特許第6117218号(P6117218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6117218外科用ステープラーのための二重ステープルカートリッジ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6117218
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】外科用ステープラーのための二重ステープルカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20170410BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】15
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2014-534769(P2014-534769)
(86)(22)【出願日】2012年10月5日
(65)【公表番号】特表2014-533134(P2014-533134A)
(43)【公表日】2014年12月11日
(86)【国際出願番号】US2012058969
(87)【国際公開番号】WO2013052808
(87)【国際公開日】20130411
【審査請求日】2015年10月5日
(31)【優先権主張番号】13/267,922
(32)【優先日】2011年10月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】クルマナカー・デビッド・ティ
(72)【発明者】
【氏名】シムズ・ロバート・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ・エディット
(72)【発明者】
【氏名】オズボーン・トーマス・ピー
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 特表平10−512469(JP,A)
【文献】 特開2009−268911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 − 18/2872
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)器具であって、
i.ハンドル部分と、
ii.前記ハンドル部分から遠位方向に延びるエンドエフェクタであって、下部つかみ具及び上部つかみ具を含む、エンドエフェクタと、を含む、器具と、
(b)前記エンドエフェクタの前記下部つかみ具内に挿入可能な下部ステープルカートリッジであって、
i.上部デッキを有する第1のカートリッジ本体であって、前記上部デッキが、前記上部デッキ内に形成された第1の複数のステープル開口部を含む、第1のカートリッジ本体と、
ii.前記第1のカートリッジ本体に対して可動な第1の複数のステープルドライバと、
iii.前記第1の複数のステープルドライバと連絡する第1の複数のステープルであって、前記第1のカートリッジ本体に対して可動である、第1の複数のステープルと、を含む、下部ステープルカートリッジと、
(c)前記エンドエフェクタの前記上部つかみ具内に挿入可能な上部ステープルカートリッジであって、
i.下部デッキを有する第2のカートリッジ本体であって、前記下部デッキが、前記下部デッキ内に形成された第2の複数のステープル開口部を含む、第2のカートリッジ本体と、
ii.前記第2のカートリッジ本体に対して可動な第2の複数のステープルドライバと、
iii.前記第2の複数のステープルドライバと連絡する第2の複数のステープルであって、前記第2のカートリッジ本体に対して可動である、第2の複数のステープルと、を含む、上部ステープルカートリッジと、を備え
前記第1の複数のステープルドライバが、前記上部デッキに対してある角度をなして配置され、かつ前記上部デッキに対して非直交角度にあり、
前記第1の複数のステープルドライバのうちの少なくとも1つのステープルドライバが、作動部材に枢動可能に連結されている、装置。
【請求項2】
前記作動部材が、前記少なくとも1つのステープルドライバを、前記少なくとも1つのステープルドライバが前記上部デッキに対して実質的に直交する位置へ枢動させるように動作可能である、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記器具が、長手方向に作動可能な発射バーを更に含み、前記発射バーが、前記作動部材を前記第1のカートリッジ本体に対して側方へ作動させるように動作可能である、請求項に記載の装置。
【請求項4】
装置であって、
(a)器具であって、
i.ハンドル部分と、
ii.前記ハンドル部分から遠位方向に延びるエンドエフェクタであって、下部つかみ具及び上部つかみ具を含む、エンドエフェクタと、を含む、器具と、
(b)前記エンドエフェクタの前記下部つかみ具内に挿入可能な下部ステープルカートリッジであって、
i.上部デッキを有する第1のカートリッジ本体であって、前記上部デッキが、前記上部デッキ内に形成された第1の複数のステープル開口部を含む、第1のカートリッジ本体と、
ii.前記第1のカートリッジ本体に対して可動な第1の複数のステープルドライバと、
iii.前記第1の複数のステープルドライバと連絡する第1の複数のステープルであって、前記第1のカートリッジ本体に対して可動である、第1の複数のステープルと、を含む、下部ステープルカートリッジと、
(c)前記エンドエフェクタの前記上部つかみ具内に挿入可能な上部ステープルカートリッジであって、
i.下部デッキを有する第2のカートリッジ本体であって、前記下部デッキが、前記下部デッキ内に形成された第2の複数のステープル開口部を含む、第2のカートリッジ本体と、
ii.前記第2のカートリッジ本体に対して可動な第2の複数のステープルドライバと、
iii.前記第2の複数のステープルドライバと連絡する第2の複数のステープルであって、前記第2のカートリッジ本体に対して可動である、第2の複数のステープルと、を含む、上部ステープルカートリッジと、を備え、
前記上部デッキが垂直スロットを更に含み、前記垂直スロットが、前記上部デッキの一部分を通して長手方向に延び、かつ前記上部デッキの第1の側及び第2の側を画定する、装置。
【請求項5】
前記第1の複数のステープルドライバの内の1つである第1のステープルドライバが、前記上部デッキの前記第1の側の下に配置され、前記第1の複数のステープルドライバの内の前記第1のステープルドライバ以外の1つである第2のステープルドライバが、前記上部デッキの前記第2の側の下に配置されている、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のステープルドライバが、第1の作動部材に枢動可能に連結され、前記第2のステープルドライバが、第2の作動部材に枢動可能に連結されている、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の作動部材が、前記第1のステープルドライバを、前記第1のステープルドライバが前記上部デッキに対して実質的に直交する位置へ枢動させるように動作可能であり、前記第2の作動部材が、前記第2のステープルドライバを、前記第2のステープルドライバが前記上部デッキに対して実質的に直交する位置へ枢動させるように動作可能である、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記上部ステープルカートリッジの前記下部デッキが複数のステープル形成ポケットを含み、前記第1の複数のステープルドライバが、前記第1の複数のステープルを作動させて前記複数のステープル形成ポケットと連絡させるように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記下部ステープルカートリッジの前記上部デッキが1組のステープル形成ポケットを含み、前記第2の複数のステープルドライバが、前記第2の複数のステープルを作動させて前記複数のステープル形成ポケットと連絡させるように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
装置であって、
(a)器具であって、
i.ハンドル部分と、
ii.前記ハンドル部分から遠位方向に延びるエンドエフェクタであって、下部つかみ具及び上部つかみ具を含む、エンドエフェクタと、を含む、器具と、
(b)前記エンドエフェクタの前記下部つかみ具内に挿入可能な下部ステープルカートリッジであって、
i.上部デッキを有する第1のカートリッジ本体であって、前記上部デッキが、前記上部デッキ内に形成された第1の複数のステープル開口部を含む、第1のカートリッジ本体と、
ii.前記第1のカートリッジ本体に対して可動な第1の複数のステープルドライバと、
iii.前記第1の複数のステープルドライバと連絡する第1の複数のステープルであって、前記第1のカートリッジ本体に対して可動である、第1の複数のステープルと、を含む、下部ステープルカートリッジと、
(c)前記エンドエフェクタの前記上部つかみ具内に挿入可能な上部ステープルカートリッジであって、
i.下部デッキを有する第2のカートリッジ本体であって、前記下部デッキが、前記下部デッキ内に形成された第2の複数のステープル開口部を含む、第2のカートリッジ本体と、
ii.前記第2のカートリッジ本体に対して可動な第2の複数のステープルドライバと、
iii.前記第2の複数のステープルドライバと連絡する第2の複数のステープルであって、前記第2のカートリッジ本体に対して可動である、第2の複数のステープルと、を含む、上部ステープルカートリッジと、を備え、
前記下部ステープルカートリッジが下部楔形スレッドを含み、前記下部楔形スレッドが、前記第1の複数のステープルドライバを前記第1のカートリッジ本体に対して駆動するように動作可能である、装置。
【請求項11】
前記第2の複数のステープルドライバが、前記下部デッキに対してある角度をなして配置され、かつ前記下部デッキに対して非直交角度にある、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記器具が閉鎖トリガーを含み、前記閉鎖トリガーが、前記上部つかみ具を前記下部つかみ具に対して枢動させるように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記器具が発射トリガーを含み、前記発射トリガーが、前記第1の複数のステープルドライバ及び前記第2の複数のステープルドライバを作動させるように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
ステープルカートリッジであって、
(a)上部デッキを有するカートリッジ本体であって、前記上部デッキが、
i.前記上部デッキを通して形成された複数のステープル開口部と、
ii.前記カートリッジ本体の少なくとも一部を通して長手方向に延びる垂直スロットであって、前記カートリッジ本体の第1の側及び第2の側を画定する、垂直スロットと、を含む、カートリッジ本体と、
(b)前記カートリッジ本体に対して可動な第1の複数のステープルドライバの内の1つであり、前記カートリッジ本体の前記第1の側内に配置された第1のステープルドライバであって、前記上部デッキに対して可動である、第1のステープルドライバと、
(c)前記第1の複数のステープルドライバの内の前記第1のステープルドライバ以外の1つであり、前記カートリッジ本体の前記第2の側内に配置された第2のステープルドライバであって、前記上部デッキに対して可動である、第2のステープルドライバと、
(d)前記第1のステープルドライバと連絡する第1のステープルと、
(e)前記第2のステープルドライバと連絡する第2のステープルと、を含み、
前記第1のステープルドライバが、前記上部デッキに対して正の斜角にあり、
前記第2のステープルドライバが、前記上部デッキに対して負の斜角にあり、
前記第1のステープルドライバが第1の作動部材と枢動可能に連結され、前記第2のステープルドライバが第2の作動部材と枢動可能に連結され、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材が、前記第1のステープルドライバ及び前記第2のステープルドライバを前記上部デッキに対して直交する位置へと枢動させるように動作可能である、ステープルカートリッジ。
【請求項15】
前記カートリッジ本体内に配置された楔形スレッドを更に含み、前記楔形スレッドが、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材を作動させるように動作可能である、請求項14に記載のステープルカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の状況では、内視鏡外科用器具は、より小さい切開が、手術後の回復時間及び合併症を低減し得るために、従来の開腹外科装置よりも好ましい場合がある。したがって、いくつかの内視鏡外科用器具は、トロカールのカニューレを介して所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを配置するのに適していることがある。これらの遠位エンドエフェクタは、多くの方法で組織に係合して診断又は治療効果を達成し得る(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療送達装置、及び超音波、RF、レーザなどを使用するエネルギー送達装置)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを有することがある。そのようなシャフトは、所望の深さへの挿入とシャフトの長手方向軸のまわりの回転を可能にし、それにより患者内のエンドエフェクタの位置決めが容易になる。エンドエフェクタの位置決めは、シャフトの長手方向軸に対してエンドエフェクタを選択的に関節動作又は他の方法で偏向することを可能にする1つ又は2つ以上の関節動作ジョイント若しくは機構を含めることによって、更に促進することができる。
【0002】
内視鏡外科用器具の例としては外科用ステープラーが挙げられる。かかるステープラーのいくつかは、組織層をクランプし、クランプした組織層を切断し、組織層を通してステープルを駆動することによって組織層の切断された端の近くで組織層をともに実質的に封着するように動作可能である。単なる例示的な外科用ステープラーは、「Pocket Configuration for Internal Organ Staplers」と題された1989年2月21日発行の米国特許第4,805,823号、「Surgical Stapler and Staple Cartridge」と題された1995年5月16日発行の米国特許第5,415,334号、「Surgical Stapler Instrument」と題された1995年11月14日発行の米国特許第5,465,895号、「Surgical Stapler Instrument」と題された1997年1月28日発行の米国特許第5,597,107号、「Surgical Instrument」と題された1997年5月27日発行の米国特許第5,632,432号、「Surgical Instrument」と題された1997年10月7日発行の米国特許第5,673,840号、「Articulation Assembly for Surgical Instruments」と題された1998年1月6日発行の米国特許第5,704,534号、「Surgical Clamping Mechanism」と題された1998年9月29日発行の米国特許第5,814,055号、「Surgical Stapling Instrument Incorporating an E−Beam Firing Mechanism」と題された2005年12月27日発行の米国特許第6,978,921号、「Surgical Stapling Instrument Having Separate Distinct Closing and Firing Systems」と題された2006年2月21日発行の米国特許第7,000,818号、「Surgical Stapling Instrument having a Firing Lockout for an Unclosed Anvil」と題された2006年12月5日発行の米国特許第7,143,923号、「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multi−Stroke Firing Mechanism with a Flexible Rack」と題された2007年12月4日発行の米国特許第7,303,108号、「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multistroke Firing Mechanism Having a Rotary Transmission」と題された2008年5月6日発行の米国特許第7,367,485号、「Surgical Stapling Instrument Having a Single Lockout Mechanism for Prevention of Firing」と題された2008年6月3日発行の米国特許第7,380,695号、「Articulating Surgical Stapling Instrument Incorporating a Two−Piece E−Beam Firing Mechanism」と題された2008年6月3日発行の米国特許第7,380,696号、「Surgical Stapling and Cutting Device」と題された2008年6月29日発行の米国特許第7,404,508号、「Surgical Stapling Instrument Having Multistroke Firing with Opening Lockout」と題された2008年10月14日発行の米国特許第7,434,715号、「Disposable Cartridge with Adhesive for Use with a Stapling Device」と題された2010年5月25日発行の米国特許第7,721,930号に開示されている。上記に引用した米国特許のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。上記にて参照した外科用ステープラーは、内視鏡手技において使用されるものとして記載されているが、かかる外科用ステープラーは、開口手技及び/又は他の非内視鏡手技でも使用することができることを理解されたい。
【0003】
様々な種類の外科用ステープル器具及び関連構成要素が作製され使用されてきたが、本発明者より以前に、添付の「特許請求の範囲」に記載されている本発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書に組み込まれるとともにその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つものである。
図1A】非関節動作位置にあるエンドエフェクタを有する関節動作外科用器具の斜視図を示す。
図1B】関節動作位置にあるエンドエフェクタを有する図1Aの外科用器具の斜視図を示す。
図2図1A図1Bの外科用器具の開いたエンドエフェクタの斜視図を示す。
図3A】発射バーが近位位置にある、図2の線3−3に沿った図2のエンドエフェクタの側断面図を示す。
図3B図2の線3−3に沿った図2のエンドエフェクタの側断面図であるが、発射バーが遠位位置にある状態を示している。
図4図2の線4−4に沿った図2のエンドエフェクタの端断面図を示す。
図5図2のエンドエフェクタの分解斜視図を示す。
図6】組織に位置付けられ、かつ組織内で1回作動された後の、図2のエンドエフェクタの斜視図を示す。
図7A】例示的な下部カートリッジ及び上部カートリッジを有する、例示的なエンドエフェクタの正面断面図を示す。
図7B】下部カートリッジ及び上部カートリッジ内にて垂直スロットを通して延びる発射バーを示す、図7Aのエンドエフェクタの正面断面図を示す。
図7C】ステープルドライバをカム動作させている例示的な上部楔形スレッド及び下部楔形スレッドを示す、図7Aのエンドエフェクタの正面断面図を示す。
図8A】例示的な代替的下部カートリッジ及び上部カートリッジを有する、例示的な代替的エンドエフェクタの正面断面図を示す。
図8B】ステープルドライバをカム動作させている例示的な上部楔形スレッド及び下部楔形スレッドを示す、図8Aのエンドエフェクタの正面断面図を示す。
【0005】
各図面は、いかなる意味においても限定的なものではなく、図に必ずしも示されていないものを含め、本発明の異なる実施形態を様々な他の方法で実施し得ることも考えられる。本明細書に組み込まれるとともにその一部をなす添付の図面は、本発明の幾つかの態様を示すものであり、説明文とともに本発明の原理を説明するのに役立つものである。しかしながら、本発明は図に示される正確な構成に限定されない点が理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特定の例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。本発明の他の例、特徴、態様、実施形態、及び利点が以下の説明から当業者には明らかとなろう。以下の説明は、実例として、本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである。明らかなように、本発明は、本発明から逸脱することなく、他の様々な明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、例示的な性質のものであって限定的なものと見なすべきではない。
【0007】
I.例示的な外科用ステープラー
図1図6は、外科手術を行うために、図1Aに示すような非関節動作状態でトロカールカニューレ通路を通って患者内の手術部位まで挿入するように寸法決めされている、例示的な外科用ステープル留め及び切断器具(10)を示している。外科用ステープル留め及び切断器具(10)は、実施部分(22)に接続されたハンドル部分(20)を含み、実施部分は、関節メカニズム(11)において遠位に終端するシャフト(23)と、遠位に取り付けられたエンドエフェクタ(12)と、を更に備える。関節メカニズム(11)及びエンドエフェクタ(12)がトロカールのカニューレ通路を通して挿入された後、図1Bに示すように、関節制御(13)によって関節メカニズム(11)を遠隔的に関節動作させることができる。そのようにして、エンドエフェクタ(12)は、所望の角度から又は他の理由のために、臓器の背後に到達し又は組織に近づくことができる。本明細書では、「近位」及び「遠位」といった用語は、器具(10)のハンドル部分(20)を握っている臨床医を基準として使用されていることを理解されたい。したがって、エンドエフェクタ(12)は、より近位のハンドル部分(20)に対して遠位である。(便宜上、また説明を明確にするため、本明細書では「垂直」及び「水平」といった空間的な用語を図面に対して使用する点も更に認識されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び配置において使用され、これらの用語は、制限的及び絶対的であることが意図されない。
【0008】
この例のエンドエフェクタ(12)は、下部つかみ具(16)及び枢動可能なアンビル(18)を含む。ハンドル(20)はピストル把持部(24)を含み、臨床医が閉鎖トリガー(26)をピストル把持部(24)に向かって枢動的に引くことにより、エンドエフェクタ(12)の下部つかみ具(16)に向かってアンビル(18)のクランプ又は閉鎖が引き起こされる。そのようなアンビル(18)の閉鎖は、ピストル把持部(24)に対する閉鎖トリガー(26)の枢動に応じてハンドル部分(20)に対して長手方向に移動する最も外側の閉鎖スリーブ(32)を介してもたらされる。閉鎖スリーブ(32)の遠位の閉鎖リング(33)は、実施部分(22)の枠(34)によって間接的に支持される。閉鎖スリープ(32)の近位の閉鎖管(35)は、関節メカニズム(11)において遠位閉鎖リング(33)と連通している。枠(34)は、関節メカニズム(11)を介して下部つかみ具(16)に偏向可能に取り付けられて、単一の平面での関節動作を可能にする。枠(34)はまた、シャフト(23)を通して延びる発射駆動部材(図示せず)を長手方向に摺動可能に支持し、発射トリガー(28)からの発射運動を発射バー(14)に伝える。発射トリガー(28)は、閉鎖トリガー(26)より更に外側寄りにあり、以下により詳細に記載するように、これが臨床医によって枢動的に引かれると、エンドエフェクタ(12)にクランプされている組織がステープル留めされ、切断される。その後、開放ボタン(30)を押してエンドエフェクタ(12)から組織を開放する。
【0009】
図2図5は、数多くの機能を実行するために光線発射バー(14)を取り入れているエンドエフェクタ(12)を示す。図3A〜3Bに最もわかりやすく示されるように、発射バー(14)は、横断方向に配向された上方のピン(38)と、発射バーキャップ(44)と、横断方向に配向された中間ピン(46)と、遠位方向に提供された切断エッジ(48)と、を含む。上方のピン(38)は、アンビル(18)のアンビルポケット(40)の内部に位置付けられており、可動である。発射バーキャップ(44)は、下部つかみ具(16)を通して形成されたチャネルスロット(45)(図3Bに図示)を通して延びる発射バー(14)を有することによって、下部つかみ具(16)の下側表面に摺動可能に係合する。中間ピン(46)は、発射バーキャップ(44)と協働する下部つかみ具(16)の上面に摺動可能に係合する。そのようにして、発射バー(14)は、発射中にエンドエフェクタ(12)の間隔を肯定的に取り、クランプされる組織の量が最低限の状態でのアンビル(18)と下部つかみ具(16)との間に生じる場合のあるピンチングを克服し、クランプされた組織の量が多過ぎる状態でのステープルの不良形成を克服する。
【0010】
図2は、近位方向に配置されている発射バー(14)と、開放位置まで枢動されて未使用のステープルカートリッジ(37)を下部つかみ具(16)のチャネル内に着脱可能に装着できるようにしているアンビル(18)と、を示す。図4〜5に最もわかりやすく示されるように、この例のステープルカートリッジ(37)はカートリッジ本体(70)を含み、カートリッジ本体は上部デッキ(72)を提供し、下方のカートリッジトレー(74)と連結されている。図2に最もわかりやすく示されるように、ステープルカートリッジ(37)の部分を通して垂直スロット(49)が形成されている。また図2に最もわかりやすく示されるように、垂直スロット(49)の一方の側に上部デッキ(72)を通して形成された3列のステープル開口部(51)と、垂直スロット(49)の他方の側に上部デッキ(72)を通して形成された3列のステープル開口部(51)とが存在する。再び図3〜5を参照すると、楔形スレッド(41)及び複数のステープルドライバ(43)がカートリッジ本体(70)とトレー(74)との間に捉えられており、ステープルドライバ(43)に対して近位に楔形スレッド(41)が位置付けられている。楔形スレッド(41)はステープルカートリッジ(37)内で長手方向に可動であり、一方、ステープルドライバ(43)はステープルカートリッジ(37)内で垂直方向に可動である。ステープル(47)もまた、カートリッジ本体(70)内で、対応するステープルドライバ(43)の上に位置付けられる。詳細には、それぞれのステープル(47)はステープルドライバ(43)によってカートリッジ本体(70)内で垂直方向に駆動されて、関連付けられたステープル開口部(51)を通してステープル(47)を外へと駆動する。図3A〜3B及び図5に最もわかりやすく示されるように、楔形スレッド(41)は、楔形スレッド(41)がステープルカートリッジ(37)を通して遠位方向に駆動されるにつれてステープルドライバ(43)を上方に促す、傾斜したカム表面を呈する。
【0011】
図3Aに示すように、エンドエフェクタ(12)が閉鎖された状態で、上方のピン(38)を長手方向のアンビルスロット(42)に入れることによって、発射バー(14)がアンビル(18)と係合して前進する。押しブロック(80)は、発射バー(14)の遠位端に配置され、発射バー(14)がステープルカートリッジ(37)を通して遠位方向に前進するにつれて押しブロック(80)が楔形スレッド(41)を遠位方向に押すように、楔形スレッド(41)に係合するように構成される。そのような発射中に、発射バー(14)の切断エッジ(48)がステープルカートリッジ(37)の垂直スロット(49)に入り、ステープルカートリッジ(37)とアンビル(18)との間にクランプされている組織を切断する。図3A〜3Bに示すように、中間ピン(46)と押しブロック(80)とがともにステープルカートリッジ(37)内のスロット(49)内に入ることによってステープルカートリッジ(37)を作動し、楔形スレッド(41)をステープルドライバ(43)との上向きのカム接触へと駆動すると、ステープル(47)は、ステープル開口部(51)を通して外へと駆動され、アンビル(18)の内面のステープル形成ポケット(53)との形成接触へと駆動される。図3Bは、組織を完全に切断及びステープル留めした後に遠位方向に完全に移動された発射バー(14)を示す。
【0012】
図6は、組織(90)を貫通する1回のストロークを介して作動されたエンドエフェクタ(12)を示す。切断エッジ(48)が組織(90)を貫通して切断しており、一方、ステープルドライバ(43)は、切断エッジ(48)が作り出している切断線のそれぞれの側で、組織(90)を通してステープル(47)の3本の交互の列を駆動している。この例では、全てのステープル(47)が切断線とほぼ平行に配向されているが、ステープル(47)は任意の好適な配向で位置付けられ得ることを理解されたい。この例では、第1のストロークが完了した後にエンドエフェクタ(12)をトロカールから後退し、使用済みのステープルカートリッジ(37)を新しいステープルカートリッジと交換し、その後に、エンドエフェクタ(12)を再びトロカールを通して挿入して、ステープル留めする部位に到達し、更なる切断及びステープル留めを行う。所望の量の切断及びステープル(47)が提供されるまでこのプロセスを繰り返すことができる。トロカールを通した挿入及び後退を可能にするためにアンビル(18)を閉じる必要がある場合があり、ステープルカートリッジ(37)の交換を可能にするためにアンビル(18)を開く必要がある場合がある。
【0013】
それぞれの作動ストローク中に、ステープル(47)が組織を通して駆動されるのとほぼ同時に切断エッジ(48)が組織を切断することができることを理解されたい。この例では、切断エッジ(48)はステープル(47)の駆動にごくわずかに遅れて進むので、ステープル(47)は、切断エッジ(48)が組織の同じ区域を通過する直前に組織を通して駆動されるが、この順序を逆にすることができること、又は、切断エッジ(48)が、隣接するステープルと直接同期されてもよいことを理解されたい。図6は、2層(92、94)の組織(90)で作動されているエンドエフェクタ(12)を示しているが、エンドエフェクタ(12)が単層の組織(90)を通して又は2層(92、94)を超える組織を通して作動されてもよいことを理解されたい。また、切断エッジ(48)が作り出した切断線に隣接するステープル(47)の形成及び位置付けが、切断線で組織を実質的に封着することができ、したがってその切断線での出血及び/又は他の体液の漏出を低減又は予防することができることも理解されたい。器具(10)が使用され得る種々の好適な設定及び手技は、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0014】
器具(10)は、米国特許第4,805,823号、同第5,415,334号、同第5,465,895号、同第5,597,107号、同第5,632,432号、同第5,673,840号、同第5,704,534号、同第5,814,055号、同第6,978,921号、同第7,000,818号、同第7,143,923号、同第7,303,108号、同第7,367,485号、同第7,380,695号、同第7,380,696号、同第7,404,508号、同第7,434,715、及び/又は同第7,721,930号の教示のいずれかに従って構成され及び動作可能であり得ることを理解されたい。
【0015】
上述のように、それらの特許のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。器具(10)に提供することができる更なる例示的な修正例は、以下により詳細に記載される。以下の教示が器具(10)に採用される種々の好適な方法は、当業者に明らかであろう。同様に、以下の教示を本明細書で引用された特許の様々な教示と組み合わせることができる種々の好適な方法は、当業者に明らかであろう。また、以下の教示が、本明細書で引用された特許に教示された器具(10)又は装置に限定されないことを理解されたい。以下の教示は、外科用ステープラーとして分類されない器具を含む様々な他の種類の器具に容易に適用することができる。以下の教示を適用することができる種々の他の好適な装置及び設定が、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかであろう。
【0016】
II.例示的な二重ステープルカートリッジ
場合によっては、二重ステープルカートリッジ(37)を使用することが有用であり得る。例えば、エンドエフェクタ(12)内に挿入された下部ステープルカートリッジ(37)及び上部ステープルカートリッジ(37)を有して、組織(90)を反対方向からステープル留めすることが有用であり得る。加えて、対向するステープルを使用することにより、組織(90)の両側に対するこの材料の固い結合を更に促進することができる。場合によっては、ステープル(47)に角度を付けることが有用であり得る。このような角度付けステープル(47)により、ステープルカートリッジ(37)の垂直寸法を低減することが可能となり得る。以下の記載は、二重ステープルカートリッジ構成の単なる例示的な例であるが、他の好適な構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0017】
A.例示的な回転可能なステープルドライバ二重ステープルカートリッジ
図7A〜7Cは、下部カートリッジ(120)及び上部カートリッジ(160)を受容するように構成された例示的なエンドエフェクタ(100)を示す。器具(10)は、エンドエフェクタ(100)を組み込むように容易に変更され得ることを理解するべきである。この例では、エンドエフェクタ(100)は、下部つかみ具(102)及び枢動可能な上部つかみ具(110)を含む。エンドエフェクタ(100)は、上述したハンドル部分(20)に連結されている。詳細には、医師は、閉鎖トリガー(26)をピストル把持部(24)に向かって枢動的に引くことにより、エンドエフェクタ(100)の下部つかみ具(102)に向かって上部つかみ具(110)のクランプ又は閉鎖を引き起こすことができる。この例では、下部つかみ具(102)は、下部カートリッジ(120)を受容するように構成された下部凹部(104)を画定する。いくつかの型では、下部つかみ具(102)は、下部カートリッジ(120)を下部つかみ具(102)に選択的に連結するように構成されている戻り止め(106)又はスナップ式機構を更に含む。加えて又は代替的に、下部つかみ具(102)は、開放遠位端及び長手方向のレール(図示せず)を含んでもよく、この長手方向のレールの上又は下を下部カートリッジ(120)が摺動し得る。下部つかみ具(102)及び/又は下部カートリッジ(120)は、その遠位端に戻り止め又はスナップ式機構を含んで、下部カートリッジ(120)が長手方向のレールに沿って近位方向に摺動された際に、下部カートリッジ(120)を下部つかみ具(102)に選択的に連結し得る。勿論、下部カートリッジ(120)を下部つかみ具(102)に挿入及び連結するための他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0018】
上部つかみ具(110)は、上部カートリッジ(160)を受容するように構成された上部凹部(112)を画定する。いくつかの型では、上部つかみ具(110)は、上部カートリッジ(160)を上部つかみ具(110)に選択的に連結するように構成されている戻り止め(114)又はスナップ式機構を更に含む。加えて又は代替的に、上部つかみ具(110)は、開放遠位端及び長手方向のレール(図示せず)を含んでもよく、この長手方向のレールの上又は上方を上部カートリッジ(160)が摺動し得る。上部つかみ具(110)及び/又は上部カートリッジ(160)は、その遠位端に戻り止め又はスナップ式機構を含んで、上部カートリッジ(160)が長手方向のレールに沿って近位方向に摺動された際に、上部カートリッジ(160)を上部つかみ具(110)に選択的に連結し得る。勿論、上部カートリッジ(160)を上部つかみ具(110)に挿入及び連結するための他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0019】
この例の下部カートリッジ(120)は、カートリッジ本体(122)、上部デッキ(124)、複数のステープル開口部(130)、複数のステープルドライバ(140)及び垂直スロット(126)を含む。下部カートリッジ(120)は、更に、本明細書に記載したカートリッジ(37、160、220、260)の教示の少なくともいくつかに従って構成されてもよい。図7Aに示すように、上部デッキ(124)は、下部カートリッジ(120)の長手方向軸線に沿って形成された垂直スロット(126)と、上部デッキ(124)内に形成された4つのステープル開口部(130)とを含み、垂直スロット(126)の各側に2つのステープル開口部(130)が形成されている。4つのステープル開口部(130)は、下部カートリッジ(120)に沿って長手方向に延びるステープル開口部(130)の4つの列の一部であることを理解するべきである。更に、ステープル開口部(130)の任意の数の列を上部デッキ(124)内に形成してもよく、ステープル開口部(130)の4つの列は、単なる例示である。加えて、ステープル開口部(130)は、垂直スロット(126)の周囲にて様々な構成で配置されてもよい。例えば、ステープル開口部(130)は、垂直スロット(126)の周囲に対称的に配置されてもよく、又はステープル開口部(130)は、垂直スロット(126)の周囲に非対称的に配置されてもよい。例のみとして、湾曲したエンドエフェクタ(100)の場合、垂直スロット(126)の片側に3つのステープル開口部(130)が配置されてもよく、かつ反対側に単一のステープル開口部(130)が配置されてもよい。
【0020】
この例の上部デッキ(124)は、ステープル形成ポケット(128)を更に含み、以下により詳細に記載するように、ステープル(190)は、上部カートリッジ(160)のステープルドライバ(180)を介してこのステープル形成ポケット(128)内へとカム動作(cam)される。この例では、各ステープル開口部(130)は更に、角度付けされた内側壁(132)及び垂直方向の外側壁(134)によって画定されている。代替的に、壁(132、134)は、弓形壁を含んでもよい。勿論、ステープル開口部(130)の他の構成及び配向が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。垂直スロット(126)は、その垂直スロット(126)を通して発射バー(14)が作動可能なように、上部デッキ(124)及びカートリッジ本体(122)を通して長手方向に延びる。いくつかの型では、垂直スロット(126)は長手方向に真っ直ぐなスロットであるが、他の型では、垂直スロット(126)は、湾曲したエンドエフェクタ(100)用に、長手方向軸線に沿って湾曲されていてもよい。
【0021】
この例のステープルドライバ(140)は、カートリッジ本体(122)内に配置され、下部カートリッジ(120)内で垂直方向に可動な部材である。いくつかの型では、ステープルドライバ(140)は、以下に記載する下部楔形スレッド(192)がステープルドライバ(140)に係合するまで、ステープルドライバ(140)がカートリッジ本体(122)に対して不注意に作動することを防止するように、カートリッジ本体(122)内に選択的に連結されている。例えば、ステープルドライバ(140)はカートリッジ本体(122)に接着剤で取り付けられてもよい。他の型では、ステープルドライバ(140)はそれぞれ、締まりばめ又は戻り止め嵌合が形成されるように、カートリッジ本体(122)内に形成されたスロット(図示せず)内に挿入可能なタブ(図示せず)を含んでもよい。したがって、ステープルドライバ(140)は、ユーザーがエンドエフェクタ(100)を回転又は反転させた場合でも、カートリッジ本体(122)に対して選択的に固定されている。勿論、他の選択的に連結可能な構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0022】
この例では、複数のステープル(190)もカートリッジ本体(122)内に配置され、対応するステープルドライバ(140)の上に配置されている。詳細には、各ステープル(190)は、対応するステープルドライバ(140)によってカートリッジ本体(122)内で垂直方向に駆動されて、関連付けられたステープル開口部(130)を通してステープル(190)を外へと駆動する。いくつかの型では、ステープル(190)は、以下に記載する下部楔形スレッド(192)がステープルドライバ(140)に係合してステープル(190)をステープル開口部(130)の外へ放出するまで、ステープル(190)がステープルドライバ(140)に対して不注意に作動することを防止するように、ステープルドライバ(140)に選択的に連結されている。例えば、ステープル(190)は、ステープルドライバ(140)に接着剤で取り付けられてもよい。他の型では、ステープル(190)はそれぞれ、締まりばめが形成されるように、ステープルドライバ(140)内に形成されたスロット(図示せず)内に挿入可能なタブ(図示せず)を含んでもよい。また更に、ステープルドライバ(140)上にスナップ式機構が含まれて、留置までステープル(190)をステープルドライバ(140)に維持してもよい。いくつかの型では、ステープルドライバ(140)はリリースタブ(図示せず)を含んでもよく、このリリースタブは、カートリッジ本体(122)上のタブ(図示せず)に係合して、ステープルドライバ(140)が垂直方向に作動されたときにステープル(190)を解放する。カートリッジ本体(122)上のそのようなタブは、ステープルドライバ(140)がその垂直方向の作動ピークにあるときのみにステープル(190)が解放されるように、上部デッキ(124)に、又は上部デッキ(124)の付近に存在してもよい。したがって、ステープル(190)は、ユーザーがエンドエフェクタ(100)を回転又は反転させた場合でも、ステープルドライバ(140)に対して選択的に固定されている。ステープル(190)は、ステープルドライバ(140)に固定されていることに加えて、又はその代わりに、例えば締まりばめ及び/又は別様の貫通摩擦(through friction)によってカートリッジ本体(122)に選択的に固定されてもよい。
【0023】
この例では、ステープルドライバ(140)は更に作動部材(142)を含み、作動部材(142)は、1つ又は2つ以上のステープルドライバ(140)に枢動的に連結され、ステープルドライバ(140)をカートリッジ本体(122)に対して移動するように動作可能である。図7Aに示すように、各作動部材(142)は、2つのステープルドライバ(140)に枢動的に連結されたロッドを含む。この例では、第1の作動部材(142)は、垂直スロット(126)の第1の側にて2つのステープルドライバ(140)の第1の組に枢動的に連結されている。第2の作動部材(142)は、垂直スロット(126)の反対側にて2つのステープルドライバ(140)の第2の組に枢動的に連結されている。本明細書でより詳細に述べるように、作動部材(142)は、ステープルドライバ(140)が、そのステープルドライバ(140)が上部デッキ(124)に対して角度をなす第1の位置から、そのステープルドライバ(140)が上部デッキ(124)に対して実質的に直交する第2の位置へ枢動するように、発射バー(14)によってカートリッジ本体(122)に対して外方向にカム動作されるように構成されている。したがって、下部カートリッジ(120)の垂直寸法が低減され得る。加えて、ステープル(190)の初期の角度付けにより、より長いステープル(190)を下部カートリッジ(120)内に収容することができる。換言すれば、カートリッジ(120)は、エンドエフェクタ(100)の外径を増大させることなく、カートリッジ(37)と比較してより長いステープル(190)を収容することができる。また、下部つかみ具(102)及び上部つかみ具(110)は、下部カートリッジ(120)のサイズの低減により、下部つかみ具(102)と上部つかみ具(110)との間により多量の組織(90)を可能とするサイズを有することができる。勿論、ステープルドライバ(140)及び/又は作動部材(142)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。上部カートリッジ(160)の代わりにアンビル(18)が使用される型においてでも、ステープル(190)は、この例のステープル(190)のように又は別様に、当初、斜角で配向され得ることも理解するべきである。
【0024】
この例の上部カートリッジ(160)は、カートリッジ本体(162)、下部デッキ(164)、複数のステープル開口部(170)、複数のステープルドライバ(180)、及び垂直スロット(166)を含む。上部カートリッジ(160)は更に、本明細書に記載したカートリッジ(37、120、220、260)の教示の少なくともいくつかに従って構成されてもよい。図7Aに示すように、下部デッキ(164)は、上部カートリッジ(160)の長手方向軸線に沿って形成された垂直スロット(166)と、下部デッキ(164)内に形成された一対のステープル開口部(170)とを含み、垂直スロット(166)の各側に1つのステープル開口部(170)が形成されている。2つのステープル開口部(170)は、上部カートリッジ(160)に沿って長手方向に延びるステープル開口部(130)の2つの列の一部であることを理解するべきである。更に、ステープル開口部(170)の任意の数の列を下部デッキ(164)内に形成してもよく、ステープル開口部(170)の2つの列は、単なる例示である。加えて、ステープル開口部(170)は、垂直スロット(166)の周囲にて様々な構成で配置されてもよい。例えば、ステープル開口部(170)は、垂直スロット(166)の周囲に対称的に配置されてもよく、又はステープル開口部(170)は、垂直スロット(166)の周囲に非対称的に配置されてもよい。例のみとして、湾曲したエンドエフェクタ(100)の場合、両方のステープル開口部(170)は、垂直スロット(166)の同一の側に配置されてもよい。
【0025】
下部デッキ(164)は、ステープル形成ポケット(168)を更に含み、ステープル(190)は以下に記載される下部カートリッジ(120)のステープルドライバ(140)を介して、このステープル形成ポケット(168)内へとカム動作される。この例では、各ステープル開口部(170)は更に、角度付けされた内側壁(172)及び垂直方向の外側壁(174)によって画定されている。代替的に、壁(172、174)は、弓形壁を含んでもよい。勿論、ステープル開口部(170)に関する他の構成及び配向が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。垂直スロット(166)は、その垂直スロット(166)を通して発射バー(14)が作動可能なように、下部デッキ(164)及びカートリッジ本体(162)を通して長手方向に延びる。いくつかの型では、垂直スロット(166)は長手方向に真っ直ぐなスロットであるが、他の型では、垂直スロット(166)は、湾曲したエンドエフェクタ(100)用に、長手方向軸線に沿って湾曲されていてもよい。
【0026】
この例のステープルドライバ(180)は、カートリッジ本体(162)内に配置され、上部カートリッジ(160)内で垂直方向に可動な部材である。いくつかの型では、ステープルドライバ(180)は、以下に記載する上部楔形スレッド(196)がステープルドライバ(180)に係合するまで、ステープルドライバ(180)がカートリッジ本体(162)に対して作動することを防止するように、カートリッジ本体(162)内に選択的に連結されている。例えば、ステープルドライバ(180)はカートリッジ本体(162)に接着剤で取り付けられてもよい。他の型では、ステープルドライバ(180)はそれぞれ、締まりばめ又は戻り止め嵌合が形成されるように、カートリッジ本体(162)内に形成されたスロット(図示せず)内に挿入可能なタブ(図示せず)を含んでもよい。したがって、ステープルドライバ(180)は、そのステープルドライバ(180)が重力を原因として移動しないように、カートリッジ本体(162)に対して選択的に固定されている。勿論、他の選択的に連結可能な構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0027】
この例では、図7Aに示すように、複数のステープル(190)もカートリッジ本体(162)内に配置され、対応するステープルドライバ(180)の下に配置されている。詳細には、各ステープル(190)は、ステープルドライバ(180)によってカートリッジ本体(162)内で垂直方向に駆動されて、関連付けられたステープル開口部(170)を通してステープル(190)を外へと駆動する。いくつかの型では、ステープル(190)は、以下に記載する上部楔形スレッド(196)がステープルドライバ(180)に係合してステープル(190)をステープル開口部(170)の外へ放出するまで、ステープル(190)がステープルドライバ(180)に対して不注意に作動することを防止するように、ステープルドライバ(180)に選択的に連結されている。例えば、ステープル(190)は、ステープルドライバ(180)に接着剤で取り付けられてもよい。他の型では、ステープル(190)はそれぞれ、締まりばめが形成されるように、ステープルドライバ(180)内に形成されたスロット(図示せず)内に挿入可能なタブ(図示せず)を含んでもよい。また更に、ステープルドライバ(180)上にスナップ式機構が含まれて、留置までステープル(190)をステープルドライバ(180)に維持してもよい。いくつかの型では、ステープルドライバ(180)はリリースタブ(図示せず)を含んでもよく、このリリースタブは、カートリッジ本体(162)上のタブ(図示せず)に係合して、ステープルドライバ(180)が作動されたときにステープル(190)を解放する。カートリッジ本体(162)上のそのようなタブは、ステープルドライバ(180)がその作動移動の最終点にあるときのみにステープル(190)が解放されるように、下部デッキ(164)に、又は下部デッキ(164)の付近に存在してもよい。したがって、ステープル(190)は、そのステープル(190)が重力を原因としてステープルドライバ(180)から係合解除されないように、ステープルドライバ(180)に対して選択的に固定されている。ステープル(190)は、ステープルドライバ(180)に固定されていることに加えて、又はその代わりに、例えば締まりばめ及び/又は別様の貫通摩擦によってカートリッジ本体(162)に選択的に固定されてもよい。
【0028】
この例では、ステープルドライバ(180)は更に作動部材(182)を含み、作動部材(182)は、1つ又は2つ以上のステープルドライバ(180)に枢動的に連結され、ステープルドライバ(180)をカートリッジ本体(162)に対して移動するように動作可能である。図7Aに示すように、各作動部材(182)は、ステープルドライバ(180)に枢動的に連結されたロッドを含む。この例では、第1の作動部材(182)は、垂直スロット(166)の第1の側にて第1のステープルドライバ(180)に枢動的に連結されている。第2の作動部材(182)は、垂直スロット(166)の反対側にて第2のステープルドライバ(180)に枢動的に連結されている。本明細書でより詳細に述べるように、作動部材(182)は、ステープルドライバ(180)が、そのステープルドライバ(180)が下部デッキ(164)に対して角度をなす第1の位置から、そのステープルドライバ(180)が下部デッキ(164)に対して実質的に直交する第2の位置へ枢動するように、発射バー(14)によってカートリッジ本体(162)に対して外方向にカム動作されるように構成されている。したがって、上部カートリッジ(160)の垂直寸法が低減され得る。加えて、ステープル(190)の初期の角度付けにより、より長いステープル(190)を上部カートリッジ(160)内に収容することができる。換言すれば、カートリッジ(160)は、エンドエフェクタ(100)の外径を増大させることなく、カートリッジ(37)と比較してより長いステープル(190)を収容することができる。また、下部つかみ具(102)及び上部つかみ具(110)は、上部カートリッジ(160)のサイズの低減により、下部つかみ具(102)と上部つかみ具(110)との間により多量の組織(90)を可能とするサイズを有することができる。勿論、ステープルドライバ(180)及び/又は作動部材(182)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0029】
図7A〜7Cは、ステープル(190)を組織(90)内に展開するための、下部カートリッジ及び上部カートリッジ(120、160)を通しての発射バー(14)の発射を示す。図7Aに示すように、閉鎖トリガー(26)が作動された後、組織(90)は下部つかみ具(102)と上部つかみ具(110)との間に固定されている。この初期位置では、作動部材(142、182)は発射バー(14)によって係合されていないため、ステープルドライバ(140、180)はそれぞれ、カートリッジ本体(122、162)に対して角度をなしている。前述したように、図1〜5に示したように、枠(34)は、シャフト(23)を通して延びる発射駆動部材を長手方向に摺動的に支持し、発射トリガー(28)からの発射運動を発射バー(14)に伝える。発射トリガー(28)がユーザーによって作動された際、発射バー(14)はハンドル部分(20)に対して遠位方向に前進する。図7Bに示すように、発射バー(14)の切断エッジ(48)は遠位方向に前進して、組織(90)とカム作動部材(142、182)とを発射バー(14)に対して外方向に同時に切断する。その結果、ステープルドライバ(140、180)は、そのステープルドライバ(140、180)が上部デッキ及び下部デッキ(124、164)に対して実質的に垂直となるように、作動部材(142、182)及び壁(134、174)によって枢動される。また図7Bに示すように、発射バー(14)は、発射バー(14)の上端及び下端において一対のフランジを含み、そのフランジは、下部つかみ具及び上部つかみ具(102、110)の外側チャネルに沿って摺動する。当業者に明らかとなるように、これらのフランジは、発射バー(14)が遠位方向に作動されたときに、協働して下部つかみ具及び上部つかみ具(102、110)を互いに圧迫して、組織(90)を下部つかみ具及び上部つかみ具(102、110)の間に更に固定する。
【0030】
ステープルドライバ(140、180)が実質的に垂直に配向されている状態で、図7Cに示すように、下部楔形スレッド(192)及び上部楔形スレッド(196)がそれぞれ、下部カートリッジ(120)及び上部カートリッジ(160)を通して遠位方向に前進される。この例の下部楔形スレッド(192)は、基部部材(195)に連結された4つの斜面部材(194)を含む。斜面部材(194)は、ステープルドライバ(140)を上部デッキ(124)に対して垂直方向にカム動作させるように構成されている。勿論、ステープル開口部(130)と同様、下部楔形スレッド(192)は、4つ未満の又は4つを超える斜面部材(194)を有してもよい。この例の上部楔形スレッド(196)は、基部部材(199)に連結された2つの斜面部材(198)を含む。斜面部材(198)は、ステープルドライバ(180)を下部デッキ(164)に対して垂直方向にカム動作させるように構成されている。勿論、ステープル開口部(170)と同様、上部楔形スレッド(196)は、2つ未満の又は2つを超える斜面部材(198)を有してもよい。下部楔形スレッド(192)が遠位方向に前進された際、ステープルドライバ(140)が支持するステープル(190)が下部カートリッジ(120)のステープル開口部(130)の外へ駆動されるように、ステープルドライバ(140)が垂直方向にカム動作される。ステープル(190)は組織(90)を貫通し、上部カートリッジ(160)の下部デッキ(164)内に形成されたステープル形成ポケット(168)に係合する。それにより、ステープル(190)は屈曲し、組織(90)をステープル留めする。同様に、上部楔形スレッド(196)が遠位方向に前進された際、ステープルドライバ(180)が支持するステープル(190)が上部カートリッジ(160)のステープル開口部(170)の外へ駆動されるように、ステープルドライバ(180)が垂直方向にカム動作される。ステープル(190)は組織(90)を貫通し、下部カートリッジ(120)の上部デッキ(124)内に形成されたステープル形成ポケット(128)に係合する。それにより、ステープル(190)は屈曲し、組織(90)をステープル留めする。図7Cに示すように、対向して配置されたステープル(190)は、下部カートリッジ及び上部カートリッジ(120、160)を有する本エンドエフェクタ(100)を使用して、組織(90)を通してステープル留めされる。次いで、ユーザーは、発射トリガー(28)及び閉鎖トリガー(26)を解放して、ステープル留めされた組織(90)を解放し得る。次いで、ユーザーは下部カートリッジ及び上部カートリッジ(120、160)を新しい下部カートリッジ及び上部カートリッジ(120、160)と交換して、新たな組織(90)区分をステープル留めし得る。
【0031】
勿論、エンドエフェクタ(100)、下部カートリッジ(120)及び/又は上部カートリッジ(160)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。例えば、いくつかの型では、下部カートリッジ(120)及び/又は上部カートリッジ(160)にバットレス材料(図示せず)が連結されてもよい。バットレス材料を有する下部カートリッジ(120)及び/又は上部カートリッジ(160)に関する単なる例示的な構成は、「Surgical Instrument and Buttress Materialと題された2011年9月15日出願の米国特許出願第13/233,664号、「Surgical Staple Cartridge with Self−Dispensing Staple Buttress」と題された2011年9月13日出願の米国特許出願第13/231,064号、「Surgical Instrument with Fluid Fillable Buttress」と題された2011年9月14日出願の米国特許出願第13/232,401号、及び「Attachment of Surgical Staple Buttress to Cartridge」と題された_______出願の米国特許出願第[代理人整理番号 END6986USNP.0585747]に開示されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
加えて、又は代替的ないくつかの型では、付属材料(例えば接着剤、治療薬など)が下部カートリッジ及び/又は上部カートリッジ(120、160)を介して組織(90)に適用されてもよい。下部カートリッジ及び/又は上部カートリッジ(120、160)に組み込まれ得る単なる例示的な付属留置メカニズムは、「Device for Applying Adjunct in Endoscopic Procedure」と題された2011年8月10日出願の米国特許出願第13/206,752号、「Surgical Staple with Localized Adjunct Coating」と題された2011年8月10日出願の米国特許出願第13/206,725号、「Fibrin Pad Matrix with Suspended Heat Activated Beads of Adhesive」と題された2011年9月15日出願の米国特許出願第13/233,633号、「Surgical Instrument with Filled Staple」と題された2011年9月15日出願の米国特許出願第13/233,646号、「Resistive Heated Surgical Staple Cartridge with Phase Change Sealant」と題された2011年9月13日出願の米国特許出願第13/230,994号、「Adjunct Therapy Device Having Driver with Cavity for Hemostatic Agent」と題された2011年8月1日出願の米国特許出願第13/195,170号、「Adjunct Therapy Device for Applying Hemostatic Agent」と題された2011年9月22日出願の米国特許出願第13/240,141号、「Surgical Stapling Device with Adjunct Material Application Feature」と題された2011年9月23日出願の米国特許出願第13/242,164号、及び「Surgical Staple Assembly with Hemostatic Feature」と題された2011年9月22日出願の米国特許出願第13/240,074号に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
また、本明細書に記載したエンドエフェクタ(100)は、下部楔形スレッド及び上部楔形スレッド(192、196)に先だって発射バー(14)を遠位方向に前進させたが、下部楔形スレッド及び上部楔形スレッド(192、196)は、発射バー(14)及び/又は切断エッジ(48)に先行してもよいことを理解するべきである。例えば、下部楔形スレッド及び上部楔形スレッド(192、196)は中心部材(図示せず)を含んでもよく、この中心部材は、作動部材(142、182)を中心部材に対して外方向にカム動作させる。したがって、下部楔形スレッド及び上部楔形スレッド(192、196)は両方とも、ステープルドライバ(140、180)を垂直方向に配向させることができ、斜面部材(194、198)を介してステープルドライバ(140、180)を垂直方向にカム動作させ得る。このように、組織(90)は、最初に、切断エッジ(48)による切断に先立ってステープル留めされ得る。また別の型では、下部楔形スレッド及び上部楔形スレッド(192、196)は、組織(90)の切断とステープル留めとが実質的に同時に行われるように、切断エッジ(48)と実質的に長手方向に整合されてもよい。エンドエフェクタ(100)、下部カートリッジ(120)及び/又は上部カートリッジ(160)に関する更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0034】
B.例示的な型打ち二重ステープルカートリッジ
図8A〜8Bは、下部カートリッジ(220)及び上部カートリッジ(260)を受容するように構成された例示的な代替的エンドエフェクタ(200)を示す。器具(10)は、エンドエフェクタ(200)を組み込むように容易に変更できることを理解するべきである。この例では、エンドエフェクタ(200)は、下部つかみ具(202)及び枢動可能な上部つかみ具(210)を含む。エンドエフェクタ(200)は、上述したハンドル部分(20)に連結されている。詳細には、医師は、閉鎖トリガー(26)をピストル把持部(24)に向かって枢動的に引くことにより、エンドエフェクタ(200)の下部つかみ具(202)に向かって上部つかみ具(210)のクランプ又は閉鎖を引き起こすことができる。この例では、下部つかみ具(202)は、下部カートリッジ(220)を受容するように構成された下部凹部(204)を画定する。下部つかみ具(202)は、下部カートリッジ(220)が下部つかみ具(202)に選択的に連結可能であるように、下部カートリッジ(220)の弾性下部リップ(228)を受容するように構成されているリム(206)を更に含む。加えて又は代替的に、下部つかみ具(202)は、開放遠位端及び長手方向のレール(図示せず)を含んでもよく、この長手方向のレールの上又は下を下部カートリッジ(220)が摺動し得る。下部つかみ具(202)及び/又は下部カートリッジ(220)は、その遠位端に戻り止め又はスナップ式機構を含んで、下部カートリッジ(220)が長手方向のレールに沿って近位方向に摺動された際に、下部カートリッジ(220)を下部つかみ具(202)に選択的に連結し得る。また更に、下部つかみ具(202)は、図7A〜7Cに示した戻り止め(106)と同様の戻り止め(図示せず)を有してもよい。勿論、下部カートリッジ(220)を下部つかみ具(202)に挿入及び連結するための他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0035】
上部つかみ具(210)は、上部カートリッジ(260)を受容するように構成された上部凹部(212)を画定する。上部つかみ具(210)は、上部カートリッジ(220)が上部つかみ具(210)に選択的に連結可能であるように、上部カートリッジ(220)の弾性上部リップ(268)を受容するように構成されているリム(214)を更に含む。加えて又は代替的に、上部つかみ具(210)は、開放遠位端及び長手方向のレール(図示せず)を含んでもよく、この長手方向のレールの上又は上方を上部カートリッジ(260)が摺動し得る。上部つかみ具(210)及び/又は上部カートリッジ(260)は、その遠位端に戻り止め又はスナップ式機構を含んで、上部カートリッジ(260)が長手方向のレールに沿って近位方向に摺動された際に、上部カートリッジ(260)を上部つかみ具(210)に選択的に連結し得る。また更に、上部つかみ具(210)は、図7A〜7Cに示した戻り止め(114)と同様の戻り止め(図示せず)を有してもよい。勿論、上部カートリッジ(260)を上部つかみ具(210)に挿入及び連結するための他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0036】
この例の下部カートリッジ(220)は、カートリッジ本体(222)、上部デッキ(224)、複数の内側ステープル開口部(240)、複数の外側ステープル開口部(244)、複数のステープルドライバ(250)、垂直スロット(226)、及び弾性下部リップ(228)を含む。下部カートリッジ(220)は更に、本明細書に記載したカートリッジ(37、120、160、260)の教示の少なくともいくつかに従って構成されてもよい。この例では、弾性下部リップ(228)は、締まりばめによって下部カートリッジ(220)を下部つかみ具(202)に選択的に連結するように動作可能である。図8Aに示すように、上部デッキ(224)は、下部カートリッジ(220)の長手方向軸線に沿って形成された垂直スロット(226)と、上部デッキ(224)内に形成された4つのステープル開口部(240、244)、即ち、垂直スロット(226)の各側に形成された外側ステープル開口部(244)及び内側ステープル開口部(240)とを含む。4つのステープル開口部(240、244)は、下部カートリッジ(220)に沿って長手方向に延びるステープル開口部(240、244)の、4つの列の一部であることを理解するべきである。更に、ステープル開口部(240、244)の任意の数の列を上部デッキ(224)内に形成してもよく、ステープル開口部(240、244)の4つの列は、単なる例示である。また更に、ステープル開口部(240、244)は、垂直スロット(226)の周囲にて他の構成で配置されてもよい。例えば、ステープル開口部(240、244)は、垂直スロット(226)の周囲に対称的に配置されてもよく、又は垂直スロット(226)の周囲に非対称的に配置されてもよい。例のみとして、湾曲したエンドエフェクタ(200)の場合、垂直スロット(226)の片側に単一の外側ステープル開口部(244)及び2つの内側ステープル開口部(240)が配置されてもよく、かつ反対側に単一の外側ステープル開口部(244)が配置されてもよい。
【0037】
この例では、内側ステープル開口部(240)は、実質的に垂直方向の凹部(242)と連絡し、凹部(242)は内部にステープルドライバ(250)を有する。外側ステープル開口部(244)は、上部デッキ(224)に対して角度をなして形成された角度付け凹部(246)と連絡し、角度付け凹部(246)も内部にステープルドライバ(250)を有する。角度付け凹部(246)の角度は、0度〜90度(上限及び下限を含む)であってもよい。図示した例では、角度付け凹部(246)はおよそ15度の角度で配置されているが、これは単なる例示である。ステープル(290)の傾斜によって、より長いステープル(290)を下部カートリッジ(220)内に収容し得ることを理解するべきである。換言すれば、下部カートリッジ(220)は、エンドエフェクタ(200)の外径を増大させる必要なく、カートリッジ(37)と比較してより長いステープル(290)を収容することができる。また、下部つかみ具(202)及び上部つかみ具(210)は、下部カートリッジ(220)のサイズの低減により、下部つかみ具(202)と上部つかみ具(210)との間により多量の組織(90)及び/又はバットレス材料(図示せず)を可能とするサイズを有することができる。
【0038】
この例の上部デッキ(224)は複数の型打ち凹部(230)を更に含み、型打ち凹部(230)は、内部にステープル形成ポケット(232)が形成されている。ステープル形成ポケット(232)は、以下により詳細に記載するように、上部カートリッジ(260)のステープルドライバ(286)を介してカム動作されたステープル(290)の部分を受容し、その部分を屈曲させるように構成されている。この例では、型打ち凹部(230)は、上部カートリッジ(260)の垂直方向のステープル開口部(280)及び凹部(282)に対応する、実質的に垂直方向の凹部であるが、これは単なる選択肢である。実際、いくつかの型では、型打ち凹部(230)は、以下に記載する外側型打ち凹部(272)と同様の構成で、上部デッキ(224)に対して角度付けされてもよい。勿論、型打ち凹部(230)に関する他の構成及び配向が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。垂直スロット(226)は、その垂直スロット(226)を通して発射バー(14)が作動可能なように、上部デッキ(224)及びカートリッジ本体(222)を通して長手方向に延びる。いくつかの型では、垂直スロット(226)は長手方向に真っ直ぐなスロットであるが、他の型では、垂直スロット(226)は、湾曲したエンドエフェクタ(200)用に、長手方向軸線に沿って湾曲されていてもよい。
【0039】
この例のステープルドライバ(250)は、カートリッジ本体(222)内に配置され、下部カートリッジ(220)内で垂直方向に可動な部材である。いくつかの型では、ステープルドライバ(250)は、以下に記載する下部楔形スレッド(292)がステープルドライバ(250)に係合するまで、ステープルドライバ(250)がカートリッジ本体(222)に対して不注意に作動することを防止するように、凹部(242、246)内に選択的に連結されている。例えば、ステープルドライバ(250)はカートリッジ本体(222)に接着剤で取り付けられてもよい。他の型では、ステープルドライバ(250)はそれぞれ、締まりばめ又は戻り止め嵌合が形成されるように、カートリッジ本体(222)内に形成されたスロット(図示せず)内に挿入可能なタブ(図示せず)を含んでもよい。したがって、ステープルドライバ(250)は、ユーザーがエンドエフェクタ(200)を回転又は反転させた場合でも、カートリッジ本体(222)に対して選択的に固定されている。勿論、他の選択的に連結可能な構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0040】
この例では、複数のステープル(290)もカートリッジ本体(222)内に配置され、対応するステープルドライバ(250)の上に配置されている。詳細には、各ステープル(290)は、対応するステープルドライバ(250)によってカートリッジ本体(222)内で垂直方向に駆動されて、関連付けられたステープル開口部(240、244)を通してステープル(290)を外へと駆動する。いくつかの型では、ステープル(290)は、以下に記載する下部楔形スレッド(292)がステープルドライバ(250)に係合してステープル(290)をステープル開口部(240、244)の外へ放出するまで、ステープル(290)がステープルドライバ(250)に対して不注意に作動することを防止するように、ステープルドライバ(250)に選択的に連結されている。例えば、ステープル(290)は、ステープルドライバ(250)に接着剤で取り付けられてもよい。他の型では、ステープル(290)はそれぞれ、締まりばめが形成されるように、ステープルドライバ(250)内に形成されたスロット(図示せず)内に挿入可能なタブ(図示せず)を含んでもよい。また更に、ステープルドライバ(250)上にスナップ式機構が含まれて、留置までステープル(290)をステープルドライバ(250)に維持してもよい。いくつかの型では、ステープルドライバ(250)はリリースタブ(図示せず)を含んでもよく、このリリースタブは、カートリッジ本体(222)上のタブ(図示せず)に係合して、ステープルドライバ(250)が垂直方向に作動されたときにステープル(290)を解放する。カートリッジ本体(222)上のそのようなタブは、ステープルドライバ(250)がその垂直方向の作動ピークにあるときのみにステープル(290)が解放されるように、上部デッキ(224)に、又は上部デッキ(224)の付近に存在してもよい。したがって、ステープル(290)は、ユーザーがエンドエフェクタ(200)を回転又は反転させた場合でも、ステープルドライバ(250)に対して選択的に固定されている。ステープル(290)は、ステープルドライバ(250)に固定されていることに加えて、又はその代わりに、例えば締まりばめ及び/又は別様の貫通摩擦によってカートリッジ本体(222)に選択的に固定されてもよい。
【0041】
この例の上部カートリッジ(260)は、カートリッジ本体(262)、下部デッキ(264)、複数の上部ステープル開口部(280)、複数のステープルドライバ(286)、垂直スロット(266)、及び弾性上部リップ(268)を含む。上部カートリッジ(260)は更に、本明細書に記載したカートリッジ(37、120、160、220)の教示の少なくともいくつかに従って構成されてもよい。この例では、弾性上部リップ(268)は、締まりばめによって上部カートリッジ(260)を上部つかみ具(210)に選択的に連結するように動作可能である。図8Aに示すように、下部デッキ(264)は、上部カートリッジ(260)の長手方向軸線に沿って形成された垂直スロット(266)と、垂直スロット(266)の各側に形成された2つの上部ステープル開口部(280)とを含む。2つのステープル開口部(280)は、上部カートリッジ(260)に沿って長手方向に延びるステープル開口部(280)の、2つの列の一部であるが、任意の数のステープル開口部(280)を下部デッキ(264)内に形成してもよく、2つのステープル開口部(280)は単なる例示であることを理解するべきである。また更に、ステープル開口部(280)は、垂直スロット(266)の周囲にて様々な構成で配置されてもよい。例えば、湾曲したエンドエフェクタ(200)用に、両方のステープル開口部(280)を垂直スロット(266)の片側に配置してもよい。この例では、上部ステープル開口部(280)は実質的に垂直方向の凹部(282)と連絡し、凹部(282)は内部にステープルドライバ(286)を有する。勿論、代替的に、凹部(282)及びステープル開口部(280)は、上述した外側ステープル開口部(244)及び/又は角度付け凹部(246)に従って構成されてもよい。
【0042】
この例の下部デッキ(264)は複数の型打ち凹部(270、272)を更に含み、型打ち凹部(270、272)は、内部にステープル形成ポケット(278)が形成されている。ステープル形成ポケット(278)は、上述したように、下部カートリッジ(220)のステープルドライバ(250)を介してカム動作されたステープル(290)の部分を受容し、その部分を屈曲させるように構成されている。この例では、下部デッキ(264)は、一対の内側型打ち凹部(270)と、一対の外側又は「圧印された(coined)」型打ち凹部(272)とを含む。内側型打ち凹部(270)は、下部カートリッジ(220)の内側ステープル開口部(240)及び凹部(242)に対応する、実質的に垂直方向の凹部を含むが、これは単なる選択肢である。外側型打ち凹部(272)は、下部カートリッジ(220)の外側ステープル開口部(244)及び角度付け凹部(246)に対応する角度付け凹部を含む。勿論、型打ち凹部(270、272)に関する他の構成及び配向が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。垂直スロット(266)は、その垂直スロット(266)を通して発射バー(14)が作動可能なように、下部デッキ(264)及びカートリッジ本体(262)を通して長手方向に延びる。いくつかの型では、垂直スロット(266)は長手方向に真っ直ぐなスロットであるが、他の型では、垂直スロット(266)は、湾曲したエンドエフェクタ(200)用に、長手方向軸線に沿って湾曲されていてもよい。
【0043】
この例のステープルドライバ(286)は、カートリッジ本体(262)内に配置され、上部カートリッジ(260)内で垂直方向に可動な部材である。いくつかの型では、ステープルドライバ(286)は、以下に記載する上部楔形スレッド(296)がステープルドライバ(286)に係合するまで、ステープルドライバ(286)がカートリッジ本体(262)に対して不注意に作動することを防止するように、垂直凹部(282)内に選択的に連結されている。例えば、ステープルドライバ(286)はカートリッジ本体(262)に接着剤で取り付けられてもよい。他の型では、ステープルドライバ(286)はそれぞれ、締まりばめが形成されるように、カートリッジ本体(262)内に形成されたスロット(図示せず)内に挿入可能なタブ(図示せず)を含んでもよい。したがって、ステープルドライバ(286)は、ユーザーがエンドエフェクタ(200)を回転又は反転させた場合でも、カートリッジ本体(262)に対して選択的に固定されている。勿論、他の選択的に連結可能な構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0044】
この例では、図8Aに示すように、複数のステープル(290)もカートリッジ本体(262)内に配置され、対応するステープルドライバ(286)の下に配置されている。詳細には、各ステープル(290)は、対応するステープルドライバ(286)によってカートリッジ本体(262)内で垂直方向に駆動されて、関連付けられたステープル開口部(280)を通してステープル(290)を外へと駆動する。いくつかの型では、ステープル(290)は、以下に記載する上部楔形スレッド(296)がステープルドライバ(286)に係合してステープル(290)をステープル開口部(280)の外へ放出するまで、ステープル(290)がステープルドライバ(286)に対して不注意に作動することを防止するように、ステープルドライバ(286)に選択的に連結されている。例えば、ステープル(290)は、ステープルドライバ(286)に接着剤で取り付けられてもよい。他の型では、ステープル(290)はそれぞれ、締まりばめが形成されるように、ステープルドライバ(286)内に形成されたスロット(図示せず)内に挿入可能なタブ(図示せず)を含んでもよい。また更に、ステープルドライバ(286)上にスナップ式機構が含まれて、留置までステープル(290)をステープルドライバ(286)に維持してもよい。いくつかの型では、ステープルドライバ(286)はリリースタブ(図示せず)を含んでもよく、このリリースタブは、カートリッジ本体(262)上のタブ(図示せず)に係合して、ステープルドライバ(286)が作動されたときにステープル(290)を解放する。カートリッジ本体(262)上のそのようなタブは、ステープルドライバ(286)がその作動移動の最終点にあるときのみにステープル(290)が解放されるように、下部デッキ(264)に、又は下部デッキ(264)の付近に存在してもよい。したがって、ステープル(290)は、ステープル(290)が重力を原因としてステープルドライバ(286)から係合解除されないように、ステープルドライバ(286)に対して選択的に固定されている。ステープル(290)は、ステープルドライバ(286)に固定されていることに加えて、又はその代わりに、例えば締まりばめ及び/又は別様の貫通摩擦によってカートリッジ本体(262)に選択的に固定されてもよい。
【0045】
図8A〜8Bは、ステープル(290)を組織(90)内に展開するための、下部カートリッジ及び上部カートリッジ(220、260)を通しての発射バー(14)の発射を示す。図8Aに示すように、閉鎖トリガー(26)が作動された後、組織(90)は下部つかみ具(202)と上部つかみ具(210)との間に固定されている。この初期位置では、ステープルドライバ(250、286)は下部楔形スレッド又は上部楔形スレッド(292、296)によって係合されていない。前述したように、図1〜5に示したように、枠(34)は、シャフト(23)を通して延びる発射駆動部材を長手方向に摺動的に支持し、発射トリガー(28)からの発射運動を発射バー(14)に伝える。発射トリガー(28)がユーザーによって作動された際、発射バー(14)はハンドル部分(20)に対して遠位方向に前進する。発射バー(14)が遠位方向に前進されたとき、上述した押しブロック(80)のような一対の押しブロック(図示せず)が、発射バー(14)が上部カートリッジ及び下部カートリッジ(220、260)を通して遠位方向に前進されるにつれて楔形スレッド(292、296)が押しブロックによって遠位方向に押されるように、それぞれ対応する楔形スレッド(292、296)に係合する。楔形スレッド(292、296)が遠位方向に作動されたとき、各楔形スレッド(292、296)は、1組の対応するステープルドライバ(250、286)に係合して、ステープルドライバ(250)を上方向にカム動作させ、ステープルドライバ(286)を下方向にカム動作させる。次に、ステープルドライバ(250、286)は、ステープル(290)を対応するステープル開口部(240、244、280)を通し、組織(90)を通して外へと駆動して、対応する型打ち凹部(230、270、272)内のそれぞれのステープル形成ポケット(232、278)との接触を形成する。この例では、下部楔形スレッド(292)は、ステープルドライバ(250)を上部デッキ(224)に向かってカム動作させるように構成された4つの斜面部材(294)(2つの垂直方向の内側斜面部材(294)及び2つの角度付けされた外側斜面部材(294))を含む。上部楔形スレッド(296)は、ステープルドライバ(286)を下部デッキ(264)に向かってカム動作させるように構成された2つの斜面部材(298)を含む。勿論、下部楔形スレッド(292)及び/又は上部楔形スレッド(296)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0046】
図8Bに示すように、楔形スレッド(292、296)が遠位方向に前進されたとき、発射バー(14)の切断エッジ(48)も遠位方向に前進する。いくつかの型では、楔形スレッド(292、296)がステープルドライバ(250、286)に係合し、そのステープルドライバ(250、286)をカム動作させるときに、切断エッジ(48)が同時に組織(90)を切断するが、これは単なる選択肢である。実際、切断エッジ(48)は、ステープルドライバ(250、286)のカム動作に先立って、又はステープルドライバ(250、286)のカム動作後に、組織(90)を切断するように構成されてもよい。また図8Bに示すように、発射バー(14)は、発射バー(14)の上端及び下端において一対のフランジを含み、そのフランジは、下部つかみ具及び上部つかみ具(202、210)の外側チャネルに沿って摺動する。当業者に明らかとなるように、これらのフランジは、発射バー(14)が遠位方向に作動されたときに、協働して下部つかみ具及び上部つかみ具(202、210)を互いに圧迫して、組織(90)を下部つかみ具及び上部つかみ具(202、210)の間に更に固定する。
【0047】
下部楔形スレッド(292)が遠位方向に前進された際、ステープルドライバ(250)が駆動するステープル(290)が下部カートリッジ(220)のステープル開口部(240、244)の外へ延伸されるように、ステープルドライバ(250)がカム動作される。ステープル(290)は組織(90)を貫通し、型打ち凹部(270、272)に進入して、上部カートリッジ(260)の下部デッキ(264)内に形成されたステープル形成ポケット(278)に係合する。それにより、ステープル(290)は屈曲し、組織(90)をステープル留めする。同様に、上部楔形スレッド(296)が遠位方向に前進された際、ステープルドライバ(286)が駆動するステープル(290)が上部カートリッジ(260)のステープル開口部(280)の外へ延伸されるように、ステープルドライバ(286)がカム動作される。ステープル(290)は組織(90)を貫通し、型打ち凹部(230)に進入して、下部カートリッジ(220)の上部デッキ(224)内に形成されたステープル形成ポケット(232)に係合する。それにより、ステープル(290)は屈曲し、組織(90)をステープル留めする。図8Bに示すように、対向して配置されたステープル(290)は、下部カートリッジ及び上部カートリッジ(220、260)を有する本エンドエフェクタ(200)を使用して、組織(90)を通してステープル留めされる。次いで、ユーザーは、発射トリガー(28)及び閉鎖トリガー(26)を解放して、ステープル留めされた組織(90)を解放し得る。次いで、ユーザーは下部カートリッジ及び上部カートリッジ(220、260)を新しい下部カートリッジ及び上部カートリッジ(220、260)と交換して、新たな組織(90)区分をステープル留めし得る。
【0048】
勿論、エンドエフェクタ(200)、下部カートリッジ(220)及び/又は上部カートリッジ(260)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。例えば、いくつかの型では、下部カートリッジ(220)及び/又は上部カートリッジ(260)にバットレス材料(図示せず)が連結されてもよい。バットレス材料を有する下部カートリッジ(220)及び/又は上部カートリッジ(260)に関する単なる例示的な構成は、本明細書に引用され、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献に記載されている。加えて、又は代替的ないくつかの型では、付属材料(例えば接着剤、治療薬など)が下部及び/又は上部カートリッジ(220、260)を介して組織(90)に適用されてもよい。下部及び/又は上部カートリッジ(220、260)に組み込まれ得る単なる例示的な付属留置メカニズムは、本明細書に引用され、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献に記載されている。エンドエフェクタ(200)、下部カートリッジ(220)及び/又は上部カートリッジ(260)に関する更なる他の好適な構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。
【0049】
例示的な外科用器具の特定の構成が説明されているが、外科用器具を構成することができる様々な他の方法が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかとなるであろう。例のみとして、本明細書で参照された外科用器具は、米国特許第4,805,823号、同第5,415,334号、同第5,465,895号、同第5,597,107号、同第5,632,432号、同第5,673,840号、同第5,704,534号、同第5,814,055号、同第6,978,921号、同第7,000,818号、同第7,143,923号、同第7,303,108号、同第7,367,485号、同第7,380,695号、同第7,380,696号、同第7,404,508号、同第7,434,715号、及び同第7,721,930号の教示の少なくとも一部に従って組み立てられ得る。
【0050】
参照により本明細書に組み込むと称されているいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、その全体又は一部において、組み込んだ文献が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲で本明細書に組み込まれるものであることが認識されるべきである。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込んだ任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。参照により本明細書に組み込むと称されているが現行の定義、記載、又は本明細書に記載されている他の開示物と矛盾するいずれの事物、又はそれらの部分は、組み込まれた事物と現行の開示事物との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれるものとする。
【0051】
本発明の実施形態は、従来の内視鏡及び開腹外科用器具、並びにロボット支援手術における応用が可能である。例えば、当業者は、本明細書の様々な教示が、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された2004年8月31日公開の米国特許第6,783,524号の様々な教示と容易に組み合わせ得ることを理解するであろう。
【0052】
本明細書で開示される装置の実施形態は、少なくとも1回の使用の後に、再使用のために再調整することができる。再調整することは、装置を分解すること、それに続いて特定の部品を洗浄又は交換すること、及びその後の再組み立てすることの任意の組み合わせを含んでよい。詳細には、本明細書で開示される装置の実施形態は、分解することができ、本装置の、任意数の特定部片又は部品を、任意の組み合わせで、選択的に交換するか又は取り外すことができる。特定部品の洗浄及び/又は交換の際、本装置の実施形態は、その後の使用のために、再調整用の施設で、又は外科手術の直前に外科チームによって、再組み立てすることができる。装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることが、当業者には理解されよう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0053】
例のみとして、本明細書で説明した実施形態は、手術前に処理されてもよい。まず、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。器具は次いで、滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉鎖かつ密封された容器に器具を入れる。次いで、容器及び器具は、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次いで、滅菌された器具は、滅菌容器内で保管されてもよい。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、限定されるものではないが、β若しくはγ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含めて、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0054】
本発明の様々な実施形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そうした可能な改変例の幾つかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上で議論した例、実施形態、幾何学的図形、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の「特許請求の範囲」において考慮されるべきであり、本明細書及び図面において示し、説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0055】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)器具であって、
i.ハンドル部分と、
ii.前記ハンドル部分から近位方向に延びるエンドエフェクタであって、下部つかみ具及び上部つかみ具を含む、エンドエフェクタと、を含む、器具と、
(b)前記エンドエフェクタの前記下部つかみ具内に挿入可能な下部ステープルカートリッジであって、
i.上部デッキを有する第1のカートリッジ本体であって、前記上部デッキが、前記上部デッキ内に形成された第1の複数のステープル開口部を含む、第1のカートリッジ本体と、
ii.前記第1のカートリッジ本体に対して可動な第1の複数のステープルドライバと、
iii.前記第1の複数のステープルドライバと連絡する第1の複数のステープルであって、前記第1のカートリッジ本体に対して可動である、第1の複数のステープルと、を含む、下部ステープルカートリッジと、
(c)前記エンドエフェクタの前記上部つかみ具内に挿入可能な上部ステープルカートリッジであって、
i.下部デッキを有する第2のカートリッジ本体であって、前記下部デッキが、前記下部デッキ内に形成された第2の複数のステープル開口部を含む、第2のカートリッジ本体と、
ii.前記第2のカートリッジ本体に対して可動な第2の複数のステープルドライバと、
iii.前記第2の複数のステープルドライバと連絡する第2の複数のステープルであって、前記第2のカートリッジ本体に対して可動である、第2の複数のステープルと、を含む、上部ステープルカートリッジと、を備える、装置。
(2) 前記第1の複数のステープルドライバが、前記上部デッキに対してある角度をなして配置され、かつ前記上部デッキに対して非直交角度にある、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記第1の複数のステープルドライバのうちの少なくとも1つのステープルドライバが、作動部材に枢動可能に連結されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記作動部材が、前記少なくとも1つのステープルドライバを、前記少なくとも1つのステープルドライバが前記上部デッキに対して実質的に直交する位置へ枢動させるように動作可能である、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記器具が、長手方向に作動可能な発射バーを更に含み、前記発射バーが、前記作動部材を前記第1のカートリッジ本体に対して側方へ作動させるように動作可能である、実施態様4に記載の装置。
【0056】
(6) 前記上部デッキが垂直スロットを更に含み、前記垂直スロットが、前記上部デッキの一部分を通して長手方向に延び、かつ前記上部デッキの第1の側及び第2の側を画定する、実施態様1に記載の装置。
(7) 第1のステープルドライバが、前記上部デッキの前記第1の側の下に配置され、第2のステープルドライバが、前記上部デッキの前記第2の側の下に配置されている、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記第1のステープルドライバが、第1の作動部材に枢動可能に連結され、前記第2のステープルドライバが、第2の作動部材に枢動可能に連結されている、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記第1の作動部材が、前記第1のステープルドライバを、前記第1のステープルドライバが前記上部デッキに対して実質的に直交する位置へ枢動させるように動作可能であり、前記第2の作動部材が、前記第2のステープルドライバを、前記第2のステープルドライバが前記上部デッキに対して実質的に直交する位置へ枢動させるように動作可能である、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記上部ステープルカートリッジの前記下部デッキが複数のステープル形成ポケットを含み、前記第1の複数のステープルドライバが、前記第1の複数のステープルを作動させて前記複数のステープル形成ポケットと連絡させるように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
【0057】
(11) 前記下部ステープルカートリッジの前記上部デッキが1組のステープル形成ポケットを含み、前記第2の複数のステープルドライバが、前記第2の複数のステープルを作動させて前記複数のステープル形成ポケットと連絡させるように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記下部ステープルカートリッジが下部楔形スレッドを含み、前記下部楔形スレッドが、前記第1の複数のステープルドライバを前記第1のカートリッジ本体に対して駆動するように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記第2の複数のステープルドライバが、前記下部デッキに対してある角度をなして配置され、かつ前記下部デッキに対して非直交角度にある、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記器具が閉鎖トリガーを含み、前記閉鎖トリガーが、前記上部つかみ具を前記下部つかみ具に対して枢動させるように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記器具が発射トリガーを含み、前記発射トリガーが、前記第1の複数のステープルドライバ及び前記第2の複数のステープルドライバを作動させるように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
【0058】
(16) ステープルカートリッジであって、
(a)上部デッキを有するカートリッジ本体であって、前記上部デッキが、
i.前記上部デッキを通して形成された複数のステープル開口部と、
ii.前記カートリッジ本体の少なくとも一部を通して長手方向に延びる垂直スロットであって、前記カートリッジ本体の第1の側及び第2の側を画定する、垂直スロットと、を含む、カートリッジ本体と、
(b)前記カートリッジ本体の前記第1の側内に配置された第1のステープルドライバであって、前記上部デッキに対して可動である、第1のステープルドライバと、
(c)前記カートリッジ本体の前記第2の側内に配置された第2のステープルドライバであって、前記上部デッキに対して可動である、第2のステープルドライバと、
(d)前記第1のステープルドライバと連絡する第1のステープルと、
(e)前記第2のステープルドライバと連絡する第2のステープルと、を含み、
前記第1のステープルドライバが、前記上部デッキに対して正の斜角にあり、
前記第2のステープルドライバが、前記上部デッキに対して負の斜角にある、ステープルカートリッジ。
(17) 前記第1のステープルドライバが第1の作動部材と枢動可能に連結され、前記第2のステープルドライバが第2の作動部材と枢動可能に連結され、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材が、前記第1のステープルドライバ及び前記第2のステープルドライバを前記上部デッキに対して直交する位置へと枢動させるように動作可能である、実施態様16に記載のステープルカートリッジ。
(18) 前記カートリッジ本体内に配置された楔形スレッドを更に含み、前記楔形スレッドが、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材を作動させるように動作可能である、実施態様17に記載のステープルカートリッジ。
(19) 外科用ステープラーであって、
(a)ハンドル部分と、
(b)前記ハンドル部分から近位方向に延びるエンドエフェクタであって、下部つかみ具及び上部つかみ具を含む、エンドエフェクタと、
(c)前記エンドエフェクタの前記下部つかみ具内に挿入可能な下部ステープルカートリッジであって、
i.上部デッキを有する第1のカートリッジ本体であって、前記上部デッキが、前記上部デッキ内に形成された第1の複数のステープル開口部を含む、第1のカートリッジ本体と、
ii.前記第1のカートリッジ本体に対して可動な第1のステープルドライバであって、前記上部デッキに対して直交する、第1のステープルドライバと、
iii.前記第1のカートリッジ本体に対して可動な第2のステープルドライバであって、前記上部デッキに対して非直交角度をなして配置されている、第2のステープルドライバと、
iv.前記第1のステープルドライバと連絡する第1のステープルと、
v.前記第2のステープルドライバと連絡する第2のステープルと、を含む、下部ステープルカートリッジと、
(d)前記エンドエフェクタの前記上部つかみ具内に挿入可能な上部ステープルカートリッジであって、
i.下部デッキを有する第2のカートリッジ本体であって、前記下部デッキが、垂直方向の型打ち凹部及び角度付けされた型打ち凹部を含む、第2のカートリッジ本体と、
ii.前記第2のカートリッジ本体に対して可動な第2の複数のステープルドライバと、
iii.前記第2の複数のステープルドライバと連絡する第2の複数のステープルと、を含む、上部ステープルカートリッジと、を備える、外科用ステープラー。
(20) 前記第2のステープルドライバが、前記第2のステープルを前記角度付けされた型打ち凹部内へと作動させるように動作可能である、実施態様19に記載の外科用ステープラー。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B