特許第6117130号(P6117130)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6117130
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】入退室管理装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20170410BHJP
   A62B 3/00 20060101ALI20170410BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20170410BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   E05B49/00 F
   A62B3/00 C
   G08B25/04 F
   G08B27/00 B
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-36942(P2014-36942)
(22)【出願日】2014年2月27日
(65)【公開番号】特開2015-161115(P2015-161115A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2016年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 桂
【審査官】 佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−026329(JP,A)
【文献】 特開2011−248805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 49/00
A62B 3/00
G08B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設けられる複数の居室と、災害発生時に避難階段となる複数の階段室と、建物の各階の天井に設けられる複数個の熱感知器及び煙感知器とを有し、前記居室のドアの近傍に設けられ、当該居室の居住者に配布されるIDカードに記憶される認証コードを読み込むカードリーダと、このカードリーダが読み込んだ認証コードに対し、当該ドアに設けた電気錠の解錠の要否を判断する電気錠施解錠判定装置と、この電気錠施解錠判定装置が判断した前記電気錠の解錠の要否に応じ、当該カードリーダに設けたLEDを点灯させるLED制御装置と、を備えた入退室管理装置において、
前記複数個の熱感知器及び煙感知器のいずれかが動作すると、各階における避難階段とする階段室として一番先に動作した熱交換器及び煙感知器に対し遠い位置にある階段室を設定する避難階段室設定手段と、
この避難階段室設定手段で設定された各階の階段室に基づき、各階の前記ドアに設けられる前記電気錠に対し、解錠及び解錠不能を設定する解錠設定手段とをえ、
前記LED制御装置は、前記解錠設定手段が解錠及び解錠不能に設定した前記電気錠に対応する前記カードリーダに設けたLEDに対し、通常の解錠要否時とは異なる表示を指令するものから成り、
前記避難階段室設定手段は、最初に動作した熱感知器及び煙感知器が設置された階床を火元階とし、この火元階における最初に動作した熱感知器及び煙感知器の設置位置から遠い階段室を避難階段室に設定し、当該火元階の直上及び直下階の避難階段室は前記火元階の避難階段室とは異なる階段室に設定することを特徴とする入退室管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退室管理装置に係り、特に、火災発生時の避難誘導に好適な入退室管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、入退管理装置が火災の発生を示す情報を受信すると、居室扉の電気錠を解錠状態とすることで、どの扉からでもIDカード無しで退室を可能とすることにより、迅速なる避難が行えるようにした入退室管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−221704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、避難階段が複数設けられている中規模以上の事務所ビルにおいて、部屋の扉が複数設置される場合が多く、避難口誘導灯が設置されているが、災害の発生、特に火災が発生したとき、各階から避難階段を使って1階まで下りて、予め決められた場所へ避難するようにしているが、居室の全ての扉を開放可能とするため、避難する階段に集中が生じて階段での避難に停滞が発生し、避難者がパニック状態となることや、階段での転落や将棋倒しの発生という二次的災害の虞があった。
【0005】
また、火元階で複数の扉が存在する居室の場合、火元に近い扉を開放すると、居室内に煙が入り込むことや、火元に近い避難階段を利用すると、避難階段扉から煙が入り込んで火元階の上方階の避難に支障が生じ、上述した避難する階段の集中が発生し易くなり、避難誘導における配慮が不足している問題があった。
【0006】
本発明の目的は、火災発生時に避難する際、適切な避難方向に誘導する入退室管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、建物に設けられる複数の居室と、災害発生時に避難階段となる複数の階段室と、建物の各階の天井に設けられる複数個の熱感知器及び煙感知器とを有し、前記居室のドアの近傍に設けられ、当該居室の居住者に配布されるIDカードに記憶される認証コードを読み込むカードリーダと、このカードリーダが読み込んだ認証コードに対し、当該ドアに設けた電気錠の解錠の要否を判断する電気錠施解錠判定装置と、この電気錠施解錠判定装置が判断した前記電気錠の解錠の要否に応じ、当該カードリーダに設けたLEDを点灯させるLED制御装置と、を備えた入退室管理装置において、前記複数個の熱感知器及び煙感知器のいずれかが動作すると、各階における避難階段とする階段室として一番先に動作した熱交換器及び煙感知器に対し遠い位置にある階段室を設定する避難階段室設定手段と、この避難階段室設定手段で設定された各階の階段室に基づき、各階の前記ドアに設けられる前記電気錠に対し、解錠及び解錠不能を設定する解錠設定手段と、を備え、前記LED制御装置は、前記解錠設定手段が解錠及び解錠不能に設定した前記電気錠に対応するカードリーダに設けたLEDに対し、通常の解錠要否時とは異なる表示を指令し、前記避難階段室設定手段は、最初に動作した熱感知器及び煙感知器が設置された階床を火元階とし、この火元階における最初に動作した熱感知器及び煙感知器の設置位置から遠い階段室を避難階段室に設定し、当該火元階の直上及び直下階の避難階段室は前記火元階の避難階段室とは異なる階段室に設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、火災が発生して居室から階段室を使って避難するとき、避難階段室の方向に設けられるドアの電気錠のみを解錠状態にするとともに、LEDの表示状態を見ることで、当該ドアの解錠及び解錠不能状態を判断でき、居室を出るときに避難階段室の方向に誘導するようにしたので、安全で迅速なる避難が行なえる。
【0009】
また、避難階段室の設定は火元階から行なうとともに、火元階は火元から遠い階段室を設定し、火元階の直上及び直下階は火元階の避難階段室とは異なる階段室を避難階段室として設定するようにしたので、避難階段室での混雑が避けられ、転倒等の二次災害を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の入退室管理装置の一実施形態の要部構成を示すブロック図である。
図2】本発明の入退室管理装置の一実施形態に示す建物の2階の平面図である。
図3】本発明の入退室管理装置の一実施形態の図1に示す避難経路データ記憶部に格納される避難階段室設定テーブルである。
図4】本発明の入退室管理装置の一実施形態の図1に示す避難経路データ記憶部に格納される解錠設定テーブルである。
図5】本発明の入退室管理装置の一実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の入退室管理装置に係る一実施形態を図1図5に基づいて説明する。
【0012】
図1図4において、建物1は、例えば、南北と東西にそれぞれ直する長手部を有するとともに、建物1の北西部に角部を有する平面L字状に形成された3 階床の建造物であり、南側と東側の端部に階段室1A、1Bがそれぞれ設けられ、また、南東の直する凹部に図示しない玄関が設けられ、この図示しない玄関に当たる個所は2階では吹抜け部1Cが形成され、この吹抜け部1Cの北側にはエレベータシャフト1Dが隣接されている。ここで、階段室lA,1B、吹抜け部1C、エレベータシャフト1Dは、全て後述する共有部Cに設けられている。
【0013】
次に、建物1の2階を用いて室内の間取の説明を行う。
【0014】
2階の西側には南北にテナントAが設けられ、2階の北側には東西にテナントBが設けられ、テナントAの東側とテナントBの南側には平面L字状の共有部Cが設けられ、階段室1A,1Bへの出入や、エレベータシャフト1Dを昇降する図示しないエレベーターの乗降や、テナントA,Bへの入退室は共有部Cを介して行なえる。
【0015】
また、テナントAと共有部Cとの境界である壁の南側、壁の中央、壁の北側には、図示しないドアが計3個所設けられ、テナントBと共有部Cとの境界である壁の西側、壁の東側には、図示しないドアが計2個所設けられており、これらの図示しないドアの近傍には、それぞれカードリーダ2A〜2C,3A,3Bが設けられている。ここで、カードリーダ2A〜2CはテナントAの3個所の図示しないドアの内側と外側に設けられ、カードリーダ3A,3BはテナントBの2個所の図示しないドアの内側と外側に設けられている。
【0016】
また、2階に設けられるカードリーダ2A〜3Bは、図示しないIDカードに記憶されている認証コードを読み込む認証部2A1〜3B1と、後述するコントローラ4との通信を行う通信部2A2〜3B2と、緑色や赤色に点灯するLED2A3〜3B3から構成され、認証部2A1〜3B1に翳された図示しないIDカードの認証コードを読み取り、その認証コードを通信部2A2〜3B2を介してコントローラ4へ送信し、コントローラ4はカードリーダ2A〜3Bに対応した図示しないドアに設けられる電気錠2A4〜3B4へ、解錠の可否信号を送信する。ここで、LED2A3〜3B3は、コントローラ4から電気錠2A4〜3B4の解錠可信号が送信されると所定時間緑色に点灯し、電気錠2A4〜3B4の解錠否信号が送信されると所定時間赤色に点灯することで、図示しないIDカードの利用者へ電気錠2A4〜3B4の解錠可否を知らしめるもので、これらの点灯制御は、コントローラ4に設けられる後述するLED制御装置5からの出力信号で指令される。
【0017】
また、共有部Cの天井における南北の長手部と東西の長手部のそれぞれの中央部には、熱感知器6A,6Bが設けられ、また、共有部Cの天井におけるテナントAと階段室1Aの間と、階段室1Bの南側には、煙感知器7A,7Bが設けられている。
【0018】
また、共有部Cの階段室1Bの南側壁と対向する壁面にコントローラ4が設けられ、テナントAとテナントBの隣接する共有部Cの壁面には火災報知機8が設けられている。
【0019】
ここで、熱感知器6A,6Bや煙感知器7A,7B、コントローラ4は、建物1の各階同一位置に取り付けられ、各階の間取も同一とする。
【0020】
次に、コントローラ4は、カードリーダ2A〜3Bに接続される上述したLED制御装置5と、カードリーダ2A〜3B、熱感知器6A,6B、煙感知器7A,7B、火災報知機8、電気錠2A4〜3B4、及びLED制御装置5へ接続される機器制御装置9と、この機器制御装置9に接続され、建物1を利用する複数の人物に配布される図示しないIDカードの認証コードに対し、テナントA,Bやカードリーダ2A〜3B毎に電気錠2A4〜3B4の解錠可能な認証コードを、予め設定して記憶する認証データ記憶部10と、カードリーダ2A〜3B、熱感知器6A,6B、煙感知器7A,7B、火災報知機8から送信される信号に基づいて、機器制御装置9がコントローラ4内の各機器に対する制御や指令信号出力等のプログラムを記憶する機器制御データ記憶部11と、機器制御装置9に接続され、火災等の災害が発生したとき、機器制御装置9の指令により予め記憶される避難経路データ記憶部12から最適な避難経路を選択し、この避難経路を機器制御装置9へ配信する避難経路制御装置13とで構成されている。
【0021】
次に、避難経路データ記憶部12は、各階の熱感知器6A,6B及び煙感知器7A,7Bの中で、一番先に動作した知器に対し、避難する階段室1A、1Bを階床別に設定する避難階段室設定テーブル12Aと、火災発生時に、各階のテナントA,Bに設けられるカードリーダ2A〜3B毎に、電気錠2A4〜3B4へ解錠指令や解錠阻止指令を設定する解錠設定テーブル12Bと、を少なくとも有している。ここで、解錠設定テーブル12Bは、例えば、2階のテナントA,Bに設けたカードリーダ2A〜3Bに対する解錠設定テーブル12Bを示すものである。
【0022】
また、避難階段室設定テーブル12Aは、横列の各階における知器12Aa〜12A1と縦列の各階における階段室12A1〜12A7で構成され、各階床に設けた熱感知器6A、6B及び煙感知器7A,7Bで、一番先に動作した熱感知器6A,6B及び煙感知器7A,7Bに対し、各階床毎に、避難する階段室1A、1Bを設定するテーブルであり、例えば、3階の熱感知器6Aが動作すると、3階は階段室1Bにて建物1の外へ避難する旨を設定し、2階は階段室1Aにての避難を設定し、3階は階段室1Bか図示しない玄関を設定する。ここで、避難階段室設定テーブル12Aで設定するように、火元の階床と、動作した熱感知器6A,6B及び煙感知器7A,7Bに基づき、火元の階床の避難する階段室1A,1Bを設定し(動作した熱感知器6A,6B及び煙感知器7A,7Bより遠い位置にある階段室1A,1Bとする)、火元階床の直下階床は火元階床の避難する階段室1A,1Bと異なる階段室を設定している。
【0023】
また、解錠設定テーブル12Bは、横列の階段室12Ba,12Bbと縦列の各階のカードリーダ12B1〜12B5で構成され、例えば、2階床において設定された避難する階段室1A、1B別に、カードリーダ2A〜3Bに対する電気錠2A4〜3B4へ解錠指令や解錠阻止指令を設定するテーブルであり、例えば、避難階段室設定テーブル12Aの設定で、2階床の避難する階段室が階段室Bであると、テナントAのカードリーダ2Aとカードリーダ2Bは解錠阻止に設定され、カードリーダ2Cは解錠指令に設定され、テナントBのカードリーダ3Aとカードリーダ3Bは解錠指令に設定され、テナントAにおいては避難する階段室Bに近いカードリーダ2Cが解錠指令に設定されるので、階段室Bを使っての避難を意識せずに行うことが可能となる。
【0024】
また、他の階床における機器の配置及びその構成に関する説明は、2階と同様であるので省略する。
【0025】
次に、このように構成された一実施形態の動作の説明を、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0026】
まず、建物1の2階の南側で火災が発生し、2階に設置された煙感知器7Aが最初に動作した場合、煙感知器7Aの動作信号がコントローラ4の機器制御装置9へ送信されると(ステップS1)、機器制御装置9はカードリーダ2A〜3Bに指令していた通常動作(ステップS2)を切り離す。ここで、ステップS2の通常動作の説明は省略する。
【0027】
次に、機器制御装置9は、2階に設置されている煙感知器7Aが最初に動作した旨の信号を避難経路制御装置13へ送信すると(ステップS3)、避難経路制御装置13は、避難経路データ記憶部12の避難階段室設定テーブル12Aの感知器12Aa〜12A階段室12A1〜12A7を参照することで、2階の煙感知器7A動作に対応する各階のテナントA,B別の階段室1A,1Bの選択を行い、火元の階床である2階のテナントA,Bは動作した煙感知器7Aから遠い位置にある階段室1Bでの避難を選択し、3階のテナントA,Bは階段室1Aでの避難を選択し、1階のテナントA,Bは階段室1A及び図示しない玄関からの避難を選択する(ステップS4)。
【0028】
次に、避難経路制御装置13は、ステップS5にて避難に使用する各階毎の階段室1A,1Bの選択した情報と、避難経路データ記憶部12の解錠設定テーブル12Bの階段室12Ba,12Bbとカードリーダ12B1〜12B5を参照し、例えば2階における電気錠2A4〜3B4に対する解施錠を選択し(ステップS5)、カードリーダ2A〜3BのLED2A3〜3B3の表示に対する点灯指令を選択する(ステップS6)。
【0029】
ここで、避難経路制御装置13は、2階のテナントAに関しては、カードリーダ2Aに対応する図示しないドアの電気錠2A4とカードリーダ2Bに対応する図示しないドアの図示しない電気錠を解錠不能とする選択と、カードリーダ2Cに対応する図示しないドアの図示しない電気錠を解錠とし、2階のテナントBに関しては、カードリーダ3Aに対応する図示しないドアの図示しない電気錠とカードリーダ3B対応する図示しないドアの電気錠3B4の双方を解錠とする選択とを行うとともに、カードリーダ2A〜3BのLED2A3〜3B3へは、電気錠2A4〜3C4の解錠と解錠不能に見合った表示指令信号を選択するものである。
【0030】
また、避難経路制御装置13は、ステップS5で選択した電気錠2A4〜3B4における解施錠信号を機器制御装置9へ送信するとともに、ステップS6で選択したLED2A3〜3B3における表示指令信号をLED制御装置5へ送信する。
【0031】
次に、機器制御装置9は、避難経路制御装置13から電気錠2A4〜3B4における解施錠信号の受信で、テナントAに設けられ、カードリーダ2Aが対応する図示しない電気錠2A4、カードリーダ2Bが対応する図示しない電気錠、カードリーダ2Cが対応する図示しない電気錠を、全て解錠させ、テナントBに設けられ、カードリーダ3Aが対応する図示しない電気錠を解錠させ、カードリーダ3Bが対応する電気錠3B4を解錠不能とする(ステップS7)。
【0032】
また、LED制御装置5は、避難経路制御装置13からLED2A3〜3B3における点灯指令信号の受信で、テナントAに設けられ、カードリーダ2Aに設けられるLED2A3、カードリーダ2Bに設けられる図示しないLED、カードリーダ2Cに設けられる図示しないLEDを、全て緑色点滅とし、テナントBに設けられ、カードリーダ3Aに設けられる図示しないLEDを緑色点滅とし、カードリーダ3Bに設けられるLED3B3を赤色点滅とする(ステップS8)。このように、LED2A3の緑色点滅で電気錠2A4の解錠状況を知らしめ、LED3B3の赤色点滅で電気錠3B4の解錠不能を知らしめるので、テナントA,Bから階段室1A,1Bにて避難するとき、LED2A3が緑色点滅している図示しないドアから共有部Cに出れば、安全且つ迅速に階段室1Bにたどり着くことができる。
【0033】
本実施形態によれば、避難階段室設定テーブル12Aは、火元の階床で最初動作した熱感知器6A,6Bと煙感知器7A,7Bに対し、離れている階段室1A,1Bを火元階床の避難口に設定したので、安全に避難できる。また、避難階段室設定テーブル12Aは、避難する階段室1A,1Bを直上及び直下の階床が避難する階段室1A,1Bと異なる階段室1A,1Bとしているので、避難者の分散が可能となり、混雑が緩和するので、転倒等の二次災害が防止できる。
【0034】
また、木実施形態によれば、解錠設定テーブル12Bは、当該階床における避難する階段室1A,1Bに設定された方向の電気錠2A4〜3C4を解錠に設定し、避難する階段室1A,1Bでない方向の電気錠2A4〜3C4を解錠不能とするとともに、解錠に設定された電気錠2A4〜3C4に対応するカードリーダ2A〜3BのLED2A〜3Bを緑色点滅させ、解錠不能に設定された電気錠2A4〜3C4に対応するカードリーダ2A〜3BのLED2A〜3Bを赤色点滅させることで、テナントA,Bから避難する階段室lA,1Bの方向を判断させるようにしたので、速やかなる避難行動が行える。
【0035】
また、LED2A〜3Bの点灯にて避難方向へ誘導するので、特別な表示装置も必要としない。
【0036】
本実施形態では、火災発生時のカードリーダ2A〜3BのLED2A〜3Bの表示を、緑色点滅や赤色点滅で説明したが、通常時と異なる表示であれば良く、ブザー等の音声を加味しても同様なる効果が得られる。また、LED2A〜3Bの緑色点滅や赤色点滅表示は、火災発生後にLED制御装置5の指令によって常時点滅表示となる説明を行ったが、カードリーダ2A〜3Bの認証部2A1〜3B1に図示しないIDカードを翳したとき、点滅表示させても同様なる効果が得られる。
【符号の説明】
【0037】
A,B テナント
C 共有部
1 建物
1A,1B 階段室
2A〜2C,3A,3B カードリーダ
2A1〜3B1 認証部
2A2〜3B2 通信部
2A3〜3B3 LED
2A4〜3B4 電気錠
4 コントローラ
5 LED制御装置
6A,6B 熱感知器
7A,7B 煙感知器
9 機器制御装置
10 認証データ記憶部
11 機器制御データ記憶部
12 避難経路データ記憶部
12A 避難階段室設定テーブル
12B 解錠設定テーブル12
13 避難経路制御装置
図1
図2
図3
図4
図5