(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1において、前記有機繊維の不織布は複数層からなり、該複数層の少なくとも表面層の一部に前記熱可塑性樹脂磁性物が浸み込み、固定化されてなることを特徴とするウレタン発泡成形用補強用布状物。
請求項1又は2において、前記熱可塑性樹脂磁性物を構成する熱可塑性樹脂は、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂から選択されるいずれか1又は複数の樹脂であることを特徴とするウレタン発泡成形用補強用布状物。
請求項1から請求項3のいずれかに記載のウレタン発泡成形用補強用布状物を用いたウレタン発泡成形体の製造方法であって、前記ウレタン発泡成形用補強用布状物を所定位置に磁石を埋設した成形型の型面に磁力によって固定するセット工程と、前記成形型にウレタン樹脂を投入して発泡させ前記ウレタン発泡成形用補強用布状物と一体成形するウレタン発泡成形工程と、発泡成形したウレタン発泡成形体を前記成形型から取り出す脱型工程とからなることを特徴とするウレタン発泡成形体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための1実施形態を
図1、
図2に基づいて説明する。
図1は本発明のウレタン発泡成形用補強用布状物の1実施形態を示す説明図であり、
図2は補強用布状物の断面構造を示す説明図である。
本発明のウレタン発泡成形用補強用布状物1は、目付が50〜200g/m
2である有機繊維の不織布2の表面の一部に、平均粒径が15〜500μmの磁性体粉末を10〜80質量%含有する熱可塑性樹脂磁性物3が浸み込み、固定化されてなるものである。
本発明のウレタン発泡成形用補強用布状物に用いる不織布2は、有機繊維製であって、目付が50〜200g/m
2であればよい。好ましくは80〜175g/m
2である。目付が50g/m
2未満であると注入ウレタンが浸出しやすく、バネとの摩擦により異音が発生する場合がある。200g/m
2を超えると柔軟性が低下し成形時に皺が発生する場合がある。
不織布2を構成する繊維の種類、太さは特に限定されない。構成繊維の種類としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン(ホモ、ランダムなどコポリマーであってもよい。)、などのポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維など単独で、あるいは複数からなる有機繊維を用いることができる。好ましくは、ポリエステル繊維又はポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、融点が110〜160℃の低融点ポリエステル繊維、ポリエステル/ポリエチレンあるいはポリエステル/低融点ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエチレンのバイコンポーネント繊維を用いることができる。
また構成する有機繊維の繊維径は5〜30μm、繊度(太さ)は、1〜33dtex程度であればよい。
また、不織布2は、単層品に限らず、それらを積層した複層品であってもよい。
【0012】
本発明に用いる熱可塑性樹脂磁性物3は、磁性体粉末を含有する熱可塑性樹脂であり、常温では固体であるが加熱により液状、流動化する性質を有しており、磁石と引き合う磁性を有している。本発明においては熱可塑性樹脂磁性物における磁性体粉末の含有量は10〜80質量%であることが必須であるが、好ましくは15〜70質量%である。10質量%未満であると、成形型の磁石と引き合って貼りつく力が弱くなり、補強用布状物の仮止めが不十分となる場合があり、成形時に補強用布状物の皺、たるみ、ずれが発生する場合が多く、80質量%を超えると押出機により作製時、押出機のノズルが目詰まりしやすくなり押出しすることが困難となって、熱可塑性樹脂磁性物3の作製が困難となる。
【0013】
また、磁性体粉末は、鉄、ニッケル、コバルトあるいはこれらの合金、フェライト、ガドリニウムなどの希土類金属、ホイスラー合金Cu
2MnAlなどのマンガン合金、CrO
2、CrBr
3、ZrZn
2の化合物などの強磁性を示す粉末状の磁性体を用いることができる。
粒径は15〜500μmであればよく、好ましくは50〜200μmである。15μm未満であると、熱可塑性樹脂磁性物3として、ウレタン発泡成形用補強布状物1に浸み込み、固定させたときに、成形型の磁石と引き合う力が弱く、成形時に補強用布状物1の皺、たるみ、ずれが発生する場合がある。粒径が500μmを超えると、磁性体粉末の分散が不十分となったり、また、熱可塑性樹脂磁性物3を作製するため、押出機を用いた場合、ノズルの目詰まりから押出すことができなかったり、噛み込みのトラブルなど熱可塑性樹脂磁性物3を得ることが困難な場合がある。
【0014】
熱可塑性樹脂磁性物3に用いる熱可塑性樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、変性ポリエチレン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂)、ポリ塩化ビニル樹脂などを用いることができるが、
1)熱可塑性樹脂の融点が不織布2を構成する有機繊維の融点より低いことが好ましい。
熱可塑性樹脂磁性物3を不織布に固定化する場合に、不織布の融点より熱可塑性樹脂磁性物3の融点の方が高いと、溶融した熱可塑性樹脂磁性物3を不織布上に置いたり、不織布上で加熱溶融させると、不織布2が溶融して穴が開き、シート用補強用布状物として使用できなくなる場合があるからである。例えば、不織布2の構成繊維がポリエチレンテレフタレート繊維(融点260℃)やポリプロピレン繊維(融点165℃)である場合には、熱可塑性樹脂磁性物3に用いる熱可塑性樹脂は、ポリエステル繊維やポリプロピレン繊維の融点より低い融点を有する低融点ポリエチレン樹脂(融点98〜132℃)、ポリプロピレンコポリマー樹脂(融点135〜150℃)、又はポリエステル樹脂(融点98〜150℃)を選定することが好ましい。
2)またウレタン発泡成形型の成形温度(通常60〜80℃)より高い樹脂を選択することが好ましい。
熱可塑性樹脂の融点が、ウレタン発泡成形型の成形温度より低いと、熱可塑性樹脂が再溶融する恐れがあるからである。
なお、本発明に用いる熱可塑性樹脂磁性物3には、磁性体の分散性や流動性を高めるため、成形型に埋め込まれた磁石との磁着性を損なわない限り、ガラスフィラやシリカ繊維や流動パラフィン等を10〜30質量%、混入させることもできる。
【0015】
本発明のウレタン発泡成形用補強用布状物1は、
図2に示すように、磁性体粉末を10〜80質量%含有する熱可塑性樹脂磁性物3が、有機繊維不織布2の表面の一部に、浸み込み、固定化されてなるものである。浸み込み、固定化されているとは、熱可塑性磁性物3が加熱溶融されて液状となった状態で、不織布2の特定箇所の表面に塗布あるいは滴下され、不織布2の内部にまで、液状の熱可塑性磁性物が浸透した後、風乾又は冷却されて、固形状態となり、固定化されたことを指している。
その場合において、塗布、滴下される表面の一部とは、不織布2の特定の表面を言う。
複数層の不織布2を用いた場合、表層の不織布2に塗布、滴下された液状の熱可塑性樹脂磁性物3が、下層の不織布まで浸み込み、固定化されていてもよい。
【0016】
熱可塑性樹脂磁性物3を得るには、熱可塑性樹脂と磁性体を押出機で樹脂を溶融させながら磁性体粉末を混合分散させ、この溶融した混合物を押出機の先端のノズルから押出すことで得られる。形状は、ウレタン発泡成形型への補強用布状物を張り付ける位置や色々の形状に対応できるように粒状、糸状、繊維状、棒状、あるいは面状とすることができる。面状とした際は、フィルム状、シート状、網状あるいは、布状である事が好ましい。
粒状を作製するには一般的なストランド・カッター方式を使用し、棒状にする場合には冷却後所定の長さで切断する。また、糸状にする場合には一般的な糸を生産する方式でリールに巻き取り、フィルムやシート状にする場合には、一般的なTダイ方式を使用し、テープ状にするにはフィルムやシートをスリットして巻き取る。また、布状、特に不織布状にするには、ホットメルト不織布を生産する多孔ノズルを押出機の先端に取り付けホットメルト不織布の生産方法と同様の方法で作ればよい。
【0017】
本発明に用いる熱可塑性磁性物3は、熱や超音波などのエネルギーによって溶融、流動化するので補強用布状物の繊維層に浸透することが可能であり、冷却時のウレタン発泡成形型によって要求の形状に成形することが容易であるため、補強用布状物の目標の位置に要求される形状の磁性体を固定化させことができる。
熱可塑性樹脂磁性物3を不織布2に浸み込ませ、固定化するには、例えば次の方法がある。
1)不織布の原反をセットし、その上に所定の大きさや量の熱可塑性樹脂磁性物3を所定の箇所に配置し、熱可塑性樹脂磁性物3を例えばアイロンなどの加熱板で加熱溶融し、不織布に浸み込ませ、熱可塑性樹脂磁性物3を冷えた金属棒などで押しながら冷却して固定化する方法。
2)成形型に、所定の大きさや量の熱可塑性樹脂磁性物3を所定の箇所に配置し、次に不織布をセットし、その上から例えばアイロンなどの加熱板で熱可塑性樹脂磁性物3を加熱溶融させて、不織布2に浸み込ませ、冷えた金属棒などで押しながら冷却して固定化する方法。
この場合、熱をかける時に、剥離材としてテフロン(登録商標)フィルムを熱可塑性樹脂磁性物3と熱源の間に挟むと良い。
3)粒状の熱可塑性樹脂磁性物3を溶融し、Tダイ方式やスプレー方式もしくはグラビアロール転写方式などを用いたホットメルト塗布装置の吐出ノズルから、不織布の所定の箇所にテープ状、繊維状、点状あるいは線状、網状に押出し、塗布して、冷却後固定化する方法。
この場合、所定の箇所に容易に塗布することが可能なため作業の効率化も図ることができる。
【0018】
上述の3)の方法を利用してウレタン発泡成形体を製造する方法を、さらに詳しく説明する。外面から内部空間に連通する複数の通気孔を備える金型に荒裁ちしたシート状の不織布を固定し、耐熱性を有するフィルムで金型を覆った後にフィルム内部を高温の蒸気で加熱する。その後、フィルム内部を減圧して金型形状をシート状の不織布に転写する。金型を冷却した後に成形された不織布を脱型する。この成形された不織布の所定の箇所にTダイ方式のホットメルト塗布装置の吐出ノズルからテープ状の熱可塑性樹脂磁性物3を押出し、塗布して、冷却後固定化する。
この所定箇所に熱可塑性樹脂磁性物3が固定された不織布を所定位置に磁石が埋設されたウレタン発泡成形型にセットし、ウレタン樹脂を投入して発泡させる。不織布と一体成形されたウレタン発泡成形体を脱型して取り出す。
【0019】
(実施例、比較例)
次に、比較例と対比しながら本発明の具体的な実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記に示す実施例で用いた補強用布状物の作製方法は下記に示す通りであり、比較例においてもこの作製方法に準じた。
(熱可塑性樹脂磁性物3の作成)
熱可塑性樹脂と磁性体を混合し成形する装置としては、一般的な一軸の押出機を使用して、熱可塑性樹脂と磁性体を、連続的に同時に投入し、加熱溶融、混合して、直径2mm、長さ5mmの円柱、粒状の熱可塑性樹脂磁性物3を得た。
【0020】
(用いた有機繊維不織布)
ポリエステル短繊維(繊度2.2dtex)70質量%と、ポリエチレンとポリプロピレンのバイコンポーネント短繊維(繊度2.2dtex)30質量%との混合した繊維を原料としカード法で作られた目付140g/m
2の単層構成の乾式不織布。
(ウレタン発泡補強用布状物の作製)
上記で得られた熱可塑性樹脂磁性物3の10粒を、鉄製の台上に置き、その上に、上記の有機繊維不織布を被せるように敷き、更に剥離用のテフロン(登録商標)フィルムを敷いて、その上から、温度調節ダイアルで190℃に調温したアイロンを10秒間押し付け、熱可塑性樹脂磁性物を加熱溶融し、液状として、上記不織布に浸み込ませ、冷した金属棒をあてて冷却することで、ウレタン発泡成形用補強用布状物1を得た。
【実施例1】
【0021】
熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(融点94℃)90質量%、磁性体として平均粒度35μmの鉄、マンガン、マグネシウム、ストロンチウムからなるフェライト粉末10質量%の割合からなる粒状の熱可塑性樹脂磁性物3を作製し、次に上記の方法で本発明のウレタン発泡成形用補強用布状物1を得た。
【実施例2】
【0022】
熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(融点94℃)70質量%、磁性体として平均粒度80μmの鉄粉30質量%の割合からなる粒状の熱可塑性樹脂磁性物3を作製し、次に上記の方法で本発明のウレタン発泡成形用補強用布状物1を得た。
【実施例3】
【0023】
熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(融点94℃)40質量%、磁性体として平均粒度35μmの鉄、マンガン、マグネシウム、ストロンチウムからなるフェライト粉末60質量%の割合割合からなる粒状の熱可塑性樹脂磁性物3を作製し、次に上記の方法で本発明のウレタン発泡成形用補強用布状物1を得た。
【実施例4】
【0024】
熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(融点94℃)20質量%、磁性体として平均粒径80μmの鉄、マンガンからなるフェライト粉末80質量%の割合からなる粒状の熱可塑性樹脂磁性物3を作製し、次に上記の方法で本発明のウレタン発泡成形用補強用布状物1を得た。
【実施例5】
【0025】
熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(融点80℃)60質量%、磁性体として平均粒径80μmの鉄粉40質量%の割合からなる粒状の熱可塑性樹脂磁性物3を作製し、次に上記の方法で本発明のウレタン発泡成形用補強用布状物1を得た。
【実施例6】
【0026】
熱可塑性樹脂としてポリアミド樹脂(融点90℃)60質量%、磁性体として平均粒度80μmの鉄粉40質量%の割合からなる粒状の熱可塑性樹脂磁性物3を作製し、次に上記の方法で本発明のウレタン発泡成形用補強用布状物1を得た。
【実施例7】
【0027】
熱可塑性樹脂として低融点ポリエステル樹脂(115℃)60質量%、磁性体として平均粒度80μmの鉄粉40質量%の割合からなる粒状の熱可塑性樹脂磁性物3を作製し、次に上記の方法で本発明のウレタン発泡成形用補強用布状物1を得た。
(比較例1)
【0028】
熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(融点94℃)95質量%、磁性体として平均粒度35μmの鉄、マンガン、マグネシウム、ストロンチウムからなるフェライト粉末5質量%の割合からなる粒状の磁性体含有熱可塑性樹脂を作製し、次にこれを用いてウレタン発泡成形用の補強用布状物を得た。
(比較例2)
【0029】
熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(融点94℃)10質量%、磁性体として平均粒度35μmの鉄、マンガン、マグネシウム、ストロンチウムからなるフェライト粉末90質量%の割合からなる粒状の磁性体含有熱可塑性樹脂の作製を試みたが押出機から押出すことができず、また噛み込みのトラブルにより得られなかった。
(比較例3)
【0030】
熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(融点94℃)90質量%、磁性体として平均粒度5μmの鉄、マンガン、マグネシウム、ストロンチウムからなるフェライト粉末10質量%の割合からなる粒状の磁性体含有熱可塑性樹脂を作製し、次にこれを用いて上記の方法でウレタン発泡成形用の補強用布状物を得た。
(比較例4)
【0031】
熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(融点94℃)20質量%、磁性体として平均粒度500μm以上の鉄粉80質量%の割合からなる粒状の磁性体含有熱可塑性樹脂の作製を試みたが、押出機から押出すことができず、また噛み込みのトラブルにより得られなかった。
【0032】
(補強用布状物の評価)
得られたこれらのウレタン発泡成形用補強用布状物を下記のように評価した。
熱可塑性樹脂磁性物3は比較例においては磁性体含有熱可塑性樹脂として評価
a)熱可塑性樹脂磁性物3の磁石への接着性(吸い付き力)
重量10g、直径6mmの永久磁石(2、800G)を、上記補強用布状物に浸み込み固定されている熱可塑性樹脂磁性物3に当て、持ち上げることによって接着性(吸い付き力)を評価した。
○:磁石が完全に空中に持ち上げられる
△:磁石は持ち上げられるが、一寸触っただけで落下し易い
×:磁石は持ち上げられない
b)熱可塑性樹脂磁性物3の補強用布状物との一体性(固定力)
補強用布状物に固定された熱可塑性樹脂磁性物3を手で引きはがし、引き剥がされた不織布面の破損状況から目視で評価した。
○:無理やり剥がそうとしないと熱可塑性樹脂磁性物を剥ぎ取ることが出来ない。あるいは、万一、剥ぎ取ることが出来た場合は、不織布面に多くの毛羽立ちが認められたり、穴が開いているなどの大きな損傷がある。
△:小さな力で熱可塑性樹脂磁性物を剥ぎ取ることが出来き、不織布面に多少の毛羽立ちが見られる。
×:熱可塑性樹脂磁性物の損傷もなく容易に剥がれてしまい、不織布面にも大きな損傷はない。
【0033】
<総合評価レベル>
総合評価は◎〜×の4段階のレベルで表す。
◎:最優秀(特に満足できるレベル)
○:優秀(満足できるレベル)
△:良(やや問題とされるが、使用可能なレベル)
×:不良(満足できないレベル)
【0034】
これらの結果を、表1、表2に示す。
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
表1、2中の磁性体は下記の磁性体を示す。
磁性体1):鉄、マンガン、マグネシウム、ストロンチウム
飽和磁化:70emu/g 平均粒度:35μm
磁性体2):鉄粉 平均粒度:80μm
磁性体3):鉄、マンガン 飽和磁化:94emu/g、平均粒度:80μm
磁性体4):鉄粉 平均粒度:500μm以上
【0037】
(結果)
表1、2から明らかなように、熱可塑性樹脂磁性物3に含まれる磁性体の割合が5質量%の比較例1では、磁石との接着性(食い付く力)が不十分となって、補強用布状物はしわ、たるみが発生し、90質量%の比較例2では、押出機による熱可塑性樹脂磁性物を得ることが困難となり、ウレタン発泡成形用に適した補強用布状物が得られない。
磁性体の平均粒子径は、5μmの比較例3では、磁石との接着性(食い付く力)が不十分となって、補強用布状物はしわ、たるみが発生し、500μm以上の比較例4では、押出機による熱可塑性樹脂磁性物を得ることが困難であり、ウレタン発泡成形用に適した補強用布状物が得られなかったのに対し、
本発明のウレタン発泡成形用補強用布状物1は、熱可塑性樹脂磁性物3に含まれる磁性体の割合が10〜80質量%であり、かつ磁性体の平均粒子径が15〜500μmであるので、十分な磁石との接着性(食い付く力)を有し、また皺、たるみが発生することのない良好な補強用布状物が得られる。