特許第6118839号(P6118839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6118839
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】圧電素子およびこれを備える電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/00 20060101AFI20170410BHJP
   H01L 41/09 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   H04R17/00
   H01L41/09
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-96211(P2015-96211)
(22)【出願日】2015年5月11日
(65)【公開番号】特開2016-46802(P2016-46802A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2015年5月11日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0107856
(32)【優先日】2014年8月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509275998
【氏名又は名称】モダ−イノチップス シーオー エルティディー
(74)【代理人】
【識別番号】100085372
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100129229
【弁理士】
【氏名又は名称】村澤 彰
(72)【発明者】
【氏名】パク,インギル
(72)【発明者】
【氏名】ノ,テヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソンチョル
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンソル
(72)【発明者】
【氏名】ユン,キョンソプ
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヒソプ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,インソプ
【審査官】 冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−184996(JP,U)
【文献】 特開2012−015755(JP,A)
【文献】 実開昭57−103496(JP,U)
【文献】 特開2003−264447(JP,A)
【文献】 特開2013−243604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 17/00
H01L 41/00−41/47
B06B 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の圧電板と、
前記第1の圧電板の少なくとも一つの領域と接触する少なくとも1枚の第2の圧電板と、
を備え、
前記第1および第2の圧電板は、互いに異なる共振周波数を有し、
前記第1の圧電板の所定の領域に設けられるダミー板をさらに備え、前記第2の圧電板が前記ダミー板と連結される圧電素子。
【請求項2】
前記第1および第2の圧電板は、互いに異なる形状を呈する請求項1に記載の圧電素子。
【請求項3】
前記第1の圧電板は、中央領域が中空の枠状に設けられる請求項2に記載の圧電素子。
【請求項4】
前記第2の圧電板は、前記第1の圧電板の少なくとも一つの領域と接触して前記第1の圧電板の内側領域に設けられる請求項3に記載の圧電素子。
【請求項5】
前記第2の圧電板は、所定の領域に突出部が形成され、前記突出部が前記第1の圧電板の少なくとも一つの領域と接触する請求項4に記載の圧電素子。
【請求項6】
前記第1および第2の圧電板の少なくとも一つの領域に設けられるロードをさらに備える請求項4に記載の圧電素子。
【請求項7】
前記第1の圧電板と前記第2の圧電板との間に設けられる振動板をさらに備える請求項4または請求項に記載の圧電素子。
【請求項8】
第1の圧電板と、前記第1の圧電板の少なくとも一つの領域と接触する少なくとも1枚の第2の圧電板と、を備え、前記第1および第2の圧電板は、互いに異なる共振周波数を有する圧電素子を備え、
前記第1の圧電板の所定の領域に設けられるダミー板をさらに備え、前記第2の圧電板が前記ダミー板と連結され、
前記第1および第2の圧電板に印加される信号に基づいて、圧電音響素子および圧電振動素子の少なくともいずれか一方として働く電子機器。
【請求項9】
前記電子機器は、移動端末本体から隔てられて移動端末の補助機能を行い、且つ、身体に取り付け可能である請求項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記第1および第2の圧電板は、互いに異なる形状を呈する請求項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記第1の圧電板は、所定の枠状に設けられ、前記第2の圧電板は、前記第1の圧電板の少なくとも一つの領域から前記第1の圧電板の内側領域に形成される請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記第1および第2の圧電板の少なくとも一つの領域に設けられるロードをさらに備える請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】
前記第1および第2の圧電板の間に設けられる振動板をさらに備える請求項12または請求項12に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子に係り、特に、圧電音響素子と圧電振動素子として利用することのできる圧電素子およびこれを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
過去の携帯電話端末は、音声、メッセージの送受信などの無線通話機能そのものが主たる目的であったが、最近は、スマートフォン(smart phone)の発達とあいまって、無線通話機能は単なる機能の一部に過ぎず、インターネット、アプリケーション、テレビ(TV)、ナビゲーション、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS:Social Networking Service)などの多種多様な機能を行うことを主たる目的としている。
【0003】
この理由から、スマートフォンの多種多様な機能を便利に使用するためにスマートフォンのディスプレイ部が拡大され、大型化が進み、インターネット速度、音声、動作、瞳の認識などの高速で発展する技術力でユーザーがより便利にスマートフォン端末を使用できるようにし、市場では企業間の激しい競争をして多種多様な機能を追加したスマートフォン端末がいち早く上市されている。
【0004】
しかしながら、スマートフォンの多種多様な機能を実現するためにディスプレイ部が拡大され、これにより、スマートフォン端末の大型化が進むことに伴い、散歩、運動などをするために軽い装いに衣替えする場合に携帯し難く、盗難および紛失の問題が発生する。また、スマートフォン端末をカバンなどに入れて所持する場合には、受信や発信通話をしたりメッセージ機能を使用したりするためにスマートフォン端末を取り出して使用せねばならないという不便さがあり、カバンに入れて所持するスマートフォン端末の振動やベル音を聞き逃して電話およびメッセージを受信することができないという問題がある。
【0005】
このような問題を解決するために、身体に取り付け可能にする技術、すなわち、ウェアラブル(wearable)技術が開発されている。このような従来の技術の例としては、「帯型携帯端末」(例えば、下記の特許文献1参照)、「ブレスレットに変形可能な携帯端末」(例えば、下記の特許文献2参照)、「身体取り付け型補助モバイル機器アセンブリ」(例えば、下記の特許文献3参照)が提示されている。これらの従来の技術は、ウェアラブル機器、すなわち、補助モバイル機器を腕時計、ネックレスなどの形で携帯することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10−2009−0046306号
【特許文献2】大韓民国公開特許第10−2012−0083804号
【特許文献3】大韓民国公開特許第10−2013−0054309号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、圧電音響素子および圧電振動素子の少なくともいずれか一方として利用することのできる圧電素子を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、印加される信号に基づいて、圧電音響素子および圧電振動素子の少なくともいずれか一方として働くことから、電子機器に取り付けられて音響および振動を両方とも発生することのできる圧電素子を提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、圧電音響素子および圧電振動素子の少なくともいずれか一方として利用可能な圧電素子を取り付けて圧電素子が占める面積を減らすことのできる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様による圧電素子は、第1の圧電板と、前記第1の圧電板の少なくとも一つの領域と接触する少なくとも1枚の第2の圧電板と、を備え、前記第1および第2の圧電板は、互いに異なる共振周波数を有し、前記第1の圧電板の所定の領域に設けられるダミー板をさらに備え、前記第2の圧電板が前記ダミー板と連結される
【0011】
好ましくは、前記第1および第2の圧電板は、互いに異なる形状を呈する。
【0012】
また、好ましくは、前記第1の圧電板は、中央領域が中空の枠状に設けられる。
【0013】
さらに、好ましくは、前記第2の圧電板は、前記第1の圧電板の少なくとも一つの領域と接触して前記第1の圧電板の内側領域に設けられる。
【0014】
さらに、好ましくは、前記第2の圧電板は、所定の領域に突出部が形成され、前記突出部が前記第1の圧電板の少なくとも一つの領域と接触される。
【0016】
さらに、好ましくは、前記圧電素子は、前記第1および第2の圧電板の少なくとも一つの領域に設けられるロードをさらに備える。
【0017】
さらに、好ましくは、前記圧電素子は、前記第1の圧電板と前記第2の圧電板との間に設けられる振動板をさらに備える。
【0018】
本発明の他の態様による電子機器は、第1の圧電板と、前記第1の圧電板の少なくとも一つの領域と接触する少なくとも1枚の第2の圧電板と、を備え、前記第1および第2の圧電板は、互いに異なる共振周波数を有する圧電素子を備え、前記第1の圧電板の所定の領域に設けられるダミー板をさらに備え、前記第2の圧電板が前記ダミー板と連結され、前記第1および第2の圧電板に印加される信号に基づいて、圧電音響素子および圧電振動素子の少なくともいずれか一方として働く。
【0019】
好ましくは、前記電子機器は、移動端末本体から隔てられて移動端末の補助機能を行い、且つ、身体に取り付け可能である。
【0020】
また、好ましくは、前記第1および第2の圧電板は、互いに異なる形状を呈する。
【0021】
さらに、好ましくは、前記第1の圧電板は、所定の枠状に設けられ、前記第2の圧電板は、前記第1の圧電板の少なくとも一つの領域から前記第1の圧電板の内側領域に形成される。
【0022】
さらに、好ましくは、前記電子機器は、前記第1および第2の圧電板の少なくとも一つの領域に設けられるロードをさらに備える。
【0023】
さらに、好ましくは、前記電子機器は、前記第1および第2の圧電板の間に設けられる振動板をさらに備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態による圧電素子は、互いに異なる共振周波数を有する少なくとも2枚以上の圧電板を備える。このような本発明の実施形態による圧電素子は、補助モバイル機器などの電子機器内に設けられて電子機器から供給される信号に基づいて圧電音響素子および圧電振動素子の少なくともいずれか一方として働く。このため、本発明による圧電素子を補助モバイル機器などに適用することにより、音響素子および振動素子をそれぞれ別々に適用する従来品に比べて補助モバイル機器に占める面積を減らすことができ、これにより、補助モバイル機器の小型化および軽量化を図ることができる。なお、本発明の圧電素子は、接点の構造、形状など変形したり、ロード、振動板などを適用したりして共振周波数を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態による圧電素子の斜視図である。
図2】本発明の他の実施形態による圧電素子の斜視図である。
図3】本発明の他の実施形態による圧電素子の斜視図である。
図4】本発明の他の実施形態による圧電素子の斜視図である。
図5】本発明の様々な変形例による圧電素子の平面図である。
図6】本発明の様々な変形例による圧電素子の平面図である。
図7】本発明の様々な変形例による圧電素子の平面図である。
図8】本発明の様々な変形例による圧電素子の平面図である。
図9】通常の圧電素子の音圧特性を示すグラフである。
図10】本発明による圧電素子の音圧特性を示すグラフである。
図11】本発明による圧電素子の振動特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態を詳述する。しかしながら、本発明は、後述する実施形態に何ら限定されるものではなく、互いに異なる種々の形態で実現される。単に、これらの実施形態は、本発明の開示を完全たるものにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による圧電素子の斜視図である。
【0028】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による圧電素子は、第1の圧電板110と、第1の圧電板110の少なくとも一つの領域と接触して設けられる第2の圧電板120と、を備える。ここで、第1および第2の圧電板110、120は互いに異なる形状に設けられ、共振周波数が互いに異なる。
【0029】
第1の圧電板110は、所定の幅を有し、且つ、内部が中空である矩形枠状に設けられる。もちろん、第1の圧電板110は、矩形枠状に加えて、正方形、円形、長円形、多角形など様々な形状に設けられてもよい。このような第1の圧電板110は、基板と、基板が少なくとも一方の面に形成される少なくとも一つの圧電層と、を備える。例えば、第1の圧電板110は、基板の両面に圧電層が形成されたバイモルフタイプに形成されてもよく、基板の一方の面に圧電層が形成されたユニモルフタイプに形成されてもよい。圧電層は、少なくとも1層が積み重ねられて形成されるが、好ましくは、複数の圧電層が積み重ねられて形成される。また、圧電層の上部および下部にはそれぞれ電極が形成される。すなわち、複数の圧電層と複数の電極が交互に積み重ねられて第1の圧電板110が実現される。ここで、圧電層は、例えば、PZT(Pb、Zr、Ti)、NKN(Na、K、Nb)、BNT(Bi、Na、Ti)系の圧電物質を用いて形成する。また、圧電層は、互いに異なる方向または同じ方向に分極されて積み重ねられて形成される。すなわち、基板の一方の面の上に複数の圧電層が形成される場合、各圧電層は、互いに反対方向または同じ方向の分極が交互に形成される。一方、基板は、圧電層が積み重ねられた構造を維持しながら振動が発生可能な特性を有する物質を用いて製作するが、例えば、金属、プラスチックなどが使用可能である。ところが、第1の圧電板110は、圧電層とは異なる素材の基板を用いなくてもよい。すなわち、第1の圧電板110は、中心部に分極されていない圧電層が設けられ、その上部および下部に互いに異なる方向に分極された複数の圧電層が積み重ねられて形成される。一方、第1の圧電板110の少なくとも一つの領域には、駆動信号が印加される電極パターン(図示せず)が形成される。例えば、電極パターンは、第1の圧電板110の上部面または下部面の周縁部に設けられる。電極パターンは互いに隔てられて少なくとも2以上形成され、連結端子(図示せず)と連結されてこれを介して電子機器、例えば、補助モバイル機器に連結される。このような第1の圧電板110は、電子機器を介して印加される信号、すなわち、交流電源に応じて圧電音響素子または圧電振動素子として駆動される。
【0030】
第2の圧電板120は、第1の圧電板110とは異なる形状に製作されて第1の圧電板110の少なくとも一つの領域と接触する。このとき、第1および第2の圧電板110、120は、直接的に接触する。例えば、第2の圧電板120は、所定の幅および長さを有するバー状に設けられ、第1の圧電板110の一つの領域と接触して枠状の第1の圧電板110内の空間に設けられる。すなわち、第1の圧電板110が対向する両長辺および両短辺を有する略矩形枠状に設けられ、第2の圧電板120が第1の圧電板110の少なくとも一つの領域と接触して第1の圧電板110の内側に設けられる。ここで、第2の圧電板120の厚さは、第1の圧電板110の厚さと等しくてもよく、第1の圧電板110の厚さとは異なってもよい。また、第2の圧電板120は、第1の圧電板110と同じ工程により形成された後に所定の領域が切欠されて製作されてもよく、互いに異なる工程により形成された後に貼り合わせられて製作されてもよい。すなわち、略矩形板から第1の圧電板110と第2の圧電板120との間の領域が切欠されて圧電素子が実現され、これにより、第1および第2の圧電板110、120の厚さが等しい。このため、第1および第2の圧電板110、120は、接着剤などがこれらの間に設けられずに直接的に接触して形成される。さらに、枠状の第1の圧電板110を形成した後に、第1の圧電板110上の少なくとも一つの領域にバー状に形成された第2の圧電板120を貼り付けて第1の圧電板110内に第2の圧電板120が設けられた圧電素子を製作する。このため、第1および第2の圧電板110、120は、接着剤を間に挟んで貼り合わせられる。一方、第1の圧電板110と第2の圧電板120との間の空間の面積および第2の圧電板120の面積は、5:1〜1:5の割合を有する。第1の圧電板110と第2の圧電板120との間の空間の面積および第2の圧電板120の面積間の割合を調節することにより、圧電素子の共振周波数が調節される。このような第2の圧電板120は、基板と、基板の少なくとも一方の面に形成される圧電層と、を備える。すなわち、第2の圧電板120は、第1の圧電板110と同じ積層構造に設けられる。例えば、第2の圧電板120は、基板の両面に圧電層が形成されたバイモルフタイプに形成されてもよく、基板の一方の面に圧電層が形成されたユニモルフタイプに形成されてもよい。圧電層は、少なくとも1層が積み重ねられて形成されるが、好ましくは、複数の圧電層が積み重ねられて形成される。また、圧電層の上部および下部にはそれぞれ電極が形成される。すなわち、複数の圧電層と複数の電極が積み重ねられて第2の圧電板120が実現される。さらに、圧電層は、互いに異なる方向または同じ方向に分極されて積み重ねられて形成される。すなわち、基板の一方の面の上に複数の圧電層が形成される場合、各圧電層は、互いに反対方向または同じ方向の分極が交互に形成される。一方、基板は、圧電層が積み重ねられた構造を維持しながら振動が発生可能な特性を有する物質を用いて製作するが、例えば、金属、プラスチックなどが使用可能である。ところが、第2の圧電板120は、圧電層とは異なる素材の基板を用いなくてもよい。すなわち、第2の圧電板120は、中心部に分極されていない圧電層が設けられ、その上部および下部に互いに異なる方向に分極された複数の圧電層が積み重ねられて形成される。一方、第2の圧電板120の所定の領域、例えば、第1の圧電板110と重なり合う領域の上部面には駆動信号が印加される電極パターン(図示せず)が形成される。電極パターンは、互いに隔てられて少なくとも2以上形成され、連結端子(図示せず)と連結されてこれを介して電子機器、例えば、補助モバイル機器に連結される。さらにまた、第2の圧電板120に加えて、第1の圧電板110の所定の領域にも電極パターン(図示せず)が形成され、連結端子(図示せず)と連結されてこれを介して電子機器、例えば、補助モバイル機器に連結される。このような第2の圧電板120は、電子機器を介して印加される信号、すなわち、交流電源に応じて圧電音響素子または圧電振動素子として駆動される。
【0031】
上述したように、本発明の一実施形態による圧電素子は、略枠状の第1の圧電板110と、第1の圧電板110の少なくとも一つの領域と接触して第1の圧電板110内の空間に設けられる第2の圧電板120と、を備える。すなわち、本発明の圧電素子は、少なくとも2枚以上の圧電板110、120が少なくとも一つの接点を有するように設けられる。このとき、少なくとも2枚以上の圧電板110、120は、互いに異なる形状を有し、互いに異なる共振周波数を有する。このような圧電素子は、電子機器、例えば、スマートフォンに設けられるか、あるいは、スマートフォンから隔てられてスマートフォンの補助機能を行う補助モバイル機器、すなわち、身体に取り付け可能なウェアラブル機器内に設けられ、電子機器から供給される信号に基づいて、圧電スピーカーおよび圧電アクチュエーターの少なくともいずれか一方として働く。すなわち、圧電音響素子または圧電振動素子として働くか、あるいは、圧電音響素子および圧電振動素子として同時に働く。このため、本発明の一実施形態は、互いに異なる形状および共振周波数を有する第1および第2の圧電板110、120が他の圧電板の少なくとも1つの領域と接触して設けられ、補助モバイル機器などの電子機器に適用されて音響および振動を発生させる複合素子である。
【0032】
図2乃至図4は、本発明の他の実施形態による圧電素子の分解斜視図である。
【0033】
図2を参照すると、本発明の他の実施形態による圧電素子は、略矩形枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の2つの領域と接触して第1の圧電板110内の空間に設けられる第2の圧電板120と、を備える。すなわち、第2の圧電板120は、第1の圧電板110の間の空間に設けられ、第2の圧電板120の長辺の中央部から2つの領域の突出部122が形成されて第1の圧電板110の長辺と接触する。図1の一実施形態と比較して、図1の一実施形態では、第2の圧電板120の一方の短辺が第1の圧電板110と接触するが、図2の他の実施形態では、第2の圧電板120の長辺の2つの領域が第1の圧電板110と接触する。
【0034】
図3を参照すると、本発明のさらに他の実施形態による圧電素子は、略矩形枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の一つの領域と接触して第1の圧電板110内の空間に設けられる第2aおよび第2bの圧電板120a、120bと、を備える。すなわち、第2aおよび第2bの圧電板120a、120bは、第1の圧電板110の長辺の中央部から互いに隔てられて設けられ、第2aおよび第2bの圧電板120a、120bの所定の領域、例えば、第1の圧電板110の長辺の中央部に対応する領域から2つの領域の突出部122a、122bが形成されて第1の圧電板110と接触する。図3のさらに他の実施形態は、図2の他の実施形態と比較して、第1の圧電板110と接触する領域の中央部が切欠されて第2aおよび第2bの圧電板120a、120bが形成される。
【0035】
図4を参照すると、本発明のさらに他の実施形態による圧電素子は、略円形の枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の一つの領域と接触して第1の圧電板110内の空間に設けられる第2の圧電板120と、を備える。すなわち、本発明の圧電素子は、円形に設けられる。また、第2の圧電板120は円形に設けられ、第2の圧電板120の一つの領域が延びて第1の圧電板110の所定の領域と接触する。もちろん、第1の圧電板110および第2の圧電板120が互いに異なる形状を呈してもよい。例えば、第1の圧電板110が円形に設けられ、第2の圧電板120が四角形に設けられてもよい。
【0036】
一方、本発明の圧電素子は、形状を様々に変更することができ、これにより、様々な周波数特性が得られる。このような本発明の様々な変形例による圧電素子を図5に示す。
【0037】
図5(a)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の一方の短辺と接触して第1の圧電板110の長辺方向に第1の圧電板110の空間内に設けられる第2の圧電板120と、を備える。また、第1の圧電板110の上面に少なくとも2つの電極パターン111、112が形成され、第2の圧電板120の上面に少なくとも2つの電極パターン121、122が形成される。第1の圧電板110の電極パターン111、112には互いに異なる極性の交流電源が供給され、第2の圧電板120の電極パターン121、122にも互いに異なる極性の交流電源が供給される。
【0038】
図5(b)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の対向する両長辺の所定の領域の間に設けられるダミー板115と、ダミー板115の上と接触し、第1の圧電板110の長辺方向に設けられる第2の圧電板120と、を備える。ダミー板115は、例えば、対向する両長辺の中央部の間に所定の幅をもって形成される。また、ダミー板115は、第1の圧電板110と同じ積層構造に形成されて印加される電圧に応じて振動する。しかしながら、ダミー板115は、分極されていないため振動しなくてもよい。ここで、ダミー板115は、第1の圧電板110の幅に等しい幅をもって形成されてもよく、それよりも広い幅または狭い幅をもって形成されてもよい。さらに、第2の圧電板120は、中央部がダミー板115の上と接触する。すなわち、第2の圧電板120は、中央部がダミー板115の上と接触して第1の圧電板110の長辺方向に第1の圧電板110内の領域に設けられる。加えて、第1の圧電板110の上面に少なくとも2つの電極パターン111、112が形成され、第2の圧電板120の上面に少なくとも2つの電極パターン121、122が形成されて互いに異なる極性の交流電源がそれぞれ供給される。
【0039】
図5(c)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の対向する両長辺の所定の領域、例えば、中央部の間に設けられるダミー板115と、ダミー板115から互いに反対方向に設けられる第2aおよび第2bの圧電板120a、120bと、を備える。すなわち、第2aおよび第2bの圧電板120a、120bは、ダミー板115の両側面または上面に隔てられて接触して第1の圧電板110の長辺方向にそれぞれ形成される。また、第2aの圧電板120aの上面には少なくとも2つの電極パターン121a、122aが形成され、第2bの圧電板120bの上面にも少なくとも2つの電極パターン121b、122bが形成される。それぞれの電極パターンには互いに異なる極性の交流電源がそれぞれ供給される。さらに、第1の圧電板110の上面に少なくとも2つの電極パターン111、112が形成されて互いに異なる極性の交流電源がそれぞれ供給される。
【0040】
図5(d)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の対向する両短辺から第1の圧電板110の長辺方向に沿って延設される第2aおよび第2bの圧電板120a、120bと、を備える。すなわち、第2aおよび第2bの圧電板120a、120bが第1の圧電板110の対向する両短辺の上面または側面から第1の圧電板110の長辺方向に形成され、第1の圧電板110内の中央領域から所定の間隔だけ隔てられて設けられる。ここで、第2aの圧電板120aの上面には少なくとも2つの電極パターン121a、122aが形成され、第2bの圧電板120bの上面にも少なくとも2つの電極パターン121b、122bが形成される。それぞれの電極パターンには、互いに異なる極性の交流電源がそれぞれ供給される。また、第1の圧電板110の上面に少なくとも2つの電極パターン111、112が形成されて互いに異なる極性の交流電源がそれぞれ供給される。
【0041】
また、本発明の圧電素子は、少なくとも一つの領域にロード(load)を設けて振動力を増大させ、これにより、周波数特性が様々に変更される。ロードは、その重さおよび位置、形状が様々に変形可能であり、これにより、様々な振動力が得られる。このような本発明の様々な変形例による圧電素子を図6に示す。
【0042】
図6(a)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の一方の短辺の所定の領域と接触して第1の圧電板110の長辺方向に設けられる第2の圧電板120と、を備え、第1の圧電板110と接触していない第1の圧電板120の一方の端部にロード150が設けられる。
【0043】
図6(b)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈し、対向する一方の長辺および他方の長辺の間にダミー板115が形成された第1の圧電板110と、ダミー板115の上と接触して第1の圧電板110の長辺方向に設けられる第2の圧電板120と、第2の圧電板120の対向する両端部にそれぞれ設けられるロード150a、150bと、を備える。すなわち、ロード150aは、第2の圧電板120の交流電源が供給される電極パターン121、122の上に設けられる。
【0044】
図6(c)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈し、対向する一方の長辺および他方の長辺の間にダミー板115が形成された第1の圧電板110と、ダミー板115の両側面と接触して第1の圧電板110の長辺方向に設けられる第2aおよび第2bの圧電板120a、120bと、第2aおよび第2bの圧電板120a、120bのダミー板115と接触していない対向する両端部に形成されるロード150a、150bと、を備える。また、第2aの圧電板120aの上面には少なくとも2つの電極パターン121a、122aが形成され、第2bの圧電板120bの上面にも少なくとも2つの電極パターン121b、122bが形成される。すなわち、ロード150a、150bは、第2aおよび第2bの圧電板120a、120bの交流電源が供給される電極パターン121a、122a、121b、122bの上に設けられる。さらに、第1の圧電板110の上面に少なくとも2つの電極パターン111、112が形成され、それぞれの電極パターンには互いに異なる極性の交流電源がそれぞれ供給される。
【0045】
図6(d)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の対向する両短辺から第1の圧電板110の長辺方向に形成され、第1の圧電板110内の中央領域から所定の間隔を隔てて隔設される第2aおよび第2bの圧電板120a、120bと、第2aおよび第2bの圧電板120a、120bの端部に形成されるロード150a、150bと、を備える。また、第2aの圧電板120aの上面には少なくとも2つの電極パターン121a、122aが形成され、第2bの圧電板120bの上面にも少なくとも2つの電極パターン121b、122bが形成される。すなわち、ロード150a、150bは、第2aおよび第2bの圧電板120a、120bの交流電源が供給されていない領域に設けられる。さらに、第1の圧電板110の上面に少なくとも2つの電極パターン111、112が形成され、それぞれの電極パターンには互いに異なる極性の交流電源が供給される。
【0046】
また、ロードは、第2の圧電板120だけではなく、第1の圧電板110の所定の領域にも形成されるが、第1および第2の圧電板110、120にロードが形成された圧電素子を図7に示す。
【0047】
図7(a)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の一方の短辺の所定の領域に設けられて第1の圧電板110内の空間に第1の圧電板110の長辺方向に設けられる第2の圧電板120と、を備え、第2の圧電板120の第1の圧電板110と接触していない一方の端部にロード150が設けられ、第1の圧電板110の隅領域に複数のロード151、152、153、154が設けられる。
【0048】
図7(b)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈し、対向する一方の長辺および他方の長辺の間にダミー板115が形成される第1の圧電板110と、ダミー板115の上と接触して第1の圧電板110の長辺方向に第1の圧電板110内の領域に形成される第2の圧電板120と、第2の圧電板120の両端部に設けられるロード150a、150bと、第1の圧電板110の隅領域に設けられる複数のロード151、152、153、154と、を備える。
【0049】
図7(c)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈し、対向する一方の長辺および他方の長辺の間にダミー板115が形成される第1の圧電板110と、ダミー板115の両側面と接触して第1の圧電板110の長辺方向に第1の圧電板110内の領域に形成される第2aおよび第2bの圧電板120a、120bと、第2aおよび第2bの圧電板120a、120bの端部に設けられるロード150a、150bと、第1の圧電板110の隅領域に設けられる複数のロード151、152、153、154と、を備える。
【0050】
図7(d)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の対向する両短辺から第1の圧電板110の長辺方向に形成され、第1の圧電板110内の中央領域から所定の間隔を隔てて隔設される第2aおよび第2bの圧電板120a、120bと、第2aおよび第2bの圧電板120a、120bの端部に設けられるロード150a、150bと、第1の圧電板110の隅領域に設けられる複数のロード151、152、153、154と、を備える。
【0051】
一方、本発明の圧電素子は、少なくとも一つの領域に振動板を設けて振動力を増加させ、これにより、周波数特性が様々に変更される。振動板は、ポリマー、金属、シリコンなどの材質を用いて形成し、振動板のサイズを多様化させることができ、これにより、様々な振動力が得られる。このような本発明の様々な変形例による圧電素子を図8に示す。
【0052】
図8(a)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の一方の短辺の所定の領域に設けられて第1の圧電板110内に第1の圧電板110の長辺方向に設けられる第2の圧電板120と、を備え、第2の圧電板120の第1の圧電板110と接触していない一方の端部と第1の圧電板110の短辺との間に設けられる振動板160を備える。
【0053】
図8(b)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈し、対向する一方の長辺および他方の長辺の間にダミー板115が形成される第1の圧電板110と、ダミー板115の上と接触して第1の圧電板110の長辺方向に第1の圧電板110内の領域に形成される第2の圧電板120と、第2の圧電板120の両端部と第1の圧電板110との間に設けられる振動板160a、160bと、を備える。すなわち、振動板160a、160bは、第2の圧電板120の各端部と第1の圧電板110とを繋ぎ合わせるように設けられる。
【0054】
図8(c)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈し、対向する一方の長辺および他方の長辺の間にダミー板115が形成される第1の圧電板110と、ダミー板115の両側面と接触して第1の圧電板110の長辺方向に第1の圧電板110内の領域に形成される第2aおよび第2bの圧電板120a、120bと、第2aおよび第2bの圧電板120a、120bの端部と第1の圧電板110との間に設けられるそれぞれの振動板160a、160bと、を備える。
【0055】
図8(d)に示すように、圧電素子は、略矩形枠状を呈する第1の圧電板110と、第1の圧電板110の対向する両短辺から第1の圧電板110の長辺方向に形成され、第1の圧電板110内の中央領域から所定の間隔を隔てて隔設される第2aおよび第2bの圧電板120a、120bと、第2aおよび第2bの圧電板120a、120bの端部の間に設けられる振動板160と、を備える。すなわち、振動板160は、第2aおよび第2bの圧電板120、120bの第1の圧電板110と接触していないそれぞれの端部の間にこれらを繋ぎ合わせるように設けられる。
【0056】
図9は、従来の圧電素子の音圧特性を示すグラフであり、図10は、本発明の圧電素子の音圧特性を示すグラフである。すなわち、従来の圧電素子は、本発明の第1の圧電板の内部が充填された形状であって、所定の厚さを有する略矩形板状を呈し、本発明の圧電素子は、第1および第2の圧電板が貼り合わせられた形状を有する。従来の圧電素子は、図9に示すように、共振周波数が1.12kHzであり、約82dBの音圧特性を示す。しかしながら、第1および第2の圧電板が貼り合わせられた本発明による圧電素子は、図10に示すように、共振周波数が150Hzであり、約60dBの音圧特性を示す。また、本発明の圧電素子は、210Hzおよび500Hzにおいても共振周波数が発生する。このため、互いに異なる共振周波数を有する少なくとも2枚以上の圧電板を貼り合わせることにより、少なくとも2以上の共振周波数が発生し、従来よりも低い数百Hzの共振周波数が得られる。このため、補助モバイル機器などの電子機器に音響素子として使用可能である。また、図11は、本発明の圧電素子の振動特性を示すグラフであり、228Hzの共振周波数において約2.2Gの出力を示す。このため、本発明の圧電素子は、補助モバイル機器などの電子機器において振動素子として使用可能である。要するに、本発明の圧電素子は、補助モバイル機器などの電子機器において音響素子および振動素子として選択的に使用可能である。
【0057】
本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、互いに異なる種々の形態で実現可能である。すなわち、これらの実施形態は、本発明の開示を完全たるものにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明の範囲は、本願の特許請求の範囲により理解されるべきである。
【符号の説明】
【0058】
110:第1の圧電板
120:第2の圧電板
150:ロード
160:振動板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11