特許第6117851号(P6117851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルエス産電株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000002
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000003
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000004
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000005
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000006
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000007
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000008
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000009
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000010
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000011
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000012
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000013
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000014
  • 特許6117851-計器用変圧器の偏差補償方法 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6117851
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】計器用変圧器の偏差補償方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/42 20060101AFI20170410BHJP
   H01F 41/00 20060101ALI20170410BHJP
   H02M 7/515 20070101ALI20170410BHJP
   H02M 7/5387 20070101ALI20170410BHJP
【FI】
   H01F27/42 501
   H01F41/00 D
   H02M7/515
   H02M7/5387
【請求項の数】7
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-96281(P2015-96281)
(22)【出願日】2015年5月11日
(65)【公開番号】特開2015-220460(P2015-220460A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2015年5月11日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0057360
(32)【優先日】2014年5月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヨン キル
【審査官】 井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−302732(JP,A)
【文献】 特表2009−507463(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0252142(US,A1)
【文献】 特開2009−254093(JP,A)
【文献】 特開2014−064405(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0085144(US,A1)
【文献】 特開2012−235628(JP,A)
【文献】 特開2001−218359(JP,A)
【文献】 特開昭60−236017(JP,A)
【文献】 特開2003−324838(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0167138(US,A1)
【文献】 特開2013−135129(JP,A)
【文献】 特開2013−106359(JP,A)
【文献】 特開2012−080712(JP,A)
【文献】 特開2010−154679(JP,A)
【文献】 特開2004−132937(JP,A)
【文献】 特開2001−052941(JP,A)
【文献】 特許第6027181(JP,B1)
【文献】 特開2015−220461(JP,A)
【文献】 特開2015−220459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/42
H01F 41/00
H02M 7/515
H02M 7/5387
G01R 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏差補償器が超高圧電流送電システムの互いに異なる位置にそれぞれ設置された第1乃至N計器用変圧器から測定される電圧値の偏差を標準化するための基準値を設定及び記憶するステップと、
前記偏差補償器が前記基準値を基準に前記第1乃至N計器用変圧器にそれぞれ適用される補償値を決定するステップと
前記偏差補償器が前記第1乃至N計器用変圧器のうち第1計器用変圧器の出力電圧値を検出するステップと、
前記偏差補償器が前記第1計器用変圧器に適用された補償値を確認するステップと、
前記偏差補償器が前記補償値を基準に前記出力電圧値を補償し、前記第1計器用変圧器が設置された位置の第2の実際の電圧値を測定して、中央制御器に前記第2の実際の電圧値を伝送するステップと、
前記中央制御器が前記第2の実際の電圧値の有効性を検証するステップと、
前記中央制御器が前記第2の実際の電圧値が有効でないと検証すれば、前記第2の実際の電圧値を測定する前記偏差補償器をリセットするステップと、を含
前記補償値を決定するステップは、
前記超高圧直流送電システムにN+1計器用変圧器が新しく連結されれば、前記偏差補償器が前記基準値を基準に前記N+1計器用変圧器の補償値を決定するステップを含む、計器用変圧器の偏差補償方法。
【請求項2】
前記補償値を決定するステップは、
前記第1乃至N計器用変圧器に同じ第1電圧を供給するステップと、
前記偏差補償器が前記第1乃至N計器用変圧器を介して出力される電圧値を測定するステップと、
前記偏差補償器が前記測定された電圧値の間に偏差が発生したか否かを判断するステップと、
前記偏差が発生したら、前偏差補償器が前記基準値を基準に補償値を決定するステップを含む、請求項に記載の計器用変圧器の偏差補償方法。
【請求項3】
前記基準値は、
前記偏差補償器から測定された第1乃至N計器用変圧器を介して出力される電圧値の平均値又は前記第1乃至N計器用変圧器に供給される第1電圧のうちの一つである、請求項に記載の計器用変圧器の偏差補償方法。
【請求項4】
前記第1乃至N計器用変圧器には、
多数の区間に区分された電圧範囲内に属する電圧が順次に供給され、
前記補償値は、
前記順次に供給されるそれぞれの区間に対する電圧範囲に対して決定される、請求項に記載の計器用変圧器の偏差補償方法。
【請求項5】
前記補償値は、
前記第1乃至N計器用変圧器に適用される変圧比、オフセット及びゲイン値のうち少なくともいずれか一つである、請求項に記載の計器用変圧器の偏差補償方法。
【請求項6】
前記有効性を検証するステップは、
前記中央制御器が現時点で測定された前記第1計器用変圧器のの実際の電圧値と前記現時点より以前時点で測定された前記第1計器用変圧器が設置された位置の第の実際の電圧値の差の値を計算するステップと、
前記中央制御器が前記差の値が予め設定された基準範囲を逸脱したか否かを判断するステップと、
前記差の値が基準範囲に属すれば、前記第2の実際の電圧値が有効であると検証し、前記差の値が前記基準範囲に属さなければ、前記第2の実際の電圧値が有効でないと検証するステップとを含む、請求項1に記載の計器用変圧器の偏差補償方法。
【請求項7】
前記中央制御器が前記偏差補償器のリセット以降の時点に再測定された第1計器用変圧器が設置された位置の第3の実際の電圧値の有効性を検証し、前記第3の実際の電圧値が有効でなければ前記第1計器用変圧器の交換を要求する信号又は前記第1計器用変圧器に適用された補償値の再決定を要求する信号を出力するステップが更に含まれる、請求項に記載の計器用変圧器の偏差補償方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計器用変圧器に関するものであり、特に高電圧直流送電システムに設置される複数の計器用変圧器を介して測定された電圧値の偏差を補償する計器用変圧器の偏差補償方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高電圧直流送電システム(HIGH VOLTAGE DIRECT CURRENT,HVDC)とは、送電所が発電所で生産される交流電力を直流に変換して送電した後、受電所で交流に再変換して電力を供給する送電方式をいう。
【0003】
HVDCシステムは海底ケーブル送電、大容量長距離送電、交流系統間連携などに適用される。また、HVDCシステムは互いに異なる周波数系統連携及び非同期(asynchronism)連携を可能にする。
【0004】
送電所は交流電力を直流電力に変換する。即ち、交流電力を海底ケーブルなどを利用して伝送する情況は非常に危ないため、送電所は交流電力を直流電力に変換して受電所に伝送する。
【0005】
一方、HVDCシステムに利用される電圧型コンバータには多様な種類があり、最近モジュール型マルチレベル形態の電圧型コンバータが最も注目されている。
【0006】
モジュール型マルチレベルコンバータ(Modular Multi−Level Converter,MMC)は多数のサブモジュール(Sub−Module)を利用して直流電力を交流電力に変換する装置であり、それぞれのサブモジュールを充電、放電、バイパス状態に制御して動作する。
【0007】
このようなHVDCシステムには、システム制御及びシステム保護などの目的のために多くの箇所に計器用変圧器が設置される。
【0008】
しかし、前記のような計器用変圧器は同じ製品であっても電圧測定範囲に応じて互いに異なる測定値を感知することで測定エラーが発生し、これはシステム故障と認識されて深刻な場合にはシステムの運転を中断せざるを得ない情況が発生する恐れがある。
【0009】
即ち、一般に単一計器用変圧器の電圧測定誤差は0.2〜0.5%範囲を有するべきである。しかし、HVDCシステムに適用される計器用変圧器は超高圧測定の際に誤差範囲が相当大きくなり、また多くの箇所に複数の計器用変圧器が設置されればそれぞれの計器用変圧器が有する測定誤差から引き起こされるエラーの範囲が更に広くならざるを得ない実情である。
【0010】
また、そのためにより精密なセンシング機器を使用してもよいが、精密なセンシング機器を使用するためには設置コストと技術的な問題が存在する。
【発明の概要】
【0011】
本発明による実施例は、複数の計器用変圧器で測定される電圧値の偏差を補償する計器用変圧器の偏差補償方法に関する。
【0012】
また、本発明による実施例は、複数の計器用変圧器に適用された補償値のエラーによって発生する非常状況を事前に防止する計器用変圧器の偏差補償方法に関する。
【0013】
提案される実施例で成そうとする技術的課題は上述した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は以下の記載から提案される実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるはずである。
【0014】
実施例による計器用変圧器の偏差補償方法は、第1計器用変圧器の出力電圧値を検出するステップと、前記第1計器用変圧器に適用された補償値を確認するステップと、前記補償値を基準に前記出力電圧値を補償して前記第1計器用変圧器が設置された位置の実際の電圧値を測定するステップと、前記測定された実際の電圧値の有効性を検証するステップと、前記実際の電圧値に対する有効性の検証結果に応じて前記実際の電圧値を測定する偏差補償器をリセットするステップと、を含む。
【0015】
また、前記高圧直流送電システムの互いに異なる位置にそれぞれ設置された第1乃至N計器用変圧器の測定偏差を基準に前記第1乃至N計器用変圧器にそれぞれ適用される補償値を決定するステップを更に含む。
【0016】
また、前記補償値を決定するステップは、前記第1乃至N計器用変圧器に同じ第1電圧を供給するステップと、前記供給された第1電圧によって前記第1乃至N計器用変圧器を介して出力される電圧値を測定するステップと、前記測定された電圧値の間に偏差が発生したか否かを判断するステップと、前記偏差が発生したら前記測定された電圧値を同じ電圧値に補償するための補償値を決定するステップと、を含む。
【0017】
また、前記第1乃至N計器用変圧器は一つの前記偏差補償器に共通連結され、前記第1乃至N計器用変圧器を介して出力される電圧値は前記偏差補償器を介して測定される。
【0018】
また、前記補償値は前記測定された第1乃至N計器用変圧器を介して出力される電圧値の平均値又は前記第1乃至N計器用変圧器に供給される第1電圧のうち少なくともいずれか一つを基準に前記測定された電圧値を標準化するための値である。
【0019】
また、前記第1乃至N計器用変圧器には多数の区間に区分された電圧範囲内に属する電圧が順次に供給され、前記補償値は前記順次に供給されるそれぞれの区間に対する電圧範囲に対して決定される。
【0020】
また、前記補償値は前記第1乃至N計器用変圧器に適用される変圧比、オフセット及びゲイン値のうち少なくともいずれか一つである。
【0021】
また、前記有効性を検証するステップは、以前(過去)の時点に測定された前記第1計器用変圧器が設置された位置の第1の実際の電圧値と現時点に測定された前記第1計器用変圧器が設置された位置の第2の実際の電圧値の差の値を計算するステップと、前記差の値が予め設定された基準範囲を逸脱したか否かを判断するステップと、前記差の値が基準範囲以内に存在すれば前記第2の実際の電圧値が有効であると判断するステップと、前記差の値が基準範囲を逸脱すれば前記第2の実際の電圧値にエラーが発生したと判断するステップを含む。
【0022】
また、前記偏差補償器のリセット以降の時点に再測定された第1計器用変圧器が設置された位置の第3の実際の電圧値の有効性を検証し、前記第3の実際の電圧値が有効でなければ前記第1計器用変圧器の交換を要求する信号又は前記第1計器用変圧器に適用された補償値の再決定を要求する信号を出力するステップが更に含まれる。
【発明の効果】
【0023】
前記のような本発明の実施例によると、HVDCシステムの互いに異なる位置に設置された計器用変圧器間の測定偏差を補償することで、HVDCシステムの信頼性を向上することができる。
【0024】
また、本発明の実施例によると同じ偏差補償器を使用して多数の計器用変圧器の偏差を補償することができ、それによって測定器による前記多数の計器用変圧器の測定電圧値の偏差をなくすことができるだけでなく、HVDCの制御が容易で電圧偏差保護などに関する正確な動作を行うことができる。
【0025】
また、本発明の実施例によると電力を伝送するHVDCシステムでは測定偏差によって発生する損失を最小化することができ、それによるシステム損失を改善することができる。
【0026】
また、本発明の実施例によると特定計器用変圧器に問題が発生し交換する必要がある場合、以前に多数の計器用変圧器の偏差を補償するのに使用した情報が記憶されているため前記特定計器用変圧器の交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施例による高電圧直流送電システムの構成を説明するための図である。
図2】本発明の一実施例によるモノポーラ方式の高電圧直流送電システムの構成を説明するための図である。
図3】本発明の一実施例によるバイポーラ方式の高電圧直流送電システムの構成を説明するための図である。
図4】本発明の一実施例による変圧器と3相バルブブリッジの結線を説明するための図である。
図5】本発明の一実施例によるモジュール型マルチレベルコンバータの構成ブロック図である。
図6】本発明の一実施例によるモジュール型マルチレベルコンバータの具体的な構成を示す構成ブロック図である。
図7】本発明の一実施例による複数のサブモジュールの連結を示す図である。
図8】本発明の一実施例によるサブモジュールの構成を示す例示図である。
図9】本発明の一実施例による計器用変圧器の偏差補償装置を示す図である。
図10】本発明の第1実施例による計器用変圧器の偏差補償方法を段階別に説明するためのフローチャートである。
図11】本発明の第2実施例による計器用変圧器の偏差補償方法を段階別に説明するためのフローチャートである。
図12図10及び図11における補償値の決定過程をより具体的に説明するためのフローチャートである。
図13】本発明の実施例によって決定された補償値を利用した電圧測定方法を段階別に説明するためのフローチャートである。
図14】本発明の実施例によって測定された実際の電圧値の有効性の有無を判断する方法を段階別に説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に関する実施例について図面を参照してより詳細に説明する。以下に説明で使用される構成要素の末尾に用いられる用語「パート」、「モジュール」及び「部」は明細書作成の容易性のみが考慮されて付与されるか混用されるものであって、それ自体として互いに区別される意味又は役割を有することはない。
【0029】
本発明の利点及びその特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付した図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるはずである。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限らず互いに異なる多様な形態に具現されてもよいが、但し、本実施例は本発明の開示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであって、本発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。明細書全体にわたって、同じ参照符号は同じ構成要素を指す。
【0030】
本発明の実施例を説明するに当たって、関連する公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にする恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。そして、後述する用語は本発明の実施例における機能を考慮して定義された用語であって、これはユーザ、運用者の意図又は慣例などによって異なり得る。よって、その定義は本明細書全般にわたる内容に基づいてなされるべきである。
【0031】
添付した図面の各ブロックとフローチャートの各ステップの組み合わせはコンピュータプログラムインストラクションによって行われてもよい。これらのコンピュータプログラムインストラクションは汎用コンピュータ、特殊用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備のプロセッサに搭載可能であるため、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備のプロセッサを介して行われるそのインストラクションが図面の各ブロック又はフローチャートの各ステップで説明された機能を行う手段を生成するようになる。これらのコンピュータプログラムインストラクションは特定方式に機能を具現するためにコンピュータ又はその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備の指向するコンピュータで利用可能な又はコンピュータで判読可能なメモリに記憶されることもできるため、そのコンピュータで利用可能な又はコンピュータで判読可能なメモリに記憶されたインストラクションは図面の各ブロック又はフローチャートの各ステップで説明された機能を行うインストラクション手段を内包する製造品目を生産することもできる。コンピュータプログラムインストラクションはコンピュータ又はその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備上に搭載することもできるため、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備上で一連の動作ステップが行われてコンピュータで実行されるプロセスを生成してコンピュータ又はその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備を行うインストラクションは図面の各ブロック又はフローチャートの各ステップで説明された機能を行うためのステップを提供することもできる。
【0032】
また、各ブロック又は各ステップは特定の論理的機能を実行するための一つ以上の実行可能なインストラクションを含むモジュール、セグメント又はコードの一部を示す。また、いくつかの代替実施例ではブロック又はステップで言及した機能が順番を逸脱して発生することもできることに注目すべきである。例えば、引き続き図示されている2つのブロック又はステップは実は実質的に同時に行われてもよく、或いはそのブロック又はステップが時々当たる機能に応じて逆順に行われてもよい。
【0033】
図1は、本発明の実施例による高電圧直流送電システムを示す図である。
【0034】
図1に示したように、本発明の実施例によるHVDCシステム100は発電パート101、送電側交流パート110、送電側変電パート103、直流送電パート140、需要側変電パート105、需要側交流パート170、需要パート180及び制御パート190を含む。送電側変電パート103は送電側変圧器パート120、送電側交流−直流コンバータパート130を含む。需要側変電パート105は需要側直流−交流コンバータパート150、需要側変圧器パート160を含む。
【0035】
発電パート101は3相交流電力を生成する。発電パート101は複数の発電所を含む。送電側交流パート110は発電パート101が生成した3相交流電力を送電側変圧器パート120と送電側交流−直流コンバータパート130を含むDC変電所に伝達する。
【0036】
送電側変圧器パート120は送電側交流パート110を送電側交流−直流コンバータパート130及び直流送電パート140から隔離する(isolate)。
【0037】
送電側交流−直流コンバータパート130は送電側変圧器パート120の出力に当たる3相交流電力を直流電力に変換する。
直流送電パート140は送電側の直流電力を需要側に伝達する。
【0038】
需要側直流−交流コンバータパート150は直流送電パート140によって伝達された直流電力を3相交流電力に変換する。
【0039】
需要側変圧器パート160は需要側交流パート170を需要側直流−交流コンバータパート150と直流送電パート140から隔離する。
【0040】
需要側交流パート170は需要側変圧器パート160の出力に当たる3相交流電力を需要パート180に提供する。
【0041】
制御パート190は発電パート101、送電側交流パート110、送電側変電パート103、直流送電パート140、需要側変電パート105、需要側交流パート170、需要パート180、制御パート、送電側交流−直流コンバータパート130、需要側直流−交流コンバータパート150のうち少なくとも一つを制御する。特に、制御パート190は送電側交流−直流コンバータパート130と需要側直流−交流コンバータパート150内の複数のバルブのターンオン及びターンオフのタイミングを制御する。この際、バルブはサイリスタ又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(insulated gate bipolar trasistor,IGBT)に当たる。
【0042】
図2は、本発明の実施例によるモノポーラ方式の高電圧直流送電システムを示す図である。特に、図2は単一極の直流電力を送電するシステムを示す。以下の説明では単一極は正極(positive pole)であると仮定して説明するが、それに限る必要はない。
【0043】
送電側交流パート110は交流送電ライン111と交流フィルタ113を含む。
交流送電ライン111は発電パート101が生成した3相交流電力を送電側変電パート103に伝達する。
【0044】
交流フィルタ113は直流変電パート103が利用する周波数成分以外の残りの周波数成分を伝達された3相交流電力から除去する。
【0045】
送電側変圧器パート120は正極のために一つ以上の変圧器121を含む。正極のために送電側交流−直流コンバータパート130は正極直流電力を生成する交流−正極直流コンバータ131を含み、この交流−正極直流コンバータ131は一つ以上の変圧器121にそれぞれ対応する一つ以上の3相バルブブリッジ131aを含む。
【0046】
一つの3相バルブブリッジ131aが利用される場合、交流−正極直流コンバータ131は交流電力を利用して6つのパルスを有する正極直流電力を生成する。この際、その一つの変圧器121の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、Y−デルタ(Δ)形状の結線を有してもよい。
【0047】
2つの3相バルブブリッジ131aが利用される場合、交流−正極直流コンバータ131は交流電力を利用して12個のパルスを有する正極直流電力を生成する。この際、2つのうち一つの変圧器121の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、残りの一つの変圧器121の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Δ形状の結線を有してもよい。
【0048】
3つの3相バルブブリッジ131aが利用される場合、交流−正極直流コンバータ131は交流電力を利用して18個のパルスを有する正極直流電力を生成する。正極直流電力のパルスの数が多いほどフィルタの価格が下がる。
【0049】
直流送電パート140は送電側正極直流フィルタ141、正極直流送電ライン143、需要側正極直流フィルタ145を含む。
【0050】
送電側正極直流フィルタ141はインダクタL1とキャパシタC1を含み、交流−正極直流コンバータ131が出力する正極直流電力を直流フィルタリングする。
【0051】
正極直流送電ライン143は正極直流電力を伝送するための一つのDCラインを有し、電流の帰還通路としては大地(接地)を利用する。このDCラインの上には一つ以上のスイッチが配置される。
【0052】
需要側正極直流フィルタ145はインダクタL2とキャパシタC2を含み、正極直流送電ライン143を介して伝達された正極直流電力を直流フィルタリングする。
【0053】
需要側直流−交流コンバータパート150は正極直流−交流コンバータ151を含み、正極直流−交流コンバータ151は一つ以上の3相バルブブリッジ151aを含む。
【0054】
需要側変圧器パート160は正極のために一つ以上の3相バルブブリッジ151aにそれぞれ対応する一つ以上の変圧器161を含む。
【0055】
一つの3相バルブブリッジ151aが利用される場合、正極直流−交流コンバータ151は正極直流電力を利用して6つのパルスを有する交流電力を生成する。この際、その一つの変圧器161の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、Y−デルタ(Δ)形状の結線を有してもよい。
【0056】
2つの3相バルブブリッジ151aが利用される場合、正極直流−交流コンバータ151は正極直流電力を利用して12個のパルスを有する交流電力を生成する。この際、2つのうち一つの変圧器161の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、残りの一つの変圧器161の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Δ形状の結線を有してもよい。
【0057】
3つの3相バルブブリッジ151aが利用される場合、正極直流−交流コンバータ151は正極直流電力を利用して18つのパルスを有する交流電力を生成する。交流電力のパルスの数が多いほどフィルタの価格が下がる。
【0058】
需要側交流パート170は交流フィルタ171と交流送電ライン173を含む。
交流フィルタ171は需要パート180が利用する周波数成分(例えば、60Hz)以外の残りの周波数成分を需要側変電パート105が生成する交流電力から除去する。交流送電ライン173はフィルタリングされた交流電力を需要パート180に伝達する。
【0059】
図3は、本発明の実施例によるバイポーラ方式の高電圧直流送電システムを示す図である。
【0060】
特に、図3は2つの極の直流電力を送電するシステムを示す。以下の説明では2つの極は正極と負極(negative pole)であると仮定して説明するが、それに限る必要はない。
【0061】
送電側交流パート110は交流送電ライン111と交流フィルタ113を含む。
交流送電ライン111は発電パート101が生成した3相交流電力を送電側変電パート103に伝達する。
【0062】
交流フィルタ113は変電パート103が利用する周波数成分以外の残りの周波数成分を伝達された3相交流電力から除去する。
【0063】
送電側変圧器パート120は正極のための一つ以上の変圧器121を含み、負極のための一つ以上の変圧器122を含む。送電側交流−直流コンバータパート130は正極直流電力を生成する交流−正極直流コンバータ131と負極直流電力を生成する交流−負極直流コンバータ132を含み、交流−正極直流コンバータ131は正極のための一つ以上の変圧器121にそれぞれ対応する一つ以上の3相バルブブリッジ131aを含み、交流−負極直流コンバータ132は負極のための一つ以上の変圧器122にそれぞれ対応する一つ以上の3相バルブブリッジ132aを含む。
【0064】
正極のために一つの3相バルブブリッジ131aが利用される場合、交流−正極直流コンバータ131は交流電力を利用して6つのパルスを有する正極直流電力を生成する。この際、その一つの変圧器121の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、Y−デルタ(Δ)形状の結線を有してもよい。
【0065】
正極のために2つの3相バルブブリッジ131aが利用される場合、交流−正極直流コンバータ131は交流電力を利用して12個のパルスを有する正極直流電力を生成する。この際、2つのうち一つの変圧器121の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、残りの一つの変圧器121の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Δ形状の結線を有してもよい。
【0066】
正極のために3つの3相バルブブリッジ131aが利用される場合、交流−正極直流コンバータ131は交流電力を利用して18個のパルスを有する正極直流電力を生成する。正極直流電力のパルスの数が多いほどフィルタの価格が下がる。
【0067】
負極のために一つの3相バルブブリッジ132aが利用される場合、交流−負極直流コンバータ132は6つのパルスを有する負極直流電力を生成する。この際、その一つの変圧器122の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、Y−デルタ(Δ)形状の結線を有してもよい。
【0068】
負極のために2つの3相バルブブリッジ132aが利用される場合、交流−負極直流コンバータ132は12個のパルスを有する負極直流電力を生成する。この際、2つのうち一つの変圧器122の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、残りの一つの変圧器122の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Δ形状の結線を有してもよい。
【0069】
負極のために3つの3相バルブブリッジ132aが利用される場合、交流−負極直流コンバータ132は18個のパルスを有する負極直流電力を生成する。負極直流電力のパルスの数が多いほどフィルタの価格が下がる。
【0070】
直流送電パート140は送電側正極直流フィルタ141、送電側負極直流フィルタ142、正極直流送電ライン143、負極直流送電ライン144、需要側正極直流フィルタ145、需要側負極直流フィルタ146を含む。
【0071】
送電側正極直流フィルタ141はインダクタL1とキャパシタC1を含み、交流−正極直流コンバータ131が出力する正極直流電力を直流フィルタリングする。
【0072】
送電側負極直流フィルタ142はインダクタL3とキャパシタC3を含み、交流−負極直流コンバータ132が出力する負極直流電力を直流フィルタリングする。
【0073】
正極直流送電ライン143は正極直流電力を伝送するための一つのDCラインを有し、電流の帰還通路としては大地を利用する。このDCラインの上には一つ以上のスイッチが配置される。
【0074】
負極直流送電ライン144は負極直流電力を伝送するための一つのDCラインを有し、電流の帰還通路としては大地を利用する。このDCラインの上には一つ以上のスイッチが配置される。
【0075】
需要側正極直流フィルタ145はインダクタL2とキャパシタC2を含み、正極直流送電ライン143を介して伝達された正極直流電力を直流フィルタリングする。
【0076】
需要側負極直流フィルタ146はインダクタL4とキャパシタC4を含み、負極直流送電ライン144を介して伝達された負極直流電力を直流フィルタリングする。
【0077】
需要側直流−交流コンバータパート150は正極直流−交流コンバータ151と負極直流−交流コンバータ152を含み、正極直流−交流コンバータ151は一つ以上の3相バルブブリッジ151aを含み、負極直流−交流コンバータ152は一つ以上の3相バルブブリッジ152aを含む。
【0078】
需要側変圧器パート160は正極のために一つ以上の3相バルブブリッジ151aにそれぞれ対応する一つ以上の変圧器161を含み、負極のために一つ以上の3相バルブブリッジ152aにそれぞれ対応する一つ以上の変圧器162を含む。
【0079】
正極のために一つの3相バルブブリッジ151aが利用される場合、正極直流−交流コンバータ151は正極直流電力を利用して6つのパルスを有する交流電力を生成する。この際、その一つの変圧器161の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、Y−デルタ(Δ)形状の結線を有してもよい。
【0080】
正極のために2つの3相バルブブリッジ151aが利用される場合、正極直流−交流コンバータ151は正極直流電力を利用して12個のパルスを有する交流電力を生成する。この際、2つのうち一つの変圧器161の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、残りの一つの変圧器161の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Δ形状の結線を有してもよい。
【0081】
正極のために3つの3相バルブブリッジ151aが利用される場合、正極直流−交流コンバータ151は正極直流電力を利用して18個のパルスを有する交流電力を生成する。交流電力のパルスの数が多いほどフィルタの価格が下がる。
【0082】
負極のために一つの3相バルブブリッジ152aが利用される場合、負極直流−交流コンバータ152は負極直流電力を利用して6つのパルスを有する交流電力を生成する。この際、その一つの変圧器162の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、Y−デルタ(Δ)形状の結線を有してもよい。
【0083】
負極のために2つの3相バルブブリッジ152aが利用される場合、負極直流−交流コンバータ152は負極直流電力を利用して12個のパルスを有する交流電力を生成する。この際、2つのうち一つの変圧器162の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、残りの一つの変圧器162の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Δ形状の結線を有してもよい。
【0084】
負極のために3つの3相バルブブリッジ152aが利用される場合、負極直流−交流コンバータ152は負極直流電力を利用して18個のパルスを有する交流電力を生成する。交流電力のパルスの数が多いほどフィルタの価格が下がる。
【0085】
需要側交流パート170は交流フィルタ171と交流送電ライン173を含む。
交流フィルタ171は需要パート180が利用する周波数成分(例えば、60Hz)以外の残りの周波数成分を需要側変電パート105が生成する交流電力から除去する。
【0086】
交流送電ライン173はフィルタリングされた交流電力を需要パート180に伝達する。
【0087】
図4は、本発明の実施例による変圧器と3相バルブブリッジの結線を示す図である。
【0088】
特に、図4は正極のための2つの変圧器121と正極のための2つの3相バルブブリッジ131aの結線を示す。負極のための2つの変圧器122と負極のための2つの3相バルブブリッジ132aの結線、正極のための2つの変圧器161と正極のための2つの3相バルブブリッジ151aの結線、負極のための2つの変圧器162と負極のための2つの3相バルブブリッジ152aの結線、正極のための1つの変圧器121と正極のための1つの3相バルブブリッジ131a、正極のための1つの変圧器161と正極のための1つの3相バルブブリッジ151aの結線などは図4の実施例から容易に導出されるため、その図面と説明は省略する。
【0089】
図4において、Y−Y形状の結線を有する変圧器121を上側変圧器、Y−Δ形状の結線を有する変圧器121を下側変圧器、上側変圧器に連結される3相バルブブリッジ131aを上側3相バルブブリッジ、下側変圧器に連結される3相バルブブリッジ131aを下側3相バルブブリッジと称する。
【0090】
上側3相バルブブリッジと下側3相バルブブリッジは直流電力を出力する2つの出力端である第1出力端OUT1と第2出力端OUT2を有する。
【0091】
上側3相バルブブリッジは6つのバルブD1−D6を含み、下側3相バルブブリッジは6つのバルブD7−D12を含む。
【0092】
バルブD1は第1出力端OUT1に連結されるカソードと上側変圧器の2次側コイルの第1端子に連結されるアノードを有する。
【0093】
バルブD2はバルブD5のアノードに連結されるカソードとバルブD6のアノードに連結されるアノードを有する。
【0094】
バルブD3は第1出力端OUT1に連結されるカソードと上側変圧器の2次側コイルの第2端子に連結されるアノードを有する。
【0095】
バルブD4はバルブD1のアノードに連結されるカソードとバルブD6のアノードに連結されるアノードを有する。
【0096】
バルブD5は第1出力端OUT1に連結されるカソードと上側変圧器の2次側コイルの第3端子に連結されるアノードを有する。
【0097】
バルブD6はバルブD3のアノードに連結されるカソードを有する。
【0098】
バルブD7はバルブD6のアノードに連結されるカソードと下側変圧器の2 次側コイルの第1端子に連結されるアノードを有する。
【0099】
バルブD8はバルブD11のアノードに連結されるカソードと第2出力端OUT2に連結されるアノードを有する。
【0100】
バルブD9はバルブD6のアノードに連結されるカソードと下側変圧器の2次側コイルの第2端子に連結されるアノードを有する。
【0101】
バルブD10はバルブD7のアノードに連結されるカソードと第2出力端OUT2に連結されるアノードを有する。
【0102】
バルブD11はバルブD6のアノードに連結されるカソードと下側変圧器の2次側コイルの第3端子に連結されるアノードを有する。
【0103】
バルブD12はバルブD9のアノードに連結されるカソードと第2出力端OUT2に連結されるアノードを有する。
【0104】
一方、需要側直流−交流コンバータパート150はモジュール型マルチレベルコンバータ(Modular Multi−Level Converter)200で構成される。
【0105】
モジュール型マルチレベルコンバータ200は複数のサブモジュール210を利用して直流電力を交流電力に変換する。
【0106】
図5を参照してモジュール型マルチレベルコンバータ200の構成を説明する。
図5は、モジュール型マルチレベルコンバータ200の構成ブロック図である。
【0107】
モジュール型マルチレベルコンバータ200は制御器250、複数のアーム制御器230、複数のサブモジュール210を含む。
【0108】
制御器250は複数のアーム制御器230を制御し、それぞれのアーム制御器230は複数のサブモジュール210を制御する。
【0109】
図6を参照してモジュール型マルチレベルコンバータ200の構成を詳細に説明する。
図6は、モジュール型マルチレベルコンバータ200の構成を示す構成ブロック図である。
【0110】
モジュール型マルチレベルコンバータ200はサブモジュール210、アーム制御器230、制御器250を含む。
【0111】
サブモジュール210は直流電力を入力されて充電、放電及びバイパス動作を行い、サブモジュールセンサ211、サブモジュール制御部213、スイッチング部217、記憶部219を含む。
サブモジュールセンサ211はサブモジュール210の電流、電圧のうち一つ以上を測定する。
【0112】
サブモジュール制御部213はサブモジュール210の先般的な動作を制御する。
詳しくは、サブモジュール制御部213はサブモジュールセンサ211の電流、電圧測定動作、スイッチング部217のスイッチング動作などを制御する。
【0113】
スイッチング部217はサブモジュール210に入出力される電流をスイッチングする。
【0114】
スイッチング部217は少なくとも一つ以上のスイッチを含み、サブモジュール制御部213の制御信号に応じてスイッチング操作をする。
【0115】
また、スイッチング部217はダイオードを含み、スイッチング動作とダイオードの整流動作でサブモジュール210の充電、放電及びバイパス動作を行う。
【0116】
記憶部219はサブモジュール210に入力される電流に基づいてエネルギーを充電する充電動作を行う。また、記憶部219は充電されたエネルギーに基づいて電流を出力する放電動作を行う。
【0117】
図7を参照してモジュール型マルチレベルコンバータ200に含まれる複数のサブモジュール210の連結を説明する。
【0118】
図7は、3相モジュール型マルチレベルコンバータ200に含まれる複数のサブモジュール210の連結を示す。
【0119】
図7を参照すると複数のサブモジュール210は直列に連結され、一つの相(Phase)の正極又は負極に連結された複数のサブモジュール210を一つのアーム(Arm)として構成する。
【0120】
3相モジュール型マルチレベルコンバータ200は一般的に6つのアームで構成され、A,B,Cの3相それぞれに対して正極と負極で構成されて6つのアームで構成される。
【0121】
それによって、3相モジュール型マルチレベルコンバータ200はA相正極に対する複数のサブモジュールで構成される第1アーム221、A相負極に対する複数のサブモジュール210で構成される第2アーム222、B相正極に対する複数のサブモジュールで構成される第3アーム223、B相負極に対する複数のサブモジュール210で構成される第4アーム224、C相正極に対する複数のサブモジュールで構成される第5アーム225、C相負極に対する複数のサブモジュール210で構成される第6アーム226で構成される。
【0122】
そして、一つの相に対する複数のサブモジュール210はレッグ(Leg)を構成する。
【0123】
それによって、3相モジュール型マルチレベルコンバータ200はA相に対する複数のサブモジュール210を含むA相レッグ227と、B相に対する複数のサブモジュール210を含むB相レッグ228と、C相に対する複数のサブモジュール210を含むC相レッグ229で構成される。
【0124】
よって、第1アーム221乃至第6アーム226はそれぞれA,B,C相レッグ227,228,220に含まれる。
【0125】
詳しくは、A相レッグ227にはA相の正極アームである第1アーム221と負極アームである第2アーム222が含まれ、B相レッグ228にはB相の正極アームである第3アーム223と負極アームである第4アーム224が含まれる。そして、C相レッグ229にはC相の正極アームである第5アーム225と負極アームである第6アーム226が含まれる。
【0126】
また、複数のサブモジュール210は極性に応じて正極アーム227と負極アーム228を構成する。
【0127】
詳しくは、図7を参照するとモジュール型マルチレベルコンバータ200に含まれる複数のサブモジュール210は中性線nを基準に正極に対応する複数のサブモジュール210と負極に対応する複数のサブモジュール210とで分類される。
【0128】
よって、モジュール型マルチレベルコンバータ200は正極に対応する複数のサブモジュール210で構成される正極アーム227、負極に対応する複数のサブモジュール210で構成される負極アーム228で構成される。
【0129】
よって、正極アーム227は第1アーム221、第3アーム223、第5アーム225で構成され、負極アーム228は第2アーム222、第4アーム224、第6アーム226で構成される。
【0130】
次に、図8を参照してサブモジュール210の構成を説明する。
図8は、サブモジュール210の構成に関する例示図である。
【0131】
図8を参照すると、サブモジュール210は2つのスイッチ、2つのダイオード、キャパシタを含む。このようなサブモジュール210の形態をハーフブリッジ(half−bridge)形態又はハーフブリッジインバータ(half bridge inverter)とも称する。
【0132】
そして、スイッチング部217に含まれるスイッチは電力半導体を含む。
ここで電力半導体とは電力装置用半導体素子をいい、電力の変換や制御用に最適化されている。そして、電力半導体はバルブ装置とも称する。
【0133】
それによってスイッチング部217に含まれるスイッチは電力半導体と構成されるが、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、GTO(Gate Turn−off Thyristor)、IGCT(Insulated Gate Commutated Transistor)などで構成される。
【0134】
記憶部219はキャパシタを含んでいるためエネルギーを充電又は放電する。
【0135】
前記のようなモジュール型マルチレベルコンバータのようなHVDCシステムには多数のセンサが装着される。
【0136】
即ち、上述したようにHVDCシステムにはアームセンサ13やサブモジュールセンサ211が設置される。前記図面上にはアームセンサ231とサブモジュールセンサ211が一つずつのみ設置されると示されているが、これは説明の便宜のために過ぎず、実質的に前記アームセンサやサブモジュールセンサ211は複数個に設置されている。
【0137】
この際、前記のようなアームセンサ231やサブモジュールセンサ211は計器用変圧器で具現される。しかし、前記計器用変圧器は製品ごとに互いに異なる誤差範囲を有するため、同じ電圧に対してもそれを測定する計器用変圧器に応じて互いに異なる電圧値が出力される可能性がある。
【0138】
よって、本発明では前記のようにHVDCシステムの互いに異なる位置にそれぞれ設置された多数の計器用変圧器の偏差を補償するようにする。
【0139】
図9は、本発明の一実施例による計器用変圧器の偏差補償装置を示す図である。
図9を参照すると、計器用変圧器の偏差補償装置は前記HVDCシステムの互いに異なる位置に設置された多数の計器用変圧器310と、前記多数の計器用変圧器310を介して出力される電圧値を測定し、前記測定した電圧値を利用して前記多数の計器用変圧器310間の測定偏差を確認し、前記確認した測定偏差を基準に前記測定偏差を補償するための補償値を決定する偏差補償器320と、前記偏差補償器320を介して前記補償値が適用された多数の計器用変圧器310の電圧値を受信し、前記受信した電圧値を基準に前記偏差補償器320のリセット可否を決定する中央制御器340を含む。
【0140】
計器用変圧器310は第1乃至N計器用変圧器を含む。
前記第1乃至N変圧器は同じ製造会社で製造されたものであってもよく、それとは異なって互いに異なる製造会社で製造されたものであってもよい。
【0141】
前記のような計器用変圧器は同じ箇所に同じ製品が設置される場合であっても測定される電圧値に偏差が発生する。
【0142】
偏差補償器320は前記多数の計器用変圧器310を介して出力される電圧値を測定し、前記測定された電圧値に偏差が発生すればそれを補償するための補償値を設定する。
【0143】
この際、偏差補償器320は前記多数の計器用変圧器310それぞれに対する補償値が設定されると、前記設定された補償値を記憶するためのメモリ330を含む。
【0144】
また、前記偏差補償器320は前記決定された補償値を利用して第1乃至N計器用変圧器を介して出力される電圧値を補償し、前記補償された電圧値を利用して前記第1乃至N計器用変圧器が設置されたそれぞれの位置に対する実際の電圧値を測定する。
【0145】
そして、前記偏差補償器320は前記第1乃至N計器用変圧器が設置された位置に対する実際の電圧値が測定されると、前記測定された実際の変圧値を中央制御器340に伝送する。
【0146】
中央制御器340は前記偏差補償器320を介して伝送される実際の電圧値を利用して前記第1乃至N計器用変圧器が設置された位置の電圧値を確認し、前記確認された電圧値を基準にHVDCシステムの全般的な動作を制御する。
【0147】
この際、中央制御器340は前記第1乃至N計器用変圧器が設置された各位置の電圧値を基準に前記偏差補償器320を介して提供される実際の電圧値に対するエラーの有無を判断する。
【0148】
例えば、前記偏差補償器320の動作エラーや補償値の誤適用によって前記偏差補償器320を介して測定された第1乃至N計器用変圧器の設置位置に対する実際の電圧値のエラーが発生する恐れがある。
【0149】
この際、前記エラーが発生した実際の電圧値によって前記中央制御器340によるHVDCシステムの制御が行われると前記HVDCシステムの動作エラーが発生する。
【0150】
それによって中央制御器340は前記実際の電圧値に基づいて前記HVDCシステムの動作を制御するが、この際、前記エラーが発生した実際の電圧値を提供されることで前記HVDCシステムの正常動作状態でも前記HVDCシステムの故障が発生したと誤認識する恐れがあり、それによる警報を発生するか又はシステムの運転を中断するようになる。
【0151】
よって、前記中央制御器340は前記偏差補償器320を介して提供される第1乃至N計器用変圧器の各位置に対する実際の電圧値に対する有効性を検証する。
【0152】
例えば、中央制御器340は第1計器用変圧器の設置位置に対する実際の電圧値が提供されると、以前(過去)の時点に提供された前記第1計器用変圧器の設置位置に対する第1の実際の電圧値と現時点に提供された前記第1計器用変圧器の設置位置に対する第2の実際の電圧値を比較し、前記第1の実際の電圧値と第2の実際の電圧値の差の値が予め設定された基準範囲を超過したか否かを判断する。
【0153】
そして、前記第1の実際の電圧値と第2の実際の電圧値の差の値が予め設定された基準範囲を超過したのであれば前記中央制御器340は前記偏差補償器320にエラーが発生したことを認知し、それによって前記偏差補償器320をリセットする。
【0154】
この際、前記偏差補償器320のリセットだけで前記偏差補償器320に発生したエラーが解決される。
【0155】
それによって、前記偏差補償器320は前記リセット要求に応じてリセット動作を行い、前記リセットが完了されることで前記第1乃至N計器用変圧器の設置位置に対する実際の電圧値を前記中央制御器340に再伝送する。
そして、前記中央制御器340は前記再伝送される実際の電圧値の有効性の有無を再検証する。
【0156】
前記再検証した実際の電圧値が有効であれば、前記中央制御器340は前記有効な実際の電圧値を利用してHVDCシステムの制御動作を行う。しかし、中央制御器340は前記再伝送される実際の電圧値も有効でなければ前記有効ではない実際の電圧値が検出された特定計器用変圧器に故障が発生したことを認知し、それによって前記特定計器用変圧器の交換を要求するメッセージを出力する。
【0157】
また、前記中央制御器340は前記特定計器用変圧器の交換を要求する前に前記特定計器用変圧器に適用された補償値の異常の有無を優先的に判断し、前記補償値に異常があれば前記特定計器用変圧器に適用される補償値の再決定が行われるようにする。
【0158】
以下、添付した図面を参照して前記のような計器用変圧器の偏差補償装置の動作についてより具体的に説明する。
【0159】
図10は本発明の第1実施例による計器用変圧器の偏差補償方法を段階別に説明するためのフローチャートであり、図11は本発明の第2実施例による計器用変圧器の偏差補償方法を段階別に説明するためのフローチャートであり、図12図10及び図11における補償値の決定過程をより具体的に説明するためのフローチャートである。
【0160】
まず、図10を参照すると、偏差補償器320は第1乃至N計器用変圧器を介して発生する電圧値を測定するS100。この際、前記第1乃至N計器用変圧器には全て同じ電圧が供給され、それによって前記第1乃至N計器用変圧器は前記供給された同じ電圧に対する電圧測定動作を行う。
【0161】
また、前記第1乃至N計器用変圧器はHVDCシステムで互いに異なる位置にそれぞれ設置されており、それによって前記互いに異なる位置にそれぞれ設置された第1乃至N計器用変圧器に前記同じ電圧を供給する。
【0162】
次に、前記偏差補償器320は前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値の間に偏差が発生したか否かを判断する(S110)。即ち、偏差補償器320は前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値が全て同じ電圧値であるか或いは互いに異なる電圧値であるかを判断する。
【0163】
次に、偏差補償器320は前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値の間に偏差が発生したのであれば、前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値の平均値を計算する(S120)。そして、第1実施例では前記平均値が基準値となり、前記基準値によって前記第1乃至N計器用変圧器間の偏差が補償される。
【0164】
前記平均値が計算されれば、前記偏差補償器320は前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値を全て前記平均値に標準化するための補償値を決定する(S130)。
【0165】
この際、前記補償値は前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値に応じて互いに異なるように決定される。例えば、前記平均値が4で第1計器用変圧器で発生した電圧値が5であれば前記補償値を「−1」のような値に設定する。
【0166】
また、前記第1乃至N変圧器を介して発生した電圧値が全て異なる値を有するため、前記平均値によって決定される前記第1乃至N計器用変圧器のそれぞれの補償値も互いに異なる値に決定される。
【0167】
この際、前記平均値は前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した全ての電圧値の平均値ではなく特定計器用変圧器のみを介して発生した電圧値の平均値である可能性がある。
【0168】
例えば、前記平均値は前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値のうち特定電圧値が他の電圧値に比べて大きい差が存在すれば、前記大きい差が存在する電圧値を含ませて前記平均値を計算する場合、前記補償値の正確性が下がる恐れがある。
【0169】
それによって、本発明による実施例では前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値のうち特定電圧値のみを利用して平均値を計算し、前記計算した平均値を利用して前記第1乃至N計器用変圧器それぞれに対する補償を決定するようにする。
【0170】
次に、前記偏差補償器320は前記決定された第1乃至N計器用変圧器それぞれに対する補償値を記憶する(S140)。
【0171】
一方、前記補償値は前記第1乃至N計器用変圧器の電圧測定特定を標準化するためのものであり、それによって前記補償値は変圧比、オフセット及びゲイン値のうち少なくともいずれか一つを含む。
【0172】
例えば、前記補償値は100Vの1次電圧値が10Vの2次電圧値として検出されるべきであるが、前記2次電流値が15Vである場合、前記15Vの2次電圧値を10Vの2次電圧値に補償するためのものである。この際、元の電圧変化割合は100:10であるが、前記では100:15であると認識し、それによって前記のような100Vの電圧が印加される範囲内で15Vの電圧が検出される場合、それの1次電圧値は100Vと認識する。同じく、前記電圧変化割合ではなくオフセット値やゲイン値を利用して前記補償値を構成することもできる。
【0173】
次に、図11を参照すると、偏差補償器320は基準電圧値を発生する(S200)。
【0174】
そして、偏差補償器320は前記発生した基準電圧値を測定する第1乃至N計器用変圧器の出力電圧値を測定する(S210)。
【0175】
次に、前記偏差補償器320は前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値の間に偏差が発生したか否かを判断する(S220)。即ち、偏差補償器320は前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値が全て同じ電圧値であるか或いは互いに異なる電圧値であるのかを判断する。
【0176】
次に、前記偏差補償器320は前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値の間に偏差が発生したのであれば、前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値を前記基準電圧値に補償するための補償値を決定する(S230)。
【0177】
この際、前記補償値は前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生した電圧値に応じて互いに異なるように決定される。例えば、前記平均値が4で第1計器用変圧器で発生した電圧値が5であれば前記補償値を「−1」のような値に設定する。
【0178】
また、前記第1乃至N変圧器を介して発生した電圧値が全て異なる値を有するため、前記平均値によって決定される前記第1乃至N計器用変圧器のそれぞれの補償値も互いに異なる値に決定される。
【0179】
次に、前記偏差補償器320は前記決定された第1乃至N計器用変圧器のそれぞれに対する補償値を記憶する(S240)。
【0180】
一方、前記補償値は前記第1乃至N計器用電圧測定特性を標準化するためのものであり、それによって前記補償値は変圧比、オフセット及びゲイン値のうち少なくともいずれか一つを含む。
【0181】
一方、前記補償値は測定される電圧区間に対してそれぞれ異なるように設定されるべきである。
【0182】
例えば、100Vの電圧を測定する場合に発生する偏差と200Vの電圧を測定する場合に発生する偏差は互いに異なるように示される。
【0183】
よって、本発明は前記第1乃至N計器用変圧器それぞれに対して測定電圧区間別に互いに異なる補償値をそれぞれ決定するようにする。
【0184】
そのために、図12を参照すると、まず第1電圧範囲(例えば1V〜20V)に属する電圧値のうちいずれか一つの電圧値を発生する(S300)。
【0185】
そして、前記発生した電圧値による第1乃至N計器用変圧器の出力電圧値を測定し、前記測定された電圧値を利用して前記第1乃至N計器用変圧器に対する補償値をそれぞれ決定する(S310)。この際、前記決定された補償値は前記設定された第1電圧値の範囲に対する補償値である。
【0186】
この際、前記補償値は前記第1乃至N計器用変圧器を介して発生する電圧値の平均値を基準に決定され、それとは異なって前記発生した第1電圧範囲内に属する電圧値を基準に決定されてもよい。
【0187】
次に、偏差補償器320は電圧範囲を次の電圧範囲に設定する(S320)。例えば、偏差補償器320は前記電圧範囲を第2電圧範囲(21V〜40V)に設定する。
【0188】
そして、前記偏差補償器320は前記設定された次の電圧範囲に属する電圧値のうちいずれか一つの電圧値を発生する(S330)。
【0189】
次に、前記偏差補償器320は前記設定された電圧範囲に対して前記発生した電圧値を基準に補償値を決定する(S340)。
【0190】
次に、前記偏差補償器320は全ての電圧範囲に対して補償値が決定されたか否かを確認し、全ての電圧範囲に対する電圧値が決定されたのであれば終了し、そうではなければ以前のステップS320に復帰して次の電圧範囲に対する補償値を決定する(S350)。
【0191】
一方、前記偏差補償器320は前記のような補償値を決定するのに基準となる基準値を記憶する。
【0192】
そして、前記のように補償値が決定された第1乃至N計器用変圧器のうちいずれか一つの変圧器に故障が発生し、それを新しい計器用変圧器に交換する情況が発生すれば、前記記憶した基準値を基準に新しい一つの計器用変圧器に対する補償値を決定する。
【0193】
図13は、本発明の実施例によって決定された補償値を利用した電圧測定方法を段階別に説明するためのフローチャートである。
【0194】
偏差補償器320は、第1乃至N計器用変圧器のうち特定計器用変圧器を介して出力される電圧値を測定する(S400)。
【0195】
次に、前記偏差補償器320は前記測定された電圧値に対する電圧範囲を確認する(S410)。
【0196】
そして、偏差補償器320は前記特定計器用変圧器の補償値のうち前記確認された電圧範囲に対応する補償値を確認する(S420)。
【0197】
次に、前記偏差補償器320は前記確認した補償値を適用し、前記特定計器用変圧器を介して測定された電圧値を補償する(S430)。
【0198】
そして、前記偏差補償器320は前記補償された電圧値を利用して、前記特定計器用変圧器が設置された位置の実際の電圧値を計算する(S440)。次に、偏差補償器320は前記計算された実際の電圧値を中央制御器に伝送する(S450)。
【0199】
図14は、本発明の実施例によって測定された実際の電圧値の有効性可否を判断する方法を段階別に説明するためのフローチャートである。
【0200】
図14を参照すると、中央制御器340は第1時点で第1乃至N計器用変圧器のうちいずれか一つの特定計器用変圧器を介して測定された第1実際の電圧値を受信する(S500)。
【0201】
次に、中央制御器340は前記第1時点の以降の時点である第2時点で前記特定計器用変圧器を介して測定された第2実際の電圧値を受信する(S510)。
【0202】
前記中央制御器340は前記受信した第1実際の電圧値と第2実際の電圧値の間の差の値を計算する(S520)。
【0203】
そして、中央制御器340は前記計算した差の値が予め設定された基準範囲を逸脱したか否かを判断する(S530)。
【0204】
前記判断結果S530、前記計算した差の値が予め設定された基準範囲を逸脱したのであれば前記中央制御器340は前記電圧値を補償する偏差補償器320にエラーが発生したことを認知し、それによって前記偏差補償器320をリセットする(S540
【0205】
次に、中央制御器340は前記リセットされた偏差補償器320を介して前記特定計器用変圧器が設置された位置に対する実際の電圧値を再要求する(S550)。
【0206】
本発明の実施例によると、HVDCシステムの互いに異なる位置に設置された計器用変圧器間の測定偏差を補償することで、HVDCシステムの信頼性を向上することができる。
【0207】
また、本発明の実施例によると同じ偏差補償器を使用して多数の計器用変圧器の偏差を補償することができ、それによって測定器による前記多数の計器用変圧器の測定電圧値の偏差をなくすことができるだけでなく、HVDCの制御が容易で電圧偏差保護などに関する正確な動作を行うことができる。
【0208】
また、本発明の実施例によると電力を伝送するHVDCシステムでは測定偏差によって発生する損失を最小化することができ、それによるシステム損失を改善することができる。
【0209】
また、本発明の実施例によると特定計器用変圧器に問題が発生し交換する必要がある場合、以前に多数の計器用変圧器の偏差を補償するのに使用した情報が記憶されているため前記特定計器用変圧器の交換を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0210】
100 HVDCシステム
101 発電パート
103 送電側変電パート
105 需要側変電パート
110 送電側交流パート
120 送電側変圧器パート
130 送電側交流−直流コンバータパート
140 直流送電パート
150 需要側直流−交流コンバータパート
160 需要側変圧器パート
170 需要側交流パート
180 需要パート
190 制御パート
210 制御器
230 アーム制御器
250 サブモジュール
310 計器用変圧器
320 偏差補償器
330 メモリ
340 中央制御器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14