特許第6116875号(P6116875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6116875
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】インキ組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/106 20140101AFI20170410BHJP
   C09D 11/037 20140101ALI20170410BHJP
   C09D 11/16 20140101ALN20170410BHJP
【FI】
   C09D11/106
   C09D11/037
   !C09D11/16
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-259145(P2012-259145)
(22)【出願日】2012年11月27日
(65)【公開番号】特開2014-105282(P2014-105282A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年11月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】390039734
【氏名又は名称】株式会社サクラクレパス
(74)【代理人】
【識別番号】100122954
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷部 善太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(72)【発明者】
【氏名】村上 真理
【審査官】 西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−109739(JP,A)
【文献】 特開2004−010659(JP,A)
【文献】 特開2012−052057(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/133134(WO,A1)
【文献】 特開2001−191026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/00− 11/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MFTが30℃以下のアクリルシリコーン系樹脂エマルジョンを全組成物中に樹脂固形分として7〜45重量%、顔料、分散剤及び水性溶剤を含有するガラス表面及び陶器表面用水性インキ組成物。
【請求項2】
さらに揺変剤及び/又は樹脂球を含有する請求項1に記載のガラス表面及び陶器表面用水性インキ組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラスや陶器表面に筆記可能なインキ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス表面に筆記可能なインキ自体は公知であり、いわゆる油性インキの他に、例えば、特許文献1により、グリコールエーテル類等の有機溶剤、顔料、25℃における水、及び塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸エステルの重合体等のアクリル系樹脂を始めとするエタノールへの溶解度が7%以下の樹脂を含有するインキや、特許文献2により、着色剤、スチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、(メタ)アクリル酸エステル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン、(メタ)アクリル酸エステル・塩化ビニリデン共重合体エマルジョン等の樹脂エマルジョン及びアルカリ可溶性樹脂から選ばれる少なくとも1種、水溶性樹脂、揺変性付与剤、及び水を含有するガラス存在表示用マーキングインキが、特許文献3により、顔料、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の樹脂エマルジョンを含有するガラス用水性顔料インキが知られている。
さらに特許文献4には、ガラス表面ではないが、被浸透面に筆記するための、少なくとも顔料と、水と、ポリカーボネートポリオール共重合型ウレタンエマルジョンとを含有することを特徴とする筆記具用水性インキ組成物が記載されている。
【0003】
しかしながら、これらの水性インキによれば、確かにガラスや陶器表面に筆記することは可能ではあるが、ガラスや陶器表面が備える親水性により、水性インキ中の溶媒である水が該親水性表面と水性インキ有簿樹脂や着色剤との間に存在する傾向がある。そのため、その筆跡はガラスや陶器表面に十分に固定されないので、耐水性、耐温水性及び耐擦過性に劣るものであり、ガラスや陶器表面に定着させることができるインキではなかった。
そのため、例えばこれらの水性インキで筆記したガラス製品等を洗浄した場合には、筆跡が流れ落ちてしまう結果となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−43634号公報
【特許文献2】特開平9−157576号公報
【特許文献3】特開平2−135268号公報
【特許文献4】特開2008−1832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ガラスや陶器の表面に筆記した場合であっても、その筆跡が十分に耐水性、耐温水性、耐擦過性に優れる性質を有し、そのガラス製品や陶器を繰り返し洗浄しても十分に筆跡が残るようなインキを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するための発明であり以下の構成を有する発明である。
1.アクリルシリコーン系樹脂エマルジョン、顔料、分散剤及び水性溶剤を含有するガラス表面及び陶器表面用水性インキ組成物。
2.さらに揺変剤及び/又は樹脂球を含有する1に記載のガラス表面及び陶器表面用水性インキ組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ガラスや陶器の表面に筆記した場合であっても、その筆跡が十分に耐水性、耐温水性、耐擦過性に優れる性質を有する効果を奏する。また、使用する顔料等を選択することによりツヤ有り又はツヤ無しのインキ組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のインキ組成物が含有する各成分について以下に説明する。
(アクリルシリコーン系樹脂エマルジョン)
アクリルシリコーン系樹脂としては、アクリル系ポリマー又はオリゴマーを主鎖とし、その主鎖に対してシリコーン構造を有するポリシロキサンオリゴマーを側鎖としてグラフト結合されてなる櫛形のポリマーを意味する。さらにそのアクリル系樹脂の主鎖としては、例えばスチレン等のコポリマー成分を含有していても良い。本発明においてはアクリルシリコーン系樹脂を界面活性剤等によりエマルジョン化してなるアクリルシリコーン系樹脂エマルジョンを使用する。
そのアクリルシリコーン系樹脂エマルジョンとしては、例えば、プライマルPR−29、ポリゾールAP3900、AE980、AE982等を使用でき、アクリルシリコーン系樹脂エマルジョンとしては、その安定性を損なわない程度に樹脂固形分を有するもの、例えば、樹脂固形分が20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%のものを使用できる。
なお、上記のアクリルシリコーン系樹脂であれば本発明による効果を発揮できるが、なかでもMFTが30℃以下の樹脂がより耐擦過性を向上させるためにはより好ましい。更に好ましくはMFTが15℃以下の樹脂である。
【0009】
そして、本発明におけるアクリルシリコーン系樹脂エマルジョンの使用量としては、その樹脂固形分として、本発明の水性インキ組成物中2〜45重量%の濃度となるように、好ましくは4〜45重量%、さらに好ましくは7〜45重量%、さらには7〜40重量%、最も好ましくは10〜30重量%の濃度となるように配合して使用することができる。この結果、インキ組成物による筆跡に耐温水性や耐擦過性を付与することができる。
アクリルシリコーン系樹脂エマルジョンの固形分がインキ組成物中45重量%を超えると、インキ組成物の粘度が高くなり、筆記具としたときにインキの流出性が悪化し、2重量%未満であると、インキ組成物の筆跡の耐温水性及び基材への耐擦過性が悪化する。
【0010】
(顔料)
顔料はインキ組成物による筆跡が目的とする着色や、本発明のインキ組成物による筆跡が耐水性、耐温水性、耐擦過性等の性質を備える範囲においてインキ組成物に配合され得る成分である。
そしてこのような目的を達成する範囲において、任意の顔料を使用することができる。
例えば、有機顔料及び染料としては、フタロシアニン系、アゾ系、キナクドリン系、アンスラキノン系、ジオキサン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、インドレノン系、アゾ−アゾメチン系等の公知の有機顔料や染料を採用することができる。
また無機顔料としては、二酸化チタン、カーボンブラック、アルミナのシリカ、タルク、アルミニウム粉およびブロンズ粉等の金属粉顔料;蛍光顔料;パール顔料;ならびに光輝性顔料等を使用することができる。
【0011】
本発明のインキ組成物中のこれらの顔料の含有量としては、0.5〜35重量%であり、1.0〜30重量%が好ましい。35重量%を超えるとインキ組成物の粘度が高くなりすぎて、筆記具とした場合にはインキ流出性が悪化し、0.5重量%未満であると、インキ組成物が十分に着色されることがなく、発色性及び隠蔽性が悪化する。
さらに、目的の色とするために、必要に応じて各種の染料を配合することができる。
本発明のインキ組成物は、必要に応じて、上記以外の成分を含んでよい。具体的には、潤滑剤、湿潤剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、消泡剤、レベリング剤、凝集防止剤、pH調整剤、水溶性有機溶剤および界面活性剤等を添加してよい。
【0012】
(分散剤)
本発明において、含有する顔料の分散を安定化させることを目的として、水への溶解性に優れた分散剤をインキ組成物に配合する。
そのような分散剤としては公知の分散剤を使用することができ、例えば、スチレンアクリル系樹脂、スチレン系樹脂及びアクリル系樹脂等の1種以上である。このような分散剤として例えばジョンクリルJ−62、ジョンクリルHPD−96、ジョンクリル70(BASFジャパン)等を使用することができる。
本発明のインキ組成物の分散剤の含有量としては、インキ組成物全体に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%であり、インキ組成物中の顔料の量に応じて含有量を決めることもできる。
分散剤の含有量が20重量%を超えると筆記具にした場合におけるインキ流出性が悪化し、0.1重量%未満であると、顔料の分散性が低下して、粘度や筆跡の基材に対する耐擦過性に劣ることになる。
【0013】
(水性溶剤)
本発明における水性溶剤としては、水、又は水と水溶性有機溶媒の混合溶媒を使用することができる。また、上記のアクリルシリコーン系樹脂エマルジョンに由来する水性溶媒もインキ組成物に配合される。
本発明における水溶性有機溶媒としては公知のもので良く、水溶性有機溶剤は、インキの乾燥防止剤又は湿潤剤として用いることができる。水溶性有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのカルビトール類、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。水溶性有機溶剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。このような水性有機溶媒を使用することにより筆記具とした場合のペン先の乾燥を防止することができる。
【0014】
本発明のインキ組成物における、上記アクリルシリコーン系樹脂エマルジョン等に由来する溶媒を含む水性溶媒全体の使用量としては、インキ組成物全体に対して1〜90重量%であり、好ましくは5〜85重量%である。
本発明において、水性溶剤の配合量が90重量%を超えると、インキ組成物の粘度が低くなりすぎるので、筆記具としたときに流出するインキ組成物の制御が困難となり、また筆跡が薄くなりすぎて耐擦過性が悪化する。また、必要があるにも関わらず、水性溶媒を十分に配合しなかった場合には、インキ組成物の粘度が高くなりすぎて筆記具とした場合のインキの流出性が悪化する。
【0015】
(揺変剤)
本発明のインキ組成物においては水溶性の揺変剤を含有させることができる。揺変剤を含有させることによって、インキ組成物にチキソトロピー性を付与することができ、インキ組成物の保管時、若しくは筆記具内のインキ貯留部において、インキ組成物からハードケーキが生じることを防止できる。
そのような揺変剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、ポリアクリル酸アンモニウムやアクリル酸エマルジョンを採用することができ、具体的には、MOWIPLAS XW330、プライマルASE−60、プライマルTT−935を使用することができる。
揺変剤の使用量としては、インキ組成物の粘度調整や目的とする揺変性程度を考慮して決定でき、そのインキ組成物全体に対して0.5〜5重量%、好ましくは1.0〜3.0重量%である。
揺変剤の含有量が5重量%を超えると、インキ組成物の粘度が高くなり、筆記具とした場合のインキの流出性が悪化する。また揺変剤の使用量が足りない場合には、粘度が低下し、揺変性が不足することになる。
【0016】
(樹脂球)
本発明では、インキ組成物に樹脂球が含まれてもよい。樹脂球は、インキ中の固形分の平均比重を小さくし、隠蔽性を向上するために用いることができる。樹脂球の形状は、特に限定されるものではなく、球状、不定形、中空、扁平状などが挙げられる。材質としてはポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリメタクリレート、ベンゾグアナミン、ナイロン等が挙げられ、また、染料などで着色したものも使用できる。本発明に使用できる樹脂球としては、MP−1000(ポリメチルメタクリレート、綜研化学(株)製)、エポスターS(メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、日本触媒化学工業(株)製)、ナイロンSP(ナイロン、東レ(株)製)、塩化ビニル#121(塩化ビニル、日本ゼオン(株)製)、MH5055(固形分30%)(日本ゼオン(株)製)、SX863(A)(固形分20%)、SX864(B)(固形分40%)、SX865(B)(固形分48%)(以上、日本合成ゴム(株)製)、ローペイクOP−62(固形分42.5%)、同OP−84J(固形分37.5%)、同OP−91(固形分27.5%)、ローペイクウルトラ(以上、ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)、ミューティクルPP120、ミューティクルPP240D(三井東圧化学社製)、VONCOAT PP−2000S、VONCOAT PP−1000、VONCOATPP−1001、VONCOAT PP−1100(大日本インキ化学工業社製)などが挙げられる。
【0017】
(その他の添加剤)
本発明の水性インキ組成物には、必要に応じて、その他の添加剤を添加してもよい。その他の添加剤としては、特に限定されるものではないが、慣用の添加剤として、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトレートなどの防錆剤、ベンゾイソチアゾリン系防腐防黴剤、ペンタクロロフェノール系防腐防黴剤、クレゾール系防腐防黴剤、プロピレングリコール系防腐防黴剤、ヨウ素系防腐防黴剤等の防腐防黴剤、アルキルスルホコハク酸系等の界面活性剤、湿潤剤、消泡剤、レベリング剤、凝集防止剤、pH調整剤、などが挙げられる。
【0018】
(インキ組成物の用途)
本発明のインキ組成物は各種の筆記具に使用することができる。
例えば、マーカー、ペンなどのインク貯留部に充填し、これを先芯を介してガラスや陶器等の表面に筆記することができる。
対象物としてのガラスや陶器はいわゆる食器でもよい。これらはいずれも、一般的な油性インキ組成物により筆記することが可能であるが、食器は洗浄して繰り返し使用するが繰り返し使用しても、本発明のインキ組成物による筆跡は簡単には落ちることがない。特に耐温水性に優れることにより、食器洗浄器による洗浄を行う食器にも使用することができる。
【0019】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はその実施例に限定されるものではない。
(実施例)
本発明のインキ組成物の製造方法
a.水性溶媒と分散剤を混合・撹拌して分散剤溶液を得る。なお実施例6〜13にはさらにプロピレングリコールを混合させた。
b.aで得られた分散剤溶液に顔料を添加し、ビーズミルにより撹拌して顔料分散液を得る。
c.別の容器に水性溶媒に揺変剤を加えて撹拌して揺変剤溶液を得る。
d.cにより得られた揺変剤溶液にbにより得られた顔料分散液を加え、さらに潤滑剤及び防腐剤を添加する。
e.dにより得られた組成物に樹脂エマルジョンを添加して撹拌し、本発明のインキ組成物を製造した。
【0020】
上記製造方法により得られたインキ組成物を用いて下記の筆記具を作成した。
上記のインキ組成物を撹拌子が入れられたペン本体のインキ収納部に充填し、弁により蓋をした後、繊維束により形成されたマーカー用ペン先に結合させた。
【0021】
実施例1は、アクリルシリコーン樹脂エマルジョンとしてプライマルPR−29をインキ組成物全体に対して20重量%となるように配合した。それによるインキ中のアクリルシリコーン樹脂の固形分は8.6重量%である。
実施例2は実施例1にて使用したアクリルシリコーン樹脂エマルジョンの量を70重量%と増加させた。
実施例3〜5は、実施例1のインキ組成物にて使用したプライマルPR−29に代えて、それぞれポリゾールAP−3900、AE980、AE982とした以外は同等にしてインキ組成物を得た。
また実施例6〜14はインキ組成物中に樹脂球を含有させず、アクリルシリコーン樹脂エマルジョンの使用量やアクリル酸エステル樹脂エマルジョン、揺変剤等の使用量を変えた例である。
一方比較例1〜7はいずれも実施例1のインキ組成物に対して、アクリルシリコーン樹脂エマルジョンを使用せず、アクリル酸エステル樹脂エマルジョンやスチレンアクリル酸樹脂エマルジョンを採用した例である。
【0022】
(評価)
<耐水性、耐温水性>
ガラス板にフリーハンドにて直線を引き、24時間放置して乾燥させた後、その直線の半分を室温(耐水性)又は50℃の温度(耐温水性)のイオン交換水に浸漬し、1週間後の剥離状況を目視した。評価前の直線の筆跡の面積を100%とし、その面積に対する剥離状況を目視したときに残っている筆跡の面積を求めた。
<耐擦過性>
ガラス板にフリーハンドにて直線を引き、24時間放置して乾燥させた後、20±2℃の温度、65±5%の雰囲気下で、綿により1kg/cmの荷重をかけながら該直線を擦った。
その結果、擦った直線部分の筆跡の剥がれ状況を目視にて確認した。評価前の直線の筆跡の面積を100%とし、その面積に対する剥離状況を目視したときに残っている筆跡の面積を求めた。
これらの結果を以下の表1に示す。
【0023】
【表1(A)】
【表1(B)】
【0024】
なお、上記表にて使用した原料のうち主な成分のエマルジョンの固形分は以下の通り。
ミューティクルPP240Dの固形分は44%(三井化学)
プライマルPR―29の固形分は43%(MFT6℃)(ローム・アンド・ハース)
ポリゾールAP−3900の固形分は50%(MFT35℃)(昭和電工)
AE980の固形分は50%(MFT0℃以下)(イーテック)
AE982の固形分は51%(MFT10℃)(イーテック)
ボンコートAB−901の固形分は50%(MFT0℃以下)(DIC)
プライマルSF−021の固形分は45%(MFT0℃以下)(ローム・アンド・ハース)
プライマルRHA−691の固形分は62%(MFT0℃以下)(ローム・アンド・ハース)
ポリゾールAT−741の固形分は58%(MFT0℃以下)(昭和電工)
ポリゾールAP−3150の固形分は41%(MFT0℃以下)(昭和電工)
ボンコート3256の固形分は45%(MFT0℃以下)(DIC)
ニカゾールA02Kの固形分は46%(MFT0℃以下)(日本カーバイド)
【0025】
上記表1に示される結果によれば、本発明に沿った例では、耐水性、耐温水性、耐擦過性はいずれも良好であり、特に実施例1、2、5、7、11〜14によると、これらの評価は全て100%と極めて良かった。また、実施例3によると、耐水性と耐温水性がそれほど良くはない結果に留まるが、これはポリゾールAP−3900のMFTが35℃と高いので、他のアクリルシリコーン樹脂エマルジョンによるよりも塗膜を形成しにくいことが原因としてあげられる。
さらに実施例4、6及び8については、耐擦過性に若干劣る結果となっているが、これはアクリルシリコーン樹脂をAE980としたしたことや、プライマルPR−29の含有量が比較的少ないことによる結果といえる。
また、実施例8〜10によっても耐擦過性に若干劣る結果になったが、これは、アクリル酸エステル樹脂エマルジョンを併用したことで、この樹脂の特性が反映されたものと考えられる。
これに対して、比較例1〜7に示されるように、アクリルシリコーン樹脂エマルジョンを採用すること無く他の樹脂エマルジョンを採用した場合には、耐水性、耐温水性、耐擦過性の評価の内の少なくとも1つが30%以下と極めて良くない結果であった。