(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6117580
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】物品検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/88 20060101AFI20170410BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-57119(P2013-57119)
(22)【出願日】2013年3月19日
(65)【公開番号】特開2014-182026(P2014-182026A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2016年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(72)【発明者】
【氏名】樽本 祥憲
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亮民
【審査官】
蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−064586(JP,A)
【文献】
特開平08−313454(JP,A)
【文献】
特開平02−038956(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0036873(US,A1)
【文献】
特開平6−253309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段で搬送される物品を撮像手段で繰り返し撮像しながら、得られた画像に基づいて物品を検査する検査装置であって、
搬送される物品の先端部が最初に映り込む画像上の特定領域を常時検査して物品の到達を知らせる物品検知部と、
前記物品の到達を検知した時点から前記物品全体が画像上に映り込むまでの時間を算出する時間算出部と、
算出された時間経過時の画像を検査用画像として記憶する記憶部と、
記憶された検査用画像に基づいて前記物品を検査する物品検査部と、
を備え、
前記物品検知部は、前記特定領域について画像を生成し、前に生成された前記特定領域の画像と比較して、同一位置にある画素の明るさの変化量を算出し、その変化量が、所定の閾値を超えている画素の数を計数し、当該画素数が一定数を超える場合に物品の到達を判定する、
物品検査装置。
【請求項2】
前記時間算出部は、物品の搬送方向長さと、搬送手段による物品の搬送速度とに基づい
て、搬送される物品が画像上の中央位置に到達する時点を知らせる、
請求項1に記載の物品検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベア等で搬送される物品をカメラで撮像し、得られた画像に基づいて物品の検査を行う物品検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンベア等の搬送装置で搬送される物品をカメラ等の撮像装置によって撮像し、得られた撮像画像を処理することによって、物品を検査する物品検査装置が知られている。このような物品検査装置では、物品全体が撮像装置の視野に入ったタイミングで撮像を行う必要があるため、物品の搬送経路上に物品の通過を検知する光電センサや近接センサ等を設け、これらのセンサで物品が撮像装置の視野内に到達するタイミングを検出して撮像を行っている。
【0003】
また、特許文献1には、搬送される物品を撮像装置で連続して撮像し、撮像された画像に二値化処理を施し、得られた処理済画像の所定の領域に物品先端部が存在するかどうかを検知し、物品先端部が検知されたときのみ所定の画像処理(検査)を開始する画像処理装置が開示されている。このようにすることで、物品の通過を検知するための外部センサを設けることなく、検査に用いる画像を取得している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−113002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、外部センサを用いる場合に、物品の厚みが薄いと、コンベアの側方に設置した外部センサで物品を安定的に検知することはかなり難しく、その調整に手間取るという問題がある。この問題を回避するために、コンベア間の隙間、いわゆる、乗り継ぎ部の上方に外部センサを設置し、乗り継ぎ部を通過する物品を検知する方法も考えられるが、乗り継ぎ部では、物品が上下にばたつくため、この場合も誤検知する恐れがある。
【0006】
また、特許文献1のように、撮像装置で連続して撮像を行う場合には、撮像された画像中の所定の領域に物品先端部が必ず存在している必要がある。しかし、搬送装置の搬送速度が速く、撮像装置のフレームレート(1秒当たりに画像を撮像する回数)が低い場合には、
図7に示すように、撮像タイミングがずれて物品先端部が所定の領域からずれてしまう可能性がある。その場合には、検査すべき物品が到達しているにも関わらず、物品の検査が開始されないから、未検査の物品が後工程に混入する不具合が起きる。この不具合を防ぐためには、撮像装置に高速カメラのようなフレームレートの高い高価なデバイスを用いる必要があるが、それでは安価なシステムの構築を阻害する。
【0007】
本発明の課題は、物品の通過を検知するための外部センサを設けることなく、また、高速カメラのような高価なデバイスを用いずに、搬送される物品の検査を行うことのできる物品検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の物品検査装置は、搬送手段で搬送される物品を撮像手段で繰り返し撮像しながら、得られた画像に基づいて物品を検査する検査装置であって、搬送される物品の先端部が最初に映り込む画像上の
特定領域を常時検査して物品の到達を知らせる物品検知部と、前記物品の到達を検知した時点から前記物品全体が画像上に映り込むまでの時間を算出する時間算出部と、算出された時間経過時の画像を検査用画像として記憶する記憶部と、記憶された検査用画像に基づいて前記物品を検査する物品検査部と、を備え
、前記物品検知部は、前記特定領域について画像を生成し、前に生成された前記特定領域の画像と比較して、同一位置にある画素の明るさの変化量を算出し、その変化量が、所定の閾値を超えている画素の数を計数し、当該画素数が一定数を超える場合に物品の到達を判定する。
【0009】
物品検知部は、画像上の特定領域を常時チェックしている。その特定領域とは、搬送される物品の先端部が最初に映り込む狭い領域である。そして、搬送される物品の先端部がその領域で捉えられると、物品検知部が物品の到達を知らせる。時間算出部は、その物品の到達時点から物品全体が画像上に映り込むまでの時間を算出してタイマーを働かせ、検知された物品全体が画像に映るタイミングになると、タイマーがタイムアップして、画像に映った物品全体の画像を検査用画像として記憶させる。物品検査部は、その検査用画像に基づいて物品の検査を行う。これにより、物品の到達を検知する外部センサを設置する必要が無くなる。また、物品の先端部が最初に映り込む特定の狭い領域のみをチェックして物品の到達を検知するので、物品の搬送速度が速くなっても、確実に物品の到達を検知することができる。したがって、高速カメラのような高価なデバイスを用いずに、搬送される物品の検知と検査用画像の生成とを単一の撮像手段にて安価に実現することができる。
【0010】
また、時間算出部は、物品の搬送方向長さと、搬送手段による物品の搬送速度とに基づいて、搬送される物品が画像上の中央位置に到達する時点を知らせて、検査用画像を撮像させるから、検査対象となった物品を撮像画像の中央位置で捉えた適格な画像を生成することができる。したがって、その後の画像処理が容易となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る物品検査装置によれば、物品を最適のタイミングで撮像するための外部センサを不要とすることができる。また、画像上の限られた狭い特定領域だけを常時チェックして物品の到達を検知するから、物品の搬送速度が速くなっても、高速カメラのような高価なデバイスを用いずに物品の全体像を映すことができる。したがって、安価にシステムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る物品検査装置の一実施形態の概略側面図。
【
図3】一実施形態に係る物品検査装置の構成ブロック図。
【
図4】一実施形態に係る物品検査装置の動作フローチャート。
【
図5】検査用画像を撮像するタイミングの算出方法の説明図。
【
図6】具体的な数値を元に検査用画像を撮像するタイミングの算出方法の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る物品検査装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1において、物品検査装置1は、下部筐体2と、遮光筐体3と、上部筐体4とを備えている。下部筐体2内には、物品検査装置1の動作を制御するコンピュータ5が収容されている。上部筐体4には、表示部6が設置されている。この表示部6は、タッチパネル機能付き液晶表示装置からなる。物品検査装置1は、物品50の生産ラインに組み込まれるもので、物品50を検査し、不具合な物品50が見つかれば、それをライン外へ排出してその出荷を防止する。
【0015】
遮光筐体3には、物品搬入口3a及び物品搬出口3bが設けられている。遮光筐体3内には、物品搬入口3aから物品搬出口3bに向かって物品50を矢印の方向に搬送する搬送手段としての搬送コンベア7が配置されている。搬送コンベア7の上流端は、物品搬入口3aから外側に突出しており、下流端は、物品搬出口3bから外側に突出している。
【0016】
遮光筐体3内には、白色光源11及び撮像手段としてのカメラ12が配置されている。白色光源11は、搬送コンベア7の上方に配置され、搬送コンベア7上の物品50に白色光を照射する。白色光源11は、白色光を照射する複数のLEDが二次元に配列されたものである。
【0017】
図2において、カメラ12は、レンズ12a、複数の撮像素子12b、及びカメラ制御部12cを有している。カメラ12は、搬送コンベア7の上方から、搬送コンベア7によって搬送される物品50を撮像し、画像を生成する。複数の撮像素子12bは、搬送コンベア7の搬送面と平行な面に配列されて、搬送コンベア7によって搬送される物品50を撮像する。複数の撮像素子12bは、レンズ12aから入射した光を検出信号(電気信号)に変換する。カメラ制御部12cは、後述する物品検知部14及び物品検査部15からの指令により、各撮像素子12bから信号を読み出し、読み出した信号を二次元に展開することで画像を生成する。本実施形態では、カメラ12として、撮像素子12bの画素数が640画素×480画素、フレームレートが30fpsである一般的な産業用CCD(Charge Coupled Device)カメラを使用している。
【0018】
図1において、生産ラインに組み込まれた物品検査装置1の上流側には、取込コンベア20が設置され、下流側には、振分装置30が設置されている。取込コンベア20は、物品50を物品検査装置1の搬送コンベア7に移送する。振分装置30は、物品検査装置1の搬送コンベア7から出てきた物品50のうち、物品検査装置1によって不具合が発生していると判定された物品50を生産ラインから排除する。
【0019】
図3において、物品検査装置1に搭載されたコンピュータ5は、CPU、ROM、RAM等から構成され、予めインストールされたプログラムを実行することにより、少なくともモード制御部13、物品検知部14、物品検査部15、時間算出部16、記憶部17の各機能を実現する。モード制御部13は、物品検査装置1を後述する物品検知モードと物品検査モードとに切り替える。物品検知部14は、物品50を捉える画像上の特定領域を常時チェックする。その特定領域とは、搬送される物品の先端部が最初に映り込む画像上の狭い領域である。そして、搬送される物品の先端部がその領域で捉えられると、物品検知部14が物品の到達を知らせる。時間算出部16は、物品検知部14が物品50の到達を検知した時点から、物品50全体が画像上に映り込むまでの時間を算出する。記憶部17は、算出された時間経過時の画像を検査用画像として記憶する。物品検査部15は、記憶部17に記憶された検査用画像に基づいて物品50を検査し、その物品50に不具合があるか否かを判定する。モード制御部13、物品検知部14、物品判定部15、及び時間算出部16は、記憶されたプログラムを実行することにより実現される。記憶部17は、不揮発性メモリ或いはハードディスク等で構成され、検査用画像、検査パラメータ、物品検査部15で検査された物品50の不具合等の判定結果を記憶する。検査パラメータとしては、少なくとも、物品50の搬送方向長さL、搬送コンベア7の搬送速度V、画像を構成している正方形の1画素の一辺に対応する実寸法(コンベア上での物理的寸法)P、搬送方向画素数NX、及び後述する物品50の通過を判定する閾値THが記憶されている。なお、上記各部13〜16は、ハードウェアで構成することもできる。
【0020】
また、図示していないが、コンピュータ5は、表示部6に表示するデータの表示制御回路、表示部6のタッチパネルから入力データを取り込むキー入力回路等を備えている。さらに、コンピュータ5は、搬送コンベア7の搬送速度を設定速度にするための、図示しないモータ制御回路を制御する。
【0021】
次に、
図4に示すフローチャートを用いて、物品50の通過を検知してから物品50に不具合があるか否かを判定するまでの流れを説明する。物品検査装置1を稼動すると、搬送コンベア7とその前後の取込コンベア20、振分装置30が駆動され、カメラ12が撮像を開始する。そして、取込コンベア20が物品50を搬送コンベア7に送るまでは、モード制御部13は、物品検査装置1を物品検知モードに設定する。
【0022】
この物品検知モードにおいて、物品検知部14は、
図5の画像に示すように、カメラ12で捉えた画像A上の特定領域B、すなわち、搬送される物品50の先端部が最初に映り込む領域Bを常時検査して、その領域Bに物品50の先端部が映り込んだか否かをチェックする。例えば、カメラ12で捉えた画像Aが、
図6のように、搬送方向に480画素を有し、それと垂直な方向に640画素を有する画面Aを想定すると、物品50の先端部が最初に映り込む領域は、画像Aの左端から搬送方向に48画素の狭い特定領域Bである。この領域Bについて、繰り返し検査を行って、物品50の到達を検査する。このように、狭い特定領域Bに限定して検査することで、高いフレームレートで物品50の有無を検査することができる。
【0023】
カメラ12は、640画素×480画素の画像をフレームレート30fpsで画像を生成するので、画像データを読み出す範囲を640画素×48画素に限定すれば、フレームレート300fpsで画像を生成することが可能となる。これは、画素数が10分の1になったことから、読み出し時間は、10分の1になるからである。物品検知モードにおいて、カメラ制御部12cは、定期的(フレームレート300fps)に、特定領域B(640画素×48画素)を検査して物品50の到達を検査する。この動作が、
図4のフローチャートに示すステップS1〜S4となる。
【0024】
すなわち、物品検知部14は、特定領域Bについて画像を生成し(ステップS1)、続いて、1フレーム前に生成された領域Bの画像と、今回生成された領域Bの画像、2枚を比較して、同一位置にある画素の明るさの変化量を算出する(ステップS2)。物品検知部14は、その変化量が、閾値THを超えていれば、閾値THを超えている画素の数を計数する(ステップS3)。閾値THを越える画素数が一定数以下であった場合は、カメラ12が物品50を捉えていないと判定し、閾値THを超える画素数が一定数を超えると、カメラ12が物品50を捉えたと判定する(ステップS4)。さらに、物品検知部14は、閾値THを越えた画素のうち、特定領域Bを物品50の先端部の位置LAとして時間算出部16に送信する。物品検知部14が物品50の先端部を検知すると、モード制御部13は、物品検知モードから物品検査モードに切り替わる。
【0025】
物品検査モードでは、まず、時間算出部16が、物品検知部14によって物品50の先端部を検知した時点から、物品50の中心線が画像Aの中心線NA(
図5参照)に到達するタイミングを算出する。具体的には、時間算出部16が、物品50の先端部の位置LAを物品検知部14から受信すると、物品50の搬送方向長さL、搬送方向画素数NX、搬送コンベア7の搬送速度V、及び実寸法Pを記憶部17から読み出す。それらの数値を使って、時間算出部16は、物品50の中心線が画像Aの中心線NAと一致するまでの物品50の移動距離LB(=P×NX/2+L/2−P×LA)を求める(
図5参照)。
【0026】
次に、距離LBと搬送コンベア7の搬送速度Vから、物品50の全体像を撮像するための撮像タイミング(=LB/V)を算出する。ここでは、時間算出部16は、物品50の先端部の位置LAを用いて、距離LBを算出したが、搬送速度Vに対し、カメラ12のフレームレートが十分高ければ、上述の式から先端部の位置LAを省略してもよい(ステップS5)。
【0027】
カメラ制御部12cは、算出された撮像タイミングでもって物品50を撮像し、撮像した画像Aの全てを検査用画像として記憶部17に記憶させる(ステップS6)。
【0028】
物品検査部15は、記憶された検査用画像に対し画像処理を施し、処理の結果に基づいて、物品50の不具合の有無を判定する(ステップS7)。物品の不具合とは、例えば、物品50に印字されるべき日付の漏れ、印字されている日付の間違い、物品50表面の傷等である。コンピュータ5は、物品検査部15によって物品50に不具合が発生していると判定した場合は、当該物品50を生産ラインから排除するために、振分装置30に指令を送るとともに、その判定結果を記憶部17に記憶させる。また、オペレータの操作等に応じて、判定結果を表示部6に表示させる。
【0029】
次に、各検査パラメータに具体的な数値を代入して説明する。
図6において、搬送コンベア7の幅が160mm、搬送コンベア7の搬送速度Vが500mm/s、物品50の搬送方向長さLが80mmの場合を考える。搬送コンベア7の幅の全てを画像Aに収める場合、1画素に対応するコンベア上での実寸法Pは0.25mm(=160mm/640画素)の正方形になる。
図6に示すように、変化量が閾値THを越えた複数の画素のうち、最も搬送方向下流側にある画素の位置、すなわち、物品50の先端部の位置LAは、カメラ12で捉えた画像Aの左端側から搬送方向に40画素の位置となる。カメラ12の搬送方向の画素数NXは480画素なので、物品50の中心線がカメラ12で捉えた画像Aの中心線と一致するまでに、物品50が移動する距離LBは90mm(=P×NX/2+L/2−P×LA)となる。次に搬送速度Vで90mm移動するには0.18s(=LB/V)後となるので、物品検知モードにおいて、物品50の先端部が検知された時点から、0.18s後にカメラ12へトリガを入力して撮像すれば、物品50の画像Aが、中央に位置する検査用画像を生成することができる。また、物品50の搬送方向長さLが短い場合には、搬送方向の読み出し範囲を限定してもよい。
【0030】
以上のように、本発明では、物品検知部14によって、撮像範囲を限定して高いフレームレートで物品50の先端を捉えたか否かを判定する。そして、物品50の先端部が検知されると、時間算出部17は、物品50の全体が画像Aの中心に到達するタイミングをカメラ制御部12cに知らせ、そのタイミングになると、物品50を撮像して画像A上に物品50全体が含まれる検査用画像を生成する。これにより、物品50を検知するための外部センサを設けることなく、また、高速カメラのような高価なデバイスを用いずに、搬送コンベア7で搬送される物品50の検知と撮像を単一のカメラ12にて安価に実現することができる。また、本発明では、物品50の搬送方向長さLと搬送コンベア7の搬送速度Vに基づいてカメラ12の撮像タイミングを決めているので、検査用画像において、物品50をカメラ12で捉えた画像Aの中央に映し出すことができる。したがって、安定した画像処理で物品に不具合があるか否かを判定することができる。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、光源に白色光源を用いる代わりに、エックス線、近赤外線、赤外線、テラヘルツ波等を物品50に照射し、カメラ12の撮像素子12bにそれぞれの光線に対応するセンサを用いて撮像してもよい。この場合、物品50の透過光を検出することで物品50の内部の状態を検査することができる。
【0032】
また、上記実施形態ではカメラ12にCCDカメラを用いたが、CCDカメラの代わりにCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラを用いてもよい。CMOSカメラであれば、搬送方向に垂直な方向に読み出し範囲を限定した検査用画像を生成することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 物品検査装置
7 搬送コンベア(搬送手段)
12 カメラ(撮像手段)
14 物品検知部
15 物品検査部
16 時間計算部
17 記憶部
L 物品の搬送方向長さ
V 搬送コンベアの搬送速度