(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
低ヘイズ低色調状態は第1の電圧波形の印加により生じ、低ヘイズ高色調状態は第2の電圧波形の印加により生じ、高ヘイズ高色調状態は第3の電圧波形の印加により生じることを特徴とする請求項1に記載の液晶光可変装置。
前記装置は、低ヘイズ低色調状態、低ヘイズ高色調状態、あるいは、高ヘイズ高色調状態間に、少なくとも1つの中間状態を含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶光可変装置。
低色調状態と高色調状態間の移行、または、低ヘイズ状態と高ヘイズ状態間の移行は、印加電圧波形の連続的又は段階的な変化によって実現されることを特徴とする請求項1に記載の液晶光可変装置。
前記装置は1つまたは複数の領域を有し、各領域は、請求項1に記載の液晶セルを1つ有し、他の領域とは独立して動作し、ある状態から他の状態に独立して移行可能であることを特徴とする請求項1に記載の液晶光可変装置。
請求項1に記載の液晶光可変装置の操作により、透明状態を実現するために視覚装置に第1の電圧波形を印加し、着色状態を実現するために視覚装置に第2の電圧波形を印加し、不透明状態を実現するために視覚装置に第3の電圧波形を印加することを特徴とする、装置の光透過を変化させる方法。
可変光透過装置であって、基板上に第1導電層を有する第1の基板と、基板上に第2導電層を有する第2の基板と、前記第1と第2の導電層間に配置された、重合体不使用の液晶と二色性染料との混合物(イオン不純物を含む)と、前記第1と第2の導電層に可変の所定電圧及び周波数を有する所定の電圧波形を供給するように構成された電源とを含み、
第1の電圧波形を印加すると、前記液晶二色性染料混合物は前記第1と第2の基板に対して実質的に垂直にアライメントして、低ヘイズ低色調状態を達成し、
第2の電圧波形を印加すると、前記液晶二色性染料混合物は前記第1と第2の基板に対して実質的に平行にアライメントして、低ヘイズ高色調状態を達成し、
第3の電圧波形を印加すると、前記液晶二色性混合物が実質的に動的散乱となり、高ヘイズ高色調状態を達成することを特徴とする可変光透過装置。
前記装置は、2つ以上の領域を有する分割画面構成を備え、各領域は個別の電源を有し、いかなる他の領域とも独立して、低ヘイズ低色調状態、低ヘイズ高色調状態、または、高ヘイズ高色調状態のいずれか1つで動作可能であることを特徴とする請求項18に記載の光透過装置。
【背景技術】
【0002】
光透過および反射の挙動を制御することは、フラットパネルディスプレイ、スマートアーキテクチャ窓および壁、アイウエア、無数の軍事装置などの異種技術を含む多くの技術の基礎である。
【0003】
液晶(LC:liquid crystal)は、電気光学用途に使用されてきており、多くの市場、特に情報ディスプレイとプライバシ窓用途において商業的成功を見出してきた。それらの動作は、それぞれがそれ自身の性能基準を有するいくつかの個別機能領域に分類される。
【0004】
従来技術においては、液晶材料の様々な属性を利用するライトバルブ装置の多くの例がある。本発明に特に関連するのは、これを達成するための2つの明確に異なる手法である。これらは吸収または散乱のいずれかに分類され得る。
【0005】
一吸収系はツイストネマチック、スーパーツイストネマチックを含み、同様な液晶ベース装置は光透過または反射を制御するために偏光子を採用する。これらの系では、光の透過の変化はヘイズ(haze)または散乱の非常に小さい変化を伴う。換言すれば、上記系は優先的に、全ての動作状態において低散乱またはヘイズを有するように設計される。実際、散乱またはヘイズの付加は分極状態を寄生的に変え得るので系の性能に有害な影響を与え得る。
【0006】
例えば米国特許第6,239,778号明細書などのゲストホスト系として知られる別の吸収系は二色性染料「ゲスト」と一緒に非分散液晶ホストを採用する。この装置では、液晶の配向方向を再アラインメントするために電界が使用される。液晶材料の光学軸が再アラインメントされると、液晶材料の光学軸はまた、ゲスト色素分子の分子軸を再アラインメントし、装置の実効光吸収率を変更する。したがって、電界を制御することにより、「装置が光を吸収する程度」を変更し得る。異なる波長の光に対して異なる吸収率を有する染料を選択することにより、その見かけの色または色調(tint)が電界の印加によって制御され得る装置を生成し得る。これは、可変光減衰二色性染料ゲストホスト(variable light attenuating dichroic dye guest host)として当該技術分野において知られている。これらの系は通常、高い光学的透明性が所望の特徴である用途において使用される。偏光子ベースの系と全く同様に、これらの装置は、非常に少ない散乱またはヘイズの変化でもって動作する。偏光子ベースの系と同様に、散乱は回避されるべき寄生効果である。
【0007】
吸収ベースの系とは対照的に、第2の種類の装置は、散乱効果をそれ自身の動作のために利用する。これらの装置では、光透過は、かなりの量のヘイズを誘発することにより制御される、または系内の散乱は、重合体分散型液晶(PDLC:polymer dispersed liquid crystals)またはNCAPなどの液晶液滴、または重合体安定化コレステリックテクスチャ(PSCT:polymer stabilized cholesteric texture)などのフォーカルコニックテクスチャ、または電気流体力学により誘発される動的乱れにより引き起こされる。PDLC、NCAP、PSCTは、重合体を含み、したがって、その低ヘイズ状態においても、多くの光学的用途には許されないいくらかの残留ヘイズを呈示する。動的散乱ベースの装置は、ネマティック液晶内に強烈に乱れた流体流れを(電界によって)誘発することにより、ネマティック液晶を通過し得る光の量を制御する。ホスト液晶の配向方向(したがってその光学軸)は流体流れへ結合されるので、上記乱れは光学軸方向において持続的でありかつ大きな時間的および空間的変動を生成する。これらの変動は、液晶に入った光のほとんどがその方向と分極状態を変えること無く出ないように光を強烈に散乱する。電界が取り除かれると、液晶は透明な状態へ戻る。これらの系は、視覚映像を観察者から排除するヘイズ膜を生成し、したがって光学的透明性が必要で無い場合に利用される。染料を系へ添加し得るが、その機能は単に色を導入するまたは散乱効果を改善することである。
【0008】
材料の種類と光制御の方法のどちらを選択するかは特定用途に依存するが、入射光への影響が著しく異なるので、通常はいずれか一方または別の種類が使用される。しかし上記方法のいずれかだけでは対処し得ない多くの用途が存在する。換言すれば、この用途は、透過率の、散乱無し変化(scatter free change)および散乱ベース変化の両方を必要とするだろう。さらに、いくつかの用途は、ほとんどの光制御技術で実現するのがしばしば容易ではない特定のフェイルセーフ要件を有する。
【0009】
例えば、最近の関心は、装着されるとユーザがその環境を見ることができるだけでなく装着者の眼の近くの装置上に表示される画像を見ることができるようにする透明なニアアイ(near−eye)表示装置にある(例えば、ヘルメット搭載ディスプレイまたはGoogle Glassなどのアイウエア装置)。このような用途では、表示画像の質は、環境光の量に依存し、したがって眼に到達する環境光の量をユーザが低減できるようにすることは環境光が明るい場合に有利である。環境光を調整することで、表示画像の明るさが同じままであるようにする。場合によっては、ユーザが表示画像に「没頭する」ようにいかなる環境光も眼へ到達しないように完全に阻止することが有利である。
【0010】
別の用途としては、弱視、斜視などの様々な眼の状態の治療用眼鏡を提供することが挙げられる。この治療は、他方の(「弱い」)眼をより働かせるために一方の眼の視力を定期的に妨げることが必要である。現在の治療は強い眼の上にパッチを配置することを含むが、この方法は、低患者コンプライアンス、視力低下(強い眼が覆われるので)、逆転現象、正常な立体視力の阻害等を含む多くの固有問題を有する。「透過と非透過」状態間で駆動され得る液晶層を採用する眼鏡がこの用途に使用されてきた(例えば、米国特許第6,511,175号明細書と米国特許第4,967,268号明細書参照)。通常、これらの系は、低透明性を実現するために様々な偏光子と位相差板を使用しなければならなかった。しかし、追加偏光子の使用は、偏光子がその名の通りこれらの用途に望まれない「入射光の50%」を阻止するので最も透明な状態においてでさえ装置を透過する光量を低減する。
【0011】
上記欠陥に対処する別のやり方は、互いに重ねられた2つの異なる液晶装置を積層することである。この場合、第1の装置は第1の駆動回路により駆動されて散乱またはヘイズの変化無しにその透過率を変え、第2の駆動回路により駆動されるであろう第2の装置は印加電圧によりその散乱状態を変えるだろう。
【0012】
当業者は、これらの解決策が生産のコストと複雑性と装置の重量とを著しく増加するだろうということを理解する。さらに、この装置も同様に機能しないであろう、これは、2つ以上の系を縦列法で組み合わせることは系が常に両方の技術の欠点を担持することを意味するからである。
【0013】
したがって、単一装置内でこれらの仕事を達成することができる必要性と願望がある。換言すれば、透明状態(最小ヘイズと最大透明度)と最大不透明状態(最大光吸収および散乱)との間で切り替わり得る単一装置を実現するために、透明低色調−高色調液晶装置の機能と第2のグループの液晶装置の透明−不透明性能力とを組み合わせる。加えて、最小ヘイズを有する可変色調をさらに有し得る装置を有することが望ましいかもしれない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本出願は、2つの光管理(吸収と散乱)方法を独立に行い得る材料と系を開示する。換言すれば、このような装置は、同じ材料中で動的散乱系とゲストホスト系の両方を行い得る。これは、電気光学光制御(エレクトロクロミック動力学(Electro−Chromo−Dynamic)すなわちECD系)に対する新規な手法により実現される。特に、本発明の1つの目的は、動的散乱機構によりまたは著しい散乱またはヘイズの無い光の吸収によりのいずれかにより光の透過を制御し得る装置であって、散乱光を吸収することができる薬剤の添加により可能にされる改善されたコントラストを有する装置を提供することである。
【0015】
特に、ECD装置は、入射光の吸収または散乱を選択的に変える方法を提供することにより2つまたは3つの光制御状態:透明(低ヘイズ)、不透明(高ヘイズ)、着色(低ヘイズ)間の移行を可能にする。
【0016】
したがって、本明細書で提供されるのは、1つまたは複数の液晶セルを含む液晶装置であり、各液晶セルは、液晶材料のエレクトロクロミック動力学(ECD)混合物と、液晶分子の動的散乱を誘発することができる1つまたは複数の二色性染料と、1つまたは複数のイオン材料とを有する。ECD混合物は第1と第2の基板間に挿入され、各基板はその上に配置された導電層を有する。電圧源が、液晶セルの両端に電圧波形を印加するための導電層と結合される。装置は、第1の電圧波形の存在下でECD混合物分子が低色調低ヘイズ(「透明」)状態を実現するために最大透明度方向に配向されるように、構成される。第2の電圧波形が印加されると、ECD混合物分子は、高色調高ヘイズ(「不透明」)状態を実現するために動的散乱を受ける。
【0017】
別の実施形態では、装置は、第3の電圧波形が印加されるとECD混合物分子が高色調低ヘイズ(「着色」)状態)を実現するために光を吸収するように配向するように、構成される。
【0018】
いくつかの実施例では、装置内の液晶材料は、電圧が無い場合(V1=0)または第1の電圧波形が所定の電圧閾値値未満の振幅を有する場合に装置が透明状態となるように負の誘電異方性を有する。
【0019】
他の実施例では、液晶材料は正の誘電異方性を有し、したがって装置は電圧が無い場合(V3=0)またはV3が所定の電圧閾値未満の振幅を有する場合に着色される。この実施形態では、第1の電圧波形(装置を透明状態に駆動する)は所定の電圧閾値以上の振幅と所定周波数閾値以上の周波数を有する。
【0020】
したがって、本明細書で説明するのは、異なる電界状態下の2つ(透明と不透明)の光学状態または3つ(透明−不透明−着色)すべての光学状態との間で移行し得る電気作動式液晶ライトバルブ装置に関する様々な技術である。
【0021】
1つの状態からの別の状態への遷移は、突然(介在状態無しに1つの状態からの別の状態へ切り替わることにより)または段階的(色調および/または不透明性を徐々に増加または低下し、1つまたは複数の中間状態となることにより)であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、不透明のレベルまたは色調のレベルまたはその両方は印加される電圧波形依存して可変である。したがって、いくつかの実施形態では、装置は2以上の様々な状態間に少なくとも1つの中間状態を含む。
【0022】
この場合、電圧波形は、段階的に(個別の段階を使用して)、または徐々に(1つの中間状態からの別の中間状態へスムーズな遷移を与えるように小さな増分を使用して)、またはそれらの組み合わせで変更され得る。
【0023】
電圧波形または電場は、自動的に、手動で、または手動/自動組み合わせとして印加され得る。
【0024】
各基板はその上に配置された導電層を有する。加えて、各基板は液晶分子のアライメントを助けるためのアライメント層を有し得る。
【0025】
用途に依存して、装置の液晶セル基板はガラス、プラスチック、または任意の他の光学的に透明な材料で作られ得る。
【0026】
ECD混合物は望ましくない光学テクスチャを回避するために重合体を含まない。但し、ある状況では重合体マトリクスが混合物へ添加され得る。
【0027】
装置はまた、偏光子を含まない(その動作のための偏光子を必要としない)。但し必要に応じ、偏光子が追加され得る。装置は、追加の非二色性染料(例えば、フォトクロミック染料)などの他の追加成分を有し得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、液晶材料と1つまたは複数の二色性染料との混合物は0.7を越える秩序パラメータSを有する。
【0029】
いくつかの実施形態では、液晶材料は1.5未満のピッチ比(d/p)までの厚さを有する。
【0030】
いくつかの実施形態では、液晶材料は0.04以上の複屈折率を有する。
【0031】
いくつかの実施例では、低ヘイズ低色調状態の装置は40%以上の光透過率を有する。
【0032】
いくつかの実施例では、低ヘイズ高色調状態の装置は30%以下の光透過率を有する。
【0033】
様々な実施例では、低ヘイズ低色調または低ヘイズ高色調状態の装置のヘイズ値は15%未満であり得、高ヘイズ高色調状態の装置のヘイズ値は15%以上であり得る。
【0034】
様々な実施例では、高ヘイズ状態から低ヘイズ状態への遷移時間は5、10、15、20、30、40、50または60秒未満である。この遷移時間は、フォーカルコニックテクスチャタイプの散乱を利用する装置の遷移時間と比較して、動的散乱の利点である。
【0035】
本発明の装置の用途は、アイウエア装置、眼保護装置、頭またはヘルメット搭載ディスプレイなどのニアアイ表示装置、窓、またはミラー(例えば、浴室ミラーまたは車両、オートバイ、飛行機などのリアビューミラー)などの一部として装置を利用する、またはこれらと一緒に装置を利用することを含む。
【0036】
いくつかの用途では、装置は、それぞれの領域が、本発明による液晶セルを有し、独立に動作させられ得、他の領域とは独立に1つの状態からの別の状態へ移行し得る1つまたは複数の領域を有し得る。したがって、例えば、装置の第1の部分は環境光が観察者に到達できるようにする透明または着色状態になり得、一方、第1の部分とは独立に、装置の第2の部分は例えば、表示画像が観察者により見えるようにするまたは一方の眼の視力を妨げる不透明状態であり得る。
【0037】
したがって、また本明細書で企図されるのは、装置の一部がディスプレイとして使用される装置である。
【0038】
いくつかの実施例では、装置は、それぞれの領域が個別の電源を有し、いかなる他の領域とも独立に前述の低ヘイズ低色調、低いヘイズ高色調、または高ヘイズ高色調状態のうちの1つで動作することができる2つ以上の領域を有する分割画面構成を有する。
【0039】
また、本明細書で企図されるのは、それぞれのレンズが他のレンズとは別個に動作させられることができる本発明による1つのセルを担持する2つのレンズを有する眼鏡である装置である。一方の眼の視力が定期的に妨げられるこのような装置は通常、弱視など様々な眼の状態の治療のために使用される。
【0040】
また、企図されるのは、本発明による液晶光可変光学装置を動作させることにより装置の光透過率を変える方法である。本方法は電圧波形の印加により装置を透明状態から不透明状態へ駆動する工程を含む。
【0041】
本方法はさらに、異なる電圧波形が印加されると装置を透明状態または不透明状態から着色状態へ駆動する工程を含み得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、異なる電圧波形を印加することにより装置の不透明度および/または色調を変更する工程を含む。いくつかの実施形態では、電圧波形は予め選択される。電圧または電場は、自動的に、手動で、または手動/自動組み合わせとして印加され得る。
【0043】
したがって、いくつかの実施例では、第1の電圧波形(透明状態を生じる)は0電圧から第1の電圧閾値までである。他の実施形態では、第2の電圧波形(着色状態を生じる)は0電圧から第2の電圧閾値までである。様々な実施例では、不透明状態から透明状態への遷移時間は5、10、15、20、30、40、50または60秒未満である。
【0044】
装置の電源または制御装置は可変所定電圧および周波数の所定電圧波形を液体セル基板の導電層へ供給するように構成される。
【0045】
上記概要は、本明細書で論述される系および/または方法のいくつかの態様への基本的理解を与えるために単純化した概要を提示する。この概要は本明細書で論述される系および/または方法の広範な概要ではない。このような系および/または方法のキー/クリティカル要素を特定するまたはその範囲を線引きすることを意図していない。その唯一の目的は、後で提示されるさらに詳細な説明の前置きとして単純化した形式でいくつかの概念を提示することである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
次に、電気作動式液晶ライトバルブ装置に関連する様々な技術が添付図面を参照して説明される。ここでは本明細書を通して同じ要素を指すために同じ参照符号が使用される。以下の説明では、説明の目的のために、1つまたは複数の態様への完全な理解を与えるために多くの特定の詳細が説明される。しかし、このような態様がこれらの特定の詳細無しに実施され得るということは明らかであろう。場合によっては、1つまたは複数の態様の説明を容易にするために、周知の構造および装置がブロック線図の形式で示される。さらに、あるシステム構成部品により行われるとして説明された機能は複数の部品により行われ得るということを理解すべきである。同様に、例えば、複数の部品により行われるとして説明された機能を行うように1つの部品が構成され得る。
【0048】
さらに、用語「または」は排他的な「または」よりもむしろ包括的「または」を意味するように意図されている。すなわち、特記しない限りまたは文脈から明白でない限り、語句「XはAまたはBを採用する」は自然な包括的並べ替えのうちの任意のものを意味するように意図されている。すなわち、語句「XはAまたはBを採用する」は次の例のうちの任意のものにより満足される。XはAを採用する、XはBを採用する、または、XはAとBの両方を採用する。加えて、本出願と添付の特許請求の範囲で使用される冠詞は一般的に、単数形式に向けられるということを特記しない限りまたは文脈から明白でない限り、「1つまたは複数」を意味するように解釈されるべきである。
【0049】
本明細書に参照として援用されるのはLiquid Crystal:Applications and Uses,by Birenda Bahadur,published by World Scientific,1992である。本出願に参照されるすべての用語は別途規定しない限り、Liquid Crystal:Application and Usesに照らして解釈されるべきである。
【0050】
本明細書において提供されるのは、様々な電界状態下で別個の光学状態を呈示する電気作動式光可変装置とその方法である。本装置は、低ヘイズ低色調状態(「透明状態」)、または低ヘイズ高色調状態(「着色状態」)、または高ヘイズ高色調状態(「不透明状態」)のうちの2または3の状態で動作し得、電圧波形の印加により1つの状態から別の状態へ駆動される。加えて、いくつかの実施形態では、各状態のヘイズおよび色調の量は印加される電場を変更することにより変更され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、装置は中間着色状態を有すること無く透明状態から不透明状態へ行くように簡略化されたやり方で動作させられる(
図1A)。他の実施形態では、装置は3状態すべて(透明−不透明−着色)の間で遷移するように動作させられる(
図1B)。
【0052】
したがって、第1の電圧波形を印加すると低ヘイズ低色調状態が発生し、第2の電圧波形を印可すると高ヘイズ高色調状態が発生し、第3の電圧波形を印可すると低ヘイズ高色調状態が発生する(
図1Aと
図1Bを参照)。
【0053】
上記特性は、液晶材料と装置の光吸収/透過率を変えるために液晶分子とアライメントすることができる1または複数の二色性染料とを含む液晶セルを設けることにより実現される。加えて、混合物は、特定電圧および/または周波数を有する予め選択された電圧波形が印加されると混合物に動的散乱または流れを受けさせるように選択された1または複数のイオン材料を含む。
【0054】
(定義)
「ヘイズ」または「ヘイズ度(haziness)」は媒体による光の単純な散乱であり、散乱は曇った外観を生じる。ヘイズのタイプは観察者が対象を観察するやり方に依存する。本明細書で使用される用語「ヘイズ」と「ヘイズ値」は光学装置の透過ヘイズを指す。
【0055】
「透過ヘイズ」は透過の際に観察される光学装置の表面からの光の前方散乱として定義される。「透過ヘイズ」は、透明またはやや半透明な材料を通過する光を見ることにより同材料が観察されるときのヘイズを指す。通常、試料中を後方散乱される光は含まれない。ヘイズは、入射光方向から一定角度より大きな角度で散乱した光の百分率である。ヘイズを測定する際、全透過光(T
total)に対する拡散散乱光(T
diffuse)の百分率は次のように報告される。
%ヘイズ=T
diffuse×100/T
total
ここで、T=%透過率。
【0056】
例えば、ヘイズ値はBYK−Gardner Haze Meter(BYK Gardner USA,Columbia,MD)により測定されるような値であり得る。
【0057】
「低ヘイズ」はヘイズ値が最小(通常は15%未満)である状態を指す。いくつかの実施形態では、ヘイズ値は10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%以下である。
【0058】
「高ヘイズ」は15%以上である最大ヘイズ値を有する状態を指す。いくつかの実施例では、ヘイズ値は20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%以上である。いくつかの実施例では、ヘイズ値は最大100%であり得る。
【0059】
「低色調」は装置が最大光透過率(通常は40%以上の光透過率)を有する状態を指す。いくつかの実施形態では、低色調状態の光透過率は45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%以上である。
【0060】
「高色調」は、装置が通常は30%以下である最小光透過率を有する状態を指す。いくつかの実施形態では、高色調状態の光透過率は25%、20%、15%、10%または5%以下である。
【0061】
「液晶材料」と「液晶ホスト材料」は交換可能に使用され、負の誘電異方性を有する液晶、または正の誘電異方性を有する液晶、または二周波駆動液晶を指す。
【0062】
「二色性染料」と「二色性染料ゲスト材料」は、交換可能に使用され、正の二色異方性を有する染料を指す。
【0063】
「電圧信号」は、所定の電圧振幅と周波数を有する電気信号を指し、セルギャップによる「電界」に関係する。
【0064】
本明細書で使用される「電圧波形」は予め選択された一連の印加電圧信号を指す。したがって、電圧波形は1つまたは複数の電圧信号で形成される。この用語はAC信号またはDC電圧(周波数=0を有する)として印加される電圧信号を含む。AC信号として印加される場合、電圧信号は100KHz以下の周波数を有する。いくつかの実施形態では、AC周波数は10KHz、1KHz、500Hzまたは100Hz以下である。
【0065】
用語「電圧」と「電圧振幅」は交換可能に使用され、電圧波形の振幅を指す。
【0066】
(説明)
ここで添付図面を参照すると、
図1は、電気作動式液晶ライトバルブ装置が有し得る様々な状態を示す。
図2は、電圧源または制御装置108へ接続される光可変液晶セル100を含む液晶光可変装置10の断面表現である。
【0067】
セル100は、一対の対向基板102aと102b間に挿入された液晶材料と二色性染料106との混合物を含む。ほとんどの実施形態では、混合物は重合体を含まない。導電性または電極膜104a、104bは各基板102a、102bの内面上にそれぞれ配置される。電極膜104aと104bは導電性であり、インジウムスズ酸化物、導電性重合体などの材料から形成され得る。アライメント層105a、105bは導電層104a、104bの内面上にそれぞれ設けられ得る。アライメント層105aと105bは両基板間に配置された液晶材料の方位を制御するために設けられる。制御装置108は各導電層104a、104bへ接続されており、セルの両端に電圧波形を印加するように構成される。セルは偏光子を含まない(動作するために偏光子を必要としない)。但しいくつかの実施形態では偏光子は特定用途の装置へ追加され得る。
【0068】
液晶材料はネマティックまたはキラルネマチック(コレステリック)液晶であり得る。後者は、所望のピッチ長を生成するためのドーパントとしてカイラル添加剤を有するネマティックである。好適なネマティック液晶およびカイラル材料が市販されており、本開示に照らし当業者には知られるであろう。
【0069】
液晶材料と、光可変液晶装置内のセルギャップおよびアライメント層などの装置構成の選択は、「装置はフォーカルコニック、指紋などの望ましくないテクスチャの形成無しに光学的許容可能な低ヘイズ状態(透明または着色)と高ヘイズ状態(不透明)との間で遷移できなければならない」という原理に基づく。
【0070】
一実施形態では、アラインメント誘発基板は、印加電圧が無い場合、液晶を基板に垂直な光学軸に配向させる。これは、所謂「ホメオトロピック」配向として当該技術分野においてよく知られている。
【0071】
また、この実施形態では、液晶ホスト材料中に溶解された光吸収物質または二色性染料は、「液晶材料中に溶解されると染料と液晶の光学軸に平行な偏極を有する光の大部分を吸収する」という特性を有する(すなわち、染料の吸収係数(断面)は、液晶ディレクタ(director)方向に配向した軸に沿ってより高い)。この特性は当該技術分野では「二色性」として知られている。用語「二色性染料」は本明細書では、単一染料または、それぞれが別個の二色特性を有する複数の染料を含むように使用される。
【0072】
また、この実施形態では、液晶ホストは、「液晶の光学軸に平行に印可された電界または電圧に対する誘電率は電界が液晶の光学軸に垂直に印加される場合の誘電率より大きい」という特性を有する材料から選択され得る。代替的に、従来の液晶材料は、適切な波形下で動的散乱ホストを生成するのを支援する導電性添加物でドープされ得る。この特性は本明細書では、誘電率の異方性が正である液晶と呼ばれる。上記液晶は、限定しないがネマティック、キラルネマチック、およびスメクチックを含む様々な材料のうちの1つであり得る。
【0073】
この実施形態では、印加電圧が0である場合、液晶の光学軸は基板に垂直であり、したがって通常は基板に入射する光に平行である。この構成では、光の吸収は、二色性染料の軸が光伝搬方向に平行であり二色性染料は最小限に吸収性であるので最小である。この構成は、本明細書では透明状態と呼ばれる装置の最大透明度に対応する。
【0074】
この実施形態では、十分に大きな(すなわち、動的散乱を誘発するために必要な臨界値すなわち電圧閾値より大きな)振幅と十分に低い周波数(すなわち、それを越えると電気的誘発流れが生じない遮断周波数すなわち周波数閾値より低い)とを有する電圧波形がセルの両端に維持されれば、持続的、乱流的、カオス的流れがホスト液晶中に生じる。この事象では、液晶光学軸の大きな変動が光を強烈に散乱することができ、またこの事象では、液晶の光学軸は光の伝搬方向にもはや平行ではないので、二色性染料分子の軸はしばしば、光の局所伝搬方向に垂直であり、非常に多くの光が染料により吸収される。この事象では、装置は不透明である。すなわち、装置は、最大限に色付けされ(染料による光の吸収により高色調を有し)最大限に曇る(動的散乱効果により高ヘイズを有する)ので最小透明性を有する。
【0075】
この実施形態では、電圧波形が、流れを誘発するために必要な臨界値未満に低減されれば、流れは自然に停止し、液晶の光学軸は基板に垂直となるように戻り、最大透明度の状態が検出される。
【0076】
本発明の別の実施形態は上記実施形態と同じやり方で構成される。この実施形態は、上記限界周波数より高い周波数を有する電圧波形が印可されると所望の機能も呈示するという点でさらなる改善を有する。この状況では、印加電圧波形の周波数は持続的流れを誘発するには大き過ぎるが依然として液晶の光学軸を変え、したがって当該技術分野において知られたゲストホスト表示装置と同じやり方で光の吸収を変えることができる。したがって、この実施形態は次の3つのモードを呈示する。i)無電界−最大限に透明、ii)大振幅低周波数電圧波形−不透明(強化された動的散乱)、iii)中程度振幅中程度周波数−制御可能に着色(可変光減衰二色性染料ゲストホスト)。
図4は、様々な電圧波形値とそれらにより誘発される状態の例を示す。
【0077】
一実施形態では、印加電圧が無い場合、アラインメント誘発基板は液晶を基板に平行なその光学軸に配向させる。これは、所謂「面(planar)」配向として当該技術分野においてよく知られている。
【0078】
面配向を有する実施形態では、液晶材料は正の二色性染料およびイオンドーパントと相まって正の誘電異方性を有する。この場合、電圧波形が閾値電圧未満の振幅を有すると、装置は高色調低ヘイズ状態を呈示する。中程度電圧振幅を有する電圧波形の印加は高ヘイズ高色調状態を生じ、高電圧振幅を有する電圧波形の印加は低ヘイズ低色調状態を生じる。
【0079】
この装置のさらに別の実施形態は「二周波数」として当該技術分野において知られた種類の材料に属する液晶材料を利用する。これらの材料は電界が光学軸に平行な場合と電界が光学軸に垂直な場合とで異なる誘電率を保有し、この差は電界の周波数に依存する。具体的には、この実施形態では、二周波数材料は、ある交差値未満の電界周波数に対し、負の誘電異方性(すなわち、光学軸に平行な電界に対する誘電率は光学軸に垂直な電界に対する誘電率未満)を有し、交差値より大きな電界周波数に対し、正の誘電異方性(すなわち、光学軸に平行な電界に対する誘電率は光学軸に垂直な電界に対する誘電率より大きい)を有する。この実施形態では、交差周波数は遮断周波数より高い。
【0080】
この実施形態では、装置が動的拡散モードまたは可変光減衰二色性染料ゲストホストモードのいずれかで動作させられている場合、印加電圧波形の周波数が交差値を越える値まで急速に増加されれば、新しいより高い周波数における電界の影響により、光学軸を「装置が最大限に透明である」ホメオトロピック状態へ急速に戻させることになる。この動作モードでは、装置は、印加電界を単純にオフする場合よりさらに迅速に最大限に透明な状態に戻り得る。
【0081】
液晶は本質的に複屈折性であり、装置の偏極感度を生じ得る。液晶材料は、より低い偏極感度が所望であればより多くのカイラル材料を、またはより大きな偏極感度が所望であればより少ないカイラル材料を含み得る。液晶材料中のカイラル材料の量は液晶材料の誘発固有ピッチに反比例する。より多くのカイラル材料を使用すればより短いピッチを生じる。ピッチが短過ぎれば、液晶テクスチャを制御することは困難になり、フォーカルコニックテクスチャまたは指紋テクスチャの形成をもたらし得る。これらのテクスチャは全ての状態においてヘイズを増加するので、光学的用途の性能を低下し得、したがって回避されるべきである。したがって、セル中の液晶混合物の厚さ−ピッチ比すなわちd/pは望ましくないテクスチャの形成が最小化されるように選択される。通常、1.5未満(すなわち、0≦d/p≦1.5)のd/p値がフォーカルコニックテクスチャを回避することになる。いくつかの実施例では、d/pは1.4、1.3、1.2または1.1未満である。いくつかの実施例は、d/p=0を有する液晶を使用し得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、液晶材料は0.04以上の複屈折率を有する。他の実施形態では、複屈折率は0.07、0.09、0.12、0.17、0.24、0.27、0.30以上であり得る。
【0083】
液晶二色性染料混合物は装置を透過する光量を変更するために使用される。液晶セルの透明状態と着色状態との最大コントラストは二色性染料のアラインメントに依存する。二色性染料は、混合されるとネマティック液晶分子とアライメントする能力を有する。電圧信号がこのようなゲストホスト混合物に印加されると、ネマティック液晶ホスト分子は再配向し、電界から受けるトルクを最小化するために電界とアライメントするまたは電界に対し垂直になり、二色性染料(ゲスト)分子自身は液晶ホスト分子とアライメントする。二色性染料(ゲスト)分子を再配向させるのは液晶分子との相互作用である。
【0084】
ゲストホスト混合物中の細長分子、液晶および二色性染料の統計的平均配向は特定方向を指し、この方向に沿ったユニットベクトルは「ディレクタ」と呼ばれる。混合物中のすべての分子は拡散するにつれランダム熱運動を受けるので、各分子は電界が印加されてもディレクタと完全に同じ方向を指さない。ディレクタに対する分子配向または傾斜の統計的平均値は「秩序パラメータS」として知られる。秩序パラメータSは0〜1の値の範囲である。S=1の秩序パラメータはディレクタと完全にアライメントするすべての分子に対応する(Liquid Crystals Applications and Uses,vol.3,edited by B.Bahadur,published by World Scientific Publishing Co.Pte.Ltd.,1992参照)。したがって、秩序パラメータSが高ければ高いほど、二色性染料分子はよりアライメントされ、したがって任意特定分子配向の吸収を最適化する。いくつかの実施形態では、本発明の液晶染料混合物は0.7以上の秩序パラメータSを有する。他の実施形態では、秩序パラメータSは0.75、0.8、または0.85以上であり得る。
【0085】
光学等級装置については、液晶−染料混合物はフォーカルコニック、指紋および他の望ましくないテクスチャの形成を回避するように重合体を含まない。しかし、光学的透明性がそれほどクリティカルでない(すなわち、窓またはいくつかのミラー用途など)いくつかの実施形態では、混合物はさらに、重合体マトリクスを形成するために重合体を含み得る。これらは、封入流体用途に使用され得る、または印加電圧が無い場合の液晶材料のアラインメントを増大するために使用され得る。
【0086】
液晶二色性染料混合物はさらにイオン不純物またはドーパントを含む。当該技術分野で知られるように、印加波形に依存して、これらのイオン不純物は液晶材料中でマイグレーションすることになる。凝集系内の荷電粒子は力線に沿って電界内でドリフトすることになる。我々のケースでは、凝集系内の荷電粒子は逆方向に充電された電極板に向かってドリフトすることになる。ドリフト速度は電界大きさに比例する(印加電圧差に比例する)。例えば、AC電界が存在すれば、各半周期の終わりに、荷電粒子はそのドリフト速度の方向を変える。電荷はイオンドーパントに付着するので、電荷ドリフトは流体質量を伴う。ドリフト距離がセル厚と同程度になると直ちに、流れの場とディレクタ場との結合/相互作用が無視できなくなる。負の異方性材料の場合、外部場はセルの中心の基板に平行(場に垂直)な分子とアライメントする。質量流はセル全体にわたって力線に沿う。流れはアライメントすることになるので、流れに起因するこのアライメント方向は前述の双極子アライメント方向と反対である。2つの対向するアライメント力はディレクタ場中の不安定性(「電気流体力学的不安定性」と呼ばれる)を生じることになる。
【0087】
この現象の早期に、流れの場とディレクタ場との結合は周期的流れとディレクタパターンを生じ得る(「ウィリアムスドメーン:Williams domains」が転回する)。しかし、外部場を増加すると、流れは、より乱流的かつカオス的になり、ディレクタ場もまたそのようになる。しかし、液体結晶は複屈折性であるので、いかなる局所外乱も乱流が無い場合ですら入射光の散乱を誘発するということに注意すべきである。この現象は一般的には、「動的散乱」として知られる。イオン不純物の量は著しい動的散乱を誘発するのに十分に大きくなければならないが、外部場が無い場合に液晶配向を破壊するほどに多過ぎてはならない。当該技術分野で知られるように、この濃度はセル構成、セル中のアライメント層、液晶材料、電圧波形に依存する。許容量は、印加電圧が無い場合に液晶のアラインメントへの影響が無い波形の存在下で著しい動的散乱(15%より大きなヘイズ)の有無を観察することにより判断される。十分に高い周波数電圧波形では、マイグレーションは最小化され、全体の動的散乱性能は低下されるということに注意すべきである。例えばCTAB、Conducting Salt235、ドデシルエチルジメチルアミニウム−4−ヘキシロキシベンゾアートなどの当該技術分野において知られた有機塩などの多くの材料が動的散乱のドーパントとして使用され得る。しかし、成功利用のためには、これらのドーパントは液晶材料中で可溶性でなければならない。
【0088】
基板102a、102bは可視光をほぼ不変に通過させるようにほぼ透明であり得る。基板はプラスチック(例えば、可塑性重合体)またはガラスで作られ得、基板の形状は平坦、湾曲、二重湾曲(すなわち、2つ以上の面において湾曲)であり得る。
【0089】
基板はITO、IZO、導電性重合体などの透明導電層104a、104bを有することになる。加えて、基板は透明導電層104a、104bの一部またはすべてを覆う透明絶縁被膜を有し得る。加えて、透明導電層は、外部場が無い場合に液晶材料の配向を規定するために使用されるアライメント層105a、105bにより被覆されることになる。この用途では、液晶材料が、負である全体誘電異方性を有すれば、液晶材料は印加電界に垂直にアライメントする傾向がある。この場合、ホメオトロピックアライメント層がこの用途に使用される。これらはNissan5661などのポリイミドを含む。液晶の全体誘電異方性が正であれば、ラビングしたPVAなどの平坦アライメント層を使用し得る。基板同士は通常、当該技術分野において知られたスペーサを使用して3〜100μmの距離だけ離される(好適な分離は10〜30μmである)。
【0090】
制御装置108は、可変電圧および/または周波数を有する電圧波形をセルの両端に印加するように構成される。同電圧はACまたはDCまたはその組み合わせのいずれかであり得る。さらに、制御装置108は、電圧振幅と周波数の様々な予め選択された組み合わせを印可して液晶材料と二色性染料106の混合物の可変テクスチャまたは可変色調を達成しこれにより多くの光透過性状態を実現するように、構成され得る。したがって、各状態は、印加電圧振幅および/または周波数により選択可能であり、所望の電圧波形を印加することにより、装置は複数の状態から選択される状態間で切り替えられ得る。
【0091】
電気作動式液晶ライトバルブ装置は、ミラー、窓、アイウエア装置、眼保護装置、頭またはヘルメット搭載ディスプレイ装置などのニアアイ表示装置、ヘッドアップ表示装置、または観察者が自身の環境を見るだけでなく装置上に表示された画像を見ることができる必要がある多種多様な装置と共にまたはこれらの中に組み込まれ得る。この用途は、大きなセル内の単一装置として、または上記装置のうちの任意の装置内の小さなセルのアレイとして実施され得る。
【0092】
また、本明細書で企図されるのは、それぞれが本発明による1つのセルを担持し他とは別個に動作させることができる2つのレンズを有する眼鏡である装置である。このような装置は通常、一方の眼の視力が定期的に妨げられる弱視などの様々な眼の状態の治療のために使用される。
【0093】
装置のいくつかの利用のために、装置の一部分だけの透過率は、その部分を通る光量を制限するために選択的に低下または上昇され得る。さらに、装置の一部分だけのヘイズ度は、その部分を通る光の透明度を制限するために選択的に低下または上昇され得る。したがって、また企図されるのは、装置が、別々にかつ互いに独立して動作し得る1つまたは2つの部分を有し得る分割画面装置である。
【0094】
他の用途では、表示のごく一部の透過率またはヘイズ度は選択的に低下または上昇され得る。ディスプレイのごく一部の透過率とヘイズ度を制御することで、装置を通過する光の細かな制御を可能にする。電気作動式光学装置のいくつかの利用では、ディスプレイのごく一部は互いに連動して、パターンまたは画像を表示し得る。所望セルの透過率とヘイズ度を選択的に変調することでこのような画像を生成し得る。このような調整は、暗い背景を有するパターンまたは画像を表示するために選択セルの透過率を増加しヘイズ度を低減することを含み得る。このようなパターンと画像はユーザに情報を提供するために表示され得る。
【0095】
装置の不透明性は、乱流液晶に起因する複数の光散乱現象から生じるだけではなく、混合物中の二色性染料によりさらに増大され、さらに反射光と透過光の両方を減衰するということに注意すべきである。
【0096】
(実施形態)
電気作動式液晶ライトバルブ装置の様々な状態図を示す
図1からわかるように、第1の電圧波形が印加されると低ヘイズ低色調状態が生じ、第2の電圧波形が印加されると高ヘイズ高色調状態が生じ、第3の電圧波形が印加されると低ヘイズ高色調状態が生じる。3つの電圧波形(およびその中間状態)は様々な構成を有し得る。
【0097】
様々な実施形態が装置用途に依存して実施され得る。第1の実施形態では、装置は電圧が印加されていない(すなわち、第1の波形はV=0を含む)と低色調低ヘイズ状態である。この場合、セルは、ホメオトロピックアライメント層により被覆された基板間の正の二色性を有するゲスト染料と共に負の異方性液晶ホストを含む。
【0098】
第2の実施形態では、装置は電圧が印加されていない(すなわち、第2の波形はV=0を含む)と高色調低ヘイズ状態である。この場合、正の異方性液晶ホストが、正の二色性染料と共に、平面セルにおいて使用される。
【0099】
図3は、様々な状態中の液晶ホスト分子配向の概要図であり、光学軸204との関係で様々な電圧波形を有する装置の液晶材料と二色性染料202の混合物のアラインメントを示す。
【0100】
第1の波形が印加されている間、液晶分子は光学軸204に沿って(すなわち、基板に垂直に)ホメオトロピック的にアライメントされる。したがって、装置は低ヘイズ低色調状態(「透明状態」)で動作する。第2の波形が印加されると、動的散乱状態が液晶染料混合物202中に誘起され、したがって装置を高ヘイズ高色調状態(「不透明状態」)で動作させる。第3の波形がセルに印加されると、液晶セルは、基板に平行な圧倒的にねじれた面配向状態となる。その結果、装置は低ヘイズ高色調状態(「着色状態」)となる。不透明状態から透明状態への遷移時間は5、10、15、20、30、40、50または60秒未満である。
【0101】
図4は、各状態を実現するために使用され得る電圧と周波数の組み合わせの例を示す概略グラフであり、第1の実施形態の例において印可され得る波形の概略曲線を示す(すなわち、複数の状態に関係する電圧と周波数の様々な組み合わせを示す)。この実施形態では、装置は、第1の電圧波形が0(外部場オフ)から第1の電圧閾値(A)になると低ヘイズ低色調状態で動作する。装置は、第1の電圧閾値以上の電圧であるが周波数および振幅閾値曲線の第1の組み合わせ(線B)未満の電圧/周波数が印加されると高ヘイズ高色調状態へ遷移される。
【0102】
したがって、例えば
図4を参照し、印加電圧波形が、参照符号300により表された値において一定に保たれる周波数を有すれば、振幅がV=0〜V1であると装置は透明状態になり、振幅が電圧閾値Aを越えて(V1の上まで)増加すると装置は不透明になる。
【0103】
別の実施形態では、第1の電圧閾値(A)以上または周波数と振幅閾値曲線の第1の組み合わせ(線B線)以上の電圧を有する波形が印加されれば、装置は低ヘイズ高色調状態で動作させられ得る。
【0104】
したがって、周波数が参照符号400により表された値において一定に保たれれば、外部場がV=0〜V1であると装置は透明状態となり、電圧が点402と403との間であると装置は着色状態となり、電圧が点403〜Vmaxのであると装置は不透明状態となる。したがって、装置は任意の状態から任意の他の状態へ遷移することができる。さらに、必要に応じ、装置はさらに、印加電圧振幅/周波数に依存して色調および/または不透明性の量を変更することができる。
【0105】
したがって、装置の色調は、波形値がB線を越える限り、印加電圧および/または周波数を変更することにより変更低減/増加)され得る。同様に、装置の不透明性は印加電圧および/または周波数を変えることにより調整(増加または低減)され得る。波形値は、周波数を一定に維持する一方で電圧振幅だけ変更することにより、または電圧振幅を一定に保つ一方で周波数を変更することにより、または電圧振幅と周波数の両方を変更することにより、または上記の任意の組み合わせにより変更され得る。
【0106】
したがって、装置の第1の実施形態では、0または低振幅を有する電圧波形が低ヘイズ低色調状態(「透明状態」)を達成し得る。高振幅および低周波数を有する電圧波形は高ヘイズ高色調状態(「不透明状態」)を生成し得、低振幅と高振幅との間の電圧波形であって高周波数を有する電圧波形は低ヘイズ高色調状態(「着色状態」)を達成し得る。
【0107】
1つの状態から別の状態への遷移を可能にする駆動パラメータは、液晶−染料混合物、電圧振幅と周波数の組み合わせ、系中のイオン不純物により判断され得る。装置を1つの状態から別の状態へ切り替えさせるために任意の電圧/周波数組み合わせが選択され得、使用される材料、セルの厚さなどに依存する実際の電圧/周波数値は当該技術分野において知られた技術に従って選択され得る。
【0108】
第2の実施形態では、液晶のアラインメントは逆転され(すなわち、液晶分子は電圧オフ状態において基板に平行ねじれ面配向であり)、装置を着色状態にする。外部場(すなわち、第1の波形)が印加されると、液晶セルは光学軸204に沿ってホメオトロピック的アライメント状態となり(すなわち、基板に垂直となり)、装置を透明状態(すなわち、低ヘイズ低色調状態)にする。第2の波形がセルに印加されると、動的散乱状態が液晶−染料混合物202中に誘起され、したがって装置を不透明状態(すなわち、高ヘイズ高色調状態)で動作させる。この第2の実施形態の液晶セルは正の二色性染料と共に正の異方性ホストを使用する。
【0109】
図5は、各状態を実現するために使用され得る電圧と周波数の組み合わせの別の例を示す概略グラフであり、第2の実施形態において印加され得る波形の別の例の概略曲線を示し、複数の状態に関する電圧と周波数の様々な組み合わせを示す。この実施形態では、装置は電圧波形が0(外部場オフ)から電圧閾値C未満であると低ヘイズ高色調状態で動作する。装置は、電圧閾値(C)以上の電圧であるが周波数と電圧閾値との組み合わせ(線D)未満の電圧/周波数が印加されると高ヘイズ高色調状態となる。必要に応じ(別の実施形態では)、装置は、電圧閾値(C)以上の電圧と、周波数と電圧閾値との組み合わせ(D線)以上の電圧/周波数とを有する波形が印加されると低ヘイズ低色調状態で動作させられ得る。
【0110】
説明するために例えば
図5を参照すると、印加電圧波形が、参照符号450により表された値において一定に保たれる周波数を有すれば、振幅がV=0〜V2であると装置は着色状態となり、振幅が電圧閾値Cを越えて(V2の上まで)増加すると装置は不透明になる。
【0111】
別の実施例では、周波数が参照符号500により表された値において一定に保たれれば、電圧がV=0〜V2であると装置は着色状態となり、電圧が点502と503の間であると装置は透明状態となり、電圧が点503とVmaxの間であると装置は不透明状態となる。装置は任意の状態から任意の他の状態へ遷移することができる。必要に応じ、装置はさらに、印加電圧振幅/周波数に依存して色調と不透明性の量を変更することができる。
【0112】
再び、装置の色調および/または不透明性は印加される電圧および/または周波数を変更することにより変更(低減/増加)され得る。波形値は、周波数を一定に維持する一方で電圧振幅だけを変更することにより、または電圧を一定に保つ一方で周波数を変更することにより、または電圧と周波数の両方を変更することにより、または上記の任意の組み合わせにより変更され得る。
【0113】
したがって、装置の第2の実施形態では、低振幅を有する電圧波形が低ヘイズ高色調状態(「着色状態」)を達成し得る。高振幅および低周波数を有する電圧波形は高ヘイズ高色調状態(「不透明状態」)を生成し得、低振幅と高振幅との間の電圧波形であって高周波数を有する電圧波形は低ヘイズ低色調状態(「透明状態」)を達成し得る。
【0114】
図4と
図5は装置により使用し得る多様な波形曲線の一例だけを示すということに注意すべきである。したがって、
図4と
図5における状態を示す曲線の形状と代表的な点は、例示目的のためだけであり、液晶光可変装置を請求項に記載のように機能させ得る唯一の曲線または可能な波形の組み合わせと取るべきでない。
【0115】
本装置のすべての実施形態の1つの利点は不透明状態から透明状態への遷移時間(5、10、15、20、30、40、50または60秒未満であり得る)である。この速い遷移時間は動的散乱の利点である。
【0116】
また本明細書で企図されるのは、本発明による液晶ライトバルブ装置を動作させることにより装置の光透過率を変える方法である。本方法は、透明状態を実現するために第1の電圧波形を光学装置へ印加する工程と、不透明状態を実現するために第2の電圧波形を光学装置に印加する工程とを含む。本方法は任意選択的に、着色状態を実現するために装置へ第3の電圧波形を印加する工程を含み得る。
【0117】
本方法はさらに、様々な電圧波形を印加することにより中間状態を実現するために装置の色調と不透明性を変更する工程を含み得る。
【0118】
電圧波形は、段階的に(個別の段階を使用して)、または徐々に(1つの中間状態からの別の中間状態へスムーズな遷移を与えるように小さな増分を使用して)、またはそれらの組み合わせで変更され得る。したがって、低色調と高色調とのまたは低ヘイズと高ヘイズとの遷移は電圧波形の連続的または段階的変更により実現され得る。電圧または電場は、自動的に、手動で、または手動/自動組み合わせとして印加され得る。
【0119】
したがって、いくつかの実施例では、第1の電圧波形(透明状態を生じる)は0電圧から第1の電圧閾値である。他の実施形態では、第3の電圧波形(着色状態を生じる)は0電圧から第2の電圧閾値である。
【0120】
本方法論はシーケンスで行われる一連の行為であるとして示され説明されたが、本方法論はシーケンスの順番により制限されないということを理解し認識すべきである。例えば、いくつかの行為はここで説明したものとは異なる順番で発生し得る。加えて、行為は別の行為と同時に発生し得る。さらに、場合によっては、ここで説明した方法論を実施するためにすべての行為が必要とされるとは限らないかもしれない。
【0121】
さらに、本明細書で使用されるように、用語「例示的」は「何かの例示または一例として働く」ことを意味するように意図されている。
【0122】
上に説明したものは、1つまたは複数の実施形態の例を含む。当然ながら、前述の態様を説明するために上記装置または方法のあらゆる考え得る修正と変更を説明することは可能ではないが、様々な態様の多くの別の修正と置換が可能であることを当業者は認識し得る。したがって、上述の態様は、添付された請求項の精神と範囲に入るこのような変更、修正、変形をすべて包含するように意図されている。さらに、用語「含む」は詳細説明または特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、このような用語は、請求項の中で移行句として採用されるとそのように解釈される用語と同様にして包括的であるように意図されている。
【実施例】
【0123】
(実施例1)
次の特性を有する液晶セルが作製された:0電圧ではセルは最大限に透明であり(すなわち、最低色調)かつヘイズが無い(すなわち、最低ヘイズ)、中間電圧および/または高周波数では装置は電圧調整によって調節可能な吸収(一定範囲内で)により可変色調を有し、高電圧/低周波数では装置は(すべての角度から見たときに)最大限に不透明である動的散乱モードで動作した。この例で説明したセルを使用する装置は、電力が遮断されれば透明状態に戻るという意味で「フェイル透明(fail−clear)」であろう。
【0124】
セルは、少量のカイラル添加剤(d/p≒0.5〜0.8)と、液晶ホストに最適化された少量の正の異方性二色性染料混合物と、最適化された非常に少量のイオンドーパントとを含む負の誘電異方性ネマティック液晶の溶液を使用して用意された。ECD混合物成分は以下の通りだった。
液晶:19.79gのAMI92500−100、デルタeps=−5.5、デルタn=0.2;(Jiangsu Hecheng Chemical Materials Co.,Yang Zhong City,CHINA);
カイラルドーパント:Merck社(Darmstadt,Germany)のS−811 Merckカイラルドーパント0.044g(0.22w%(d/p≒0.57));
二色性染料:全0.8w%のSL01123/1032/1089/1303/1112/1215とZL01060(AlphaMicron社、Kent.OH)の混合物;
イオンドーパント:Sigma Aldrich社のCTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)0.0596g(0.3w%)。
【0125】
2つのプラスチック膜(基板)を有し、端部で密閉され、プラスチックビーズを使用して20マイクロメートルの隙間により分離されたセルがECD溶液で満たされた。プラスチック基板は透過電極を提供するためにインジウムスズ酸化物により被覆された。電極は、基板に垂直な液晶のアラインメントを与えるためにホメオトロピックポリイミドにより被覆された。
【0126】
0電場では、セルは散乱無しに若干着色された。500Hzを越える高周波数におけるAC電圧(Vrms≒8〜10V)がセルの両端に印加されると、セルは、より着色されたが依然として最小散乱(ヘイズ)状態であった。Vrmsが20Vを越える電圧へ切り替えられ周波数が約20Hzに調整されると、セルは分散挙動により乳白ガラスのように非常に濁ったが吸収染料の存在により暗い色調を有した。
【0127】
セルの外観とこの実施例で使用される電圧/周波数パラメータを
図8〜
図10に示す。
【0128】
当業者は、他の液晶ホストが可能であることを知ることになる。いくつかの実施例は、Merck社(Darmstadt、Germany)の所有権付き液晶MLC2081(de=−4.2、dn=.2)、MLC2163またはMLC2159(両方ともde=−4、dn=0.25)を含む。
【0129】
図6Aと
図6Bに、上述の電気作動式液晶ライトバルブ装置すなわちECDを使用するアイウエア装置の実施例の概要図を示す。アイウエア装置600は、透過部分608、非表示部分610、表示部分620を有する。装置600(眼鏡、ゴーグルなどであり得る)は、前部レンズ622、前金具624、つる部626を有する。環境光は前部レンズ622を通して眼に到達する。透過部分608は、素通しレンズであってもよいし、装着者の眼に到達することが望ましい環境光の量に依存して透明状態と着色状態間で遷移するように動作される光可変装置であってもよい。非表示部分610は、透過部分608と同様に動作してもよいし(透明状態だけを有する、または透明状態と着色状態間で遷移することができる)、または透明/着色/不透明状態間で遷移する能力を有するECD装置であってもよい。
【0130】
表示部分620は、投影された表示からの光と周囲背景からの光とを合成するビーム合成器として機能し得る。表示部分620、またはその背後に配置される層は、表示部分620を通して眼に到達する光量を変えるために透明状態、着色状態、不透明状態間で遷移し得るECD装置として働き得る。装着者は、光可変サングラス(透明状態と着色状態を有する)として装置600を使用し得るが、加えて、前部レンズ622の表示部分620上の表示からの光をより良好に見るために装置600を使用し得る。表示を見る間、装着者は、表示部分620だけでなく透過部分608と非表示部分610を通して眼に到達する環境光の量を変え、したがって表示画像の知覚輝度を変える能力を有する。明るい外部(環境)光は表示画像の知覚輝度を減少するので、明るい状態下で、ユーザは着色状態または眼(表示を見ている眼および/または両方の眼のいずれか)に到達する光量を低減するまたは無くす不透明状態を選択し得る。この実施例では表示部分は一方の前部レンズ上だけに表されるが、他の実施例では両方の前部レンズが表示部分を有し得るということに注意すべきである。つる部は、電子制御式レンズと制御装置640間の必要な配線または電気的接続を収容し得る。
【0131】
図6Bは、パイロット、ゲーム装置(ゲームヘルメットを使用する)などにより使用されるヘルメット搭載ディスプレイ700の概要図である。ヘルメット搭載ディスプレイ700は、一方または両方の前部レンズ722上に存在し得る表示部分720を有する前部レンズ722を有するヘルメット710を含む。電気的接続(例えば、配線)730は前部レンズ722と表示部分720をヘルメット内の制御装置740へ接続する。動作の原則は装置600について説明した通りである。
【0132】
アイウエア装置(図示せず)の別のバージョンでは、各前部レンズ622は、互いに独立して動作され前述のように様々な眼の状態の治療にまたは眼を訓練するために適用可能なように片方の眼の視力を妨げる役目を果たす(不透明モードの場合)ECD装置を含み得る。この単純化した用途では、ディスプレイ620はいくつかの治療法に有益かもしれないが存在する必要はない。
【0133】
図8は、小型表示および反射部分を含む車両の自動調光リアビューミラーの概要図である。したがって、ミラー800は非表示部分810と表示部分820を含む。この場合、装置600とは対照的に、表示部分820はまた、ミラーからのバックライトと併せて画像を表示するように働き得る。加えて、この用途では、反射器は非表示部分810の背後に配置される。このようにして、ユーザは、環境光状態に依存して透明または着色状態で動作し得る非表示部分810内に反射像を見ることができる。同様に、表示部分820は、表示すべき画像が存在しない場合に透明状態と着色状態間で遷移することができる、または画像を表示するために所望により透明状態、着色状態、不透明状態間で遷移することができるECD装置として動作し得る。画像を表示するために暗くまたは不透明にされ得る窓などの他の装置も本明細書では企図されている。