特許第6117780号(P6117780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6117780薬物およびアルコールの乱用の治療に有用なオルビノール誘導体およびテビノール誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6117780
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】薬物およびアルコールの乱用の治療に有用なオルビノール誘導体およびテビノール誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 489/12 20060101AFI20170410BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20170410BHJP
   A61P 25/32 20060101ALI20170410BHJP
   A61P 25/36 20060101ALI20170410BHJP
   A61K 31/485 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   C07D489/12CSP
   A61P25/30
   A61P25/32
   A61P25/36
   A61K31/485
【請求項の数】12
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2014-519623(P2014-519623)
(86)(22)【出願日】2012年7月5日
(65)【公表番号】特表2014-522854(P2014-522854A)
(43)【公表日】2014年9月8日
(86)【国際出願番号】GB2012051575
(87)【国際公開番号】WO2013007986
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2015年7月6日
(31)【優先権主張番号】1111775.1
(32)【優先日】2011年7月8日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】514007092
【氏名又は名称】ザ ユニバーシティ オブ バース
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100126505
【弁理士】
【氏名又は名称】佐貫 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100131392
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 武司
(72)【発明者】
【氏名】ルイス、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ハズバンズ,スティーブン
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 CICCOCIOPPO ROBERTO,BUPRENORPHINE REDUCES ALCOHOL DRINKING THROUGH ACTIVATION OF THE NOCICEPTIN/ORPHANIN FQ-NOP RECEPTOR SYSTEM,BIOL PSYCHIATRY,2007年,V61,P4-12
【文献】 JOHN W LEWIS,THE ORVINOLS AND RELATED OPIOIDS - HIGH AFFINITY LIGANDS WITH DIVERSE EFFICACY PROFILES,CURRENT PHARMACEUTICAL DESIGN,2004年 1月 1日,V10 N7,P717-732
【文献】 J W LEWIS,NOVEL ANALGESICS AND MOLECULAR REARRANGEMENTS IN THE MORPHINE-THEBAINE GROUP. PART XXI. ALCOHOLS DERIVED FROM 7-METHYL-EPI-NEPENTHONE,JOURNAL OF THE CHEMICAL SOCIETY C: ORGANIC,1971年 1月 1日,P2296
【文献】 JANOS MARTON,NEW NEPENTHONE AND THEVINONE DERIVATIVES,BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY,1997年 2月 1日,V5 N2,P369-382
【文献】 JANOS MARTON,SYNTHESIS OF NEW NEPENTHONE DERIVATIVES,LIEBIGS ANNALEN,1996年10月 1日,V1996 N10,P1653-1656
【文献】 LIU CHUN-HE,SYNTHESIS, CRYSTAL STRUCTURE OF 7ALPHA-[(S)-1-HYDROXY-1-(2-THIENYL)ETHYL]-6,14-ENDOETHANOTETRAHYDROTHEBAINE ,JOURNAL OF CHEMICAL RESEARCH,英国,SCIENCE REVIEWS LTD,2005年 1月 1日,N3,P169-170
【文献】 BENTLEY K W,NOVEL ANALGESICS AND MOLECULAR REARRANGEMENTS IN THE MORPHINE-THEBAINE GROUP. II.ALCOHOLS DERIVED FROM 6,14-ENDO-ETHENO- AND 6,14-ENDO-ETHANOTETRAHYDROTHEBAINE,JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,1967年 6月21日,V89 N13,P3273-3280
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D487/00−491/22
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式2の化合物であって、
【化1】
RがHであり、
がシクロプロピルメチルであり、
がHであり、
およびRがメチルであり、
がそれぞれ置換型または非置換型であり得るアリールまたはヘテロアリールであり、および
Xが(−CHCH−)または(−CH=CH−)である前記の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和化合物。
【請求項2】
が置換されたフェニルであって、該置換基はハロゲン、メチル、ヒドロキシルまたはメトキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が非置換のフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が置換または非置換のヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Xが−CHCH−である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Xが−CH=CH−である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(2‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、および
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(5‐クロロ‐2‐チオフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール
からなる群より選択される化合物またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和化合物。
【請求項8】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐フェニル‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(2‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐フルオロフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、および
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐プロピルチオフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール
からなる群より選択される化合物またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和化合物。
【請求項9】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐フェニル‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(2‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17
‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐フルオロフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐チオフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐メチル‐2‐チオフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(5‐クロロ‐2‐チオフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(2‐チオフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール、および
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐メトキシフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール
からなる群より選択される化合物またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和化合物。
【請求項10】
式3の化合物を合成する方法であって、
【化2】
ルイス酸触媒の存在下でN−シクロプロピルカルボニルノルテバインをメタクロレインと混合することにより合成する方法。
【請求項11】
物質乱用障害を治療するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩または溶媒和化合物、および薬学的に許容可能な賦形剤または担体を含む組成物であって、前記物質は、オピエート、アルコールまたはコカインである、組成物。
【請求項12】
前記物質乱用障害の治療が、物質乱用障害の再発の防止である、請求項11に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物およびアルコールの乱用の治療に有用なオルビノール化合物およびテビノール化合物に関する。それらの化合物はオピオイドの乱用、コカインの乱用、過度の飲酒および多種薬剤の乱用の治療に特に有用であり、回復中の中毒患者における再発の防止に有用である。
【背景技術】
【0002】
本発明の化合物は、ブプレノルフィンと構造的に関連がある。しかし、ブプレノルフィンと異なり、それらの化合物はμオピオイド受容体(MOPr)アンタゴニストであり、また、有意なMOPrアゴニスト活性を有さない。それらは、κオピオイド受容体(KOPr)においてブプレノルフィンの拮抗作用を共有し、そして、NOP/ORL‐1受容体において活性を有することもあり得る。
【0003】
オルビノール
オルビノールは、Bentleyおよび同僚により最初に合成され、ReckittおよびColmanにより開発された、一般構造(1)を有する一団のC環架橋エポキシモルフィナン化合物である(Lewis et al, 1971)。そのシリーズのうちで最もよく研究さ
れているメンバーは、非常に強力なオピエート鎮痛剤および動物運動抑制薬であるエトルフィン(式1a)、非常に強力なオピエート拮抗剤であるジプレノルフィン(式1b)ならびに臨床用鎮痛剤であり、アヘン剤の乱用の治療のためのブプレノルフィン(式1c)である。
【0004】
【化1】
【0005】
構造1のオルビノール類および誘導体は、一連の英国特許第902659号、第925723号、第937214号、第969263号および第1136214号において記載されており、それらの特許はそれらの合成ならびに鎮痛薬、鎮咳薬および、いくつかの場合では、麻薬の拮抗薬としての治療への使用の可能性について論じている。それらの特許出願は、R4が水素以外のものである化合物について記載していない。さらに、C20に関する立体化学が規定されなかった。発明者らは、C20に関する立体化学は実際には最
も重要であり、R2とR3が置き換えられている構造1のジアステレオ異性体は大変に異なる薬理学的プロファイルを有することを理解している。
【0006】
発明者らは、彼らの刊行物において、オルビノール類(式1、R=H)およびテビノール類(式1、R=Me)における構造と活性の間の関係が塩基性窒素原子での置換基およびC3、すなわちフェノール位での置換基に関していかに従来的であるか説明しているが(Lewis and Husbands, 2004)、それらの置換基の性質およびC20に関する立体化学の効果が更に重要であることを説明している(Lewis and Husbands, 2004)。特に、発明者らは、オピオイドアゴニスト活性を欠き、したがって基本的にオピオイドアンタゴニストである構造は非常に限られた範囲でしか存在しないことを発見している。本発明以前では、オピオイド受容体においてアゴニスト活性が無いことが示されている構造1の唯一の化合物はN‐シクロプロピルメチル(N‐CPM)第1級アルコール類および第2級アルコール類(式1d、式1e、式1f)であった(Lewis, 1973)。したがって、オピオイド
アゴニスト活性が無く、C20アリール置換基を有する新規のオルビノール類の発見は予期せぬことであり、且つ、望ましいことであった。R2がアリールであり、R4がHである、構造1を有する化合物は英国特許第969,263号および同第1,136,214号の包括的な範囲の内にあるが、そのような化合物はそれらの特許内では例証されていない。
【0007】
R2とR3が互換的にフェニル基およびメチル基であり、R4がHであり、そして、R1にシクロプロピルメチル、アリル、ジメチルアリルおよびプロパルギルが含まれる構造1のオルビノール類およびテビノール類はMartonら(Marton et al, 1997)によって開示されたが、オピオイド活性についてどのような定義もされていない。
【0008】
R4がメチルである構造1のオルビノール類およびテビノール類はこれまでに開示されていない。さらに、発明者らは、本発明においてメチルであるR4を有する新規化合物が調製される重要なディールス・アルダー付加物は、HであるR4を有する標準的なオルビノール類の調製をこれまでに可能とした標準的な方法(Lewis et al, 1971)によって合
成され得ることを発見している。
【0009】
薬物の乱用の治療におけるブプレノルフィン
ブプレノルフィンは、それがオピオイド受容体に結合する様式に由来する複雑で独特の薬理学を示す。オピエート鎮痛薬ならびにオピエート拮抗薬であるナルトレキソン、ナロキソンおよびナルメフェンのように、ブプレノルフィンの一次作用はMOPrであるが、それはモルヒネの様なオピエートアゴニストでもナルトレキソンのような拮抗薬でもない。それは状況に応じてアゴニストまたはアンタゴニストの特徴を有する部分的なMOPrアゴニストとして分類される。MOPr部分的アゴニストとして、ブプレノルフィンは、致死の可能性がある(過量での)呼吸抑制作用および耽溺傾向を重要な効果として含む、MOPr活性化作用に関連するあらゆる効果に対する上限を示す。後者はまた、不可逆的な特性を有するブプレノルフィンのMOPr結合のカイネティクスによって好影響を受ける。ブプレノルフィンのMOPrからの解離が非常に遅いことが、少なくとも部分的には、その長い作用期間、および慢性的な投与後に薬物を休薬したときの禁断効果が軽度であることの原因である。ブプレノルフィンのMOPrアゴニスト作用の用量反応曲線の形は独特なことに逆U字形である。このことは、高用量が、効果のピークを生じる中程度の用量よりも低いMOPrアゴニスト効果を有することを意味する。これは呼吸抑制作用に当てはまり、したがって、さらにその薬物の非常に好都合な急性投与時の安全性プロファイルと身体的依存性傾向の原因になる。高用量でのブプレノルフィンの非常に限られたMOPrアゴニスト活性は、これらの用量での優勢なMOPrアンタゴニスト活性に対して相補的である。
【0010】
ブプレノルフィンがオピエートの乱用の治療について、および解毒と維持用の薬剤としての信頼について承認されたときに、MOPrにおけるブプレノルフィンの独特の薬理学的プロファイルが認められた。しかし、ブプレノルフィンはまた、KOPrおよびδオピオイド受容体(DOPr)において高い親和性を有するが効力が無く、したがって、これらの受容体においてアンタゴニスト活性のみを有するという点で、かなりのMOPrアゴニスト活性を有する薬物の中でも独特である。いかなるKOPrアゴニスト活性も無いことは、ブプレノルフィンがKOPrアゴニスト副作用、特に神経不安および多尿の発生を防ぐことを意味するばかりではなく、KOPr拮抗作用がオピエートの乱用以外の物質乱用障害の治療におけるブプレノルフィンの利用可能性にとって重要である。したがって、KOPr拮抗作用は、アカゲザル(Mello et al, 1995)およびオピエートとコカインの
同時中毒患者(Montoya et al, 2004)がコカインを自己投与することを抑制させるその
能力に寄与する。KOPrアンタゴニストはコカインに対して有用であり得るという仮説は臨床前研究によっても支持されている。KOPrアンタゴニストであるnorBNIおよびJDTicはストレス誘導性のコカイン場所嗜好性の増強を阻止し(McLaughlin et al, 2003)、足ショック誘導性のコカイン自己投与行動の再開を阻止する(Beardsley et
al, 2005; Redila and Chavkin, 2008)ことが示されている。KOPrアンタゴニスト
はまた、ラットにおいて、非依存性エタノール自己投与に影響を与えることが無いまま、エタノール依存性自己投与を選択的に減弱させることが示されている(Walker and Koob,
2008)。このことは、KORノックアウトマウスにおけるアルコール自己投与の減少と
いう以前の発見と合うようである(Kovacs et al, 2005)。
【0011】
3種の古典的なオピオイド受容体への結合に加えて、ブプレノルフィンはまた部分的アゴニストとしてORL‐1受容体にも結合する。この受容体は古典的なオピオイド受容体との高い程度のアミノ酸配列相同性を有するが、アヘンアルカロイドならびにアヘン拮抗薬であるナロキソン、ナルトレキソンおよびナルメフェンを含む伝統的なオピオイド類はORL‐1受容体に対して低い親和性を有する。ORL‐1受容体の内在性リガンドであるオルファニンFQはコカインの作用を阻害することが示されているので(Korlinska et al, 2002)、ブプレノルフィンのORL‐1活性が似たような効果を伴い得るのだろう。Gorelick(2007年)は、高用量のブプレノルフィンこそ、オピエートとコカインの両方に依存性である患者におけるコカインの使用を著しく低減させるので(Montoya et al, 2004)、ORL‐1受容体の活性化こそこの効果にとって重要であると示唆し
た。高用量のブプレノルフィンは、ラットにおいて、ORL‐1アンタゴニストによって防止される作用であるエタノールの自己投与を抑制させることも示されている(Ciccocioppo et al, 2007)。
【0012】
KOPrアンタゴニスト(およびNOP/ORL‐1アゴニスト)活性を明らかにするためには、ブプレノルフィンのMOPrアゴニスト作用を無効にしなくてはならなかった。これは解毒されたオピエート中毒患者での研究において舌下ブプレノルフィン(4mg/日)を経口ナルトレキソン(50mg/日)と組み合わせることにより達成された。12週後に、その組合せで処置された群はナルトレキソン(50mg)での比較群よりも低いレベルでオピエートとコカイン代謝物について陽性の尿を示した(Gerra et al, 2006
)。ブプレノルフィンのKOPrアンタゴニスト作用からの正の貢献を示すこの結果は、同じ投与計画を有するが、ナルトレキソン比較群が無い、Rothmanら(2000年)による以前の研究を支持した。
【0013】
主にMORのアンタゴニストであるナルトレキソンの、アルコール依存およびオピオイド依存の再発を防止するための使用は多くの国々において承認されている。オピオイド依存の治療における経口ナルトレキソンの効果について雑多な報告が存在し、最近のCochraneの総説ではその使用を疑いの余地なく支持する十分な証拠が見いだされなかった(Minozzi, 2006)。より最近では、ナルトレキソンの持続性放出が利用可能となり、
利用できる限られた高品質のデータから、これが経口ナルトレキソンよりも、治療中の著しく高い残存率を含む利点を有することが示唆されている(Lobmaier, 2008; Comer et al, 2006)。アルコール依存の治療におけるナルトレキソンの効力を肯定する証拠はより
強固である。それは、特に心理社会的治療と組み合わせたときに短期および中期の両方にわたって再発の防止に有効であることが示されている(Srisurapanont and Jarusuraisin, 2008)。興味深いことに、アルコール乱用の再発の防止における正の効果はコカイン/アルコール二重依存または二重乱用を有する個体において維持されており(Srisurapanont and Jarusuraisin, 2008)、そのことはMOR拮抗作用の多種薬剤使用群におけるアルコール摂取の減少における役割を支持する。
【0014】
本件はしたがって、広範囲の物質の個別的乱用および集合的乱用の両方の治療としてORL‐1受容体アゴニスト活性を有する有望なKOPrアンタゴニストおよびMOPrアンタゴニスト、すなわちMOPr部分的活性化作用がMOPr拮抗作用によって置き換えられているブプレノルフィンに対してなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】英国特許第902659号
【特許文献2】英国特許第925723号
【特許文献3】英国特許第937214号
【特許文献4】英国特許第969263号
【特許文献5】英国特許第1136214号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Lewis, J.W.; Bentley, K.W.; Cowan, A. Narcotic analgesics and antagonists. Ann. Rev. Pharmacol., 1971, 11, 241-270
【非特許文献2】Lewis, J.W.; Husbands, S.M. The Orvinols and Related Opioids - High Affinity Ligands with Diverse Efficacy Profiles. Current Pharmaceutical Design, 2004, 10, 717-732.
【非特許文献3】Lewis, J.W. Ring C-bridged derivatives of thebaine and oripavine. Adv. Biochem. Psychopharmacol., 1973, 8, 123-36
【非特許文献4】Marton, J.; Simon, C.; Hosztafi, S.; Szabo, Z.; Marki, A.; Borsodi, A.; Makleit, S. New nepenthone and thevinone derivatives. Bioorg. Med. Chem., 1997, 369-382
【非特許文献5】Mello, N.K., Mendelson, J.H. Buprenorphine treatment of cocaine and heroin abuse. in ‘Buprenorphine: Combatting drug abuse with a unique opioid.’ eds Lewis and Cowan, New York, NY, US: Wiley-Liss, 1995, 241-287.
【非特許文献6】Montoya, I.D.; Gorelick, D.A.; Preston, K.L.; Schroeder, J.R.; Umbricht, A.; Cheskin, L.J.; Lange, W.R.; Contoreggi, C.; Johnson, R.E.; Fudala, P.J. Randomized trial of buprenorphine for treatment of concurrent opiate and cocaine dependence. Clin. Pharmacol. Ther., 2004, 75, 34-48.
【非特許文献7】McLaughlin, J.P., Marton-Popovici M. & Chavkin C. Kappa opioid receptor antagonism and prodynorphin gene disruption block stress-induced behavioral responses. J. Neurosci. 2003, 23, 5674-5683.
【非特許文献8】Beardsley, P.M., Howard, J.L., Shelton, K.L. & Carroll, F.I. Differential effects of the novel kappa opioid receptor antagonist, JDTic, on reinstatement of cocaine-seeking induced by footshock stressors vs cocaine primes and its antidepressant-like effects in rats. Psychopharmacology (Berl.) 2005, 183, 118-126.
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【非特許文献20】Srisurapanont, M.; Jarusuraisin, N. Opioid antagonists for alcohol dependence (Cochrane review), The Cochrane Library, 2008, issue 3, pp 1-92.
【発明の概要】
【0017】
本発明は、式2の化合物であって、
【0018】
【化2】
【0019】
RがHまたはアルキルであり、
R1がアルキル、アルケニルまたはシクロアルキルアルキルであり、
R2、R4およびR5がHまたはメチルであり、
R4がHであり、R2がメチルであるとき、R3はフェニルではあり得ないことを例外として、R3がそれぞれ置換型または非置換型であり得るアリールまたはヘテロアリールであり、R2とR3が置き換えられているジアステレオ異性体にもその例外が含まれ、
C20において、R2とR3が置き換えられて反対の立体化学を提供することができ、
Xが飽和架橋(−CH2CH2−)または不飽和架橋(−CH=CH−)である前記化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグもしくは溶媒和化合物を提供する。
【0020】
Rがアルキルであるとき、それは、4個の炭素原子またはそれより少ない炭素原子を有する短鎖アルキル、および好ましくは1個の炭素原子を有する短鎖アルキル、すなわちメチルを意味する。RはHであることが好ましい。
【0021】
上記のR1では、アルキルは随意に置換された2個と4個の間の炭素原子からなる鎖を意味し、好ましくはn‐プロピル基を意味する。シクロアルキルアルキルは3個〜8個の炭素原子からなるシクロアルキル基、好ましくは置換されていてもいなくてもよく、好ましくはメチレン基(−CH2)である1個〜3個の炭素原子からなる炭素鎖を介して塩基性窒素原子に結合したシクロプロピルまたはシクロブチルを意味することが好ましく、シクロプロピルメチル(CPM)が最も好ましいR1構造である。アルケニルは水素原子のうちのいずれかが置換されてよい、好ましくは1つ以上のメチル基によって置換されてよいアリル(−CH2CH=CH2)を意味することが好ましい。好ましいアルケニル基はアリルである。
【0022】
R3はアリール、特にフェニル、またはヘテロアリール基、特に4個もしくは5個の炭素原子と1個のイオウ原子もしくは窒素原子を有するもの、すなわちチオフェニル、ピロリルもしくはピリジルである。これらは、例えば、ハロゲン、特にフッ素もしくは塩素、またはメチルなどの短鎖アルキル、または酸素、例えばヒドロキシルまたはメトキシで置換されてもされなくてもよい。R3はメチル、ハロゲン、メトキシおよびヒドロキシのうちの1つ以上によって随意に置換されたフェニルであることが好ましい。
【0023】
上で示したように、R4がHであり、R2がメチルであるときR3はフェニルではあり得ず、R2とR3が置き換えられているジアステレオ異性体においても、そのことが含まれる。これは、R4がHであり、R2はメチルであるとき、R3はフェニルではないことを意味する。R2とR3の位置が置き換えられる場合、その例外がなお当てはまるように、ジアステレオ異性体が包含される。言い換えると、R4がHであり、R2がフェニルで
あるとき、R3はメチルではあり得ない。
【0024】
好ましい実施形態では、RはHであることが好ましい。その実施形態では、R1はCPMであることが好ましい。
【0025】
R1がCPMであるとき、特にRがHであるとき、R3はアリール、特にフェニルまたは置換フェニルであることが好ましい。
【0026】
いくつかの実施形態では、R2はHであることが好ましい。他の実施形態では、R2はメチルであることが好ましい。いくつかの実施形態では、R4はHであることが好ましい。他の実施形態では、R4はメチルであることが好ましい。R2がHであるとき、R4はメチルであることが好ましい。R2がメチルであるとき、R4はHであることが好ましい。しかし、R4がHのとき、R2はHであり得、R4がメチルのとき、R2はメチルであり得る。
【0027】
構造2の本発明の化合物では、R2とR3は置き換えられてよいが、R2の定義で示したように、どちらかがHまたはMeでなくてはならない。先に述べたように、R4がHであり、R2がメチルであるとき、R3はフェニルではあり得ず、したがって、それらの位置が置き換えられると、R3がメチルであるときR2はフェニルではあり得ない。
【0028】
R3がアリールまたはヘテロアリールであるときの構造2において示される立体化学が好ましい。しかしながら、R2とR3が置き換えられている実施形態が包含される。特に、その2つが置き換えられるとき、好ましい実施形態はR2としてピリジルを含み、特にR3はMeでありR4はHである。
【0029】
Xは−CH2CH2−または−CH=CH−であり得、−CH2CH2−が好ましい。Xが−CH=CH−であるとき、R4はメチルであることが好ましい。さらに、R2はHであることが好ましい。
【0030】
本発明の化合物は、BU127を除き、表1に見出すことができる。
【0031】
本発明は、R、R1、R2、R3、R4、R5が上で特定された通りである構造2の新規化合物の合成方法も提供する。
【0032】
特に、化合物、特に本発明の化合物、または本発明の化合物の合成に使用される中間体を合成する方法であって、ルイス酸触媒の存在下でN‐アシルノルテバインをメタクロレインと混合する工程を含む前記方法が提供される。ルイス酸触媒を含まない標準的方法は所望の化合物を生じることができなかった。
【0033】
その化合物の合成方法は本発明の化合物の合成に使用される中間体を合成する方法であることが好ましい。その中間体はN‐アシル‐7α‐ホルミル‐7β‐メチル‐6,14‐エンドテノテトラヒドロノルテバイン(N-acyl-7α-formyl-7β-methyl-6,14-endothenotetrahydronorthebaine)でありうる。
【0034】
ルイス酸触媒は当技術分野において周知である。そのルイス酸触媒はLiBFであることが特に好ましいが、BF、OEtおよびNbClも使用することができる。
【0035】
本発明は、式2の化合物であって、
【0036】
【化3】
【0037】
RがHまたはアルキルであり、
R1がアルキル、アルケニル、シクロアルキルアルキルであり、
R2、R4およびR5がHまたはメチルであり、
R3がそれぞれ置換型または非置換型であり得るアリールまたはヘテロアリールであり、および
Xが飽和架橋(−CH2CH2−)または不飽和架橋(−CH=CH−)である前記化合物、またはその薬学的で許容可能な塩、プロドラッグもしくは溶媒和化合物、および薬学的に許容可能な賦形剤または担体を含む組成物も提供する。
【0038】
R、R1、R2、R3、R4およびR5が本発明の化合物に関して上で定義された通りであることが好ましい。投与される化合物にはR2とR3が置き換えられているジアステレオ異性体が含まれる。
【0039】
R4がHであり、R2がメチルであるとき、R3はフェニルではあり得ないことが好ましく、R2とR3が置き換えられているジアステレオ異性体においても、そのことが含まれる。
【0040】
本発明の医薬組成物は本発明の分子のいずれか、およびその薬学的に許容可能な塩を任意の薬学的に許容可能な担体、アジュバントまたはベヒクルと共に含む。その医薬組成物に使用され得る薬学的に許容可能な担体、アジュバントおよびベヒクルには、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸からなる部分的グリセリド混合物、水;硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩などの塩または電解質、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン‐ポリオキシプロピレンブロック重合体、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
本発明の医薬組成物は経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、局所的に、経直腸的に、経鼻的に、経頬的に、経膣的に、または移植した貯蔵器を介して投与され得る。好ましくは、その医薬組成物は経口的に、または注射により投与される。その医薬組成物はどのような非毒性の従来の薬学的に許容可能な担体、アジュバントまたはベヒクルも含むことができる。「非経口の」という用語は、本明細書において使用される場合、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、関節滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病変内および頭蓋内の注射技術または点滴技術が含まれる。好ましくは、前記の組成物の投与経路は経皮投与また
は髄腔内投与である。
【0042】
前記の医薬組成物は無菌注射可能調剤の形状、例えば、無菌注射可能水性懸濁液または油性懸濁液などであり得る。この懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤(例えば、ツイーン80など)および懸濁剤を使用する当技術分野において公知の技術に従って製剤され得る。その無菌注射可能調剤は、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒、例えば、1,3‐ブタンジオールの溶液などでの無菌注射可能溶液または懸濁液でもあり得る。使用され得る許容可能なベヒクルおよび溶媒の中には、マンニトール、水、リンゲル溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の不揮発性油が溶媒または懸濁媒体として従来使用される。この目的のため、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含むどのような無菌の不揮発性油も使用され得る。オレイン酸などの脂肪酸およびそのグリセリド誘導体は注射可能調剤の調製に有用であり、オリーブ油またはヒマシ油などの天然の薬学的に許容可能な油、特にそれらのポリオキシエチル化型の油も同様である。これらの油性溶液または懸濁液は、スイス薬局方などの長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤または類似のアルコールを含むこともできる。
【0043】
本発明の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、ならびに水性懸濁液および溶液を含むが、これらに限定されないどのような経口的に許容可能な剤形で経口的に投与され得る。経口使用のための錠剤の場合では、通常使用される担体にはラクトースおよびコーンスターチが含まれる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も通常添加される。カプセル形状での経口投与にとり、有用な希釈剤にはラクトースおよび乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁液が経口的に投与されるとき、有効成分は乳化剤および懸濁剤と共に混合される。所望により、ある特定の甘味料や着香料や着色料を添加することができる。
【0044】
本発明の医薬組成物は直腸投与用の坐剤の形状でも投与され得る。これらの組成物は本発明の分子を室温では固体であるが、直腸温度では液体であり、したがって、直腸内で融解して活性成分を放出する適切な非刺激性賦形剤と混合することにより調製され得る。その様な物質にはココアバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
本発明の医薬組成物の局所投与は、所望の治療が局所適用により容易に接近可能である場所または器官を含むとき、特に有用である。皮膚への局所的な適用では、その医薬組成物は担体に懸濁または溶解されている活性成分を含有する適切な軟膏を用いて製剤されなくてはならない。本発明の分子の局所投与のための担体には鉱物油、流動石油、白色石油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が含まれるが、これらに限定されない。あるいは、前記の医薬組成物は担体に懸濁または溶解されている活性化合物を含有する適切なローションまたはクリームを用いて製剤され得る。適切な担体には鉱物油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2‐オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれるが、これらに限定されない。本発明の医薬組成物は直腸坐剤製剤により、または適切な直腸投与製剤で下部腸管に局所的に適用されることもできる。局所的経皮パッチも本発明に含まれる。
【0046】
本発明の医薬組成物は鼻エアロゾルまたは吸入によって投与され得る。そのような組成物は医薬製剤の技術分野において周知の技術に従って調製され、そして、生理食塩水での溶液として、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、生物学的利用率を向上させるための吸収促進剤、フルオロカーボンや当技術分野において公知の他の溶解剤または分散剤を使用して調製され得る。
【0047】
前記の組成物は第2の活性剤を含むこともでき、または、別の活性剤、例えば、NOP
アゴニストもしくはオピオイドアンタゴニストとの投与用であり得る。
【0048】
上で示される通りの構造2を有する化合物であって、
RがHまたはアルキルであり、
R1がアルキル、アルケニル、シクロアルキルアルキルであり
R2、R4およびR5がHまたはメチルであり、
R3がそれぞれ置換型または非置換型であり得るアリールまたはヘテロアリールであり、および
Xが飽和架橋(−CH2CH2−)または不飽和架橋(−CH=CH−)である前記の化合物の有効量、またはそのような化合物を含む組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、物質乱用障害を治療する方法がさらに提供される。
【0049】
R、R1、R2、R3、R4およびR5が本発明の化合物に関して上で定義された通りであることが好ましい。投与される化合物にはR2とR3が置き換えられているジアステレオ異性体が含まれる。
【0050】
R4がHであり、R2がメチルであるとき、R3はフェニルではあり得ないことが好ましく、R2とR3が置き換えられているジアステレオ異性体においても、そのことが含まれる。
【0051】
物質乱用障害を治療する方法は前記の化合物もしくは組成物の単回投与、またはそれらの反復投与を含み得る。
【0052】
本発明は、治療、特に物質乱用障害の治療において使用するための式2の化合物であって、
【0053】
【化4】
【0054】
RがHまたはアルキルであり、
R1がアルキル、アルケニル、シクロアルキルアルキルであり、
R2、R4およびR5がHまたはメチルであり、
R3がそれぞれ置換型または非置換型であり得るアリールまたはヘテロアリールであり、および
Xが飽和架橋(−CH2CH2−)または不飽和架橋(−CH=CH−)である前記の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグもしくは溶媒和化合物も提供する。
【0055】
R、R1、R2、R3、R4およびR5が本発明の治療方法に関して上で定義した通り
であることが好ましい。
【0056】
物質乱用障害はオピエートの使用としての障害であり、特に再発予防剤、アルコール依存および過度のアルコールの使用、コカインの使用、刺激剤の使用、多種薬剤の乱用、およびニコチンの使用としての障害であることが好ましい。特に、それは回復中の中毒患者におけるオピエートの使用に関する。前記の組成物が、別のMOPrアンタゴニストを共投与することを必要とせず、物質乱用障害、特にオピエートの使用の治療に有用であることが特に好ましい。
【0057】
前記の化合物は鬱、不安感および強迫性障害、例えば、脅迫的ギャンブルの治療にも有用であり得る。その効果が本発明の化合物によって模倣されているブプレノルフィンとナルトレキソンの組合せが、不安感および鬱などの多数の精神障害に対して効力を有することが示されている。したがって、本発明の化合物はそのような障害の治療に使用されることもできる。
【0058】
次に、本発明は単に例示の目的で詳細に説明される。
【実施例】
【0059】
前記の化合物は、例えば、スキーム1、2、3および4において概説されている方法により調製され得る。これらの方法は、これらのシリーズにおいて第2級アルコールと第3級アルコールがどのように作製されるのか例示する。化学工程のいくつかの正確な順序は変更される場合がある(例えば、窒素置換基が導入されたときに)。
【0060】
HであるR4を有する前記の化合物(構造2)は、スキーム1および2に示されるようにN‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エンドエテノ‐7‐アセチルテトラヒドロノルテバイン(式5b)またはN‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エンドエテノ‐7‐ホルミルテトラヒドロノルテバイン(式8b)から、英国特許第969,263号および第1,136,214号に記載される方法に類似する方法により調製され得る。したがって、式7に示されるようなC20における立体化学を有するシリーズ1の合成はスキーム1に示されており、C20において反対の立体化学を有する対応する化合物(シリーズ2、構造15)はスキーム2に示されている。しかしながら、グリニャール試薬の代わりにより反応性が高いピリジルリチウム試薬が使用されねばならないC20ピリジル類似体の合成の場合では例外があることがわかった。主要な生成物が予想された構造7aの代わりに構造15aの立体化学を有していたことがその結果であった。
【0061】
MeであるR4を有する本発明の化合物は、N‐シクロプロピルカルボニルノルテバイン(式16)からメタクロレインを用いるディールス・アルダー反応によって非常に容易に調製され、17aおよび17bを生じる。アリールグリニャール試薬の17bへの添加により第2級アルコールである18がもたらされ、そして、これらは酸化および還元によりジアステレオ異性アルコールである20に変換され得る。次に、KOH、PrSNaまたはL‐セレクトリドを使用する3−O−脱メチル化によりオルビノール類似体である22および23が作製される(スキーム3)。
【0062】
エタノ架橋類似体は付加物17bの触媒による水素化、および次に、エテノシリーズについて説明されているものに対応する化学によって調製される(スキーム4)。
【0063】
【化5】

【0064】
【化6】

【0065】
【化7】

【0066】
【化8】

【0067】
化合物の実験データ
基本手順A:グリニャール添加(スキーム1および2)
ヨウ素の結晶を含有する無水THF(5ml)の中でマグネシウム(182mg、7.5mmol)との反応により、対応する臭化物(5mmol)からグリニャール試薬を調製した。無水THF(2ml)中に1,10‐フェナントロリン(約2mg)(紫色の溶液)を含有するフラスコに1mlのグリニャール溶液を添加し、THF中に1Mの2‐ブタノール(無水)を用いて滴定することにより(エンドポイントは薄黄色の溶液)、そのグリニャール試薬を使用前に用量設定した。
【0068】
グリニャール試薬(THF中に1M、1.2ml、1.2mmol)を滴下しながら室温で無水トルエン(12ml)中の5(500mg)または8(500mg)の溶液で処理した。室温で20時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20ml)の添加により反応を停止させた。相分離を行い、水相をEtOAcで抽出した。混合した有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥し、濾過し、そして、溶媒を真空下で留去した。残留物は、ヘキサン中の10%から30%までの酢酸エチルの濃度勾配を用いて溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製された。R値は、30:1:69の酢酸エチル/アンモニア溶液/ヘキサン混合液を用いて溶離されるTLCにより記録される。
【0069】
基本手順B.グリニャール添加(スキーム3および4)
乾燥THF中のアルデヒド17bまたは24の溶液(10mL/mmolアルデヒド)に3当量のBuNBrを添加し、続いてTHF中の溶液である2当量のアリールマグネ
シウムハライドを添加した。次に、その溶液を加熱して48時間還流し、室温まで冷却し、そして、0.05mLの水を用いて反応を停止させた。その混合物を5分間撹拌し、次にセライトで濾過した。固形物を熱THFで洗浄し、回転式蒸発により溶液からその溶媒を除去した。残りの残留物をEtOAc(20mL)と水(10mL)に間で分配した。水層を5mLのEtOAcで2回抽出した。プールした有機溶媒を5mLの水で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、MgSO上で乾燥し、濾過し、そして、減圧下で乾燥した。残留物を最小量のEtOに溶解して結晶化を誘導した。その結晶を濾過により収集し、真空下で乾燥した。
【0070】
基本手順C.スワーン酸化
CHCl(3mL/mmol)中の塩化オキサリル(1.25当量)の溶液を一口フラスコ中で−78℃まで冷却した。CHCl(3mL/mmol)中の乾燥DMSO(2.6当量)の溶液を滴下しながらこのフラスコに添加した。その溶液を5分間撹拌し、次にCHCl(2mL/mmol)中の溶液9、18または25を添加した。その混合物を20分間撹拌し、次にEtN(5当量)を添加した。その反応を冷水浴から取り出し、1時間撹拌子、そして、水を添加した。その混合物を振盪し、有機層を分離し、そして、NHClの飽和溶液で洗浄し、次に濃NaHCO溶液で洗浄した。その溶液を飽和食塩水でもう一度洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして、減圧下で溶媒を除去して透明な残留物として粗生成物である11、19または26を得た。
【0071】
基本手順D.LiAlH還元
【0072】
基質(式11、式18、式19、式25または式26)を乾燥THF(10mL/mmol)に溶解し、そして、乾燥THF(5mL/mmol)中のLiAlH(4当量)の撹拌懸濁液に0℃で添加した。その懸濁液を24時間撹拌して室温まで温めた。反応を0℃まで冷却し、THF中の水を用いて反応を停止させた。その混合物を濾過し、熱THFを用いて固形物をすすいだ。その溶液を回転式蒸発にかけて油を得て、その油を石油エーテル中の15%EtOAcを用いて溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて生成物を得た。
【0073】
基本手順E.NaSPr/HMPAを使用するO−脱メチル化
乾燥HMPA(6mL/mmol)中の6、9、12、14、20、21、27または28の溶液にナトリウムプロパンチオラート(6当量)を添加した。その反応を115℃で3時間撹拌し、次に室温まで冷却し、そして、7mL/mmolの濃NHCl溶液を用いて反応を停止させた。その混合物をEtOで3回抽出した。次に有機層を水で5回、飽和食塩水で1回抽出し、MgSO上で乾燥し、濾過し、そして、溶媒を減圧下で除去した。次に、石油エーテル中のEtOAcの濃度勾配を用いて溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーに残留物をかけた。次に、目的の化合物を含有する分画を乾燥するまで蒸発させ、そして、EtOH中の2MのHCl溶液に溶解し、その後、EtOAcを添加して結晶化を誘導した。その結晶を濾過により収集し、真空下で乾燥した。
【0074】
基本手順F.L‐セレクトリドを用いるO−脱メチル化
THF中のL‐セレクトリド(登録商標)(1M溶液の5当量)を窒素雰囲気下で出発物質(式6、式9、式12、式14、式20、式21、式27または式28)に添加し、そして、その結果生じる溶液を80℃にまで加熱し、そして、14時間撹拌し、その間に透明から白色および不透明への変化が観察された。過剰なL‐セレクトリド(登録商標)を、水を用いて抑制し、そして、真空下で溶媒を除去した。その結果生じた残留物をジクロロメタンに抽出し、蒸留水と飽和食塩水溶液で洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして、真空下で再度溶媒を除去した。
【0075】
N‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エンド‐エタノノルテビノン(式5a)[Marton et al 1997]
無水DMF(36ml)中の4a(6g、14.8mmol)の溶液を室温で炭酸水素ナトリウム(5g、60mmol)と(ブロモメチル)シクロプロパン(1.87ml、19.3mmol)で断続的に処理した。結果生じた懸濁液を90℃まで加熱し、20時間撹拌した。これを冷却して、DMFを真空下で除去し、残留物を水に溶解し、そして、2MのNaOH溶液を用いて塩基性にした。生成物をクロロホルムに抽出し、そして、有機相を飽和食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、濾過し、そして、乾燥するまで蒸発させた。結果生じた黄色の固形物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の50%酢酸エチル、R=0.50)により精製し、6.15gの5aを白色の固形物として得た(98%)。融点:105〜106℃。 1H NMR (270 MHz, CDCl3) δ 0.04-0.10 (2H, m), 0.43-0.49 (2H, m), 0.63-0.80 (1H, m), 1.22-1.34 (1H, m), 1.49-1.75 (4H, m), 1.96-2.08 (1H, m), 2.20-2.38 (4H, m), 2.25 (3H, s), 2.58-2.77 (2H, m), 2.93-3.11 (3H, m), 3.42 (3H, s), 3.86 (3H, s), 4.47 (1H, s), 6.55 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.63 (1H, d, J=8.0 Hz). 13C NMR (68 MHz, CDCl3) δ3.4, 4.2, 9.6, 17.6, 22.8, 28.8, 30.5, 33.9, 35.4, 35.5, 43.8, 46.6, 49.8, 52.4, 56.8, 58.4, 59.9, 77.8, 94.8, 113.9, 119.2, 128.9, 132.8, 141.8, 146.8, 211.1. HRMS (ESI+): C26H34NO4(MH+)の計算値, 424.2488; 実測値 424.2485。
【0076】
N‐シクロプロピルメチル‐6,14‐ジヒドロノルテビナール(式8a)およびN‐シクロプロピルメチルノルテビナール(式8b)
N‐CPMノルテバイン(式3)(1当量)およびアクロレイン(1.2当量)をトルエン(4mL/mmol)中で加熱して一晩還流した。その溶媒と過剰なジエノフィルを真空下で除去し、そして、生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(式8b:74%)。 Rf (EtOAc:NH4OH, 99.5:0.5) 0.58, . 1H NMR (270 MHz, CDCl3) δ(0.14(2H, m), 0.50 (2H, m), 0.83 (1H, m), 1.45 (1H, dd), 2.98 (1H, dd), 3.11 (1H, d), 3.57 (1H, d), 3.62 (3H, s), 3.82 (3H, s), 4.64 (1H, d), 5.59 (1H, d), 5.89 (1H, d), 6.52 (1H, d), 6.62 (1H, d), 9.43 (1H, d); 13C NMR (68 MHz, CDCl3) δ 3.43, 4.17, 9.44, 23.21, 26.76, 33.45, 42.92, 43.97, 48.05, 49.87, 52.70, 56.56, 57.11, 59.80, 80.92, 93.62, 113.39, 119.51, 126.47, 128.15, 133.96, 137.45, 141.93,
147.93, 201.96; LRMS (EI) 407 (M+), HRMS:測定値 407.2096; C25H29NO4 は407.2097を必要とする。
【0077】
この付加物8b(6.0g、14.7mmol)をEtOH(45mL)に溶解し、そして、H雰囲気下65psiで10%Pd/C(60mg)を用いて50℃で24時間処理した。室温まで冷却後、セライトを通す濾過により触媒を除去し、そして、溶媒を真空下で除去した。5.9 g (式8a: 98%), Rf (ヘキサン: EtOAc: NH4OH, 33:66:1) 0.48; . 1H NMR (270 MHz, CDCl3) δ0.09 (2H, m), 0.49 (2H, m), 0.76 (1H, m), 3.00 (1H, d), 3.51 (3H, s), 3.87 (3H, s), 4.58 (1H, d), 6.58 (1H, d), 6.72 (1H, d), 9.92 (1H, d); 13C NMR (68 MHz, CDCl3) δ 3.40, 4.11, 9.46, 19.95, 22.79, 26.72, 28.64, 35.33, 35.46, 43.70, 46.02, 48.80, 51.67, 56.68, 58.45, 59.86, 77.37, 92.37, 113.86, 119.10, 119.32, 128.58, 132.39, 141.82, 203.33; m/z (EI) 409 (M+); HRMS (EI)
:測定値、 409.2263; C25H31NO4は 409.2253を必要とする。
【0078】
シリーズ1、スキーム1:R=Ph (1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐フェニル‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU127)
5を手順Aにおけるようにフェニルマグネシウムブロミドを用いて処理し、続けて手順
EまたはFにより処理した。白色の固形物 (Rf=0.21; 0.5% NH4OH,ヘキサン中の30% EtOAc ; ヘキサン中の30% EtOAc でのカラム展開). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ-0.10-0.00 (2H, m), 0.31-0.42 (2H, m), 0.55-0.62 (1H, m), 0.69-0.77 (1H, m), 0.91 (1H, dd, J=13.5 and 9.5 Hz), 1.02-1.10 (1H, m), 1.58 (1H, dd, J=12.5 and 2.5 Hz), 1.76-1.90 (3H, m), 1.80 (3H, s), 1.94-2.02 (1H, m), 2.10-2.20 (5H, m), 2.45 (1H, dd, J=11.5 and 5.0 Hz), 2.85-2.93 (2H, m), 3.57 (3H, s), 4.45 (1H, d, J=2.0 Hz), 5.49 (1H, s), 6.48 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.66 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.23-7.26 (1H, m), 7.32-7.36 (2H, m), 7.51-7.53 (2H, m). 13C NMR (100.6 MHz, CDCl3) δ3.3, 4.2, 9.4, 18.0, 22.9, 23.7, 30.0, 32.7, 35.6, 36.2, 43.6, 47.3, 48.5, 52.9, 58.1, 59.6, 77.5, 80.9, 97.6, 116.4, 119.7, 126.2, 126.9, 128.0, 128.5, 132.5, 137.3, 145.5, 147.2. HRMS (ESI+) : C31H38NO4(MH+)の計算値488.2795; 実測値 488.2794 (100%).
【0079】
シリーズ1、スキーム1、R=2‐チエニル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(2‐チエニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU08026)
5を手順Aにおけるように2‐チエニルマグネシウムブロミドを使用して処理し、続けて手順EまたはFにより処理した。 Rf (30% EtoAc-石油エーテル-0.5%NH3) 0.5. δH (270MHz; CDCl3) 7.2 (1H, d, J 4.2, 1 x 2-チエニル.CH), 6.9 (1H, t, J 3.6, 1 x 2-チエニル.CH), 6.9 (1H, d, J 4.9, 1 x 2-チエニル.CH). 6.7 (1H, d, J 8.2, CH), 6.5 (1H, d, J 8.9, CH), 5.8 (1H, s, 21-OH), 4.4 (1H, s, 5α-H), 3.9 (3H, s, 3-OCH3), 3.6 (3H, s, 6-OCH3), 2.9 (1H, d, J 19.0, 10β-H), 2.9 (1H, d, J 7.2, 9α-H), 0.6-0.7 (1H, m, N‐CH2CH(CH2-CH2-)), 0.3-0.4 (2H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-)), 0 (2H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-)).
【0080】
類似の方法により次のリガンドが調製される:シリーズ1、スキーム1、R=m‐トリル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU10092)
Rf (30% EtoAc-石油エーテル-0.5%NH3) 0.8. δH(270MHz; CDCl3) 7.5-7.6 (1H, m, 4 x アリール.CH), 7.1 (3H, d, J 3.3, 2-メチルフェニル), 6.7 (1H, d, J 8.3, CH). 6.6 (1H, d, J 8.2, CH), 5.9 (1H, s, 21-OH), 4.4 (1H, s, 5α-H), 3.9 (3H, s, 3-OCH3),
3.3 (3H, s, 6-OCH3), 2.9 (2H, d, J 19.0, 10β-H), 2.9 (1H, d, J 7.2, 9α-H), 0.6-0.7 (1H, m, N‐CH2CH(CH2-CH2-)), 0.3-0.4 (2H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-)), -0.1-0 (2H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-)).
【0081】
シリーズ1、スキーム1、R=p‐t‐ブチルフェニル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4’’‐t‐ブチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU08024)
Rf0.33 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ-0.07 (2H, m), 0.31-0.33 (2H, d, J= 8.0 Hz), 068-072 (1H, m), 0.73-0.86 (1H, m), 0.86-0.92 (1H, m), 0.99-1.03 (1H, m), 1.31 (10H, s), 1.52-1.55 (1H, d, J= 12.5 Hz), 1.77 (5H, s), 1.81-1.84 (1H, m), 2.03-2.10
(1H, m), 2.13-2.20 (5H, m), 2.46-2.48 (1H, m), 2.77-278 (1H, m), 2.87-2.91 (1H,
d, J=18.3 Hz), 3,54 (3H, s), 4.43 (1H, s), 5.44 (1H, s), 6.44-6.46 (2H, d, J= 8.0 Hz), 6.61-6.63 (2H, d, J=8.0 Hz), 7.32-7.33 (2H, d, J=4.7 Hz), 7.34 (2H, d, J=4.7 Hz); 13C NMR (100.6 MHz, CDCl3) δ3.4, 3.5, 9.1, 17.8, 23.0, 23.4, 29.8, 31.3, 32.4, 34.3, 35.5, 36.0, 43.2, 47.0, 48.3, 52.7, 58.5, 59.2, 80.7, 97.2, 116.3, 119.4, 124.6, 125.6, 128.1, 132.3, 137.2, 144.0, 145.4, 149.3; ESIMS m/z: 544
[M + 1]+.
【0082】
シリーズ1、スキーム1、R=p‐i‐プロピルフェニル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐イソプロピルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU10096)
1H NMR (CDCl3) δ-0.09- -0.04 (2H, m), 0.31-0.0.35 (2H, m), 0.57-0.60 (1H, m), 0.68-0.75 (1H, m), 0.86-0.92 (1H, m), 1.00-1.05 (1H, m), 1.24 (6H, d, J=6.88 Hz),
1.56 (1H, s), 1.78 (3H, s), 1.79-1.85 (3H, m), 1.98-2.04 (2H, m), 2.10-2.23 (4H, m), 2.45-2.49 (1H, m), 2.78 (1H, d, J=6.40 Hz), 2.88-2.93 (2H, m), 3.56 (3H, s), 4.45 (1H, s), 4.61 (1H, bd), 5.30 (1H, bd), 6.47 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.66 (1H,
d, J=8.0 Hz), 7.17 (2H, d, J=8.1 Hz), 7.40 (2H, d, J=8.1 Hz); 13C NMR, 400 MHz,
(CDCl3) δ 3.40, 3.65, 9.29, 17.92, 23.05, 23.59, 23.92, 24.12, 29.87, 32.60, 33.72, 35.61, 36.16, 43.35, 47.25, 48.53, 52.71, 58.56, 59.39, 80.80, 97.56, 116.22, 119.52, 125.81, 125.91, 128.51, 132.52, 137.12, 144.75, 145.48, 147.14. HRMS, (C34H44NO4) [MH]+ のm/z, 計算値 530.3270; 実測値 530.3285.
【0083】
シリーズ1、スキーム1、R=p‐クロロフェニル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐クロロフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU10097)
1H NMR (CDCl3) δ -0.03- -0.02 (2H, m), 0.37-0.0.41 (2H, m), 0.58-0.62 (1H, m), 0.71-0.74 (1H, m), 0.85-0.90 (1H, m), 0.99-1.05 (1H, m), 1.54 (1H, m), 1.75 (3H,
s), 1.77-1.84 (3H, m), 1.99-2.05 (2H, m), 2.14-2.22 (4H, m), 2.44-2.48 (1H, m),
2.86-2.90 (2H, m), 3.58 (3H, s), 4.42 (1H, s), 4.63 (1H, bd), 5.46 (1H, bd), 6.51 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.69 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.29 (2H, d, J=11.1 Hz), 7.43 (2H,
d, J=11.1 Hz); 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.20, 4.03, 9.27, 17.83, 22.79, 23.48, 29.86, 32.60, 35.59, 36.09, 43.45, 47.29, 48.52, 52.81, 57.99, 59.50, 80.85,
97.48, 116.32, 119.60, 127.60, 127.93, 128.49, 132.35, 132.54, 137.13, 145.44, 146.10; HRMS, (C31H37ClNO4): [MH]+ のm/z; 計算値 522.2411; 実測値 522.2515
【0084】
シリーズ1、スキーム1、R=m‐クロロフェニル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐クロロフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU10098)
1H NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ -0.05- -0.02 (2H, m), 0.36-0.0.42 (2H, m), 0.60-0.62
(1H, m), 0.70-0.76 (1H, m), 0.89-0.93 (1H, m), 1.02-1.07 (1H, m), 1.56 (1H, s),
1.75-1.85 (6H, m), 2.01-2.06 (2H, m), 2.15-2.23 (4H, m), 2.44-2.48 (1H, m), 2.87-2.94 (2H, m), 3.57 (3H, s), 4.43 (1H, s), 4.68 (1H, s), 5.48 (1H, bd), 6.48 (1H, d, J= J=8.0 Hz), 6.67 (1H, d, J= J=8.0 Hz), 7.21-7.28 (2H, m), 7.37 (1H, d, J= 10.6 Hz), 7.53 (1H, s): 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.21, 4.03, 9.27, 17.87, 22.84, 23.54, 29.84, 32.53, 35.60, 36.10, 43.46, 47.27, 48.44, 52.81, 57.98, 59.44, 80.87, 97.42, 116.34, 119.62, 124.40, 126.50, 126.92, 128.47, 129.05, 132.37, 133.89, 137.14, 145.44, 149.68; HRMS, (C31H37FNO4) [MH]+ のm/z; 計算値 522.2411; 実測値 522.2447.
【0085】
シリーズ1、スキーム1、R=3,5‐ジメチルフェニル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3,5‐ジメチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU10100)
1H NMR (CDCl3) δ -0.04- -0.01 (2H, m), 0.34-0.0.42 (2H, m), 0.61-0.65 (1H, m), 0.70-0.76 (1H, m), 0.94-0.99 (1H, m), 1.04-1.11 (1H, m), 1.56 (1H, s), 1.76 (3H,
s), 1.79-1.86 (3H, m), 2.00-2.07 (2H, m), 2.14-2.24 (4H, m), 2.33 (6H, s), 2.41-2.45 (1H, m), 2.90-2.94 (2H, m), 3.56 (3H, s), 4.45 (1H, s), 4.80 (1H, bd), 5.41 (1H, bd), 6.48 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.66 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.87 (1H, s), 7.10 (2H, s): 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.00, 4.23, 9.19, 18.12, 21.59, 22.78, 23.83, 29.87, 32.53, 35.52, 36.09, 43.67, 47.17, 48.16, 52.70, 57.81, 59.27, 80.87, 97.34, 116.29, 119.53, 123.90, 128.29, 128.45, 132.48, 136.93, 137.16, 145.47, 147.41; HRMS, (C33H42NO4) [MH]+ のm/z: 計算値 516.3114; 実測値 516.3145
【0086】
シリーズ1、スキーム1、R=o‐トリル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(2‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU10101)
1H NMR (CDCl3) δ -0.08- -0.03 (2H, m), 0.31-0.0.38 (2H, m), 0.56-0.58 (1H, m), 0.69-0.76 (1H, m), 0.83-0.89 (1H, m), 1.02-1.09 (1H, m), 1.59-1.63 (1H, m), 1.79-1.89 (6H, m), 1.98-2.05 (1H, m), 2.13-2.23 (4H, m), 2.45-2.49 (1H, m), 2.62-2.66 (1H, m), 2.75 (3H, s), 2.84-2.93 (2H, m), 3.56 (3H, s), 4.45 (1H, s), 4.62 (1H, bd), 5.06 (1H, bd), 6.48 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.67 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.07-7.17 (3H, m), 7.22-7.24 (1H, m): 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.17, 4.06, 9.22, 18.24, 22.76, 22.84, 25.93, 29.87, 32.66, 35.63, 36.11, 43.52, 43.72, 47.34, 52.68, 57.92, 59.47, 79.68, 80.85 97.80, 116.27, 119.55, 124.83, 126.84, 127.50, 128.56,
132.43, 132.81, 136.84, 137.11, 143.64, 145.49; HRMS, (C32H40NO4), [MH]+ のm/z,
計算値502.2957; 実測値 502.3017
【0087】
シリーズ1、スキーム1、R=4‐フルオロフェニル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐フルオロフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU10102)
1H NMR (CDCl3) δ -0.06- -0.03 (2H, m), 0.35-0.0.40 (2H, m), 0.58-0.62 (1H, m), 0.70-0.76 (1H, m), 0.84-0.89 (1H, m), 0.99-1.06 (1H, m), 1.59 (1H, s), 1.74-1.84
(6H, m), 1.94-2.07 (2H, m), 2.14-2.22 (4H, m), 2.44-2.48 (1H, m), 2.85-2.91 (2H, m), 3.58 (3H, s), 4.44 (1H, s), 4.59 (1H, s), 5.45 (1H, bd), 6.48 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.67 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.99-7.04 (2H, m), 7.41-7.46 (2H, m): 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.22, 3.99, 9.27, 17.80, 22.83, 23.58, 29.86, 32.64, 35.60, 36.09, 43.45, 47.29, 48.72, 52.81, 58.05, 59.48, 80.83, 97.54, 114.39, 114.60, 116.32, 119.59, 126.64, 127.70, 128.47, 128.98, 132.35, 137.13, 143.35, 145.45, 160.57; HRMS, (C31H37FNO4), [MH]+ のm/z: 計算値 506.2707;実測値 506.2749
【0088】
シリーズ1、スキーム1、R=3‐フルオロフェニル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐フルオロフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール BU10103
1H NMR (CDCl3) δ -0.05- -0.03 (2H, m), 0.35-0.0.40 (2H, m), 0.58-0.63 (1H, m), 0.70-0.76 (1H, m), 0.87-0.93 (1H, m), 1.01-1.09 (1H, m), 1.60 (1H, s), 1.75-1.86
(6H, m), 1.97-2.14 (2H, m), 2.17-2.22 (4H, m), 2.45-2.49 (1H, m), 2.81-2.94 (2H, m), 3.58 (3H, s), 4.44 (1H, s), 4.64 (1H, s), 5.45 (1H, bd), 6.48 (1H, d, J= J=8.0 Hz), 6.67 (1H, d, J= J=8.0 Hz), 6.92-6.97 (1H, m), 7.24-7.29 (3H, m): 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.28, 3.94, 9.28, 17.83, 22.85, 23.51, 29.86, 32.51, 35.60, 36.09, 43.40, 47.28, 48.52, 52.81, 58.09, 59.49, 80.84, 97.48, 113.23, 113.4
5, 113.69, 116.31, 119.61, 121.76, 128.48, 129.17, 132.38, 137.13, 145.44, 150.23, 161.63; HRMS, (C31H37FNO4), [MH]+ のm/z: 計算値 506.2707; 実測値 506.2749
【0089】
シリーズ1、スキーム1R=3‐メチル‐2‐チエニル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐メチル‐2‐チエニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU10093)
Rf (30% EtOAc.石油エーテル-0.5%NH3) 0.17.δH (400MHz; CDCl3) 7.03 (1H, d, J 5.04, 1 x チエニル.CH), 6.76 (1H, d, J 5.12, 1 x チエニル.CH), 6.68 (1H, d, J 8.04, 2-H), 6.50 (1H, d, J 8.08, 1-H), 5.30 (1H, s, 20-OH), 4.51 (1H, s, 3-OH), 4.46 (1H, s, 5β-H), 3.56 (3H, s, 6-OCH3), 2.93 (1H, d, J 18.04, 10β-H), 2.90 (1H, d,
J 6.36, 9α-H), 2.46-2.51 (2H, m, 15/16-NCH2,CH2-を含む), 2.48 (3H, s, 1 x チエニル.CH3), 2.15-2.31 (5H, m, 7β-H, 10α-H, 15/16-NCH2,CH2-を含む), 1.79-1.89 (3H, m, 15/16-NCH2,CH2-, 2 x 18/19-H), 1.87 (3H, s, 20-CH3), 1.60-1.64 (1H, m, 15/16-NCH2,CH2-), 1.04-1.10 (1H, m, 8α-H), 0.68-0.78 (1H, m, 18/19-H), 0.62-0.68 (1H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-)), 0.34-0.45 (2H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-)), -0.02-0.01 (2H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-));δC(100.56MHz; CDCl3) 145.49, 144.06, 137.18, 133.14, 132.40, 131.75, 128.47, 121.22, 119.59, 116.35, 97.60, 80.53, 59.45 (NCH2CH(CH2)2), 57.94, 52.78, 47.35, 43.54 (CH2), 36.09, 35.63 (CH2), 32.20 (CH2), 29.84 (CH2), 25.61, 22.80 (CH2), 21.03, 18.00 (CH2), 16.02, 14.20, 9.30, 4.10 (CH2), 3.22 (CH2). m/z 508 (M+ + 1), (実測値 M+ + 1, 508.2572. C30H38NO4Sは 508.2522を必要とする)。
【0090】
シリーズ1、スキーム1、R=p‐トリル (1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐メチル‐フェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU10135)
Rf (30% EtOAc.石油エーテル-0.5%NH3) 0.23. δH (400MHz; CDCl3) 7.39 (2H, d, J 8.20, 2 x アリール.CH), 7.14 (2H, d, J 7.92, 2 x アリール.CH), 6.68 (1H, d, J 8.04,
2-H), 6.49 (1H, d, J 8.08, 1-H), 5.42 (1H, s, 20-OH), 4.62 (1H, s, 3-OH), 4.51 (1H, s, 5β-H), 3.57 (3H, s, 6-OCH3), 2.91 (1H, d, J 18.88, 10β-H), 2.87 (1H, d, J 6.80, 9α-H), 2.43-2.47 (1H, m, 15/16-NCH2,CH2-), 2.35 (3H, s, 1 x アリール.CH3), 2.12-2.21 (4H, m, 7β-H, 10α-Hを含む), 2.07-2.12 (1H, m, 15/16-NCH2,CH2-), 1.95-2.02 (1H, m, 15/16-NCH2,CH2-), 1.82-1.88 (1H, m, 15/16-NCH2,CH2-), 1.79-1.83 (1H, m, 8β-H), 1.77 (3H, s, 20-CH3), 1.00-1.09 (1H, m, 18/19-H), 0.87-0.93 (1H, m, 8α-H), 0.69-0.76 (1H, m, 18/19-H), 0.56-0.64 (1H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-)), 0.32-0.43 (2H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-)), -0.09-0 (2H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-));δC(100.56MHz; CDCl3) 145.34, 137.00, 136.03, 132.38, 128.45, 125.86, 119.45, 116.13, 80.71, 59.41 (NCH2CH(CH2)2), 57.88, 52.72, 48.30, 47.14, 43.42 (CH2), 35.97 (CH2), 32.49, 22.64 (CH2), 20.98, 17.86 (CH2), 9.17, 4.00 (CH2), 3.13 (CH2). m/z 502 (M+ + 1), (実測値 M+ + 1, 502.3048. C32H40NaO4 は502.2957を必要とする)。
【0091】
シリーズ1、スキーム1、R=5‐クロロ‐2‐チエニル(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(5‐クロロ‐2‐チエニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU10136)
Rf (30% EtOAc.石油エーテル-0.5%NH3) 0.12. δH (400MHz; CDCl3) 6.72 (1H, d, J 3.80, 1 x チエニル.CH), 6.68 (1H, d, J 8.04, 2-H), 6.61 (1H, d, J 3.84, 1 x チエニ
ル.CH), 6.50 (1H, d, J 8.08, 1-H), 5.69 (1H, s, 20-OH), 4.56 (1H, s, 3-OH), 4.42
(1H, s, 5β-H), 3.57 (3H, s, 6-OCH3), 2.94 (1H, d, J 18.56, 10β-H), 2.90 (1H,
d, J 6.52, 9α-H), 2.52-2.57 (1H, m, 15/16-NCH2,CH2-), 2.15-2.35 (5H, m, 7β-H, 10α-H, 15/16-NCH2,CH2-を含む), 1.77-1.88 (3H, m, 15/16-NCH2,CH2-, 2 x 18/19-H),
1.76 (3H, s, 20-CH3), 1.59-1.63 (1H, m, 15/16-NCH2,CH2-), 1.00-1.10 (1H, m, 18/19-H), 0.86-0.95 (1H, m, 8α-H), 0.67-0.77 (2H, m, 18/19-H, N‐ CH2CH(CH2-CH2-)), 0.36-0.47 (2H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-)), -0.04-0.06 (2H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-));δC(100.56MHz; CDCl3) 151.81, 146.75, 141.55, 132.47, 129.06, 128.80, 124.93, 122.13, 119.10, 113.84, 96.91, 80.65, 59.52 (NCH2CH(CH2)2), 57.84, 56.76, 52.99,
49.40, 47.00, 43.37 (CH2), 35.90, 35.53 (CH2), 32.59 (CH2), 29.81 (CH2), 23.41,
22.55 (CH2), 17.69 (CH2), 9.27, 4.07 (CH2), 3.25 (CH2). m/z550 (M+ + Na), (実測値 M++ Na, 550.1774. C29H34ClNNaO4S は550.1795を必要とする)。
【0092】
シリーズ1、スキーム1、R=3‐チエニル(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐チエニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU11001)
Rf (30% EtOAc.石油エーテル-0.5%NH3) 0.11. δH (400MHz; CDCl3) 7.26 (1H, d, J 2.96, 1 x チエニル.CH), 7.20 (1H, d, J 5.00, 1 x チエニル.CH), 7.16 (1H, d, J 2.88,
1 x チエニル.CH), 6.68 (1H, d, J 8.04, 2-H), 6.50 (1H, d, J 8.00, 1-H), 5.32 (1H, s, 20-OH), 4.59 (1H, s, 3-OH), 4.46 (1H, s, 5β-H), 3.58 (3H, s, 6-OCH3), 2.93 (1H, d, J 18.40, 10β-H), 2.86 (1H, d, J 6.16, 9α-H), 2.49-2.53 (1H, m, 15/16-NCH2,CH2-), 2.12-2.28 (6H, m, 7β-H, 8β-H, 10α-H, 15/16-NCH2,CH2-), 1.81-1.92
(3H, m, 15/16-NCH2,CH2-, 2 x 18/19-H), 1.79 (3H, s, 20-CH3), 1.58-1.63 (1H, m, 15/16-NCH2,CH2-), 1.04-1.07 (1H, m, 18/19-H), 0.89-0.97 (1H, m, 8α-H), 0.70-0.80 (1H, m, 18/19-H), 0.60-0.70 (1H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-)), 0.34-0.45 (2H, m, N
‐ CH2CH(CH2-CH2-)), -0.06-0.03 (2H, m, N‐ CH2CH(CH2-CH2-));δC(100.56MHz; CDCl3) 149.44, 137.04, 126.37, 124.94, 120.41, 119.48, 116.18, 97.52, 80.63, 59.47 (NCH2CH(CH2)2), 58.22, 52.67, 48.22, 47.29, 43.33 (CH2), 36.05, 35.57 (CH2), 32.47 (CH2), 29.76 (CH2), 23.90, 22.85 (CH2), 17.79 (CH2), 9.27, 3.79 (CH2), 3.28 (CH2). m/z 494 (M+ + 1), (実測値 M++ 1, 494.2411. C29H36NO4S は494.2365を必要とす
る)。
【0093】
シリーズ2、スキーム2、R=Ph:(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐フェニル‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU147)
メチルマグネシウムブロミドを使用する基本手順Aをケトン11a(R=Ph)に対して用い、続いて基本手順EまたはFを用いる。白色の固形物。 Rf= 0.5 (MeOH:DCM, 1:10); 1H NMR (270 MHz, CDCl3) δ.0.10 (2H, m), 0.51 (2H, m), 0.84 (1H, m), 1.55 (3H, s), 2.92 (1H, d), 2.95 (1H, d), 3.41 (3H, s), 4.33 (1H, d), 6.03 (1H, s), 6.41
(1H, d), 6.58 (1H, d), 7.25 (3h, m), 7.55 (2H, m); 13C NMR (68 MHz, CDCl3) δ 3.90, 4.12, 9.73, 15.72, 22.97, 29.15, 31.02, 31.28, 35.80, 36.09, 43.98, 47.01, 49.94, 52.73, 59.02, 60.39, 80.86, 98.33, 116.73, 119.67, 126.90, 126.98, 127.70, 128.48, 132.79, 137.81, 145.98, 146.56. HRMS (EI) の計算値 C31H44NO4(M+), 487.2723; 実測値 487.2323.
【0094】
シリーズ2、R=2‐ピリジル:(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(2‐ピリジル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU11005)
2‐ブロモピリジン(0.11ml、0.1.13mmol)を乾燥ジエチルエーテル
中に入れ、そして、ドライアイスを使用して窒素雰囲気下で溶液を−78℃まで冷却した。その後、その溶液にn‐ブチルリチウム(1.13mmol)の溶液を滴下しながら添加した。その反応混合物を10分間撹拌し、次に乾燥THFに溶解している5aをそれに添加した。その反応混合物を20時間撹拌して室温まで温めた。完了後、飽和塩化アンモニウム溶液(水性)を用いてその反応混合物の反応を停止させ、そして、その反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして、真空下で溶媒を留去して粗生成物を得て、メタノール:ジクロロメタン(0.5:99.5)を使用するフラッシュクロマトグラフィーによりその粗生成物を精製した。
白色の固形物; 1H NMR (CDCl3) δ 0.08- 0.11 (2H, m), 0.40-0.51 (2H, m), 0.80-0.88
(2H, m), 1.20-1.27 (2H, m), 1.62 (1H, d, J=2.68 Hz), 1.67 (3H, s), 2.02-2.41 (8H, m), 2.61 (1H, dd, J=11.72, J=5.12 Hz), 2.78 (1H, dt, J=12.16, J=3.92 Hz), 2.91 (1H, d, J=18.24 Hz), 3.02 (1H, d, J=6.40 Hz), 3.35 (3H, s), 4.39 (1H, s), 4.55
(1H, bd), 5.83 (1H, s), 6.43 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.61 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.10-7.14 (1H, m), 7.62-7.64 (2H, m), 8.48 (1H, d, J=4.76 Hz),: 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.21, 4.33, 9.35, 16.42, 22.45, 28.39, 28.86, 29.92, 35.24, 35.65, 43.81, 46.78, 49.36, 52.28, 57.95, 59.89, 80.1, 97.70, 116.01, 119.37, 120.54, 121.55, 128.54, 132.45, 135.78. 136.93, 145.30, 147.32, 166.46; HRMS, (C30H36N2O4), [MH]+ のm/z: 計算値 489.2753; 実測値489.2821
【0095】
シリーズ2、R=4‐ピリジル::(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐ピリジル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐エタン‐1’‐オール(BU11006)
4‐ブロモピリジン(0.11ml、0.1.13mmol)を乾燥ジエチルエーテル中に入れ、そして、ドライアイスを使用して窒素雰囲気下で溶液を−78℃まで冷却した。その後、n‐ブチルリチウム(1.13mmol)の溶液を滴下しながらそれに添加した。その反応混合物を10分間撹拌し、次に乾燥THFに溶解している5aをそれに添加した。その反応混合物を20時間撹拌して室温まで温めた。完了後、飽和塩化アンモニウム溶液(水性)を用いてその反応混合物の反応を停止させ、そして、その反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして、真空下で溶媒を留去して粗生成物を得て、メタノール:ジクロロメタン(0.5:99.5)を使用するフラッシュクロマトグラフィーによりその粗生成物を精製した。
白色の固形物; 1H NMR (CDCl3) δ 0.10- 0.12 (2H, m), 0.24-0.55 (5H, m), 0.82-0.84
(1H, m), 1.49 (1H, dd, J=12.88, J=9.04 Hz), 1.58 (3H, s), 1.65 (1H, dd, J=12.92, J=5.60 Hz), 2.01-2.40 (7H, m), 2.62-2.68 (2H, m), 2.92-3.01 (3H, m), 3.41 (3H,
s), 4.33 (1H, s), 6.06 (1H, s), 6.43 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.63 (1H, d, J=8.0 Hz),
7.48 (2H, d, J=6.16 Hz), 8.52 (2H, d, J=6.16 Hz); 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.47, 4.11, 9.38, 15.58, 22.49, 28.52 29.22, 31.02, 35.33, 35.66, 36.80, 43.60, 46.75, 49.50, 52.61, 58.24, 59.92, 80.35, 97.62, 116.53, 119.50, 121.97, 127.87,
131.92, 137.41, 145.45, 148.76, 149.21, 155.79; HRMS, (C30H36N2O4), [MH]+のm/z:
計算値 489.2753; 実測値 489.2756
【0096】
シリーズ3、スキーム2、R=Ph:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐フェニル‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU126)
11a(R=Ph)の還元と、それに続く基本手順EまたはFに基づく。
1H NMR (CDCl3) δ-0.04-0.06 (2H, m), 0.45 (2H, m), 0.7 (1H, m), 2.93 (1H, d, J 18.5), 3.07 (1H, d, J 6.3), 3.48 (3H, s), 4.46 (1H, d, J 1.8), 5.28 (1H, s), 6.50
(1H, d, J 8.1), 6.68 (1H, d, J 8.1), 7.26-7.40 (5H, m); 13C NMR (CDCl3) δ 3.36
, 4.17, 9.32, 20.6, 22.7, 25.6, 29.1, 35.3, 35.9, 42.1, 43.8, 46.1, 50.6, 58.5, 59.9, 70.1, 77.3, 92.3, 116.6, 119.5, 125.7, 127.0, 128.2, 128.3, 132.6, 137.4, 145.0, 145.5; m/z 473.
【0097】
13b、スキーム2、R=フェニル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐フェニル‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU125)
基本手順Dおよびそれに引き続く基本手順EまたはFによる11b(R=Ph)の処理に基づく。
NMR (CDCl3) δ0.4 (2H, m), 0.45 (2H, m), 0.65 (1H, m), 3.01 (1H, d, J 18.7), 3.35 (1H, d, J 6.7), 3.80 (3H, s), 4.35 (1H, d, J 9.0), 4.65 (1H, d, J 1.3), 5.43 (1H, s), 5.56 (1H, d, J 8.9), 6.00 (1H, d, J 9.0), 6.43 (1H, d, J 8.1), 6.55 (1H,
d, J 8.1), 7.28 (5H, m); 13C NMR (CDCl3) δ 3.5, 4.0, 9.2, 23.0, 30.4, 33.0, 42.6, 43.8, 43.9, 47.8, 54.9, 57.0, 59.9, 77.7, 84.5, 97.8, 116.3, 119.8, 124.4, 125.8, 127.7, 128.1, 128.2, 134.3, 137.5, 137.8, 141.7, 146.3; m/z 471.
【0098】
シリーズ4、スキーム2、R=Ph:(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐フェニル‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU106)
アルデヒド8へのフェニルマグネシウムブロミド添加(基本手順A)とそれに続く基本手順EまたはFの主要生成物として。白色の固形物。 Rf=0.48 (ヘキサン:EtOAc, 1:1, 0.5% NH4OH), 1H NMR (270 MHz, CDCl3) δ 0.05 (2H, m), 0.45 (2H, m), 0.71 (1H, m),
2.93 (1H, d), 3.07 (1H, d), 3.48 (3H, s), 4.46 (1H, d), 5.28 (1H, s), 6.50 (1H,
d), 6.68 (1H, d), 7.26-7.40 (2H, m), 7.36-7.43 (3H, m). 13C NMR (68 MHz, CDCl3)
δ 3.4, 4.2, 9.4, 20.4, 22.6, 25.7, 29.3, 35.5, 35.8, 42.5, 43.8, 46.0, 51.0, 56.6, 58.5, 59.9, 70.1, 77.3, 92.3, 116.6, 119.5, 125.7, 127.0, 128.2, 128.3, 132.6, 137.4, 145.0, 145.5. HRMS (ES) の計算値 C31H44NO4(M+), 473.2566; 実測値 473.2558.
【0099】
N‐シクロプロピルカルボニル‐7α‐ホルミル‐7β‐メチル‐6,14‐エンド‐エテノテトラヒドロノルテバイン(式17b)
20mLのメタクロレイン中の13.61g(37.29mmol)のN‐CPCノルテバイン(式16)の懸濁液に3.49gのLiBFを添加した。結果生じた溶液を室温で16時間撹拌した。この溶液に30mLのCHClを添加し、そして、その混合物を水(10mL×3回)および飽和食塩水(5mL)で抽出した。その溶液を乾燥し、濾過し、そして、回転式蒸発器で溶媒を除去して暗赤色のシロップを得た。この物質を、石油エーテル中の50%EtOAcを用いて溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、より速く流動する成分である5.91gの17a(N‐シクロプロピルカルボニル‐7β‐ホルミル‐7α‐メチル‐6,14‐エンド‐エテノテトラヒドロノルテバイン)を白色の固形物として:1H NMR (CDCl3) δ 9.85 (s, 1H); 6.67 (d,
1H, J = 6 Hz); 6.57 (d, 1H, J = 6 Hz); 6.14-6.07 (2d, 1H); 5.57 (d, 1H, J = 9 Hz); 5.33 (d, 1H, J = 6 Hz); 4.76 (d, 1H, 0.4H); 4.57-4.53 (m, 1.6H); 4.15-4.10 (m, 1H); 3.85 (s, 3H); 3.72 (s, 3H); 3.42 (dt, 1H, Ja= 9 Hz, Jb = 3 Hz); 3.11-3.05 (dd, 1H, Ja = 6 Hz, Jb= 3 Hz); 2.88-2.83 (m, 2H); 2.43-2.35 (dt, 1H, Ja = 9 Hz, Jb= 6 Hz), 1.85-1.76 (m, 1H); 1.69-1.65 (m, 1H); 1.09-1.03 (m, 5H); 0.91-0.76 (m, 2H). ESIMS: m/z 436 (M+H+, 100) 、そして、より遅く流動する成分である4.11gのN‐シクロプロピルカルボニル‐7α‐ホルミル‐7β‐メチル‐6,14‐エンド‐エテノテトラヒドロノルテバイン(式17b)を白色の固形物として: 1H NMR (CDCl3
) δ 9.54 (s, 0.5H); 9.45 (s, 0.5H); 6.69 (d, 1H, J = 6 Hz); 6.59 (d, 1H, J = 6 Hz); 6.14 (t, 1H); 5.57 (dd, 1H, Ja = 9 Hz, Jb = 6 Hz); 5.35 (d, 0.5H, J = 3 Hz); 4.93 (s, 1H); 4.80 (d, 0.5H, J = 6 Hz); 4.64 (dd, 1H, Ja= 6 Hz, Jb = 3 Hz); 4.15 (dd, 1H, Ja = 6 Hz, Jb= 3 Hz); 3.85 (s, 3H); 3.72 (2s, 3H); 3.49 (dt, 1H); 3.21-3.31 (m, 2H), 2.37-2.26 (dt, 0.5H), 2.27-2.15 (dt, 0.5H); 2.06-1.72 (m, 3H); 1.35 (s, 3H); 1.08 (m, 2H); 0.82 (m, 2H) を得た。室温では、d‐DMSO中での
この化合物のH NMRスペクトルは、H NMR実験を360°Kで行うと融合するδ9.408(s,0.5H)およびδ9.375(s,0.5H)における2つのシグナルを有する。 ESIMS: m/z 436 (M+H+, 100)
【0100】
N‐シクロプロピルカルボニル‐6,14‐エンド‐エテノ‐7β‐メチル‐ノルネペントル(N-Cyclopropylcarbonyl-6,14-endo-etheno-7β-methyl-nornepenthol)(式18)
基本手順Bに従い、500mgの17bを使用して、442mgの18を白色の固形物として得た。1H NMR (CDCl3) δ 7.26-7.19 (m, 5H); 6.68-6.63 (2d, 1H); 6.55-6.49 (2d, 1H); 6.19 (d, 0.55H, J = 9 Hz); 5.98 (d, 0.45H, J = 6 Hz); 5.41(d, 0.55H, J = 9 Hz); 5.29-5.22 (m, 1H); 5.01 (s, 1H), 4.80 (d, 1H, J = 3 Hz); 4.66-4.53 (m, 1H); 4.12 (dd, 0.45H, J = 3 Hz, J = 6 Hz); 3.84 (2s, 3H); 3.72 (2s, 3H); 3.49-3.39 (m, 0.45H); 3.20-3.11 (dd, 0.55H, J = 3 Hz, J = 6 Hz); 3.08-2.89 (m, 2H); 2.82-2.78, (d, 0.55H); 2.46 (d, 0.45H); 2.39 (dt, 0.45H); 2.24 (dt, 0.55H); 2.10 (d, 0.55H, J = 9 Hz); 2.03 (d, 0.45H, J = 9 Hz); 1.89-1.69 (m, 3H); 1.27 (s, 1.35H); 1.12 (s, 1.65H); 1.10-0.91 (m, 2H); 0.88-0.78 (m, 2H). ESIMS: m/z 514 (M+H+, 100).
【0101】
N‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エンド‐エテノ‐7β‐メチル‐ノルイソネペントル(N-Cyclopropylmethyl-6,14-endo-etheno-7β-methyl-norisonepenthol)(式2
0:R=Ph)
基本手順CおよびDに従い、439mgの18を使用して、クロマトグラフィーの後により速く流動する成分である201mgの20aを無色の油として得た。
1H NMR (CDCl3) δ7.29-7.20 (m, 5H); 6.64 (d, 1H, J = 6 Hz); 6.50 (d, 1H, J = 6 Hz); 6.20 (dd, 1H, Ja = 6 Hz, Jb = 3 Hz); 5.58 (d, 1H, J = 6 Hz); 5.28 (s, 1H); 5.08 (s, 1H); 4.69 (s, 1H); 3.85 (s, 6H); 3.40 (d, 1H, J = 6 Hz); 3.07 (d, 1H, J = 15 Hz); 2.66 (m, 1H); 2.39 (dd, 1H, Ja = 6 Hz, Jb= 15 Hz); 2.35-2.22 (m, 4H); 2.01 (d, 1H, J = 12 Hz); 1.75-1.71 (m, 1H); 1.53 (s, 1H); 1.41 (s, 3H); 1.32-1.28 (d, 1H, J = 12 Hz); 0.73-0.68 (m, 1H); 0.52-0.42 (m, 2H); 0.09-0.02 (m, 2H). ESIMS: m/z 500 (M+H+, 100).
【0102】
N‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エンド‐エテノ‐7β‐メチル‐ノルネペントル(N-Cyclopropylmethyl-6,14-endo-etheno-7β-methyl-nornepenthol)(式21:R=Ph)
基本手順Dに従い、439mgの18を使用して、クロマトグラフィーの後に、より遅く流動する成分である139mgの21を無色の油として得た。
1H NMR (CDCl3) δ7.29-7.17 (m, 5H); 6.59 (d, 1H, J = 6 Hz); 6.46 (d, 1H, J = 6 Hz); 6.02 (d, 1H, J = 6 Hz); 5.35 (d, 1H, J = 6 Hz); 5.01 (s, 1H); 4.78 (s, 1H); 3.82 (s, 3H); 3.70 (s, 3H); 3.52 (d, 1H, J = 3 Hz); 3.08 (d, 1H, J = 15 Hz); 2.78-2.68 (m, 2H); 2.44-2.25 (m, 6H); 1.94 (d, 1H, J = 12 Hz); 1.75-1.72 (m, 1H); 1.21 (s, 3H) 0.85 (m, 1H); 0.54 (m, 2H); 0.14 (m, 2H). ESIMS: m/z 500 (M+H+, 100).
【0103】
22、R=Ph:(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐フェニル‐1’‐(
4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU128)
基本手順EまたはFに従い、184mgの20を使用して、白色の固形物として103mgの22を得た。 1H NMR (CD3OD) δ 7.37 (d, 1H, J = 6 Hz); 7.32-7.23 (m, 3H); 6.62 (d (AB system), 1H); 6.56 (d (AB system), 1H); 6.22 (d, 1H, J = 6 Hz); 5.61
(d, 1H, J = 9 Hz); 5.22 (s, 1H), 4.47 (s, 1H); 4.35 (d, 1H, J = 6 Hz); 3.86 (s,
3H); 3.40-3.30 (m, 3H); 3.15 (dt, 1H, Ja= 9 Hz, Jb = 3 Hz); 3.09-2.97 (m, 2H); 2.47 (dt, 1H, Jb = 9 Hz, Ja = 3 Hz); 2.10 (dd, 1H, Ja = 12 Hz, Jb= 3 Hz); 1.87 (d (AB system), 1H); 1.67 (d, (AB system), 1H); 1.50 (s, 3H); 1.07 (m, 1H); 0.83 (m, 1H); 0.74 (m, 1H); 0.51-0.43 (m, 2H). ESIMS: m/z 486 (M+H+, 100).
【0104】
23、R=Ph:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐フェニル‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU129)
基本手順EまたはFに従い、161mgの21を使用して、白色の固形物として56mgの23を得た。 1H NMR (CD3OD) δ7.30-7.18 (m, 5H); 6.59 (AB system, 2H); 6.31 (d, 1H, J = 6.7 Hz); 5.51 (d, 1H, J = 6.7 Hz); 5.02 (s, 1H); 4.66 (s, 1H); 4.45 (d, 1H, J = 5.1 Hz); 3.50-3.40 (m, 3H); 3.38-3.32 (m, 1H); 3.20 (dt, 1H, Ja = 10.5 Hz, Jb= 7.3 Hz); 3.16-3.04 (m, 2H); 2.53 (dt, 1H, Ja = 11.0 Hz, Jb= 3.9 Hz); 2.16 (AB system, 2H); 2.11 (dd, 1H); 1.28 (s, 3H); 1.21-1.13 (m, 1H); 0.92-0.84 (m, 1H); 0.84-77 (m, 1H); 0.57 (m, 2H). ESIMS: m/z 486 (M+H+, 100).
【0105】
類似の方法により、次のリガンドが調製される。
【0106】
22、R=o‐トリル:(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(2‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU10111)
1H NMR (CD3OD) δ 7.65 (d, 1H, J = 5.5 Hz); 7.25-7.15 (m, 3H); 6.67-6.47 (AB system, 2H); 5.80 (d, 1H, J = 6.7 Hz); 5.26 (s, 1H), 5.08 (s, 1H); 4.23 (d, 1H, J =
4.8 Hz); 3.94 (s, 3H); 3.43 -3.33 (m, 3H); 3.12 (m, 1H); 3.03-2.83 (m, 1H); 2.52 (dt, 1H, Jb= 10.3 Hz, Ja = 4.1 Hz); 2.27 (s, 3H); 2.16-2.04 (bd, 1H); 1.95 (d,
1H, J = 10.2 Hz); 1.61 (s, 3H); 1.23 (d, 1H, J = 10.2 Hz); 1.07 (m, 1H); 0.82 (m, 1H); 0.72 (m, 1H); 0.49-0.37 (m, 2H). ESIMS: m/z 500 (M+H+, 100).
【0107】
23、R=o‐トリル(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(2‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU10121)
1H NMR (CD3OD) δ 7.16 (d, 2H, J = 6.0 Hz); 7.08 (d, 2H, J = 6.0 Hz); 6.59 (d, 1H, J = 6.1 Hz); 6.54 (d, 1H, J = 6.1 Hz); 6.29 (d, 1H, J = 6.5 Hz); 5.49 (s, 1H J = 6.8 Hz); 5.02 (s, 1H); 4.63 (s, 1H); 4.45 (bd, 1H); 3.47 (s, 3H); 3.46-3.31 (m, 2H); 3.32-3.06 (m, 3H); 2.52 (dt, 1H, Ja = 13.8 Hz, Jb = 3.8 Hz); 2.30 (s, 3H); 2.14 (s, 2H); 2.10-2.06 (m, 1H); 1.24 (s, 3H); 1.18 (m, 1H); 0.89-0.78 (m, 2H); 0.51 (m, 2H). ESIMS: m/z 500 (M+H+, 100).
【0108】
22、R=m‐トリル:(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メト
キシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU10112)
1H NMR (CD3OD) δ 7.45 (d, 1H, J = 5.6 Hz); 7.18-7.13 (m, 3H); 6.64-6.57 (AB system, 2H); 6.33 (d, 1H, J = 6.7 Hz); 5.54 (d, 1H, J = 6.7 Hz); 5.35 (s, 1H), 5.11
(s, 1H); 4.52 (d, 1H, J = 5.1 Hz); 3.72 (s, 3H); 3.51-3.32 (m, 3H); 3.29-3.20 (dt, 1H, Jb= 9.8 Hz, Ja = 3.1 Hz); 3.17-3.09 (m, 2H); 2.59 (dt, 1H, Jb= 10.3 Hz, Ja = 4.1 Hz); 2.45 (d, 1H, J = 11.1 Hz); 2.39 (s, 3H); 2.22 (d, 1H, J = 11.1 Hz); 2.11 (bd, 1H); 1.23 (m, 1H); 1.11 (s, 3H); 0.92-0.85 (m, 2H); 0.57 (m, 1H). ESIMS: m/z 500 (M+H+, 100).
【0109】
23、R=m‐トリル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU10113)
1H NMR (CD3OD) δ7.17-7.06 (m, 3H); 6.59 (d, 1H, J = 6.0 Hz); 6.54 (d, 1H, J = 6.0 Hz); 6.31 (d, 1H, J = 6.9 Hz); 5.50 (d, 1H, J = 6.6 Hz); 5.02 (s, 1H J = 6.8 Hz); 4.64 (s, 1H); 4.44 (bd, 1H); 3.45 (s, 3H); 3.46-3.31 (m, 2H); 3.23-3.05 (m,
3H); 2.52 (dt, 1H, Ja = 11.7 Hz, Jb = 4.4 Hz); 2.32 (s, 3H); 2.11 (m, 2H); 1.25
(s, 3H); 1.18 (m, 1H); 0.93-0.77 (m, 2H); 0.53 (m, 2H). ESIMS: m/z 500 (M+H+, 100).
【0110】
22、R=p‐トリル:(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU10117)
1H NMR (CD3OD) δ 7.25 (d, 1H, J = 6.0 Hz); 7.12 (d, 1H, J = 5.7 Hz); 6.59 (AB system, 2H); 6.23 (d, 1H, J = 6.6 Hz); 5.62 (d, 1H, J = 6.6 Hz); 5.21 (s, 1H), 4.69 (s, 1H); 4.34 (d, 1H, J = 4.8 Hz); 3.87 (s, 3H); 3.40-3.32 (m, 3H); 3.14 (dt,
Ja = 9.9 Hz, Ja = 1.8 Hz); 3.12-2.99 (m, 2H); 2.48 (dt, 1H, Jb = 3.9 Hz, Ja = 10.8 Hz); 2.30 (s, 3H); 2.10 (dd, Ja = 10.8 Hz, Jb = 2.4 Hz); 1.87 (d, AB system,
1H); 1.64 (d, AB system, 1H); 1.50 (s, 3H); 1.07 (m, 1H); 0.83 (m, 1H); 0.74 (m, 1H); 0.52-0.40 (m, 2H). ESIMS: m/z 500 (M+H+, 100).
【0111】
23、R=p‐トリル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU10099)
1H NMR (CD3OD) δ 7.16 (d, 2H, J = 6.0 Hz); 7.08 (d, 2H, J = 6.0 Hz); 6.59 (d, 1H, J = 6.1 Hz); 6.54 (d, 1H, J = 6.1 Hz); 6.29 (d, 1H, J = 6.5 Hz); 5.49 (s, 1H J = 6.8 Hz); 5.02 (s, 1H); 4.63 (s, 1H); 4.45 (bd, 1H); 3.47 (s, 3H); 3.46-3.31 (m, 2H); 3.32-3.06 (m, 3H); 2.52 (dt, 1H, Ja = 13.8 Hz, Jb = 3.8 Hz); 2.30 (s, 3H); 2.14 (s, 2H); 2.10-2.06 (m, 1H); 1.24 (s, 3H); 1.18 (m, 1H); 0.89-0.78 (m, 2H); 0.51 (m, 2H). ESIMS: m/z 500 (M+H+, 100).
【0112】
22、R=p‐フルオロフェニル:(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐フルオロフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU10120)
1H NMR (マレアート) (400 MHz, CDCl3) δ 0.40-0.49 (2H, m), 0.72-0.84 (2H, m), 1.00-1.12 (1H, m) 1.48 (3H, s), 1.61 (1H, d, J = 13.6 Hz), 1.88 (1H, d, J = 13.2 H
z), 2.08 (1H, d, J = 14.4 Hz), 2.46 (1H, td, J = 14.1, 4.9 Hz), 2.93-3.15 (3H, m), 3.85 (3H, s), 4.29 (1H, s), 5.20 (1H, s), 5.58 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.16 (1H,
d, J = 8.0 Hz), 6.24 (2H, s), 6.54 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.61 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.01-7.05 (2H, m), 7.36-7.38 (2H, m).
【0113】
23、R=p‐フルオロフェニル:(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐フルオロフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU10118)
1H NMR (マレアート) (CD3OD) δ 7.31-7.27 (m, 2H); 7.01-6.96 (m, 2H); 6.59 (d, 1H, J = 6.0 Hz); 6.55 (d, 1H, J = 6.0 Hz); 6.31 (d, 1H, J = 6.7 Hz); 5.53 (d, 1H, J = 6.9 Hz); 5.00 (s, 1H); 4.63 (s, 1H); 4.45 (d, 1H, J = 5.1 Hz); 3.48-3.28 (m,
5H); 3.24 (dt, 2H, Ja = 10.2 Hz, Jb = 3.3 Hz); 3.11 (d, (d, 1H, J = 5.4 Hz); 3.07 (t, J = 5.4 Hz); 2.53 (dt, 1H, Ja = 10.5 Hz, Jb = 3.9 Hz); 2.21 (d, 1H, J = 9.9 Hz); 2.12-2.06 (m, 2H); 1.29 (s, 3H); 1.17 (m, 1H); 0.93-0.78 (m, 2H); 0.53 (m, 2H). ESIMS: m/z 504 (M+H+, 100).
【0114】
22、R=4−PrSPh (1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐プロピルチオフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(BU11020)
1H NMR (マレアート) (400 MHz, CDCl3) δ 0.38-0.51 (2H, m), 0.70-0.89 (2H, m), 1.01 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.03-1.12 (1H, m), 1.44-1.51 (4H, m), 1.59-164 (3H, m), 1.87 (1H, d, J = 13.0 Hz), 2.10 (1H, dd, J = 14.8, 3.7 Hz), 2.47 (1H, td, J = 13.9, 4.9 Hz), 2.89 (2H, t, J = 6.8 Hz), 2.98-3.18 (3H, m), 3.32-3.40 (3H, m), 3.85 (3H, s), 4.34 (1H, d, J = 7.2 Hz), 4.68 (1H, s), 5.21 (1H, s), 5.60 (1H, d, J = 9.0 Hz), 6.20 (1H, d, J = 8.9 Hz), 6.26 (2H, s), 6.56 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.61 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.25-7.30 (4H, m).
【0115】
N‐シクロプロピルカルボニル‐7α‐ホルミル‐7β‐メチル‐6,14‐エンド‐エタノテトラヒドロノルテバイン(式24)
アルデヒド17b(500mg)を15mLのEtOHに溶解した。この溶液に30mgの炭素上の10%Pdを添加した。その混合物を100psiのH雰囲気下で12時間、Parr社製水素化装置内で振盪した。その混合物を濾過し、そして、溶媒を減圧下で除去して、白色の固形物として510mgの24を得た。
1H NMR (CDCl3) δ 9.69 (2s, 1H); 6.77 (d, 1H, J = 6.1 Hz); 6.61 (d, 1H, J = 6.1 Hz); 4.91 (d, 0.47H, J = 4.9 Hz); 4.83 (2s, 1H); 4.52 (dd, 0.53H, J = 10.6 Hz); 4.35 (d, 0.53H, J = 5.2 Hz); 4.08-4.03 (m, 1H); 3.90 (s, 3H); 3.46 (2s, 3H); 3.39-3.30 (m, 0.47H); 3.08-2.95 (m, 1H); 2.90-2.69 (m, 2H); 2.41 (m, 1H); 2.28 (dt,
0.47H); 2.17 (dt, 0.53H); 1.70-1.60 (m, 4H); 1.31 (s, 3H); 1.19-1.1 (m, 1H); 1.01 (m, 2H); 0.77 (m, 2H). ESIMS: m/z 438 (M+H+, 100).
【0116】
N‐シクロプロピルカルボニル‐6,14‐エンド‐エタノ‐7β‐メチル‐ノルネペントル(N-Cyclopropylcarbonyl-6,14-endo-ethano-7β-methyl-nornepenthol)(式25)
基本手順Bに従い、515mgの24を使用して、白色の結晶として336mgの25を得た。
1H NMR (CDCl3) δ7.36-7.23 (m, 5H); 6.78-6.75 (2d, 1H); 6.61-6.58 (2d, 1H); 5.06
(d, 0.55H, J = 2.0 Hz); 4.99 (d, 0.45H, J = 2.0 Hz); 4.91-4.87 (m, 1H); 4.51-4.46 (dd, 0.55H, Ja = 4.1 Hz, Jb = 10.3 Hz); 4.35-4.34 (d, 0.55H, J = 5.1 Hz); 4.0
3-3.98 (d, 0.45H, Ja = 3.7 Hz, Jb = 10.2 Hz); 3.92-3.914 (2s, 3H); 3.53 (s, 1.65H); 3.48 (s, 1.35H); 3.38-3.30 (dt, 0.55H, Ja= 2.9 Hz, Jb = 6.5 Hz); 3.11-3.04 (dd, 0.55H, Ja = 5.2 Hz, Jb = 13.8 Hz); 3.02-2.96 (dd, 0.45H, Ja = 5.2 Hz, Jb= 13.9 Hz); 2.92-2.88 (d, 0.55H, J = 13.8 Hz); 2.49-2.44 (m, 1H); 2.36-2.29 (dt, 0.45Hz, Ja = 4.2 Hz, Jb = 9.7 Hz); 2.25-2.17 (dt, 0.55Hz, Ja = 4.5 Hz, Jb = 9.9 Hz); 2.03-1.90 (m, 2H); 1.86-1.80 (m, 0.55Hz); 1.76-1.51 (m, 5.45H); 1.10-0.69 (m, 7H).
ESIMS: m/z 516 (M+H+, 100).
【0117】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐フェニル‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3,6‐ジメトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エテノ‐モルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(式28:R=Ph)
基本手順CおよびDに従い、473mgの25を使用して、抽出後に無色の残留物を得た。CHCl/EtOからの結晶化により白色の結晶として133mgの28を産した。
1H NMR (CDCl3) δ 7.45 (m, 2H); 7.34-7.30 (m, 2H); 7.27-7.24 (m, 1H); 6.73 (d, 1H, J = 6.3 Hz); 6.57 (d, 1H, J = 6.0 Hz); 5.76 (s, 1H); 5.03 (s, 1H); 4.96 (s, 1H); 3.91 (s, 3H); 3.64 (s, 3H); 3.01-2.94 (m, 2H); 2.57 (d, 1H, J = 5.1 Hz); 2.29 (dd, 1H, Ja= 5.1 Hz, Jb = 13.8 Hz); 2.24-2.20 (m, 3H); 1.95 (dd, 1H, Ja= 3 Hz,
Jb = 10.8 Hz); 1.90-1.77 (m, 2H); 1.60-1.52 (m, 2H); 1.40-1.28 (m, 4H); 0.95 (m, 1H); 0.68 (m, 1H); 0.51-0.39 (m, 2H); 0.08-0.01 (m, 2H). ESIMS: m/z 502 (M+H+,
100).
【0118】
(1’S,5α,6R,7R,14α)‐1’‐フェニル‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(式29:R=Ph)(BU10122)
基本手順EまたはFに従い、27を使用して白色の固形物として29を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.47-0.53 (2H, m), 0.77-0.89 (3H, m), 0.92 (3H, s), 1.12-1.20 (1H, m), 1.62-1.70 (1H, m), 1.79-1.90 (2H, m), 2.00 (1H, dd, J = 12.6, 4.2 Hz), 2.15 (1H, t, J = 12.2 Hz), 2.50 (1H, td, J = 13.8, 5.6 Hz), 2.67 (1H, d, J = 12.8 Hz), 2.95 (1H, dd, J = 19.4, 7.0 Hz), 3.00-3.12 (2H, m), 3.22-3.39 (3H, m), 3.47 (3H, s), 4.00 (1H, d, J = 7.2 Hz), 4.95 (1H, d, J = 2.4 Hz), 5.02 (1H, s), 6.64 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.74 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.21-7.25 (1H, m), 7.27-7.31 (2H, m), 7.36-7.38 (2H, m). HMRS: [C31H36N1O4]+([M+H]+) の計算値488.2796; 実測値 488.2949.
【0119】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐フェニル‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(式30:R=Ph)(BU10119)
基本手順EまたはFに従い、133mgの28を使用して、白色の固形物として75mgの30を得た。
1H NMR (CD3OD) δ 7.55 (d, 2H); 7.38-7.34 (m, 2H); 7.31-7.27 (m, 1H); 6.77 (d, 1H, J = 6.0 Hz); 6.67 (d, 1H, J = 6.0 Hz); 5.11 (s, 2H); 3.93 (d, 1H, J = 5.4 Hz); 3.27-3.18 (m, 2H); 3.6-2.91 (m, 3H); 2.41 (dt, 1H, Ja = 10.5 Hz, Jb = 4.2 Hz);
1.95-1.90 (m 1H); 1.77 (dd, 1H, Ja = 10.2 Hz, Jb = 3.3 Hz); 1.66-1.58 (m, 1H); 1.38 (s, 3H); 1.05-1.01 (m, 1H); 0.80 (m, 1H); 0.72 (m, 1H); 0.4-0.34 (m, 2H). ESIMS: m/z 488 (M+H+, 100).
【0120】
類似の方法により次の化合物が調製される。
【0121】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(2‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(式30:R=2−MePh)(BU12004)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ (-0.02)-0.07 (2H, m), 0.38-0.48 (2H, m), 0.62-0.71 (1H, m), 0.83-0.95 (1H, m), 1.25 (1H, d, J = 14.3 Hz), 1.33-1.43 (4H, m), 1.56 (1H, d, J = 10.1 Hz), 1.83-1.87 (2H, m), 1.99 (1H, dd, J = 14.3, 3.9 Hz), 2.18-2.31
(5H, m), 2.47 (3H, s), 2.57-2.61 (1H, m), 2.93 (1H, d, J = 6.5 Hz), 2.94 (1H, d, J = 18.1 Hz), 3.61 (3H, s), 4.83 (1H, bs), 5.04 (1H, s), 5.47 (1H, s), 5.49 (1H, s), 6.52 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.69 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.13 (1H, dd, J = 7.5, 1.7 Hz), 7.17 (1H, td, J = 7.3, 1.5 Hz), 7.22 (1H, td, J = 7.4, 1.5 Hz), 7.69 (1H, dd, J = 7.8, 1.2 Hz). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 3.8, 4.3, 9.6, 17. 7, 18.3, 21.8, 23.1, 28.9, 33.6, 35.9, 38.6, 43.8, 44.5, 46.2, 53.5, 53.7, 59.3, 60.3,
73.8, 82.6, 94.8, 116.8, 119.9, 125.7, 127.4, 128.4, 130.6, 130.8, 133.4, 136.1, 137.7, 139.7, 145.4. HMRS: [C32H40N1O4]+([M+H]+) の計算値502.2952; 実測値 502.3045.
【0122】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(式30:R=3−MePh)(BU12005)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00-0.08 (2H, m), 0.39-0.50 (2H, m), 0.64-0.74 (1H, m), 0.86-0.96 (1H, m), 1.26-1.35 (4H, m), 1.54-1.58 (2H, m), 1.76-1.87 (2H, m), 1.96 (1H, dd, J = 14.3, 4.9 Hz), 2.19-2.30 (5H, m), 2.36 (3H, s), 2.54-2.62 (1H,
m), 2.95 (1H, d, J = 19.7 Hz), 2.99 (1H, d, J = 6.9 Hz), 3.61 (3H, s), 4.75 (1H, bs), 5.00 (2H, s), 5.72 (1H, s), 6.53 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.70 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.07 (1H, d, J = 6.8 Hz), 7.18-7.23 (2H, m), 7.29 (1H, s). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 3.8, 4.4, 9.6, 17.2, 18.2, 21.9, 23.1, 29.7, 33.7, 35.9, 39.8, 43.4, 43.9, 46.2, 53.4, 59.3, 60.3, 80.4, 82.4, 94.8, 116.8, 120.0, 127.5, 127.6, 128.4, 128.5, 131.0, 133.4, 137.2, 137.7, 141.2, 145.4. HMRS: [C32H40N1O4]+([M+H]+) の計算値502.2952; 実測値 502.3086.
【0123】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐メチルフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(式30:R=4−MePh)(BU12006)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00-0.07 (2H, m), 0.41-0.50 (2H, m), 0.64-0.72 (1H, m), 0.86-0.94 (1H, m), 1.25-1.32 (4H, m), 1.50-1.55 (2H, m), 1.76-1.84 (2H, m), 1.95 (1H, dd, J = 14.0, 4.0 Hz), 2.18-2.28 (5H, m), 2.34 (3H, s), 2.55-2.61 (1H,
m), 2.94 (1H, d, J = 18.5 Hz), 2.98 (1H, d, J = 6.5 Hz), 3.60 (3H, s), 4.97 (1H, s), 5.01 (1H, s), 5.47 (1H, bs), 5.85 (1H, s), 6.50 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.66 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.12 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.33 (2H, d, J = 8.0 Hz). 13C NMR
(125 MHz, CDCl3) δ 3.4, 4.0, 9.2, 16.8, 17.8, 21.0, 22.6, 23.8, 29.3, 33.3, 35.5, 39.4, 43.0, 43.5, 45.7, 53.0, 58.9, 60.0, 79.9, 81.9, 94.2, 116.5, 119.5, 127.8, 128.0, 129.9, 132.9, 136.8, 137.5, 137.7, 145.0. HMRS: [C32H40N1O4]+ ([M+H]+) の計算値502.2952; 実測値 502.3104; [C32H39N1O4Na1]+([M+Na]+) の計算値524.2777; 実測値 524.2812.
【0124】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐フルオロフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(式30:R=4−FPh)(BU12007)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.00-0.08 (2H, m), 0.40-0.50 (2H, m), 0.64-0.72 (1H, m), 0.87-0.97 (1H, m), 1.23-1.29 (4H, m), 1.46 (1H, d, J = 14.5 Hz), 1.51-1.58 (1H, m), 1.73-1.85 (2H, m), 1.95 (1H, dd, J = 14.0, 4.0 Hz), 2.19-2.28 (5H, m), 2.54-2.61 (1H, m), 2.94 (1H, d, J = 18.5 Hz), 2.99 (1H, d, J = 6.5 Hz), 3.59 (3H,
s), 4.95 (1H, d, J = 2.0 Hz), 5.03 (1H, s), 6.00 (1H, s), 6.49 (1H, d, J = 8.5 Hz) 6.62 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.00 (2H, t, J = 8.8 Hz), 7.42 (2H, dd, J = 8.5, 5.5 Hz). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 3.4, 4.0, 9.1, 16.7, 17.7, 22.6, 29.3, 33.3,
35.4, 39.4, 42.9, 43.5, 45.6, 58.8, 59.9, 79.4, 81.9, 93.9, 114.0, 114.2, 116.62, 119.5, 127.6, 131.3, 131.4, 132.8, 137.6, 145.0, 161.1, 163.0. HMRS: [C31H37N1O4F1]+([M+H]+) の計算値506.2701; 実測値 506.2682.
【0125】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐チオフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(式30:R=3‐チオフェニル‐)(BU12015)
白色の固形物; 1H NMR (CDCl3) δ 0.04- 0.06 (2H, m), 0.44-0.49 (2H, m), 0.69-0.73
(1H, m), 0.88-0.93 (1H, m), 1.18-1.21 (1H, m), 1.30 (3H, s), 1.49-1.56 (2H, m),
1.71-1.83 (2H, m), 2.08 (1H, dd, J=14.20 Hz & J=4.04 Hz), 2.16-2.30 (5H, m), 2.58 (1H, d, J=6.72 Hz), 2.93 (1H, d, J=18.40 Hz), 2.98 (1H, d, J=6.36 Hz ), 3.60 (3H, s), 4.68 (1H, bd), 4.98 (1H, s), 5.14 (1H, s), 5.64 (1H, s), 6.52 (1H, d, J=8.08 Hz), 6.69 (1H, d, J=8.08 Hz), 7.17-7.19 (1H, m), 7.22-7.25 (2H, m); 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.28, 4.09, 9.21, 16.89, 17.81, 22.66, 29.34, 33.35, 35.54, 40.09, 42.97, 43.56, 45.72, 53.03, 58.79, 59.92, 76.62, 81.78, 94.21, 116.38,
119.58, 123.55, 123.96, 128.06, 128.81, 132.90, 137.26, 142.54, 145.11. HRMS, (C29H35NO4SNa) [MNa]+ のm/z, 計算値 516.2184; 実測値 516.2212. (C29H35NO4S・HCl)
のC, H, Nについて分析。
【0126】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(3‐メチル‐2‐チオフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(式30:R=(3‐メチル‐2‐チオフェニル)(BU12016)白色の固形物; 1H NMR (CDCl3) δ 0.02- 0.04 (2H, m), 0.41-0.46 (2H, m), 0.66-0.72
(1H, m), 0.87-0.97 (1H, m), 1.24-1.28 (2H, m), 1.52 (3H, s), 1.55-1.61 (1H, m),
1.77-1.85 (2H, m), 2.11 (1H, dd, J=14.20 Hz & J=4.04 Hz), 2.21-2.29 (8H, m), 2.59 (1H, m), 2.92-2.96 (2H, m), 3.58 (3H, s), 4.80 (1H, bd), 5.01 (1H, s), 5.45 (2H, s), 6.51 (1H, d, J=8.08 Hz), 6.68 (1H, d, J=8.08 Hz), 6.76 (1H, d, J=5.12 Hz), 7.20 (1H, d, J=5.12 Hz); 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.38, 3.93, 9.18, 15.67, 17.09, 17.94, 22.68, 29.01, 33.33, 35.50, 39.27, 43.43, 44.10, 45.87, 53.08, 58.90, 59.91, 73.50, 81.90, 94.22, 116.40, 119.57, 124.09, 127.99, 128.75, 132.87, 134.55, 137.29, 138.41, 144.92. HRMS, (C30H38NO4S) [MH]+ のm/z, 計算値 508.2521; 実測値508.2571. (C30H37NO4S ・HCl) のC, H, Nについて分析。
【0127】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(5‐クロロ‐2‐チオフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタ
ン‐1’‐オール(式30:R=(5‐クロロ‐2‐チオフェニル)(BU12018)白色の固形物; 1H NMR (CDCl3) δ 0.06- 0.07 (2H, m), 0.46-0.50 (2H, m), 0.73-0.75
(1H, m), 0.87-0.94 (1H, m), 1.14-1.19 (1H, m), 1.32 (3H, s), 1.44-1.52 (2H, m),
1.65-1.68 (1H, m), 1.77-1.80 (1H, m), 2.23-2.28 (6H, m), 2.61 (1H, d, J=7.08 Hz), 2.93 (1H, d, J=18.40 Hz), 2.98 (1H, d, J=6.36 Hz ), 3.57 (3H, s), 4.63 (1H, bd), 4.96 (1H, s), 5.16 (1H, s), 5.87 (1H, s), 6.52 (1H, d, J=8.08 Hz), 6.69 (1H,
d, J=8.08 Hz), 6.76 (1H, d, J=3.80 Hz), 6.79 (1H, d, J=3.80 Hz); 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.39, 3.98, 9.25, 16.80, 17.69, 22.85, 29.27, 33.38, 35.58, 40.39, 42.99, 43.45, 45.73, 53.05, 58.82, 59.94, 77.58, 81.67, 94.04, 116.44, 119.67,
124.82, 125.23, 128.05, 129.14, 132.76, 137.25, 144.32, 144.87. HRMS, (C29H34NO4SClNa) [MNa]+ のm/z, 計算値 550.1795; 実測値550.1823. (C29H34NO4SCl・HCl) のC,
H, Nについて分析。
【0128】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(2‐チオフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(式30:R=(2‐チオフェニル)(BU12025)
白色の固形物; 1H NMR (CDCl3) δ 0.05- 0.06 (2H, m), 0.42-0.51 (2H, m), 0.70-0.75
(1H, m), 0.86-0.95 (1H, m), 1.17-1.21 (2H, m), 1.35 (3H, s), 1.47-1.52 (1H, m),
1.71-1.84 (2H, m), 2.18-2.31 (6H, m), 2.59 (1H, d, J=6.72 Hz), 2.93 (1H, d, J=18.40 Hz), 2.99 (1H, d, J=6.36 Hz ), 3.59 (3H, s), 4.68 (1H, bd), 4.98 (1H, s), 5.31 (1H, s), 5.85 (1H, s), 6.52 (1H, d, J=8.08 Hz), 6.69 (1H, d, J=8.08 Hz), 6.95-6.98 (1H, m), 7.03-7.04 (1H, m), 7.24-7.26 (1H, m); 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.34, 4.04, 9.23, 16.77, 17.77, 22.70, 29.28, 33.38, 35.59, 40.39, 43.10, 43.51, 45.74, 53.05, 58.79, 59.92, 76.62, 81.75, 94.15, 116.40, 119.62, 124.66, 125.71, 126.22, 128.08, 132.86, 137.25, 144.90, 145.27. HRMS, (C29H35NO4SNa) [MNa]+
のm/z, 計算値 516.2184; 実測値 519.2155. (C29H35NO4S・HCl・1.4H2O) のC, H, Nについて分析。
【0129】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐メトキシフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3‐ヒドロキシ‐6‐メトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(式30:R=(4‐メトキシフェニル)(BU12027)
白色の固形物; 1H NMR (CDCl3) δ 0.02- 0.05 (2H, m), 0.42-0.47 (2H, m), 0.64-0.67
(1H, m), 0.91-0.94 (1H, m), 1.23-1.29 (4H, m), 1.48 (1H, d, J=14.10 Hz), 1.51-1.53 (1H, m), 1.78-1.82 (2H, m), 1.91-1.94 (1H, m), 2.20-2.30 (5H, m), 2.56 (1H, d, J=5.88 Hz), 2.93-2.99 (2H, m), 3.59 (3H, s), 3.81 (3H, s ), 4.98-5.01 (2H, m), 5.77 (1H, s), 6.50 (1H, d, J=8.00 Hz), 6.68 (1H, d, J=8.00), ), 6.84 (2H, d, J=8.68);, ), 7.34 (2H, d, J=8.68); 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.42, 4.02, 9.18,
16.72, 17.78, 22.60, 29.28, 33.29, 35.47, 39.42, 43.09, 43.46, 45.71, 53.06, 55.20, 58.86, 59.96, 79.55, 81.89, 94.27, 112.70, 116.40, 119.54, 127.94, 130.91, 132.92, 137.33, 144.91, 158.76. HRMS, (C32H39NO5Na) [MNa]+ のm/z, 計算値 540.2726; 実測値540.2731.
【0130】
(1’R,5α,6R,7R,14α)‐1’‐(4‐メトキシフェニル)‐1’‐(4,5‐エポキシ‐7,8‐ジヒドロ‐3,6‐ジメトキシ‐7β‐メチル17‐シクロプロピルメチル‐6,14‐エタノモルフィナン‐7‐イル)‐メタン‐1’‐オール(式28:R=(4‐メトキシフェニル)
白色の固形物; 1H NMR (CDCl3) δ 0.01- 0.05 (2H, m), 0.42-0.47 (2H, m), 0.66-0.69
(1H, m), 0.91-0.94 (1H, m), 1.23-1.29 (4H, m), 1.47 (1H, d, J=14.10 Hz), 1.53 (
1H, d, J=9.88 Hz), 1.79-1.85 (2H, m), 1.91 (1H, dd, J=14.20 Hz & J=3.88 Hz), 2.20-2.30 (5H, m), 2.56 (1H, d, J=5.88 Hz), 2.93 (1H, d, J=19.44 Hz), 2.97 (1H, d, J=7.08 Hz), 3.62 (3H, s), 3.81 (3H, s ), 3.90 (3H, s ), 4.95 (1H, s), 4.96 (1H, s), 5.75 (1H, s), 6.56 (1H, d, J=8.08 Hz), 6.71 (1H, d, J=8.08), ), 6.84 (2H, d,
J=8.68);, ), 7.35 (2H, d, J=8.68); 13C NMR, 400 MHz, (CDCl3) δ 3.41, 4.05, 9.18, 16.71, 17.80, 22.53, 29.37, 33.38, 35.38, 39.43, 43.02, 43.46, 45.38, 53.09, 55.21, 56.88, 58.84, 59.98, 79.57, 81.80, 93.74, 112.67, 114.14, 119.13, 128.51,
130.92, 133.08, 133.24, 141.75, 146.38, 158.72. HRMS, (C33H41NO5Na) [MNa]+ のm/z, 計算値 554.2882; 実測値 554.2916.
【0131】
受容体結合および[35S]GTPγSアッセイ
【0132】
細胞培養:ラットMORを安定的に発現するC6グリオーマ細胞(C6μ)またはラットDORを安定的に発現するC6グリオーマ細胞(C6δ)を、10%ウシ胎児血清(FBS)、90ユニット/mlのペニシリン、90μg/mlのストレプトマイシン、および0.5mg/mlのジェネティシンが添加されているダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)において培養した。ヒトKOR安定的に発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHOκ)またはヒトNOP受容体を安定的に発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞であるCHO‐NOPを、DMEM‐F12培地を使用したことを除いて、同様に維持した。全ての細胞を5%CO下、37℃で培養した。
【0133】
細胞膜の調製:PBSを使用して細胞を3回洗浄し、収集緩衝液(20mM HEPES、pH7.4、150mM NaCl、および0.68mM EDTA)を使用してプレートから細胞を剥離させた。200×gで3分間の遠心分離の後、細胞沈殿物を50mM トリス塩酸、pH7.4に再懸濁し、Tissue Tearor(バイオスペック・プロダクツ(Biospec Products)社)を使用してホモジェナイズした。そのホモジェネートを20,000×g、20分間4℃で沈殿させ、そして、その沈殿物を50mM トリス塩酸、pH7.4に再懸濁し、そして、再度ホモジェナイズした。最終沈殿物を50mM トリス塩酸、pH7.4に再懸濁し、そして、アリコットを−80℃で凍結した。タンパク質濃度はBCAタンパク質アッセイを用いて決定された。
【0134】
リガンド結合アッセイ:Altら、2002年のように、[H]ジプレノルフィンまたは[H]ノシセプチンを含む50mM トリス塩酸、pH7.4の中で、試験化合物が無い状態で、または様々な濃度の試験化合物が有る状態で膜(20μg)を60分間、25℃の振盪ウォーターバス内で保温する。10μMのナロキソンを使用して非特異的結合を測定する(MOR、DOR、KOR)またはN/OFQ(NOP))。試料をブランデル細胞回収器に取り付けられたGF/Cグラスファイバー・フィルターマットに通して濾過し、そして、4℃の50mM トリス塩酸、pH7.4緩衝液で4回すすぐ。フィルターマットを乾燥させ、0.1mlのEcoLumeシンチレーション・カクテルを各試料領域に添加してそのフィルターを浸す。加熱シールした袋の中の各フィルターマットをWallac 1450 MicroBeta液体シンチレーションおよび発光カウンターで計測する。試験化合物のIC50値を濃度作用曲線から決定し、グラフパッド・プリズム(GraphPad Prism)を使用してK値に変換する。
【0135】
35S]GTPγS結合アッセイ:以前に説明されているように(Traynor and Nahorski, 1995)、MOR、DOR、KORまたはNOP受容体を発現する細胞からの膜(20μg)を、10μMの試験化合物もしくは10μMの標準物質(必要に応じてDAMGO、SNC80、U50488HもしくはN/OFQ)もしくはHOを含む、または含まない20mM トリス塩酸、pH7.4、5mM MgCl、100mM NaCl、2.2mM ジチオスレイトール(新規に調製)、30μM GDP、0.1nM [
35S]GTPγSの中で、25℃で60分間保温する。試料をブランデル細胞回収器に取り付けられたGF/Cグラスファイバー・フィルターマットに通して濾過し、そして、氷冷した5mM MgCl、および100mM NaClを含む50mM トリス塩酸、pH7.4緩衝液で4回すすぐ。リガンド結合について上で説明したようにフィルターマットを処理する。
【0136】
マウス温水尾退避アッセイ(mouse warm water tail withdrawal assay).尾退避データの全てについて、各群で最低でも5匹のマウスを使用する。各マウスを円筒状の拘束器(ハーバード・アパラタス(Harvard Apparatus)社、米国、マサチューセッツ州、サウ
ス・ネイティック)に入れ、尾を完全に露出させる。尾の約3分の1を48℃の水に浸し、そして、尾退避までの潜時を測定する。低温で、δ受容体活性化作用またはκ受容体活性化作用を有する化合物が特定され得ることが保証され得る。標準物質、試験化合物またはベヒクル(通常は無菌水)を腹腔内投与し、そして、25分後に尾退避反応潜時を測定する。アンタゴニスト試験については、初回のアゴニストの投与の30分前に化合物を投与する。ベヒクルを注射したマウスでの基線潜時は通常2〜4秒である。尾の損傷を防ぐために20秒というカットオフ潜時を使用する。この時間内に反応しないマウスを取り除き、そして、それに20秒というスコアを与える。
【0137】
【表1-1】

【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【0138】
ヒト受容体(KOP受容体およびNOP受容体)で形質移入されたCHO細胞、および
ラット受容体(MOPおよびDOP)を安定的に発現するC6グリオーマ細胞に由来する膜への[H]ジプレノルフィン(MOP、KOP、DOP)および[H]N/OFQ(NOP)の結合を用いてMOPr、KOPr、DOPrおよびNOPrでの結合親和性を測定した。試験した全ての化合物はオピオイド受容体において高い親和性を有し、そして、選択された化合物はNOP受容体において親和性を示す。
【0139】
【表2】
【0140】
機能活性の指標として、結合アッセイに使用されたのと同じ細胞株において[35S]GTPγSで選択された化合物を評価した(表2)。TraynorおよびNahorski21によって以前に説明されたようにアッセイを実行した。MOR、KORおよびNOP受容体におけるアゴニスト効力を単一の濃度(10μM)で標準的な選択的アゴニストであるDAMGO(MOR)、およびU69593(KOR)およびノシセプチン(NOP)と比較して決定し、そして、アンタゴニストのKe値をこれらの標準的アゴニストに対して決定した。例えば、22、R=Ph(Ke(MOR)0.47nM、Ke(KOR)0.41nM)と7a、R=Ph(Ke(MOR)0.47nM、Ke(KOR)0.27nM)の両方はMORおよびKORにおいてアンタゴニストであり、NOP受容体において部分的アゴニスト活性を有する(ノシセプチンの効力の40%および14%)。30、R=PhもMORおよびKORでは効力を有しないが、NOP受容体では部分的アゴニスト(ノシセプチンの57%)である。
【0141】
さらに、7a、R=Ph;22、R=Phおよび30、R=Phは、低い効力のオピオイドアゴニストでさえ活性を有することが予期されるアッセイにおいて、オピオイドアゴニスト作用をインビボで示さないことが確認された。このように、それらは抗足掻きアッセイ(anti-writhing assay)(腹部ストレッチアッセイ)または50℃尾退避アッセイ
においてアゴニスト活性を示さない。
【0142】
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