特許第6118422号(P6118422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6118422
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】電気外科医療装置用のコントローラ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20170410BHJP
【FI】
   A61B18/12
【請求項の数】20
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2015-547533(P2015-547533)
(86)(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公表番号】特表2016-503677(P2016-503677A)
(43)【公表日】2016年2月8日
(86)【国際出願番号】US2013074628
(87)【国際公開番号】WO2014093603
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2015年7月28日
(31)【優先権主張番号】13/713,648
(32)【優先日】2012年12月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511193846
【氏名又は名称】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シスケン,リチャード・ビィ
(72)【発明者】
【氏名】ハーク,ジリアン
(72)【発明者】
【氏名】マクラウォーン,タイラー・エバンズ
【審査官】 毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−537000(JP,A)
【文献】 特開2008−114042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置に対する高周波(RF)エネルギーの供給を制御するように構成された制御ユニットであって、
RF生成器からRFエネルギーを受け取るように構成された入力端子と、
閉路状態と開路状態の間においてスイッチングするように構成されたスイッチング回路であって、
前記スイッチング回路が前記閉路状態において構成された際に、前記スイッチング回路は、RF生成器から受け取ったRFエネルギーの第1の部分が前記制御ユニットによって医療装置に出力されることを許容するように構成され、且つ、
前記スイッチング回路が前記開路状態において構成された際に、前記スイッチング回路は、RFエネルギーの前記第1の部分が前記制御ユニットによって前記医療装置に出力されることを防止するように構成される、スイッチング回路と、
エネルギー計測回路であって、
前記医療装置に供給されるRFエネルギーの前記第1の部分の量を計測し、且つ、
前記医療装置に供給される前記RFエネルギーの前記第1の部分の量が既定のRFエネルギーレベルに到達した際に、前記スイッチング回路を前記閉路状態から前記開路状態にスイッチングする、
ように構成されたエネルギー計測回路と、
電源回路であって、
前記RF生成器から受け取った前記RFエネルギーの第2の部分を受け取り、
前記RFエネルギーの前記第2の部分に基づいて1つ又は複数の電源電圧を生成し、且つ、
前記エネルギー計測回路に電力供給するべく前記エネルギー計測回路に前記1つ又は複数の電源電圧を供給する、
ように構成された電源回路と、
を有する制御ユニット。
【請求項2】
前記RF生成器の出力に結合されると共に前記RF生成器の出力から前記RFエネルギーを受け取るように構成された、前記入力端子に相当する入力コネクタを更に有する請求項1に記載の制御ユニット。
【請求項3】
前記入力コネクタは、前記RF生成器の前記出力に着脱自在に装着されるように構成されている請求項2に記載の制御ユニット。
【請求項4】
前記制御ユニットは、前記RF生成器のバイポーラ出力に接続するように構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の制御ユニット。
【請求項5】
前記エネルギー計測回路は、
前記医療装置に供給される電圧を示す第1信号を前記医療装置に供給される電流を示す第2信号と乗算する、
ように構成された乗算器回路を有し、前記乗算は、前記医療装置に供給される瞬時電力を示す請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御ユニット。
【請求項6】
前記エネルギー計測回路は、前記乗算器回路との通信状態にある積分器回路を更に有し、前記積分器は、
前記医療装置に供給される前記瞬時電力を示す第3信号を受け取り、且つ、
前記第3信号を積分する、
ように構成されており、前記積分は、前記医療装置に供給されるRFエネルギーの前記第1の部分の量を示す請求項5に記載の制御ユニット。
【請求項7】
前記エネルギー計測回路は、前記積分器回路との通信状態にある比較器回路を更に有し、前記比較器回路は、
前記医療装置に供給される前記RFエネルギーの前記第1の部分の量を示す第4信号を受け取り、且つ、
前記第4信号を基準レベルと比較し、前記RFエネルギーの前記第1の部分の量が閾値エネルギーレベルに到達したかどうかを判定し、且つ、
前記RFエネルギーの前記第1の部分の量が前記閾値エネルギーレベルに到達したという判定の際に、前記スイッチング回路を前記閉路状態から前記開路状態にスイッチングする第5信号を生成する、
ように構成されている請求項6に記載の制御ユニット。
【請求項8】
前記スイッチング回路は、前記医療装置に供給される前記RFエネルギーの前記第1の部分の量が前記既定のRFエネルギーレベルに到達した際に、閉路状態から開路状態にスイッチングするように構成されたリレーを有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の制御ユニット。
【請求項9】
前記スイッチング回路は、第2スイッチと直列に接続された第1スイッチを更に有し、前記第1スイッチは、前記RFエネルギーの前記第1の部分の量が前記既定のエネルギーレベルに到達した際に閉路状態から開路状態にスイッチングするように構成され、且つ、前記第2スイッチは、既定の期間の経過に応答して前記閉路状態から前記開路状態にスイッチングするように構成されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の制御ユニット。
【請求項10】
前記制御ユニットは、前記RF生成器のハウジングとは別個のハウジングを有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の制御ユニット。
【請求項11】
医療装置に対するRF生成器からの高周波(RF)エネルギーの伝送を前記RF生成器及び前記医療装置に結合された制御ユニットによって制御する方法であって、
前記制御ユニットのスイッチング回路が、前記スイッチング回路を閉路状態に構成するステップと、
前記制御ユニットの入力端子において、前記制御ユニットが前記RF生成器からRFエネルギーを受け取るステップと、
前記スイッチング回路が前記閉路状態にある際に、
前記スイッチング回路、前記RF生成器から前記RFエネルギーの第1の部分を受け取り、且つ、前記スイッチング回路、前記RFエネルギーの前記第1の部分を前記制御ユニットの出力に伝送するステップと、
エネルギー計測回路が、前記医療装置に供給される前記RFエネルギーの前記第1の部分の量を判定するステップと、
前記RFエネルギーの前記第1の部分の量が既定の閾値エネルギーレベルに到達したということを前記エネルギー計測回路が判定したことに応答して、前記スイッチング回路前記閉路状態から前記開路状態にスイッチングするステップと、
前記制御ユニットの電源回路、前記RFエネルギーの第2の部分を受け取るステップと、
前記電源回路、前記RFエネルギーの前記第2の部分に基づいて1つ又は複数の電源電圧を生成するステップと、
前記電源回路、前記エネルギー計測回路に電力供給するべく前記エネルギー計測回路に前記1つ又は複数の電源電圧を供給するステップと、
を有する方法。
【請求項12】
医療手技が、前記医療装置を使用することにより、患者内部の治療部位において実行される前に、前記制御ユニットが前記制御ユニットの入力を前記RF生成器の出力に結合するステップと、
前記医療手技が実行された後に、前記制御ユニットが前記制御ユニットの前記入力を前記RF生成器の前記出力から結合解除するステップと、
を更に有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ステップダウン回路、前記医療装置に供給される電圧を示す第1の信号と前記医療装置に供給される電流を示す第2の信号とを前記RFエネルギーの前記第1の部分に基づいて生成するステップを更に有し、
前記エネルギー計測回路、前記医療装置に供給される前記RFエネルギーの前記第1の部分の量を判定するステップは、
乗算器回路、前記第1の信号を前記第2の信号と乗算するステップであって、前記乗算は、前記医療装置に供給される瞬時電力を示す、ステップ、
を有する請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記エネルギー計測回路、前記医療装置に供給される前記RFエネルギーの前記第1の部分の量を判定するステップは、
積分器回路、前記乗算器回路が実行した前記乗算から生成された前記瞬時電力を示す信号を積分するステップであって、前記積分は、前記医療装置に供給される前記RFエネルギーの前記第1の部分の量を示す、ステップを更に有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
較器回路が、前記RFエネルギーの前記第1の部分の第1の量を示す第3の信号を基準レベルと比較するステップであって、前記第3の信号は、前記積分器回路が実行した前記積分から生成され、前記基準レベルは、前記既定の閾値エネルギーレベルを示す、ステップと、
前記比較器回路が、前記第3の信号が前記基準レベルに到達したことを判定するステップであって、前記判定は、前記比較に基づいている、ステップと、
を更に有し、
前記スイッチング回路前記閉路状態から前記開路状態にスイッチングするステップは、前記第3の信号が前記基準レベルに到達したということを前記比較器回路判定した際に、前記スイッチング回路前記閉路状態から前記開路状態にスイッチングするステップを有する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
高周波(RF)エネルギーの供給を制御するように構成された制御ユニットであって、
切除手技を実行するように構成された医療装置に結合された出力と、
前記切除手技のために前記医療装置にRFエネルギーを供給するように構成されたRF生成器の出力に結合された入力と、
前記入力及び前記出力に結合されたスイッチング回路であって、前記スイッチング回路は、前記制御ユニットが、前記RF生成器から受け取ったRFエネルギーの第1の部分を出力することを閉路状態において許容し、且つ、前記制御ユニットが、前記RF生成器から受け取った前記RFエネルギーの前記第1の部分を開路状態において出力することを防止する、ように構成されている、スイッチング回路と、
前記出力に結合されたエネルギー計測回路であって、前記エネルギー計測回路は、前記医療装置に供給されるRFエネルギーの前記第1の部分の量を判定し、且つ、前記RFエネルギーの前記第1の部分の量が閾値レベルに到達した際に、前記スイッチング回路を前記閉路状態から前記開路状態にスイッチングするように、構成されている、エネルギー計測回路と、
電源回路であって、
前記RF生成器から受け取った前記RFエネルギーの第2の部分を受け取り、
前記RF生成器から受け取った前記RFエネルギーの前記第2の部分に基づいて1つ又は複数の電源電圧を生成し、且つ、
前記制御ユニットの能動コンポーネントに前記1つ又は複数の電源電圧を供給するように構成された電源回路と、
を有する制御ユニット。
【請求項17】
前記制御ユニットは、前記制御ユニットの前記入力が前記RF生成器の前記出力に結合された際に前記RF生成器のハウジングの外部に位置するハウジングを有する請求項16に記載の制御ユニット。
【請求項18】
前記エネルギー計測回路は、
前記医療装置に供給される電圧を示す信号を前記医療装置に供給される電流を示す信号と乗算するように構成されたアナログ乗算器回路と、
前記乗算から生成された信号を積分するように構成されたアナログ積分器回路であって、前記積分は、前記医療装置に供給される前記RFエネルギーを示す、アナログ積分器回路と、
を有する請求項16又は17に記載の制御ユニット。
【請求項19】
前記制御ユニットの電源回路が出力モジュールに対する電力の供給を停止した際に、既定の期間にわたって前記出力モジュールを起動された状態に維持するように構成されたエネルギー保存回路を更に有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の制御ユニット。
【請求項20】
記制御ユニットの電源回路が出力モジュールに対する電力の供給を停止した際に、エネルギー保存回路が、既定の期間にわたって前記出力モジュールの起動を維持するべく、電力を前記出力モジュールに供給するステップを更に有する請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、医療装置に関し、且つ、更に詳しくは、医療装置に対する高周波(Radio Frequency:RF)エネルギーの供給を制御する制御ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
バレット食道とは、食道の下部又は底部部分内の細胞における異常な変化であり、これは、食道が胃から過剰な量の酸を受け取ることに起因しうる。場合により、この異常な変化は、癌に結びつく場合がある。バレット食道を治療するべく、RFパルスなどの高周波(RF)エネルギーを食道の表面において皮膚細胞又は組織に印加してもよい。RFエネルギーの印加により、組織を切除することができる。
【0003】
狙いを定めた組織(即ち、表面における組織)のみを切除するべく、RFパルスは、強力であってもよく、且つ、短い持続時間を有してもよい。通常、RFエネルギーは、一秒超にわたって印加されることはなく、且つ、多くの場合に、約2分の1秒以下にわたって印加される。RFエネルギーが治療部位に対して印加される持続時間は、非常に重要でありうる。過大なRFエネルギーは、組織の過剰な燃焼などのように、患者に対して危害をもたらす場合がある。逆に、過少なRFエネルギーは、異常な皮膚細胞のすべてを治療できない場合がある。但し、RFエネルギーの印加の持続時間の制御、特に、足ペダルの起動を通じて印加が制御される場合には、困難な場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いくつかのRF生成器は、過大なパワーの出力を防止するべく、RF生成器によって出力されるRFエネルギーの特性を監視する監視装置を含んでもよく、且つ/又は、これと共に収容されてもよい。このような監視装置は、RF生成器内に存在するデジタルプロセッサ及び制御部を含んでもよい。但し、多くの病院又はその他の施設は、監視装置を装備していない従来型のRF生成器を有する。従って、RF生成器に対して装着可能であると共に生成器から医療装置へのRFエネルギーの供給を制御するコントローラ又は制御ユニットが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、医療装置に対する高周波(RF)エネルギーの供給を制御するように構成された制御ユニットについて記述している。制御ユニットは、閉路状態と開路状態の間においてスイッチングするように構成されたスイッチング回路を含んでもよい。閉路状態においては、スイッチング回路は、RF生成器から受け取ったRFエネルギーが制御ユニットによって医療装置に出力されることを許容するように構成されうる。開路状態においては、スイッチング回路は、RFエネルギーが制御ユニットによって医療装置に出力されることを防止するように構成されうる。又、制御ユニットは、医療装置に供給されるRFエネルギーの量を計測すると共に医療装置に供給されるRFエネルギーの量が既定のRFエネルギーレベルに到達した際にスイッチング回路を閉路状態から開路状態にスイッチングするように構成されたエネルギー計測回路を含んでもよい。
【0006】
又、本開示は、RF生成器及び医療装置に結合された制御ユニットにより、RF生成器から医療装置への高周波(RF)エネルギーの伝送を制御するための方法について記述している。方法は、制御ユニットのスイッチング回路を閉路状態において構成するステップを含む。方法は、スイッチング回路が閉路状態にある際に、RF生成器からRFエネルギーを受け取るステップと、スイッチング回路が閉路状態にある際に、RFエネルギーを制御ユニットの出力に伝送するステップと、を更に含む。又、方法は、エネルギー計測回路により、医療装置に供給されるRFエネルギーにおけるRFエネルギーを判定するステップと、判定されたRFエネルギーが既定の閾値エネルギーレベルに到達した際にスイッチング回路を閉路状態から開路状態にスイッチングするステップと、をも含む。
【0007】
本開示は、高周波(RF)エネルギーの供給を制御するように構成された制御ユニットについて更に記述している。制御ユニットは、切除手技を実行するように構成された医療装置に結合された出力と、切除手技のためにRFエネルギーを医療装置に供給するように構成されたRF生成器の出力に結合された入力と、を含む。制御ユニットは、入力及び出力に結合されたスイッチング回路を更に含む。スイッチング回路は、制御ユニットがRF生成器から受け取ったRFエネルギーを出力することを閉路状態において許容し、且つ、制御ユニットがRF生成器から受け取ったRFエネルギーを出力することを開路状態において防止するように構成されてもよい。又、スイッチング回路は、出力に結合されたエネルギー計測回路を含んでもよい。エネルギー計測回路は、医療装置に供給されているRFエネルギーの量を判定するように構成されてもよい。又、エネルギー計測回路は、RFエネルギーの量が閾値レベルに到達した際にスイッチング回路を閉路状態から開路状態にスイッチングするように構成されてもよい。
【0008】
又、本開示は、医療装置に対する高周波(RF)エネルギーの供給を制御するように構成された別の制御ユニットについても記述している。制御ユニットは、医療装置との電気的結合のために適合された複数の出力端子と、複数の状態において構成可能であると共に複数の状態のそれぞれにおいて構成された際に複数の出力端子のうちの少なくとも1つの且つすべて未満の出力端子を制御ユニットの出力経路に結合するように構成された選択回路と、選択回路を複数の状態において構成するように構成されたコントローラと、を含む。
【0009】
更には、本開示は、制御ユニットによって医療装置に対する高周波(RF)エネルギーの供給を制御する方法についても記述している。方法は、制御ユニットのコントローラにより、選択回路を複数の状態のうちの1つにおいて構成するための制御信号を選択回路に出力するステップであって、選択回路は、複数の状態のそれぞれにおいて構成された際に、複数の出力端子のうちの少なくとも1つの且つすべての未満の出力端子を制御ユニットの出力経路に結合する、ステップと、選択回路によって出力経路に結合されている複数の出力端子のうちの少なくとも1つ且つすべて未満の出力端子を介して制御ユニットから医療装置にRFエネルギーを出力するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】高周波(RF)生成器及び医療装置に結合された制御ユニットのブロックダイアグラムを示す。
図2】制御ユニットのブロックダイアグラムを示す。
図3】制御ユニット内の例示用のスイッチング回路の回路図を示す。
図4】制御ユニット内の例示用のエネルギー計測回路のブロックダイアグラムを示す。
図5】エネルギー計測回路の例示用の回路実装形態の回路図を示す。
図5A図5に示されている例示用の回路実装形態に代わる比較器回路の例示用の実装形態のブロックダイアグラムを示す。
図6】制御ユニット内のバックアップタイマ回路の例示用の回路実装形態の回路図を示す。
図6A図6に示されている例示用の回路実装形態に代わるバックアップタイマ回路の例示用の実装形態のブロックダイアグラムを示す。
図7】制御ユニット内の電源回路の例示用の回路実装形態の回路図を示す。
図8】制御ユニット内の通知回路の例示用の回路実装形態の回路図を示す。
図9】患者内部の治療部位において位置決めされた医療装置に対するRFエネルギーの伝送を制御するべくRF生成器に結合された制御ユニットを動作させる例示用の方法のフローチャートを示す。
図10】患者内部の治療部位において位置決めされた医療装置に対するRFエネルギーの伝送を制御するべくRF生成器に結合された制御ユニットを動作させる例示用の方法のフローチャートを示す。
図11】患者内部の治療部位において位置決めされた医療装置に対するRFエネルギーの伝送を制御するべくRF生成器に結合された制御ユニットを動作させる例示用の方法のフローチャートを示す。
図12】患者内部の治療部位において位置決めされた医療装置に対するRFエネルギーの伝送を制御するべくRF生成器に結合された制御ユニットを動作させる例示用の方法のフローチャートを示す。
図13】別の例示用の制御ユニットのブロックダイアグラムを示す。
図14】3つの電極を有する例示用の電極組立体の平面図を示す。
図15】例示用の積分器放電モジュールの部分ブロック及び部分回路図を示す。
図16】患者内部の治療部位において位置決めされた医療装置に対するRFエネルギーの伝送を制御するべくRF生成器に結合された制御ユニットを動作させる別の例示用の方法のフローチャートを示す。
図17図13に示されている制御ユニット用の電源回路の例示用の回路実装形態の回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本説明は、医療装置に対する高周波(RF)エネルギーの供給を制御する制御ユニットについて記述している。制御ユニットは、組織の切除などの医療手技用のRFエネルギーを供給するRF生成器の出力又は出力コネクタに結合される入力又は入力コネクタを有してもよい。制御ユニットは、RFエネルギーを受け取ってもよく、且つ、医療手技を実行するべく患者内部の治療部位にRFエネルギーを供給する医療装置に対してRFエネルギーを伝送してもよい。制御ユニットは、治療部位に供給されるRFエネルギーを計測してもよく、且つ、RFエネルギーが既定のレベルに到達したときを判定してもよい。制御ユニットは、RFエネルギーが既定のRFエネルギーレベルに到達した際に、更なるRFエネルギーが医療装置に供給されることを防止してもよい。
【0012】
既定のRFエネルギーレベルとは、医療手技を実行するために治療部位に供給されるべきエネルギーの選択された量であってもよい。既定のものを上回るRFエネルギーレベルが供給された際には、治療部位における組織の燃焼などのように、危害又は負傷が患者にもたらされる場合がある。或いは、この代わりに、既定のものを下回るRFエネルギーレベルが供給された際には、組織の不十分な量しか切除されないなどのように、医療手技が不満足な方式で実行される場合がある。従って、制御ユニットは、RF生成器のための制御及び安全メカニズムであってもよく、且つ/又は、これを提供してもよい。
【0013】
制御ユニットは、「組込み型」の類似した制御及び安全メカニズムを含んではいないと共に/又はこれを有してはいない従来型の電気外科ユニット(ElectroSurgical Unit:ESU)などの従来型のRF生成器と共に使用されてもよい。制御ユニットは、RF生成器とは別個のコンポーネントであってもよい。例えば、制御ユニットは、ハウジングRF生成器に収容されてはいない構造又は「ボックス」を含んでもよい。その代わりに、制御ユニットは、RF生成器の外部において収容されてもよい。制御ユニットは、RF生成器の出力に接続又は結合されうる入力を有してもよい。医療手技を実行する前に、制御ユニットは、RF生成器の出力に装着されてもよい。医療手技が実行された後に、制御ユニットは、RF生成器の出力から取り外されてもよい。
【0014】
制御ユニットのハウジングは、RFエネルギーを計測すると共にRFエネルギーが既定のレベルに到達したときを判定する回路及び/又は様々な回路要素を収容するように構成された封止された構造であってもよい。回路は、アナログ動作を実行するアナログコンポーネントから構成されたハードウェア及び/又はアナログ回路であってもよい。制御ユニットの回路は、デジタル動作を実行すると共に/又はエネルギー計測及びタイミング動作を実行するべくソフトウェアを実行するマイクロプロセッサ、集積回路、又はその他の回路などのデジタル回路を含んでいなくてもよい。代替構成において、回路の少なくともいくつかは、デジタル動作を実行すると共に/又はエネルギー計測及びタイミング動作を実行するべくソフトウェアを実行するように構成されたマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、デジタルハードウェアロジック、又はその他の類似のタイプのデジタル回路などのデジタル回路を含んでもよい。
【0015】
図1は、RF生成器104から医療装置106へのRFエネルギーの供給を制御するように構成された制御ユニット102を含む例示用の医療システム100の概略図を示している。電気外科ユニット(ESU)などのRF生成器104は、RFエネルギーを供給するように構成されてもよい。RFエネルギーは、切除又は凝固などの電気外科医療手技を実行するべく、波形、周波数、波形、パワー、及び/又は振幅特性などの特性を有してもよい。組織の切除を実行するべく、例えば、RFエネルギーは、約400〜480キロヘルツ(kHz)の範囲の周波数と、約12〜15ワットのパワーと、を有する(パルス化正弦波などの)正弦波であってもよい。その他の波形、周波数、パワー、及び/又は振幅特性が使用されてもよく、これは、実行される医療手技によって左右されうる。
【0016】
RF生成器104は、接続されたシステム100に対してRFエネルギーを供給するように構成されうる出力108を含んでもよい。いくつかの例示用の構成においては、出力108は、バイポーラ出力コネクタであってもよい。コネクタのタイプは、実行される医療手技及び/又は医療手技を実行するべく使用される医療装置106によって左右されうる。これに加えて、又はこの代わりに、RF生成器104は、RF信号を生成するべく使用される足ペダルなどの入力装置(図示されてはいない)を含んでもよく、且つ/又は、これに対して接続するべく適合されてもよい。入力装置は、医療手技を実行する医師によって動作させられてもよい。例えば、RF信号を生成するべく、医師は、入力装置を起動すると共に/又はこれに対してエネルギー供給してもよい。RF信号の生成を中止するべく、医師は、入力装置を起動停止又は係合解除してもよい。
【0017】
制御ユニット102は、RF生成器104の出力108に接続し、これに装着し、且つ/又はこれと係合するように、構成された入力110を含んでもよい。出力108に接続された際に、装着された際に、且つ/又は係合された際に、制御ユニット102は、RF生成器104からRFエネルギーを受け取ってもよい。いくつかの構成において、入力110は、出力108に対して、着脱自在に、装着可能であってもよく、且つ/又は、これに接続されてもよい。例えば、入力コネクタ110は、出力コネクタ108に装着又は接続されてもよく、次いで、出力コネクタ108から取り外されるか又は接続解除されてもよく、次いで、出力コネクタ108に対して再装着又は再接続されてもよく、以下同様である。入力コネクタ110は、RF生成器の出力コネクタ108と接続及び/又は係合しうる任意のタイプ又は任意の構成を有してもよい。いくつかの構成において、入力コネクタ110は、バナナコネクタ又はプラグであってもよいが、その他のタイプが使用されてもよく、これは、入力コネクタ110が接続するように構成されている出力コネクタ108の構成によって左右されうる。
【0018】
制御ユニット102は、閉路状態と開路状態の間においてスイッチングするように構成されてもよい。制御ユニット102が閉路状態にある際には、制御ユニット102は、制御ユニット102がRF生成器104から受け取ったRFエネルギーを医療装置106に伝送するように構成されうる。開路状態においては、制御ユニット102は、制御ユニット102がRF生成器104から受け取ったRFエネルギーが医療装置106に伝送されることを防止するように構成されうる。
【0019】
制御ユニット102は、RF生成器104から医療装置106に供給されるエネルギーの量を計測することにより、閉路状態と開路状態の間においてスイッチングするように構成されてもよい。制御ユニット102が、自身がRF生成器104から受け取ったRFエネルギーを医療装置106に通過させるのに伴って、医療装置106に供給されるRFエネルギーの量は、閾値レベルに増大しうる。RFエネルギーの量が閾値レベル未満である際には、制御ユニット102は、閉路状態において構成されてもよく、これにより、RFエネルギーの医療装置106への通過が許容される。RFエネルギーの量が閾値レベルに到達した際には、制御ユニット102は、閉路状態から開路状態にスイッチングするように構成されてもよく、これにより、RFエネルギーの医療装置106への通過が防止される。
【0020】
医療装置106は、電気外科医療手技を実行するべく使用される1つ又は複数のコンポーネントを含んでもよい。例えば、医療装置106は、RFエネルギーを受け取ると共にRFエネルギーを患者内部の組織などの治療部位に供給するように構成された1つ又は複数の電極及び/又は電極要素の1つ又は複数のパッチを含んでもよい。医療装置106は、電極を治療部位まで供給しうるカテーテル又はその他の細長い管状体を更に含んでもよい。一例において、医療装置106は、バレット食道を治療すると共に/又は患者の食道内の組織を切除するべくRFエネルギーを供給するように構成されてもよい。
【0021】
図2は、制御ユニット102のブロックダイアグラムを更に詳細に示している。制御ユニット102は、RF生成器104からRFエネルギーを受け取るように構成された入力202を含んでもよい。入力202は、端子のペアX1、X2を含んでもよく、これらは、RF生成器104の出力に接続されるように構成又は適合されてもよい。例えば、端子X1、X2は、RF生成器104のバイポーラ出力に接続されるように構成されてもよい。図2に示されているように、端子のうちの一方X2は、回路接地に接続されてもよい。もう一方の端子X1は、スイッチング回路204及び電源回路206に結合されてもよい。
【0022】
スイッチング回路204は、閉路状態と開路状態の間においてスイッチングするように構成されてもよく、この結果、制御ユニット102は、閉路状態と開路状態の間においてスイッチングしうる。スイッチング回路204が閉路状態にある際には、スイッチング回路204は、入力202から受け取ったRFエネルギーを出力経路205に沿って制御ユニット102の出力206に伝送しうる。図2に示されているように、RFエネルギーは、出力206に供給される前に、出力経路205に沿って整合回路208及び遮断回路210を通過する。更には、RFエネルギーのわずかな部分は、出力206に伝送される前に、通知回路212に、且つ、ステップダウン回路216を介してエネルギー計測回路214に、供給されてもよい。或いは、この代わりに、スイッチング回路204が開路状態にある際には、スイッチング回路201は、制御ユニット102の出力206に対するRFエネルギーの伝送を遮断又は防止しうる。
【0023】
図2に示されているように、出力206は、医療装置106に接続されると共にRFエネルギーを医療装置106に供給するように構成された端子のペアX3、X4を含んでもよい。
【0024】
制御ユニット102のコンポーネントとして包含又は接続されてもよく或いはそうでなくてもよい整合回路208は、出力206上の負荷のインピーダンスをRF生成器104の出力インピーダンスと整合させるように、使用又は構成されてもよい。いくつかの例示用の構成において、整合回路208は、望ましいインピーダンス整合を実現するための一次及び二次巻線比を有する整合変圧器を含んでもよい。
【0025】
いくつかの状況において、患者の組織のインピーダンスでありうる出力206における負荷のインピーダンスは、約25オームであってもよく、且つ、RF生成器104の出力負荷のインピーダンスでありうる入力における負荷は、約125オームであってもよく、この結果、約5倍のインピーダンスの変化が必要とされる。これらの状況において、整合変圧器は、8巻回の一次巻線及び6巻回の二次巻線を有してもよく、或いは、単巻変圧器として構成される場合には、14巻回の一次巻線と6巻回の二次巻線を有してもよく、この結果、約2.3の巻線比が、即ち、5をわずかに上回るインピーダンスの変化(即ち、巻線比の二乗)が、得られる。
【0026】
制御ユニット102のコンポーネントとして包含又は接続されてもよく或いはそうでなくてもよい遮断回路210は、RFエネルギーの直流(Direct Current:DC)及び/又は低周波数成分が出力206に伝達されることを遮断又は防止するように、使用又は構成されてもよい。遮断回路210が包含されてもよく、その理由は、これらのRF信号成分は、治療の際に、患者に危害をもたらす場合があるからである。例えば、低周波数成分は、食道の近傍に配置されている心臓に対して衝撃を与える場合がある。遮断回路210は、整合回路208及び出力206の端子X3と直列状態において結合されたコンデンサを含んでもよいが、RFエネルギーのDC及び/又は低周波数成分を遮断するべく、その他の又は更なる回路が使用されてもよい。国際規格を充足するべく、遮断コンデンサC2は、50nF未満であってもよい。
【0027】
制御ユニット102のコンポーネントとして含まれてもよく或いはそうでなくてもよい通知回路212は、RFエネルギーが医療装置106に供給されている旨の通知を出力するように構成されてもよい。例示用の一実施形態において、通知回路212は、RF信号が出力206に伝送されている際に、光信号を出力するか又は「オン」状態にあり、且つ、RFエネルギーが出力206に供給されていない際には、光信号を出力しないか又は「オフ」状態にある発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を含む。例示用の代替実施形態において、通知回路212は、LEDに加えて又はこの代わりに、RFエネルギーが医療装置106に供給されているかどうかを通知するための音響及び/又は視覚信号を出力するスピーカ又は表示装置などの回路を含んでもよい。LEDが「オン」から「オフ」に変化した際などの通知を観察することにより、(例えば、足ペダル又はその他のRFアクチュエータ上における付勢を除去することによって)RFエネルギーの印加が中止された際を識別しうる通知回路212は、RF生成器104の操作者にとって有用であってもよく、且つ/又は、RF生成器104の操作者によって使用されてもよい。通知回路214は、シャント状態において出力経路205に対して結合されてもよく、且つ、図2に示されているように、シャント状態において整合回路208と遮断回路210の間に結合されてもよい。シャント状態において結合されることにより、出力206に供給されているRF信号内のRFエネルギーのわずかな部分を通知回路212に転送することができ、通知回路212は、これを使用することにより、通知を出力してもよい。
【0028】
図2に示されているように、ステップダウン回路216は、遮断回路210と出力206の間の出力経路205に対してシャント状態で結合されてもよい。ステップダウン回路216は、1つ又は複数の抵抗器を有する抵抗ネットワークを含んでもよい。ステップダウン回路216が受け取るRFエネルギーの一部分に基づいて、ステップダウン回路216は、出力206及び医療装置106に供給されるRFエネルギーの量を示すと共に/又はこれに比例した1つ又は複数の信号を供給するように構成されてもよい。ステップダウン回路216は、接続207を介してエネルギー計測回路214に供給されるRFエネルギーを通知する信号を伝送するように構成されてもよい。接続207は、複数の信号をエネルギー計測回路214に伝送するように構成された複数の接続を含んでもよい。複数の信号は、医療装置106に供給される電圧及び電流を示す、表す、且つ/又はこれに比例した信号を含んでもよく、次いで、この信号は、供給されるRFエネルギーを示す信号を生成するべく使用されてもよい。ステップダウン回路216は、信号を生成するべく、出力端子X3、X4の両方に結合されてもよい。
【0029】
エネルギー計測回路214は、出力206を介して医療装置106に供給されるエネルギーの合計量などのエネルギーの量を計測するように構成されてもよい。エネルギー計測回路214は、RFエネルギーの量が閾値レベルに到達したときを判定するように更に構成されてもよい。閾値レベルは、既定のレベルであってもよく、且つ/又は、充足された際に、医療的治療の十分な部分でありうるエネルギーレベルを通知してもよい。エネルギー計測回路214は、エネルギーの量が閾値レベルに到達した際にエネルギー計測回路214がスイッチング回路204の閉路状態から開路状態へのスイッチングを生成しうるように、接続211を介してスイッチング回路204に結合されてもよく、この結果、RF生成器104から受け取ったRFエネルギーの医療装置106への伝送が防止されうる。
【0030】
制御ユニット102は、バックアップタイマ回路218を更に含んでもよい。バックアップタイマ回路218は、所定の期間が経過した際に、スイッチング回路204を閉路状態から開路状態にスイッチングするように構成されてもよい。例えば、バックアップタイマ回路218は、所定の期間が経過した際に、バックアップタイマ回路218がスイッチング回路204を閉路状態から開路状態にスイッチングさせ、これにより、RF生成器104から受け取ったRFエネルギーが医療装置106に伝送されることを防止しうるように、接続213を介してスイッチング回路204に結合されてもよい。
【0031】
いくつかの構成において、所定の期間は、医療装置104に供給されているRFエネルギーが閾値レベルに到達するための予想及び/又は予期される期間を上回る既定の期間であってもよい。この意味において、バックアップタイマ回路218は、制御ユニット102の安全機能として機能してもよい。具体的には、特に、供給されるRFエネルギーが閾値レベルに到達した際にスイッチング回路204が閉路状態から開路状態にスイッチングしない場合に、バックアップタイマ回路218は、患者に対して危害がもたらされえないように、RFエネルギーを長期間にわたって治療部位に供給できないことを保証してもよい。RFエネルギーが閾値レベルに到達した際に、例えば、エネルギー計測回路214及び/又はスイッチング回路204による誤動作又は障害に起因して、スイッチング回路204がスイッチングしない場合には、バックアップタイマ回路218は、スイッチング回路204を開路状態に変化させるバックアップの又は第2の制御回路として機能してもよい。バックアップタイマ回路218がスイッチング回路204を開路状態にスイッチングした際に、バックアップタイマ回路218は、RFエネルギーが長過ぎる期間にわたって治療部位に供給されることを防止しうる。一例として、既定の期間は、約1秒であってもよく、これは、供給されるRFエネルギーが閾値レベルに到達するための約0.5秒の予想及び/又は予期される期間を超過しうる。
【0032】
制御ユニット102は、電源回路220を更に含んでもよい。図2に示されているように、電源回路220は、接続221を介して入力端子X1に結合されてもよい。入力202によってRF生成器104から受け取ったRFエネルギーの一部分は、電源回路220に伝送されてもよく、且つ、残りの部分は、スイッチング回路204に伝送されてもよい。電源回路220は、電源回路220に伝送されたRFエネルギーの部分を使用し、制御ユニット102の回路コンポーネントの能動要素に対して電力供給してもよい。この結果、制御ユニット102は、制御ユニット102が別個の電源から電力を受け取らないという点において、自己電力供給型の装置又は機器であってもよい。或いは、この代わりに、制御ユニット102は、RF生成器104から制御ユニット102が受け取るRFエネルギーを使用して独自の電力を生成することにより、独自に電力供給してもよい。
【0033】
図3は、スイッチング回路204の例示用の回路構成の回路図を示している。スイッチング回路204は、第2スイッチ304と直列に接続された第1スイッチ302を含んでもよい。スイッチ302は、エネルギー計測回路214が医療装置106に供給されているRFエネルギーが閾値レベルに到達したことを検出した際に、スイッチング回路204を閉路状態と開路状態の間においてスイッチングしてもよい。もう1つのスイッチ304は、バックアップタイマ回路218によって決定された期間が経過した際に、スイッチング回路を閉路状態と開路状態の間においてスイッチングしてもよい。例えば、第1スイッチ302は、医療装置106に供給されるエネルギーの量が閾値レベルに到達した際に、エネルギー計測回路214が第1スイッチを閉路状態から開路状態にスイッチングできるように、接続211を介してエネルギー計測回路214に結合されてもよく、この結果、スイッチング回路204を開路状態において構成すると共に医療装置106へのRFエネルギーの供給を防止することができる。第2スイッチ304は、バックアップタイマ回路218によって決定された期間が経過した際に、バックアップタイマ回路218が第2スイッチ304を閉路状態から開路状態にスイッチングできるように、接続213を介してバックアップタイマ回路218に結合されてもよく、この結果、スイッチング回路204を開路状態において構成すると共に制御ユニット102からのRFエネルギーの出力を防止することができる。直列に接続されることにより、スイッチング回路204を開路状態において構成すると共に医療装置106へのRFエネルギーの供給を防止するには、スイッチ302、304のうちの1つのみが、或いは、これらの両方が、開路状態にあればよい。
【0034】
スイッチング回路204は、制御ユニット102及び第2スイッチ304の入力202に結合された入力306と、出力経路205及び第1スイッチ302に結合された出力308と、を更に含んでもよい。第1スイッチ302及び第2スイッチ304の両方が閉路状態にある際には、制御入力102の入力202から受け取られたRF信号は、入力306から、第2スイッチ304及び第1スイッチ302を通じて、出力308に伝達されうる。
【0035】
いくつかの例示用の実施形態においては、第1スイッチ302及び/又は第2スイッチ304は、リレーであってもよい。好適な一実施形態においては、リレー302及び304は、二極双投リレーであってもよいが、代替実施形態においては、リレー302、304の1つ又は両方は、例として、単極単投、単極双投、又は二極単投などの異なるタイプであってもよい。
【0036】
第1リレー302は、接続211を介してエネルギー計測回路214に結合されてもよい。エネルギー計測回路214は、エネルギー計測回路214が医療装置106に供給されるRFエネルギーが閾値レベルに到達したことを検出した際に、第1リレー302を起動するように構成されてもよく、この結果、第1リレーを閉路位置から開路位置にスイッチングしうる。又、第1リレー302は、第1リレー302を起動するべく、正の電源信号+V2を受け取ってもよい。第2リレー304は、接続213を介してバックアップタイマ回路218に結合されてもよい。いくつかの構成においては、所定の期間が経過した際に、バックアップタイマ回路218は、第2リレー304を起動してもよく、この結果、第2リレー304を閉路状態から開路状態にスイッチングしうる。代替構成においては、第2リレー304は、バックアップタイマ回路218によって起動された際に、閉路状態にあってもよい。これらの代替構成において、バックアップタイマ回路218は、所定の期間が経過する時点まで、第2リレー304を閉路状態において維持するべく第2リレー304を起動してもよく、所定の期間が経過した時点で、バックアップタイマ回路218は、第2リレー304を開路状態にスイッチングするべく第2リレー304を起動停止してもよい。又、第1リレー302は、第1リレー302を起動するべく正の電源信号+V2を受け取ってもよい。
【0037】
スイッチング回路204は、二極双投リレーの使用に限定されるものではなく、且つ、代替実施形態は、起動されたものが使用されうる際に閉路状態から開路状態にスイッチングするその他のタイプのリレーを含んでもよい。但し、二極を有するリレーの使用は、電磁装置が起動された際に、一方の極が開路したが、他方の極が誤動作し、その結果、閉路状態に留まった場合にも、リレーは、依然として開路状態にスイッチングされるという点において、単極リレーと比べて、付加的な安全性を提供しうる。換言すれば、スイッチが閉路状態に留まるためには、両方の極が誤動作しなければならない。その他の代替実施形態においては、スイッチング回路202は、トランジスタ又はその他の半導体及び/又はソリッドステート装置などのリレー以外のスイッチ又はスイッチング装置を含んでもよい。
【0038】
図4は、制御ユニット102のエネルギー計測回路214のブロックダイアグラムを更に詳細に示している。エネルギー計測回路214は、医療装置106に供給されるRFエネルギーの合計量などのRFエネルギーの量を判定するように構成されてもよい。又、エネルギー計測回路214は、RFエネルギーの量が閾値レベルに到達したかどうかを判定してもよく、且つ、この判定に応答して、スイッチング回路204を閉路状態から開路状態にスイッチングする信号を生成及び/又は出力してもよい。これらの動作又は機能を実行するべく、エネルギー計測回路214は、乗算器回路402、積分器回路404、及び比較器回路406という3つの主要回路要素を含んでもよい。
【0039】
乗算器回路402は、ステップダウン回路216及び接続207を介して出力経路205に結合されうる入力410、412を含んでもよい。上述のように、接続207は、医療装置106に供給されている電圧及び電流を示す、表す、及び/又はこれに比例した複数の信号をエネルギー計測回路214に供給するように構成された複数の接続を含んでもよい。図4に示されているように、接続207は、第1接続407aと、第2接続407bと、を含んでもよい。例示用の一構成においては、制御回路102から出力されると共に/又は医療装置106に供給される電圧に比例した信号−以下、電圧信号と呼称される−は、第1接続407aを介して第1入力410に伝送されてもよい。制御ユニット102から出力されると共に/又は医療装置106に供給される電流に比例した信号−以下においては、電流信号と呼称される−は、第2接続407bを介して第2入力412に伝送されてもよい。乗算器回路402は、電圧信号を電流信号と乗算するように構成されてもよい。電圧信号と電流信号の乗算に基づいて、乗算器回路402は、医療装置106に供給される瞬時電力を通知する信号を生成するように構成されてもよい。
【0040】
乗算器回路402は、接続414を介して積分器回路404に対して瞬時電力を通知する信号を出力するように構成されてもよい。積分器回路404は、乗算器回路402から出力された信号を受け取るように、或いは、乗算器回路402から出力された信号からスケールダウンされた信号などの乗算器回路402から出力された信号に基づいた信号を受け取るように、構成されてもよい。受け取った際に、積分器回路404は、医療装置106に供給されている平均電力又は合計エネルギーを示す信号を生成及び出力するように構成されてもよい。
【0041】
比較器回路406は、積分器回路404から出力された信号を受け取るように、或いは、接続416を介して積分器回路404から出力された信号からスケールダウンされた信号などの積分器404からの信号に基づいた信号を受け取るように、構成されてもよい。受け取った際に、比較器回路406は、受け取った信号を閾値エネルギーレベルに比例した既定の基準値などの基準信号と比較するように構成されてもよく、閾値エネルギーレベルとは、治療の一部分に対応したRFエネルギーレベルである。受け取った信号を基準値と比較することにより、比較器回路406は、医療装置106に供給されているRFエネルギーが閾値エネルギーレベル未満であるのか又はこれに到達しているのかを判定するように構成されてもよい。
【0042】
積分器回路406から受け取った信号と基準値の比較に基づいて、比較器回路406は、第1スイッチ302を含むスイッチング回路204を閉路状態と開路状態の間においてスイッチングする信号を出力してもよい。例えば、比較器回路406が、受け取った信号が、基準値未満であるか、或いは、これを超過していないと判定した際には、比較器回路406は、信号を出力しないように構成されてもよく、或いは、この代わりに、第1スイッチ302を閉路状態において構成するレベルで信号を出力するように構成されてもよい。具体的には、比較器回路406は、信号を出力しなくてもよく、或いは、この代わりに、電磁装置310(図3)を通じて電流を誘発しないレベルで信号を出力してもよく、この結果、第1スイッチ302は、閉路状態に配置される。或いは、この代わりに、比較器回路406が、受け取った信号が基準値を充足しているか又はこれに到達していると判定した際には、比較器回路406は、第1スイッチ302を開路状態において構成する信号を出力するように構成されてもよい。受け取った信号が既定の値に到達している際に比較器回路406によって出力される信号は、電磁装置310(図3)を通じて電流を誘発することができ、この結果、電磁装置310にエネルギー供給するか又はこれを起動すると共に第1スイッチ302(図3)を開路状態にスイッチングすることができる。
【0043】
図5は、出力経路205及び出力206に結合されたステップダウン回路216の例示用の回路実装形態及びエネルギー計測回路214の例示用の回路実装形態の回路図を示している。ステップダウン回路216は、抵抗ネットワークを含んでもよく、この抵抗ネットワークは、抵抗器R1、R3、R4、R20、R21、R22、及びR23を含んでもよい。抵抗ネットワークは、医療装置106に供給される電圧及び電流に比例した、出力経路205からスケールダウンされた信号をエネルギー計測回路214に供給するように、出力206の端子X3及びX4に結合されてもよい。
【0044】
図5に示されている例示用の回路実装形態においては、抵抗器R1、R3、R20、R21、及びR22は、電圧分割器として構成されてもよく、この電圧分割器は、出力経路205に結合されうると共に並列に接続されうる抵抗器R1、R20、R21、及びR22による第1電圧降下をもたらしてもよく、且つ、R1、R20、R21、及びR22の並列接続に接続されうる抵抗器R3による第2電圧降下をもたらしてもよい。第1電圧降下によって生成される第1電圧信号は、接続507aを介してエネルギー計測回路214に伝送されてもよい。第2電圧降下によって生成される第2電圧信号は、接続507a’を介してエネルギー計測回路214に伝送されてもよい。第1及び第2電圧信号は、エネルギー計測回路214によって受け取られると共に医療装置に供給されている電圧を示す、表す、及び/又はこれに比例した差動電圧信号を形成してもよい。並列に接続された4つの抵抗器R1、R20、R21、R22は、電圧分割器内において生成される熱を低減又は極小化するべく使用されてもよいが、4つを上回る又は下回る数の抵抗器が使用されてもよい。
【0045】
抵抗器R4は、医療装置106に供給される電流に比例した差動信号を形成する信号のペアを接続507b及び507b’上において生成するように構成されてもよい。抵抗器R23は、乗算器回路402の入力インピーダンスを整合させるべく、含まれてもよい。507b’上において生成される信号は、抵抗器R4によってもたらされる電圧降下である電圧を有してもよい。
【0046】
例示用の乗算器は、Analog Devices AD835 4−Quadrant Multiplierであるが、その他の乗算器が使用されてもよい。乗算器502は、接続507a、507a’を介して差動電圧信号を受け取るための第1差動入力510a、510bと、接続507b、507b’を介して差動電流信号を受け取るための第2差動入力512a、512bと、を含む差動入力のペアを有してもよい。乗算器510は、医療装置106に供給される瞬時RF電力を示すと共に/又はこれに比例した出力信号を生成するべく、差動電圧信号を差動電流信号と乗算するように構成されてもよい。乗算器510は、出力信号を出力XMULにおいて積分回路404に出力してもよい。
【0047】
図5に示されているように、乗算器502は、正電圧+V1及び負電圧−1Vなどの電力を電源回路220から受け取ってもよい。コンデンサC5、C6、C9、C10、及びC25は、ノイズを低減するべく含まれてもよい。
【0048】
乗算器回路402の出力XMULは、接続414を介して積分器回路404に結合されてもよい。接続414は、乗算器回路402の出力をスケールダウンするように構成された電圧分割器を含んでもよい。電圧分割器は、抵抗器R7と、可変抵抗器(又は、トリマ抵抗器又はポテンショメータ)TM2と、抵抗器R11及びR18と、を含んでもよい。可変抵抗器TM2は、約25%〜50%の範囲において、XMULにおける乗算器回路402の出力をスケールダウンするように構成されてもよいが、その他の範囲も可能である。可変抵抗器TM2は、エネルギー計測回路214を全体として較正するための可変スケーラビリティを電圧分割器に対して提供してもよい。抵抗器R18は、可変抵抗器TM2のワイパコンポーネントを通じて相対的にわずかな量の電流を引き出して酸化物の蓄積又は形成を低減又は極小化するべく、含まれてもよい。
【0049】
積分器回路404は、演算増幅器(オペアンプ)504を含んでもよく、これは、非反転オペアンプ積分器として構成されてもよい。例示用のオペアンプ504は、National Semiconductor LM6211 low noise rail−to−rail (RRO) operation amplifierであってもよい。積分器回路404は、抵抗器−コンデンサ(RC)時定数を決定しうるフィードバックコンデンサC11との関連における抵抗器R15を含んでもよく、RC時定数は、積分回路404の積分利得定数を決定する。
【0050】
積分器回路404は、リセット回路を更に含んでもよく、リセット回路は、コンデンサC11に跨って保存された電荷の放電のための放電経路を提供するショットキーダイオードなどのダイオードD3を含んでもよい。電源回路220(図2)は、(例えば、医師又は操作者が自身の足をRF生成器104から取り除き、これにより、RF生成器104が、もはやRFエネルギーを電源回路220に供給していないことから)もはや電力を制御ユニット102のその他のコンポーネントに供給していない際には、ダイオードD3は、フォワードバイアスされた状態となり、且つ、出力XINTにおいて保存されている電荷は、ダイオードD3を通じて、接続514に、且つ、電源回路220に、放電しうる。コンデンサC7は、ノイズを低減するべく、含まれてもよい。
【0051】
上述のように、積分器回路404は、接続416を介して信号を比較器回路406に出力してもよい。図5に示されている例示用の回路実装形態においては、接続416は、信号が比較器回路406に供給される前にノイズを低減するべく、コンデンサC17と接続された抵抗器R9を有する低域通過フィルタを含んでもよい。比較器回路406は、信号を接続416から受け取ってもよく、且つ、受け取った信号のレベルに基づいて、医療装置106に供給されているRFエネルギーが閾値レベルに到達したかどうかを判定してもよい。
【0052】
図5は、図4に示されている比較器回路406に使用されうる例示用の比較器回路406Aを示している。例示用の比較器回路406Aは、パッケージングされたチップ又はコンポーネントであってもよいと共に正の電源信号+V1によって電力供給されうる比較器506を含んでもよい。例示用の比較器506は、National Semiconductor LMP7300 micropower precision comparatorであってもよいが、その他のタイプの比較器が使用されてもよい。比較器506は、基準端子「ref」を含んでもよく、基準端子「ref」は、比較器506用の基準レベル又は値を設定又は提供しうる。基準端子「ref」は、比較器506の負の入力端子−aに接続又は結合されてもよい。
【0053】
動作において、正の入力端子+aにおいて受け取った信号のレベルが負の入力端子−aにおける基準レベルに到達した際に、比較器506は、(比較器506がオープンコレクタ又は類似の出力を有する場合には)出力XDNにおいて出力信号を生成するように構成されてもよい。論理「high」信号を生成するべく、抵抗器R10が出力XDNにおいて含まれてもよい。比較器506によって生成された出力信号は、スイッチT2に印加されてもよく、この結果、スイッチT2が「オフ」状態から「オン」状態にスイッチングする。スイッチT2は、接続211(図2)に接続された端子を有してもよく、接続211は、電磁装置310の端子A1に接続されている。スイッチT2を「オン」状態にスイッチングすることにより、第1スイッチ302を閉路状態から開路状態にスイッチングすることができる。いくつかの例示用の構成において、スイッチT2は、トランジスタなどの半導体装置であってもよい。例示用のトランジスタは、NZT7053 NPN Darlington transistorであってもよい。
【0054】
比較器506は、ヒステリシス入力+h、−hを更に含んでもよい。ヒステリシス入力+h、−hは、比較器506がスイッチR2を「オン」にスイッチングするための信号を出力したら、比較器506が変動出力を供給することを防止するためのヒステリシス機能を比較器506に提供しうる。抵抗器R13及びR14は、ヒステリシス値を設定するべく使用されてもよい。
【0055】
代替構成において、比較器回路406は、図5に示されている比較器406Aの代わりに、図5Aに示されているコントローラ406Bを含んでもよいと共に/又はこれを使用することによって実装されてもよい。コントローラ406Bは、比較器回路406の機能を実行するように構成されたプロセッサ550を含んでもよい。又、コントローラ406Bは、メモリ552を含んでもよく、メモリ552は、比較器回路406の機能を実行するためにプロセッサ550が使用する情報を保存するように構成されてもよい。例えば、メモリ552は、比較器回路406の機能を実行するためにプロセッサ550が実行しうるコンピュータ実行可能命令を保存してもよい。これに加えて、又はこの代わりに、メモリ552は、供給されるRFエネルギーが閾値レベルに到達しているかどうかを判定するべく、プロセッサ550がアクセスしうると共に医療装置104に供給されているRFエネルギーと比較しうる閾値又は基準値を保存してもよい。
【0056】
これに加えて、又はこの代わりに、乗算器回路402は、図5に示されているハードウェア構成を使用して実装される代わりに、プロセッサ及びメモリを有するコントローラとして実装されてもよい。この代替構成は、図5Aに示されているコントローラ406Bの構成に類似したものであってもよい。但し、コントローラ406Bが比較器回路406に使用される場合には、乗算器回路402用のコントローラの代わりに、図5に示されているハードウェアコンポーネントを使用することは、コントローラ406Bのサンプリングレートが低く維持され、これにより、比較器回路406用の相対的に少ない電力を消費する相対的に簡素なコントローラ及び/又はコントローラを結果的に得ることができるという点において、望ましく且つ有利でありうる。
【0057】
いくつかの例示用の回路実装形態において、エネルギー計測回路214は、コンデンサC17と並列に接続されたジャンパJP1を更に含んでもよい。ジャンパJP1は、ジャンパJP1が短絡された場合に、コンデンサC17が短絡され、その結果、積分器回路404から出力されると共に/又は接続416を介して伝送される信号が比較器回路406によって受け取られることを防止できるように、エネルギー計測回路214内において構成されてもよい。ジャンパJP1を短絡させることにより、ユーザー又は操作者がバックアップタイマ回路218の較正などの1つ又は複数の較正又は動作を制御ユニット102上において実行できるようにしてもよい。
【0058】
表1は、図5に示されているステップダウン回路216及びエネルギー計測回路214の回路実装形態の回路コンポーネントの例示用のコンポーネント値を提供している。
【0059】
【表1】
【0060】
図6は、バックアップタイマ回路218に使用されてもよいバックアップタイマ回路218Aの例示用の回路実装形態の概略回路図を示している。バックアップタイマ回路218Aは、抵抗器R19、可変抵抗器TM2、抵抗器R6、及びトランジスタT1のベース−エミッタ接合を含む並列接続に対して接続されたコンデンサC4を含んでもよい。上述のように、バックアップタイマ回路218は、所定の期間が経過した際に、スイッチング回路204を閉路状態から開路状態にスイッチングするように構成されてもよい。図6に示されている例示用の回路実装形態において、所定の期間は、コンデンサC4の静電容量とR6及びT1のベース−エミッタ接合との間のR19及びTM2の並列接続のインピーダンスによって設定される抵抗器−コンデンサ(Resistor−Capacitor:RC)時定数によって決定されうる。例示用の一構成において、トランジスタT1は、NZT7053 NPN Darlington transistorであってもよいが、その他のタイプのトランジスタが使用されてもよい。較正のために調節可能なインピーダンスを提供するべく、固定された抵抗値を有する抵抗器ではなく、可変抵抗器TM2が使用されてもよい。トランジスタT1のコレクタは、接続213を介して第2スイッチ304(図3)の電磁装置315に結合されてもよい。
【0061】
バックアップタイマ回路218の例示用の回路実装形態は、トランジスタT1のベース及び接地に結合されたコンデンサC8を更に含んでもよい。コンデンサC8は、バックアップタイマ回路218A内において生成されるノイズを低減するべく、含まれてもよい。又、バックアップタイマ回路218Aは、コンデンサC4、抵抗器R19、及び抵抗器R6を接続するノードに接続されたショットキーダイオードなどのダイオードD4を含んでもよい。ダイオードD4は、電源回路220に電力供給されず、従って、正の電源信号+V1がバックアップタイマ回路218Aに伝送されていない際などに、コンデンサC4用の放電経路として機能しうる。放電として機能するダイオードD2を提供することにより、バックアップタイマ回路218Aが起動の間において迅速にリセットできるようにしてもよい。
【0062】
動作において、電源回路220に電力供給されず、従って、正の電源信号+V1がバックアップタイマ回路218に供給されていない際には、コンデンサC4に跨ってゼロボルトが存在することになり、その理由は、コンデンサC4内に保存されているすべての電荷がダイオードD4を通じて接地に放電しうるからである。電源回路220に電力供給された際に、正の電源信号+V1がコンデンサC4の一端に送られ、これにより、電圧がコンデンサC4に供給される。この時点では、コンデンサC4の他端(即ち、ノードXTOにおけるもの)も、正電源信号+V1によって供給された電圧を有しており、その理由は、コンデンサC4がその電圧を瞬間的に変化させることができないからである(即ち、コンデンサC4は、その電圧を変化させるには、充電されなければならないからである)。正の電源信号+V1によって供給される電圧は、トランジスタT1を「オン」にスイッチングすることができ、この結果、電磁装置315(図3)を通じた電流を誘発すると共に第2スイッチ304を閉路状態にスイッチングすることができる。
【0063】
電源回路220が、当初、正の電源信号+V1をバックアップタイマ回路218Aに供給した後に、ノードXTOにおける電圧は、RC時定数によって決定される指数関数的レートなどのレートにおいて正の電源信号+V1の電圧から減衰しうる。ノードXTOにおける電圧は、トランジスタT1を「オフ」にスイッチングするレベルまで減衰しうる。トランジスタT1が「オフ」である際には、電流は、もはや、電磁装置315を通じて誘発されず、且つ、第2スイッチ304は、開路状態にスイッチングする。
【0064】
RF生成器104の通常動作の際には、医師又はRF生成器の操作者は、自身の足を足ペダルから取り除くなどにより、RF生成器104からのRF信号の出力を中止することになる。上述のように、RF生成器104からのRF信号は、電源回路に電力供給すると共に制御ユニット102のその他のコンポーネントに供給される電源信号を生成するべく、使用される。従って、RF信号の出力が中止された際には、正の電源信号+V1は、もはや、バックアップタイマ回路218Aに対して供給されない。この時点で、コンデンサC4内に保存されているすべての残存又は残留する電荷は、ダイオードD4を通じて放電し、これにより、コンデンサC4に跨るゼロの電圧降下を得ることができる。この結果、バックアップタイマ回路218Aは、電源回路220から正の電源信号+V1を受け取るための準備が完了した状態となることができ、この状態で、バックアップタイマ動作を反復してもよい。表2は、図6に示されているバックアップタイマ回路218Aの回路実装形態の回路コンポーネントの例示用のコンポーネント値を提供している。
【0065】
【表2】
【0066】
一代替実装形態において、バックアップタイマ回路218は、図6に示されているバックアップタイマ回路218Aの代わりに、図6Bに示されているコントローラ218Bを含んでもよいと共に/又はこれを使用して実装されてもよい。コントローラ218Bは、バックアップタイマ回路218の機能を実行するように構成されたプロセッサ650を含んでもよい。又、コントローラ218Bは、メモリ652を含んでもよく、メモリ652は、バックアップタイマ回路218の機能を実行するためにプロセッサ650が使用する情報を保存するように構成されてもよい。例えば、メモリ652は、バックアップタイマ回路218の機能を実行するためにプロセッサ650が実行しうるコンピュータ実行可能命令を保存してもよい。これに加えて、又はこの代わりに、メモリ652は、閾値又は基準カウント値を保存してもよく、プロセッサ650は、この閾値又は基準カウント値にアクセスすると共に/又はこれを使用し、バックアップ期間が経過又は満了したかどうかを判定してもよい。
【0067】
比較器回路406とバックアップタイマ回路218の両方がコントローラを含むと共に/又はこれを使用して実装されている構成の場合には、これらのコントローラは、同一のコンポーネントであってもよく、或いは、別個の異なるコンポーネントであってもよい。比較器回路406及びバックアップタイマ回路218の様々な構成又は構成の組合せが可能である。
【0068】
図7は、電源回路220の例示用の回路実装形態を示している。電源回路220は、1つ又は複数の正の電源(例えば、DC電源)信号及び/又は1つ又は複数の負の電源(例えば、DC電源)信号を生成及び出力するように構成されてもよい。
【0069】
電源回路220は、接続221及び第1及び第2部分702、704に結合されたコンデンサC12、C18、及びC23を含んでもよい。コンデンサC12、C18、C23は、接続221を介して端子X1から受け取ったRF信号の電圧をステップダウンするように構成されてもよい。代替構成においては、抵抗器などのコンデンサ以外のコンポーネントが使用されてもよい。ダイオードD5、D7は、RF(即ち、AC)信号を整流済みのAC信号に変換するべく、半波整流などの整流を提供してもよい。
【0070】
電源回路220は、抵抗器R16、ツェナーダイオードZD2、及びインダクタL2の間のノードにおいて生成された電圧が電圧調整器U5を損傷することを防止するべく、全般的に正確ではない電圧調整器(generally imprecise voltage regulator)として機能するための抵抗器R16及びツェナーダイオードZD2を含んでもよい。インダクタL2及びコンデンサC20、C21によって形成されたπネットワークは、信号が電圧調整器U5によって受け取られる前に、ノイズを低減しうる。例示用の電圧調整器U5は、National Semiconductor 79L05 voltage regulatorであってもよい。コンデンサC22及びC29は、更なるノイズフィルタリングを提供してもよい。
【0071】
ツェナーダイオードZD1は、ステップダウンコンデンサC12、C18、C23との関連において、ノード710において生成される電圧用の全般的に正確ではない電圧調整器として機能してもよい。抵抗器R12は、電圧を更にスケールダウンして調整器U4が損傷されることを防止するべく、ノード710に結合されてもよい。インダクタL1及びコンデンサC14及びC15によって形成されたπネットワークは、信号が電圧調整器U4によって受け取られる前に、ノイズを低減しうる。電圧調整器U4は、実質的に調節済みの第2正電源+V1をノード712において出力するように構成されてもよい。調整器U4の出力は、電源回路220に電力供給されなくなった後に、抵抗器R5を通じて放電しうる。コンデンサC13、C19、C16、C26、C27、及びC28は、ノイズを更に低減するべく、電源回路220に含まれてもよい。
【0072】
表3は、図7に示されている電源回路220の回路実装形態の回路コンポーネントの例示用のコンポーネント値を提供している。
【0073】
【表3】
【0074】
図8は、出力経路205に結合された通知回路212の例示用の回路実装形態を示している。通知回路212は、RFエネルギーが出力206に供給されている際に光信号を出力するか又は「オン」状態となる発光ダイオードLED1を含んでもよい。LED1に供給される電流の量を制御する抵抗器R2は、約750Ωの抵抗値を有してもよい。更には、通知回路212は、LED1と逆並列状態において接続されたダイオードD1を含んでもよい。
【0075】
通知回路212は、RFエネルギーの印加を中止するべき際を操作者に対して識別してもよい。例えば、操作者は、LEDが「オン」状態から「オフ」状態にスイッチングした際に、足ペダル又はその他のRFアクチュエータ上の付勢を除去してもよい。
【0076】
図9は、患者内部の治療部位において位置決めされた医療装置に対するRFエネルギーの伝送を制御するべくRF生成器に結合された制御ユニットを動作させる例示用の方法900のフローチャートを示している。ブロック902において、1つ又は複数のリレーなどの制御ユニットのスイッチング回路が閉路状態において配置又は構成されてもよい。ブロック904において、スイッチング回路は、RFエネルギーを受け取ってもよく、且つ、閉路状態において、RFエネルギーを制御ユニットの出力に出力してもよい。ブロック906において、スイッチング回路によって出力されたRFエネルギーの一部分が制御ユニットのエネルギー計測回路によって受け取られてもよい。RFエネルギーの一部分は、医療装置に供給される電圧及び電流を示す、表す、及び/又はこれに比例したエネルギーとして受け取られてもよい。
【0077】
ブロック908において、エネルギー計測回路は、制御ユニットによって出力されると共に医療装置に供給されるエネルギーの合計量などのRFエネルギーの量を判定してもよい。ブロック910において、エネルギー計測回路は、RFエネルギーが閾値レベルに到達しているかどうかを判定してもよく、閾値レベルは、超過した(又は、実質的に超過した)際に、患者に危害をもたらしうる既定の又は選択されたレベルであってもよい。エネルギー計測回路がRFエネルギーが閾値レベルに到達していないと判定した場合には、方法は、ブロック904に戻り、ここで、スイッチング回路は、RF生成器からのRFエネルギーの受け取りと、RFエネルギーの制御ユニットの出力への伝送と、を継続してもよい。或いは、この代わりに、エネルギー計測回路がRFエネルギーが閾値レベルに到達していると判定した場合には、方法は、ブロック912に進んでもよく、ここで、エネルギー計測回路は、スイッチング回路内のリレーの電磁装置を通じて電流を誘発するなどにより、スイッチング回路を閉路状態から開路状態にスイッチングさせてもよい。
【0078】
図10は、患者内部の治療部位において位置決めされた医療装置に対するRFエネルギーの伝送を制御するべくRF生成器に結合された制御ユニットを動作させる例示用の代替方法1000のフローチャートを示している。ブロック1002において、制御ユニットのスイッチング回路の第1スイッチが閉路状態において構成されてもよく、且つ、第1スイッチと直列に接続されたスイッチング回路の第2スイッチが開路状態において構成されてもよい。ブロック1004において、制御ユニットの入力は、RF生成器からRFエネルギーを受け取ってもよい。ブロック1006において、入力によって受け取られたRFエネルギーの一部分が制御ユニットの電源回路に供給されてもよく、電源回路はこれを使用し、1つ又は複数の電源エネルギーを生成してもよい。
【0079】
ブロック1008において、制御ユニットのバックアップタイマ回路は、電源信号を電源回路から受け取ってもよく、且つ、受け取った際に、スイッチング回路内の第2スイッチを開路状態から閉路状態にスイッチングさせてもよい。ブロック1010において、バックアップタイマ内のRC時定数によって決定される所定の期間が開始されてもよい。ブロック1012において、バックアップタイマ回路は、所定の期間が満了したかどうかを判定してもよい。所定の期間が満了している場合には、ブロック1014において、バックアップタイマは、第2スイッチを開路状態にスイッチングさせてもよく、この結果、RF生成器から出力されるRFエネルギーが制御ユニットによって出力されることを防止しうる。或いは、この代わりに、タイマ期間が満了していない場合には、方法は、ブロック1016に進んでもよい。
【0080】
ブロック1016において、電源回路に伝送されないRFエネルギーの残りの部分は、スイッチング回路に伝送されてもよく、その理由は、第1スイッチ及び第2スイッチの両方が、いまや、閉路状態において構成されうるからである。又、ブロック1016において、スイッチング回路は、受け取ったRFエネルギーを出力経路に沿って制御ユニットの出力に出力してもよい。ブロック1018において、通知回路は、スイッチング回路によって出力されたRFエネルギーの一部分を受け取ってもよく、且つ、これに応答して、RFエネルギーが制御ユニットによって出力されると共に医療装置に対して供給されていることを操作者に通知する光出力などの通知を出力してもよい。ブロック1020において、通知回路に伝送されなかったRFエネルギーの一部分は、ステップダウン回路に伝送されてもよく、且つ、残りの部分は、制御ユニットの出力に伝送されてもよく、ここで、この残りの部分は、治療部位において医療装置に供給されてもよい。
【0081】
ブロック1022において、ステップダウン回路に伝送された部分は、医療装置に供給されるRFエネルギーに比例した信号に変換されてもよい。ブロック1024において、エネルギー計測回路は、ステップダウン回路から信号を受け取ってもよく、且つ、受け取った信号から、制御ユニットによって出力されると共に医療装置に供給されるエネルギーの合計量などのRFエネルギーの量を判定してもよい。ブロック1026において、エネルギー計測回路は、RFエネルギーが閾値レベルに到達しているかどうかを判定してもよい。エネルギー計測回路がRFエネルギーが閾値レベルに到達していないと判定した場合には、方法は、ブロック1012に戻ってもよく、ここで、スイッチング回路は、所定の期間が満了しているかどうかを判定してもよい。
【0082】
或いは、この代わりに、エネルギー計測回路がRFエネルギーが閾値レベルに到達していると判定した場合には、方法は、ブロック1028に進んでもよく、ここで、エネルギー計測回路は、第1スイッチ内のリレーの電磁装置を通じて電流を誘発するなどにより、スイッチング回路の第1スイッチを閉路状態から開路状態にスイッチングさせてもよく、この結果、RFエネルギーが制御ユニットによって医療装置に出力されることを防止しうる。
【0083】
図11は、患者内部の治療部位において位置決めされた医療装置に対するRFエネルギーの伝送を制御するべくRF生成器に結合された制御ユニットを動作させる例示用の代替方法1100のフローチャートを示している。ブロック1102において、スイッチング回路が閉路状態において構成されてもよい。ブロック1104において、スイッチング回路は、閉路状態において、RFエネルギーを受け取ってもよく、且つ、受け取ったRFエネルギーを制御ユニットの出力に伝送してもよい。ブロック1106において、スイッチング回路から出力されるRFエネルギーの一部分は、医療装置に供給される電圧及び電流を示す信号としてエネルギー計測回路に伝送されてもよい。
【0084】
ブロック1108において、エネルギー計測回路の乗算器は、電圧を通知する信号を電流を通知する信号と乗算してもよく、且つ、医療装置に供給される瞬時電力を示す信号を生成してもよい。ブロック1110において、エネルギー計測回路の積分器は、瞬時電力を示す信号を積分してもよく、且つ、医療装置に供給される合計エネルギーを示す信号生成してもよい。ブロック1112において、エネルギー計測回路の比較器は、合計エネルギーを示す信号を基準値と比較してもよい。ブロック1114において、比較器は、合計エネルギーを示す信号が基準値を超過しているかどうかを判定してもよい。基準レベルを超過していない場合には、方法は、ブロック1104に戻ってもよい。或いは、この代わりに、基準レベルを超過していない場合には、ブロック1116において、比較器は、スイッチング回路を閉路状態から開路状態にスイッチングさせ、これにより、RFエネルギーが制御ユニットから医療装置に出力されることを防止する信号を出力してもよい。
【0085】
図12は、医療手技の際に患者内部の治療部位において位置決めされた医療装置に対するRFエネルギーの伝送を制御するべくRF生成器との関連において制御ユニットを動作させる例示用の代替方法1200のフローチャートを示している。ブロック1202において、制御ユニットの入力がRF生成器の出力に結合されてもよい。ブロック1204において、制御ユニットは、閉路状態において構成されてもよい。ブロック1206において、RF生成器は、起動されてもよく、且つ、制御ユニットは、RFエネルギーをRF生成器から受け取ってもよく、且つ、RFエネルギーを治療部位において医療装置に出力してもよい。ブロック1208において、制御ユニットは、医療装置に供給されているRFエネルギーを計測してもよい。ブロック1210において、制御ユニットは、制御ユニットが医療装置に供給されているRFエネルギーが閾値レベルに到達していることを検出した際に、閉路状態から開路状態にスイッチングしてもよい。ブロック1212において、更に多くのRFエネルギーの治療部位への供給が必要とされている場合には、方法は、ブロック1204に戻ってもよく、ここで、制御ユニットは、閉路状態において構成されてもよい。或いは、この代わりに、更なるRFエネルギーを治療部位に供給する必要がない場合には、方法は、ブロック1214に進んでもよく、ここで、医療手技は、終了してもよく、且つ、制御ユニットは、RF生成器から取り外されてもよい。
【0086】
図13は、例示用の制御ユニット102の代わりに、例示用の医療システム100と共に使用されうる別の例示用の制御ユニット1300を示している。制御ユニット1300は、入力端子のペアX1、X2を有する入力1302と、スイッチング回路1304と、整合回路1308と、遮断回路1310と、ステップダウン回路1316と、を含んでもよく、これらのそれぞれは、上述の制御ユニット102における入力202、スイッチング回路204、整合回路208、遮断回路210、及びステップダウン回路216と同一又は類似の構成を有してもよい。
【0087】
制御ユニット1300は、制御ユニット1300の様々な機能を実行するべく様々なモジュールを含むコントローラ1360を更に含んでもよい。具体的には、コントローラ1360は、エネルギー計測モジュール1314と、バックアップタイマモジュール1308と、通知制御モジュール1312と、カウンタモジュール1362と、エラー通知制御モジュール1364と、出力制御モジュール1366と、出力電極スイッチング制御モジュール1368と、エネルギー保存モジュール1370と、を含んでもよい。
【0088】
エネルギー計測モジュール1314は、医療装置106に供給されるエネルギーの量を計測するステップと、RFエネルギーの量が閾値レベルに到達したときを判定するステップと、RFエネルギーが医療装置106に伝送されてもよいかどうかを制御するべく、スイッチング回路204を開路及び閉路状態の間においてスイッチングさせるステップと、を含む制御ユニット102のエネルギー計測回路214と同一又は類似の機能を実行するように構成されてもよい。エネルギー計測モジュール1314は、乗算器サブモジュール1372と、積分器サブモジュール1374と、比較器サブモジュール1376と、を含んでもよい。乗算器、積分器、比較器サブモジュール1372、1374、及び1376は、図5及び/又は図5Aを参照して図示及び記述した乗算器回路402、積分器回路404、及び比較器回路406と同一の機能を実行し、同一の方式によって動作し、且つ/又は、これらの構成のいずれかを有するように構成されてもよい。
【0089】
更には、バックアップタイマモジュール1308は、バックアップタイマ回路218と同一又は類似の機能を実行するように構成されてもよく、且つ、図6及び/又は図6Aを参照して図示及び記述したバックアップタイマ回路218A又は218Bと同一又は類似の方式によって実装されてもよい。
【0090】
又、制御ユニット1300は、接続1315を介したスイッチング回路1304、接続1346を介したコントローラ1360、及び接続1348を介した出力モジュール1380を含む制御ユニット1300の様々なコンポーネントに電力供給するように構成された電源回路1320を含んでもよい。更には、制御ユニット102の電源回路220と同様に、RF生成器104から受け取ったRFエネルギーの一部分は、接続1321を介して電源回路1320に伝送されてもよく、電源回路1320は、これを使用し、制御ユニット130の様々なコンポーネントに電力供給してもよい。
【0091】
図17は、電源回路1320の例示用の回路実装形態を示している。電源回路1320は、1つ又は複数の正の電源(例えば、DC電源)信号及び/又は1つ又は複数の負の電源(例えば、DC電源)信号を生成及び出力するように構成されてもよい。電源回路1320の例示用の回路実装形態は、電源回路1320は、接続1346を介してコントローラ1360に電力供給するように使用されうる第3(付加的)正電源+V3を生成するように構成されてもよいという点を除いて、図7を参照して図示及び記述した電源回路220の例示用の回路実装形態に類似したものであってもよい。第3正電源+V3を生成するために、図7に示されている電源回路220の抵抗器R5及びコンデンサC26〜C29を含む回路要素は、図17に示されているように、コンデンサC32及びC33及び電圧調整器U6によって置換されてもよい。電圧調整器U6は、ノード1702において第3正電源+V3を出力するように構成されてもよく、ノード1702は、コントローラ1360に電力供給するべく、接続1346に接続されてもよい。第3正電源+V3の例示用の電圧は、3.3ボルトであってもよいが、その他の電圧が使用されてもよい。又、いくつかの例示用の構成においては、適宜、その他の電源+V1、+V2、及び−V1がコントローラ1360の1つ又は複数の回路コンポーネント及び/又はモジュールに印加されてもよい。コンデンサC32の例示用の静電容量は、0.1μFであってもよく、且つ、コンデンサC33の例示用の静電容量は、1μFであってよいが、その他の静電容量値が使用されてもよい。
【0092】
又、図13を再度参照すれば、制御ユニット1300は、出力1330を含んでもよく、出力1330は、N個の出力端子Y1〜YNを含んでもよく、この場合に、Nは、3以上である。N個の出力端子Y1〜YNは、医療装置106のN個の電極にRFエネルギーを供給するように構成されてもよい。又、制御ユニット1300は、選択回路1332を含んでもよく、選択回路1332は、任意の時点において、出力経路1305からN個の出力端子Y1〜YNのうちのその他のものを選択的に隔離した状態で、N個の出力端子Y1〜YNのうちの2つを出力経路1305に選択的に又はスイッチング方式で結合するように構成されてもよい。入力1305に結合された2つの出力端子Y1〜YNは、スイッチング回路1304が閉路されている場合に、RFエネルギーを医療装置106の個々の電極に供給するように構成されてもよい。更には、出力経路1305に結合される2つの出力端子Y1〜YNは、ステップダウン回路1316の抵抗ネットワークを介して結合されてもよく、これは、図2及び図4に示されている出力206の端子X3、X4の構成と同一又は類似のものであってもよい。結合された2つの出力端子Y1〜YNは、医療装置106に供給されている電圧及び電流に比例したスケールダウンされた信号をエネルギー計測モジュール1314に供給してもよい。入力1302に結合されていないと共に/又はこれから隔離されたその他の出力端子Y1〜YNは、RFエネルギーを医療装置106の個々の電極に供給することができない。
【0093】
例示用のいくつかの構成においては、1つ又は複数のスイッチを含みうる選択回路1332は、N個の出力端子Y1〜YNのうちの任意の2つを出力経路1305に選択的に結合するように構成されてもよい。例示用の代替構成の場合には、出力端子のうちの1つ(例えば、図13に示されている出力端子Y1)は、破線1334によって示されているように、出力経路1305に対して常に又は固定状態において結合された共通出力端子であってもよく、N個の出力端子Y1〜YNのうちのその他の出力端子は、選択回路1332を介して出力経路1305に選択的に結合されてもよい。選択回路1332は、異なる状態又は構成において構成されることにより、N個の出力端子Y1〜YNを選択的に結合するように構成されてもよい。例えば、1つの状態において、選択回路1332は、出力端子Y1〜YNの第1ペアを出力経路1305に結合してもよく、且つ、異なる状態においては、選択回路1332は、出力端子Y1〜YNの第2の異なるペアを出力経路1305に結合してもよい。出力端子Y1〜YNの2つのペアは、出力端子Y1〜YNのうちの少なくとも1つが2つのペアの間において共通していない際には、互いに異なるものであってもよい。
【0094】
例示用の一構成において、Nは、制御ユニット1302の3つの出力端子Y1、Y2、及びY3が存在するように、3であってもよい。出力端子のうちの1つ−例えば、出力端子Y1−は、出力経路1305に固定的に結合されてもよく、その他の出力端子Y2及びY3は、選択回路1332を介して出力経路1305に選択的に結合されてもよい。選択回路1332は、2つの異なる状態のうちの1つにおいて構成されてもよい。第1の状態において、選択回路1332は、RFエネルギーが制御ユニット1300を通じて医療装置106に供給される際に、出力端子Y3がRFエネルギーを医療装置106に供給していない状態において、RFエネルギーが出力端子Y1及びY2を通じて供給されるように、出力端子Y2を出力経路1305に電気的に結合してもよい。第2状態においては、選択回路1332は、RFエネルギーが制御ユニット1300を通じて医療装置106に供給される際に、出力端子Y2が医療装置106にRFエネルギーを供給していない状態において、RFエネルギーが出力端子Y1及びY3を通じて供給されるように、出力端子Y3を出力経路1305に電気的に結合してもよい。
【0095】
選択回路1332が出力経路1305とN個の出力端子Y1〜YNの間における選択的結合を実行する選択的結合並びに/或いは状態又は構成は、コントローラ1360の出力電極スイッチング制御モジュール1368によって制御されてもよい。電極スイッチング制御モジュール1368は、選択回路1332を望ましい状態又は構成において構成するべく、接続1336を介してスイッチング信号などの制御信号を選択回路1332に出力するように構成されてもよい。
【0096】
いくつかの例において、選択回路1332の望ましい状態は、治療部位において組織のエリアの関連する部分に対して電気外科手技を実行するべく、電極の異なるペアが交互に変化する方式で起動されるか又はRFエネルギーが供給されうる既定の治療サイクル又は方式によって左右されうる。3つ以上の電極のうちの異なるペアが治療サイクル又は方式に従って代替的に起動されうる例示用の一つの状況は、電気外科手技による治療を経験するための組織の合計エリアとの関係においてRF生成器104によって生成される少ない量の出力パワーが存在しているというものであってもよい。例えば、RF生成器104によって生成される出力パワーは、2つの電極を使用することにより、RFエネルギーの単一の供給又はパルスのみを使用して組織の合計エリアを除去するには、不十分なものであってもよい。電気外科手技に使用されるRF生成器104の出力パワーを増大させることができない場合には、治療を経験する(例えば、切除される)組織のエリアを減少させてもよい。これを実行する1つの方法は、治療を経験する組織のエリアを複数の部分に分割するというものであってもよい。複数の部分上において電極のペアを位置決め及び再位置決めするのではなく、組織の異なる部分と接触するように、電極の異なるペアを治療部位において位置決めしてもよい。次いで、組織の異なる部分を治療するべく、電極の異なるペアを交互に変化する方式で起動してもよい。治療サイクル又は方式は、電極の異なるペアが代替的に起動されうる方法を識別又は判定してもよい。治療サイクル又は方式は、組織の部分のすべてを治療するべく、電極の異なるペアのすべてが交互に変化する方式で起動されると共に/又は、比較器サブモジュール1376及び/又は出力電極スイッチング制御モジュール1368によって判定されるRFエネルギーの閾値量が電極の異なるペアのすべてに対して供給された際に、完了したものと見なされうる。換言すれば、治療サイクル又は方式は、組織エリアの異なる部分のすべてが治療された際に、完了状態となりうる。
【0097】
一例として、3つの電極(即ち、N=3)は、切除対象の組織のエリアの2つの異なる部分を除去するべく、電極の2つの異なるペアとして構成されてもよい。図14は、第1電極1402、第2電極1404、及び第3電極1406という3つの電極を含む例示用の電極組立体1400を示している。第2電極1404は、第1及び第3電極1402、1406にとって共通したものであってもよい。電極組立体1400の構成においては、第2電極1404は、第2の共通電極1404が切除対象の組織のエリア全体にわたって延在するように、第1電極1402及び第3電極1406のそれぞれと鉗合(interdigitate)されてもよく、第1電極1402は、その鉗合が組織エリアの第1部分上において延在するべく構成されるように、第2電極1404の一部分と鉗合され、且つ、第3電極1406は、その鉗合が組織エリアの第2部分上において延在するように、第2電極1404の一部分と鉗合されている。電極組立体1400と関連する治療サイクル又は方式の第1部分において、RFエネルギーは、組織エリアの第1部分を切除するべく、第1及び第2電極1402、1404に供給されてもよい。治療サイクル又は方式の第2部分においては、RFエネルギーは、組織エリアの第2部分を切除するべく、第2及び第3電極1404、1406に供給されてもよい。類似の構成又は実装形態は、3つを上回るN個の電極を有する代替電極組立体に対して適用されてもよい。
【0098】
再度図13を参照すれば、制御ユニット1300の動作の際に、スイッチング回路1304は、RFエネルギーを医療装置106(例えば、電極組立体1400)に供給するべく閉路されてもよい。RFエネルギーが供給される前に、出力電極スイッチング制御モジュール1368は、接続1336を介して制御信号を選択回路1332に出力するように構成されてもよく、この結果、出力端子の第1ペアY1〜YNを出力経路1305に電気的に結合する第1状態において選択回路1332が構成されうる。次いで、RFエネルギーは、治療サイクル又は方式の第1部分において組織エリアの第1部分を治療するべく出力経路1305に結合された出力端子のペアY1〜YNに対応した電極のペアに供給されてもよい。エネルギー計測モジュール1314は、接続1338を介してステップダウン回路1316から医療装置106に供給されるRFエネルギーを計測するように構成されてもよい。比較器サブモジュール1376は、供給されているRFエネルギーを閾値レベルと比較するように構成されてもよい。供給されるRFエネルギーが閾値レベルに到達した際に、比較器サブモジュール1376は、スイッチング回路1304を開路するべく、接続1340を介して制御信号をスイッチング回路1304に出力するように構成されてもよい。
【0099】
供給されるRFエネルギーが閾値レベルに到達し、且つ、スイッチング回路1304が開路された後に、出力電極スイッチング制御モジュール1368は、接続1336を介して選択回路1332に別の制御信号を出力するように構成されてもよく、この結果、出力端子の第2のペアY1〜YNを出力経路1305に電気的に結合する第2状態において選択回路1332が構成されうる。スイッチング回路1304は、再度閉路されてもよく、且つ、次いで、RFエネルギーは、治療サイクル又は方式の第2の部分において組織エリアの第2部分を治療するべく、出力経路1305に結合された出力端子の第2のペアY1〜YNに対応した電極の異なるペアに供給されてもよい。供給されるエネルギーが閾値レベルに到達した際に、比較器サブモジュール1376は、スイッチング回路1304を再度開路するべく、接続1340を介して制御信号を出力するように構成されてもよい。上述の動作は、電極の異なるペアのすべてが、既定の切除サイクル又は方式に従って組織エリアの異なる部分を治療するべく、起動が完了する時点まで、反復されてもよい。
【0100】
コントローラ1360は、治療サイクル又は方式の最中において実行される電気外科手技において医療装置に供給されるRFエネルギーのパルスの供給の間において積分器サブモジュール1374内に保存されている電荷を放電するように構成された積分器放電モジュール1378を更に含んでもよい。図5を参照して上述した積分器回路404の構成を有しうる積分器サブモジュール1374は、電源回路1320が、もはや電力を供給していない際に、コンデンサC11に跨って保存された電荷が放電するための放電経路を提供するダイオードD3を含んでもよい。逆に、電源回路1320が電力を供給している際には、ダイオードD3は、コンデンサC11に跨って保存された電荷が放電するための放電経路を提供することができない。制御ユニット102と同様に、制御ユニット1300は、電源1320が、入力1302及び接続1321を介してRF生成器104から受け取ったRFエネルギーの一部分に基づいて制御ユニット1300の様々なコンポーネントに電力供給するように構成されているという点において、自己電力供給型の装置又は機器であってもよい。上述のように、RF生成器104は、操作者が、足ペダルなどの入力装置を起動するか又はこれと係合した際に、RF出力を生成してもよい。従って、積分器サブモジュール1374は、操作者がRF生成器104の入力装置と係合している限り、ダイオードD3を通じてコンデンサC11に跨って保存された電荷を放電することができない。
【0101】
治療サイクル又は方式などに応じて適切な量のRFエネルギーを電極の異なるペアのそれぞれに交互に変化する方式で供給するべく、積分器サブモジュール1374のコンデンサC11内に保存された電荷は、選択的に結合された電極のペアに対するRFエネルギーのそれぞれの供給又はパルスの後に、放電されてもよい。コンデンサC11を放電するための1つの方法は、電荷がダイオードD3を通じて放電するように、RFエネルギーのそれぞれのパルスの後に、操作者が入力装置との係合を解除するというものである。或いは、この代わりに、積分器放電モジュール1378は、コンデンサC11及び/又は積分器サブモジュール1374の出力XINTとの通信状態にあってもよく、且つ、RFエネルギーの入力装置が係合される104と共に電源回路1320が電力を供給している場合にも、コンデンサC11に跨って保存された電荷を選択的に放電するように構成されてもよい。
【0102】
図15は、出力XINTを介して積分器サブモジュール1374のコンデンサC11に結合された積分器放電モジュール1378の例示用の構成を示している。積分器放電モジュールは、接地に接続された放電経路1501を含んでもよい。又、放電モジュール1378は、放電経路1501を交互に変化する方式で又は選択的に出力XINTにおけるコンデンサC11に結合及び結合解除するスイッチ1502を含んでもよい。スイッチ1502が閉路された際に、放電経路1501をコンデンサC11に結合することができ、且つ、コンデンサC11内に保存された電荷を放電経路1501を通じて接地に放電することができる。或いは、この代わりに、スイッチ1502が開路された際には、放電経路1501をコンデンサC11から結合解除することができ、従って、コンデンサC11内に保存された電荷を放電経路1501を通じて放電することができず、即ち、コンデンサC11内に保存された電荷を放電経路1501を通じて放電することを防止することができる。
【0103】
積分器放電モジュール1378は、スイッチ1502のスイッチングを制御するように構成されたコントローラ1504を更に含んでもよい。コントローラ1504は、コントローラ1504の機能を実行するように構成されたプロセッサ1550を含んでもよい。又、コントローラ1504は、その機能を実行するべくプロセッサ1550によってアクセスされうると共に/又は実行されうるコンピュータ実行可能命令を保存しうるメモリ1552を含んでもよい。
【0104】
コントローラ1504は、スイッチング回路1304が開路されているのか又は閉路されているのかに基づいてスイッチ1502を開路するのか又は閉路するのかを判定するように構成されてもよい。例えば、コントローラ1504は、供給されるRFエネルギーが閾値レベルに到達した際に、或いは、所定の期間が満了した際に、比較器サブモジュール1376又はバックアップタイマモジュール1308によって伝送される制御信号に応答し、スイッチ1502を閉路してもよい。いずれの場合にも、コントローラ1504は、スイッチング回路1304が閉路され(又は、再閉路され)、且つ、RFエネルギーの次の供給又はパルスが制御ユニット1300を通じて供給された際に、積分器サブモジュール1374がリセットされると共に準備完了状態となるように、コンデンサC11を放電するべくスイッチ1502を閉路してもよい。
【0105】
これに加えて、又はこの代わりに、スイッチ1502を開路するのか又は閉路するのかについての判定は、治療サイクル又は方式と、切除手技が治療サイクル又は方式のうちのどこに位置しているのかと、に基づいたものであってもよい。例えば、電極のペアが起動され、且つ、組織エリアの一部分が治療された後に、コントローラ1504は、治療サイクル又は方式に従って、電極の別の又は次のペアが起動される必要があるかどうかを判定してもよい。電極の別の又は次のペアが起動される必要がある場合には、治療サイクル又は方式は、完了状態にはなく、従って、コントローラ1504は、コンデンサC11を放電するべくスイッチ1502を閉路するように構成されてもよい。或いは、この代わりに、起動を要する電極の別の又は次のペアが存在していない場合には、治療サイクル又は方式は、完了状態にあり、従って、コントローラ1504は、スイッチ1502を開路状態において維持するように構成されてもよい。代替構成においては、スイッチ1502の制御は、治療サイクル又は方式に基づいたものでなくてもよく、且つ、スイッチ1502は、スイッチング回路1304が開路された後に、毎回、閉路されてもよい。いずれの場合にも、積分器サブモジュール1374は、RF生成器104の入力装置が、操作者によって係合された状態に維持されている場合にも、RFエネルギーの次の供給又はパルスのために、リセットされてもよい。
【0106】
コントローラ1360は、切除手技などの電気外科手技が実行される回数をカウント及び/又は追跡するように構成されうるカウンタモジュール1362を更に含んでもよい。カウンタモジュール1362は、電気外科手技が実行される回数を様々な方法でカウントしてもよい。例えば、カウンタモジュール1362は、電気外科手技の実行をカウントしてもよく、且つ/又は、RFエネルギーの供給又はパルスが閾値レベルに到達し、且つ、スイッチング回路1304が開路されるたびに、カウントを増大させてもよい。これに加えて、又はこの代わりに、カウンタモジュール1362は、電気外科手技の実行をカウントしてもよく、或いは、治療サイクル又は方式が完了するたびに、カウントを増大させてもよい。例えば、治療サイクルが、電極の第1ペアと、次いで、電極の第2ペアと、を交互に変化する方式で起動するステップを含む場合には、カウンタモジュール1362は、RFエネルギーの電極の第1及び第2のペアの両方への供給が完了する時点まで、実行されたものとして電気外科手技をカウントしなくてもよく、且つ、カウントを増大しなくてもよい。
【0107】
コントローラ1360は、電気外科手技の実行における可能なエラー又は誤動作が発生した際を検出又は判定するように構成されたエラー検出モジュール1364を更に含んでもよい。例えば、バックアップタイマモジュール1308が所定の期間が満了したと判定した場合には、エラー検出モジュール1364は、可能なエラーが発生したと判定してもよい。これに加えて、又はこの代わりに、エラー検出モジュール1364は、供給されるRFエネルギーが過剰に早期に閾値レベルに到達したことに応答して、可能なエラーを検出又は判定してもよく、この状態は、RF生成器104におけるパワー設定が過大に設定されていることを通知しうる。又、エラー検出モジュール1364は、エラー出力に含まれるエラー出力のタイプ及び/又はコンテンツを判定してもよい。例示用の出力のタイプは、ビジュアル出力及びオーディオ出力を含んでもよい。例示用のコンテンツは、例えば、所定の期間が満了した、不適切な又は不十分な接触が実施された、或いは、組織が過剰に迅速に又は低速で治療された、などのエラーに関する情報を含んでもよい。その他の出力のタイプ又は出力のコンテンツが可能でありうる。
【0108】
コントローラ1360は、RFエネルギーが出力経路1305を通じて供給又は伝達されているかどうかを判定するように構成されうる通知制御モジュール1312を更に含んでもよい。通知制御モジュール1312は、RFエネルギーが接続1342を介して出力経路1305を通じて供給されているかどうかを検出してもよい。更に詳細に後述されるように、出力モジュール1380は、RFエネルギーが出力経路1305を通じて供給されているどうかどうかの通知を出力するように構成されてもよい。通知制御モジュール1312は、出力モジュール1380との組合せにおいて、制御モジュール102の通知回路212を置換してもよく、且つ/又は、この代わりに使用されてもよい。
【0109】
出力モジュール1380は、コントローラ1360によって実施された判定のうちの1つ又は複数を通知する1つ又は複数の出力信号又はメッセージを生成及び/又は出力するように構成されてもよい。例えば、出力モジュール1380は、カウンタモジュール1362によって判定される実行された電気外科手技の回数又はRFエネルギーが医療装置に供給された回数のカウント、切除通知制御モジュール1312によって判定されるRFエネルギーが出力経路1305を通じて供給されているのかどうかの通知、並びに、エラー検出モジュール1364によって判定されるエラー通知を出力するように構成されてもよい。その他の出力信号又はメッセージが可能であってもよい。出力信号又はメッセージは、ビジュアル信号、オーディオ信号、又はこれらの組合せであってもよい。出力モジュール1380は、出力信号又はメッセージを生成及び/又は出力するべく、例えば、ディスプレイ又はその他のビデオ出力装置、光出力装置(例えば、LED)、オーディオ出力装置(例えば、スピーカ)などの1つ又は複数の出力装置を含んでもよい。コントローラ1360の出力制御モジュール1366は、出力モジュール1380を制御すると共に/又は出力信号を接続1344を介して出力モジュール1380に伝達するように構成されてもよい。出力モジュール1380は、非限定的な例として、ディスプレイ、増幅器、LEDなどに電力供給するべく、接続1346を介して電源回路1320によって電力供給されてもよい。
【0110】
又、いくつかの例示用の構成において、コントローラ1360は、特に、電源回路1320が電力を供給していない際に、コントローラ1360のモジュールのうちの1つ又は複数及び/又は出力モジュール1380に電力供給するように構成されうるエネルギー保存モジュール1370を使用してもよい。電源回路1320が起動されると共に電力を供給している際に、供給されている電力の少なくとも一部分は、エネルギー保存モジュール1370によってエネルギーとして保存されてもよい。RF生成器104が、もはやRFエネルギーを制御ユニット1300に供給していない際などのように、電源回路が起動停止された際には、エネルギー保存モジュール1370によって保存されているエネルギーは、既定の期間にわたって、出力モジュール1380及び/又はコントローラ1360のモジュールのうちのすべて又はいくつかに対して電力供給すると共に/又はこれを起動された状態に維持するべく、使用されてもよい。この結果、出力モジュール1380によって出力される出力信号又はメッセージの出力モジュール1380による出力は、RF生成器104の操作者が入力装置との係合を解除した(例えば、操作者の足が入力ペダルから解放された)際などのように、RF生成器104が起動停止された後にも、既定の期間にわたって継続してもよい。
【0111】
エネルギー保存モジュール1370は、1つ又は複数のコンデンサ又はその他のタイプのエネルギー保存装置を含んでもよい。いくつかの例示用の構成の場合には、エネルギー保存モジュール1370は、電源回路1320のノード1702に接続されてもよく、且つ/又は、コンデンサC33と並列状態にあってもよい。エネルギー保存モジュール1370の例示用の静電容量値は、約1mF〜1Fの範囲であってもよいが、その他の静電容量値が使用されてもよい。
【0112】
コントローラ1360のモジュール及びサブモジュールは、ハードウェアにおいて又はハードウェアとソフトウェアの組合せにおいて実装されてもよい。更には、そうではない旨が記述されていない限り、モジュール及びサブモジュールは、プロセッサ1350及び/又はメモリ1352を使用することにより、実装されてもよい。例えば、コントローラ1360のモジュールの機能は、プロセッサ1350によって実行されてもよい。これに加えて、又はこの代わりに、モジュールは、メモリ1352内に保存されると共にプロセスによって実行可能である命令を表すデータを含んでもよい。これに加えて、又はこの代わりに、モジュール及びサブモジュールは、1つ又は複数の実行可能モジュールを含んでもよく、これらのモジュールの少なくともいくつかは、一時的ではないコンピュータ可読ストレージ媒体内において実行可能命令として実施されてもよい。従って、そうではない旨が記述されていない限り、モジュール及びサブモジュールは、プロセッサ1350、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、及び/又は様々な装置、コンポーネント、回路、ゲート、回路基板、及びプロセッサ1350による実行のために実行可能であり、管理され、且つ/又は制御されるこれらに類似したものによって実行可能な命令を含みうるコンピュータ可読ストレージ媒体などのプロセッサによって実行可能なハードウェアであると定義されてもよい。
【0113】
プロセッサ550、650、1350、及び1550は、それぞれ、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、アプリケーション固有の集積回路、フィールドプログラム可能なゲートアレイ、アナログ回路、デジタル回路、これらの組合せ、又はその他の既知の又はこれから開発されるプロセッサであってもよい。プロセッサ550、650、1350、及び1550は、1つのものとして又は別個に構成されてもよく、且つ、1つのものとして又は別個に、これらは、ネットワーク又は分散処理と関連付けられたものなどの単一の装置、複数の装置、又は装置の組合せであってもよい。マルチ処理、マルチタスキング、並列処理、リモート処理、又はこれらに類似したものなどの様々な処理方式のうちの任意のものが使用されてもよい。プロセッサ550、650、1350、1550は、ソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコード、又はこれらに類似したものの一部分として保存された命令に応答してもよく、且つ/又は、これを実行するように構成されてもよい。
【0114】
メモリ552、652、1352、1552は、一時的ではないコンピュータ可読ストレージ媒体であってもよい。コンピュータ可読ストレージ媒体は、限定を伴うことなしに、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、プログラム可能な読み出し専用メモリ、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ、電気的に消去可能な読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ、磁気テープ又はディスク、光媒体、及びこれらに類似したものを含む様々なタイプの揮発性及び不揮発性ストレージ媒体を含んでもよい。メモリ552、652、1352、1552は、1つのものとして又は別個に構成されてもよく、且つ/又は、単一の装置又は装置の組合せであってもよい。メモリ552、652、1352、1552は、プロセッサと隣接していてもよく、プロセッサの一部であってもよく、プロセッサとネットワーク化されていてもよく、且つ/又はプロセッサから着脱自在であってもよい。実行のために1つ又は複数の一時的ではないコンピュータ可読ストレージ媒体内においてエンコードされたロジックは、プログラムされたプロセッサ550、650、1350、1550によって実行可能であり、且つ、コンピュータ可読ストレージ媒体、メモリ、又はこれらの組合せ上において提供される命令として定義される。
【0115】
メモリ552、652、1352、1552は、プログラムされたプロセッサ550、650、1350、1550によって実行可能な命令を表すデータをその内部において保存された状態で有するコンピュータ可読ストレージ媒体であってもよい。メモリ552、652、1352、1552は、プロセッサ550、650、1350、1550用の命令を保存してもよい。プロセッサ550、650、1350、1550は、命令によってプログラムされてもよく、且つ、命令を実行してもよい。図面において図示されると共に本明細書において記述されている機能、動作、方法、タスクは、プログラムされたプロセッサ550、650、1350、1550がメモリ552、652、1352、1552内に保存されている命令を実行することにより、実行されてもよい。機能、動作、方法、又はタスクは、特定のタイプの命令セット、ストレージ媒体、プロセッサ、又は処理方式とは独立したものであってもよく、且つ、単独で又は組合せにおいて動作するソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコード、及びこれらに類似したものによって実行されてもよい。命令は、本明細書に記述されているプロセス、技法、方法、又は動作を実装するためのものであってもよい。
【0116】
図16は、電気外科手技の実行のために患者内部の治療部位において位置決めされた医療装置に対するRFエネルギーの伝送を制御するべくRF生成器に結合された制御ユニットを動作させる別の例示用の方法1600のフローチャートを示している。ブロック1602において、制御ユニットのコントローラは、N個の出力端子のうちのいずれを制御ユニットの出力経路に結合するのかを識別してもよく、ここで、Nは、3以上である。それぞれの出力端子は、医療装置のN個の電極のうちの1つに電気的に結合されてもよい。いずれの出力端子を結合するのかの判定は、電気外科手技の実行の際に治療の対象である組織の合計エリアの異なる部分を治療するべく代替的に起動されるN個の電極のうちの異なるペアを識別しうる治療サイクル又は方式に基づいたものであってもよい。又、治療サイクル又は方式は、電極の異なるペアを起動するべき順序を識別してもよい。
【0117】
ブロック1604において、コントローラは、制御信号を選択回路に出力してもよい。制御信号に応答して、選択回路は、ブロック1602において識別されたもう1つの出力端子を出力経路に対して選択的に結合するための望ましい状態に構成されてもよい。ブロック1606において、制御ユニットのスイッチング回路は、閉路され、且つ、RFエネルギーは、制御ユニットによって受け取られてもよく、且つ、制御ユニットを通じて、医療装置に伝達されてもよい。ブロック1608において、コントローラは、所定の期間を開始してもよく、且つ、コントローラは、医療装置に対して制御ユニットを通じて伝達されるRFエネルギーの算出を開始してもよい。所定の期間のスタートは、RFエネルギーが電極に対して印加される際の初期時刻を通知しうる。
【0118】
ブロック1610において、コントローラは、所定の期間が満了したかどうかを判定してもよい。所定の期間が満了している場合には、ブロック1612において、コントローラは、スイッチング回路を開路してもよい。又、所定の期間が満了している場合には、ブロック1612において、制御ユニットの出力モジュールは、所定の期間の満了を通知するエラーメッセージを出力してもよい。或いは、この代わりに、所定の期間が満了していない場合には、ブロック1614において、コントローラは、電極に供給されるRFエネルギーが閾値に到達しているかどうかを判定してもよい。この判定は、コントローラのエネルギー計測モジュールによって実施されるエネルギー計測に基づいたものであってもよく、エネルギー計測モジュールは、RFエネルギーが医療装置に供給されるのに伴ってRFエネルギーを計測しうる。供給されるRFエネルギーが閾値に到達していない場合には、方法1600は、ブロック1610に戻ってもよく、ここで、コントローラは、所定の期間が満了したかどうかを判定してもよい。或いは、この代わりに、ブロック1614において、供給されるRFエネルギーが閾値に到達している場合には、ブロック1616において、コントローラは、スイッチング回路を開路してもよい。
【0119】
ブロック1618において、コントローラは、電気外科手技回数及び/又はRFエネルギーの供給又はパルスが医療装置に供給された回数を通知するカウンタを増分するかどうかを判定してもよい。カウントは、出力モジュールによって表示されてもよい。判定は、RFエネルギーが閾値に到達することに基づいたものであってもよい。更には、判定は、既定の治療サイクル又は方式が終了したかどうかに基づいたものであってもよい。例えば、治療サイクル又は方式が完了した状態になく、且つ、治療サイクル又は方式を完了させるために起動を要する電極のその他のペアが存在している場合には、コントローラは、カウントを増分しないように判定してもよい。或いは、この代わりに、治療サイクル又は方式が完了状態にある場合には、コントローラは、カウントを増分するように判定してもよい。或いは、この代わりに、コントローラは、供給されるRFエネルギーが閾値レベルに到達したことに応答して、且つ、サイクル又は方式の考慮を伴うことなしに、スイッチング回路がターンオフされた際にカウントを増分するように判定してもよい。
【0120】
コントローラがカウントを増分するように判定した場合には、ブロック1620において、カウントは、増分されてもよく、且つ、増分されたカウントは、出力モジュールによって表示されてもよい。次いで、方法1600は、ブロック1622に進んでもよい。或いは、この代わりに、コントローラがカウントを増分しないと判定した場合には、方法1600は、直接的にブロック1622に進んでもよい。ブロック1622において、コントローラは、治療サイクル又は方式に従って電極のその他の又は次のペアを起動する必要があるかどうかを判定してもよい。起動する必要がある場合には、方法1600は、ブロック1602に戻ってもよく、ここで、コントローラは、N個の出力端子のうちのいずれを出力経路に結合するべきかを識別してもよい。或いは、この代わりに、治療サイクル又は方式に従って起動するべき電極の更なるペアが存在していない場合には、ブロック1624において、コントローラは、次の又は別の治療サイクル又は方式に従ってN個の電極を起動する必要があるかどうかを判定してもよい。起動する必要がある場合には、方法1600は、ブロック1602に戻ってもよい。起動する必要がない場合には、方法1600は、ブロック1626において終了してもよい。
【0121】
本発明の様々な実施形態に関する以上の説明は、例示及び説明を目的として提示されたものである。これは、本発明のすべてを網羅することを意図したものではなく、且つ、本発明を開示されている実施形態そのままに限定することを意図したものでもない。以上の教示内容に鑑み、多数の変更形態又は変形形態が可能である。説明した実施形態は、本発明の原理及びその実際的な用途の最良の例示を提供し、これにより、当業者が、本発明の様々な実施形態において、且つ、想定される特定の使用法に適した様々な変更を伴って、本発明を利用できるようにするべく、選択及び記述されたものである。このようなすべての変更形態及び変形形態は、公平に、合法的に、且つ、公正に付与される範囲に従って解釈された際に添付の請求項によって判定される本発明の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図6
図6A
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17