(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基板組品の前記挿入部側に位置する係止片と、前記基板収納部材の前記挿入部側で前記係止片が係止する段部と、を備えた特徴とする、請求項1又は2記載の冷蔵庫。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を
図1から
図8に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫の扉端部方向からの部分斜視図である。
図2は、
図1のP部に示す表示部及び操作部の表示状態を表す正面図である。
図3は、本発明の実施形態に係るガラス板及び基板組品の構成を説明する図である。
図4は、本発明の実施形態に係る基板組品の分解斜視図である。
図5は、
図1のA−A断面図である。
図6は、本発明の実施形態に係る基板収納部材の斜視図である。
図7は、本発明の実施形態に係る基板収納部材に基板組品を収納した状態の斜視図である。
図8は、
図1のA−A断面図であって基板収納部材に基板組品を収納した状態の図である。
【0015】
図1において冷蔵庫本体1は、冷蔵室2の前面開口を開閉する冷蔵室扉2aを備えている。この冷蔵室扉2aは、ヒンジ2bで軸支されて回動自在である。冷蔵室扉2aの前面には、扉前面板7aとして光透過性を有するガラス板7を備えている。
【0016】
図5において、発泡断熱材16は、ガラス板7から成る扉前面板7aと扉内板8との間の空間内に充填発泡される。扉前面板7aであるガラス板7の板厚は、本実施形態では2mmから3.5mmである。この板厚は、冷蔵庫組み立て時、冷蔵庫移送時、及び冷蔵庫使用時等に生じる衝撃によってガラス板7が割れたり、亀裂が生じたりしない寸法である。さらに強度を確保する場合や板厚を薄くする場合等には、ガラス板7に熱強化処理や化学強化処理等を施してもよい。なお、ガラス板7は絶縁体である。
【0017】
次に、
図1及び
図2において、9は操作部である。操作部9は、使用者が外部から操作することで、冷蔵室2等の各貯蔵室の室温を設定したり、冷蔵室2等を急速に冷却したり、製氷装置の運転のオン/オフや急速製氷を設定したりする。また、冷蔵室2に設けられ、貯蔵空間を減圧或いは低酸素状態にして、貯蔵食品の鮮度維持や酸化劣化の抑制を図る貯蔵室(図示なし)の温度を調節したり、減圧或いは低酸素化の機能を切るように設定したりする。すなわち、操作部9を使用者が操作することで、冷蔵庫の諸機能の設定ができる。
【0018】
また、10は表示部である。表示部10は、操作部9からの入力結果を冷蔵庫本体1の外部に表示する。これにより、使用者が操作部9で行った操作を確認したり、先に設定されている諸機能の状態を確認したりすることができる。
【0019】
操作部9及び表示部10は、特別なパネルを取り付けたものではなく、ガラス板7に設けられている。すなわち、冷蔵室扉2aに設けられたガラス板7は、操作部9及び表示部10を含めて、該冷蔵室扉2aの外表面全体に亘って平面になるように設けられている。
【0020】
換言すると、操作部9及び表示部10は、ガラス板7である扉前面板7aに直接設けられている。このため、従来の操作パネルは省略されている。
【0021】
また、9aは操作部9及び表示部10を点灯させ表示させるための表示用タッチ部であり表示用タッチ部9aを操作することで、操作部9及び表示部10は
図1の消灯状態から、
図2の点灯状態に移行する。即ち、使用者が表示用タッチ部9a(一例として「MENU」の文字表示マークや図形等)を押す、触れる、手指を近づける等の操作をすることで、常時視認可能な表示用タッチ部9a以外の操作部9及び表示部10の文字や記号等が、消灯状態から点灯状態に切り替わり、ガラス板7上に表示され、操作部10の操作が可能となる。これにより、通常時、常時視認可能な文字や図形等の表示は表示用タッチ部9aのみとなり、操作部9及び表示部10の非点灯時はシンプルな外観とすることができ、デザイン性を向上することができる。また、操作部9及び表示部10を必要なときだけ点灯させるので、省エネルギー効果を得ることができる。
【0022】
尚、表示用タッチ部9aを操作すると、操作部9及び表示部10の全ての文字や図形等が点灯表示される。その一定時間経過後(例えば0.1〜1.0秒程度)、表示部10は現在設定されている諸機能の設定状態を表わす表示のみが表示され、それ以外の表示は消灯される。更に、無操作状態が一定時間経過(例えば1分〜3分)すると、操作部9及び表示部10の文字や図形等は全て消灯し、表示用タッチ部9aのみが視認可能となる。このように、常時認識可能な表示用タッチ部9aを操作した後、一旦、全ての文字等を点灯表示させることで、使用者は、冷蔵庫の機能の確認及び何を設定変更できるのか等を確認できる。
【0023】
また、ガラス板7の裏面は、有色塗料が塗布されている。これにより、発泡断熱材16が正面側より見えないように処理されて、かつ操作部9及び表示部10は表示用タッチ部9aの操作によって明確に視認されるので、外観性の優れた扉を構成している。
【0024】
次に、
図2を参照しながら、操作部9及び表示部10についてさらに詳細に説明する。
【0025】
図2において、破線で囲まれた操作部9の文字(節電,冷凍,冷蔵,製氷,冷却モード、真空チルドの各文字)や図形等の表示は、
図4で後述するフィルム(基板前面部材)20の色を部分的に抜いて表された光透過性を有する文字(光透過性文字)であり、後述する基板上のLED(発光ダイオード)等が発光したときのみガラス板7の前面に透過して表示され認識できる。また、表示用タッチ部9aは、ガラス板7の裏面又は前面に直接印刷等により表わされたものである。操作部9は、当該文字部分が形成された面に対向する位置の前面(即ち、ガラス板7の前面側)のことを称する。なお、ガラス板7の裏面又は前面に表示用タッチ部9aを設ける手段としては、印刷の他、エッチングや象嵌等が挙げられる。
【0026】
また、
図2において、実線で囲んだ部分は、上述の操作部9の操作による入力に伴い、諸機能の設定状態を示す表示部10である。そして、この表示部10の文字(「電動引き出し入」、「給水」、「外出,節電」、「強,中,弱」、「急速製氷,製氷,製氷停止」,「急冷蔵,急冷凍,野菜室強」,「氷温,チルド」)や図形等は、操作部9と同様にフィルム20の色を部分的に抜いて表された透光性文字であり、後述する基板上のLED等が発光したときのみガラス板7の前面に透過して表示され認識できる。
【0027】
当該フィルム20は、扉前面板7aであるガラス板7の裏面に、密着或いは隙間がごく僅かとなるよう取り付けられている。そのため、表示用タッチ部9aを操作した後、ガラス板7を透過して、冷蔵室扉2aの正面から、明確にその文字表示を確認することができる。すなわち、視認性が高く、かつ平面なガラス板で外表面が構成された、外観性の優れた扉を構成している。
【0028】
また、操作部9及び表示部10は、
図2に示す如く上下に併設して設けられている。表示部10には、冷蔵庫本体1の持つ機能として、急冷蔵や急冷凍が動作中である旨等が表示されるよう構成されている。
【0029】
更に、表示部10の文字表示は、後述する基板上のLED(発光ダイオード)等により照明されて、ガラス板7前面まで光透過して、浮き上がって見えるように構成されている。
【0030】
次に、
図1、
図5において、ガラス板7は扉内板8とともに枠12a、12b、12c、12dで支持固定されている。枠12aは冷蔵室扉2aの側面(反ヒンジ側)を覆い、枠12bは冷蔵室扉の上面を覆い、枠12cは冷蔵室扉2aの側面(シンジ2b側)を覆い、枠12dは冷蔵室扉の下面を覆う。
【0031】
13aは冷蔵室扉2aの側面に設けられた蓋である。蓋13aは、冷蔵室扉2aの反ヒンジ側の枠12aに設けた挿入部13を閉塞する構成である。挿入部13は、冷蔵室扉2aの内部と外部を連通する開口である。挿入部13から後述する基板組品14がヒンジ2b側方向に挿入されて基板収納部材21内に固定される(
図7,8参照)。なお、蓋13aは、枠12aと平面をなすように設けられている。これにより、使用者が冷蔵室扉2aを開けた場合でも、蓋12aと枠12aとの境界が目立たず、意匠性を損なわない。また、蓋13aと枠12aとを同一色とすることで、さらに意匠性を損なわないことに寄与する。
【0032】
蓋13a及び挿入部13は、
図5、
図8に示すように、枠12aの曲面部22よりも後方の平面部に位置しており、冷蔵庫本体1の正面視で視界に入り難い位置である。この挿入部13に連続して基板収納部材21がガラス板7の内面に貼り付けられている。
【0033】
次に、
図4において、基板組品14の構成を詳述する。基板組品14は、操作部9を発光表示する操作部用発光手段(図示せず)、表示部10を発光表示する表示部用発光手段(図示せず)、この表示部用発光手段の光の拡散を抑制して遮光する遮光手段35、静電容量の変化を検出する検出部11、判定部(図示せず),マイコンを含む自動制御部(図示せず)等を備えている基板15、部分的に色を抜いて光透過性の文字や図形等が設けられたフィルム20、基板ケース17等より構成されている。なお、本実施形態では、操作部用発光手段と表示部用発光手段を総称して発光手段とする。
【0034】
操作部用発光手段は、基板15の前面に設けられた操作部用LED(図示せず)を有する。また、検出部11の前面側には、操作部用LEDからの光を拡散するための透明又は半透明の操作部用導光部(第一の導光手段)34bを有する。
【0035】
表示部用発光手段は、操作部用発光手段の反対側の面、即ち、基板15の背面に設けられた表示部用LED(図示せず)を有する。また、表示部用LEDからの光を基板15の裏面側から前面側に導くための透明又は半透明の表示部用導光部(第二の導光手段)13bを有する。
【0036】
尚、操作部用導光部34b及び表示部用導光部13bの材料は、樹脂やガラス等、透明又は半透明であればよい。
【0037】
基板15(検出部11を含む)は、該基板15の表側の一面がフィルム(基板前面部材)20で覆われ、他の一面が基板ケース17で覆われている。
【0038】
フィルム20は、操作部用導光部34b及び遮光手段35の前面に密着又は近接して設けられる。また、フィルム20は、操作部用発光手段及び表示部用発光手段からの光を裏面から前面に透過して、ガラス板7側に透過させる構成である。また、フィルム20は、その厚さがフィルム状やシート状のように薄く、未着色部や薄い着色部で光を透過できるものであればよい。
【0039】
検出部11は、冷蔵室扉2aへの組込み時には操作部9と対をなすものである。すなわち、絶縁体であるガラス板7、フィルム20、操作部用導光部34bを介して、操作部9が表側に検出部11が裏側に重なるように配置される。
【0040】
なお、判定部(図示せず)は、基板15内において操作部9と検出部11との間の静電容量の変化を検出する。静電容量に変化がある場合、当該静電容量の変化に応じて発振,振幅が変化する発振回路を含んでいる。これにより、判定部が出力するスイッチ信号,オン/オフ信号を取り出した自動制御部は、負荷を駆動させる。なお、単に操作部9の前を使用者が通ったり、冷蔵庫前面(冷蔵室扉2a)を使用者が掃除のために拭いたりする動作等によっては、判定部が出力するスイッチ信号,オン/オフ信号を出力しない構成としてある。
【0041】
扉前面板7aを構成するガラス板7は絶縁体であり、且つ透光性の板材である。そして、ガラス板7前面を操作部9とすべく、表示用タッチ部9aを操作すると、ガラス板7の操作部9の裏面に接触又は近接して位置するフィルム20に表された文字(又は図形記号)が、ガラス板7の前面に発光手段で照射されて、操作部9の操作内容が表示される。
【0042】
操作部9に対向するガラス板7の裏面には、基板15上に設けられ判定部に繋がる検出部11が、フィルム20及び操作部用導光部34bを介してガラス板7に近接するように設けられる。操作部9に併設して設けられる表示部10の文字や図形記号等は、発光手段で照射した際、ガラス板7の前面に透光するように、基板15の表面を覆うフィルム20に表わされている。
【0043】
表示部10の文字(又は図形記号)の表示は、基板15上に設けられた表示部用発光手段により、裏面から照らされて明示される。更に、操作部9に手や指が触れると、基板15上の検出部11が、ガラス板6aとの間の静電容量の変化を感知して、基板15上の判定部に知らせる。そして、判定部が入力を検出すると、自動制御部を介して負荷を動作させる。
【0044】
ここで、自動制御部を介して動作される負荷とは、急冷の場合、冷凍サイクルの強制連続運転,冷気循環ファン(図示なし)の強制連続運転、若しくは冷気供給量を制御するダンパーの強制「開」制御等である。これらの負荷を制御することにより、冷蔵室2を急冷蔵としたり、冷凍室を急冷凍したりする。
【0045】
次に、
図5において、21は基板収納部材である。基板収納部材21は、基板組品14を発泡断熱材16より隔離する役目を果たす。また、基板15表面のフィルム20を、扉前面板7aであるガラス板7に密接若しくは近接するように、基板組品14を基板収納部材21内に保持する役目を果たす。
【0046】
図3には、ガラス板7裏面に施された透光性を有する有色塗料層19を示す。有色塗料層19はガラス板7の裏面全域に設けられている。
【0047】
19aは保護フィルムである。保護フィルム19aは、ガラス板7に大きな衝撃が加えられてガラスが割れた場合や亀裂が入った場合であっても、周囲に飛び散らないよう保護している。また、この保護フィルム19aは、有色塗料層19と同じ面に貼られている。このことにより、扉正面側より発泡断熱材7が透けることで、外観を損なうことを防止している。
【0048】
また、基板組品14の短手方向と、ガラス板7の短手方向は、交差するように配設されている。これは、ガラス板7に熱処理を加えた場合、ガラス板7の歪は長手方向に現れやすい性質に基づく。すなわち、この性質に鑑みて、基板組品14を設置した場合における、ガラス板7の歪の影響を抑制する構成としている。
【0049】
ここで、ガラス板7の長手方向に、基板組品14の長手方向が沿うように組み込んだ場合、ガラス板7の歪の影響を受け、ガラス板7と基板15上の検出部11との間に隙間が生じやすくなる。これにより、操作部9からの入力内容が、検出部11にうまく伝わらない、という課題を生じる。
【0050】
そこで、本実施形態では、基板組品14の長手方向はガラス板の長手方向に交差する方向に配設している。
【0051】
また、有色塗料層19の裏面(発泡断熱材16側)には不透明塗料層19bが施され、扉正面側から発泡断熱材16が透けて見えることを防止すると共に、有色塗料層19の色斑を抑えて色の見え方を安定させている。この不透明塗料層19bと有色塗料層19とは同系色であり、且つ、有色塗料層19と同等若しくは濃い色合いとし不透明としている。
【0052】
不透明塗料層19bは、フィルム20に表された操作部9及び表示部10の文字や図形等の投影面には設けられていない。詳細には、有色塗料層19の裏面に設けられた不透明塗料層19aは、操作部9及び表示部10に対応する領域には塗布せず、代わりに、操作部9及び表示部10に対応する領域には透明のクリア層19cが施される。このとき、クリア層19cの端部は、不透明塗料層19aの端部と重なって設けられる。
【0053】
更に、不透明塗料層19bの裏面に、操作部9及び表示部10に対応する領域を避けて保護フィルム19aが設けられる。このとき、保護フィルム19aの端部は、クリア層19cの端部と重なって設けられる。
【0054】
即ち、ガラス板7において、操作部9及び表示部10が表示される領域は、有色塗料層19、クリア層19c、保護フィルム19aの順番に層が構成される。また、操作部9及び表示部10が表示されない領域は、有色塗料層19、不透明塗料層19b、保護フィルム19aの順番に層が構成される。
【0055】
そして、基板15の前面を覆うフィルム20に表された操作部9及び表示部10の文字や図形等は、クリア層19cの裏面側に密着又は近接して位置する。換言すると、不透明塗料層19bは、フィルム20に表された操作部9及び表示部10の前方投影位置より外側に位置し、操作部9及び表示部10の前方投影位置には有色塗料層19と、有色塗料層19の背面のクリア層19cとを有する。この構成により、フィルム20及び基板15をガラス板7背面に組み込む際に、ガラス板7の傷付を防止することができる。
【0056】
この構成により、操作部用発光手段及び表示部用発光手段を発光させていない状態では、操作部9及び表示部10の文字や図形等は表示されず、ガラス板7の前面には有色塗料層19の色が表れる。操作部9及び表示部10の文字や図形等や発泡断熱材16が透けて見えることを防ぐことができ、操作部9及び表示部10の非表示時の外観意匠性を向上した。
【0057】
また、不透明塗料層19bの色とフィルム20の前面に施された色とを同系色とした。有色塗料層19の裏面に塗布された不透明塗料層19bは、操作部9及び表示部10を発光表示させるため、部分的に塗布されず、例えば矩形状の窓部を形成するように設けられている。このとき、不透明塗料層19bの色とフィルム20の前面の色とを異なる色又は極端に濃淡の異なる色とした場合、互いの色調が異なることから不透明塗料層19bとフィルム20との境界が扉前面側から透けて見える虞がある。
【0058】
そこで、不透明塗料層19bの色とフィルム20の前面の色とを同系色として互いの色調を統一することで境界を目立たなくし、外観意匠性を向上した。
【0059】
尚、本実施形態においては、ガラス板7の裏面に施した有色塗料層19、不透明塗料層19b、クリア層19cは塗料としたが、着色したフィルムやシート等でもよい。
【0060】
また、冷蔵庫の扉表面を1枚のガラス板7とすることにより、製造原価を低減することができる。なお、ガラス板7と検出部11の前方に配された操作部用導光部34bとの隙間は、ガラス板7の歪を含め0.2mm以下とする必要がある。0.2mm以上の隙間が生じた場合、操作部9からの入力内容が、検出部11にうまく伝わらないことがある。
【0061】
また、基板組品14は、冷蔵庫本体1の最上部に設けられた冷蔵室扉2aに設けられている。この高さ位置は、小さな子供の手が届かない位置である。また、使用者にとって見やすく操作し易い位置となる。
【0062】
さらに、本実施形態の場合、操作部9及び表示部10が従来の如く扉前面板7aより突出していない。これにより、小さな子供は操作部9及び表示部10がそこにあること自体を認識し難い。すなわち、子供による悪戯操作を低減できる。
【0063】
図4において、基板組品14は、基板ケース17、表示部用導光部(第二の導光手段)13b、基板15、フィルム20、操作部用発光手段34、遮光手段35等が組み合わされたものである。操作部用発光手段34及び遮光手段35は基板15の同一面、即ち、基板15の前面側に併設している。
【0064】
表示部10の背面側には、当該表示部10の文字や図形等を後ろから照明するための表示部用発光手段(図示せず)が設けられている。基板15は、複数の孔部15bが形状され、当該複数の孔部15bのそれぞれから、表示部用導光部(第二の導光手段)13bが基板15の前面側に突出するように設けられている。
【0065】
また、表示部用導光部13bは複数設けられ、表示部10の文字や図形等のそれぞれに対応し且つ前後に重なって位置するように設けられる。尚、複数の表示部用導光部13bは、透光性を有する樹脂を一体成型したものであり、基板15の裏面側では表示用導光部13bのそれぞれは繋がって成型されている。
【0066】
基板15に設けられた表示部用導光部13bによって導かれた光の拡散を抑えるため、基板15とフィルム20との間には、暗い色調(一例として黒色系)の樹脂からなる遮光手段35が配置される。この遮光手段35は板状樹脂材であって、複数の表示部用導光部13bの周囲を全周に亘ってそれぞれ囲むように、複数の孔部35aが形成される。換言すると、基板15の前面側に位置した表示部用導光部13bの周囲は、孔部35aを形成する複数の枠部によりそれぞれ囲われることで、複数の表示部用導光部13bはそれぞれが独立した導光部となる。更に、表示部用導光部13bの側面の全周を遮光手段35で囲むことで、表示部用導光部13bの外部に光が漏れ難くし、表示部用導光部13b内部で光の反射及び拡散を行い、発光表示される文字の照度斑を抑え、均一に表示することができる。また、他方の表示部用導光部13bや隣接する他の表示文字への光の漏れを抑制し、表示時の外観意匠性及び表示内容の誤表示を防ぐことができる。
【0067】
また、遮光手段35を暗い色調(一例として黒色系)にしたことで、表示部用LEDからの光を表示部用導光部13b内部で反射及び拡散させることができ、表示する文字や図形等の照度斑を抑えて明確に表示することができる。
【0068】
以上の構成の如く、基板15の同一面に、表示部用発光手段13、検出部14、操作部用発光手段、遮光手段35を配置することで、基板の薄型化を図ることができる。
【0069】
基板組品12において、遮光手段35及び表示部用導光部13bの前方への突出高さ位置は、同一若しくは遮光手段35の方が高くなるように位置している。これにより、表示部用導光部13bからの光を遮光手段35によって遮ることができ、隣接する他の表示部用導光部13bに光が漏れることを抑制できる。また、フィルム20は表示部用導光部13bと密接又は近接して設けられており、フィルム20によって遮光手段35の孔部35bを塞ぐような形態になるので、表示部用導光部13bからの光の漏れを抑制することができる。
【0070】
これにより、隣り合う複数の文字の内、いずれかの文字のみを明確に表示でき、表示部及び操作部の表示時の外観意匠性を向上するとともに、使用者が冷蔵庫の設定状態を明確に視認することで、誤操作することを防ぐ。
【0071】
また、本実施形態においては、表示部用LEDは青色、緑色、オレンジ色等の発光色であるのに対し、操作部用LEDは白色の発光色である。表示部用導光部13bおよび操作部用導光部34bは基板15の前面に併設して設けられている。この場合、表示部用LEDと操作部用LEDとが同時に発光すると、互いの光が干渉し合って文字又は図形の光透過や見え方に影響がでる虞がある。
【0072】
そこで、遮光手段35及び操作部用導光部34bの前面の高さ位置は、同一若しくは遮光手段35の方が高くなるように配置した。これにより、互いの光を遮ることができ、光の色彩の異なる表示部10及び操作部9の文字をそれぞれ明確に表示することができる。
【0073】
また、遮光手段35の前方側の位置と、基板ケース17の前面外周縁部の位置は、同一もしくは遮光手段35の方が前方側に高くなるように配置している。これにより、基板ケース17の外縁部(フランジ部)にフィルム20を貼り付けた際、フィルム20の裏面と遮光手段35の前面とを近接又は密着することができる。即ち、前述したとおり、遮光手段35と表示用導光部13bとの高さは、同一もしくは遮光手段35の方が高く配置されているので、基板ケース17にフィルム20を貼り付けたときに、遮光手段35の孔部35aをフィルム20で塞ぐような形態にできる。
【0074】
これにより、個々の表示部用導光部13b内で光を効率よく拡散させ、発光表示させる文字の照度斑を抑え明確に表示することができる。また、一方の表示部用導光部13bから他方の表示部用導光部13bへの光の漏れを抑制することで、意図しない文字の光透過表示を防ぎ、表示部10の発光表示時の外観意匠性を向上するとともに、表示部10を明確に視認可能として、操作部9の誤操作を防ぐ。
【0075】
図4に示すように、操作部9の背面には、静電容量の変化を検出する検出部11が位置する。この検出部11は基板15表面に複数設けられており、その近傍には操作部用LED(図示せず)が設けられている。基板15の検出部11と操作部用LEDが設けられた領域には、高反射性色調(一例として白色系)で塗装されている。これにより、操作部用LEDの光を反射させ、操作部用導光部34bで一様に光を拡散させることができる。尚、当該白色領域はレジスト印刷、シルク印刷等、特に限定するものではない。
【0076】
検出部14の前面側、即ち、前述の白色で塗装された領域を覆うように、透明又は半透明の操作部用導光部34bが配置される。操作部用LEDから照射された光が操作部用導光部34bを介することで、フィルム20に有する透光性の文字や図形等がガラス板7上に透過し表示される。
【0077】
基板15は、検出部11,判定部(図示せず)及びマイコンを含む自動制御部(図示せず)等を備えている。
【0078】
基板15は、一面がフィルム20で覆われ、他面が基板ケース17で覆われている。フィルム20は、検出部11に密着している。基板ケース17の凹部に、基板15が収納された状態で、基板15の前面は、基板ケース(基板収納部材)17外周縁に設けたフランジ部と同一平面となるよう収納される。そして、粘着剤付きフィルム20が、基板15の表面及び基板ケース17のフランジ部に密着固定される。従って、基板15上の検出部11とフィルム20間には空間部が存在しないか或いは近接するように構成している。
【0079】
検出部11は、冷蔵室扉2aへの組み込み時には、ガラス板7側の操作部9と対をなすものである。すなわち、絶縁体であるガラス板7及びフィルム20の前側に操作部9が設けられ、検出部11が裏側(フィルム20を介して基板15側)になるよう
図4の如く重なるように設けられている。
【0080】
基板ケース17は低反射色調である灰色系の色調(樹脂成形による色、塗装、又はフィルム転写等)で形成されている。基板ケース17の色が白色等の光を反射させ易い色の場合、表示部用LEDを発光させたとき、表示部用LEDの背面側の基板ケース17によって光が反射及び拡散し、光の漏れが生じる虞がある。そこで、基板ケース17の色を光が反射し難い灰色系の色とすることで、表示部10に記された複数の表示文字の内、特定の文字のみを表示させたとき、隣接した文字側に光が漏れて、表示する必要のない文字を表示されてしまうことを抑制する。
【0081】
尚、基板ケース17の色は灰色に限ったものではなく、光を反射し難い色や表面処理を行ったものであればよい。また、基板ケース17の表示部用導光部13bに対向する箇所に塗装を施してもよい。
【0082】
ガラス板7と扉内板8によって形成された空間内には発泡断熱材16が充填されている。そのため、基板収納部材21の発泡断熱材16に面する側には発泡断熱材16の発泡圧に耐え得るように補強リブ21iが複数設けられている(
図8参照)。
【0083】
基板収納部材21の両側壁には基板組品14を基板収納部材21に案内するガイド手段21eが設けられている。ガイド手段21eは、一例として溝形状、段形状、凹凸形状を採用することができる。
【0084】
挿入部13から挿入された基板組品14(図示せず)は後述する基板ケース17に設けられた第一の被ガイド部材17a、第二の被ガイド部材17bが、それぞれガイド手段21eでガイドされて枠12a側(反ヒンジ側)から枠12b側(ヒンジ側)方向に移動する。移動した基板組品14は所定の位置で固定される。
【0085】
図6において、基板収納部材21の開口外周には平面部21aが設けられている。この基板収納部材21の一端には基板組品14が挿入される開口部21bが設けられ、平面部21aには位置決め部21cが設けられている。この位置決め部21cは、基板収納部材21を枠12aに対して直交又はほぼ直交するように取り付けるための位置決め部材となる。開口部21bの上部には段部21dが設けられている。
【0086】
基板収納部材21は平面部21aを冷蔵室扉2aの前面に取り付けられたガラス板7の内面に密着させて所定位置にあらかじめ(発泡断熱材16の充填前)貼り付けられることになる。貼り付けにあたっては平面部21aの背後からガラス板7の内面に直接テープ止めされる。
【0087】
基板収納部材21の内側両側壁には基板組品14を基板収納部材21内で移動させるため、開口部21b近傍から離れる方向にガイド手段21eが設けられている。このガイド手段21eの終端部には第1のガイド部21fが、挿入部13近傍側の端部には第1のガイド部21fへ繋がる方向とは分岐した第2のガイド部21gが設けられている。この第1のガイド部21fと第2のガイド部21gは、平面部21aから離れる方向、すなわち、挿入部13から離れる方向に向かって扉前面板7aに近づく傾斜を有する溝形状、段形状、凹凸形状の何れか又はこれらを組合せた構成である。
【0088】
枠12aの手前側の角部22は、
図8のように丸みを有している。この角部22よりも冷蔵室扉2aの奥行き方向の後方側に挿入部13及び開口部21bが位置している。基板収納部材21の背面壁とガイド手段21eは、
図8に示すように、開口部21bから離れる方向に向かって、扉前面板7aに近づく緩やかな傾斜を有している。また、ガイド手段21eの入口端部に設けられた第二の段差部21gのガラス板7に対する傾斜角度は、ガイド手段21eの傾斜角度よりも大きい。また、ガイド手段21eの終端部に設けられた第一の段差部21fのガラス板7に対する傾斜角度も、ガイド手段21eの傾斜角度よりも大きい。
【0089】
この構成において、ガイド手段21eに沿って導かれる基板組品14は、
図8の破線で示すように、第一の被ガイド部材17aがガイド手段21eの終端部に有する第一のガイド部21fの入口付近に到達すると、第二の被ガイド部材も第二のガイド部21gの入口付近に位置する。
【0090】
その後、更に基板組品14を挿入部13から深く挿入すると、第二の被ガイド部材21gは第二のガイド部17bに沿って導かれ、第二のガイド部17bの終端部(即ち、扉前面板7a側)に案内されるとともに、第一の被ガイド部材17aは第一のガイド部21fに沿って導かれ、第一のガイド部17aの終端部(即ち、扉前面板7a側)に案内される。この構成により、基板組品14を挿入する過程において、基板組品14の前面を扉前面板7aの裏面に密着或いは近接させることができる。
【0091】
また、第1のガイド部21fよりも第2のガイド部21gは、ガラス板7との間の傾斜角度が大きく且つガイド距離を長くしている。このことにより、基板組品14をガラス板7に接触しないようにガイドした後に、所定の位置で検出部11が検知可能な範囲でガラス板7に接触又は近接させることができる。これは、挿入部13を枠12aの前方の曲面より後方の平面に設けたことで、ガイド手段21e及び基板収納部材21の背面は、ガラス板7からの距離に変化を持たせていることによる。すなわち、挿入部13をガラス板7から所定距離の後方に設けており、ガイド手段21e及び基板収納部材21は、基板組品4をガラス板7に近づけるために傾斜を有しているためである。
【0092】
図6に示すように、第1のガイド部21fと第2のガイド部21gとの中間部には、ガイド手段21eの外側から平面部21a方向、すなわち扉前面板7a方向に突出する凸部21hが設けられている。また、基板ケース17の長手方向の中間部には、突起部17cが設けられている。この構成で基板組品14を基板収納部材21に挿入した場合、基板収納部材21側の凸部21hと基板ケース17側の突起部17cとが当接する。これにより、横長の基板ケース17の湾曲を矯正するように作用し、基板組品14の前面を扉前面板7aの裏面に密着或いは近接するように設けることができる。また、複数の補強リブ21iによって、発泡圧による基板収納部材21の変形を抑制することができる。また、補強リブ21iは、当該補強リブ21iに沿って発泡断熱材16が流動するように導くので、充填発泡を阻害しないように作用する。さらに、補強リブ21iを取り囲むように発泡断熱材16が均等に充填されて硬化するため、基板収納部材21の固定を確実にすることができる。
【0093】
以上より、発泡断熱材16の充填発泡によって、基板収納部材21が変形したりずれたりすることを抑制することができるため、基板収納部材21内に基板組品14を組み込む場合、ガイド手段21e、第1のガイド部21f、及び第2のガイド部21gと、第一の被ガイド部材17a及び第二の被ガイド部材21gとの位置ずれを抑制することができる。すなわち、確実に基板15上の検出部11がガラス板7に密着或いは近接するように設けることができる。
【0094】
図4に示したように、基板ケース17には、長手方向の一端側に2片の第1の被ガイド部材17aと、他端側に2片の第2の被ガイド部材17を備え、基板収納部材21に備えたガイド手段21e、第1のガイド部21f、及び第2のガイド部21gとの関係で、基板組品14をガラス板7に密着又は近接させる構造である。
【0095】
第一の被ガイド部材17a及び第二の被ガイド部材21g、並びに突起部17cは、基板ケース17の外縁に突出しており、フィルム20の幅方向よりも突出した状態となっている。
【0096】
第1の被ガイド部材17aは、基板組品14を開口部21bから挿入すると、ガイド手段21eにより案内されて、ガイド手段21eの終端部に位置する第1のガイド部21fに至る。第2の被ガイド部材17bは、第1の被ガイド部材17aがガイド手段21eの終端部に位置する第1のガイド部21fの入口に至ると、第2のガイド部21gの入口に位置し、第2のガイド部21gの奥側、すなわちガラス板7側に接触又は近接させるように案内する。このとき、第1の被ガイド部材17aも第1のガイド部21fの奥側、すなわちガラス板7側に接触又は近接させるように案内する。
【0097】
また、係止片17dは基板ケース17と一体に、組み立て時に挿入部13側に位置するように形成されている。この係止片17dは、基板ケース17が基板収納部材21内の所定位置に組み込まれると、最終的に基板収納部材21の挿入部13側の段部21dに係止されて固定される。
【0098】
係止片17dの一部は、
図8に示すように、開口部21b近傍の投影方向に位置する。すなわち、サービスマンが蓋13を取り外した際に、開口部21bに指を入れて係止片17dを引っ張ることで基板組品14を取り出すことができ、工具を用いることなく作業性が向上する。
【0099】
次に基板組品14を基板収納部材21内に収納する手段を、
図5、
図8に基づきさらに説明する。
【0100】
まず、ガラス板7内面に基板収納部材21を予め取り付け、その後にガラス板7と扉内板8との間に発泡断熱材16が充填発泡される。充填発泡完了後、枠12aの挿入部13を介して基板収納部材21の開口部21bから基板組品14を基板収納部材21内に挿入する。
【0101】
基板組品14が基板収納部材21内に挿入されて押し込まれると、第1の被ガイド部材17aがガイド手段21e内を摺動して案内される。第1のガイド部21fの入口付近に第1の被ガイド部材17aが達すると、第2の被ガイド部材17bが第2の段差部21gの入口付近に達する。ガラス板7の内面に近づくように傾斜する第1のガイド部21f及び第2のガイド部21gの入口付近に、第1の被ガイド部材17a及び第2の被ガイド部材17bがそれぞれ位置した状態で、基板組品14がさらに押し込まれると、第1の被ガイド部材17a及び第2の被ガイド部材17bは
図8に示す矢印のとおり、第1のガイド部21f及び第2のガイド部21gの終端部に案内され、フィルム20がガラス板7の内面側に密着或いは近接して停止する。この時点で、基板ケース17の係止片17dは基板収納部材21の段部21dに位置して係止状態となって固定される。
【0102】
基板組品14の基板収納部材21への挿入完了後は、枠12aの挿入部13が蓋13aにて閉塞される。
【0103】
このように本実施形態によれば、基板組品14を基板収納部材21内に挿入する際、保護フィルムが貼り付けられていないガラス板7の内面を基板組品14が擦らないように所定位置まで案内した後、ガラス板に密着又は近接させることができるので、ガラス板7裏面の印刷層の剥がれや傷付き等を防止することができる。
【0104】
また、枠12aに設けた挿入部13の位置を、前方の曲面より後方の平面に設けたので、冷蔵庫本体1を正面から見た状態で挿入部13が目立たず、意匠性が向上する。
【0105】
図5に示す冷蔵室扉2aはヒンジ2bが正面視して右側に設けられた右開き扉であるが、挿入部13の位置、基板組品14、基板収納部材21等をそのまま共用して左開き扉とした場合、冷蔵室扉2の開閉時に、据え付け寸法によっては樹脂枠板12a及び蓋13aに住居壁面が接触してしまう虞がある。
そこで、据え付け寸法を小さくするために枠12aの角部22の丸み部を大きくした場合であっても、本発明の如く、挿入部13を、樹脂枠板12aの角部22の丸み部を避けるように、枠12a側面の奥行き方向の後方側の平面部分に設けることで、冷蔵庫を正面視したときに挿入部13を見え難くできる。
【0106】
また、扉前面板7aと扉内板7との間の空間に充填された発泡断熱材の厚みの減少を抑えて、基板を所定位置に配置することができる。
【0107】
以上によれば、以下の効果を奏することができる。すなわち、貯蔵室を開閉する扉と、該扉の前面の光透過性の扉前面板と、前記貯蔵室側の扉内板と、該扉内板と前記扉前面板を支持する枠と、前記扉前面板の背面の基板収納部材と、前記枠から前記基板収納部材に連通して基板組品を挿入する挿入部と、前記基板組品の一端側の第1の被ガイド部材と、該基板組品の他端側の第2の被ガイド部材と、を備え、前記基板収納部材は、前記挿入部から離れる方向に向かって前記扉前面板に近づく傾斜を有し、前記基板組品の前記第1の被ガイド部材をガイドするガイド手段と、前記ガイド手段の傾斜よりも大きな傾斜を有し、前記ガイド手段の終端近傍で前記第1の被ガイド部材を前記扉前面板に接触又は近接させる第1のガイド部と、前記ガイド手段の始点近傍で前記第1のガイド部のガイド方向と分岐して前記ガイド手段の傾斜よりも大きな傾斜を有し、前記第1の被ガイド部材が前記第1のガイド部にガイドされる際に、前記第2の被ガイド部材を前記扉前面板に接触又は近接させる第2のガイド部と、を備える。これにより、基板の挿入部を冷蔵庫の正面視で目立たないように後方に配置しつつ、基板を所定位置に配置することができる。
【0108】
また、前記第1のガイド部よりも前記第2のガイド部は前記傾斜が大きく且つガイド距離が長い。これにより、基板組品を扉前面板に接触しないようにガイドした後に、所定の位置で検出部が検知可能な範囲で扉前面板に接触又は近接させることができる。
【0109】
また、前記枠は前方の曲面と後方の平面を有し、該平面に前記挿入部を備える。これにより、冷蔵庫の正面視で挿入部が視認しにくく、かつ曲面形状によって意匠性を高めることができる。
【0110】
また、前記第1の被ガイド部材と前記第2の被ガイド部材の中間で前記扉前面板側に突出する凸部と、前記凸部に当接する前記基板組品の突起部と、を備える。これにより、横長の基板組品の湾曲を矯正するように作用し、基板組品の前面を扉前面板の裏面に密着或いは近接するように設けることができる。
【0111】
また、前記基板組品の前記挿入部側に位置する係止片と、前記基板収納部材の前記挿入部側で前記係止片が係止する段部と、を備える。これにより、工具を用いることなく指で係止片を引っ張ることで基板組品を取り出すことができ、作業性が向上する。
【0112】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0113】
ガラス板7は扉内板8とともに枠12a、12b、12c、12dで支持固定される口背として説明したが、これに限らず、ガラス板7が枠12a、12b、12c、12dよりも前方に位置させた構成であってもよい。
【0114】
また、挿入部13を設ける位置も上記で説明した扉側面に限定されるものではなく、ヒンジ側面、扉底面,上面或いは背面(発泡断熱材側)であってもよい。
【0115】
また、右開き、左開き、上開き、下開き、或いは引き出し式等のあらゆる扉に適用することができる。冷蔵庫以外の機器の扉にも適用が可能である。