(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
<自動薄切装置の構成>
本実施形態の自動薄切装置は、
図1に示すように、生体試料Sが包埋材であるパラフィンPによって包埋された包埋ブロックBを例えば3μm〜5μmの厚みに薄切する装置である。従って、この自動薄切装置によって、
図2に示す薄切片Mを作製することが可能とされている。
また、本実施形態の自動薄切装置は、薄切片Mを作製するだけでなく、該薄切片MをスライドガラスG等の基板上に転写させて薄切片標本Hを作製した後、該薄切片標本Hをバスケットに収納する作業を自動的に行うことが可能とされている。
【0024】
なお、包埋ブロックBは、ホルマリン固定された生体試料S内の水分をパラフィン置換した後、さらに周囲をパラフィンPによってブロック状に固められたものである。これにより、生体試料SがパラフィンP内に包埋されている。また、生体試料Sとしては、例えば、人体や実験動物等から取出した臓器等の組織であり、医療分野、製薬分野、食品分野、生物分野等で適時選択されるものである。
【0025】
また、包埋ブロックBは、
図1に示すようにカセットK上に固定されている。
このカセットKは、耐薬品性を有する樹脂等により箱状に形成されたものであり、包埋ブロックBを固定する固定台としての役割を果している。カセットKの一側面は、下方に面が向いた傾斜面K1とされている。この傾斜面K1には、カセットKの製造番号や、包埋ブロックBの作製日、生体試料Sの各種データ等を含む図示しないIDデータが記録されている。そのため、このIDデータを読み取ることで、包埋ブロックBの品質管理を行うことが可能とされている。
【0026】
続いて、自動薄切装置の各構成品について説明する。
本実施形態では、はじめに自動薄切装置を構成する各構成品を順次簡単に説明し、その後、必要な構成品について詳細に説明する。
【0027】
図3に示すように、自動薄切装置1は、複数の包埋ブロックBが出し入れ可能に収納される複数のマガジン2と、このマガジン2を離脱自在に各別に装着可能なカルーセル(マガジン保持手段)3と、このカルーセル3に装着されたマガジン2に収納されている複数の包埋ブロックBの中から選択された1つの包埋ブロックBを出し入れすると共に、薄切位置であるステージ4上に載置するブロック搬送機構5と、ステージ4上に載置された包埋ブロックBを所定の厚みで切断し、薄切片Mを切り出す薄切機構6と、薄切機構6によって切り出された薄切片Mを貯留槽7まで搬送すると共に、液面に浮かべて伸展させる薄切片搬送機構8と、伸展された薄切片Mを液面からスライドガラスG上に掬い取って薄切片標本Hを作製するスライドガラスハンドリング機構9と、作製された薄切片標本HをバスケットJ内に収納するスライドガラス収納機構10と、これら各構成品を内部に収容する装置ケース(筐体)11と、各構成品を総合的に制御する制御部12と、を主に備えている。
【0028】
(装置ケース)
上記装置ケース11は、内部が密閉可能とされているうえ、例えば湿度や温度等の環境条件を所望する条件に設定可能とされている。装置ケース11の壁面には、作業者が開閉操作するアクセス扉11aが設けられている。このアクセス扉11aは、マガジン2を装着或いは取り出す際に用いる扉であり、該アクセス扉11aを開けることでマガジン2が装着されるカルーセル3にアクセスすることが可能とされる。
【0029】
なお、本実施形態では、装置ケース11の天面11b側を上側、底面11c側を下側とし、天面11b及び底面11cに対して垂直な方向を上下方向と定義する。
【0030】
(マガジン)
上記マガジン2は、全体として縦長の直方体状に形成された収納ケースであり、カセットKに固定された複数の包埋ブロックBを上下方向に沿って一列に並べた状態で収納することが可能とされている。このマガジン2は、正面が開口した箱型のマガジン本体2Aと、マガジン本体2Aに固定された開閉扉2Bと、で主に構成されている。
開閉扉2Bは、閉状態になったときに、マガジン本体2Aに収納されている複数の包埋ブロックBの一部を覆って脱落を防止している。これにより、作業者は、包埋ブロックBの落下に注意を払うことなくマガジン2を安心して持ち運びすることが可能とされる。
【0031】
(カルーセル)
上述したように構成されたマガジン2は、カルーセル3に対して離脱自在に装着可能とされている。図示の例では、カルーセル3に対して同時に6個のマガジン2が装着された状態を例に挙げている。
このカルーセル3は、装置ケース11のアクセス扉11aを開けることで外部からアクセス可能な位置に配設されている。これにより、作業者は、手動でマガジン2をカルーセル3に装着したり、カルーセル3から取り外したりすることが可能とされている。
【0032】
また、カルーセル3は、上下方向に延在する回転軸線O回りに回転可能とされており、該回転によって装着されたマガジン2を周方向に移動させ、選択した1つのマガジン2をブロック搬送機構5に対して向かい合うブロック取出し位置P2(
図6参照)にセットすることが可能とされる。
なお、カルーセル3の作動は制御部12によって制御されている。また、
図3ではカルーセル3の図示を簡略化している。
【0033】
(読取部)
また、カルーセル3に隣接する位置には、上記ブロック取出し位置P2にセットされているマガジン2に収納されている、各包埋ブロックBのカセットKに印字されたIDデータを読み取る読取部20が配設されている。
この読取部20と、ブロック取出し位置P2に位置しているマガジン2とは、互いに例えば上下方向に相対移動可能とされており、その相対移動により、マガジン2に収納されている全ての包埋ブロックBのカセットKに印字されたIDデータを読み取ることが可能とされる。なお、読取部20は、IDデータを光学的に読み取り、読み取ったIDデータを制御部12に出力する。
【0034】
なお、上記した複数のマガジン2、カルーセル3、及び読取部20は、複数の包埋ブロックBを保管するブロック保管装置40として機能する。
【0035】
(ブロック搬送機構)
ブロック搬送機構5は、包埋ブロックBを固定しているカセットKを挟持可能なハンド部5Aを備えるハンドリングロボットであり、カルーセル3に隣接する位置に配置されている。そして、このブロック搬送機構5は、制御部12からの指示に基づいて、カルーセル3に装着されたマガジン2のうち上記ブロック取出し位置P2にセットされているマガジン2に収納された包埋ブロックBの1つをハンド部5Aで把持し、把持した包埋ブロックBをマガジン2に対して出し入れしたり、ステージ4上に載置したりすることが可能とされている。
【0036】
(ステージ)
ステージ4は、内部にアクチュエータ等が組み込まれており、制御部12からの指示に基づいて適宜上下移動するように構成されている。これにより、ステージ4上に載置された包埋ブロックBを高さ調整することができ、所望する厚み(例えば、5μm)で薄切することが可能とされている。
なお、このステージ4は、垂直軸回りの回転と、水平軸(2軸)回りの揺動とが可能とされた多軸のステージとされている。そのため、包埋ブロックBの姿勢を自在にコントロールして、包埋ブロックBの向きや傾き等を所望する状態に設定することが可能とされている。
【0037】
(薄切機構)
薄切機構6は、ステージ4の近傍に配設された切断刃21と、該切断刃21を交換可能に保持するホルダ22と、切断刃21に対してステージ4を移動させて、切断刃21によって包埋ブロックBの薄切を行わせる移動機構23と、を備えている。
【0038】
切断刃21は、一端側が刃先21aとされた長尺な刃とされており、所定の引き角及びすくい角θがついた状態で上記ホルダ22に斜めに保持(クランプ固定)されている。なお、図示の例では、刃先21aが片刃となっている場合を例にしているが、両刃でも構わない。
ホルダ22は、刃先21aを外側に露出させた状態で切断刃21が載置される載置プレート22Aと、載置された切断刃21を載置プレート22Aに押さえ付けてクランプ固定する押さえプレート22Bと、で主に構成されている。
【0039】
移動機構23は、図示しないガイドレールと、該ガイドレールに沿ってステージ4を所定の速度で往復移動させる図示しない駆動部と、を備え、制御部12からの指示に基づいてステージ4を往復移動させることで、ホルダ22にクランプ固定された切断刃21により包埋ブロックBの薄切を行わせて薄切片Mの切り出しを行う。
なお、ステージ4は、移動機構23による往復移動に応じて、包埋ブロックBを所定量上昇させている。これにより、包埋ブロックBを所定の厚みで切断して薄切片Mを作製することが可能とされる。
【0040】
なお、本実施形態では、切断刃21に対してステージ4側を移動させるように移動機構23を構成したが、ステージ4に対して切断刃21側を移動させるように構成しても構わないし、ホルダ22側及びステージ4側を共に移動させるように構成しても構わない。
いずれにしても、包埋ブロックBと切断刃21とを相対的に移動させて、切断刃21によって薄切を行うことができれば移動機構23は、どのように設計しても構わない。
【0041】
(収納ケース、切断刃搬送機構)
ところで、上記切断刃21は、収納ケース25内に多段に積層された状態で複数枚収納されており、切断刃搬送機構26によって必要に応じて1枚ずつ取り出された後、ホルダ22に搬送されてクランプ固定される。つまり、切断刃21は所定のタイミングで交換可能とされている。
【0042】
切断刃搬送機構26は、制御部12からの指示に基づいて、収納ケース25から取出した新しい切断刃21を、ホルダ22における載置プレート22Aと押さえプレート22Bとの間に挿入し、且つ使用済みの切断刃21をホルダ22から押し出すように搬送する。これにより、切断刃21の交換がなされ、ホルダ22の押さえプレート22Bは新しい切断刃21がセットされたことを受けて、制御部12の指示によりクランプ固定を行うように作動する。
なお、ホルダ22から押し出された使用済みの切断刃21は、図示しない廃棄シュータ等を経由した後、図示しない廃棄ボトル等に廃棄される。
【0043】
(第1撮像カメラ)
また、ステージ4の上方には、該ステージ4上に載置された包埋ブロックBを撮像する第1撮像カメラ27が配設されている。この第1撮像カメラ27は、図示しない光源からの照明光によって照明された包埋ブロックBを撮像する。この際、照明光の種類(例えば、落射照明光や拡散照明光)によって、包埋ブロックBの表面状態や内部状態を撮像することが可能とされている。
なお、撮像された撮像画像は、制御部12に送られて記録されると共に、例えば制御部12に接続されたモニタ12aに表示される。
【0044】
(薄切片搬送機構)
薄切片搬送機構8は、制御部12からの指示に基づいて、薄切機構6によって切り出された薄切片Mを貯留槽7まで搬送して液面に浮かべる機構であり、例えば搬送ベルトやテープ等を利用して搬送しても構わないし、ロボットハンド等を利用して搬送しても構わない。
【0045】
(貯留槽)
貯留槽7内には、所定温度に調整された水等の液体Wが貯留されており、表面張力を利用して液面に浮かべられた薄切片Mを伸展させている。なお、貯留される液体Wは、図示しない循環管路によって必要に応じて貯留槽7から排出されると同時に、貯留槽7内に供給される。これにより、貯留槽7内には常時清浄な液体Wが貯留されている。
【0046】
(スライドガラスハンドリング機構)
スライドガラスハンドリング機構9は、スライドガラスGを把持可能なハンド部9Aを備えるハンドリングロボットであり、貯留槽7に隣接する位置に配置されている。そして、このスライドガラスハンドリング機構9は、制御部12からの指示に基づいて作動し、液面に浮かんで伸展がなされた薄切片Mを、ハンド部9Aで把持したスライドガラスG上に掬い取ることで転写して、薄切片標本Hを作製することが可能とされている。
【0047】
また、このスライドガラスハンドリング機構9は、薄切片MをスライドガラスG上に掬い取って薄切片標本Hを作製した後、該薄切片標本Hを標本搬送ベルト30上に受け渡し、その後、スライドガラス収納部31に収納されているスライドガラスGの中から新たなスライドガラスGを把持して、次の薄切片Mの掬い取りへの待機に移行する。
スライドガラス収納部31は、貯留槽7の近傍に配設されており、内部に未使用のスライドガラスGが例えば数十〜数百枚収納されている。
【0048】
(標本搬送ベルト、ホットプレート)
上記標本搬送ベルト30は、例えば制御部12からの指示に基づいて駆動する駆動プーリ32Aと従動プーリ32Bとの間に巻回された無端ベルトであり、駆動プーリ32Aの駆動によって薄切片標本Hを下流側に搬送することが可能とされている。
標本搬送ベルト30の下流側には、所定温度に加熱されたホットプレート33が配設されており、標本搬送ベルト30上に載置されている薄切片標本Hを、該標本搬送ベルト30を間に挟んで加熱している。これにより、薄切片標本Hに残っている余分な液体Wを蒸発により除去でき、スライドガラスGと薄切片Mとの間に液体Wが存在してしまうことを防止しつつ、薄切片Mのさらなる伸展を行うことが可能とされる。
【0049】
(第2撮像カメラ、記録部)
また、本実施形態では、標本搬送ベルト30によって薄切片標本Hをホットプレート33が配設された下流側まで搬送するまで間に、第2撮像カメラ34を利用した薄切片Mにおける薄切状態の撮像と、記録部35を利用したスライドガラスGへの個別データの印字と、を行う。
第2撮像カメラ34は、標本搬送ベルト30の上方に配設され、標本搬送ベルト30上に載置された薄切片標本Hが下流側に搬送されるまでの間に薄切片Mを撮像し、その撮像画像を制御部12に送っている。この制御部12に送られた第2撮像カメラ34の撮像画像は、制御部12に記録されると共に例えばモニタ12aに表示される。
【0050】
記録部35は、例えばレーザーマーカーであり、第2撮像カメラ34に隣接して配設され、制御部12からの指示に基づいてスライドガラスGにレーザ光を照射して、個別データの印字を行う。この際、第2撮像カメラ34と同様に、記録部35は薄切片標本Hが下流側に搬送されるまでの間に印字を行う。
【0051】
(スライドガラス収納機構)
スライドガラス収納機構10は、標本搬送ベルト30の上方に配設されており、制御部12からの指示に基づいて、ホットプレート33によって加熱がなされた標本搬送ベルト30上の薄切片標本Hを、バスケットJ内に収納する機構とされている。このような機構としては、例えばシリンダによって駆動される押出しロッド等を利用して薄切片標本Hを標本搬送ベルト30上から押し出すことでバスケットJ内に収納しても構わないし、ロボットハンド等を利用して薄切片標本HをバスケットJ内に収納しても構わない。
【0052】
(バスケット)
バスケットJは、例えば染色籠であり、薄切片標本Hを数枚〜数十枚毎、一度に収納可能とされており、バスケット収納部36内に予め複数収納されている。そして、バスケット収納部36内に収納されているバスケットJは、制御部12からの指示に基づいて作動するバスケット供給機構37によって順次取り出された後、標本収納位置P1にセットされる。そして、この標本収納位置P1において、バスケットJ内に薄切片標本Hが収納される。
【0053】
なお、バスケットJ内に薄切片標本Hが予め決まった枚数収納されると、バスケットJは図示しない保管庫内に送られて保管される。この際、保管庫内には、所定温度に調整された温風が循環しており、薄切片標本Hを最適な状態に乾燥させている。
【0054】
(ブロック保管装置)
次に、上記した各構成品のうち、ブロック保管装置40についての構成をさらに詳細に説明する。
ブロック保管装置40は、上述したように複数のマガジン2と、これら複数のマガジン2をそれぞれ離脱自在に保持するカルーセル3と、このカルーセル3に対して隣接配置され、カセットKに付されたIDデータの読み取りを行う読取部20と、を備えている。
【0055】
(マガジン)
はじめに、マガジン2について詳細に説明する。
図4及び
図5に示すように、マガジン2は、正面が開口したマガジン本体2Aと、マガジン本体2Aに固定された開閉扉2Bと、を備えている。
マガジン本体2Aの2つの側壁部の内側には、カセットKをガイドするガイド溝41が正面側から背面側に向かって左右に対向するように形成されている。これにより、カセットKを正面側から差し込むように挿入して、マガジン本体2A内に包埋ブロックBを収納可能とされている。しかも、ガイド溝41は、上下方向に一定の間隔をあけて複数形成されている。これにより、複数の包埋ブロックBを上下方向に沿って一列に並べた状態で収納することが可能とされている。
なお、マガジン本体2Aは、カセットK及び包埋ブロックBが若干正面側に突出するように、カセットKに比べて奥行が短くなるようにサイズ設計されている。
【0056】
マガジン本体2Aの天壁部及び底壁部には、正面側に位置する部分に他の部分よりも一段窪んだ段差部42が形成されており、この段差部42を利用して上記開閉扉2Bが取り付けられている。
開閉扉2Bは、マガジン本体2Aと同じ長さとされた扉本体43と、この扉本体43の上端部及び下端部に連設され、上記段差部42に重なる折曲片44と、で側面視C状に形成されている。
【0057】
段差部42には、上下方向に軸方向が向いた回動軸42aが固定されている。そして、折曲片44は、この回動軸42aに対して回動可能に固定された状態で段差部42に重なっている。これにより、開閉扉2Bは、扉本体43がマガジン本体2Aの正面側を覆う閉状態と、該閉状態から回動軸42a回りに90度回動し、正面側を開放する開状態との間で開閉可能とされている。
扉本体43は、上記閉状態の際、マガジン本体2Aの正面側から若干突出するカセットKの一部を覆っており、これにより包埋ブロックBの脱落を防止している。この際、扉本体43にはカセットKにおける傾斜面K1の一部が嵌まり込む切欠き部43aが、上下方向にカセットKの間隔に合わせて形成されている。これにより、閉状態におけるカセットKのがたつきを抑制している。
【0058】
また、マガジン本体2Aの側壁部の外側には、天壁部及び底壁部寄りの部分に、後述する保持ハンド61の係合爪部61aが係合する係合凹部45が形成されている。この係合凹部45に係合爪部61aが係合することで、マガジン2はカルーセル3に保持される。
【0059】
(カルーセル)
続いて、カルーセル3について詳細に説明する。
図6〜
図8に示すように、カルーセル3は、装置ケース11内において、アクセス扉11aに隣接する位置に配設されており、上下方向に延在する回転軸線O回りに回転可能とされた回転ブロック(回転体)50と、この回転ブロック50における周壁部56aに周方向に沿って間隔をあけて複数設けられ、6つのマガジン2を離脱自在に各別に保持する保持機構51と、回転ブロック50を回転させることで保持機構51によって保持された6つのマガジン2を周方向に移動させると共に、マガジン2の1つを読取部20に対して向かい合うブロック取出し位置P2に位置させる駆動モータ(回転駆動)52と、を備えている。
【0060】
回転ブロック50は、上下方向に沿って延在すると共に、下端部が駆動モータ52の図示しない出力軸に連結されて、該駆動モータ52の駆動に伴って回転軸線O回りに回転する回転軸部55と、この回転軸部55を径方向外側から囲繞するように該回転軸部55に対して一体的に固定されたブロック本体56と、を備えている。
【0061】
ブロック本体56は、上下方向に延びた六角柱状に形成されており、周壁部56aを6面有している。このブロック本体56は、回転軸部55と共に回転軸線O回りに回転可能とされる。なお、回転軸部55の上端部は、ブロック本体56の上端部よりも上方に突出しており、この突出した部分にブロック本体56を上方から覆う固定円板57が取り付けられている。
なお、ブロック本体56は、上下方向に沿った全長がマガジン2よりも長く形成されている。
【0062】
駆動モータ52は、制御部12によって作動が制御されており、制御部12からの指示に基づいて回転軸部55を例えば一定方向に間欠的に回転させる。これにより、ブロック取出し位置P2に、例えば6つのマガジン2を順番にセットすることが可能とされる。
なお、この駆動モータ52は、図示しない架台を利用して装置ケース11内に固定されている。
【0063】
上記保持機構51は、保持プレート60と、該保持プレート60に取り付けられた一対の保持ハンド61と、を備えている。
保持プレート60は、スライダ65及びガイドレール66を介してブロック本体56の各周壁部56aに取り付けられている。この保持プレート60は、マガジン本体2Aの横幅と同一サイズで、且つマガジン本体2Aの長さよりも長い縦長のプレートとされている。また、保持プレート60には、径方向外側に向けてマガジン2を下方から支持するマガジン台60aが突設されている。
これにより、マガジン本体2Aをマガジン台60aに載置することができ、保持プレート60に対するマガジン2の上下方向に対する位置決めがなされる。また、マガジン本体2Aをマガジン台60aに載置した際、マガジン本体2Aの背面の全体が保持プレート60に対して面接触した状態となる。
【0064】
一対の保持ハンド61は、マガジン台60aに載置されたマガジン2における係合凹部45に対応するように、保持プレート60の上端部側に位置する部分、及びマガジン台60aの上方に位置する部分に配設されている。
これら一対の保持ハンド61の先端部には、マガジン本体2Aに形成された係合凹部45に係合する係合爪部61aが形成されている。そして、一対の保持ハンド61は、根元部が保持プレート60の側面に位置し、且つ先端部が保持プレート60よりも径方向外側に位置するように配設されており、係合爪部61aが互いに接近離間可能なように根元部が保持プレート60に対して回動自在に取り付けられている(
図6参照)。
この際、保持ハンド61と保持プレート60との間には、図示しない板ばね等の付勢部材が介在されており、係合爪部61a同士が互いに接近するように、一対の保持ハンド61は常時付勢されている。
【0065】
従って、マガジン本体2Aをマガジン台60aに載置することで、一対の保持ハンド61の係合爪部61aがマガジン本体2Aの係合凹部45内に自然と入り込んで係合し、これによりマガジン2を保持することが可能とされる。
また、保持ハンド61の付勢力に抗してマガジン2を保持プレート60から引き離すことで、係合爪部61aが係合凹部45内から離脱するので、マガジン2を取り外すことが可能とされる。
【0066】
また、保持プレート60の下端部には、径方向外側に向けてローラ軸67aが突設されており、該ローラ軸67aの突出端部にローラ67が回転自在に支持されている。
【0067】
上述したように構成された保持機構51は、上記したスライダ65及びガイドレール66を介してブロック本体56に固定されている。
ガイドレール66は、上下方向に延びた長尺なレールであり、ブロック本体56の周壁部56aにそれぞれ取り付けられている。この際、ガイドレール66は、各周壁部56aの全長に亘って取り付けられている。
スライダ65は、このガイドレール66に沿って移動可能に取り付けられた可動子であり、図示の例ではガイドレール66に対して上下方向に若干の間隔をあけて2つ設けられている。そして、上記保持プレート60は、この2つのスライダ65に対して固定されている。これにより、各保持機構51は、回転ブロック50に対して上下方向に移動可能とされている。
【0068】
また、複数のマガジン2と駆動モータ52との間には、上記ローラ67が走行する環状の固定台70が配設されている。
この固定台70は、
図6〜
図9に示すように、環状の底板70aと、環状の天板70bと、底板70a及び天板70bの径方向外縁部を互いに連設する外側板70cと、で回転ブロック50側に開放された断面視C形状に形成されていると共に、回転ブロック50を径方向外側から囲繞する環状に形成されている。
なお、固定台70は、各保持プレート60のマガジン台60aよりも径方向外側に位置しており、各保持プレート60が上下方向に移動した際、固定台70とマガジン台60aとが干渉しないように設計されている。
【0069】
そして、固定台70における底板70aと天板70bとの間に、上記ローラ67が走行可能に配設されている。これにより、回転ブロック50の回転によって各保持機構51が周方向に移動する際、ローラ67が底板70aと天板70bとの間に挟まれながら底板70a上を回転軸線O回りに走行可能とされている。
【0070】
また、上記した固定台70は、ブロック取出し位置P2において周方向に間隔をあけて分断されており、その分断された部分が昇降台71として機能する。
この昇降台71における底板70aには、上下方向に沿って延びるボールねじ72の上端部が連結されている。このボールねじ72は、制御部12の指示に基づいて作動するモータ等の駆動部73によって回転方向及び回転速度等が制御されており、それにより上下動させられる。
【0071】
つまり、
図10に示すように、回転ブロック50の回転によってブロック取出し位置P2にマガジン2がセットされた際、駆動部73によってボールねじ72を上下動させることで、そのマガジン2を保持する保持機構51を上下方向に移動させることが可能とされている。
上記した、昇降台71、ボールねじ72及び駆動部73は、ブロック取出し位置P2に位置したマガジン2を保持する保持機構51を上下方向に移動させる昇降機構75として機能する。
【0072】
また、ブロック取出し位置P2に位置したマガジン2以外のマガジン2を保持する残りの保持機構51については、ローラ67が固定台70における底板70aと天板70bとの間に配設されているので、上下方向に移動することがない。
よって、固定台70及びローラ67は、ブロック取出し位置P2に位置したマガジン2以外のマガジン2を保持する保持機構51について、その上下方向の移動を規制する規制機構76として機能する。
【0073】
上述したように構成されたカルーセル3は、
図6に示すように保護カバー80によって周囲が覆われて保護されている。
この保護カバー80は、回転ブロック50及び保持機構51を介して保持されたマガジン2を径方向外側から覆っている。具体的には、保護カバー80は、装置ケース11に形成されたアクセス扉11a側にカルーセル3が露出しないように覆っている一方、ブロック取出し位置P2の方向には開放されている。従って、アクセス扉11aを開けたとしても、カルーセル3は保護カバー80によって保護されている。
【0074】
また、保護カバー80には、複数のマガジン2のうち、ブロック取出し位置P2にセットされたマガジン2以外のマガジン2に対応する位置に開口部81が形成されている。これにより、この開口部81を通じて、ブロック取出し位置P2にセットされたマガジン2以外のマガジン2については、アクセス扉11a側からアクセスすることができ、カルーセル3から着脱することが可能とされている。
なお、図示の例では、保護カバー80に3つの開口部81が形成されている場合を例にしている。
【0075】
(読取部)
読取部20は、
図6及び
図7に示すように、昇降台71よりも径方向外側に配設されており、ブロック取出し位置P2にセットされたマガジン2に収納されている包埋ブロックBに対して読み取り面を向けた状態で固定されている。
そして、
図10に示すように、ボールねじ72の上下動によって昇降台71を上下方向に移動させることで、ブロック取出し位置P2にセットされたマガジン2と読取部20とが上下方向に相対移動した状態となるので、読取部20はそのマガジン2に収納されている全ての包埋ブロックBのカセットKに付されたIDデータを読み取ることが可能とされている。
【0076】
<自動薄切装置の作用>
次に、上述したように構成された自動薄切装置1の作用について説明する。
なお、本実施形態では、はじめに薄切片標本Hが作製されるまでの全体の流れを簡単に説明し、その後、部分的な工程の流れを詳細に説明する。
【0077】
まず、事前準備として、作業者は、包埋ブロックBが固定されたカセットKを複数のマガジン2内にそれぞれ収納した後、装置ケース11のアクセス扉11aを開けて各マガジン2をカルーセル3に装着しておく。装着後、アクセス扉11aを閉めておく。また、作業者は、収納ケース25内に切断刃21が適切にセットされていること、スライドガラス収納部31にスライドガラスGが適切にセットされていること、バスケット収納部36にバスケットJが適切にセットされていること等を確認して、事前準備が終了する。
事前準備終了後、作業者は制御部12を介して装置ケース11内の各構成品の作動を開始させる。
【0078】
すると、制御部12は、カルーセル3を順次回転させ、読取部20でIDデータを読み取った後、ブロック搬送機構5によるハンド部5Aを利用して薄切を行う包埋ブロックBのカセットKを挟持する。次いで、ブロック搬送機構5により、挟持した包埋ブロックBをマガジン2から取出した後、ステージ4上にカセットKを介して載置させる。
【0079】
ステージ4上への包埋ブロックBのセット作業が終了すると、制御部12は包埋ブロックBの薄切作業を開始させる。
まず、ステージ4を高さ調整して、包埋ブロックBの上面を所望する高さ位置に調整する。そして、薄切機構6における移動機構23がステージ4を往復移動させることで、ホルダ22によってクランプ固定した切断刃21により包埋ブロックBを薄切する。これにより、包埋ブロックBを粗削りして面だしを行うことができる。
【0080】
ところで、薄切を行っている際、第1撮像カメラ27が包埋ブロックBを撮像する。この撮像画像は、制御部12に記録されると共にモニタ12aに表示される。よって、作業者は、包埋ブロックBの表面状態や内部状態をモニタ12aに表示された撮像画像で確認することができる。また、この撮像画像を参考にして、薄切の合間に、適宜ステージ4を傾斜させたり、回転させたりすることができる。その結果、包埋ブロックBの粗削りによって、最適な面を表面に露出させることができる。
【0081】
なお、上記粗削りによる面出し作業時においては、薄切片Mを薄切片搬送機構8によって貯留槽7まで搬送する作業は行わない。従って、ここで生じる薄切片Mは、切削屑となって図示しない回収部に回収される。
【0082】
次いで、面出しが終了した後、制御部12は粗削りから本削り作業に移行させる。この際、制御部12は、切断刃搬送機構26を作動させて、粗削りで使用した切断刃21を新しい切断刃21に交換させる。なお、切断刃21の交換は、この場合に限定されるものではなく、必要に応じて適宜行って構わない。
【0083】
本削り作業に移行すると、制御部12は、薄切機構6によって薄切片Mを作製させると同時に、薄切片搬送機構8によって、作製された薄切片Mを貯留槽7まで搬送させて液面に浮かべる。これにより、薄切片Mは伸展され、薄切時に生じたカール等が解消される。
次いで、制御部12はスライドガラスハンドリング機構9を作動させて、液面に浮かんだ薄切片MをスライドガラスG上に掬い取らせ、薄切片標本Hを作製させる。スライドガラスハンドリング機構9は、作製した薄切片標本Hを標本搬送ベルト30上に載置して受け渡す。
【0084】
また、制御部12は駆動プーリ32Aを駆動させ、標本搬送ベルト30上に載置された薄切片標本Hを下流に向けて搬送させる。すると、薄切片標本Hがホットプレート33まで搬送されるまでの間に、第2撮像カメラ34が薄切片Mを撮像し、その撮像画像を制御部12に送る。
制御部12は、第2撮像カメラ34から送られてきた撮像画像に基づいて、本削りされた薄切片Mが適切に薄切されたか否かの良否判断を行う。ここで、制御部12が良品と判断した場合には、記録部35を作動させて、カセットKから読み取ったIDデータと対応付けた個別データを薄切片標本HのスライドガラスGに記録させる。
【0085】
そして、個別データが記録された薄切片標本Hは、標本搬送ベルト30のさらに下流側に搬送されて、ホットプレート33によって加熱がなされる。また、制御部12は、スライドガラス収納機構10を作動させて、加熱がなされた薄切片標本HをバスケットJに収納させる。
ところで、上記良否判断を行った結果、制御部12が不良品と判断した場合には、スライドガラス収納機構10を作動させずに、薄切片標本Hを標本搬送ベルト30から図示しない不良排出シュータへの受け渡しを行う。これにより、不良品とされた薄切片標本HはバスケットJに収納されることなく、回収される。
【0086】
バスケットJに良品と判断された薄切片標本Hが予め決められた枚数収納されると、そのバスケットJは保管庫に送られて保管がなされると共に、バスケット供給機構37が新たなバスケットJをバスケット収納部36から取出して標本収納位置P1にセットし、これ以降の収納に備える。
【0087】
上述したように、本実施形態の自動薄切装置1によれば、薄切片Mの自動的な作製だけでなく、薄切片標本Hの作製を自動的に行って、バスケットJ内に予め決められた枚数毎に収納することができる。
これにより、作業者は保管庫から適宜バスケットJを取り出すことで、そのまま生体試料Sの染色工程に移行することができ、非常に使い易い。特に、同じ染色作業を行う薄切片標本H同士を同一のバスケットJに集約することも可能であるので、使い易く利便性に優れている。
【0088】
ところで、本実施形態の自動薄切装置1では、ブロック保管装置40を具備しているので、さらに以下の作用効果を奏効することができる。
すなわち、
図6に示すように、アクセス扉11aが閉じられると、制御部12が駆動モータ52を作動させる。すると、駆動モータ52は、回転ブロック50を回転軸線O回りに回転させて、保持機構51に保持された6つのマガジン2を周方向に移動させる。これにより、マガジン2の1つをブロック取出し位置P2にセットさせることができる。
【0089】
なお、回転ブロック50の回転中、ローラ67が固定台70における底板70aと天板70bとの間に挟まれながら底板70a上を走行するので、各保持機構51は上下方向に移動することなく、円滑に周方向のみに移動する。また、
図8に示すように、マガジン2がブロック取出し位置P2にセットされると、そのマガジン2を保持している保持機構51におけるローラ67は、昇降台71に移動した状態となる。更に、マガジン2がブロック取出し位置P2にセットされると、開閉扉2Bが自然に、或いは図示しないオープン機構によって90度回動して開状態となる。
【0090】
マガジン2の1つがブロック取出し位置P2にセットされると、制御部12は駆動モータ52を停止させると共に、駆動部73を作動させてボールねじ72を上下動させる。これにより、
図10に示すように、ブロック取出し位置P2にセットされたマガジン2を保持する保持機構51を上下方向に移動させることができ、このマガジン2と固定された読取部20とを上下方向に相対移動させることができる。
この相対位置により、読取部20はマガジン2内に収納されている全ての包埋ブロックBのカセットKに付されたIDデータを読み取ることができる。このように、マガジン2内に収納した状態のままで、該マガジン2内における全ての包埋ブロックBのIDデータを効率良く読み取ることができる。
【0091】
一方、制御部12は読取部20から送られてきたIDデータを、マガジン2内における包埋カセットKの位置情報に関連付けて記録する。また、この記録された情報はモニタ12aに表示されると共に、例えば記録完了のフラグが付される。
これにより、作業者は薄切作業を行う前にIDデータを速やかに確認することができる。そして、これらIDデータに基づいて薄切する包埋ブロックBを決定すると、制御部12はボールねじ72を適宜上下動させることで、ブロック搬送機構5のハンド部5Aに対向する位置に所望する包埋ブロックBを位置させる。これにより、
図7に示すように、ハンド部5Aを利用して該包埋ブロックBをマガジン2内から確実に取り出して、ステージ4上に搬送することができる。
【0092】
そして、薄切終了後、ブロック搬送機構5のハンド部5Aが包埋ブロックBをマガジン2内に戻すと、制御部12はその包埋ブロックBの薄切作業が終了したことをIDデータに関連付けて記録する。これにより、マガジン2内の全て包埋ブロックBの薄切作業が終了したか否かを正確に把握することが可能となる。
【0093】
ところで、上記薄切作業が行われている場合、駆動モータ52は停止しているうえ、ブロック搬送機構5はブロック取出し位置P2にセットされたマガジン2以外のマガジン2に対してアクセスすることがない。
【0094】
従って、作業者は、薄切が既に終了し、ブロック取出し位置P2以外に位置しているマガジン2を任意のタイミングで保持機構51から取り外せることができる。即ち、アクセス扉11aを開けた後、
図6に示すように、保護カバー80の開口部81を通じてマガジン2を保持機構51から取り外すことができる。これにより、取り外したマガジン2内に収納されている包埋ブロックBの回収や交換等を適宜行うことができる。
しかも、この間、ブロック取出し位置P2にセットされたマガジン2に収納されている包埋ブロックBについては、上記回収や交換等に何ら影響を受けることなく、薄切作業を続行することができる。
【0095】
従って、本実施形態の自動薄切装置1によれば、包埋ブロックBの薄切作業を効率良く行うことができる。また、装置ケース11の内部に各構成品が収容されているので、塵埃等の影響を受け難く、高品質な薄切片Mを作製することができる。
また、カルーセル3の周囲が保護カバー80で覆われているので、作業者がマガジン2以外の部分に触れてしまうことを防止でき、安全性に優れている。なお、回転ブロック50の回転中に、作業者がアクセス扉11aを開けてしまった場合には、制御部12は駆動モータ52を停止させる。これにより、作業者が回転中のカルーセル3及びマガジン2に触れてしまうことが抑制される。
【0096】
なお、上記実施形態において、制御部12は各マガジン2について、収納されている全ての包埋ブロックBの薄切作業が終了したときに、その旨を報知することが好ましい。
【0097】
例えば、モニタ12aに(現在、カルーセル3におけるこの回転位置に位置しているマガジン2については、薄切が全て終了している)等の旨を意味する情報を表示しても構わない。又は、
図6に示すように、保護カバー80における開口部81の近傍に完了表示器82を設け、この開口部81に向かい合う位置に移動してきたマガジン2が薄切完了している場合には、完了表示器82を利用してその旨を表示しても良い。表示方法としては、例えば緑色のランプを点灯、点滅等させても構わないし、赤色から緑色にランプを変更しても構わないし、「薄切完了」等の情報を液晶表示しても構わない。
このようにすることで、作業者は未薄切の包埋ブロックBが残っている状態でマガジン2を取り外してしまうことを抑制することができる。
【0098】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0099】
例えば、上記実施形態では、カルーセル3に対して6つのマガジン2を装着する場合を例に挙げて説明したが、マガジン2の数はこの場合に限定されるものではない。
また、読取部20を固定とし、ブロック取出し位置P2にセットされたマガジン2を保持する保持機構51を上下方向に移動させることで、読取部20とマガジン2とを上下方向に沿って相対移動させたが、読取部20についてもマガジン2の移動方向とは逆方向に移動させても構わない。このようにすることで、より効率良くIDデータを読み取ることができ、スループットを向上させることができる。