特許第6118478号(P6118478)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6118478ボルト締付具およびこれを備える管状体固定具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6118478
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】ボルト締付具およびこれを備える管状体固定具
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/06 20060101AFI20170410BHJP
   F16B 7/14 20060101ALI20170410BHJP
   F16B 37/00 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   F16B2/06 B
   F16B7/14 Z
   F16B37/00 H
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-501735(P2017-501735)
(86)(22)【出願日】2016年8月26日
(86)【国際出願番号】JP2016074997
【審査請求日】2017年1月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715001390
【氏名又は名称】株式会社プロドローン
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅木 紀代一
【審査官】 村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−131211(JP,A)
【文献】 実開昭63−18605(JP,U)
【文献】 国際公開第2005/028161(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/06
F16B 7/14
F16B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部および軸部を有するボルトを締め付ける締付具であって、
テーパブロックと、レバー部材と、を備え、
前記テーパブロックは、その径方向中心に沿って前記ボルトの軸部が螺合されるねじ穴が形成された略円筒形状の部材であり、
前記テーパブロックはさらに、前記ねじ穴に螺合される前記ボルトの頭部側から軸先側に向かって外径寸法が次第に大きくなるように形成されたテーパ部を有しており、
前記レバー部材は、ソケット部およびレバー部を有しており、
前記ソケット部は、前記テーパブロックが嵌合され、前記テーパ部がその内面に密着可能な凹部と、前記ボルトの軸部が挿通される挿通孔と、を有しており、
前記レバー部は、前記ソケット部から該ソケット部の径方向外側に延びた棒状体であることを特徴とするボルト締付具。
【請求項2】
前記ソケット部の上面には、前記挿通孔の周囲に、前記ボルトの頭部が収容される凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のボルト締付具。
【請求項3】
管状体を締め付けて固定する管状体固定具であって、
前記管状体の外周面を把持する略円環形状の本体部と、
前記本体部におけるその円環方向の一部に設けられた隙間である欠環部に取り付けられ、該隙間を縮めて前記本体部の内径を圧縮することで前記管状体を締め付ける請求項1または請求項2に記載のボルト締付具と、を備えることを特徴とする管状体固定具。
【請求項4】
前記管状体は無人航空機のアームであり、
前記管状体固定具は、前記無人航空機の本体部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の管状体固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボルトの締め付け技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の回転翼を有する無人航空機が、産業分野およびホビー分野において急速に普及してきている(以下、このような無人航空機を「マルチコプタ」ともいう)。このようなマルチコプタは、一般に、マルチコプタ本体から放射状に延びる複数のアームの先端に、それぞれロータが配置された構成とされている。アームには中空のパイプ材が用いられることが多く、パイプ材の管内には、マルチコプタ本体とロータとを電気的に接続させるための配線等が収容される。
【0003】
このようなマルチコプタを保管、運搬するときには、ロータやアームが嵩張って作業の妨げになることや、保管場所におけるスペース効率を低下さることがある。そこで、本発明の発明者は、マルチコプタ本体に、アームの着脱を容易とするクランプ装置を設けることを検討した。
【0004】
一般に、パイプ材を固定したり、連結された複数のパイプ材を伸縮させるときに用いられるクランプ装置は、継手と、その継手を締め付けるボルトとにより構成されている。このようなクランプ装置では、継手にパイプ材を挿入した後、スパナ等の工具を用いてボルトを回し、継手でパイプ材を締め付けることによりパイプ材を固定する。しかし、マルチコプタのアームの着脱を行うために常に工具を携帯することは利便性に欠けるという問題がある。
【0005】
パイプ材を連結、固定する際に、工具等が不要なクランプ装置としては、例えば、特許文献1,2に記載されているものが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−88923号公報
【特許文献2】特開2011−69381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載のクランプ装置は、ボルトの頭部につまみ(ねじ部材70)が装着されており、工具を使用せずにボルトを回せるようになっている。しかしこの方法ではてこの原理は作用しないため、ボルトを強固に締め付けることは困難である。
【0008】
上記特許文献2に記載のクランプ装置では、レバーを備えたカム機構によりてこの原理を使って継手を締め付けている。しかしその締付け強度は常に一定であり、締付け強度を任意に調節することはできない。
【0009】
一方、てこの原理を利用しつつ、締付け強度の調整も可能とすべく、例えば特許文献1に記載のボルトの頭部に、その頭部と一体化されたレバー部材を取り付けた場合、レバー部材と他の部材との位置関係によっては、レバー部材を回転させたときにレバー部材が他の部材に干渉することがある。また、ボルトの締め付けを終えた後のレバー部材の位置を所望の位置に調節することも困難である。
【0010】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消しようとするものであり、工具を用いることなく備え付けのレバー部材でボルトを強固に締め付けることができ、また、レバー部材を回すときにレバー部材が他の部材と干渉することを防ぎ、さらに、ボルト締め付け後のレバー部材の位置を任意の位置に調節可能なボルト締付具、および、このボルト締付具を用いて管状体を固定する管状体固定具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明のボルト締付具は、テーパブロックと、レバー部材と、を備え、前記テーパブロックは、その径方向中心に沿って前記ボルトの軸部が螺合されるねじ穴が形成された略円筒形状の部材であり、前記テーパブロックはさらに、前記ねじ穴に螺合される前記ボルトの頭部側から軸先側に向かって外径寸法が次第に大きくなるように形成されたテーパ部を有しており、前記レバー部材は、ソケット部およびレバー部を有しており、前記ソケット部は、前記テーパブロックが嵌合され、前記テーパ部がその内面に密着可能な凹部と、前記ボルトの軸部が挿通される挿通孔と、を有しており、前記レバー部は、前記ソケット部から該ソケット部の径方向外側に延びた棒状体であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のボルト締付具は、前記ソケット部の上面には、前記挿通孔の周囲に、前記ボルトの頭部が収容される凹部が形成されてもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するため、本発明の管状体固定具は、前記管状体の外周面を把持する略円環形状の本体部と、前記本体部におけるその円環方向の一部に設けられた隙間である欠環部に取り付けられ、該隙間を縮めて前記本体部の内径を圧縮することで前記管状体を締め付ける本発明のボルト締付具と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の管状体固定具は、前記管状体が無人航空機のアームであり、前記管状体固定具は、前記無人航空機の本体部に設けられていても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明のボルト締付具および管状体固定具によれば、工具を用いることなく備え付けのレバー部材でボルトを強固に締め付けることができ、また、レバー部材を回すときにレバー部材が他の部材と干渉することを防ぎ、さらに、ボルト締め付け後のレバー部材の位置を任意の位置に調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】クランプ装置を用いたマルチコプタの平面図である。
図2図1のクランプ装置の拡大図である。
図3図2の上面図である。
図4図1のクランプ装置の側面図である。
図5】ボルト締付具の分解斜視図である。
図6】ボルト締付具を締付部に取り付けた状態を示す断面図である。
図7】ボルト締付具の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のボルト締付具および管状体固定具の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は本実施形態にかかるマルチコプタ100の平面図である。図2図1のクランプ装置10の拡大図である。図3図2の上面図である。
【0018】
図1に示すマルチコプタ100は、マルチコプタ本体110から放射状に延びた6本のアーム120(121〜126)と、各アーム120の先端に配置されたロータ130(131〜136)とを備えている。
【0019】
本実施形態の各アーム120には、管状体であるパイプ材が用いられている。各アーム120の基端部は、マルチコプタ本体110に設けられた管状体固定具であるクランプ装置10(11〜16)により着脱可能に固定されている。なお、アーム121〜126、ロータ131〜136、およびクランプ装置11〜16はそれぞれ、同一の構造を有している。
【0020】
図4はクランプ装置10の側面図である。クランプ装置10は、アーム120の基端部をマルチコプタ本体110に固定している。クランプ装置10は、図2図4に示すように、アーム120の外周面を把持する略円環形状の本体部20と、本体部20に把持されたアーム120を締め付け、固定するためのボルト締付具30とにより構成されている。
【0021】
図4に示すように、本実施形態の本体部20は、その円環方向の一部に設けられた隙間である欠環部24aを有するアーム保持部21と、アーム保持部21の一部であり、欠環部24aを区画するアーム保持部21の端部である締結部22,23とにより構成されている。
【0022】
締結部22,23を締め付けていないときのアーム保持部21の内径は、アーム120の直径よりも大きい。締結部22,23を締め付けると、図4の矢印で示されるように欠環部24aの幅が狭まり、アーム保持部21の内径が圧縮される。このように、締結部22,23を締め付けて欠環部24aの幅を狭めることにより、アーム保持部21がアーム120を強固に締め付け、アーム120がマルチコプタ本体110に固定される。
【0023】
クランプ装置10の本体部20はマルチコプタ本体110に固定されている。マルチコプタ本体110への本体部20の固定手段は特に限定されず、例えば、ねじ止めや接着剤による接着などが考えられる。
【0024】
締結部22は、その上面にボルト締付具30が配置されている。締結部22には、ボルト40が挿通される挿通孔22bが設けられており、挿通孔22bは図4視上下方向に延びている。なお、挿通孔22bには雌ねじは切られておらず、ボルト40は挿通孔22b内で自由に回転可能である。締結部23には、挿通孔22bに挿通されたボルト40の先端部が螺合されるナット部23bが設けられている。
【0025】
このように、本実施形態のクランプ装置10は、ボルト40を締結部22の挿通孔22bに挿通して締結部23のナット部23bに螺合し、ボルト40で締結部22,23を矢印方向に締め付けることで、本体部20がアーム120を締め付ける構造とされている。
【0026】
尚、締結部23はナット部23bを備えない貫通孔であってもよい。その場合、締結部23の貫通孔の外には別体のナット部材を設ける必要がある。
【0027】
図5はボルト締付具30の分解斜視図であり、図6はボルト締付具30を締結部22上面に載置した状態を示す断面図である。図5および図6に示すように、本実施形態のボルト締付具30は、ボルト40と、レバー部材50およびテーパブロック60と、により構成されている。
【0028】
ボルト40は頭部42および軸部43を有している。ボルト40の頭部42には、その上面に六角レンチ等の工具を差し込むための凹部44が設けられている。また頭部42の側面には、ボルト40を手で回し易くするためにローレット加工が施されている。軸部43の長さは、その先端が締結部23のナット部23bに届く長さとされている。
【0029】
レバー部材50は、テーパブロック60が嵌合されるソケット部51と、ソケット部51からその径方向外側に延出した棒状体であるレバー部52とにより構成されている。本実施形態のソケット部51およびレバー部52は一体成形されている。レバー部52は、ソケット部51を手で回すためのハンドルである。
【0030】
ソケット部51は、テーパブロック60が嵌合され、テーパ部61(後述)がその内面に密着可能な凹部51aを有している。ソケット部51の径方向における略中心には、ボルト40の軸部43が挿通される挿通孔53が設けられている。挿通孔53の穴径は、ボルト40の軸部43は挿通可能であるが、頭部42は通らない大きさとされている。なお、挿通孔53には雌ねじは切られておらず、ボルト40は挿通孔53内で自由に回転することができる。
【0031】
テーパブロック60は略円筒形状の部材であり、レバー部材50のソケット部51に嵌合されるテーパ部61と、本体部20の締結部22上面に載置されるベース部62とにより構成されている。
【0032】
テーパブロック60のテーパ部61は、螺合されたボルト40の頭部42側から軸部43の軸先側に向かって、その外周面の外径寸法が次第に大きくなるように形成されたテーパ状の部分である。なお、テーパブロック60の上面は平坦面とされている。
【0033】
テーパブロック60の径方向中心には、ボルト40の軸部43が螺合される雌ねじが切られたねじ穴63が設けられている。ソケット部51の凹部51a内面と、テーパブロック60のテーパ部61との当接部に凹凸は設けられておらず、凹部51aに単にテーパ部61を嵌めただけの状態では、これらは互いに自由に回転することができる。凹部51aとテーパ部61とが押し付けられ、これらが互いに密着することにより、これらの間に摩擦力が生じ、テーパブロック60とレバー部材50とが周方向へ一体的に回転するようになる。なお、本実施形態では、凹部51aの底部とテーパブロック60の上面との間でも摩擦力が生じる。
【0034】
テーパブロック60のベース部62は、テーパ部61よりも大きな外径寸法を有するフランジ状部であり、ベース部62の下面は平坦面とされている。なお、ベース部62の下面は締結部22の上面と接触しているが、固定はされておらず、単に載置されているだけであり、テーパブロック60は締結部22とは無関係に回転することができる。
【0035】
アーム120を締め付けるときには、まず、ソケット部51の挿通孔53にボルト40の軸部43を挿通し、指でボルト40の頭部42を回してテーパブロック60のねじ穴63に軸部43を螺合させる。そして、図6に示すように、ボルト40の頭部42の下面がソケット部51の上面に当接するまで、ボルト40を手で回す。
【0036】
ボルトの頭部42がソケット部51の上面に当接するまでは、ソケット部51の凹部51aとテーパブロック60のテーパ部61とは押し付けられていないから、これらの間に強い摩擦力は生じておらず、ソケット部51とテーパブロック60とは互いに自由に回転することができる。
【0037】
ボルト40の頭部42がソケット部51の上面に当接してソケット部51を下方に押圧すると、テーパブロック60のテーパ部61に、ソケット部51の凹部51aの内面が密着した状態となり、凹部51aとテーパ部61との間に摩擦力が生じる。この状態になると、手でボルト40を回すのは困難である。なお、上でも述べたように、テーパブロック60は、締結部22に載置されているだけで固定されていないので、テーパブロック60は締結部22とは無関係に回転することができる。
【0038】
凹部51aとテーパ部61とが密着した状態でレバー部材50のレバー部52を回すと、これらの摩擦力によりテーパブロック60とレバー部材50とが一体的に回転する。テーパブロック60が回転すると、そのねじ穴63にはボルト40の軸部43が螺着しているので、ボルト40もテーパブロック60とともに回転する。これにより、手回しでは不可能な程度までボルト40を強固に締め付けることができる。
【0039】
なお、レバー部材50を用いたボルト40の締め付けは、通常、最後の90度から180度程度で足りる(以下、このような最後の締め付けを「最後の一締め」ともいう)。そのため、ボルト40の締め付け完了時点におけるレバー部52の理想的な配置から、レバー部材50による最後の一締めに必要な角度を逆算した位置にレバー部52を配置し、レバー部52のその位置を維持しつつ、ボルト40を手で回すことが望ましい。こうすることにより、ボルト40の締め付け完了時点において、レバー部52を所望の位置に配置することができる。なお、上でも述べたように、ソケット部51の凹部51aとテーパブロック60のテーパ部61とが密着していない状態では、これらは互いに自由に回転することができる。そのため、最後の一締めを行うときのレバー部52の位置は容易に調節可能である。
【0040】
これにより、本実施形態のクランプ装置10は、工具を用いることなくボルト40を強固に固定することが可能とされており、また、レバー部52がマルチコプタ100の他の部材を干渉することを防ぐことができ、さらに、ボルト40の締め付け完了時点におけるレバー部52の位置を所望の位置に配置することが可能とされている。
【0041】
なお、本発明のボルト締付具は、工具を用いることなくボルトを締め付けられることがその利点の一つであるが、工具を使ってはならないわけではない。図7は、本発明のボルト締付具の他の実施形態を示す断面図である。図7に示すボルト締付具31は、ソケット部51の上面に凹部54が設けられている。凹部54にはボルト40の頭部42が収容可能であり、凹部54はボルト40の頭部42がソケット部51の上面から突出しない程度の深さに形成されている。また、ボルト40の軸部43は、その先端が締結部23に届く長さとされている。
【0042】
ボルト締付具31のその他の構成はボルト締付具30と同一である。ボルト締付具31によりボルト40を締め付けるときは、まず、ボルト40の頭部42を指で回し、頭部42が凹部54に入って指で回すことができなくなった後は、六角レンチ等の工具を用いてボルト40を回す。ボルト締付具31では、工具を用いた締め付けは最初の一回だけでよく、その後はレバー部材50を使って繰り返しボルト40を締めたり緩めたりすることができる。レバー部材50による最後の一締めの角度範囲内であれば、凹部51aおよびテーパ部61の食い込み(摩擦力)が維持されるからである。
【0043】
本実施形態のクランプ装置10は、図1に示すように、マルチコプタ本体110にねじ止め等で固定されている。マルチコプタ100を保管、運搬するときには、レバー部材50を回してアーム120の締め付けを緩め、アーム120をロータ130ごと取り外す。
【0044】
アーム120の締め付けを緩めるのに特別な工具は必要なく、レバー部材50のレバー部52を手で回すことで、アーム120を引き抜き可能な程度にその締付を緩めることができる。マルチコプタ100からアーム120とロータ130を取り外すことにより、マルチコプタ100をコンパクトに運搬、保管することができる。
【0045】
また、マルチコプタ本体110にアーム120を固定するときには、クランプ装置10にアーム120を差し込み、レバー部52で最後の一締めを行えばよい。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0047】
例えば、本発明の管状体固定具は上記実施形態のクランプ装置10の形態には限定されず、複数のパイプを連結する管継手や、径の大きなパイプに径の小さなパイプが収容された伸縮パイプの固定具としても使用することもできる。また、本発明のボルト締付具も、上記実施形態のボルト締付具30,31の形態には限定されず、例えば、レバー部の位置でボルトが強固に締められているかどうかを視覚的に確認可能とする用途などに応用することができる。
【要約】
工具を用いることなく備え付けのレバー部材でボルトを強固に締め付けることができ、また、レバー部材を回すときにレバー部材が他の部材と干渉することを防ぎ、さらに、ボルト締め付け後のレバー部材の位置を任意の位置に調節可能なボルト締付具、および、このボルト締付具を用いて管状体を固定する管状体固定具を提供する。
ボルトが螺合されるねじ穴およびテーパ部を有するテーパブロック(60)と、テーパブロックが嵌合され、摩擦力によりテーパブロックと一体的に回転するレバー部材(50)と、を備えたボルト締付具、およびこれを備える管状体固定具により解決する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7