特許第6117046号(P6117046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6117046
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】ハンドル
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/06 20060101AFI20170410BHJP
   H05B 3/20 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   B62D1/06
   H05B3/20 350
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-157973(P2013-157973)
(22)【出願日】2013年7月30日
(65)【公開番号】特開2015-27840(P2015-27840A)
(43)【公開日】2015年2月12日
【審査請求日】2016年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229955
【氏名又は名称】日本プラスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−284033(JP,A)
【文献】 特開2010−076559(JP,A)
【文献】 特開2011−121477(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0071502(US,A1)
【文献】 米国特許第06727467(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/06
H05B 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作用の把持部を備えたハンドルであって、
前記把持部は、
円弧の少なくとも一部に沿って長手方向を有する形状に設けられた把持部本体と、
この把持部本体の長手方向に沿って長手方向を有する帯状に設けられ、前記把持部本体に巻き付けられて長手方向の両側部がこの把持部本体の内縁側の位置で接合されることでこの把持部本体を覆う被覆部本体、及びこの被覆部本体の前記把持部本体側に配置され通電により発熱するヒータ線を有しこのヒータ線の発熱により前記把持部を温める発熱部を備えた被覆部とを具備し、
前記発熱部は、前記ヒータ線により形成され前記把持部本体の長手方向に交互に折り返された折返部を前記被覆部本体の長手方向と交差する方向に複数有し、
前記折返部は、
記把持部本体の長手方向と交差する方向に複数設けられ前記把持部本体の長手方向に互いにずれて配置された複数の折返パターン部を有し、前記把持部本体の前記円弧の外周側に位置する中央部折返部と、
折返パターン部を有し、前記把持部本体の前記円弧の内周側に位置する側部折返部とを備え
前記側部折返部の折返パターン部の前記把持部本体の長手方向の寸法が、前記中央部折返部の折返パターン部の前記把持部本体の長手方向の寸法よりも短い
ことを特徴とするハンドル。
【請求項2】
ヒータ線は、被覆部本体の長手方向と交差する方向に3本以上配置され、
中央部折返部は、前記被覆部本体の長手方向と交差する方向の中央側に位置する前記ヒータ線に配置され、
側部折返部は、前記被覆部本体の長手方向の両側に位置する前記ヒータ線に配置された
ことを特徴とする請求項1記載のハンドル。
【請求項3】
被覆部本体は、長手方向に互いに接合された複数の被覆片部を有し、
折返部は、前記被覆片部にそれぞれ配置され、
発熱部は、前記被覆片部同士が接合された位置にヒータ線により形成され、この接合された位置に沿って延びるとともにこれら被覆片部の前記折返部を連結する連結部を有した
ことを特徴とする請求項1または2記載のハンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通電により発熱するヒータ線を備えたハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば冬季の屋外などの寒冷地に駐車していた車両である自動車を始動して運転するとき、ハンドルすなわちステアリングホイールが冷たいことに起因する不快感を軽減するため、ステアリングホイールの円環状の把持部であるリム部にヒータ線(電熱線)を組み込み、始動から間もない、まだ各種機関が充分に温まらないときでもステアリングホイールを温めて、快適性を向上した構成が知られている。
【0003】
このような構成として、例えば被覆部としての表皮体の裏面にヒータ線を配置し、この被覆部をステアリングホイールのリム部の把持部本体である支持部材へと巻き付ける構成が知られている。そして、このヒータ線は、リム部の全体を温めるために、例えばリム部の長手方向である周方向と交差する方向(例えば、特許文献1参照。)、または、リム部の周方向(例えば、特許文献2参照。)に交互に折り返されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−81272号公報 (第2−3頁、第1図)
【特許文献2】特開2007−290685号公報 (第5−6頁、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなステアリングホイールにおいて、温暖性能の向上を図るためには、ヒータ線を太くすることが考えられる。この場合、上記の特許文献1記載の構成のように、リム部の周方向と交差する方向にヒータ線を交互に折り返していると、表皮体を支持部材へと強く接触させたときに電熱線の形状が表皮体の表面側へと表出して意匠性及び触感を損なわないように、例えば表皮体の厚みを大きくするなどの対応が必要になり、温暖性能の向上を図ることが容易でない。
【0006】
また、上記の特許文献2記載の構成のように、リム部の周方向にヒータ線を交互に折り返している場合でも、ヒータ線の折り返しパターンが長尺であるため、特にリム部の内周側の位置においてヒータ線が湾曲して反り返って表皮体の表面側へと表出しないように、例えば表皮体の厚みを大きくするなどの対応が必要になり、温暖性能の向上を図ることが容易でない。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、意匠性及び触感を損なうことなく温暖性能を向上できるハンドルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載のハンドルは、操作用の把持部を備えたハンドルであって、前記把持部は、円弧の少なくとも一部に沿って長手方向を有する形状に設けられた把持部本体と、この把持部本体の長手方向に沿って長手方向を有する帯状に設けられ、前記把持部本体に巻き付けられて長手方向の両側部がこの把持部本体の内縁側の位置で接合されることでこの把持部本体を覆う被覆部本体、及びこの被覆部本体の前記把持部本体側に配置され通電により発熱するヒータ線を有しこのヒータ線の発熱により前記把持部を温める発熱部を備えた被覆部とを具備し、前記発熱部は、前記ヒータ線により形成され前記把持部本体の長手方向に交互に折り返された折返部を前記被覆部本体の長手方向と交差する方向に複数有し、前記折返部は、記把持部本体の長手方向と交差する方向に複数設けられ前記把持部本体の長手方向に互いにずれて配置された複数の折返パターン部を有し、前記把持部本体の前記円弧の外周側に位置する中央部折返部と、折返パターン部を有し、前記把持部本体の前記円弧の内周側に位置する側部折返部とを備え、前記側部折返部の折返パターン部の前記把持部本体の長手方向の寸法が、前記中央部折返部の折返パターン部の前記把持部本体の長手方向の寸法よりも短いものである。
【0009】
請求項2記載のハンドルは、請求項1記載のハンドルにおいて、ヒータ線は、被覆部本体の長手方向と交差する方向に3本以上配置され、中央部折返部は、前記被覆部本体の長手方向と交差する方向の中央側に位置する前記ヒータ線に配置され、側部折返部は、前記被覆部本体の長手方向の両側に位置する前記ヒータ線に配置されたものである。
【0010】
請求項3記載のハンドルは、請求項1または2記載のハンドルにおいて、被覆部本体は、長手方向に互いに接合された複数の被覆片部を有し、折返部は、前記被覆片部にそれぞれ配置され、発熱部は、前記被覆片部同士が接合された位置にヒータ線により形成され、この接合された位置に沿って延びるとともにこれら被覆片部の前記折返部を連結する連結部を有したものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載のハンドルによれば、帯状の被覆部本体に固定された発熱部のヒータ線により形成された折返部のうち、把持部本体の円弧の外周側に中央部折返部の折返パターン部を、把持部本体の長手方向に互いにずれるように長手方向と交差する方向に複数形成することにより、被覆部本体にて把持部本体の長手方向の張力が最も大きい円弧の外周側で、把持部本体の長手方向に隣接する中央部折返部の折返パターン部間に応力が集中しにくく、この位置で被覆部本体が突出しにくい。また、把持部本体の円弧の内周側に、中央部折返部の折返パターン部よりも把持部本体の長手方向の寸法が短い折返パターン部を有する側部折返部を形成することで、温暖性能を向上するためにヒータ線を太くしても、把持部本体の円弧の外周側及び内周側のそれぞれの位置で被覆部本体の両側部を接合した状態でのヒータ線の変形による表出を抑制できる。したがって、意匠性及び触感を損なうことなく温暖性能を向上できる。
【0012】
請求項2記載のハンドルによれば、請求項1記載のハンドルの効果に加え、被覆部本体の長手方向と交差する方向に3本以上配置したヒータ線のうち、被覆部本体の長手方向と交差する方向の中央側に位置するものに中央部折返部を配置し、被覆部本体の長手方向の両側に位置するものに側部折返部を配置することにより、被覆部本体を両側の位置が円弧の内周側となるように把持部本体に巻き付けることで、中央部折返部を把持部本体の円弧の外周側に容易に配置できるとともに、側部折返部を把持部本体の円弧の内周側に容易に配置できる。
【0013】
請求項3記載のハンドルによれば、請求項1または2記載のハンドルの効果に加え、被覆片部同士が接合された位置に沿ってこれら被覆片部の折返部を連結する連結部を発熱部のヒータ線によって形成することにより、被覆部本体を把持部本体に巻き付ける際に被覆片部同士が接合された位置でヒータ線が引き延ばされることを抑制でき、ヒータ線の長さを確保しつつヒータ線をより確実に保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のハンドルの一実施の形態の被覆部の一部を拡大して示す平面図である。
図2】同上被覆部を示す平面図である。
図3】同上ハンドルの一部を示す斜視断面図である。
図4】同上ハンドルを示す正面図である。
図5】同上ハンドルの一部を模式的に示す透視図である。
図6】(a)は従来例の被覆部の一部を示す平面図、(b)はこの従来例のハンドルの一部を模式的に示す透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のハンドルの一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図4において、10は例えば車両としての自動車のハンドルであるステアリングホイールで、このステアリングホイール10は、ハンドル本体であるステアリングホイール本体11、このステアリングホイール本体11の乗員側に装着されるパッド体としてのセンタパッドであるエアバッグ装置(エアバッグモジュール)12、及び、図示しないスイッチモジュールなどを備えている。なお、ステアリングホイール10は、通常傾斜した状態で車両に備えられるステアリングシャフトに装着されるものであるが、以下、エアバッグ装置12の乗員側すなわち正面側を上側、ステアリングシャフト側すなわち背面側を下側、車両の前側すなわち前側上方のフロントガラス側を前側、車両の後側すなわち後側下方を後側あるいは手前側として説明する。
【0017】
そして、ステアリングホイール本体11は、図1ないし図4に示すように、少なくとも一部が円周に沿って形成された、本実施の形態では円環状をなす把持部としてのリム部(リング部)15と、このリム部15の内側に位置するボス部16と、これらリム部15とボス部16とを連結する複数の、本実施の形態では3本のスポーク部17とから構成されている。また、ボス部16の車体側となる下部には、ステアリングシャフトと歯合するセレーション構造を備えた略円筒状のボス18が設けられているとともに、このボス18に、ハブコアとも呼ばれる芯体を構成するボスプレート19が例えばマグネシウム合金などを成形することにより一体的に固着されている。さらに、ボス部16には、裏カバーあるいはボディカバーとも呼ばれる樹脂製の図示しない下部カバーが取り付けられ、ボス部16の下側部が覆われている。そして、ボスプレート19から、スポーク部17のスポーク芯金である芯金17aが一体に延設され、あるいは溶接などして固着されている。さらに、このスポーク部17の芯金17aに、リム部15の芯金15aが溶接などして固着されている。
【0018】
また、リム部15は、グリップ部などとも呼ばれ、リム芯金である芯金15aと、この芯金15aの全周を覆う把持部本体としてのリム部本体22と、このリム部本体22の少なくとも一部の表面側などを覆う被覆部としての表皮体23とを備えている。そして、このリム部15(リム部本体22)は、周方向(矢印C1に示す)に対して交差(直交)する断面が略円形状となっている。したがって、このリム部15(リム部本体22)は、矢印C1に示す周方向と、この周方向と交差(直交)する方向(矢印C2に示す)とを有するドーナツ状に形成されている。以下、リム部15(リム部本体22)については、矢印C1方向を周方向、矢印C2方向を断面周方向というものとする。
【0019】
リム部本体22は、ハンドルコア(ステアリングコア)などとも呼ばれるもので、本実施の形態では、例えば弾性体である軟質の発泡ポリウレタン樹脂を微細発泡させたものを使用する。そして、このリム部本体22は、例えば芯金15a及び芯金17aを所定の成形型にインサートして成形されている。なお、このリム部本体22は、多層に形成してもよい。
【0020】
表皮体23は、帯状(シート状)に形成された被覆部本体としての表皮体本体25と、この表皮体本体25の一主面に一体的に固定された発熱部27とを備えている。そして、この表皮体23は、発熱部27をリム部本体22側(裏側)としてこのリム部本体22を覆って表皮体本体25がリム部本体22の表面に巻き付けられ、この表皮体本体25の両側部25a,25aが縫製糸29などによって互いに縫製されて接合されることによりリム部本体22の少なくとも一部を包んでこのリム部本体22に固定されている。
【0021】
表皮体本体25は、例えば皮革(合成皮革)、あるいは合成樹脂(ウレタンゴム)などにより形成されており、リム部本体22の周方向に沿って長手方向を有し、リム部本体22の断面周方向に沿って短手方向である幅方向(両側方向)を有している。そして、この表皮体本体25は、複数の被覆片部としての表皮体片部31が接合部32によって長手方向に連結されて長手状に構成されている。なお、表皮体本体25(表皮体23)とは、皮革のみを意味するのではなく、リム部本体22を覆う薄皮状の任意の部材(皮革、合成皮革などを含む)を意味するものとする。
【0022】
表皮体片部31には、例えば4つの第1ないし第4の表皮体片部34,35,36,37が設定されている。これら第1ないし第4の表皮体片部34,35,36,37は、それぞれ表皮体片部31の長手方向、すなわちリム部本体22の周方向に長手方向を有する略四角形状(短冊状)に形成されている。換言すれば、これら第1ないし第4の表皮体片部34,35,36,37は、リム部本体22の周方向に沿う方向の長さが、リム部本体22の周方向と交差する方向の長さよりも大きく設定されている。そして、これら第1ないし第4の表皮体片部34,35,36,37が、各接合部32により互いに長手方向に接合されている。
【0023】
第1の表皮体片部34は、表皮体本体25の長手方向の一端に位置し、表皮体23(表皮体本体25)のうち、例えば下部に位置するスポーク部17に対応する部分を構成している。また、第2の表皮体片部35は、第1及び第3の表皮体片部34,36間に位置し、表皮体23(表皮体本体25)のうち、例えば一側部に位置するスポーク部17に対応する部分を構成している。さらに、第3の表皮体片部36は、第2及び第4の表皮体片部35,37間に位置し、表皮体23(表皮体本体25)のうち、例えば両側部に位置するスポーク部17,17間の上部に対応する部分を構成している。また、第4の表皮体片部37は、表皮体本体25の長手方向の他端に位置し、表皮体23(表皮体本体25)のうち、例えば他側部に位置するスポーク部17に対応する部分を構成している。そして、第1、第2及び第4の表皮体片部34,35,37には、長手方向の両側部に、スポーク部17の表面を覆う突出片部41,42がそれぞれ突設されている。各突出片部41は、スポーク部17の手前側を覆う部分であり、先端側の中央部が窪んだ略凹字状に形成されている。また、各突出片部42は、スポーク部17の背面側を覆う部分であり、略四角形状に形成されている。そして、これら突出片部41,42は、スポーク部17の側部において互いに接合されている。
【0024】
また、発熱部27は、表皮体本体25に貼り合わせられた支持部材44、この支持部材44の一主面上に配置され通電により発熱するヒータ線45、及び、このヒータ線45と電気的に接続される図示しない制御装置(サーモコントローラ)などを備え、面状ヒータを構成している。
【0025】
支持部材44は、例えば不織布、皮革(合成皮革)、あるいはウレタンゴムなどによりシート状に形成され、外縁部が表皮体本体25の外縁部に対して内方へと離間された、いわば表皮体本体25よりも一回り小さい形状となっている。この支持部材44は、複数の支持部材片部47が接合部32に対応する支持部材接合部48によって長手方向に連結されて長手状に構成されている。そして、この支持部材44には、表皮体23をリム部本体22に対して巻き付けた状態での皺を吸収するためのV字状の切込部(ノッチ)49がそれぞれ両側部に複数ずつ設けられている。
【0026】
支持部材片部47には、第1ないし第4の表皮体片部34,35,36,37に対応する例えば4つの第1ないし第4の支持部材片部51,52,53,54が設定されている。これら第1ないし第4の支持部材片部51,52,53,54は、それぞれ支持部材片部47の長手方向、すなわちリム部本体22の周方向に長手方向を有する略四角形状(短冊状)に形成されている。換言すれば、これら第1ないし第4の支持部材片部51,52,53,54は、リム部本体22の周方向に沿う方向の長さが、リム部本体22の周方向と交差する方向の長さよりも大きく設定されている。そして、これら第1ないし第4の支持部材片部51,52,53,54が、各支持部材接合部48により互いに長手方向に接合されている。
【0027】
第1の支持部材片部51は、支持部材44(表皮体本体25)の長手方向の一端に位置し、第1の表皮体片部34に重ねられている。また、第2の支持部材片部52は、第1及び第3の支持部材片部51,53間に位置し、第2の表皮体片部35に重ねられている。さらに、第3の支持部材片部53は、第2及び第4の支持部材片部52,54間に位置し、第3の表皮体片部36に重ねられている。また、第4の支持部材片部54は、支持部材44(表皮体本体25)の長手方向の他端に位置し、第4の表皮体片部37に重ねられている。そして、第1、第2及び第4の支持部材片部51,52,54には、長手方向の両側部に、スポーク部17の表面を覆い突出片部41,42に重ねられる舌片状の突出部58,59がそれぞれ突設されている。
【0028】
また、ヒータ線45は、例えば通電時に発熱する芯線の表面に例えばフッ素樹脂(PTFEなど)による絶縁膜を設けた単線であり、接着、溶着、あるいは縫製などによって支持部材44の一主面に固定されて表皮体本体25の一主面に位置している。このヒータ線45には、例えば3本の第1ないし第3のヒータ線61,62,63が設定されている。このヒータ線45(第1ないし第3のヒータ線61,62,63)は、リム部本体22の周方向である表皮体本体25の長手方向に交互に折り返されてこの表皮体本体25の両側方向に複数列位置する折返部65を表皮体片部31の第1ないし第4の表皮体片部34,35,36,37に対応する支持部材44の第1ないし第4の支持部材片部51,52,53,54にそれぞれ形成しているとともに、各接合部32(各支持部材接合部48)の位置で連結部66によって互いに連結されている。したがって、ヒータ線45は、第1ないし第4の表皮体片部34,35,36,37(第1ないし第4の支持部材片部51,52,53,54)の両端に亘って連続している。
【0029】
第1のヒータ線61は、リム部本体22(リム部15)の内周側(内縁側)から手前側に亘って位置する(一方の)側部ヒータ線であり、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の長手方向の略同一直線上に沿って延びる複数の第1の延設部71からなる第1の延設部列72を両側方向に複数有し、各第1の延設部71の両端部が、円弧状に湾曲した第1の湾曲部73によってそれぞれ互いに連結されて、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の長手方向に波状に折り返され折返部65の一部をなす(一方の)側部折返部74を表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の一方の側部25a近傍に構成している。したがって、この側部折返部74には、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向に複数列(少なくとも2列、本実施の形態では5列)の(第1の)折返パターン部75が表皮体本体25(支持部材44)の長手方向に沿って長手状に複数設定されている。ここで、折返パターン部75とは、第1のヒータ線61において、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の一方の側部25a側から奇数列目である1列目及び3列目(または偶数列目である2列目及び4列目)の第1の延設部列72の第1の延設部71と、その第1の延設部71に対して両側方向に対向する偶数列目である2列目及び4列目(または奇数列目である3列目及び5列目)の第1の延設部列72の第1の延設部71とを接続する第1の湾曲部73,73間に区画される部分をいう。そして、これら折返パターン部75の長手寸法L1は、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向の中央部側ほど長く、一方の側部25a側ほど短くなるように設定されている(図1中のL1a≦L1b)。
【0030】
また、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向(図1中の上下方向)に隣接する各側部折返部74,74(折返パターン部75,75)は、長手方向の中心位置が、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の長手方向(図1中の左右方向)に互いにずれていない。したがって、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の長手方向に隣接する各側部折返部74,74(折返パターン部75,75)間に、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向に連続しヒータ線45(第1のヒータ線61)が配置されていないスペース部S1がそれぞれ形成され、突出片部41(突出部58)の位置を除くスペース部S1に支持部材44の切込部49が位置している。
【0031】
第2のヒータ線62は、リム部本体22(リム部15)の外周側(外縁側)に位置する中央部ヒータ線であり、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の長手方向の略同一直線上に沿って延びる複数の第2の延設部78からなる第2の延設部列79を両側方向に複数有し、各第2の延設部78の両端部が、円弧状に湾曲した第2の湾曲部80によってそれぞれ互いに連結されて、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の長手方向に波状に折り返され折返部65の一部をなす中央部折返部81を表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向の中央部に構成している。したがって、この中央部折返部81には、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向に複数列(少なくとも2列、本実施の形態では5列)の(第2の)折返パターン部82が表皮体本体25(支持部材44)の長手方向に沿って長手状に複数設定されている。ここで、折返パターン部82とは、第2のヒータ線62において、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の一方の側部25a側(第1のヒータ線61側)から奇数列目である1列目及び3列目(または偶数列目である2列目及び4列目)の第2の延設部78と、その第2の延設部78に対して両側方向に対向する偶数列目である2列目及び4列目(または奇数列目である3列目及び5列目)の第2の延設部列79の第2の延設部78とを接続する第2の湾曲部80,80間に区画される部分をいう。そして、これら折返パターン部82の長手寸法L2は、折返パターン部75の長手寸法L1よりも大きく設定されている。
【0032】
また、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向(図1中の上下方向)に隣接する各中央部折返部81,81(折返パターン部82,82)は、長手方向の中心位置が、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の長手方向(図1中の左右方向)に互いにずれている。したがって、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の長手方向に隣接する各中央部折返部81,81間に、ヒータ線45(第2のヒータ線62)が配置されていないスペース部S2がそれぞれ形成されており、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向に隣接する中央部折返部81の各列のスペース部S2が、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の長手方向にずれてその両側方向に連続しないようになっている。
【0033】
第3のヒータ線63は、リム部本体22(リム部15)の内周側(内縁側)から背面側に亘って位置する(他方の)側部ヒータ線であり、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37)の長手方向の略同一直線上に沿って延びる複数の第3の延設部85からなる第3の延設部列86を両側方向に複数有し、各第3の延設部85の両端部が、円弧状に湾曲した第3の湾曲部87によってそれぞれ互いに連結されて、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37)の長手方向に波状に折り返され折返部65の一部をなす(他方の)側部折返部88を表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の他方の側部25a近傍に構成している。したがって、この側部折返部88には、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向に複数列(少なくとも2列、本実施の形態では5列)の(第3の)折返パターン部89が表皮体本体25(支持部材44)の長手方向に沿って長手状に複数設定されている。ここで、折返パターン部89とは、第3のヒータ線63において、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の他方の側部25a側から奇数列目である1列目及び3列目(または偶数列目である2列目及び4列目)の第3の延設部列86の第3の延設部85と、その第3の延設部85に対して両側方向に対向する偶数列目である2列目及び4列目(または奇数列目である3列目及び5列目)の第3の延設部列86の第3の延設部85とを接続する第3の湾曲部87,87間に区画される部分をいう。そして、これら折返パターン部89の長手寸法L3は、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向の中央部側ほど長く、他方の側部25a側ほど短くなるように設定されており(図1中のL3a≦L3b)、かつ、折返パターン部82の長手寸法L2よりも短く設定されている。また、折返パターン部89,89間には、支持部材44の切込部49が位置している。
【0034】
また、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向(図1中の上下方向)に隣接する各側部折返部88,88(折返パターン部89,89)は、長手方向の中心位置が、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の長手方向(図1中の左右方向)に互いにずれていない。したがって、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の長手方向に隣接する各側部折返部88,88間に、表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向に連続しヒータ線45(第3のヒータ線63)が配置されていないスペース部S3がそれぞれ形成され、突出片部42(突出部59)の位置を除くスペース部S3に支持部材44の切込部49が位置している。
【0035】
そして、折返部65は、側部折返部74,88の折返パターン部75,89の長手寸法L1,L3が、中央部折返部81の折返パターン部82の長手寸法L2よりも短く設定されている。
【0036】
また、各連結部66は、第1のヒータ線61の最も一側部寄りの第1の延設部列72のうち、接合部32を挟む第1の延設部71,71の端部間、第2のヒータ線62の最も他側部寄りの第2の延設部列79のうち、接合部32を挟む第2の延設部78,78の端部間、及び、第3のヒータ線63の最も他側部寄りの第3の延設部列86のうち、接合部32を挟む第3の延設部85,85の端部間をそれぞれ連結するものである。そして、各連結部66は、接合部32に沿って表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の両側方向に延びるとともに、先端の位置で接合部32と交差して表皮体本体25(各表皮体片部34,35,36,37(各支持部材片部51,52,53,54))の長手方向に連続している。したがって、各連結部66は、リム部本体22の断面周方向に沿って延びている。
【0037】
そして、第1ないし第3のヒータ線61,62,63の端部には、表皮体本体25(各表皮体片部34,37)の両側方向に沿って延びる端部延設部91が形成されており、第1ないし第3のヒータ線61,62,63の両端が、それぞれリム部本体22(リム部15)の内縁側の位置で表皮体本体25の長手方向の両端から導出されて制御装置と電気的に接続されている。
【0038】
制御装置は、例えばサーモスタットなどを備え、図示しない給電線を介してヒータ線45(第1ないし第3のヒータ線61,62,63)の両端部と電気的に接続されている。そして、この制御装置は、例えば下部カバーとステアリングホイール本体11のスポーク部17の芯金17aとの間に収容されている。
【0039】
また、エアバッグ装置12は、袋状のエアバッグ、折り畳んだエアバッグを覆う樹脂製のカバー体95、ガスを噴射するインフレータなどを備えており、自動車が衝突した際などに、インフレータからエアバッグの内部にガスを急速に噴射し、折り畳んで収納したエアバッグを急激に膨張させ、カバー体95を開裂させて、エアバッグを乗員の前側に膨張展開させて、乗員を保護するようになっている。なお、このエアバッグ装置12は、スイッチ装置としてのホーンスイッチ機構を一体的に組み込んでもよい。
【0040】
そして、ステアリングホイール10を製造する際には、所定の金型にボスプレート19などと一体化された芯金15a,17aを設置し、この芯金15aの周囲に樹脂原料を充填してリム部本体22を形成した後脱型し、このリム部本体22の周囲に表皮体23を被せる。このとき、発熱部27(ヒータ線45)をリム部本体22側とし、表皮体本体25の両側部25a,25aをリム部本体22の内周側(内径側)に位置させるようにリム部本体22の周囲に表皮体23を巻き付け、表皮体本体25の両側部25a,25aを例えば縫製糸29によってリム部本体22の内周側(内径側)で縫製して表皮体23をリム部本体22の表面に固定する。
【0041】
この状態で、ヒータ線45は、側部折返部74,88がリム部15(リム部本体22)の内周側(内径側)に位置し、中央部折返部81がリム部15(リム部本体22)の外周側(外径側)に位置する。そこで、側部折返部74,88の各折返パターン部75,89は、長手寸法L1,L3が中央部折返部81の折返パターン部82の長手寸法L2よりも小さいことにより、リム部本体22の外周側に折返パターン部82が容易に追従してリム部本体22の外周側に沿って位置するとともに、外周側よりも径寸法が小さく曲率が大きいリム部本体22の内周側に各折返パターン部75,89が容易に追従してリム部本体22の内周側に沿って位置する。
【0042】
表皮体23の両端部から導出されるヒータ線45は、下側のスポーク部17の位置で凹部に収容されるとともに制御装置に電気的に接続される。
【0043】
さらに、別途組み立てたエアバッグ装置12及び下部カバーなどをボス部16に対して取り付け、各種配線などを施すことでステアリングホイール10を完成する。
【0044】
そして、ステアリングホイール10は、自動車の始動などの際に、電源側から給電された制御装置からの通電によって、ヒータ線45(発熱部27)が発熱し、表皮体本体25を介してリム部15の全体の表面が昇温される。
【0045】
このように、本実施の形態では、帯状の表皮体本体25に固定された発熱部27のヒータ線45により長手方向(リム部本体22の周方向)に交互に折り返されて形成された折返部65のうち、リム部本体22の円弧の外周側に、両側方向に複数列の中央部折返部81をリム部本体22の長手方向に互いにずれて形成する。このため、リム部本体22の外周側の位置では、長手方向に隣接する中央部折返部81,81間のスペース部S2,S2が、リム部本体22の断面周方向(表皮体23の両側方向)に帯状に連続しないので、リム部本体22に巻き付けた表皮体23において曲率が相対的に小さく周方向への張力(引っ張り力)が最も大きいリム部本体22の外周側で、これらスペース部S2の位置に応力が集中して表皮体本体25が局所的に突出しにくい。また、折返部65のうち、リム部本体22の円弧の内周側に、中央部折返部81(折返パターン部82)よりもリム部本体22の長手方向の寸法が短い側部折返部74,88(折返パターン部75,89)を形成する。このため、温暖性能を向上するためにヒータ線45を太くしても、表皮体本体25をリム部本体22に巻き付けてこのリム部本体22の内縁側の位置で表皮体本体25の両側部25a,25aを接合した状態でのヒータ線45の変形に伴う表出を抑制できる。さらに、折返部65のうち、リム部本体22の円弧の内周側では、両側方向に複数列の側部折返部74,88をリム部本体22の長手方向に互いにずれないように形成するため、リム部本体22の内周側の位置では、長手方向に隣接する側部折返部74,74間のスペース部S1,S1、及び、側部折返部88,88間のスペース部S3,S3が、それぞれリム部本体22の断面周方向(表皮体23の両側方向)に帯状に連続する、このため、リム部本体22に巻き付けた表皮体23において曲率が相対的に大きく周方向への圧縮力が最も大きいリム部本体22の内周側で、これらヒータ線45(ヒータ線61,63)が配置されていないスペース部S1,S3の位置によって周方向の寸法差を吸収でき、表皮体本体25が局所的に突出しにくい。したがって、意匠性及び触感を損なうことなく温暖性能を向上できる。
【0046】
例えば、図6(a)に示すように、折返パターン部75a,82a,89aの長さが表皮体本体25全体で長い場合には、表皮体23aをリム部本体22aに巻き付けた際に特に内周側の位置でヒータ線45aがリム部本体22aに追従できず局所的な折れ曲がりが生じて、特にヒータ線45aを太くした際に表皮体23aの外部に凸部97として表出する(図6(b))のに対して、本実施の形態では、側部折返部74,88の折返パターン部75,89の長さを折返部65の中央部折返部81の折返パターン部82よりも短くしているので、ヒータ線45が折れ曲がることなくリム部本体22に確実に追従し、ヒータ線45を太くしても表皮体23に表出しにくい(図5)。
【0047】
また、折返パターン部75,89は、リム部本体22の最も内周に位置する表皮体本体25の両側部25aに近いほど長手寸法L1,L3を短く設定するので、これら折返パターン部75,89がリム部本体22の形状により確実に追従して局所的な折れ曲がりが生じることがなく、ヒータ線45を太くしてもヒータ線45が表皮体23の外部により表出しにくい。
【0048】
さらに、表皮体本体25の長手方向と交差する方向に3本以上配置したヒータ線45のうち、表皮体本体25の長手方向と交差する両側方向の中央側に位置する第2のヒータ線62に中央部折返部81を配置し、表皮体本体25の長手方向の両側に位置する第1及び第3のヒータ線61,63に側部折返部74,88を配置することにより、表皮体本体25を両側の位置がリム部本体22の円弧の内周側となるようにこのリム部本体22に巻き付けることで、中央部折返部81をリム部本体22の円弧の外周側に容易かつ確実に配置できるとともに、側部折返部74,88をリム部本体22の円弧の内周側に容易かつ確実に配置できる。
【0049】
そして、表皮体片部31同士が接合された各接合部32の位置に沿ってこれら表皮体片部31の折返部65を連結する連結部66を発熱部27のヒータ線45によって形成することで、表皮体本体25をリム部本体22に巻き付ける際に表皮体片部31同士が接合された接合部32の位置でヒータ線45が長手方向(リム部15の周方向)に引き延ばされることを抑制でき、ヒータ線45の長さを確保しつつヒータ線45をより確実に保護できる。
【0050】
なお、上記の一実施の形態において、ヒータ線45は、例えば1本、あるいは2本でもよいし、4本以上の複数でもよい。さらに、このヒータ線45は、両側方向に隣接する中央部折返部81を長手方向に互いにずらし、かつ、側部折返部74,88の折返パターン部75,89の長さを、折返部65の中央部折返部81の折返パターン部82の長さよりも短くすれば、その他の形状については上記の一実施の形態の形状に限らず任意に設定することが可能である。
【0051】
また、リム部15は、円弧の少なくとも一部に沿って長手方向を有する形状とすれば、必ずしも円環状でなくてもよく、円弧状などとしてもよい。
【0052】
さらに、ステアリングホイール10は、3本のスポーク部17を備えた構成に限られず、例えば4本のスポーク部17を備えた構成などにも適用できる。
【0053】
そして、エアバッグ装置12に代えて、例えば衝撃吸収体を収納したパッド体を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、例えば自動車のステアリングホイールとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0055】
10 ハンドルであるステアリングホイール
15 把持部としてのリム部
22 把持部本体としてのリム部本体
23 被覆部としての表皮体
25 被覆部本体としての表皮体本体
25a 側部
27 発熱部
31 被覆片部としての表皮体片部
45 ヒータ線
65 折返部
66 連結部
74,88 側部折返部
75,82,89 折返パターン部
81 中央部折返部
図1
図2
図3
図4
図5
図6