であり且つ複合ガラス板の所定の用途に従う。第1のガラス板及び/又は第2のガラス板は、好適には1.0mm〜25mm、特に好適には1.4mm〜6mmの厚さを有している。第1のガラス板及び第2のガラス板は、例えば車両製造及び建築分野において一般的な、200cm〜20mの面積を有している。
【0049】
複合ガラス板は、任意の立体的な形状を有していてよい。複合ガラス板は、好適には平らであるか、又は空間の1方向又は複数方向に軽く又は強く曲げられている。
【0050】
熱可塑性の中間層は、少なくとも1つの熱可塑性プラスチック、好適にはポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)及び/又はポリエチレンテレフタラート(PET)を含んでいる。しかしまた熱可塑性の中間層は、例えばポリウレタン(PU)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリレート、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリアセテート樹脂、注型用樹脂、アクリレート、フッ化エチレンプロピレン、ポリフッ化ビニル及び/又はエチレン−テトラフルオロエチレン、又はこれらの共重合体又は混合物を含んでいてもよい。熱可塑性の中間層は、1つの、又は重ねて配置された複数の熱可塑性の箔によって形成され得、この場合、1つの熱可塑性の箔の厚さは、好適には0.25mm〜1mm、典型的には0.38mm〜0.76mmである。
【0051】
本発明は更に、電気的な接触接続部を備える複合ガラス板を製造する方法を含んでおり、少なくとも以下の方法ステップ、即ち:
イ)第1のガラス板の表面に導電性の被覆を付与し、
ロ)導電性の被覆の領域に、少なくとも1つの集合導体を付与し、
ハ)第1のガラス板の表面に熱可塑性の中間層を配置し、熱可塑性の中間層に第2のガラス板を配置し、電気的なリード線に接続された、少なくとも1つの導電性のコンタクト帯材を配置し、これによりコンタクト帯材の少なくとも1つの領域を、集合導体と直接に接触させ、
ニ)第1のガラス板を、熱可塑性の中間層を介して第2のガラス板に結合する、
を有している。
【0052】
この場合、方法ステップの文字符号は、必ずしも方法ステップの順序を規定するものではなく、後の関連付けを容易にするものである。方法ステップの別の順序も考えられる。例えば個別のケースにおいて、まず最初に集合導体をガラス板の表面に付与し、次いで導電性の被覆を付与することが所望されていることがある。
【0053】
本発明による第1の好適な実施形態では、方法ステップ ハ)において、コンタクト帯材を集合導体に配置し、次いで熱可塑性の中間層を第1のガラス板の表面に配置する。
【0054】
この場合、本発明による方法の第1の好適な実施形態は、少なくとも以下の方法ステップ、即ち:
I)第1のガラス板の表面に導電性の被覆を付与し、
II)導電性の被覆の領域に、少なくとも1つの集合導体を付与し、
III)集合導体の少なくとも1つの領域に、電気的なリード線に接続された少なくとも1つの導電性のコンタクト帯材を配置し、
IV)第1のガラス板の表面に、熱可塑性の中間層を配置し、且つ熱可塑性の中間層に第2のガラス板を配置し、
V)第1のガラス板を、熱可塑性の中間層を介して第2のガラス板に結合する、
を有している。
【0055】
方法ステップ ハ)若しくは第1の好適な実施形態のIII)において、コンタクト帯材は、集合導体の領域に載置されてよい。択一的にコンタクト帯材は、両面接着帯材を用いて集合導体上に位置固定することができる。択一的にコンタクト帯材は、コンタクト帯材の、集合導体とは反対の側の表面にわたって延在する接着帯材を用いて、集合導体上に位置固定することができる。
【0056】
本発明による方法の第2の好適な実施形態では、方法ステップ ハ)において、コンタクト帯材を熱可塑性の中間層に取り付け、次いで熱可塑性の中間層をコンタクト帯材と共に第1のガラス板の表面に配置する。
【0057】
本発明による方法の第2の好適な実施形態は、例えば少なくとも以下の方法ステップ、即ち:
(I)第1のガラス板の表面に導電性の被覆を付与し、
(II)導電性の被覆の領域に、少なくとも1つの集合導体を付与し、
(III)電気的なリード線に接続された少なくとも1つの導電性のコンタクト帯材を、熱可塑性の中間層に取り付け、
(IV)熱可塑性の中間層を第1のガラス板の表面に配置し、且つ第2のガラス板を熱可塑性の中間層に配置し、
(V)第1のガラス板を、熱可塑性の中間層を介して第2のガラス板に結合する、
を有している。
【0058】
方法ステップ(I)、(II)及び(III)は、択一的に別の時間順序で行われてもよい。熱可塑性の中間層に対するコンタクト帯材の取り付けは、時間的に第1のガラス板に導電性の被覆を付与する前に、又は付与した後に、又は付与するのと同時に行うことができる。熱可塑性の中間層に対するコンタクト帯材の取り付けは、時間的に導電性の被覆に集合導体を付与する前に、又は付与した後に、又は付与するのと同時に行うことができる。
【0059】
第2の好適な実施形態の利点は、熱可塑性の中間層に対するコンタクト帯材の取り付けにある。これにより、コンタクト帯材を所望の位置に位置固定することができ、熱可塑性の層を配置する際に、コンタクト帯材がずれる危険は生じない。このことは、熱可塑性の層が、例えば孔又は凹部を備える複雑な形状を有している場合に、特に有利である。これは例えば最新のウインドシールドにおいて、多く当てはまる。この場合、熱可塑性の中間層は、正しく位置決めするために、第1のガラス板上でしばしば押しずらされねばならない。コンタクト帯材が、熱可塑性の中間層の適切な位置に取り付けられていることによって、熱可塑性の中間層が正しく位置決めされるや否や、コンタクト帯材は集合導体に電気的に接触することになる。これにより、複合ガラス板の製造は、有利に簡略化且つ加速される。
【0060】
電気的なリード線に接続されたコンタクト帯材は当然、電気的なリード線が熱可塑性の層とコンタクト帯材との間に配置されており、且つコンタクト帯材から出発して熱可塑性の層の側縁を越えて延在するように、熱可塑性の中間層に取り付けられる。
【0061】
熱可塑性の中間層に対するコンタクト帯材の取り付けは、例えば手持ち式はんだごてを用いて、熱可塑性の中間層の、局所的に制限された範囲を加熱することにより行うことができる。加熱により軟化した熱可塑性の中間層の領域は、付着特性を有しているので、コンタクト帯材を、熱可塑性の中間層に接着することができ、再び冷めた状態において、コンタクト部材は熱可塑性の中間層に、持続して安定的に取り付けられていることになる。
【0062】
第2の好適な実施形態の方法ステップ(IV)において、熱可塑性の中間層は当然、コンタクト帯材が取り付けられた表面が、第1のガラス板に面しているように配置される。
【0063】
以下の記載もやはり、本発明による方法の第1及び第2の好適な実施形態に関するものである。
【0064】
方法ステップ イ)における導電性の被覆の付与は、自体公知の方法により、好適には磁界に支援される陰極スパッタにより行うことができる。このことは、第1のガラス板の簡単、迅速、廉価且つ均一な被覆に関して、特に有利である。しかしまた導電性の被覆は、例えば蒸着、化学気相蒸着(chemical vapour deposition, CVD)、プラズマCVD(PECVD)によって、又は湿式化学法によって付与されてもよい。
【0065】
第1のガラス板は、方法ステップ イ)の後で、熱処理されることがある。この場合、第1のガラス板は導電性の被覆と共に、少なくとも200℃、好適には少なくとも300℃の温度に加熱される。熱処理は、導電性の被覆の透過率の向上及び/又は表面抵抗の低下に役立つ。
【0066】
第1のガラス板は、方法ステップ イ)の後で、典型的には500℃〜700℃の温度において折り曲げられることがある。平らなガラス板を被覆するほうが、技術的にはより簡単なので、この手順は、第1のガラス板が折り曲げられるべき場合に有利である。しかしまた第1のガラス板は択一的に、例えば導電性の被覆が曲げプロセスを損傷無しで克服するのに適していない場合には、方法ステップ イ)の前に折り曲げられてもよい。
【0067】
方法ステップ ロ)における集合導体の付与は、好適には導電性のペーストをスクリーン印刷法又はインクジェット法で印刷し且つ焼成することによって行われる。択一的に、集合導体を、導電性の箔のストリップとして導電性の被覆に付与する、好適には載置、ろう接又は接着することができる。
【0068】
方法ステップ ハ)において、第1のガラス板は当然、導電性の被覆が設けられた表面が、熱可塑性の中間層に面しているように配置される。これにより前記表面は、第1のガラス板の内側表面となる。
【0069】
方法ステップ ハ)において、押圧部材が、適宜複合体内に挿入されるか、又は例えば接着によりコンタクト帯材又は第2のガラス板又は熱可塑性の中間層に結合されることがある。
【0070】
熱可塑性の中間層は、好適には少なくとも1つの熱可塑性の箔として用意される。熱可塑性の中間層は、単一の、又は面状に重なり合って配置される2つ又は複数の熱可塑性の箔によって形成され得る。
【0071】
方法ステップ ニ)における第1のガラス板と第2のガラス板との結合は、好適には熱、真空及び/又は圧力の作用に基づいて行われる。複合ガラス板を製造する、自体公知の方法が用いられてよい。
【0072】
例えばいわゆるオートクレーブ法を、約10bar〜15barの高められた圧力及び130℃〜145℃の温度で、約2時間にわたり実施することができる。自体公知の減圧バッグ法又は真空リング法は、例えば約200mbar及び130℃〜145℃において作用する。第1のガラス板、熱可塑性の中間層及び第2のガラス板は、少なくとも1対のローラ間のカレンダ部でプレスされて、1つの複合ガラス板にされてもよい。複合ガラス板を製造するためのこのような形式の設備は公知であり、通常、プレスユニットの手前に少なくとも1つの加熱トンネルを有している。プレス過程中の温度は、例えば40℃〜150℃である。カレンダ法とオートクレーブ法との組み合わせは、実地において特に有利であるということが判った。択一的に、複数の真空ラミネータを使用してよい。真空ラミネータは、加熱可能且つ真空引き可能な1つ又は複数の室から成っており、これらの室内で、第1のガラス板と第2のガラス板とを、例えば0.01mbar〜800mbarの低下された圧力及び80℃〜170℃の温度において、約60分以内で積層することができる。
【0073】
本発明は更に、電気的な接触接続部を備える本発明による複合ガラスの、建物、特に入口領域、窓領域、屋根領域又はファサード(正面)領域における使用、家具及び機器における組み込み部材としての使用、陸上、空中又は水上での交通用移動手段、特に列車、船舶及び自動車における例えばウインドシールド、リヤウインドウ、サイドウインドウ及び/又はルーフウインドウとしての使用を含む。複合ガラス板は、好適には加熱可能なガラス板として、アンテナ機能を備えるガラス板として、切換又は制御可能な光学特性を備えるガラス板として、又は太陽電池モジュール、特に薄膜太陽電池モジュールとして用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】電気的な接触接続部を備える、本発明による複合ガラス板の構成を上から見た図である。
図2図1に示す複合ガラス板をA−A′に沿って断面して示した図である。
図3】本発明による複合ガラス板の別の構成をA−A′に沿って断面して示した図である。
図4】本発明による複合ガラス板の更に別の構成をA−A′に沿って断面して示した図である。
図5】本発明による複合ガラス板の更に別の構成をA−A′に沿って断面して示した図である。
図6】本発明による複合ガラス板の更に別の構成を上から見た図である。
図6a】本発明による複合ガラス板の更に別の構成を上から見た図である。
図7】本発明による方法の1つの実施形態の詳細なフローチャートである。
図8】本発明による方法の別の実施形態の詳細なフローチャートである。
【0075】
以下に、本発明の実施形態を図面につき詳しく説明する。図面は概略的なものであり、正確な縮尺ではない。図面が本発明を限定することは一切ない。
【0076】
図1及び図2には、それぞれ電気的な接触接続部を備える、本発明による複合ガラス板の1つの実施形態が詳細に示されている。透明な複合ガラス板は、熱可塑性の中間層4を介して互いに結合された、第1のガラス板1と第2のガラス板2とを有している。この複合ガラス板は、自動車のウインドシールドであり、この場合、第1のガラス板1は、取り付け状態において内室に面しているように設けられている。第1のガラス板1と第2のガラス板2とは、ソーダ石灰ガラスから成っている。第1のガラス板1の厚さは1.6mmであり、第2のガラス板2の厚さは2.1mmである。熱可塑性の中間層4は、ポリビニルブチラール(PVB)から成り且つ0.76mmの厚さを有している。第1のガラス板1の内側表面(I)には、導電性の被覆3が付与されている。導電性の被覆3は、誘電層により互いに分離された、例えば3つの導電性の銀層を含む層系である。電流が導電性の被覆3を通って流れると、導電性の被覆3は、その電気抵抗に基づき加熱される。よって導電性の被覆3は、複合ガラス板の能動的な加熱に用いることができる。
【0077】
導電性の被覆3は、周方向に延びる枠状の、幅8mmの被覆されていない領域を除き、第1のガラス板1の表面(I)全体にわたって延在している。被覆されていない領域は、電圧を通す導電性の被覆3と、車体との間を電気的に絶縁するために用いられる。被覆されていない領域は、導電性の被覆3を損傷及び腐食から保護するために、中間層4に接着により気密に封止されている。
【0078】
導電性の被覆3の電気的な接触接続用には、導電性の被覆3の上縁領域と下縁領域とに各1つの集合導体5が配置されている。集合導体5は、銀粒子とガラスフリットとを含んでおり且つスクリーン印刷法で付与されている。各集合導体5は、約15μmの厚さと、16mmの幅Bsを有している。集合導体5の長さLsは、導電性の被覆3の延在長さにほぼ等しい。集合導体5に電圧が印加されると、均等な電流が、集合導体5間の導電性の被覆3を通って流れる。各集合導体5には、ほぼ中心にコンタクト帯材6が配置されている。コンタクト帯材6は、集合導体5と外部のリード線7とを簡単に接続するために用いられる。更に、コンタクト帯材6は、有利には集合導体5の電流容量を高める。コンタクト帯材6は、集合導体5に対して全面的に直接に接触している。コンタクト帯材6は、複合ガラス板の製造時に集合導体5に載置され、且つ熱可塑性の層4によって集合導体5上に持続して安定的に位置固定される。コンタクト帯材6は、銅から成り且つ100μmの厚さ、8mmの幅Bk及び5cmの長さLkを有している。
【0079】
外部のリード線7は、自体公知の箔導体であり、この箔導体は従来の形式で、例えばろう材料又は導電性の接着剤を用いてコンタクト帯材に結合されている。箔導体は、幅10mm及び厚さ0.3mmの、錫メッキされた銅箔を有している。電気的なリード線7を介して、集合導体5は接続ケーブル(図示せず)により電圧源(図示せず)に接続されており、この電圧源は、自動車に関して一般的な、好適には12V〜50Vの、例えば12V〜15V(約14V)の、約42V又は約48Vの車内電源電圧を供給する。カバー印刷部としての自体公知の不透明な着色層により、集合導体5の領域が観察者に見えてしまうことを阻止することができる。カバー印刷部は、例えば第2のガラス板2の内側表面に枠状に付与されていてよい。
【0080】
コンタクト帯材6と集合導体5とは、本発明では直接に接触している。つまり電気的な接続は、ろう材料又は導電性の接着剤を介さずに行われる。これにより、複合ガラス板の製造過程は相応に簡略化される。更に、例えばろう接時又はろう接された結合部に荷重が加えられた場合に生じるような、集合導体5の損傷の危険が回避され得る。
【0081】
図3には、本発明による複合ガラスの択一的な構成の下縁領域を横断した図が示されている。導電性の被覆3を備える第1のガラス板1と、第2のガラス板2と、熱可塑性の中間層4と、集合導体5と、コンタクト帯材6と、外部のリード線7とは、図1に示したものと同様に構成されている。コンタクト帯材6と熱可塑性の中間層4との間には、接着帯材8が配置されている。この接着帯材8により、コンタクト帯材6が第1のガラス板1の内側表面(I)上で位置固定されている。接着帯材8は2cmの幅と、5cmの長さを有している。接着帯材8は、コンタクト帯材6の、集合導体5とは反対の側の表面を覆って延在しており、コンタクト帯材6の長辺の縁部を越えて突出しており、且つこの突出している領域でもって、第1のガラス板1又は第1のガラス板1に付与された複数の層に接着している。
【0082】
接着帯材8の利点は、集合導体5とコンタクト帯材6とから成る系に対して、付加的な圧力が加えられる、という点にある。これにより、集合導体5とコンタクト帯材6との間の導電接続が、付加的に安定化される。接着帯材8の使用は更に、方法技術的な利点を有している。即ち:接着帯材8により、複合ガラス板の製造前に、コンタクト帯材6を集合導体5上に安定的に位置固定することができる。これにより、熱可塑性の中間層4と、第2のガラス板2とを第1のガラス板1に配置する際に、例えば折れ曲がりによるコンタクト帯材6のスリップ又は損傷が回避され得る。
【0083】
図4には、本発明による複合ガラス板の別の構成の下縁領域を横断した図が示されている。導電性の被覆3を備える第1のガラス板1と、第2のガラス板2と、熱可塑性の中間層4と、集合導体5と、コンタクト帯材6と、外部のリード線7とは、図1に示したものと同様に構成されている。コンタクト帯材6の、集合導体5とは反対の側の表面には、押圧部材9が配置されている。この押圧部材9は、0.3mmの厚さ、5cmの長さ及び16mmの幅を備える直方体形であり、ポリメチルメタクリレート(PMMA)から成っている。複合ガラス内部の剛性の押圧部材9により、有利には付加的な圧力が、集合導体5とコンタクト帯材6とから成る系に加えられる。これにより、集合導体5とコンタクト帯材6との間の導電接続が、付加的に安定化される。
【0084】
図5には、本発明による複合ガラス板の更に別の構成の下縁領域を横断した図が示されている。コンタクト帯材6は、その長さに沿って配置された、例えば3つの円形の孔を有している。孔の1つが図面に見られる。コンタクト帯材6の、集合導体5とは反対の側の表面には接着帯材8が配置されており、この接着帯材8は、孔を介して集合導体5に接着されている。これによりコンタクト帯材6は、複合ガラス板の製造時に、既に集合導体5上に位置固定されていることになる。更に、接着帯材8により、コンタクト帯材6と集合導体5との間の電気的な接続を安定化させる付加的な圧力が、コンタクト帯材6に加えられる。孔を有するコンタクト帯材6の構成は、接着帯材8がコンタクト帯材6よりも小さく寸法設定されていてよい、という利点を有している。この場合、接着帯材8はコンタクト帯材6の辺の縁部を越えて突出してはおらず、このことは美的な理由から所望されていることがある。
【0085】
図6には、本発明による複合ガラス板の更に別の構成を上から見た図が示されている。下側の集合導体5のコンタクト帯材6は、集合導体5上に配置されていて、集合導体5と直接に接触している。コンタクト帯材6と一体的に、電気的な接続部材10が形成されている。コンタクト帯材6と電気的な接続部材10とは、1つの導電性の箔の同一のストリップ部分である。ストリップを折り曲げることによって方向転換が行われ、これにより、コンタクト帯材6は集合導体5に対して平行に延在し、且つ接続部材10は集合導体5から出発して、複合ガラス板の側縁を越えて延在することになる。複合ガラス板の外側で、接続部材10は電気的なリード線7に接続されている。電気的なリード線7と接続部材10との間の接続は、本実施形態では第1のガラス板1と第2のガラス板2との積層の前又は後に行われてよい。
【0086】
図6aには、本発明による複合ガラスの更に別の構成を上から見た図が示されている。図1に示した実施形態とは異なり、コンタクト帯材6の長さLkは、集合導体5の長さLsの約95%である。つまり、コンタクト帯材6は、集合導体5のほぼ全長に沿って、集合導体5を覆っており、その結果、集合導体5の電流容量は著しく高められる。これにより、比較的大きな局所的な電流値に基づく集合導体5の過熱が回避され得る。
【0087】
図7には、電気的な接触接続部を備える複合ガラス板を製造する、本発明による方法の1つの実施形態のフローチャートが示されている。
【0088】
図8には、電気的な接触接続部を備える複合ガラス板を製造する、本発明による方法の別の実施形態のフローチャートが示されている。
【0089】
ろう材料又は導電性の接着剤を介して、集合導体5とコンタクト帯材6との間、又は集合導体5とリード線7との間が結合された複合ガラス板とは異なり、本発明による複合ガラス板において、コンタクト帯材6は集合導体5と直接に接触している。これにより、本発明によるテストガラス板において、製造過程を著しく簡略化し且つ加速させることができる、ということが判った。それにも関わらず、集合導体5とコンタクト帯材6との間には、持続して安定的な、電気的な接続が提供される。この結果は当業者にとって予期しないものであり、意外であった。
【符号の説明】
【0090】
1 第1のガラス板
2 第2のガラス板
3 導電性の被覆
4 熱可塑性の中間層
5 集合導体
6 コンタクト帯材
7 電気的なリード線
8 接着帯材
9 押圧部材
10 コンタクト帯材6と電気的なリード線7との間の電気的な接続部材
I 第1のガラス板1の内側表面
Ls 集合導体5の長さ
Bs 集合導体5の幅
Lk コンタクト帯材6の長さ
Bk コンタクト帯材6の幅
A−A′ 断面線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6a
図7
図8