特許第6118091号(P6118091)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6118091
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】発振装置
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/32 20060101AFI20170410BHJP
【FI】
   H03B5/32 H
   H03B5/32 A
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-269526(P2012-269526)
(22)【出願日】2012年12月10日
(65)【公開番号】特開2014-116791(P2014-116791A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091513
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133776
【弁理士】
【氏名又は名称】三井田 友昭
(72)【発明者】
【氏名】依田 友也
【審査官】 河合 弘明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−135342(JP,A)
【文献】 特開2012−170050(JP,A)
【文献】 実開昭61−206308(JP,U)
【文献】 特開昭54−065580(JP,A)
【文献】 特開平04−068903(JP,A)
【文献】 特開平04−363913(JP,A)
【文献】 特開2006−033195(JP,A)
【文献】 特開昭56−043806(JP,A)
【文献】 特開昭57−106808(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0012561(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0161887(US,A1)
【文献】 米国特許第05200714(US,A)
【文献】 K KOBAYASHI et al.,"High-Performance DSP-TCXO Using Twin-Crystal Oscillator",2014 IEEE International Frequency Control Symposium(FCS),IEEE,2014年 5月22日,p.1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03B 5/30−5/42
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境温度の検出結果に基づいて出力周波数の設定値を補正する発振装置において、
水晶片の両面に夫々第1の励振電極を設けて構成した第1の水晶振動子と、
水晶片の両面に夫々第2の励振電極を設けて構成した第2の水晶振動子と、
これら第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子に夫々接続された第1の発振回路及び第2の発振回路と、第1の発振回路及び第2の発振回路の発振周波数の差分に対応する信号を温度の検出結果とし、この検出結果に基づいて第1の発振回路の出力周波数の設定値を補正する補正部を含む集積回路チップと、
前記第1の水晶振動子、第2の水晶振動子及び集積回路チップを収納する容器と、を備え、
平面で見たときに、前記集積回路チップの重心位置から前記第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置までの距離を夫々D1、D2とすると、D1/D2は0.95以上1.05以下であり、
前記第1の水晶振動子の水晶片及び前記第2の水晶振動子の水晶片は、高さ方向において互いに同じ位置に配置されていることを特徴とする発振装置。
【請求項2】
前記第1の励振電極及び第2の励振電極は形状及び面積が互いに揃うように形成されて前記容器内に左右対称に配置され、前記集積回路チップは、平面で見たときに、前記第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置から夫々等距離にある直線に対して左右対称の形状であることを特徴とする請求項1記載の発振装置。
【請求項3】
水晶振動子を収納した容器内を加熱部により加熱する恒温槽付きの発振装置において、
水晶片の両面に夫々第1の励振電極を設けて構成した第1の水晶振動子と、
水晶片の両面に夫々第2の励振電極を設けて構成した第2の水晶振動子と、
前記第1の水晶振動子の温度を検出する温度検出部と、
これら第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子に夫々接続された第1の発振回路及び第2の発振回路と、温度検出部の検出結果に基づいて第1の水晶振動子の温度が設定温度になるように加熱部の設定値を補正する補正部を含み、前記容器内に配置された集積回路チップと、を備え、
平面で見たときに、前記集積回路チップの重心位置から前記第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置までの距離を夫々D1、D2とすると、D1/D2は0.95以上1.05以下であり、
平面で見たときに、前記加熱部の重心位置から前記第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置までの距離を夫々D3、D4とすると、D3/D4は0.95以上1.05以下であり、
前記第1の水晶振動子の水晶片及び前記第2の水晶振動子の水晶片は、高さ方向において互いに同じ位置に配置されていることを特徴とする発振装置。
【請求項4】
前記第1の励振電極及び第2の励振電極は形状及び面積が互いに揃うにように形成されて前記容器内に左右対称に配置され、前記集積回路チップ及び加熱部は、平面で見たときに、前記第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置から夫々等距離にある直線に対して左右対称の形状であることを特徴とする請求項3記載の発振装置。
【請求項5】
前記容器は、平面で見たときに、前記直線に対して対称であることを特徴とする請求項2又は4記載の発振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の水晶振動子、第2の水晶振動子及び集積回路チップを容器内に備えた発振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水晶発振器に用いられる水晶振動子は、温度に応じて発振周波数が変化する周波数温度特性を持っているため、高い周波数特性が要求されるアプリケーションに組み込まれる場合には、恒温槽付水晶発振器(OCXO)や温度補償水晶発振器(TCXO)等が用いられる。TCXOは、OCXOに比べて周波数安定度が劣るものの、構造が簡素であり、消費電力が小さいという特徴があり、用途に応じて選択される。
【0003】
本発明者は、TCXOやOCXOにおいて、2つの水晶振動子の周波数差を利用して温度を演算し、温度による周波数変動の補正を行うことを検討している。特許文献1には、TCXOにおいて、共通の水晶片により第1及び第2の水晶振動子を構成し、これらの水晶振動子の周波数差から周波数補正値を求める技術が提案されている。この技術では第1及び第2の水晶振動子に夫々接続される第1及び第2の発振回路の発振出力をf1、f2とし、基準温度における第1及び第2の発振回路の発振周波数を夫々f1r、f2rとする。そして、f1とf1rとの差分に対応する値と、f2とf2rとの差分に対応する値と、の差分である周波数差をそのときの温度として取り扱い、この周波数差に基づいて多項式近似により周波数補正値を求めている。
【0004】
このようなTCXOは、例えば水晶振動子毎に周波数特性を取得して補正データを作成した後、プリント基板に水晶振動子と、発振回路や温度補償回路を含む集積回路チップ(LSI)を実装することにより製造される。しかしながら、水晶発振器の動作時間が長くなると、発振周波数の補正値に誤差が生じ、発振周波数の安定度が低下するおそれがある。この要因としては、水晶発振器の動作により集積回路チップが発熱し、この熱によって、2つの水晶振動子の温度に差異が発生するためと推察される。既述の構成では、2つの水晶振動子の温度が同じであることが前提となっているため、2つの水晶振動子の温度に差異が生じると、補正データとの対応関係が崩れ、補正値に誤差が発生してしまうからである。
【0005】
特許文献2には、弾性表面波分波器において、ベース基板上に2個の弾性表面波フィルタ素子を搭載し、これらの間に集中定数回路素子を設けた構成が記載されている。特許文献3には、恒温型水晶発振器において、第1の回路基板に水晶振動子を設けると共に、第1の回路基板と間隔を開けて設けられた第3の回路基板に緩衝段と温度制御回路の回路素子を設けることにより、緩衝段等への熱影響を抑え、特性低下を防止する技術が記載されている。特許文献4には、電圧制御型圧電発振器において、絶縁基板の一面側に圧電振動子、他面側に温度制御回路を設け、圧電振動子が常温以下の温度領域では、発熱体を温度制御回路で制御し、常温以上の温度領域では、圧電振動子の周波数温度特性を用いる技術が記載されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1〜特許文献4には、2つの水晶振動子を備えた発振装置において、周波数安定度を向上させる技術については記載されていない。従って、特許文献1〜特許文献4によっても本発明の課題を解決することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−170050号公報
【特許文献2】特開2001−127588号公報(段落0004、図9
【特許文献3】特開2010−154227号公報(段落0025〜0030、図1
【特許文献4】特開2011−199335号公報(段落0017、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、周波数安定度が高い発振装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本発明の発振装置は、
環境温度の検出結果に基づいて出力周波数の設定値を補正する発振装置において、
水晶片の両面に夫々第1の励振電極を設けて構成した第1の水晶振動子と、
水晶片の両面に夫々第2の励振電極を設けて構成した第2の水晶振動子と、
これら第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子に夫々接続された第1の発振回路及び第2の発振回路と、第1の発振回路及び第2の発振回路の発振周波数の差分に対応する信号を温度の検出結果とし、この検出結果に基づいて第1の発振回路の出力周波数の設定値を補正する補正部を含む集積回路チップと、
前記第1の水晶振動子、第2の水晶振動子及び集積回路チップを収納する容器と、を備え、
平面で見たときに、前記集積回路チップの重心位置から前記第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置までの距離を夫々D1、D2とすると、D1/D2は0.95以上1.05以下であり、
前記第1の水晶振動子の水晶片及び前記第2の水晶振動子の水晶片は、高さ方向において互いに同じ位置に配置されていることを特徴とする
【0010】
また、本発明の発振装置は、
水晶振動子を収納した容器内を加熱部により加熱する恒温槽付きの発振装置において、
水晶片の両面に夫々第1の励振電極を設けて構成した第1の水晶振動子と、
水晶片の両面に夫々第2の励振電極を設けて構成した第2の水晶振動子と、
前記第1の水晶振動子の温度を検出する温度検出部と、
これら第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子に夫々接続された第1の発振回路及び第2の発振回路と、温度検出部の検出結果に基づいて第1の水晶振動子の温度が設定温度になるように加熱部の設定値を補正する補正部を含み、前記容器内に配置された集積回路チップと、を備え、
平面で見たときに、前記集積回路チップの重心位置から前記第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置までの距離を夫々D1、D2とすると、D1/D2は0.95以上1.05以下であり、
平面で見たときに、前記加熱部の重心位置から前記第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置までの距離を夫々D3、D4とすると、D3/D4は0.95以上1.05以下であり、
前記第1の水晶振動子の水晶片及び前記第2の水晶振動子の水晶片は、高さ方向において互いに同じ位置に配置されていることを特徴とする。




【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1の水晶振動子、第2の水晶振動子及び集積回路チップが容器内に収納された発振装置において、平面で見て、前記集積回路チップの重心位置から前記第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置までの距離を夫々D1、D2としたときに、D1/D2を0.95以上1.05以下に設定している。発振装置を動作させることにより集積回路チップが発熱するが、集積回路チップは第1の励振電極及び第2の励振電極に対して等距離離れた位置に設けられているので、集積回路チップからの熱は第1の励振電極及び第2の励振電極に対して同じ様に伝わっていく。これにより第1の励振電極及び第2の励振電極同士との間の温度差の発生が抑えられ、第1の水晶振動子と第2の水晶振動子の発振周波数の差分に基づいて補正される出力周波数の設定値の精度が高くなるので、発振周波数が安定する。
【0012】
また、本発明の他の発明によれば、第1の水晶振動子、第2の水晶振動子、集積回路チップ及び加熱部が容器内に収納された発振装置において、平面で見て、前記集積回路チップの重心位置から前記第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置までの距離を夫々D1、D2としたときに、D1/D2を0.95以上1.05以下に設定している。また、平面で見て、前記加熱部の重心位置から前記第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置までの距離を夫々D3、D4としたときに、D3/D4を0.95以上1.05以下に設定している。このため、加熱部の熱や集積回路チップの熱が第1の励振電極及び第2の励振電極に対して同じ様に伝わっていくので、第1の励振電極及び第2の励振電極同士との間に温度差が発生しにくい。従って、第1の水晶振動子と第2の水晶振動子の発振周波数は、温度に起因する誤差の発生が抑えられて精度が高いものとなるため、発振周波数が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の発振装置の一例を示す平面図である。
図2】発振装置を示す縦断側面図である。
図3】水晶振動子を示す斜視図である。
図4】発振装置を示すブロック図である。
図5】発振装置を示す平面図である。
図6】発振装置の他の例を示す平面図である。
図7】発振装置を示す縦断側面図である。
図8】発振装置を示す平面図である。
図9】発振装置のさらに他の例を示す平面図である。
図10】発振装置を示す縦断側面図である。
図11】発振装置を示すブロック図である。
図12】発振装置のさらに他の例を示す平面図である。
図13】発振装置を示す縦断側面図である。
図14】発振装置のさらに他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の発振装置である水晶発振器の第1の実施形態を示す。図1は発振装置の平面図、図2は発振装置の縦断側面図である。なお、図中X、Y、Zは、直交座標系の座標軸である。図1中11はプリント基板12と例えばセラミックス製のカバー体13とにより構成された容器であり、プリント基板12の上面側には、後述する水晶振動子20、30を収納したパッケージ4と、前記水晶振動子20、30の発振回路及び周波数差検出部などを含むディジタル処理を行う回路をワンチップ化した集積回路チップ(ICチップ)5であるLSIが設けられている。
【0015】
前記水晶振動子20、30について説明する。図中21、31は、夫々例えばATカットの例えば短冊状の水晶片である。この実施の形態では、水晶片21、31の短辺方向(図1中Y方向)を左右方向とする。
図2及び図3に第1の水晶振動子20を例にして示すように、水晶片21、31には、夫々表裏両面に励振用の第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33(33は図示せず)が形成されている。第1の励振電極22、23は、水晶片21の上下面において当該水晶片21を介して相対向するように形成され、第2の励振電極32、33は、水晶片31の上下面において当該水晶片31を介して相対向するように形成されている。こうして、水晶片21と一対の励振電極22、23とにより第1の水晶振動子20が構成され、水晶片31と一対の励振電極32、33とにより第2の水晶振動子30が構成される。
図中24a、24bは第1の電極22、23の引出電極、34a、34b(34bは図示せず)は第2の電極32、33の引出電極である。これら引出電極24a、24b、34a、34bは、水晶片21、31の端部領域に引き回されている。この例では、第1の励振電極22、23と第2の励振電極32、33は、形状及び面積が互いに揃うように形成されている。
【0016】
前記水晶片21、31は例えばセラミックス製のパッケージ4内に搭載されており、このパッケージ4は、図2に示すように、ベース体41と蓋体42とにより構成されている。前記ベース体41は水晶片21、31を夫々支持する台座部43、44(44は図示せず)を備え、前記水晶片21、31は一端側が前記台座部43、44に導電性接着剤45により固定されている。
【0017】
前記引出電極24a、24b、34a、34bは、夫々台座部43、44及びベース体41を上下方向に貫通する導電路(図示せず)を介して、ベース体41の底面に形成された図示しない外部電極に夫々接続されている。そして、第1の水晶振動子20は外部電極を介してICチップ5内の第1の発振回路51に接続され、第2の水晶振動子30は外部電極を介してICチップ5内の第2の発振回路52に接続される。
【0018】
続いてICチップ5について説明する。このICチップ5内には、図4のブロック図に示すように、第1の水晶振動子20に接続された第1の発振回路51、第2の水晶振動子30に接続された第2の発振回路52、周波数差検出部53、温度補正部54、PLL回路部55、アナログディジタル変換部(ADC)56、メモリ57が設けられている。PLL回路部55の出力側には、ローパスフィルタ(LPF)58及び電圧制御発振器(VCO)59が接続されている。PLL回路部55は、第1の発振回路51からの発振出力をクロック信号とし、ディジタル値である周波数設定信号に基づいて生成されるパルス信号と電圧制御発振器59からの帰還パルスとの位相差に相当する信号をアナログ化し、そのアナログ信号を積分してローパスフィルタ58に出力する。電圧制御発振器59の出力が発振装置1の発振出力であり、この発振出力はPLL回路部55に帰還されている。
【0019】
第1の発振回路51からの発振出力f1と第2の発振回路52からの発振出力f2との周波数差f1−f2に対応する値は、水晶振動子20、30が置かれている雰囲気の温度に対応し、温度検出値ということができる。なお、説明の便宜上f1、f2は、夫々第1の発振回路51及び第2の発振回路52の発振周波数をも表しているものとする。周波数差検出部53は、この例では、{(f2−f1)/f1}―{(f2r−f1r)/f1r}の値を取り出しており、この値が温度に対して比例関係にある温度検出値に相当する。f1r及びf2rは、夫々基準温度例えば25℃における第1の発振回路51の発振周波数及び第2の発振回路52の発振周波数である。温度補正部54は、第1の発振回路51及び第2の発振回路52の発振周波数の差分に対応する温度の検出結果に基づいて第1の発振回路51の出力周波数の設定値を補正する補正部に相当する。つまり、温度検出値と、予め作成した温度検出値と周波数補正値との関係とに基づいて周波数補正値を算出する共に、周波数設定値と補正値とを加算する加算部を備え、周波数設定信号を設定する。前記温度検出値と周波数補正値との関係はメモリ57に格納されている。前記補正値は、第1の水晶振動子20の温度が目標温度から変動した時に、その変動分、つまり前記クロック信号の温度変動分を補償するための値である。
このようなICチップ5は、電子回路を例えばセラミックス製のパッケージに収納して構成され、前記パッケージは例えば扁平な直方体状に形成されている。ICチップ5は例えば平面形状が1辺が1.0mm以上2.0mm以下の四角形状に構成され、厚さが0.4mm〜1.0mm程度である。
【0020】
前記パッケージ4及びICチップ5はプリント基板12の一面側にハンダにより実装され、プリント基板12に形成された配線を介して電気的に接続されている。この例では、前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33は前記容器11内に左右対称に配置されている。図5中Sは、平面で見たときに、前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3から夫々等距離にある直線である。前記容器11は、平面で見たときに、前記直線Sに対して対称であり、ICチップ5は、平面で見たときに前記直線Sに対して左右対称の形状になるように設けられている。
【0021】
第1の励振電極22、23と第2の励振電極32、33は同様に構成されているので、第1の励振電極22、23の重心位置G2を例にし、図3を参照して前記重心位置G2、G3について説明する。水晶振動子20では、励振電極22、23が対向する領域が振動領域200であるので、第1の励振電極22、23の重心位置とは振動領域200の重心位置である。そして、一面側の励振電極22の重心P11と他面側の励振電極23の重心P12とを結ぶ直線の中心位置が第1の励振電極22、23の重心位置G2となる。前記ICチップ5は直方体状に構成されているので、重心位置G1は同様に求められる。
【0022】
このように配置することにより、図5に示すように、ICチップ5の重心位置G1は平面で見たときに前記直線S上に位置する。また、第1の励振電極22、23の重心位置G2と第2の励振電極32、33の重心位置G3は、前記直線Sから等距離分左右対称に離れたところに位置する。こうして、前記ICチップ5の重心位置G1から前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3までの距離を夫々D1、D2とすると、D1/D2は0.95以上1.05以下になる。ここで距離D1、D2を、0.95≦D1/D2≦1.05としたのは、距離D1と距離D2とが等しい(D1=D2)として設計しても、0.95≦D1/D2≦1.05の範囲で製造上誤差が生じる場合があるからである。
【0023】
続いて発振装置1の動作について説明する。第1の水晶振動子20及び第1の発振回路51は、発振装置1の出力である周波数信号を生成するものであるが、第2の水晶振動子30及び第2の発振回路52と共に温度検出部としての役割を持っている。これら発振回路51、52から各々得られる周波数信号の周波数差に対応する値は、既述のように温度に対応する。
【0024】
周波数差検出部53からの出力は温度補正部54に入力され、温度補正データである周波数補正分が得られる。発振回路51、52の周波数差は環境温度に正確に対応した値であり、従って周波数差検出部53の出力は、環境温度と基準温度(この例では25℃)との温度差情報である。温度補正部54の加算部には、電圧制御発振器59の出力周波数を設定するための設定値に対応するディジタル値からなる周波数データが入力されており、前記温度補正データである周波数補正分は、加算部にて周波数データに加算される。このため、動作クロックの周波数温度変化分が補償される。このように温度補正部54にて得られた補正値は、温度が25℃からずれたことによるf1の周波数ずれ分に基づく変動分を相殺するために、変動分を補償するための信号として用いられる。
【0025】
ここで、発振装置1を動作させると、ICが発熱し、ICチップ5のパッケージを介してプリント基板12に放熱される。この熱はプリント基板12を介して例えば図5に実線の矢印にて示すように水晶振動子20、30に伝熱し、さらに容器11に伝熱する。このため、水晶振動子20、30の温度が上昇するが、既述のように、温度が25℃からずれたことによるf1の周波数ずれ分を補償しているため、発振装置1の出力である電圧制御発振器59の出力周波数が温度変動にかかわらず安定したものとなる。
【0026】
上述の実施の形態によれば、平面で見たときに、ICチップ5の重心G1と第1の励振電極の重心G2との間の距離D1と、ICチップ5の重心G1と第2の励振電極32との間の距離D2とが互いに揃うように発振装置1が構成されている。このため、発振装置1を動作させることによりICチップ5が発熱しても、ICチップ5から第1の励振電極22、23(第1の振動領域)と第2の励振電極32、33(第2の振動領域)に対する熱の伝わり方が揃えられる。これにより第1の振動領域と第2の振動領域との間に温度差が発生しにくく、第1の水晶振動子20と第2の水晶振動子30の発振周波数の差分に基づいて演算される環境温度の検出結果の精度が高くなる。温度補正部54では、前記環境温度の検出結果に基づいて第1の発振回路41の出力周波数の設定値を補正するため、前記検出結果の精度の向上に伴い、出力周波数の設定値が高精度に補正され、発振周波数が安定する。
【0027】
また、第1の水晶振動子20と第2の水晶振動子30とが、前記直線Sを介して左右対称に配置されると共に、容器11は前記直線Sに対して対称に形成されている。このため、第1の水晶振動子20と第2の水晶振動子30の熱は、同じように容器11に伝わっていく。従って、ICチップ5からの熱が第1の水晶振動子20と第2の水晶振動子30の一方に蓄積されることが抑えられ、第1の水晶振動子20と第2の水晶振動子30の温度がより揃った状態となる。また、容器11の外部の温度が変動したときにおいても、容器11と第1の水晶振動子20及び第2の水晶振動子30との間で熱の授受が同様に行われるので、第1及び第2の水晶振動子20、30同士の間で温度差が生じにくい。これにより、外部温度の変動の際にも、高い精度で補正できるため、発振周波数が安定する。
【0028】
(第2の実施の形態)
この実施の形態が上述の実施の形態と異なる点は、図6及び図7に示すように、ICチップ5をプリント基板12の裏面側に、パッケージ4と対向するように設けたことである。パッケージ4や第1の水晶振動子20、第2の水晶振動子30等は第1の実施の形態と同様に構成されている。第1の実施の形態と同様の構成部分には同符号を付し、説明を省略する。
【0029】
前記パッケージ4はプリント基板12の一面側、ICチップ5はプリント基板12の他面側に夫々ハンダにより実装されている。第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33は前記容器11内に左右対称に配置されている。また、ICチップ5は、平面で見たときに、前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3から夫々等距離にある直線Sに対して左右対称の形状であり、容器11は、平面で見たときに前記直線に対して左右対称の形状に夫々形成される。こうして、ICチップ5の重心位置G1から前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3までの距離D1、D2は、0.95≦D1/D2≦1.05に設定される。
【0030】
この実施の形態においても、発振装置1を動作させることによりICチップ5が発熱しても、第1の振動領域と第2の振動領域との間に温度差が発生しにくいので、出力周波数の設定値が高精度に補正され、発振周波数が安定する。また、ICチップ5が発熱したときや外部温度が変動したときに、容器11と第1の水晶振動子20及び第2の水晶振動子30との間で熱の授受が同じ様に行われる。このため、第1の振動領域200と第2の振動領域300との間に温度差が発生しにくいので、出力周波数の設定値が高精度に補正され、発振周波数が安定する。
【0031】
図8は、図6及び図7に示す第2の実施の形態の発振装置において、第1の水晶振動子20及び第2の水晶振動子30を、その長辺方向(Y方向)が容器11の短辺方向と揃うように配置した例である。この例では、水晶片21、31の短辺方向(図8中X方向)を左右方向とする。
【0032】
第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33は前記容器11内に左右対称に配置され、ICチップ5は、平面で見たときに、前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3から夫々等距離にある直線Sに対して左右対称の形状であり、容器11は、平面で見たときに前記直線Sに対して左右対称の形状に夫々形成される。こうして、ICチップ5の重心位置G1から前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3までの距離D1、D2は、0.95≦D1/D2≦1.05に設定される。図8は平面に見たときの、重心位置G1、G2、G3、G4を示している(図5図6図9図12図14も同様である。)
この実施の形態においても、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
(第3の実施の形態)
この実施の形態は、本発明の発振装置を恒温槽付きの発振装置(OCXO)に適用したものである。図9及び図10に示す発振装置6は、容器61内に第1の水晶振動子20、第2の水晶振動子30、ICチップ5及び容器61内を加熱する加熱部をなすヒータ7を備えて構成されている。この例では、プリント基板12の一面側に第1の水晶振動子20と第2の水晶振動子30とICチップ5を設けると共に、プリント基板12の他面側にヒータ7が設けられている。ヒータ7は、温度制御対象である容器61内の雰囲気(水晶振動子20、30)を目標温度に加熱する役割がある。第1の実施の形態と同様の構成部分について同符号を付し、説明を省略する。この例では、図9中Y方向が左右方向に相当する。
【0033】
第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33は前記容器61内に左右対称に配置されている。また、ICチップ5は、平面で見たときに、前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3から夫々等距離にある直線Sに対して左右対称の形状に形成される。さらに、ヒータ7及び容器61は、平面で見たときに前記直線Sに対して左右対称の形状に夫々形成される。
【0034】
こうして、ICチップ5の重心位置G1から前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3までの距離D1、D2は、0.95≦D1/D2≦1.05に設定される。また、平面で見たときに、前記ヒータ7の重心位置G4から前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3までの距離を夫々D3、D4とすると、0.95≦D3/D4≦1.05に設定される。
【0035】
この発振装置6のブロック図を図11に示す。この例では、温度検出値は、水晶振動子20、30を目標温度に維持するためのヒータ7の発熱制御のために用いられる。従って、この実施の形態の発振装置6は、いわゆる恒温槽付の発振装置(OCXO)と温度制御発振装置(TCXO)との融合装置であるということができる。
【0036】
ヒータ7は、例えばローパスフィルタ84の出力端がベースに接続されると共に、電源部Vcからコレクタに電圧が供給されるトランジスタ71と、このトランジスタ71のエミッタとアースとの間に接続された抵抗72と、からなる。トランジスタ71のベースに供給される電圧と、トランジスタ71の消費電力及び抵抗72の消費電力との合計電力と、の関係は直線関係になっており、温度検出値と温度目標値との差分に応じて発熱温度が直線的に制御される。ヒータ制御回路8では、周波数差検出部53から出力された温度検出値(ディジタル値)が、加算部81にて温度目標値に対応するディジタル値に加算される。加算部81からのディジタル値はループフィルタ82にて積分され、その積分値に応じたPWMパルスが一定期間PWM内挿部83から出力され、そのパルスがローパスフィルタ84にて平均化される。従ってローパスフィルタ84からは、ループフィルタ82からのディジタル値に応じたアナログ電圧が得られる。加算部81にて温度目標値に対応するディジタル値に、温度検出値を加算することにより、ローパスフィルタ84からアナログ電圧が出力され、こうしてヒータ7には制御電圧が入力される。従って、この例では、第1の水晶振動子20と第2の水晶振動子30の発振周波数差に対応する信号を温度検出値として取り扱い、この検出値に基づいて、周波数設定値の補正とヒータ7の制御を行っている。この例では、周波数差検出部53とヒータ制御回路8とが補正部に相当する。
【0037】
この実施の形態では、ヒータ7とICチップ5とが発熱源であるが、これら発熱源に対して、第1の励振電極22、23(第1の振動領域)及び第2の励振電極32、33(第2の振動領域)は、等距離分離れた位置に設けられている。従って、発熱源の熱が第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33に対して同じように伝わる。このため、第1の振動領域と第2の振動領域との間に温度差が発生しにくいので温度検出値の信頼性が高い。これにより、出力周波数の設定値が高精度に補正され、発振周波数が安定する。また、温度検出値の精度が高いことから、この温度検出値に基づいてヒータ7を高精度に制御でき、発振周波数の安定度が高くなる。
(第4の実施の形態)
この実施の形態が上述の第3の実施の形態と異なる点は、図12及び図13に示すように、ICチップ5をプリント基板12の裏面側に設けると共に、複数個のヒータ7A、7Bを用意し、これらヒータ7A、7Bをプリント基板12の裏面側に設けたことである。第1の実施の形態と同様の構成部分には同符号を付し、説明を省略する。
【0038】
第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33は前記容器61内に左右対称に配置されている。また、ICチップ5は、平面で見たときに、前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3から夫々等距離にある直線Sに対して左右対称の形状である。また、ヒータ7A、7B及び容器61は、平面で見たときに前記直線Sに対して左右対称の形状に夫々形成される。
【0039】
こうして、ICチップ5の重心位置G1から前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3までの距離D1、D2は、0.95≦D1/D2≦1.05に設定される。また、前記複数のヒータ7A、7Bの夫々の重心位置G5、G6は、第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の重心位置G2、G3に対して等距離分離れた位置に設定される。つまり、平面で見たときに、ヒータ7Aの重心位置G5と第1の励振電極22、23の重心位置G2との距離(D3)と、ヒータ7Bの重心位置G6と第1の励振電極22、23の重心位置G2との距離(D3)とは互いに揃っている。また、ヒータ7Aの重心位置G5と第2の励振電極32、33の重心位置G3との距離(D4)と、ヒータ7Bの重心位置G6と第2の励振電極32、33の重心位置G3との距離(D4)とは互いに揃っている。ここで揃っているとは、製造上の誤差範囲を考慮して、距離D3(D4)同士を比較したときに、一方の距離D3(D4)に対して他方の距離D3(D4)が、0.95D3(D4)以上1.05D3(D4)以下であることをいう。こうして、ヒータ7A、7Bの重心位置G5、G6から前記第1の励振電極22、32及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3までの距離を夫々D3、D4とすると、0.95≦D3/D4≦1.05に設定される。
【0040】
この実施の形態においても、発熱源であるヒータ7A、7BとICチップ5に対して、第1の励振電極22、23(第1の振動領域)及び第2の励振電極32、33(第2の振動領域)は、等距離分離れた位置に設けられている。従って、第1の振動領域と第2の振動領域との間に温度差が発生しにくいので温度検出値の信頼性が高い。このため、出力周波数の設定値が高精度に補正されるので、発振周波数が安定する。また、温度検出値に基づいてヒータ7A、7Bの制御が高精度に行われるので、発振周波数の安定度が高くなる。
【0041】
以上において、ヒータ7A、7Bは、図14に示すように、平面で見たときに、前記直線Sに対して左右対称に配置するようにしてもよい。この場合においても、ICチップ5及びヒータ7A、7Bは、平面で見たときに、前記直線Sに対して左右対称の形状に夫々形成される。
そして、ICチップ5の重心位置G1から前記第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の各重心位置G2、G3までの距離D1、D2は、0.95≦D1/D2≦1.05に設定される。また、前記複数のヒータ7A、7Bの夫々の重心位置G5、G6は、第1の励振電極22、23及び第2の励振電極32、33の重心位置G2、G3に対して等距離分離れた位置に設定される。つまり、平面で見たときに、ヒータ7Aの重心位置G5と第1の励振電極22、23の重心位置G2との距離と、ヒータ7Bの重心位置G6と第2の励振電極232、33の重心位置G3との距離とは互いに揃っている。また、ヒータ7Aの重心位置G5と第2の励振電極32、33の重心位置G3との距離と、ヒータ7Bの重心位置G6と第1の励振電極22、23の重心位置G2との距離とは互いに揃っている。こうして、ヒータ7Aの重心位置G5から前記第1の励振電極22、32の重心位置G2までの距離をD3、ヒータ7Bの重心位置G6から前記第2の励振電極32、33の重心位置G3までの距離をD4とすると、0.95≦D3/D4≦1.05に設定される。また、ヒータ7Aの重心位置G5から前記第2の励振電極32、33の重心位置G3までの距離をD5、ヒータ7Bの重心位置G6から前記第1の励振電極22、23の重心位置G2までの距離をD6とすると、0.95≦D5/D6≦1.05に設定される。
【0042】
以上において、第1の水晶片及び第2の水晶片は同じ形状、同じ面積である必要はなく、第1の励振電極及び第2の励振電極も同じ形状、同じ面積である必要はない。この場合には、TCXOの場合には、平面で見たときに、集積回路チップの重心位置から第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置までの距離を夫々D1、D2としたときに、D1/D2を0.95以上1.05以下に設定すれば、本発明の効果が確保できる。
【0043】
また、OCXOの場合には、集積回路チップの重心位置から第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置までの距離を夫々D1、D2としたときに、D1/D2を0.95以上1.05以下に設定し、平面で見たときに、加熱部の重心位置から前記第1の励振電極及び第2の励振電極の各重心位置までの距離を夫々D3、D4とすると、D3/D4を0.95以上1.05以下に設定すればよい。対向する励振電極同士の間が振動領域であるため、既述の条件を満たせば、発熱源と各振動領域との距離が揃えられるので、各振動領域の温度差の発生が抑えられるからである。
【0044】
また、励振電極の形状は矩形状に限らず、円形等であってもよい。さらに、一面側の励振電極と他面側の励振電極とは互いに形状が異なるものであってもよい。この場合には、一面側の励振電極と他面側の励振電極とが対向する領域の重心位置が本発明の励振電極の重心位置に相当する。さらに、OCXOにおいては、温度検出部としてサーミスタ等を用いるようにしてもよい。さらにまた、共通の水晶片の両面に夫々第1の励振電極及び第2の励振電極を設けて、第1の水晶振動子及び第2の水晶振動子を形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1、6 発振装置
11、61 容器
12 プリント基板
13 カバー体
20 第1の水晶振動子
30 第2の水晶振動子
21、31 水晶片
22、23 第1の励振電極
32、33 第2の励振電極
5 ICチップ
51 第1の発振回路
52 第2の発振回路
7 ヒータ
8 ヒータ制御回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14