【文献】
M.IVANDA(他12名),LOW PRESSURE CHEMICAL VAPOR DEPOSITION OF DIFFERENT SILICON NANOSTRUCTURES,MIPRO 2006: 29th International Convention, May 22-26, 2006, Opatija, Croatia: proceedings,HR,MIPRO,2006年 5月26日,pp.1-6
【文献】
Y.LAGHLA(他1名),Optical study of undoped, B or P-doped polysilicon,Thin Solid Films,NL,ELSEVIER,1997年,Volume 306, Issue 1,pp.67-73
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スルーウェハービアを基材(210)に形成するための方法であって、前記基材はそれを貫通して延びる孔(226)を有し、前記孔(226)は反応器中で化学気相成長によって充填される、以下を含む、方法(100):
前記反応器のプロスチャンバー中の堆積温度を605℃〜800℃の間に、かつ堆積圧力を200mtorr未満に調節すること(140);並びに
前記スルーウェハービアを形成することができるように、SiH4又はSiH2Cl2を含むケイ素源ガス、及びBCl3を含むドーパントガスを用いて、1層以上の多結晶シリコン層(230a、230b、230c)を前記孔の内部に堆積すること(150)。
前記反応器が、横型ホットウォール反応器であり、少なくとも1層の多結晶シリコン層を605℃〜650℃の間の堆積温度で堆積し、かつ少なくとも1層の多結晶シリコン層を650℃〜750℃の温度で堆積する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
前記反応器が、縦型反応器であり、少なくとも1層の多結晶シリコン層を605℃〜650℃の間の堆積温度で堆積し、かつ少なくとも1層の多結晶シリコン層を650℃〜750℃の温度で堆積する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
前記基材が、その途中まで延びる凹部、トレンチ、又はその表面から延びる突起を含み、かつ前記1層以上の多結晶シリコン層を、前記凹部若しくはトレンチの内部に堆積し、又は前記突起上に堆積する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
単結晶シリコン基材とは異なる特性を有する薄いシリコン層が、多くの種類の半導体デバイスの製造に一般的に用いられている。このような層は、通常0.1μm〜100μmの厚みであるが、100μmより厚くてもよく、又は0.1μmより薄くてもよい。この層は、基材及び堆積プロセスに応じて、単結晶、多結晶、又はアモルファスとなることができる。この層を、シリコン基板に直接成長させてもよく、又はその基材を覆う適切な中間層、例えば酸化物層若しくは窒化物層に成長させてもよい。単一層の代わりに、複数の層を重ねて成長させることもできる。
【0003】
多くの用途で、シリコンウェハーの前面と背面との間に電気的接触を与えることが有用である。このような接触は、例えばまずウェハーに孔(hole)を形成し、そして絶縁層をその孔の壁面に形成し、最終的にこの孔を十分に低い抵抗の導電性材料で充填することによって作製することができる。適切な材料は、例えば金属又はドーピングした多結晶シリコンである。スルーウェハーの電気的接触は、いまや一般的に用いられており、スルーウェハービア(TWV)と呼ばれている。スルーウェハービアは、まずウェハーの途中まで孔(穴)を形成し、そしてその孔の表面に絶縁層を形成し、次に導電性材料で孔を充填し、最後にウェハーを背面から薄くしていき、充填した孔の底部端をさらけ出すことによっても作製することができる。多くのデバイスの用途に対して有用となるように、スルーウェハービアは、十分に小さい直径、例えば50μm未満、又は20μm未満にした方がよい。スルーウェハーの接触の電気抵抗が十分に低くなるように、孔を充填するのに用いる材料は、電気抵抗が低い必要があり;通常は0.01Ω−cm未満であり、又はそれよりもさらに低い。
【0004】
化学気相成長(CVD)がシリコンの堆積に最も一般的に用いられている方法である。そのCVDプロセスは、ケイ素含有前駆体を、不活性ガス又は還元性のキャリアガスのどちらか、例えば窒素(N
2)又は水素(H
2)と随意に混合して用いる。水素化ケイ素(例えば、シランSiH
4)、塩化ケイ素(例えば、四塩化ケイ素SiCl
4)、又は水素化クロロシラン(例えば、ジクロロシランSiH
2Cl
2又はトリクロロシランSiHCl
3)をケイ素前駆体として用いる。この層が薄い場合、1050℃未満の低温の堆積プロセスを用いることができる。しかし、この堆積層が厚い場合には、例えば10μm超の場合には、堆積装置のスループットへの影響のために、堆積速度が重要になる。約1100℃を超える高温では、CVDプロセスは、ガス流量、温度及び圧力に応じて、5μm/分の非常に高い堆積速度を達成することができる。特に、エピタキシャルでの多結晶シリコンの厚い層は、通常1050℃〜1200℃の高い温度で、かつ四塩化ケイ素かトリクロロシランのどちらかを前駆体として用いて堆積する。しかし、650℃未満の低温では、通常シランが最も一般的なケイ素前駆体である。
【0005】
多結晶シリコン層を、不純物原子とアロイ化して、生成するアロイの適切な電気的特性を達成することができる。特に、この層の伝導率を、p型層についてはホウ素、n型層についてはヒ素、リン、又はアンチモンのドーパントを用いて調節することができる。CVDプロセスでのドーパントとして一般的な前駆体は、水素化物であり、例えばホウ素についはジボラン(B
2H
2)である。ケイ素前駆体としては、SiH
4が一般的に用いられる。成長した層中で電気的に活性となる典型的なドーパント原子濃度は、10
14cm
−3〜10
19cm
−3の間である。より高い濃度及びより低い濃度が、スルーウェハービアについて用いることができるが、いくつかの大きな困難が実用上は存在する。
【0006】
許容可能なコストを達成するためには、高いスループットと堆積速度が必要である。堆積速度は、比較的高い堆積温度を用いると向上させることができるが;620℃超の温度では、注入したシラン前駆体のほぼ100%が、ウェハー上又は反応器の高温の内部表面上にシリコンが成長するのに用いられ、その堆積プロセスは効率が高くなりすぎる。局所的な堆積速度として非常に低い均一性を成長した層にもたらすこの不可避の傾向は、前駆体の入手可能性によって限定的になる。さらに、温度が高まると、低い導電率のp型シリコンを堆積するのが困難になる。これは、スルーウェハービア用のこのような材料の有用性を非常に低下させる。これらの理由から、低抵抗のp型多結晶シリコン層の化学気相成長は、比較的低温で、典型的には620℃以下で行われる。非常に低い抵抗が必要な場合、堆積は600℃未満で行われ、そして成長した層は大部分がアモルファスとなる。そのような低い温度でのシリコンの堆積のためには、シリコン用の前駆体としてシランが、ホウ素用としてジボラン(B
2H
2)が用いられ、キャリアガスは一般的に用いられない。シリコンの堆積速度は、高温でなされるであろう堆積速度から大きく低下し、典型的な値は、約5nm/min又はそれより低い。妥当なスループットを達成するために、バッチ処理が用いられ、通常は数十枚又は数百枚のウェハーを、同時に同じ炉内で処理する。このような場合、均一な層を達成することは困難であり、層の厚み及び抵抗には大きなばらつきが現れ、典型的には数十%のばらつきが異なるウェハー間で、また単一のウェハー内でさえも生じる。したがって、多くのスルーウェハービア用途に関して、典型的なSiH
4/B
2H
6プロセスを用いて、高いスループット、低いコスト、許容可能な均一性、及び低い抵抗の良好な組合せを見付けることは不可能である。
【0007】
低温でのSiH
4/B
2H
6の定圧CVD(LPCVD)プロセスの低い均一性及び高い抵抗の課題を解決するために、三塩化ホウ素がホウ素前駆体として用いられている。Nodaらは特許文献1で、ホウ素ドープポリシリコンを600℃未満で成長させるLPCVD法を記載している。これは、層の厚みの均一性を大きく向上させている。しかし、Nodaらによれば、約600℃超では、多結晶シリコンの比抵抗がするどく上昇する。Hernerらは、特許文献2でホウ素ドープポリシリコンを550℃未満で成長させるLPCVD法を記載している。ここでは、SiH
4とBCl
3とを用いて、7×10
20〜3×10
21の非常に高いB濃度を達成している。さらに、Hernerらは、この方法を用いて、in−situでのドーピングポリシリコンを、シリコンウェハーのトレンチの側壁に堆積している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、Nodaら及びHernerらにより記載されて低温プロセスは、厚いホウ素ドープポリシリコン層に関して、低い堆積速度、低いスループット、及び高いコストという不利益を有している。
【0010】
したがって、本発明の1つの目的は、比較的高い成長温度及びハロゲン化物前駆体を用いることによって、上述の欠点を解決し、そして厚くかつ均一な低抵抗のポリシリコン層をスルーウェハービアに堆積するための比較的速いCVDプロセスを与えることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、請求項1の方法、請求項9の半導体構造、及び請求項10の装置を与えることによって満たされる。
【0012】
実施態様によれば、ホウ素を高濃度でドーピングした1層以上の多結晶シリコン層を、反応器中で化学気相成長によって基材ウェハーに堆積する方法は、上記反応器のプロセスチャンバーにおける堆積温度を605℃から800℃の間に調節する工程、及びシラン(SiH
4)及び/又はジクロロシラン(SiH
2Cl
2)を含むケイ素源ガスと、三塩化ホウ素(BCl
3)を含むドーパントガスとを用いて、上記1層以上の多結晶シリコン層を上記基材ウェハーに堆積する工程を含む。
【0013】
実施態様によれば、シラン(SiH
4)及び/又はジクロロシラン(SiH
2Cl
2)を含むケイ素源ガスと、三塩化ホウ素(BCl
3)を含むドーパントガスとを用いて、反応器のプロセスチャンバーにおいて、605℃から800℃の間の堆積温度で、基材ウェハーに堆積させたホウ素を高濃度でドーピングした多結晶シリコン層を1層以上含む半導体構造が、上記反応器中での化学気相成長によって与えられる。
【0014】
実施態様によれば、装置が、反応器中での化学気相成長によって与えられる半導体構造を含み、ここでは、ホウ素を高濃度でドーピングした多結晶シリコン層の1層以上が、シラン(SiH
4)及び/又はジクロロシラン(SiH
2Cl
2)を含むケイ素源ガスと、三塩化ホウ素(BCl
3)を含むドーパントガスとを用いて、反応器のプロセスチャンバーにおいて、605℃から800℃の間の堆積温度で、基材ウェハーに堆積している。
【0015】
さらなる実施態様が、従属項によって規定されている。
【0016】
本発明の実施態様は、ホウ素ドープ多結晶シリコンのCVDプロセスにおいて、シラン又はジクロロシランのいずれかをケイ素源ガスとして用いることができ、かつホウ素の前駆体としての水素化物を塩化物によって置き換えることができる。
【0017】
本発明の実施態様は、大きく向上した均一性及び15nm/min超の堆積速度によって、例えば620℃〜720℃の間の温度でのこのプロセスを改良し、そしてそれゆえ堆積時間とコストを減少させる。
【0018】
本発明の実施態様は、三塩化ホウ素をホウ素前駆体として用いて、620℃超での非常に低い抵抗のシリコンを成長させることができる。
【0019】
これらの有益な効果は、主に水素化物よりもハロゲン化物の方が安定であることに主に起因している。
【0020】
BCl
3をホウ素前駆体として用いた時の、成長させた層における非常に低くかつ均一な抵抗は、この堆積プロセスでシリコンウェハーの孔を充填してウェハーに導電路、すなわちTWVを形成する場合には、特に有利である。低抵抗のポリシリコンは、各TWVの電気抵抗が良好に機能するデバイスのためには十分に低くなることを確実にする。TWVの抵抗への典型的な要求は、10〜50Ω又はこれよりも低いオーダーとなることがある。ビアを充填するのに低い抵抗の材料を用いると、十分に低い電気抵抗を維持しながら、ビアの直径を小さくすることができ、そしてこれは、各TWVの横方向のサイズを縮小し、デバイスのウェハーの表面積の自由度を比較的高くする。
【0021】
したがって、得られるウェハーの表面は、個別電子素子及び集積回路の製造に非常によく適合し、また半導体製造プロセス、例えばマイクロエレクトロメカニカルシステムズ(MEMS)、マイクロオプトエレクトロメカニカルシステムズ(MOEMS)、又はマイクロシステムテクノロジー(MST)と非常によく適合する。
【0022】
この文献において、動詞「含む」は、記載していない特徴の存在を除外せず、また必要ともしない開放的限定(open limitation)として用いられる。動詞「含有」及び「有する」は、含むについて定義した通りである。
【0023】
原文中の語「a」、「an」、及び本明細書中の「at least one(少なくとも1)」は、1又は1より大きいと定義され、そして「複数の」は、2又は2より多いと定義される。
【0024】
本明細書で用いられる場合、用語「他の(another)」は、少なくとも2番目又はそれ以降として定義される。
【0025】
用語「又は(or)」は、「及び/又は(and/or)」を含め、明確に他の意味を記載していない限り、通常その意味で用いられる。
【0026】
上述の動詞及び用語等に関して、異なる定義が請求項中又は明細書中の他の部分に与えられていない限り、これらの定義が適用される。
【0027】
最後に、従属項に記載された特徴は、特記されていない限り、相互に自由に組み合わせることができる。
【0028】
本発明の好ましい実施態様は、添付されている図面に参照して以下に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、CVD法100を説明するフローチャートを図示しており、これは、横型石英管、すなわち他の不活性材料、例えば炭化ケイ素から作製することもできるプロセス管を含む横型ホットウォール反応器で実行される。この反応器は、抵抗加熱器で囲むことで加熱される。ここでは、1種以上の前駆体ガスを、石英管の前後から反応器に注入する。この前駆体ガスをプロセス管に直接的に注入してもよく、又はガス注入点の的確な位置を調節するために小さな注入管によって注入してもよい。
【0031】
この方法の開始時である工程110の間に、反応器を起動し、そして必要な点検操作、すなわち反応器の条件に関する操作、使用する反応ガスの適合性に関する操作を行う。また、堆積させる1枚以上の基材ウェハーを、石英ボートに配置する。
【0032】
基材ウェハーは、ブランクの(blank)シリコンウェハーを含み、例えば絶縁層を有する酸化されていないブランクのシリコンウェハー若しくは複数のシリコンウェハー、例えば二酸化ケイ素表面層を有する酸化したブランクのシリコンウェハー、及び/又は前処理したシリコンウェハー、例えば酸化されていない前処理したシリコンウェハー又は酸化されている前処理したシリコンウェハーを含む。また、これらは多数の凹部(recess)、トレンチ、孔、突起(protrusion)、又はウェハーの表面から延びるあらゆる他の構造を有する。あるいは、基材ウェハーは、適切な金属ウェハー、他の半導体ウェハー、絶縁ウェハー(例えば、石英ウェハー)、又はあらゆる他の適切な基材材料であってもよい。あるいは、堆積させる基材は、基材ウェハー、球体シリコン、シリコンシート等の一部となることができる。
【0033】
実施態様によれば、基材ウェハーが少なくとも絶縁表面層、例えば二酸化ケイ素表面層、窒化ケイ素表面層、又は他の絶縁表面層を含む、上記の実施態様のいずれかに開示されている方法である。基材ウェハーは、同様の絶縁層若しくは異なる絶縁層の少なくとも2層の組合せ、又は少なくとも1層の絶縁層と、少なくとも1層の伝導層若しくは伝導体とのあらゆる組合せを含むことができる。このような層構造は、例えば伝導パターン又は伝導層、例えば伝導体であることができ、これらが2層の絶縁層、例えば2層の二酸化ケイ素層に与えられた層構造となることができる。あるいは、そのような層構造は、3層の絶縁層と、これらの絶縁層の間にある2層の伝導層又は伝導パターンから構成することができる。
【0034】
実施態様によれば、基材ウェハーが、基材ウェハーの途中まで延びる凹部、トレンチ、基材ウェハーを貫通して延びるアスペクト比が例えば5である孔、及び基材ウェハーの表面から延びる突起の少なくとも1つを含み、かつ1層以上の多結晶シリコン層が、凹部、トレンチ若しくは孔の内部に堆積しており、又は突起上に堆積している、上記の実施態様のいずれかに開示されている方法である。
【0035】
各々の前処理したウェハーは、ウェハーの前面からウェハーにエッチングした多数の孔を含むことができる。孔の直径及び深さは、かなりの幅で様々となることができる。孔は、ウェハーの途中まで延びてもよく、又はウェハーを貫通してもよい。孔は、例えば約20μmの直径及び150μmの深さである。
【0036】
基材ウェハーを、石英ボート上で縦に積み上げ、このボートを、工程120で移送機構によってプロセス管中に置く。1つのボートの代わりに、2つ以上のボートを同時に用いることもできる。プロセス管中に積載するウェハーの合計数は、プロセスの均一性及びプロセス管の長さに依存する。同時に処理するウェハーの数は、例えば80枚であるが、比較的長い炉では200枚以上とすることができる。横型プロセス管の代わりに、縦型の炉、すなわち実質的に横に積載するウェハーを用いる縦型反応器を用いることができ、これはこの産業で広く用いられており、このプロセス管及び/又はボートで用いられる材料は石英以外、例えば炭化ケイ素とすることができる。
【0037】
実際に処理されるシリコンウェハーに実質的に均一な堆積条件を確保するために、例えば5枚のウェハー、すなわちいわゆるダミーウェハーを、石英ボートの両端で用いることができる。
【0038】
堆積の前に、工程130でプロセス管を清浄でかつドライなパージガス、例えば窒素でパージして、プロセス管から空気及び水分を除去する。窒素以外の他のガス、又はガスの混合体をパージガスとして用いることもできる。
【0039】
調節工程140において、パージプロセス中に又はパージ後に、反応器の温度を挙げて、堆積温度、例えば650℃〜700℃で安定させる。プロセスチャンバー中の圧力を、通常は、大気圧よりも実質的に低く、例えば135mtorrに維持するが、大気圧での若しくは大気圧付近での、又は1気圧超の高い圧力でこの堆積プロセスを用いることもできる。
【0040】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの方法の実施態様によれば、プロセスチャンバーを200mtorr未満の堆積圧力に調節する工程をさらに含む。
【0041】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの方法の実施態様によれば、この方法は、調節した堆積温度で、好ましくは一定の680℃で、かつ160mtorr〜170mtorrの間の堆積圧力で、ケイ素源ガスとしてSiH
4を用いて、1層以上の多結晶シリコン層を、反応器中で化学気相成長によって基材ウェハーに堆積する工程を含む。
【0042】
当然に、プロセスパラメーターに関する設定の一部、及び工程140に属する一部を、工程110、工程120、又は工程130のいずれか1つの間に実行することができる。
【0043】
堆積時には、ケイ素含有ガス、例えばSiH
4、1種のドーパントガス若しくは複数種のドーパントガス、例えばBCl
3、及び随意に不活性ガス、例えばアルゴン若しくはヘリウムを含むキャリアガス、又は還元ガス、例えば水素(H
2)を含む反応ガス混合物を、プロセス管に供給する。
【0044】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの方法の実施態様によれば、このドーパントガスは、BCl
3と、He、Ar、N
2及びH
2の少なくとも1種を含む他のガスとの混合物を含有する。
【0045】
工程150では、温度が所望の堆積温度で安定し、かつパージが完了した後で、堆積を開始する。
【0046】
キャリアガスを用いない実施態様では、ケイ素源ガスが、すなわちSiH
4が、プロセス管に、その前後の両方から供給される。流速を調節して、堆積速度及び成長する層の厚み形状を最適化する。この流速は、例えば前部から120sccm、後部から30sccmとなるが、共により高い流量及びより低い流量が可能である。ホウ素のドーピングは、例えば5%のBCl
3をアルゴン中に希釈した混合物をプロセス管に供給することによって行う。しかし、異なる濃度のBCl
3が可能であり、より希釈した混合物又は比較的高い濃度のBCl
3を用いることができ、純粋な100%のBCl
3を用いることもできる。さらに、アルゴン以外の不活性ガス、又は不活性ガスの混合物を用いてBCl
3を希釈してもよい。ホウ素含有ドーピングガスの流量は、成長させる層で所望の濃度のホウ素を得るように調節する。例えば、BCl
3:Arを30sccmの流量で前からプロセス管に注入し、39sccmで後ろからプロセス管に注入する。
【0047】
堆積工程150の間に、温度及びガス流量は、一定に維持することができ、又はそれらを連続的に又は不連続的に変えてもよく、例えばより複雑なドーピング層構造を製造するために、所定のスケジュールに従って、温度、ガス流量、及び/又は圧力を、堆積中に連続的に又は不連続的に変えてもよい。
【0048】
単一層を、1回の堆積の操作の間に成長させ、そして所望の厚みのシリコンがウェハーに成長するまで、その堆積を続ける。例えば、堆積させるシリコンの合計の厚みは、約2μmである。堆積を、ケイ素含有ガス及びホウ素含有ガスの運転を止めることで終了する。
【0049】
工程152において、他の1層のシリコン層が必要であるが、その次の層が前の層と同様のプロセスパラメーターを用いるために工程154でのプロセスパラメーターの調節が必要ない場合、すなわち、温度、ガス流れの組成、及び流速が一定に維持される場合、この方法は工程150に戻る。次に、所定のスケジュールに従ってプロセスパラメーターを調節して、比較的複雑なドーピング層構造を製造する必要がある場合には、この層は、工程140に戻る。このような複雑なドーピング層構造は、それぞれが異なるプロセスパラメーターを用いて成長させる複数の層を含んでもよい。これらのパラメーターの値は、それぞれの下層で一定であってもよく、又はそれらを連続的に変化させてもよい。
【0050】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの方法の実施態様によれば、反応器は、横型ホットウォール反応器であり、かつ少なくとも1層の多結晶シリコン層を605℃〜650℃の間の堆積温度で堆積させ、かつ少なくとも1層の多結晶シリコン層を650℃〜750℃の温度で堆積させる。
【0051】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの方法の実施態様によれば、反応器は縦型反応器であり、かつ少なくとも1層の多結晶シリコン層を605℃〜650℃の間の堆積温度で堆積させ、かつ少なくとも1層の多結晶シリコン層を650℃〜750℃の温度で堆積させる。
【0052】
堆積を工程152で完了させる場合、工程160でプロセス管を、パージガス、例えば窒素を用いてパージする。パージの間、プロセス管の温度を低下させて、その後ウェハーを取り出す。パージが完了した後、移送手段がプロセス管からボートを動かして、工程170においてウェハーを取り出し、そして工程180でこの方法が終結する。
【0053】
1回の堆積操作で成長させることができるシリコンの最大厚さは、プロセス管でウェハーを保持するのに用いられるボート上へのシリコン堆積に制限される。堆積させた層が厚くなりすぎる場合、ウェハーはボート上に締め付けられて、ポリシリコンの堆積の後にボートからウェハーを取り出した際にウェハーの端部で欠陥のある領域をもたらす。したがって、このようなプロセスでウェハーの端部で十分な品質を維持しながら、非常に厚いポリシリコン層を成長させることは、実用的には困難である。
【0054】
この堆積方法では、層の最大厚みは、約3μmであり、そして直径が数μmよりも大きな孔を充填するために、複数回の堆積を続けて行う。堆積操作と堆積操作の間に、ウェハーをボートから取り出すことができ、回転させることができ、またボートの異なる位置に置くこともできる。回転及び再配置の適切な組合せを用いて、最終的なポリシリコン層の厚みの均一性は大きく向上する。そして、この堆積方法では、7回の堆積操作で、合計で14μmの堆積させた多層のホウ素ドープポリシリコンに関して、20μmの直径の孔を充填する。
【0055】
しかし、ウェハーを、複数の連続した堆積操作で処理する場合、堆積パラメーターは、各操作で同一とする必要はない。大きなアスペクト比の孔を充填するために、最後の堆積に異なるパラメーターを用いて、ビア内部に過度に大きな空隙を形成させずに、その孔をほぼ完全に充填することを確実にすることができる。そして、本発明の方法の他の実施態様では、ドープ多層ポリシリコン/非ドープ多層ポリシリコンの4回の堆積操作の後に、その孔の最後の充填を、非ドープポリシリコンの4回の運転で完了させる。これは、SiH
4を用いて、620℃の比較的低い温度で、できるだけ完全に孔を充填させるように行う。
【0056】
本発明の堆積方法に関する他の実施態様では、キャリアガスを用いる。そして、それがH
2、N
2、Ar、He又はこれらのガスの1種以上の混合物を含む。また、用いるケイ素含有前駆体がSiH
2Cl
2を含んでもよい。
【0057】
図2a〜2cは、本発明の堆積方法に従って処理して堆積させた半導体ウェハー構造体200の断面図を図示している。
【0058】
図2aは、絶縁表面層220、例えば二酸化ケイ素、及びその絶縁層220の上部に堆積されている単一のドープ多結晶シリコン230aした又は非ドープ多結晶シリコン230aを有するブランクのシリコンウェハー210を含む堆積構造体200の断面図である。あるいは、シリコンウェハー210は、絶縁表面層220を有していなくてもよい。多結晶シリコン230aは、1回の堆積操作で堆積された単一の層であり、又は同様のプロセスパラメーターを用いて複数の同様の堆積操作で堆積された多層シリコン、若しくは少なくとも1回の堆積操作が他の堆積操作とは異なる堆積パラメーターを用いて行われた複数の堆積操作で堆積されている多層シリコンである。
【0059】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの方法の実施態様によれば、基材ウェハーは、絶縁層、例えば二酸化ケイ素表面層又は任意の他の絶縁層を少なくとも含む。
【0060】
図2bは、その上部表面に絶縁層220を有する前処理したシリコンウェハー210を含む堆積構造体200の断面図を図示する。シリコンウェハー210は、基材ウェハーの一部まで延びる2つの凹部222及び1つのトレンチ224を有する。これらは、複数の堆積操作によって堆積されており、それによりドープポリシリコン層及び非ドープポリシリコン層を順に含む多層の多結晶シリコン230bが、凹部222及びトレンチ224を充填している。
【0061】
2つのビアを与えるために、堆積した構造体220を、シリコンウェハー210の底部から薄くすることができ、そうしてシリコンウェハー210が十分に薄くなった場合、凹部222がビアを形成する。
【0062】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの半導体構造体の実施態様によれば、この基材ウェハーは、その途中まで延びる凹部、トレンチ、それを貫通して延びる例えば5超のアスペクト比の孔、及びその表面から延びる突起の少なくとも1つを有し、かつ1層以上の多結晶シリコン層が、その凹部、トレンチ若しくは孔の内部に、又はその突起に堆積している。
【0063】
1つの実施態様によれば,堆積温度は、堆積時の全体を通じて680℃で一定に維持される。また、シランの流速も一定に維持される。ドーパントガスの1種であるBCl3:Arのスイッチを入れて、そしてスイッチを切って、ドープ薄層及び非ドープ薄層の積層体を製造する。このような多層構造体230bは、非ドープ層の成長速度がドープ層の成長速度よりも速く、全体の堆積時間を短縮化するので有利である。他方で、高濃度でドーピングした層は、多結晶シリコン230bのドープ層/非ドープ層の積層体において低くかつ非常に均一な全抵抗を確実にする。この実施態様では、堆積を、ドープ層で開始して、そして等しい数の、例えば9層の、11層の、又は13層のドープ層及び非ドープ層を成長させる。ドープ層のそれぞれを堆積させる時間は4分であり、そして非ドープ層は6分である。当然に、異なる数のドープ層及び非ドープ層、例えば9層のドープ層及び8層の非ドープ層を有するドープ層/非ドープ層の積層体を与えることもできる。
【0064】
ドープ多結晶シリコン層及び/又は非ドープ多結晶シリコン層のそれぞれを、異なるプロセスパラメーターによって与えて、それにより多層構造体230bが、同一でない非ドープシリコン層/ドープシリコン層を含むこともできる。
【0065】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの半導体構造体の実施態様によれば、反応器は、横型ホットウォール反応器であり、少なくとも1層の多結晶シリコン層を605℃〜650℃の間の堆積温度で堆積させ、かつ少なくとも1層の多結晶シリコン層を、650℃〜750℃の堆積温度で堆積させる。
【0066】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの半導体構造体の実施態様によれば、反応器は、縦型反応器であり、少なくとも1層の多結晶シリコン層を605℃〜650℃の間の堆積温度で堆積させ、かつ少なくとも1層の多結晶シリコン層を、650℃〜750℃の堆積温度で堆積させる。
【0067】
図2cは、絶縁層220を有する前処理したシリコンウェハー210を含む堆積構造体200の断面図を図示する。これは、シリコンウェハー210を貫通して延びる3つの孔226を有する。狭い空隙228を有するこれらの孔226は、複数のドープポリシリコン層及び/又は非ドープポリシリコン層を有する多層の多結晶シリコン層230cで充填されている。また、孔226を多層の多結晶シリコン230cで完全に充填することもできる。
【0068】
当然に、全てのシリコンウェハーが、凹部、トレンチ、孔、及び/又は突起を、その底部表面に有していてもよい。
【0069】
1つの実施態様では、150mmの直径の酸化し前処理したシリコンウェハー210は、約20μmの直径を有し、かつ少なくとも150μmの深さを有しする、アスペクト比が7超の孔226を含む。これは、そのシリコンウェハー210の途中まで延びるか、又は貫通して延びる。この多層シリコンを、キャリアガスを用いずに、約165mtorrの圧力で、かつ680℃の一定の温度で成長させる。
【0070】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの半導体構造体の実施態様によれば、1層以上の多結晶シリコン層を、プロセスチャンバー中で200mtorr未満の堆積圧力で堆積する。
【0071】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの半導体構造体の実施態様によれば、好ましくは一定の680℃で、かつ160mtorr〜170mtorrの間の堆積圧力で、ケイ素源ガスとしてSiH
4を用いて、1層以上の多結晶シリコン層を、基材ウェハーに堆積する。
【0072】
用いるケイ素前駆体は、SiH
4であり、その流速は前部から120sccm、後部から30sccmである。そしてホウ素前駆体は、5%のBCl
3を不活性ガスのアルゴン中に希釈した混合物であり、その流速は前部から30sccm、後部から39sccmである。
【0073】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの半導体構造体の実施態様によれば、用いるドーパントガスは、BCl
3と、He、Ar、N
2及びH
2の少なくとも1種を含む他のガスとの混合物を含有する。
【0074】
1回の堆積操作の間に、約15nm/分の堆積速度で単一層を成長させ、それによりこの堆積プロセスは、5ミリΩ−cm未満の電気抵抗を有する約2μmの厚みのホウ素ドープ多結晶シリコン層をもたらす。6回の堆積操作での合計の堆積厚さは、約12μmである。この層は、孔の内部に堆積され、優れた均一性及びコンフォーマル性を有する。この孔を、中央の空隙の直径が1μm未満、さらには200nm未満となるように実質的に充填される。
【0075】
1つの実施態様では、700℃〜800℃の温度で層を成長させ、そして多層構造は、650℃未満の比較的低温で成長させた層、及び/又は750℃〜800℃の比較的高温で成長させた層を含むことができる。5〜10ミリΩ−cmの抵抗を有するポリシリコン層を成長させることもできる。
【0076】
図3aは、本発明のCVD法により処理した3つの基材ウェハーの平均抵抗値を示している。この基材ウェハーは、プロセス中に80のウェハーボートの前部、中間部、及び後部に位置していた。この図から分かるように、ボートの中間部で処理された基材ウェハーは、ボートの端部で処理された基材ウェハーよりもわずかに高い抵抗を有している。しかし、全てのウェハーが、3ミリΩ−cm未満の非常に低い抵抗値を示している。
【0077】
同様に、
図3bは、80のウェハーボートにおける各基材ウェハー内の抵抗の変動を示している。ボートの前部で処理したウェハー内の変動は、4.6%であり、中間部は12.2%であり、そして後部は4.0%である。
【0078】
図4は、ドープ多結晶シリコンで充填した孔420、及びその途中まで延びるキャビティ425、並びに絶縁層として二酸化ケイ素層430を有する基材ウェハー410、例えばシリコンウェハーが、ウェハー積層体を与えるためのセンサー構造を有するCSOIウェハー440と接合される。CSOIウェハー440は、埋設したキャビティ又は構造をそこに有する加工されたSOIウェハーである。あるいは、所望のセンサー構造を得るために、ウェハー440として、SOIウェハー又は任意の他のウェハーを用いることができる。
【0079】
接合操作の後で、キャップウェハーとして機能する基材ウェハー410及びCSOIウェハー440を含むウェハー積層体の厚みは、ウェハー薄化によって小さくして、孔420が貫通ビアを与えて、例えば加速度計及びジャイロスコープに用いることができる半導体センサー構造体450を完成させる。
【0080】
図5は、少なくとも1つの半導体センサー構造体510を含む、例えばその装置の動きを測定するのに用いる加速度計を含む装置500、例えば携帯電話、ゲームコントローラー、デジタルカメラ、又はラップトップを示しており、この構造体は、化学気相成長によって得られる。ここでは、1層以上の高濃度でホウ素をドーピングした多結晶シリコン層を、SiH
4及び/又はSiH
2Cl
2を含むケイ素源ガス、並びにBCl
3を含むドーパントガスを用いて605℃〜800℃の間の堆積温度で堆積している。
【0081】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの装置の実施態様によれば、1層以上の多結晶シリコン層を、プロセスチャンバー内で200mtorr未満の堆積圧力で堆積させる。
【0082】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの装置の実施態様によれば、用いるドーパントガスは、BCl
3と、He、Ar、N
2及びH
2の少なくとも1種を含む他のガスとの混合物を含有する。
【0083】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの装置の実施態様によれば、好ましくは一定の680℃で、かつ160mtorr〜170mtorrの間の堆積圧力で、ケイ素源ガスとしてSiH
4を用いて、1層以上の多結晶シリコン層を、基材ウェハーに堆積する。
【0084】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの装置の実施態様によれば、反応器は、横型ホットウォール反応器であり、少なくとも1層の多結晶シリコン層を605℃〜650℃の間の堆積温度で堆積させ、かつ少なくとも1層の多結晶シリコン層を、650℃〜750℃の堆積温度で堆積させる。
【0085】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの装置の実施態様によれば、反応器は、縦型反応器であり、少なくとも1層の多結晶シリコン層を605℃〜650℃の間の堆積温度で堆積させ、かつ少なくとも1層の多結晶シリコン層を、650℃〜750℃の堆積温度で堆積させる。
【0086】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの装置の実施態様によれば、この基材ウェハーは、その途中まで延びる凹部、トレンチ、それを貫通して延びる例えば5超のアスペクト比の孔、及びその表面から延びる突起の少なくとも1つを有し、かつ1層以上の多結晶シリコン層が、その凹部、トレンチ若しくは孔の内部に、又はその突起に堆積している。
【0087】
上記の実施態様のいずれかに開示されているこの装置の実施態様によれば、基材ウェハーは、絶縁層、例えば二酸化ケイ素表面層又は任意の他の絶縁層を少なくとも含む。
【0088】
装置500は、指示を実行し、かつデータを処理するように適合しているプロセッサー520;データ、例えば指示データ及びアプリケーションデータを保存するためのメモリユニット530;コマンドをインプットするための手段を含むユーザーインターフェイス540、例えばボタン、キーボード、及び/又はタッチパッドも有する。さらに、装置500は、ディスプレイ、データを送受信するためのデータ移送手段、及びスピーカーを有してもよい。
【0089】
メモリユニット530では、ユーザーインターフェイス540をプロセッサー520で制御するためのユーザーインターフェイスアプリケーションと、センサー構造510から受信した情報を処理し、かつ受信した情報によって、例えば装置500の動きによってプロセッサー520と共に決定するためのソフトウェアとが保存される。
【0090】
以上で本発明を、上記の実施態様に参照して説明し、そして本発明の複数の有利な効果を示した。本発明が、これらの実施態様に限定されないだけではなく、特許請求の範囲及び本発明の思想の主旨及び範囲内に含まれる全ての可能な実施態様を含むということは明らかである。
本発明に態様としては、以下を挙げることができる:
《態様1》
以下を含む、反応器中で化学気相成長によって1層以上の多結晶シリコン層を基材に堆積する方法(100):
前記反応器のプロスチャンバー中で堆積温度を605℃〜800℃の間に調節すること(140);並びに
SiH4又はSiH2Cl2を含むケイ素源ガス、及びBCl3を含むドーパントガスを用いて、前記1層以上の多結晶シリコン層を前記基材に堆積すること(150)。
《態様2》
前記プロセスチャンバー内で堆積圧力を200mtorr未満に調節すること(140)をさらに含む、態様1に記載の方法。
《態様3》
前記ドーパントガスが、BCl3と、He、Ar、N2又はH2を含む他のガスとの混合物を含有する、態様1又は2に記載の方法。
《態様4》
SiH4をケイ素源ガスとして用いて、160〜170mtorrの堆積圧力で、かつ前記調節した温度で前記1層以上の多結晶シリコン層を前記基材上に堆積することを含む、態様1〜3のいずれか一項に記載の方法。
《態様5》
前記反応器が、横型ホットウォール反応器であり、少なくとも1層の多結晶シリコン層を605℃〜650℃の間の堆積温度で堆積し、かつ少なくとも1層の多結晶シリコン層を650℃〜750℃の温度で堆積する、態様1〜4のいずれか一項に記載の方法。
《態様6》
前記反応器が、縦型反応器であり、少なくとも1層の多結晶シリコン層を605℃〜650℃の間の堆積温度で堆積し、かつ少なくとも1層の多結晶シリコン層を650℃〜750℃の温度で堆積する、態様1〜4のいずれか一項に記載の方法。
《態様7》
前記基材が、その途中まで延びる凹部、トレンチ、それを貫通して延びる孔、又はその表面から延びる突起を含み、かつ前記1層以上の多結晶シリコン層を、前記凹部、トレンチ若しくは孔の内部に堆積し、又は前記突起上に堆積する、態様1〜6のいずれか一項に記載の方法。
《態様8》
前記基材が、絶縁表面層を少なくとも含む、態様1〜7のいずれか一項に記載の方法。
《態様9》
基材(210)、及び態様1〜8のいずれか一項に記載の方法によって与えられる1層以上の多結晶シリコン層(230a、230b、230c)を含む、半導体構造(200)。
《態様10》
態様9に記載の半導体構造を含む装置(500)。