特許第6118436号(P6118436)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6118436
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】ゲーム方法およびゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/812 20140101AFI20170410BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20170410BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20170410BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20170410BHJP
   A63F 13/577 20140101ALI20170410BHJP
【FI】
   A63F13/812 D
   A63F13/30
   A63F13/58
   A63F13/55
   A63F13/577
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-74120(P2016-74120)
(22)【出願日】2016年4月1日
【審査請求日】2016年6月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 陽平
【審査官】 ▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−179934(JP,A)
【文献】 特開2007−244523(JP,A)
【文献】 特開2003−079938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ィスプレイに表示されるプレイヤキャラクタおよび前記プレイヤキャラクタの対戦相手である相手キャラクタが移動体を打ち合うスポーツゲームを実行するゲーム方法であって、
ーザの操作に基づいて制御される前記プレイヤキャラクタおよび記相手キャラクタのそれぞれに対して第一パラメータと複数の第二パラメータを設定するステップと、
前記プレイヤキャラクタを動作させることにより、前記プレイヤキャラクタに関連付けられた前記第一パラメータを変動させるステップと、
前記相手キャラクタを動作させることにより、前記相手キャラクタに関連付けられた前記第一パラメータを変動させるステップと、
前記相手キャラクタに打たれた前記移動体の球種に応じて、複数の前記第二パラメータのうち比較対象とする特定パラメータを決定するステップと、
前記プレイヤキャラクタが前記相手キャラクタに打たれた前記移動体を打ち返したときに、前記プレイヤキャラクタに関連付けられた前記特定パラメータと前記相手キャラクタに関連付けられた前記特定パラメータとを比較し、前記特定パラメータの差を特定するステップと、
前記差に基づいて、前記プレイヤキャラクタに関連付けられた前記第一パラメータを変動させる量を決定するステップと、
を含む、ゲーム方法。
【請求項2】
前記プレイヤキャラクタが前記移動体を打ち返すための前記ユーザの操作が入力されるタイミングに基づいて、前記第一パラメータの変動量を決定する、請求項1に記載のゲーム方法。
【請求項3】
前記相手キャラクタに打たれた前記移動体の球種と、前記プレイヤキャラクタが前記相手キャラクタに打たれた前記移動体を打ち返す際の前記移動体の球種と、の組み合わせに基づいて、前記第一パラメータの変動量を決定する、請求項1または2に記載のゲーム方
法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のゲーム方法をコンピュータに実行させるためのゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザが操作するキャラクタと対戦相手のキャラクタとが移動体を打ちあって対戦する競技を行うゲームを制御するためのゲーム方法およびゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザが操作するキャラクタと対戦相手のキャラクタとがボールを打ちあって対戦するテニスゲームを行うためのゲームプログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−97682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のゲームプログラムにおいては、対戦試合中のキャラクタの精神的・肉体的な状態を表示するCゲージ値を表示し、当該Cゲージ値に基づいて対応するキャラクタの球の重さおよびグリップ力の設定値が補正される。特許文献1では、Cゲージ値の設定により試合の有利および不利に影響を与えるが、ゲームの娯楽性を高めるための各種パラメータの設定には更なる改良の余地がある。
【0005】
本開示は、娯楽性をいっそう高めることができるゲーム方法およびゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示が示すゲーム方法は、
ユーザの操作に従って、ディスプレイに表示されるプレイヤキャラクタが移動体を打ち合うスポーツゲームを実行するゲーム方法であって、
前記ユーザの操作に基づいて制御されるプレイヤキャラクタおよび前記プレイヤキャラクタの対戦相手である相手キャラクタのそれぞれに対して第一パラメータと複数の第二パラメータを設定するステップと、
前記プレイヤキャラクタを動作させることにより、前記プレイヤキャラクタに関連付けられた前記第一パラメータを変動させるステップと、
前記相手キャラクタを動作させることにより、前記相手キャラクタに関連付けられた前記第一パラメータを変動させるステップと、
前記相手キャラクタに打たれた前記移動体の種類に応じて、複数の前記第二パラメータのうち比較対象とする特定パラメータを決定するステップと、
前記プレイヤキャラクタが前記相手キャラクタに打たれた前記移動体を打ち返したときに、前記プレイヤキャラクタに関連付けられた前記特定パラメータと前記相手キャラクタに関連付けられた前記特定パラメータとを比較し、前記特定パラメータの差を特定するステップと、
前記差に基づいて、前記プレイヤキャラクタに関連付けられた前記第一パラメータを変動させる量を決定するステップと、
を含む。
【0007】
また、本開示が示すゲームプログラムは、
上記に記載のゲーム方法をコンピュータに実行させるためのゲームプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、娯楽性をいっそう高めることができるゲーム方法およびゲームプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るユーザ端末を示す図である。
図2】本実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成を示す図である。
図3】本実施形態に係るユーザ端末の機能ブロック図である。
図4】本実施形態に係るユーザ端末のタッチパネル上に表示されるテニスゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図5】プレイヤキャラクタの打撃時におけるパラメータの変動量に関するテーブルである。
図6】本実施形態に係るゲージ制御部の制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示が示す実施形態の説明]
最初に、本開示が示す実施形態の内容を列記して説明する。本実施形態のゲーム方法およびゲームプログラムは、以下のような構成を備える。
【0011】
(項目1)
一実施形態に係るゲーム方法は、
ユーザの操作に従って、ディスプレイに表示されるプレイヤキャラクタが移動体を打ち合うスポーツゲームを実行するゲーム方法であって、
前記ユーザの操作に基づいて制御されるプレイヤキャラクタおよび前記プレイヤキャラクタの対戦相手である相手キャラクタのそれぞれに対して第一パラメータと複数の第二パラメータを設定するステップと、
前記プレイヤキャラクタを動作させることにより、前記プレイヤキャラクタに関連付けられた前記第一パラメータを変動させるステップと、
前記相手キャラクタを動作させることにより、前記相手キャラクタに関連付けられた前記第一パラメータを変動させるステップと、
前記相手キャラクタに打たれた前記移動体の種類に応じて、複数の前記第二パラメータのうち比較対象とする特定パラメータを決定するステップと、
前記プレイヤキャラクタが前記相手キャラクタに打たれた前記移動体を打ち返したときに、前記プレイヤキャラクタに関連付けられた前記特定パラメータと前記相手キャラクタに関連付けられた前記特定パラメータとを比較し、前記特定パラメータの差を特定するステップと、
前記差に基づいて、前記プレイヤキャラクタに関連付けられた前記第一パラメータを変動させる量を決定するステップと、
を含む。
この構成によれば、第一パラメータの変動量を対戦相手の打った移動体の種類と連動させることで、娯楽性をいっそう高めることができるゲーム方法が提供される。
【0012】
(項目2)
前記プレイヤキャラクタが前記移動体を打ち返すための前記ユーザの操作が入力されるタイミングに基づいて、前記第一パラメータの変動量を決定することが好ましい。
【0013】
(項目3)
前記相手キャラクタに打たれた前記移動体の種類と、前記プレイヤキャラクタが前記相手キャラクタに打たれた前記移動体を打ち返す際の前記移動体の種類と、の組み合わせに基づいて、前記第一パラメータの変動量を決定することが好ましい。
【0014】
これらの構成によれば、ゲーム性がいっそう向上されたゲーム方法が提供される。
【0015】
(項目4)
一実施形態に係るゲームプログラムは、
項目1から3に記載のゲーム方法をコンピュータに実行させるためのゲームプログラムである。
この構成によれば、娯楽性をいっそう高めることができるゲームプログラムが提供される。
【0016】
[本開示が示す実施形態の詳細]
本開示が示す実施形態に係るゲーム方法およびゲームプログラムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0017】
本実施形態に係るゲーム方法およびゲームプログラムは、ユーザが操作するキャラクタ(以下、プレイヤキャラクタと称する)と、コンピュータが制御するあるいは別のユーザが操作する対戦相手のキャラクタ(以下、相手キャラクタと称する)とが、移動体を打ち合う形式のスポーツゲームを実現する。スポーツの種類は、例えば、テニス、卓球、バドミントン、バレーボールなど、互いに移動体を打ち合うものである。以下の実施形態では、テニスゲームを提供するための構成について説明する。
【0018】
本開示が示す実施形態によるゲームプログラムは、図1に示されるように、タッチパネル2(ディスプレイの一例)を備えたユーザ端末1において実行されるものである。ユーザは、タッチパネル2を介してプレイヤキャラクタを操作することができる。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ等の携帯可能な端末であってもよいし、パーソナルコンピュータ、ビデオゲーム機器等であってもよい。
【0019】
図2に示されるように、ユーザ端末1は、ハードウェア構成として、互いにバス接続されたCPU(Central Processing Unit)3、主記憶4、補助記憶5、送受信部6、表示部7及び入力部8を備えている。このうち主記憶4は例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などで構成されており、補助記憶5は例えばHDD(Hard Disk Drive)などで構成されている。補助記憶5には、本実施の形態によるゲームプログラムが格納されている。ゲームプログラムは、主記憶4上に展開されCPU3によって実行される。なお、主記憶4上には、CPU3がゲームプログラムに従って動作している間に生成したデータやCPU3によって利用されるデータも一時的に格納される。送受信部6はCPU3の制御によりユーザ端末1とネットワークとの接続を確立する。入力部8は、タッチパネル2である表示部7に対するユーザの操作を検知して、ユーザ端末1に対して何らかの操作があったことを検知する。
【0020】
図3は、本実施形態に係るユーザ端末1の機能ブロック図を示す。本実施の形態における表示部7および入力部8は上述したタッチパネル2に相当し、タッチパネル2は、図3に示されるように、入力部8に相当するタッチセンシング部10と表示部7に相当する液晶表示部20とを有している。タッチパネル2は、ユーザのタッチ操作(タッチパネル2における物理的接触操作等)を受け付け、制御部30の制御に基づいてユーザ操作に対応する画像を液晶表示部20に表示する。具体的には、タッチセンシング部10はユーザによるタッチ操作に応じた操作信号を制御部30へ出力する。タッチ操作は、ユーザの指によりなされても良いし、スタイラス等でも良い。
【0021】
制御部30は、タッチセンシング部10が受け付けたユーザからの指示に基づいてゲームプログラムを実行し、ゲーム世界においてテニスプレイヤーとして機能するプレイヤキャラクタの動作を制御しつつ、テニスゲームを進行させる。また、制御部30は、ゲームの進行に応じてパラメータ保持部40に記憶されたパラメータ情報を読み出してプレイヤキャラクタの動作を制御する。
【0022】
パラメータ保持部40は、プレイヤキャラクタおよび相手キャラクタの種別やレベルなどのほか、移動速度、スタミナ、コントロール、ショットのタイミング(打撃精度)、球種、球速などを決定する各種のパラメータ(基本パラメータ)を保持する。パラメータ保持部40には、複数のプレイヤキャラクタについて、各プレイヤキャラクタの動作を制御するための基本パラメータが予め格納されている。ゲームの開始時に、プレイヤキャラクタの種別と、相手キャラクタの種別が選択されると、制御部30は、パラメータ保持部40から、選択されたプレイヤキャラクタおよび相手キャラクタの基本パラメータを読み出す。
【0023】
制御部30は、移動制御部31、打撃制御部32、およびゲージ制御部33を備えている。以下に詳述するように、制御部30は、タッチパネル2上でのユーザの各種操作(タップ操作、フリック操作、スワイプ操作、長押し操作など)に基づいて、プレイヤキャラクタの挙動を制御する。
【0024】
図4は、本実施形態に係るユーザ端末1のタッチパネル2上に表示されるテニスゲームのゲーム画面の一例を示す。図4に示すように、ゲーム画面50にはテニスコートが表されるとともに、プレイヤキャラクタ52と相手キャラクタ54とボール56(移動体の一例)とが表示される。プレイヤキャラクタ52は、ユーザ端末1のユーザによって操作されるゲームキャラクタであり、相手キャラクタ54はCPU3または対戦相手ユーザによって操作されるゲームキャラクタである。ユーザは、相手キャラクタ54が自コート58a内に向けて打ってきたボール56をプレイヤキャラクタ52に相手コート58b内に向けて打ち返させるべく、プレイヤキャラクタ52を操作する。
【0025】
プレイヤキャラクタ52の近傍にはプレイヤキャラクタ52の現在のスタミナ量(第一パラメータの一例)を示すスタミナゲージ62が表示されており、相手キャラクタ54の近傍には相手キャラクタ54の現在のスタミナ量を示すスタミナゲージ64が表示されている。これらのスタミナゲージ62,64はラリー中の各キャラクタ52,54の運動量に伴って減少し、一回のラリーが終わると一定量回復する。
【0026】
移動制御部31は、タッチセンシング部10からの制御信号に基づいてプレイヤキャラクタ52の移動を制御する。ユーザがタッチパネル2に表示されたプレイヤキャラクタ52に対してスワイプ操作(タッチパネル2上において接触点を移動させる操作)を行うと、移動制御部31は、ユーザがスワイプする方向にプレイヤキャラクタ52を移動させる。移動制御部31は、パラメータ保持部40に保持されているプレイヤキャラクタ52の運動能力を示す基本パラメータに基づいてプレイヤキャラクタ52の移動速度を決定する。また、移動制御部31は、プレイヤキャラクタ52のスタミナゲージ62および/または相手キャラクタ54のスタミナゲージ64が閾値以下に減少したら、プレイヤキャラクタ52および/または相手キャラクタ54の移動速度が低下するように制御する。
【0027】
打撃制御部32は、プレイヤキャラクタ52によるボール56の打撃および打撃されたボール56の挙動を制御する。打撃制御部32は、特にプレイヤキャラクタ52と相手キャラクタ54とがラリー中に、相手キャラクタ54が打ったボール56を打ち返す際のプレイヤキャラクタ52の打撃を制御する。本ゲームプログラムにおいては、ラリー中にユーザがプレイヤキャラクタ52をフリック(またはスワイプ)すると、打撃制御部32は、プレイヤキャラクタ52にボール56を打撃する動作を実行させる。打撃制御部32は、ユーザのフリック操作が入力されたときのボール56の位置や高さ、プレイヤキャラクタ52の位置などに基づいて、プレイヤキャラクタ52のラケットにボール56が当たるか否か、すなわち打撃が成功するか否かを判定する。なお、打撃制御部32は、打撃の成否を判定する際に、プレイヤキャラクタ52のラケットが届く範囲を示すパラメータなどを参照してもよい。
【0028】
ボール56がラケットに当たった場合は、打撃制御部32は、打球の方向、球種、球速、球威などを決定し、ボール56の挙動を制御する。具体的には、打撃制御部32は、フリック方向に基づいて打球の方向を決定する。例えば、ユーザが上方向にフリックした場合は、相手コート58b内の中央部に設定された基準点P1が着弾点と決定され、左方向にフリックした場合は相手コート58b内の左側に設定された基準点P2が着弾点と決定され、右方向にフリックした場合は相手コート58b内の右側に設定された基準点P3が着弾点と決定される。また、打撃制御部32は、ユーザのフリック方向に基づいて、球種として、例えば、トップスピン、スライス、フラット、ロブのいずれかを決定する。例えば、フリック方向が上方向あるいは左右方向の場合、トップスピンあるいはフラットショットとなり、フリック方向が下方向の場合は、ロブショットとなる。
【0029】
打撃制御部32は、打撃のタイミング、プレイヤキャラクタ52の基本パラメータ(例えば、運動能力やスタミナなど)、相手キャラクタ54が打ったボール56の球威、相手キャラクタ54の球種に対してプレイヤキャラクタ52がどの球種で打ち返すかという球種の組合せなどに応じて、ボール56の球速と球威を決定する。このとき、打撃制御部32は、打撃タイミングや基本パラメータに応じて、フリック方向に基づいて設定された各基準点P1〜P3からのズレ量を算出し、算出したズレ量に基づいて、ボールの実際の着弾点を設定された各基準点P1〜P3からランダムにずらす。例えば、プレイヤキャラクタ52のスタミナが低下した場合や、相手キャラクタ54のショットの球威が高かった場合、相手キャラクタ54のショットの球種に対してプレイヤキャラクタ52のショットの球種が適切でなかった場合などに、各基準点P1〜P3からのズレ量を大きくしても良い。
【0030】
さらに、ボール56がラケットに当たった場合は、ゲージ制御部33は、パラメータ保持部40に保持されている図5のゲージ変動テーブルを読み出し、ゲージ変動テーブルに基づいてスタミナゲージ62の減少量(第一パラメータの変動量の一例)を決定する。図5に示すように、ゲージ変動テーブルは、「相手の球種」、「参照パラメータ」、「ダメージ率」、「得意球種」、および「減少率」がそれぞれ関連付けられて登録されている。「相手の球種」は、相手プレイヤがボール56を打った際の球種であって、図5では、「トップスピンまたはフラットまたはスマッシュ」、「スライスまたはロブまたはドロップ」、「サーブ」に分けられている。「参照パラメータ」では、プレイヤキャラクタ52および相手キャラクタ54の基本パラメータに含まれる複数のパラメータ(複数の第二パラメータの一例)のうち、比較対象となる特定パラメータ(例えば、ストローク、テクニック、サーブ適正)が設定されている。「ダメージ率」では、特定パラメータにおけるプレイヤキャラクタ52と相手キャラクタ54との差に応じて決定されるプレイヤキャラクタ52のスタミナ減少量を設定している。「得意球種」では、「相手の球種」に関連付けられて、プレイヤキャラクタ52がボール56を打ち返す際の球種が設定されている。「減少率」は、「相手の球種」に関連付けられて登録された「得意球種」によりプレイヤキャラクタ52がボール56を打ち返したときに、プレイヤキャラクタ52のスタミナ減少量(ダメージ量)を減らすための減少率が設定されている。
【0031】
図6は、本ゲームプログラムにおける処理、特にゲージ制御部33の制御処理を示すフローチャートである。
まず、本ゲームプログラムが開始されると、ゲージ制御部33は、プレイヤキャラクタ52および相手キャラクタ54のそれぞれに対してスタミナゲージ62,64に表示されるスタミナ量、およびスタミナの減少量を決定するための比較対象となる複数のパラメータ(例えば、ストローク、テクニック、スピードなど)を設定する(ステップS101)。そして、ゲージ制御部33は、プレイヤキャラクタ52の動作に応じてプレイヤキャラクタ52に関連付けられたスタミナゲージ62を変動させるとともに、相手キャラクタ54の動作に応じて相手キャラクタ54に関連付けられたスタミナゲージ64を変動させる(ステップS102)。例えば、ゲージ制御部33は、プレイヤキャラクタ52の運動量に伴ってスタミナゲージ62を減少させるとともに、相手キャラクタ54の運動量に伴ってスタミナゲージ64を減少させる。
【0032】
続いて、ゲージ制御部33は、相手キャラクタ54がボール56を打ったか否かを判定する(ステップS103)。相手キャラクタ54がボール56を打っていないと判定された場合には(ステップS103のNo)、ステップS103に戻る。一方、相手キャラクタ54がボール56を打ったと判定された場合には(ステップS103のYes)、ゲージ制御部33は、パラメータ保持部40に保持されているゲージ変動テーブル(図6参照)を読み出す(ステップS104)。
【0033】
続いて、ゲージ制御部33は、読み出したゲージ変動テーブルに基づいて、相手キャラクタ54に打たれたボール56の球種に応じて複数の参照パラメータのうち比較対象とする特定パラメータを決定する(ステップS105)。例えば、相手キャラクタ54が打ったボール56の球種(「相手の球種」)がスマッシュである場合には、ゲージ制御部33は、ゲージ変動テーブルの「参照パラメータ」に基づいて、ストロークを比較対象となる特定パラメータと決定する。
【0034】
続いて、ゲージ制御部33は、プレイヤキャラクタ52が相手キャラクタ54に打たれたボール56を打ち返したか否かを判定する(ステップS106)。プレイヤキャラクタ52がボール56を打ち返していないと判定された場合には(ステップS106のNo)、ステップS106へ戻る。一方、プレイヤキャラクタ52がボール56を打ち返したと判定された場合には(ステップS106のYes)、ゲージ制御部33は、プレイヤキャラクタ52に関連付けられた特定パラメータと相手キャラクタ54に関連付けられた特定パラメータとを比較して、当該特定パラメータの差を特定する(ステップS107)。例えば、ストロークが特定パラメータと決定された場合には、ゲージ制御部33は、プレイヤキャラクタ52のストロークのパラメータ値と相手キャラクタ54のストロークのパラメータ値の差を特定する。
【0035】
続いて、ゲージ制御部33は、特定パラメータの差に基づいて、プレイヤキャラクタ52のスタミナゲージ62の変動量(例えば、ダメージ量)を決定する(ステップS108)。例えば、ストロークのパラメータ値の差が10である場合には、ゲージ制御部33は、ダメージ量を2ダメージと決定する。続いて、ゲージ制御部33は、プレイヤキャラクタ52がボール56を打ち返した時の球種が「得意球種」に含まれているか否かを判定する(ステップS109)。プレイヤキャラクタ52の球種が得意球種に含まれていない場合には(ステップS109のNo)、ゲージ制御部33は、ステップS107で決定したダメージ量に応じてスタミナゲージ62を減少させる(ステップS110)。一方、プレイヤキャラクタ52の球種が得意球種に含まれている場合には(ステップS109のYes)、ゲージ制御部33は、ゲージ変動テーブルに登録されているダメージ量の減少率を特定し、当該減少率に応じてダメージ量を決定する(ステップS111)。例えば、相手キャラクタ54の球種がスマッシュであるのに対して、プレイヤキャラクタ52の球種がドロップである場合には、ゲージ変動テーブルの「ダメージ率」にて決定された2ダメージのダメージ量に対して0.5の減少率を積算し、ダメージ量を1ダメージと決定する。そして、ゲージ制御部33は、決定されたダメージ量に応じてスタミナゲージ62を変動させる(ステップS110)。
【0036】
なお、ダメージ量の減少率は、プレイヤキャラクタ52がボール56を打ち返す際のショット操作の入力タイミングに応じて変動させても良い。入力タイミングは、ユーザのフリック操作が入力されたときのボール56の位置や高さ、プレイヤキャラクタ52の位置などに基づいて決定される。例えば、入力タイミングが最適である場合には、ダメージ量の減少率を大きくし、入力タイミングの早まりあるいは遅れに応じて減少率を小さくすることができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係るゲームプログラムで実行されるゲーム方法においては、相手キャラクタ54に打たれたボール56の球種に応じて、ゲージ変動テーブルにおいて設定される複数の参照パラメータのうち比較対象とする特定パラメータを決定し、プレイヤキャラクタ52が相手キャラクタ54に打たれたボール56を打ち返したときにプレイヤキャラクタ52に関連付けられた特定パラメータと相手キャラクタ54に関連付けられた特定パラメータとを比較して当該特定パラメータの差を特定し、当該差に基づいてプレイヤキャラクタ52のスタミナゲージ62を変動させる量を決定している。この構成によれば、スタミナゲージ62の変動量を相手キャラクタ54の球種と連動させることで、娯楽性や戦略性の高いゲーム方法を提供することができる。
【0038】
上記の実施形態は、本開示の理解を容易にするための例示に過ぎず、本開示を限定して解釈するためのものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本開示にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0039】
1:ユーザ端末、2:タッチパネル、3:CPU、4:主記憶、5:補助記憶、6:送受信部、7:表示部、8:入力部、10:タッチセンシング部、20:液晶表示部、30:制御部、31:移動制御部、32:打撃制御部、33:ゲージ制御部、40:パラメータ保持部、50:ゲーム画面、52:プレイヤキャラクタ、54:相手キャラクタ、56:ボール、58a:自コート、58b:相手コート、62,64:スタミナゲージ、P1〜P3:基準点
【要約】      (修正有)
【課題】娯楽性や戦略性の高いゲーム方法およびゲームプログラムを提供する。
【解決手段】プレイヤキャラクタが移動体を打ち合うスポーツゲームであって、プレイヤキャラクタおよび対戦相手の相手キャラクタの第一パラメータと第二パラメータを設定するステップS101と、プレイヤキャラクタを動作させてプレイヤキャラクタの第一パラメータを変動させ、相手キャラクタを動作させて、相手キャラクタの第一パラメータを変動させるステップS102と、相手キャラクタに打たれた移動体の種類に応じて、第二パラメータの特定パラメータを決定するステップS105と、プレイヤキャラクタが移動体を打ち返したときに、プレイヤキャラクタの特定パラメータと相手キャラクタの特定パラメータを比較し、特定パラメータの差を特定するステップS107と、差に基づいて、プレイヤキャラクタの第一パラメータを変動させる量を決定するステップS110と、を含む。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6