特許第6117952号(P6117952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6117952
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】マッサージ器
(51)【国際特許分類】
   A61H 21/00 20060101AFI20170410BHJP
   A61H 19/00 20060101ALI20170410BHJP
   A61H 23/02 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   A61H21/00
   A61H19/00
   A61H23/02 332
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-2495(P2016-2495)
(22)【出願日】2016年1月8日
(65)【公開番号】特開2016-127925(P2016-127925A)
(43)【公開日】2016年7月14日
【審査請求日】2016年2月22日
(31)【優先権主張番号】15150679.7
(32)【優先日】2015年1月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516010973
【氏名又は名称】アモール・グンミヴァレン・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】AMOR Gummiwaren GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ディルス
【審査官】 増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2002/038100(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0133910(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0193756(US,A1)
【文献】 特開2011−221684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 19/00−23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(5)内に、振動発生装置、エネルギー貯蔵ユニット、制御ユニット、および無線データ通信装置を含むマッサージ部(3)と、
一方の端部が前記マッサージ部(3)に接続されたケーブル(7)と、
前記ケーブル(7)のもう一方の端部に配置され、充電器との接続を確立するように適合されたプラグ(9)であって、前記プラグ(9)が、平坦であり、かつ
2つのUSB対応の充電電極(11)と、
前記無線データ通信装置で無線信号を送信し、かつ無線信号を受信するための、PCBまたはチップアンテナとして構成されたアンテナ(23)とを含む、プリント回路基板(21)を有する、プラグと
を備える、身体の部分をマッサージするためのマッサージ器。
【請求項2】
前記充電電極(11)が、前記プリント回路基板(21)の一方の側に配置され、前記アンテナ(23)が、前記プリント回路基板(21)のもう一方の側に配置される、請求項1に記載のマッサージ器(1)。
【請求項3】
前記充電電極(11)および前記アンテナ(23)が、前記プリント回路基板(21)の同一の側に配置される、請求項1に記載のマッサージ器(1)。
【請求項4】
前記アンテナ(23)が、バイルデータ送信規格による、無線信号の送受信用に構成される、請求項1に記載のマッサージ器(1)。
【請求項5】
前記モバイルデータ送信規格は、(IEEE802.15.1による)Bluetooth(登録商標)、NFC(近距離通信)、(IEEE802.11による)WLAN/WIFI、GSM(登録商標)、UMTS、又はLTEである、請求項4に記載のマッサージ器(1)。
【請求項6】
前記ケーブル(7)および前記プラグ(9)が、液密であるように構成される、請求項1乃至4の何れか1項に記載のマッサージ器(1)。
【請求項7】
前記ケーブル(7)が、2本のストランドを含む、請求項1乃至6の何れか1項に記載のマッサージ器(1)。
【請求項8】
少なくとも1本のケーブルストランドが、同軸ケーブルとして構成される、請求項に記載のマッサージ器(1)。
【請求項9】
前記プラグ(9)が、それぞれが前記1本のストランドの端部を受けるように構成された2つの凹部(22、25)を有する、請求項の一項に記載のマッサージ器(1)。
【請求項10】
前記プラグ(9)が、その表面にグリップ領域(17)を備える、請求項1乃至9の何れか1項に記載のマッサージ器(1)。
【請求項11】
前記プラグ(9)および/または前記ケーブル(7)の少なくとも一部が、生体適合性のあるプラスチックシースで覆われる、請求項1乃至10の何れか1項に記載のマッサージ器(1)。
【請求項12】
前記生体適合性のあるプラスチックシースが、射出成形品である、請求項11に記載のマッサージ器(1)。
【請求項13】
前記プラグ(9)の前記充電電極(11)が、金属または金属合金の被膜を有する、請求項1乃至12の何れか1項に記載のマッサージ器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体の部分、特に性器のマッサージ用のマッサージ器に関する。
【背景技術】
【0002】
上述した種類のマッサージ器は、「ラブボール」という名称でも知られている。しかしながら、これは性的な玩具として用いられるだけでなく、例えば、欧州特許第0955024号明細書に記載されているような、骨盤底筋の治療的処置用の膣内挿入具としても使用される。
【0003】
国際公開第02/38100号パンフレットには、既知の種類のマッサージ器が記載されている。しかしながら、既知のマッサージ器の1つの欠点は、回収コードの自由端のブッシングまたはコネクタが液密に構成されていないことであり、これによって、ブッシングの開口部から液体が浸透する場合があり、機器が腐食して故障につながる可能性があることを意味する。さらに、選択された充電ケーブルの寸法のために、アンテナとしての充電ケーブルの構成は、一定の無線周波数、および一定のアンテナの種類に限定される。特に、このケーブルでは、スマートフォン等の遠隔操作装置とマッサージ器との間の無線データ送信のために、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11(WLAN/WIFI)、GSM(登録商標)、UMTS等の現行の規格のモバイルデータ通信をいずれも使用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0955024号明細書
【特許文献2】国際公開第02/38100号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を少なくとも部分的に克服し、かつ確実に操作でき、充電が容易なエネルギー貯蔵ユニットを有し、現行の無線データ送信技術を利用できる、改善したマッサージ器を提供することである。この目的は、請求項1の特徴を有する主題によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、ハウジング内に、振動発生装置、エネルギー貯蔵ユニット、制御ユニット、および無線データ通信装置を含むマッサージ部と、一方の端部がマッサージ部に接続されたケーブルと、ケーブルのもう一方の端部に配置され、充電器との接続を確立するように適合されたプラグであって、プラグは、平坦であり、かつ2つのUSB対応の充電電極、ならびに無線データ通信装置からの無線信号を送受信するためのPCBアンテナ、またはチップアンテナとして構成されたアンテナを有する、プリント回路基板(PCB)を含む、プラグとを備える、身体の部分をマッサージするためのマッサージ器が提供される。アンテナはプラグ内に配置されるため、マッサージ部内の無線データ通信装置と、スマートフォン等の遠隔操作装置との間のデータ転送を著しく向上させることができる。この技術的解決策により、構成部品を追加することなくその目的を達成し、その結果、コンパクトで安価な機器を提供する。
【0007】
USB技術の使用は、エネルギー貯蔵ユニットを充電するため、また、データを送信するために非常に広く採用されている方法が使用できることを意味する。平坦なプラグは、USB−Aプラグのものと同様の構成を備え、USBスティックを挿入できるのと同じ方法で、対応するUSBポートに導入することができる。この種のコネクタポートは、PC、ラップトップ、ノートパソコン、タブレットコンピュータ、電力供給装置等の多くの異なる装置に存在し、USB規格によって、十分な量の充電電流(USB2.0で、5Vで最高500mA)を供給する。
【0008】
本発明によれば、充電電極およびアンテナは、プリント回路基板(PCB)上に配置される。アンテナは、「プリントアンテナ」とも呼ばれる、プリント回路基板すなわちPCBアンテナとして構成されて、任意の適当な形状を有することができ、特に銅で作られた金属層として、安価に従来のプリント回路基板に適用することができる。その結果、省スペースで安価な、コンパクトな構成部品を得ることができる。充電電極は回路基板の片側に配置し、アンテナは反対側に配置することが好適である。あるいは、充電電極およびアンテナは、回路基板の同じ側に配置されてもよい。この結果、プラグ部品は、さらに簡単な構造となる。プラグが、USBポート、または適切な他の充電ポートに、任意の方向で(2方向のどちらでも)挿入できるという点で使いやすくなるように、充電電極を回路基板の両側に配置することも可能である。この目的のためには、陽極と陰極とを認識する論理回路が必要とされる。
【0009】
また、アンテナは、(IEEE802.15.1による)Bluetooth(登録商標)無線信号、NFC(Near Field Communication)信号、(IEEE802.11による)WLAN/WIFI信号、GSM(登録商標)信号、UMTS信号、LTE信号、または別のモバイルデータ送信規格による信号の送受信用に構成されることが好適である。
【0010】
ケーブルおよびプラグは、液密であるように製造されることが好適である。したがって、身体の開口部に挿入されるマッサージ部だけでなく、回収コード、すなわちケーブルおよびプラグもまた、IP67(DIN EN 60528)等の、この種の機器に適用可能な衛生基準に適合する。ケーブルおよびプラグは、したがって、簡単な手段によって洗浄することができ、平坦な構造のために、液体が浸入してマッサージ器の機能を損なう可能性のある開口部が存在しない。
【0011】
ケーブルは、2本のストランドを備えることが好ましい。特に、少なくとも1本のケーブルストランドが、同軸ケーブルとして構成されることが好適である。これにより、高周波アンテナ信号が干渉信号にさらされる可能性を最小限にすることが保証され、かつ十分にシールディングして、マッサージ部のハウジングの内部の無線データ通信装置に送信することができる。USB充電電圧源(DC電圧)に関連する電流の影響は、したがって最小化される。
【0012】
また、プラグが、それぞれがストランドの一端を受ける、2つの凹部を備えることも好適である。その結果、プラグの全体構造は、平坦に保たれる。ストランドの端部は、はんだ付けまたはその他の適切な接続手段によって、充電電極およびアンテナの端子に容易に接続することができる。
【0013】
プラグは、その表面にグリップ領域を備えていることが好ましい。グリップ領域は、プラグの端部近くに形成され、そこでケーブルまたはストランドの端部がプラグに接続される。これにより、充電ポートにプラグを挿入し、再び容易に除去することが可能になる。グリップ領域は、プラグの表面の溝によって、または凸面によって形成することができる。プラグまたはアンテナの機能に影響しない、他の有用な実施形態もまた可能である。
【0014】
プラグおよび/またはケーブルの少なくとも一部を覆う、生体適合性のあるプラスチックシースが特に好ましい。その結果、例えば、プリント回路基板、アンテナ、およびケーブルストランドの接続点等の構成部品は、腐食から保護される。生体適合性のあるプラスチックシースは、射出成形工程によって形成されることが特に好ましい。その結果、一体的なプラグが得られ、損傷や取り扱いの誤りに対する脆弱性を最小限にした表面を提供する。プラスチックシースの材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、または同様の特性を有する同等のプラスチック等の熱可塑性材料が好ましい。このような熱可塑性材料は、標準的な市販の潤滑剤や洗浄剤に対して無反応であり、かつ臭いや味に対しても中性である。
【0015】
マッサージ器の材料は、耐UVで、臭いに対して中性かつ味に対して中性であることが好ましく、別の色もまた可能である。
【0016】
プラグの充電接点は、例えば金または金めっきで形成されるか、またはその他の金属または金属合金で表面増強して形成された、金属または金属合金で好適に被覆される。
【0017】
本発明は、図面に示された実施形態を参照しながら、以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による、マッサージ器の第1の好ましい実施形態の斜視図を示す。
図2】第1の好ましい実施形態の別の斜視図を示す。
図3】本発明による、マッサージ器の第2の好ましい実施形態の斜視図を示す。
図4】第2の好ましい実施形態の別の斜視図を示す。
図5】本発明による、マッサージ器の好ましい実施形態の、取り付けられたケーブルを有するプラグ部品の斜視図を示す。
図6】本発明による、マッサージ器の好ましい実施形態の、プラグ部品のプリント回路基板の上面の平面図を示す。
図7】本発明による、マッサージ器の好ましい実施形態の、プラグ部品のプリント回路基板の下面の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明による、マッサージ器の第1の好ましい実施形態の斜視図を示す。マッサージ器1は、本質的に球状のマッサージ部3を備え、これは、ハウジング5内に、以下の構成部品(図示せず)、すなわち振動発生装置、エネルギー貯蔵ユニット、制御ユニット、および無線データ通信装置を含む。これらの構成部品は、当業者にはよく知られているように、ハウジング5の内部で、機能的かつ/または電気的に適切に互いに接続され、その原理もまた当業者にはよく知られている。動作時に、例えば、シャフトに偏心して取り付けられた錘を有する電気モータ等の、エネルギー貯蔵ユニットによって電力を供給された振動発生装置は、マッサージ部3を揺動させ振動させる。ハウジング5内の制御ユニットは、無線データ通信装置を経由してその制御コマンドを受信するが、これもエネルギー貯蔵ユニットによって電力を供給され、スマートフォン、PC、または同様のモバイル操作プラットフォーム等の遠隔操作装置から、制御の目的にかなった無線信号を供給される。制御ユニットは、プログラムを記憶するためのデータ記憶装置を有することができ、その結果、マッサージ器に、内部または外部から指定された振動シーケンスをプログラムすることが可能である。遠隔操作装置を介した、直接制御もまた可能である。
【0020】
マッサージ部3の内部の構成部品に電流またはアンテナ信号を供給するため、および外部に信号を送信するために、マッサージ部3は、ケーブル7によってプラグ9に接続される。本明細書に示す実施形態では、ケーブルは2本のストランドすなわち線を有する。プラグ9は、平坦なPCBコネクタとして構成され、その上面に、長手方向に互いに平行に配置され、USB−A接続に対応するように構成された、2つの充電電極11を備える。露出している充電電極11を除き、プラグ9は、射出成形されたシース15で覆われており、これは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)等の熱可塑性材料で作られる。ケーブル7に面した側で、シース15は、その上面13にグリップ領域17を備える。本明細書に示す実施形態では、グリップ領域は凸面として構成される。グリップ領域17は、対応するUSBポートに挿入されたり除去されたりするときに、プラグ9の取り扱いを簡単にするのに役立つ。プラグ9の上面13のほぼ中央に、細長い凹部16が見られるが、これが存在するのは、本実施形態ではプラグ9が射出成形によって製造され、製造中にこの構成部品が工具によって適切に保持される必要があるためである。細長い凹部16は、マッサージ器の振動機能、充電、または制御に対する重要性はなく、製造工程においてのみ役割を果たす。
【0021】
図2は、本発明によるマッサージ器の第1の好ましい実施形態の斜視図を示し、マッサージ部3のハウジング5の出口を通ってケーブル7が出ており、プラグ9の下面を見ることができる。ケーブル7の2本のストランドは、回収コードとして使用可能なように、十分な寸法が与えられることをここで指摘しておく必要がある。つまり、場合によってはプラグ9を利用してケーブルを引っ張り、身体の開口部からマッサージ部3を取り出すことが可能である。プラグ9の下面14に、2つの平行な細長い凹部16が配置されているが、これは単に、上面13にあるものと同様に、プラグ9の内部部品が被覆される射出成形の工程中に使用される保持位置を表す。ケーブルの隣の領域で、プラグ9の下面14に、もう1つのグリップ領域17が形成される。本明細書に示す実施形態では、このグリップ領域は、その厚さがプラグ9の先端に向かって増加する、隆起すなわち出っ張りとして形成される。
【0022】
図3は、本発明による、マッサージ器の第2の好ましい実施形態の斜視図を示す。第2の実施形態は、第1の実施形態と同様であるため、2つの実施形態の相違のみが以下で説明される。第2の実施形態のマッサージ部3は、ケーブル7が接続される位置とは反対側に、接続部品6によってハウジング5に結合される第2のマッサージ部品4を備え、この第2の部品は、本質的に球状である。第2のマッサージ部品4、ならびにハウジング5の外形寸法および形状は、本質的に同一である。しかしながら、第2のマッサージ部品4の内部には空洞が設けられ、第2のマッサージ部品4が動かされたときに、機械的なパルスを生成するのに十分な錘を有する、自在に移動可能なボールが配置される。第2のマッサージ部品4の構造は、ボールの動きによってボールの内部に機械的パルスを生成する、従来の機械的なラブボールと本質的に同一であり、したがって、パルスはボールの表面で知覚可能である。ハウジング5は、接続部品6によって第2のマッサージ部品4にしっかりと接続される。この接続は、第2のマッサージ部品4を除去できるように、取り外し可能に構成することができる。図3に示す他の全ての部品は、図1のものと同一である。図4の部品についても同じことが当てはまり、第2のマッサージ部品4以外は、図2と同様である。
【0023】
図5は、図1の部品の詳細を示し、プラグ9、およびケーブルすなわちケーブル7のみが示されている。したがって、上述した図1の説明を参照されたい。
【0024】
図6および図7はそれぞれ、プラグ9のコアを形成する2つの充電電極11、およびアンテナ23を有する、プリント回路基板(PCB)21の上面および下面の平面図を示す。充電電極11およびアンテナ23の材料が適用された後、およびケーブルストランドが接続された後に、PCB21が、射出成形工程によってプラスチックシースで覆われることに注意するべきである。この工程の後に初めて、プラグ9が完成する。
【0025】
図6は、PCBの上面を示し、2つの充電電極11は、長手方向に互いに平行に適用される。この寸法、すなわち、特に2つの充電電極11同士の間の距離およびそれらの長さは、充電のためにプラグ9を適切なUSBポートに挿入できるように計算される。充電電極11は、第1および第2の凹部22、25で、2本のケーブルストランドの接続端部と接触する。好ましい実施形態において、ケーブル7は、2本のストランドで構成され、第1のストランドは、撚り線を有する1本のケーブルであり、その端部は、充電電極の正極(図6の上方の充電電極11)に接続される。ケーブル7の第2のストランドは、同軸ケーブルとして構成され、外側の導体は、第2の凹部25内で充電電極11に接続され、この電極は、接地極として規定される。接地電極の部分の左側の白点27は、図7を参照して再度説明されるように、回路基板の下面に通じる垂直な相互接続アクセスの特徴を示す。
【0026】
図7は、プリント回路基板21の下面を示し、既知の技術によって、アンテナ23が導電層として適用されている。この種のPCBアンテナまたはチップアンテナは、コンパクトな形態を特徴とする。本発明において、プラグ9のPCBアンテナは、マッサージ部3の無線データ通信装置の構成部品およびプリント回路から離れていることが好適である。このようにすることで、PCBアンテナの高周波特性によって引き起こされる二次励磁および干渉が著しく削減できるためである。
【0027】
プリントアンテナパスまたはストリップ、あるいはチップの形状は、良好なブロードキャスト特性、高効率な受送信、および適切な帯域幅に最適化される。アンテナ23は、第2の凹部25内で、ケーブル7の1本のストランド、すなわち同軸ストランドに接続される。「コア」とも呼ばれる同軸ケーブルの内部の導体は、第2の凹部25の端部で、アンテナ23の接触領域24に、例えばはんだ付けで電気的に接続される。同軸ケーブルの外部の導体は、第2の凹部25の長辺側で、アンテナ23の接触領域26に、例えばはんだ付けで電気的に接続される。接着によって、あるいは別の適切な接触技術によって接続が確立されるようにすることも可能である。図7に見られるように、回路基板21の第1の凹部22には、ケーブル7の撚り線から、下面にプリントされた経路または配線への接続は設けられない。
【0028】
受信された2.4GHz帯のBluetooth(登録商標)信号は、同軸ケーブルによって無線データ通信装置に送信することができ、あるいは送信されるBluetooth(登録商標)信号を、同軸ケーブルを通じて供給することができる。同軸ケーブルの波動インピーダンスは、最適な送受信特性が確保されるように計算される。
【0029】
プリント回路基板アンテナの代わりに、線状アンテナ、ループアンテナ、またはスロットアンテナ等の他の種類のアンテナを使用することも可能である。
本発明の主題により、充電が容易なエネルギー貯蔵ユニットで確実な動作をもたらし、現在使用可能な無線データ送信技術を利用するマッサージ器が提供される。
【符号の説明】
【0030】
1 マッサージ器
3 マッサージ部
4 第2のマッサージ部品
5 ハウジング
6 接続部品
7 ケーブル
9 プラグ
11 充電電極
13 上面
14 下面
15 シース
16 凹部
17 グリップ領域
21 プリント回路基板(PCB)
22 第1の凹部
23 アンテナ
24 接触領域
25 第2の凹部
26 接触領域
27 白点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7