(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6117076
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】印刷システムの画像形成面をクリーニングする装置および方法
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20170410BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
G03G21/00 314
G03G15/00 555
G03G15/00 551
【請求項の数】24
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-215910(P2013-215910)
(22)【出願日】2013年10月17日
(65)【公開番号】特開2014-92782(P2014-92782A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2016年10月14日
(31)【優先権主張番号】13/664,632
(32)【優先日】2012年10月31日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アーウィン・ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ニッソネン・スウィング
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・エス・ダーレス
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ティー・ファッチーニ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・エム・ロドリゲス
【審査官】
岡▲崎▼ 輝雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−137164(JP,A)
【文献】
特開2008−225198(JP,A)
【文献】
特開2006−267481(JP,A)
【文献】
特開2009−258198(JP,A)
【文献】
特開2010−139791(JP,A)
【文献】
特開2007−188058(JP,A)
【文献】
特開2000−098839(JP,A)
【文献】
特開2007−147791(JP,A)
【文献】
特開2008−033320(JP,A)
【文献】
特開2011−113088(JP,A)
【文献】
特開2010−173862(JP,A)
【文献】
特開2011−008162(JP,A)
【文献】
特開2011−221521(JP,A)
【文献】
特開2010−026430(JP,A)
【文献】
特開2006−91620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムの画像形成面をクリーニングする装置であって
前記画像形成面と接触するよう設定されたナノワイヤメッシュ部を有するクリーニング部材を備え、
前記クリーニング部材が、前記ナノワイヤメッシュ部を有するクリーニングウェブを含み、
前記クリーニングウェブは、前記クリーニングウェブを前記画像形成面に接触させるためのクリーニングローラと、前記クリーニングローラよりも前記画像形成面との距離が長い箇所に位置するガイドローラとを含む2以上のローラに掛け回されて、前記2以上のローラの外周を移動し、
前記クリーニングウェブは、前記画像形成面をクリーニングした後、前記ガイドローラ側に移動し、
前記ナノワイヤメッシュ部が酸化カリウムマンガンを含む、装置。
【請求項2】
前記クリーニング部材が、前記印刷システムにより処理される印刷ジョブに関連する印刷ジョブの属性が所定の基準に合うという判断に応じて、前記画像形成面と接触するよう構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記所定の基準には、前記印刷ジョブの処理中に、基材に塗布される離型剤の閾値レベルが含まれる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記所定の基準には、前記印刷ジョブの種類が含まれる、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記所定の基準には、前記印刷ジョブの長さが含まれる、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記クリーニング部材が、印刷ジョブ中に前記画像形成面と接触するよう構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記クリーニング部材が、前記印刷システムのウォームアップサイクル中に前記画像形成面と接触するよう構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記クリーニング部材が、要求に応じて、前記画像形成面と接触するよう構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ナノワイヤメッシュ部が、100nm以下の1つまたは複数の直径を有する複数のナノワイヤを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のナノワイヤが、対応する直径の1000倍以上である1つまたは複数の全長を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記延長部材のうち1つ目の延長部材が複数のナノワイヤで形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記複数の延長部材の前記1つ目の延長部材を形成する前記複数のナノワイヤが、前記メッシュを構成する絡み合ったナノワイヤである、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
印刷システムの画像形成面をクリーニングする方法であって、
2以上のローラに掛け回されたクリーニング部材を、前記2以上のローラの外周を移動させることによって、前記画像形成面をクリーニングするステップを含み、
前記クリーニング部材は、ナノワイヤメッシュ部を有するクリーニングウェブであり、
前記2以上のローラは、前記クリーニングウェブを前記画像形成面に接触させるためのクリーニングローラと、前記クリーニングローラよりも前記画像形成面との距離が長い箇所に位置するガイドローラと、を含み、
前記クリーニングウェブは、前記画像形成面をクリーニングした後、前記ガイドローラ側に移動し、
前記ナノワイヤメッシュ部が酸化カリウムマンガンを含む、方法。
【請求項14】
前記印刷システムにより処理される印刷ジョブに関連する印刷ジョブの属性を決定するステップと、
前記印刷ジョブの属性が所定の基準に合うと判断するステップと、
前記印刷ジョブの属性が前記所定の基準に合うという判断に応答して、少なくとも部分的に、前記クリーニング部材を前記画像形成面に接触させるステップと、
さらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記所定の基準には、前記印刷ジョブの処理中に、基材に塗布される離型剤の閾値レベルが含まれる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記所定の基準には、前記印刷ジョブの種類が含まれる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記所定の基準には、前記印刷ジョブの長さが含まれる、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記クリーニング部材が、印刷ジョブ中に前記画像形成面と接触するよう構成された、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記クリーニング部材が、前記印刷システムのウォームアップサイクル中に前記画像形成面と接触するよう構成された、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記クリーニング部材が、要求に応じて、前記画像形成面と接触するよう構成された、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記ナノワイヤメッシュ部が、100nm以下の1つまたは複数の直径を有する複数のナノワイヤを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項22】
前記複数のナノワイヤが、対応する直径の1000倍以上である1つまたは複数の全長を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記延長部材のうち1つ目の延長部材が複数のナノワイヤで形成される、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の延長部材の前記1つ目の延長部材を形成する前記複数のナノワイヤが、前記メッシュを構成する絡み合ったナノワイヤである、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷システムの画像形成面をクリーニングする装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な印刷処理では、例えば、感光体などの画像形成面を用いて、基材上に画像を形成している。この像形成面は、経時的に汚染され得る。このような汚染により大抵は、画像に関連する不具合が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、印刷システムの画像形成面をクリーニングする装置および方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によると、印刷システムの画像形成面をクリーニングする装置は、クリーニング部材を含み、このクリーニング部材は、画像形成面と接触するよう設定されたナノワイヤメッシュ部を有する。
【0005】
別の実施形態によると、印刷システムの画像形成面をクリーニングする方法には、ナノワイヤメッシュ部を有するクリーニング部材を、画像形成面に少なくとも部分的に接触させるステップが含まれる。
【0006】
本明細書で、例示的な実施形態を説明するが、本明細書で説明する全ての装置、方法、および/または、システムの特性を組み込んだ全てのシステムは、例示的な実施形態の範囲および趣旨に包含されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態による、画像形成面およびクリーニングユニットを有する印刷システムの図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による、クリーニングブラシを有するクリーニングユニットの図である。
【
図3】
図3は、一実施形態による、クリーニングウェブを有するクリーニングユニットの構成部品の図である。
【
図4】
図4は、一実施形態による、印刷システムの画像形成面をクリーニングする処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用される用語「印刷ジョブの属性」およびその全ての派生物は、印刷システムにより処理される印刷ジョブの全ての記述的特性のことを指す。例えば、印刷ジョブは片面タイプ(片面印刷)または両面タイプ(両面印刷)か、印刷ジョブには、特定のランレングスがあり得るか、印刷ジョブには、所定の期待品質の閾値があり得るかなどである。
【0009】
本明細書で使用される用語「画像形成面」およびその全ての派生物は、圧版、ベルト、またはドラムなどの全ての部材を意味し、インクまたはトナーなどのマーキング材料を画像状態で受け入れて印刷媒体に最終的に転写し、その後クリーニングする。例示される実施形態では、画像形成面が多重電子写真方式で用いられる感光体ベルトの一部として示されるが、用語として本明細書で使用される画像形成面は、タンデム式カラー電子写真方式で使用される中間ベルト、イオノグラフィ方式などで使用される電荷受容体、全ての種類のインクジェット印刷方式などで使用される中間ドラムまたは中間ベルトなどの別の種類の印刷装置でも使用されていることが明白であることを理解されたい。
【0010】
本明細書で使用される用語「ナノワイヤメッシュ」およびその全ての派生物とは、毛管作用を用いて、オイルを吸収するよう設定された材料のことを指す。ナノワイヤメッシュ材料には、数十ナノメートル以下の直径と、制限のない長さと、を有する複数のナノワイヤが含まれる。例えば、ナノワイヤメッシュ材料には、10nmから100nmまでの範囲の直径を有する複数のナノワイヤを含まれ得る。これらのナノワイヤの直径は、同じナノワイヤメッシュ内で同じでも異なってもよい。これらのナノワイヤの全長はまた、所与の直径の長さ1,000倍以上でもよい。これらのナノワイヤの全長は、同じナノワイヤメッシュ内で同じでも異なってもよい。ナノワイヤメッシュは、紙状またはウェブ状の形態、あるいは、例えば、剛毛のブラシを形成するために使用可能な全ての形態などのあらゆる形態とることができる。ナノワイヤメッシュ材料には、あらゆる数の材料を含まれ得、それらの材料の中には、金属材料、非金属材料、ポリマー、セラミック、ガラス、導体材料、半導体材料、非導体材料、またはそれらの組み合わせが含まれるが、それらには限定されない。例えば、織り合わせたナノワイヤファイバには、酸化ガリウムマンガンが含まれ得る。
【0011】
図1には、一実施形態による、印刷システム100が示され、この印刷システム100は、画像形成面108をクリーニング可能なクリーニングユニット121を有する。この印刷システム100を用いると、様々なサイズおよび質量を有する、画像を様々な種類の媒体、すなわち基材に塗布可能である。この印刷システム100は、直列に配列された2つの媒体供給モジュール102を含み、これらの媒体供給モジュール102に印刷モジュール106が隣接し、この印刷モジュール106に反転モジュール114が隣接し、この反転モジュール114に直列に配列された2つスタッカモジュール116が隣接する。
【0012】
印刷モジュール106では、一連の現像剤ステーション110から、例えば、帯電した感光体であり得る画像形成面103にマーキング材料(例えば、トナー)が転移されて、その画像形成面103上でトナー画像が形成され、媒体上に上記の画像が作り出される。このトナー画像は、用紙経路を通って供給される媒体104の一方の面に転写される。この媒体は、定着ローラ113および圧力ローラ115を含む定着装置112を通過して進む。これらの定着ローラ113と圧力ローラ115により、ニップが形成される。このニップ内で、その上にマーキング材料が塗布された媒体に、熱と圧力が加えられて、マーキング材料が媒体に定着される。
【0013】
反転モジュール114は、片面印刷の場合には媒体をスタッカ116に通過させることにより、両面印刷に関しては媒体を反転させ印刷モジュール106に戻すことにより、印刷モジュール106内に存在する媒体を操作する。スタッカ116では、印刷媒体はスタッカのカート118の上に載せられて、スタック120が形成される。
【0014】
画像形成面108は、種々の種類の細片、および/または、例えば、過剰トナー、紙粉、環境汚染物質、および/または、離型剤などの印刷処理の副産物により汚染され得る。離型剤は通常、印刷システム100により、定着ローラ113に塗布され、これにより、媒体が上記の定着処理の後、定着ローラ113から剥がれやすくする。しかし、印刷システム100が、両面印刷モードで動作するとき、この離型剤が画像形成面108に戻されてしまう可能性がある。
【0015】
画像形成面が汚染されると、大抵はゴーストの発生などの画像に関連する不具合が発生するが、不具合はこれに限定されない。これらの画像に関連する不具合により、印刷生産は遅れ生産効率が低下する。例を挙げると、印刷処理を停止させ、再開させ、遅らせて、検知した全ての画像に関連する不具合を修正しなければならない可能性がある。
【0016】
画像不具合の問題を修正する従来の解決法では、従来の印刷システム内に清掃シートを走らせて、画像形成面103をクリーニングするステップが含まれる。例えば、清掃シートを用いて、画像形成面103上に堆積した全ての離型剤を吸収することができる、かつ/または、クリーニングブレードを用いて、全ての堆積した離型剤を画像形成面103からかき落とすことができる。しかし、効果的に画像形成面103をクリーニングして、上記の画像に関連する不具合を取り除く解決法は存在しない。別の解決法では、例えば、画像形成面103、および/または、定着ローラ113を交換するステップが含まれる。この交換を行う解決法は、コストがかかり時間を浪費する。
【0017】
これらの問題に対処するために、印刷システム100は、上記で議論した、細片および/または、隔離剤などの全てに汚染物質を画像形成面から清掃可能なクリーニングシステム121を含む。
図1には、印刷システム100の一部であるクリーニングユニット121が示されているが、別の方法として、クリーニングユニット121をモジュラユニットとして設定して、このモジュラユニットを組み込むことで、クリーニングユニット121を含む、または、含まない印刷システムの画像形成面103をクリーニングすることができる。
【0018】
種々の実施形態により、クリーニングユニット121は、少なくとも1つのクリーニング部材125を有する。このクリーニング部材125は、画像形成面103と接触するよう設定されたブラシタイプ、および/または、ウェブタイプのうちの一方または両方でよい。
【0019】
クリーニング部材125の形態に関係なく、クリーニング部材125は、少なくとも1つのナノワイヤメッシュ部を含む。例えば、ブラシタイプのクリーニング部材125の1本以上の剛毛は、ナノワイヤメッシュの材料から成り得る、あるいは、ブラシタイプのクリーニング部材125の全ての剛毛は、ナノワイヤメッシュ材料から成り得る。同様に、ウェブタイプのクリーニング部材125は、完全にナノワイヤメッシュ材料から成り得る、あるいは、ウェブタイプのクリーニング部材125は、ナノワイヤメッシュ材料を含む1つ以上の部分を有することができる。
【0020】
ナノワイヤメッシュ材料は、その質量で20倍までの離型剤を吸収可能であり、画像形成面103を効果的にクリーニングして、画像形成面103上の離型剤の堆積、および/または、細片により生じる全ての画像に関連する不具合を削減する、または取り除く。ナノワイヤメッシュ材料に加えて、または、ナノワイヤメッシュ材料とは別に、ブラシタイプのクリーニング部材125の任意または全ての剛毛には、あるいはウェブタイプのクリーニング部材125の任意または全ての部分には、シリコン材料またはその他の類似の高吸収材料が含まれ得る。
【0021】
種々の実施形態によると、クリーニング部材125を固定することができ、それにより、クリーニング部材125を、常に画像形成面103と接触させることができる、または移動させることができ、それにより、クリーニングユニット121は、画像形成面103を選択的にクリーニングすることができる。
【0022】
クリーニング部材が移動可能な場合、クリーニング部材125を画像形成面103から離れるように移動させ、それにより、所定の種類の印刷ジョブ(すなわち、片面または両面)、所定の印刷ジョブの長さ、大量または少量の離型剤を被膜し戻すことで知られる印刷ジョブ、操作者により設定可能な、または、センサにより検知される所定の画像品質の閾値などの特定の所定の印刷ジョブの属性に基づいて、または印刷システムの画像品質性能に影響を及ぼす可能性のあるその他の理由により、要求に応じるとき、または命令されるときのみ、クリーニング部材は画像形成面103に接触させることができる。画像形成面103と接触する係合クリーニング位置と、係合解除する位置との間を、このようにクリーニング部材125が移動することにより、クリーニング部材125、および/または、画像形成面103が、あらゆるクリーニング処理から受ける可能性のある全ての摩擦を低減することができる。
【0023】
種々の実施形態によると、カミング機構、ソレノイド搭載機構、またはクリーニング部材125を移動させるためのその他の種類のモータまたは手段により、クリーニングユニット121は、係合位置と係合解除位置との間のクリーニング部材125の位置を割り出すことができる。
【0024】
種々の実施形態によると、クリーニング部材125が移動可能な場合、断続的、周期的、印刷ジョブの前、印刷ジョブ中、印刷ジョブの後、または印刷システム100のウォームアップサイクル中またはクールダウンサイクル中のあらゆる組み合わせで、クリーニング部材125を画像形成面103と接触させることができる。いくつかの実施形態では、クリーニング部材125を用いて、画像形成面103をクリーニングするだけでなく、必要に応じて、画像形成面103を調整することもできる。
【0025】
図2には、クリーニング部材125の実施形態の一例の図が示される。この例では、クリーニングユニット121のクリーニング部材125は、クリーニングブラシ201として示され、このクリーニングブラシ201は、剛毛203を有する。上記で議論する通り、クリーニングブラシ201には、ナノワイヤメッシュ部が含まれる。例えば、クリーニングブラシ201のうちの1本以上の剛毛203は、をナノワイヤメッシュから成り得る、あるいは、クリーニングブラシ201の全ての剛毛203は、ナノワイヤメッシュ材料から成り得る。ナノワイヤメッシュの材料に加えて、またはナノワイヤメッシュの材料とは別に、任意のまたは全てのクリーニングブラシ201の剛毛203には、例えば、シリコンブラシ材料、またはその他の類似する高吸収材料が含まれ得る。このクリーニングブラシ201は、中心軸205の周りを回転する回転ブラシとして設定される。
【0026】
図3には、クリーニング部材125の実施形態の一例の図が示される。この例では、クリーニング部材125は、クリーニングウェブ301として示され、このクリーニングウェブ301は、クリーニングローラ303とガイドローラ305との外周を進む。このクリーニングユニット121は、図示した2つ以上のローラを含むことができる、あるいは、簡単に単一のローラを含み、その周りにはクリーニングウェブ301が巻きつけられる。いくつかの実施形態では、クリーニングウェブ301を連続して再使用することができ、その他の実施形態では、クリーニングウェブ301を画像形成面108に接触させ、例えば、クリーニングウェブ301の特定の部分を用いて、画像形成面108をクリーニングした後、ガイドローラ305により巻きつけられ得る。上記で議論した通り、クリーニングウェブ301は、完全にナノワイヤメッシュ材料から成り得る、あるいは、クリーニングウェブ301には、1つ以上のナノワイヤメッシュ部が含まれ得る。ナノワイヤメッシュ材料に加えて、またはナノワイヤメッシュ材料とは別に、クリーニングウェブ301の任意のまたは全ての部分には、例えば、シリコン材料、または、その他の類似する高吸収材料が含まれ得る。
【0027】
図4には、一実施形態による、印刷システムの画像形成面をクリーニングするための処理のフローチャートである。ある実施形態では、上記に議論したクリーニングユニット121が、この処理400を行う。ステップ401で、クリーニングユニット121が、上記の印刷システム100により処理される印刷ジョブに関連する印刷ジョブの属性を決定する。次いで、ステップ403で、クリーニングユニット121は、所定の基準に合う印刷ジョブの属性を決定する。種々の実施形態によると、この所定の基準には、印刷ジョブを処理中に基材に塗布される離型剤の閾値レベル、印刷ジョブの種類、および印刷ジョブの長さのうちの少なくとも1つの以上が含まれる。各基準をあらかじめ設定して、特定の値に対応させることができ、この特定の値により、クリーニングユニット121に、クリーニング部材125を上記の画像形成面108に接触させる。
【0028】
次に、ステップ405で、印刷ジョブの属性が所定の基準と合う、あるいは要求に応じる決定に応じて、クリーニングユニット121は、少なくとも部分的に、クリーニング部材125を、画像形成面108に接触させる。種々の実施形態によると、操作者の好み、および/または、全ての所定の印刷ジョブの属性により、印刷ジョブ中、および印刷ジョブの前後、ならびに印刷システム100のウォームアップサイクル中またはクールダウンサイクル中、および要求に応じて、またはそれらの組み合わせで、クリーニング部材125を画像形成面108に接触させることができる。
【0029】
これまで複数の実施形態および実装形態を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるわけではなく、本発明は、付随する請求項の範囲に入る種々の自明な変更および同等物の構成を包含するものとする。請求項の間では、種々の実施形態の特徴が、特定の組み合わせで記載されているが、これらの特徴は、全ての組み合わせ、および順序で構成可能であると考えられる。