(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における監視システムの構成およびその機能について説明する。この監視システムは、所定のエリアに配置された監視カメラの映像を取得し、その映像を複数の画面のうちの選択された画面に表示するものである。
(1−1.構成)
(1−1−1.監視システム1の構成例)
図1は、本実施の形態における監視システム1の概略構成を示す。監視システム1は、監視装置10(表示装置の一例)と、遠隔に設置され、監視装置10にLANや外部のIP網等のネットワークを介して通信可能に接続された複数の監視カメラ30(監視カメラの一例)を備える。
監視カメラ30は、画面に地図が表示可能なエリアであるA1、A2・・・に複数配置される。監視装置10は、二つのモニタ50A、50Bに接続され、監視カメラ30から送信される映像を表示する。
【0009】
(1−1−2.監視装置10の構成例)
図2は、監視装置10の概略構成例を示す。監視装置10は、監視カメラ30等から受信した映像等のデータを処理し、出力するコンピュータ装置であって、例えばサーバとして機能する。監視装置10は、CPU11、ネットワークインターフェース12、入力部13、記憶部15、表示画像出力部16を備え、更に二つのモニタ50A及び50Bに接続される。
【0010】
制御部であるCPU11は、読み出したコンピュータプログラムに従って、後述する処理を実行する。
ネットワークインターフェース12は、有線又は無線でネットワーク接続するためのインターフェースであり、監視カメラ30等に対するデータの送受信を行う。
入力部13は、操作者(例えば、監視システム1を用いた業務を行う者)からの指示入力を受け付ける手段であって、例えば、キーボード、マウス、スイッチ、画面上のタッチパネル等である。
【0011】
記憶部15は、監視装置10が処理を行うデータやプログラムを格納する外部メモリ等の記憶手段である。記憶部15は、例えば、監視カメラ30から受信する映像データを記憶する。
表示画像出力部16は、CPU11の指令に基づきメインモニタ50Aやサブモニタ50Bにおいて表示可能な画像を生成し出力するものであり、例えばビデオカード等である。
【0012】
メインモニタ50A(表示部の一例)及びサブモニタ50B(表示部の一例)は、表示画像出力部16により出力された画像を表示するLCDや有機ELディスプレイ等の表示手段である。メインモニタ50Aは複数に分割表示された画面(本実施の形態では4分割画面)に、監視カメラ30の映像をそれぞれ表示する。サブモニタ50Bは、監視対象エリアの地図を表示し、同地図上に監視カメラ30の位置を示すアイコンを表示し、更に後述する処理により画像表示領域を示すウィンドウ(複数の画面の位置関係を示す領域の一例)をポップアップ表示する。
【0013】
なお、アイコンとは、表示画面においてCPU11が処理する対象を図形、文字、記号等によって簡略化して表現したもの全般を含み、本実施の形態において示されるものは一例に過ぎない。
CPU11(制御部の一例)は、コンピュータプログラムを実行することにより、監視カメラ特定部111、カメラ映像制御部112、及び画像制御部113の機能を実行する。
【0014】
監視カメラ特定部111は、操作者による操作(サブモニタ50Bの地図に表示された、監視カメラ30を示すアイコンの選択)に応じて、選択されたアイコンに対応する監視カメラ30を特定する。
カメラ映像制御部112は、監視カメラ特定部111により特定された監視カメラ30の映像を取得或いは決定する。
【0015】
画像制御部113は、メインモニタ50A及びサブモニタ50Bに表示する画像を制御する。例えば、画像制御部113は、後述するように、操作者による操作(サブモニタ50Bの地図に表示された、監視カメラ30を示すアイコンの選択)に応じて、サブモニタ50Bに表示された地図上に画像表示領域ウィンドウをポップアップ表示するよう制御する。画像制御部113はまた、サブモニタ50Bに表示された画像表示領域ウィンドウWDに対する操作者の選択操作に応じて、カメラ映像制御部112により決定された映像を、メインモニタ50Aの4つの画面のうち選択された一画面に表示するよう制御する。
【0016】
(1−1−3.監視カメラ30の構成例)
監視カメラ30は、監視装置10に対し、撮像した画像を送信する。
図3に示すように、監視カメラ30は、DSP(Digital Signal Processor)31と、ネットワークインターフェース32と、記憶部35と、撮像部39とを備える。DSP31は、信号処理部311及び画像圧縮部312を含み、撮像部39より取得された画像のデジタル信号処理を行う。信号処理部311は、撮像部39から取得した画像をデジタル変換し、所定の画像処理を行う。画像圧縮部312は、デジタル画像をJPEGやMPEG−4により圧縮する。
【0017】
ネットワークインターフェース32は、圧縮画像を通信ネットワークを介して監視装置10に送信する。記憶部35は、画像処理されたデジタル画像を一時的に格納したり、プログラムを格納する。
撮像部39は、被写体の撮像を行うCCDやC−MOS等の撮像素子や、監視装置10からの指令信号に応じてズーム、フォーカス、パン、チルト等の撮像制御を行う撮像制御機構を有する。
【0018】
(1−2.動作)
以下において、
図4を参照しながら、監視装置10による処理について説明する。初期状態において、本監視装置10のコンピュータプログラムを実行するソフトウエアが起動しているものとする。このとき、メインモニタ50Aの4つの画面にはそれぞれ所定のカメラ映像が表示され、サブモニタ50Bには所定のエリアの地図が表示され、同所定のエリアに設置されている監視カメラ30のアイコンが同地図上の設置位置に表示されている。
【0019】
ステップS101:監視装置10の操作者は、サブモニタ50B上に表示された所望の監視カメラ30のアイコンを、マウスによるクリック操作等により選択する。
ステップS102:監視カメラ特定部111は、ステップS101における選択操作に応じて、予め格納された監視カメラ30のID情報に基づき選択されたアイコンに対応する監視カメラ30を特定する。
【0020】
ステップS103:画像制御部113は、ステップS102で特定された監視カメラ30の映像がメインモニタ50Aに表示されているかどうかを判定する。表示されていない場合のみステップS104に進む。
ステップS104:画像制御部113は、サブモニタ50Bに表示された地図において、ステップS101で選択されたアイコン近傍に画像表示領域を示すウィンドウWDをポップアップ表示させる。
図5に示すように、表示される画像表示領域ウィンドウWDは、4つの領域部分からなり、その形態はメインモニタ50Aの4つの画面の位置関係を表現する。
【0021】
なお、画像表示領域の各領域部分には、
図5に示すように番号や記号を表示することにより、操作者が各領域部分を選択しやすいようにしてもよい。また、ポップアップ表示された画像表示領域ウィンドウWDは、特定された監視カメラ30との対応が分かるように同監視カメラ30のアイコンから引き出された形態で表示される。このようにして、画像制御部113により決定された画像表示領域ウィンドウWDは、表示画像出力部116を介してサブモニタ50Bに表示される。
【0022】
ステップS105:監視装置10の操作者は、サブモニタ50B上にポップアップ表示された画像表示領域ウィンドウWDのうち一つの領域部分を、マウスによるクリック操作やキーボードの番号入力等により選択する。このとき、操作者は、画像表示領域ウィンドウWDのうち、選択した監視カメラの映像を表示したいと考える画面に対応する領域部分を選択する。
【0023】
ステップS106:カメラ映像制御部112は、ステップS102において特定された監視カメラ30の映像を取得する。
ステップS107:画像制御部113は、メインモニタ50Aの画面を切り換える。具体的には、画像制御部113は、メインモニタ50Aに表示された4つの画面のうち、サブモニタ50Bで選択された領域部分に対応する一つの画面を特定し、同画面にステップS106において取得した映像を表示させる。
以上の処理の結果、メインモニタ50A及びサブモニタ50Bの画面は、次のように遷移する。
【0024】
図6(a)に示すようにメインモニタ50Aには4つの画面にそれぞれ、映像A、映像B、映像C、及び映像Dが表示されているものとし、サブモニタ50Bには地図上に監視カメラ30のアイコンが複数表示されているものとする。操作者がサブモニタ50Bに表示された地図上の所望の監視カメラ30Eのアイコンを選択操作すると、
図6(b)に示すように、同監視カメラ30Eのアイコンから引き出すように画像表示領域ウィンドウWDがポップアップ表示される。更に操作者は、
図6(c)に示すように、画像表示領域ウィンドウWDのうち一つの領域部分(ここでは、3番目の領域部分)を選択操作する。選択された領域部分は、同図に示すように、選択されたことがわかるように太枠や反転等のGUIを用いる。この選択操作により、メインモニタ50Aの4つの画面のうち選択された3番目の領域部分に対応する画面が、監視カメラ30Eの映像Eに切り換えられる。そして、
図6(d)に示すように、サブモニタ50Bでは画像表示領域ウィンドウのポップアップ表示が閉じられる。なお、このとき、同図に示すように、画像制御部113は、監視カメラ30Eのアイコンを、その映像が表示中であることが分かるようなアイコンを変更してもよい。
【0025】
(1−3.効果等)
本実施の形態に係る監視装置10によれば、サブモニタ50Bに表示した地図上の監視カメラ30のアイコンを選択すると、メインモニタ50Aの複数画面の位置関係を示す画像表示領域ウィンドウWDが表示され、メインモニタ50Aの複数画面のうち所望の画面に映像が表示できるよう事前に画面選択できる。これにより、複数の画面のうち映像を表示させる画面を容易且つ効率的に選択することができる。
【0026】
また、本実施の形態に係る監視装置10によれば、メインモニタ50Aにおいて選択された監視カメラ30の映像が表示されている場合は、サブモニタ50Bに表示した監視カメラ30のアイコンを選択しても、画面選択領域は表示されない。このため、操作者は選択した監視カメラ30の映像がすでにメインモニタ50Aで表示されていることを認知できる。これにより、無駄な操作を発生させず監視作業を効率化できる。
【0027】
(1−4.実施の形態1の変形例)
(1)
上記実施の形態においては、メインモニタ50Aに表示される画面の数や配置は設定によって変更できる。この変更に合わせて、監視装置10の画像制御部113によってポップアップ表示される画像表示領域ウィンドウWDに表現される画面の数や配置も自動的に変更される。
【0028】
(2)
メインモニタ50Aは複数設けてもよい。また、一画面表示のメインモニタ50Aを複数設け、サブモニタ50Bにポップアップ表示する画像表示領域ウィンドウWDを、その数や配置を表現する形態で表示するようにしてもよい。
(3)
サブモニタ50Bに表示された地図上の画像表示領域ウィンドウWDは、例えば、マウスによりウィンドウのタイトルバーを選択・ドラッグすることにより、表示されている地図上を移動させることができる。この場合、対応する監視カメラ30との関連性を引き続き表示するために、画像表示領域ウィンドウWDの引き出し部分のポイントは監視カメラ30のアイコン上に固定させたまま、引き出し部分を引き延ばすことにより地図上の位置を変更する。
【0029】
(4)
上記実施の形態においては、屋外のエリアを監視対象としているが、施設構内、建物内、或いは電車等を監視対象とするものであってもよい。この場合、サブモニタ50Bには、監視対象物のマップ(レイアウトや見取り図を含む)上に監視カメラの位置に対応させてアイコンを表示させる。
また、サブモニタ50Bはマップを表示することに限定されない。例えば、監視カメラ30とその位置を示す一覧表示等からなる文字情報に対し、所定の監視カメラ30を示す行を選択することにより上記のような画像表示領域ウィンドウをポップアップ表示させるようにしてもよい。
【0030】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における表示装置の構成およびその機能について説明する。この表示装置は、アイコンの選択によりアプリケーション等(フォルダやファイルを含む)を開く前に、当該アプリケーション等の画面を複数の画面のうちいずれの画面に表示するか選択可能にするものである。
【0031】
(2−1.構成)
(2−1−1.表示装置20の構成例)
図7は、表示装置20の概略構成例を示す。表示装置20は、入力されるデータを処理し出力するコンピュータ装置である。表示装置20は、CPU21、ネットワークインターフェース22、入力部23、記憶部25、表示画像出力部26を備え、二つのモニタ250A,250Bに接続される。
【0032】
制御部であるCPU21は、読み出したコンピュータプログラムに従って、後述する処理を実行する。ネットワークインターフェース22は、有線又は無線でネットワーク接続するためのインターフェースであり、他のコンピュータに対するデータの送受信を行う。入力部23は、表示装置20の操作者からの指示入力を受け付ける手段であって、例えば、キーボード、マウス、スイッチ、画面上のタッチパネル等である。記憶部25は、表示装置20が処理を行うデータやプログラムを格納する外部メモリ等の記憶手段である。表示画像出力部26は、CPU21の指令に基づき第1モニタ250Aや第2モニタ250Bにおいて表示する画像を生成し出力するものであり、例えばビデオカード等である。
【0033】
第1モニタ250A(表示部の一例)及び第2モニタ250B(表示部の一例)は、表示画像出力部26により出力された画像を表示するLCDや有機ELディスプレイ等の表示手段である。
CPU21(制御部の一例)は、コンピュータプログラムを実行することにより、画像制御部211の機能を実行する。画像制御部211は、後述するように、第1モニタ250A及び第2モニタ250Bに表示する画像を制御する。
【0034】
(2−2.動作)
以下において、
図8を参照しながら、表示装置20による処理について説明する。初期状態において、本表示装置20は少なくともOS(グラフィカルユーザインターフェースをもつもの)が起動しているものとする。このとき、第1モニタ250A及び第2モニタ250BにはOS画面(例えば、デスクトップ画面)が表示され、アプリケーション、ファイル、フォルダ等のショートカット用アイコンが少なくとも一つは表示されているものとする。
【0035】
ステップS201:表示装置20の操作者は、第2モニタ250B上に表示されたショートカット用アイコン(ここでは、アプリケーション起動用のアイコンとする)を、マウスによるクリック操作等により選択する。
ステップS202:表示装置20は、ステップS201における選択操作に応じて、選択されたアイコンに対応するアプリケーションを特定する。
【0036】
ステップS203:画像制御部211は、ステップS201で選択されたアイコン近傍に画像表示領域を示すウィンドウをポップアップ表示させる。表示される画像表示領域ウィンドウWDは、表示装置20に接続された第1モニタ250A及び第2モニタ250Bの位置関係を示す形態で表示される。
ステップS204:表示装置20の操作者は、第2モニタ250B上にポップアップ表示された画像表示領域ウィンドウWDのうち一つの領域部分を、マウスによるクリック操作やキーボードの番号入力等により選択する。
【0037】
ステップS205:表示装置20は、ステップS202において特定されたアプリケーションを起動する。
ステップS206:画像制御部211は、ステップS204において選択された領域部分に対応するモニタ(ここでは、第1モニタ250Aとする)を選択し、同モニタに起動したアプリケーション画面を表示させる。
【0038】
以上の処理の結果、第1モニタ250A及び第2モニタ250Bの画面は、次のように遷移する。
図9(a)に示すように、第1モニタ250A及び第2モニタ250BにはOS画面が表示され、第2モニタ250Bにはアプリケーション起動用のアイコンが表示されているものとする。操作者が第2モニタ250Bに表示されたアイコンを選択操作すると、
図9(b)に示すように、アイコンから引き出すように画像表示領域ウィンドウWDがポップアップ表示される。
【0039】
なお、画像表示領域ウィンドウWDは、
図9(b)に示すように番号や記号を表示することにより、操作者がモニタを特定しやすいようにしてもよい。
更に操作者は、
図9(c)に示すように、画像表示領域ウィンドウWDのうち一つの領域部分(ここでは、1番目の領域)を選択する。選択された領域部分は、同図に示すように、選択されたことがわかるように太枠や反転等のGUIを用いる。そして、
図9(d)に示すように、選択された第1モニタ250Aでは起動されたアプリケーションの画面が表示され、第2モニタ250Bでは画像表示領域のポップアップ表示が閉じられる。
【0040】
(2−3.効果等)
本実施の形態に係る表示装置20によれば、第2モニタ250Bに表示したアイコンを選択してアプリケーションを起動するとき(或いは所定のフォルダやファイルを開くとき)、選択したアイコンによって起動される画面を表示するのに第1モニタ250A及び第2モニタ250Bのいずれかを事前に選択することができる。これにより、複数の画面のうち処理対象又は操作対象を表示させる画面を容易且つ効率的に選択することができる。
【0041】
(その他実施の形態)
以上、図面を用いて本発明の実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更及び修正が可能である。
例えば、モニタの数は上記実施の形態のものに限定されない。
【0042】
また、監視装置10又は表示装置20は一つのコンピュータ装置で構成されている必要はなく、接続された複数のコンピュータ装置で構成されていてもよい。