【文献】
ITRI,Support cell-specific TDD UL-DL configuration for inter-band CA,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #66 R1-112451,3GPP,2011年 8月22日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付の図面を参照して説明される本発明の実施例から、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解されるであろう。以下に説明する実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
【0018】
本明細書ではLTEシステム及びLTE−Aシステムを用いて本発明の実施例を説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、上述した定義に該当するいかなる通信システムにも適用可能である。また、本明細書は、FDD(Frequency Division Duplex)方式を基準にして本発明の実施例について説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、H−FDD(Hybrid−FDD)方式又はTDD(Time Division Duplex)方式にも容易に変形して適用してもよい。
【0019】
図2は、3GPP無線接続網規格に基づく端末とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン及びユーザプレーンの構造を示す図である。コントロールプレーンとは、端末(UE)とネットワークとが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路のことを意味する。ユーザプレーンとは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路のことを意味する。
【0020】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報伝送サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位の媒体接続制御(Medium Access Control)層とは伝送チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。該伝送チャネルを介して媒体接続制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側の物理層と受信側の物理層との間には物理チャネルを介してデータが移動する。該物理チャネルは、時間及び周波数を無線リソースとして活用する。具体的には、物理チャネルは、下りリンクにおいてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクにおいてSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0021】
第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を介して、上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼できるデータ送信を支援する。RLC層の機能はMAC内部の機能ブロックとして具現されてもよい。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6のようなIPパケットを効率的に送信するために、余分の制御情報を減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を果たす。
【0022】
第3層の最下部に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、コントロールプレーンにのみ定義される。RRC層は、無線ベアラー(Radio Bearer)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解除(Release)に関連して、論理チャネル、伝送チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。無線ベアラー(RB)とは、端末とネットワーク間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスのことを意味する。そのために、端末のRRC層とネットワークのRRC層とはRRCメッセージを互いに交換する。端末のRRC層とネットワークのRRC層間にRRC接続(RRC Connected)がある場合に、端末はRRC接続状態(Connected Mode)にあり、そうでない場合は、RRC休止状態(Idle Mode)にあることとなる。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0023】
基地局(eNB)を構成する一つのセルは、1.4、3、5、10、15、20MHzなどの帯域幅のいずれか一つに設定され、複数の端末に対して下り又は上り送信サービスを提供する。異なったセルは互いに異なった帯域幅を提供するように設定することができる。
【0024】
ネットワークから端末にデータを送信する下り伝送チャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージは、下りSCHを介して送信されてもよく、別の下りMCH(Multicast Channel)を介して送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り伝送チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。伝送チャネルの上位に存在し、伝送チャネルにマップされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0025】
図3は、3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた一般の信号送信方法を説明するための図である。
【0026】
端末は、電源が入ったり、新しくセルに進入したりした場合に、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う(S301)。そのために、端末は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel;P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel;S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得することができる。その後、端末は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信し、セル内放送情報を取得することができる。一方、端末は、初期セル探索段階で、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal;DL RS)を受信し、下りリンクチャネル状態を確認することができる。
【0027】
初期セル探索を終えた端末は、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、及び該PDCCHに載せられた情報に基づいて物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDSCH)を受信することによって、より具体的なシステム情報を取得することができる(S302)。
【0028】
一方、基地局に初めて接続したり信号送信のための無線リソースがない場合には、端末は、基地局にランダムアクセス手順(Random Access Procedure;RACH)を行うことができる(S303乃至S306)。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel;PRACH)を介して特定シーケンスをプリアンブルとして送信し(S303及びS305)、PDCCH及び対応するPDSCHを介して、プリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S304及びS306)。競合ベースのRACHについては、衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)をさらに行ってもよい。
【0029】
上述の手順を行った端末は、以降、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、PDCCH/PDSCH受信(S307)、及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)送信(S308)を行うことができる。特に、端末はPDCCHを介して下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する。ここで、DCIは、端末に対するリソース割当情報のような制御情報を含み、その使用目的によってフォーマットが互いに異なる。
【0030】
一方、端末が上りリンクを介して基地局に送信する又は端末が基地局から受信する制御情報は、下りリンク/上りリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)などを含む。3GPP LTEシステムでは、端末は、これらのCQI/PMI/RIなどの制御情報をPUSCH及び/又はPUCCHを介して送信することができる。
【0031】
図4は、下りリンク無線フレームにおいて一つのサブフレームの制御領域に含まれる制御チャネルを例示する図である。
【0032】
図4を参照すると、サブフレームは14個のOFDMシンボルで構成されている。サブフレーム設定によって先頭における1乃至3個のOFDMシンボルは制御領域として用いられ、残り13〜11個のOFDMシンボルはデータ領域として用いられる。同図で、R1乃至R4は、アンテナ0乃至3に対する参照信号(Reference Signal(RS)、又はPilot Signal)を表す。RSは、制御領域及びデータ領域を問わず、サブフレーム内に一定のパターンで固定される。制御チャネルは、制御領域においてRSの割り当てられないリソースに割り当てられ、トラフィックチャネルも、データ領域においてRSの割り当てられないリソースに割り当てられる。制御領域に割り当てられる制御チャネルとしては、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などがある。
【0033】
PCFICHは、物理制御フォーマット指示子チャネルで、毎サブフレームごとにPDCCHに用いられるOFDMシンボルの個数を端末に知らせる。PCFICHは、先頭のOFDMシンボルに位置し、PHICH及びPDCCHに優先して設定される。PCFICHは、4個のREG(Resource Element Group)で構成され、それぞれのREGは、セルID(Cell IDentity)に基づいて制御領域内に分散される。1個のREGは4個のRE(Resource Element)で構成される。REは、1個の副搬送波×1個のOFDMシンボルで定義される最小物理リソースのことを指す。PCFICH値は帯域幅によって、1乃至3、又は2乃至4の値を示し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調される。
【0034】
PHICHは、物理HARQ(Hybrid−Automatic Repeat and request)指示子チャネルで、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを運ぶのに用いられる。すなわち、PHICHは、UL HARQのためのDL ACK/NACK情報が送信されるチャネルのことを指す。PHICHは、1個のREGで構成され、セル特定(cell−specific)にスクランブル(scrambling)される。ACK/NACKは1ビットで示され、BPSK(Binary phase shift keying)で変調される。変調されたACK/NACKは、拡散因子(Spreading Factor;SF)=2又は4で拡散される。同一のリソースにマップされる複数のPHICHは、PHICHグループを構成する。PHICHグループに多重化されるPHICHの個数は、拡散コードの個数によって決定される。PHICH(グループ)は、周波数領域及び/又は時間領域においてダイバーシティ利得を得るために3回反復(repetition)される。
【0035】
PDCCHは、物理下りリンク制御チャネルで、サブフレームの先頭におけるn個のOFDMシンボルに割り当てられる。ここで、nは、1以上の整数であり、PCFICHによって指示される。PDCCHは、1個以上のCCE(Control Channel Element)で構成される。PDCCHは、伝送チャネルであるPCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)のリソース割当に関する情報、上りリンクスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)、HARQ情報などを、各端末又は端末グループに知らせる。PCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)は、PDSCHを介して送信される。したがって、基地局と端末は一般に、特定の制御情報又は特定のサービスデータ以外はPDSCHを介してそれぞれ送信及び受信する。
【0036】
PDSCHのデータがいずれの端末(1つ又は複数の端末)に送信されるものであるか、それら端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコーディング(decoding)をすべきかに関する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRC(cyclic redundancy check)マスクされており、「B」という無線リソース(例、周波数位置)及び「C」という伝送形式情報(例、伝送ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が特定サブフレームにおいて送信されるとしよう。この場合、セル内の端末は、自身が持っているRNTI情報を用いてPDCCHをモニタし、「A」のRNTIを持つ一つ以上の端末があると、それらの端末は、PDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報に基づき、「B」と「C」によって指定されるPDSCHを受信する。
【0037】
図5は、LTEシステムにおいて用いられる上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
【0038】
図5を参照すると、上りリンクサブフレームは、制御情報を運ぶPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)が割り当てられる領域と、ユーザデータを運ぶPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)が割り当てられる領域とに区別される。サブフレームの中間部分がPUSCHに割り当てられ、周波数領域においてデータ領域の両側部がPUCCHに割り当てられる。PUCCH上で送信される制御情報は、HARQに用いられるACK/NACK、下りリンクチャネル状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)、MIMOのためのRI(Rank Indicator)、上りリンクリソース割当要求であるSR(Scheduling Request)などがある。ある端末のPUCCHは、サブフレーム内の各スロットにおいて互いに異なった周波数を占める一つのリソースブロックを使用する。すなわち、PUCCHに割り当てられる2個のリソースブロックはスロットを境界に周波数ホッピング(frequency hopping)する。特に、
図5では、m=0のPUCCH、m=1のPUCCH、m=2のPUCCH、m=3のPUCCHがサブフレームに割り当てられる例を示す。
【0039】
図6には、LTE TDDシステムにおける無線フレームの構造を例示する。LTE TDDシステムにおいて、無線フレームは2個のハーフフレーム(half frame)で構成され、各ハーフフレームは、2個のスロットを含む4個の一般サブフレームと、DwPTS(Downlink Pilot TimeSlot)、保護区間(Guard Period、GP)及びUpPTS(Uplink Pilot TimeSlot)を含む特別サブフレーム(special subframe)とで構成される。
【0040】
特別サブフレームにおいて、DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられ、UpPTSは、基地局でのチャネル推定及び端末の上りリンク送信同期獲得に用いられる。すなわち、DwPTSは下りリンク送信に、UpPTSは上りリンク送信に用いられ、特に、UpPTSはPRACHプリアンブルやSRSの送信のために用いられる。また、保護区間は、上りリンクと下りリンクとの間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。
【0041】
特別サブフレームに関して現在3GPP標準文書では下記の表1のように設定を定義している。表1で、T
s=1/(15000×2048)の場合に、DwPTSとUpPTSを示し、残りの領域が保護区間として設定される。
【0043】
一方、LTE TDDシステムにおいて上りリンク/下りリンクサブフレーム設定(UL/DL configuration)は、下の表2の通りである。
【0045】
上記の表2で、Dは下りリンクサブフレーム、Uは上りリンクサブフレームを表し、Sは特別サブフレームを表す。また、上記の表2は、それぞれの上りリンク/下りリンクサブフレーム設定において下りリンク−上りリンクスイッチング周期(Downlink−to−Uplink Switch−point periodicity)も示している。
【0046】
一方、下記の表3は、3GPP LTEシステムベースのTDDシステムにおいてUEが該当の下りリンク信号に対する上りリンクACK/NACKを送信するための上りリンクサブフレーム番号(インデックス)を示す。
【0048】
特に、表3で、「−」は、上りリンクサブフレームに設定されたことを示し、サブフレーム番号(Subframe number)のそれぞれに割り当てられた数字は、上りリンクサブフレームインデックスを表す。すなわち、該当の下りリンクサブフレームに連動している上りリンクサブフレームインデックスを表す。
【0049】
以下では、搬送波集成(carrier aggregation)技法について説明する。
【0050】
搬送波集成は、無線通信システムがより広い周波数帯域を用いるように、端末が上りリンクリソース(又は、コンポーネント搬送波)及び/又は下りリンクリソース(又は、コンポーネント搬送波)で構成された周波数ブロック又は(論理的意味の)セルを複数個用いて一つの大きい論理周波数帯域として用いる方法を意味する。以下では、説明の便宜のためにコンポーネント搬送波という用語に統一するものとする。
【0051】
全体システム帯域(System Bandwidth;System BW)は論理帯域であって、最大100MHzの帯域幅を有する。全体システム帯域は5個のコンポーネント搬送波を含み、それぞれのコンポーネント搬送波は最大20MHzの帯域幅を有する。コンポーネント搬送波は、物理的に連続した一つ以上の連続した副搬送波を含む。それぞれのコンポーネント搬送波がいずれも同一の帯域幅を有してもよく、それぞれのコンポーネント搬送波は互いに異なる帯域幅を有してもよい。また、それぞれのコンポーネント搬送波は、周波数領域において互いに隣接しているとしたが、同図は論理的な概念で示したもので、それぞれのコンポーネント搬送波は物理的に互いに隣接していても、離れていてもよい。
【0052】
また、それぞれのコンポーネント搬送波に対して異なる中心搬送波(Center frequency)を用いたり、物理的に隣接したコンポーネント搬送波に対して共通の一つの中心搬送波を用いることができる。例えば、全てのコンポーネント搬送波が物理的に隣接しているとすれば、中心搬送波Aを用いることができる。また、それぞれのコンポーネント搬送波が物理的に隣接していない場合を仮定すれば、それぞれのコンポーネント搬送波に対して別々の中心搬送波A、中心搬送波Bなどを用いることができる。
【0053】
本明細書で、コンポーネント搬送波はレガシーシステムのシステム帯域に該当し得る。コンポーネント搬送波をレガシーシステムを基準に定義することによって、進化した端末及びレガシー端末が共存する無線通信環境において容易な逆互換性(backward compatibility)の提供及びシステムの設計を図ることができる。一例として、LTE−Aシステムが搬送波集成を支援する場合に、それぞれのコンポーネント搬送波はLTEシステムのシステム帯域に該当できる。この場合、コンポーネント搬送波は、1.25、2.5、5、10又は20MHz帯域幅のいずれか一つを有することができる。
【0054】
搬送波集成によって全体システム帯域を拡張した場合に、各端末との通信に用いられる周波数帯域はコンポーネント搬送波単位に定義される。端末Aは、全体システム帯域である100MHzを用いることができ、5個のコンポーネント搬送波を全て用いて通信を行う。端末B
1〜B
5は20MHz帯域幅のみを用いることができ、一つのコンポーネント搬送波を用いて通信を行う。端末C
1及びC
2は40MHz帯域幅を用いることができ、それぞれ2つのコンポーネント搬送波を用いて通信を行う。これら2つのコンポーネント搬送波は論理/物理的に隣接しても、隣接しなくてもよい。同図では、端末C
1が、隣接していない2つのコンポーネント搬送波を用いる場合を示し、端末C
2が、隣接した2つのコンポーネント搬送波を用いる場合を示す。
【0055】
LTEシステムでは1個の下りリンクコンポーネント搬送波と1個の上りリンクコンポーネント搬送波を用いるのに対し、LTE−Aシステムでは、
図8に示すように複数のコンポーネント搬送波を用いることができる。このとき、制御チャネルがデータチャネルをスケジューリングする方式は、既存のリンク搬送波スケジューリング(Linked carrier scheduling)方式とクロス搬送波スケジューリング(Cross carrier scheduling)方式とに区別できる。
【0056】
具体的に、リンク搬送波スケジューリングでは、単一コンポーネント搬送波を用いる既存LTEシステムのように特定コンポーネント搬送波を介して送信される制御チャネルは、該特定コンポーネント搬送波を介して送信されるデータチャネルのみをスケジューリングする。
【0057】
一方、クロス搬送波スケジューリングでは、搬送波指示子フィールド(Carrier Indicator Field;CIF)を用いてプライマリコンポーネント搬送波(Primary CC)を介して送信される制御チャネルが、該プライマリコンポーネント搬送波を介して送信される或いは他のコンポーネント搬送波を介して送信されるデータチャネルをスケジューリングする。
【0058】
上述したように、TDDシステムは、全体サブフレームを上りリンクサブフレームと下りリンクサブフレームとに分割し、それぞれをUEの上りリンク送信とeNBの下りリンク送信に用いる。このような上りリンク/下りリンクサブフレーム設定は一般にシステム情報の一部としてUEに知らされ、上述した表2に示した設定を提供することができる。もちろん、表2の上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の他、新しい上りリンク/下りリンクサブフレーム設定がさらに提供されてもよい。
【0059】
一方、特定上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が適用されたTDDセルであっても、時間によって下りリンクサブフレームの個数と上りリンクサブフレームの個数が可変であることが好ましい。これは、下りリンクトラフィックと上りリンクトラフィックが単位時間別に固定されていないためである。そのために、eNBは、毎時点でTDDシステムのための上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を動的に変化させることができる。すなわち、eNBは、各サブフレームが下りリンクのために用いられるか、或いは上りリンクのために用いられるかを動的に変化させることができる。以下では、このような動作が適用されたTDDシステムをE−TDD(Enhanced−TDD)と呼ぶ。
【0060】
本発明ではeNBがE−TDD動作を行う場合に効果的に用い得るHARQ動作を提案する。以下に説明する本発明の動作は、2つ以上のコンポーネント搬送波を集成して用いる搬送波集成技法が適用された場合、eNBがいずれか一方の搬送波(或いは、SCell)でE−TDD動作を行う場合にも適用可能であり、また、搬送波集成技法を適用しないで単一の搬送波でE−TDDを動作する場合にも適用可能である。
【0061】
従来のLTEシステムにおいてHARQ動作は該当のセルの上りリンク/下りリンクサブフレーム設定によって決定された。すなわち、システム情報によって上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が構成されると、当該上りリンク/下りリンクサブフレーム設定に対するHARQ動作方式が自動で決定される。ここで、HARQ動作は、eNBが送信したPDSCHに対する上りリンクACK/NACKを送信する動作、UEが送信したPUSCHに対する再伝送命令を含むPHICH或いは上りリンクグラントをモニタする動作、及びeNBが指示したPUSCH送信を行う動作などを含む。
【0062】
従来のHARQ動作は、上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が動的に変化するE−TDD状況ではその適用が非常に難しい。特に、毎時点で上りリンク/下りリンクサブフレーム設定そのものを変化させ、それを明示的に示す方式ではなく、あらかじめ設定された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上でスケジューリングメッセージ送信の有無によって上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を間接的に変化させる方式では、従来のHARQ動作の適用はより一層難しい。
【0063】
したがって、E−TDDシステムでHARQ動作を行うために、本発明ではコンポーネント搬送波で変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の範囲をあらかじめ定め、特定HARQ動作を行う際に変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を含み得る代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を選定することを提案する。
【0064】
例えば、PDSCHに対する上りリンクACK/NACKを送信する動作では、上りリンクサブフレームが相対的に下りリンクサブフレームよりも少ないことからACK/NACKの送信機会が減る場合には問題が生じうる。換言すれば、特定サブフレームを上りリンクサブフレームと見なし、このサブフレームで上りリンクACK/NACKを送信する予定だったが、当該サブフレームを動的に下りリンクサブフレームとして用いることになると、当該上りリンクACK/NACKの送信機会を失うという問題が発生する。
【0065】
このような状況で本発明の動作を適用すると、E−TDD動作によって変更可能なあらゆる上りリンク/下りリンクサブフレーム設定において上りリンクサブフレームの積集合に該当するサブフレームのみが上りリンクサブフレームに設定された特定上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定として設定し、ここで上りリンクACK/NACKを送信する。そのために、eNBはE−TDD動作によって選択され得る上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の候補をUEに知らせることができる。
【0066】
他の観点では、E−TDD動作によって変更可能なあらゆる上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の下りリンクサブフレームの和集合に該当するサブフレームが下りリンクサブフレームとして設定される上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を、代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定として設定し、それによって決定される上りリンクサブフレームで上りリンクACK/NACKを送信する。
【0067】
仮に、上りリンクサブフレームの積集合に正確に対応する上りリンクサブフレーム集合を有する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が存在しないと、当該積集合を部分集合とする上りリンクサブフレームを有する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定のうち、一番多い上りリンクサブフレームを有する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定として選定することができる。
【0068】
同様に、下りリンクサブフレームの和集合に正確に対応する下りリンクサブフレーム集合を有する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が存在しないと、当該和集合を部分集合とする下りリンクサブフレームを有する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定のうち、一番多い下りリンクサブフレームを有するものを、代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定として選定することができる。
【0069】
E−TDD動作によって変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定から、任意の上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定として選ばれても、代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上で上りリンクサブフレームとして設定されたサブフレームは、全ての上りリンク/下りリンクサブフレーム設定において上りリンクサブフレームであるため、上りリンクACK/NACK送信機会が保障される。したがって、代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を選定し、これをE−TDDが動作するコンポーネント搬送波の上りリンク/下りリンクサブフレーム設定と見なしたうえでHARQ動作を行うと、HARQ動作を円滑に行うことができる。
【0070】
図7は、本発明の実施例に係るE−TDDシステムにおける上りリンクACK/NACK送信動作を例示する図である。特に、
図7でeNBは該当の搬送波において上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#1及び上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#2のいずれかを動的に選択して用いると仮定する。
【0071】
図7を参照すると、変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定である上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#1及び上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#2から、上りリンクサブフレームの積集合に該当する代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定として上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#2が選定されていることがわかる。したがって、UEは、上りリンクACK/NACKを、上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#2に従って送信する。すなわち、代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上で上りリンクサブフレームであるサブフレーム#2、サブフレーム#7で上りリンクACK/NACK送信を送信する。
【0072】
図7で、特定下りリンクサブフレーム或いは特別サブフレームで送信されたPDSCHに対する上りリンクACK/NACKは、矢印で連結された上りリンクサブフレームで送信され、ハッチングされたサブフレームは、実際eNBが運営する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定と上りリンクACK/NACKのための代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定との不一致を示している。
【0073】
また、破線で表示された矢印は、実際上りリンク/下りリンクサブフレーム設定と代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定との不一致によって実際には上りリンクACK/NACKが送信される必要のないHARQタイムラインを意味する。
【0074】
上述した本発明の原理は、PUSCHのスケジューリングタイミングを決定する動作にも適用可能である。具体的に、UEが特定下りリンクサブフレーム#nで上りリンクグラントやPHICH NACKを受信すると、上りリンクサブフレーム#n+kでPUSCHを送信するようになるが、サブフレーム#nとサブフレーム#n+k間の関係が上りリンク/下りリンクサブフレーム設定によって決定される。このような場合、特定コンポーネント搬送波でE−TDDシステムを運営すると、サブフレーム#nで上りリンクグラントを送信しても、UEがシステム情報などから、サブフレーム#n+kが下りリンクサブフレームであると認識しているならば、サブフレーム#n+kをPUSCH送信のために用いることが不可能になる。
【0075】
このような状況で本発明の原理を適用すると、E−TDD動作によって変更可能なあらゆる上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上で上りリンクサブフレームの和集合に該当するサブフレームが上りリンクサブフレームとして設定される上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定として設定し、これによってPUSCHのスケジューリング情報(すなわち、上りリンクグラント)送信時点を決定する。
【0076】
これによれば、E−TDD動作によって変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定のうち任意の上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定として設定されるとしても、代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上では上りリンクグラントによるPUSCH送信時点が定義される。
【0077】
仮に、上りリンクサブフレームの和集合に正確に対応する上りリンクサブフレーム集合を有する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が存在しないと、当該和集合を部分集合とする上りリンクサブフレームを有する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定のうち一番少ない上りリンクサブフレームを有するものを代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定に選定することができる。
【0078】
このような方式によって代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を選定し、それをE−TDDシステムとして動作するコンポーネント搬送波の上りリンク/下りリンクサブフレーム設定と見なしたうえでHARQ動作を行うと、HARQ動作を円滑に行うことができる。
【0079】
図8は、本発明の実施例に係るE−TDDシステムにおけるPUSCHスケジューリング動作を例示する図である。
図8も同様、eNBは、該当の搬送波において上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#1及び上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#2のいずかれを動的に選択して用いると仮定する。
【0080】
図8を参照すると、変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定である上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#1及び上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#2の上りリンクサブフレームの和集合に該当する代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定は、上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#1になるため、これによって上りリンクグラント及びPUSCH送信時点が定義される。
【0081】
図8で、特定下りリンクサブフレーム或いは特別サブフレームで送信された上りリンクグラントに対するPUSCHは、矢印で連結されたサブフレームから送信され、ハッチングされたサブフレームは、実際eNBが運営する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定とPUSCH送信時点を処理する代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定との不一致を示している。破線で表示された矢印は、実際上りリンク/下りリンクサブフレーム設定と代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定との不一致によって実際には上りリンクグラントが送信される必要のないHARQタイムラインを意味する。
【0082】
これに類似した原理を、PUSCH送信後にPHICHや再伝送グラント(retransmission grant)を受信する動作にも適用することができる。この場合、PHICHや再伝送グラントが送信され得る機会をE−TDD動作下でも常に保障することが重要なため、E−TDD動作によって変更可能なあらゆる上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上で下りリンクサブフレーム(或いは、特別サブフレーム)として設定されたサブフレームのみ(すなわち、全ての上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の下りリンクサブフレームの積集合に該当するサブフレームのみ)が下りリンクサブフレーム(或いは、特別サブフレーム)として設定される上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定として設定し、ここで、PHICHや再伝送グラントを送信する。
【0083】
他の観点で説明すると、E−TDD動作によって変更可能なあらゆる上りリンク/下りリンクサブフレーム設定のうちいずれかれ一つにおいてでも上りリンクサブフレームとして設定されたサブフレームが(すなわち、変更可能なあらゆる上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の上りリンクサブフレームの和集合に該当するサブフレームが)上りリンクサブフレームとして設定される上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定として設定し、それによって決定される下りリンクサブフレームでPHICHや再伝送グラントを送信する。
【0084】
図9には、本発明の実施例に係るE−TDDシステムにおけるPHICHや再伝送グラントが送信されるタイムラインを示す。特に、
図9は、
図8と同一の状況であると仮定する。
【0085】
上述した動作を行うために、eNBはUEにRRCのような上位層信号或いはSIBのようなシステム情報信号を用いて、特定コンポーネント搬送波で変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の目録を送信することができる。
【0086】
一方、eNBが上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を動的に変化させる上で一定の制約が伴うことがある。既存のUEは、SIBで送信される上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を有効なものと見なして動作するが、仮にeNBがSIB上で下りリンクサブフレームとして設定されたサブフレームを動的に上りリンクサブフレームに変更すると、当該サブフレームでのセル特定参照信号(CRS)の送信を期待する既存UEのCRS測定が大きく歪むという問題が発生する。
【0087】
したがって、eNBがたとえ動的シグナリングを通じて上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を変更しても、SIB上で上りリンクサブフレームとして設定されたサブフレームを下りリンクサブフレームに変換することは許容する反面、SIB上で下りリンクサブフレーム(或いは、特別サブフレーム)として設定されたサブフレームを上りリンクサブフレームに変換することを禁止することができる。このような制約が適用されると、SIB上で設定された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定は、eNBが設定し得る上りリンク/下りリンクサブフレーム設定のうち最大の上りリンクサブフレームを有する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を意味することができ、他の意味として、eNBが設定し得る上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上の上りリンクサブフレームの和集合に該当する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定といえる。
【0088】
したがって、上述した本発明の原理に従えば、eNBが上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を動的に変化する状況でUEの上りリンク送信に対するHARQタイムライン、すなわち、PUSCHのスケジューリングタイミングやPUSCH送信後にPHICHや再伝送グラントを受信する動作は、SIB上で設定された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定に従うことと同一であるといえる。
【0089】
一方、UEの下りリンク送信に対するHARQタイムライン、すなわち、PDSCHに対する上りリンクACK/NACKを送信するタイミングは、SIB上で設定された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定以外のものを使用することが好ましい。仮に、eNBがRRCなどの上位層信号を介して特定の上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を指定し、PDSCHに対する上りリンクACK/NACKを送信するタイミングは、別に指示された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定のものに従うことを命令すると(すなわち、上りリンクACK/NACKのための代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定をeNBが直接指定すると)、これは、別に指示された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が、eNBが選択可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の上りリンクサブフレームの積集合に該当する上りリンクサブフレームを有する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定であることを意味する。
【0090】
したがって、eNBは、上記別に指示された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上で上りリンクサブフレームとして設定されたサブフレームを下りリンクサブフレームになるように設定することが禁止され、UEはこのような設定を誤り(error)と見なして動作することができる。具体的に、eNBが設定可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定は、下記の1)乃至3)の条件を満たすことを意味することができる。
【0091】
1)SIB上で下りリンクサブフレームとして設定されたサブフレームは、実際データチャネル送受信で使用する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上でも下りリンクサブフレームでなければならない。さらに、SIB上で特別サブフレームとして設定されたサブフレームは、実際データチャネル送受信で使用する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上で特別サブフレームでなければならないように制限できる。これは、特別サブフレームもCRSを送信する領域であり、よって、既存UEが特別サブフレームの構成に合うCRS測定を試みるからである。
【0092】
2)下りリンク送信に対するHARQタイムラインのために指示された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上で、上りリンクサブフレームとして設定されたサブフレームは、実際データチャネル送受信で使用する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上でも上りリンクサブフレームでなければならない。
【0093】
3)SIB上では上りリンクサブフレームとして設定されたが、下りリンク送信に対するHARQタイムラインのために別に指示された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上で下りリンクサブフレームとして設定されたサブフレームは、eNBの選択によって、実際データチャネル送受信で使用する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上で下りリンクサブフレームであるか、又は上りリンクサブフレームとして設定することができる。
【0094】
このような1)乃至3)の条件を満たしながら、毎時点で使用する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定をシグナリングする方法は、次のように例示することができる。特に、以下では、実際データチャネル送受信で使用する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定とSIBによって指示された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定とが同一の特別サブフレームの位置を有するように制限されると仮定し、その結果、下りリンク−上りリンクスイッチング周期は、SIB上での上りリンク/下りリンクサブフレーム設定によって決定することができる。
【0095】
このとき、各スイッチング周期別に上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を分類し、さらに下りリンクサブフレームの個数によって整列すると、下記の表4のようにグルーピングすることができる。
【0097】
表4を参照すると、eNBは、RRCやMACのような上位層信号、或いは物理層信号を介して上記の表4のインデックスをUEに知らせることによって、実際データチャネル送受信で使用する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を指示することができる。
【0098】
このとき、シグナリングされるインデックスの最小値はSIB上の上りリンク/下りリンクサブフレーム設定によって指定することができる。例えば、SIB上で上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#6が指示されたなら、最小のインデックスは#1になり、インデックス#0は使用できない。
【0099】
また、シグナリングされるインデックスの最大値は、下りリンク送信に対するHARQタイムラインのために指示された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定によって指定することができる。例えば、下りリンク送信に対するHARQタイムラインのために指定された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#1であれば、最大のインデックスは#2になり、インデックス#3は使用できない。
【0100】
この動作の変形として、eNBは、SIB上の上りリンク/下りリンクサブフレーム設定によって指定される最小のインデックスからのオフセット値をシグナリングし、実際データチャネル送受信で使用する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を指示することができる。例えば、SIB上で上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#6が指示されたなら、最小のインデックスは#1になり、eNBがインデックスオフセット値を1とシグナリングしたなら、インデックス#2に該当する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#1が該当の時点で実際使用する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定になる。
【0101】
勿論、変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定がその範囲として与えられてもよい。すなわち、SIBで指示された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を基準に、変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の範囲が与えられてもよい。
【0102】
一方、搬送波集成技法が適用された場合、集成された全てのコンポーネント搬送波に適用し得る代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の定義が必要である。このような代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定は、各コンポーネント搬送波の代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を用いて、上述した方法を適用して全体コンポーネント搬送波に適用される代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を選定することができる。E−TDDが適用されないコンポーネント搬送波では、一つの上りリンク/下りリンクサブフレーム設定のみが存在できるため、それを当該コンポーネント搬送波の代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定と見なせばいいことは勿論である。eNBが代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を直接指定する場合、特に、下りリンクHARQのためにeNBが各コンポーネント搬送波別に代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を指定し、この代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を有する搬送波が集成された場合に、代表上りリンク/下りリンクサブフレームを設定する方式によって代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を選定するように動作することができる。
【0103】
或いは、各コンポーネント搬送波別に変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を全て列挙して全体コンポーネント搬送波上で変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を規定し、これに基づいて、上述した原理を適用してコンポーネント搬送波の全体を代表する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を選定することもできる。eNBが代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を直接指定する場合には、特に、下りリンクHARQのために全体コンポーネント搬送波が結合された状況で使用する代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を指定することができる。
【0104】
ここで、全体コンポーネント搬送波上の代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を選定するときには、全てのコンポーネント搬送波ではなくHARQ動作に直接関与するコンポーネント搬送波のみを対象にすることもできる。例えば、上りリンクACK/NACKに対する代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を選定する場合、上りリンクACK/NACKがPCellのみで送信されるとすれば、上りリンクACK/NACKを送信するPCell(すなわち、プライマリコンポーネント搬送波)とPDSCHを受信するスケジューリングされたセル(すなわち、セカンダリコンポーネント搬送波)のみを考慮して、当該搬送波集成技法に対する代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を選定することができる。
【0105】
これと同様に、PUSCHスケジューリングタイミングやPHICHタイミングのための代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を選定する場合にも、当該PUSCHを送信するセルとこれに対する上りリンクグラントやPHICHを受信するセルのみを考慮して、当該搬送波集成技法に対する代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を選定することができる。
【0106】
上りリンクHARQがSIB上の上りリンク/下りリンクサブフレーム設定に従うとすれば、上りリンクHARQのための代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定は、当該コンポーネント搬送波の上りリンクをスケジューリングするコンポーネント搬送波のシステム情報メッセージ上で設定された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定に該当できる。
【0107】
以下では、代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を設定する他の具体的な方法を提示する。以下では、説明の便宜のために、E−TDD動作が行われるコンポーネント搬送波をCC #Xと表示し、SIBを通じて設定される当該CC #Xに対する上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Xと表示する。また、以下で説明する本発明の動作は、搬送波集成技法が適用された場合、eNBがいずれか一方のCC(例えば、SCell)でE−TDD動作を行う場合にも適用可能であり、搬送波集成技法を適用しないで単一のコンポーネント搬送波でE−TDDを動作する場合にも適用可能である。
【0108】
(a)第一の方法として、E−TDD動作が行われるCC #Xに対して、変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の範囲が予め定義されている場合、CC #Xの上りリンクACK/NACK送信のための代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Xと見なし、当該上りリンクACK/NACK送信は、上記の見なされた上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Xの上りリンクACK/NACK送信タイムラインに従って行われる。
【0109】
(b)第二の方法として、E−TDD動作が行われるCC #Xに対して変更可能な上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の範囲が予め定義されている場合、CC #XのPUSCH送信(或いは、PUSCH再伝送)タイムラインは、上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Xを除く残りの上りリンク/下りリンクサブフレーム設定において上りリンクサブフレームの和集合に該当するサブフレームを含む特定上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Yと、上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Xとの関係によって定義されるようにすることができる。
【0110】
例えば、上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Xの上りリンクサブフレーム集合が上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Yの上りリンクサブフレーム集合を含む場合、CC #XでPUSCH送信(或いは、PUSCH再伝送)のために設定される代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を、上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Xと見なし、当該PUSCH送信(或いは、PUSCH再伝送)は上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Xのタイムラインに従うようにすることができる。
【0111】
一方、上記の上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Xの上りリンクサブフレーム集合が上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Yの上りリンクサブフレーム集合を含まない場合、CC #XでPUSCH送信(或いは、PUSCH再伝送)のために設定される代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を、上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Yと見なし、当該PUSCH送信(或いは、PUSCH再伝送)は上りリンク/下りリンクサブフレーム設定#Yのタイムラインに従うようにすることができる。
【0112】
(c)第三の方法は、E−TDD動作が行われるCC #Xが予め定義された他のコンポーネント搬送波からクロス搬送波スケジューリング(Cross Carrier Scheduling;CCS)を受けるように設定された場合を仮定する。このような状況で、CC #Xをスケジューリングする、スケジューリングコンポーネント搬送波の代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定とCC #Xの代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定との関係によって、CC #Xの上りリンクACK/NACK送信或いはPUSCH送信(或いは、PUSCH再伝送)のためのタイムライン(すなわち、最終代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定)を定義することができる。勿論、PCellのようなスケジューリングコンポーネント搬送波がE−TDD動作が行われないと設定された場合には、SIBを通じて設定された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定がスケジューリングコンポーネント搬送波の代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定として設定されてもよい。
【0113】
例えば、上りリンクACK/NACK送信のための代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の観点からみると、CC #Xで上りリンクACK/NACK送信のために設定される最終代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を、スケジューリングコンポーネント搬送波の代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定と見なすことができる。この場合、CC #Xで上りリンクACK/NACK送信は、上記の見なされた最終代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の上りリンクACK/NACK送信タイムラインに従うことができる。
【0114】
同様に、PUSCH送信(或いは、PUSCH再伝送)のための代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の観点からみると、スケジューリングコンポーネント搬送波の代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の上りリンクサブフレーム集合がCC #Xの代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の上りリンクサブフレーム集合を含む場合、CC #X上のPUSCH送信(或いは、PUSCH再伝送)のために設定される最終代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を、スケジューリングコンポーネント搬送波の代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定と見なすことができ、この場合、当該PUSCH送信(或いは、PUSCH再伝送)は、上記の見なされた最終代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定のタイムラインに従って行われるようにすることができる。
【0115】
一方、スケジューリングコンポーネント搬送波の代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の上りリンクサブフレーム集合がCC #Xの代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定の上りリンクサブフレーム集合を含まない状況では、CC #X上のPUSCH送信(或いは、PUSCH再伝送)のために設定される最終代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定をCC #Xの代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定と見なすことができ、当該PUSCH送信(或いは、PUSCH再伝送)は、上記の見なされた最終代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定のタイムラインに従って行われるようにすることができる。
【0116】
(d)第四の方法として、仮に、E−TDD動作が行われるCC #Xが自己スケジューリング技法(Self Scheduling)で動作する場合、上述した第一或いは第二の方法を用いてCC #X上の上りリンクACK/NACK送信或いはPUSCH送信(或いは、PUSCH再伝送)のためのタイムラインが定義されるように規則を定めることができる。
【0117】
(e)第五の方法は、CC #XがE−TDDの用途に設定され、当該CC #Xが他のコンポーネント搬送波からクロス搬送波スケジューリングを受けるように設定された場合を仮定する。この場合、スケジューリングコンポーネント搬送波からCC #X上にクロス搬送波スケジューリングベースのPDSCHスケジューリングが可能な(下りリンク)サブフレームは、スケジューリングコンポーネント搬送波の代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定とCC #Xの代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定においていずれも下りリンク用途に指定されたサブフレームに限定することができる。勿論、PCellのようなスケジューリングコンポーネント搬送波がE−TDD動作が行われないと設定された場合には、SIBを通じて設定された上りリンク/下りリンクサブフレーム設定がスケジューリングコンポーネント搬送波の代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定として設定されてもよい。
【0118】
又は、スケジューリングコンポーネント搬送波からCC #X上にクロス搬送波スケジューリングベースのPDSCHスケジューリングが可能な(下りリンク)サブフレームは、スケジューリングコンポーネント搬送波の代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定とCC #Xの代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定がいずれも下りリンク用途に指定されたサブフレーム時点であるとともに、上記の第三の方法で導出されたCC #X上の上りリンクACK/NACK送信のための最終代表上りリンク/下りリンクサブフレーム設定ベースの上りリンクACK/NACK送信時点が定義された下りリンクサブフレームであるという条件を同時に満たすサブフレームに限定してもよい。
【0119】
図10は、本発明の一実施例に係る通信装置のブロック構成図である。
【0120】
図10を参照すると、通信装置1000は、プロセッサ1010、メモリー1020、RFモジュール1030、ディスプレイモジュール1040、及びユーザインターフェースモジュール1050を備えている。
【0121】
通信装置1000は、説明の便宜のために例示されたもので、一部のモジュールは省略されてもよい。また、通信装置1000は、必要なモジュールをさらに備えてもよい。また、通信装置1000において、一部のモジュールはより細分化したモジュールにしてもよい。プロセッサ1010は、図面を参照して例示した本発明の実施例に係る動作を実行するように構成される。具体的に、プロセッサ1010の詳細な動作は、
図1乃至
図9に記載された内容を参照されたい。
【0122】
メモリー1020は、プロセッサ1010に接続し、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラムコード、データなどを格納する。RFモジュール1030は、プロセッサ1010に接続し、基底帯域信号を無線信号に変換したり、無線信号を基底帯域信号に変換する機能を担う。そのために、RFモジュール1030は、アナログ変換、増幅、フィルタリング及び周波数アップ変換、又はこれらの逆過程を行う。ディスプレイモジュール1040は、プロセッサ1010に接続し、様々な情報をディスプレイする。ディスプレイモジュール1040は、次に制限されるものではないが、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)のような周知の要素を用いることができる。ユーザインターフェースモジュール1050は、プロセッサ1010に接続し、キーパッド、タッチスクリーンなどのような周知のユーザインターフェースの組合せで構成することができる。
【0123】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部K構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含めたりしてもよいことは明らかである。
【0124】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現では、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0125】
ファームウェアやソフトウェアによる具現では、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態として具現されてもよい。ソフトウェアコードは、メモリーユニットに記憶され、プロセッサにより駆動可能である。メモリーユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0126】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化されてもよいことが当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定しなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。