(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の音声コーデックを備える第1の端末局と、第1の音声コーデックと第2の音声コーデックとを備える第2の端末局と、前記第1の端末局及び前記第2の端末局と無線通信を行う基地局とを備え、前記第1の端末局及び前記第2の端末局が通信種別として一斉通信、単信通信、複信通信を用い、前記基地局を介して無線通話可能な無線通信システムであって、さらに、
発信元の端末局から、前記発信元の端末局と着信先の端末局を示す情報を含む通信機器情報と、前記通信種別の情報とを含む呼設定要求情報を受信すると、前記通信機器情報と前記通信種別の情報とに基づいて、前記基地局を介する無線通話において使用されるべき音声コーデックを決定する音声コーデック決定部と、
操作者からの入力を受け付ける操作部と情報を記憶する記憶部とを有し、前記基地局を介する無線通話をモニタするモニタ部とを備え、
前記モニタ部は、前記基地局を介する無線通話が行われる際に、当該無線通話において使用されるべき音声コーデックの種別を前記音声コーデック決定部から受信し、該受信した音声コーデックの種別を当該無線通話において使用される無線通話チャネルと対応付けて、前記記憶部に記憶し、前記操作部からモニタ対象の無線通話チャネルが指定された通話モニタ要求がなされると、該指定された無線通話チャネルに対応する音声コーデックの種別を前記記憶部から読み出し、該読み出した種別の音声コーデックに基づき、当該無線通話の音声データを復号化して出力することを特徴とする無線通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(無線通信システムの構成)
本発明の実施形態の一例である無線通信システムの構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態における無線通信システムの構成を示す図である。なお、前述の背景技術の説明において
図1を用いたが、基地局が複数の音声コーデックを識別してモニタすることに関する事項以外は、本発明の実施形態の構成は、背景技術の構成と同様である。背景技術で既に説明したものについては適宜説明を省略する。
【0013】
図1の無線通信システムは、例えば、標準規格ARIB STD−T79(Association of Radio Industries and Businesses−T79)の「都道府県・市町村デジタル移動通信システム」、あるいは「市町村デジタル移動通信システム」で定められているデジタル無線システムである。このデジタル無線システムは、基地局を経由した端末局間の通信接続サービス等が行なわれるように構成されている。
【0014】
標準規格ARIB STD−T79で定められているデジタル無線技術を用いたデジタル無線システムで使用が許可されている無線キャリア(carrier)周波数割当ての一例を
図6に示す。
図6において、例えば、上り方向、即ち、端末局→基地局の方向では、約260MHz〜266MHzの無線キャリアfで、25kHz幅で、複数波(f1、f2、・・・)が認められている。また、下り方向、即ち、基地局→端末局の方向では、上り方向の260MHzから9MHz離れた約269MHz〜275MHzの無線キャリアFで、25kHz幅で、複数波(F1、F2、・・・)が認められている。従って、デジタル無線システムの通信においては、上り方向f1、f2、・・・、下り方向F1、F2、・・・の各周波数が使用される。そして、各システムは、その規模に応じて1又は複数の無線キャリアを使用することができる。
【0015】
更に、各無線キャリアは、
図7に示すようなフレームに分割され、さらにフレームを4つのスロットに分けられた後、そのスロットに制御チャネルCと通信チャネルS1、S2、S3が割り当てられている。なお、通信チャネルS1、S2、S3を代表する場合は、通信チャネル(または通話チャネル、あるいは無線通話チャネルともいう。)Sと称する。ここで、1フレームは、例えば、40ms、1スロットは、10msである。制御チャネルCは、無線回線の接続制御を行うチャネルであり、通信チャネルSは、通話やデータ通信を行うチャネルである。なお、
図7は、一例を示すもので、システムの規模、使用目的に応じて上り下りのペア波の数、制御チャネル、通信チャネルの数等を適宜変更することができる。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の無線通信システムは、主として、統制局10と、基地局30と、端末局60とを備える。端末局60は、例えば、位置が固定された固定端末局や移動可能な移動端末局である。統制局10と基地局30は、本例では有線接続しているが、マイクロ波回線を介して接続してもよい。基地局30と端末局60は、例えば260MHzのデジタル無線により無線通信可能なように接続される。
図1では端末局60は、端末局60(1)と端末局60(2)の2つが示されているが、1つであってもよいし3つ以上であってもよい。端末局60(1)と端末局60(2)を代表する場合は端末局60と総称する。端末局60は、基地局30を介して他の端末局60と無線通話可能である。
【0017】
統制局10は、統制台12とファクシミリ13と統制局制御装置20を備え、統制局制御装置20には、統制台12とファクシミリ13とが接続される。
統制台12は、マイク12aやスピーカ12bを備え、他通話のモニタ、割込み、強制切断が可能な統制機能を有し、また、電話機としての通話機能を有する有線端末局である。統制台12は、基地局30を介して端末局60と無線通話可能である。統制台12は、音声コーデックとしてμLawを備えており、電話機として機能する場合は、マイク12aから入力された音声信号がμLawにより符号化され、統制台12外の他の電話機から受信した符号化された音声信号がμLawにより復号化されてスピーカ12bから音声出力される。
【0018】
統制局制御装置20は、回線制御部21、コーデック部22、記憶部23を備え、統制局10を構成する各構成部や、統制局10全体を制御する。
コーデック部22は、回線制御部21からの指示に基づき音声データのコーデック変換を行うもので、例えば、統制台12と固定端末局の間で通話を行う場合はμLawとAMBEの間でコーデック変換を行い、統制台12と移動端末局の間で通話を行う場合はμLawとELCELPとの間でコーデック変換を行う。そのため、コーデック部22は、複数種類の音声コーデック、ELCELP、μLaw、AMBEを備えている。
【0019】
回線制御部21は、本無線通信システムにおける音声データの経路を設定し管理する。また、回線制御部21は、本無線通信システムにおける呼制御を行い管理する。また、回線制御部21は、統制台12や端末局60等から通話要求が発信された場合に、該通話要求の発信元から受信した発信元ID情報(発信元の端末局を識別する識別子を示す情報)及び着信先ID情報(着信先の端末局を識別する識別子を示す情報)と、後述する音声コーデックマトリクス情報とに基づき、基地局30と端末局60との間の無線通話、つまり基地局30を介する無線通話で使用する音声コーデックとして、どの音声コーデックを使用するかを選択し決定する。そして、回線制御部21は、上記決定した音声コーデックを、後述するように、基地局30のモニタ部40へ送信し通知する。
このように、回線制御部21は、基地局30を介する無線通話で使用する音声コーデックを決定する音声コーデック決定部(手段)として機能する。
【0020】
記憶部23は、音声コーデックマトリクス情報(不図示)を記憶する。音声コーデックマトリクスは、基地局30を介する無線通話で使用する音声コーデック種別を、通話要求の発信元と着信先に対応付けて指定したものであり、例えば、回線制御部21に接続された保守端末(不図示)から操作者が予め設定しておく。
音声コーデックマトリクス情報において、通話要求元(呼の発信元)である発信側、又は通話要求先(呼の着信先)である着信側のうち、いずれか一方が移動端末局である場合は、基地局30を介する無線通話で使用する音声コーデックとしてELCELPを使用する。本実施形態では、移動端末局は、音声コーデックとしてELCELPのみを備える。
発信側と着信側のいずれも移動端末局でない場合、例えば固定端末局や統制台12や後述の内線電話機16などの場合は、基地局30を介する無線通話で使用する音声コーデックとしてAMBEを使用する。本実施形態では、固定端末局は、音声コーデックとしてELCELPとAMBEを備える。
【0021】
また、統制局制御装置20には、中継交換機15が接続される。中継交換機15には、内線電話機16とファクシミリ17が接続される。内線電話機16は、音声コーデックとしてμLawを備えており、内線電話機16のマイクから入力された音声信号がμLawにより符号化され、他の電話機から受信した符号化された音声信号がμLawにより復号化されて内線電話機16のスピーカから音声出力される。
【0022】
図2は、本発明の実施形態における端末局の構成図である。
図2に示すように、端末局60は、制御部61と無線部62と記憶部63と操作表示部64とマイク65とスピーカ66を備え、電話機として機能する。無線部62には、基地局30と無線通信を行うためのアンテナ62aが接続される。制御部61は、端末局60を構成する各構成部や、端末局60全体を制御する。
移動端末局の制御部61は、音声コーデックとしてELCELPを備えている。マイク65から入力された音声信号は、ELCELPにより符号化され無線送信される。他の電話機から無線受信した符号化された音声信号は、ELCELPにより復号化されてスピーカ66から音声出力される。
【0023】
固定端末局の制御部61は、音声コーデックとしてELCELPとAMBEを備えている。通話相手の電話機が移動端末局以外の場合は、マイク65から入力された音声信号は、AMBEにより符号化され無線送信される。通話相手の電話機から無線受信したAMBEにより符号化された音声信号は、AMBEにより復号化されてスピーカ66から音声出力される。
また、通話相手の電話機が移動端末局の場合は、マイク65から入力された音声信号は、ELCELPにより符号化され無線送信される。通話相手の電話機から無線受信したELCELPにより符号化された音声信号は、ELCELPにより復号化されてスピーカ66から音声出力される。
【0024】
基地局30は、制御部31と無線部32とインタフェース(IF)部33とモニタ部40とを備える。無線部32は、端末局60との間で無線通信を行うもので、そのためのアンテナ32aを有している。IF部33は、統制局10の回線制御部21との間のインタフェースである。制御部31は、基地局30を構成する各構成部や、基地局30全体を制御する。また、制御部31は、モニタ部40に対し、後述するハイウエイ回線の音声データを提供する。
【0025】
モニタ部40は、基地局30を介する無線通話をモニタ、つまり通話音声の監視や傍受を行う。
図3は、本発明の実施形態における基地局モニタ部の一部を示す部分構成図である。
図3では、制御部41と操作部42と記憶部43は、図示を省略している。
図3の例では、基地局が上り下りにそれぞれ2つの無線キャリア(キャリア#1,#2)を使用でき、1無線キャリアあたり通話スロット(通話チャネル)が4スロット(スロット#1〜#4)あり、基地局30を介して行われる無線通話で使用される音声コーデックがELCELPとAMBEの2種類の場合を示す。
【0026】
H回線番号は、統制局10の回線制御部21と基地局30との間のハイウエイ回線(H回線)を識別する番号である。H回線は、基地局30から出て回線制御部21を経由して基地局30に戻るルートとして構成される。そして、H回線は、上りと下りの無線キャリアを含むように構成される。
図3の例では、例えば、H回線番号1は、上りの無線キャリア#1のスロット#1と、下りの無線キャリア#1のスロット#1とを含むように構成される。
【0027】
図1と
図3に示すように、モニタ部40は、モニタ部40の制御部41、操作部42、記憶部43、セレクタ51a,51b、スイッチ52a,52b、音声コーデック(ELCELP)53a,53b、音声コーデック(AMBE)54a,54b、セレクタ55a,55b、加算器56、D/Aコンバータ57、アンプ58、スピーカ59を備える。
【0028】
セレクタ51a,51bは、モニタする無線通話チャネルを選択、つまり無線キャリアとスロットを選択する。セレクタ51aは、上りの8つの無線通話チャネルのうち1つを選択し、セレクタ51bは、下りの8つの無線通話チャネルのうち1つを選択する。
音声コーデック(ELCELP)53a,53bは、音声データをELCELPによりデコードし、音声コーデック(AMBE)54a,54bは、音声データをAMBEによりデコードする。
【0029】
スイッチ52aは、セレクタ51aで選択された通話チャネルの音声データを、音声コーデック(ELCELP)53aに入力するか、音声コーデック(AMBE)54aに入力するかを切り替える。スイッチ52bは、セレクタ51bで選択された通話チャネルの音声データを、音声コーデック(ELCELP)53bに入力するか、音声コーデック(AMBE)54bに入力するかを切り替える。
セレクタ55aは、入力される音声コーデック(ELCELP)53aからの音声データと音声コーデック(AMBE)54aからの音声データの2つのうち、1つを選択して出力する。セレクタ55bは、入力される音声コーデック(ELCELP)53bからの音声データと音声コーデック(AMBE)54bからの音声データの2つのうち、1つを選択して出力する。
【0030】
加算器56は、セレクタ55aの出力とセレクタ55bの出力とを加算、つまり、上り音声データと下り音声データとを加算する。D/Aコンバータ57は、音声データをアナログ信号に変換する。アンプ58は、アナログ音声信号を増幅するオーディオアンプである。スピーカ59は、音声を出力する。
【0031】
記憶部43は、制御部41からの指示に基づき、無線通話チャネルに対応する音声コーデックの種別、つまり無線キャリアとスロットに対応する音声コーデックの種別を記憶する。
【0032】
制御部41は、モニタ部40を構成する各構成部や、モニタ部40全体を制御する。制御部41は、無線キャリアとスロットに対応する音声コーデックの種別が、統制局10の回線制御部21により設定、又は更新されるごとに、無線キャリアとスロットに対応する音声コーデックの種別を、基地局制御部31を介して回線制御部21から受信し、記憶部43に記憶させる。回線制御部21は、回線制御部21により呼接続され無線通話が形成されるごとに、当該無線通話に使用される音声コーデックの種別を決定し、基地局制御部31へ送信する。
【0033】
また、制御部41は、操作部42から入力された無線キャリア番号とスロット番号を読み込んで、無線キャリア番号を示すキャリア選択信号、及びスロット番号を示すスロット選択信号を出力する。また、制御部41は、操作部42から入力された無線キャリア番号とスロット番号に対応する音声コーデックの種別を記憶部43から読み込んで、該音声コーデックの種別を示すコーデック選択信号を出力する。
【0034】
操作部42は、操作者からの指示や各種データ入力を受け付ける。操作部42は、各種データを表示する表示部を備えるものであってもよい。例えば、操作部42は、モニタ対象の通話チャネルの無線キャリア番号とスロット番号を指示するための入力を受け付ける。モニタ対象の無線キャリア番号とスロット番号を指示するための入力は、モニタ対象の無線キャリア番号とスロット番号そのものを直接的に入力するものであってもよいし、基地局30が有する全通話チャネルの無線キャリア番号とスロット番号を表示しておき、その中から選択するようにしてもよい。
【0035】
通話をモニタする場合は、操作者が操作部42から、モニタ対象の無線キャリア番号とスロット番号を入力する。すると、前述したように、該入力された無線キャリア番号とスロット番号を制御部41が読み込んで、無線キャリア番号を示すキャリア選択信号、及びスロット番号を示すスロット選択信号を、セレクタ51a,51bに出力する。また、該入力された無線キャリア番号とスロット番号に対応する音声コーデックの種別を制御部41が記憶部43から読み込んで、該音声コーデックの種別を示すコーデック選択信号を、スイッチ52a,52b、セレクタ55a,55bに出力する。
【0036】
制御部41からのキャリア選択信号及びスロット選択信号に従い、セレクタ51aは、該当する無線キャリア番号とスロット番号の上り音声データを選択してスイッチ52aに出力する。セレクタ51bは、該当する無線キャリア番号とスロット番号の下り音声データを選択してスイッチ52bに出力する。スイッチ52a,52b、セレクタ55a,55bは、制御部41からのコーデック選択信号に従い、該当する音声コーデックの種別に対応するように切替わる。
例えば
図3では、H回線番号3(キャリア#3、スロット#3)の通話(AMBE)をモニタする場合であるので、セレクタ51a,51bの出力は入力Cと接続、スイッチ52a,52b、及びセレクタ55a,55bは、入力Kと接続される。
【0037】
こうして、セレクタ51a,51bで選択出力された音声データは、それぞれ、スイッチ52a,52bを介して、音声コーデック(AMBE)54a,54bに入力される。音声コーデック(AMBE)54a,54bで復号された音声データは、それぞれ、セレクタ55a,55bを介して加算器56に入力される。加算器56で加算された音声データは、D/Aコンバータ57に入力されアナログ変換される。アナログ変換された音声信号は、オーディオアンプ58で増幅され、スピーカ59より出力されてモニタされる。
【0038】
なお、単信通信の場合は、上り音声データと下り音声データは同時刻に発生しないので、加算器56で加算しても重なることはない。複信通信の場合は、上り音声データと下り音声データは同時刻に発生しうるので、加算器56で加算すると重なる場合がある。しかし、保守目的で音声モニタする場合は、上り音声データと下り音声データの存在を確認できれば足りることが多いので、上り音声データと下り音声データとを加算器56で加算する構成とすることができる。このようにすると、モニタ部40の構成を簡素化できる。
【0039】
もちろん、上り音声データと下り音声データとを加算器56で加算するのではなく、加算器56の代わりにスイッチを設け、該スイッチを介する操作部42からの指示に基づき、上り音声データと下り音声データと切り替えてスピーカ59より出力するように構成してもよい。このようにすると、複信通信の場合も上り音声データと下り音声データとが重ならないので、音声内容を正確にモニタすることができる。
【0040】
(第1実施例:端末局からのグループ一斉通話シーケンス)
次に、端末局からの単信のグループ一斉通話シーケンスについて、
図4を用いて説明する。
図4は、本発明の実施形態におけるグループ一斉通話シーケンスである。
まず、端末局Bが、操作者の発信操作(
図4のステップS1)により、基地局30に対して、グループ一斉通信を要求するグループ呼設定要求情報を送信する(ステップS2)。このグループ呼設定要求情報は、端末局Bが通話を要求する通話要求情報である。
【0041】
グループ一斉通信とは、予め登録されたグループに属する複数の端末局すべてとの間で、一斉通話を可能とするものである。この場合は、端末局Bとグループに属する複数の端末局すべてとの間で、一斉通話が行われる。このグループ呼設定要求情報には、通信機器情報と通信種別情報とが含まれる。
通信機器情報には、発信元の端末局を示す発信元ID情報(例えば端末局Bの電話番号)と、着信先の端末局を示す着信先ID情報(例えばグループ一斉を示す電話番号)とが含まれる。
【0042】
通信種別情報とは、一斉通信や、単信通信や、複信通信等の種別を示す。一斉通信は、複数の端末局すべてとの間で一斉通話を行うものである。単信通信は、同時に片方向の通信のみ可能、つまり同時に双方向の通信が行えないものである。複信通信は、同時に双方向の通信が行えるものである。
本実施形態では、グループ一斉通信は単信通信とされており、単信通信の場合の音声コーデックは、ELCELPとされている。
【0043】
グループ呼設定要求情報を受信した基地局30の無線部32は、基地局制御部31にグループ呼設定要求情報を送信する。グループ呼設定要求情報を受信すると、基地局制御部31は、端末局60との間の無線回線に空きがあるか確認し、空きの無線回線を確保する(ステップS3)。無線回線を確保した段階では、使用する無線キャリアとスロットはまだ決定されていないが、当該無線回線確保後に別の呼設定要求を受信しても、確保した無線回線は使用されないようになっている。
その後、基地局制御部31は、統制局10の回線制御部21へ、グループ呼設定要求情報を送信し通知する(ステップS4)。
【0044】
グループ呼設定要求情報を受信した回線制御部21は、該受信したグループ呼設定要求情報に含まれる通信種別情報と通信機器情報に基づき、使用するコーデックを判定する(ステップS5)。ここでは、通信種別情報が単信通信であるので、ELCELPと判定することになる。
その後、回線制御部21は、使用するコーデック情報(ELCELP)を付加したグループ呼設定情報を、基地局30へ送信し通知する(ステップS6)。IF部33を介してグループ呼設定情報を受信した基地局制御部31は、使用する無線通話チャネル、つまり、無線キャリア番号とスロット番号を決定する。そして、基地局制御部31は、受信したグループ呼設定情報に基づき、コーデック情報(ELCELP)と無線通話チャネル情報(無線キャリア番号とスロット番号)を、モニタ部40へ送信し通知する(ステップS8)。なお、この際、基地局制御部31は、当該無線キャリア番号とスロット番号に対応するH回線番号をモニタ部40に通知しても良い。
【0045】
コーデック情報(ELCELP)と無線通話チャネル情報を受信すると、モニタ部40は、受信した無線通話チャネル情報、つまり無線キャリア番号及びスロット番号と対応付けて、受信した音声コーデックの種別を、記憶部43に記憶する。なお、モニタ部40は、H回線番号も付加されていた場合には、H回線番号も対応付けて記憶部43に記憶する。
コーデック情報(ELCELP)と無線通話チャネル情報を受信することにより、モニタ部40は、該無線通話チャネル情報により特定される無線キャリア番号とスロット番号で使用されるコーデック情報がELCELPであることを認識することができ、これ以降、音声モニタが可能となる。
【0046】
その後、基地局制御部31は、コーデック情報(ELCELP)を付加した呼設定受付情報を、無線部32を介して端末局Bに無線送信し通知する(ステップS7)。これにより、端末局Bは、使用するコーデック情報(ELCELP)を認識することが可能となる。なお、ステップS7とステップS8の順序を逆にしても構わない。
【0047】
基地局制御部31は、前述のグループ呼設定情報(ステップS6)を回線制御部21から受信すると、グループ呼設定情報を受け付けたことを示す呼設定受付情報を、回線制御部21へ送信する(ステップS9)。その応答として、使用するコーデック情報(ELCELP)を付加したグループ呼設定情報を回線制御部21から受信する(ステップS10)と、コーデック情報(ELCELP)と無線通話チャネル情報を、モニタ部40へ送信し通知する(ステップS11)。前述したように、無線通話チャネル情報には、無線キャリア番号とスロット番号が含まれる。なお、コーデック情報(ELCELP)と無線通話チャネル情報は、既にステップS8においてモニタ部40へ送信しているので、ステップS10とステップS11は省略することもできる。
【0048】
その後、基地局制御部31は、使用するコーデック情報(ELCELP)を付加したグループ呼設定情報を、端末局Aを含むグループ内の端末局に送信し通知する(ステップS12)。これにより、グループ内の端末局は、使用するコーデック情報(ELCELP)を認識することが可能となる。
【0049】
また、基地局制御部31は、使用する無線通話チャネル、つまり、無線キャリア番号とスロット番号を指定する無線通話チャネル指定情報を、端末局Aと端末局Bを含むグループ内の端末局に送信し通知する(ステップS13)。これにより、グループ内の端末局は、使用する無線キャリア番号とスロット番号を認識することが可能となる。
また、基地局制御部31は、無線キャリア番号とスロット番号を指定する無線通話チャネル指定情報を、回線制御部21へ送信し通知する(ステップS14)。これにより、回線制御部21は、グループ一斉通話で使用する無線キャリア番号とスロット番号を認識することが可能となる。
【0050】
以上の処理を行うことで、音声通信で使用するコーデック情報に関し、回線制御部21、基地局30、端末局60において、同じ情報(ELCELP)を保有し管理することが可能となる。また、使用する無線通話チャネルに関し、基地局30やグループ内の端末局60において、同じ情報を保有し管理することが可能となる。
こうして、無線通話の通信確立がなされた後、グループ内の各端末局60において、無線部62の周波数が使用する無線キャリアの周波数に切り替えられ(ステップS15)、グループ一斉通信が行われる(ステップS16)。
【0051】
この結果、基地局30で音声モニタをする場合、モニタ部40の操作部42で操作者が、モニタ対象の無線キャリア番号とスロット番号を指定して通話モニタ要求を行う(ステップS17)ことにより、制御部41が、指定された無線キャリア番号とスロット番号にそれぞれ対応するキャリア選択信号とスロット選択信号を出力する。また、制御部41が記憶部43から、指定された無線キャリア番号とスロット番号に対応する音声コーデック(ELCELP)の種別を読み出し、ELCELPを選択するコーデック選択信号を出力する。
【0052】
こうして、指定された無線キャリア番号とスロット番号で行われる音声通話の音声データを、その無線キャリア番号とスロット番号に対応する音声コーデック(ELCELP)によりデコードすることができ(ステップS18)、基地局30での音声モニタが可能となる。
【0053】
通信切断時は、端末局Bにおいて、操作者の切断操作(ステップS19)が行われると、端末局Bから基地局30に対して、通信切断を示す切断要求情報を送信する(ステップS20)。
【0054】
基地局制御部31は、通信切断処理完了後、通信切断処理完了を示す解放完了情報を、回線制御部21へ送信する(ステップS21)。また、基地局制御部31は、端末局Bに対して、切断応答情報を送信する(ステップS22)。また、基地局制御部31は、モニタ部40の記憶部43に記憶している無線通話チャネルと音声コーデックとの対応付けを示す情報の削除を指示する無線通話チャネル情報末梢指示情報を、モニタ部40に送信し通知する(ステップS23)。
【0055】
受信した無線通話チャネル情報末梢指示情報に基づき、モニタ部40は、記憶部43に記憶している無線通話チャネルと音声コーデックとの対応付けを示す情報を削除する。これにより、以後、音声モニタ操作が行われても音声モニタは不可能となる。また、音声モニタ操作が行われても、モニタ部40が自律で無音を送信するように構成すると、異音等の発生を防止することが可能となる。
その後、グループ内の端末局60は、他の端末局60等に対して呼設定を要求可能、又は他の端末局60等からの呼を受けることのできる待受け状態に入る(ステップS24)。
【0056】
(第2実施例:端末局同士の個別通話シーケンス)
次に、端末局同士の複信の個別通話シーケンスについて、
図5を用いて説明する。
図5は、本発明の実施形態における端末局同士の個別通話シーケンスである。
まず、端末局Bが、操作者の発信操作(
図5のステップS101)により、基地局30に対して、端末局Aとの間で個別通話を要求する呼設定要求情報を送信する(ステップS102)。この呼設定要求情報は、端末局Bが通話を要求する通話要求情報である。
【0057】
この個別通話を要求する呼設定要求情報には、第1実施例で述べた通信機器情報と通信種別情報とが含まれる。第2実施例の場合は、通信機器情報には、発信元ID情報(例えば端末局Bの電話番号)と、着信先ID情報(例えば端末局Aの電話番号)とが含まれる。通信種別情報には、複信通信の種別を示す情報が含まれる。
本実施形態では、端末局間の個別通話は、単信通信の場合と複信通信の場合がある。複信通信の場合、いずれか一方の端末局が移動端末局である場合は、音声コーデックとしてELCELPが使用され、両方の端末局が移動端末局でない場合は、音声コーデックとしてAMBEが使用される。第2実施例は、複信通信であって両方の端末局が移動端末局でない場合として説明する。したがって、第2実施例では、音声コーデックとしてAMBEが使用される。
【0058】
呼設定要求情報を受信した基地局30の無線部32は、基地局制御部31に呼設定要求情報を送信する。呼設定要求情報を受信すると、基地局制御部31は、端末局60との間の無線回線に空きがあるか確認し、空きの無線回線を確保する(ステップS103)。
その後、基地局制御部31は、統制局10の回線制御部21へ、呼設定要求情報を送信し通知する(ステップS104)。
【0059】
呼設定要求情報を受信した回線制御部21は、該受信した呼設定要求情報に含まれる通信種別情報と通信機器情報に基づき、使用するコーデックを判定する(ステップS105)。ここでは、通信種別情報が複信通信であり、通信機器情報が端末局A,Bともに移動端末局でないので、AMBEと判定することになる。
その後、回線制御部21は、使用するコーデック情報(AMBE)を付加した呼設定情報を、基地局30へ送信し通知する(ステップS106)。IF部33を介して呼設定情報を受信した基地局制御部31は、使用する無線通話チャネル、つまり、無線キャリア番号とスロット番号を決定する。そして、基地局制御部31は、受信した呼設定情報に基づき、コーデック情報(AMBE)と無線通話チャネル情報(無線キャリア番号とスロット番号)を、モニタ部40へ送信し通知する(ステップS108)。なお、この際、基地局制御部31は、当該無線キャリア番号とスロット番号に対応するH回線番号をモニタ部40に通知しても良い。
【0060】
コーデック情報(AMBE)と無線通話チャネル情報を受信すると、モニタ部40は、受信した無線通話チャネル情報、つまり無線キャリア番号及びスロット番号と対応付けて、受信した音声コーデックの種別を、記憶部43に記憶する。なお、モニタ部40は、H回線番号も付加されていた場合には、H回線番号も対応付けて記憶部43に記憶する。
コーデック情報(AMBE)と無線通話チャネル情報を受信することにより、モニタ部40は、該無線通話チャネル情報により特定される無線キャリア番号とスロット番号で使用されるコーデック情報がAMBEであることを認識することができ、これ以降、音声モニタが可能となる。
【0061】
その後、基地局制御部31は、コーデック情報(AMBE)を付加した呼設定受付情報を、無線部32を介して端末局Bに無線送信し通知する(ステップS107)。これにより、端末局Bは、使用するコーデック情報(AMBE)を認識することが可能となる。なお、ステップS107とステップS108の順序を逆にしても構わない。
【0062】
基地局制御部31は、前述の呼設定情報(ステップS106)を回線制御部21から受信すると、呼設定情報を受け付けたことを示す呼設定受付情報を、回線制御部21へ送信する(ステップS109)。その応答として、使用するコーデック情報(AMBE)を付加した呼設定情報を回線制御部21から受信する(ステップS110)と、コーデック情報(AMBE)と無線通話チャネル情報を、モニタ部40へ送信し通知する(ステップS111)。前述したように、無線通話チャネル情報には、無線キャリア番号とスロット番号が含まれ、対応するH回線番号が含まれてもよい。
【0063】
その後、基地局制御部31は、使用するコーデック情報(AMBE)を付加した呼設定情報を、端末局Aに送信し通知する(ステップS112)。これにより、端末局Aは、使用するコーデック情報(AMBE)を認識することが可能となる。
また、基地局制御部31は、使用する無線通話チャネル、つまり、無線キャリア番号とスロット番号を指定する無線通話チャネル指定情報を、端末局Aと端末局Bに送信し通知する(ステップS113)。これにより、端末局Aと端末局Bは、使用する無線キャリア番号とスロット番号を認識することが可能となる。
また、基地局制御部31は、無線キャリア番号とスロット番号を指定する無線通話チャネル指定情報を、回線制御部21へ送信し通知する(ステップS114)。これにより、回線制御部21は、使用する無線キャリア番号とスロット番号を認識することが可能となる。
【0064】
以上の処理を行うことで、音声通信で使用するコーデック情報に関し、回線制御部21、基地局30、端末局60において、同じ情報(AMBE)を保有し管理することが可能となる。また、使用する無線通話チャネルに関し、基地局30や端末局Aや端末局Bにおいて、同じ情報を保有し管理することが可能となる。
こうして、端末局Aと端末局Bにおいて、無線部62の周波数が、使用する無線キャリアの周波数に切り替えられ(ステップS115)、基地局制御部31から端末局Aに対し呼出が行われ、呼出と応答の一連の処理がなされた(ステップS116〜S120)後、つまり無線通話の通信確立がなされた後、個別通信が行われる(ステップS121)。
【0065】
この結果、基地局30で音声モニタをする場合、モニタ部40の操作部42で操作者が、モニタ対象の無線キャリア番号とスロット番号を指定して通話モニタ要求を行う(ステップS122)ことにより、制御部41が、指定された無線キャリア番号とスロット番号にそれぞれ対応するキャリア選択信号とスロット選択信号を出力する。また、制御部41が記憶部43から、指定された無線キャリア番号とスロット番号に対応する音声コーデック(AMBE)の種別を読み出し、AMBEを選択するコーデック選択信号を出力する。
【0066】
こうして、指定された無線キャリア番号とスロット番号で行われる音声通話の音声データを、その無線キャリア番号とスロット番号で使用される音声コーデック(AMBE)にてデコードすることができ(ステップS123)、基地局30での音声モニタが可能となる。
【0067】
通信切断時は、端末局Bにおいて、操作者の切断操作(ステップS124)が行われると、端末局Bから基地局30に対して、通信切断を示す切断要求情報を送信する(ステップS125)。
【0068】
基地局制御部31は、通信切断処理完了後、通信切断処理完了を示す解放完了情報を、回線制御部21へ送信する(ステップS126)。また、基地局制御部31は、端末局Bに対して、切断応答情報を送信する(ステップS127)。また、基地局制御部31は、モニタ部40の記憶部43に記憶している無線通話チャネルと音声コーデックとの対応付けを示す情報の削除を指示する無線通話チャネル情報末梢指示情報を、モニタ部40に送信し通知する(ステップS128)。
【0069】
受信した無線通話チャネル情報末梢指示情報に基づき、モニタ部40は、記憶部43に記憶している無線通話チャネルと音声コーデックとの対応付けを示す情報を削除する。これにより、以後、音声モニタ操作が行われても音声モニタは不可能となる。また、音声モニタ操作が行われても、モニタ部40が自律で無音を送信するように構成すると、異音等の発生を防止することが可能となる。
その後、端末局Aと端末局Bは、それぞれ、他の端末局60等に対して呼設定を要求可能、又は他の端末局60等からの呼を受けることのできる待受け状態に入る(ステップS129)。
【0070】
本実施形態によれば、少なくとも次の効果を得ることができる。
(1)複数の音声コーデックを使用する無線通信システムの基地局において、基地局を介する無線通話をモニタするモニタ部を設け、該モニタ部において、複数の音声コーデックを識別できるように構成したので、複数の音声コーデックが使用される無線通話をモニタすることができる。
(2)無線通話の通信確立段階で、モニタ部は、当該無線通話で使用する音声コーデックの種別を、音声コーデック決定部から受信し、使用する無線通話チャネル(無線キャリアとスロット)と対応付けて記憶部に記憶しておき、無線通話中において、モニタ対象の無線通話チャネルを指定されると、該指定された無線通話チャネルに対応する音声コーデックの種別を記憶部から読み出して、該読み出した種別の音声コーデックを用いて、無線通話の音声データをデコードするように構成したので、無線通話中の音声データに使用されている音声コーデックの種別を容易に判定することができる。
(3)回線制御部に、音声コーデック決定部の機能を設けたので、無線通話で使用する音声コーデックを容易に決定することができる。
(4)モニタ部の操作部から、モニタ対象の無線通話チャネルを指定するように構成したので、モニタ対象の無線通話チャネルを容易に指定することができる。
(5)モニタ部において、上り音声データと下り音声データとを加算するように構成したので、モニタ部の構成を簡素化できる。
(6)無線通話で使用する音声コーデックの種別を通話要求情報の発信元と着信先に対応付けて、音声コーデックマトリクス情報として予め記憶しておき、音声コーデック決定部は、基地局を介する無線通話が行われる際に、当該無線通話において使用される音声コーデックの種別を、端末局から送信される通話要求情報に含まれる発信元ID情報及び着信先ID情報と、音声コーデックマトリクス情報とに基づいて決定するので、当該無線通話において使用される音声コーデックの種別を容易に決定できる。
【0071】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形、組み合わせて実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、移動端末局にELCELPを備え、固定端末局にELCELPとAMBEを備えるよう構成したが、本発明は、移動端末局と固定端末局以外の端末局にも適用可能であり、また、ELCELPとAMBE以外の音声コーデックを使用する形態も可能である。
また、上述の実施形態では、基地局を介する無線通話で使用する音声コーデックを決定する音声コーデック決定部の機能を、統制局内の回線制御部に設けたが、回線制御部に限られず、例えば、基地局内に設ける構成とすることも可能である。また、回線制御部を回線制御装置として、統制局外に設ける構成とすることも可能である。
また、上述の実施形態では、基地局を介する無線通話をモニタするモニタ部を、基地局内に設けたが、モニタ装置として基地局外に設ける構成とすることも可能である。
【0072】
また、本発明は、本発明に係る処理を実行するシステムや装置としてだけでなく、方法として、或いは、このような方法やシステムを実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
また、本発明は、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより制御する構成としてもよく、また、ハードウエア回路として構成してもよい。例えば、上述した回線制御部21や基地局制御部31やモニタ部制御部31等の各構成部は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)と各構成部の動作プログラム等を格納するメモリを備え、それぞれのCPUは、その動作プログラムに従って動作するよう構成してもよく、あるいは、CPUを用いないハードウエア回路として構成してもよい。
【0073】
本明細書には、少なくとも次の構成が含まれる。すなわち、
第1の構成は、
第1の音声コーデックを備える第1の端末局と、第1の音声コーデックと第2の音声コーデックとを備える第2の端末局と、前記第1の端末局及び前記第2の端末局と無線通信を行う基地局とを備え、前記第1の端末局及び前記第2の端末局が前記基地局を介して無線通話可能な無線通信システムであって、さらに、
前記基地局を介する無線通話において使用される音声コーデックを決定する音声コーデック決定部と、
操作者からの入力を受け付ける操作部と情報を記憶する記憶部とを有し、前記基地局を介する無線通話をモニタするモニタ部とを備え、
前記モニタ部は、前記基地局を介する無線通話が行われる際に、当該無線通話において使用される音声コーデックの種別を前記音声コーデック決定部から受信し、該受信した音声コーデックの種別を当該無線通話において使用される無線通話チャネルと対応付けて、前記記憶部に記憶し、前記操作部からモニタ対象の無線通話チャネルが指定された通話モニタ要求がなされると、該指定された無線通話チャネルに対応する音声コーデックの種別を前記記憶部から読み出し、該読み出した種別の音声コーデックに基づき、当該無線通話の音声データを復号化して出力することを特徴とする無線通信システム。
【0074】
第2の構成は、上記第1の構成の無線通信システムであって、
前記音声コーデック決定部は、前記基地局を介する無線通話の音声データの経路を設定する回線制御部に設けられ、
前記モニタ部は、前記基地局に設けられることを特徴とする無線通信システム。
【0075】
第3の構成は、上記第1の構成又は第2の構成の無線通信システムであって、
前記モニタ部は、前記基地局宛てに送信された上り音声データと前記基地局から送信された下り音声データとを復号化した後、加算して出力することを特徴とする無線通信システム。
【0076】
第4の構成は、上記第1の構成ないし第3の構成の無線通信システムであって、
前記音声コーデック決定部は、前記基地局を介する無線通話が行われる際に、当該無線通話において使用される音声コーデックの種別を、前記第1の端末局又は前記第2の端末局から送信される通話要求情報に含まれる発信元ID情報及び着信先ID情報と、無線通話で使用する音声コーデックの種別を通話要求情報の発信元と着信先に対応付けて記憶する音声コーデックマトリクス情報とに基づいて決定することを特徴とする無線通信システム。
【0077】
第5の構成は、
複数の端末局と無線通信を行い、当該基地局を介する無線通話をモニタするモニタ部を備える基地局であって、
前記モニタ部は、複数種類の音声コーデックを有し、前記基地局を介する無線通話が行われる際に、当該無線通話において使用される音声コーデックの種別を受信し、前記複数種類の音声コーデックの中から前記受信した音声コーデックを選択して使用し、当該無線通話の音声データを復号化して出力することを特徴とする基地局。
【0078】
第6の構成は、上記第5の構成の基地局であって、
前記モニタ部は、操作者からの入力を受け付ける操作部と情報を記憶する記憶部とを有し、前記基地局を介する無線通話が行われる際に、当該無線通話において使用される音声コーデックの種別を受信し、該受信した音声コーデックの種別を当該無線通話において使用される無線通話チャネルと対応付けて、前記記憶部に記憶し、前記操作部からモニタ対象の無線通話チャネルが指定された通話モニタ要求がなされると、該指定された無線通話チャネルに対応する音声コーデックの種別を前記記憶部から読み出し、該読み出した種別の音声コーデックに基づき、当該無線通話の音声データを復号化して出力することを特徴とする基地局。
【0079】
第7の構成は、上記第5の構成又は第6の構成の基地局であって、
前記モニタ部は、前記基地局宛てに送信された上り音声データと前記基地局から送信された下り音声データとを復号化した後、加算して出力することを特徴とする基地局。