(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本実施形態の弾球遊技機の概要について説明する。
【0016】
本実施形態の弾球遊技機は、所定条件の成立を契機に種別の異なる複数の当りの当否判定が可能な当否判定手段と、前記当否判定手段での判定結果に応じて変動表示を実行可能な表示手段と、前記変動表示実行中に新たに前記所定条件が成立した場合に、所定数を上限として、該所定条件の成立を契機とした前記当否判定手段による判定結果を保留情報として記憶する記憶手段と、前記当否判定手段によって当りと判定された場合に、その当り種別に応じて有利度合の異なる複数種類の特別遊技の中から1つを実行可能な特別遊技実行手段と、前記保留情報の判定結果に当りが含まれている場合に、該当りの判定結果に応じた変動表示が開始されるまでに当りの発生を示唆する保留当り報知を実行可能な報知手段と、を備えた弾球遊技機において、前記報知手段は、前記保留当り報知を実行する場合、さらに前記複数種類の特別遊技のうちいずれであるかを示唆する当り種類報知を、該当りとなる保留情報に応じた変動表示が開始されるまでに実行可能である。
【0017】
本実施形態によれば、報知手段は、保留での当りの発生を示唆する保留当り報知を実行した場合には、当りの判定結果に応じた変動表示が開始されるまでに、有利度合いの異なる複数の特別遊技のいずれが実行される当りであるかを示す当り種類報知も実行する。これにより、遊技者は、保留情報による変動表示が終了した際に当りの種類を知るものに比べて、保留の当たりが有利度合いの小さい当りである場合でも、当りの喜びが低下するのを防止することができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0018】
本実施形態において、前記報知手段は、前記保留当り報知を実行した場合には、続いて前記当り種類報知も実行することが好ましい。
【0019】
報知手段は、保留当り報知に続いて当り種類報知も実行するので、より一層、遊技の興趣を高めることができる。
【0020】
本実施形態において、前記報知手段は、前記保留情報の判定結果に含まれている当り種別に応じたタイミングで前記当り種類報知を実行することが好ましい。
【0021】
報知手段は、保留の当り種類に応じたタイミングで当り種類報知を実行するので、より一層、遊技の興趣を高めることができる。
【0022】
本実施形態において、前記複数種類の特別遊技は、いずれも複数回のラウンドで構成され、前記複数回のラウンドが、通常ラウンド及び前記通常ラウンドに比べて時間が短い短ラウンドから構成される第1特別遊技と、前記複数回のラウンドが全て前記通常ラウンドから構成される第2特別遊技とがあり、前記報知手段は、前記当り種類報知を実行する場合に、前記通常ラウンドの回数を報知することが好ましい。
【0023】
報知手段は、通常ラウンドの回数を報知するので、短ラウンドを含むラウンド回数を報知するものに比べて、当りの喜びが低下するのを防止することができ、より一層、遊技の興趣を高めることができる。
【0024】
本実施形態において、前記報知手段は、前記保留情報の判定結果に当りが含まれている場合に、前記保留当り報知を実行するか否かを抽選により決定することが好ましい。
【0025】
報知手段は、保留当り報知を実行するか否かを抽選により決定するので、より一層、遊技の興趣を高めることができる。
【0026】
[第1実施形態]
次に、
図1を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の構成について説明する。
【0027】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3及び前扉5を備えている。前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(
図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
【0028】
前扉5の上部左右両側にはスピーカ7が設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側及び上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、遊技の演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
【0029】
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
【0030】
上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が可能となる左演出ボタン13及び中央演出ボタン14が設けられている。演出ボタン13、14は、操作が有効となったとき、遊技者がボタンを押下することにより演出を変化させることができる。パチンコ遊技機1の側方には、遊技球が記憶されたプリペイドカードが挿入される台間サンドが配されている。上貯留皿11の表面部分には、プリペイドカードに貯留された遊技球を払い出すための球貸ボタン15aと、プリペイドカードを精算して台間サンドから返却させるための返却ボタン15bとが設けられている。球貸ボタン15aの操作により、所定数、例えば125球の遊技球が上貯留皿11に払い出される。上貯留皿11に貯留しきれなくなった遊技球は、下貯留皿12に送られる。
【0031】
パチンコ遊技機1の下方には、遊技球を集計してプリペイドカードに記憶させるための球計数装置(図示せず)が配されている。下貯留皿12には、開口が形成されており、この開口を開閉する開閉板が操作可能に設けられている(いずれも図示せず)。開閉板を操作して開口を開放すると、下貯留皿12に貯留された遊技球は、開口を通って球計数装置に送られ、計数される。この球計数装置で計数された遊技球は、プリペイドカードに記憶される。
【0032】
図2は、本実施形態のパチンコ遊技機1の背面側の斜視図である。
【0033】
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
【0034】
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホールにある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(
図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
【0035】
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
【0036】
演出制御基板25と液晶制御基板26の中間部には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。
【0037】
液晶制御基板ケース26aの下方には、主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検出信号を受信して各種処理を行う。
【0038】
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下しながら、電源を投入することによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
【0039】
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36による演出を制御する。
【0040】
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
【0041】
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
【0042】
次に、
図3を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1の遊技盤4について説明する。
【0043】
図3に示すように、遊技盤4は、略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
【0044】
センター飾り体34aには、複数の盤面装飾LED35が配置されている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴って発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
【0045】
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置される。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。なお、液晶表示装置36は、本発明の「報知手段」に相当する。
【0046】
また、液晶表示装置36の左側には、普通図柄用始動ゲート40aが配置されている。普通図柄用始動ゲート40aは、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40aを通過することにより抽選が行われ、後述する普通図柄表示装置43bにて、普通図柄が変動する。
【0047】
液晶表示装置36の上側には可動役物37が配置されている。可動役物37は、遊技における演出や大当り期待度に応じて動作する。パチンコ遊技機1には、可動役物37以外にも複数の可動役物が設けられているが、図面上省略している。
【0048】
センター飾り体34aの下方は、ステージ部材33が配置されている。ここに誘導された遊技球は、ステージ中央部分を揺動した後に落下するが、中心にある溝を通過した遊技球は、後述する第1特別図柄始動口38aに入賞し易い構造となっている。
【0049】
ステージ部材33の下方には、第1特別図柄始動口38a及び第2特別図柄始動口38bからなる始動入賞装置38が配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示が行われる。さらに、液晶表示装置36でも、特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示を含む演出の表示が行われる。
【0050】
第2特別図柄始動口38bは開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合に遊技球が入賞し易い状態となる。上記の開閉部材は、普通図柄の抽選に当選した場合に、所定回数、所定時間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物(電動チューリップ又は略称の「電チュー」)と称することがある。
【0051】
始動入賞装置38の下方には、大入賞装置39が配置されている。大入賞装置39には、前側に倒れたとき遊技球が入球可能な開閉扉がある。
【0052】
詳細は後述するが、大入賞装置39は、特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りしたことにより発生する特別遊技で所定時間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39の内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となる。
【0053】
遊技領域4aの右側上方には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a、38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果(判定結果)を表示する。なお、残り1個は(右)、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示する。また、特別図柄表示装置43aは、本発明の「表示手段」に相当する。
【0054】
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40aへの入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
【0055】
遊技領域4aの左側には、遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。また、遊技領域4aの下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球の払出しが行われる。
【0056】
遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a、44bで構成されている。
【0057】
これら外内2本のガイドレール44a、44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
【0058】
図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、
図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
【0059】
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンドを受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
【0060】
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243を備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンドを作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。なお、主制御基板側CPU241は、本発明の「当否判定手段」、「特別遊技実行手段」に相当する。
【0061】
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
【0062】
主制御基板24には、第1始動入賞口センサ38c、第2始動入賞口センサ38d、大入賞口センサ39a、始動ゲート通過センサ40b、一般入賞口センサ42aが接続され、各センサの検出信号を受信可能となっている。
【0063】
また、主制御基板24には、特別図柄表示装置43a、普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU241が抽選処理により取得した乱数値情報は、各図柄表示装置43a、43bに送信される。
【0064】
さらに、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
【0065】
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12c及び前扉開放センサ20が接続されているため、これらのセンサが異常を検出すると、検出信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
【0066】
主制御基板24には、球貸ボタン15aと、返却ボタン15bとが接続されている。球貸ボタン15aが操作されると、主制御基板側CPU241に球貸信号が入力される。主制御基板側CPU241は、球貸信号を受けて払出制御基板29を介して遊技球払出装置19に払出信号を送る。遊技球払出装置19は、払出信号を受けて遊技球を払い出す。さらに、主制御基板側CPU241は、球貸信号を台間サンドに送り、プリペイドカードに記憶された遊技球から、払い出した分の遊技球を減少する。
【0067】
返却ボタン15bが操作されると、主制御基板側CPU241に返却信号が入力される。主制御基板側CPU241は、返却信号を台間サンドに送り、台間サンドに挿入されているプリペイドカードを返却する。
【0068】
演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253を備えている。演出制御基板側CPU251は、いわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。
【0069】
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
【0070】
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8、盤面装飾LED35、ボリュームスイッチ31、左演出ボタン13、中央演出ボタン14が接続されている。これにより、演出制御基板25は、例えば、スピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御し、演出効果を高めている。
【0071】
演出ボタン13、14は、遊技者が有効期間にこれらを押下げることで、検出信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示される演出が変化する。
【0072】
演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
【0073】
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266とを備えている。
【0074】
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した演出コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
【0075】
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
【0076】
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
【0077】
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された演出コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
【0078】
次に、パチンコ遊技機1の大当り種別と特別遊技の内容について説明する。
【0079】
パチンコ遊技機1には、例えば「1」〜「9」の図柄のうち、第1の確変図柄(例えば、「3」と「5」の図柄)による4ラウンドの特別遊技となる4ラウンド確変図柄大当りと、第2の確変図柄(例えば、「7」の図柄)による16ラウンドの特別遊技となる16ラウンド確変図柄大当りと、非確変図柄(例えば、「3」、「5」、「7」以外の図柄)による非確変図柄大当りの3種類がある。以下では、4ラウンド確変図柄大当りと、16ラウンド確変図柄大当りとをまとめて確変図柄大当りという。
【0080】
パチンコ遊技機1では、通常モード、時短モード、確率変動モードで遊技が行われる。通常モードは、低確率(例えば、1/100で「大当り」)での抽選となる。時短モードは、通常モードと同じ抽選確率ではあるが、図柄の変動表示の時間を短縮した遊技状態であり、通常モードより普通電動役物の開閉部材が頻繁に開放され(電チューサポート有り状態)、遊技球が始動入賞し易い。確率変動モードは、通常モード及び時短モードよりも高確率(例えば、1/10で「大当り」)での抽選であり、電チューサポート有り状態である。
【0081】
確変図柄大当りの終了後、遊技状態が確率変動モードとなる。確率変動モードは、50回の遊技が行われると終了する。本実施形態では、大当りの内訳として、50%が4ラウンド確変図柄大当り、20%が16ラウンド確変図柄大当り、30%が非確変図柄大当りとなっている。なお、この比率は適宜変更可能である。また、確率変動モードを、次回の大当りまで継続するモードとしてもよい。
【0082】
確変図柄大当りが発生すると、まず開始前インターバルとして、6000ms(6.0秒)の大当り表示が行われる。
【0083】
その後、第1ラウンドが開始する。第1ラウンドは、大入賞装置39の開閉扉の作動時間が29000ms(29.0秒)である。このとき、ラウンド表示として、「Round01」が液晶表示装置36に表示される。
【0084】
開閉扉の作動時間(開放時間)が終了すると、1980msの残存球排出時間となる。これは、大入賞装置39に入賞した遊技球の排出を確認する時間であり、この時間の経過時までの入賞数及び排出数が有効とみなされる。大入賞装置39は、大入賞口センサ39aがあるだけなので、入賞数と排出数は必ず一致する。
【0085】
その後、20msの第1ラウンドのインターバルを経て、第2ラウンドに進む。4ラウンド確変図柄大当りでの第2,第3ラウンド、16ラウンド確変図柄大当りでの第2〜第15ラウンドは、ラウンド表示がラウンドの進行に応じて進んでいく以外、第1ラウンドと同じである。
【0086】
4ラウンド確変図柄大当りでの第4ラウンド、16ラウンド確変図柄大当りでの第16ラウンドは最終ラウンドであり、開閉扉の閉鎖後、特別遊技の終了を意味する10000ms(10秒)の終了インターバル(エンディング)が行われる。大入賞装置39も閉鎖しているが、液晶表示装置36では、エンディング表示及びエンディング映像が行われる。
【0087】
エンディング表示とは、特別遊技が終了したことを示す「Fin」や「確率変動モード突入」等の文字表示である。また、エンディング映像は、攻略法の注意喚起や企業ロゴ表示等で構成される。終了インターバルの終了により、確変図柄大当りによる一連の特別遊技が終了し、その後、確率変動モードの遊技が開始する。
【0088】
次に、非確変図柄大当りについて、確変図柄大当りと異なる部分を中心に説明する。非確変図柄大当りによる特別遊技は、全4ラウンドで構成される。また、その終了後には、遊技状態が時短モードとなる。本実施形態の時短モードは、所定回数(例えば、30回)の遊技が行われると終了する。
【0089】
非確変図柄大当りの特別遊技の場合、第1〜第4ラウンドの開閉扉の作動時間等は、確変図柄大当りの場合と同じであり、最終ラウンドである第5ラウンドの残存球排出時間を経て、終了インターバル(エンディング)に移行する。エンディング表示では、例えば「時短モード突入30回」が表示される。
【0090】
次に、
図5を参照して、特別遊技の終了時に設定される各種フラグについて説明する。
【0091】
まず、4ラウンド確変図柄大当り、16ラウンド確変図柄大当り、非確変図柄大当りいずれの特別遊技の終了後に設定される各種フラグについて説明する。
図5に示すように、普電開放延長状態フラグ、普図時短移行状態フラグ、普図確率変動移行状態フラグ、特図時短移行状態フラグに「5AH」がセットされる。「5AH」とは、フラグがオンの意味である。
【0092】
4ラウンド確変図柄大当り、16ラウンド確変図柄大当りの場合は、特図確率変動移行状態フラグに「5AH」がセットされる。一方、非確変図柄大当りの場合、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行しないので、特図確率変動移行状態フラグに「00H」がセットされる。「00H」とは、フラグがオフの意味である。
【0093】
なお、非確変図柄大当りの場合でも、普通電動役物の開閉部材が頻繁に開放する状態(電チューサポート有り)となる。従って、上述の普図確率変動移行状態フラグは、4ラウンド確変図柄大当り、16ラウンド確変図柄大当り、非確変図柄大当りに関わらず、「5AH」がセットされる。
【0094】
また、4ラウンド確変図柄大当り、16ラウンド確変図柄大当りの場合は、特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタに「50」がセットされ、非確変図柄大当りの場合は、特図時短回数カウンタに「30」がセットされ、特図確率変動回数カウンタに「0」がセットされる。ここで、「50」、「30」とは、50回、30回の遊技を意味し、「0」は、特図確率変動での遊技が行われないことを意味する。
【0095】
特図時短回数カウンタ、特図確率変動回数カウンタの値は、変更することができる。例えば、4ラウンド確変図柄大当り、16ラウンド確変図柄大当りの場合、特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタに「100」をセットすると、特別遊技の終了後、100回の確率変動モードに移行する。
【0096】
次に、
図6を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込処理である。
【0097】
まず、主制御手段は、タイマ管理処理を行う(ステップS10)。パチンコ遊技機1には、特別図柄役物動作タイマ等の複数のタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。
【0098】
主制御手段は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)していくことで、多数のタイマを管理する。その後、ステップS20に進む。
【0099】
ステップS20では、主制御手段は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1,第2特別図柄始動口38a,38bや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42aが遊技球を検知し、球検知信号を主制御手段に送信する。
【0100】
主制御手段は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(更には、遊技球払出装置19)に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した後に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS30に進む。
【0101】
ステップS30では、主制御手段は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40aを通過した場合に行われる処理である。具体的には、普通図柄用始動ゲート40aの内部にある始動ゲート通過センサ40bがゲートを通過した遊技球を検知して、球検知信号を主制御手段に送信する。
【0102】
主制御手段は、上記信号を受信すると、普通図柄の乱数値を取得する。この抽選した乱数値は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記乱数値の当否抽選を行う。
【0103】
また、主制御手段は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。その後、ステップS40に進む。
【0104】
ステップS40では、主制御手段は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、主制御手段は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
【0105】
主制御手段は、上記所定時間が経過した場合、又は所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。その後、ステップS50に進む。
【0106】
なお、普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が外れ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、主制御手段は、何もせず普通電動役物遊技処理を終了する。
【0107】
ステップS50では、主制御手段は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。
【0108】
詳細は後述するが、始動入賞口センサ38c,38dが遊技球を検出すると、始動入賞口センサ38c,38dは、球検出信号を主制御手段に送信し、主制御手段は、球検出信号を受けて、例えば1000個の乱数値の中から1個の乱数値を取得し(特別図柄の抽選)、この取得した乱数値に対する演出時間及び演出態様を決定する。
【0109】
主制御手段は、特別図柄表示装置43aに演出コマンドを送信する。特別図柄表示装置43aでは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄が所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又は外れの態様で停止する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS60に進む。
【0110】
最後に、ステップS60では、主制御手段は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により大入賞装置39(以下、特別電動役物とも称する)の動作を制御する処理である。
【0111】
詳細は後述するが、特別図柄が当り態様で停止した場合には、いわゆる大当りとなり、所定ラウンド数の特別遊技が遊技者に付与される。特別図柄管理処理(ステップS50)にて、特別図柄が外れ態様で停止した場合には、直ちに特別電動役物管理処理が終了となる。特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理も終了となる。
【0112】
次に、
図7を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別図柄管理処理について説明する。特別図柄管理処理(
図6:ステップS50)では、主制御手段は、後述する特別図柄動作ステータス(変動待機中、変動中)を判定し、それぞれの処理を管理する。
【0113】
まず、主制御手段は、始動口チェック処理1を行う(ステップS51)。これは、第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞の有無を判断する。第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞があった場合には、主制御基板側CPU241は、始動入賞口センサ38cから送られる球検出信号に基づいて、1000個の乱数値の中から1個の乱数値を取得する。
【0114】
ROM242には、演出情報テーブル(図示せず)が格納されている。この演出情報テーブルは、1000個の乱数値それぞれに対応付けられた演出時間及び演出態様を有する。主制御基板側CPU241は、取得した乱数値に対応した演出時間及び演出態様を、演出情報テーブルから読み込む。また、主制御基板側CPU241は、乱数値に基づいて大当り判定フラグを取得して、ワークエリアへ格納する処理も行う。
【0115】
特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1特別図柄始動口38aに入賞すると、主制御基板側CPU241は、乱数値、演出時間及び演出態様を含む演出コマンドを、液晶制御RAM243の保留記憶エリアに記憶する。また、主制御基板側CPU241は、演出制御基板25を介して液晶制御基板26の液晶制御CPU261に演出コマンドを送る。液晶制御CPU261は、この演出コマンドを、保留情報として液晶制御RAM263に記憶する。また、液晶制御CPU261は、保留情報を液晶表示装置36の例えば下側部分に表示する。この保留情報の表示は、例えば小さな白色の丸を表示することで行われる。液晶制御RAM263に記憶される保留情報は、例えば最大4個であり、最大4個の保留表示用の白丸が表示される。なお、液晶制御RAM263は、本発明の「記憶手段」に相当する。
【0116】
ステップS52では、主制御手段は、始動口チェック処理2を行う。第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞の有無を判断し、始動口チェック処理1と同様の処理を行う。その後、ステップS53に進む。
【0117】
次に、主制御手段は、条件装置作動フラグがオン(5AH)か否かを判定する(ステップS53)。条件装置とは、大当り発生時に大当りを継続する条件が成立した場合に作動する装置であり、条件装置作動フラグがオンしたか否かの判定となる。条件装置作動フラグがオンである場合には、「YES」の判定となり、ステップS58に進む。
【0118】
一方、条件装置作動フラグがオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS54に進む。すなわち、ステップS54〜S57は、大当りが発生していない通常遊技モードの場合の処理となる。
【0119】
ステップS53の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定を行う(ステップS54)。特別図柄動作ステータス(以下、特図動作ステータスともいう)が「00H」、「01H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動待機中」であるので、ステップS55に進む。
【0120】
また、特図動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動中」であるので、ステップS56に進む。さらに、特図動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、特別図柄の「確認時間中」であるので、ステップS57に進む。以下、各特図動作ステータスにおける処理について説明する。
【0121】
まず、
図8A、
図8Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動開始処理(ステップS55)について説明する。
【0122】
まず、
図8Aにおいて、主制御基板側CPU241は、特図保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS71)。特図の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS72に進む。一方、特図の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS76に進む(
図8B参照)。
【0123】
ステップS72では、第1特別図柄始動口38aまたは第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞の有無を判定する。ステップS72の判定が「YES」である場合には、乱数値を取得し、ステップS79に進む。
【0124】
ステップS72の判定が「NO」である場合には、主制御手段は、特図動作ステータスが00Hであるか否かを判定する(ステップS73)。後述するが、特別図柄確認時間中処理(
図7:ステップS57)が実行された直後は、特図動作ステータスとして「01H」がセットされている。
【0125】
特図動作ステータスが「00H」である場合には、「YES」の判定となり、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、特図動作ステータスが「00H」でない場合(「01H」である場合)には、「NO」の判定となり、ステップS74に進む。
【0126】
ステップS74では、主制御手段は、客待ちデモコマンドを送信する。「客待ちデモコマンド」は、特図の保留球数が0、かつ特図動作ステータスが「01H」の場合に、主制御手段から演出制御基板25に向けて送信される。その後、ステップS75に進む。
【0127】
ステップS75では、主制御手段は、特図動作ステータスに00Hをセットする。このセットにより特別図柄変動開始処理は終了となるが、これ以後、特別図柄変動開始処理では、保留情報や始動口入賞が発生しない限り、ステップS73の判定で「YES」となる処理を繰り返す。
【0128】
ステップS71の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図の保留球数を1減算する(
図8B:ステップS76)。その後、ステップS77に進む。
【0129】
ステップS77では、主制御手段は、演出制御基板25に向けて保留減算コマンドを送信する。これにより、特別図柄表示装置43a(右側の7セグメントLED)の保留表示及び液晶表示装置36に表示された保留表示が1減算される。その後、ステップS78に進む。
【0130】
ステップS78では、主制御手段は、保留記憶エリアをシフトする。最大保留数と同数ある保留記憶エリア1〜4は、保留球数の減算に伴い1だけシフトする。このとき、最新の保留情報が記憶される保留記憶エリア4については0をセットする。その後、ステップS79に進む。
【0131】
ステップS79では、主制御基板側CPU241は、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う。これは、取得した乱数値に基づいた特図の当り判定処理である。また、大当り判定フラグをワークエリアへ格納する処理も行う。
【0132】
本実施形態では、通常モード及び時短モードと、確率変動モードとで大当り確率が異なるため、「大当り」となる乱数値が異なる。
【0133】
ステップS80では、主制御手段は、遊技状態移行準備処理を行う。ここでは、大当り判定フラグがオンの場合に、大当り種別に応じた遊技状態移行テーブルを選択し、これを参照して各種バッファに値を格納する。その後、ステップS81に進む。
【0134】
ステップS81では、主制御手段は、特図の変動中フラグを5AHにセットする。その後、ステップS82に進む。
【0135】
ステップS82では、主制御基板側CPU241は、取得した乱数値に対応した演出時間及び演出態様を、演出情報テーブルから読み込み、乱数値、演出時間及び演出態様を含む演出コマンドを特別図柄表示装置43aに送り、演出コマンドまたは演出実行コマンドを演出制御基板25に送る。主制御基板側CPU241は、保留情報が記憶されていない場合には演出コマンドを、保留情報が記憶されている場合には演出実行コマンドを、演出制御基板25に送る。その後、ステップS83に進む。
【0136】
最後に、主制御手段は、変動開始時の各種設定を行う(ステップS83)。具体的には、乱数記憶エリア0に「00H」(消去)をセットする。また、特図動作ステータスを「02H」(変動中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(
図7:ステップS54)にて、後述する特別図柄変動中処理(
図7:ステップS56)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動開始処理を終了する。
図7に戻り、その後、後述するステップS58に進む。
【0137】
次に、特別図柄の変動表示処理、演出画像の表示処理について説明する。特別図柄表示装置43aは、主制御基板側CPU241から送られた演出コマンドの演出時間に基づいて、特別図柄の変動表示を行う。なお、特別図柄の変動表示は、後述する液晶表示装置36での演出と同じ時間で行われ、変動パターンは常に同じものであり、乱数値に応じて最後の停止図柄が異なる。また、演出画像には、変動表示する装飾図柄も含まれる。
【0138】
演出制御基板側CPU251は、保留情報が記憶されていない場合には、主制御基板側CPU241から送られた演出コマンドに基づいてスピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御して演出を行い、保留情報が記憶され、演出実行コマンドを受信した場合には、液晶制御RAM263に記憶された保留情報(演出コマンド)に基づいて演出を行う。また、演出制御基板側CPU251は、保留情報が記憶されていない場合には、演出コマンドを液晶制御基板26に送り、保留情報が記憶されている場合には、演出実行コマンドを液晶制御基板26に送る。
【0139】
液晶制御基板26の映像表示プロセッサVDP264は、演出コマンドを受信した場合には受信した演出コマンドの演出時間及び演出態様に基づいて、演出実行コマンドを受信した場合には液晶制御RAM263に記憶された保留情報の演出時間及び演出態様に基づいて、液晶表示装置36に表示する演出の画像データの画像処理を行う。液晶制御CPU261は、画像処理された画像データを液晶表示装置36に表示することで、主制御基板側CPU241で決定された演出時間及び演出態様での演出を行う。液晶制御CPU261は、保留情報による演出を開始するのに合わせて、その保留情報を消去する。
【0140】
次に、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動中処理(ステップS56)について簡単に説明する。主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(
図7:ステップS54)にて、特図動作ステータスが「02H」(変動中)と判断された場合、この処理を行う。
【0141】
主制御手段は、特図の変動時間に関するタイマである特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定し、このタイマが0となった場合に、「変動停止コマンド」を送信する。また、変動停止時の各種設定を行うが、特別図柄動作ステータスを「03H」(確認時間中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(
図7:ステップS54)にて、後述する特別図柄確認時間中処理(
図7:ステップS57)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動中処理を終了する。
【0142】
次に、
図9A、
図9Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄確認時間中処理(
図7:ステップS57)について説明する。
【0143】
まず、
図9Aにおいて、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS121)。ここでは、特図の確定表示の時間が経過したか否かの判定となる。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS122に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する(
図9B参照)。
【0144】
ステップS121の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特図動作ステータスを「01H」にセットする(ステップS122)。特図動作ステータスを「01H」(変動待機中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定にて、特別図柄変動開始処理(
図7:ステップS55)に分岐するようになる。その後、ステップS123に進む。
【0145】
次に、主制御手段は、大当りフラグが5AHであるか否かを判定する(ステップS123)。これは、大当りフラグがオンであるか否かの判定である。大当りフラグがオンである場合には、「YES」の判定となり、ステップS124に進む。一方、大当りフラグがオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS125に進む。
【0146】
ステップS123の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大当り図柄停止時の各種設定を行う(ステップS124)。例えば、大当り判定フラグを「00H」に戻し、条件装置作動フラグを「5AH」に設定する。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0147】
また、ステップS123の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS125)。特図時短回数カウンタは、時短モードの回数をカウントするカウンタであり、例えば、通常モード中は、0が設定されている。
【0148】
特図時短回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS129に進む(
図9B参照)。一方、特図時短回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS126に進む。
【0149】
ステップS125の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図時短回数カウンタを1減算する(ステップS126)。ステップS126〜S128は、時短回数の減算に関する処理となる。
【0150】
次に、主制御手段は、特図時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS127)。特図時短回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS128に進む。一方、特図時短回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS129に進む(
図9B参照)。
【0151】
ステップS127の判定が「YES」である場合、主制御手段は、時短終了時の各種設定を行う(ステップS128)。例えば、普図時短状態フラグ、特図時短状態フラグをそれぞれ「00H」に設定する。その後、ステップS129に進む(
図9B参照)。
【0152】
次に、
図9Bにおいて、主制御手段は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS129)。本実施形態の確率変動モードは、回数限定であり、特図確変回数カウンタにより、確率変動モードの残り回数がカウントされる。
【0153】
特図確変回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定
となり、ステップS130に進む。
【0154】
ステップS129の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図確変回数カウンタを1減算する(ステップS130)。ステップS130〜S132は、確変回数の減算に関する処理となる。
【0155】
次に、主制御手段は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS131)。特図確変回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS132に進む。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。
【0156】
ステップS131の判定が「YES」である場合、主制御手段は、確変終了時の各種設定を行う(ステップS132)。例えば、普図確変状態フラグ、特図確変状態フラグをそれぞれ「00H」に設定し、特別図柄確認時間中処理を終了する。特別図柄確認時間中処理の終了後には、
図7のステップS58に進む。
【0157】
最後に、主制御手段は、特別図柄表示データを更新する(ステップS58)。具体的には、特別図柄表示装置43aの特別図柄を更新する。その後、特別図柄管理処理を終了する。
【0158】
次に、
図10を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別電動役物管理処理について説明する。特別電動役物管理処理(
図6:ステップS60)において、主制御手段は、後述する特別電動役物動作ステータス(大当り開始処理、特別電動役物作動開始処理、特別電動役物作動中処理、特別電動役物作動継続判定処理、大当り終了処理)を判定し、それぞれの処理を管理する。
【0159】
まず、主制御手段は、条件装置作動フラグが5AH(ON)であるか否かを判定する(ステップS61)。条件装置作動フラグがオンの場合には、「YES」の判定となり、ステップS62に進む。一方、条件装置作動フラグがオンでない場合には、「NO」の判定となり、この処理を終了する。すなわち、ステップS62以降は、大当りが発生した場合の処理となる。
【0160】
ステップS61の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定を行う(ステップS62)。特別電動役物動作ステータス(以下、特電動作ステータスともいう)が「00H」に設定されている場合は、「大当り開始」時であるので、ステップS63に進む。
【0161】
また、特電動作ステータスが「01H」に設定されている場合は、「特電作動開始中」であるので、ステップS64に進む。同様に、特電動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、「特電作動中」であるので、ステップS65に進む。
【0162】
さらに、特電動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、「特電作動継続判定中」であるので、ステップS66に進み、特電動作ステータスが「04H」に設定されている場合は、「大当り終了中」であるので、ステップS67に進む。
【0163】
ステップS63〜S67の処理の内容については、以下で詳細を説明する。また、これらの処理が終了した後、主制御手段は、特別電動役物管理処理を終了する。
【0164】
次に、
図11を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り開始処理(
図10:ステップS63)について説明する。
【0165】
まず、主制御手段は、大当り開始時の各種設定を行う(ステップS141)。具体的には、役物連続作動装置作動フラグをONとし、連続回数カウンタに「01H」をセットする。連続回数カウンタは、後述する特別電動役物作動継続判定処理の中でラウンド数をカウントするために用いられ(
図14参照)、「01H」は第1ラウンドを意味する。
【0166】
また、特別電動役物動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(
図10:ステップS62)では、特別電動役物作動開始処理(
図10:ステップS64)に進むようになる。大当り開始時の各種設定が終了した後、ステップS142に進む。
【0167】
ステップS142では、主制御手段は、大当り種別に応じて各種データをセットする。具体的には、最大ラウンド数、ラウンド表示LED番号、大当り開始インターバル時間をRAM243に格納する。大当り開始インターバル時間は、後述する特別電動役物作動開始処理の中で利用する(
図12参照)。その後、ステップS143に進む。
【0168】
最後に、主制御手段は、大当り開始インターバルコマンドを送信する(ステップS143)。具体的には、主制御手段は、演出制御基板25に向けて「大当り開始インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。その後、大当り開始処理を終了する。
【0169】
次に、
図12を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動開始処理(
図10:ステップS64)について説明する。
【0170】
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS151)。具体的には、大当り開始インターバル時間が経過したか否か、又は後述するラウンド間インターバル時間が経過したか否かを判定する。
【0171】
特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS152に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動開始処理を終了する。
【0172】
ステップS151の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大入賞口開放コマンドを送信する(ステップS152)。具体的には、主制御手段は、演出制御基板25に向けて「大入賞口開放コマンド」を送信する。その後、ステップS153に進む。
【0173】
ステップS153では、主制御手段は、大当り種別とラウンド数に応じた特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。例えば、今回、確変図柄大当りに当選した場合には、4又は16の各ラウンドの特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマにセットする。その後、ステップS154に進む。
【0174】
ステップS154では、主制御手段は、開放動作開始時の各種設定を行う。具体的には、大入賞口入賞数カウンタを「00H」にセットする。「00H」は、入賞数が「0個」であることを意味する。
【0175】
また、特別電動役物動作ステータスを「02H」(特電作動中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(
図10:ステップS62)では、特別電動役物作動中処理(
図10:ステップS65)に進むようになる。その後、ステップS155に進む。
【0176】
最後に、主制御手段は、大入賞口開閉動作設定処理を行う(ステップS155)。この大入賞口開閉動作設定処理では、主制御手段は、大当り種別、ラウンド数、特別図柄役物動作タイマ、ソレノイド動作パターンに基づいて、ソレノイドのON/OFFを設定する。ここでいうソレノイドは、アタッカの開閉扉を駆動するソレノイドである。その後、大入賞口開閉動作設定処理を終了する。これにより、特別電動役物作動開始処理を終了する。
【0177】
次に、
図13を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動中処理(
図10:ステップS65)について説明する。
【0178】
まず、主制御手段は、大入賞口への入賞があったか否かを判定する(ステップS161)。大入賞口の大入賞口センサ39aにより入賞が検出される。大入賞口への入賞があった場合には、「YES」の判定となり、ステップS162に進む。一方、入賞がなかった場合には、「NO」の判定となり、ステップS165に進む。
【0179】
ステップS161の判定が「YES」である場合、主制御手段は、入賞数を1加算する(ステップS162)。すなわち、大入賞口センサが大入賞口に入賞する規定の入賞数をカウントする処理となる。その後、ステップS163に進む。
【0180】
次に、主制御手段は、最大入賞数に達したか否かを判定する(ステップS163)。最大入賞数に達した場合には、「YES」の判定となり、ステップS164に進む。一方、まだ最大入賞数に達していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS165に進む。なお、最大入賞数を大当り種別により異ならせてもよい。
【0181】
ステップS163の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマをクリアする(ステップS164)。特別図柄役物動作タイマをクリアすることにより、1回のラウンド遊技が終了した場合の処理に進むようになる(ステップS166/YES)。その後、ステップS165に進む。
【0182】
ステップS165では、主制御手段は、大入賞口開閉動作設定処理を行う。大入賞口開閉動作設定処理の詳細は、
図12のステップS155で説明したので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS166に進む。
【0183】
次に、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS166)。ここでは、特別電動役物作動時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS167に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動中処理を終了する。
【0184】
ステップS166の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ラウンド間インターバルコマンドを送信する(ステップS167)。具体的には、主制御手段は、演出制御基板25に向けて「ラウンド間インターバルコマンド」を送信する。「ラウンド間インターバルコマンド」とは、例えば、第1ラウンドと第2ラウンドのインターバルに移行することを知らせるコマンドである。その後、ステップS168に進む。
【0185】
ステップS168では、主制御手段は、開放動作終了時の各種設定1を行う。具体的には、特別電動役物動作ステータスを「03H」(特電作動継続判定中)にセットする。これにより、次回の特別電動役物動作ステータス判定処理(
図10:ステップS62)では、特別電動役物作動継続判定処理(
図10:ステップS66)に進むようになる。主制御手段は、開放動作終了時の各種設定2を行う(ステップS169)。ここでは、特別図柄役物動作タイマを1980msにセットする。これは、通常ラウンドの残存球排出時間に相当する。その後、特別電動役物作動中処理を終了する。
【0186】
次に、
図14を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動継続判定処理(
図10:ステップS66)について説明する。
【0187】
まず、主制御手段は、大入賞口入賞数チェック処理を行う(ステップS171)。大入賞口入賞数チェック処理の詳細は、
図13のステップS161〜S164で説明した処理と同じであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS172に進む。
【0188】
ステップS172では、主制御手段は、大入賞口開閉動作設定処理を行う。大入賞口開閉動作設定処理の詳細は、
図12のステップS155で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS173に進む。
【0189】
次に、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS173)。ここでは、残存球排出時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS174に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
【0190】
ステップS173の判定が「YES」である場合、主制御手段は、最大ラウンド数に達したか否かを判定する(ステップS174)。本実施形態では、最大の第16ラウンド(16ラウンド確変図柄大当り)又は第4ラウンド(4ラウンド確変図柄大当り、非確変図柄大当り)に達した場合に「YES」の判定となり、ステップS178に進む。一方、第15ラウンド(16ラウンド確変図柄大当り)又は第3ラウンド(4ラウンド確変図柄大当り、非確変図柄大当り)までは、「NO」の判定となり、ステップS175に進む。
【0191】
ステップS174の判定が「NO」である場合、主制御手段は、連続回数カウンタを1加算する(ステップS175)。すなわち、特別遊技のラウンド数をカウントする処理となる。その後、ステップS176に進む。
【0192】
ステップS176では、主制御手段は、ラウンド間インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。ラウンド間インターバル時間は、特別電動役物作動開始処理に戻った場合、その処理の中で利用する(
図12参照)。その後、ステップS177に進む。
【0193】
ステップS177では、主制御手段は、継続時の各種設定を行う。具体的には、特別電動役物作動フラグが「00H」にセットされる。特別電動役物作動フラグが「00H」に設定されるのは、大当りラウンドの「開始」、「ラウンド間」又は「終了」の何れかの場合であるが、ここでは「ラウンド間」である。
【0194】
また、特別電動役物動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(
図10:ステップS62)では、特別電動役物作動開始処理(
図10:ステップS64)に進むようになる。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
【0195】
次に、ステップS174の判定が「YES」である場合、主制御手段は、終了時の各種設定を行う(ステップS178)。具体的には、特別電動役物作動フラグが「00H」にセットされる。特別電動役物作動フラグを「00H」とするのは、大当りラウンドが「終了」となるためである。
【0196】
また、特電動作ステータスを「04H」(大当り終了中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(
図10:ステップS62)では、大当り終了処理(
図10:ステップS67)に進むようになる。その後、ステップS179に進む。
【0197】
ステップS179では、主制御手段は、終了インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。終了インターバル時間は、後述する大当り終了処理の中で利用する(
図15参照)。その後、ステップS180に進む。
【0198】
最後に、主制御手段は、大当り終了インターバルコマンドを送信する(ステップS180)。具体的には、主制御手段は、演出制御基板25に向けて「大当り終了インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
【0199】
次に、
図15を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り終了処理(
図10:ステップS67)について説明する。
【0200】
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS181)。ここでは、終了インターバル時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS182に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、大当り終了処理を終了する。
【0201】
ステップS181の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大当り終了時の各種設定1を行う(ステップS182)。具体的には、特別電動役物管理処理中の各ステップで使用した条件装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大連続回数バッファ等を全てクリアする。その後、ステップS183に進む。
【0202】
ステップS183では、主制御手段は、大当り終了時の各種設定2を行う。設定の詳細は、
図5で説明した通りである。その後、ステップS184に進む。
【0203】
ステップS184では、主制御手段は、大当り終了時の各種設定3を行う。具体的には、特電動作ステータスを「00H」(大当り開始)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(
図10:ステップS62)では、大当り開始処理(
図10:ステップS63)に進むようになる。その後、ステップS185に進む。
【0204】
最後に、主制御手段は、遊技状態報知情報を更新する(ステップS185)。例えば、この後に時短遊技状態に移行する場合には、時短中報知ランプをオンする。その後、大当り終了処理を終了する。以上、主制御手段が行う処理について説明した。
【0205】
次に、
図16を参照して、特別遊技中に行う保留情報確認処理について説明する。
【0206】
主制御手段は、特別遊技中、例えば第1ラウンド中に保留情報の抽選結果を確認し(ステップS191)、保留情報に確変図柄大当り(4ラウンド確変図柄大当り又は16ラウンド確変図柄大当り)の抽選結果が含まれているか否かを判定する(ステップS192)。この保留抽選結果判定で、確変図柄大当りの抽選結果が含まれていると判定された場合(ステップS192の判定が「YES」)、
図17に示すように、液晶表示装置36に「保留大当り確定!!」と表示することで、保留内で確変図柄大当りすることを報知(保留大当り報知)する(ステップS193)。なお、保留大当り報知の文字は適宜変更可能である。
【0207】
次に、主制御手段は、保留情報に含まれている確変図柄大当りは16ラウンド確変図柄大当りであるか否かを判定する(ステップS194)。この判定で、16ラウンド確変図柄大当りであると判定された場合(ステップS194の判定が「YES」)、保留大当り報知に続いて、
図18に示すように、液晶表示装置36に「16R!!」と表示することで、保留での大当りは16ラウンド確変図柄大当りであることを報知(ラウンド数報知)する(ステップS195)。なお、保留大当り報知は、本発明の「保留当り報知」に相当し、ラウンド数報知は、本発明の「当り種類報知」に相当する。
【0208】
一方、保留情報に含まれている確変図柄大当りが16ラウンド確変図柄大当りではないと判定された場合(ステップS194の判定が「NO」)、保留情報に含まれている確変図柄大当りは4ラウンド確変図柄大当りであり、保留大当り報知に続いて、
図19に示すように、液晶表示装置36に「4R!!」と表示することで、保留での大当りは4ラウンド確変図柄大当りであることを報知(ラウンド数報知)する(ステップS196)。
【0209】
また、ステップS195、ステップS196の後や、保留抽選結果判定で、確変図柄大当りの抽選結果が含まれていないと判定された場合(ステップS192の判定が「NO」)、保留情報確認処理を終了する。
【0210】
図20に、特図変動表示、大当りファンファーレ、特別遊技、保留情報確認、保留大当り報知、ラウンド数報知、保留情報による特図変動表示のタイミングチャートを示す。ここでは、保留情報が4個(保留情報1〜保留情報4)あり、特別遊技での第1ラウンド中に保留情報の抽選結果を確認し、例えば保留情報3(3個目の保留情報)の抽選結果が確変図柄大当りである場合について説明する。
【0211】
本実施形態では、
図20(a)に示すように、特別遊技中に、保留大当り報知に続いてラウンド数報知を実行する。これに対して、
図20(b)に示す従来例では、特別遊技中に保留大当り報知を実行するが、ラウンド数報知は、保留情報3の変動が終了したときに実行される。このように、本実施形態では、従来例に比べて、保留大当り報知とラウンド数報知との間の時間が短くなる。
【0212】
以下では、
図21を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、副制御手段(演出制御基板25)の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
【0213】
まず、副制御手段は、初期化処理を行う(ステップS201)。これは、主に、副制御手段の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS202に進む。
【0214】
次に、副制御手段は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS202)。メインループとは、後述するステップS204〜S209までの処理であるが、その更新周期は16msである。
【0215】
ステップS202に進んだとき更新周期の16msが経過すると、「YES」の判定となり、ステップS204に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS203に進む。
【0216】
ステップS202の判定が「NO」である場合、副制御手段は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS203)。その後、更新周期となるまでステップS202、S203の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込処理(
図22参照)が実行されるが、副制御手段は、この割込処理回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
【0217】
ステップS202の判定が「YES」である場合、副制御手段は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS204)。上述の通り、ステップS204〜S209はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、装飾LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS205に進む。
【0218】
ステップS205では、副制御手段は、受信コマンド解析処理を行う。これは、受信した制御コマンドの種別を解析し、それに応じた各種設定を行うものである。例えば、大当り開始処理(
図11参照)の中で送信される「大当り開始インターバルコマンド」を受信した場合には、副制御手段は、開始前インターバルを設定する。その後、ステップS206に進む。
【0219】
ステップS206では、副制御手段は、メインシナリオ更新処理を行う。具体的には、受信した制御コマンドに応じて演出の更新を行うものである。その後、ステップS207に進む。
【0220】
ステップS207では、副制御手段は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS208に進む。
【0221】
ステップS208では、副制御手段は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS209に進む。
【0222】
最後に、副制御手段は、ノイズ対策用処理を行う(ステップS209)。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS202に戻り、以降の処理を継続して実行する。
【0223】
次に、
図22を参照して、副制御側のタイマ割込処理について説明する。これは、上述の副制御側メイン処理(
図21参照)に対して、1ms周期で実行される割込処理である。
【0224】
まず、副制御手段は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS211)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS212に進む。
【0225】
ステップS212では、副制御手段は、出力処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS213に進む。
【0226】
ステップS213では、副制御手段は、演出ボタン入力状態更新処理を行う。副制御手段は、演出ボタン13、14の操作がされた場合に、入力状態を更新する。その後、ステップS214に進む。
【0227】
ステップS214では、副制御手段は、スイッチ入力状態更新処理を行う。具体的には、ボリュームスイッチ31等の入力情報を確認し、その情報に応じた処理を行う。その後、ステップS215に進む。
【0228】
ステップS215では、副制御手段は、液晶制御コマンド送信処理を行う。副制御手段は、例えば、演出用カウンタによって選択された演出用コマンド(液晶制御コマンド)を液晶制御基板26に向けて送信する。その後、ステップS216に進む。
【0229】
ステップS216では、副制御手段は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動役物37に用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS217に進む。
【0230】
ステップS217では、副制御手段は、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS218に進む。
【0231】
最後に、副制御手段は、メインループ更新周期用ワークを1インクリメントする(ステップS218)。これは、メインループ処理(
図21:ステップS204〜S209)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけインクリメントする処理である。その後、タイマ割込処理を終了する。以上、本実施例のパチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
【0232】
上記のように、本実施形態では、保留大当り報知を実行した場合には、続いてラウンド数報知も実行するので、保留情報による変動表示が終了した際にラウンド数を知るものに比べて、ラウンド数が少ない大当りである場合でも、大当りの喜びが低下するのを防止することができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0233】
[第2実施形態]
図23に示す第2実施形態では、保留情報に含まれている確変図柄大当りの種別に応じて、ラウンド数報知を実行するタイミングを変える。
【0234】
主制御手段は、特別遊技での第1ラウンドで保留情報の抽選結果を確認し(ステップS301)、保留情報に確変図柄大当り(4ラウンド確変図柄大当り又は16ラウンド確変図柄大当り)の抽選結果が含まれているか否かを判定する(ステップS302)。この保留抽選結果判定で、確変図柄大当りの抽選結果が含まれていると判定された場合(ステップS302の判定が「YES」)、第1ラウンド、遅くとも第2ラウンドで、保留内で確変図柄大当りすることを報知する(ステップS303)。
【0235】
次に、主制御手段は、保留情報に含まれている確変図柄大当りは16ラウンド確変図柄大当りであるか否かを判定する(ステップS304)。この判定で、16ラウンド確変図柄大当りであると判定された場合(ステップS304の判定が「YES」)、遊技中の特別遊技が16ラウンド確変図柄大当りでの特別遊技であるか否かを判定する(ステップS305)。
【0236】
16ラウンド確変図柄大当りでの特別遊技であると判定された場合(ステップS305の判定が「YES」)、保留での大当りは16ラウンド確変図柄大当りであることを第10ラウンドで報知する(ステップS306)。16ラウンド確変図柄大当りでの特別遊技ではないと判定された場合(ステップS305の判定が「NO」)、遊技中の特別遊技は4ラウンド確変図柄大当りでの特別遊技である。この場合、第3ラウンドでラウンド数報知する(ステップS307)。
【0237】
一方、保留情報に含まれている確変図柄大当りが16ラウンド確変図柄大当りではないと判定された場合(ステップS304の判定が「NO」)、保留情報に含まれている確変図柄大当りは4ラウンド確変図柄大当りである。この場合、遊技中の特別遊技の種類(4ラウンド確変図柄大当りでの特別遊技、16ラウンド確変図柄大当りでの特別遊技)に関わらず、保留大当り報知に続いて、第2ラウンドで、保留での大当りは4ラウンド確変図柄大当りであることを報知する(ステップS308)。
【0238】
ステップS306〜ステップS308の後や、保留抽選結果判定で、確変図柄大当りの抽選結果が含まれていないと判定された場合(ステップS302の判定が「NO」)、保留情報確認処理を終了する。
【0239】
第2実施形態によれば、保留情報に含まれている確変図柄大当りの種別に応じて、ラウンド数報知を実行するタイミングを変えるので、遊技の興趣がより一層高まる。
【0240】
[第3実施形態]
図24に示す第3実施形態では、保留情報に確変図柄大当りが含まれている場合に、特図の変動表示中に、保留大当り報知及びラウンド数報知を実行する。
【0241】
主制御手段は、特図の変動表示中に保留情報の抽選結果を確認し、保留情報に確変図柄大当り(4ラウンド確変図柄大当り又は16ラウンド確変図柄大当り)の抽選結果が含まれているか否かを判定する。この保留抽選結果判定で、確変図柄大当りの抽選結果が含まれていると判定された場合、液晶表示装置36の左下に表示している保留白丸の中の確変図柄大当りの白丸を、例えば虹色での点滅表示に変更し、この保留で確変図柄大当りすることを報知する。
【0242】
さらに、主制御手段は、虹色に点滅表示する保留球の上に、4ラウンド確変図柄大当りの場合には「4」を表示し、16ラウンド確変図柄大当りの場合には「16」を表示することで、ラウンド数報知を実行する。なお、「4」、「16」の表示は、保留球のシフトに合わせてシフトされる。また、保留情報の抽選結果判定は、変動表示中の抽選結果が確変図柄大当りのときに行うようにしてもよい。
【0243】
第3実施形態によれば、特図の変動表示中にも、保留大当り報知を実行し、これに続いてラウンド数報知も実行するので、遊技の興趣を高めることができる。
【0244】
上記の実施形態は、本発明の一例であり、これ以外にも種々の変形例が考えられる。本実施形態では、特別遊技中又は特図変動中に保留での大当りのラウンド数報知を実行しているが、ラウンド数報知を実行するタイミングは、保留大当り報知してから、大当りの保留情報に係る変動表示が開始されるまでの期間であれば適宜変可能である。
【0245】
また、保留大当りのラウンド数報知を、4R、16Rのように数字を表示すること実行しているが、保留大当りが4ラウンド確変図柄大当り、16ラウンド確変図柄大当りのいずれであるかが把握可能であればよく、例えば、保留大当りが4ラウンド確変図柄大当りの場合には「スモールボーナス」や「スモールハッピー」と表示し、16ラウンド確変図柄大当りの場合には「ビッグボーナス」や「ビッグハッピー」と表示するようにしてもよい。
【0246】
上記の実施形態では、液晶表示装置に画像を表示することにより、保留大当り報知、ラウンド数報知を実行しているが、これらの報知を、スピーカからの音声や、可動役物の駆動等により実行してもよい。可動役物により報知を実行する場合、例えば、保留大当りと描かれた可動役物や、ラウンド数が描かれた可動役物を設け、これらを状況に応じて駆動する。
【0247】
また、16ラウンド確変図柄大当りに、大入賞装置39の開閉扉の作動時間が例えば29000ms(29.0秒)の通常ラウンド、大入賞装置39の開閉扉の作動時間が例えば200ms(0・2秒)の短ラウンドから構成され、16ラウンドのうち6ラウンドが通常ラウンドで、10ラウンドが短ラウンドであるスモール大当り(第1特別遊技)と、16ラウンド全てが通常ラウンドであるビッグ大当り(第2特別遊技)とを設けてもよい。この場合、ラウンド数報知を実行する際には、通常ラウンドのラウンド数を報知する。
【0248】
さらに、保留情報の抽選結果に確変図柄大当りの抽選結果が含まれている場合に、保留大当り報知を実行するか否かを抽選により決定してもよい。
【0249】
上記の実施形態では、第1,第2特別図柄始動口38a,38bへの遊技球の入賞を契機に主制御基板側CPU241で抽選(当否判定)を行い、この抽選結果を保留情報として記憶しているが、羽物機と称され、入賞すると大当りとなるVゾーンを有する弾球遊技機では、当否判定としてVゾーンへの入賞の有無を判定し、この判定結果を保留情報として記憶してもよい。また、デジパチと称され、始動口への入賞を契機にデジタル抽選を行う第1種と、第2種(羽物機)との混合機の場合には、デジパチの抽選結果を保留情報として記憶する。
【0250】
以上、本実施形態としてパチンコ遊技機について説明したが、本発明は、これに限らず、雀球式遊技機、アレンジボール機、封入式遊技機、羽物機と称されるパチンコ機等にも適用可能である。