(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プローブの先端側へ前記角度が調整されて前記複数の送受信部が配置されている場合、前記プローブの基端側に配置される送受信部の前記角度は、前記プローブの先端側に配置されるもう一方の送受信部の前記角度よりも大きく、
前記プローブの基端側へ前記角度が調整されて前記複数の送受信部が配置されている場合、前記プローブの先端側に配置される送受信部の前記角度は、前記プローブの基端側に配置されるもう一方の送受信部の前記角度よりも大きい
ことを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
前記プローブの先端側へ前記角度が調整されて前記複数の送受信部が配置されている場合、前記プローブの基端側に配置される送受信部は、前記プローブの先端側に配置されるもう一方の送受信部から送信される前記信号により走査される前記生体管腔内の位置と同じ位置を走査するようにその角度が調整されて配置されており、
前記プローブの基端側へ前記角度が調整されて前記複数の送受信部が配置されている場合、前記プローブの先端側に配置される送受信部は、前記プローブの基端側に配置されるもう一方の送受信部から送信される前記信号により走査される前記生体管腔内の位置と同じ位置を走査するようにその角度が調整されて配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載のプローブ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係わる実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態に係わる画像診断装置100の全体構成の一例を示す図である。
【0017】
画像診断装置100は、IVUSの機能とOCTの機能とを備えて構成される。すなわち、画像診断装置100は、高深度領域まで測定できるIVUSの特性と、高分解能で測定できるOCTの特性とを活かした断層画像を生成する。
【0018】
ここで、画像診断装置100は、プローブ101と、スキャナ/プルバック部102と、操作制御装置103とを備えて構成されており、スキャナ/プルバック部102及び操作制御装置103は、信号線104により各種信号が伝送可能に接続されている。
【0019】
プローブ101は、血管等の生体管腔(以下、単に、体腔と呼ぶ場合もある)内に直接挿入され、パルス信号に基づく超音波を体腔内に送信するとともに、体腔内からの反射波を受信する超音波送受信部と、伝送された光(測定光)を連続的に体腔内に送信するとともに、体腔内からの反射光を連続的に受信する光送受信部とを備えるイメージングコアが内挿されている。画像診断装置100では、このようなイメージングコアを用いることで体腔内部の状態を測定する。
【0020】
スキャナ/プルバック部(アダプタ部)102は、プローブ101が着脱可能に取り付けられ、内蔵されたモータを駆動させることでプローブ101に内挿されたイメージングコアの体腔内の軸方向の動作及び回転方向の動作を規定している。また、超音波送受信部において受信された反射波及び光送受信部において受信された反射光を取得し、操作制御装置103に対して送信する。
【0021】
操作制御装置103は、画像診断装置100の動作を統括制御する機能を有する。操作制御装置103は、例えば、ユーザ指示に基づく各種設定値を装置内に入力する機能や、測定により得られたデータを処理し、体腔内の断層画像として表示する機能を備える。
【0022】
操作制御装置103には、本体制御部111、プリンタ/DVDレコーダ111−1、操作パネル112及びLCDモニタ113、等が設けられている。本体制御部111は、超音波断層画像や光断層画像を生成する。超音波断層画像は、測定により得られた反射波に基づいて超音波データを生成するとともに、当該超音波データに基づいて生成されたラインデータを処理することにより生成される。また、光断層画像は、測定により得られた反射光と光源からの光を分離することで得られた参照光とを干渉させることで干渉光データを生成するとともに、当該干渉光データに基づいて生成されたラインデータを処理することにより生成される。
【0023】
プリンタ/DVDレコーダ111−1は、本体制御部111における処理結果を印刷したり、データとして記憶したりする。操作パネル112は、ユーザが各種設定値及び指示の入力を行なうユーザインターフェースである。LCDモニタ113は、表示装置として機能し、例えば、本体制御部111において生成された断層画像を表示する。
【0024】
次に、
図2を用いて、
図1に示すプローブ101の構成の一例について説明する。
図2には、プローブ101の全体構成と、その先端部の断面構成とが示される。
【0025】
プローブ101は、血管等の体腔内に挿入される長尺のカテーテルシース201と、ユーザが操作するために血管等の体腔内に挿入されることなく、ユーザの手元側に配置されるコネクタ部202とにより構成される。
【0026】
カテーテルシース201の先端には、ガイドワイヤルーメンを構成するガイドワイヤルーメン用チューブ203が設けられている。カテーテルシース201は、ガイドワイヤルーメン用チューブ203との接続部分からコネクタ部202との接続部分にかけて連続する管腔を形成している。
【0027】
カテーテルシース201の管腔内部には、送受信部221と、コイル状の駆動シャフト222とを備えるイメージングコア220が、カテーテルシース201のほぼ全長にわたって挿通されている。ここで、送受信部221には、超音波を送受信する超音波送受信部と光を送受信する光送受信部とが設けられている。また、駆動シャフト222は、電気信号ケーブル及び光ファイバケーブルを内部に備え、それを回転させるための回転駆動力を伝達する。
【0028】
コネクタ部202は、カテーテルシース201の基端に一体化して構成されたシースコネクタ202aと、駆動シャフト222の基端に駆動シャフト222を回動可能に固定して構成された駆動シャフトコネクタ202bとを備える。
【0029】
シースコネクタ202aとカテーテルシース201との境界部には、耐キンクプロテクタ211が設けられている。これにより、当該境界部は、所定の剛性が保たれ、急激な物性の変化による折れ曲がり(キンク)を防止することができる。また、駆動シャフトコネクタ202bの基端は、スキャナ/プルバック部102に着脱可能に取り付けられる。
【0030】
次に、プローブ101の先端部の断面構成について説明する。カテーテルシース201の管腔内部には、超音波を送受信する超音波送受信部と光を送受信する光送受信部とが配置された送受信部221が配されたハウジング223と、それを回転させるための回転駆動力を伝送する駆動シャフト222とを備えるイメージングコア220がほぼ全長にわたって挿通されており、プローブ101を形成している。
【0031】
送受信部221は、体腔内組織に向けて超音波及び測定光を送信するとともに、体腔内組織からの反射波及び反射光を受信する。
【0032】
駆動シャフト222はコイル状に形成され、その内部には、電気信号ケーブル及び光ファイバケーブル(シングルモードの光ファイバケーブル)が配されている。
【0033】
ハウジング223は、短い円筒状の金属パイプの一部に切り欠き部を有した形状をしており、金属塊からの削りだしやMIM(金属粉末射出成形)等により成形される。ハウジング223は、内部に、送受信部221として、超音波送受信部及び光送受信部を有しており、その基端側は、駆動シャフト222と接続されている。また、先端側には短いコイル状の弾性部材231が設けられている。
【0034】
弾性部材231は、ステンレス鋼線材をコイル状に形成したものであり、弾性部材231が先端側に配されることで、イメージングコア220を前後移動させる際にカテーテルシース201内での引っかかりを防止する。
【0035】
補強コイル232は、カテーテルシース201の先端部分の急激な折れ曲がりを防止する目的で設けられている。
【0036】
ガイドワイヤルーメン用チューブ203は、ガイドワイヤが挿入可能なガイドワイヤ用ルーメンを有する。ガイドワイヤルーメン用チューブ203は、予め血管等の体腔内に挿入されたガイドワイヤを受け入れ、ガイドワイヤによってカテーテルシース201を患部まで導くのに使用される。
【0037】
駆動シャフト222は、カテーテルシース201に対して送受信部221を回転動作及び軸方向動作させることが可能であり、柔軟、且つ、回転を効率良く伝送できる特性を持つ、例えば、ステンレス等の金属線からなる多重多層密着コイル等により構成されている。
【0038】
次に、
図3を用いて、
図2に示すイメージングコア220の断面構成の一例について説明する。
【0039】
ハウジング223内に配された送受信部221は、超音波送受信部310と光送受信部320とを備えており、超音波送受信部310及び光送受信部320は、それぞれ、駆動シャフト222の回転中心軸上(
図3の一点鎖線上)において軸方向に沿って配置されている。
【0040】
駆動シャフト222の内部には、超音波送受信部310と接続された電気信号ケーブル311と、光送受信部320に接続された光ファイバケーブル321とが配されており、電気信号ケーブル311は、光ファイバケーブル321に対して螺旋状に巻き回されている。
【0041】
超音波送受信部310は、プローブ101の先端側に、また、光送受信部320は、プローブ101の基端側に配置されており、超音波送受信部310の超音波送受信位置と光送受信部320の光送受信位置との間の距離がLとなるように、ハウジング223内に取り付けられている。
【0042】
また、超音波送受信部310及び光送受信部320は、駆動シャフト222の軸方向に対する、超音波送受信部310の超音波送信方向(仰角方向)、及び、光送受信部320の光送信方向(仰角方向)が、それぞれ、略90度となるようにハウジング223内に取り付けられている。
【0043】
ここで、超音波送受信部310及び光送受信部320を、駆動シャフト222の軸方向に対して90度に配置した場合、カテーテルシース201からの反射光の強度が強くなり、得られる断層画像への反射ノイズの影響が強くなる。そのため、これら送受信部は、プローブ101の先端側及び基端側のいずれかに傾きを持たせて配置させることが望ましい。
【0044】
また、これら送受信部を、異なる方向(プローブ101の先端側、プローブ101の基端側)にそれぞれ傾けて配置した場合には、超音波断層画像と光断層画像とにおいて切り出される観察断面の角度が異なり、観察断面の不一致が生じる。
【0045】
そこで、本実施形態においては、これら送受信部を、駆動シャフト222の軸方向に沿って同じ方向に傾きを持たせて配置する。より具体的には、
図4Aに示すように、超音波送受信部310は、プローブ101の先端側に向けて、駆動シャフト222の軸方向と直交する方向に対してα度傾けて配置し、また、光送受信部320は、プローブ101の先端側に向けて、駆動シャフト222の軸方向と直交する方向に対してβ度傾けて配置する。
【0046】
なお、本実施形態においては、α及びβは、同一の値とする。ここでは、説明を分かり易くするため、α及びβの角度を大きく図示(後述する
図4B、
図5A及び
図5Bについても同様)しているが、実際には、α及びβともに、4度、8度等が設定される。
【0047】
勿論、これら送受信部の配置構成は、
図4Aに示す構成に限られず、例えば、
図4Bに示すように、超音波送受信部310を、プローブ101の基端側に向けて、駆動シャフト222の軸方向と直交する方向に対してα度傾けて配置し、また、光送受信部320を、プローブ101の基端側に向けて、駆動シャフト222の軸方向と直交する方向に対してβ度傾けて配置するようにしても良い。
【0048】
また更に、超音波送受信部310及び光送受信部320を、
図5Aや
図5Bに示すような構成で配置しても良い。
図4B、
図5A及び
図5Bの場合にも、超音波送受信部310及び光送受信部320は、駆動シャフト222の軸方向に沿って同じ方向に傾きを持つように配置されているため、上記
図4Aの場合と同様に、超音波断層画像と光断層画像とにおいて切り出される観察断面の角度をできる限り等しくさせられる。これにより、両画像における観察断面を一致させることができる。
【0049】
次に、駆動シャフト222の回転軸に略直交する面における超音波送受信部310及び光送受信部320の位置関係の一例について説明する。
【0050】
ここで、
図6は、駆動シャフト222の回転軸に略直交する面における超音波送受信部310及び光送受信部320の位置関係を示している。なお、いずれの図においても、図中左側に示す図は、超音波送受信位置11において、回転中心軸に略直交する面で切断した場合の断面構成を示し、図中右側に示す図は、光送受信位置12において、回転中心軸に略直交する面で切断した場合の断面構成を示す。
【0051】
この場合、超音波送受信部310及び光送受信部320は、回転中心軸上に配置されている。光送信方向(回転角方向)320aは、光送受信位置12で回転中心軸に略直交する面で切断した場合に、光送受信部320から送信される光の進行方向を示しており、また、超音波送信方向(回転角方向)310aは、超音波送受信位置11で回転中心軸に略直交する面で切断した場合に、超音波送受信部310から送信される超音波の進行方向を示している。
【0052】
ここで、光送信方向320aを0とした場合、超音波送受信部310の超音波送信方向(回転角方向)は、θとなる。つまり、超音波送受信部310及び光送受信部320は、回転角方向に沿って互いにθ(この場合、180度)ずれて配置されている。
【0053】
なお、本実施形態においては、超音波送受信部310の超音波送信方向310aと光送受信部320の光送信方向320aとは、回転角方向においてどのような位置関係にあっても良く、例えば、
図7Aに示す位置関係で、超音波送受信部310及び光送受信部320を配置しても良い。
【0054】
上述した
図6及び
図7Aで説明した構成においては、光送受信部320及び超音波送受信部310を同一の軸上(回転中心軸上)に配置している。これは、構築される超音波断層画像の画像中心と光断層画像の画像中心とが一致するようにするためである。なお、これら送受信部は、必ずしも同一の軸上に配置する必要もなく、例えば、
図7Bに示すように、回転中心軸から距離r離れた位置にこれら送受信部を配置するようにしても良い。このような位置関係の場合には、超音波画像生成時及び光断層画像生成時の画像処理によりそれぞれの画像中心を調整できるため、同一の軸上に配置した場合と同様に、超音波断層画像の画像中心と光断層画像の画像中心とを一致させることができる。
【0055】
次に、
図8を用いて、
図1に示す画像診断装置100の機能的な構成の一例について説明する。上述した通り、画像診断装置100は、IVUSの機能とOCT(ここでは、例として波長掃引型OCT)の機能とを組み合わせた構成で実現される。なお、IVUSの機能と他のOCTの機能とを組み合わせた画像診断装置についても、同様の機能構成を有するため、ここではその説明については省略する。
【0056】
(1)まず、IVUS機能に係わる機能的な構成について説明する。
【0057】
イメージングコア220は、先端内部に超音波送受信部310を備えており、超音波送受信部310は、超音波信号送受信器552より送信されたパルス波に基づいて、超音波を生体組織に送信するとともに、その反射波(エコー)を受信し、アダプタ502及びスリップリング551を介して超音波エコーとして超音波信号送受信器552に送信する。
【0058】
なお、スリップリング551の回転駆動部側は、回転駆動装置504のラジアル走査モータ505により回転駆動される。また、ラジアル走査モータ505の回転角度は、エンコーダ部506により検出される。更に、スキャナ/プルバック部102は、直線駆動装置507を備え、信号処理部528からの信号に基づいて、イメージングコア220の軸方向動作を規定する。
【0059】
超音波信号送受信器552は、送信波回路と受信波回路とを備える(不図示)。送信波回路は、信号処理部528から送信された制御信号に基づいて、イメージングコア220内の超音波送受信部310に対してパルス波を送信する。また、受信波回路は、イメージングコア220内の超音波送受信部310より超音波信号を受信する。受信された超音波信号はアンプ553により増幅された後、検波器554に入力され検波される。
【0060】
更に、A/D変換器555では、検波器554より出力された超音波信号を30.6MHzで200ポイント分サンプリングして、1ラインのデジタルデータ(超音波データ)を生成する。なお、ここでは、30.6MHzとしているが、これは音速を1530m/secとしたときに、深度5mmに対して200ポイントサンプリングすることを前提として算出されたものである。そのため、サンプリング周波数は、特に、これに限られない。
【0061】
A/D変換器555にて生成されたライン単位の超音波データは信号処理部528に入力される。信号処理部528では、超音波データをグレースケールに変換することにより、血管等の体腔内の各位置での超音波断層画像を形成し、所定のフレームレートでLCDモニタ113に出力する。
【0062】
なお、信号処理部528は、モータ制御回路529と接続され、モータ制御回路529のビデオ同期信号を受信する。信号処理部528では、受信したビデオ同期信号に同期して超音波断層画像の構築を行なう。また、モータ制御回路529のビデオ同期信号は、回転駆動装置504にも送られ、回転駆動装置504はビデオ同期信号に同期した駆動信号を出力する。
【0063】
(2)続いて、波長掃引型OCT機能に係わる機能的な構成について説明する。
【0064】
波長掃引光源(Swept Laser)508は、SOA515(semiconductor optical amplifier)とリング状に結合された光ファイバ516とポリゴンスキャニングフィルタ(508b)よりなる、Extended−cavity Laserの一種である。
【0065】
SOA515から出力された光は、光ファイバ516を進み、ポリゴンスキャニングフィルタ508bに入り、ここで波長選択された光は、SOA515で増幅され、最終的にcoupler514から出力される。
【0066】
ポリゴンスキャニングフィルタ508bでは、光を分光する回折格子512とポリゴンミラー509との組み合わせで波長を選択する。具体的には、回折格子512により分光された光を2枚のレンズ(510、511)によりポリゴンミラー509の表面に集光させる。これにより、ポリゴンミラー509と直交する波長の光のみが同一の光路を戻り、ポリゴンスキャニングフィルタ508bから出力されることとなる。つまり、ポリゴンミラー509を回転させることで、波長の時間掃引を行なうことができる。
【0067】
ポリゴンミラー509は、例えば、32面体のミラーが使用され、その回転数は、50000rpm程度である。ポリゴンミラー509と回折格子512とを組み合わせた波長掃引方式により、高速及び高出力の波長掃引が可能となる。
【0068】
Coupler514から出力された波長掃引光源508の光は、第1のシングルモードファイバ540の一端に入射され、先端側に伝送される。第1のシングルモードファイバ540は、途中の光カップラ部541において第2のシングルモードファイバ545及び第3のシングルモードファイバ544及び第6のシングルモードファイバ546と光学的に結合されている。
【0069】
第1のシングルモードファイバ540の光カップラ部541より先端側の第6のシングルモードファイバ546には、非回転部(固定部)と回転部(回転駆動部)との間を結合し、光を伝送する光ロータリジョイント(光カップリング部)503が回転駆動装置504内に設けられている。
【0070】
更に、光ロータリジョイント(光カップリング部)503内の第4のシングルモードファイバ542の先端側には、プローブ101の第5のシングルモードファイバ543がアダプタ502を介して着脱自在に接続されている。これにより、イメージングコア220内に挿通され回転駆動可能な第5のシングルモードファイバ543に、波長掃引光源508からの光が伝送される。
【0071】
伝送された光は、イメージングコア220の光送受信部320から体腔内の生体組織に対してラジアル走査しながら照射される。そして、生体組織の表面あるいは内部で散乱した反射光の一部がイメージングコア220の光送受信部320により取り込まれ、逆の光路を経て第1のシングルモードファイバ540側に戻る。更に、光カップラ部541によりその一部が第2のシングルモードファイバ545側に移り、第2のシングルモードファイバ545の一端から出射された後、光検出器(例えばフォトダイオード524)にて受光される。
【0072】
なお、光ロータリジョイント503の回転駆動部側は回転駆動装置504のラジアル走査モータ505により回転駆動される。また、ラジアル走査モータ505の回転角度は、エンコーダ部506により検出される。更に、スキャナ/プルバック部102は、直線駆動装置507を備え、信号処理部528からの指示に基づいて、イメージングコア220の軸方向動作を規定する。
【0073】
一方、第3のシングルモードファイバ544の光カップラ部541及び反対側の先端には、参照光の光路長を微調整する光路長の可変機構532が設けられている。
【0074】
この光路長の可変機構532は、プローブ101を交換して使用した場合の個々のプローブ101の長さのばらつきを吸収できるよう、その長さのばらつきに相当する光路長を変化させる光路長変化手段を備えている。
【0075】
第3のシングルモードファイバ544及びコリメートレンズ518は、その光軸方向に矢印523で示すように移動自在な1軸ステージ522上に設けられており、光路長変化手段を形成している。
【0076】
具体的には、1軸ステージ522はプローブ101を交換した場合に、プローブ101の光路長のばらつきを吸収できるだけの光路長の可変範囲を有する光路長変化手段として機能する。更に、1軸ステージ522はオフセットを調整する調整手段としての機能も備えている。例えば、プローブ101の先端が生体組織の表面に密着していない場合でも、1軸ステージにより光路長を微小変化させることにより、生体組織の表面位置からの反射光と干渉させる状態に設定することが可能である。
【0077】
1軸ステージ522で光路長が微調整され、グレーティング519及びレンズ520を介してミラー521にて反射された光は、第3のシングルモードファイバ544の途中に設けられた光カップラ部541で第6のシングルモードファイバ546側から得られた光と混合されて、フォトダイオード524にて受光される。
【0078】
このようにしてフォトダイオード524にて受光された干渉光は光電変換され、アンプ525により増幅された後、復調器526に入力される。この復調器526では干渉した光の信号部分のみを抽出する復調処理を行ない、その出力は、干渉光信号としてA/D変換器527に入力される。
【0079】
A/D変換器527では、干渉光信号を、例えば、180MHzで2048ポイント分サンプリングして、1ラインのデジタルデータ(干渉光データ)を生成する。なお、サンプリング周波数を180MHzとしたのは、波長掃引の繰り返し周波数を40kHzにした場合に、波長掃引の周期(12.5μsec)の90%程度を2048点のデジタルデータとして抽出することを前提としたものであり、特に、これに限られない。
【0080】
A/D変換器527にて生成されたライン単位の干渉光データは、信号処理部528に入力される。測定モードの場合、信号処理部528では、干渉光データをFFT(高速フーリエ変換)により周波数分解して深さ方向のデータ(ラインデータ)を生成し、これを座標変換することにより、血管等の体腔内の各位置での光断層画像を構築し、所定のフレームレートでLCDモニタ113に出力する。
【0081】
信号処理部528は更に、光路長調整手段制御装置530と接続されている。信号処理部528は光路長調整手段制御装置530を介して1軸ステージ522の位置の制御を行う。
【0082】
このような処理を経て、画像診断装置100(LCDモニタ113)においては、超音波断層画像及び光断層画像をユーザに向けて表示する。なお、これら断層画像の表示態様としては、血管等の体腔内の軸方向の各位置に対応する各断層画像を並列して表示するようにしても良いし、また、画像中心が一致するように重畳して表示するようにしても良いし、特に、その手法は問わない。
【0083】
以上説明したように本実施形態によれば、超音波送受信部310及び光送受信部320を、駆動シャフト222の軸方向に沿って同じ方向に傾きを持たせて配置する。これにより、超音波断層画像及び光断層画像における観察断面(切り出し断面)の角度をできる限り等しくできる。
【0084】
以上が本発明の代表的な実施形態の例であるが、本発明は、上記及び図面に示す実施形態に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。ここで、いくつか変形例を挙げて説明する。
【0085】
(変形例1)
例えば、上述した実施形態においては、駆動シャフト222の軸方向と直交する方向に対して、超音波送受信部310及び光送受信部320を同じ角度を有するようにそれぞれ配置する場合について説明したが(α=β)、これに限られない。例えば、
図9に示すように、超音波送受信部310の傾け角度よりも、光送受信部320の傾け角度を大きくしても良い(α<β)。この場合、プローブ101の基端側に設けられる光送受信部320から送信される光と、プローブ101の先端側に設けられる超音波送受信部310から送信される超音波とが観察範囲の中央付近(回転軸から距離Z離れた位置)で交差するため、ほぼ同じ位置の断層画像を取得できることになる。
【0086】
なお、各々の信号(光、超音波)には、最適な傾き(α、β)がある。そのため、この最適な角度によって各信号のセンサ間距離(超音波送受信部310と光送受信部320との間の距離)が一義的に決まるので、これらセンサを軸方向に沿って同じ方向に交差させる構成を採ることで、軸方向に沿って異なる方向に交差させる構成よりも、センサ間距離を短くできる。
【0087】
(変形例2)
また、上述した実施形態においては、超音波送受信部310を先端側に、光送受信部320を基端側に配置する場合について説明したが、これに限られない。すなわち、光送受信部320を先端側に、超音波送受信部310を基端側に配置する構成としても良い。
【0088】
(変形例3)
変形例2の構成に対して変形例1で説明した構成を適用しても良い。具体的には、超音波送受信部310及び光送受信部320がプローブ101の先端側に傾けて配置されている場合には、プローブ101の先端側に設けられる光送受信部320の(軸方向に直交方向に対する)傾け角度よりも、プローブ101の基端側に設けられる超音波送受信部310の傾け角度を大きくしても良い。
【0089】
図10を用いて、このバリエーションについて簡単に説明する。ここでは、プローブ101の先端側に設けられる送受信部を第1の送受信部21とし、プローブ101の基端側に設けられる送受信部を第2の送受信部22として説明する。
【0090】
第1の送受信部21及び第2の送受信部22がプローブ101の先端側に傾けて設けられる場合、符号31に示すように、第1の送受信部21及び第2の送受信部22の角度は、α<βとすれば良い。また、符号32に示すように、第1の送受信部21及び第2の送受信部22の回転角方向が約180度異なっているような場合であっても、第1の送受信部21及び第2の送受信部22の角度は、符号31で説明した場合と同様に、α<βとすれば良い。
【0091】
これに対して、第1の送受信部21及び第2の送受信部22がプローブ101の基端側に傾けて設けられる場合には、符号33に示すように、第1の送受信部21及び第2の送受信部22の角度は、α>βとすれば良い。また、符号34に示すように、第1の送受信部21及び第2の送受信部22の回転角方向が約180度異なっているような場合であっても、第1の送受信部21及び第2の送受信部22の角度は、符号33で説明した場合と同様に、α>βとすれば良い。
【0092】
(変形例4)
また、上述した実施形態においては、複数の送受信部をプローブ内に設ける構成の一例として、超音波送受信部と光送受信部とをプローブ内に設ける場合について説明したが、これに限られない。例えば、
図11(a)に示すように、光送受信部を複数設けても良い。なお、この場合、各光送受信部に対応して光ファイバケーブルも複数設けられる。
【0093】
図11(a)の構成においては、同じ信号、すなわち、同じエネルギー(この場合、光)を複数方向へ送信するため、単位時間当たりに取得できる断層画像が増え、断層画像の取得を高速化できる。なお、光送受信部41及び光送受信部42は、軸方向に沿って同じ方向に傾きを持たせて配置されていれば良く、軸方向と直交する方向に対する角度(α、β)は、同じであっても良いし、また、
図11(b)に示すように、それぞれ異なっていても良い(この場合、光送受信部42の傾き(すなわち、β)を大きくしている)。同じ信号を複数方向へ送信する構成においては、それぞれの送受信部によって異なる観察断面を取得するのが望ましいので、その点に留意して送受信部の角度を調整すれば良い。
【0094】
なお、ここでは、光送受信部を複数設ける場合を例に挙げて説明したが、勿論、超音波送受信部を複数設けるようにしても良い。この場合にも上記同様に、断層画像の取得を高速化できる。
【0095】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の要旨及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【0096】
本願は、2012年3月28日提出の日本国特許出願特願2012−072857号を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。