(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記迂回配線は、前記他の2つの有機ELパネルのうち、一方の有機ELパネルの第1給電部と、他方の有機ELパネルの第2給電部とを電気的に接続可能であることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、大型照明に有機ELパネルを用いる場合、1枚の有機ELパネルではその面内に電圧の分布が生じやすく、発光むらが生じやすい。そのため、複数の有機ELパネルを電気的に接続して、1つの発光平面を形成する場合がある。
従来、青色系の発光層は、他の色の発光層に比べて劣化しやすく、寿命が短いことが知られており、実質的な有機ELパネルの寿命は、青色系の発光色の寿命となることが多い。そのため、大型照明に有機ELパネルを用いる場合、他の発光色を呈する発光層の寿命が残っているにもかかわらず、照明として機能しないため、その都度、発光不能となった有機ELパネルを交換する必要があった。
また、近年の照明装置は、単純な点灯と消灯の切り替えだけではなく、発光色の明るさを調整する調光機能が求められることが多い。ところが、特許文献1の有機電界発光素子(有機ELパネル)を大型照明として用い、調光機能を付加させると、発光むらが生じやすい。すなわち、それぞれの電流値を高い精度で調整が必要であり、コストが高くなるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明者は、従来のようにそれぞれの有機ELパネル単体から白色光を取り出すのではなく、発光色の異なる複数種類の有機ELパネルを面状に広がりをもって敷設し、1つの有機ELパネルから発せられる光と、当該有機ELパネルに隣接するそれぞれの有機ELパネルから発せられる光と、の重なりを利用して、合成色である白色の発光色を取り出すことを考えた。また、同色の発光色を有する有機ELパネル間をそれぞれ電気的に直列接続することによって、例えば、複数の有機ELパネルの内、寿命が短いとされる青色の発光色を有した有機ELパネルのみを交換することが可能となり、それぞれの有機ELパネルの寿命を最大限に生かせると考えた。また、この構造を採用することによって、直列接続された有機ELパネル間の電流値等を調整することによって調光機能を付加できると考えた。
ところが、この構造の場合、有機ELパネルの種類の分だけ独立した配線構造が必要となり、配線構造が煩雑となる。そのため、誤配線が生じる可能性が高くなるという新たな問題が生じていた。
【0008】
そこで、本発明
に関連する発明は、安価に調光機能を付加可能な有機ELパネルの接続構造を提供するものである。また、
本発明は、誤配線を防止可能な有機ELパネルを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、基材上に、少なくとも第1電極層と、第2電極層と、前記両電極層に挟まれた有機発光層とを備え
た有機EL装置を有し、第1電極層と第2電極層の間に通電することによって有機発光層に通電する自己通電経路を有した有機ELパネルであって、
他の複数の有機ELパネルとともに所定の部位に並べて敷設される有機ELパネルにおいて、外部と電気的に接続可能であって自己の第1電極層に繋がる第1給電部と、外部と電気的に接続可能であって自己の第2電極層に繋がる第2給電部と、前記自己通電経路に対して絶縁され、少なくとも他の2つの有機ELパネルと電気的に接続可能であって、自己通電経路を迂回して前記他の2つの有機ELパネル同士を電気的に接続する迂回配線を備え
ており、前記迂回配線と、第1迂回端子と、第2迂回端子とを有する迂回部材を備え、前記迂回配線は、前記第1迂回端子と前記第2迂回端子を電気的に接続するものであって、第1絶縁部材及び第2絶縁部材によって挟まれており、前記第1迂回端子と前記第2迂回端子は、前記有機EL装置の背面側に設けられていることを特徴とする有機ELパネルである。
本発明は、基材上に、少なくとも第1電極層と、第2電極層と、前記両電極層に挟まれた有機発光層とを備え、第1電極層と第2電極層の間に通電することによって有機発光層に通電する自己通電経路を有した有機ELパネルであって、所定の部位に並べて敷設される有機ELパネルにおいて、外部と電気的に接続可能であって自己の第1電極層に繋がる第1給電部と、外部と電気的に接続可能であって自己の第2電極層に繋がる第2給電部と、前記自己通電経路に対して絶縁され、少なくとも他の2つの有機ELパネルと電気的に接続可能であって、自己通電経路を迂回して前記他の2つの有機ELパネル同士を電気的に接続する迂回配線を備えている。
【0010】
本発明の構成によれば、第1電極層と第2電極層の間に通電することによって有機発光層に通電する自己通電経路を有している。すなわち、第1電極層と第2電極層の間には、自己が発光するための自己通電経路が設けられており、当該自己通電経路に通電されることによって、有機発光層が発光する。
また、本発明の構成によれば、所定の部位に並べて敷設されて使用されるものである。すなわち、他の複数の有機ELパネルとともに面状に広がりをもって並べられて使用される。
そして、本発明の構成によれば、自己発光のための自己通電経路に対して絶縁された迂回配線を有しており、自己通電経路を迂回して自己の有機ELパネルとは別の2つの有機ELパネル同士を電気的に接続可能となっている。言い換えると、自己発光に寄与しない迂回配線があり、当該迂回配線は、別の2つの有機ELパネルを接続させるための迂回経路として機能している。
そのため、使用者が誤って、迂回配線に外部電源の電極端子を接続したとしても、自己通電経路内に通電されず、自己の発光層は発光しない。それ故に、使用者は誤配線であると気づきやすい。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記迂回配線は、前記他の2つの有機ELパネルのうち、一方の有機ELパネルの第1給電部と、他方の有機ELパネルの第2給電部とを電気的に接続可能であることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネルである。
【0012】
本発明の構成によれば、前記迂回配線は、前記他の2つの有機ELパネルのうち、一方の有機ELパネルの第1給電部と、他方の有機ELパネルの第2給電部とを電気的に接続可能である。すなわち、迂回配線は、自己の有機ELパネルとは別の2つの有機ELパネル間を接続しており、当該2つの有機ELパネルが発光する場合には、電気的に直列接続されることになる。そのため、2つの有機ELパネルに流れる電流が等しくなり、2つの有機ELパネル間で発光むらを生じさせずに発光することができる。
請求項3に記載の発明は、
前記第1迂回端子は、前記他の2つの有機ELパネルのうち、一方の有機ELパネルの第1給電部と電気的に接続された接続配線と接続可能となっており、前記第2迂回端子は、前記他の2つの有機ELパネルのうち、他方の有機ELパネルの第2給電部と電気的に接続された接続配線と接続可能となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機ELパネルである。
【0013】
請求項
4に記載の発明は、前記迂回配線は、自己に隣接する有機ELパネル間を電気的に接続可能であることを特徴とする請求項1
乃至3のいずれかに記載の有機ELパネルである。
【0014】
本発明の構成によれば、前記迂回配線は、自己に隣接する有機ELパネル間を電気的に接続可能であるため、所定の部位に設置する際に、迂回配線が他の有機ELパネルの接続の邪魔になりにくい。
【0015】
請求項
5に記載の発明は、基材を平面視したとき、実際発光する発光領域と、当該発光領域を囲む額縁領域を有し、前記迂回配線は、発光領域を縦断又が横断していることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれかに記載の有機ELパネルである。
【0016】
本発明の構成によれば、迂回配線は、発光領域を縦断又が横断しているため、有機ELパネル間を最短距離で接続することが可能である。
【0017】
上記した発明は、基材を平面視したとき、実際発光する発光領域と、当該発光領域を囲む額縁領域を有し、前記迂回配線は、発光領域を迂回して配されていて
もよい。
【0018】
この発明の構成によれば、前記迂回配線は、発光領域を迂回して配されているため、光取り出し面側にも、迂回配線を設けることができる。
【0019】
上記した発明は、両面が発光
してもよい。
【0020】
この発明の構成によれば、両面が発光するため、発光面積が大きい。
【0021】
請求項
6に記載の発明は、点灯時に発光色が異なる2種類以上の有機ELパネルを接続する有機ELパネルの接続構造であって、当該2種類以上の有機ELパネルの内、少なくとも1つは、請求項1乃至
5のいずれかに記載の有機ELパネルであり、前記迂回配線は、異なる色の他の有機ELパネル間を接続することを特徴とする有機ELパネルの接続構造である。
【0022】
本発明の構成によれば、点灯時に発光色が異なる2種類以上の有機ELパネルを接続しており、迂回配線は、異なる色の他の有機ELパネル間を接続する。すなわち、自己の発光色と他の有機ELパネルの発光色を組み合わせて、基本の混成発光色を調整することが可能である。
また、電流量等を調整することによって、2種類以上の有機ELパネルの光によって成される白色光の色度を調整することが可能であり、調光機能を付加させることが可能である。
【0023】
請求項
7に記載の発明は、前記迂回配線は、同色の発光色を呈する有機ELパネル間を電気的に直列接続することを特徴とする請求項
6に記載の有機ELパネルの接続構造である。
【0024】
本発明の構成によれば、前記迂回配線は、同色の発光色を呈する有機ELパネル間を電気的に直列接続するため、同色の発光色を呈する有機ELパネルごとに電流を流すことが可能であり、電流量等を調整することによって、同色の発光色を呈する有機ELパネルごとに均等に発光強度を調整することができる。
【0025】
上記した発明は、点灯時に発光色が異なる有機ELパネルの種類は、2種類以上4種類以下であ
ってもよい。
【0026】
この発明の構成によれば、点灯時に発光色が異なる有機ELパネルの種類は、2種類以上4種類以下である。有機ELパネルの種類が4種類より多くなると、同色の有機ELパネル間の距離が離れすぎて、使用者に白色に発光しているように見えなくなるおそれがある。
【0027】
上記した有機ELパネルの接続構造において、前記異なる2種類以上の有機ELパネルのうち1種類は、550nm未満の波長にのみ発光ピークを有する青色系発光パネルであり、少なくとも他の1種類は、550nm以上の波長にのみ発光ピークを有する赤色系発光パネルであることが好まし
い。
【0028】
本発明は、点灯時に発光色が異なる2種類以上の有機ELパネルを接続する有機ELパネルの接続構造であって、当該2種類以上の有機ELパネルの内、少なくとも1つの有機ELパネルは、基材上に、少なくとも第1電極層と、第2電極層と、前記両電極層に挟まれた有機発光層とを備え、第1電極層と第2電極層の間に通電することによって有機発光層に通電する自己通電経路を有しており、かつ、外部と電気的に接続可能であって自己の第1電極層に繋がる第1給電部と、外部と電気的に接続可能であって自己の第2電極層に繋がる第2給電部とを有するものであり、前記1つの有機ELパネルの自己通電経路に対して絶縁され、少なくとも1つの有機ELパネルとは異なる他の2つの有機ELパネルと電気的に接続可能な迂回配線部材を備え、前記迂回配線部材は、前記1つの有機ELパネルとは異なる色の他の有機ELパネル間を接続す
る有機ELパネルの接続構造
に関連する。
【0029】
この発明の構成によれば、有機ELパネルと迂回配線部材は別部材であるため、従来の有機ELパネルを組み合わせて形成することができる。
また、
この発明の構成によれば、点灯時に発光色が異なる2種類以上の有機ELパネルを接続しており、迂回配線は、異なる色の他の有機ELパネル間を接続する。すなわち、自己の発光色と他の有機ELパネルの発光色を組み合わせて、基本の混成発光色を調整することが可能である。
また、電流量等を調整することによって、2種類以上の有機ELパネルの発光によって成される白色光の色度を調整することが可能であり、調光機能を付加させることが可能である。
【発明の効果】
【0030】
本発明の有機ELパネルによれば、誤配線を容易に発見可能である。
上記した発明の有機ELパネルの接続構造によれば、誤配線を容易に発見可能であり、さらに、従来の有機ELパネルに比べて、安価に調光機能を備えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、有機ELパネルの接続構造1の上下の位置関係は、
図1の姿勢を基準に説明する。すなわち光取り出し側が下である。また、図面は、理解を容易にするために全体的に実際の大きさ(長さ、幅、厚さ)に比べて極端に記載している。
【0033】
本実施形態の有機ELパネルの接続構造1は、有機ELパネル2が面状に広がりをもって敷設されて形成されており、各有機ELパネル2を接続配線3によって接続している。
具体的には、有機ELパネルの接続構造1は、
図1のように有機ELパネル2が縦横碁盤状に並設されて形成されており、縦方向(行方向C)又は横方向(列方向R)に隣接する有機ELパネル2間を接続配線3で接続したものである。
【0034】
有機ELパネルの接続構造1は、接続配線3によって、各有機ELパネル2間が接続されており、全ての有機ELパネル2が全体的に発光可能となっている。
【0035】
有機ELパネルの接続構造1に用いられる有機ELパネル2は、発光色が異なる複数種類の有機ELパネルを使用している。そして、有機ELパネルの接続構造1は、それぞれの有機ELパネル2から発せられる光を重ね合わせることによって、使用者に有機ELパネルの接続構造1が白色に発光しているように見せることが可能となっている。
また、有機ELパネルの接続構造1は、同色に発光する有機ELパネル2を電気的に直列接続することによって、それぞれの色に対応する有機ELパネル2をそれぞれ独立して発光させることが可能となっており、電流量を制限することによって、調光・調色機能も持ち合わせている。
なお、使用する有機ELパネル2の種類は、発光させたい色や調光の精度、明るさ、有機ELパネルの大きさによって適宜選択されるものであり、特に限定されないが、2種類以上4種類以下を使用していることが好ましい。有機ELパネル2の種類が4種類より多くなると、同色の有機ELパネル2間の距離が離れすぎて、使用者に白色に発光しているように見えなくなるおそれがある。
【0036】
以下、有機ELパネルの接続構造1の各構成部材の構成について説明する。
有機ELパネル2は、
図2のように有機EL装置5と、給電部材6によって形成されている。
有機EL装置5は、
図5のように、基板42(基材)上に第1電極層43と、機能層45と、第2電極層46がこの順に積層した有機EL素子41(積層体)を備えたものである。第1電極層43と第2電極層46は、機能層45を挟んで対向しており、第1電極層43と第2電極層46の間に通電することによって、機能層45が通電され電子と正孔との再結合が起こり発光する。すなわち、第1電極層43と機能層45と第2電極層46間で自己通電経路を形成している。
そして、本実施形態の有機EL装置5は、機能層45の構成部材をそれぞれ変更することによって所望の発光色が呈するように設計している。詳細な層構造については、後述する。
【0037】
また、有機EL装置5は、
図5のように基板42を平面視すると、点灯時に実際に発光する発光領域50と、当該発光領域50の周りを囲むように額縁領域51を有している。
発光領域50は、四角形状の領域であり、有機EL装置5の基板42側に有機ELパネル2の発光面(基板42側の面であって、使用者が実際に発光を視認する面)を含んでいる。本実施形態の発光領域50は、基板42と相似形状であって、正方形状の領域となっている。なお、ここでいう「相似形状」とは、合同形状も含む。
額縁領域51は、
図5のように発光領域50を環状に取り囲む領域であり、点灯時に発光しない非発光の領域である。この額縁領域51は、外部との電気的な接点として機能する給電部52を複数備えている。
【0038】
給電部52は、
図5のように、有機EL素子41内の第1電極層43に電気的に接続される第1給電部55と、有機EL素子41内の第2電極層46に電気的に接続される第2給電部56からなり、第1給電部55と第2給電部56は発光領域50を挟んで、互いに対向する位置にある。
【0039】
給電部材6に目を移すと、給電部材6は、
図3のように複数の導電部材16,17及び迂回部材18が絶縁部材15,20によって挟まれた構造をしている。
すなわち、給電部材6は、第1絶縁部材15と、第1導電部材16と、第2導電部材17と、迂回部材18と、第2絶縁部材20と、から形成されている。
【0040】
第1絶縁部材15は、絶縁性を有した板状又はシート状の部材であり、平面視すると、基板42に相似する形状(四角形)をしている。すなわち、本実施形態の第1絶縁部材15は、正方形状の部材である。第1絶縁部材15は、有機EL装置5の背面(発光面と反対側の面)の一部又は全部を覆うことが可能となっている。具体的には、第1絶縁部材15は、少なくとも、発光領域50を覆うことが可能となっている。
第1絶縁部材15は、
図3のように部材厚方向(上下方向)に貫通しており第1給電端子25を挿通可能な第1挿通孔21と、部材厚方向に貫通しており第2給電端子29を挿通可能な第2挿通孔22を有している。
第1挿通孔21は、開口形状が長方形状の貫通孔であって、有機ELパネル2を組み立てた際に第1給電部55に対応する位置に設けられている。具体的には、第1挿通孔21は、第1絶縁部材15の1辺の近傍に位置しており、第1挿通孔21の長辺は、第1絶縁部材15の当該辺方向に延びている。
第2挿通孔22は、開口形状が長方形状の貫通孔であって、有機ELパネル2を組み立てた際に第2給電部56に対応する位置に設けられている。具体的には、第2挿通孔22は、第1絶縁部材15の1辺の近傍に位置しており、第2挿通孔22の長辺は、第1絶縁部材15の当該辺方向に延びている。また、第1絶縁部材15を平面視すると、第2挿通孔22と第1挿通孔21は互いに対向する辺近傍に位置しており、開口の長辺間が平行となっている。
【0041】
第1導電部材16は、導電性を有した部材であって、有機EL装置5の第1給電部55と、接続配線3間の導電経路を形成する部材である。第1導電部材16は、
図3のように第1給電端子25と、第1導電配線26から形成されている。
第1給電端子25は、接続配線3と接続可能な部位であり、接続することで接続配線3と電気的に接続可能となっている。具体的には、第1給電端子25は、第1導電配線26から突出しており、接続配線3の一部と係合可能となっている。
第1導電配線26は、板状又は箔状の部位であり、有機EL装置5の第1給電部55と、第1給電端子25を電気的に接続可能な部位である。
【0042】
第2導電部材17は、導電性を有した部材であって、有機EL装置5の第2給電部56と、接続配線3間の導電経路を形成する部材である。第2導電部材17は、
図3のように第2給電端子29と、第2導電配線30から形成されている。
第2給電端子29は、接続配線3と接続可能な部位であり、接続することで接続配線3と電気的に接続可能となっている。具体的には、第2給電端子29は、第2導電配線30から突出しており、接続配線3の一部と係合可能となっている。
第2導電配線30は、板状又は箔状の部位であり、有機EL装置5の第2給電部56と、第2給電端子29を電気的に接続可能な部位である。
【0043】
迂回部材18は、導電性を有した部材であって、
図3のように第1迂回端子33と、第2迂回端子34と、迂回配線35から形成されている。
第1迂回端子33は、接続配線3と接続可能な部位であり、接続することで接続配線3と電気的に接続可能となっている。具体的には、第1迂回端子33は、迂回配線35から突出しており、接続配線3の一部と係合可能となっている。
第2迂回端子34は、接続配線3と接続可能な部位であり、接続することで接続配線3と電気的に接続可能となっている。具体的には、第2迂回端子34は、迂回配線35から突出しており、接続配線3の一部と係合可能となっている。
迂回配線35は、板状又は箔状の部位であり、第1迂回端子33と第2迂回端子34を電気的に接続する部位である。
【0044】
第2絶縁部材20は、絶縁性を有した板状又はシート状の部材であり、複数の貫通孔を有している。
具体的には、第2絶縁部材20は、
図3のように第1給電端子25を挿通可能な第1取出孔37と、第2給電端子29を挿通可能な第2取出孔38と、第1迂回端子33を挿通可能な第3取出孔39と、第2迂回端子34を挿通可能な第4取出孔40を有している。
【0045】
ここで、給電部材6の位置関係について注目すると、第1絶縁部材15の第1挿通孔21内に第1導電部材16の第1導電配線26が挿嵌されており、第2挿通孔22内に第2導電部材17の第2導電配線30が挿嵌されている。
平面視すると、第1導電部材16と第2導電部材17と迂回部材18は、略「H」状に並んでいる。
すなわち、第1導電部材16と第2導電部材17は所定の間隔を空けて互いに平行となっており、第1導電部材16と第2導電部材17の内側に迂回部材18が配されている。そして、迂回部材18は、第1導電部材16(第2導電部材17)に対して交差する方向に向いている。本実施形態では、迂回部材18は、第1導電部材16(第2導電部材17)に対して直交する方向に向いている。
第1導電部材16と迂回部材18は、互いに接触しておらず、隙間が形成されている。第2導電部材17と迂回部材18は、互いに接触しておらず、隙間が形成されている。すなわち、給電部材6内では、第1導電部材16と第2導電部材17と迂回部材18は、互いに電気的に切り離されており、絶縁されている。
【0046】
また、第1導電部材16の第1給電端子25は、第1取出孔37内に挿通されており、第1給電端子25の一部が第2絶縁部材20から張り出している。第2導電部材17の第2給電端子29は、第2取出孔38内に挿通されており、第2導電部材17の一部が第2絶縁部材20から張り出している。迂回部材18の第1迂回端子33は、第3取出孔39内に挿通されており、第1迂回端子33の一部が第2絶縁部材20から張り出している。迂回部材18の第2迂回端子34は、第4取出孔40内に挿通されており、第2迂回端子34の一部が第2絶縁部材20から張り出している。
このように、これらの端子25,29,33,34は、第2絶縁部材20から張り出しており、当該張り出し部位にそれぞれ接続配線3を接続することによって、他の有機ELパネル2と接続可能となっている。
【0047】
続いて、有機ELパネル2を構成する各部材の位置関係について説明する。
有機ELパネル2は、
図2のように有機EL装置5上に給電部材6が載置されている。具体的には、有機EL装置5の第1給電部55に給電部材6の第1導電配線26が接触しており、第2給電部56に第2導電配線30が接触している。すなわち、有機ELパネル2は、有機EL装置5の第1給電部55から給電部材6の第1給電端子25までの導電経路が形成されており、同様に、第2給電部56から第2給電端子29までの導電経路が形成されている。そのため、第1給電端子25及び第2給電端子29間に外部電源の正極又は負極を電気的に接続することによって有機EL装置5内の有機EL素子41に給電することが可能となっている。
【0048】
また、迂回部材18(迂回配線35)は、基板42の投影面上に縦断又は横断して配されている。具体的には、有機EL装置5の発光領域50を横切るようにして設けられている。
ここでいう「横切る」とは、横方向だけではなく、縦方向、斜め方向も含む。
また、迂回部材18は、上記したように第1導電部材16及び第2導電部材17と電気的に絶縁されており、さらに第1絶縁部材15によって、有機EL装置5と電気的に絶縁されている。すなわち、迂回部材18は、自己の有機ELパネル2の有機EL装置5の発光には寄与しない。
【0049】
続いて、有機ELパネルの接続構造1における各有機ELパネル2間の関係について説明する。
なお、本実施形態では、上記した発光色が異なる有機ELパネル2を4種類使用しており、それぞれの有機ELパネル2を明確に区別するため、以下の説明においては、それぞれ同色の発光色ごとに区別して第1有機ELパネル10(10a〜10d)、第2有機ELパネル11(11a〜11d)、第3有機ELパネル12(12a〜12d)、第4有機ELパネル13(13a〜13d)という。
また、これらの有機ELパネル2の構造は、有機EL装置5の発光色以外は同様である。
【0050】
有機ELパネルの接続構造1は、上記したように接続配線3によって、各有機ELパネル間が接続されている。具体的には、有機ELパネルの接続構造1は、
図1のように4つの有機ELパネル10,11,12,13によって、一つのユニット(以下、有機ELパネル群60)を形成しており、有機ELパネル群60が面上に広がりをもって分布されている。
【0051】
そして、本実施形態の有機ELパネルの接続構造1では、
図1のように4行4列に有機ELパネル2が配列されている。
横方向(列方向R)においては、第1行には、第1有機ELパネル10a,第2有機ELパネル11a,第1有機ELパネル10b,第2有機ELパネル11bの順に交互に配されている。
第2行には、第3有機ELパネル12a,第4有機ELパネル13a,第3有機ELパネル12b,第4有機ELパネル13bの順に交互に配されている。
第3行には、第2有機ELパネル11c,第1有機ELパネル10c,第2有機ELパネル11d,第1有機ELパネル10dの順に交互に配されている。
第4行には、第4有機ELパネル13c,第3有機ELパネル12c,第4有機ELパネル13d,第3有機ELパネル12dの順に交互に配されている。
このように、有機ELパネルの接続構造1は、いずれの行においても、2種類の有機ELパネル10,11又は有機ELパネル12,13が交互に配列されており、同一色の有機ELパネルは、当該同一色の有機ELパネル間に少なくとも1種類の異なる有機ELパネルを挟んで、並設されている。例えば、同一色の有機ELパネル10a,10bは、有機ELパネル10a,10b間に少なくとも1種類の異なる有機ELパネル11aを挟んで、並設されている。
【0052】
縦方向(行方向C)においては、第1列には、第1有機ELパネル10a,第3有機ELパネル12a,第2有機ELパネル11c,第4有機ELパネル13cの順に交互に配されている。
第2列には、第2有機ELパネル11a,第4有機ELパネル13a,第1有機ELパネル10c,第3有機ELパネル12cの順に交互に配されている。
第3列には、第1有機ELパネル10b,第3有機ELパネル12b,第2有機ELパネル11d,第4有機ELパネル13dの順に交互に配されている。
第4列には、第2有機ELパネル11b,第4有機ELパネル13b,第1有機ELパネル10d,第3有機ELパネル12dの順に交互に配されている。
このように、有機ELパネルの接続構造1は、行方向Cにおいて、4種類の有機ELパネルのうち、全種類の有機ELパネルが同一列に並んでいる。すなわち、いずれの有機ELパネルにおいても、自己に隣接する有機ELパネルの種類が異なっており、自己の発光色と異なっている。また、自己に最近接する同一種類の有機ELパネルの距離が等間隔となっている。
【0053】
本実施形態の有機ELパネルの接続構造1は、列方向Rにおいて、有機ELパネル群60が2つ並んでおり、第3列と第4列に属する有機ELパネル群60は、第1列と第2列に属する有機ELパネル群60の行方向Cに並んだ有機ELパネルが入れ替わった関係となっている。
別の観点からみると、第3列と第4列に属する有機ELパネル群60は、第1列と第2列に属する有機ELパネル群60を、列方向Rに有機ELパネル1枚分だけスライドした位置にあるともいえる。
【0054】
第1行に配列する、第1有機ELパネル10a、第2有機ELパネル11a、第1有機ELパネル10b、第2有機ELパネル11bの4枚の有機ELパネルの接続関係に注目すると、
図4に示されるように、第1有機ELパネル10aの第2給電端子29と、隣接する第2有機ELパネル11aの第1迂回端子33が接続配線3によって接続されており、第2有機ELパネル11aの第2迂回端子34と、第1有機ELパネル10bの第1給電端子25が接続配線3によって接続されている。すなわち、第1有機ELパネル10aと第1有機ELパネル10b間には、第2有機ELパネル11aとは電気的に絶縁された導電経路が形成されており、その導電経路によって互いに電気的に直列に接続されている。言い換えると、第2有機ELパネル11aは、自己の迂回部材18によって、自己に隣接する第1有機ELパネル10aと第1有機ELパネル10bを電気的に接続させている。
【0055】
また、第2有機ELパネル11aの第2給電端子29と、隣接する第1有機ELパネル10bの第1迂回端子33が接続配線3によって接続されており、第1有機ELパネル10bの第2迂回端子34と、第2有機ELパネル11bの第1給電端子25が接続配線3によって接続されている。すなわち、第2有機ELパネル11aと第2有機ELパネル11b間には、第1有機ELパネル10bとは電気的に絶縁された導電経路が形成されており、その導電経路によって互いに電気的に直列に接続されている。言い換えると、第1有機ELパネル10bは、自己の迂回部材18によって、自己に隣接する第2有機ELパネル11aと第2有機ELパネル11bを電気的に接続させている。
【0056】
第2行に配列する、第3有機ELパネル12a、第4有機ELパネル13a、第3有機ELパネル12b、第4有機ELパネル13bの4枚の有機ELパネル2の接続関係に注目すると、
図4に示されるように、第3有機ELパネル12aの第2給電端子29と、隣接する第4有機ELパネル13aの第1迂回端子33が接続配線3によって接続されており、第4有機ELパネル13aの第2迂回端子34と、第3有機ELパネル12bの第1給電端子25が接続配線3によって接続されている。すなわち、第3有機ELパネル12aと第3有機ELパネル12b間には、第4有機ELパネル13aとは電気的に絶縁した導電経路が形成されており、その導電経路によって互いに電気的に直列に接続されている。言い換えると、第4有機ELパネル13aは、自己の迂回部材18によって、自己に隣接する第3有機ELパネル12aと第3有機ELパネル12bを電気的に接続させている。
【0057】
また、第4有機ELパネル13aの第2給電端子29と、隣接する第3有機ELパネル12bの第1迂回端子33が接続配線3によって接続されており、第3有機ELパネル12bの第2迂回端子34と、第4有機ELパネル13bの第1給電端子25が接続配線3によって接続されている。すなわち、第4有機ELパネル13aと第4有機ELパネル13b間には、第3有機ELパネル12bとは電気的に絶縁した導電経路が形成されており、その導電経路によって互いに電気的に直列に接続されている。言い換えると、第3有機ELパネル12bは、自己の迂回部材18によって、自己に隣接する第4有機ELパネル13aと第4有機ELパネル13bを電気的に接続させている。
【0058】
第3行の接続関係については、第1行の第1有機ELパネル10と第2有機ELパネル11の位置関係がそれぞれ逆転したこと以外は同様であり、第4行の接続関係については、第2行の第3有機ELパネル12と第4有機ELパネル13の位置関係がそれぞれ逆転したこと以外は同様であるため、説明を省略する。
【0059】
このように、有機ELパネルの接続構造1は、列方向Rに配列した同一種類の有機ELパネル2間で、電気的に直列接続された複数の直列接続群70,71,72,73を形成している。
【0060】
有機ELパネルの接続構造1に外部電源を接続した場合の各有機ELパネル2間の電気的な接続関係に注目すると、上記したように第1有機ELパネル10aと第1有機ELパネル10bは電気的に直列に接続されて直列接続群70(70a)を形成しており、第1有機ELパネル10cと第1有機ELパネル10dは電気的に直列に接続されて直列接続群70(70b)を形成している。そして、
図6(a),
図6(b)のように直列接続群70aは、直列接続群70bと、電気的に並列の関係となっている。
なお、
図6(a)は、有機ELパネルの接続構造1の実際の位置関係を考慮した電気回路図であり、
図6(b)は、
図6(a)を簡略化した電気回路図である。
【0061】
第2有機ELパネル11aと第2有機ELパネル11bは電気的に直列に接続されて直列接続群71(71a)を形成しており、第2有機ELパネル11cと第2有機ELパネル11dは電気的に直列に接続されて直列接続群71(71b)を形成している。そして、
図6(a),
図6(b)のように直列接続群71aと直列接続群71bは、電気的に並列の関係となっている。
【0062】
第3有機ELパネル12aと第3有機ELパネル12bは電気的に直列に接続されて直列接続群72(72a)を形成しており、第3有機ELパネル12cと第3有機ELパネル12dは電気的に直列に接続されて直列接続群72(72b)を形成している。そして、
図6(a),
図6(b)のように直列接続群72aと直列接続群72bは、電気的に並列の関係となっている。
【0063】
第4有機ELパネル13aと第4有機ELパネル13bは電気的に直列に接続されて直列接続群73(73a)を形成しており、第4有機ELパネル13cと第4有機ELパネル13dは電気的に直列に接続されて直列接続群73(73b)を形成している。そして、
図6(a),
図6(b)のように直列接続群73aと直列接続群73bは、電気的に並列の関係となっている。
【0064】
直列接続群70a及び直列接続群70bは、直列接続群71a及び直列接続群71b、直列接続群72a及び直列接続群72b、並びに直列接続群73a及び直列接続群73bと電気的に並列の関係となっている。
【0065】
直列接続群70a及び直列接続群70bは、それぞれ外部電源と閉回路を形成している。同様に、直列接続群71a及び直列接続群71b、直列接続群72a及び直列接続群72b、並びに直列接続群73a及び直列接続群73bは、それぞれ外部電源と閉回路を形成している。
【0066】
以上のように、有機ELパネルの接続構造1は、それぞれの直列接続群70,71,72,73が外部電源と閉回路を形成しており、可変抵抗やマイコンを使用したPWM制御等によってそれぞれの有機ELパネルへの電流量等を制御することによって調光することが可能となっている。
【0067】
なお、可変抵抗を使用してそれぞれの有機ELパネルへの電流量等を制御する場合には、正確に制御する観点から各直列接続群70a,70b,71a,71b,72a,72b,73a,73bに対して可変抵抗を取り付けることが好ましい。
【0068】
また、本実施形態の有機ELパネルの接続構造1によれば、直列接続群70,71,72,73は互いに電気的に並列に接続されているため、例えば、各第1有機ELパネル10が劣化して発光不能状態になったとしても、給電部材6で接続したまま、短絡した有機EL装置5のみを新しい有機EL装置5に交換することによって、第1有機ELパネル10を発光可能状態に復帰することが可能である。すなわち、第1有機ELパネル10a,10b,10c,10dと、第2有機ELパネル11a,11b,11c,11dと、第3有機ELパネル12a,12b,12c,12dと、第4有機ELパネル13a,13b,13c,13dに内蔵されるそれぞれの有機EL装置5の寿命を最大限に利用することが可能である。
【0069】
また、本実施形態の有機ELパネルの接続構造1によれば、直列接続群70,71,72,73を構成する有機ELパネルに流れる電流は制御可能であり、さらに直列接続群70,71,72,73を構成する有機ELパネルはまんべんなく全体に分布しているため、色むらがなく、均一に発光させることが可能となっている。
【0070】
続いて、有機EL装置5の層構成について説明する。
【0071】
基板42の材質は、透明性と絶縁性を備えたものであれば、特に限定されるものではない。本実施形態では、ガラス基板を採用している。
また、基板42は、面状に広がりをもっている。具体的には、多角形又は円形をしており、四角形であることが好ましい。本実施形態では、正方形状のガラス基板を採用している。
【0072】
第1電極層43は、透明導電性酸化物によって形成された層であり、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)などが採用できる。
【0073】
機能層45は、
図5のように第1電極層43と第2電極層46との間に設けられ、少なくとも一層の有機発光層を備えた層である。
具体的には、機能層45の構成は、
図5のように、第1電極層43側から順に、正孔注入層61,正孔輸送層62,有機発光層63,電子輸送層64,及び電子注入層65を有している。正孔注入層61,正孔輸送層62,有機発光層63,電子輸送層64,及び電子注入層65はいずれも公知の有機材料等によって形成されている。
【0074】
上記したように、本実施形態では、有機発光層63の種類によって、有機EL装置5の発光色を制御し、それぞれの有機ELパネル10,11,12,13間で、発光色が異なるものにしている。
具体的には、第1有機ELパネル10は、有機発光層63の種類によって、550nm未満の波長にのみ発光ピークを有する青色系発光色を有した有機ELパネルとなるように設計しており、第2有機ELパネル11は、有機発光層63の種類によって、550nm以上の波長にのみ発光ピークを有する赤色系発光色を有した有機ELパネルとなるように設計している。
なお、本実施形態では、4色の有機ELパネルを使用しているため、第1有機ELパネル10は、有機発光層63の種類によって、400nm以上500nm未満の波長にのみ発光ピークを有する青色系発光色を有した有機ELパネルとなるように設計しており、第2有機ELパネル11は、有機発光層63の種類によって、620nm以上700nm以下の波長にのみ発光ピークを有する赤色系発光色を有した有機ELパネルとなるように設計している。
【0075】
また、第3有機ELパネル12は、有機発光層63の種類によって、495nm以上570nm未満の波長にのみ発光ピークを有する緑色系発光色を有した有機ELパネルとなるように設計しており、第4有機ELパネル13は、有機発光層63の種類によって、570nm以上620nm未満の波長にのみ発光ピークを有する橙色系発光色を有した有機ELパネルとなるように設計している。
有機EL装置5の発光面積は、4mm
2から4m
2であり、50cm
2から2m
2であることが好ましく、100cm
2から2500cm
2であることが特に好ましい。
【0076】
第2電極層46は、第1電極層43と一対となって電極を形成するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば銀(Ag)やアルミニウム(Al)などが採用できる。
【0077】
上記した実施形態において、4行4列の有機ELパネル10が配列された有機ELパネルの接続構造1について説明したが、実際に有機ELパネルの接続構造1を照明として使用する場合には、使用環境に合わせて、有機ELパネルの接続構造1を基準として拡張して使用することとなる。そこで、代表例として、
図7のように有機ELパネルの接続構造1を一つのユニットとして、4つの有機ELパネルの接続構造1で拡張し、照明として使用した場合について、各有機ELパネル10の位置関係を説明する。
有機ELパネルの接続構造1が平面上に分布するように拡張した照明は、
図9のように同一色の有機ELパネル10,10の間に、異なる種類の有機ELパネル11,12,13のそれぞれが挟まれる関係となっている。具体的には、同一色の有機ELパネル10,10の間に、残りの色の有機ELパネル11,12,13が一枚ずつ挟まれている。
また、行方向に隣接する同一種類の有機ELパネルの間隔は、隣の列の、行方向に隣接する同一種類の有機ELパネルの間隔と等間隔となっている。例えば、行方向に隣接する第1有機ELパネル10a,10a間の距離は、隣の列の第1有機ELパネル10b,10b間の距離と等しくなっている。
【0078】
上記した実施形態では、4種類の有機ELパネル2を用いた場合について説明したが、複数種類の有機ELパネル2であれば特に限定されない。
例えば、2種類の場合について説明すると、
図8のように、発光色が異なる第1有機ELパネル10と第2有機ELパネル11が行方向及び列方向に交互に配列される。すなわち、発光色が異なる第1有機ELパネル10と第2有機ELパネル11が千鳥状に配されている。
また、第1有機ELパネル10a,10bからなる直列接続群70aは、第1有機ELパネル10c,10dからなる直列接続群70b、第1有機ELパネル10e,10fからなる直列接続群70c、並びに、第1有機ELパネル10g,10hからなる直列接続群70dと電気的に並列の関係となっている。第2有機ELパネル11a,11bからなる直列接続群71aは、第2有機ELパネル11c,11dからなる直列接続群71b、第2有機ELパネル11e,11fからなる直列接続群71c、並びに、第2有機ELパネル11g,11hからなる直列接続群71dと電気的に並列の関係となっている。
【0079】
上記した実施形態では、行方向に並んだ同色の有機ELパネル2(例えば、第1有機ELパネル10a,10b)が電気的に直列接続の関係となっており、当該行方向に並んだ同色の有機ELパネル2が、列方向の、行方向に並んだ同色の有機ELパネル(例えば、第1有機ELパネル10c,10d)と電気的に並列の関係となっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、
図9のようにすべての同色の有機ELパネルが電気的に直列に接続されていてもよい。
【0080】
上記した実施形態では、自己の給電部材(迂回部材)を介して隣接する同色の有機ELパネル間を電気的に接続したが、本発明はこれに限定されるものではなく、接続配線3によって有機ELパネル間を直接接続してもよい。
【0081】
上記した実施形態では、有機EL装置は、片面が発光するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、片面発光の有機EL装置を重ね合わせる等の方法によって、有機EL装置の両面が発光するものであってもよい。
【0082】
上記した実施形態では、迂回部材は発光領域を縦断又は横断して設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、迂回部材は発光領域を迂回するように額縁領域に設けられていてもよい。特に有機EL装置の両面が発光する場合に、迂回部材を、発光領域を迂回するように設けることで、迂回部材が光に映りこむことを防止することが可能である。