(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
隠され、航空機ターボプロップまたはターボジェットなどのタービンエンジンの内側の直線的でない通路を介してアクセス可能な部品上の欠陥を探索するための装置にして、管状シース(28、126、208)と、検査用の部品を照射し観察するためにシース内に収容された、光を誘導するための光誘導手段および画像を伝送するための画像伝送手段とを備える、装置であって、シース(28、126、208)の遠位端部にある試験ヘッド(62、220)であって、シース(28、208)内に収容された光誘導手段および画像伝送手段に接続された照射手段および撮像手段を有するヘッドと、検査用の部品上に浸透探傷試験材料を連続して噴霧するための手段であって、シース(28、126、208)内に収容されたダクト(30)の内側で摺動式に誘導される毛細管(32)を備える手段とを備えることと、シースの遠位端部において試験ヘッドの配向を調節するための手段を含むこととを特徴とする、装置。
空気ブロー手段が、照射手段および撮像手段の近傍までその遠位端部が通じるブローチューブ(30)に接続された、加圧空気を供給するための手段(48)を備えることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
加圧空気を供給するための手段が、毛細管(32)を通過させるためのダクト(30、236)の近位端部に接続されて、ダクト(30、236)に、その遠位端部を介して離れる空気の連続ストリームを供給することを特徴とする、請求項3に記載の装置。
シース(28、208)の近位端部が、エンジンに締め付けるためのハンドル(36)に接続されることと、毛細管(32)を収容するダクト(30、136、241)が、ハンドル(36)の内側で延ばされ、ハンドル(36)によって担持され毛細管(32)をダクト(30)の内側に挿入するように働く剛性チューブ(38)に接続されることとを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の装置。
ホルダ手段が、毛細管(32)上にクランプ留めするための手段を含む末端部(40)であって、剛性チューブ(38)の自由端部上に係合され保持されるように設計された末端部を備えることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の装置。
末端部(40)が、チューブ(38)の内側まで通じる通路(46)であって、加圧空気を供給するための手段(48)に接続するための入口を形成する通路を含むことを特徴とする、請求項4および7に共に記載の装置。
配向調整手段が、試験ヘッドの角度配向を制御するための制御部材(76、140)であって、内視鏡のハンドル上に回転可能に装着され、試験ヘッドに配向制御を伝送するための伝送手段に接続された制御部材を備え、これらの伝送手段は、シース(28、126、230)内に収容されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載の装置。
試験ヘッドの配向を調整するための手段が、シースの内側で誘導される少なくとも2本のケーブルであって、その遠位端部が試験ヘッド(62、220)に2つの対向する点で締め付けられ、その近位部分が、ハンドル(36)上に位置する回転式制御部材上両方向に張力を掛けて巻き付けられる、ケーブルを備えることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
配向制御を伝送するための手段が、シース(126)の内側を延びる少なくとも1本のロッド(166、168)であって、その遠位端部が、リングの回転移動をロッドの並進移動に変換するための機構に接続されるロッドを備え、ロッドは、その遠位端部によって、シースに対して垂直である軸を中心に枢動可能にシース(126)の遠位端部にヒンジ接続されたフィンガ(130)に接続されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
遠位フィンガ(130)が、毛細管(32)を通過させるための軸方向チャネル(132)を含み、シース(126)の軸と位置合わせ状態である位置と、シース(126)の軸に対して垂直に配向される位置との間で枢動するようにヒンジ接続されることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
毛細管(32)の遠位端部にある噴霧末端部が、取り外し可能であり、半径方向、前方、または後方に噴霧するために噴霧末端部の組から選択され得ることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
シース(28)が、6mmから10mmの範囲にある直径を有する円形断面のものであり、毛細管(32)を通過させるためのダクト(30)が、約1.2mmの直径を有し、毛細管(32)が約0.8mmの直径を有することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか一項に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の特定の目的は、この問題に対する、簡単で満足のいく、安価である解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明は、隠され、航空機ターボプロップまたはターボジェットなどのタービンエンジンの内側の直線的でない通路を介してアクセス可能な部品上の欠陥を探索するための装置にして、管状シースと、検査用の部品を照射し観察するためにシース内に収容された、光を誘導するための光誘導手段および画像を伝送するための画像伝送手段とを備える、装置であって、シースの遠位端部にある試験ヘッドであって、シース内に収容された光誘導手段および画像伝送手段に接続された照射手段および撮像手段を有するヘッドと、検査用の部品上に浸透探傷試験材料を連続して噴霧するための手段であって、シース内に収容されたダクトの内側で摺動式に誘導される毛細管を備える手段とを備えることと、シースの遠位端部において試験ヘッドの配向を調節するための手段を含むこととを特徴とする、装置を提供する。
【0010】
ダクトをシースの内側に組み込むことにより、ダクトの内側を摺動するように装着された、浸透探傷試験材料を通過させるための毛細管を挿入し引き出すことが可能になり、それによって複数の毛細管を連続的に使用することを可能にし、各々の毛細管は、1つの特定の浸透探傷試験材料を通過させるための専用にされる。管状シースの直径は、したがって従来技術のシースの直径より小さくなることができる。
【0011】
毛細管をダクトの内側に摺動式に挿入することにより、毛細管の遠位端部を、浸透探傷試験材料を施与することが望まれる部品のゾーン近くにもっていくことも可能になる。この方式で、照射手段および撮像手段は、毛細管の遠位端部から後退され得る。これにより、浸透探傷試験材料の噴霧が、照射手段上または撮像手段上に堆積されることが回避される。オペレータが、処理された領域を観察することを望むとき、オペレータは、毛細管の近位部分を引っ張り、その遠位端部をシースの遠位端部のより近くにもってくる。
【0012】
本発明の別の特性によれば、装置は、シースの遠位端部に位置する照射手段および撮像手段上に空気をブローするための空気ブロー手段を備える。
【0013】
空気ブロー手段は、照射手段および撮像手段が、ダクト内に連続して挿入される専用の毛細管を介して注入されるさまざまな浸透探傷試験材料によって汚染されることを防止する。
【0014】
空気ブロー手段の特定の実施形態では、照射手段および撮像手段の近傍までその遠位端部が通じるブローチューブに接続された、加圧空気を供給するための手段を備える。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、加圧空気を供給するための手段は、毛細管を通過させるためのダクトの近位端部に接続されて、ダクトに、その遠位端部を介して離れる空気の連続ストリームを供給する。
【0016】
作動時には、ダクトの内側表面と毛細管の間に連続的にブローする空気のストリームは、アセトン、浸透染色剤、乳化剤、もしくは現像剤などの浸透探傷試験材料、または実際には洗浄水の液滴がダクトの内側に堆積されることを防止する。
【0017】
本発明の別の特性によれば、可撓性シースの近位端部は、エンジンに締め付けるためのハンドルに接続され、毛細管を収容するダクトは、ハンドルの内側に延ばされ、ハンドルによって担持され毛細管をダクトの内側に挿入するように働く剛性チューブに接続される。
【0018】
本発明の別の特性によれば、装置は、毛細管がダクトの内側を摺動することを防止するための、剛性チューブの自由端部に接して係合され保持されるように設計された末端部によって構成されたホルダ手段を備え、末端部は、毛細管上にこれをはさむことによってクランプ留めするための手段を有する。
【0019】
本発明の特定の実施形態では、末端部は、チューブの内側まで通じる通路であって、加圧空気を供給するための手段に接続するための入口を形成する通路を含む。
【0020】
この構成では、クランプ留め手段を有する末端部もまた、加圧空気を供給するための手段と接続するように働く。
【0021】
本発明の別の特性によれば、配向調整手段は、試験ヘッドの角度配向を制御するための制御部材であって、内視鏡のハンドル上に回転可能に装着され、試験ヘッドに配向制御を伝送するための伝送手段に接続された制御部材を備え、これらの伝送部材は、シース内に収容される。
【0022】
制御部材を一方または他方の方向に向けると、試験ヘッドをシースの残りの部分に対して傾斜させるように働く。
【0023】
本発明の特定の実施形態では、試験ヘッドの配向を調整するための手段は、シースの内側で誘導される少なくとも2本のケーブルであって、その遠位端部が試験ヘッドに2つの対向する点で締め付けられ、その近位部分が、ハンドル上に位置する回転式制御部材上両方向に張力を掛けて巻き付けられる、ケーブルを備える。
【0024】
本発明の別の特定の実施形態では、配向制御を伝送するための手段は、シースの内側を延びる少なくとも1本のロッドであって、その遠位端部が、リングの回転移動をロッドの並進移動に変換するための機構に接続されるロッドを備え、ロッドは、その遠位端部によって、シースに対して垂直である軸を中心に枢動可能にシースの遠位端部にヒンジ接続されたフィンガに接続される。
【0025】
有利には、遠位フィンガは、毛細管を通過させるための軸方向チャネルを含み、シースの軸と位置合わせ状態である位置と、シースの軸に対して垂直に配向される位置との間で枢動するようにヒンジ接続される。
【0026】
ヒンジフィンガの枢動は、毛細管の遠位端部の枢動を誘発し、それによって検査用の部品上に浸透探傷試験材料を噴霧するために、毛細管の遠位端部を三次元で角度を付けて配向することを可能にする。
【0027】
本発明の好ましい構成では、管状シースは可撓性であり、毛細管は可撓性であり、それによって複雑な三次元構造の内側で見出され狭く非直線的な通路を介してでしかアクセスできない部品の非破壊検査を実施することが可能になり、この場合、剛性構造の内視鏡の使用は可能ではない。
【0028】
本発明の別の特性によれば、シースの遠位端部には、その遠位端部において噴霧末端部が装着される。
【0029】
好ましくは、毛細管の遠位端部にある噴霧末端部は取り外し可能であり、半径方向、前方、または後方に噴霧するために噴霧末端部の組から選択され得る。
【0030】
本発明の実際の実施形態では、シースは、6ミリメートル(mm)から10mmの範囲にある直径を有する円形断面のものであり、毛細管を通過させるためのダクトは、約1.2mmの直径を有し、毛細管は、約0.8mmの直径を有する。
【0031】
本発明の別の特性によれば、装置は、エンジンの一部分に締め付けるための締め付け手段を有し、この手段は、ハンドルに接続されたヒンジアームを備える。
【0032】
本発明はまた、上記で説明された装置を用いて、三次元構造の内側の隠された部品を非破壊的に検査する方法であって、
・試験ヘッドを三次元構造の内側に挿入し、検査用の部品を試験するための位置まで誘導することと、
・試験ヘッドを検査用の部品に面するように置いて、毛細管の近位端部に第1の浸透探傷試験材料を供給し、この材料を毛細管の遠位端部を介して検査用の部品に施与することと、
・毛細管をそれが中に収容されるダクトから摺動式に引き出すことと、
・第2の毛細管をダクト内に摺動式に挿入し、その遠位端部を検査用の部品の近傍になるようにもっていき、次いで、第2の毛細管の近位端部に第2の浸透探傷試験材料を供給し、第2の材料を検査用の部品に施与することとである、方法も提供する。
【0033】
本発明の他の利点および特性は、非限定的な例として、添付の図を参照することによってなされる以下の説明を読み取ることによって明確になる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
最初に、欠陥を探索するための従来技術の装置10を示す
図1を参照すると、この装置は、たとえばロータブレードなどの試験される対象の部品18が中に存在するタービンエンジンのケーシング16の壁内に作製された内視鏡オリフィス14内に、一方の端部を介して挿入するための剛性の管状円筒状スティック12を備える。
【0036】
円筒状スティック12は、この部品を照射し観察するための、光を誘導するための手段および画像を伝送するための手段を受け入れるダクトを有する。円筒状スティック12はまた、アセトン、浸透染色剤、乳化剤または水などの浸透探傷試験材料を噴霧するためのダクトも有する。オリフィス14内に挿入する端部とは反対側のスティック12の端部20は、回路22を介して、これに浸透探傷試験材料を供給するための手段24および照射および制御手段に接続される。
【0037】
このタイプの装置は、さまざまな浸透探傷試験材料を通過させるための複数の独立したダクトを使用することを必要とし、それによって内視鏡の直径を増大させ、その使用を十分な大きさのある内視鏡オリフィスまたは通路に限定する。
【0038】
本発明の装置26は、剛性の円筒状スティックを、配向可能な試験ヘッド62を含む可撓性シース28に置き換え、ダクト30をシース28内に組み込むことによってこの困難性に対する解決策を提供し、このダクトは、ダクト30の内側に摺動式に係合された毛細管32を収容する(
図2および
図3)。
図3はまた、光誘導手段ならびに撮像および画像伝送手段を通過させるために使用される第2のダクト34も示している。これらの手段は、以下でより詳細に説明される。
【0039】
装置は、可撓性シース28の近位端部に接続された第1の端部を有するほぼ円筒状の形状の内視鏡ハンドル36を有する。ハンドル36の第2の端部は、湾曲した剛性チューブ38を担持し、このチューブは、ハンドル36の内側まで通じ、毛細管32を収容するダクト30と連通する。
【0040】
装置26は、毛細管32をダクト30の内側に固定式に保持するための手段を有する。特定の実施形態(
図4および
図5)では、これらの手段は、剛性チューブ38の自由端部上に係合されクランプ留めされた円筒状または円錐台のスカート42を有する末端部40を備える。末端部40は、毛細管32が剛性チューブ38の内側に挿入され、最終的には可撓性シース28(
図3および
図4)の内側に延びるダクト30内側に挿入されることを可能にする中央オリフィス44を有する。
【0041】
末端部40は、毛細管32が末端部40に対して移動することを防止するような方式で毛細管32をクランプ留めするための手段を含む。例として、これらの手段は、オリフィス44の直径を、毛細管32の外径よりわずかに小さくなるように寸法設定することによってなされる。したがって、毛細管は、チューブ38の内側を摺動するように手動で移動させることができ、オペレータが毛細管32を放すたびに、毛細管は所定位置に保持される。そのようなクランプ留めを可能にするために、末端部40は、適切なプラスチックまたはたとえばゴムなどのエラストマー材料から作製される。
【0042】
本発明の装置はまた、シースの遠位端部から空気をブローするための空気ブロー手段も有する。この目的のために、末端部40は、その前面内に形成され剛性チューブ38の内側まで通じる第2のオリフィス46を含む。このオリフィス46は、加圧空気を供給し、チューブ38およびダクト30に、ダクト30の遠位端部を介して離れる空気の連続ストリーム50を供給することを可能にするための手段48に接続される。空気の出口ストリームは、こうしてダクト30の内側が、さまざまな浸透探傷試験材料の液滴で汚染されることを防止し(
図5)、シースの遠位端部に形成された照射手段および撮像手段の近傍における浸透探傷試験材料の噴霧を抑制する。
【0043】
空気ストリームの圧力が少なくとも0.3バールであるとき、部品を、たとえば異なる浸透探傷試験材料の2つの連続する施与の間で、空気供給手段によって乾燥させることが可能である。
【0044】
毛細管32の近位端部は、所与の浸透探傷試験材料の供給源に接続される。装置はこのとき、複数の毛細管32と共に使用されてよく、毛細管の各々は、所与の浸透探傷試験材料の供給源に結合される。各々の毛細管は、その遠位端部に、浸透探傷試験材料を特定の方向に噴霧することを可能にする噴霧末端部を有する。末端部は、有利には取り外し可能であり、半径方向52、前方54、または後方56である噴霧を実施するのに適した他のタイプの末端部に自由に置き換えられてよい(
図6)。
【0045】
装置は、
図8aに示されるように撮像手段および画像伝送手段を含む。撮像手段は、アナログデジタル変換器に接続された出力部を有する電荷結合素子(CCD)カメラなどのカメラ66上に画像を伝送する画像形成レンズ64を備える。デジタル化された画像は、次いで、ケーブル68によってコンピュータプロセッサシステムのモニタなどの外部のディスプレイ手段に転送される。
【0046】
本発明の装置の特定の構成では、カメラ66は、8マイクロメートル(μm)から12μmの範囲にある一辺を各々が有する500、000ピクセルを有する。
【0047】
装置はまた、シースの内側に設けられた第2の画像伝送手段も有し、この画像伝送手段は、ハンドルの近位端部によって担持されたアイピース58にレンズによって形成された画像を伝送する光学構成要素(図示されず)の組を備える。
【0048】
装置はまた、シースの近位端部まで延びる光誘導手段および照射手段も有する。例として、これらの手段は、シースの遠位端部から、可視光または紫外線光源に結合するための接続器60まで延びる光ファイバケーブル70を備えることができる。
【0049】
浸透探傷試験材料を部品に向かって適正な方向に噴霧するために、また処理されたゾーンを適切に観察するために、装置は、試験ヘッド62の配向を調整するための手段を含む(
図8aおよび
図8b)。
【0050】
例として、これらの調整手段は、シースの内側で誘導される2本のケーブルであって、それらの遠位端部が2つの対向する点72および74で試験ヘッド62に締め付けられる、ケーブルを備える。ケーブルの近位部分は、ハンドルの回転式制御部材76上両方向に張力を掛けて巻き付けられる(
図2)。したがって、制御部材76を所与の方向に向けることにより、試験ヘッド62は、2つの締結具点72および74ならびに試験ヘッドの中央軸76も含む平面内で傾斜され得る。
【0051】
2本の追加のケーブルを加えることが可能であり、これらのケーブルは、その遠端部が、第1の2本のケーブルの2つの締付具点72および74に対して90°である、2つの対向する点78および80で試験ヘッド62に締め付けられる。これらの2本の追加のケーブルの近位部分も同様に、ハンドルの回転式部材上に巻き付けられなければならない。そのような配置構成では、試験ヘッド62を2つの直交する平面、すなわち一方が点72および74を含み、他方が点78および80を含む平面内で傾斜させることが可能になり、それによってシースの遠位端部を4つの異なる方向に配向することが可能になる。
【0052】
試験ヘッド62を傾斜させることを可能にするために、シースは非接触金属アニュラス82、84、86を備えることができる(
図9)。アニュラス84は、180°で角度を付けて離間して置かれた2本のブレード88によって下流側リング82に接続され、これらのブレードは、下流側アニュラス82の外側周囲上に枢動可能にヒンジ接続され、互いから180°でアニュラス84上に締め付けられる。アニュラス84は、これも同様に180°で角度を付けて離間して置かれた2本のブレード90によって上流側アニュラス86に締め付けられ、これらのブレードは、一方の端部がアニュラス84の外側周囲に枢動可能にヒンジ接続される。2本のブレード90の第2の端部は、互いに対して180°で上流側アニュラス86上に締め付けられる。アニュラス84を下流側アニュラス82に結合させるブレード88、およびアニュラス84を上流側アニュラス86に結合させるブレード90は、互いから90°で離間されて置かれる(
図9)。
【0053】
各々のアニュラスは、90°で離間されて置かれた4つのブリッジ(図示されず)を有し、これらのブリッジは、2つ1組で試験ヘッド62の遠位端部に締め付けられたケーブルを摺動式に誘導するためのものである。
【0054】
本発明の変形の実施形態では、試験ヘッドの配向を制御するためのケーブルは、ハンドル内に収容され得るモータ駆動式回転式部材上に張力を掛けて巻き付けられる。
【0055】
図10は、内視鏡のハンドルを保持するためのアーム92を示している。この保持アーム92は2本のロッド94および96を有し、これらのロッドは、それらの端部の第1の端部において98で互いに相対的に枢動可能にヒンジ接続される。それぞれのクランプ100、102が、ロッド94、96の各々の他方の端部に枢動可能にヒンジ接続される。第1のクランプ100は、内視鏡36のハンドル上にクランプ留めするためのものであり、他方のクランプ102は、内視鏡を静止位置で使用することを可能にするようにタービンエンジンの一部分上に締め付けるためのものである。
【0056】
本発明の変形の実施形態(図示されず)では、加圧空気を供給するための手段が、結合器に接続され、この結合器は、剛性チューブによってハンドル内側に形成された共通空洞内へと通じており、ダクトの近位端部はこの空洞の内側まで通じており、その結果、剛性チューブの自由端部から挿入された毛細管が通り抜けることを可能にし、加圧空気のストリームがシースの遠位端部まで流れることを可能にする。この構成では、末端部は、毛細管が中に挿入される単一の中央オリフィスを有する。
【0057】
本発明の実際の実施形態では、シース28は、6mmから10mmの範囲にある直径を有する円形断面のものであり、毛細管32を通過させるためのダクト30は、約1.2mmの直径を有し、毛細管32は約0.8mmの直径を有する。可撓性シースは、約1.5メートル(m)の長さを有することができる。
【0058】
本発明の別の実施形態では、シースは剛性であってよく、毛細管は可撓性または実際には剛性であってもよい。そうではあるが、従来技術のようなスティックの形状の剛性シースは、曲がっている、または直線的でない通路を介してしかアクセスできないタービンエンジン内側のゾーン内で動作することを可能にしない。
【0059】
したがって、可撓性毛細管を有する可撓性シースを用いることにより、エンジンをメンテナンス工場に入れる必要なく、アクセスが難しいゾーンの非破壊試験を実施することが可能になり、それによってメンテナンスに必要とされる時間およびエンジンを作動させるコストを低減する。
【0060】
以下では、本発明の他の実施形態を示す
図11から
図19を参照する。
【0061】
内視鏡104は、近位部分106および遠位部分124を有するハンドル105と、剛性の遠位検査チューブ108を形成するシースとを有する。
図11では、チューブ108は、検査チューブ110内に係合される。ハンドル106は、焦点リング112と、内視鏡カメラに接続されるのに適した近位のアイカップ116内に収容されたアイピース114とを有する。内視鏡104は、照射光を伝送するための経路を有し、この経路は、ハンドル106に固定された照射ケーブル118内を延びる照射ファイバ(図示されず)の束を備える。チューブ108の遠位部分は、内視鏡104の画像光学経路の遠位端部にある窓120と、照射ファイバの束の事前研磨された遠位端部をその裏側に貼り付けることが可能である窓122とを含む。
【0062】
内視鏡は、遠位の横方向開口部128を有するチューブ126を有し、この開口部の下方には、内視鏡104の観察窓または窓120と、照射窓122とが配置される(
図11)。チューブ110の遠位端部は、内部チャネル132を有するヒンジフィンガ130に固定され、この内部チャネルは、一方の端部がオリフィス134まで通じ、反対側の端部がチューブ110内に収容された作用チャネルまたはダクト136内に通じる。ハンドル124内では、作用チャネル136は、作用チャネル124の近位端部まで通じるソケット138内に通じる。作用チャネル124は、可撓性毛細管チューブ32を摺動式に挿入することを可能にするように設計され(
図15)、このチューブは、ソケット138を介して入り、オリフィス134を介して離れることができる。そのような毛細管チューブは、浸透探傷試験材料を検査される対象の部品上に噴霧するためのものである。ハンドル124はまた、ヒンジフィンガ130の角度を手動で調整することを可能にする制御リング140も有する。ハンドル124はまた、圧縮空気の供給源に接続可能であり、開口部128内に通じる空気ブローチューブ144と連通する、窓120および照射窓122に対して平行なソケット142を有することもできる。
【0063】
図13、
図15、および
図16では、ハンドル105の遠位部分124は、内視鏡104のハンドル105の近位部分106の円筒状の遠位端部148を受け入れるための円筒状の近位ハウジング146を含む。ハウジング146は、内視鏡104のチューブ108を受け入れるための内部円筒状チューブ152の近位端部を構成する軸方向オリフィスが設けられた遠位パーティション150を有する。ハンドル105をハウジング146内に組み付けて締め付けるための手段は、内視鏡のチューブ108の遠位端部を内視鏡104の遠位開口部128の下方に適正に配置することを可能にする、割り出しおよび係止装置(図示されず)を含むことができる。
【0064】
ハンドル105の遠位部分124は、円筒状ハウジング146を形成する近位部分と、長手方向スロット156を有する管状遠位部分155とを有する近位円筒状部154を有する。
【0065】
内視鏡は、遠位ヒンジフィンガ130の角度を制御するためのリング140を有する。円筒状リング158は、制御リング140の内側に固定式に装着され、周囲内に形成されたらせんスロット160を有する。管状結合体162が、内部チューブ152の周りに摺動式に装着され、その外側周囲内に半径方向フィンガ164を有する。シャトル162は、2本の長手方向の操作ロッド166、168に固定され、これらのロッドは、チューブ126の内側を延び、遠位ヒンジフィンガ130の角度を制御するように働く。
【0066】
制御リング140および円筒状リング158は、近位円筒状部154の管状遠位部分155の周りに装着される。管状シャトル162は、近位円筒状部154の管状遠位部分155の内側に装着され、半径方向フィンガ164は、近位円筒上部154の管状遠位部分155の長手方向スロット156を通り抜け、その半径方向の外側端部は、円筒状リング158のらせんスロット160内に受け入れられる。
【0067】
ハンドル105の遠位部分124はまた、中央部170および遠位部172も有し、この遠位部は、近位円筒状部154と共に、ハンドル105の遠位部分124および近位円筒状部154の管状遠位部分155の周りの円筒状リング158の並進移動を遮る働きをし、一方でソケット138および142が通過し、締め付けられることを可能にする2つの横方向オリフィスを形成する。部分154、170、および172は、たとえば2つのねじ174a、174bを用いて固定されることが可能であり、これらのねじは、この目的で部分172内に設けられたオリフィス内に係合され、部分154内にねじ込まれる。
【0068】
作動時には、制御リング140を近位円筒状部154の管状遠位部分155を中心に回転させることにより、半径方向フィンガ130を長手方向スロット156内で並進移動させ、それによって管状シャトル162を軸方向に移動させる。
【0069】
チューブ124の遠位部分は、遠位部176であって、
・内部チューブ152の遠位端部を受け入れるために設けられた内部オリフィス180を有する近位の管状円筒状部分178と、
・横方向開口部128および遠位パーティション184を有する中間管状ハウジング182であって、内部チューブ152内に挿入された内視鏡104のチューブ108の遠位端部を受け入れるように設計された、中間管状ハウジング182と、
・横断方向オリフィス188を各々が有する2本の遠位の長手方向ラグ186と、
・ブローチューブ144を受け入れる近位端部と、ハウジング182まで通じる遠位端部とを有する長手方向チャネルと、
・作用チャネル136を受け入れる近位端部を有し、2つのラグ186間まで通じる遠位部分を有する長手方向チャネルと、
・2つの遠位ラグ186間まで通じ、操作ロッド166および168を摺動式に受け入れる2本の長手方向チャネルとを備える、遠位部176を有する。
【0070】
内部部分176の遠位部分は、内部プーリ190に結合され、この内部プーリは、チューブ126の軸に対して垂直な軸方向オリフィス192と、ソケット138を介して作用チャネル136内に挿入された毛細管チューブ32を誘導するために設けられた管状溝194とを有する。ヒンジフィンガ130は、その近位端部に2つのラグ196を有し、各々のラグは、遠位の横断方向オリフィス198と、近位の横断方向オリフィス200とを有する。
【0071】
部分176、プーリ190、およびヒンジフィンガ130は、部分176の遠位ラグ186の一方内のオリフィス188、フィンガ130の近位ラグ196の一方内のオリフィス198、プーリ190内のオリフィス192、他方の近位ラグ196内のオリフィス198、最後に部分176の他方の遠位ラグ186内のオリフィス188を連続的に通り抜ける円筒状ピン202によって一緒に組み付けられる。
【0072】
ヒンジフィンガ130は、それぞれの横断方向の円筒状ピン204によって、操作ロッド166および168にロッドごとに別々に組み付けられ、この円筒状ピンは、フィンガ130の2つのラグ196の一方の近位オリフィス200内に、次いで、対応する操作ロッド166、168の遠位端部に設けられたオリフィス206内に挿入される。
【0073】
作動時には、フィンガ130は、したがって、チューブ126の軸と位置合わせ状態にある軸方向位置(
図13)と、チューブ126の軸に対して垂直に配向される位置(
図14)との間で角度を付けて傾斜され、配置され得る。
【0074】
毛細管チューブ32は、ヒンジフィンガ130がその軸方向位置にある間、作用チャネル136内に、次いでチャネル132内に挿入され得る。検査用の部品上に毛細管32からの遠位出口を配置することは、フィンガ130をチューブ126の軸に対して垂直である方向に向けて配向するように制御リング140を向けることによって実施され、このときフィンガ130を超えて突出する毛細管チューブ32の遠位部分の長さは、内視鏡104による目視監視下で調整される。
【0075】
図18および
図19は、紫外線(UV)光による照射下での浸透探傷試験に適合され、タービンエンジンの内部ゾーンにアクセスするように適合された可撓性のビデオ内視鏡プローブを示している。
【0076】
ビデオ内視鏡プローブは、可撓性検査チューブ208に固定された遠位端部と、プローブを光発生器などの作動装置に接続することを可能にするアンビリカルケーブル(図示されず)に一般に固定された近位端部とを有する制御ハンドルを有する。
【0077】
浸透探傷試験のために、プローブの制御ハンドルは、遠位スリーブ212に固定される遠位端部を有する特有の部分210に締め付けられる。部分210は軸方向の近位ハウジングを有する管状部分であり、このハウジング内には、制御ハンドルが締め付けられる。部分210は、内部タッピング214を有する外側端部を有する斜交する横方向の管状入口216を有する。
【0078】
スリーブ212は、可撓性材料から作製されてよく、これは検査チューブ208の近位端部を取り囲む。検査チューブ208は、可撓性の遠位の曲がり部218と、
図8aおよび
図8bを参照して説明されたものに類似する照射手段および撮像手段を有する光電子工学装置を収容する遠位の試験ヘッド220とを含む。ナットリング222が、部分210をスリーブ212で漏れないような方式で固定するために、部分210の遠位の軸方向端部にある外側ねじ山224上に締め付けられる。
【0079】
部分210は、次の接続部を収容する軸方向管状チャネル226を有する:
・照射ファイバの束228、
・4本の可撓性シース230、および
・多芯導体電気ケーブル232。
【0080】
照射ファイバの束228は、遠位ヘッド220の遠位面上に位置する軸方向の照射窓234を、途切れを有することなく、ビデオ内視鏡プローブのアンビリカルケーブルの近位端部に接続する。アンビリカルケーブルの近位端部は、同様に良好な白色光またはUV光を送り出すのに適した照射発生器に接続され得る。
【0081】
4本のシース230は、4本の可撓性制御ケーブルを誘導するように設計され、これらのケーブルの遠位端部は、遠位の曲がり部218に固定され、その近位端部は、制御ハンドル内に収容され得る手動またはモータ駆動の制御部材によって作動される。制御ケーブルおよび制御部材は、
図8bおよび
図9を参照して説明されたものに類似することができる。
【0082】
多芯導体電気ケーブル232は、遠位ヘッド220内に収容された画像センサを、制御ハンドル内に収容され得るビデオプロセッサに接続する。ビデオプロセッサの主な機能は、遠位の画像センサを同期化し、センサによって送り出された電気信号を標準化されたビデオ信号に変換するものである。画像センサは、ヘッド220の遠位面内に同様に位置する観察窓を形成するレンズ235に結合される。
【0083】
部品210の斜交する管状入口216は、作用チャネルまたはダクトの近位部分236を受け入れるように設計され、その近位部分は、たとえば接着剤によって斜交する管状入口216内に締め付けられる。近位部分236は、たとえば金属などの剛性材料から作製され得る。作用チャネルの近位部分236の遠位端部は、(図示されないメンテナンス目的の解放可能な装置によって)、検査チューブ208内に受け入れられたときの作用チャネルの可撓性の近位部分238の近位端部に固定される。作用チャネルの近位部分の遠位端部238は、遠位ヘッドまたは試験ヘッド220の遠位面内に形成されたオリフィス241まで通じる(
図5A)。
【0084】
中間管状部240の遠位端部は、遠位の外側ねじ山を用いて部品210の斜交する管状入口216にねじ込まれる(または接着式に接合される)。
【0085】
横方向の入口242および近位の軸方向の入口を含む結合部246は、中間部240の周囲上にねじ込まれ、結合部の環状リムに対して軸方向に保持されたリング244を用いて、部分240に漏れないような方式で結合され得る。シール用Oリングが、結合部分242と中間の管状部分240の間の境界面にクランプ留めされる。結合部分246の近位の軸方向入口は、この中に挿入されるのに適した可撓性毛細管32の直径よりわずかに大きい直径を有する。部分246の近位の軸方向入口には、可撓性材料から作製され軸方向オリフィスを有する取り外し可能なシール用キャップ248が装着され、この軸方向オリフィス内に、オペレータは毛細管チューブ32を挿入することができ、この毛細管は、その遠位部分が、遠位ヘッド220の遠位面内のオリフィス241から出現するまで作用チャネル236、238内を摺動することができる。部分246の横方向入口242は、加圧空気を供給するための手段に接続される。そのような状態下で、入口242を介して注入された空気は、毛細管チューブ32の外側表面と作用チャネル236、238の内側表面の間の環状空間内を、遠位ヘッド220内のオリフィス241を介して出るまで流れる。このようにして、入口242を介してこのように注入された空気は、毛細管チューブ32の遠隔出口によって噴霧された浸透探傷試験材料が、ヘッド220の遠位面上の観察窓235および照射窓234上に堆積されることを防止することができ、それによってこれらの窓を洗浄するように働く。作用チャネル内に注入された空気はまた、作用チャネルが、浸透探傷試験材料の液滴によって汚染されることも回避する。
【0086】
結合装置246を接続解除する能力は、これが作用チャネル236、238を定期的に洗浄することをより容易にする限り、そのままメンテナンスの面で重要な利点を構成する。
【0087】
別の実施形態では、ビデオ内視鏡プローブの照射装置は、一方が白色光を発し、他方がUV光を発する少なくとも2つの発光ダイオード(LED)を備えることができ、これらの2つのLEDは、プローブの遠位端部内に設置される。
【0088】
照射ファイバの束を含む実施形態では、照射ファイバの束は、UV光および白色光を伝送するのに適した液体光ガイドに置き換えられてよく、または取り外し可能になり得るそのような液体光ガイドに結合されてもよい。
【0089】
本発明は、多種多様な実施形態および用途に受け入れられ得ることが当業者によって明確に認められ得る。特に、上記で説明されたビデオ内視鏡プローブは、作用チャネルとは別個である空気ブローチューブを含むことができ、この空気ブローチューブは、空気を照射窓および観察窓上に送り出すようにプローブの遠位ヘッド220まで通じている。
【0090】
本発明の内視鏡は、可撓性または剛性である検査チューブと共に使用され得る。遠位の曲がり部が装着された可撓性検査チューブを有する内視鏡またはビデオ内視鏡では、観察窓および照射窓は横方向または軸方向になり得る。これらの窓が軸方向である場合、チューブ126は、これらの窓を曲がり部によって横方向に配向することを可能にする開口部を有する。窓が横方向である場合、曲がり部は省略されてよい。
【0091】
上記で説明されたような本発明のさまざまな実施形態では、照射ファイバは、可視光およびUV光の両方を伝送するのに適した材料から作製され、たとえばこれらは、白色光およびUV光の両方を伝送するのに適した石英またはポリマーから作製される。
【0092】
空気を照射手段および撮像手段の上方にブローすることにより、特に検査用の部分上への浸透探傷試験材料の噴霧中または噴霧後、いかなるときでも検査チューブを内視鏡検査オリフィスから取り外す必要はなく、チューブは、UV光による照射下で部品を視覚的に検査することが終了するまで所定位置に留まることができ、それによって内視鏡検査作業に必要とされる時間が低減される。
【0093】
浸透探傷試験材料を注入する間に空気を作用チャネル236、238に注入することは、毛細管チューブが作用チャネルの遠位端部から奥まっているということと相まって、作用チャネル内および試験ヘッド上の両方の汚染量を大きく低減することに寄与する。
【0094】
浸透探傷試験材料の混合を回避することが好ましくなり得る。そのような状況下では、異なる毛細管チューブ32が、各々の浸透探傷試験材料を注入するために使用され得る。したがって使用される毛細管チューブは、単回使用のチューブになり得る。