(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る測量装置は、例えば、直交する2つの軸を中心として望遠鏡が回転自在とされているトータルステーション(以下、TSという。)である。ここで、TSとして、手動で操作するマニュアル型TS(すなわちMTS)やモータ駆動によって自動的に動作するモータ駆動型TS(すなわちSTS)等が挙げられる。さらに、モータ駆動型TSには、望遠鏡の視野に入った測量目標体であるターゲット(例えば反射プリズム)を自動的に視準する機能を持つ自動視準TS、又は移動するターゲットを自動的に追尾する機能を有した自動追尾TS等がある。例えば、自動追尾TSでは、一人の作業者による測量を実現できる。
本実施形態に係る測量装置は、以上のようなTSの何れかのTSとして構成されている。
【0019】
(構成)
図1は、本実施形態に係る測量装置1の外観の構成例を示す図である。
図1に示すように、測量装置1は、図示しない三脚上に整準装置2を介して設置されている。整準装置2は、三脚上に取り付けられる基盤(又は底板)3と、測量装置1が取り付けられる取り付け部4と、基盤3と取り付け部4との間に配置されて基盤3に対する取り付け部4の傾斜度合いを調整する整準ねじ5とを有している。例えば、作業者は、測量作業の開始に先立って、例えば取り付け部4に設けられた傾斜検出部をなす気泡管の気泡が所定の位置にくるように整準装置2の整準ねじ5を調整する。
【0020】
また、測量装置1は、第1の軸O
1を中心として取り付け部4に対し回転自在な本体6を有している。測量装置1は、整準装置2によって姿勢が調整され、この第1の軸O
1が鉛直になるように設置される。
また、測量装置1は、第1の軸O
1に垂直な第2の軸O
2を中心として本体6に対し回転自在な望遠鏡7を有している。この望遠鏡7は、本体6とともに第1の軸O
1を中心として回転できるため、直交する第1の軸O
1及び第2の軸O
2それぞれを中心として自在に回動できる。
【0021】
そして、測量装置1は、本体6、すなわち望遠鏡7を第1の軸O
1を中心に回転(以下、当該回転の方向を水平方向の回転という。)させるための水平微動ねじ23を有している。さらに、測量装置1は、望遠鏡7を第2の軸O
2を中心に回転(以下、当該回転の方向を鉛直方向の回転又は上下方向の回転という。)させるための不図示の鉛直微動ねじを有している。作業者は、この水平微動ねじ23や鉛直微動ねじを回転操作して望遠鏡7の向きを水平方向や鉛直方向で変化させることができる。
【0022】
望遠鏡7には、対物レンズとして、視準用の望遠レンズ(以下、視準用レンズという。)8及び広角レンズ9が設けられている。本実施形態では、視準用レンズ8の上側に広角レンズ9が設けられている。ここで、視準用レンズ8は、後述の視準カメラ光学系(又は望遠カメラ光学系)11の一部を構成し、広角レンズ9は、後述の広角カメラ光学系12の一部を構成する。
【0023】
図2は、測量装置1の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、測量装置1は、内部構成として、視準カメラ光学系11(又は、単に視準カメラともいう。)、広角カメラ光学系12(又は、単に広角カメラともいう。)12、測距部13、測角部30、水平回転モータ用ドライバ14、水平回転モータ15、鉛直回転モータ用ドライバ16、鉛直回転モータ17、表示部18、情報入力部19、入出力I/F(インターフェース)20、エンコーダ21,22、記憶部25、及び演算部40を有している。
【0024】
視準カメラ光学系11は、視準用レンズ8及び不図示の視準用CCD(Charge Coupled Device)を有している。この視準カメラ光学系11は、視準用レンズ8を介し視準用CCDによって撮像した撮像画像を演算部40に出力する。
広角カメラ光学系12は、広角レンズ9及び不図示の広角用CCDを有している。この広角カメラ光学系12は、広角レンズ9を介し広角用CCDによって撮像した撮像画像を演算部40に出力する。
【0025】
測距部13は、構成の一部として望遠鏡7を含み、ターゲット等の測量対象物までの距離を計測する。そして、測距部13は、計測値を演算部40に出力する。
ここで、一般的に、測距方式としては、反射プリズム等の反射体をターゲットして利用したプリズム方式や反射プリズムを利用しないノンプリズム方式等がある。プリズム方式では、例えば、反射プリズムにレーザー光を照射し、その反射光を受光するまでの時間差から距離を計測する。ここで、反射プリズム等のターゲットを備えるものとして、例えば、ミラー付ポールがある。また、ノンプリズム方式は、反射プリズムを利用せず、反射プリズムを設置する必要がないために、プリズム方式に比較して測量の自由度が高くなる。すなわち例えば、ノンプリズム方式では、現場に足を踏み入れることなく離れた場所から測量することが可能になる。例えば、本実施形態では、これら測距方式のうちの何れかを採用して測距部13が構成されている。
【0026】
測角部30は、水平角検出部31及び鉛直角検出部32を有している。水平角検出部31は、水平方向に回転する本体6、すなわち望遠鏡7の回転角(すなわち水平角)を検出する。また、鉛直角検出部32は、鉛直方向に回転する望遠鏡7の回転角(すなわち鉛直角又は高度角)を検出する。これら水平角検出部31及び鉛直角検出部32は、各検出値を演算部40に出力する。例えば、水平角検出部31は水平角エンコーダであり、鉛直角検出部32は鉛直角エンコーダである。
【0027】
水平回転モータ15は、水平微動ねじ23の回転量に応じて本体6、すなわち望遠鏡7を水平方向に回転させる。そのために、測量装置1では、第1エンコーダ21が、水平微動ねじ23の回転量を検出する。そして、第1エンコーダ21は、検出値を演算部40に出力する。演算部40では、第1エンコーダ21の検出値に応じた水平方向回転指令値を水平回転モータ用ドライバ14に出力する。水平回転モータ用ドライバ14は、水平方向回転指令値に応じて水平回転モータ15を駆動する。
【0028】
また、鉛直回転モータ17は、鉛直微動ねじ24の回転量に応じて望遠鏡7を鉛直方向に回転させる。そのために、測量装置1では、第2エンコーダ22が、鉛直微動ねじ24の回転量を検出する。そして、第2エンコーダ22は、検出値を演算部40に出力する。演算部40では、第2エンコーダ22の検出値に応じた鉛直方向回転指令値を鉛直回転モータ用ドライバ16に出力する。鉛直回転モータ用ドライバ16は、鉛直方向回転指令値に応じて鉛直回転モータ17を駆動する。
【0029】
そして、本実施形態では、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量に対する望遠鏡7の回転量(すなわち、望遠鏡7の向きの変位量)を、画角に応じて補正する処理を行う。この補正処理については、後で詳述する。
表示部18は、各種情報を文字、図形等によって各種情報を表示する。表示部18は、例えば、液晶ディスプレイ等である。この表示部18は、演算部40によって表示状態が制御される。
【0030】
情報入力部19は、使用者によって操作されて情報が入力される部分である。例えば、情報入力部19は、テンキー等の押しボタンスイッチ等によって構成されている。本実施形態では、この情報入力部19(例えば、カメラ選択キー)によって、視準カメラ光学系11及び広角カメラ光学系12のうちの何れかを用いた撮像が選択可能になっている。また、本実施形態では、この情報入力部19(例えば、ズーム倍率設定キー)によって、視準カメラ光学系11による撮像時のズーム倍率が設定できるようになっている。この情報入力部19は、入力された種々の情報を演算部40に出力する。
【0031】
入出力I/F20は、外部機器との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。ここで、外部機器として、パーソナルコンピュータやデータコレクタ(電子野帳)等が挙げられる。
記憶部25は、ROMやRAM、HDD(Hard Disk Drive)等によって構成されている。この記憶部25には、各種プログラムや固定データ、演算部40が処理によって取得したデータ等が記憶される。記憶部25には、例えば、CAD等で作成された設計座標データが記憶されている。
【0032】
演算部40は、測量装置1について各種の処理を行う。例えば、演算部40は、マイクロコンピュータ及びその周辺回路を備えている。そして、本実施形態では、
図2に示すように、演算部40は、測量制御部41、画像処理部42、補正処理部50、及び駆動制御部43を有している。
【0033】
測量制御部41は、測距部13及び測角部30を制御する。また、測量制御部41は、測距部13及び測角部30の検出値を基に測量値を算出する。そして、測量制御部41は、算出した測量値を表示部18に表示する。ここで、測量制御部41は、測量値である距離、高度角及び水平角に基づいて、視準した点(すなわちターゲット)の座標値を算出することができる。
【0034】
画像処理部42は、視準カメラ光学系11による撮像画像や広角カメラ光学系12による撮像画像について予め設定された画像処理を施す。具体的には、画像処理部42は、画像処理の一つとして、デジタルズーム処理を行う。この場合、画像処理部42は、情報入力部19から入力されたズーム倍率値に基づいて、視準カメラ光学系11による撮像画像に対してデジタルズーム処理を施す。そして、画像処理部42は、撮像画像に画像処理を施して得た画像データを基に表示部18への画像表示を行う。
補正処理部50は、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量に対する望遠鏡7の回転量を、画角に応じて補正するための処理を行う。
【0035】
図3は、補正処理部50の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、補正処理部50は、画角値取得部51及び操作量補正部52を有している。
ここで、画角値取得部51は、表示部18に表示される画像の画角値を取得する。具体的には、画角値取得部51は、視準カメラ光学系11及び広角カメラ光学系12のうちのどれを用いて撮像しているかを示す撮像カメラ選択情報や、視準カメラ光学系11による撮像時のズーム倍率値を基に、画角値を取得する。すなわち例えば、画角値取得部51は、撮像カメラ選択情報が視準カメラ光学系11による撮像中であることを示す場合、広角カメラ光学系12による撮像中の場合よりも小さい(すなわち狭い)画角値を取得する。また、画角値取得部51は、視準カメラ光学系11による撮像中には、ズーム倍率値が大きいほど、小さい画角値を取得する。
【0036】
図4には、撮像カメラ選択情報やズーム倍率値を基に画角値を取得するための画角値マップの一例を示す。
図4に示すように、画角値マップでは、画角値は、広角カメラ光学系12による撮像中よりも視準カメラ光学系11による撮像中の方が小さくなる。また、画角値マップでは、画角値は、ズーム倍率が大きいほど小さくなる。例えば、この画角値マップは、記憶部25に格納されている。画角値取得部51は、このような
図4に示す画角値マップを参照して、撮像カメラ選択情報やズーム倍率値に対応する画角値を取得する。そして、画角値取得部51は、取得した画角値を操作量補正部52に出力する。
【0037】
操作量補正部52は、画角値取得部51が取得した画角値に応じて水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量、すなわち、第1及び第2エンコーダ21,22による回転量検出値を補正する。具体的には、操作量補正部52は、画角値が小さいほど第1及び第2エンコーダ21,22の回転量検出値を小さくする補正を行う。例えば、操作量補正部52は、画角値に応じて変化する補正係数と第1及び第2エンコーダ21,22の回転量検出値とを乗算することによって当該第1及び第2エンコーダ21,22の回転量検出値の補正を行う。
【0038】
図5には、画角値と補正係数とが対応付けられている補正係数マップの一例を示す。
図5に示すように、補正係数マップでは、補正係数は、画角値が大きくなると比例して大きくなる。例えば、この補正係数マップは、記憶部25に格納されている。操作量補正部52は、このような
図5に示す補正係数マップを参照して、画角値に対応する補正係数を取得する。これによって、操作量補正部52は、取得した補正係数と第1及び第2エンコーダ21,22の回転量検出値とを乗算することによって当該第1及び第2エンコーダ21,22の回転量検出値の補正を行う。そして、操作量補正部52は、補正した回転量検出値を駆動制御部43に出力する。
【0039】
駆動制御部43は、操作量補正部52からの水平微動ねじ23及び鉛直微動ねじ24の回転量検出値に応じた水平方向回転指令値や鉛直方向回転指令値を算出する。そして、駆動制御部43は、算出した水平方向回転指令値を水平回転モータ用ドライバ14に出力したり、算出した鉛直方向回転指令値を鉛直回転モータ用ドライバ16に出力したりする。
【0040】
次に、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量の検出から水平方向回転指令値や鉛直方向回転指令値の出力までの一連の処理を説明する。
図6には、水平微動ねじ23の回転量の検出から水平方向回転指令値の出力までの一連の処理例を示し、
図7には、鉛直微動ねじ24の回転量の検出から鉛直方向回転指令値の出力までの一連の処理例を示す。
【0041】
図6に示すように、先ずステップS1では、補正処理部50は、水平微動ねじ23の回転量を検出する。すなわち、補正処理部50は、第1エンコーダ21から回転量検出値を取得する。また、ステップS2では、画角値取得部51は、画角値マップ等によって、撮像カメラ選択情報やズーム倍率値に対応する画角値を取得する。次に、ステップS3では、操作量補正部52は、補正係数マップ等によって、前記ステップS2で取得した画角値に対応する補正係数を取得する。次に、ステップS4では、操作量補正部52は、前記ステップS3で取得した補正係数と前記ステップS1で取得した回転量検出値とを乗算して当該回転量検出値を補正する。そして、ステップS5では、駆動制御部43は、前記ステップS4で補正された回転量検出値に応じた水平方向回転指令値を算出し、続くステップS6において、算出した水平方向回転指令値を水平回転モータ用ドライバ14に出力する。
【0042】
また、
図7に示すように、先ずステップS11では、補正処理部50は、鉛直微動ねじ24の回転量を検出する。すなわち、補正処理部50は、第2エンコーダ22から回転量検出値を取得する。また、ステップS12では、画角値取得部51は、画角値マップ等によって、撮像カメラ選択情報やズーム倍率値に対応する画角値を取得する。次に、ステップS13では、操作量補正部52は、補正係数マップ等によって、前記ステップS12で取得した画角値に対応する補正係数を取得する。次に、ステップS14では、操作量補正部52は、前記ステップS13で取得した補正係数と前記ステップS11で検出した回転量検出値とを乗算して当該回転量検出値を補正する。そして、ステップS15では、駆動制御部43は、前記ステップS14で補正された回転量検出値に応じた鉛直方向回転指令値を算出し、続くステップS16において、算出した鉛直方向回転指令値を鉛直回転モータ用ドライバ16に出力する。
【0043】
(動作、作用等)
次に、測量作業における測量装置1の動作、作用等についての一例を説明する。
測量装置1は、作業者によって情報入力部19から入力された撮像カメラ選択情報を基に視準カメラ又は広角カメラによる撮像画像を表示部18に表示する。このとき、測量装置1は、視準カメラによって撮像することが作業者によって選択されていれば、情報入力部19から入力されたズーム倍率値を基に、視準カメラのズーム倍率を設定する。また、測量装置1は、作業者によって水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24が回転操作されると、その回転操作に応じて望遠鏡7を水平方向や鉛直方向に回転させる。
【0044】
例えば、作業者が広角カメラによって撮像した後に視準カメラによる撮像を行った場合、測量装置1は、次のように動作する。
測量装置1は、情報入力部19から広角カメラを選択する撮像カメラ選択情報が入力されると、広角カメラによる撮像画像を表示部18に表示する。そして、作業者が、表示部18の画面内において測定対象物のターゲットがレクチル線の中心付近に移動するように水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24を回転操作すると、測量装置1は、その回転操作に応じて望遠鏡7を水平方向や鉛直方向に回転させる。
【0045】
その後、測量装置1は、情報入力部19から視準カメラを選択する撮像カメラ選択情報が入力されると、視準カメラによる撮像画像を表示部18に表示する。このとき、測量装置1は、情報入力部19から入力されたズーム倍率値に応じたズーム倍率で撮像画像を表示部18に表示する。そして、作業者が、表示部18の画面内においてターゲットがレクチル線の中心に一致するように水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24を回転操作すると、測量装置1は、その回転操作に応じて望遠鏡7を水平方向や鉛直方向に回転させる。
【0046】
以上のような動作において、測量装置1は、水平微動ねじ23の回転量の検出値を現在撮像中の画角に応じて補正し、その補正した検出値に応じた水平角だけ望遠鏡7(又は本体6)を水平方向に回転させている。また、測量装置1は、鉛直微動ねじ24の回転量の検出値を現在撮像中の画角に応じて補正し、その補正した検出値に応じた鉛直角だけ望遠鏡7を鉛直方向に回転させている。
【0047】
ここで、
図8及び
図9を用いて、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量に応じた表示部18の表示画像の移動と画角との関係について説明する。
図8は、画角が大きい場合であり、例えば、広角カメラによる撮像中の場合又は視準カメラによる低ズーム倍率での撮像中の場合である。また、
図9は、画角が小さい場合であり、例えば、視準カメラによる撮像中(特には、高ズーム倍率での撮像中)の場合である。
【0048】
この
図8及び
図9に示すように、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24が回転操作されて望遠鏡7の向きが変化したときの表示部18の表示画像100の移動量(すなわち、被写体となったターゲット101等の表示画像の移動量)は、画角が異なっても、その水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転操作量に対して常に同一の値になる。
【0049】
なお、前述の実施形態の説明では、基盤3や取り付け部4は、例えば、基部を構成する。また、水平微動ねじ23及び鉛直微動ねじ24は、例えば、操作部を構成する。また、第1及び第2エンコーダ21,22は、例えば、検出部を構成する。また、駆動制御部43は、例えば、変位制御部を構成する。また、操作量補正部52は、例えば、補正部を構成する。また、画角値取得部51は、例えば、取得部を構成する。また、視準カメラ光学系11は、例えば、第1光学系を構成し、広角カメラ光学系12は、例えば、第2光学系を構成する。
【0050】
(本実施形態の変形例)
本実施形態では、望遠鏡7の向きを変化させたときの表示部18の画像の移動量が望遠鏡7の画角が異なっても異ならないように(すなわち、望遠鏡7の画角によらず表示部18の画像の移動量が常に同一となるように)、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転操作量に対する望遠鏡7の向きの変位量を制御している。これに対して、本実施形態では、望遠鏡7の画角を異なるものとしたときに、望遠鏡7の向きを変化させたときの表示部18の画像の移動量が(同一となるような厳密さを要求しないが)大きく変化しないように、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転操作量に対する望遠鏡7の向きの変位量を制御することもできる。すなわち、本実施形態では、望遠鏡7の画角が狭い場合の表示部18の画像の移動量が望遠鏡7の画角が広い場合の表示部18の画像の移動量よりも少なくなるように望遠鏡7の向きの変位量を制御すれば良い。
【0051】
また、本実施形態では、画角値マップや補正係数マップを用いて、撮像カメラ選択情報やズーム倍率値から補正係数を取得している。しかし、本実施形態は、これに限定されない。例えば、演算部40は、予め設定されている演算式を用いて撮像カメラ選択情報やズーム倍率値から補正係数を取得することができる。
【0052】
また、本実施形態では、画角値を基に、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量に対する望遠鏡7の回転量を補正している。しかし、本実施形態は、これに限定されない。例えば、本実施形態では、ズーム倍率値を基に、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量に対する望遠鏡7の回転量を補正することができる。この場合、演算部40は、ズーム倍率値を基に、第1及び第2エンコーダ21,22の回転量検出値を補正するための補正係数を算出する。
【0053】
ここで、
図10には、ズーム倍率値と補正係数とが対応付けられている補正係数マップの一例を示す。
図10に示すように、補正係数マップでは、補正係数は、ズーム倍率値が大きくなると小さくなる。演算部40は、このような
図10に示す補正係数マップを参照して、ズーム倍率値に対応する補正係数を取得する。これによって、演算部40は、取得した補正係数と第1及び第2エンコーダ21,22の回転量検出値とを乗算することによって当該第1及び第2エンコーダ21,22の回転量検出値の補正を行う。
【0054】
また、本実施形態では、補正係数を介在させることなく、画角値やズーム倍率値を基に、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量に対する望遠鏡7の回転量を補正することができる。この場合、例えば、演算部40は、予め設定されている演算式を用いて、画角値やズーム倍率値を基に、第1及び第2エンコーダ21,22の回転量検出値の補正値を算出する。
【0055】
また、本実施形態では、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量(すなわち、各エンコーダ21,22の回転量検出値)を画角値を基に補正することで、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量に対する望遠鏡7の回転量を画角に応じて補正している。しかし、本実施形態は、これに限定されない。すなわち例えば、本実施形態では、水平方向回転指令値や鉛直方向回転指令値を画角値を基に補正することでも、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量に対する望遠鏡7の回転量を画角に応じて補正することを実現できる。また、本実施形態では、水平回転モータ用ドライバ14や鉛直回転モータ用ドライバ16のゲインを画角値を基に補正することでも、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量に対する望遠鏡7の回転量を画角に応じて補正することを実現できる。
【0056】
また、本実施形態では、画角値及びズーム倍率値の両方を用いて、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の回転量に対する望遠鏡7の回転量を補正することもできる。
また、本実施形態では、望遠鏡が、広角カメラ光学系12を有さず視準カメラ光学系11だけを有することもできる。
【0057】
また、本実施形態では、表示部18を有さない、すなわち、望遠鏡7の不図示の接眼レンズの覗き込み作業を行う場合にも適用することができる。この場合にも、例えば、演算部40は、視準用レンズ8及び広角レンズ9のうち作業者が作業に用いている対物レンズの情報や、視準用レンズ8を作業に用いている場合のズーム倍率値を基に画角値を取得する。
【0058】
また、本実施形態では、表示部(例えば、タッチパネル)18や情報入力部19に、水平微動ねじ23や鉛直微動ねじ24の機能を持たせることもできる。この場合、演算部40は、表示部(例えば、タッチパネル)18や情報入力部19から入力された望遠鏡7の水平方向や垂直方向の操作量の情報を、画角値を基に補正する。
【0059】
また、本実施形態では、測量装置1がデジタルズームを備えているが、光学ズームを備えることもできる。この場合、演算部40は、光学ズームのズーム倍率値を基に画角値を得る。
また、本実施形態は、トータルステーションの他に、セオドライトにも適用することができる。
【0060】
また、本実施形態では、測量装置1による前述のような処理として、記憶部25に記憶されているプログラムを演算部40が実行することによって実現される処理が挙げられる。この場合、プログラムは、測量装置1の出荷時当初から記憶部25に記憶されているものとすることもできるが、出荷後に作業者等の作業により測量装置1に対して着脱可能な記憶媒体から読み込まれて記憶部25に記憶されたものとすることもできる。
【0061】
また、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項1により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。