【実施例】
【0017】
[第1実施例]
図1に示すエネルギマネジメントシステムSは、太陽光発電システム10と、分電盤(屋内分電盤)20と、蓄電システム40と、電力測定装置(測定装置)60と、集計管理装置(コントローラ)100とを備えている。
【0018】
この太陽光発電システム10は、戸建て住宅などの建物Hに配置されて、発電した電力を負荷(家電負荷)に供給したりするシステムである。
【0019】
まず、この建物Hについて説明すると、この建物Hは、系統電力から電力の供給を受けるための電力網としての系統電力網Eに接続されている。
【0020】
この系統電力網(系統電力)Eと建物Hに配線された主幹20aとが図示しない第1,第2電力量メータを介して繋がっており、主幹20aは
図2に示すように分電盤(屋内分電盤)20の主幹線20Aに繋がっている。
【0021】
第1電力量メータ(図示せず)は、系統電力網Eから建物Hへ流れる電力量を計測し、第2電力量メータ(図示せず)は、建物Hから系統電力網Eへ流れる電力量を計測する。すなわち、第1電力量メータは買電した電力量を積算し、第2電力量メータは売電した電力量を積算していく。
【0022】
分電盤20内には、主幹線20Aに流れる電流を検出するカレントトランスである電流センサ31が設けられている。この分電盤20の近傍には電力測定装置60とシステムコントローラ200とが設置されている。
【0023】
また、分電盤20内には、
図2に示すように主幹線20Bが設けられており、この主幹線20Bには分岐幹20b…が繋がっている。
【0024】
分岐幹20b…は、建物Hの各部屋の天井裏に設けたジョイントボックス21…に繋がっており、このジョイントボックス21から複数の給電線(図示せず)が引き出されて部屋などに設けた各コンセント22…に繋がっている。各コンセント22に家電負荷(図示せず)を接続することにより、この家電負荷に電力が供給されることになる。
【0025】
太陽光発電システム10は、分散型の発電装置としての太陽光発電装置(発電手段)11と、PVパワーコンディショナ(発電用パワーコンディショナ)12とを備えている。
【0026】
この太陽光発電装置11は、自然エネルギーである太陽光エネルギーを直接電力に変換して発電を行う装置である。
【0027】
PVパワーコンディショナ12は、太陽光発電装置11が発電した直流電力を交流電力に変換して出力するものである。
【0028】
また、PVパワーコンディショナ12は、給電線18によって後述する電パワーコンディショナ42に繋がっており、停電時にPVパワーコンディショナ12からの交流電力を蓄電池41に充電することができるようになっている。蓄電パワーコンディショナ42に交流電力を供給する替わりに、所定の部屋に設けた非常時用コンセント13を設け、停電時に非常時用コンセント13に給電線17を介して交流電力を供給するようにしてもよい。
【0029】
蓄電システム40は、蓄電池41と、PVパワーコンディショナ12から出力される交流電力を直流電力に変換して蓄電池41を充電したり蓄電池41の直流電力を交流電力に変換して出力したり、系統電力網Eの交流電力を直流電力に変換したりする蓄電パワーコンディショナ42と、システムコントローラ200とを備えている。
【0030】
蓄電パワーコンディショナ42は、システムコントローラ200から出力される制御信号や電流センサ31,71(後述する)から出力される検出信号に基づいて、蓄電池41の直流電力を交流電力に変換して後述する電線56から出力したり、給電線L2から出力したりする。システムコントローラ200は、説明の便宜上、
図2において省略してある。
【0031】
蓄電パワーコンディショナ42は、蓄電池41を内蔵した筐体43内に設けられている。
【0032】
太陽光発電装置11と、パワーコンディショナ12と、蓄電池41と、蓄電パワーコンディショナ42とが屋外に設けられている。
【0033】
また、分電盤(屋外分電盤)50が屋外に設けられている。この分電盤50には、
図2に示すように、切替開閉器51と、自立用分電盤152と、端子台153と、遮断器154,155とが設けられている。
【0034】
端子台153の一方の端子(図示せず)には、分電盤20の主幹線20Aに接続された給電線57が繋がっており、端子台153の一方の端子が連結線58により遮断器154,155の一方の端子(図示せず)にそれぞれ繋がっている。また、遮断器155の一方の端子は給電線59により分電盤20の主幹線20Bに繋がっている。
【0035】
切替開閉器51の端子51aが端子台153の他方の端子(図示せず)とが給電線L1によって繋がっており、切替開閉器51の端子51bが給電線L2によって蓄電パワーコンディショナ42に繋がっている。また、遮断器155の他方の端子(図示せず)は電線56により蓄電パワーコンディショナ42に繋がっている。
【0036】
切替開閉器51の切片51Aは、自立用分電盤152の主幹線152Aに繋がっており、主幹線152Aには分岐線152B,152Bが繋がっている。
【0037】
分岐線152B,152Bは屋内配線54,55により建物Hの所定の部屋(例えばリビングダイニングキッチン)のジョイントボックス23,23に繋がり、このジョイントボックス23,23と所定の部屋のコンセント24とが給電線により接続されている。
【0038】
蓄電パワーコンディショナ42から出力される交流電力は、給電線L2,切替開閉器51の端子51b,切片51A,自立用分電盤152の主幹線152A,分岐線152B,152B,屋内配線54,55及びジョイントボックス23,23を介して各コンセント24に供給されるようになっている。
【0039】
蓄電池41や蓄電パワーコンディショナ42が故障した場合、切替開閉器51の切片51Aを端子51aに切り替えることにより、系統電力網Eからの電力をジョイントボックス23,23の各コンセント24へ供給するようになっている。この切り替えは、手動で行うようになっている。
【0040】
PVパワーコンディショナ12と遮断器154の他方の端子とが給電線15によって繋がっており、PVパワーコンディショナ12から出力される交流電力は給電線15,遮断器154,連結線58及び給電線59を介して分電盤20の主幹線20Bと、遮断器155,電線56,蓄電パワーコンディショナ42,給電線L2及び切替開閉器51を介して自立用分電盤152の主幹線152Aとに供給されるようになっている。また、PVパワーコンディショナ12から出力される交流電力は、給電線15,遮断器154,連結線58及び給電線57を介して主幹線20Aへ供給されるようになっている。
【0041】
給電線15の一部15Aは、分電盤20内に引き込まれ、この一部15Aにはカレントトランスである電流センサ70,71が設けられている。
【0042】
電流センサ70,71はPVパワーコンディショナ12から出力される電流を検出する。なお、電流センサ70,71が取り付けられる給電線15の一部15Aは一層のシースに覆われた線にされ、この部分に電流センサ70,71が取り付けられる。このため、電流センサ70,71は分電盤20内に設ける必要がある。他の電流センサ31も同様である。
【0043】
電流センサ70(第2電流センサ)はシステムコントローラ200用のセンサであり、電流センサ(第1電流センサ)71は電力測定装置60用のセンサである。
【0044】
システムコントローラ200は、電流センサ31,70が検出する検出信号や室内リモコン装置210からの操作信号などに基づいて蓄電パワーコンデイショナ42を制御する。
【0045】
電力測定装置60は、電流センサ71が検出する検出信号に基づいて、太陽光発電システム10から出力される電力量を測定し、この測定した測定データが集計管理装置100へ無線で送信する。
【0046】
集計管理装置100は、送信されてきた測定データに基づいて太陽光発電システム10が発電している現時点の電力や積算した電力量などを図示しない表示装置に表示したりするものである。
【0047】
また、集計管理装置100は、ルータ101を介してインターネットなどの外部の通信網に繋がっており、外部のサーバ(図示せず)との間で、計測値などのデータの送受信などを行うことができるようになっている。
【0048】
この実施例のエネルギマネジメントシステムSでは、屋外に分電盤50を設置し、この分電盤50とPVパワーコンディショナ12とを繋げた給電線15の一部15Aを屋内に設けた分電盤20内に引き込み、その一部15Aに電流センサ70,71を設けたものであるから、分電盤20の近傍に設けたシステムコントローラ200及び電力測定装置60と電流センサ70,71との離間距離は短く、電流センサ71から電力測定装置60まで引き出す信号線の長さや、電流センサ70からシステムコントローラ200まで引き出す信号線の長さを短く(例えば1.5m以下に)設定することができる。
[制御系]
図3はエネルギマネジメントシステムSの制御系の構成を示したブロック図である。
【0049】
図3において、300はPVパワーコンディショナ12から出力される交流電力の電圧波形の歪を検出する歪検出手段、310は歪検出手段300が検出した歪電圧が設定されている設定電圧である閾値Vkを越えたか否かに基づいて蓄電パワーコンディショナ42の充電動作を停止させる制御回路である。閾値Vkは任意に設定変更できるようになっている。
【0050】
歪検出手段300は、PVパワーコンディショナ12から出力される交流電力の電圧波形を検出する電圧波形検出回路301と、系統電力網Eの交流電圧に同期した基準となる正弦波の基準波形を生成する基準波形生成回路302と、この基準波形生成回路302が生成した基準波形と電圧波形検出回路301が検出した検出電圧波形とを比較する比較回路303とを有している。
[動 作]
次に、上記のように構成されるエネルギマネジメントシステムSの動作について簡単に説明する。
【0051】
日中の場合、太陽光発電システム10の太陽光発電装置11によって発電された直流電力がPVパワーコンディショナ12によって交流電力に変換されて、給電線15,分電盤50の遮断器154,連結線58及び給電線59を介して分電盤20の主幹線20Bに供給される。また、PVパワーコンディショナ12の交流電力は、給電線15,分電盤50の遮断器154,連結線58,遮断器155,電線56,蓄電池41,給電線L2,切替開閉器51を介して分電盤152の主幹線152Aに供給される。そして、分電盤20,152の分岐幹20b,152Bからジョイントボックス21,23を介して各コンセント22,24へ供給され、コンセント22,24に接続されている家電負荷(図示せず)に供給される。
【0052】
また、分電盤50の連結線58へ供給された電力は、遮断器155を介して蓄電パワーコンディショナ42へ供給され、蓄電パワーコンディショナ42は余った電力を蓄電池41に充電したりする。また、余った電力を系統電力網Eへ流して売電したりする。蓄電池41への充電や売電は、システムコントローラ200が室内リモコン装置210の操作や電流センサ70の検出信号に基づいて行う。
【0053】
電力測定装置60は、電流センサ71が検出する電流からPVパワーコンディショナ12が出力する電力、すなわち太陽光発電装置11が発電する電力を測定し、この測定結果が集計管理装置100へ送信され、この送信されたデータに基づいて集計管理装置100は図示しない表示装置に太陽光発電システム10が発電している現時点の電力や積算した電力量などを表示する。
【0054】
このように、分電盤50や蓄電池41を屋外に設けなければならない場合であっても、給電線15の一部15Aを分電盤20内に引き込み、その一部15Aに電流センサ71を設けたものであるから、電流センサ71から電力測定装置60まで引き出す信号線の長さを短く(例えば1.5m以下に)設定することができ、このため、電流センサ71が検出した検出信号を通信手段を設けなくても電力測定装置60へ入力することができ、太陽光発電システム10が発電している電力を表示装置に表示させることが可能となる。
【0055】
すなわち、リフォームにより蓄電システム40を増築し、太陽光発電システム10が発電した電力を見える化する場合であって、分電盤50や蓄電池41を屋外に設けなければならないときでも、通信手段を設けなくても太陽光発電システム10が発電している電力を表示装置に表示させることが可能となる。
【0056】
夜間の場合、蓄電池41に充電した電力を蓄電パワーコンディショナ42によって交流電力に変換し、この交流電力を電線56と給電線L2とから出力すれば、分電盤50の遮断器155及び給電線59を介して分電盤20の主幹線20Bと、切替開成器51を介して自立用分電盤152の主幹線152Aとに供給され、さらに分電盤20の分岐幹20bと、自立用分電盤152の分岐線152Bとからジョイントボックス21,23を介して各コンセント22,24へ供給され、各コンセント22,24に接続されている家電負荷(図示せず)に供給される。
【0057】
停電が発生した場合、システムコントローラ200は、蓄電パワーコンディショナ42を制御して、蓄電池41の直流電力を交流電力に変換し、この交流電力を給電線L2のみから出力させる。
【0058】
この給電線L2から出力される交流電力は、分電盤50の切替開閉器51,自立用分電盤152,屋内配線54,55及びジョイントボックス23を介して各コンセント24へ供給され、各コンセント24に接続された家電負荷(図示せず)に供給される。停電時では、安全のために遮断器154,155は開成させる。
【0059】
コンセント24は例えばリビングダイニングキッチンの部屋だけに設けられたものであり、そのコンセント24の数も必要最小限に設定されているので、コンセント24に接続されている家電負荷(図示せず)に蓄電パワーコンディショナ42から交流電力を例えば24時間供給することが可能となる。
【0060】
この停電時に太陽光発電装置11が発電する場合、PVパワーコンディショナ12の給電線18から交流電力が出力され、この交流電力は蓄電パワーコンディショナ42により蓄電池41に充電される。
【0061】
蓄電池41や蓄電パワーコンディショナ42が故障した場合、切替開閉器51の切片51Aを端子51aに切り替える。これにより、系統電力網Eからの電力が給電線57,分電盤50の端子台153, 給電線L1,切替開閉器51の端子51a及び切片51A,分電盤152の主幹線152Aを介してジョイントボックス23,23の各コンセント24へ供給される。すなわち、所定の部屋に系統電力を供給することができる。
【0062】
次に、歪検出手段300や制御回路310の動作について説明する。なお、PVパワーコンディショナ12から出力される交流電力はコンセント22に接続された家電負荷(図示せず)に供給され、余った電力が蓄電パワーコンディショナ42によって蓄電池41に充電されているものとする。
【0063】
電圧波形検出回路301は、PVパワーコンディショナ12から出力される交流電力の電圧波形、すなわち交流電圧波形を検出する。一方、基準波形生成回路302は、系統電力網Eの交流電圧に同期した基準となる交流電圧の基準波形(正弦波波形)を生成する。
【0064】
比較回路303は、電圧波形検出回路301が検出した交流電圧波形と、基準波形生成回路302が生成した基準波形とを比較していく。例えば、
図4に示すように、電圧波形検出回路301が検出した交流電圧波形Vhaとし、基準波形生成回路302が生成した基準波形Vfとすると、基準波形Vfと交流電圧波形Vhaとの差が最大となる最大電圧差Vsを歪電圧として検出する。
【0065】
制御回路310は、最大電圧差Vsが予め設定した設定電圧(閾値)Vk以上のとき、蓄電パワーコンディショナ42の動作を停止させて蓄電池41への充電を停止させる。これにより、蓄電池41が定格値以上の電圧で充電されてしまうことが防止される。
【0066】
また、この場合、PVパワーコンディショナ12から交流電力が出力され続けて各コンセント22…,24…に接続されている家電負荷(図示せず)に供給されるので、太陽光発電装置11が発電する電力を有効利用することができる。
【0067】
最大電圧差Vsが予め設定した設定電圧Vkより小さい場合には、制御回路310は蓄電パワーコンディショナ42の充電動作を停止させないことにより、蓄電パワーコンディショナ42は充電動作をし続けていくことになる。
【0068】
ところで、最大電圧差Vsが予め設定した設定電圧Vk以上か否かの判定は制御回路310が行うものである。制御回路310は、例えば、T時間毎に判定していくとともに、連続した複数の半波毎に判定していく。例えば、
図4に示すように、各半波W1〜W5毎に最大電圧差Vsが設定電圧Vk以上か否かを判定していき、全ての半波W1〜W5で最大電圧差Vsが設定電圧Vk以上のとき、制御回路310は、歪検出手段300が検出した歪電圧が閾値を越えていると判定して、蓄電パワーコンディショナ42の充電動作を停止させる。
【0069】
このため、蓄電池41に定格電圧以上の電圧が印加することない。しかも、PVパワーコンディショナ12から交流電力は出力され続けるので、太陽光発電装置11が発電した電力を有効利用することができる。
【0070】
ところで、最大電圧差Vsが設定電圧Vk以上か否かの判定は、T時間毎に行っていくものであり、この例では、T時間経過毎に5回の判定を連続して行っていくものである。
[第2実施例]
図5は第2実施例のエネルギマネジメントシステムSの制御系の構成を示したブロック図である。
【0071】
図5において、400は系統電力網Eの交流電圧の周期の変動量(変化値)を検出する周期変動量検出回路である。制御回路410は、第1実施例と同様な制御を行う他に、周期変動量検出回路400が検出した周期の変動量に応じて最大電圧差Vsが設定電圧Vk以上か否かのT時間毎に行う判定回数を変えて判定を行う。すなわち、その変動量が小さい場合には判定回数を少なくし(例えば5回以下)、その変動量が大きい場合には判定回数を多くする(例えば5回以上)。
【0072】
また、周期変動量検出回路400が検出した周期の変動量に応じて設定電圧Vkを変更するようにしてもよい。この場合、その変動量が大きいときには設定電圧Vkを大きく設定し、変動量が小さいときには設定電圧Vkを小さく設定する。このようにすることにより、必要以上に蓄電パワーコンディショナ42の動作を停止させてしまう回数を少なくすることができる。なお、設定電圧Vkの変更は制御回路410が行う。
[他の例]
図6は、系統電力網Eの周期の変動量に応じて閾値と判定回数を選択して設定するグラフを示したものである。例えば、周期の変動量GがG3より小さく、G2以上のとき、設定電圧はVk3に設定され、判定回数NはN3に設定される。
すなわち、閾値を小から大までの複数段階に設定し、判定回数を少数から多数の複数段階に設定し、系統電力網Eの周期の変動量に応じて複数段階のうちの閾値と判定回数を選択して設定するようにしたものである。
[第3実施例]
図7は第3実施例のエネルギマネジメントシステムSの制御系の構成を示したブロック図である。
【0073】
図7において、500は系統電力網Eの瞬停を検出する瞬停検出回路である。制御回路410は、瞬停検出回路500が系統電力網Eの瞬停を検出したとき、この時点から所定時間の間、歪検出手段300が検出した歪電圧が閾値を越えているか否かの判定を行わない。このようにすることにより、瞬停による誤判定を防止するものである。
【0074】
瞬停検出回路500の瞬停の判定は、系統電力網Eの交流電圧が所定電圧以下になったとき瞬停したと判断するが、系統電力網Eの交流電圧の変化値で判断するようにしてもよい。
[第4実施例]
図8に第4実施例のエネルギマネジメントシステムSを示す。この第4実施例エネルギマネジメントシステムSは、基準波形生成回路302が生成した基準波形Vfと、電圧波形検出回路301が検出した交流電圧波形Vhaとの差が最大となる最大電圧差Vsが予め設定した第2設定電圧(第2閾値)Vk1(Vk<Vk1)以上のときPVパワーコンディショナ12の動作を停止させるようにしたものである。
【0075】
この第4実施例によれば、定格電圧以上の電圧を家電負荷に供給してしまうことを防止することができる。
【0076】
また、停電時に出力されるPVパワーコンディショナ12の交流電圧の電圧波形と、基準波形生成回路302の基準波形Vfとを比較して、最大電圧差Vsが予め設定した第1閾値Vk以上のとき、蓄電パワーコンディショナ42の充電動作を停止させるようにしてもよい。また、その交流電圧の電圧波形と基準波形Vfとの差の最大電圧差が第2設定電圧Vk1以上のときPVパワーコンディショナ12の動作を停止させるようにしてもよい。この場合、基準波形生成回路302から出力される基準波形Vfは、停電していることにより系統電力網Eの周期に同期はしていないが、蓄電池41に充電するだけなので差し支えない。
【0077】
さらに、
図9に示すように、ローパスフィルタF1,F2を設けて、PVパワーコンディショナ12から出力される交流電圧に含まれる高周波成分を除去することにより、その交流電圧の電圧波形の歪を小さくするようにしてもよい。
【0078】
上述のように、
図8及び
図9に示す構成は、第2,第3実施例のエネルギマネジメントシステムSに適用することができる。
[第5実施例]
図10は第5実施例のエネルギマネジメントシステムSの構成を示す。この第
5実施例では、システムコントローラ200を蓄電池41の筐体43内に設け(
図10においてシステムコントローラ200は省略してある)、蓄電池45と蓄電パワーコンディショナ47を増築したものであり、他は第1実施例と同じなのでその説明は省略する。
【0079】
上記実施例は、いずれも太陽光発電システム10を備えたエネルギマネジメントシステムSについて説明したが、これに限らず、例えば風力発電システムを備えたエネルギマネジメントシステムであってもよい。
【0080】
また、エネルギマネジメントシステムSは、電力測定装置60用の電流センサ71と、システムコントローラ200用の電流センサ70とを別々に設けているが、電力測定装置60用の電流センサ71が検出する検出信号に基づいて蓄電パワーコンディショナ42やPVパワーコンディショナ12を制御するようにしてもよい。
【0081】
上記実施例では、いずれも給電線15の一部15Aを分電盤20内に引き込んでいるが、必ずしも分電盤20内に引き込むことなく、給電線15の一部15Aを屋内に引き込むだけでもよい。この場合、その一部15Aに電流センサ70,71を設け、この電流センサ70,71の近傍に電力測定装置60を配置すればよいので、電力測定装置60を分電盤20の近傍に配置する必要がなくなり、このため、給電線15の一部15Aを所望の位置に引き込むことができ、電力測定装置60を所望の位置に配置することができる。
【0082】
上記実施例では、いずれも分電盤50内に切替開閉器51と自立用分電盤152と端子台153と遮断器154,155とを設けているが、
図11に示すように、切替開閉器51と自立用分電盤152を屋内に設けてもよく、また、端子台153及び遮断器154,155も屋内に設けてもよい。この場合、屋外に設ける分電盤50は不要となる。
【0083】
また、第5実施例に示すように蓄電池45(
図10参照)と蓄電パワーコンディショナ47を増築した場合も、
図12に示すように、切替開閉器51と自立用分電盤152を屋内に設けてもよく、また、端子台153及び遮断器154,155も屋内に設けてもよい。この場合には屋外に設ける分電盤50は不要となる。
【0084】
この発明は、上記実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。