(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6118454
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】アルミニウムから成るストランドに管状ケーブルラグを接合する方法
(51)【国際特許分類】
H01R 43/02 20060101AFI20170410BHJP
B23K 20/10 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
H01R43/02 B
B23K20/10
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-505789(P2016-505789)
(86)(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公表番号】特表2016-517147(P2016-517147A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】EP2014056472
(87)【国際公開番号】WO2014161823
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2015年11月25日
(31)【優先権主張番号】102013205975.2
(32)【優先日】2013年4月4日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102013212331.0
(32)【優先日】2013年6月26日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512283494
【氏名又は名称】テルゾニック ホルディング アーゲー
【氏名又は名称原語表記】TELSONIC HOLDING AG
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(72)【発明者】
【氏名】クラウス レーゲンベルク
【審査官】
高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0298645(US,A1)
【文献】
特開2003−338330(JP,A)
【文献】
特開2003−338349(JP,A)
【文献】
特開2010−044887(JP,A)
【文献】
特開2004−220933(JP,A)
【文献】
特開2007−305314(JP,A)
【文献】
特開2006−107882(JP,A)
【文献】
特開2006−231402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/02
H01R 43/048
H01R 4/02
H01R 4/18
B23K 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム又は実質的にアルミニウムを含む合金から成るストランド(11)に非鉄金属から成る管状ケーブルラグ(2)を接合する方法であって、
管状部(3)と当該管状部(3)から延びる接合部(4)とを有する管状ケーブルラグ(2)を提供するステップと、
山の背形状に湾曲した圧力面(7)を備えたソノトロード(5)を有すると共に、圧力面(7)に対向する対向圧力面(10)を備えたアンビル(1)を有する超音波溶接装置を提供するステップと、
管状部(3)がアンビル(1)の対向圧力面(10)と向き合うようにクランピングすることにより、アンビル(1)に接合部(4)を固定するステップと、
管状ケーブルラグ(2)の管状部(3)内にストランド(11)の一端(E)を挿入するステップと、
圧力面(7)を管状部(3)と接触させるステップと、
管状部(3)が対向圧力面(10)に押し付けられるように、圧力面(7)を管状部(3)に対して押すステップと、
管状部(3)が変形し、内部に挿入されたストランド(11)の少なくとも一部分が溶接されるように、ソノトロード(5)により、管状部(3)の管軸(A1)に対してほぼ垂直に方向付けられた超音波振動を発生させるステップと、
の各ステップを有することを特徴とする接合方法。
【請求項2】
圧力面(7)の第1山の背形状線(K1)と対向圧力面(10)の第2山の背形状線(K2)は相互に平行に配向される、請求項1に記載の接合方法。
【請求項3】
圧力面(7)及び/または対向圧力面(10)はそれぞれ半円形である、請求項1又は2に記載の接合方法。
【請求項4】
圧力面(7)及び/または対向圧力面(10)の半径は、2〜10mm、好ましくは3〜8mmの範囲内である、請求項3に記載の接合方法。
【請求項5】
圧力面(7)及び対向圧力面(10)の表面は滑らかである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の接合方法。
【請求項6】
少なくとも接合部(4)と管状ケーブルラグ(2)の外表面とはニッケル層またはスズ層によりコーティングされている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の接合方法。
【請求項7】
超音波振動を発生させるのは、管状部(3)が所定の圧入深さに基づいて変形されている場合に限られる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の接合方法。
【請求項8】
所定の圧入深さは、0.5〜5.0mm、好ましくは2.0〜4.0mmである、請求項7に記載の接合方法。
【請求項9】
管状部(3)上に所定の最大圧力がかけられる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の接合方法。
【請求項10】
ねじりソノトロード(5)がソノトロードとして使用され、その周辺部には、第1山の背形状線(K1)がねじりソノトロード(5)のねじり軸(T)に対してほぼ垂直に延びるように、圧力面(7)が取り付けられている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の接合方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
アルミニウムから成るストランドに非鉄金属から成る接合部を接合する方法が、WO2010/057753A1から公知である。当該方法において、ストランドは、超音波溶接によって、一体的に接合されるように、接合部に接合される。接触腐食を避けるために、ストランドにはシーラントが備えられており、このシーラントは超音波溶接中に溶融し、個々のストランドコア間の空隙を充填する。シーラントは接着剤である。シーラントの意図は、アルミニウムストランドと接合部との間の接触領域中へ水分の侵入を防止することにある。しかしながら、提案されているシーラントのシール効果は永続的ではないことが、事実上明らかになってきている。
【0002】
DE 11 2011
102 335 T5が開示しているのは、管状ケーブルラグにストランドを接合する方法である。ストランドは管状ケーブルラグ内に挿入される。次に、ストランドの個々のワイヤは加熱装置によって管状ケーブルラグの内部で溶融させられる。次に、管状ケーブルラグは側面から加圧され、それにより、溶融金属はストランドの被覆材料の方向に持ち上げられる。ストランドの溶融はエネルギー集約型で、時間がかかる。
【0003】
WO 2012/008519 A1が開示しているのは、2枚の平らな薄板金属を重ねて溶接する方法である。アンビルとソノトロードの双方は、ソノトロードがアンビルに押し付けられた場合は、互いに対向するような位置関係になる櫛形の隆起を有する。従って、アンビルの櫛形部とソノトロードの相互に対向した櫛形部との間に位置する領域に対して特に高圧をかけることができる。この公知の方法の場合は、相互に溶接すべき薄板金属の変形が避けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記した公知技術の課題を解決することにある。すなわち、本発明の第1の目的は、可能な限り容易にかつ経済的に実行でき得るアルミニウムから成るストランドに非鉄金属から成る管状ケーブルラグを接合する方法を提供することであり、第2の目的は、水分の侵入が永続的に防止されるように、ストランドと管状ケーブルラグとの間の接触領域をこの方法により耐密溶接することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、アルミニウムから成るストランド(11)に非鉄金属から成る管状ケーブルラグ(2)を接合する溶接方法を提供するものである。
【0006】
ここで、本発明に係る方法は、以下の各ステップを有することを特徴とする。すなわち、
(a)管状部(3)と
、そこから延びる接合部(4)と
、を有する管状ケーブルラグ(2)を提供するステップと、
(b)
山の背形状に湾曲した圧力面(7)を備えたソノトロード(5)を有すると共に、
圧力面(7)に対向する対向圧力面(10)を備えたアンビル(1)を有する超音波溶接装置を提供するステップと、
(c)管状部(3)がアンビル(1)の
対向圧力面(10)と向き合うようにクランピングすることにより、アンビル(1)に接合部(4)を固定するステップと、
(d)管状ケーブルラグ(2)の管状部(3)内にストランド(11)の一端(E)を挿入するステップと、
(e)圧力面(7)を管状部(3)と接触させるステップと、
(f)管状部(3)が
対向圧力面(10)に押し付けられるように、圧力面(7)を管状部(3)に対して押すステップと、
(g)管状部(3)が変形し、内部に挿入され
たストランド(11)の少なくとも一部分が溶接されるように、ソノトロード(5)により、管状部(3)の管軸(A1)に対してほぼ垂直に方向付けられた超音波振動を発生させるステップと、を含む。
【0007】
提案された方法により、非鉄金属から成る管状ケーブルラグにアルミニウムから成るストランドを接合することは、驚くほどシンプルかつ経済的な方法である。ここでの接合とは、アルミニウムストランドの、圧力面と一方の圧力面との間の変形領域が、ストランド内部で耐密溶接されると共に、周囲の管状部にも耐密溶接されることを意味する。
【0008】
管状部内への水分の侵入と、それによる接触腐食は、耐密溶接部により永続的に避けられる。接合は、本発明による方法により、短いサイクル時間と比較的低いエネルギー消費で行うことができる。特に、管状部内でストランドを溶融させて接合する必要はない。
【0009】
先行技術による公知の超音波溶接法においては、2つの金属部品を溶接するために、一方の金属部品が静止状態でアンビル上に固定される。次に、他方の金属部品が最初の金属部品に対して押され、同時に超音波エネルギーが結合される。ここで形成される超音波溶接接合の成果は、アンビルに固定された金属部品に対して、ソノトロードを使用して加振された他方の金属部品の高周波運動に起因すると考えられる。本発明による方法においては、超音波エネルギーは、対照的に、アンビルに固定接合された管状部内に結合される。それにもかかわらず、溶接接合は驚くべきことにストランドと管状部との間に実現される。溶接接合を行う際には、ストランドの個々のワイヤは表面だけが相互に溶接される。ここでは、溶融相が、多くて、管状部により定義される体積の20%未満、好ましくは15%未満、特に好ましくは10%未満という少ない割合で形成される。
ここで、溶融相は、好ましくは、管状部の領域内でストランドの個々のワイヤ間のスペースを充填するのに十分な量だけが形成される。
【0010】
本発明を理解する上で、「非鉄金属から成る管状ケーブルラグ」とは、例えば、銅、真鍮、アルミニウム、または、銅、真鍮またはアルミニウムを含む合金から成る管状ケーブルラグを意味すると理解されたい。同様に、「アルミニウムから成るストランド」とは、個々のワイヤがアルミニウム、または、アルミニウムを含む合金から成るストランドである。管状ケーブルラグは通常は一体化されて製造される。管状部から延びる接合部は、通常は、開口部を有することもできるプレートの形で構成されている。
【0011】
本発明によれば、ソノトロードの圧力面とアンビルの対向する一方の圧力面の双方は櫛形状に湾曲しているため、圧力は、当初は、櫛形湾曲の最高点を結ぶ櫛線を介して、管状部上に案内される。従って、主として対称変形が管状部内において、圧力面と一方の圧力面の双方に対向して実現される。圧力と一方の圧力面を介して結合される超音波エネルギーにより、管状ケーブルラグを形成する材料の塑性流と、管状部により囲まれたストランドも支持され、その結果、耐密溶接の接合がストランドの内部と、ストランドとストランドを囲む管状部の変形部の間とで行われる。
【0012】
好適な実施形態によれば、圧力面の第1櫛線と一方の圧力面の第2櫛線は相互に平行に配向される。第1櫛線と第2櫛線は、ソノトロードがアンビルに向かって下降させられる際の圧力面の第1櫛線の動きによって定義された運動面にも位置しているのが適切である。従って、管状部の特に効果的な変形と、特に耐密に溶接接合することが実現できる。
【0013】
圧力面及び/または一方の圧力面は、各々半円形であるのが適切である。圧力面及び/または一方の圧力面の半径は、2〜10mm、好ましくは3〜8mmの範囲としてもよい。圧力面及び/または一方の圧力面の実施形態による半径は、管状部の口径に依存している。口径の小さな管状部の場合は、圧力面及び/または一方の圧力面には小半径が選択される。また、圧力面及び/または一方の圧力面は側面から見て台形としてもよい。この場合、台形櫛状のエッジは丸みを帯びている。
【0014】
特に好適な実施形態によれば、圧力面と一方の圧力面は平滑である。先行技術とは対照的に、特に、アンビルを形成する一方の圧力面は平滑であるため、管状部の外表面が、圧力面及び/または一方の圧力面により生じる変形を別にすれば、接合が管状ケーブルラグとストランドとの間でなされる場合、有利には、接合部に損傷が生じることはない。特に、例えば、ニッケルまたはスズ層のような、管状ケーブルラグの外表面上に設けられる層が損傷を受けることはない。従って、本発明による方法は、ニッケルまたはスズ層をコーティングされた外表面を有する管状ケーブルラグへのストランドの接合に極めて適している。
【0015】
別の好適な実施形態によれば、超音波振動を発生させるのは、管状部が所定の圧入深さに基づいて変形させられている場合に限られる。所定の圧入深さは、0.5〜5.0mm、好ましくは2.0〜4.0mmの範囲であってよい。圧入深さの選択は、管状部の口径に依存している。例えば10または12mmという外径が大きな管状部の場合は、3〜4mmの圧入深さが一例として選択される。所定の圧入深さに基づいて管状部が変形しているために、ストランドはクランピングにより管状部内に保持される。超音波エネルギーが続いて結合される場合は、管状部内のストランドの軸方向位置を超音波振動により変更できなくなる。
【0016】
別の好適な実施形態によれば、接合部の形成中に管状部に所定の最大圧力がかけられる。最大圧力の選択も、管状部の口径と、さらには、その肉厚にも依存している。ストランドへの耐密な溶接接合が実現されるように、最大圧力は選択され、管状部の変形を別にすれば、ストランドには、例えばクラック形成等の損傷が生じることはない。
【0017】
別の好適な実施形態によれば、ねじりソノトロードがソノトロードとして使用され、その周辺部には、第1櫛軸がねじりソノトロードのねじり軸に対してほぼ垂直に延びるように、圧力面が取り付けられている。かかるねじりソノトロードは、例えば、DE
10 2010 029
395 A1から公知である。この文献の開示内容はこれにより開示に含まれる。
【0018】
提案されたねじりソノトロードの場合は、便宜上、2つの圧力面がその周辺部に相互に対向して配置されている。圧力面が摩耗するにつれて、ねじりソノトロードをねじり軸の周りで180°回転させ、それにより、他方の圧力面との作業を続けることが可能となる。提案されたねじりソノトロードの代わりに、縦方向のソノトロードを使用することも可能である。この場合は、圧力面の櫛線は縦方向のソノトロードの振動方向に対して平行に延びている。この場合も、圧力面の櫛線は管状部の管軸に対してほぼ垂直方向を向いている。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて、さらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明による構成配置の断面図を示している。
【
図2】
図1のA−A線に沿って切断した別の断面図を示している。
【
図3】ストランドへの溶接接合を行う場合の
図1による構成配置の断面図を示している。
【
図4】ストランドが溶接された管状ケーブルラグの断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜3に示された構成配置では、一般的に参照符号2により表される管状ケーブルラグはアンビル1上で支持されている。管状ケーブルラグ2は、管状部3と、そこから延びる接合部4とを有する。参照符号A1は管状部3管軸を表す。接合部4は、好適には、貫通開口部(ここでは図示せず)を有するプレートの形に形成されている。ねじりソノトロード5が垂直な可動圧力装置6内に保持されている。ねじりソノトロード5は2つの相互に対向する圧力面7を有し、各圧力面はサドル形または櫛形に湾曲している。櫛形湾曲の最高点を結ぶ第1櫛線は参照符号K1により表されている。この櫛線は、
図2からも明らかなように、図示された実施形態においては直線である。しかしながら、第1櫛線K1を凹形にして、管状部3の外径に適合させてもよい。
【0021】
ねじりソノトロードは、例えば、ブースタ8を介して、ここでは詳細には図示せぬコンバータに接続してもよく、このコンバータにより、ねじりソノトロード5を、参照符号Tにより表されるねじり軸の周りでねじり振動させることができる。垂直な可動クランプ装置が参照符号9により図式的に表されており、クランピングによりアンビル1上に接合部4を保持するために使用できる。特に、クランプ装置9は、接合部4がクランプされた場合に、内部に設けられた貫通開口部を貫通するピンを有してもよい。従って、クランピングによりアンビル1上の所定の位置に管状ケーブルラグ2を再現性のある方法で固定することもシンプルな方法で可能である。
【0022】
アンビル1は、サドル形または櫛形状に湾曲した一方の圧力面10を有する。第2櫛線K2が一方の圧力面10の櫛形湾曲の最高点を結んでいる。特に
図2から分かるように、実施形態に示した第2櫛線K2は直線状にも形成される。第2櫛線K2は凹形湾曲を有してもよい。
【0023】
圧力面7と一方の圧力面10の双方は半円形としてもよい。2つの面の半径は、有利には、3〜8mm、好ましくは、4〜6mmの範囲内にある。
【0024】
以下、装置の機能と、装置により実施することができる方法について、
図3及び
図4を共に考慮に入れつつ、さらに詳細に説明する。
【0025】
管状ケーブルラグ2はまずアンビル1上に置かれ、クランプ装置9によるクランピングによりアンビル1上に固定される。ここで、管状部3の下部は、好ましくは、ただ1つの一方の圧力面10に、特に、一方の圧力面10の第2櫛線K2に当接する。アルミニウムから成るストランド11の端部Eが、次に管状部3内に挿入される。端部Eには、ストランド11を囲む絶縁体12は使用されていない。
【0026】
好ましくは、ただ1つの圧力面7は、次に電気、空気圧または油圧式の可動圧力装置6によって管状部3に押し付けられ、その結果、管状部は所定の圧入深さに基づいて変形される。所定の圧入深さは、この深さに到達した場合は、ストランド11がクランピングにより変形した管状部3内に保持されるように選択される。
【0027】
ねじり超音波振動が次にねじりソノトロード5により管状部3内に結合され、同時に、圧力装置6により管状部3上に圧力がかけられる。その結果として、圧力面7の輪郭と、一方の圧力面10の輪郭も管状部3内に押し込まれる。好ましくは、所定の出力により、超音波エネルギーが管状部3内に結合される。その結果として、ストランド11は相互に対向する圧力面7と一方の圧力面10との間の一部に耐密溶接される。ストランド11の溶接部は参照符号Vにより表される。
【0028】
内径が約8.5mmの管状ケーブルラグに線断面積が35mm
2のストランドを溶接するためには、約3mmの所定の圧入深さと、2,000〜3,000W、好ましくは、2,200〜2,800Wの範囲の結合超音波パワーが使用される。ねじりソノトロード5上にかけられる力は、例えば、3,000〜4,000N、好ましくは、3,200〜3,700Nである。圧力面7の半径と、一方の圧力面10の半径も、この場合は約5mmである。
【0029】
圧力面7と一方の圧力面10の双方は平滑である。これらの面は、管状部3の表面に圧痕をつけるためのフルーティングまたはその他の手段を備えていない。その結果として、例えば、スズまたはニッケル層のような、必要時に管状ケーブルラグ2上に設けられるコーティングが、本発明にかかる方法により損傷を受けることはない。このタイプのコーティングの層厚は通常は3〜20μmである。
【0030】
図面においては、ねじりソノトロード5の振動方向が管状ケーブルラグ2の管軸Aに対してほぼ垂直に延びるように、管状ケーブルラグ2とねじりソノトロード5は配置されている。しかしながら、上記ソノトロードにより発生するねじり振動が管状ケーブルラグ2の管軸Aに対してほぼ平行な向きになるように、ねじりソノトロード5を管状ケーブルラグ2に対して配置することもできる。
【符号の説明】
【0031】
1 アンビル
2 管状ケーブルラグ
3 管状部
4 接合部
5 ねじりソノトロード
6 圧力装置
7 圧力面
8 ブースタ
9 クランプ装置
10 一方の圧力面
11 ストランド
12 絶縁体
A1 管軸
E 端部
K1 第1櫛線
K2 第2櫛線
T ねじり軸
V 溶接部