(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、ネック部を上向きとした正立状態のプリフォームを、ネック部にて凸部となるサポートリングの下面を支えて搬送する搬送装置に対して、ネック部のサポートリングより上のネック部分を搬送チャックにより把持して受け渡すものが知られている。あるいは、ネック部を下向きとした倒立状態のプリフォームを、ネック部に挿入されるピンにより保持して搬送する搬送装置に対して、ネック部を搬送チャックにより把持して受け渡すものが知られている。
【0006】
これらの方法によれば、プリフォームを正立または倒立状態で搬送する搬送装置では、サポートリングより開口端側にあるネック部の外壁には接触しないで、プリフォームを搬送している。したがって、この搬送装置にプリフォームを受け渡す搬送チャックは、ネック部の外周壁の掴み代を広く確保することができる。
【0007】
ここで、正立状態のプリフォームを搬送する搬送装置では、サポートリングの下面を支えてプリフォームを搬送するため、倒立搬送には使用できない上に、プリフォームを高速搬送するには障害がある。プリフォームを高速搬送すると、サポートリングの下面が傷付き、成形品の美観が損なわれるからである。
【0008】
倒立状態のプリフォームを搬送する搬送装置は、ネック部に挿入されるピンによりプリフォームを保持して搬送するため、高速搬送しても成形品が傷付くことはないが、正立搬送するとプリフォームはピンから脱落してしまう。
【0009】
本発明の幾つかの態様によれば、正立搬送に限定されるフランジ支持構造や倒立搬送に限定される倒立支持ピンを用いずに、成形品を受け渡すことができる成形品の受渡し装置及びそれを用いたブロー成形装置を提供することができる。
【0010】
本発明の他の幾つかの態様によれば、開閉動作時間を短縮でき、構造がシンプルなチャック対を有する成形品の受渡し装置及びそれを用いたブロー成形装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明の一態様は、
ブロー成形に用いられる成形品を搬送する第1搬送部材と、
前記成形品を搬送する第2搬送部材と、
を有し、
前記第1搬送部材は、前記成形品の前記ネック部の外壁の一部を挟持する開閉可能な第1チャック対を含み、
前記第2搬送部材は、前記成形品の前記ネック部の前記外壁の他の一部を挟持する開閉可能な第2チャック対を含み、
前記第1チャック対及び前記第2チャック対の双方で同時に前記成形品を保持した状態から、前記第1チャック対及び前記第2チャック対の一方を他方と干渉せずに開放することで、前記第1チャック対及び前記第2チャック対の前記一方より前記他方に前記成形品を受け渡す成形品受渡し装置に関する。
【0012】
本発明の一態様によれば、成形品のネック部の外壁を、第1,第2搬送部材が同時に挟持する。このとき、第1,第2搬送部材により挟持される高さ位置が重複又は近接していても、第1搬送部材の第1チャック対と第2搬送部材の第2チャック対とは互いに干渉することなく開閉動作することができる。本発明の一態様によれば、第1,第2搬送部材による同時挟持状態を経て一方から他方の搬送部材に受け渡されるので、受渡しミスが低減され、受渡し動作の安定性と信頼性が高まる。また、第1,第2搬送部材はネック部の外壁を挟待することから、正立搬送にも倒立搬送にも使用することができる。なお、ブロー成形される成形品には、ブロー成形に用いられる予備成形品(プリフォーム)、中間成形品(例えば一次ブロー成形品)、または最終成形品が含まれる。
【0013】
(2)本発明の一態様では、
前記第1チャック対の各々は、前記ネック部の前記外壁の前記一部に当接される第1挟持片を含み、
前記第2チャック対の各々は、前記第1挟待片の相対的な移動を許容させるスリットと、前記スリットの両側に設けられて前記ネック部の前記外壁の前記他の一部に当接される第2挟持片と、を含むことを特徴とする成形品受渡し装置。
【0014】
こうすると、第1搬送部材の第1挟持片は第2挟持片のスリットにより相対的移動が許容されるので、第1搬送部材の第1チャック対と第2搬送部材の第2チャック対とは互いに干渉することなく開閉動作することができる。
【0015】
ここで、前記第1チャック対の各々に設けられた前記第1挟持片は、外周縁と内周縁とを含み、平面視で見た幅が前記外周縁に向かうに従い狭く形成することができる。
【0016】
第1挟持片をテーパー状に形成することにより、成形品を挟持している第1搬送部材を基準として、第2搬送部材を芯出し案内することができるので、成形品を傷付けずに確実に受渡しすることができる。
【0017】
ここで、前記第2チャック対の各々に設けられた前記第2挟持片は、外周縁と内周縁とを含み、平面視で見た前記スリットの幅が前記外周縁に向かうに従い狭く形成することができる。
【0018】
スリットをテーパー溝形状に形成することにより、成形品を挟持している第1搬送部材を基準として、第2搬送部材を芯出し案内することができるので、成形品を傷付けずに確実に受渡しすることができる。
【0019】
ここで、前記第1搬送部材は、前記ネック部の向きを垂直方向で逆向きとする反転方向に前記成形品を搬送し、前記成形品の前記ネック部にはフランジ部が突出形成され、前記第1搬送部材の前記第1挟持片は、前記フランジ部が挿入される溝を有することができる。
【0020】
反転搬送に用いられる第1搬送部材は、第1挟持片がフランジ部の上下面側からフランジ部を挟持するので、反転されても成形品が脱落することがない。
【0021】
(3)本発明の他の態様に係る成形品受渡し装置は、
ブロー成形に用いられる成形品を搬送する第1搬送部材と、
前記第1搬送部材よりも速い速度で前記成形品を搬送する第2搬送部材と、
を有し、
前記第1搬送部材は、前記成形品の前記ネック部の外壁の一部を挟持する開閉可能な第1チャック対を含み、
前記第2搬送部材は、前記成形品の前記ネック部の前記外壁の他の一部を挟持する開閉可能な第2チャック対を含み、
前記第2挟持片が前記ネック部を包囲する面積は、前記第1挟持片が前記ネック部を包囲する面積よりも広く形成され、
前記第1チャック対及び前記第2チャック対の双方で同時に前記成形品を保持した状態から、前記第1チャック対及び前記第2チャック対の一方を他方と干渉せずに開放することで、前記第1チャック対及び前記第2チャック対の間で前記成形品を受け渡すことができる。
【0022】
本発明の他の態様に係る成形品受渡し装置でも、本発明の一態様と同等の効果を奏することができ、特に、第2搬送部材は、スリットの両側に第2挟持片を有するので成形品の保持性が第1搬送部材よりも安定し易い。しかも、第1搬送部材よりも高速搬送される第2搬送部材の第2挟持片が、広い面積にてネック部を包囲することで、高速搬送時に成形品を安定して搬送することができる。
【0023】
(4)本発明の他の態様に係る成形品受渡し装置では、
前記成形品の前記ネック部には、ねじ部とフランジ部とが設けられ、
前記第2搬送部材の前記第2挟持片は、前記ねじ部が形成される領域にて前記外壁を挟持することができる。
【0024】
こうすると、第1搬送部材よりも高速搬送される第2搬送部材は、第2チャック対に設けられた第2挟持片によってねじ部が形成される領域にてネック部外壁を挟持するので、従来のようにフランジ部の下面を支えて高速搬送した場合のように、フランジ部が傷付かずに成形品の美観が損なわることがない。
【0025】
(5)本発明のさらに他の態様は、上述した成形品受渡し装置を有するブロー成形装置を定義している。このブロー成形装置でも、受渡しミスが低減され、受渡し動作の安定性と信頼性が高まる。
【0026】
ここで、本発明のさらに他の態様に係るブロー成形装置では、前記第2搬送部材は、前記第1搬送部材から受け渡された前記成形品を、ブロー成形部に搬入することができる。第2搬送部材は、スリットの両側に第2挟持片を有するので成形品の保持性が第1搬送部材よりも安定し易く、成形品をブロー成形部に高速搬送することができる。
【0027】
また、本発明のさらに他の態様に係るブロー成形装置では、前記ブロー成形部に向かう搬送方向に沿って前記成形品を搬送する搬送途中にて、前記搬送方向にて隣り合う2つの前記成形品の各々を挟持する2つの前記第2搬送部材の配列ピッチを変換するピッチ変換部をさらに有することができる。
【0028】
ピッチ変換機構を介して連結される2つの第1搬送部材は、機械的誤差やその累積により位置精度が悪化し易い。第1挟持片とスリットとで芯出し案内することで、位置精度を高めることができる。
【0029】
また、本発明のさらに他の態様に係るブロー成形装置では、
前記第2搬送部材は、前記ネック部を上向きとした正立状態で前記成形品を水平搬送し、
前記第1搬送部材は、前記ネック部を下向きとした倒立状態から前記正立状態へと反転搬送することができる。
【0030】
反転搬送に用いられる第1搬送部材は、第1挟持片がネック部外壁を挟持し、さらにはフランジ部の上下面を溝にて支持することもできるので、反転されても成形品が脱落することがない。
【0031】
(6)本発明のさらに他の態様に係るブロー成形装置は、
ブロー成形に用いられる成形品のネック部を保持する開閉可能な少なくとも一つのチャック対と、
前記少なくとも一つのチャック対の各々を開閉方向にて移動自在に支持して移動される第1,第2の搬送体と、
前記第1,第2の搬送体をそれぞれ搬送方向に沿って案内する第1,第2のレールと、
前記少なくとも一つのチャック対の各々を、それぞれ開閉駆動する第1,第2の開閉駆動部と、
を有することができる。
【0032】
このブロー成形装置によれば、チャック対の各々の開閉距離は単一チャックと比較して半減され、開閉動作時間の短縮によりサイクルタイムが短縮されて成形能力を向上させることができる。また、単一チャックのようにチャック先端部を開閉させる機構をチャック自体に搭載する必要がなく、構造がシンプルになる。
【0033】
(7)本発明のさらに他の態様に係るブロー成形装置では、
前記第1,第2の開閉駆動部の各々は、第1の平行リンク機構を含み、
前記少なくとも一つのチャック対の各々は、前記第1の平行リンク機構に係合される係合部を含み、
前記第1の平行リンク機構は、前記第1,第2の搬送体と共に移動する前記係合部を移動案内する移動案内部を含むことができる。
【0034】
こうすると、チャック対の移動位置に拘わらず常に係合部が第1の平行リンク機構の案内部に係合しているので、第1,第2の開閉駆動部を搬送体と共に移動させる必要がなくなる。
【0035】
(8)本発明のさらに他の態様に係るブロー成形装置では、
前記搬送方向に沿って前記成形品を搬送する搬送途中にて、前記搬送方向にて隣り合う2つの前記成形品の各々を保持する2つのチャック対の配列ピッチを変換するピッチ変換部をさらに有することができる。
【0036】
こうすると、成形品を搬送中にピッチ変換することができる。
【0037】
(9)本発明のさらに他の態様に係るブロー成形装置では、
前記ピッチ変換部は、前記2つのチャック対の各一つに連結される第1,第2リンクを含む第2の平行リンク機構を含み、
隣り合う前記第1リンク同士及び隣り合う第2リンク同士は、互いに接触することで回転止めされて広ピッチ状態を維持することができる。
【0038】
こうすると、第1,第2リンクが過度に回転して広ピッチが変化してしまうことを防止できる。
【0039】
(10)本発明のさらに他の態様に係るブロー成形装置では、
開閉可能なブローキャビティ割型を含むブロー成形部と、
前記ブロー成形部に設けられた位置決め部と、
をさらに有し、
前記ピッチ変換部は、前記2つのチャック対の各一つに連結される第1,第2リンクを含む第2の平行リンク機構を含み、
前記2つのチャック対の各々は、前記ブローキャビティ割型の型閉移動により前記位置決め部に位置決めされる被位置決め部を含むことができる。
【0040】
このように、ブローキャビティ割型の型閉移動を利用して、搬送方向にて隣り合う2つのチャック対を位置決めすることで、型閉じ時に隣り合う2つの成形品のピッチを一定に設定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の好適な実施の形態について、比較例を参照して詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0043】
1.射出延伸ブロー成形装置
図1は射出延伸ブロー成形装置の正面図である。
図2は
図1に示す射出延伸ブロー成形装置での間欠搬送と連続搬送を示す図である。
図1の矢印A〜Fはプリフォームの搬送方向を示す。
図2にてプリフォームの搬送方方向を示す矢印に付した符号のうち、I1〜I8はそれぞれ間欠搬送を意味し、C1〜C3は連続搬送を意味する。
【0044】
図1及び
図2において、射出延伸ブロー成形装置の機台1には、射出成形部10、冷却部20、加熱部30及びブロー成形部40が設けられている。
【0045】
本実施形態は、同時に射出成形されたN(Nは2以上の整数)個のプリフォームをn(nは2以上の整数)回に分けてM(Mは1以上の整数で、M=N/n)個ずつブロー成形動作する各回での成形温度差を、加熱前に強制冷却することで小さくし、それにより、容器間の成形品質を均一化するものである。
【0046】
射出成形部10は、
図1に示す4本のタイバー100に沿って型締め駆動する型締め機構102を有する。型締め機構102により、
図1に示す射出コア型104が射出キャビティ型106と型締めされる。射出装置110がホットランナー型にノズルタッチして樹脂を射出することで、プリフォームが射出成形される。
【0047】
図2に示すように、射出成形部10にて同時に射出成形されるプリフォーム個数Nは例えば最大24個(3列×8個)とされる。
【0048】
射出成形部10には、射出成形されたN個のプリフォームを、
図2のI1方向に取り出す取出し装置120が設けられている。取出し装置120は、
図1に示すように、N個(例えば3列×8個)の保持部材例えばポット122を、射出コア型104の下方の受け取り位置と、タイバー100で囲まれた空間よりも外方の受け渡し位置とに、水平移動可能としている。このポット122の水平移動中に、ポット122の列ピッチは、受け取り位置での広ピッチ(射出成形ピッチ)から受け渡し時の狭ピッチへと変換される。なお、受け渡し位置に描かれた3つのポット122のうち、2つは口径及び長さの大きいプリフォーム用ポットであり(受け取り位置のポットと同じ)、他の一つは口径及び長さの小さいプリフォーム用ポットである。つまり、プリフォームサイズに応じて、ポット122のサイズや数は変更される。なお、
図1では受け取り位置と受け渡し位置とにそれぞれポット122が実線で描かれているが、実際にはいずれか一方の位置のみに停止している。
【0049】
射出成形されたN個のプリフォームは、プリフォームを強制冷却する冷却部20に搬送される。このために、
図1に示すように、プリフォーム搬送装置50が設けられている。プリフォーム搬送装置50は、
図1に示す受け渡し位置にある3列のポット122に保持されたN個のプリフォームを、
図1の矢印A,B方向に移動させて冷却部20まで搬送する。
【0050】
冷却部20は、例えば
図3に示すように、矢印C方向に反転駆動される反転部200と、反転部200の第1面201に設けられたN個の第1冷却ポット210と、反転部200の第1面201と対向する第2面202に設けられたN個の第2冷却ポット220と、を有することができる。第1,第2冷却ポット210,220は、冷媒通路230を循環する冷媒により冷却されている。また、第1,第2冷却ポット210,220は、プリフォーム2を吸引する吸引孔240を有する。反転部200は、軸204の廻りに反転可能である。反転部200は、
図2に示す駆動源例えばサーボモータ206により駆動されるボールねじによって昇降可能である。
【0051】
ここで、本実施形態では、射出成形部10は、ネック部を上向きとした正立状態にてN個のプリフォーム2を射出成形している。反転部200は、正立状態のプリフォーム2を、ネック部を下向きとした倒立状態に反転させて(
図2の矢印I2参照)、加熱部30の搬送部材に受け渡すことができる。つまり、冷却時間中に反転動作させることができ、反転時間等を別途確保することなく冷却時間を長く確保できる。
【0052】
加熱部30は、冷却されたN個のプリフォーム2を延伸適温まで加熱するものである。本実施形態では、加熱部30は、ネック部2Aを下向きとした倒立状態にてN個のプリフォーム2を加熱するものである。本実施形態ではさらに、N個のプリフォーム2を連続搬送しながら加熱するものである。
【0053】
このために、加熱部30は、射出成形サイクルとしてk(kは2以上の整数)サイクル分の(k×N)個のプリフォーム2が搬送される閉ループまたは循環ループをなす搬送路300のうち一部の連続搬送路310に沿って配置されている。搬送路300は、
図2に示すように、複数のスプロケットと、複数のスプロケットに係合可能であって、各々が一つのプリフォーム2を保持する複数の搬送部材と、複数の搬送部材を
図2の連続搬送方向C1〜C3に沿って案内する案内レールと、を有することができる。本実施形態では、搬送路300には、上流側にて連続搬送方向C1〜C3に沿って搬送する連続搬送路310と、その下流側の間欠搬送方向I4,I5に沿って搬送する間欠搬送路312とが並存している。
【0054】
ブロー成形部40は、M個のプリフォームを吹き込みエアーと延伸ロッドの縦軸駆動で二軸延伸して容器に成形するものである。図示しないブローキャビティ型、ブローコア型及び必要により底型が型締めされる。これらの構造は周知であるので、説明を省略する。加熱部30よりブロー成形部40にM個のプリフォーム2を移送する間欠搬送機構400が設けられている。
【0055】
加熱部30よりブロー成形部40にM個のプリフォーム2を搬送するために、後述する第1チャック対720A,720Bにて構成される第1搬送部材720を有する反転受け渡し機構70と、第2搬送部材411を有する間欠搬送機構400との間でプリフォーム2の受渡しが実施される。反転受け渡し機構70は、搬送路300の下流にて間欠搬送された搬送治具からM個のプリフォーム2を倒立状態で取出し、
図2の矢印I6示F方向に反転して正立状態とする。
【0056】
その後、後述するとおり、反転受け渡し機構70の第1チャック対720A,720Bから間欠搬送機構400の第2チャック対412にプリフォーム2が受け渡されて、ブロー成形部40に搬入される(
図2の矢印I7参照)。なお、プリフォーム2をブロー成形部40に搬入する
図2の矢印I7の動作と、ブロー成形後の容器を取出し部60に搬出する
図2の矢印I8の動作とは、同時に実施できる。
【0057】
2.受渡し装置
次に、反転受け渡し機構70と間欠搬送機構400を含み、その両者間でプリフォーム2の受け渡す受渡し装置について説明する。
【0058】
2.1.加熱部の下流の反転受け渡し装置
図2に示すに示す反転方向I6に反転して、
図2に示す間欠搬送機構400にプリフォーム2を受け渡す反転受け渡し機構70について、
図4〜
図6を参照して説明する。
【0059】
図4〜
図6に示すように、反転受け渡し機構70は、ガイド軸700に沿ってリニアベアリング701を介して昇降する昇降板702と一体で移動する昇降部710を有する。昇降板702は、昇降駆動部例えばサーボモータ711により駆動するボールねじ712に螺合するナット部713を有する。
【0060】
昇降部710には、M個の第1チャック対720A(第1搬送部材720)と、M個の第1チャック対720B(第1搬送部材720)とが、
図5に示すように上下2箇所に設けられた開閉駆動部例えばエアシリンダー730A,730Bにより同時に開閉駆動可能に支持されている。
図5に示すエアシリンダー730Aは、
図5にて左側に位置するチャック720A,720Bを同時に開閉駆動し、
図5に示すエアシリンダー730Bが
図5の右側に示す第1チャック720A,720B(
図5では720Aのみが図示されている)を同時に開閉駆動する。
【0061】
M個の第1チャック対720Aと、M個の第1チャック対720Bとは、回転軸731と共に、回転軸731を回転中心として回転される。回転軸731には溝付プーリー732が固定される。回転駆動部例えばサーボモータ733により回転駆動される溝付プーリー734と、回転軸731に固定された溝付プーリー732とにはタイミングベルト735が掛け渡されている。
【0062】
昇降部710が下降位置にあるとき、加熱部30にて加熱された倒立状態のM個のプリフォームが、下側に位置するM個の第1チャック対720Bが閉鎖駆動されて保持される。その後、昇降部710が上昇したのち、M個の第1チャック対720Aと、M個の第1チャック対720Bとが回転軸731を回転中心として回転される。それにより、M個の第1チャック対720Bが上側に位置され、
図2の矢印Fで示すようにプリフォーム2が倒立状態から正立状態に反転される。
【0063】
2.2.ブロー成形部及び間欠搬送機構
図7は、ブロー成形部40及び間欠搬送機構400の具体例を示している。
図8はブロー成形部40の正面図である。間欠搬送機構400は、搬入部410と搬出部420とを一体的に
図7の第2方向Gに往復駆動する。この往復駆動は、往復駆動部例えばサーボモータ430の回転軸に固定された2つのピニオンギア431,431と、それらと噛合されて直線駆動される2つのラック432(
図7では部分的にみ示す)により実現される。搬入部410と搬出部420とは、ラック432,432と一体的に往復駆動される。その往復駆動により、搬入部410はプリフォーム受取位置P1とブロー成形位置P2との間を往復し、搬出部420はブロー成形位置P2と取出し位置P3との間を往復する。このように、プリフォーム受取位置P1、ブロー成形位置P2及び取出し位置P3を一直線上に配置することで、搬送動作に無駄がなく、搬送機構が簡略化され、サイクルタイムを短縮することができる。なお、
図7では搬入部410がプリフォーム受取位置P1とブロー成形位置P2との2箇所に実線で描かれているが、搬入部410はいずれか一方のみにて停止される。
【0064】
搬入部410は、M個のプリフォームを搬送するM個の搬送部材(第2搬送部材)411を有する。M個の搬送部材(第2搬送部材)411の各々は、一対のチャック(チャック対または第2チャック対ともいう)412を有する。搬出部420は、M個の容器を搬送する一対のチャック422,422(第3チャック対)から成る搬送部材421(第3搬送部材)を有する。これらの一対のチャック412,422は、
図7に示す複数例えば4つの開閉駆動部の一例であるエアシリンダー440A,440Bの駆動力がリンク機構(第1の平行リンク機構)441を介して伝達されることで、一体で開閉駆動される。なお、エアシリンダー440A及びそれにより駆動されるリンク機構441Aを第1の開閉駆動部と称し、エアシリンダー440B及びそれにより駆動されるリンク機構441Bを第2の開閉駆動部と称する。
【0065】
図8に示すように、搬入部410のM個の第2搬送部材411によりブロー成形部40のブロー成形位置P2にM個のプリフォーム2が、
図8の紙面と直交する方向から搬入される。このとき、ブローキャビティ割型41は型開きされている。その後、ブローキャビティ割型41や図示しないブローコア型及び必要により設けられる底型が型締めされる。それにより、M個のプリフォーム2はブロー成形部40に受け渡される。その後、M個の搬送部材411の第2チャック対421が開放駆動され、
図7に示すブロー成形位置P2からプリフォーム受取位置P2に移動される。同時に、搬出部420が取出し位置P3からブロー成形位置P2に搬入され、一対のチャック422が開放された状態で待機される。
【0066】
その後、ブロー成形部40にて、M個のプリフォーム2からM個の容器が成形されると、搬出部420の一対のチャック422が閉鎖駆動されて、M個の容器のネック部を挟持する。これと同時に、プリフォーム受取位置P1では、搬入部410のM個の第2チャック412が閉鎖駆動されて、次のM個のプリフォーム2を挟持する。その後、搬出部420はM個の容器をブロー成形位置P2から取出し位置P3に搬出し、搬入部410はM個のプリフォーム2をプリフォーム受取位置P1からブロー成形位置P3に移動する。これを繰り返すもことで、ブロー成形部40でのブロー成形動作が連続して実施される。
【0067】
第2チャック対412の支持構造を
図9及び
図10を参照して説明する。先ず、間欠搬送機構400は、
図9の往復動方向Gに沿って例えば上下2段のレール451,451が設けられている。M個の第2チャック対412の各々を支持するM個の搬送体450(
図9では一つのみ図示)がレール451に沿って摺動自在に設けられている。搬送体450の下面にはリニアガイド452が固定されている。
【0068】
搬送体450は支点軸450Aを有し、平行リンク機構例えばXリンクを構成する2本のリンク453,454が支点軸450Aに回転自在に支持されている。Xリンクを構成する2本のリンク453,454の一端例えば下端453B,454Bは、隣の搬送体(
図9では図示せず)のXリンクの下端と回転自在に連結される。よって、
図9に示すようにXリンク453,454の角度が変化すると、隣り合う搬送体450間の間隔が変化する。これを利用して、間欠搬送機構400は、プリフォーム2のピッチを加熱時の狭ピッチからブロー成形時の広ピッチへと変換することができる。
【0069】
このピッチ変換のために、Xリンクを構成する2本のリンク453,454の他端例えば上端453A,454Aには、カムフォロア453C,454C(
図10参照)が取り付けられる。
図10に示すように、カムフォロア453C,454Cはカム溝460と係合している。カム溝460の高さを、
図9に示す往復動方向Gの位置毎で変化させることで、Xリンク453,454が
図9に示すように揺動して、第2チャック412のピッチが変換される。なお、平行リンク機構453,454、カムフォロア453C,454C及びカム溝460は、ピッチ変換部を構成している。
【0070】
一方、第2チャック対412は、リニアガイド452に沿って摺動するアーム412Aの一端に固定されている。アーム412Aの他端にはカムフォロア(係合部)412Bが支持されている。そのため。搬送体450及び第2チャック412対は、レール451に沿って往復動方向Gに移動することができ、この移動は上述したサーボモータ430の駆動力により行われる。また、カムフォロア412Bは、
図10に示すように第1平行リンク機構441A,441Bにより平行移動される2本のレール(移動案内部)442に係合している。よって、
図7に示すエアシリンダー440の駆動力を、第1の平行リンク機構441を介して、第2チャック対412のカムフォロア412Bに伝達することで、第2チャック対412が開閉駆動される。しかも、第2チャック対412のカムフォロア412Bは、2本のレール(移動案内部)442と係合しながら移動可能である。従って、第2チャック対412が
図10に示す位置P1,P2のいずれに位置していても、第2チャック対412を開閉駆動することができる。
【0071】
2.3.第1,第2チャック対の構造
本実施形態の受渡し装置70,400は、第1チャック対720A(720B)と第2チャック対412との間で、成形品であるプリフォーム2を受け渡すものである。その受渡しに用いる第1チャック対720A(720B)と第2チャック対412の構造について、
図11〜
図14を参照して説明する。なお、
図11は第1,第2搬送部材720,411にて同時に成形品を挟持した状態を示す断面図であり、
図12は第2搬送部材411のみにてプリフォーム2を挟持した状態を示す
図11とは異なる断面の断面図である。
【0072】
図11〜
図14において、第1チャック対720A(720B)と第2チャック対412は、同一方向であるH方向に開閉駆動される。ただし、第1チャック対720A(720B)と第2チャック対412との開閉方向は異なっても良い。
図11、
図13及び
図14に示すように、第1チャック対720A(720B)は、最端面例えば上面や721から局所的に突出する第1挟持片722を含む。
図11に示すように、第1挟持片721がプリフォーム2のネック部2Aと接触する。
【0073】
第2チャック対の412の各々は、第1挟待片722を相対的に移動させるスリット413(
図11参照)と、スリット413の両側に設けられた第2挟持片414(
図12及び
図13参照)と、を有する。
【0074】
このような構造とすると、挟持できる領域が少ないプリフォーム2のネック部2Aを、第1チャック対720A(720B)と第2チャック対412が同時に挟持できる。しかも、その挟持する高さ位置が重複又は近接していても、第1チャック対720A(720B)と第2チャック対412とが互いに干渉することがない。第1挟持片721は第2挟持片414のスリットにより相対的移動が許容されるからである。第1チャック対720A(720B)と第2チャック対412による同時挟持状態を経て、その一方から他方へと受け渡されるので、受渡しミスが低減され、受渡し動作の安定性と信頼性が高まる。
【0075】
ここで、第1チャック対720A(720B)は、ネック部2Aの向きが垂直方向で逆向きとなる,
図1の反転方向Fにプリフォーム2を搬送している。従って、第1チャック対720A(720B)は、プリフォーム2が正立状態でも倒立状態でも、プリフォーム2を落下せずに保持する必要がある。そのために、プリフォーム2ネック部2に形成されているフランジ部を利用することができる。
図11には、ネック部2Aに、ねじ部2A1と、フランジ部としてサポートリング2A2が形成されている。第1挟持片721は、
図11に示すように、例えばフランジ部(サポートリング2A2)の上下面側と当接可能な溝721aによりフランジ部の外壁(ネック部の外壁)を挟持している。これにより、プリフォーム2の上下の向きが変わっても、プリフォーム2が第1チャック対720A(720B)から落下することなく、安定して保持できる。
【0076】
本実施形態では、プロー成形部40にブリフォーム2を直線搬送する第2チャック対412は、プリフォーム2を反転搬送する第1チャック対720A(720B)よりも速い速度で搬送することができる。このとき、第2チャック対412は、スリット413の両側に第2挟持片414を有するのでプリフォーム2の保持性が第1チャック対720A(720B)よりも安定し易い。さらに、第2挟持片414がネック部2Aを包囲する面積を、第1挟持片722がネック部2Aを包囲する面積よりも広くすることができる。第1チャック対720A(720B)よりも高速搬送される第2チャック対412の第2挟持片414が、広い面積にてネック部2Aを包囲することで、高速搬送時にプリフォーム2を安定して搬送することができる。
【0077】
また、第2チャック対412は、ネック部2の外周壁を挟持することができ、本実施形態ではサポートリング2A2の直上のネック外壁を挟持している。第2チャック対412は、ネック部2Aにねじ部2A1が存在するとき、
図12に示すようにねじ部2A1の頂部を挟持することができる。ただし、第2チャック対412は、ネック部2Aにねじ部2A1が存在するとき、ねじ部2A1以外の箇所、例えば最下段にあるねじ部2A1の下面を
図12に示す突起414aにより挟持することが好ましい。こうすると、ねじ部2A1への負荷を軽減できる。この他、第2チャック対412は、第1チャック対720A(720B)と干渉しない限り、サポートリング2A2の外周縁部や、サポートリング2A2以外のフランジ部例えばビートリング(ロッキングリング)を挟持しても良い。
【0078】
ところで、
図9に示すように、第2チャック対412の各々を移動させる搬送体450がXリンク453,454等の平行リンク機構(第2の平行リンク機構)を有する場合、停止時での搬送体450、つまり第2チャック対412の位置精度は悪化する。そのために、プリフォーム2を保持して待機している第1チャック対720A(720B)により、第2チャック対412をプリフォーム2の保持位置に移動案内することが好ましい。
【0079】
そのために、
図15(A)に示すように、第1チャック対720A(720B)の各々に設けられた第1挟持片722は、外周縁722Aと内周縁722Bとを含み、平面視で見た幅が外周縁722Aに向かうに従い狭く形成することができる。第1挟持片722をテーパー状に形成することにより、プリフォーム2を挟持している第1チッャク対720A(720B)を基準として、移動する第2チャック対412を芯出し案内することができる。
【0080】
あるいは、
図15(B)に示すように、第2チャック対412の各々に設けられた第2挟持片414は、外周縁414Aと内周縁414Bとを含み、平面視で見たスリット413の幅が外周縁414Aに向かうに従い狭く形成することができる。スリット413をテーパー溝形状に形成することにより、プリフォーム2を挟持している第1チャック対720A(720B)を基準として、移動する第2チャック対412を芯出し案内することができる。
【0081】
あるいは、
図15(C)に示すように、第1挟持片722をテーパー状に形成すると共に、スリット413をテーパー溝形状に形成することもできる。
図15(A)〜
図15(C9のいずれかを採用することで、プリフォーム2を傷付けずに確実に受渡しすることができる。なお、プリフォーム2を挟持している第2チャック対412を基準として、移動する第1チャック対720A(720B)412を芯出し案内するには、スリット413または第1挟持片722を内周縁414Bまたは722Bに向かう従い狭く形成すれば良い。
【0082】
一方、ブロー成形部40にて第2チャック対412の位置精度またはブローピッチ精度を高めることもできる。このために、
図8に示すように、第2チャック対412の各アーム412Aの下面に、被位置決め部とした例えば水平面内で回転可能なローラー412Cを設けることができる。一方、
図10に示すブローキャビティ割型41には、
図16に示すように、ブロー成形ピッチPにて配列されたM個(
図16では2個のみ示す)の位置決め部42を有する。位置決め部42は先端に向けて溝幅が拡大するテーパー溝42Aを含む。テーパー溝42Aは湾曲形状に限らず直線としても良い。
【0083】
図10に示すブローキャビティ割型41が型開き状態では、位置決め部42は
図116の二点鎖線に示す位置にある。ブローキャビティ割型41が型閉じされると、位置決め部42は
図16の実線に示す位置に移動する。その過程で、ブロー成形部40に搬入された第2チャック対412のローラー412Cは、位置決め部42のテーパー溝42Aと係合して、ブロー成形ピッチPにて位置決めすることができる。
【0084】
2.4.ピッチ変換部の変形例
図17及び
図18は、
図16に示す被位置決め部412C及び位置決め部42を用いずに、第2チャック対412のブロー成形ピッチ(広ピッチ)を維持することができるピッチ変換部の変形例を示している。ただし、
図17及び
図18中、
図9に示す部材と同一機能を有する部材については、
図9と同一符号を付してその説明を省略する。
【0085】
図17及び
図18では、
図9に示すXリンク453,354に代えて、第1リンク470及び第2リンク471が、搬送体450の支点軸450Aに回転自在に支持されている。隣り合う2つの搬送体450同士では、第1リンク470と第2リンク471とが回転自在に連結される。そして、これら第1,第2リンク470,471の集合により第2の平行リンク機構が構成される。
【0086】
図17及び
図18に示すように、一つの搬送体450に連結される第1,第2リンク470,471は、支点軸450Aを通る垂線に対して線対称の形状を有する。第1,第2リンク470,471は、支点軸450Aから最も離れた端部に突起部480を有する。第1,第2リンク470,471は、その長手方向にて突起部480と反対側の端部に切欠き部481を有する。また、第1,第2リンク470,471のうち、
図10に示すカム溝460側に露出するリンクには、カム溝460に係合するカムフォロア483が配置されている。つまり、第2の平行リンク機構470,471、カムフォロア483及びカム溝460は、ピッチ変換部を構成している。
【0087】
図19は、カム溝40とカムフォロア483との係合により達成される狭ピッチ変換動作を示している。
図19に示すように、プリフォーム受取位置P1でのカム溝460の高さ位置は高く設定されている。それにより、
図17及び
図18に示すように、一つの搬送体450に連結される第1,第2リンク470,471が比較的小さな交差角で交差する。この状態が
図19に示すプリフォーム受取位置P1にて実現される第2搬送部材411の狭ピッチ状態である。このとき、隣り合う搬送体450同士が当接し、狭ピッチ状態の間隔を確実に規制することができる。
【0088】
一方、
図20は、カム溝40とカムフォロア483との係合により達成される広ピッチ変換動作を示している。
図20に示すように、ブロー成形位置P2でのカム溝460の高さ位置は低く設定されている。それにより、
図17及び
図18に示す第1,第2リンク470,471の交差角は広げられる。特に、隣り合う第1リンク470同士及び隣り合う第2リンク471同士では、
図17及び
図18に示す突起部481が切欠き部482に当接した状態となる。つまり、切欠き部482は突起部481の回転ストッパーとなり、それにより第1リンク470同士及び第2リンク472同士の位置関係が規制される。本実施形態では、
図20に示すように、ブロー成形位置P2では第1リンク470同士及び第2リンク472同士が一直線状に配列される。この状態が
図20に示すブロー成形位置P2にて実現される第2搬送部材411の広ピッチ状態である。
【0089】
図19及び
図20では、第2搬送部材411と連動して移動される搬送部材422の状態も示されている。
図19及び
図20に示すように、ブロー成形位置P2と取出し位置P3とでは、カム溝460の高さ位置が一定である。よって、搬送部材421ではピッチ変換されない。
【0090】
2.5.プリフォーム受渡し動作
次に、
図4〜
図6に示す反転受け渡し機構70から
図7に示す間欠搬送機構400の搬入部410へのプリフォーム2の受渡し動作について、
図13及び
図14を参照して説明する。
【0091】
図13及び
図14に示すT0〜T4は時間軸で変化するタイミングであり、T0からT4に変化する。
図13及び
図14は、T0からT4に変化する時間軸上での第1チャック対720Aと第2チャック対412の動作を示している。これらの動作は、
図24に示すプリフォーム受渡し位置P1にて実施される。
【0092】
タイミングT0では、開放状態の第2チャック対412の下方で、第1チャック対720Aに挟持されたプリフォーム2が待機している。次のタイミングT1では、第1チャック対720Aに挟持されたプリフォーム2が上昇されて、開放状態の第2チャック対412の間にネック部が配置される。
【0093】
さらにその後、タイミングT2にて開放状態の第2チャック対412が閉鎖駆動される。よって、タイミングT2では、プリフォーム2のネック部は、第1チャック対720Aと第2チャック対412の双方で挟持される。
【0094】
その後、タイミングT3で第1チャック対720Aが下降移動される。それにより、プリフォーム2は第1チャック対720Aから第2チャック対412に受け渡される。
【0095】
なお、その後、第2チャック対412はプリフォーム受取位置P1からブロー成形位置P2に搬送される。さらにその後に、第1チャック対720Aは下降した後、
図21に示すサーボモータ733の駆動により回転されて、新たなM個のプリフォーム2を挟持した第1チャック720Bが、
図13及び
図14のタイミングT0にて示す位置に設定される。さらにその後に、ブロー成形位置P1からプリフォーム受渡し位置P1に第2チャック対412が復帰され、
図13及び
図14のタイミングT0にて示す位置に設定される。以降は、上述したプリフォーム受渡し動作が繰り返される。
【0096】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【0097】
ブロー成形に用いられる成形品とは、予備成形品(プリフォーム)に限らず、中間成形品(例えば一部ブロー成形品)または最終成形品でもよく、本発明はこれらの成形品の受渡しに適用することができる。