特許第6117008号(P6117008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6117008
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】サイドミラーカバーおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/06 20060101AFI20170410BHJP
【FI】
   B60R1/06 Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-123912(P2013-123912)
(22)【出願日】2013年6月12日
(65)【公開番号】特開2014-240249(P2014-240249A)
(43)【公開日】2014年12月25日
【審査請求日】2016年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】512195234
【氏名又は名称】磯江 憲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】磯江 憲夫
(72)【発明者】
【氏名】中野 義典
(72)【発明者】
【氏名】森本 千明
【審査官】 倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−077154(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3109947(JP,U)
【文献】 特開2000−043397(JP,A)
【文献】 特開平05−078937(JP,A)
【文献】 特開平10−060756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/06
B60J 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のサイドミラーに被せられるサイドミラーカバーの製造方法であって、
一方の端部に環状のゴム部を有する伸縮自在の筒編み生地を作成する工程と、
前記筒編み生地の他方の端部を縫い合わせて袋体を形成する工程と、
前記袋体の側面の一部を切り抜いて開口部を形成し、前記開口部の縁部を縫製する工程と、
を具備することを特徴とするサイドミラーカバーの製造方法。
【請求項2】
前記開口部を形成する前に、前記袋体の生地が伸びるように前記袋体を型にはめた状態で、前記袋体の少なくとも一部に昇華プリントを施すことを特徴とする請求項1記載のサイドミラーカバーの製造方法。
【請求項3】
前記筒編み生地を形成する繊維は、ポリウレタン弾性繊維の外周部をポリエステルで被覆したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサイドミラーカバーの製造方法。
【請求項4】
前記開口部を形成した後、前記袋体の内面の少なくとも一部に、滑り止め部材を設けることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のサイドミラーカバーの製造方法。
【請求項5】
自動車のサイドミラーに被せられるサイドミラーカバーであって、
一方の端部が開口し、他方の端部が閉じられた筒編みによって形成された伸縮自在の袋体と、
前記一方の端部に環状に縫製されたゴム部と、
前記袋体の側面の一部に形成され縁部が縫製された開口部と、
を具備することを特徴とするサイドミラーカバー。
【請求項6】
前記袋体は、ポリウレタン弾性繊維の外周部をポリエステルで被覆した繊維で編み込まれ、前記袋体の少なくとも一部には、昇華プリントが施されていること特徴とする請求項5記載のサイドミラーカバー。
【請求項7】
前記袋体の内面の少なくとも一部に、滑り止め部材が設けられることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のサイドミラーカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のサイドミラーに被せて使用されるサイドミラーカバーと、この製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の両サイドには、サイドミラーが設けられている。サイドミラーは、運転手が視認するためのミラー部を有する。このようなサイドミラーに対して、事後的に装飾や保護を目的として装着されるサイドミラー用カバーがある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−245971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなサイドミラー用カバーは、サイドミラーに対してねじ等を用いて固定される。このため、脱着作業が煩雑である。また、サイドミラーカバーは、サイドミラーの形状に対応する形状とする必要があるため、例えば車種ごとに形状を変更する必要がある。
【0005】
そこで、このようなサイドミラーカバーを布製とする方法がある。布製にすることで、サイドミラーへの装着にねじ等が必要なく、また、複数のサイドミラーの形状へも多少の追従性を有する。
【0006】
図8(a)は、布製のサイドミラーカバー100を示す図である。サイドミラーカバー100は、サイドミラーに被せて固定する部位である固定部103と、ミラー部を視認するための開口部107を有する。固定部103は、筒状の本体が開口する部位であり、ここからサイドミラーへ本体を被せて固定される。また、開口部107は、ミラー部の形状に応じて切除される。
【0007】
サイドミラーカバー100は、通常、1枚の布を縫製することで、サイドミラーへ装着可能な形状となる。例えば、1枚の布を丸めるようにして、突合せ部分を縫製して略筒状とし、サイドミラー形状にする。しかし、このような、サイドミラーカバー100には、図示したような縫製部101が存在する。
【0008】
図8(b)は、サイドミラーカバー100をサイドミラー111に装着した状態を示す図である。サイドミラーカバー100は、固定部103側から、サイドミラー111の先端側へ被せられる。固定部103をアーム部113まで被せることで、サイドミラーカバー100がサイドミラー111の全体に装着される。この際、前述したように、開口部107は、ミラー部115の位置に配置される。このため、サイドミラーカバー100がミラー部115を隠すことがない。
【0009】
このようなサイドミラーカバー100は、縫製部101の長さが長く、生地の型抜き等が必要となることから、必ずしも製造性が良いものではない。また、縫製部101がほつれてしまうと、サイドミラーカバー100がサイドミラー111から脱落する恐れがある。例えば、固定部103につながる縫製部101がほつれると、固定部103の開口サイズが大きくなるため、サイドミラーカバー100はサイドミラー111から容易に脱落する。
【0010】
また、通常の織物は、伸縮性に乏しく、サイドミラー111の形状に完全に追従させることは困難である。仮に伸縮性の生地を用いたとしても、通常の織物は、伸縮性に方向性があるため、ある方向には良く伸びるが、例えばこれと垂直な方向への伸縮性が悪い場合がある。したがって、三次元的な様々な形状のサイドミラー111に対応するためには、複数種類のサイドミラーカバー100を用いる必要がある。
【0011】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、製造性に優れ、縫製部のほつれ等によって脱落を抑制可能なサイドミラーカバー等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するため、第1の発明は、自動車のサイドミラーに被せられるサイドミラーカバーの製造方法であって、一方の端部に環状のゴム部を有する伸縮自在の筒編み生地を作成する工程と、前記筒編み生地の他方の端部を縫い合わせて袋体を形成する工程と、前記袋体の側面の一部を切り抜いて開口部を形成し、前記開口部の縁部を縫製する工程と、を具備することを特徴とするサイドミラーカバーの製造方法である。
【0013】
このようにすることで、筒状の筒編み生地の周方向には生地同士を突き合わせた縫製部が形成されることがない。特に、サイドミラーへ被せる部位であるゴム部が完全な環状に形成され、周方向に上記のような縫製部が形成されることがない。したがって、縫製部のほつれ等により、サイドミラーカバーがサイドミラーから脱落することを防止することができる。また、生地同士をつなぐ縫製部が、筒編み生地の先端側のみであるため、縫製長が短く、製造性にも優れ、デザイン性にも優れる。また、筒編みであるため、周方向および長手方向の全方向に対して伸縮性に優れる。
【0014】
前記開口部を形成する前に、前記袋体の生地が伸びるように前記袋体を型にはめた状態で、前記袋体の少なくとも一部に昇華プリントを施されてもよい。
【0015】
このように、昇華プリント行うことで、伸縮性を損なうことなく、任意のデザインにプリント加工を行うことができる。特に、生地を伸ばした状態で昇華プリントを行うことで、サイドミラーに取り付けられた際に、プリントデザインの配色が薄くなることを防止することができる。
【0016】
前記筒編み生地を形成する繊維は、ポリウレタン弾性繊維の外周部をポリエステルで被覆したものであることが望ましい。
【0017】
このような構成とすることで、伸縮性に優れるポリウレタン弾性繊維(スパンテックス)の機能と、染色性に優れるポリエステルの機能とを得ることができる。特に、昇華プリントを行うインクとして用いられる分散塗料は、ポリエステルへの固着性が優れるため、繊維の表面がポリエステルであれば、容易に塗料を繊維表面に固着させることができる。
【0018】
前記開口部を形成した後、前記袋体の内面の少なくとも一部に、滑り止め部材を設けてもよい。
【0019】
このようにすることで、サイドミラーカバーをサイドミラーに装着した際に、サイドミラーカバーがずれることを防止することができる。このため、例えば走行中に、サイドミラーカバーがミラー部を覆い、ミラー部の視認性を妨げることを抑制することができる。
【0020】
第2の発明は、自動車のサイドミラーに被せられるサイドミラーカバーであって、一方の端部が開口し、他方の端部が閉じられた筒編みによって形成された伸縮自在の袋体と、前記一方の端部に環状に縫製されたゴム部と、前記袋体の側面の一部に形成され縁部が縫製された開口部と、を具備することを特徴とするサイドミラーカバーである。
【0021】
第2の発明によれば、サイドミラーカバーが筒編みで形成されているため、周方向にも長手方向にも伸縮性が優れる。したがって、様々な形状のサイドミラーへの装着性が優れる。また、ゴム部が環状で、ゴム部を分断するような縫製部が不要であるため、縫製部のほつれ等により、サイドミラーカバーがサイドミラーから脱落することを防止することができる。
【0022】
前記袋体は、ポリウレタン弾性繊維の外周部をポリエステルで被覆した繊維で編み込まれ、前記袋体の少なくとも一部には、昇華プリントが施されていることが望ましい。
【0023】
このようにすることで、デザイン性に優れるサイドミラーカバーを得ることができる。この際、繊維が、伸縮性に優れるポリウレタン弾性繊維(スパンテックス)の心材と、その外周の染色性に優れるポリエステルからなるため、伸縮性と染色性の両者を両立することができる。
【0024】
前記袋体の内面の周囲の少なくとも一部に、滑り止め部材が設けられてもよい。
【0025】
このようにすることで、サイドミラーカバーをサイドミラーに装着した際に、サイドミラーカバーがずれることを防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、製造性に優れ、縫製部のほつれ等によって脱落を抑制可能なサイドミラーカバー等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】サイドミラーカバー1を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図。
図2】サイドミラーカバー1を自動車に装着した状態を示す図で、(a)は前方斜視図、(b)は後方斜視図。
図3】サイドミラーカバー1を自動車に装着した状態を示すサイドミラー11の拡大図で、(a)は正面図、(b)は背面図。
図4】サイドミラーカバー1の製造工程を示す図で、(a)はゴム部5を形成した状態を示す図、(b)は筒編み生地21を形成する工程を示す図。
図5】サイドミラーカバー1の製造工程を示す図で、(a)は筒編み生地21を示す図、(b)は袋体3を形成した状態を示す図。
図6】(a)は、昇華プリントを施した状態を示す図、(b)は、開口部7を形成した状態を示す図。
図7】(a)はサイドミラーカバー1aを示す背面図、(b)はサイドミラーカバー1aをサイドミラー11に装着した状態を示す図。
図8】(a)は従来のサイドミラーカバー100を示す背面図、(b)は従来のサイドミラーカバー100をサイドミラー111に装着した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の第1の実施の形態にかかるサイドミラーカバー1について説明する。図1はサイドミラーカバー1を示す図で、図1(a)は正面図、図1(b)は背面図である。サイドミラーカバー1は、袋体3の一方の端部にゴム部5が設けられる。ゴム部5は、略環状で一体に袋体3に設けられる。ゴム部5において、袋体3は開口する。なお、袋体3の他方の端部は閉じられている。
【0029】
袋体3の側面の一部には、開口部7が設けられる。開口部7の縁部9は、繊維のほつれが無いように、適宜縫製される。
【0030】
袋体3は、筒編みによって形成される。このため、例えばゴム部5を周方向に分断するような縫製部が不要である。また、開口部7の縁部9や、正面に縫製部が形成されることがない。このため、縫製部のほつれの心配がなく、デザイン性にも優れる。また、筒編みで形成された袋体3は、全方向に対して十分な伸縮性を有する。なお、袋体3の製造方法の詳細は後述する。
【0031】
次に、サイドミラーカバー1の使用方法について説明する。図2は、サイドミラーカバー1を自動車に装着した状態を示す図であり、図2(a)は前方斜視図、図2(b)は後方斜視図である。また、図3は、サイドミラーカバー1が装着されたサイドミラー11の拡大図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は背面図である。
【0032】
図に示すように、サイドミラーカバー1は、自動車のサイドミラー11に装着される。この際、サイドミラーカバー1のゴム部5は、サイドミラー11のアーム部13に位置し、袋体3の全体でサイドミラー11を覆うように装着される。また、開口部7は、サイドミラー11のミラー部15の位置に配置される。したがって、ミラー部15は、サイドミラーカバー1の装着時であっても、視認可能である。
【0033】
サイドミラーカバー1をサイドミラー11に装着した際に、自動車の前方からは、サイドミラーカバー1の正面を視認することができる。このため、サイドミラーカバー1の正面に、任意のデザインを施すことで、すれ違いざまの自動車や、前方を横切る者も、当該デザインを視認させることができる。また、サイドミラーカバー1の正面に会社名や商品名の文字や絵柄を設けることで、宣伝効果を得ることもできる。
【0034】
ここで、サイドミラーカバー1の袋体3は、前述したように任意の方向に伸縮可能である。このため、複数の形状のサイドミラー11に対しても、適切にフィットさせることができる。なお、ゴム部5の伸縮性は、他の袋体3の部位の伸縮性よりも、より弾性力が強い。したがって、袋体3は、サイドミラー11の形状に容易に伸縮するが、ゴム部5は、アーム部13を確実に保持し、サイドミラーカバー1をサイドミラー11に固定することができる。
【0035】
次に、サイドミラーカバー1の製造方法について説明する。本発明では、サイドミラーカバー1は、従来靴下などの製造に使用される筒編み機を使用することができる。なお、このような靴下用の筒編み機としては、K式、W式のいずれも適用することができる。
【0036】
まず、図4(a)に示すように、ゴム部5を形成する。ゴム部5では、ゴム部材と袋体3を構成する繊維とを重ねあわせて環状に形成する。すなわち、ゴム部5の周方向は一体で形成され、周方向に分断するような縫製部が存在しない。なお、ゴム部5はインゴムとしてもよい。
【0037】
所定の大きさ(径および幅)のゴム部5を形成した後、引き続いて、図4(b)に示すように、筒編み生地21を形成する。すなわち、筒編み生地21は、ゴム部材を用いずに、袋体3を構成する繊維のみで形成される。なお、ここで用いられる繊維としては、伸縮性に優れるポリウレタン弾性繊維(スパンテックス)が用いられる。また、後述する昇華プリントによるインクの固着性を高めるため、ポリウレタン弾性繊維の外周面をポリエステルで被覆した繊維を用いることが望ましい。
【0038】
所定長の筒編みを行うことで、図5(a)に示すように、所定長さの筒編み生地21を形成することができる。次に、図5(b)に示すように、筒編み生地21の開口部(ゴム部5とは逆側の端部)を縫製して閉じる。以上によって、袋体3が形成される。すなわち、この状態の袋体3は、ゴム部5側の端部のみが開口した袋形状となる。
【0039】
次に、図6(a)に示すように、袋体3を型23に被せる。型23は、例えばサイドミラー形状の型である。型23は、袋体3よりも十分に大きいため、袋体3を型23に被せると、袋体3は、型23によって全方向に伸ばされた状態となる。すなわち、繊維間のピッチが広げられた状態となる。このように、袋体3の生地を伸ばした状態で、例えば昇華プリントを実施する。昇華プリントは、袋体3の前面に行ってもよく、その一部にのみ行ってもよい。
【0040】
袋体3の昇華プリントが終了後、図6(b)に示すように、袋体3の側面の一部に開口部7を形成する。すなわち、袋体3の一部を切除する。この際、切断部のほつれを防止するため、開口部7の縁部9を縫製する。なお、縁部9には、伸縮性のテープ(ゴムテープ)を縫い込むこともできる。このようにすることで、サイドミラーへの装着性(固定)がより確実となる。以上により、サイドミラーカバー1が製造される。
【0041】
以上、本実施の形態によれば、サイドミラーカバー1が筒編みによって形成されるため、周方向に分断するような縫製部が形成されない。このため、使用時に縫製部のほつれなどによる口あきの恐れがなく、使用中にサイドミラー11から脱落することがない。
【0042】
また、サイドミラーカバー1の側面(視認部)に、縫製部が形成されないため、デザイン性が優れる。例えば、昇華プリントによって、絵柄等をプリントした場合に、縫製部によって、プリントに乱れが生じることがない。
【0043】
また、筒編みで形成されるため、使用する繊維とも相まって、極めて高い伸縮性を得ることができる。特に通常の縦編みなどのように伸縮方向に方向性が形成されず、全方向に対して十分な伸縮性を得ることができる。
【0044】
また、使用する繊維が、ポリウレタン弾性繊維の外周面をポリエステルで被覆した繊維であるため、昇華プリントに用いられる分散染料の固着性が優れる。また、袋体3を伸ばした状態で昇華プリントを行うことで、分散染料の固着密度を高めることができる。このため、サイドミラーカバー1をサイドミラー11に装着し、サイドミラーカバー1が伸ばされた状態でも、絵柄等が薄くなって視認不能になることを防止することができる。
【0045】
次に、第2の実施の形態について説明する。図7(a)は、第2の実施の形態にかかるサイドミラーカバー1aを示す図である。なお、以下の説明において、サイドミラーカバー1と同様の機能を奏する構成については、図1等と同様の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0046】
サイドミラーカバー1aは、サイドミラーカバー1とほぼ同様の構成であるが、滑り止め部材25が設けられる点で異なる。サイドミラーカバー1aは、袋体3の内面側の一部に滑り止め部材25が設けられる。滑り止め部材25は、例えばシリコーンゴム等のゴム部材で構成される。
【0047】
図7(b)に示すように、サイドミラーカバー1aをサイドミラー11に装着すると、滑り止め部材25がミラー部15の周囲でサイドミラー11に密着する。したがって、サイドミラーカバー1aのずれを防止することができる。このため、走行中に、サイドミラーカバーがずれて、ミラー部15の視認性に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0048】
なお、滑り止め部材25は、袋体3の内面側に連続して形成してもよいが、複数に分割してもよい。例えば、袋体3の伸縮性に影響を及ぼさないように、小さな滑り止め部材25を複数個所に配置してもよい。また、滑り止め部材25の位置は特に限定されないが、ゴム部5や、開口部7の縁部9近傍などの他の部位の内面側に配置してもよい。また、滑り止め部材25としては、袋体3の内面の一部または全体にフロッキー加工や滑り止め部材をプリントによって施すことで形成してもよい。
【0049】
第2の実施形態のサイドミラーカバー1aによれば、サイドミラーカバー1と同様の効果を得ることができる。また、滑り止め部材25によって、より安定してサイドミラーカバー1aをサイドミラー11に装着することができる。
【0050】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0051】
1、1a………サイドミラーカバー
3………袋体
5………ゴム部
7………開口部
9………縁部
11………サイドミラー
13………アーム部
15………ミラー部
21………筒編み生地
23………型
25………滑り止め部材
100………サイドミラーカバー
101………縫製部
103………固定部
107………開口部
111………サイドミラー
113………アーム部
115………ミラー部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8