特許第6118250号(P6118250)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アムコー リミテッドの特許一覧

特許6118250液体の充填時における機械の汚染を防ぐための液体取扱方法
<>
  • 特許6118250-液体の充填時における機械の汚染を防ぐための液体取扱方法 図000003
  • 特許6118250-液体の充填時における機械の汚染を防ぐための液体取扱方法 図000004
  • 特許6118250-液体の充填時における機械の汚染を防ぐための液体取扱方法 図000005
  • 特許6118250-液体の充填時における機械の汚染を防ぐための液体取扱方法 図000006
  • 特許6118250-液体の充填時における機械の汚染を防ぐための液体取扱方法 図000007
  • 特許6118250-液体の充填時における機械の汚染を防ぐための液体取扱方法 図000008
  • 特許6118250-液体の充填時における機械の汚染を防ぐための液体取扱方法 図000009
  • 特許6118250-液体の充填時における機械の汚染を防ぐための液体取扱方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6118250
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】液体の充填時における機械の汚染を防ぐための液体取扱方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 47/02 20060101AFI20170410BHJP
   B29C 49/28 20060101ALI20170410BHJP
   B29C 49/48 20060101ALI20170410BHJP
   B29C 33/00 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   B65B47/02
   B29C49/28
   B29C49/48
   B29C33/00
【請求項の数】17
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-529229(P2013-529229)
(86)(22)【出願日】2011年9月13日
(65)【公表番号】特表2013-540660(P2013-540660A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】US2011051284
(87)【国際公開番号】WO2012037051
(87)【国際公開日】20120322
【審査請求日】2014年7月29日
(31)【優先権主張番号】13/230,164
(32)【優先日】2011年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/382,138
(32)【優先日】2010年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510156594
【氏名又は名称】アムコー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】マキ、カーク エドワード
(72)【発明者】
【氏名】リッシュ、ジョージ デイヴィッド
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−533290(JP,A)
【文献】 米国特許第03907245(US,A)
【文献】 米国特許第01525126(US,A)
【文献】 特開昭64−051915(JP,A)
【文献】 米国特許第02633603(US,A)
【文献】 米国特許第06579083(US,B2)
【文献】 米国特許第03911071(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 47/00
B65B 3/02−3/04
B29C 47/00−47/96
B29C 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に流体を充填するための成形装置であって、
第1嵌合面を持つ第1鋳型部と、
上記第1鋳型部に対して移動可能であり、上記第1嵌合面に嵌合するために、当該第1嵌合面に対して相補的な形状を有する第2嵌合面を持つ第2鋳型部と、
上記第1鋳型部および上記第2鋳型部に設けられた型穴と、
上記第1鋳型部および上記第2鋳型部を少なくとも第1方向に整列させるために、上記第1鋳型部と上記第2鋳型部との間に配置されているか、上記第1鋳型部および上記第2鋳型部の一部分をなしている連結嵌合面機構と、
上記流体を回収および/または排泄することを可能にするための、上記型穴に隣接して伸展する第1チャネルと、
上記第1チャネルを通過した任意の上記流体を回収するための、上記第1チャネルの外側にある第2チャネルとを備えており、
上記第2チャネルは、上記型穴から離れて配置されていることを特徴とする成形装置。
【請求項2】
上記第2チャネルは、上記連結嵌合面機構の外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項3】
上記連結嵌合面機構は、上記第1嵌合面および上記第2嵌合面の少なくとも一部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項4】
上記連結嵌合面機構は、上記第1鋳型部および上記第2鋳型部を少なくとも上記第1方向、ならびに上記第1方向とは異なる第2方向に整列させることを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項5】
上記連結嵌合面機構は、上記第1鋳型部から伸展する第1機構と、当該第1機構に対応し、上記第2鋳型部に形成され、上記第1機構に対して相補的な第2機構とを備え、
上記第1鋳型部および上記第2鋳型部を少なくとも上記第1方向に整列させるために、上記第1機構は上記第2機構と厳密に一致するサイズに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項6】
上記第1機構は、凸部であり、
上記第2機構は、凹部であることを特徴とする請求項5に記載の成形装置。
【請求項7】
上記第1機構は、三角形状の凸部であり、
上記第2機構は、三角形状の凹部であることを特徴とする請求項5に記載の成形装置。
【請求項8】
上記第1機構は、長方形状の凸部であり、
上記第2機構は、長方形状の凹部であることを特徴とする請求項5に記載の成形装置。
【請求項9】
上記第1機構は、嵌合接合を規定するために上記第2機構に対して嵌合固定されることを特徴とする請求項5に記載の成形装置。
【請求項10】
上記嵌合接合は、上記流体密封固定を規定することを特徴とする請求項9に記載の成形装置。
【請求項11】
上記流体密封固定は、上記流体を収集するための密封内容積を規定するために上記第1鋳型部および上記第2鋳型部の少なくとも一部にまで伸展することを特徴とする請求項10に記載の成形装置。
【請求項12】
上記連結嵌合面機構は、上記第1鋳型部から伸展する第1機構と、当該第1機構に対応し、上記第2鋳型部に形成され、上記第1機構に嵌合固定するために当該第1機構に対して相補的な第2機構と、上記第1鋳型部および上記第2鋳型部の少なくともいずれか一方から伸展する第3機構と、当該第3機構に対応し、上記第1鋳型部および上記第2鋳型部の他方に形成され、上記第3機構に嵌合固定するために当該第3機構に対して相補的な第4機構とを備えることを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項13】
上記第1機構および上記第2機構は、上記第3機構および上記第4機構と鏡の関係にあることを特徴とする請求項12に記載の成形装置。
【請求項14】
上記連結嵌合面機構は、強固な密封固定のためにO−リング部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項15】
上記第1嵌合面および上記第2嵌合面は、互いの間の密封固定を規定することを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項16】
上記第1チャネルは、上記第1嵌合面および上記第2嵌合面に沿って伸展し、上記流体を収集して上記型穴から所定の位置にまで当該流体を流体連通することを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項17】
上記流体を収集するために、上記第1鋳型部および上記第2鋳型部の少なくともいずれか一方に流体が流れるように連結された収集チャネルをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の参照〕
本願は、米国実用新案出願第13/230,164号(出願日:2011年9月12日)の優先権を主張し、米国仮出願第61/382,138号(出願日:2010年9月13日)の利益を享受するものである。これらの全文は、参照により本願に完全に開示されているものとして、本願に含まれる。
【0002】
〔技術分野〕
本開示は、液体商品等の商品を容器に充填するための鋳型に概ね関連している。より具体的には、本開示は、中空のポリエチレンテレフタレート(PET)容器に充填するための鋳型、ならびに当該鋳型を用いて充填時における機械の汚染を最小限にするための方法に関する。
【0003】
〔背景技術〕
本項における記載は、本開示に関する背景情報を提示するものであり、必ずしも先行技術を説明するものではない。
【0004】
環境問題ならびに他の問題を受けて、これまでガラス容器に入れていた数々の商品を包装するために、プラスチック容器、より具体的にはポリエステル容器、さらに具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)容器は以前にも増して使用されている。製造者、充填者、ならびに消費者は、PET容器が軽量であり、安価であり、再利用可能であり、なおかつ大量生産が可能であることを認知した。
【0005】
中空成形プラスチック容器は、数々の商品を包装するのに一般的になりつつある。PETは、結晶化可能なポリマーである。これは、アモルファス状態あるいは半結晶状態で利用成形可能であることを意味する。PET容器における材料の安全性の維持力は、結晶状態にあるPET容器の割合(PET容器の「結晶化度」とも知られている)に関係する。以下の方程式は、結晶化度の割合を体積分率として定義している:
【0006】
【数1】
【0007】
ρはPET材料の密度であり;ρは純非晶質PET材料の密度(1.333g/cc)であり;ρは純結晶質材料の密度である(1.455g/cc)。
【0008】
容器の製造者は、容器におけるPETポリマーの結晶化度を高めるために、機械的処理および熱的処理を用いる。機械的処理は、非晶質材料を配向させ、歪み硬化を持たせる処理を含む。この処理は、射出成形されたPET予備形成体を縦軸に沿って引き伸ばし、さらにPET予備形成体を横軸あるいは放射軸に沿って拡げてPET容器を形成する処理を一般的に含む。この組み合わせにより、製造者が定義した容器の分子構造の二軸配向が進められる。PET容器の製造者は、現在では容器の側壁における結晶化度が約20%のPET容器を製造するための機械的処理を用いている。
【0009】
熱的処理は、材料(非晶質あるいは半晶質)を加熱し、結晶成長を促進させる処理を含む。非晶質材料においては、PET材料に対する熱的処理により、光の透過を妨害する球顆状形態がもたらされる。換言すれば、結果的に生成された結晶質は半透明であるため、通常は好ましくない。ただし、機械的処理の後に熱的処理を行なうことにより、容器において二軸分子方向を持つ部分では、より高い結晶化度ならびに良好な透明度が得られる。延伸PET容器に対する熱的処理は、熱硬化処理として知られており、約250゜F〜350゜F(約121℃〜177℃)に加熱された鋳型を用いてPET予備形成体を中空成形し、中空成型した容器を加熱された鋳型に対して接触させた状態を約2秒間から5秒間保つ処理を一般的に含む。約185゜F(85℃)で熱充填されるPETジュースボトルの製造者は、現在では全体的な結晶化度が約25%〜35%の間であるPETボトルを生成するために熱硬化処理を用いている。
【0010】
本項では、本開示の概要を説明しており、本項は本開示の全範囲あるいは全構成を包括するものではない。
【0011】
本開示の本質によれば、容器内に流体を充填するための成形装置が提供される。成形装置は、第1嵌合面を持つ第1鋳型部と、第2嵌合面を持つ第2鋳型部とを備える。第2嵌合面と第1嵌合面との間を密封固定し、第1鋳型部と第2鋳型部との間に型穴を配置するために、第1嵌合面は第1嵌合面に対して相補的な形状を有している。成形装置は、第1鋳型部および第2鋳型部の間に流体シールを規定し、少なくとも第1方向に第1鋳型部および第2鋳型部を整列させるために、連結嵌合面機構をさらに備えている。連結嵌合面機構は、第1鋳型部と第2鋳型部との間に配置されているか、第1鋳型部および第2鋳型部の一部分をなしている。
【0012】
さらなる適用範囲は、ここで提供する説明によって明らかになるであろう。本概要の詳細な記載および具体的な例は、説明を目的としたものであり、本開示を限定するためのものではない。
【0013】
〔図面の簡単な説明〕
ここに示す図面は、すべての実施可能な実施形態ではなく選択された実施形態の説明を目的としたものであり、本開示の範囲を制限するためのものではない。
【0014】
図1は、プラスチック容器を製造および/または充填するための従来の成形装置を示す上面図である。
【0015】
図2は、プラスチック容器を製造および/または充填するための、本教示の本質に係る成形装置を示す上面図である。
【0016】
図3Aは、本教示のいくつかの実施形態に係る嵌合面ならびに連結嵌合面を示す部分断面図である。
【0017】
図3Bは、本教示のいくつかの実施形態に係る嵌合面ならびに連結嵌合面を示す部分断面図である。
【0018】
図4は、本教示のいくつかの実施形態に係る嵌合面、連結嵌合面、ならびに追加チャネルを示す部分断面図である。
【0019】
図5は、プラスチック容器を製造および/または充填するための、本教示の本質に係る成形装置を示す側面図である。
【0020】
図6は、本教示の本質に係る充填ノズルおよび成形装置を示す側面図である。本図では、各部材を破線で示している。
【0021】
図7は、本教示に係る製造機構を示す概略図である。
【0022】
いくつかの図面を通して、同様の部材番号は同様の部材を示している。
【0023】
〔詳細な説明〕
添付の図面を参照して、実施の形態例をより詳細に説明する。実施の形態例は、本開示を詳細にすると共に、本開示により本発明の目的を当業者に十分に伝えるために提供されている。具体的な内容(例えば、特定の部材、装置、および方法の例)が、本開示の実施形態を十分に理解するために数多く示されている。上記の具体的な内容は必ずしも採用しなくてもよく、実施の形態例は多種多様な方法で実現してもよいものであり、本開示の範囲を制限するものと解釈するべきものではない。
【0024】
以下で用いられている用語は、特定の実施の形態例を説明するためだけに用いているのであって、制限するために用いているのではない。以下で使用しているように、複数形の形態を含まない旨を明確に記載していない限りは、単数形を表す文言(“a”、“an”、および“the”)には複数形の形態が含まれる。「備える」、「備えている」、「含む」、および「有している」等の文言は、包括的な意味を有している。そのため、これらの文言は、示された特徴、整数、動作、処理、要素、および/または部材の存在を特定するものであるが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、部材、および/またはこれらの群の存在あるいは付加を除外するものではない。以下で説明されている方法の工程、処理、および動作は、実行順序を具体的に特定していない限りは、説明あるいは図示された順序で実行する必要があると解釈されるものではない。また、追加あるいは代替の工程を採用してもよいことを理解されたい。
【0025】
要素あるいは層が他の要素あるいは他の層に「配置されている」、「固定されている」、「接続されている」、あるいは「結合されている」と言及された場合には、当該要素あるいは当該層は、直接に配置、固定、あるいは接続されているか、介在要素あるいは介在層が存在し得る。これに対して、要素が他の要素あるいは他の層に「直接会配置されている」、「直接固定されている」、「直接接続されている」、あるいは「直接結合されている」と言及された場合には、介在要素あるいは介在層は存在しない。要素間の関係を表す他の文言(例えば、「間に」に対して「直接間に」、「隣に」に対して「直接隣に」等)についても、同様に解釈されたい。以下で使用しているように、「および/または」という文言は、対応して挙げられた項目の1つ以上の組み合わせのいずれかあるいはすべてを含むものである。
【0026】
第1、第2、および第3等の文言を、種々の要素、部材、領域、層、および/または部分を説明するために用い得るが、当該要素、部材、領域、層、および/または部分はこれらの文言に制限されるものではない。これらの文言は、1つの要素、部材、領域、層、または部分を、他の領域、層、あるいは部分と区別するためだけに用いられ得る。以下で使用される「第1」、「第2」、および他の数を表す文言は、明確に示されていない限りは順序あるいは順番を意味するものではない。そのため、以下に挙げられている第1の要素、部材、領域、層、あるいは部分は、実施の形態例の教示から逸脱することなく、第2の要素、部材、領域、層、あるいは部分と表すことができる。
【0027】
「内部」、「外部」、「真下」、「下」、「下方」、「上」、および「上方」等の空間関係の文言は、図に示すような1つの要素あるいは特徴と他の要素あるいは特徴との関係の説明を容易にするために以下では用いられ得る。空間関係の文言は、使用時あるいは動作時の装置の位置として図に示した位置に加えて、他の位置も含み得る。例えば、図中の装置がひっくり返されている場合、「真下」あるいは「下」と表現された要素は、他の要素の「上」に配置されていることになる。したがって、上記の文言例「下」については、上および下の双方の位置を含み得る。装置は別の方法(90度回転させたり、他の位置に配置したり)で配置されていてもよく、以下で使用される空間関係の文言は装置の配置に応じて解釈される。
【0028】
本教示は、容器を充填および/または製造するための成形装置、および当該成形性装置を用いた成形方法を提供する。本教示に係る鋳型の設計は、従来の鋳型と異なり、容器の破壊、容器の破裂、容器からの流出、容器への流し込み、および/または容器からのこぼれの発生時に、流体(すなわち、水、液体商品、および空気等)の封じ込め度が増す。
【0029】
以下でより詳細に説明するが、本教示に係る鋳型の形状は、変形例の中のいずれか1つに従って形成され得る。限定されない実施例では、本開示に係る鋳型は、1つ以上の容器を保持するように構成されていてよく、いくつかの流体および商品(例えば、飲料、食品、熱充填型材料、冷充填型材料、防腐剤、炭酸ガス、あるいは空気)と一緒に用いられてもよい。
【0030】
鋳型のサイズならびに実際の形状は、容器のサイズならびに所望の動作上のパラメータに依存することを理解されたい。したがって、以下で説明する設計には、変形例が存在することを認識されたい。いくつかの実施形態によれば、真空吸収機構あるいは真空吸収領域(例えば、パネル、リブ、スロット、およびくぼみ等)および種々の加圧装置を持つ容器と一緒に使用するための種々の機構を備えていてもよいことも認識されたい。
【0031】
いくつかの図面に示したように、本教示は、水、滅菌流体、および/または充填製品が噴き出した際、あるいは容器への充填処理中に漏出した際に、成形装置あるいは他の製造/充填装置において発生した汚染を最小限に抑えるために改良された鋳型設計、ならびに当該鋳型設計を用いた方法を提供する。
【0032】
図1に示すように、従来の鋳型設計100は、互いに間隔を空けて移動可能に配置されている1対の鋳型部分あるいは鋳型部102,104を備えている。各鋳型部分102,104は、保持または支持するための内部鋳型外形(図示せず)、あるいは形成または充填される容器の形状を有していてもよい。鋳型部分102,104は、それぞれの間の嵌合表面あるいは嵌合面に沿って伸びる分割線106が形成されるような位置に配置されている。従来では、この分割線106は平坦であり、略均一な平面的な嵌合面あるいは継ぎ目であった。しかしながら、分割線106は、導入または注入される水あるいは充填製品を容器(図示せず)の内部に入れるための開口部または隙間を含み得る。
【0033】
しかし、動作中において従来の鋳型設計100では、充填処理中に破裂または漏出が発生することで汚染されるという損害を被ることが分かった。これは、容器の不良、充填口部分の不良、あるいは数ある危険因子の中のいずれか1つに起因して発生し得る。破裂または漏出が発生すると、水あるいは製品は鋳型および他の周辺装置の少なくとも一部を充填し得る。多くの使用用途において、清掃が希望および/または要求されると、道具を分解して清掃する必要があるため、大幅な中断時間が必要となる。このような中断時間は、生成量の低減および遅延の増幅をもたらし得る。
【0034】
本教示の本質によれば、図2に示すように、連結嵌合面を備え得る鋳型設計が提供される。すなわち、成形装置10は、互いに間隔を空けて移動可能に配置されている1対の鋳型部分12,14(あるいは追加鋳型部)を備え得る。各鋳型部分12,14は、保持または支持するための内部鋳型外形(図示せず)、あるいは形成または充填される容器の形状を有していてもよい。鋳型部分12,14は、それぞれの間の嵌合表面あるいは嵌合面に沿って伸びる分割線16が形成されるような位置に配置され得る。分割線16は、導入または注入される水あるいは充填製品を容器(図示せず)の内部に入れるための開口部または隙間18を含み得る。
【0035】
図2から分かるように、分割線16は、少なくとも第1方向に鋳型部分14および鋳型部分12を順に整列させるための連結嵌合面機構20を備えていてもよい。しかし、いくつかの実施形態においては、連結嵌合面機構20は鋳型部分12,14を少なくとも2つの次元および/または方向に整列させてもよい。連結嵌合面機構20は、第1鋳型部分12に配置された第1機構、および第2鋳型部分14に配置された第2機構24を備えていてもよい。第1機構22は、少なくとも第2機構24との間に嵌合接合部26を規定するために、当該第2機構24を嵌合固定している。この嵌合接合部26は、第1鋳型部分12および第2鋳型部分14の間の密封固定を規定し、また、成形装置10内の密封内容積28も規定し得る。密封内容積28は、充填動作中に水あるいは製品を回収および/または収容するために用いられ得る。このようにして、成形装置10の内容積28が排泄、流出、あるいは洗浄される間、機械全体としては汚染されない状態を保つことができる。
【0036】
いくつかの実施形態においては、図3Aおよび図3Bに示すように、連結嵌合面機構20は、一方の鋳型部分に形成された第1凸部32が、当該第1凸部32と相補的な形状を有し、他方の鋳型部分に形成された凹部34に嵌合する1対の組み合わせ機構を備え得る。いくつかの実施形態では、図3Aに示すように、第1凸部30は三角状の形状を有しており、凹部34は同様の三角形状の形状を有していてもよい。追加の凸部、および当該凸部と相補的な形状を有する凹部は、分割線16に沿って形成され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、図示したように、凸部および凹部の組み合わせは、正常な嵌合接合となるために、分割線16に関して鏡の関係となっていてもよい。
【0037】
連結嵌合機構20の形状として、他の形状(例えば、図3Bに示したような略四角形状部であるオフセット)を採用してもよい。しかし、図示しない追加の形状(例えば、弓状の形状、および正常な嵌合接合となる任意の相補的な形状等)も採用され得ることを理解されたい。追加の部材(例えば、O−リング等)も当該嵌合接合を助成するために用いられ得ることを理解されたい。他の密封部材(例えば、NSF、あるいは他の運営団体が認可した材料部材または食品用密封材料部材等)を使用し得ることを認識されたい。さらに、すべての実施形態において、いずれの密封部材も溶接密閉を規定する必要はないことを理解されたい。
【0038】
図4に示すように、いくつかの実施形態において、成形装置10は、連結嵌合面機構20に沿って伸び、水、溶液、または回収される製品を中央封じ込め領域に入れるためのチャネルまたは他のリリーフ通路40を含み得る。ここで、いくつかの実施形態では、チャネルまたは他のリリーフ通路40は、水、溶液、または回収される製品を中央封じ込め領域に流出させてもよい。いくつかの実施形態では、成形装置10は、空気、水、溶液、および/または製品を別々あるいは多段階構成で回収および/または排泄するために用いられ得るチャネルあるいは通路40を備えていてもよい。すなわち、いくつかの実施形態では、鋳型の初期密閉時および容器の充填時に、第1チャネル40Aは空気を排泄させるために用いてもよい。この空気は、必要に応じて循環させてもよい。いくつかの実施形態では、第1チャネル40Aは、連結嵌合面機構20の内部で鋳型の内部に近接して配置されてもよい。第2チャネル40Bは、空気、水、溶液、および製品のうち、第1チャネル40Aおよび連結嵌合面機構20を通過して第2チャネル40Bに流れてきたいずれかのものを回収する第2段階としても用いてもよい。このようにして、いくつかの実施形態では、第2チャネル40Bは、連結嵌合面機構20の外部で鋳型の内部から離れて配置されてもよい。通路/チャネル40A,40Bは、数ある断面形状の中のいずれかの形状を有していてもよいことを理解されたい。
【0039】
通路/チャネル40(40Aおよび40B)は、数ある異なる側面形状および外観の中のいずれかの側面形状および外観を有していてもよい。例えば、通路/チャネル40は、その自動成形加工を助成するために、予め機械加工された側面を概ね規定していてもよい。このために、通路/チャネル40は、概ね滑らかな側面(例えば、U字型側面あるいはC字型側面)を規定していてもよい。通路/チャネル40は、鋳型内部面積および鋳型内部容積それぞれのおよそ5%から50%までの間(あるいはそれよりも大きい割合)を規定するようなサイズに形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、通路/チャネル40は、鋳型内部の面積あるいは容積のおよそ20%の面積あるいは容積を規定し得ることが分かっている。
【0040】
図3に示すように、いくつかの実施形態では、成形装置10は、流出ライン52を介して通路40,40A,40Bの内部および外周から中心部分(例えば、流出チャネルあるいは他の導管54)に向けて流体を流出あるいは流体連通する回収システム50を備えていてもよい。流出チャネルあるいは導管54は、内部に回収された流体を排泄するための他の構造あるいは部材(すなわち、ポンプ、ボウル、溝等)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、流出チャネルあるいは他の導管54は、動作中の機械の汚染を防ぐために、鋳型から流出される流体あるいは他の液体を回収するための用いられてもよい。いくつかの実施形態では、流出チャネルあるいは他の導管54は、吹き落す、洗い流す、あるいは形成された容器および/または成形装置の構成部材を殺菌/衛星処理するために用いられた流体を回収するために用いられてもよい。この殺菌/衛星処理は、成形処理中あるは他の処理工程の途中で行われてもよい。いくつかの実施形態では、流体の漏出あるいは存在あるいは不在を検出するためのセンサ56を用いてもよい。このようにして、センサ56は、処理工程を停止したり、潜在的問題の専門家に警告したり、かつ/あるいは処理環境に関する有用なフィードバックを提供したりする。数あるセンサならびにセンサの種類(例えば、光学系、電気系、および機械系等)の中から、任意のものを使用してもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、充填された円筒の側面を加圧するためにセンサを用いてもよい。これにより圧力損失が検出されると、鋳型を開いて、予備形成体および/または不良容器は廃棄された後、鋳型を洗浄、噴霧(蒸気、熱湯、および空気等)、あるいはさらなる使用のために組み直される。
【0041】
特に図7に示すように、いくつかの実施形態では、
清掃、洗浄、殺菌、あるいは流体の流出物または収集物の対処等を、製造ラインに沿った領域(特にこのような清掃および回収に適した領域)には適用してもよい。すなわち、いくつかの実施形態では、本教示に係る容器は、型穴が円形の通路を通ることで製造されると同時に液体商品が充填される回転式システムを用いて製造されてもよい。漏出あるいは流出に直面した場合には、収集システム50が流出物を収集することによって、製造システム全体の汚染を防ぐことができる。このようにして、清掃、洗浄、殺菌、あるいは流体の流出物または収集物の対処等を、途切れないで効果的に業務を遂行する体制が整っている製造ラインに沿った位置で行うとよい。図7に示したように、いくつかの実施形態では、この清浄区域100は、およそ25°と295°との間に配置されていてもよい。ここで、0°は、一般的に未成形の予備形成体が鋳型の開いた穴に挿入された後、充填して完成した容器が型穴から移される回転式システムの開始地点および終了地点を意味する。本教示に係る封じ込めシステムを採用することによって、清掃、洗浄、および殺菌等を中央に配置することができるため、改善された構成要素ならびに実行の効果を得ることができる。
【0042】
図6に示すように、いくつかの実施形態では、成形装置10は、開口部18を取り囲み、ブローノズルとの嵌合面60を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ブローノズルとの嵌合面60は、確実な接続ならびに正確に配置された接続を実現するために、ブローノズル66の先端64を受け止める凹部62を備えていてもよい。これにより、容器への充填時に、ノズル66および成形装置10の間に信頼性の高い密封を維持するための正確な接続を提供する。しかし、他の選択的な連結接続を用いてもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、凹部62あるいはブローノズルとの嵌合面60(あるいは、輪状リングまたは凹部)の他の部分に対して、排水ライン68を流体的に結合させてもよい。これにより、流体を収集し、排水ライン68を介して当該流体をチャネルまたは導管54から搬送することができる。いくつかの実施形態では、上記のチャネルまたは導管54とは離れたチャネルまたは導管を用いてもよい。
【0043】
実施形態に関する上記の記載は、例示および説明のためのものであり、網羅的であること、または本発明を制限することを意図したものではない。特定の実施形態における個々の要素または特徴は、一般にその特定の実施形態にのみ適用されるものではない。よって、特に図示または説明がなくとも、適用可能であれば、他の要素または特徴で代替することができ、また、任意の実施形態において使用することができる。上記要素または特徴はまた、様々に変更してもよい。そのような変更は、本発明からの逸脱と見なされるべきではなく、そのような変更は全て、本発明の範疇に含まれることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】プラスチック容器を製造および/または充填するための従来の成形装置を示す上面図である。
図2】プラスチック容器を製造および/または充填するための、本教示の本質に係る成形装置を示す上面図である。
図3A】本教示のいくつかの実施形態に係る嵌合面ならびに連結嵌合面を示す部分断面図である。
図3B】本教示のいくつかの実施形態に係る嵌合面ならびに連結嵌合面を示す部分断面図である。
図4】本教示のいくつかの実施形態に係る嵌合面、連結嵌合面、ならびに追加チャネルを示す部分断面図である。
図5】プラスチック容器を製造および/または充填するための、本教示の本質に係る成形装置を示す側面図である。
図6】本教示の本質に係る充填ノズルおよび成形装置を示す側面図である。本図では、各部材を破線で示している。
図7】本教示に係る製造機構を示す概略図である。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7