特許第6118610号(P6118610)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6118610端子と導線との接合構造および端子と導線との接合方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6118610
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】端子と導線との接合構造および端子と導線との接合方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/02 20060101AFI20170410BHJP
   H01R 4/14 20060101ALI20170410BHJP
   H01R 43/02 20060101ALI20170410BHJP
   H02K 24/00 20060101ALI20170410BHJP
   H02K 3/46 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   H01R4/02 C
   H01R4/14
   H01R43/02 B
   H02K24/00
   H02K3/46 C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-70228(P2013-70228)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-194861(P2014-194861A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2015年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000146010
【氏名又は名称】株式会社ショーワ
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118201
【弁理士】
【氏名又は名称】千田 武
(72)【発明者】
【氏名】武藤 寛之
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−227033(JP,A)
【文献】 実公昭37−023973(JP,Y1)
【文献】 実開平04−056303(JP,U)
【文献】 特開2011−129313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/02
H01R 4/14
H01R 43/02
H02K 3/46
H02K 24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱形状にて形成される端子と、
前記端子と電気的に接続する導線と、
前記端子と前記導線とを接合するための溶接部と、
を有し、
前記導線は、前記端子の基端部から先端部に向け当該端子に沿って延びる線状部と、当該端子と当該線状部の周囲を巻回しつつ当該端子の先端部から基端部に向けて延びる巻回部とを有するとともに、当該線状部の一方の端部から延びて第1の部材と接続される第1接続部と、当該巻回部の一方の端部から延び第2の部材と接続される第2接続部とを有し、
前記第1の部材は、巻線部材、配線部材および他の端子の何れかであるとともに、前記第2の部材は、巻線部材、配線部材および他の端子の何れかであることを特徴とする端子と導線との接合構造。
【請求項2】
前記溶接部は、前記端子の先端部に玉状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の端子と導線との接合構造。
【請求項3】
前記端子は、電動モータの回転角度を検出する回転角度検出装置の端子部において使用されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の端子と導線との接合構造。
【請求項4】
柱形状にて形成された端子に対し導線を接合させる端子と導線との接合方法であって、
前記端子の基端部から先端部に向け前記導線を配する第1の導線配置工程と、
前記端子の先端部から基端部に向けて、前記導線を当該端子と前記第1の導線配置工程で配された導線の周囲を巻回させつつ配する第2の導線配置工程と、
前記端子と前記導線とを溶接することで接合する溶接工程と、
を含み、
前記導線は、前記第1の導線配置工程および前記第2の導線配置工程により、前記端子の基端部から先端部に向け当該端子に沿って延びる線状部と当該端子と当該線状部の周囲を巻回しつつ当該端子の先端部から基端部に向けて延びる巻回部とを形成し、当該線状部の一方の端部から延びて第1の部材と接続される第1接続部と、当該巻回部の一方の端部から延び第2の部材と接続される第2接続部とを有し、
前記第1の部材は、巻線部材、配線部材および他の端子の何れかであるとともに、前記第2の部材は、巻線部材、配線部材および他の端子の何れかである端子と導線との接合方法。
【請求項5】
前記端子は、先端部近傍に前記導線を保持するための保持部を有するものを使用することを特徴とする請求項に記載の端子と導線との接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子と導線との接合構造、端子と導線との接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、柱状の端子に導線を巻き付け、その後溶接を行うことにより端子と導線とを接合させる端子と導線との接合構造が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の金属線の溶接接合方法は、金属の端子と金属線、又は金属線同士を高熱源によって溶接する溶接接合継手及びその溶接方法において、端子の接合部にレーザー光の吸収を高める金属めっきを施し、めっきを施した部分に金属線を巻回するか、端子の接合部端部を四角形にし、四角形にした部分に金属線を巻回するか、端子の接合部端部に溝を設け、溝の部分に金属線を巻回するか、のいずれかにより実施後、端子の端部を高熱源によって溶融することを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−117913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで溶接を行うことにより端子と導線とを接合させる場合、溶接を行う際または溶接後に導線が切断し、端子と導線との電気的接続が切断されてしまうことがあった。
本発明は、柱状の端子に導線を巻き付け、その後溶接を行うことにより端子と導線とを接合させる場合でも導線が切断しにくく、端子と導線との電気的接続が保持されやすい端子と導線との接合構造等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、柱形状にて形成される端子と、端子と電気的に接続する導線と、端子と導線とを接合するための溶接部と、を有し、導線は、端子の基端部から先端部に向け端子に沿って延びる線状部と、端子と線状部の周囲を巻回しつつ端子の先端部から基端部に向けて延びる巻回部とを有することを特徴とする端子と導線との接合構造である。
【0007】
ここで、導線は、複数の端子間を電気的に接続するものであることが好ましく、溶接部は、端子の先端部に玉状に形成されることが好ましい。
また端子は、電動モータの回転角度を検出する回転角度検出装置の端子部において使用されるものとすることができる。
【0008】
また本発明は、柱形状にて形成された端子に対し導線を接合させる端子と導線との接合方法であって、端子の基端部から先端部に向け導線を配する第1の導線配置工程と、端子の先端部から基端部に向けて、導線を端子と第1の導線配置工程で配された導線の周囲を巻回させつつ配する第2の導線配置工程と、端子と導線とを溶接することで接合する溶接工程と、を含む端子と導線との接合方法である。
【0009】
ここで、端子は、先端部近傍に導線を保持するための保持部を有するものを使用することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、柱状の端子に導線を巻き付け、その後溶接を行うことにより端子と導線とを接合させる場合でも導線が切断しにくく、端子と導線との電気的接続が保持されやすい端子と導線との接合構造等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施の形態の端子と導線との接合構造が適用されるレゾルバの構成について説明した図である。
図2図1のII方向からレゾルバステータとレゾルバロータを見た図である。
図3図2からコアを取り出し、図示したものである。
図4】レゾルバステータとターミナル部についての斜視図である。
図5】第1実施形態の端子部の構造について説明した図である。
図6】従来の端子部の構造について説明した図である。
図7】(a)は、第2実施形態について説明したものであり、端子の先端部に形成される保持部の例を示した図である。(b)は、第3実施形態について説明したものであり、端子の先端部に形成される保持部の他の例を示した図である。
図8】(a)〜(c)は、端子と導線との接合方法について説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<レゾルバの説明>
図1は、本実施の形態の端子と導線との接合構造が適用されるレゾルバの構成について説明した図である。
本実施の形態のレゾルバ10は、例えば、電動パワーステアリング装置に使用されるものである。具体的には、電動パワーステアリング装置では、電動モータを設け、この電動モータを制御することで、運転者のステアリングホイールの操作に対し車輪を転舵させるアシスト力を付与する。そしてこの電動モータを制御するための電動モータの回転子(ロータ)の回転位置(回転角度)を検出するセンサとして、レゾルバを用いる。よってレゾルバは、電動モータの回転角を検出する回転角度検出装置の一例として把握できる。
【0013】
図示するようにレゾルバ10は、レゾルバステータ20と、レゾルバロータ30と、軸受け40と、ハウジング50と、ターミナル部60とを主要部として備える。
【0014】
レゾルバステータ20は、ハウジング50の凹部51にはめ込まれ固定される。またレゾルバロータ30は、回転軸11に取り付けられ、回転軸11とともに回転する。
軸受け部40は、ボール43を介し互いに回転自在な外輪部41と内輪部42とからなる。そして外輪部41がハウジング50の凹部52にはめ込まれるとともに、内輪部42には回転軸11がはめ込まれる。これにより回転軸11は、軸受け部40の外輪部41を介してハウジング50に対し固定されるが、回転軸11は、軸受け部40の内輪部42とともに自在に回転することができる。
【0015】
図2は、図1のII方向からレゾルバステータ20とレゾルバロータ30を見た図である。
図1および図2に図示するようにレゾルバステータ20は、環状をなし、コア21と、コイル22と、インシュレータ23とを備える。
【0016】
図3は、図2からコア21を取り出し、図示したものである。
コア21は、単層または複数層の珪素鋼板等からなる磁性材料により製造される。図示するようにコア21は、環状の円環部21aと、円環部21aの内周面に形成される突起部21bとを有する。本実施の形態では、この突起部21bは、8個形成されている。そしてこの突起部21bには、導線が巻かれコイル22が形成される。
コイル22は、励磁用コイルと出力用コイルとからなる。励磁用コイルは、全ての突起部21bに設けられる。対して出力用コイルは、SIN出力用の出力用コイルとCOS出力用の出力用コイルとからなり、これらは複数の突起部21bに対して周方向に交互に設けられる。
インシュレータ23は、樹脂等の絶縁材からなり、コア21とコイル22の間に形成される。そしてこれによりコア21とコイル22とを絶縁状態とする。
【0017】
図2に戻り、レゾルバロータ30は、例えば、複数枚の薄板形状の電磁鋼板を積層して形成される。図示するようにレゾルバロータ30は、略楕円形状に形成され、その外周面が、レゾルバステータ20の突起部21bに対して隙間をあけて対向している。
【0018】
回転軸11が回転すると、上述の通りレゾルバロータ30もともに回転し、レゾルバステータ20の突起部21bとレゾルバロータ30との隙間の大きさが変化する。そして、レゾルバステータ20の励磁用コイルに交流電流を流すと、出力用コイルには、この隙間の大きさの変化に応じた出力電圧が発生し、この出力電圧に基づいて回転軸11の回転角度を検出することができる。具体的には、出力用コイルは、上述したように突起部21bに対して周方向に交互に設けられているSIN出力用の出力用コイルとCOS出力用の出力用コイルとからなる。そして、SIN出力用の出力用コイルとCOS出力用の出力用コイルとの出力電圧の振幅変化は90°位相がずれているため、この出力電圧を信号処理することによって回転軸11の回転角度を検出することができる。
【0019】
図4は、レゾルバステータ20とターミナル部60についての斜視図である。
ターミナル部60は、励磁用コイルに交流電流を流す電源との接続や、出力用コイルの出力電圧を電気信号として取り出すための中継部である。本実施の形態では、このターミナル部60において励磁用コイルと出力用コイルを構成する導線を集約して接続している。
ターミナル部60は、励磁用コイルと出力用コイルの導線端部が接続される端子部61と、この端子部61を被覆するターミナルハウジング62とを有している。またターミナル部60からは、ケーブル63が延び、さらにケーブル63の先には、電源等の外部装置と接続するためのソケット64が設けられている。端子部61は、ターミナルハウジング62から柱状に立つ端子611が複数配列し、この端子611に励磁用コイルと出力用コイルの導線が溶接により接合することで端子611と励磁用コイルおよび出力用コイルとが接続している。
【0020】
<端子と導線との接合構造の説明>
[第1実施形態]
次に、端子部61の構造について説明する。
まず第1実施形態について説明する。
図5は、第1実施形態の端子部61の構造について説明した図である。なお図5では、端子部61を構成する複数の端子611のうち、1つの端子611周辺の構造について図示している。
【0021】
図示するように端子部61には、ターミナルハウジング62に対して柱形状にて形成される端子611と、端子611と電気的に接続する導線612と、端子611と導線612とを接合するための溶接部613と、を有する。
【0022】
そして導線612は、端子611の基端部611bから先端部611aに向け端子611に沿って延びる線状部612aと、端子611と線状部612aの周囲を巻回しつつ端子611の先端部611aから基端部611bに向けて延びる巻回部612bとを有する。
【0023】
この端子と導線との接合構造は、導線612を端子611の先端部611aまで引き込み、線状部612aを形成した後に、導線612を端子611の先端部611aから先端部611aとは反対側の基端部611bに向けて端子611に巻きつけ巻回部612bを形成することで実現される。そして導線612を端子611に巻きつけるときには、最初に先端部611aまで引き込んだときの導線612の線状部612aも端子611とともに巻かれるため、この線状部612aの部分は、巻回部612bの内側に入り込み、端子611と巻回部612bとの間に位置することになる。
【0024】
そして導線612を端子611に図示するように配した後は、端子611の先端部611aの箇所を溶接することで、端子と導線とを接合する。この溶接は例えば、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接であり、これにより端子611の先端部611aには、玉状の溶接部613が形成される。ただし溶接に関しては、TIG溶接に限られるものではなく、他の方式によるアーク溶接やプラズマ溶接等であってもよい。
【0025】
なお本実施の形態の導線612は、複数の端子611間を電気的に接続する。即ち、導線612は、複数の端子611の間で引き回され、複数の端子611間を電気的に接続するものである。よって図中左右方向の少なくとも一方には、他の端子611が配され、同様の端子と導線との接合構造を有する。
【0026】
また図6は、従来の端子部61の構造について説明した図である。
図示するように従来の端子部61の構造は、線状部612aが、巻回部612bの外側に形成される。
つまりこの構造を実現するには、まず導線612を端子611の基端部611bから先端部611aに向けて巻きつけ巻回部612bを形成する。さらに導線612が先端部611aに達した後は、そのまま導線612を基端部611bの方向に垂らし、線状部612aを形成する。
【0027】
しかしながら図6に図示する従来の構造では、溶接を行う際に、端子611の先端部611aにおいて、導線612が断線する現象が生じやすかった。この断線は、溶接部613と線状部612aの間付近の箇所で生じやすい。そして断線が生じると図6の点線で示すように線状部612aの箇所が離間し、端子611と導線612との電気的接続が切断してしまう。この原因としては、例えば、溶接を行う際に導線612が溶融し、そのため導線612が切断することが考えられる。また切断に至らなくても溶接を行う際に導線612が細くなり、そのため溶接後にわずかな引張り力が作用したときでも導線612が切断する場合もある。
【0028】
一方、本実施の形態では、導線612を端子611に巻き付けるときに上述の図5のような構造とすることで、溶接を行う際に、導線612が断線することを抑制することができる。即ち、本実施の形態では、線状部612aは、巻回部612bの内側に配される構造を採る。そのためまず溶接を行う際に、線状部612aが溶融せずに残りやすい。また線状部612aに断線が生じたとしても、周囲には巻回部612bが存在する。そのため上述したような線状部612aが、端子611から離間する現象は生じない。さらに巻回部612bに断線が生じたとしても、この部分は、端子611から離間しにくい。その結果、端子611と導線612との電気的接続が保たれやすい。
【0029】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
上述した第1実施形態では、例えば、端子611の先端部611aの方向を上方としたときには、導線612をまず端子611の先端部611aまで引き上げ、それから先端部611aから基端部611bに向けて端子611に巻き下げる。そのため、端子611の先端部611aの部分に最初に巻き付けた導線612が、端子611の下方にずり落ち、導線612を巻き付ける作業がうまくいかないときがある。
よって本実施の形態では、端子611として、先端部611a近傍に導線612を保持するための保持部を有するものを使用する。
【0030】
図7(a)は、第2実施形態について説明したものであり、端子611の先端部611aに形成される保持部の例を示した図である。
図7(a)に示す例では、端子611の先端部611a付近に突起部611cを形成した場合を示している。この場合、突起部611cの上面611dに導線612を引っかけ、それから導線612を端子611に巻き付ける作業を行えばよい。これにより導線612が端子611の下方にずり落ちにくくなる。
【0031】
[第3実施形態]
なお保持部の形態は、図7(a)の場合に限られるものではない。
図7(b)は、第3実施形態について説明したものであり、端子611の先端部611aに形成される保持部の他の例を示した図である。
図7(b)に示す例では、端子611の先端部611a付近に切り欠き部611eを形成した場合を示している。この場合、切り欠き部611eに導線612を引っかけ、それから導線612を端子611に巻き付ける作業を行えばよい。この場合についても導線612が端子611の下方にずり落ちにくくなる。
【0032】
なお図7(a)〜(b)で挙げた保持部の形状は、断面が三角形状であったが、これに限られるものではなく、例えば四角形状、半円形状など他の形状でもよい。
また図7(a)〜(b)に挙げた突起部611c、切り欠き部611eは、溶接部613を形成した後は、溶融し消滅することがある。
【0033】
<端子と導線との接合方法の説明>
図8(a)〜(c)は、端子611と導線612との接合方法について説明した図である。
まず端子611の基端部611bから先端部611aに向け導線612を配する(図8(a):第1の導線配置工程)。
次に端子611の先端部611aから基端部611bに向けて、導線612を端子611と第1の導線配置工程で配された導線612の周囲を巻回させつつ配する(図8(b):第2の導線配置工程)。これにより端子611と第1の導線配置工程で配された導線612の部分とがともに導線612により巻き付けられる。
そして端子611と導線612とを溶接することで接合する(図8(c):溶接工程)。
【0034】
以上のような工程により、端子611と導線612とが接合され、図5で示した構造による端子部61を製造することができる。
【0035】
なお以上詳述した例では、レゾルバ10の端子部61の構造について説明を行ったが、これに限られるものではなく、柱状の端子に対し、導線を巻き付け、溶接することで端子と導線との接合を行うものであれば、適用が可能である。この導線612は、上述した例のように複数の端子間を電気的に接続するものであってもよいし、他の部材(コイル等の巻線部材、導線等の配線部材等)と端子611とを接続するものであってもよい。言い換えれば、導線612は、線状部612aの一方の端部から延びて図示しない第1の部材と接続される第1接続部612cと、巻回部612bの一方の端部から延びて図示しない第2の部材と接続される第2接続部612dとを有し、溶接部613は、端子611と線状部612aの他方の端部と巻回部612bの他方の端部とを接合する。第1の部材及び第2の部材はそれぞれ、コイル等の巻線部材、導線等の配線部材、他の端子であることを例示できる。第1の部材および第2の部材は、それぞれ別の端子であってもよいし、同じ端子であってもよい。また、第1の部材及び第2の部材のどちらか一方又は両方が、コイル等の巻線部材であってもよい。また、第1の部材及び第2の部材のどちらか一方又は両方が、他の導線等の配線部材であってもよい。
【0036】
また上述した例では、導線612は、複数の端子611間を電気的に接続するものであったが、これに限られるものではなく、導線612は、1つの端子611と電気的に接続するものであってもよい。
また端子611の形状は、柱状であれば特に限られるものではなく、円柱状、四角柱状などの形状を含む。さらにほぼ均一な太さを有する場合に限られるものではなく、本実施の形態で柱状とは、太さが変化する場合も含む。よって円錐状、四角錐状、先端部611aが太くなるピン形状、ネジ形状なども含まれる。
【符号の説明】
【0037】
10…レゾルバ、20…レゾルバステータ、30…レゾルバロータ、60…ターミナル部、61…端子部、62…ターミナルハウジング、611…端子、611a…先端部、611b…基端部、611c…突起部、611e…切り欠き部、612…導線、612a…線状部、612b…巻回部、613…溶接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8