特許第6118211号(P6118211)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6118211
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 21/16 20060101AFI20170410BHJP
   H02K 1/27 20060101ALI20170410BHJP
   H02K 1/24 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   H02K21/16 M
   H02K1/27 501K
   H02K1/27 501A
   H02K1/27 501M
   H02K1/24 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-165213(P2013-165213)
(22)【出願日】2013年8月8日
(65)【公開番号】特開2015-35878(P2015-35878A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2015年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101352
【氏名又は名称】アスモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山田 洋次
【審査官】 マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−099096(JP,A)
【文献】 特開昭56−081070(JP,A)
【文献】 特開平10−136623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 21/16
H02K 1/24
H02K 1/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコア及び巻線を有するステータと、
それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石とを有するロータとを、
有底筒状で磁性体のヨークハウジング及び該ヨークハウジングの開口部を閉塞する非磁性体の蓋部を有するケース内に収容するモータであって、
前記第1ロータコアのコアベースが軸方向において第2ロータコアのコアベースよりも前記ヨークハウジング側に配置されるとき、
前記第1ロータコアの爪状磁極の軸方向長さは、前記第2ロータコアの爪状磁極の軸方向長さよりも長くなっており、
前記第1及び第2ロータコアの爪状磁極はそれぞれ、前記ステータコアと径方向に対向配置されており、
前記第2ロータコアの爪状磁極の軸方向長さは、前記ステータコアの軸方向長さよりも短くなっていることを特徴とするモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のモータにおいて、
前記第1ロータコアのコアベースが軸方向において第2ロータコアのコアベースよりも前記ヨークハウジング側に配置されるとき、
前記第2ロータコアの爪状磁極先端面と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離が、前記第1ロータコアのコアベースの軸方向端面と前記ヨークハウジングとの軸方向における距離よりも長いことを特徴とするモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース内にステータとロータとを収容するモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータに使用されるロータとして、周方向に複数の爪状磁極をそれぞれ有して組み合わされるロータコアを備え、それらの間に界磁磁石を配置して各爪状磁極を交互に異なる磁極に機能させる所謂永久磁石界磁のランデル型構造のロータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ランデル型構造のロータにおいては、モータの高出力化を図るために、交互に配置された爪状磁極の間に、磁路を整流するための極間磁石を配置したものも提案されている(例えば特許文献2参照)。このようなモータは、有底筒状のヨークハウジングとこのヨークハウジングの一端に設けられるエンドフレームとを有するケース内に、前記ロータと前記ステータとが収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−43749号公報
【特許文献2】特開2012−115085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなモータでは、ロータの軸方向一端面側に磁性体のヨークハウジングが位置し、ロータの軸方向他端面側に樹脂製のエンドフレームが位置することとなる。この場合、ロータの界磁磁石からの磁束の一部がケース側(ヨークハウジング側)に漏れてしまい、出力特性の悪化を招く虞がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、漏れ磁束を抑え出力特性を向上させることが可能なモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するモータは、ステータコア及び巻線を有するステータと、それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石とを有するロータとを、有底筒状で磁性体のヨークハウジング及び該ヨークハウジングの開口部を閉塞する非磁性体の蓋部を有するケース内に収容するモータであって、前記第1ロータコアのコアベースが軸方向において第2ロータコアのコアベースよりも前記ヨークハウジング側に配置されるとき、前記第1ロータコアの爪状磁極の軸方向長さは、前記第2ロータコアの爪状磁極の軸方向長さよりも長くなっており、前記第1及び第2ロータコアの爪状磁極はそれぞれ、前記ステータコアと径方向に対向配置されており、前記第2ロータコアの爪状磁極の軸方向長さは、前記ステータコアの軸方向長さよりも短くなっている
【0008】
この構成によれば、磁性体であるヨークハウジングと軸方向において近い第1ロータコアのコアベースからヨークハウジング側に磁束が漏れやすくなるが、第1ロータコアの爪状磁極を長くすることで、爪状磁極とステータとの間の磁気抵抗が小さくなるため、ヨークハウジング側への漏れ磁束を低減することができる。これにより、出力特性を向上させることが可能となる。また、ヨークハウジングから比較的遠い第2ロータコアについては、ヨークハウジングへの漏れ磁束が少ないため、第1ロータコアの爪状磁極と第2ロータコアの爪状磁極の軸方向長さを同一とした場合には、第2ロータコアの爪状磁極とステータ間における磁束量が、第1ロータコアの爪状磁極とステータ間に磁束量よりも多くなりやすい。すなわち、両磁極間での磁束のアンバランスが生じることとなる。このため、第1ロータコアの爪状磁極よりも第2ロータコアの爪状磁極との軸方向長さを短くすることで、第2ロータコアの爪状磁極とステータ間の磁気抵抗が高くなり、両磁極間での磁束のアンバランスを抑えることが可能となる。
【0009】
上記モータにおいて、前記第1ロータコアのコアベースが軸方向において第2ロータコアのコアベースよりも前記ヨークハウジング側に配置されるとき、前記第2ロータコアの爪状磁極先端面と前記ヨークハウジングとの軸方向における離間距離が、前記第1ロータコアのコアベースの軸方向端面と前記ヨークハウジングとの軸方向における距離よりも長いことが好ましい。
【0010】
この構成によれば、第2ロータコアの爪状磁極先端面とヨークハウジングとの軸方向における距離が確保できるため、爪状磁極先端面からヨークハウジング側への漏れ磁束を抑えてステータ側への鎖交磁束量を増加させることが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のモータによれば、漏れ磁束を抑え出力特性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態におけるモータの断面図である。
図2】同上におけるモータの平面図である。
図3】同上におけるロータの斜視図である。
図4】同上におけるモータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、モータの一実施形態について説明する。
図1に示すように、モータとしてのブラシレスモータ11のモータケース12は、略有底円筒状に形成されたヨークハウジング13と、このヨークハウジング13のフロント側(図1中、左側)の開口部を閉塞する蓋部としてのエンドプレート14とを有している。前記ヨークハウジング13は例えば磁性体の鉄で構成される。また、前記エンドプレート14は例えば非磁性体の樹脂材料で構成される。
【0014】
図1に示すように、ヨークハウジング13の内周面にはステータ16が固定されている。ステータ16は、径方向内側に延びる複数のティース17aを有するステータコア17と、ステータコア17のティース17aにインシュレータ19を介して巻回される巻線20とを備えている。ステータ16は、外部の制御回路Sから巻線20に駆動電流が供給されることで回転磁界を発生する。
【0015】
図2に示すようにステータコア17は、計12個のティース17aを有している。従って、ティース17a間に形成されるスロット17bの数も12個とされている。
図2に示すようにティース17aは、巻回部18aと、巻回部18aの径方向内側の端部から周方向両側に突出する突出部18bとを備える。巻回部18aは、U相、V相、W相の巻線20が集中巻にて巻回されている。
【0016】
図1に示すように、ブラシレスモータ11のロータ21は回転軸22を有し、ステータ16の内側に配置されている。回転軸22は非磁性体の金属シャフトであって、ヨークハウジング13の底部13a及びエンドプレート14に支持された軸受23,24により回転可能に支持されている。
【0017】
図3及び図4に示すように、ロータ21は、前記回転軸22が圧入されることで互いの軸方向の間隔が保持されつつ回転軸22に固定される2つのロータコア31,32と、各ロータコア31,32の軸方向の間に介在される界磁磁石としての環状磁石33を備える。更に、ロータ21は、背面補助磁石34,35と、極間磁石36,37とを備える。
【0018】
図3及び図4に示すように、ロータコア31は、略円板状のコアベース31aの外周部に、等間隔に複数(本実施形態では4つ)の爪状磁極31bが径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出して形成されている。詳しくは、爪状磁極31bは、コアベース31aの外周部から径方向外側に突出した突出部31cと、該突出部31cの先端に設けられ軸方向に延びる爪部31dとを有する。突出部31cは、軸方向から見て扇形状に形成されている。爪部31dは、軸直交方向断面が扇形状に形成されている。
【0019】
図3及び図4に示すように、ロータコア32は、ロータコア31と同形状であって、略円板状のコアベース32aの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極32bが径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出して形成されている。詳しくは、爪状磁極32bは、コアベース32aの外周部から径方向外側に突出した突出部32cと、該突出部32cの先端に設けられ軸方向に延びる爪部32dとを有する。突出部32cは、ロータコア31の突出部31cと同様に、軸方向から見て扇形状に形成されている。爪部32dは、軸直交方向断面が扇形状に形成されている。また、一方のロータコア32の爪部32dは、他方のロータコア31の爪部31dよりも軸方向に長い構成とされる。
【0020】
そして、各ロータコア31,32は、その中央孔に回転軸22が圧入されるとともに、各コアベース31a,32aの軸方向の外側(相反する側)の距離が予め設定された距離となるように回転軸22に対して圧入固定される。この際、ロータコア32は、爪状磁極32bが周方向に隣り合う他方のロータコア31の爪状磁極31b間に配置されるようにして、且つコアベース31aとコアベース32aとの軸方向の間に環状磁石33が配置(挟持)されるようにしてロータコア31に対して組み付けられている。
【0021】
環状磁石33は、フェライト磁石やネオジム磁石等の磁石であって、中央孔が形成された円環状に形成され、ロータコア31の爪状磁極31bを第1の磁極(本実施形態ではN極)として機能させ、ロータコア32の爪状磁極32bを第2の磁極(本実施形態ではS極)として機能させるように、軸方向に磁化されている。即ち、本実施形態のロータ21は、界磁磁石としての環状磁石33を用いた所謂ランデル型構造のロータである。ロータ21は、N極となる4つの爪状磁極31bと、S極となる4つの爪状磁極32bとが周方向に交互に配置されており、極数が8極(極対数が4個)となる。すなわち、本実施形態では、ロータ21の極数が「8」に設定され、ステータ16のティース17aの数が「12」に設定されている。
【0022】
ロータコア31の各爪状磁極31bの背面31e(径方向内側の面)とロータコア32のコアベース32aの外周面32fとの間には、背面補助磁石34が配置されている。背面補助磁石34は、その軸直交方向断面が略扇形状とされ、爪状磁極31bの背面31eに当接する側が爪状磁極31bと同極のN極に、ロータコア32のコアベース32aの外周面32fに当接する側がコアベース32aと同極のS極となるように磁化されている。
【0023】
また、ロータコア32の各爪状磁極32bの背面32eとロータコア31のコアベース31aの外周面31fとの間には、背面補助磁石35が配置されている。背面補助磁石35は、その軸直交方向断面が扇形状とされ、爪状磁極32bの背面32eに当接する側がS極に、ロータコア31のコアベース31aの外周面31fに当接する側がN極となるように磁化されている。背面補助磁石34,35としては、例えばフェライト磁石を用いることができる。
【0024】
図2及び図3に示すように、爪状磁極31bと爪状磁極32bとの周方向の間には、極間磁石36,37が配置されている。
上記のように構成されたロータ21は、一方のロータコア32のコアベース32aが、他方のロータコア31のコアベース31aよりも軸方向においてヨークハウジング13側(底部13a側)に配置される。ちなみに、ロータコア32が第1ロータコアに相当し、ロータコア31が第2ロータコアに相当する。
【0025】
図4に示すように、ロータコア32の爪状磁極32bの軸方向長さL1はロータコア31の爪状磁極31bの軸方向長さL2よりも長くなるように構成される。換言すると、ロータコア31の爪状磁極31bは、その軸方向長さがロータコア32の爪状磁極32bの軸方向長さよりも短くなるように構成される。このため、各ロータコア31,32のコアベース31a,32aと環状磁石33とを組み付けた状態で、前記ロータコア32のコアベース32aの軸方向端面32gよりも軸方向において反ヨークハウジング13側に位置することとなる。その結果、ロータコア31の爪状磁極31b(爪部31d)の先端面31gとヨークハウジング13の軸方向における離間距離D1が、前記ロータコア32のコアベース32aの軸方向端面32gとヨークハウジング13との軸方向における離間距離D2よりも長くなる。
【0026】
また、図1に示すように、ロータ21には、略円板状のマグネット固定部材41を介してセンサ磁石42が設けられている。詳しくは、マグネット固定部材41は、中央にボス部41aが形成された円板部41bと、この円板部41bの外縁から筒状に延びる筒部41cとを有し、該筒部41cの内周面及び円板部41bの表面に当接するように環状のセンサ磁石42が固着されている。そして、マグネット固定部材41は、ロータコア31と近い側で、そのボス部41aが回転軸22に外嵌されて固定されている。
【0027】
そして、エンドプレート14において、センサ磁石42と軸方向に対向する位置には磁気センサとしてのホールIC43が設けられている。ホールIC43は、センサ磁石42に基づくN極とS極の磁界を感知するとそれぞれHレベルの検出信号とLレベルの検出信号とを前記制御回路Sに出力する。
【0028】
次に、上記のように構成されたブラシレスモータ11の作用について説明する。
制御回路Sから巻線20に3相の駆動電流が供給されると、ステータ16にて回転磁界が発生され、ロータ21が回転駆動される。この際、ホールIC43と対向するセンサ磁石42が回転することで、ホールIC43から出力される検出信号のレベルがロータ21の回転角度(位置)に応じて切り替わり、その検出信号に基づいて制御回路Sから巻線20に最適なタイミングで切り替わる3相の駆動電流が供給される。これにより、良好に回転磁界が発生され、ロータ21が良好に連続して回転駆動される。
【0029】
ここで、本実施形態では、ロータコア32の爪状磁極32bをロータコア31の爪状磁極31bよりも軸方向において長くなるような構成とされる。これにより、ロータコア32の爪状磁極32bとステータ16との間の磁気抵抗が、ロータコア31の爪状磁極31bとステータ16との間の磁気抵抗よりも低くなる。ここで、ヨークハウジング13と軸方向において近いロータコア32のコアベース32aからヨークハウジング13側に磁束が漏れやすくなるが、前述したようにロータコア32の爪状磁極32bをロータコア31の爪状磁極31bよりも軸方向において長くすることで、相対的に磁気抵抗が低くなるためヨークハウジング13側に磁束が漏れることが抑えられている。更に、ヨークハウジング13から比較的遠いロータコア31については、ヨークハウジング13への漏れ磁束が少ないため、ロータコア32の爪状磁極32bとロータコア31の爪状磁極31bの軸方向長さを同一とした場合には、ロータコア31の爪状磁極31bとステータ16間における磁束量が、ロータコア32の爪状磁極32bとステータ16間の磁束量よりも多くなりやすい。すなわち、両磁極間での磁束のアンバランスが生じることとなる。このため、ロータコア32の爪状磁極32bよりもロータコア31の爪状磁極31bとの軸方向長さを短くすることで、ロータコア31の爪状磁極31bとステータ16間の磁気抵抗が高くなり、両磁極間での磁束のアンバランスを抑えられている。
【0030】
次に、本実施形態の効果を記載する。
(1)磁性体であるヨークハウジング13と軸方向において近いロータコア32のコアベース32aからヨークハウジング13側に磁束が漏れやすくなるが、ロータコア32の爪状磁極32bを長くすることで、ロータコア32の爪状磁極32bとステータ16との間の磁気抵抗が小さくなる。このため、ヨークハウジング13側への漏れ磁束を低減することができる。これにより、出力特性を向上させることが可能となる。
【0031】
(2)また、ロータコア32の爪状磁極32bよりもロータコア31の爪状磁極31bとの軸方向長さを短くすることで、ロータコア31の爪状磁極31bとステータ16間の磁気抵抗が高くなり、両磁極間での磁束のアンバランスを抑えることが可能となる。
【0032】
(3)ロータコア31の爪状磁極31b(爪部31d)の先端面31gとヨークハウジング13との軸方向における距離が確保できるため、爪状磁極31b(爪部31d)の先端面31gからヨークハウジング13側への漏れ磁束を抑えてステータ16側への鎖交磁束量を増加させることが可能となる。
【0033】
尚、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、ロータ21の極数が「8」に設定され、ステータ16のティース17aの数が「12」に設定されたブラシレスモータに具体化したが、ロータ21の極数やステータ16のティース17aの数は変更してもよい。例えば、ロータ21の極数が「8」に設定され、ステータ16のティース17aの数が「12」に設定されたブラシレスモータに具体化してもよい。
【0034】
・上記実施形態では、ロータ21に、背面補助磁石34,35と極間磁石36,37とを設ける構成としたが、これに限らない。例えば背面補助磁石のみを設ける構成、極間磁石のみを設ける構成、背面補助磁石及び極間磁石を省略する構成を採用してもよい。
【0035】
・上記実施形態では、ステータ16のティース17aに巻線20を巻装する構成としたが、これに限らない。例えば、周方向に複数の爪状磁極をそれぞれ有して組み合わされるステータコアを備え、それらの間に巻線を配置して各爪状磁極を交互に異なる磁極に機能させる構成を採用してもよい。
【0036】
・上記実施形態並びに各変形例は適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0037】
10…モータ、13…ヨークハウジング、14…エンドプレート(蓋部)、16…ステータ、17…ステータコア、17a…ティース、20…巻線、21…ロータ、31b,32b…爪状磁極、31a,32a…コアベース、32g…軸方向端面、D1,D2…離間距離、L1,L2…長さ。
図1
図2
図3
図4