(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような内視鏡システムでは、内視鏡の先端部は、できるだけ細く製作されるため、多くの部品を搭載することができず、必要最小限の部品のみで構成される。また、内視鏡とプロセッサ間の電源ケーブルも、可撓部の充填率の問題などから、長くて細いケーブルが用いられる。このような内視鏡システムにおいて、内視鏡の先端部分に配置された、圧電素子などの容量性の負荷からなるアクチュエータを駆動する場合、電源ケーブルによる配線抵抗によって、大きな電圧降下が生じ、アクチュエータの駆動力が落ちるといった問題がある。このような電圧降下を防ぐためには、アクチュエータのドライバの直近に大容量のコンデンサを設けることが考えられるが、内視鏡の先端部分の大型化を招くことから望ましくない。また、圧電素子以外の要素による影響もあるため、アクチュエータの駆動による移動量などに個体差が生じ、個別に調整が必要になるといった問題も生じる。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内視鏡の先端部分の小型化を保ちつつ、先端部分に配置されたアクチュエータを安定して駆動することが可能な内視鏡システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決する本発明の一形態に係る内視鏡システムは、体腔内の画像を取得する画像取得手段と、画像取得手段を動かすための、容量性負荷からなるアクチュエータと、アクチュエータを駆動する駆動手段と、駆動手段に電圧を供給する電源手段と、電源手段から出力される電流、または駆動手段に入力される電圧をモニタするモニタ手段と、該モニタ手段のモニタ結果に応じて、駆動手段に供給する電圧を調整するよう電源手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
このような内視鏡システムにより、容量性の負荷からなるアクチュエータを駆動する場合に生じる電圧降下を考慮した電圧が、電源手段から駆動手段に供給され、アクチュエータを安定して駆動することが可能となる。また、内視鏡の先端部分にコンデンサなどの部品を追加する必要がないため、先端部分の小型化も維持できる。
【0008】
また、本発明のアクチュエータと駆動手段は長距離配線によって接続されていても良い。さらに、本発明の画像取得手段は、入射端に入射する光を出射端まで導光し、該出射端から被写体に出射する光ファイバと、光ファイバの射出端から射出される光が、所定の走査領域内で被写体面上を走査するように、光ファイバの射出端を駆動させる光ファイバ走査手段と、を備える構成としても良い。
【0009】
また、本発明の制御手段は、モニタ結果に基づいて、アクチュエータの駆動により生じる電圧降下分を算出し、算出した電圧降下分を駆動手段に供給する電圧に加えるよう、電源手段を制御しても良い。さらに、制御手段は、アクチュエータが駆動される期間中であって、アクチュエータが駆動される期間より短い期間に、駆動手段に供給する電圧を調整するよう電源手段を制御しても良い。このように構成することにより、アクチュエータを安全に駆動することが可能となる。
【0010】
また、本発明のアクチュエータは、2軸アクチュエータであっても良く、本発明の内視鏡システムは、上記画像取得手段、アクチュエータ、駆動手段を先端部分に備える内視鏡と、上記電源手段、モニタ手段、制御手段を備えるシステム本体と、から構成しても良い。さらに、電源手段が制御手段を備えても良い。
【0011】
また、本発明により、内視鏡の先端部分に配置された容量性負荷の駆動方法であって、容量性負荷を駆動する駆動手段に入力される電圧、または駆動手段に電圧を供給する電源手段から出力される電流をモニタするステップと、該モニタするステップにおけるモニタ結果に応じて、駆動手段に供給する電圧を調整するよう電源手段を制御するステップと、からなる方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内視鏡の先端の小型化を保ちつつ、アクチュエータを安定して駆動することが可能な内視鏡システムが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の内視鏡システムについて説明する。本実施形態の内視鏡システムは、共焦点光学ユニットを有する走査型共焦点内視鏡システムである。
【0015】
本実施形態の走査型共焦点内視鏡システムは、共焦点顕微鏡の原理を応用して設計されたシステムであり、高倍率かつ高解像度の被写体を観察するのに好適に構成されている。
図1は、本発明の実施形態の走査型共焦点内視鏡システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、走査型共焦点内視鏡システム1は、システム本体100、共焦点内視鏡200およびモニタ300を有している。走査型共焦点内視鏡システム1を用いた共焦点観察は、可撓性を有する管状の共焦点内視鏡200の先端面を被写体に当て付けた状態で行う。
【0016】
システム本体100は、光源102、光分波合波器(光カプラ)104、ダンパ106、CPU108、CPUメモリ110、光ファイバ112、受光器114、映像信号処理回路116、画像メモリ118、映像信号出力回路120を有している。共焦点内視鏡200は、光ファイバ202、共焦点光学ユニット204、サブCPU206、サブメモリ208、走査ドライバ210、電源回路125、モニタ回路128を有している。
【0017】
光源102は、CPU108の駆動制御に従い、患者の体腔内に投与された薬剤を励起させる励起光を出射する。励起光は、光分波合波器104に入射する。光分波合波器104のポートの一つには、光コネクタ152が結合している。光分波合波器104の不要ポートには、光源102から出射された励起光を無反射終端するダンパ106が結合している。前者のポートに入射した励起光は、光コネクタ152を通過して共焦点内視鏡200内に配置された光学系に入射する。
【0018】
光ファイバ202の一端(以下、「基端」という。)は、光コネクタ152を通じて光分波合波器104と光学的に結合している。光ファイバ202の他端(以下、「先端」という。)は、共焦点内視鏡200の先端部に組み込まれた共焦点光学ユニット204内に収められている。光分波合波器104を出射した励起光は、光コネクタ152を通過して光ファイバ202の基端に入射後、光ファイバ202を伝送して光ファイバ202の先端から出射される。
【0019】
図2(a)は、共焦点光学ユニット204の構成を概略的に示す図である。以下、共焦点光学ユニット204を説明する便宜上、共焦点光学ユニット204の長手方向をZ方向と定義し、Z方向に直交しかつ互いに直交する二方向をX方向、Y方向と定義する。
図2(a)に示されるように、共焦点光学ユニット204は、各種構成部品を収容する金属製の外筒204Aを有している。外筒204Aは、外筒204Aの内壁面形状に対応する外壁面形状を持つ内筒204Bを同軸(Z方向)にスライド自在に保持している。光ファイバ202の先端(以下、符号「202a」を付す。)は、外筒204A、内筒204Bの各基端面に形成された開口を通じて内筒204Bに収容支持されており、走査型共焦点内視鏡システム1の二次的な点光源として機能する。点光源である先端202aの位置は、CPU108による制御に従って周期的に変化する。なお、
図2(a)中、中心軸AXは、後述する対物光学系204Dの光軸であり、Z方向に配置された光ファイバ202が振動していない状態のとき、中心軸AXは、光ファイバ202の光軸(中心軸)と一致する。
【0020】
サブメモリ208は、共焦点内視鏡200の識別情報や各種プロパティ等のプローブ情報を格納している。サブCPU206は、システム起動時にサブメモリ208からプローブ情報を読み出して、システム本体100と共焦点内視鏡200とを電気的に接続する電気コネクタ154を介してCPU108に送信する。CPU108は、送信されたプローブ情報をCPUメモリ110に格納する。CPU108は、格納したプローブ情報を必要時に読み出して共焦点内視鏡200の制御に必要な信号を生成して、サブCPU206に送信する。サブCPU206は、CPU108から送信された制御信号に従って走査ドライバ210に必要な設定値を指定する。
【0021】
走査ドライバ210は、指定された設定値に応じたドライブ信号を生成して、先端202a付近の光ファイバ202の外周面に接着固定された二軸アクチュエータ204Cを駆動制御する。
図2(b)は、二軸アクチュエータ204Cの構成を概略的に示す図である。
図2(b)に示されるように、二軸アクチュエータ204Cは、走査ドライバ210と接続された一対のX軸用電極(図中「X」、「X’」)及びY軸用電極(図中「Y」、「Y’」)を圧電体上に形成した圧電アクチュエータである。
【0022】
走査ドライバ210は、交流電圧Xを二軸アクチュエータ204CのX軸用電極間に印加して圧電体をX方向に共振させると共に、交流電圧Xと同一周波数であって位相が直交する交流電圧YをY軸用電極間に印加して圧電体をY方向に共振させる。交流電圧X、Yはそれぞれ、振幅が時間に比例して線形に増加して、時間(X)、(Y)をかけて実効値(X)、(Y)に達する電圧として定義される。光ファイバ202の先端202aは、二軸アクチュエータ204CによるX方向、Y方向への運動エネルギーが合成されることにより、X−Y平面に近似する面(以下、「XY近似面」と記す。)上において中心軸AXを中心に渦巻状のパターンを描くように回転する。先端202aの回転軌跡は、印加電圧に比例して大きくなり、実効値(X)、(Y)の交流電圧が印加された時点で最も大きい径を有する円の軌跡を描く。
図3は、XY近似面上の先端202aの回転軌跡を示す図である。
【0023】
図4は、XY近似面上における光ファイバ202の先端202aのX(又はY)方向の変位量(振幅)と、共焦点内視鏡200の各動作タイミングとの関係を説明する図である。励起光は連続光(又はパルス光)であり、二軸アクチュエータ204Cへの交流電圧の印加開始直後から印加停止までの期間(以下、説明の便宜上、この期間を「サンプリング期間」と記す。)中、光ファイバ202の先端202aから出射される。上述したように、二軸アクチュエータ204Cへ交流電圧が印加されると、光ファイバ202の先端202aは、中心軸AXを中心に渦巻状のパターンを描くように回転するため、サンプリング期間中、光ファイバ202の先端202aから出射した励起光は、中心軸AXを中心とした所定の円形の走査領域を渦巻状に走査する。サンプリング期間が経過して二軸アクチュエータ204Cへの交流電圧の印加が停止すると、光ファイバ202の振動が減衰する。XY近似面上における先端202aの円運動は、光ファイバ202の振動の減衰に伴って収束し、光ファイバ202の振動は、所定時間後に略ゼロとなる(すなわち、先端202aは、中心軸AX上でほぼ停止する)。以下、説明の便宜上、サンプリング期間が終了してから先端202aが中心軸AX上にほぼ停止するまでの期間を「ブレーキング期間」と記す。ブレーキング期間の経過後、さらに所定時間の経過を待って、次のサンプリング期間が開始される。以下、説明の便宜上、ブレーキング期間が終了してから次のサンプリング期間の開始までの期間を「セトリング期間」と記す。セトリング期間は、光ファイバ202の先端202aを中心軸AX上に完全に停止させるための待機時間であり、セトリング時間を設けることにより、先端202aを精確に走査させることが可能となる。また、一フレームに対応する期間は、一つのサンプリング期間と一つのブレーキング期間で構成されており、セトリング期間を調整することによって、フレームレートを調整することができる。つまり、セトリング期間は、光ファイバ202の先端202aが完全に停止するまでの時間とフレームレートとの関係から適宜設定することができるようになっている。なお、ブレーキング期間を短縮するため、ブレーキング期間の初期段階に二軸アクチュエータ204Cに逆相電圧を印加して制動トルクを積極的に加えてもよい。
【0024】
光ファイバ202の先端202aの前方には、対物光学系204Dが設置されている。対物光学系204Dは、複数枚の光学レンズで構成されており、図示省略されたレンズ枠を介して外筒204Aに保持されている。レンズ枠は、外筒204Aの内部において、内筒204Bと相対的に固定され支持されている。そのため、レンズ枠に保持された光学レンズ群は、外筒204Aの内部を内筒204Bと一体となってZ方向にスライドする。なお、外筒204Aの最先端(すなわち、対物光学系204Dの前方)には、図示省略されたカバーガラスが保持されている。
【0025】
内筒204Bの基端面と外筒204Aの内壁面との間には、Z軸アクチュエータ204Fが取り付けられている。また、Z軸アクチュエータ204Fの近傍には、Z軸アクチュエータ204Fを駆動するZ軸ドライバ204Eが設けられる。Z軸アクチュエータ204Fは、単一層構造または積層構造の圧電素子からなる小型の圧電アクチュエータであり、Z軸ドライバ204Eからの印加電圧に応じて変形する。Z軸アクチュエータ204Fが変形することにより、内筒204Bが光ファイバ202ごとZ方向に進退する。
【0026】
光ファイバ202の先端202aを出射した励起光は、対物光学系204Dを透過して被写体の表面又は表層でスポットを形成する。スポット形成位置は、点光源である先端202aの進退に応じてZ方向に変位する。すなわち、共焦点光学ユニット204は、二軸アクチュエータ204Cによる先端202aのXY近似面上の周期的な円運動とZ方向の進退を併せることで、被写体を三次元走査する。
【0027】
光ファイバ202の先端202aは、対物光学系204Dの前側焦点位置に配置されているため、共焦点ピンホールとして機能する。先端202aには、励起光により励起された被写体の散乱成分(蛍光)のうち先端202aと光学的に共役な集光点からの蛍光のみが入射する。蛍光は、光ファイバ202を伝送後、光コネクタ152を通過して光分波合波器104に入射する。光分波合波器104は、入射した蛍光を光源102から出射される励起光と分離して光ファイバ112に導く。蛍光は、光ファイバ112を伝送して受光器114で検出される。受光器114は、微弱な光を低ノイズで検出するため、例えば光電子増倍管等の高感度光検出器としてもよい。
【0028】
受光器114によって検出された検出信号は、映像信号処理回路116に入力される。映像信号処理回路116は、CPU108の制御下で動作して、検出信号を一定のレートでサンプルホールド及びAD変換してデジタル検出信号を得る。ここで、サンプリング期間中の光ファイバ202の先端202aの位置(軌跡)が決まると、当該位置に対応する観察領域(走査領域)中のスポット形成位置、当該スポット形成位置からの戻り光(蛍光)を検出してデジタル検出信号を得る信号取得タイミング(すなわち、サンプリング点)がほぼ一義的に決まる。サンプリング点と内視鏡画像の画素位置(画素アドレス)との対応関係は、リマップテーブルとしてCPUメモリ110に格納される。例えば、内視鏡画像を水平方向(X方向)15ピクセル、垂直方向(Y方向)15ピクセルの画素で構成した場合、順次サンプリングされた励起光の位置(サンプリング点)と内視鏡画像の画素位置(ラスタ座標)との関係は
図5のようになり、CPU108は、この関係に基づいて各サンプリング点に対応する内視鏡画像の画素位置(ラスタ座標)を求めてリマップテーブルを作成する。なお、
図5においては、図面の見易さを考慮し、走査領域の中心部分と周辺部分の一部のサンプリング点を示しているが、実際には渦巻状の走査軌跡に沿って多数のサンプリング点が存在する。
【0029】
映像信号処理回路116は、リマップテーブルを参照して、各サンプリング点で得られる各デジタル検出信号を対応する画素アドレスのデータとして割り当てる。以下、説明の便宜上、上記の割り当て作業をリマッピングと記す。映像信号処理回路116は、リマッピング結果に従って、各点像の空間的配列によって構成される画像の信号を画像メモリ118にフレーム単位でバッファリングする。バッファリングされた信号は、所定のタイミングで画像メモリ118から映像信号出力回路120に掃き出されて、NTSC(National Television System Committee)やPAL(Phase Alternating Line)等の所定の規格に準拠した映像信号に変換されてモニタ300に出力される。モニタ300の表示画面には、高倍率かつ高解像度の被写体の三次元共焦点画像(本明細書においては、単に「内視鏡画像」ともいう。)が表示される。
【0030】
次に、本実施形態におけるZ軸アクチュエータ204Fの駆動制御について、
図6から
図8を参照して説明する。
図6は、本実施形態におけるZ軸アクチュエータ204Fの駆動制御に係る構成要素を説明するための図である。
図7は、従来技術における各構成要素の波形を示す図であり、
図8は、本発明の実施形態における各構成要素の波形を示す図である。
【0031】
本実施形態においては、Z軸アクチュエータ204FおよびZ軸アクチュエータ204Fを駆動するためのZ軸ドライバ204Eが共焦点内視鏡200の先端部分に配置される共焦点光学ユニット204に配置され、サブCPU206、電源回路125、およびモニタ回路128が共焦点内視鏡200の手元操作部に配置される。
図6に示されるように、サブCPU206は、通信ケーブル270を介してZ軸ドライバ204Eに駆動信号を供給し、電源回路125は、電源ケーブル275を介してZ軸ドライバ204Eに電圧を供給する。通信ケーブル270および電源ケーブル275は、共焦点内視鏡200の先端部から手元操作部に延びる長距離配線である。また、モニタ回路128は、電源回路125からの出力電流をモニタし、モニタ結果をサブCPU206にフィードバックする。電源回路125は、出力可変タイプの電源回路であり、サブCPU206の制御に従って出力電圧が設定される。
【0032】
走査型共焦点内視鏡システム1において、光ファイバ202のZ軸方向の移動が指示されると、サブCPU206は、通信ケーブル270を介して、Z軸ドライバ204EにZ軸アクチュエータ204Fを駆動するための駆動信号を出力する。サブCPU206から出力される駆動信号の例が
図7(c)および
図8(c)に示される。ここで、従来技術においては、電源回路125から、
図7(a)に示されるような一定の電圧がZ軸ドライバ204Eに出力される。この場合、Z軸アクチュエータ204Fが駆動されると、Z軸アクチュエータ204Fに電流が供給されることにより、電源ケーブル275での電圧降下が発生する。そのため、Z軸ドライバ204Eに入力される電圧、すなわちZ軸アクチュエータ204Fに供給される駆動電圧は、
図7(b)に示すように、Z軸アクチュエータ204Fの駆動期間中だけ低い、不安定な電圧となる。
【0033】
そこで、本実施形態では、電源回路125から供給される電圧をZ軸アクチュエータ204Fに供給される電流量に応じて制御することにより、電圧降下分を補填することが可能となっている。具体的には、まず、モニタ回路128が、電源回路125から出力される電流値をモニタし、サブCPU206にモニタ結果を出力する。ここでいうモニタ結果は、電源回路125から出力される電流値である。電源回路125から出力される電流値は、Z軸アクチュエータ204Fが駆動されることにより高くなる。
【0034】
サブCPU206は、モニタ回路128から出力される電源回路125の電流値に基づいて、電圧降下分を算出する。Z軸ドライバ204Eにおける電圧降下は、主に電源ケーブル275の配線抵抗によるものであり、配線抵抗は、電源ケーブル275に使用されるケーブルの特性等に基づき求めることができる。そのため、電圧降下分Eは、E=RI(R:電源ケーブル275の配線抵抗、I:電源回路125の出力電流)の式により、容易に算出することができる。
【0035】
サブCPU206は、Z軸アクチュエータ204Fの駆動期間中、算出した電圧降下分Eを加えた電圧を出力するように、電源回路125を制御する。このとき、電源回路125からは、
図8(a)に示す電圧がZ軸ドライバ204Eに出力される。これにより、Z軸ドライバ204Eに入力する電圧は、
図8(b)に示されるような略一定のものとなり、Z軸アクチュエータ204Fを安定して駆動することができる。
【0036】
尚、電源回路125において、出力電圧に電圧降下分Eを加える際に、Z軸ドライバ204Eの最大定格を超えないように留意される。また、Z軸アクチュエータ204Fの駆動が終わった後に、電圧降下分Eが加えられた出力電圧がZ軸ドライバ204Eに供給されると、オーバーシュートを起こしてしまう恐れがある。そのため、サブCPU206は、Z軸アクチュエータ204Fの駆動が終わる手前で、電源回路125からの出力電圧を下げるように、電圧を加えるタイミングを制御する。すなわち、サブCPU206は、電源回路125からZ軸アクチュエータ204Fへ電流が供給されることをトリガとして、電圧降下分Eの算出を行い、Z軸アクチュエータ204Fの駆動期間に基づいて、当該駆動期間より短い期間、出力電圧に電圧降下分Eを加えるよう電源回路125を制御する。
【0037】
このように、本実施形態では、共焦点内視鏡200の先端部分に部品を追加したり、電源ケーブル275を太くしたりすることなく、先端部分の小型化を保ったまま、Z軸アクチュエータ204Fを安定して駆動することが可能となる。また、Z軸アクチュエータ204Fを安定して駆動することにより、光ファイバ202の移動量も安定し、目的の内視鏡画像を得ることができる。
【0038】
次に、本発明の別の実施形態にかかるZ軸アクチュエータ204Fの駆動制御について、
図9を参照して説明する。
図9の実施形態では、Z軸ドライバ204Eがモニタ回路130を備える構成となっている。モニタ回路130は、Z軸ドライバ204Eにおける電圧をモニタし、モニタ結果を、電圧モニタケーブル280を介してサブCPU206に出力する。この場合のモニタ結果は、Z軸ドライバ204Eに入力される電圧値、すなわちZ軸アクチュエータ204Fに供給される駆動電圧値である。そして、サブCPU206は、モニタ回路130から出力される電圧が、特定の電圧、例えば
図8(b)に示される一定の電圧となるように、電源回路125の出力電圧を制御して定電圧回路を構成する。この場合にも、電源回路125から、
図8(a)に示される電圧がZ軸ドライバ204Eへ出力される。
【0039】
上記別の実施形態においても、
図6に記載される実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、モニタ回路130によって、Z軸アクチュエータ204Fに供給される駆動電圧値を直接モニタすることにより、より正確に電圧降下を把握することができ、より高い精度でZ軸ドライバ204に出力する電圧を調整することが可能となる。
【0040】
以上が本発明の実施形態の説明であるが、本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。まず、上記実施形態では、本発明を走査型共焦点内視鏡システムに適用した場合について説明したが、本発明は、先端部分に容量性負荷を備える様々な内視鏡を用いた内視鏡システムに適用することが可能である。例えば、走査領域の水平方向を往復走査するラスタスキャン方式や、走査領域を正弦波的に走査するリサージュスキャン方式等を採用する走査型内視鏡システムや、先端部に固体撮像素子(CCDなど)を備える電子内視鏡システムにも適用することが可能である。
【0041】
また、上記実施形態では、Z軸ドライバ204EをZ軸アクチュエータ204Fの近傍(すなわち共焦点内視鏡200の先端部分)に配置する構成としたが、よりスペースに余裕のある共焦点内視鏡200の手元操作部等に備える構成としても良い。この場合、モニタ回路128は、Z軸ドライバ204EからZ軸アクチュエータ204Fへ出力される駆動信号をモニタして出力電圧の制御を行う。さらに、この場合、Z軸ドライバ204EからZ軸アクチュエータ204Fへ出力される複数の駆動信号を全てモニタする必要はなく、いずれか一つの信号をモニタすれば良い。
【0042】
さらに、上記実施形態では、光ファイバ202をZ軸方向に移動するためのZ軸アクチュエータ204Fの駆動制御について説明したが、光ファイバ202をXY近似面上で走査するための二軸アクチュエータ204Cについても、Z軸アクチュエータ204Fと同様の駆動制御を行うことが可能である。この場合は、電源回路125から走査ドライバ210に出力される電圧に対して、電圧降下を補てんするような制御が行われる。また、電源回路125に、電圧降下分の算出および電圧降下分を出力電圧に加えるタイミング制御を行う機能を持たせ、サブCPU206を介さずに電源回路125のみにて出力電圧の制御を行うことも可能である。さらに、各アクチュエータへの出力電圧の制御を、サブCPU206に替えて、システム本体100が備えるCPU108で行うことも可能である。この場合、電源回路125およびモニタ回路128をシステム本体100に備えても良い。