特許第6117512号(P6117512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6117512エッジノード装置、リソース制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6117512
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】エッジノード装置、リソース制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/917 20130101AFI20170410BHJP
   H04L 12/46 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   H04L12/917
   H04L12/46 D
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-237291(P2012-237291)
(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公開番号】特開2014-87033(P2014-87033A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】新留 憲介
(72)【発明者】
【氏名】福田 一郎
(72)【発明者】
【氏名】上手 祐治
(72)【発明者】
【氏名】安藤 雅
(72)【発明者】
【氏名】中西 和也
(72)【発明者】
【氏名】増田 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】田中 陽介
【審査官】 速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−343199(JP,A)
【文献】 特表2010−505344(JP,A)
【文献】 特開2000−307610(JP,A)
【文献】 特開2000−324160(JP,A)
【文献】 特開2003−046563(JP,A)
【文献】 特開2007−312159(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0056291(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/917
H04L 12/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パスを設定することにより通信サービスを提供する通信ネットワークにおけるエッジノード装置であって、
ユーザ装置と接続するための非IPインタフェースであるUNIポートと、
前記UNIポートを始点または終点とするパスの設定を要求するパス設定要求があった場合に、前記UNIポートに関わるリソース情報を格納するリソース情報格納手段を参照し、前記パスを設定するための前記UNIポートに関わるリソースがあるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記パスを設定するための前記リソースが不足していると判定された場合に、前記パスの優先度と、既に設定されているパスの優先度とに基づいて、当該既に設定されているパスに対して使用されているリソースを、前記パス設定要求に係るパスのリソースとして使用するための制御を行う制御手段と、
前記通信ネットワークにおける中継網を介して対向エッジノード装置との間で前記UNIポートに対応付けられたIPアドレスを用いて制御プレーンにおけるシグナリングを行うことにより、前記UNIポートと対向エッジノード装置のUNIポートとの間のパスの制御を行うシグナリング制御手段と
を備えることを特徴とするエッジノード装置。
【請求項2】
前記シグナリング制御手段は、前記パス設定要求に係るパスの優先度を制御メッセージに含めてシグナリングを行うことを特徴とする請求項1に記載のエッジノード装置。
【請求項3】
前記パス設定要求に係るパスの優先度と前記既に設定されているパスの優先度とが同じである場合に、前記パス設定要求に係るパスの端点のUNIポートに対応付けられたIPアドレスと前記既に設定されているパスの端点のUNIポートに対応付けられたIPアドレスとを比較して優先度の高低を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のエッジノード装置。
【請求項4】
前記判定手段による判定の対象となるリソースは、前記エッジノード装置の処理能力、アクセス回線のリソース、使用できるUNIポートの有無を含むことを特徴とする請求項1ないしのうちいずれか1項に記載のエッジノード装置。
【請求項5】
パスを設定することにより通信サービスを提供する通信ネットワークにおけるエッジノード装置が実行するリソース制御方法であって、
前記エッジノード装置は、ユーザ装置と接続するための非IPインタフェースであるUNIポートを備え、
前記UNIポートを始点または終点とするパスの設定を要求するパス設定要求があった場合に、前記UNIポートに関わるリソース情報を格納するリソース情報格納手段を参照し、前記パスを設定するための前記UNIポートに関わるリソースがあるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、前記パスを設定するための前記リソースが不足していると判定された場合に、前記パスの優先度と、既に設定されているパスの優先度とに基づいて、当該既に設定されているパスに対して使用されているリソースを、前記パス設定要求に係るパスのリソースとして使用するための制御を行う制御ステップと、
前記通信ネットワークにおける中継網を介して対向エッジノード装置との間で前記UNIポートに対応付けられたIPアドレスを用いて制御プレーンにおけるシグナリングを行うことにより、前記UNIポートと対向エッジノード装置のUNIポートとの間のパスの制御を行うシグナリング制御ステップと
を備えることを特徴とするリソース制御方法。
【請求項6】
前記制御ステップにおいて、前記エッジノード装置は、前記パス設定要求に係るパスの優先度と前記既に設定されているパスの優先度とが同じである場合に、前記パス設定要求に係るパスの端点のUNIポートに対応付けられたIPアドレスと前記既に設定されているパスの端点のUNIポートに対応付けられたIPアドレスとを比較して優先度の高低を判定する
ことを特徴とする請求項5に記載のリソース制御方法。
【請求項7】
コンピュータの機能を含む通信装置を、請求項1ないしのうちいずれか1項に記載の前記エッジノード装置における各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークにおいてパスを設定してサービスを提供する技術に関連するものであり、特に、パス設定にあたってリソースが不足している場合に既設パスのリソースを利用するpreemption技術に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークにおいてパスを設定してサービスを提供する既存技術として、MPLS、GMPLS等がある。これらのパス設定機能は、例えばシグナリングプロトコルであるRSVP−TE等を利用して実現されている。
【0003】
RSVP-TE等のシグナリング技術においては、個々のパスにパスの優先度に関わる数値が付与され、優先度の高いパスが優先度の低いパスのリソースを奪い取るpreemption機能が設けられている。
【0004】
RSVP-TEの仕様ではパス設定の優先度情報として、holding priorityとsetup priorityという二つの値が設けられている。既に設定されているパスの保持するholding priorityより、新たに設定されるパスのsetup priorityが高い場合、リソースのpreemptionが発生し、元々設定されていたパスは削除され、setup priorityが高いパスが生成される。
【0005】
図1に、あるパスを新たに設定する場合に、既に設定されているパスのリソースのpreemptionを行って設定する場合の例を説明する。図1には、6つのノード1〜ノード6からなるネットワークが示されている。このネットワークは、全てのリンクで使用可能な帯域が1であるとする。そして、既にノード4−>ノード5−>ノード2−>ノード3の経路でパス1が、帯域1で設定されているものとする。また、このパス1の優先度は3であるものとする。なお、優先度は、数値が小さいほど大きい(優先する度合が高い)ものとする。
【0006】
このとき、図1に点線で示すように、優先度が2で、帯域が1のパス2を設定する要求が発生し、ノード1からノード2、3に向けてパス設定メッセージが送信されたものとする。ここで、1−>2の区間は、既に設定されているパスはないため、帯域を確保できる。2−>3の区間の帯域はパス1により全て使用されているが、既に設定されているパス1の優先度よりも、パス2の優先度のほうが高いため、2−>3の区間の帯域1を、パス1から削除して、その帯域1を、パス2に割り当て、パス2を設定する。このようにして、1−>2−>3のパス2が設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2008/044646
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来技術において、優先度設定の対象としているリソースは、Ingressノード(例:図1のパス2に対するノード1)からEgressノード(例:図1のパス2に対するノード3)までの各リンクの帯域のみである。EgressノードのUNIポートやUNIリソースに対する優先度設定は規格では対象外となっており、Egressの実装依存となっている。IngressのUNIポートやUNIリソースについても同様である。
【0009】
このように既存の制御セッションの優先度制御だけではエンド−エンド(UNI端点ポート)間の通信を完全に確保することができなかった。つまり UNIポートまで含めて優先制御することができなかった
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、両端のUNIポートを含むエンド−エンドで優先度に基づくリソースの制御を可能とした技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、パスを設定することにより通信サービスを提供する通信ネットワークにおけるエッジノード装置であって、
ユーザ装置と接続するための非IPインタフェースであるUNIポートと、
前記UNIポートを始点または終点とするパスの設定を要求するパス設定要求があった場合に、前記UNIポートに関わるリソース情報を格納するリソース情報格納手段を参照し、前記パスを設定するための前記UNIポートに関わるリソースがあるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記パスを設定するための前記リソースが不足していると判定された場合に、前記パスの優先度と、既に設定されているパスの優先度とに基づいて、当該既に設定されているパスに対して使用されているリソースを、前記パス設定要求に係るパスのリソースとして使用するための制御を行う制御手段と、
前記通信ネットワークにおける中継網を介して対向エッジノード装置との間で前記UNIポートに対応付けられたIPアドレスを用いて制御プレーンにおけるシグナリングを行うことにより、前記UNIポートと対向エッジノード装置のUNIポートとの間のパスの制御を行うシグナリング制御手段と
を備えることを特徴とするエッジノード装置として構成される。
【0011】
前記シグナリング制御手段は、前記パス設定要求に係るパスの優先度を制御メッセージに含めてシグナリングを行うこととしてもよい。
【0012】
また、前記パス設定要求に係るパスの優先度と前記既に設定されているパスの優先度とが同じである場合に、前記パス設定要求に係るパスの端点のUNIポートに対応付けられたIPアドレスと前記既に設定されているパスの端点のUNIポートに対応付けられたIPアドレスとを比較して優先度の高低を判定することができる。
【0013】
前記判定手段による判定の対象となるリソースは、例えば、前記エッジノード装置の処理能力、アクセス回線のリソース、使用できるUNIポートの有無を含む。また、前記UNIポートは、例えば、IPパケットヘッダのIPアドレスのルックアップによるIPルーティングはしない非IPインタフェースである。
【0014】
また、本発明は、前記エッジノード装置が実行するリソース制御方法、コンピュータの機能を含む通信装置を、前記エッジノード装置における各手段として機能させるためのプログラムとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通信ネットワークにおいてパスを設定してサービスを提供する際に、両端のUNIポートを含むエンド−エンドで優先度に基づくリソースの制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】パス設定におけるリソースのpreemptionを説明するための図である。
図2】本発明の実施の形態における概要を説明するための図である。
図3】本発明の実施の形態における動作例を説明するための図である。
図4】本発明の実施の形態における動作例を説明するための図である。
図5】実施例におけるシステム構成図である。
図6】実施例における各エッジ装置の構成図である。
図7】実施例におけるUNIアドレス格納部に格納される情報の例を示す図である。
図8】実施例におけるシステムの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
【0018】
(実施の形態の概要、動作例)
まず、本実施の形態の概要及び動作例を説明する。図2は、本実施の形態の概要を説明するためのシステム全体構成図である。図2に示すように、本実施の形態のシステムは、中継網30にエッジ装置10、20が接続される構成を有する。各エッジ装置の外側(中継網側でない側)には、ユーザ装置が接続され、各エッジ装置は、ユーザ装置とデータを送受信する。図2の例では、説明の便宜上、エッジ装置10が送信側であり、エッジ装置20が受信側であるものとする。
【0019】
また、図2の例では、エッジ装置10において、ユーザ装置からデータを受信するインタフェース(入力UNIポート)が3つあり、エッジ装置20において、ユーザ装置へデータを送出するインタフェース(出力UNIポートと呼ぶ)が3つあるものとする。
【0020】
本実施の形態では、エッジ装置10の中継網側の出力インタフェースからエッジ装置200の中継網側の入力インタフェースまでの各リンクでは、例えば、RSVT-TEに規定されているリソースのpreemptionの機能に基づいて、必要に応じてリソースpreemptionの動作が行われる。本実施の形態では、例えば、パス設定要求によるパス設定時にパス設定要求に含まれる優先度の値が、中継網側のパス設定の制御メッセージ(シグナリングメッセージ)における優先度の値(例:holding priority、setup priority)として用いられる。
【0021】
一方、各エッジ装置のUNIポート、UNIリソースに関して、以下で説明するようにリソースのpreemption動作がなされる。その動作の一例を図3図4を参照して説明する。
【0022】
<動作例1>
図3に示すように、入力UNIポートAと出力UNIポートDとの間に帯域2のパス1が既に設定され、入力UNIポートBと出力UNIポートEとの間に帯域3のパス2が設定されているものとする。パス1の優先度が3、パス2の優先度が2であるとする。そして、エッジ装置10において、例えばそのCPUやメモリにおける処理能力の都合上、収容できる最大のパスの帯域の合計が5であり、エッジ装置20においても収容できる最大のパスの帯域の合計が5であるものとする。
【0023】
ここで、入力ポートCから出力ポートFへのパス3(帯域2、優先度1)の設定要求が、エッジ装置10に対してなされたものとする。
【0024】
パス3の設定要求を受けたエッジ装置10は、パス1とパス2で既に帯域5に相当するリソースを消費しており、パス3を追加して設定できないと判断する。そこで、パス3の優先度1と、パス2の優先度2及びパス1の優先度3を比較して、優先度の最も低いパス1のリソースを奪ってパス3を設定すると判断し、パス1による帯域2の使用を中止し(例えば、パス1を削除する処理を行って、帯域2を解放する)、その帯域2相当のリソースをパス3のために空ける。
【0025】
そして、エッジ装置10は、パス3(入力UNIポートCを始点とし出力UNIポートFを終点とするパス)を設定するための制御メッセージ(優先度が1であることを示す情報を含む)をエッジ装置20側に送出することで、パス3の設定を行う。制御メッセージを受信したエッジ装置20においても、パス1とパス2で既に帯域5に相当するリソースを消費しており、パス3を追加で設定できないと判断する。そして、パス3の優先度1と、パス2の優先度2及びパス1の優先度3とを比較して、優先度の最も低いパス1のリソースを奪ってパス3を設定すると判断し、パス1によるリソースの使用を中止し、その帯域2相当のリソースをパス3に使用することとし、中継網側で設定されたパスと出力UNIポートを接続する設定を行う。このような処理によりパス3の設定が行われる。
【0026】
<動作例2>
動作例2を図4を参照して説明する。動作例2においても、動作例1の場合と同様のパス1,2が既に設定されているものとする。動作例2では、各エッジ装置の処理能力は追加のパスにも対応できるように十分にあるものとする。ただし、動作例2では、UNIポートとユーザ装置との間のアクセス回線の帯域に制限があり、上流側と下流側ともに帯域5に対応するリソースしかないものとする。例えば、複数のUNIポートに接続されるアクセス回線が物理的には1本の伝送路を経由し、収容できるUNIポート数(合計帯域)に限りがあるような場合である。
【0027】
ここで、入力ポートCから出力ポートFへのパス3(帯域2、優先度1)の設定要求が、エッジ装置10に対してなされたものとする。
【0028】
パス3の設定要求を受けたエッジ装置10は、パス1とパス2で既に帯域5に相当するリソースを消費しており、アクセス回線の帯域の制限から、パス3を追加で設定できないと判断する。そこで、パス3の優先度1と、パス2の優先度2及びパス1の優先度3とを比較して、優先度の最も低いパス1のリソースを奪ってパス3を設定すると判断し、パス1の使用を中止し、その帯域2相当のアクセス回線のリソースをパス3のために空ける。
【0029】
そして、エッジ装置10は、パス3(入力UNIポートCを始点とし出力UNIポートFを終点とするパス)を設定するための制御メッセージ(優先度が1であることを示す情報を含む)をエッジ装置20側に送出することで、パス3の設定を行う。制御メッセージを受信したエッジ装置20においても、パス1とパス2で既に帯域5に相当するリソースを消費しており、パス3を追加で設定できないと判断する。そして、パス3の優先度1と、パス2の優先度2及びパス1の優先度3とを比較して、優先度の最も低いパス1のリソースを奪ってパス3を設定すると判断し、パス1によるリソースの使用を中止し、その帯域2相当のアクセス回線のリソースをパス3に使用するものとして、中継網側で設定されたパスと出力UNIポートを接続する設定を行う。動作例2においても、このような処理によりパス3の設定が行われる。
【0030】
上記の動作例1,2における、エッジ装置の処理能力としてのリソースと、アクセス回線のリソースは、いずれもUNIポートに関わるリソース競合解決の例である。
【0031】
なお、上記の動作例1,2では、エッジ装置の処理能力としてのリソースと、アクセス回線のリソースに着目したが、UNIポート自体もリソースと見なしてpreemptionの対象とすることができる。例えば、入力UNIポートCが、あるパスのために使用されている状態で、入力UNIポートCを始点とする別のパスの設定要求があった場合に、既に設定されているパスの優先度と新たに設定するパスの優先度とを比較して、後者が高ければ(数値が小さければ)、前者のパスの使用を中止し、入力UNIポートCを後者のパスに使用することができる。また同様に、例えば出力ポートFについてもシグナリングを受信したタイミングや外部システムからパス設定命令を受信したタイミングでリソースのpreemptionができる。
【0032】
(実施例)
次に、上述した動作を実現するための具体的なシステム構成例、動作例を説明する。
【0033】
<システム構成例>
図5に、本実施例におけるシステム全体構成図を示す。本実施例のシステムは、図2に示した構成と同様に、中継網300にエッジ装置100、200が接続される構成を有する。各エッジ装置の外側(中継網側でない側)には、ユーザ装置が接続され、各エッジ装置は、ユーザ装置とデータを送受信する。図5の例でも、説明の便宜上、エッジ装置100が送信側であり、エッジ装置200が受信側であるものとする。また、各エッジ装置は、Ingressの機能とEgressの機能の両方を含むが、図5(及び後述する図6)では、説明を分かり易くするために、エッジ装置100についてはIngressの機能に着目し、エッジ装置200についてはEgressの機能に着目している。
【0034】
本実施例では、ユーザ装置が送受信するデータは、例えば、映像、Ethernet(登録商標)、ATM、SDH等の非IPトラヒックであり、エッジ装置100のユーザ装置に接続されるインタフェース(入力UNIポート)と、エッジ装置200のユーザ装置に接続されるインタフェース(出力UNIポート)は、非IPインタフェースである。より詳しくは、Ethernetポートや映像IF(HD-SDH, DVB-ASI)、SDH、ATMなど、IPパケットヘッダのIPアドレスのルックアップによるIPルーティングはしない非IPインタフェースである。なお、図5では、各エッジ装置のUNIポートが1つであるが、これは説明の便宜上のものであり、実際には複数のUNIポートが存在する。また、複数の受信側エッジ装置があり、パスがPoint-to-Multi-Pointのトポロジとなる場合もある。
【0035】
本実施例では、入力UNIポート、及び出力UNIポートの各々に、仮想的(論理的)にIPアドレスを割り当てる。このIPアドレスは、上位のアプリケーションソフトウェア(API上位)がEnd-End指定に使用できるIPアドレスであり、例えば各エッジ装置においてコンフィグ設定される。
【0036】
例えば、入力/出力UNIポートが、映像ポート(HD-SDI、DVB-ASI等)やEthernetポートであればポート単位にIPアドレスを付与し、DVB-ASIのPID/CC単位であればPID/CC単位にIPアドレスを付与し、Ethernet vlanであればvlan単位に、SDHであればタイムスロット単位にIPアドレスを付与する。このIPアドレスをUNIアドレスと呼ぶ場合がある。
【0037】
中継網300においては、データを転送するためのパスの生成・削除やマルチキャストトポロジ変更等にはシグナリングプロトコルを使用する。本発明においてシグナリングプロトコルは特定のものに限定されないが、本実施例ではMPLSのRSVP-TE (RFC3209、RFC3473、RFC4875)を使用することを想定している。他のプロトコル(LDP、PIM-SM、PIM-SSM、SIP等)も適用することは可能である。本実施例でのUNIアドレスの位置付けは、中継網側の装置の観点からは、エッジ装置に複数あるループバックIFアドレスの1つとして見える。
【0038】
中継網300におけるシグナリングの制御セッションでは、端点としてUNIアドレスを使用する。従来はエッジ装置のループバックIFアドレスを使用していたが、本実施例では上位アプリケーションがEnd-Endで指定するUNIポート(UNIリソース)をダイレクトに中継LSPとmapさせることができ、上位アプリケーションからUNIアドレスをEnd-End指定する時にネットワークにおけるパスの制御は抽象化して隠蔽することができる。
【0039】
つまり、図5に示すように、エッジ装置100では入力UNIポートに割り当てられたUNIアドレスを制御プレーンのシグナリングセッションのソースのIPアドレスとして用い、出力UNIポートに割り当てられたUNIアドレスを、制御プレーンのシグナリングセッションのデスティネーションのIPアドレスとして用いる。これらの端点間でシグナリングプロトコルに基づくメッセージ送受信を行うことで、リソースpreemptionの制御や、装置内の設定も合わせて行い、入力UNIポートと出力UNIポートとの間のデータ転送用のパスを構築する。なお、このパスは、エッジ装置100の入力UNIポートとエッジ装置100のシグナリング回線パス(LSP)端点のクロスコネクト、エッジ装置100のLSP端点とエッジ装置200のLSP端点のパス(LSP)、及び、エッジ装置200のLSP端点とエッジ装置200の出力UNIポート間のパス(クロスコネクト)からなる。上記各エッジ装置内でのパス(クロスコネクト)は、転送用テーブルにおける設定データとして実現される。
【0040】
UNIポート(非IPインタフェース)にコンフィグ設定したUNIアドレスは、あくまでも制御プレーンにおける通信の端点として使用されるものであり、データプレーン上のデータ転送においてIPヘッダをルックアップするIPルーティングを使用しない場合(例えばMPLSなどの場合)にはUNIアドレス(IPアドレス)はヘッダに不要である。もちろんソースをUNIアドレスとするIPマルチキャストによりIPパケットとして転送されることは可能であり、この場合はマルチキャストを実現するためのプロトコルがIPマルチキャスト(PIM-SM、 PIM-SSMなど)に限定される。RSVP-TEのシグナリングにUNIアドレスを使用してP2MP-LSPでマルチキャストトポロジを実現する場合には、データプレーン上のデータ転送にはIPアドレスは不要となる。なお、IPアドレスが存在しても構わない。
【0041】
上述したように、UNIアドレスは制御プレーンにおける通信の端点IPアドレスであるが、シグナリングプロトコル実行や保守の面から、中継網のコアスイッチやコアルータ、LSR (Label Switched Router)においてはIPルーティング可能であるものとしている。本実施例では、非IPインタフェースのUNIアドレスに対するPing、Traceroute、 LSP-Ping、LSP-Traceroute、BFD等が実行可能であり、OSPFやPCEに対して経路広告可能としている。これにより、ネットワークの運用性が非常に高まる。
【0042】
図6は、図5に示したシステムにおけるエッジ装置100、200の内部機能構成例を示した図である。
【0043】
図6に示すように、エッジ装置100は、入力UNIポート101、シグナリング制御部102、データ転送制御部103、データ転送用情報格納部104、UNIアドレス格納部105、リソース制御部106を有する。エッジ装置200は、出力UNIポート201、シグナリング制御部202、データ転送制御部203、データ転送用情報格納部204、UNIアドレス格納部205、リソース制御部206を有する。以下では、エッジ装置100、200において同様の機能部については、まとめて説明を行う。
【0044】
入力UNIポート101、出力UNIポート201は、前述したとおり、ユーザ装置と接続される非IPインタフェースである。
【0045】
データ転送用情報格納部104、204は、データプレーンにおけるデータ転送用情報が格納される機能部である。送信側のエッジ装置100のデータ転送制御部103は、データ転送用情報格納部104を参照することにより、入力UNIポート101から受信したデータを中継網のパスに送出し、受信側のエッジ装置200のデータ転送制御部203は、データ転送用情報格納部204を参照することにより、中継網のパスから受信したデータを、出力UNIポート201に転送する。
【0046】
UNIアドレス格納部105、205には、UNIポート毎に、割り当てられたIPアドレスが格納される。UNIアドレス格納部105、205に格納されるテーブル情報の例を図7に示す。
【0047】
図6に示すシグナリング制御部102、202は、制御プレーンにおけるシグナリング処理等を行う機能部であり、本実施例では、送信側のエッジ装置100のリソース制御部106が、設定するパスの端点間のUNIアドレス、帯域、及び優先度等を指定した指示(パス設定要求)を受け、当該指示がシグナリング制御部102に通知され、これらの情報に基づきシグナリングのための制御メッセージを生成して、パス設定/削除のためのシグナリングを開始する。ここでの指示は、リアルタイムでのパス設定指示の他、予約における予約実行等も含むものである。つまり、エッジ装置100が予約情報を受信すると、予約情報を保持し、予約情報に指定された時刻になったら、予約情報に対応するパス設定要求がリソース制御部106等に対して通知される。
【0048】
なお、優先度をパス設定要求に含めることは必須ではない。例えば、パスの種別毎の優先度を予めエッジ装置100の記憶手段に格納しておき、パス設定要求に係るパスの種別に対応する優先度を記憶手段から読み出して使用してもよい。
【0049】
シグナリング制御部102、202は、パス設定等の指示に含まれる端点のIPアドレス(入力UNIポートに対応するIPアドレスと出力UNIポートに対応するIPアドレス)を用いてシグナリングメッセージの送受信を行う。つまり、送信側エッジ装置100のシグナリング制御部102は、入力UNIポートに対応するIPアドレスをソース(接続元)のIPアドレスとして用いてシグナリングメッセージの送受信を行い、受信側エッジ装置200のシグナリング制御部202は、シグナリングメッセージのデスティネーション(接続先)のIPアドレスを出力UNIポートに対応させてシグナリングメッセージの送受信を行う。
【0050】
例えば、パス設定のシグナリングが完了して中継網300のパスが構築(各ノードでのラベルテーブルが設定されたこと)されると、送信側エッジ装置100のシグナリング制御部102は、シグナリングに使用したソース(接続元)のIPアドレスに基づきUNIアドレス格納部105を参照し、IPアドレスに対応する入力UNIポートを把握し、当該UNIポートとシグナリングにより設定した中継網のパスとを接続するためのデータ転送用情報をデータ転送用情報格納部104に格納する。また、受信側エッジ装置200のシグナリング制御部202は、シグナリングに使用したデスティネーション(接続先)のIPアドレスに基づきUNIアドレス格納部205を参照し、IPアドレスに対応する出力UNIポートを把握し、把握した出力UNIポートと中継網のパスを接続するためのデータ転送用情報をデータ転送用情報格納部204に格納する。
【0051】
シグナリング制御部102は、パス設定のための制御メッセージに、パス設定要求に含まれる優先度を例えばholding priority, setup priority等の値として含ませ、各リンクではこれらの値に基づいて、リソースの競合解決の制御がなされる。
【0052】
リソース制御部106、206は、図3図4を参照して説明したようなリソース制御を行う機能部である。
【0053】
エッジ装置100のリソース制御部106は、リソース情報格納部107を含む。リソース情報格納部107には、新規のパスを設定するためのリソースがあるかどうかを判定するために必要な情報が格納される。例えば、リソース情報格納部107には、各入力UNIポートが使用中か空きかを示す情報、設定されているパス(使用するUNIポート情報を含む)毎の優先度、エッジ装置100が使用できる最大のリソース量、現在エッジ装置100で使用中のリソース量(各パスで使用している量)、アクセス回線の使用状況を示す情報等が格納されている。リソース制御部106は、リソース情報格納部107に格納される情報を最新に保つための情報収集手段等の手段を持つものとする。
【0054】
エッジ装置200側のリソース制御部206は、リソース情報格納部207を含む。リソース情報格納部207にも、新規のパスを設定するためのリソースがあるかどうかを判定するために必要な情報が格納される。例えば、リソース情報格納部207には、各出力UNIポートが使用中か空きかを示す情報、設定されているパス(使用するUNIポート情報を含む)毎の優先度、エッジ装置200が使用できる最大のリソース量、現在エッジ装置200で使用中のリソース量(各パスで使用している量)、アクセス回線の使用状況を示す情報等が格納されている。リソース制御部206は、リソース情報格納部207に格納される情報を最新に保つための情報収集手段等の手段を持つものとする。
【0055】
リソース情報格納部107、207は、エッジ装置内に備えることは必須ではなく、例えば、外部にネットワークを介して備え、リソース制御部106、206はネットワーク経由でリソース情報格納部107、207(1つのデータベースサーバ等)を参照することとしてもよい。
【0056】
リソース制御部106、206はいずれも、UNIポートを始点または終点とするパスの設定を要求するパス設定要求があった場合に、前記UNIポートに関わるリソース情報を格納するリソース情報格納手段を参照し、前記パスを設定するための前記UNIポートに関わるリソースがあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記パスを設定するための前記リソースが不足していると判定された場合に、前記パスの優先度と、既に設定されているパスの優先度とに基づいて、当該既に設定されているパスに対して使用されているリソースを、前記パス設定要求に係るパスのリソースとして使用するための制御を行う制御手段とを備える機能部の例である。
【0057】
本実施例に係る各エッジ装置は、ルータ等のコンピュータの機能を持つ通信装置に、本実施例で説明する処理に対応するプログラムを実行させることにより実現可能である。当該プログラムは、可搬メモリ等の記憶媒体に格納して配布し、上記通信装置にインストールして用いてもよいし、ネットワーク上のサーバからダウンロードして上記通信装置にインストールしてもよい。また、本実施の形態で説明する処理をハードウェア回路として実現し、当該ハードウェア回路を通信装置に備えることとしてもよい。
【0058】
<動作例>
新規のパスの設定にあたり、上記各エッジ装置が実行するリソース制御に関わる処理について、図8のシーケンス図を参照して説明する。
【0059】
まず、エッジ装置100がパス設定要求を受信する(ステップ11)。本実施例では、パス設定要求には、入力UNIポートのIPアドレス、出力UNIポートのIPアドレス、パスの使用帯域、優先度が含まれるものとする。なお、パス設定要求には経路情報を含んでも、含まなくてもよい。経路情報を含まない場合、例えば、エッジ装置100が経路探索を行って、最適な経路を算出する。
【0060】
エッジ装置100において、パス設定要求はリソース制御部106に渡される。リソース制御部106は、UNIアドレス格納部105を参照し、パス設定要求に含まれるIPアドレスに対応する入力UNIポートを把握する。そして、リソース情報格納部107を参照して、要求されたパスを設定するためのリソースがあるかどうかを判定する(ステップ12)。ここでの判定は、例えば、要求されたパスが使用する入力UNIポートが空きかどうか、要求されたパスの帯域に対応できるエッジ装置100内のリソース(処理能力)があるかどうか、要求されたパスの入力UNIポートに対応するアクセス回線の空き帯域が十分にあるかどうか、等を判定することにより行う。リソースがあれば、ステップ14のパス設定処理に進む。
【0061】
リソースが不足している場合、既に設定されているパスの優先度と、要求に係る新規のパスの優先度とを比較し、優先度の低い(優先度の値が大きい)パスによるリソースの使用を中止し(リソースを解放し)、当該リソースを、設定しようとするパスに使用できるようにする(ステップ13)。本例のステップ13では、優先度の低いパスのリソース使用を中止し、新規のパスに割り当てることで、新規のパスのリソースを賄えることができるものとする。リソースをpreemptionして利用できる適切な優先度のパスがない場合や、リソースのpreemptionをしても新規のパスのリソースを賄えない場合は、例えば、エラーメッセージをパス設定要求元に返して処理を中止する。
【0062】
ステップ13の後、ステップ14に移り、パス設定処理が行われる。またリソースを解放するパスではパス削除が行われる。パス設定のシグナリングにおける制御メッセージには、パス設定要求に含まれていた優先度の値が例えばholding priority, setup priorityとして含まれ、中継側の各リンクでは従来と同様の技術により、必要に応じてリソースのpreemptionを行うことができる。
【0063】
パス設定のための制御メッセージを受信したエッジ装置200において、リソース制御部206に制御メッセージが渡される(ステップ21)。なお、この制御メッセージは、エッジ装置200が受信するパス設定要求の例である。リソース制御部206は、UNIアドレス格納部205を参照し、制御メッセージに含まれるIPアドレスに対応する出力UNIポートを把握する。そして、リソース情報格納部207を参照して、要求されたパスを設定するためのリソースがあるかどうかを判定する。ここでの判定は、例えば、要求されたパスが使用する出力UNIポートが空きかどうか、要求されたパスの帯域に対応できるエッジ装置200内のリソースがあるかどうか、要求されたパスの出力UNIポートに対応するアクセス回線の空き帯域が十分にあるかどうか、等を判定することにより行う。リソースがあれば、ステップ24のパス設定処理を行う。
【0064】
リソースが不足している場合、既に設定されているパスの優先度と、新規のパスの優先度とを比較し、優先度の低い(優先度の値が大きい)パスによるリソースの使用を中止し(リソースを解放し)、当該リソースを、設定しようとするパスに使用できるようにする(ステップ23)。ここでは、新規のパスを接続するために、中継側のパスと出力UNIポートとを接続する設定がなされる。本例のステップ23では、優先度の低いパスのリソース使用を中止し、新規のパスに割り当てることで、新規のパスのリソースを賄えることができるものとする。リソースをpreemptionして利用できる適切な優先度のパスがない場合や、リソースpreemptionをしても新規のパスのリソースを賄えない場合は、例えば、シグナリングの送信元に対してPathErrメッセージを送信し、パス設定要求元にエラーメッセージを返して処理を中止する。
【0065】
ステップ23の後、ステップ24に移り、パス設定処理が行われる。ここでは、例えば、応答メッセージ(Resv等)がエッジ装置100に返され、エッジ装置100で、新規のパスについて、中継側のパスと出力UNIポートとを接続する設定がなされる。
【0066】
なお、既に設定されているパスの優先度と新規のパスの優先度が同じである場合、リソースpreemptionを行わないこととしてもよいし、何らかの基準により、優先順位をつけてリソースpreemptionを行うこととしてもよい。例えば、既に設定されているパスの端点のUNIポートに割り当てられたIPアドレスと、新規のパスの端点(上記端点と同じ側の端点)のUNIポートに割り当てられたIPアドレスとを数値として比較し、値の大きいほう(もしくは小さいほう)を優先させるといった制御を行うことが可能である。
【0067】
また、リソースを奪われた優先度の低いパスは、リソースを奪った優先度が高いパスの通信終了後(例:パスが削除された後)に、自動的に再設定を行って、通信を再開するようにしてもよい。
【0068】
これまでに説明したように、本実施の形態によれば、UNIポート・UNIリソースと、中継区間の各リンクに対して制御セッションの優先度によりリソース割り当てを決定することが可能となり、UNIを含めたエンド〜エンドのLSPの通信を優先度に基づいて制御することが可能となる。
【0069】
以下、本明細書に開示される構成を列挙する。
(第1項)
パスを設定することにより通信サービスを提供する通信ネットワークにおけるエッジノード装置であって、
ユーザ装置と接続するためのUNIポートと、
前記UNIポートを始点または終点とするパスの設定を要求するパス設定要求があった場合に、前記UNIポートに関わるリソース情報を格納するリソース情報格納手段を参照し、前記パスを設定するための前記UNIポートに関わるリソースがあるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記パスを設定するための前記リソースが不足していると判定された場合に、前記パスの優先度と、既に設定されているパスの優先度とに基づいて、当該既に設定されているパスに対して使用されているリソースを、前記パス設定要求に係るパスのリソースとして使用するための制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とするエッジノード装置。
(第2項)
前記通信ネットワークにおける中継網を介して対向エッジノード装置との間で制御プレーンにおけるシグナリングを行うシグナリング制御手段を備え、
前記シグナリング制御手段は、前記パス設定要求に係るパスの優先度を制御メッセージに含めてシグナリングを行うことを特徴とする第1項に記載のエッジノード装置。
(第3項)
前記シグナリング制御手段は、前記UNIポートに対応付けられたIPアドレスを用いてシグナリングを行うことにより、前記UNIポートと対向エッジノード装置のUNIポートとの間のパスの制御を行うことを特徴とする第2項に記載のエッジノード装置。
(第4項)
前記パス設定要求に係るパスの優先度と前記既に設定されているパスの優先度とが同じである場合に、前記パス設定要求に係るパスの端点のUNIポートに対応付けられたIPアドレスと前記既に設定されているパスの端点のUNIポートに対応付けられたIPアドレスとを比較して優先度の高低を判定することを特徴とする第3項に記載のエッジノード装置。
(第5項)
前記判定手段による判定の対象となるリソースは、前記エッジノード装置の処理能力、アクセス回線のリソース、使用できるUNIポートの有無を含むことを特徴とする第1項ないし第4項のうちいずれか1項に記載のエッジノード装置。
(第6項)
前記UNIポートは、非IPインタフェースであることを特徴とする第1項ないし第5項のうちいずれか1項に記載のエッジノード装置。
(第7項)
パスを設定することにより通信サービスを提供する通信ネットワークにおけるエッジノード装置が実行するリソース制御方法であって、
前記エッジノード装置は、ユーザ装置と接続するためのUNIポートを備え、
前記UNIポートを始点または終点とするパスの設定を要求するパス設定要求があった場合に、前記UNIポートに関わるリソース情報を格納するリソース情報格納手段を参照し、前記パスを設定するための前記UNIポートに関わるリソースがあるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより、前記パスを設定するための前記リソースが不足していると判定された場合に、前記パスの優先度と、既に設定されているパスの優先度とに基づいて、当該既に設定されているパスに対して使用されているリソースを、前記パス設定要求に係るパスのリソースとして使用するための制御を行う制御ステップと、
を備えることを特徴とするリソース制御方法。
(第8項)
コンピュータの機能を含む通信装置を、第1項ないし第6項のうちいずれか1項に記載の前記エッジノード装置における各手段として機能させるためのプログラム。
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0070】
10、20 エッジ装置
30 中継網
100、200 エッジ装置
101 入力UNIポート
102、202 シグナリング制御部
103、203 データ転送制御部
104、204 データ転送用情報格納部
105、205 UNIアドレス格納部
106、206 リソース制御部
107、207 リソース情報格納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8