特許第6117110号(P6117110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6117110光回線端末トランシーバを備えた光ネットワーク通信システムおよびその動作の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6117110
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】光回線端末トランシーバを備えた光ネットワーク通信システムおよびその動作の方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/272 20130101AFI20170410BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   H04B10/272
   G02B6/12 331
【請求項の数】10
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2013-543215(P2013-543215)
(86)(22)【出願日】2011年11月30日
(65)【公表番号】特表2014-502798(P2014-502798A)
(43)【公表日】2014年2月3日
(86)【国際出願番号】US2011062589
(87)【国際公開番号】WO2012082375
(87)【国際公開日】20120621
【審査請求日】2014年11月26日
(31)【優先権主張番号】12/966,795
(32)【優先日】2010年12月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500030666
【氏名又は名称】ネオフォトニクス・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】NeoPhotonics Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ピーラー,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ティクナー,アンソニー・ジェイ
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−322288(JP,A)
【文献】 特開平02−007009(JP,A)
【文献】 特開平06−265749(JP,A)
【文献】 特開2010−118934(JP,A)
【文献】 特開平10−048458(JP,A)
【文献】 特開2010−239552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
G02B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ネットワーク通信システムの動作の方法であって、
平面光波回路を提供することを備え、平面光波回路を提供することは、
1個のアップストリームポート、N個のダウンストリームポート、及び(N−1)個の回収ポートを有する1×N単一モード光スプリッタ/結合器を形成するために(N−1)個の2×2単一モード光カプラをアレイに接続することであって、Nは以上の自然数であることと、
光回線端末受信器において、回収ポートのうち2つ以上から回収された光を収集するために回収ポートを光回線端末受信器に経路付けることとを含み、回収ポートのうち1つ以上は2×2単一モード光カプラからであり、前記方法はさらに、
第1の波長で平面光波回路を介して光ネットワークユニットに送信することと、
光ネットワークユニットからの応答を、回収された光を介して第2の波長で解釈することとを備える、方法。
【請求項2】
光ネットワークユニットと平面光波回路との間を、単一モード光ファイバを介して通信することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
回収された光を収集するために、回収ポートと光回線端末受信器との間を、マルチモード光導波路を介して通信することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
光回線端末受信器と回収ポートとの間に光カプラを設けることをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
平面光波回路と通信するために小型形状因子プラガブルモジュールを提供することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
光ネットワーク通信システムであって、
平面光波回路を備え、平面光波回路は、
アレイ状に結合されて、1個のアップストリームポート、N個のダウンストリームポート、及び(N−1)個の回収ポートを有する1×N単一モード光スプリッタ/結合器を形成する(N−1)個の2×2単一モード光カプラであって、Nは以上の自然数である(N−1)個の2×2単一モード光カプラと、
光回線端末受信器において、回収ポートのうち2つ以上から回収された光を収集するために回収ポートが経路付けされた光回線端末受信器とを含み、回収ポートのうち1つ以上は2×2単一モード光カプラからであり、前記システムは、
平面光波回路を介して光ネットワークユニットに第1の波長を送信するための光回線端末送信器と、
回収された光を介して受信される、光ネットワークユニットからの第2の波長とをさらに備える、システム。
【請求項7】
光ネットワークユニットと平面光波回路との間に単一モード光ファイバをさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
回収された光を収集するために、回収ポートと光回線端末受信器との間にマルチモード光導波路をさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
光回線端末受信器と回収ポートとの間に光カプラをさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
平面光波回路に結合された小型形状因子プラガブルモジュールをさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して光ネットワーク通信システムに関し、特に受動光ネットワークを提供するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポイントトゥマルチポイント光ネットワークの一例は受動光ネットワークであり得る。受動光ネットワークは、周知の組織によって、一般的な用途のために規格が規定される。ネットワークは、典型的に通信プロバイダ中央局(CO)に位置する光回線端末(OLT)における単一のポイントと、典型的に加入者の住宅にある、光ネットワークユニット(ONU)による複数の加入者ポイントとにおいて終端する。
【0003】
OLTおよびONUは、異なる波長で光信号を送受信する単一のファイバインターフェースを有する。OLTは波長λdownで信号を送信し、波長λupでONUから信号を受信する。ONUは波長λupで信号を送信し、波長λdownでOLTから信号を受信する。ダウンストリーム信号は、ネットワーク上のすべてのONUに一斉送信するが、各加入者のONUからのアップストリーム信号は、時分割多重アクセス(TDMA)プロトコルに従って固有のタイムスロットが割り当てられる。
【0004】
OLTとONUとの間での高データレートおよび長距離を支持するために、受動光ネットワーク(PON)は単一モード光ファイバを使用する。いずれのPONでも主要な構成要素は単一モード光スプリッタである。1×N光スプリッタの機能は、ダウンストリーム光信号の同一のコピーを分割し、N個のONU対面ポートの各々に送ることである。
【0005】
同じスプリッタは、N個のアップストリーム信号を、OLTに面する一つの単一モード光ポートに組合わせる。エネルギ保存の法則は、各出力ポートにおけるダウンストリーム信号が入力信号に対して少なくとも1/N倍だけ減衰させられることを必要とする。アップストリームのすべての信号がスプリッタによって同じように扱われると仮定すると(つまり、スプリッタは偏光も波長選択性も有さない)、熱力学第2法則(エントロピーは閉じた系において減少することができない)の結果として、N個のONU対面ポートのうちいずれか1つに入る信号を、単一のOLT対面ポートに到達するまでに少なくとも1/N倍減衰させなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
超過損失がゼロである理想的な単一モードスプリッタについて、スプリッタに入射される全ダウンストリーム光パワーは、N個のONU対面ポートから発せられる全出力と等しい。同じ理想的なスプリッタについて、単一のOLT対面アップストリームポートから流出する全光パワーは、いずれかの組のNポートに入射される全光パワーの1/N倍以下であり得る。アップストリーム信号の(N−l)/Nという極めて大きな部分が、無駄な光と称される、分散して使用不可能な光エネルギとしてスプリッタ内の単一モード導波路から放射される。
【0007】
したがって、アップストリーム信号経路の減衰を補償する光回線端末トランシーバを備えた光ネットワーク通信システムが依然として必要である。世界的な光ネットワーク通信産業の成長に鑑み、これらの問題に対する解答を見出すことがますます重要である。増大し続ける商用競争圧力に鑑み、消費者の期待が高まることおよび市場における意味のある製品差別化の機会が減少するのとともに、これらの問題に解答を見出すことが重要である。さらに、費用を削減し、効率および性能を向上させ、競争圧力を満たす必要性から、これらの問題に対する解答を見出す重要な必要性に、さらに一層高い緊急性が加わる。
【0008】
これらの問題に対する解決策は長い間求められているが、これまでの成果によってどんな解決策も教示も示唆もされておらず、したがってこれらの問題に対する解決策は長い間当業者にとってとらえにくいものとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の開示
本発明は、光ネットワーク通信システムの動作の方法であって、平面光波回路を提供することを含み、平面光波回路を提供することは、1×N単一モード光スプリッタ/結合器を形成するために2×2単一モード光カプラをアレイに接続することと、光回線端末受信器において、回収ポートのうち2つ以上から回収された光を収集するために回収ポートを光回線端末受信器に経路付けることとを含み、回収ポートのうち1つ以上は2×2単一モード光カプラからであり、当該方法はさらに、第1の波長で平面光波回路を介して光ネットワークユニットに送信することと、光ネットワークユニットからの応答を回収された光を介して第2の波長で解釈することとを含む方法を提供する。
【0010】
本発明は、光ネットワーク通信システムであって、平面光波回路を含み、平面光波回路は、アレイの形態で結合されて、1×N単一モード光スプリッタ/結合器を形成する2×2単一モード光カプラと、受信器において、回収ポートのうち2つ以上から回収された光を収集するために受信器に経路付けられた回収ポートとを含み、回収ポートのうち1つ以上は2×2単一モード光カプラからであり、当該システムは、平面光波回路を介して光ネットワークユニットに第1の波長を送信するための光回線端末送信器と、回収された光を介して受信される、光ネットワークユニットからの第2の波長とを含むシステムを提供する。
【0011】
発明の特定の実施例は、上記したものに加えてまたは代わりに、他の工程または要素を有する。当該工程または要素は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより当業者にとって明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例における、光回線端末トランシーバを備えた光ネットワーク通信システムの機能ブロック図である。
図2A】入力波長に対する特有の反応を有する2×2単一モード光カプラの機能ブロック図である。
図2B】入力波長に対する特有の反応を有する2×2単一モード光カプラの機能ブロック図である。
図2C】入力波長に対する特有の反応を有する2×2単一モード光カプラの機能ブロック図である。
図2D】入力波長に対する特有の反応を有する2×2単一モード光カプラの機能ブロック図である。
図2E】入力波長に対する特有の反応を有する2×2単一モード光カプラの機能ブロック図である。
図2F】入力波長に対する特有の反応を有する2×2単一モード光カプラの機能ブロック図である。
図2G】入力波長に対する特有の反応を有する2×2単一モード光カプラの機能ブロック図である。
図2H】入力波長に対する特有の反応を有する2×2単一モード光カプラの機能ブロック図である。
図3図1の1×N単一モード光スプリッタ/結合器の機能ブロック図である。
図4】光回線端末トランシーバの機能ブロック図である。
図5】本発明の一実施例における光回線端末トランシーバの概略図である。
図6】本発明の一実施例における平面光波回路を利用した受動光ネットワーク光回線端末回線カードの機能ブロック図である。
図7】本発明の一実施例における1×32単一モード光スプリッタ/結合器の概略図である。
図8】本発明の第2の実施例における、外付けバージョンの平面光波回路を利用した受動光ネットワーク回線カードの機能ブロック図である。
図9】本発明の第3の実施例における、外付けバージョンの平面光波回路を利用した受動光ネットワーク光回線端末回線カードの機能ブロック図である。
図10】本発明の第4の実施例における平面光波回路を利用した受動光ネットワーク光回線端末回線カードの機能ブロック図である。
図11】本発明の第5の実施例における平面光波回路を利用した受動光ネットワーク光回線端末回線カードの機能ブロック図である。
図12】本発明の一実施例における1×4単一モード光スプリッタ/結合器を利用した光回線端末トランシーバの概略図である。
図13】本発明の第6の実施例における1×8単一モード光スプリッタ/結合器を利用した光回線端末トランシーバの概略図である。
図14】本発明の第7の実施例における2×8単一モード光スプリッタ/結合器を利用した光回線端末トランシーバの概略図である。
図15】本発明の第8の実施例における32ポート10Gb/sPON OLTトランシーバの機能ブロック図である。
図16】本発明の第9の実施例における32ポート10Gb/sPON OLT範囲拡張システムの機能ブロック図である。
図17】本発明の第10の実施例における32ポート10Gb/sPON OLT範囲拡張システムの機能ブロック図である。
図18】本発明の第11の実施例におけるハイブリッドファイバ同軸光ネットワーク中継器の機能ブロック図である。
図19】本発明の第12の実施例における1×(N/2)単一モードスプリッタ/結合器を利用した光回線端末トランシーバの機能ブロック図である。
図20】平面光波回路を利用した受動光ネットワーク光回線端末回線カードの機能ブロック図である。
図21】本発明のさらなる実施例における光ネットワーク通信システムの動作の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明を実施するための最良モード
以下の実施例は、当業者が発明を行い使用することを可能にするために十分詳細に説明される。本開示に基づいて他の実施例が明白であり、本発明の範囲から逸脱することなくシステム、処理、または機械的変更がなされ得ることが理解されるべきである。
【0014】
以下の説明では、発明についての完全な理解をもたらすために多くの特定の詳細が示される。しかしながら、これらの特定の詳細なしに発明が実行され得ることは明白であろう。本発明が不明瞭となるのを防ぐために、いくつかの周知の回路、システム構成、および処理工程は詳細には開示されない。
【0015】
システムの実施例を示す図面はなかば概略的であり縮尺通りではなく、特に、寸法のうちのいくつかは描写の明瞭さのためであり、図の中で誇張されて示される。同様に、図面中の図は説明のしやすさのために同様の方位を概ね示すが、図の中のこの描写は大部分が任意である。概して、発明はいずれの方位でも動作させることができる。
【0016】
同じ要素に関連付けるため、すべての図面において同じ数字が使用される。実施例は、記述の便宜の問題として第1の実施例、第2の実施例などと番号付けられており、いずれかの他の意味を有するとも、本発明に制限を与えるものとも意図されていない。
【0017】
説明の目的のために、ここに使用される「水平な」という用語は、その方位にかかわらず地球の面または表面と平行な面として定義される。「垂直な」という用語は、定義した水平に垂直な方向を指す。「上に」、「下に」、「底部」、「頂部」、(「側壁」中などの)「側」、「より高い」、「より低い」、「上側の」、「上方」、「下方」などの用語は、図において示されるように、水平面に関して定義される。「上」という用語は、要素間に直接接触があることを意味する。無駄な光という用語は、先行技術のスプリッタにおける光接合部から拡散される光として定義される。本願の目的のために、回収された光は本発明では拡散されず、本発明の受信器によって使用されるように収集されるかまたは方向転換される。回収ポートという用語は、回収された光を収集するかまたは方向転換するために使用される2×2単一モード光カプラまたは波長分割マルチプレクサの余分なポートであるものと定義される。
【0018】
図1を参照して、本発明の一実施例における、光回線端末トランシーバ101を備えた光ネットワーク通信システム100の機能ブロック図が示される。光ネットワーク通信システム100の機能ブロック図は、光回線端末に面する側の第1の単一モード光ポート104および第2の単一モード光ポート106などの少なくとも2つの単一モード光ポートを有する1×N単一モード光スプリッタ/結合器102を図示する。第2の単一モード光ポート106は1×N単一モード光スプリッタ/結合器102への入力であり、光回線端末(図示せず)の光送信器に結合され得る。
【0019】
第1の単一モード光ポート104に加えて、少なくとも1つの追加的なポート108が、光ファイバまたは光導波路のグループなどのマルチポート単一モードグループ110を介して誘導され得、アップストリームの光を回収するために、光回線端末において光検出器116の方に誘導される。単一モードグループ110の追加的なポートのうち1つは、たとえば波長分割多重(WDM)によって第2の単一モード光ポート106から得られ得る。第1の単一モード光ポート104およびマルチポート単一モードグループ110におけるアップストリーム信号は、先行技術のスプリッタからは無駄な光として分散されるであろう、回収された光の収集から少なくとも部分的に得られ、1×N単一モード光スプリッタ/結合器102に回収され得る。
【0020】
第1の単一モード光ポート104およびマルチポート単一モードグループ110からのアップストリーム信号は、光検出器116に向けて送られる。アップストリーム信号は、マルチポート単一モードグループ110を横断し得るか、または1つ以上のマルチモード光導波路112に低損失で効率的に結合され得る。マルチモード光導波路112は、アップストリーム信号を光カプラ114を介してアップストリーム信号に対して低損失で送り得る。光カプラ114は、マルチモード光導波路112および/またはマルチポート単一モードグループ110の組合せによって、光検出器116のうち1つ以上にアップストリーム信号を出力し得る。
【0021】
単一のマルチモード光導波路112からのアップストリーム信号は、「O/E」と名付けられ、ナノメートルで測定された信号波長の2乗より実質的に大きい、図示しない有効な検出領域を有する光検出器116に結合される。光検出器116へのアップストリーム信号の結合は、近接性、屈折性光学素子(つまりレンズ)、反射面、または回折光学素子によって実現され得る。
【0022】
2つ以上の光検出器116がある場合、アナログまたはデジタル回路(図示せず)によって電気バス118が組合わせられる。電気バス118は、プロセッサ(図示せず)による操作に好適であり得る。
【0023】
本発明は、光信号などのいずれかのアップストリーム信号がONU対面ポート120から入り、以下の要件を満たす2本以上の別個の光路によって光検出器116のうち1つ以上に誘導されるやり方で実施することができる。
【0024】
N個のONU対面光ポート122は、光ネットワーク通信システム100を介して通信している、単一モード光ファイバ126によって結合された光ネットワークユニット(ONU)124のための退出経路を形成し得る。上記の光学、電気光学、および電子要素の組合せは、N個のONU対面光ポート122のうちいずれか特定の1つからのアップストリーム信号が、複数の想定される別個の光路に沿って電気バス118に進行するための時間が、信号の電気的な帯域幅の逆数より実質的に小さい公差で「互いに等しく」なければならないように設計されなければならない。
【0025】
または数学的な用語では、全体的な設計は
【0026】
【数1】
【0027】
を満たさなければならない。
N個のONU対面光ポート122のうちいずれか特定の1つのポートから始まるすべての信号経路について、
=マルチポート単一モードグループ110を介する別個の経路を通って、N個のONU対面光ポート122のいずれかから電気バス118に進行する時間
=マルチポート単一モードグループ110を介する異なる別個の経路を通って、同じN個のONU対面光ポート122から電気バス118に進行する時間
=電気信号帯域幅。
【0028】
設計ルールが維持されている限り、本発明はその成分の物理的な分配に制約を課さない。したがって、特定の実施例は成分を物理的に隔て、かつ/またはそれらを別個のモジュールに配置し得る。下に例示される例では、受動光学機能が分離されてモジュールを隔て得る。
【0029】
1×N単一モード光スプリッタ/結合器102から回収された光を収集することによって、電気バス118を解釈する光回線端末受信器128の単純化が可能であることが発見されている。単純化は、費用削減、およびビットエラー比の減少によって反映されるデータ信頼性の上昇につながり得る。
【0030】
図2A図2Hを参照して、入力波長に対して特有の応答を有する2×2単一モード光カプラ202の機能ブロック図が示される。2×2単一モード光カプラ202の機能ブロック図は、2×2単一モード光カプラ202の各々がAポート204、Bポート206、Cポート208、およびDポート210を含むことを示す。2×2単一モード光カプラ202は、下に定義されるようなある波長(λ)の光を送信する光カプラであることが理解される。
【0031】
2×2単一モード光カプラ202は、図1の1×N単一モード光スプリッタ/結合器102の重要な構築ブロックとして使用される。2×2単一モード光カプラ202は、溶融ファイバ、平面光波回路、またはバルク光技術で製造することができる。1×N単一モード光スプリッタ/結合器102の実装の成功のためには、2×2単一モード光カプラ202は、受動光ネットワーク(PON)光回線端末送信器波長λdownにおいて等辺のY接合部として機能するべきである。PON OLT受信器の波長λupでは、結合比についての仕様ははるかに緩和される。なぜなら、好ましい実施例では、大部分またはすべての経路は、いずれかの特別の分割比にかかわらず最終的にOLT受信器に到達するからである。これは先行技術からの逸脱であり、先行技術は、本願に規定されるように回収された光を収集しない。
【0032】
2×2単一モード光カプラ202の広帯域特徴に基づいた平面光波回路を設計し製造することは、カプラが狭い範囲の波長に対して等しくパワーを分割するように設計されている場合よりも困難であることが当業者に知られている。本願では、ダウンストリームの性能がアップストリームの性能よりも重要である。本願の2×2単一モード光カプラ202の基本的な定義は以下の通りである。
【0033】
図2(A)に示されるように、2×2単一モード光カプラ202のAポート204に入る透過光Ρλ(Tx)のパワーは、Cポート208およびDポート210の両方において等しく分割され複製される。宛先ポートの各々は、1/2Ρλ(Tx)で光を伝播させることになる。
【0034】
図2(B)に示されるように、2×2単一モード光カプラ202のBポート206に入る透過光Ρλ(Tx)のパワーは、Cポート208およびDポート210の両方において等しく分割され複製される。宛先ポートの各々は、1/2Ρλ(Tx)で光を伝播させることになる。
【0035】
図2(C)に示されるように、2×2単一モード光カプラ202のCポート208に入る透過光Ρλ(Tx)のパワーは、Aポート204およびBポート206の両方において等しく分割され複製される。宛先ポートの各々は、1/2Ρλ(Tx)で光を伝播させることになる。
【0036】
図2(D)に示されるように、2×2単一モード光カプラ202のDポート210に入る透過光Ρλ(Tx)のパワーは、Aポート204およびBポート206の両方において等しく分割され複製される。宛先ポートの各々は、1/2Ρλ(Tx)で光を伝播させることになる。
【0037】
図2(E)に示されるように、2×2単一モード光カプラ202のAポート204に入る受信光Pλ(Rx)のパワーは、Cポート208とDポート210との間で任意に分割される。宛先ポートの各々は、P1およびP2において光の相補部分を伝播させることになる。ここで、
P1+P2=Pλ(Rx) EQ2
P1≧0.05Pλ(Rx) EQ3
P2≧0.05Pλ(Rx) EQ4
図2(F)に示されるように、2×2単一モード光カプラ202のBポート206に入る受信光Pλ(Rx)のパワーは、Cポート208とDポート210との間で任意に分割される。宛先ポートの各々は、上で規定したように、P1およびP2において光の相補部分を伝播させることになる。
【0038】
図2(G)に示されるように、2×2単一モード光カプラ202のCポート208に入る受信光Pλ(Rx)のパワーは、Aポート204とBポート206との間で任意に分割される。宛先ポートの各々は、上で規定したように、P1およびP2において光の相補部分を伝播させることになる。
【0039】
図2(H)に示されるように、2×2単一モード光カプラ202のDポート210に入る受信光Pλ(Rx)のパワーは、Aポート204とBポート206との間で任意に分割される。宛先ポートの各々は、上で規定したように、P1およびP2において光の相補部分を伝播させることになる。
【0040】
図3を参照して、図1の1×N単一モード光スプリッタ/結合器102の機能ブロック図が示される。1×N単一モード光スプリッタ/結合器102の機能ブロック図は、2×2単一モード光カプラ202のアレイ302を示す。一次入力はOLT対面ポート304であり、OLT送信器(図示せず)に結合され得る。
【0041】
先行技術では、理想的な1×N単一モード光スプリッタはY接合部からなり得、ダウンストリーム方向において完全に効率的である。しかしながらアップストリーム方向では、各Y接合部において、各脚部からのパワーの2分の1のみが単一のアップストリーム導波路(図示せず)に結合することになり、過大なパワーが導波路から無駄な光として放射されることになる。
【0042】
本発明では、Y接合部の各々は、広帯域バージョンの2×2単一モード光カプラ202で置換される。2本のダウンストリームに面する脚部に発せられた全アップストリームパワーは、パワーのどの部分も導波路から放射されることなく、2本のアップストリームの脚部に維持することができる。図3に示されるように、2本のOLT対面脚部のうち一方のみを用いて、1×N単一モード光スプリッタ/結合器102を形成する。
【0043】
理想的な1×N単一モード光スプリッタ/結合器102は、(N−1)個の2×2単一モード光カプラ202から形成され得る。本例において、N=8であれば、1×8単一モード光スプリッタ/結合器300は、7個の2×2単一モード光カプラ202を結合することによって形成され得る。1×N単一モード光スプリッタ/結合器102についての8個という選択は一例に過ぎず、限定的に使用されるものではないことが理解される。本発明はどんな数の2×2単一モード光カプラ202を用いても実行され得ることが理解される。
【0044】
ONU対面光ポート122のいずれかのサブセットに発せられた全出力はPと記載され、OLT対面ポート304からのパワーはP/Nとなり、A,B,C…,Gと名付けられた回収ポート306からの光パワーの合計はP(N−1)/Nとなる。また、1×N単一モード光スプリッタ/結合器102は、(N−1)個の2×2単一モード光カプラ202から形成することができ、各々1つのポートが中立であり、回収ポート306に利用可能である。Nが8であると選択された上記の例では、1×8単一モードスプリッタ/結合器300を実装するには、(N−1)個すなわち7個の2×2単一モード光カプラ202が必要である。
【0045】
図4を参照して、本発明の一実施例における光回線端末トランシーバ400の機能ブロック図が示される。光回線端末トランシーバ400の機能ブロック図は、先の例の1×8単一モードスプリッタ/結合器300を形成するように結合された、図1の1×N単一モード光スプリッタ/結合器102を示す。
【0046】
ONU対面光ポート122のアレイは図1の光ネットワークユニット(ONU)124に結合され得、図1の単一モード光ファイバ126によって結合され、光回線端末トランシーバ400から遠い距離に配置され得る。ONU対面光ポート122のアレイは、説明を簡潔にするために接続されずに示され、動作環境には図1の単一モード光ファイバ126および光ネットワークユニット124が存在するであろうことが理解される。
【0047】
本発明は、2×2単一モード光カプラ202の回収ポート306(A〜G)からの光パワーを利用し、それは光通信システムに使用可能なフォーマットで1×N単一モード光スプリッタ/結合器102を構築する。
【0048】
3ポート波長分割マルチプレクサなどの波長分割マルチプレクサ404の理想モデルは、1×8単一モードスプリッタ/結合器300のOLT対面ポート304に取付けられる。波長分割マルチプレクサ404の回収ポート306は、A′と示されるアップストリームの波長(λ(Rx))を迂回させ、波長分割マルチプレクサ404を介する光回線端末対面ポート418から第1のカプラまでの経路は、光回線端末送信器410から供給されるダウンストリームの波長(λ(Τx))において十分に透過性である。
【0049】
アップストリームパワーPλ(Rx)の全回復は、2×2単一モード光カプラ202からの回収ポート306(A〜G)と波長分割マルチプレクサ404からの(A′)とを結合して、光/電気コンバータ412を介して、回収ポート306から回収された光を光回線端末受信器128に収集することによって可能とされる。2×2単一モード光カプラ202の回収ポート306から収集された、回収された光は、先行技術システムでは、通常は使用されずに無駄な光としてスプリッタ内で消散させられることになる。
【0050】
回収された光を光回線端末受信器128に収集することによって、本発明は受信処理を単純化し、2×2単一モード光カプラ202に送られたパワーをすべて収集する。この場合、N個のポートのすべてのサブセットに発せられた全出力がPとすると、光回線端末対面ポート418からのパワーはゼロとなり、A,B,C…,GおよびA′と名付けられた回収ポート306からの光パワーの合計はPとなる。
【0051】
本発明は、最初に発せられた全量のPλ(Rx)を供給することにより、光回線端末受信器電子機器414の設計要件を単純化し得ることが発見された。光回線端末受信器電子機器414の単純化は、図1のONU124から発せられたデータであった受信器データ416のビットエラー比を減少させることにより性能を高めつつ、光回線端末受信器電子機器414の費用を削減し得る。
【0052】
受動光ネットワーク(PON)光回線端末では、光回線端末(OLT)送信器410は波長λ(Tx)においてダウンストリーム光信号を生成する。PON OLT送信器410からの光信号は、OLT対面単一モード光ポートなどの光回線端末対面ポート418を介して誘導される。PON OLTでは、波長λ(Rx)においてONUから光信号を受信するように設計された光回線端末受信器128がある。
【0053】
発明は、ONU対面光ポート122のうちのいずれか1つからのアップストリーム光信号が光通信システムに使用可能なフォーマットで2本以上の別個の光路によって光回線端末受信器128に同時に誘導されるように、1×N単一モード光スプリッタ/結合器102を含む2×2単一モード光カプラ202の図3の回収ポート306、および波長分割マルチプレクサ404の回収ポート306からの光を、光回線端末受信器128に結合するのに使用することができる。
【0054】
光通信に使用可能なフォーマットを保証するためには、回収ポート306のうち少なくとも2つにおける光信号(2×2単一モード光カプラ202の回収ポート306および波長分割マルチプレクサ404の回収ポート306から始まる)を、1つ以上の単一モードまたはマルチモード光導波路またはファイバ(破線で示す)と光/電気コンバータ412のうち1つ以上とに結合する。光検出器(図示せず)の有効領域は、単一モード光導波路中の単一モード光信号のモードフィールド径より著しく大きい。
【0055】
光通信システムに使用可能なフォーマットは、通信信号がONU対面光ポート122のアレイのうちのいずれかから複数の光路を通って受信器内の共有電気的接合部に伝搬する時間が公差Dt内で実質的に等しいことを必要とする。ここでDt<<1/Bであり、Bは光学キャリアを変調する通信信号の電気的帯域幅である。
【0056】
図5を参照して、本発明の一実施例における光回線端末トランシーバ500の概略図が示される。光回線端末トランシーバ500の概略図は1×N単一モード光スプリッタ/結合器を有する平面光波回路502を示し、2×2単一モード光カプラ202が、本発明の一例として1×4単一モード光スプリッタ/結合器をもたらすように配置されている。1×4単一モード光スプリッタ/結合器は本発明の議論における助けとなる例であり、まったく発明の範囲を限定するようには意図されていないことが理解される。
【0057】
好ましい実施例は、例として、本発明を平面光波回路502の構造に集積する。平面光波回路502上に集積された4ポートバージョンは、波長λ(Τx)において光回線端末送信器410からのパワーを均一に分割するように設計されている2×2単一モード光カプラ202を利用する。
【0058】
この場合、第1の波長503は、ギガビット受動光ネットワーク(GPON)およびギガビットイーサネット(登録商標)受動光ネットワーク(GE−PON)システムに必要とされる1480nm≦λ(Tx)≦1500nmなどである。波長分割マルチプレクサ404は、波長分割マルチプレクサ404を通るダウンストリーム信号の流れへの影響を最小化しつつ、1260nm≦λRx≦1360nmなどの第2の波長512のアップストリーム信号の一部をアバランシェフォトダイオード504に優先的に送る。
【0059】
平面光波回路502の構造は、GE−PONまたはGPONのアップストリームで使用されるような1.25Gb/sの「オンオフキーイング」−「非ゼロ復帰」(OOK−NRZ)信号を可能にするのに好適である光通信システムに使用可能なフォーマットを提供するために、ONU対面光ポート122のアレイにおける4個のポートのうちいずれか1つからアバランシェフォトダイオード504の有効面へのいずれかの経路が40ピコ秒(ps)の公差内で等しくなるように設計される。設計者は、最適な設計を決定する際、平面光波回路502上の導波路の経路長だけではなく、マルチモード光導波路506のモード分散も考慮に入れなければならない。
【0060】
平面光波回路502の好ましい実施例において、単一モード光導波路などの単一モード光導波路508は、0.22の開口数(NA)、4.5平方μmの断面積、および1310nmにおいておよそ3.7μmのモードフィールド径を有する。パターニングされたポリシリコンガラスまたは光ファイバなどの単一モード光導波路508は、8μm間隔で単一モード光導波路510のアレイの平面光波回路502の出口に経路付けされ得る。回収された光(λΗ)514は、ONU対面光ポート122のアレイを通って受取られた第2の波長512から得られ得る。
【0061】
マルチモード光導波路506は、コア直径50μmおよびNA0.27を有する。説明した単一モード光導波路508は、ほぼ1の効率でマルチモード光導波路506に同時に結合されることができる。マルチモード光導波路506の反対端は、1に近い効率で65μmの有効領域を有するアバランシェフォトダイオード504に接続され得る。
【0062】
単一モード光導波路508の設計と、マルチモード光導波路506の長さを含むマルチモード光導波路506の選択とは、ONU対面光ポート122のアレイのうちいずれか1つから別個の光路に沿って伝搬する信号が、ONU対面光ポート122の同一の1つから始まるものの別個の光路に沿って伝播する信号のいずれかの他のコピーによって40psの公差内でアバランシェフォトダイオード504に到達しなければならないことを保証しなければならない。ONU対面光ポート122のうち特定の1つから単一モード光導波路508のうちいずれかを通りアバランシェフォトダイオード504への総遅延時間は、モード光導波路506におけるモード分散も含む。
【0063】
本明細書の図5の概略図および他の図は例にすぎず、単一モード光導波路508の設計基準を伝えるためではなく、追加的な制限をもたらすことなく関連付けを示すことだけが意図されている。単一モード光導波路508の実際のレイアウトは、本発明の基準を満たすために本願によって規定された多重経路長の制約に一致しなければならない。
【0064】
平面光波回路502は集積装置であり、GE−PONまたはGPON OLTの実装において、光回線端末送信器410からのダウンストリーム光信号をONU対面光ポート122のアレイに分割し、同時に、ONU対面光ポート122のアレイからのアップストリーム光パワーを組合わせ、GE−PONおよびGPON規格に準拠したビットレートでのアップストリーム通信に有用な形態でアバランシェフォトダイオード504にアップストリーム信号を案内するために使用することができる。
【0065】
図6を参照して、本発明の一実施例における平面光波回路502を利用した受動光ネットワーク光回線端末回線カード600の機能ブロック図が示される。受動光ネットワーク光回線端末回線カード600の機能ブロック図は、受動光ネットワークサポートのための小型形状因子プラガブル業界標準インターフェースなどの電気的インターフェース606を有する小型形状因子プラガブル機械的インターフェース602を示す。電気的インターフェース606は、機械的および電気的な公差について業界で認められた仕様を有する。
【0066】
小型形状因子プラガブルモジュール608は、その電気的インターフェース604を介して機械的インターフェース602と電気的インターフェース606とに結合し得る。本発明の一実施例において、例として、小型形状因子プラガブルモジュール608は、小型形状因子プラガブルモジュール608と光ネットワーク(図示せず)に沿って分布している図1の光ネットワークユニット124との間のデータの送信および受信を管理する光回線端末電気回路610を含み得る。光回線端末電気回路610は、分布帰還型(DFB)レーザなどの光回線端末送信器410を駆動し、アバランシェフォトダイオード504から電気信号を受信する電気的インターフェースを提供し得る。
【0067】
光回線端末電気回路610はデータを調整して、ONU対面光ポート122のアレイを介して交換される時分割多元接続方式(TDMA)フォーマットではなく、時分割多重(TDM)データフォーマットで小型形状因子プラガブルモジュール608に当該データを転送し得る。平面光波回路502からアバランシェフォトダイオード504へのマルチモード光導波路506接続の存在により、光回線端末対面ポート304のうち1つのみが先行技術によって支持される2×2単一モード光カプラ202の回収ポート306を含むことが可能となる。
【0068】
小型形状因子プラガブルモジュール608上に平面光波回路502を設けることによって、先行技術の解決策によって必要とされるスペースまたはハードウェアを増やすことなく、ONU対面光ポート122の数が1から4に増加される。平面光波回路502は、例としてONU対面光ポート122のアレイのうち4つを有するものとして示されるが、他の数のONU対面光ポート122が可能であることが理解される。
【0069】
10G−EPON規格、新生ITU−T 10G−PON規格、RF over glass(RFoG)ネットワーク、他のハイブリッドファイバ同軸ネットワーク、および他のポイントツーマルチポイント光(または部分的に光)ネットワークによって規定されているものを含むがそれらに限定されない他の種類のポイントツーマルチポイント光通信ネットワークに発明を拡張することができることが当業者によって理解されるであろう。
【0070】
上記の例はアバランシェフォトダイオード504を介するマルチモード光導波路506接続を含むが、マルチモード光導波路506を含まない他の実装が可能である。例として、平面光波回路502からの単一モード光導波路508の各々は、個々の単一モード受信器(図示せず)に結合され、光回線端末電気回路610の電気的インターフェースに変換され得る。
【0071】
本発明の平面光波回路502は、光放送通信ネットワークにおいて遍在する広帯域ダウンストリームスプリッタとしての用途を有し得る。目的の用途を変更するために、代わりの波長を発明に組込むことができる。本発明は、ダウンストリーム方向において広帯域単一モードスプリッタであり、アップストリーム方向において波長独立した光強度結合器である実装を可能にし得る。得られる装置は、波長の選択に関係なく、様々な既知の受動光ネットワーク(PON)およびハイブリッドファイバ同軸ネットワーク(HFC)実装に適用可能であり、アップストリーム信号についての帯域幅要件と、多重経路結合光学素子、電気光学および電子機器についての公差とによってのみ制限される。
【0072】
平面光波回路502は、光学ブースタまたはプリアンプを有する光回線端末送信器410または受信器などの能動的な光学要素(図示せず)、アバランシェフォトダイオード504、光強度アンプ、偏光または位相変調器、半導体光増幅器を含む光アンプ、または可変光減衰器を含み得ることが理解される。他の実装は、有効領域がマルチモードスラブ導波路の線形出力または単一モード光導波路508の単一モード光導波路510のアレイとより適合する形状を有する光受信器を含むことができる。
【0073】
平面光波回路502は、薄膜フィルタ、マッハツェンダー型干渉フィルタ、配列された導波路回折格子、ブラッグ回折格子、またはマルチモード干渉フィルタなどの集積された受動光学要素も含むことができる。受動フィルタのための極めて重要な用途の一つは、光回線端末送信器410または他のソースからのどんな迷光もアバランシェフォトダイオード504において受信信号と干渉しないようにすることである。
【0074】
図7を参照して、本発明の一実施例における1×32単一モード光スプリッタ/結合器700の概略図が示される。1×32単一モード光スプリッタ/結合器700の概略図は、ピラミッド様式で結合された31個の2×2単一モード光カプラ202を示す。
【0075】
1×32単一モード光スプリッタ/結合器700の好ましい実施例は2×2単一モード光カプラ202を含むものとして示されているが、配列された導波路回折格子(AWG)、マルチモード干渉計(MMI)および単一モードスターカプラを含むがこれらに限定されない図5の平面光波回路502として、様々な構造が収容され構築され得る。
【0076】
一般に、ドラゴンルータ、MMI、2×2単一モード光カプラ202のアレイ、および溶融ファイバ型スターカプラを含む(がこれらに限定されない)すべての単一モードN×Nスターカプラ構造は、1×Nスプリッタ、および回収された光のコレクタの両方として機能することができる。導波路設計がアップストリーム帯域幅によって必要とされる経路長の公差に対する制約に対応することができる場合、いずれのN×Nスターカプラ構造も実装の基礎または一部を形成することができる。
【0077】
平面光波回路502を実装する際には、単一モード光導波路508の交差の数を限定するように留意しなければならない。なぜなら、単一モード光導波路508の交差の各々は光損失ペナルティを増大させ、製造性を減少させるからである。
【0078】
1×32単一モード光スプリッタ/結合器700の実施例は、合計24個の導波路交差を有し、ONU対面光ポート122のうちのいずれかからアップストリーム光検出器までの最悪な場合の経路は最大で2個の導波路交差を含む。これは、先行技術に対する著しい改良を表わし、寸法の縮小および製造マージンの向上をもたらし得る。
【0079】
多重経路光パワー結合器を備えた1×32単一モード光スプリッタの集積化、先行技術の496個と比較して合計36個の導波路交差があり、スプリッタについて31個の光学交差と結合器について31個の光学交差とを必要とする先行技術と比較して、最悪の場合の経路交差はスプリッタ上で26個であり、結合器交差についての最悪の場合は2個である。光学交差の数の著しい減少は、平面光波回路502の設計を単純化し、製造マージンを増大させる。
【0080】
追加的な利点は、波長依存性の低下または解消である。PON用途では、アップストリームおよびダウンストリームの両方の波長は特定された範囲にわたって規定され、平面光波回路502は追加変更なしに全範囲に対応することができる。
【0081】
例として、GPONは、光回線端末送信器410(ダウンストリーム)が1480と1500nmとの間の波長で光を放射することを必要とする。すべてのONU送信器(アップストリーム)は、1260と1360nmとの間の波長で光を放射しなければならない。2×2単一モード光カプラ202および単一モード光導波路508が両方の範囲を同時に支持することができることが当業者によって理解されるであろう。
【0082】
Nが増大すると、OLT対面ポート304からのアップストリーム光を回収するために波長分割マルチプレクサカプラ404を含む値が減少することが理解される。さらに、2×2単一モード光カプラ202が広帯域にわたって動作するという要件が緩和される。アップストリームの光パワー分割比についての要件はなく、ダウンストリーム分割要件のみ(つまり2×2単一モード光カプラ202の各ポートへの50%)が仕様を必要とする。狭帯域で動作するものよりも広帯域にわたって動作する平面光波回路型の2×2単一モード光カプラ202を作成する際の方が、より多くの注意とスペースとが必要とされることが当業者によって知られている。
【0083】
さらに、波長仕様が厳しくなるにつれて、平面光波回路型のWDMフィルタの製造はより困難となり、より多くのサブステージが必要となり、総平面光波回路長がより長くなる。先行技術はN個の3ポートWDMカプラを必要とする。対比して、本発明は、0または1つの3ポートWDMカプラを必要とし、設計および製造性の両方が単純化し、装置寸法も減少する。
【0084】
1×32単一モード光スプリッタ/結合器700からWDMカプラを排除することにより、装置がより一層波長にとらわれなくなる。当業者は、単一装置を広範囲の波長要件下で動作するように設計することができる。この万能サイズの手法は、製造複雑度の低下および新製品の商品化に要する時間の削減をもたらすことができる。
【0085】
図8を参照して、本発明の第2の実施例における外付けバージョンの平面光波回路502を利用した受動光ネットワーク光回線端末回線カード800の機能ブロック図が示される。受動光ネットワーク光回線端末回線カード800の機能ブロック図は、受動光ネットワークサポートのための小型形状因子プラガブル業界標準インターフェースなどの一次インターフェース604を有する小型形状因子プラガブルモジュール802を示す。一次インターフェース604は、機械的および電気的な公差について業界で認められた仕様を有する。
【0086】
受動光ネットワーク機械的インターフェース804は、電気的インターフェース606を有することができる。小型形状因子プラガブルモジュール802と実質的に同様の先行技術構造のプラガブル光学モジュール(図示せず)では、1つのONU対面光ポート122のみが設けられた。この先行技術の制限は、受動光ネットワーク回線カード800によって支持されるONU対面光ポート122の数を増大させるために、追加的なハードウェア、スペース、およびパワーを消費させる。
【0087】
本発明の第2の実施例において、小型形状因子プラガブルモジュール802は、小型形状因子プラガブルモジュール802と光ネットワーク(図示せず)に沿って分布している図1の光ネットワークユニット124との間のデータの送信および受信を管理する光回線端末電気回路610を含み得る。光回線端末電気回路610は、分布帰還型(DFB)レーザなどの光回線端末送信器410を駆動し、アバランシェフォトダイオード504から電気信号を受信する電気的インターフェースを提供することができる。小型形状因子プラガブルモジュール802は、図6の小型形状因子プラガブルモジュール608より短くてもよい。なぜなら、完全受動光インターフェース基板などの遠隔インターフェース基板806に平面光波回路502が移動されるからである。
【0088】
小型形状因子プラガブルモジュール802の光学的および電気的なコンテンツは他の形状因子で組立てられ得、小型が困難な性質のため、一例として小型形状因子プラガブルモジュール802の使用が提供されることが理解される。さらに、遠隔インターフェース基板806は、既存の光ネットワークを拡張するかまたは増設するために使用され得る完全受動光学要素であることが理解される。
【0089】
平面光波回路502を遠隔インターフェース基板806上に設けることによって、先行技術の解決策によって必要とされるスペースまたはハードウェアを増やすことなく、ONU対面光ポート122の数が1から4に増加される。平面光波回路502は、例として4個のONU対面光ポート122を有するものとして示されるが、他の数のONU対面光ポート122が可能であることが理解される。遠隔インターフェース基板806は、マルチモード光導波路506と図1の光ネットワークユニット124からの単一モードファイバとを結合するための相互接続ハードウェアを提供し得ることも理解される。
【0090】
さらに、設計ルールが維持されている限り、本発明はその構成要素の物理的位置に制約を課さないことが理解される。したがって、特定の実施例は有利に物理的に構成要素を分離し、かつ/または別個のモジュールにそれらを配置し得る。下に例示される例では、受動光学機能は遠隔インターフェース基板806に分離される。
【0091】
図9を参照して、本発明の第3の実施例における、外付けバージョンの平面光波回路502を利用した、受動光ネットワーク光回線端末回線カード900の機能ブロック図が示される。受動光ネットワーク光回線端末回線カード900の機能ブロック図は、受動光ネットワークサポートのための小型形状因子プラガブル業界標準インターフェースなどの一次インターフェース604を有する小型形状因子プラガブルモジュール902を示す。一次インターフェース604は、機械的および電気的な公差について業界で認められた仕様を有する。
【0092】
受動光ネットワーク機械的インターフェース804は、電気的インターフェース606を有し得る。
【0093】
本発明の第3の実施例において、例として、小型形状因子プラガブルモジュール902は、小型形状因子プラガブルモジュール902と光ネットワーク(図示せず)に沿って分布している図1の光ネットワークユニット124との間のデータの送信および受信を管理する光回線端末電気回路610を含み得る。光回線端末電気回路610は、分布帰還型(DFB)レーザなどの光回線端末送信器410を駆動し、アバランシェフォトダイオード504から電気信号を受信する電気的インターフェースを提供し得る。
【0094】
小型形状因子プラガブルモジュール902は、図6の小型形状因子プラガブルモジュール608より短くてもよい。なぜなら、完全受動光インターフェース基板などの遠隔インターフェース基板904に平面光波回路502が移動されるからである。単一モードインターフェースバス906は、遠隔インターフェース基板904と小型形状因子プラガブルモジュール902との間に結合された一束の単一モードファイバを含み得る。単一モード−マルチモード結合器908は、マルチモード光導波路506の単一出力へのマルチ入力単一モードコンバータである。単一モード−マルチモード結合器908は、レンズ構造、近接構造などを含み得る。
【0095】
遠隔インターフェース基板904上に平面光波回路502を設けることによって、スペースまたはハードウェアを増やすことなく、ONU対面光ポート122の数が1から4に増加される。平面光波回路502は、例として4個のONU対面光ポート122を有するものとして示されるが、他の数のONU対面光ポート122が可能であることが理解される。遠隔インターフェース基板806は、単一モードインターフェースバス906と図1の光ネットワークユニット124からの単一モードファイバとを結合するための相互接続ハードウェアを提供し得ることも理解される。単一モード光ファイバ910は、光回線端末送信器410と遠隔インターフェース基板904との間に結合され得る。
【0096】
図10を参照して、本発明の第4の実施例における平面光波回路を利用した受動光ネットワーク光回線端末回線カード1000の機能ブロック図が示される。受動光ネットワーク光回線端末回線カード1000の機能ブロック図は、受動光ネットワークサポートのための小型形状因子プラガブル業界標準インターフェースなどの一次インターフェース604を有する小型形状因子プラガブル機械的インターフェース608を示す。一次インターフェース604は、機械的および電気的な公差について業界で認められた仕様を有する。
【0097】
小型形状因子プラガブル機械的インターフェース602は、電気的インターフェース606を有し得る。電気的インターフェース606は、小型形状因子プラガブルモジュール608の置換を可能にするように意図される。
【0098】
本発明の第4の実施例において、例として、小型形状因子プラガブルモジュール608は、小型形状因子プラガブルモジュール608と光ネットワーク(図示せず)に沿って分布している図1の光ネットワークユニット124との間のデータの送信および受信を管理する光回線端末電気回路610を含み得る。光回線端末電気回路610は、分布帰還型(DFB)レーザなどの光回線端末送信器410を駆動し、アバランシェフォトダイオード504から電気信号を受信する電気的インターフェースを提供することができる。
【0099】
小型形状因子プラガブルモジュール608上に平面光波回路1002を設けることによって、先行技術の解決策によって必要とされるスペースまたはハードウェアを増やすことなく、ONU対面光ポート122の数が1から4に増加される。平面光波回路1002は、例として4個のONU対面光ポート122を有するものとして示されるが、他の数のONU対面光ポート122が可能であることが理解される。
【0100】
平面光波回路1002は、光時間領域反射率計1006の取付けのためのユーティリティポート1004を提供し得る。光時間領域反射率計1006は、追加的な信号劣化ペナルティを加えることなく、ネットワークモニタリング信号を送信かつ受信し得る。先行技術の構成では、光時間領域反射率測定プローブ波長の適用はWDMフィルタの追加によって行われ、PONリンクのバジェット全体に無視できない挿入損失が加わった。平面光波回路1002とユーティリティポート1004と間で低屈曲損失光ファイバを使用することで、挿入損失が最小の迂回光路が容易となる。この例では、光時間領域反射率計1006は、診断目的のために挿入され得る外部装置として示される。
【0101】
ユーティリティポート1004は、IEEE規格およびITU−T規格の両方において規定されている1550〜1560nmの映像向上帯などの、放送(一方向)サービスのためのオーバーレイ波長の導入にも有利に使用され得る。ユーティリティポート1004を介したオーバーレイ波長の導入は、ユーティリティポート1004の接続による追加的な信号損失を全く課さない。
【0102】
ユーティリティポート1004は、既存の受動光ネットワークインフラストラクチャ上の双方向受動光ネットワークのための次世代オーバーレイのための入力ポートとしても使用され得る。多くの場合、ブロッキングフィルタが光検出器または検出器の前に挿入され、新たなPONアップストリーム信号から古いPONアップストリーム信号への干渉を排除し得る。この一例は、既存のG.984GPONに対する「次世代」G.987 10GレートPONのオーバーレイラインであろう。先行技術において、かつG.987.2の原案バージョンで規定されているように、そのようなオーバーレイはWDMフィルタの挿入損失によるPONリンクバジェットに1dBの追加損失を与えるであろう。とりわけ、本発明の実装では、この1dBの損失が排除される。
【0103】
上記の例では、2×2単一モード光カプラ202の最も一般的なものからのポートの1つがモジュールのエッジに与えられ、再使用される。同一の様式で、同じポートを利用することによって、放送映像ネットワークまたは次世代PONを既存のPONに適用することができる。
【0104】
図11を参照して、本発明の第5の実施例における平面光波回路1002を利用した受動光ネットワーク光回線端末回線カード1100の機能ブロック図が示される。受動光ネットワーク光回線端末回線カード1100の機能ブロック図は、受動光ネットワークサポートのための小型形状因子プラガブル業界標準インターフェースなどの一次インターフェース604を有する小型形状因子プラガブル機械的インターフェース1102を示す。一次インターフェース604は、機械的および電気的な公差について業界で認められた仕様を有する。
【0105】
本発明の第5の実施例において、例として、小型形状因子プラガブルモジュール1102は、小型形状因子プラガブルモジュール1102と光ネットワーク(図示せず)に沿って分布している図1の光ネットワークユニット124との間のデータの送信および受信を管理する光回線端末電気回路610を含み得る。光回線端末電気回路610は、分布帰還型レーザなどの光回線端末送信器410を駆動し、アバランシェフォトダイオード504から電気信号を受信する電気的インターフェースを提供し得る。
【0106】
アバランシェフォトダイオード504を介したマルチモード光導波路506接続の存在により、先行技術によって1つのONU対面光ポート122のみが支持される4個のONU対面光ポート122を含むことが可能となる。
【0107】
小型形状因子プラガブルモジュール608上に平面光波回路1002を設けることによって、先行技術の解決策によって必要とされるスペースまたはハードウェアを増やすことなく、ONU対面光ポート122の数が1から4に増加される。平面光波回路1002は、例として4個のONU対面光ポート122を有するものとして示されるが、他の数のONU対面光ポート122が可能であることが理解される。
【0108】
平面光波回路1002は、小型形状因子プラガブルモジュール1102内に配置された、受動受信器プローブまたは双方向トランシーバプローブなどの光時間領域反射率計プローブ1106の取付けのためのユーティリティリンク1104を設け得る。光時間領域反射率計プローブ1106は、SFP PON OLTトランシーバに追加的な信号劣化ペナルティを加えることなく、ネットワークモニタリング信号を受信し得る。
【0109】
図12を参照して、本発明の一実施例における1×4単一モード光スプリッタ/結合器を利用した光回線端末トランシーバ1200の概略図が示される。光回線端末トランシーバ1200の概略図は、本発明の例において1×4単一モード光スプリッタ/結合器を提供するように配列された2×2単一モード光カプラ202を有する平面光波回路502を示す。
【0110】
好ましい実施例は、例として、平面光波回路502の構造に本発明を集積する。平面光波回路502上に集積された4ポートバージョンは、波長λ(Tx)で光回線端末送信器410からのパワーを均一に分割するように設計されている2×2単一モード光カプラ202を利用する。この場合、ギガビット受動光ネットワーク(GPON)およびギガビットイーサネット(登録商標)受動光ネットワーク(GE−PON)システムに必要とされるように、1480nm≦λ(Tx)≦1500nmである。波長分割マルチプレクサ404は、1260nm≦λRx≦1360nmにおいてアップストリーム信号の一部を光回線端末受信器128に優先的に送り、波長分割マルチプレクサ404を介するダウンストリーム信号の流れに影響を与えることなく光学的装置と電気的装置(図示せず)との組合せを含み得る。
【0111】
平面光波回路502の構造は、ONU対面光ポート122のアレイにおける4個のポートのうちのいずれか1つから光回線端末受信器128へのいずれかの経路が、GE−PONまたはGPONのアップストリーム方向で使用されるような1.25Gb/sにおける「オンオフキーイング」−「非ゼロ復帰」(OOK−NRZ)信号を可能にするのに好適である上記の例から得られる40psの公差内で等しくなるように設計される。実装は、最適な設計を決定する際に、平面光波回路502上の導波路の経路長だけではなく、レンズ、屈折カプラ、反射カプラ、または近接装置などの光カプラ1202のモード分散も考慮に入れなければならない。
【0112】
平面光波回路502の好ましい実施例では、単一モード光導波路508は、0.22の開口数(NA)、4.5平方μmの断面積、および1310nmにおいておよそ3.7μmのモードフィールド径を有する。単一モード光導波路508は、8μm間隔で単一モード光導波路510のアレイの平面光波回路502の出口に経路付けされ得る。光カプラ1202は、レンズ、屈折カプラ、反射カプラ、近接装置などを有する。当業者は、記載した4個の単一モード光導波路508すべてを1に近い効率で65μmの有効領域を有する光回線端末受信器128に同時に結合させることができることを認識するであろう。
【0113】
単一モード光導波路508の設計および光カプラ1202の選択は、ONU対面光ポート122のうちいずれか1つからの信号が、ONU対面光ポート122の他のいずれかに対して40psの公差内で2つ以上の別個の光路を介して光回線端末受信器128に到達しなければならないことを保証しなければならない。単一モード光導波路508のうちいずれかを介した遅延は、入来信号の波長による光カプラ1202中のいずれかのモード分散も考慮しなければならない。
【0114】
平面光波回路502は集積装置であり、GE−PONまたはGPON OLTの実装において、光回線端末送信器410からのダウンストリーム光信号をONU対面光ポート122に分割し、同時に、ONU対面光ポート122からの光パワーを組合わせ、受動光ネットワーク規格に準拠したビットレートでのアップストリーム通信に有用な形態で光回線端末受信器128にアップストリーム信号を案内するために使用することができる。
【0115】
図13を参照して、本発明の第6の実施例における1×8単一モード光スプリッタ/結合器を利用した光回線端末トランシーバ1300の概略図が示される。光回線端末トランシーバ1300の概略図は、本発明の一例として分割した受信器経路を有する1×8単一モード光スプリッタ/結合器をもたらすように配列された2×2単一モード光カプラ202を有する平面光波回路1302を示す。
【0116】
第6の実施例は、本発明を平面光波回路1302の構造に集積する。平面光波回路1302上に集積された8ポートバージョンは、波長λ(Tx)において光回線端末送信器410からのパワーを均一に分割するように設計されている2×2単一モード光カプラ202を利用する。この例では、ギガビット受動光ネットワーク(GPON)およびギガビットイーサネット(登録商標)受動光ネットワーク(GE−PON)システムに必要とされるように、1480nm≦λ(Tx)≦1500nmである。波長分割マルチプレクサ404は、波長分割マルチプレクサ404を通るダウンストリーム信号の流れに影響を与えることなく、1260nm≦λRx≦1360nmのアップストリーム信号の一部をアバランシェフォトダイオード504に優先的に送信する。
【0117】
平面光波回路1302の構造は、ONU対面光ポート122のアレイにおける第1の4個のポートのうちのいずれか1つから光回線端末受信器128への、光カプラを通って進むいずれかの経路が、GE−PONまたはGPONのアップストリーム方向で使用されるような1.25Gb/sにおける「オンオフキーイング」−「非ゼロ復帰」(OOK−NRZ)信号を可能にするのに好適である、データストリームのタイミング要件から導出された40psの公差内で等しくなるように設計される。
【0118】
実装は、最適な設計を決定する際に、平面光波回路1302上の導波路の経路長だけではなく、第1のマルチモード光導波路1304および第2のマルチモード光導波1308のモード分散も考慮に入れなければならない。この複合受信器環境では、ONU対面光ポート122のアレイからのいずれかのビットのための遅延経路は、40psの設計公差を満たすべきである。
【0119】
発明の第6の実施例において、平面光波回路1302は、0.22の開口数(NA)、4.5平方μmの断面積、および1310nmにおいておよそ3.7μmのモードフィールド径を有する単一モード光導波路508を有し得る。単一モード光導波路508は、8μm間隔で2つの線形アレイで平面光波回路1302から出る。光カプラ1202は、レンズ、反射結合、屈折結合、近接結合などを含み得る。当業者は、記載した単一モード光導波路510のアレイの4個の単一モード光導波路508すべてをほぼ1の効率で光回線端末受信器128に同時に結合させることができることを認識するであろう。
【0120】
単一モード光導波路510のアレイにおける単一モード光導波路508の設計および光カプラ1202の選択は、ONU対面光ポート122のうちいずれか1つからの信号が、ONU対面光ポート122の他のいずれかに対して40psの公差内で光回線端末受信器128に到達しなければならないことを保証しなければならない。単一モード光導波路510のアレイにおける単一モード光導波路508のいずれかを介した遅延は、光カプラ1202におけるいずれかのモード分散も考慮しなければならない。単一モード光導波路510のアレイと光回線端末受信器128との間の光カプラ1202は、レンズ、反射結合、屈折結合、近接結合などを含み得る。
【0121】
光回線端末受信器128は、光カプラ1202の独立したインスタンスに結合されている2つのセグメントで示されているが、図示されていない光回線端末受信器128の電子部分の収束があり得ることが理解される。代替的な構造では、光回線端末受信器128は、光カプラ1202のインスタンスの各々に結合する2つのポートを有し得る。
【0122】
平面光波回路1302は集積装置であり、GE−PONまたはGPON OLTの実装において光回線端末送信器410からのダウンストリーム光信号をONU対面光ポート122に分割し、同時に、ONU対面光ポート122からの光パワーを組合わせ、受動光ネットワーク規格に準拠したビットレートでのアップストリーム通信に有用な形態で光回線端末受信器128または第2のアバランシェフォトダイオード1306にアップストリーム信号を案内するために使用することができる。
【0123】
上記の構成により、既存の集積電子機器を用いてアップストリーム信号に対して動作を行なうことが可能となり得る。そのような構成により、新製品の要求に対するより速い製造応答時間が可能となり得る。本発明によってもたらされる追加的な柔軟性は、それを実装する製品の製造性および設計マージンを向上させる。たとえば、単一の光検出器に結合させることができるONU対面光ポート122の数は、光検出器のサイズに反比例する。一般に、より高速の(または帯域幅)光検出器は、有効な検出領域がより小さい。所望のダウンストリームポートの数が単一の光受信器に有効に結合させることができる数を超える場合、製造マージンおよび納品スケジュールを維持するために別の光受信器を使用することが望まれることがある。
【0124】
図14を参照して、本発明の第7の実施例における2×8単一モード光スプリッタ/結合器を利用した光回線端末トランシーバ1400の概略図が示される。光回線端末トランシーバ1400の概略図は、本発明の一例として分割送信器経路を含む2×8単一モード光スプリッタ/結合器1400をもたらすように配列された2×2単一モード光カプラ202を有する平面光波回路1402を示す。
【0125】
第7の実施例は、本発明を平面光波回路1402の構造に集積する。平面光波回路1402上に集積された8ポートバージョンは、波長λ(Tx)において光回線端末送信器410からのパワーを均一に分割するように設計されている2×2単一モード光カプラ202を利用する。この例では、ギガビット受動光ネットワーク(GPON)およびギガビットイーサネット(登録商標)受動光ネットワーク(GE−PON)システムに必要とされるように、1480nm≦λ(Tx)≦1500nmである。波長分割マルチプレクサ404は、波長分割マルチプレクサ404を通るダウンストリーム信号の流れに影響を与えることなく、1260nm≦λRx≦1360nmにおいてアップストリーム信号の一部をアバランシェフォトダイオード504に優先的に送る。
【0126】
平面光波回路1402の構造は、ONU対面光ポート122のアレイにおける8つのポートのうちのいずれか1つから光カプラ1202を通って進むアバランシェフォトダイオード504の有効面へのいずれかの経路が、GE−PONまたはGPONのアップストリーム方向で使用されるような1.25Gb/sにおける「オンオフキーイング」−「非ゼロ復帰」(OOK−NRZ)信号を可能にするのに好適である40psの公差内で等しくなるように設計される。
【0127】
実装は、最適な設計を決定する際に、平面光波回路1402上の導波路の経路長だけではなく、光カプラ1202のモード分散も考慮に入れなければならない。
【0128】
発明の第7の実施例では、平面光波回路1402は、0.22の開口数(NA)、4.5平方μmの断面積、および1310nmにおいておよそ3.7μmのモードフィールド径を有する単一モード光導波路508を有し得る。単一モード光導波路508は、8μm間隔で線形アレイで平面光波回路1402から出る。当業者は、記載した8個の単一モード光導波路508すべてを1に近い効率でレンズまたは近接結合を用いることにより65μmの有効領域を有するアバランシェフォトダイオード504に同時に結合させることができることを認識するであろう。
【0129】
単一モード光導波路508の設計および光カプラ1202の選択は、ONU対面光ポート122のうちいずれか1つからの信号が、同じONU対面光ポート122からのいずれかの他の光路に対して40psの公差内でアバランシェフォトダイオード504に到達しなければならないことを保証しなければならない。総遅延は、光カプラ1202におけるいずれかのモード分散も考慮しなければならない。
【0130】
平面光波回路1402は集積装置であり、GE−PONまたはGPON OLTの実装において、各々が同一のダウンストリーム信号を送信する光回線端末送信器410および第2のOLT送信器1404からのダウンストリーム光信号をONU対面光ポート122のアレイに分割し、同時に、ONU対面光ポート122のアレイからの光パワーを組合わせ、受動光ネットワーク規格に準拠したビットレートでのアップストリーム通信に有用な形態でアバランシェフォトダイオード504にアップストリーム信号を案内するために使用することができる。
【0131】
既存の集積電子機器を用いてアップストリーム信号に対して動作を行なうことが可能となり得る。1480〜1500nmの波長範囲の光増幅が選択肢ではない場合、そのような構造によって、より廉価な複合OLT送信器の使用が可能となり得る。S帯域光増幅器の存在を必要とするため、そのような信号の光増幅は困難である。半導体光アンプは、約13dBmまでの飽和出力パワーとともに現在利用可能であり、おそらく光回線端末送信器410内の並列の冷却されず直接変調された4個のDFBレーザに相当する。1530nmを超える例外的に高い屈曲損失を有するファイバをベースとするS帯域エルビウム添加ファイバ増幅器が実証されているが、市販されていない。そのような構成は、新製品の要求に対するより速い製造応答時間を可能にし得る。本発明によってもたらされる追加的な柔軟性は、それを実装する製品の製造性および設計マージンを向上させる。
【0132】
必要条件に依存して、発明は、2つの光スプリッタおよび1つのマルチパスパワー結合器を有する集積装置として構成することができる。これは、異なる数の組合せに一般化することができる。
【0133】
図15を参照して、本発明の第8の実施例における32ポートの10−Gb/sPON OLTトランシーバ1500の機能ブロック図が示される。32ポートの10−Gb/sPON OLTトランシーバ1500の機能ブロック図は、本発明のさらなる例として1×32単一モード光スプリッタ/結合器1502を提供するように配列された2×2単一モード光カプラ202を有する平面光波回路1502を示す。
【0134】
第8の実施例は、本発明を平面光波回路1502の構造に集積する。平面光波回路1502上に集積された32ポートバージョンは、波長λ(Tx)においてOLT送信器1504からのパワーを均一に分割するように設計されている2×2単一モード光カプラ202を利用する。この場合、ITU−TおよびIEEE規格の両方によって規定されているように1575〜1580nmの波長ウィンドウにおいて10−Gb/sOLT送信器で使用される。
【0135】
近いうちに、ギガビット速度PONのためのダウンストリーム送信器の増幅が挑戦されるであろう。ITU−TおよびIEEE規格の両方によって規定されている次世代PONは、1575〜1580nmの波長ウィンドウにおいて動作する10Gb/sのOLT送信器を選択している。L帯域EDFAは当該分野において周知である。典型的なL帯域EDFAは、平坦な利得応答で1565〜1600nmのウィンドウに対して動作する。
【0136】
この用途については、L帯域EDFA1506は1575と1580nmとの間の単一波長で動作しさえすればよいことが有利である。L帯域EDFA1506からの+20dBの一定の出力パワーは、十分に本技術の範囲内である。
【0137】
32ポートの10G−PON OLTを容易にするように構成された発明はL帯域EDFA1506を必要とする。L帯域EDFA1506は送信器信号を+20dBの一定の出力パワーに増幅し、各ポートにおいて+3dBを越える有効な光パワーをもたらす。31個の単一モード光導波路508からの回収された光514は、発明に規定されている経路長の制約にしたがって、1つ以上の光受信器に案内される。上記の実施において、〜200μmのコア直径を有するマルチモード光導波路506は、回収された光514をアバランシェフォトダイオード504の直径200μmの有効領域バージョンに案内する。
【0138】
ダウンストリームについて17dBの損失という標準的な1×32平面光波回路型の光スプリッタの標準性能に基づいて、+20dBをもたらすL帯域EDFA1506は、各ポートから+3dBの有効な発射パワーを与えるであろう。ダウンストリームでは、高い雑音指数(NF=(10dB)のL帯域EDFAでさえ、ダウンストリーム信号全体に−146dB/Hzの相対強度ノイズ(RIN)を与えるであろう。このRINは、10Gb/sダウンストリームリンクバジェット全体に対して無視できるペナルティを与える。
【0139】
アップストリーム方向に2dBの損失があることを期待することができ、これは、−28dBの感度を有する光回線端末受信器128の単一のインスタンスが32個のポートの各々において−26dBの有効な感度となることを意味する。
【0140】
IEEEの仕様は、1270〜1290nmの範囲内の波長において1.25Gb/sアップストリームを規定する。ITU−Tの仕様も、1270〜1290nmの範囲の波長において2.5Gb/sアップストリームである。
【0141】
アップストリームにおいて31個のモードを高効率で単一のマルチモード光導波路に結合させることができる。全体的な導波路設計は、ONU対面光ポート122のうちいずれか1つから光回線端末受信器128へのすべての経路は、20psの公差内において等価である。単一モード光導波路のNAが0.22であり、導波路断面積が4.5平方μmである場合、モードフィールド径は1270nmにおいて3.9μmである。
【0142】
31本の単一モード光導波路508は、200μmの有効領域直径を有する図5のアバランシェフォトダイオード504を含み得る光回線端末受信器128に低損失で結合させることができる。代替的に、31本の単一モード光導波路508を、平面光波回路1502内の〜200μm×4.5μmの寸法で単一のマルチモードスラブ導波路(図示せず)に結合させることができる。31本の単一モード光導波路508のアレイもしくは単一マルチモードスラブ導波路のいずれかを、従来の光学素子による200μmの有効領域直径を有するアバランシェフォトダイオード504を起動するために光回線端末受信器128に結合させることができる。または、0.8GHzの帯域幅で200μmの有効領域直径APDを有する0.4NAのマルチモード光導波路が市販されている。
【0143】
IEEEの手法で使用されている1.25Gb/sアップストリームおよびITU−Tによって規定されている2.5Gb/sアップストリームの両方について、0.8GHzの帯域幅は2.5Gb/sにおけるバーストモード受信を支持するには不十分である。単一のよく特徴付けられた受信器が使用されるため、制限された帯域幅を補償するために光回線端末受信器128に電子等化回路(図示せず)が含まれ得ることを予測することができる。おそらく完全ではないものの、リンクバジェットにおいて〜15dBの向上を正当化するためにはおそらく十分である。
【0144】
単一モード光導波路508の設計、およびマルチモード光導波路506の長さを含むマルチモード光導波路506の選択は、ONU対面光ポート122のうちいずれか1つからの信号が、同じONU対面光ポート122からのいずれかの代替的な光路に対して20psの公差内でアバランシェフォトダイオード504に到達しなければならないことを保証しなければならない。単一モード光導波路508のうちいずれかを介した遅延は、マルチモード光導波路506におけるいずれかのモード分散も考慮しなければならない。
【0145】
図16を参照して、本発明の第9の実施例における32ポートの10−Gb/sPON OLT範囲拡張システム1600の機能ブロック図が示される。32ポートの10−Gb/sPON OLT範囲拡張システム1600の機能ブロック図は、本発明のさらなる例として、図2の2×2単一モード光カプラ202で形成される平面光波回路などの1×32単一モード光スプリッタ/結合器1502を有する32ポートの10−Gb/sPON OLT範囲拡張基板1602を示す。
【0146】
第9の実施例は、ONU対面光ポート122へのポートアクセスのために1×32単一モード光スプリッタ/結合器1502を利用して、32ポートの10−Gb/sPON OLT範囲拡張基板1602の構造に本発明を集積する。ONU送信器1610は、この場合、l0G−PON ONU送信器で使用されるためにITU−TおよびIEEEの両方によって規定されている1270〜1290nmの波長ウィンドウ内の波長λ(Rx)で動作する。L帯域EDFA1506は、1575と1580nmとの間の単一波長で動作しさえすればよい。
【0147】
ダウンストリーム信号は、EDFA、半導体光増幅器、またはボックス外部ラマン増幅の使用により、光学的に再生され得る。代替的な実施例では、ダウンストリーム信号は光−電子−光(OEO)処理によって再生することができる。そのような処理では、光回線端末に向けられた光受信器は、OLT対面ダウンストリームポートに結合される1つ以上のダウンストリーム送信器を駆動する電気信号を生成するダウンストリーム光信号を検出する。
【0148】
+20dBの一定の出力パワーバージョンのL帯域EDFA1506は十分に本技術の範囲内である。L帯域EDFA1506は、1×32単一モード光スプリッタ/結合器1502のダウンストリームポートを十分に駆動することになる。
【0149】
〜200μmのコア直径を有するマルチモード光導波路506は、回収された光514を、200μm直径バージョンのアバランシェフォトダイオード504に案内する。高速アナログデジタルコンバータ1606は、アバランシェフォトダイオード504に結合されたトランスインピーダンス増幅器1605の出力を解釈し得る。高速アナログデジタルコンバータ1606は、デジタルビットのストリームを入力としてフィールドプログラマブルゲートアレイ1608に供給し得る。
【0150】
クロックは局所的に引き出されるか、またはダウンストリーム信号から傍受され得る。すべてのバーストモード回路機能および(たとえば不十分な受信器帯域幅のための)追加的な等化、何らかのレベルの順方向誤り修正(FEC)でさえ、フィールドプログラマブルゲートアレイ1608内でデジタル方式で行うことができる。さらに、フィールドプログラマブルゲートアレイ1608内でのデジタル処理は、一定の振幅で中央局ベースの光回線端末(図示せず)にONU送信器1610が信号を送り返すことを可能にし得、光回線端末バーストモード受信器(図示せず)のダイナミックレンジ仕様を緩和する。
【0151】
上記の実施例は、フィールドプログラマブルゲートアレイ1608によって行なわれる信号処理を調整することによって、信号フォーマットの変化に対応することができる。上で例示した実施例は、たとえば、ハードウェア修正なしに2.5Gb/s2進および5Gb/s複2進アップストリームシグナリングに対応することができる。
【0152】
単一モードファイバコネクタは、モジュールのエッジ上に位置決めされたOLT対面光ポート1612に結合され得、32個の単一モードファイバコネクタはONU対面側に配置される。ONU対面側のポートの数は、用途によって必要とされるように調整され得る。モジュール内では、3ポートWDMカプラ1604を用いて、ダウンストリーム信号を光増幅器または光受信器(OEOダウンストリーム再生の場合)に送ることができる。作成者は、モジュールステータスおよび遠隔測定情報を光回線端末に通信するために、モジュール内にONUを含むことを選択し得る。
【0153】
モジュールがOLTおよびONU端末機器から明白にかつ自律的に動作することができる場合、PONネットワークオペレータに最高のユーティリティを与えることになるとPONの当業者は理解するであろう。OEO手法を用いてGPONアップストリーム信号を再生する以前の試みはダイナミックレンジの減少を実証している。それは部分的に、OLTに配置された受信器が、リセット信号にアクセスしたということによるものである。リセット信号は、OLT MAC(メディアアクセス制御)からの直接電気接続として受信器に供給される。OLTから自律的かつ遠隔に独立したPON拡張システムの動作は、リセット信号へのアクセスを排除する。
【0154】
高性能の独立した受信器動作を実現する解決策の1つは、大部分のOLTバーストモード受信器の(アナログ)回路基準と比較して、よりよい受信器決定−しきい値化および意思決定システムを利用することである。信号の受信および識別を向上させ、より堅固にする1つの手法は、アップストリーム受信器信号をサンプリングし、デジタル信号処理を利用して、あるレベルの前処理または等化を当該信号に加え、(アナログ)電子回路で可能であるよりも柔軟かつ堅固な決定アルゴリズムを利用することである。
【0155】
この処理は、いくつかの実施例において使用されるマルチモード光導波路からの電気的な検出帯域幅またはモード分散を犠牲にして、(より多くのアップストリーム光を取込むために)より大きな有効領域光受信器を利用することによるペナルティなどの、受信器におけるいずれかの非理想性を補償することもできることが有利である。
【0156】
図17を参照して、本発明の第10の実施例における32ポートの10−Gb/sPON OLT範囲拡張システム1700の機能ブロック図が示される。32ポートの10−Gb/sPON OLT範囲拡張システム1700の機能ブロック図は、図16の1対の32ポート10Gb/sPON OLT範囲拡張システム1600などの冗長なバージョンの基板1702に結合された外付けバージョンの1×32単一モード光スプリッタ/結合器1502を示す。
【0157】
第1の光再生器1702は、3ポートWDMカプラ1604、L帯域EDFA1506、マルチモード光導波路506、アバランシェフォトダイオード504、トランスインピーダンス増幅器1605、高速アナログデジタルコンバータ1606、フィールドプログラマブルゲートアレイ1608、および光送信器ユニット1610を含み得る。3ポートWDMカプラ1604は、OLT対面光ポート1612にソースを供給し得る。
【0158】
第2の光再生器1704は、第1の光再生器1702と同じ機能的ブロックを有するように同じく構成される。L帯域EDFA1506は、単一モードファイバを介して単一モードスイッチ1706に結合され得る。第2の光再生器1704と単一モードスイッチ1706との間で同じ接続がなされる。単一モードスイッチの出力は、1×32単一モード光スプリッタ/結合器1502のダウンストリームポートである。
【0159】
第1の光再生器1702および第2の光再生器1704は、32ポートの10Gb/sPON OLT範囲拡張システム1700の現場での保守性を拡張することができる冗長バックアップ電子システムを含む。1×32単一モード光スプリッタ/結合器1502の完全に受動的な性質から、その現場での寿命を第1の光再生器1702と第2の光再生器1704とによってもたらされる冗長電子セットを有することによって向上させることができる。
【0160】
1×32単一モード光スプリッタ/結合器1502のアップストリームポートとマルチモードスイッチ1708との間で、マルチモード接続がなされる。マルチモードスイッチ1708の出力は、第1の光再生器1702および第2の光再生器1704のマルチモード光導波路506に結合される。
【0161】
Nがそのように高ければ、何らかの冗長性が望ましいことがある。一般に、最も信頼できる能動的な電子機器および電気光学素子でさえ、受動光学要素と比較すると信頼性がはるかに低い。上記の例示は、(能動)機器の冗長性および(OLTへの)経路の冗長性がどのように達成され得るかを例示する。
【0162】
図18を参照して、本発明の第11の実施例におけるハイブリッドファイバ同軸光ネットワーク中継器1800の機能ブロック図が示される。ハイブリッドファイバ同軸光ネットワーク中継器1800の機能ブロック図は、8個のONU対面光ポート122を有し、単一モード光導波路508によって2×2単一モード光カプラ202を結合することによって1×8単一モード光スプリッタ/結合器を実装する平面光波回路1802を示す。
【0163】
平面光波回路1802は、キャリア基板1804の送信器ポート1806に結合された平面光波回路1802のダウンストリームポートによってキャリア基板1804に搭載され得る。ハイブリッドファイバ同軸ネットワーク(HFC)リターン経路受信器1808は、マルチモード光導波路506を介して平面光波回路1802の単一モード光導波路508に結合される。HFCリターン経路受信器1808のRF増幅器は、キャリア基板1804のアップストリームRF出力1810に結合される。単一モード順方向経路光入力ポート1806は、順方向経路送信器(図示せず)または光増幅器(図示せず)に接続することになる。
【0164】
図18の図は、発明の代替的な実装の例を示し、いくつかのモジュールの機能を、性能がより良く、寸法が著しく小さく、波長依存性がないシングルモジュールへと組合わせる。平面光波回路1802は、1610nmのRFoGリターン経路信号と同様に、1310nmのRadio Frequency over Glass(RFoG)リターン経路信号についても機能する。
【0165】
ハイブリッドファイバ同軸光ネットワーク中継器1800は、HFCおよびRFoGネットワークで使用される集積された順方向経路光スプリッタ/パワー結合リターン経路受信器モジュールである。そのマルチモード光導波路入力506以外に、HFCリターン経路受信器1808が先行技術において周知である。発明によれば、ONU対面光ポート122のうちのいずれかからフォトダイオード1811への多重経路は、851psの公差内で等しくなければならない。例示した平面光波回路1802の実装は、溶融ファイバカプラ2×2単一モード光カプラ202によって実装され得る。
【0166】
リターン経路RF信号は、DOCSIS 3.0仕様に従ってf=10−80MHzの範囲のサブキャリア上で変調される。先行技術において、同一のRFサブキャリア多重(SCM)信号を時間遅延Dtと組合わせるためには、以下の式に従って搬送波対雑音比(CNR)が不利となることが周知である。
CNR=CNRmaxcos(πfmaxDt) EQ5
すべての周波数にわたる最大0.1dBのペナルティについて、Dt<851psである。ガラス(n=1.5)では、これは長さ17cmに相当する。この長さの公差は、ファイバのスプライシングの際にも容易に管理される。したがって、平面光波回路の実装ほど小型ではないものの、十分実現可能な実装は、発明にしたがって17cmの長さ公差を維持しつつ、2×2の50/50単一モード溶融ファイバカプラのスプライシングに基づくことができる。
【0167】
図19を参照して、本発明の第12の実施例における1×(N/2)単一モードスプリッタ/結合器を利用した光回線端末トランシーバ1900の機能ブロック図が示される。光回線端末トランシーバ1900の機能ブロック図は、ONU対面光ポート122のアレイを有する(N/2)の2×2単一モード光カプラ202を示す。ダウンストリーム信号の追加的な光分割は、単一モード1×(N/2)スプリッタ1902によって容易となる。2×2単一モード光カプラ202上の回収ポート306の各々は光回線端末受信器128に経路付けされ、独立した電気信号に変換される。回収ポート306の各々は、光−電気コンバータ412への固有のルートを有するため、その経路付けの長さも独立しており、他のルートと重要なタイミング関係を有さない。
【0168】
2×2単一モード光カプラ202の第1のラインの光回線端末受信器128への経路付けは、ONU対面光ポート122のアレイからの全信号コンテンツの1/2を含み、1×(N/2)単一モードスプリッタ1901内の残りの実現されていない2×2ポートのすべての振幅以上である。2×2単一モード光カプラ202の未使用の出力の第1のラインのみを経路付けすることは、3dB内の最大の結果に近づくことになり、信頼性が高く堅固な通信を提供するのに十分である。
【0169】
図20を参照して、本発明の一実施例における平面光波回路502を利用した受動光ネットワーク光回線端末回線カード2000の機能ブロック図が示される。受動光ネットワーク光回線端末回線カード2000の機能ブロック図は、受動光ネットワークサポートのための小型形状因子プラガブル業界標準インターフェースなどの電気的インターフェース606を有する小型形状因子プラガブル機械的インターフェース602を示す。電気的インターフェース606は、機械的および電気的な公差について業界で認められた仕様を有する。
【0170】
小型形状因子プラガブルモジュール608は、その電気的インターフェース604を介して電気的インターフェース606および機械的インターフェース602に結合し得る。本発明の一実施例において、例として、小型形状因子プラガブルモジュール608は、小型形状因子プラガブルモジュール608と光ネットワーク(図示せず)に沿って分布している図1の光ネットワークユニット124との間のデータの送信および受信を管理する光回線端末電気回路610を含み得る。光回線端末送信器電気回路610は、光回線端末双方向光サブアセンブリ2002を駆動する電気的インターフェースを提供し得る。
【0171】
光時間領域反射率計(OTDR)プローブ1106は、平面光波回路502に結合され得る。平面光波回路502から光時間領域反射率計(OTDR)プローブ1106へのマルチモード光導波路506の接続の存在により、ネットワークモニタリングの目的で、回収された光514を含むことが可能となる。本発明の回収技術を使用することによって、光時間領域反射率計(OTDR)プローブ1106に戻った信号において−16.3dBの向上を実現することができる。これは、図1の単一モード光ファイバ126にわたり得られる測定値の感度および精度を著しく向上させる。双方向光サブアセンブリ2002とOTDRプローブ1106との間の光学的分離が向上することも有利である。
【0172】
光時間領域反射率計(OTDR)プローブ1106を小型形状因子プラガブルモジュール608内に組込むことで、図1の光ネットワークユニット(ONU)124と小型形状因子プラガブルモジュール608のONU対面光ポート122との間に結合される単一モード光ファイバ126の状態を判定するためのリアルタイム解析能力がもたらされ得る。光時間領域反射率計(OTDR)プローブ1106は、単一モード光ファイバ126の長さと、スプライスおよび嵌合コネクタ損失を含む全減衰量との推定に使用され得る。亀裂などの故障を特定し、光学的戻り損失を測定するためにも使用され得る。
【0173】
10G−EPON規格によって規定されたもの、新生ITU−T 10G−PON規格、RF over glass(RFoG)ネットワーク、他のハイブリッドファイバ同軸ネットワーク、および他のポイントツーマルチポイント光(または部分的に光)ネットワークを含むが限定はされない多くの種類のポイントツーマルチポイント光通信ネットワークにおいて使用される図1の単一モード光ファイバ126の日々の保守およびサポートにとって発明が不可欠であることが当業者によって理解されるであろう。
【0174】
図21を参照して、本発明のさらなる実施例における光ネットワーク通信システムの動作の方法2100のフローチャートが示される。方法2100は平面光波回路を提供することを含み、平面光波回路を提供することは、1×N単一モード光スプリッタ/結合器を形成するために2×2単一モード光カプラをアレイに接続することと、受信器において、回収ポートのうち2つ以上から回収された光を収集するために回収ポートを受信器に経路付けることとを含む。ブロック2102において回収ポートのうち1つ以上は2×2単一モード光カプラからであり、当該方法はさらに、ブロック2104において第1の波長で平面光波回路を介して光ネットワークユニットに送信することと、ブロック2106において光ネットワークユニットからの応答を回収された光を介して第2の波長で解釈することとを含む。
【0175】
得られる方法、処理、装置、デバイス、製品、および/またはシステムは、簡単であり、費用効率が高く、複雑でなく、汎用性が高く、正確であり、高感度であり、効果的であり、かつ既知の構成要素を作動可能で、効率的で、経済的な製造、用途および利用に適合させることによって実装することができる。
【0176】
本発明の別の重要な局面は、費用を削減し、システムを単純化し、性能を上げる歴史的傾向を有益に支持し役立つということである。
【0177】
したがって本発明のこれらおよび他の有益な局面は、技術の状態を少なくとも次のレベルへと進める。
【0178】
発明を特定の最良のモードに関連して説明したが、多くの代替例、修正、および変更が上記の説明に照らして当業者にとって明らかとなることが理解されるべきである。したがって、添付の請求項の範囲内にあるすべてのそのような代替例、修正、および変更を包含するものと意図される。これまでここに記載されたかまたは添付の図面において示されたすべての事項は、例示的かつ非限定的な意味で解釈されるべきである。
図1
図2
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