(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6118545
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】ウェザーストリップの取付構造
(51)【国際特許分類】
B60J 10/84 20160101AFI20170410BHJP
B60J 10/32 20160101ALI20170410BHJP
B60J 10/24 20160101ALI20170410BHJP
B60R 13/06 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
B60J10/84
B60J10/32
B60J10/24
B60R13/06
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-268485(P2012-268485)
(22)【出願日】2012年12月7日
(65)【公開番号】特開2014-113877(P2014-113877A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000196107
【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105175
【弁理士】
【氏名又は名称】山広 宗則
(74)【代理人】
【識別番号】100105197
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 牧子
(72)【発明者】
【氏名】土田 英志
【審査官】
倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−137634(JP,A)
【文献】
特開平11−151992(JP,A)
【文献】
特開昭52−088927(JP,A)
【文献】
特開2004−114973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/00 − 10/90
B60R 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のバックドア,トランクリッド,フード等の開閉体の閉時にその開閉体のシール面に略垂直に、車外側から車内側に延びるボディパネルの水平面から立設したフランジに取付けられる、車内側側壁部,車外側側壁部及び両側壁部を連結する連結壁部からなる断面略U字形状であり、両側壁部の内側に前記フランジを保持する複数の保持リップ部が形成され、しかもその形状に沿って断面略U字形状の芯材が埋設された取付基部と、
該取付基部の連結壁部に一体成形され前記開閉体に弾接する中空シール部を備えるウェザーストリップの取付構造であって、
前記車外側側壁部の端部の車外側面に高発泡スポンジが前記車外側側壁部の端部から車外側へ突出するように設けられるとともに、前記車外側側壁部からヒレ片が前記高発泡スポンジに接して又は一体化して斜めに延びるように設けられ、
前記車外側側壁部の端部における至端の車外側に、車外側側壁部の厚さの半分以下で先端が車内側に湾曲した小リップを突設し、前記車外側側壁部の端部が前記水平面に弾接するときには前記小リップが車内側に倒れて、前記車外側側壁部の端部における至端の車内側に弾接し、
前記高発泡スポンジ及び前記車外側側壁部の端部が前記水平面にそれぞれ直に弾接するとともに、前記ヒレ片の先端が前記水平面に直に当接して前記高発泡スポンジを覆い隠すようにして取付けられることを特徴とするウェザーストリップの取付構造。
【請求項2】
自動車のバックドア,トランクリッド,フード等の開閉体の閉時にその開閉体のシール面に略垂直に、車外側から車内側に延びるボディパネルの水平面から立設したフランジに取付けられる、車内側側壁部,車外側側壁部及び両側壁部を連結する連結壁部からなる断面略U字形状であり、両側壁部の内側に前記フランジを保持する複数の保持リップ部が形成され、しかもその形状に沿って断面略U字形状の芯材が埋設された取付基部と、
該取付基部の連結壁部に一体成形され前記開閉体に弾接する中空シール部を備えるウェザーストリップの取付構造であって、
前記車外側側壁部の端部の車外側面に高発泡スポンジが前記車外側側壁部の端部から車外側へ突出するように設けられるとともに、前記車外側側壁部からヒレ片が前記高発泡スポンジに接して又は一体化して斜めに延びるように設けられ、
前記車外側側壁部の端部における至端の車外側に、車外側側壁部の厚さの半分以下で先端が車内側に湾曲した小リップを突設し、前記車外側側壁部の端部が前記水平面に弾接するときには前記小リップが車内側に倒れて、前記車外側側壁部の端部における至端の車内側に弾接し、
前記高発泡スポンジ及び前記車外側側壁部の端部が前記水平面にそれぞれ直に弾接するとともに、前記ヒレ片の先端が前記水平面に直に当接して前記高発泡スポンジとの間に隙間を形成した状態で前記高発泡スポンジを覆い隠すようにして取付けられることを特徴とするウェザーストリップの取付構造。
【請求項3】
前記ヒレ片の長さを、前記車外側側壁部の内側に形成された保持リップ部の長さと同等かそれ以下にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のウェザーストリップの取付構造。
【請求項4】
自動車のバックドア,トランクリッド,フード等の開閉体の閉時にその開閉体のシール面に略垂直に、車外側から車内側に延びるボディパネルの水平面から立設したフランジに取付けられる、車内側側壁部,車外側側壁部及び両側壁部を連結する連結壁部からなる断面略U字形状であり、両側壁部の内側に前記フランジを保持する複数の保持リップ部が形成され、しかもその形状に沿って断面略U字形状の芯材が埋設された取付基部と、
該取付基部の連結壁部に一体成形され前記開閉体に弾接する中空シール部を備えるウェザーストリップの取付構造であって、
前記車外側側壁部の端部の車外側面に高発泡スポンジが前記車外側側壁部の端部から車外側へ突出するように設けられるとともに、前記車外側側壁部からシールリップ部が前記高発泡スポンジに接して又は一体化して斜めに延びるように設けられ、
前記車外側側壁部の端部における至端の車外側に、車外側側壁部の厚さの半分以下で先端が車内側に湾曲した小リップを突設し、前記車外側側壁部の端部が前記水平面に弾接するときには前記小リップが車内側に倒れて、前記車外側側壁部の端部における至端の車内側に弾接し、
前記高発泡スポンジ及び前記車外側側壁部の端部が前記水平面にそれぞれ直に弾接するとともに、前記シールリップ部の先端が前記水平面に直に弾接して前記高発泡スポンジとの間に隙間を形成した状態で前記高発泡スポンジを覆い隠すようにして取付けられることを特徴とするウェザーストリップの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のバックドア,トランクリッド,フード等の開閉体に弾接してシールするウェザーストリップの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、
図6に示すように、自動車のトランクリッド(開閉体)100に弾接してトランクリッド100との間をシールするウェザーストリップ10がボディパネル200側に取付けられている。
このウェザーストリップ10は、例えば、
図7に示すように、自動車のボディパネル200の水平面200aから立設したフランジ200bに取付けられる車内側側壁部11a,車外側側壁部11b及び両側壁部11a,11bを連結する連結壁部11cからなる断面略U字形状の取付基部11と、取付基部11の連結壁部11cに一体成形されトランクリッド100に弾接する中空シール部12を備えている。
【0003】
また、取付基部11の両側壁部11a,11bの内側には、フランジ200bを保持する複数の保持リップ部13が連結壁部11c側に傾けられた状態で形成されており、車外側側壁部11bの車外側にはボディパネル200の水平面200aに弾接するシールリップ部14が、また車内側側壁部11aの車内側には装飾リップ部15がそれぞれ形成されている。なお、取付基部11には補強用で断面略U字形状の芯材16が埋設されている。
【0004】
しかし、ウェザーストリップ10が取付けられるフランジ200bを構成するボディパネル200は、通常いくつかのパーツをスポット等の溶接で繋ぎ合わせているため、その繋ぎ目には、例えば、
図7に示すような段差200xが生じる場合がある。このような段差200xを埋めるためにペイントシーラー等の仕上げ材が使用されるが、完全に段差200xを埋めることは難しく、そのためこの部分から水が取付基部11内部をくぐって伝わり室内に侵入するといったが問題があった。
また、ペイントシーラー等を取付基部11の連結壁部11cの内側に充填してフランジ200bの先端を包み込むようにして水の侵入を防止することもできるが、ペイントシーラーは、本来、フランジ200bの先端が錆びることを防止することを目的に使用されるので水漏れ防止に使用すると使用量が多くなりコスト高になってしまう。
【0005】
そこで、
図8に示すように、近年、非常に柔らかいスポンジ材(高発泡スポンジ)をペイントシーラーの代わりに各部に配置したものが知られている。
図8(a)は、高発泡スポンジ20を取付基部11の連結壁部11cの内側に配したものであり、
図8(b)は、高発泡スポンジ20を取付基部11の車外側側壁部11bの端部に配したものであり、
図8(c)は、高発泡スポンジ20をシールリップ部14の先端に配したものである。また、取付基部11の車外側側壁部11bの端部からシールリップ部14の先端にかけてV字状に高発泡スポンジ20を配して二重のシール構造にしたものも知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−188850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、
図8(a)に示したものでは、フランジ200bの先端と高発泡スポンジ20がラップするようにして組付けられるため組付作業時に節度感が削がれるといった問題やフランジ200bの先端が高発泡スポンジ20に引っかかり高発泡スポンジ20が破損する恐れもある。また、高発泡スポンジ20でシールするフランジ200bの先端付近まで水がどのような経路で進入したか特定することが困難である。
また、
図8(b)に示したものでは、ボディパネル200の水平面200aに、取付基部11の車外側側壁部11bの端部に設けられた高発泡スポンジ20がつぶれた状態で組付けられるので、ボディパネル200の水平面200aに対する位置決めにバラツキが生じ安定しないといった問題がある。
さらに、
図8(c)に示したものでは、シールリップ部14の先端に高発泡スポンジ20が設けられているので、シールリップ部14がボディパネル200の水平面200aに弾接したときに車外側に高発泡スポンジ20が露出して見栄えが悪いといった問題がある。また、ボディパネル200の水平面200aに対してラップする量を多くとることができない。
【0008】
また、特許文献1に記載の発明のものでは、V字状の高発泡スポンジ20は、取付基部11の車外側側壁部11bの端部にかかっているので、
図8(b)に示したものと同様に、ボディパネル200の水平面200aに対する位置決めを安定して行うことができないといった問題があるとともに、同じくV字状の高発泡スポンジ20は、シールリップ部14の先端にもかかっているので、
図8(c)に示したものと同様に、シールリップ部14がボディパネル200の水平面200aに弾接したときに車外側に高発泡スポンジ20が露出して見栄えが悪いといった問題がある。
【0009】
そこで本発明の目的は、フランジに対して安定して組付けて水が室内側に侵入することを防止することができしかも外観性にも優れたウェザーストリップの取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、
本発明は、自動車のバックドア,トランクリッド,フード等の開閉体(100)の閉時にその開閉体(100)のシール面に略垂直に、車外側から車内側に延びるボディパネル(200)の水平面(200a)から立設したフランジ(200b)に取付けられる、車内側側壁部(11a),車外側側壁部(11b)及び両側壁部(11a,11b)を連結する連結壁部(11c)からなる断面略U字形状であり、両側壁部(11a,11b)の内側に前記フランジ(200b)を保持する複数の保持リップ部(13)が形成され
、しかもその形状に沿って断面略U字形状の芯材(16)が埋設された取付基部(11)と、
該取付基部(11)の連結壁部(11c)に一体成形され前記開閉体(100)に弾接する中空シール部(12)を備えるウェザーストリップ(10)の取付構造であって、
前記車外側側壁部(11b)の端部の車外側面に高発泡スポンジ(30)が前記車外側側壁部(11b)の端部から
車外側へ突出するように設けられるとともに、前記車外側側壁部(11b)の端部寄りの位置からヒレ片(31)が前記高発泡スポンジ(30)に接して又は一体化して斜めに延びるように設けられ、
前記車外側側壁部(11b)の端部における至端の車外側に、車外側側壁部(11b)の厚さ(S)の半分以下で先端(32a)が車内側に湾曲した小リップ(32)を突設し、前記車外側側壁部(11b)の端部が前記水平面(200a)に弾接するときには前記小リップ(32)が車内側に倒れて、前記車外側側壁部(11b)の端部における至端の車内側の面(M)に弾接し、
前記高発泡スポンジ(30)及び前記車外側側壁部(11b)の端部が前記水平面(200a)にそれぞれ直に弾接するとともに、前記ヒレ片(31)の先端(31a)が前記水平面(200a)に直に当接して前記高発泡スポンジ(30)を覆い隠すようにして取付けられることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、
自動車のバックドア,トランクリッド,フード等の開閉体(100)の閉時にその開閉体(100)のシール面に略垂直に、車外側から車内側に延びるボディパネル(200)の水平面(200a)から立設したフランジ(200b)に取付けられる、車内側側壁部(11a),車外側側壁部(11b)及び両側壁部(11a,11b)を連結する連結壁部(11c)からなる断面略U字形状であり、両側壁部(11a,11b)の内側に前記フランジ(200b)を保持する複数の保持リップ部(13)が形成され、しかもその形状に沿って断面略U字形状の芯材(16)が埋設された取付基部(11)と、
該取付基部(11)の連結壁部(11c)に一体成形され前記開閉体(100)に弾接する中空シール部(12)を備えるウェザーストリップ(10)の取付構造であって、
前記車外側側壁部(11b)の端部の車外側面に高発泡スポンジ(30)が前記車外側側壁部(11b)の端部から車外側へ突出するように設けられるとともに、前記車外側側壁部(11b)の端部寄りの位置からヒレ片(31)が前記高発泡スポンジ(30)に接して又は一体化して斜めに延びるように設けられ、
前記車外側側壁部(11b)の端部における至端の車外側に、車外側側壁部(11b)の厚さ(S)の半分以下で先端(32a)が車内側に湾曲した小リップ(32)を突設し、前記車外側側壁部(11b)の端部が前記水平面(200a)に弾接するときには前記小リップ(32)が車内側に倒れて、前記車外側側壁部(11b)の端部における至端の車内側の面(M)に弾接し、
前記高発泡スポンジ(30)及び前記車外側側壁部(11b)の端部が前記水平面(200a)にそれぞれ直に弾接するとともに、前記ヒレ片(31)の先端(31a)が前記水平面(200a)に直に当接して前記高発泡スポンジ(30)との間に隙間(r)を形成した状態で前記高発泡スポンジ(30)を覆い隠すようにして取付けられることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記ヒレ片(31)の長さ(L)を、前記車外側側壁部(11b)の内側に形成された保持リップ部(13)の長さ(T)と同等かそれ以下にしたことを特徴とする。
【0014】
また本発明は、自動車のバックドア,トランクリッド,フード等の開閉体(100)の閉時にその開閉体(100)のシール面に略垂直に、車外側から車内側に延びるボディパネル(200)の水平面(200a)から立設したフランジ(200b)に取付けられる、車内側側壁部(11a),車外側側壁部(11b)及び両側壁部(11a,11b)を連結する連結壁部(11c)からなる断面略U字形状であり、両側壁部(11a,11b)の内側に前記フランジ(200b)を保持する複数の保持リップ部(13)が形成され
、しかもその形状に沿って断面略U字形状の芯材(16)が埋設された取付基部(11)と、
該取付基部(11)の連結壁部(11c)に一体成形され前記開閉体(100)に弾接する中空シール部(12)を備えるウェザーストリップ(10)の取付構造であって、
前記車外側側壁部(11b)の端部の車外側面に高発泡スポンジ(30)が前記車外側側壁部(11b)の端部から
車外側へ突出するように設けられるとともに、前記車外側側壁部(11b)からシールリップ部(34)が前記高発泡スポンジ(30)に接して又は一体化して斜めに延びるように設けられ、
前記車外側側壁部(11b)の端部における至端の車外側に、車外側側壁部(11b)の厚さ(S)の半分以下で先端(32a)が車内側に湾曲した小リップ(32)を突設し、前記車外側側壁部(11b)の端部が前記水平面(200a)に弾接するときには前記小リップ(32)が車内側に倒れて、前記車外側側壁部(11b)の端部における至端の車内側の面(M)に弾接し、
前記高発泡スポンジ(30)及び前記車外側側壁部(11b)の端部が前記水平面(200a)にそれぞれ直に弾接するとともに、前記シールリップ部(34)の先端(34a)が前記水平面(200a)に直に弾接して前記高発泡スポンジ(30)との間に隙間(R)を形成した状態で前記高発泡スポンジ(30)を覆い隠すようにして取付けられることを特徴とする。
【0015】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0016】
本発明のウェザーストリップの取付構造によれば、止水用の高発泡スポンジを
、断面略U字形状の芯材が埋設された取付基部の車外側側壁部の端部の車外側面に、その車外側側壁部の端部から突出するように設け、少なくとも中空シール部が開閉体に弾接するときには、高発泡スポンジ及び車外側側壁部の端部がボディパネルの水平面にそれぞれ直に弾接するようにしたので、フランジにウェザーストリップを取付けるときに取付基部の位置決めを安定した状態で容易に行うことができる。また、高発泡スポンジの弾接によって優れたシール機能が得られる。しかも高発泡スポンジが設けられる位置は、取付基部の車外側側壁部の端部の車外側面であり、水が取付基部の内部をくぐって伝わり室内に侵入するときの入り口となるので、従来例で示した(
図8(a))ように、高発泡スポンジを取付基部の連結壁部とフランジの先端との間に設けたものと比較して水の進入経路を容易に特定することができる。また、従来例で示した(
図8(a))ように、フランジの先端で高発泡スポンジを引っかけ破損させるようなことはない。
また、車外側側壁部の端部寄りの位置からヒレ片が斜めに延びるように設けられ、少なくとも中空シール部が開閉体に弾接するときには、ヒレ片の先端が水平面に直に当接して高発泡スポンジを覆い隠すようにして取付けられるので、高発泡スポンジが車外側に露出して特に外観上見栄えを悪くするようなことはない。また、ヒレ片の先端側とは逆側(付け根部側)は、高発泡スポンジに接しているので、中空シール部が開閉体に弾接するとき、高発泡スポンジはヒレ片によって適度な力で押さえ込まれる。
なお、ヒレ片は高発泡スポンジを覆い隠す機能を有していればよいので、ボディパネルの水平面に対してヒレ片の先端が触れているだけ(つまり、接触するだけでヒレ片が撓むことなく押させ力を発揮しない状態)とするものでもよく、シール機能についてはまったく有さないものであってもよい。
【0017】
また、本発明によれば、車外側側壁部の端部における至端の車外側に、車外側側壁部の厚さの半分以下で先端が車内側に湾曲した小リップを突設し、車外側側壁部の端部が水平面に弾接するときには小リップが車内側に
倒れて、車外側側壁部の端部における至端の車内側に弾接するようにしたので、ボディパネルの水平面に対する車外側側壁部の端部を大きく弾接させることができバラツキにも対応可能で
ある。
【0018】
また、本発明によれば、ヒレ片の長さを、車外側側壁部の内側に形成された保持リップ部の長さと同等かそれ以下にしたので、従来で示したシールリップ部と比較して低コスト化が図れるとともにウェザーストリップ自体をコンパクト化することができる。
【0019】
また、本発明によれば、ヒレ片にかえてシール機能を有するシールリップ部を斜めに延びるように設け、少なくとも中空シール部が開閉体に弾接するときには、シールリップ部の先端が水平面に直に弾接するようにして高発泡スポンジを覆い隠すようにすることもできる。このとき、シールリップ部と高発泡スポンジとの間には隙間が形成されているので、コストのかかる高発泡スポンジを大量に使用する必要はない。
【0020】
以上のように本発明のウェザーストリップの取付構造によれば、ウェザーストリップが組付けられるフランジが形成されたボディパネルに段差などがあってもその部分から水が取付基部内部をくぐって伝わり室内に侵入することは高発泡スポンジを適所に設けることにより防止される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るウェザーストリップで弾接前の状態を示す、
図6のA−A線拡大断面図である。
【
図2】
図1に示すウェザーストリップで弾接後の状態を示す、
図6のA−A線拡大断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る別のウェザーストリップで弾接前の状態を示す、
図6のA−A線拡大断面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係るウェザーストリップで弾接前の状態を示す、
図6のA−A線拡大断面図である。
【
図5】
図4に示すウェザーストリップで弾接後の状態を示す、
図6のA−A線拡大断面図である。
【
図6】自動車のトランクリッドが開けられた状態を示す外観斜視図である。
【
図7】従来例に係るウェザーストリップで高発泡スポンジが取付けられていないものを示す、
図6のA−A線拡大断面図である。
【
図8】従来例に係るウェザーストリップで高発泡スポンジが取付けられた部位がそれぞれ異なるものを示す、
図6のA−A線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
図1,
図2及び
図6を参照して、本発明の第1実施形態に係るウェザーストリップの取付構造について説明する。
図1及び
図2は、本発明の第1実施形態に係るウェザーストリップを示すもので、
図6のA−A線拡大断面図に相当し、特に
図1はウェザーストリップ10が開閉体であるトランクリッド100に弾接する前の状態を示し、
図2は弾接した後の状態を示す。なお、従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
【0023】
このウェザーストリップ10は、
図1に示すように、トランクリッド100の閉時にそのトランクリッド100のシール面に略垂直に、車外側から車内側に延びるボディパネル200の水平面200aから立設したフランジ200bに取付けられるもので、従来例(
図7)と比較した場合、取付基部11,中空シール部12,保持リップ部13,装飾リップ部15及び芯材16を備える点は同一であるが、シールリップ部14にかえて長さの短いヒレ片31を設けるとともに高発泡スポンジ30を新たに設けた点が大きく異なる。また、取付基部11の車外側側壁部11bの端部の構成も異なる。
【0024】
取付基部11は、車内側側壁部11a,車外側側壁部11b及び両側壁部11a,11bを連結する連結壁部11cからなる断面略U字形状であり、両側壁部11a,11bの内側にフランジ200bを保持する複数の保持リップ部13が形成され、取付基部11の形状に沿って断面略U字形状の芯材16が埋設されている。また、中空シール部12は、取付基部11の連結壁部11cに一体成形され、
図2に示すように、トランクリッド100に弾接する。
【0025】
また、取付基部11の車外側側壁部11bの端部における至端の車外側には、車外側側壁部11bの厚さSの半分以下(ここでは略半分としている)で先端32aが車内側に湾曲した小リップ32を突設している。
ウェザーストリップ10をボディパネル200のフランジ200bに組付けるときに、車外側側壁部11bの端部がボディパネル200の水平面200aに弾接するが、そのときには、
図2に示すように、小リップ32が車内側に倒れており、
図2では、車外側側壁部11bの端部における至端の車内側の面Mに弾接している。しかし、このように弾接していなくてもよい。また、
図2では、ヒレ片31の先端31aと高発泡スポンジ30の間には小さな隙間rが設けられているが、この隙間rの部分を消滅させるような状態、つまり高発泡スポンジ30で隙間rを充満させるようにしてもよい。
【0026】
高発泡スポンジ30は、車外側側壁部11bの端部の車外側面に、車外側側壁部11bの端部から突出するように設けられている。また、ヒレ片31は、車外側側壁部11bの端部寄りの位置(ここでは、車外側側壁部11bの内側でしかも端部寄りに形成された保持リップ部13の付け根部と略同じ位置)から高発泡スポンジ30に接して斜めに延びるように設けられている。ヒレ片31は短くその長さLは、車外側側壁部11bの内側に形成された保持リップ部13の長さTよりも短くしている。なお、保持リップ部13の長さTと同等にしてもよい。
【0027】
そして、少なくとも中空シール部12がトランクリッド100に弾接するときには、
図2に示すように、高発泡スポンジ30及び車外側側壁部11bの端部が水平面200aにそれぞれ直に弾接するとともに、ヒレ片31の先端31aも水平面200aに直に当接して高発泡スポンジ30を覆い隠すようにして取付けられる。このとき、ヒレ片31は、高発泡スポンジ30を覆い隠す機能だけを有すればよく特にシール機能について有する必要がないので、ボディパネル200の水平面200aに対して当接するか否かギリギリの設定となる、触れているだけの状態にするように狙いを定めていて、これによりヒレ片31が水平面200aに強く弾接することに起因してフランジ200に対して取付基部11が転ぶといった不具合は発生しない。
【0028】
高発泡スポンジ30は、ウェザーストリップ10の押出成形時に同時に成形される、0.05〜0.4といった低比重のスポンジ材で、超軟質スポンジゴムとも呼ばれる。ここでは、比重0.35のものを使用した。ウェザーストリップ10がフランジ200bに組付けられる前では、
図1に示すように、高発泡スポンジ30の車内外方向の幅Bは約2mm(2〜3mmとしてもよい)で、それを覆い隠すヒレ片31の車外側側壁部11bの車外側面からの幅Dは約3mm(3〜6mmとしてもよい)としている。また、ボディパネル200の水平面200aに対する高発泡スポンジ30のラップ量Cを約2mm(2〜3mmとしてもよい)とした。
また、ヒレ片31は高発泡スポンジ30を上方から押さえ込むのに十分な強度を持つものであり、ここでは取付基部11と同じ材質(例えばソリッドゴム製又は中空シール部12に使用されているスポンジ材よりも比重が高く剛性の高いスポンジ材製)とした。
【0029】
このようなウェザーストリップ10の取付構造によれば、高発泡スポンジ30を取付基部11の車外側側壁部11bの端部の車外側面に、その車外側側壁部11bの端部から突出するように設け、少なくとも中空シール部12がトランクリッド100に弾接するときには、高発泡スポンジ30及び車外側側壁部11bの端部がボディパネル200の水平面200aにそれぞれ直に弾接するようにしたので、フランジ200bにウェザーストリップ10を取付けるときに取付基部11の位置決めを安定した状態で容易に行うことができる。また、高発泡スポンジ30の弾接によって優れたシール機能が得られる。しかも高発泡スポンジ30が設けられる位置は、取付基部11の車外側側壁部11bの端部の車外側面であり、水が取付基部11の内部をくぐって伝わり室内に侵入するときの入り口となるので水の進入経路を容易に特定しふさぐことができる。
また、ヒレ片31は、車外側側壁部11bの端部寄りの位置から斜めに延びるように設けられ、少なくとも中空シール部12がトランクリッド100に弾接するときには、ヒレ片31の先端31aが水平面200aに直に当接して高発泡スポンジ30を覆い隠すようにして取付けられるので、高発泡スポンジ30が車外側に露出して特に外観上見栄えを悪くするようなことはない。また、ヒレ片31の先端31a側とは逆側(付け根部側)は、高発泡スポンジ30に接している又はヒレ片31の先端31a以外にも高発泡スポンジ30が一体化して設けられているので、中空シール部12がトランクリッド100に弾接するとき、高発泡スポンジ30はヒレ片31によって適度な力で押さえ込まれる。
【0030】
したがって、ウェザーストリップ10が組付けられるフランジ200bが形成されたボディパネル200の特に水平面200aに段差200xなどがあってもその部分から水が取付基部11内部をくぐって伝わり室内に侵入することは高発泡スポンジ30を設けることにより防止される。
【0031】
なお、本実施形態では、取付基部11の車外側側壁部11bの端部に小リップ32を突設させたが、
図3に示すように、小リップ32を特に設けることなく車外側側壁部11bの端部をそのまま直にボディパネル200の水平面200aに弾接するようにしてもよい。または、車外側側壁部11bの端部にリップのように撓むことのない突起を設けてもよい。
【0032】
(第2実施形態)
次に
図4,
図5及び
図6を参照して、本発明の第2実施形態に係るウェザーストリップの取付構造について説明する。
図4及び
図5は、本発明の第2実施形態に係るウェザーストリップを示すもので、
図6のA−A線拡大断面図に相当し、特に
図4はウェザーストリップ10がトランクリッド100に弾接する前の状態を示し、
図5は弾接した後の状態を示す。なお、従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
【0033】
本発明の第1実施形態では、取付基部11の端部寄りから特にシール機能を有さないヒレ片31を突設させたものであるが、本発明の第2実施形態では、取付基部11の略中央からシール機能を有するシールリップ部34を突設させたものである。シールリップ部34は、高発泡スポンジ30に接して斜めに延びるように設けられている。また、高発泡スポンジ30は、第1実施形態と同様に車外側側壁部11bの端部の車外側面に、その車外側側壁部11bの端部から突出するように設けられるが、シールリップ部34の先端34aとの間には大きな隙間Rが形成されている。
【0034】
そして、少なくとも中空シール部12がトランクリッド100に弾接するときには、高発泡スポンジ30及び車外側側壁部11bの端部が水平面200aにそれぞれ直に弾接するとともに、シールリップ部34の先端34aが水平面200aに直に弾接して高発泡スポンジ30との間に大きな隙間Rを形成した状態で高発泡スポンジ30を覆い隠すようにして取付けられる。この時、
図5では小リップ32は車内側に倒れ、高発泡スポンジ30も車内側に倒れているが、高発泡スポンジ30は車外側に倒れていてもよい。
【0035】
これによれば、シールリップ部34と高発泡スポンジ30との間には隙間Rが形成されているので、コストのかかる高発泡スポンジ30を大量に使用する必要はない。また、高発泡スポンジ30を水平面200aに押し付けてシールすることに加えて、シールリップ部34の先端34aが水平面200aに弾接することによってもシール力が得られ、このような二重シール構造によって水が取付基部11内部から室内側に侵入することが防止される。
なお、シールリップ部34の弾接力が大きすぎるとフランジ200bに対する取付基部11の転びの原因になるので適度の大きさに調整されている。
【0036】
なお、本第1,第2実施形態では、ウェザーストリップ10をトランクリッド100の開口縁となるボディパネル200のフランジ200bに取付けるようにして、ウェザーストリップ10はトランクリッド100に弾接するものを例にして説明したが、自動車の開閉体(例えば、バックドアやフードなど)に弾接するウェザーストリップをボディ側のフランジに取付ける構造であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 ウェザーストリップ
11 取付基部
11a 車内側側壁部
11b 車外側側壁部
11c 連結壁
12 中空シール部
13 保持リップ部
14 シールリップ部
15 装飾リップ部
16 芯材
20 高発泡スポンジ
30 高発泡スポンジ
31 ヒレ片
31a 先端
32 小リップ
32a 先端
34 シールリップ部
34a 先端
100 トランクリッド
200 ボディパネル
200a 水平面
200b フランジ
200x 段差
R 隙間
r 隙間