特許第6118445号(P6118445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6118445撮影対象の画像情報を生成するプログラム、装置、システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6118445
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】撮影対象の画像情報を生成するプログラム、装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20170410BHJP
   G06Q 30/08 20120101ALI20170410BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G06Q30/08
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-165726(P2016-165726)
(22)【出願日】2016年8月26日
【審査請求日】2016年8月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510306812
【氏名又は名称】株式会社サイバーブレーン
(74)【代理人】
【識別番号】100141313
【弁理士】
【氏名又は名称】辰巳 富彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 敬之
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−007630(JP,A)
【文献】 特開2004−289425(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0029346(US,A1)
【文献】 特開2004−046699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、該カメラからの画像を画面に表示可能な画像表示部とを備え、該カメラで撮影された画像に係る画像情報を保存可能な又は外部に送信可能な装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
撮影対象における複数の対象部分の各々に予め対応付けられた複数のガイド表示の各々を、前記画面に順次表示させるガイド表示制御手段と、
順次表示されるガイド表示毎に、当該ガイド表示が表示されているとき若しくは表示された直後に、前記カメラによる撮影が行われたか否か、又は前記カメラで撮影された画像が取得されたか否か、の判定を行い、当該ガイド表示に各々対応する複数の判定結果を生成する撮影判定手段と、
行われた判定毎に、当該判定で判定結果に基づいて、該判定に係る表示されたガイド表示に対応する対象部分の属性情報であって、該対象部分における所定の物理的要素、所定の構成又は所定の機能の有無についての属性情報を決定する属性情報決定手段と、
当該対象部分毎に、当該対象部分に対応付けられたガイド表示について撮影された画像が存在する場合には該画像と、当該対象部分について決定された属性情報とを当該対象部分に対応付けた対象画像情報であって、当該撮影対象における個々の対象部分毎に決定された属性情報を含む対象画像情報を生成する対象画像情報生成手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする対象画像情報生成プログラム。
【請求項2】
当該撮影対象は複数の種別に分類されるものであり、
前記装置は、当該種別毎に、当該種別の撮影対象の対象部分に対応付けられた複数のガイド表示のセットを、当該種別に予め対応付けて保存するガイド表示保存部を更に有し、
前記ガイド表示制御手段は、当該撮影対象の種別に対応付けられたガイド表示のセットに含まれるガイド表示の各々を順次表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の対象画像情報生成プログラム。
【請求項3】
前記ガイド表示制御手段は、当該撮影対象の周囲を戻ることなく一回りすることによっても当該複数のガイド表示に対応する当該複数の対象部分を撮影できるような順番をもって、当該複数のガイド表示の各々を表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の対象画像情報生成プログラム。
【請求項4】
前記ガイド表示制御手段は、当該対象部分に予め対応付けられたテキスト情報を、該対象部分に予め対応付けられたガイド表示とともに表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の対象画像情報生成プログラム。
【請求項5】
当該撮影対象の対象部分又は該撮影対象に係る書類が、該撮影対象の属性に係るテキスト情報を含む場合に、該対象部分又は該書類を撮影した画像に含まれるテキスト情報を抽出し、抽出されたテキスト情報に基づいて当該属性についての属性情報を生成する属性情報生成手段としてコンピュータを更に機能させ、
前記対象画像情報生成手段は、生成された属性情報を含む対象画像情報を生成する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の対象画像情報生成プログラム。
【請求項6】
ユーザによる対象部分の追加の指示を受け付け、当該指示に係る対象部分に対応付けられるガイド表示として、新たなガイド表示を生成する、又は予め準備された候補ガイド表示を割り当てるガイド表示追加手段としてコンピュータを更に機能させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の対象画像情報生成プログラム。
【請求項7】
当該撮影対象は自動車であって、当該ガイド表示は自動車の対象部分を模した透かし図形画像であり、
前記属性情報決定手段は、当該判定が真の判定である場合に、該判定に係る表示された透かし図形画像に対応する対象部分について、予め設定された所定の装備、構成又は機能を有するとの属性情報を決定する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の対象画像情報生成プログラム。
【請求項8】
カメラと、該カメラからの画像を画面に表示可能な画像表示部とを備え、該カメラで撮影された画像に係る画像情報を保存可能な又は外部に送信可能な装置であって、
撮影対象における複数の対象部分の各々に予め対応付けられた複数のガイド表示の各々を、前記画面に順次表示させるガイド表示制御手段と、
順次表示されるガイド表示毎に、当該ガイド表示が表示されているとき若しくは表示された直後に、前記カメラによる撮影が行われたか否か、又は前記カメラで撮影された画像が取得されたか否か、の判定を行い、当該ガイド表示に各々対応する複数の判定結果を生成する撮影判定手段と、
行われた判定毎に、当該判定で判定結果に基づいて、該判定に係る表示されたガイド表示に対応する対象部分の属性情報であって、該対象部分における所定の物理的要素、所定の構成又は所定の機能の有無についての属性情報を決定する属性情報決定手段と、
当該対象部分毎に、当該対象部分に対応付けられたガイド表示について撮影された画像が存在する場合には該画像と、当該対象部分について決定された属性情報とを当該対象部分に対応付けた対象画像情報であって、当該撮影対象における個々の対象部分毎に決定された属性情報を含む対象画像情報を生成する対象画像情報生成手段と
を有することを特徴とする対象画像情報生成装置。
【請求項9】
カメラと、該カメラからの画像を画面に表示可能な画像表示部とを備え、該カメラで撮影された画像に係る画像情報を送信可能な端末と、当該画像情報を受信可能なサーバとを備えたシステムであって、
前記端末は、
撮影対象における複数の対象部分の各々に予め対応付けられた複数のガイド表示の各々を、前記画面に順次表示させるガイド表示制御手段と、
順次表示されるガイド表示毎に、当該ガイド表示が表示されているとき若しくは表示された直後に、前記カメラによる撮影が行われたか否か、又は前記カメラで撮影された画像が取得されたか否か、の判定を行い、当該ガイド表示に各々対応する複数の判定結果を生成する撮影判定手段と、
行われた判定毎に、当該判定で判定結果に基づいて、該判定に係る表示されたガイド表示に対応する対象部分の属性情報であって、該対象部分における所定の物理的要素、所定の構成又は所定の機能の有無についての属性情報を決定する属性情報決定手段と、
当該対象部分毎に、当該対象部分に対応付けられたガイド表示について撮影された画像が存在する場合には該画像と、当該対象部分について決定された属性情報とを当該対象部分に対応付けた対象画像情報であって、当該撮影対象における個々の対象部分毎に決定された属性情報を含む対象画像情報を生成する対象画像情報生成手段と
を有し、
前記サーバは、受信された対象画像情報に基づいて、各対象部分について撮影された画像が存在する場合には該画像と、各対象部分について決定された属性情報とを用いて、当該撮影対象の状態を提示する対象提示情報を生成し、当該対象提示情報を外部に配信する
ことを特徴とする対象情報提示システム。
【請求項10】
カメラと、該カメラからの画像を画面に表示可能な画像表示部とを備え、該カメラで撮影された画像に係る画像情報を保存可能な又は外部に送信可能な装置における方法であって、
撮影対象における複数の対象部分の各々に予め対応付けられた複数のガイド表示の各々を、前記画面に順次表示させ、
順次表示されるガイド表示毎に、当該ガイド表示が表示されているとき若しくは表示された直後に、前記カメラによる撮影が行われたか否か、又は前記カメラで撮影された画像が取得されたか否か、の判定を行って、当該ガイド表示に各々対応する複数の判定結果を生成し
行われた判定毎に、当該判定で判定結果に基づいて、該判定に係る表示されたガイド表示に対応する対象部分の属性情報であって、該対象部分における所定の物理的要素、所定の構成又は所定の機能の有無についての属性情報を決定し、
当該対象部分毎に、当該対象部分に対応付けられたガイド表示について撮影された画像が存在する場合には該画像と、当該対象部分について決定された属性情報とを当該対象部分に対応付けた対象画像情報であって、当該撮影対象における個々の対象部分毎に決定された属性情報を含む対象画像情報を生成する
ことを特徴とする対象画像情報生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影対象のカメラ画像に係る情報を生成し処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、広く普及しているスマートフォン等の携帯端末は、通常、カメラを搭載している。従って、ユーザは、端末を携帯していれば常時、簡便に撮影を行うことができる。実際、趣味や仕事等に関連して種々の対象物をカメラで撮影し、その画像を様々な目的で所定のサーバにアップロードすることも少なくない。
【0003】
例えばネットオークションに出品する予定の衣服や家電等の所有品を携帯するスマートフォンで撮影し、その写真画像を、オークションサイトのサーバにアップロードすることがよく行われている。
【0004】
また、売買対象となる商品を、このように撮影された画像とともにウェブ(Web)サイトで紹介するシステムもビジネスで広く利用されている。例えば、特許文献1に記載されているような、ネット上での選択及び取引を容易に行うための中古車販売支援システムが公知である。このシステムでは、買い取った車体を撮影して中古車情報を作成し、車体の撮影画像を3D画像として処理しデータベースに保管して、保管された中古車情報に基づきウェブサイトを開設する各手段が設けられている。
【0005】
また、このシステムは、ユーザ端末に中古車総合カタログとして2D及び3D画像の中古車ファイルをダウンロード方式で配信し、3D画像フアィルに対してブラウザ側で編集操作できるアプレット情報及びツール情報を付与し、携帯型映像・音声サーバと遠隔操作可能な撮影ロボットとを用いて撮影及び編集を行い、ユーザ端末から要求された購入予定中古車の2D又は3D画像を双方向接続により動画像としてライブ配信し、ユーザ端末からの受注を確認して配車・課金手続きを行う各手段も備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−257559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来技術においても、ユーザや事業者にとって、サイトに掲載するのに適した対象商品の画像を効率良く生成(撮影)し、また、対象商品の掲載すべき特徴点を効果的に抽出する作業を行うことは、依然困難であった。
【0008】
例えば、特許文献1に記載されたシステムでは、事業者は、買い取った中古車を撮影して中古車情報を作成する際に、例えばスマートフォン等を使用して簡便に3D画像を作成するといったことはできない。また、2D画像を出力するにしても、サイト掲載に適した画像をどのように選択するかの判断は容易ではない。
【0009】
さらに、中古車情報として掲載すべき中古車の特徴点、例えばエアコンやサイドエアバック、さらにはバックモニタ等の装備が存在するか否かといった点については、依然、人手によるチェックに全面的に頼らざるをえない。
【0010】
また、例えば、売買対象の中古車を検索サイトに掲載してユーザに紹介する中古車販売ビジネスの現場では、買い取った中古車についての様々なアングルからの写真を数多く準備する方が、検索するユーザにとってより好ましいことは認識されている。また、掲載すべき中古車の特徴点も数多くチェックして準備しておくことが好ましいことは業界で共有されている。しかしながら、実際には、非常に手間のかかる作業が必要となるので、そこまでの準備ができない場合も少なくない。
【0011】
すなわち、実際の現場では、撮影した中古車の写真画像をひとまず事務所のパーソナルコンピュータ(PC)に保存し、このPCにおいて、撮影した中古車の画像を処理したり、さらには撮影した中古車に関する装備等の特徴点の情報を手動で入力したりする作業が必要となる。取り扱う一台一台に対しこのような作業を終えて初めて、作成した中古車情報をサーバにアップロードすることができるのである。従って、写真画像と装備等の特徴点の情報とを準備することは、現場の業務において多大な負担となっているのが現状である。
【0012】
そこで、本発明は、撮影対象の画像とその特徴点とを含む対象画像情報を効率良く生成することができるプログラム、装置、システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、カメラと、このカメラからの画像を画面に表示可能な画像表示部とを備え、このカメラで撮影された画像に係る画像情報を保存可能な又は外部に送信可能な装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
撮影対象における複数の対象部分の各々に予め対応付けられた複数のガイド表示の各々を、画面に順次表示させるガイド表示制御手段と、
順次表示されるガイド表示毎に、当該ガイド表示が表示されているとき若しくは表示された直後に、カメラによる撮影が行われたか否か、又はカメラで撮影された画像が取得されたか否か、の判定を行い、当該ガイド表示に各々対応する複数の判定結果を生成する撮影判定手段と、
行われた判定毎に、当該判定で判定結果に基づいて、この判定に係る表示されたガイド表示に対応する対象部分の属性情報であって、この対象部分における所定の物理的要素、所定の構成又は所定の機能の有無についての属性情報を決定する属性情報決定手段と、
当該対象部分毎に、当該対象部分に対応付けられたガイド表示について撮影された画像が存在する場合にはこの画像と、当該対象部分について決定された属性情報とを当該対象部分に対応付けた対象画像情報であって、当該撮影対象における個々の対象部分毎に決定された属性情報を含む対象画像情報を生成する対象画像情報生成手段と
してコンピュータを機能させる対象画像情報生成プログラムが提供される。
【0014】
この本発明による対象画像情報生成プログラムの一実施形態として、
当該撮影対象は複数の種別に分類されるものであり、
上記の装置は、当該種別毎に、当該種別の撮影対象の対象部分に対応付けられた複数のガイド表示のセットを、当該種別に予め対応付けて保存するガイド表示保存部を更に有し、
ガイド表示制御手段は、当該撮影対象の種別に対応付けられたガイド表示のセットに含まれるガイド表示の各々を順次表示させることも好ましい。
【0015】
また、本発明による対象画像情報生成プログラムの他の実施形態として、ガイド表示制御手段は、当該撮影対象の周囲を戻ることなく一回りすることによっても当該複数のガイド表示に対応する当該複数の対象部分を撮影できるような順番をもって、当該複数のガイド表示の各々を表示させることも好ましい。
【0016】
さらに、本発明による対象画像情報生成プログラムの更なる他の実施形態として、ガイド表示制御手段は、当該対象部分に予め対応付けられたテキスト情報を、この対象部分に予め対応付けられたガイド表示とともに表示させることも好ましい。
【0017】
また、本発明による対象画像情報生成プログラムの更なる他の実施形態として、
本対象画像情報生成プログラムは、当該撮影対象の対象部分又はこの撮影対象に係る書類が、この撮影対象の属性に係るテキスト情報を含む場合に、この対象部分又はこの書類を撮影した画像に含まれるテキスト情報を抽出し、抽出されたテキスト情報に基づいて当該属性についての属性情報を生成する属性情報生成手段としてコンピュータを更に機能させ、
対象画像情報生成手段は、生成された属性情報を含む対象画像情報を生成することも好ましい。
【0018】
さらに、本発明による対象画像情報生成プログラムの更なる他の実施形態として、本対象画像情報生成プログラムは、ユーザによる対象部分の追加の指示を受け付け、当該指示に係る対象部分に対応付けられるガイド表示として、新たなガイド表示を生成する、又は予め準備された候補ガイド表示を割り当てるガイド表示追加手段としてコンピュータを更に機能させることも好ましい。
【0019】
また、本発明による対象画像情報生成プログラムにおいて、当該撮影対象は自動車であって、当該ガイド表示は自動車の対象部分を模した透かし図形画像であり、
属性情報決定手段は、当該判定が真の判定である場合に、この判定に係る表示された透かし図形画像に対応する対象部分について、予め設定された所定の装備、構成又は機能を有するとの属性情報を決定することも好ましい。
【0020】
本発明によれば、また、カメラと、このカメラからの画像を画面に表示可能な画像表示部とを備え、このカメラで撮影された画像に係る画像情報を保存可能な又は外部に送信可能な装置であって、
撮影対象における複数の対象部分の各々に予め対応付けられた複数のガイド表示の各々を、画面に順次表示させるガイド表示制御手段と、
順次表示されるガイド表示毎に、当該ガイド表示が表示されているとき若しくは表示された直後に、カメラによる撮影が行われたか否か、又はカメラで撮影された画像が取得されたか否か、の判定を行い、当該ガイド表示に各々対応する複数の判定結果を生成する撮影判定手段と、
行われた判定毎に、当該判定で判定結果に基づいて、この判定に係る表示されたガイド表示に対応する対象部分の属性情報であって、この対象部分における所定の物理的要素、所定の構成又は所定の機能の有無についての属性情報を決定する属性情報決定手段と、
当該対象部分毎に、当該対象部分に対応付けられたガイド表示について撮影された画像が存在する場合にはこの画像と、当該対象部分について決定された属性情報とを当該対象部分に対応付けた対象画像情報であって、当該撮影対象における個々の対象部分毎に決定された属性情報を含む対象画像情報を生成する対象画像情報生成手段と
を有する対象画像情報生成装置が提供される。
【0021】
本発明によれば、さらに、カメラと、このカメラからの画像を画面に表示可能な画像表示部とを備え、このカメラで撮影された画像に係る画像情報を送信可能な端末と、当該画像情報を受信可能なサーバとを備えたシステムであって、
上記の端末は、
撮影対象における複数の対象部分の各々に予め対応付けられた複数のガイド表示の各々を、画面に順次表示させるガイド表示制御手段と、
順次表示されるガイド表示毎に、当該ガイド表示が表示されているとき若しくは表示された直後に、カメラによる撮影が行われたか否か、又はカメラで撮影された画像が取得されたか否か、の判定を行い、当該ガイド表示に各々対応する複数の判定結果を生成する撮影判定手段と、
行われた判定毎に、当該判定で判定結果に基づいて、この判定に係る表示されたガイド表示に対応する対象部分の属性情報であって、この対象部分における所定の物理的要素、所定の構成又は所定の機能の有無についての属性情報を決定する属性情報決定手段と、
当該対象部分毎に、当該対象部分に対応付けられたガイド表示について撮影された画像が存在する場合にはこの画像と、当該対象部分について決定された属性情報とを当該対象部分に対応付けた対象画像情報であって、当該撮影対象における個々の対象部分毎に決定された属性情報を含む対象画像情報を生成する対象画像情報生成手段と
を有し、
サーバは、受信された対象画像情報に基づいて、各対象部分について撮影された画像が存在する場合にはこの画像と、各対象部分について決定された属性情報とを用いて、当該撮影対象の状態を提示する対象提示情報を生成し、当該対象提示情報を外部に配信する
ことを特徴とする対象情報提示システムが提供される。
【0022】
本発明によれば、さらにまた、カメラと、このカメラからの画像を画面に表示可能な画像表示部とを備え、このカメラで撮影された画像に係る画像情報を保存可能な又は外部に送信可能な装置における方法であって、
撮影対象における複数の対象部分の各々に予め対応付けられた複数のガイド表示の各々を、画面に順次表示させ、
順次表示されるガイド表示毎に、当該ガイド表示が表示されているとき若しくは表示された直後に、カメラによる撮影が行われたか否か、又はカメラで撮影された画像が取得されたか否か、の判定を行って、当該ガイド表示に各々対応する複数の判定結果を生成し
行われた判定毎に、当該判定で判定結果に基づいて、該判定に係る表示されたガイド表示に対応する対象部分の属性情報であって、この対象部分における所定の物理的要素、所定の構成又は所定の機能の有無についての属性情報を決定し、
当該対象部分毎に、当該対象部分に対応付けられたガイド表示について撮影された画像が存在する場合にはこの画像と、当該対象部分について決定された属性情報とを当該対象部分に対応付けた対象画像情報であって、当該撮影対象における個々の対象部分毎に決定された属性情報を含む対象画像情報を生成する
ことを特徴とする対象画像情報生成方法が提供される。
【発明の効果】
【0023】
本発明の対象画像情報生成プログラム、装置、システム及び方法によれば、撮影対象の画像とその特徴点とを含む対象画像情報を効率良く生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明による対象情報生成・提示システムの一実施形態を示す模式図である。
図2】本発明による対象画像情報生成装置の一実施形態における機能構成を示す機能ブロック図である。
図3】本発明に係るガイド表示についての一実施形態を示す模式図である。
図4】本発明に係る対象画像情報の生成についての一実施形態を示す模式図である。
図5】生成された対象画像情報の一実施例を示す模式図である。
図6】本発明による対象画像情報生成方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0026】
[対象情報提示システム]
図1は、本発明による対象情報提示システムの一実施形態を示す模式図である。
【0027】
図1によれば、本実施形態の対象情報提示システムは、
(a)対象画像情報生成装置としての1つ又は複数のスマートフォン1と、
(b)各情報管理会社の管理サーバ(図1ではA社管理サーバ21及びB社管理サーバ22)と、
(c)1つ又は複数の端末3と、
(d)管理サーバ((図1ではA社管理サーバ21)を操作・制御するための管理パーソナルコンピュータ(PC)4と
を備えている。ここで、スマートフォン1や端末3と、管理サーバ(21及び22)とは、アクセスネットワーク(事業者通信ネットワーク)及びインターネットを介して、又はローカル若しくはプライベートな通信ネットワークを介して通信接続されている。
【0028】
ここで、本実施形態においてスマートフォン1である対象画像情報生成装置は、このようなスマートフォンに限定されるものではない。この対象画像情報生成装置として、タブレット、PCやノート型コンピュータ等、情報処理端末であれば種々のものが採用可能である。また、この事情は端末3や管理PC4においても同様である。さらに、管理サーバの数(事業者の数)も、本実施形態における2つ(A社及びB社)に限定されるものではなく、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0029】
スマートフォン1は、カメラと、このカメラからの画像を画面に表示可能な画像表示部とを備えており、このカメラで撮影された画像に係る画像情報を、管理サーバ(21及び22)へ送信可能な端末である。ここで、スマートフォン1は、
(A)撮影対象(図1では中古車)における複数の対象部分の各々に予め対応付けられた複数の「ガイド表示」(後に示す図3では「透かしガイド」)の各々を、画面に順次表示させ、
(B)「ガイド表示」が表示されているとき若しくは表示された直後に、カメラによる撮影が行われたか否か、又はカメラで撮影された画像が取得されたか否か、の判定を行い、
(C)この判定の結果に基づいて、この判定に係る表示された「ガイド表示」に対応する対象部分の「属性情報」(後に示す図4では「装備情報」)を決定し、
(D)対象部分毎に、当該対象部分に対応付けられた「ガイド表示」について撮影された画像が存在する場合にはこの「画像」と、当該対象部分について決定された「属性情報(装備情報)」とを、当該対象部分に対応付けた「対象画像情報」(図1では「写真・装備データ」)を生成する
との技術的特徴を有している。
【0030】
ここで、上記(C)では具体的に、(B)での判定が真の判定である場合に、この真判定に係る表示された「ガイド表示(透かしガイド)」に対応する対象部分について、予め設定された所定の装備、構成又は機能を「有する」との「属性情報」を決定することができる。例えば、中古車における助手席エアバックを描いた透かしガイドを表示した際にカメラ撮影が行われたと判定した場合、「助手席エアバックを有する」との属性情報を決定してもよい。
【0031】
スマートフォン1は、このように生成された「写真・装備データ(対象画像情報)」をA社管理サーバ21及びB社管理サーバ22に送信する。ここで、送信先はこの2つに限定されるものではなく、いずれか一方だけでもよい。また、他の管理サーバを送信先に含んでいてもよい。
【0032】
A社管理サーバ21及びB社管理サーバ22の各々は、受信した「写真・装備データ(対象画像情報)」に基づき、各対象部分について撮影された画像が存在する場合にはこの「画像」と、各対象部分について決定された「属性情報(装備情報)」とを用いて、撮影対象(中古車)の状態を提示する「対象提示情報」(図1では「登録車両情報」)を生成し、外部の端末3に配信する。
【0033】
端末3は、受信した「対象提示情報(登録車両情報)」を、自らのディスプレイ画面に表示する。これにより、(端末3の)ユーザは、各社(A社やB社)で販売用として登録されている中古車に関する情報を取得することができる。この「登録車両情報(対象提示情報)」は、例えば、検索サイトにおいてユーザが検索した結果として画面に表示されてもよい。これにより、ユーザは、希望する中古車に関する情報を得て、所望の中古車を購入することが可能となる。
【0034】
以上、説明したように、スマートフォン1によれば、ユーザにとって有益な「対象提示情報(登録車両情報)」を生成するのに必要な「対象画像情報(写真・装備データ)」を、効率的に且つ簡便に生成することができる。具体的には、「ガイド表示(透かしガイド)」の各々を画面に順次表示させ、カメラ撮影についての判定を行うことによって「属性情報(装備情報)」を決定している。これにより、従来人手に全面的に頼ってきた「属性情報(装備情報)」の生成・決定を、容易に手際よく進めることができるのである。
【0035】
また、「対象画像情報(写真・装備データ)」の形式を、各社管理サーバによって取り込み可能な形(検索サイトに掲載するのに適した形)、例えばJPEG(画像)+XML(属性情報)等に設定しておくことも好ましい。これにより、例えば、スマートフォン1を使用する1つの事業者が、自らの「対象画像情報(写真・装備データ)」を、図1に示したように複数の情報管理会社(検索サイト運営会社)に提供することも可能となる。
【0036】
なお、以上に説明したスマートフォン1は、生成した「対象画像情報(写真・装備データ)」を外部(サーバ)に送信しているが、例えば、対象画像情報を送信せずに、又は送信する前に自ら保存し、サーバでの処理以外の方法で利用する実施形態をとることも可能である。
【0037】
例えば、スマートフォン1に搭載された所定の管理用アプリケーションを用いて、生成した「対象画像情報(写真・装備データ)」を管理してもよい。この場合、例えば、過去に撮影した撮影対象(中古車)の1つ1つについての情報(データ)を保存して管理し、その一覧を表示できるようにしてもよい。また、その際、当該一覧の各レコードについて、すでに外部サーバに送信済であるか未送信であるかを表示できるようにすることも好ましい。
【0038】
また、本実施形態では、撮影対象として中古車(自動車)を例示したが、撮影対象は、当然これに限定されるものではない。例えば、当然に新車でもよく、また、トラック、ダンプカー、各種作業車、船舶、鉄道車両、飛行機等も本発明に係る撮影対象となる。さらに、検索サイトにアップされてネット検索対象となる土地、一戸建て、マンション等の不動産物件や、オフィス家具・機器等の各種商品、さらにはネットオークションに出品するための衣服や家電等、様々なものが本発明に係る撮影対象に該当するのである。いずれの撮影対象についても、スマートフォン1を用いることによって、その対象の特徴点(属性)と対応する写真画像とを含む「対象画像情報(写真・属性データ)」を効率的に生成することができるのである。
【0039】
特に、1つの撮影対象について、その特徴点(属性)を的確に表現するのにどのような写真をどれだけ撮ればいいのかが分かりにくい場合も少なくない。このような場合でも、スマートフォン1を利用し「ガイド表示」の表示に合わせて操作を行うことによって、必要且つ適切な写真と、その特徴点(属性)とを簡便に取得することができるのである。
【0040】
さらに、カメラで撮影された画像は、静止画像であってもよいが、動画像とすることも可能である。動画像を取り扱う場合、「対象画像情報(写真・装備データ)」の形式を、例えばMPEG(動画像)+XML(属性情報)等に設定しておいてもよい。
【0041】
[対象画像情報生成装置の機能構成]
図2は、本発明による対象画像情報生成装置の一実施形態における機能構成を示す機能ブロック図である。
【0042】
図2によれば、本発明による対象画像情報生成装置であるスマートフォン1は、通信インタフェース(I/F)101と、ガイド表示保存部102と、タッチパネル・ディスプレイ(TP/DP)103と、レンズ部104と、撮像部105と、対象画像情報保存部106と、撮影画像保存部107と、プロセッサ・メモリとを有する。ここで、プロセッサ・メモリは、スマートフォン1のコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって、対象画像情報生成機能を実現させる。
【0043】
さらに、プロセッサ・メモリは、機能構成部として、ガイド表示制御部111を含む入出力制御部11と、撮影判定部112と、属性情報決定部113と、テキスト解析部114aを含む属性情報生成部114と、ガイド表示追加部115と、対象画像情報生成部116と、アナログ・デジタル(A/D)変換部121と、画像処理部122と、カメラ動作制御部123と、通信制御部131とを有する。なお、図2におけるスマートフォン1の機能構成部間を矢印で接続して示した処理の流れは、本発明による対象画像情報生成方法の一実施形態としても理解される。
【0044】
同じく図2において、上述した構成部のうち、レンズ部104、撮像部105、アナログ・デジタル変換部121、画像処理部122及びカメラ動作制御部123は、公知のカメラを構成する。具体的に、レンズ部104は、各種レンズ、これらのレンズの駆動部、及び絞りを備えた受光部を含む。撮影対象(例えば中古車)からの光は、このレンズ部104に入射して、倍率、焦点の度合い、光量等を調整され、その後、撮像部105に至る。
【0045】
撮像部105は、レンズ部104からの光を受光して光電変換を行う電荷結合素子(CCD)と、CCDからの画像信号に対してゲイン調整等の処理を行う信号処理部とを含む。この撮像部105から出力される、処理された画像信号は、アナログ・デジタル変換部121でデジタル信号に変換された後、画像処理部122に至る。
【0046】
画像処理部122は、アナログ・デジタル変換部121からのデジタル画像信号を適宜処理し、撮影画像データを生成する。また、カメラ動作制御部123からの撮影指示信号を入力した際、この撮影画像データを、撮影画像保存部107に記録してもよい。ここで、カメラ動作制御部123は、例えば、タッチパネル・ディスプレイ103の画面に表示されたシャッターアイコン14(図3)がタップ又は押下された際、この入力操作を受け付けた入出力制御部11から撮影動作入力信号を入力した時点で、画像処理部122に撮影指示信号を出力する。
【0047】
画像処理部122は、また、入出力制御部11に映像信号を出力して、撮影時の撮影対象(中古車)の画像(動画)をタッチパネル・ディスプレイ103の画面に表示させる。さらに、撮影画像保存部107に記録された撮影画像データを入出力制御部11に出力し、再生画像としてタッチパネル・ディスプレイ103に表示させてもよい。撮影画像保存部107は、例えば、内蔵の半導体メモリであってもよく、脱着可能なメモリカードであってもよい。
【0048】
入出力制御部11におけるガイド表示制御部111は、撮影対象(中古車)における複数の対象部分の各々に予め対応付けられた複数のガイド表示(透かしガイド)の各々を、タッチパネル・ディスプレイ103の画面に順次表示させる。
【0049】
図3は、本発明に係るガイド表示についての一実施形態を示す模式図である。
【0050】
図3によれば、ガイド表示制御部111は、ガイド表示保存部102に保存されているガイド表示としての透かしガイドを、スマートフォン1のタッチパネル・ディスプレイ103の画面に表示させている。図3で表示された透かしガイドは、(対象部分としての)普通乗用車の後輪周辺を模した透かし図形となっている。
【0051】
スマートフォン1のユーザ(撮影者)は、この透かしガイドを見て、撮影対象である中古車の後輪を撮影すべきであると判断し、スマートフォン1のカメラをその方に向けて、タッチパネル・ディスプレイ103の画面に、この後輪部分の映像を表示させる。この際、透かしガイドは透かし図形となっているので、表示される後輪部分の映像を確認する妨げになることはない。
【0052】
ここで、ガイド表示制御部111は、ガイド表示保存部102に保存されている透かしガイドセットの1つに含まれる透かしガイドの各々を、順次表示させる。この透かしガイドセットは、撮影対象(中古車)の対象部分に対応付けられた複数の透かしガイドの集合である。例えば、自動車のフロント、ボンネットを開けたフロント、左前方から見た車体、前輪周辺、車体側面、車内の前部座席、後輪周辺、後部座席から見た車内の様子、ハンドル周辺、ATセレクトレバー周辺等を、簡便な線をもって模した図である透かしガイド(透かしガイド図形)の集合とすることができる。
【0053】
また、透かしガイドセットは、撮影対象の種別に対応付けられて保存されていることも好ましい。すなわち、撮影対象の種別毎に異なる透かしガイドセットが準備されていてもよい。例えば、中古車の種別として、普通乗用車、ミニバン、SUV(Sports Utility Vehicle)、軽自動車等を設定し、これらの種別の各々について、当該種別に適した透かしガイドを揃えた透かしガイドセットを準備しておくことができる。
【0054】
ちなみに、いずれの透かしガイドセットを表示させるかについては、例えば、ユーザ(撮影者)がタッチパネル・ディスプレイ103に表示された(中古車)種別の選択肢の1つを選ぶ入力操作を行った際、この入力に基づいてこれから撮影される中古車の種別を決定し、当該種別に対応付けられた透かしガイドセットを表示させてもよい。
【0055】
また、ガイド表示制御部111は、ユーザ(撮影者)が撮影対象(中古車)の周囲を戻ることなく一回りすることによっても、1つの透かしガイドセットに含まれる全ての透かしガイドに対応する対象部分を撮影できるような順番をもって、これらの透かしガイドの各々を表示させることも好ましい。これにより、スマートフォン1は、必要な写真画像をより効率良く且つ確実に取得することができ、ユーザ(撮影者)も必要な撮影をより簡便に且つ確実に行うことが可能となる。
【0056】
さらに、同じく図3に示したように、ガイド表示制御部111は、(中古車の)対象部分に予め対応付けられたテキスト情報を、この対象部分に予め対応付けられた透かしガイドとともに表示させることも好ましい。
【0057】
図3では、ガイド表示制御部111は、普通乗用車の後輪周辺を模した透かしガイドとともに、「アルミホイールならば撮影して下さい」とのテキストを表示している。このようなテキスト情報を透かしガイドとともに表示することによって、例えばこの後、この透かしガイドが表示されているときにカメラ撮影が行われた(撮影画像が取得された)とすると、撮影対象の中古車の属性情報(装備情報)として「アルミホイール有り」を決定することができるのである。
【0058】
また当然に、ガイド表示制御部111は、透かしガイドを表示させる際、テキスト情報は表示させないことも可能である。例えば、エアコンを描いた透かしガイドだけを表示させた際にカメラ撮影が行われたとすると、テキスト情報を表示していなくとも、「エアコン有り」との属性情報(装備情報)を決定することができるのである。
【0059】
さらに、ガイド表示制御部111は、透かしガイドを表示させる際、テキスト情報とともに又はテキスト情報に代えて、(図示していないスピーカから)音声情報を出力させてもよい。この音声情報は、図3に示した実施例ならば「アルミホイールならば撮影して下さい」との音声が出力されるものとすることができる。このような音声情報も、テキスト情報と同じく、対象部分に予め対応付けて保存されていてもよい。
【0060】
なお、ガイド表示制御部111は、透かしガイド(ガイド表示)やテキスト情報の表示を、ユーザからタッチパネル・ディスプレイ103を介して該当する指示を受け付けた際に開始/終了することができる。また、所定のガイド表示を全て表示した場合に表示処理を終了してもよい。さらに、各透かしガイド(及びテキスト情報)を、ユーザからのその都度の指示によって順次表示してもよく、予め設定された時間(例えば30秒間)毎に順次表示してもよい。
【0061】
また、ガイド表示制御部111は、透かしガイド(ガイド表示)を、画面の周辺部に表示させてもよいが、撮影写真において撮影すべき対象部分が中央に来るように、画面の中央部に表示させることも好ましい。さらに、表示されるガイド表示として線で描いた図形ではなく、写真、各種描画像や、合成画像等を用いてもよい。また、透かし部分のない図形や写真等を用いることも可能である。
【0062】
図2に戻って、撮影判定部112は、ガイド表示(ガイド透かし)がタッチパネル・ディスプレイ103の画面に表示されているとき若しくは表示された直後に(例えば表示終了後10秒以内に)、
(a)カメラによる撮影が行われたか否か、又は
(b)カメラで撮影された画像が取得されたか否か
の判定を行う。例えば、撮影判定部112は、カメラ動作制御部123から、シャッターアイコン14のタップ操作に伴う撮影指示信号が出力された情報を入力した際、撮影が行われたとの判定(a)を行ってもよい。また、撮影された写真画像が画像処理部122から撮影画像保存部107へ出力されたことを受けて、カメラ撮影された画像が取得されたとの判定(b)を行ってもよい。
【0063】
属性情報決定部113は、撮影判定部112での判定の結果に基づいて、この判定に係る表示されたガイド表示(透かしガイド)に対応する対象部分の属性情報(装備情報)を決定する。具体的には、撮影判定部112での判定が真の判定である場合に、この判定に係る表示された透かしガイドに対応する対象部分について、予め設定された所定の「装備、構成又は機能を有する」との属性情報を決定する。
【0064】
同じく図2において、テキスト解析部114aを含む属性情報生成部114は、
(a)撮影対象である中古車の対象部分(例えば車名入りエンブレムやロゴ板)が、又は
(b)撮影対象である中古車に係る書類(例えば車検証)が、
この中古車の属性に係るテキスト情報を含む場合に、この対象部分又はこの書類を撮影した画像に含まれるテキスト情報を抽出し、抽出されたテキスト情報に基づいて属性情報(車両情報)を生成する。具体的には、テキスト解析部114が、公知のOCR(Optical Character Recognition/Reader)ソフトウェア等を利用して画像からテキスト情報を抽出し、抽出されたテキスト情報から、予め設定された項目に係るテキスト部分を取り出して属性情報(車両情報)を生成してもよい。
【0065】
なお、属性情報生成部114で使用される(対象部分や書類の)画像は、透かしガイド(透かし図形)の表示に伴い撮影される一連の画像とともに撮影されてもよい。例えば、最初に又は最後に表示される透かしガイドが車検証を模した図形になっていて、このような透かしガイドを表示することによってユーザ(撮影者)に車検証の撮影を促すことも好ましい。また、透かしガイドの表示とは全く別に、その旨のテキスト表示によって、必要書類等の撮影を促すことも可能である。
【0066】
対象画像情報生成部116は、対象部分毎に、
(a)当該対象部分に対応付けられたガイド表示(透かしガイド)について撮影された画像が存在する場合にはこの画像と、
(b)当該対象部分について決定された属性情報(装備情報)と
を、当該対象部分に対応付けた対象画像情報(写真・装備データ)を生成する。上記(a)において撮影された画像が存在しない場合には、その旨の情報(例えば所定のフラグパラメータ=0)と、(b)の属性情報とを対応付けてもよい。
【0067】
ここで、属性情報生成部114が、抽出されたテキスト情報に基づいて属性情報(車両情報)を生成した場合、対象画像情報生成部116は、
(c)この生成された属性情報(車両情報)
をも含む対象画像情報(写真・装備データ)を生成することも好ましい。なお、生成された対象画像情報(写真・装備データ)は、対象画像情報保存部106に保存されてもよい。
【0068】
図4は、本発明に係る対象画像情報の生成についての一実施形態を示す模式図である。
【0069】
図4には、属性情報決定部113によって決定された属性情報としての装備情報が示されている。この装備情報は、同図においてチェックシート形式で表示されている。具体的には、左端にチェックボックスを有する複数の装備項目が、列に並べられて表示されている。これらの装備項目の各々は、当該装備情報が生成される際にガイド表示制御部111によって表示された複数の透かしガイド(ガイド表示)の各々に対応している。例えば、装備項目「パワーウィンドウ」は、ドアのウィンドウ操作部を模した「透かしガイド」に対応した項目である。
【0070】
ここで、1つの装備項目において、対応する透かしガイドが表示された際に撮影判定部112で真の判定(例えば撮影が実行されたとの判定)が行われた場合、属性情報決定部113は、この装備項目のチェックボックスにチェックを入れる(フラグを立てる)。一方、撮影判定部112で偽の判定が行われた場合、チェックボックスにチェックを入れず(フラグを立てず)、次の装備項目についての処理に入る。
【0071】
属性情報決定部113は、このような処理を(所定の透かしガイドセットに対応した)全ての装備項目について実行して、装備情報(属性情報)を完成させるのである。なお、当然に、装備情報(属性情報)は、チェックシート形式以外のフォーマットで表示されるものであってもよい。
【0072】
同じく図4には、属性情報生成部114によって生成された属性情報としての車両情報が示されている。この車両情報は、同図において記入・選択シート形式で表示されている。具体的には、撮影対象の中古車についてのメーカー/車名、グレード、系統色/色名、排気量/過給機等といった、車両としての情報を記入又は選択可能な車両項目が、所定の配置で並べられて表示されている。
【0073】
これらの車両項目の一部、例えばメーカー/車名等は、テキスト解析部114aによって、車検証を撮影した写真画像から例えば型式指定番号や類別区分番号を抽出することで決定することができる。この際、予め準備された、これらの番号とメーカー/車名との対応テーブルを利用してもよい。さらに、排気量等は、同じくテキスト解析部114aによって、車検証を撮影した写真画像から、車検証の該当記載事項を抽出して決定することができる。なお、車両情報において決定された車両項目では、決定された内容が記入されたり選択されたりする。
【0074】
また、車両情報における車両項目のうちの幾つかは、撮影された画像から決定することができない、という場合も存在する。この場合、例えば、タッチパネル・ディスプレイ13に、該当車両項目に対する記載や選択を促す表示を行い、必要情報をユーザ(撮影者)に入力させてもよい。
【0075】
同じく図4に示すように、対象画像情報生成部116は、以上に説明したような、決定された装備情報(属性情報)、生成された車両情報(属性情報)、及び対応する撮影された写真画像を合わせて、対象画像情報(写真・装備データ)を生成するのである。
【0076】
図5は、生成された対象画像情報の一実施例を示す模式図である。
【0077】
図5によれば、対象画像情報生成部116で生成された、対象画像情報としての写真・装備データは、
(a)撮影された複数の写真画像におけるJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式のデータである複数のJPEGデータと、
(b)属性情報としての装備情報(さらに車両情報が存在する場合、当該車両情報も合わせた情報)をXML(Extensible Markup Language)で記載したXMLデータと
を含んでいる。
【0078】
ここで、撮影された複数の写真画像データは、JPEGデータに限定されるものではなく、例えばGIF(Graphics Interchange Format)データや、PNG(Portable Network Graphics)ファイルフォーマットのデータでもよい。また、属性情報(装備情報及び/又は車両情報)も、XML以外の言語で記載されていてもよい。
【0079】
図5に示した属性情報としてのXMLデータは、JPEG画像データ名(例えば"20160729-001.jpg")毎に、存在する装備(例えば「スライドドア」や「両側電動」)を、当該画像データに紐づけて記載している。ここで、紐づけ先の画像データが存在しない装備については、この装備は「無し」と解釈される。このようなXMLデータをもって、(撮影画像データが存在するか否かに基づく)所定の装備有り/無しの属性情報とすることができるのである。
【0080】
なお当然に、対象画像情報の形式は、上述したものに限定されるものではない。ただし、上述したような形式を採用することによって、1つのスマートフォン1(例えば1つの事業者)で生成された「対象画像情報(写真・装備データ)」を、複数の情報管理会社(検索サイト運営会社)の管理サーバにアップロードすることが可能となる。例えば、中古車販売事業者が、自らの中古車情報(対象画像情報)を、複数の運営会社の運営する複数の検索サイトにアップし、その結果、より多くのユーザに向けて宣伝を行うことが可能となるのである。
【0081】
図2に戻って、ガイド表示追加部115は、ユーザによる対象部分の追加の指示を受け付け、この追加指示に係る対象部分に対応付けられるガイド表示として、
(a)新たなガイド表示を生成する、又は
(b)予め準備された候補ガイド表示を割り当てる。
【0082】
ここで、追加指示は、例えば、ユーザ(撮影者)が、タッチパネル・ディスプレイ103に表示された透かしガイド追加アイコンをタップし、追加すべき対象部分(例えばルーフキャリア)を文字入力してもよく、表示された選択肢から(例えばルーフキャリアを)選んでもよい。ガイド表示追加部115は、この追加対象部分を含む追加指示を受け付け、ユーザの更なる操作によって選択された簡易図形の組合せにより(例えばルーフキャリアを模した)透かしガイドを新たに生成してもよく、または、ガイド表示保存部102に予め保存されていた(例えばルーフキャリアに対応付けられた)透かしガイドを取り出して採用してもよい。
【0083】
これにより、撮影対象の様々な状況(例えば装備の状況)や状態(例えば車両の状態)に応じて、より適したガイド表示を提示し、その結果、より好ましい対象画像情報(写真・装備データ)を生成することも可能となる。
【0084】
図2に戻って、通信制御部131は、生成した対象画像情報を、通信インタフェース101を介して外部のサーバ、例えばA社管理サーバ21やB社管理サーバ22へ送信する。また、外部のサーバから、通信インタフェース101を介して、使用すべきガイド表示(透かしガイド)セットを受信し、予めガイド表示保存部102に保存して準備しておいてもよい。さらに、通信制御部131は、外部のサーバから、通信インタフェース101を介して、本発明に係る対象画像情報生成プログラム(アプリ)をダウンロードしてもよい。このプログラム(アプリ)を起動させることによって、以上に説明したような対象画像情報生成処理を実行することができる。
【0085】
[対象画像情報生成方法]
図6は、本発明による対象画像情報生成方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0086】
(S101)タッチパネル・ディスプレイ103(図2)に表示された選択肢の中からユーザ(撮影者)が選択した車種に基づき、表示すべき透かしガイド(ガイド表示)セットを選択する。
(S102)表示すべき透かしガイドセット{Gi}の各透かしガイドGiを識別するパラメータiの初期値をゼロとする。
(S103)パラメータiを1だけ増分する。
【0087】
(S104)透かしガイドGiをタッチパネル・ディスプレイ103に表示する。
(S105)ユーザ(撮影者)によって撮影が実施されたか否か(又は写真画像が取得されたか否か)を判定する。
(S106a,S106b)装備情報における透かしガイドGiに対応する装備項目EQ(Gi)について、ステップS105で真の判定(撮影されたとの判定)を行った場合、当該EQ(Gi)のフラグを立てる(フラグパラメータ=1、該当チェックボックスにチェックを入れることに相当)。一方、ステップS105で偽の判定(撮影されていないとの判定)を行った場合、当該EQ(Gi)のフラグは立てない(フラグパラメータ=0、該当チェックボックスにチェックを入れないことに相当)。
【0088】
(S107)パラメータiが、透かしガイドセット{Gi}における透かしガイドの個数N以上であるか否かを判定する。ここで、偽の判定(i<N)を行った場合、ステップS103に戻って、次のパラメータ値をもって上記の処理を繰り返す。
(S108)一方、ステップS107で真の判定(i≧N)を行った場合、透かしガイドの表示処理は完了したと判断し、各透かしガイドGiの表示におけるステップS105の判定結果に基づいて装備情報を決定する。
【0089】
(S109)タッチパネル・ディスプレイ103を介し、ユーザ(撮影者)に対して車検証の写真を撮るように促し、車検証の写真画像を取得する。さらに、取得した写真画像からテキスト解析によって車両情報を生成する。
(S110)決定された装備情報、生成された車両情報、及び撮影された写真画像から、写真・装備データ(対象画像情報)を生成する。
(S111)生成した写真・装備データ(対象画像情報)を管理サーバ宛てに送信する。なお、受信先の管理サーバでは、この写真・装備データ(対象画像情報)に基づいて、登録車両情報(対象提示情報)を生成し、外部の端末3(図1)に配信する。
【0090】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、ユーザにとって有益な対象提示情報を生成するのに必要な対象画像情報を、効率的に且つ簡便に生成することができる。具体的には、ガイド表示の各々を画面に順次表示させ、カメラ撮影(撮影画像)についての判定を行うことによって属性情報を決定している。これにより、従来人手に全面的に頼ってきた属性情報(装備情報)の生成・決定を、容易に手際よく進めることができるのである。
【0091】
また、本発明に係る撮影対象には、中古車(自動車)だけでなく、ネット検索対象となるような土地、一戸建て、マンション等の不動産物件や、オフィス家具・機器等の各種商品、さらにはネットオークションに出品するための衣服や家電等、様々なものが該当する。いずれの撮影対象についても、その対象の特徴点(属性)と対応する画像とを含む対象画像情報を効率的に生成することができるのである。
【0092】
以上に述べた本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲内での種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。上述の説明はあくまで例であって、本発明を何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0093】
1 スマートフォン(対象画像情報生成装置)
101 通信インタフェース(I/F)
102 ガイド表示保存部
103 タッチパネル・ディスプレイ(TP/DP)
104 レンズ部
105 撮像部
106 対象画像情報保存部
107 撮影画像保存部107
11 入出力制御部
111 ガイド表示制御部
112 撮影判定部
113 属性情報決定部
114 属性情報生成部
114a テキスト解析部
115 ガイド表示追加部
116 対象画像情報生成部
121 アナログ・デジタル(A/D)変換部
122 画像処理部
123 カメラ動作制御部
131 通信制御部
14 シャッターアイコン
21、22 管理サーバ
3 端末
4 管理PC
【要約】
【課題】撮影対象の画像とその特徴点とを含む対象画像情報を効率良く生成することができる装置を提供する。
【解決手段】カメラ画像を画面に表示可能な画像表示部を備え、カメラで撮影された画像に係る画像情報を保存可能な本対象画像情報生成装置は、撮影対象における複数の対象部分の各々に予め対応付けられた複数のガイド表示の各々を画面に順次表示させるガイド表示制御手段と、ガイド表示が表示されているときにカメラによる撮影が行われたか否かの判定を行う撮影判定手段と、この判定の結果に基づいて、この判定に係る表示されたガイド表示に対応する対象部分の属性情報を決定する属性情報決定手段と、対象部分毎に、当該対象部分に対応付けられたガイド表示について撮影された画像が存在する場合にはこの画像と当該対象部分について決定された属性情報とを、当該対象部分に対応付けた対象画像情報を生成する対象画像情報生成手段とを有する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6