(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6117531
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】石材構造物の補強方法及び当該方法に使用するコーキングガンのノズル
(51)【国際特許分類】
E04H 13/00 20060101AFI20170410BHJP
B05C 17/01 20060101ALI20170410BHJP
B05C 5/00 20060101ALN20170410BHJP
【FI】
E04H13/00 C
B05C17/01
!B05C5/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-260054(P2012-260054)
(22)【出願日】2012年11月28日
(65)【公開番号】特開2014-105514(P2014-105514A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】512308889
【氏名又は名称】有限会社匠栄技研
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】本橋 昭次
【審査官】
多田 春奈
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭64−052581(JP,U)
【文献】
実開昭56−176080(JP,U)
【文献】
特許第4993795(JP,B1)
【文献】
登録実用新案第3006643(JP,U)
【文献】
特開平04−011147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 13/00
B05C 17/01
B05C 5/00
E04G 23/02
E04B 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石材の上に隙間を設けて他の石材を積層して形成された構造物において、
下に位置する石材上であって、上記隙間の外周に型枠を設け、当該型枠に設けた通孔からコーキングガンの細管から成るノズルを挿入して当該ノズルの吐出口を上記型枠内の中央部へ挿入して当該型枠内に接着剤を注入し、硬化させることによって補強を行うことを特徴とした、石材構造物の補強方法。
【請求項2】
石材の上に隙間を設けて他の石材を積層して形成された構造物において、
上記隙間の一側の一定部分に第1バックアップ材をあてがい、当該第1バックアップ材の後から、手持式の略ラケット形状の型枠の、先端で押圧して上記隙間内に上記第1バックアップ材と共に押し入れ、
上記隙間内で中央部が突出した輪郭を形成した第1バックアップ材を当該隙間内に残したまま上記手持式の型枠を上記隙間内から抜いて当該隙間の一側に上記第一バックアップ材の両端部による開口を形成し、当該開口をほぼ塞ぐように、第2バックアップ材をあてがい、上記第1バックアップ材と第2バックアップ材の間に通孔を形成し、上記通孔からコーキングガンのノズルを挿入して当該ノズルの吐出口から上記第1バックアップ材と上記第2バックアップ材により形成された上記空間内に接着剤を注入し、硬化させることによって補強を行うことを特徴とした、石材構造物の補強方法。
【請求項3】
上記型枠に、上記ノズルを挿入する通孔とは別に空気抜きのための通孔を設けることを特徴とした、上記請求項1に記載の石材構造物の補強方法。
【請求項4】
上記第2バックアップ材を上記第1バックアップ材の開口にあてがう際、当該開口の両端に通孔が夫々出来る様にし、当該通孔の一方を空気抜きのための通孔とすることを特徴とした、上記請求項2に記載の石材構造物の補強方法。
【請求項5】
上記コーキングガンのノズルを当該コーキングガンに対して取付け自在とし、作業毎に当該ノズルを使い捨てとすることを特徴とした、上記請求項1、2、3又は4の何れかに記載の石材構造物の補強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、墓碑、石碑又は石灯籠等の石材構造物の補強方法及び当該方法に使用するコーキングガンのノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ここでは、石材構造物として、和型墓碑Aを使って説明する。従来、一般的な、和型墓碑Aは、
図12に示す様に、上から竿石21、上台22、中台23、芝台24となっており、芝台24の下はカロートと呼ばれる納骨棺となっている。この様な墓石においては、例えば、
図13に示す様に、上台22の上に竿石21を立てる際、上台22の上面の竿石21を立てる場所内の四隅付近に、竿石21と上台22の間に隙間25(およそ3mm〜5mm)を確保するために、硬質ゴムから成るライナー27を載置する。
【0003】
その後、各ライナー27の上に固定剤28を塗布して、その上から竿石21を載置し、当該竿石21と上台22の隙間の外周にモルタル29等を充填して固定している。
【0004】
この様な状況において、昨今では、地震によって被害を受けた墓石の補修及び補強が求められている。特に、竿石は上述の通り、上台の上に立設されるものであるので倒壊等の被害を受け易い。
【0005】
中でも、竿石が倒壊まではしていないが、この竿石と上台との間のモルタル等が剥がれ落ちたり、当該モルタル等にひびが入ったりするなどの被害を受けることがある。この様な状態を放置していると、再度、地震が起こった場合、やはり竿石は倒壊してしまうこととなる。
【0006】
また、大きくて扁平なため、竿石に比べて被害を受け難い上台、中台、芝台であっても、モルタル等が剥がれ落ちたり、横にずれたりすることがある。
【0007】
この様な事態の招来を防ぐための墓石の補強方法として、特許文献1に記載されているものがある。これは、竿石と上台との接合面の、竿石と上台の相応する位置に夫々中空の筒状空間を設け、これらの二つの連通する筒状空間内に、弾性材又は接着剤で囲まれた一本の金属棒を嵌合すると言うものである。
【特許文献1】実用新案登録第3123124号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の方法を、既に立てられた墓石の補修及び補強に使用するとなると、まず竿石等を別の場所に移動させ、さらに、筒状空間を穿つための加工をしなければならず、そのために、クレーン等を必要として作業が大掛かりなものとなり、費用的にも高価なものとなる。
【0009】
また、新規に墓石を立てると言うのなら別だが、既に立てられた墓石の竿石及び上台等に穴を穿つと言うのは、当該墓碑の所有者にとって心情的に受け入れ難く、望ましくない。
【0010】
この発明は、これらの点に鑑みて為されたもので、大掛かりなクレーン等を必要とせず、安価で、また、竿石等に穴を穿つことのない墓石等の石材構造物の補強方法及び当該方法に使用するコーキングガンのノズルを提供して上記課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、石材の上に隙間を設けて他の石材を積層して形成された構造物において、下に位置する石材上であって、上記隙間の外周に型枠を設け、当該型枠に設けた通孔からコーキングガンの細管から成るノズルを挿入して当該ノズルの吐出口を
上記型枠内の中央部へ挿入して当該型枠内に接着剤を注入し、硬化させることによって補強を行う、石材構造物の補強方法とした。
【0012】
請求項2の発明は、石材の上に隙間を設けて他の石材を積層して形成された構造物において、上記隙間の一側の一定部分に第1バックアップ材をあてがい、当該
第1バックアップ材の後から、手持式の略ラケット形状の型枠の、先端で押圧して上記隙間内に上記第1バックアップ材と共に押し入
れ、上記
隙間内で中央部が突出した輪郭を形成した第1バックアップ材を当該隙間内に残したまま上記手持式の型枠を上記隙間内から抜いて
当該隙間の一側に上記第一バックアップ材の両端部による開口を形成し、当該開口
をほぼ塞ぐように、第2バックアップ材をあてがい、
上記第1バックアップ材と第2バックアップ材の間に通孔を形成し、上記通孔からコーキングガンのノズルを挿入して当該ノズルの吐出口から上記
第1バックアップ材と上記第2バックアップ材により形成された上記空間内に接着剤を注入し、硬化させることによって補強を行う、石材構造物の補強方法とした。
【0013】
請求項3の発明は、
上記型枠に、上記ノズルを挿入する通孔とは別に空気抜きのための通孔を設ける、上記請求項1に記載の石材構造物の補強方法とした。
【0014】
請求項4の発明は、
上記第2バックアップ材を上記第1バックアップ材の開口にあてがう際、当該開口の両端に通孔が夫々出来る様にし、当該通孔の一方を空気抜きのための通孔とする、上記請求項2に記載の石材構造物の補強方法とした。
【0015】
請求項5の発明は、
上記コーキングガンのノズルを当該コーキングガンに対して取付け自在とし、作業毎に当該ノズルを使い捨てとする、上記請求項1、2、3又は4の何れかに記載の石材構造物の補強方法とした。
【発明の効果】
【0016】
請求項1及び2の各発明によれば、重ねられた石材同士の隙間に、コーキングガンのノズルによって接着剤を注入して、当該構造物の補強を行うので、大掛かりな作業とならず、確実かつ安価に石材構造物の補強が出来る。
【0017】
請求項3の発明によれば、型枠
に、上記通孔とは別に空気抜きのための通孔を設けるので、接着剤の注入が極めて円滑に行うことが出来る。
【0018】
請求項4の発明によれば、
上記第2バックアップ材を上記第1バックアップ材の開口にあてがう際、当該開口の両端に通孔が夫々出来る様にし、当該通孔の一方を空気抜きのための通孔としたので、接着剤の注入が極めて円滑に行うことが出来る。
【0019】
請求項5の発明によれば、
コーキングガンのノズルを当該コーキングガンに対して取付け自在とし、作業毎に使い捨てにしたので、毎回新しいノズルが使用でき、常に、接着剤の注入を円滑に、また、確実に行うことが出来、作業としての信頼性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】この発明の実施の形態例の竿石と上台の間にコーキングガンのノズルの先端部を挿入する様子を示す概略斜視図である。
【
図2】一般的なコーキングガンとこのコーキングガンに取り付けて使用するコーキング材が充填されたカートリッジを並べた状態の説明図である。
【
図3】この発明の実施の形態例の、基部を屈曲させたノズルの当該基部と先端部を離した状態の側面図である。
【
図4】この発明の実施の形態例の、基部を屈曲させたノズルの平面図である。
【
図5】この発明の実施の形態例の竿石と上台の隙間にノズルを入れた状態の一部省略平面断面図である。
【
図6】この発明の実施の形態例の竿石と上台の隙間にノズルを入れた状態の一部省略側面断面図である。
【
図7】この発明の実施の形態例の手持式の型枠の平面図である。
【
図8】この発明の実施の形態例の手持式の型枠の側面図である。
【
図9】この発明の実施の形態例の手持式の型枠、第1バックアップ材及び第2バックアップ材を使って上台と中台の隙間の前側に接着剤を充填する空間を形成した状態の一部省略平面断面図である。
【
図10】この発明の実施の形態例の手持式の型枠等を使って上台と中台の隙間内の前後左右に接着剤を充填する空間を形成した状態の平面説明図である。
【
図11】この発明の実施の形態例のコーキングガンのカートリッジの先端にクランク型のノズルを取り付けた状態の一部側面図である。
【
図13】従来の上台の上に竿石を載置し、固定した状態の上台と竿石との隙間を示す一部省略平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態例)
以下、この発明の実施の形態例の石材構造物の補強方法及び当該方法に使用するコーキングガンのノズルを図に基づいて説明する。まず、コーキングガンのノズルについて説明するが、最初にコーキングガンについて簡単に説明する。
【0022】
コーキングガン30は、
図2に示す様に、略半円筒形状のカートリッジ装填部31と回動自在なレバー32が設けられた基部から成り、このレバー32を握ることにより、ピストンロッド33が前方へ移動して、上記カートリッジ装填部31に装填されたカートリッジ34の後端の底板35を前方へ押圧して当該カートリッジ34内のコーキング剤を上記カートリッジ34の先端に取り付けられた、後述するノズル1から押し出すようになっている。
【0023】
次に、上記カートリッジ34の先端に取り付けるノズル1について説明する。
図3及び
図4に示す様に、このノズル1は、漏斗状の基部1aと細管状の先端部1bの2つの部材から成り、基部1aの先端付近をおよそ45度折り曲げて設けている。この様に折り曲げているのは、後述するように、このノズル1を使って竿石21と上台22との隙間25に、墓石用の接着剤を注入する際、折り曲げた方がノズル1の吐出口1dを上記隙間25の奥まで入れ易いからである。また、この基部1aの先端付近の外周には一部ねじ切り1cがされている。
【0024】
このノズル1の先端部1bは、一定長を有する先細管形状となっており、この一定長は、後述する竿石21と上台22との隙間25にこのノズル1を挿入した場合、このノズル1の先端の吐出口1dが当該隙間25の空間の平面視、中央部より奥部の位置まで挿入出来るだけの長さとなっている。また、この先端部の1b先端の吐出口1dは扁平なラッパ状に設けられており、後端の内周にはねじ切り1eがされている。この様な先端部1bの後端を上記基部1aの先端に被せて螺着して一体に設けている。
【0025】
次に、上記コーキングガン30のノズル1を使っての、石材構造物の補強方法を説明する。ここでは、
図12に示す様に、補強する石材構造物として、上から竿石21、扁平な略四角形状の上台22、扁平な略四角形状の中台23及び芝台24から成る既存の、一般的な和型墓碑Aとする。
【0026】
ここでは、上記和型墓碑Aにおいて、地震により竿石21と上台22との隙間25(高さ5mm)のモルタル29やセメントにひびが入ったり、又は剥がれ落ちたりしている状態とする。
【0027】
最初に、墓石の前側から、竿石21と上台22の間の隙間25にブロア(図示省略)の風を吹き込んで、剥がれ落ちたモルタル29やセメント等をこの隙間25から吹き飛ばして接着剤を注入の際の邪魔となるものを除去する。また、崩れ落ちそうなものもここで剥がして回収しておく。
【0028】
その後、
図5に示す様に、上台22上であって、上記竿石21との隙間25の外周に四角形状の型枠2を設ける。この時、この型枠2の前側に、コーキングガン30のノズル1を挿入するための通孔2aを設け、また、この型枠2の左右後側に空気抜きのための通孔2bを夫々設けておく。
【0029】
そして、
図1、
図5及び
図6に示す様に、上記前側の通孔2aから竿石21と上台22の隙間25の空間内に上記コーキングガン30のノズル1を挿入し、当該ノズル1の先端の吐出口1dが当該隙間25の空間の平面視、中央部より奥部の位置まで挿入し、このコーキングガン30のレバー32を握り、このコーキングガン30を手前に引きながら上記カートリッジ34内の墓石用の接着剤を注入する。ここで、上記ノズル1を中央部より奥部の位置まで挿入しているのは、当該空間内に満遍なく、また、速やかに接着剤を注入するためである。
【0030】
この時、この竿石21と上台22との隙間25の空間に対する接着剤の充填量は、コーキングガン30のカートリッジ34を1本充填すれば320ml充填したことが分かり、また、その半分なら160ml充填したことが分かる。予め、必要な強度を得るために必要な接着剤の充填量を、この隙間の高さ(5mm)と竿石21の断面積から計算しておく。
【0031】
また、竿石21と上台22との隙間25の空間内に、充分に、また、満遍なく接着剤が充填されているか否かは、上記複数の空気抜きのための通孔2bから接着剤が外に出ているか否かによって分かる。外に出ているようであれば、空間内に接着剤が満たされていることが分かる。
【0032】
既存の墓石を補強する場合、一般的には、補強する前と比べておよそ40倍以上の強度が求められている。これだけの強度は得られれば、この後地震があったとしても墓石の倒壊等を招かない。
【0033】
この実施の形態例の補強では、上記隙間25の50%接着剤を充填できた場合、補強しない場合と比べて30倍の強度が得られることが分かっている。
【0034】
また、一度使用したノズル1については使い捨てにする。これは、このノズル1内側の通路が狭く、一度使用すると内部に残った接着剤が硬化して、この通路が塞がれて次回の円滑な注入に差し障りがでるためである。
【0035】
また、既存の墓石の補強方法の他の実施の形態例として、手持式の型枠3を使用する。この手持ち式の型枠3は、
図7及び
図8に示す様に、卓球で使用するラケットの様な形状をしており、全体を、アルミニウム等の軽金属で一体に形成している。略半分を成す上部の作用部3aの先端縁は略扇型の薄い板状で、下部は一段厚くなった細幅の把手部3bとなっている。
【0036】
この型枠3の使用の仕方を説明する。最初にブロアによって剥がれたモルタル29等を取り除くのは上記実施の形態例と同じである。ここでは、上台22と中台23を使って説明する。上台22と中台23の間にもおよそ5mmの隙間26をあけて、上台22は中台23の上に積載されている。これらの上台22と中台23の隙間26を前にして、およそ、上記型枠3の作用部3aの外周縁の長さを有する弾性材から成る第1バックアップ材4を上記隙間26に沿って当て、その後ろから、上記型枠3の作用部3aを当てて、
図9及び
図10に示す様に、隙間26内に押し込む。
【0037】
その後、上記第1バックアップ材4を隙間26内に残したまま型枠3を引き抜く。次に、隙間26の横長の開口に、この開口よりやや短い第2バックアップ材5を、
図9に示す様に、当該開口の両端に通孔6をあけて嵌め入れ、一方の通孔6から、コーキングガン30のノズル1を入れ、上記第1バックアップ材4によって形成された空間内に接着剤を注入し充填する。他方の通孔6は空気抜きのためのものである。
【0038】
この様にして、
図10に示す様に、上記上台22と中台23の隙間26の前後左右の四か所を設け、隙間26における上台22の断面積の30%に接着剤を注入し、硬化させた後、上記第2バックアップ材5を取り外す。この場合、補強前と比べて、およそ30倍の強度が得られた。また、上記第2バックアップ材5を外した部分にワックスを塗布すれば、美観はさらに良くなる。
【0039】
上台22と中台23、また、中台23と芝台24の補強する場合、一般的には、補強する前と比べておよそ30倍以上の強度が求められている。これだけの強度は得られれば、この後地震があったとしても耐えられる。上台22、中台23及び芝台24の場合、上に積載する石材の断面積の30%の割合で接着剤を注入することが出来れば、補強前の30倍の強度が得られることが、本件出願人の研究から分かっている。
【0040】
また、墓石の周囲に十分な作業スペースがある場合、コーキングガン30のノズル1として、上記実施の形態例の基部1aが一方に屈曲させたものに代えて、
図11に示すように、クランク型の基部1fのノズルを使用しても良い。
【0041】
なお、上記実施の形態例では、和型墓碑Aにおいて説明しているが、この実施の形態例で効果が奏するものならば、洋型墓碑、石碑又は石灯籠など、他の、石材を積層してなる構造物でも良いものである。
【0042】
コーキングガン30のノズル1として、基部1aと先端部1bに分かれ、吐出口1dが扁平で、上記基部1aを一方に屈曲させたもの、また、クランク型の基部1fを使用したが、ノズル1の形状としては、これらに限るものではなく、最良の効果を奏することが出来る形状のものを使用すれば良い。さらに、ノズル1を使い捨てにしているが、使い捨てにするのはノズル1全体でも良いし、先端部1bのみを使い捨てにしても良い。
【0043】
また、型枠3の作用部3aの形状として、作用部3aの先端縁を略扇型の板状としたが、作用部3aの形状としては、略扇型に限るものではなく、三角形状などの他の形状のものでも良い。また、接着剤を注入する際の空気抜きのための通孔2bを3個、また、同様に通孔6を1個設けているが、通孔2b、6の個数は、その時の最適な個数を設ければ良い。
【符号の説明】
【0044】
A 和型墓碑
1 ノズル 1a 基部 1b 先端部
1c ねじ切り 1d 吐出口 1e ねじ切り
2 型枠 2a 通孔 2b 通孔
3 型枠 3a 作用部 3b 把手部
4 第1バックアップ材
5 第2バックアップ材 6 通孔
21 竿石 22 上台 23 中台
24 芝台 25 隙間 26 隙間
27 ライナー 28 固定剤 29 モルタル
30 コーキングガン 31 カートリッジ充填部
32 レバー 33 ピストンロッド
34 カートリッジ