特許第6118886号(P6118886)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6118886
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】視覚サイクルモジュレーターの薬理
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/137 20060101AFI20170410BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
   A61K31/137ZMD
   A61P27/02
【請求項の数】14
【全頁数】48
(21)【出願番号】特願2015-247328(P2015-247328)
(22)【出願日】2015年12月18日
(62)【分割の表示】特願2012-519634(P2012-519634)の分割
【原出願日】2010年7月2日
(65)【公開番号】特開2016-104768(P2016-104768A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2016年1月15日
(31)【優先権主張番号】61/222,875
(32)【優先日】2009年7月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/266,922
(32)【優先日】2009年12月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509288873
【氏名又は名称】アキュセラ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】窪田 良
(72)【発明者】
【氏名】ボーマン、ナンシー
(72)【発明者】
【氏名】バビック、クレス
(72)【発明者】
【氏名】スコット、イアン、エル
【審査官】 山村 祥子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/045479(WO,A1)
【文献】 特許第5860398(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/137
A61P 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

を有する非レチノイド化合物(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールを2mgから20mgまでの単回経口投与量で含み、該単回経口投与量が(i)毎日、(ii)2日毎、又は(iii)3日毎に投与され、該単回経口投与量が、該化合物の血漿濃度が0.3Cmaxに減少した後4時間から36時間までの期間に50%未満の正規化網膜電図応答をもたらす、糖尿病性網膜症又はスタガルト黄斑変性の治療に使用するための経口医薬製剤。
【請求項2】
正規化網膜電図応答が5%から15%まで、15%から25%まで、又は25%から35%までである、請求項1に記載の経口医薬製剤。
【請求項3】
前記期間が前記非レチノイド化合物の投与後4時間から10時間まで、前記非レチノイド化合物の投与後10時間から16時間まで、前記非レチノイド化合物の投与後16時間から24時間まで、又は24時間から36時間までである、請求項1又は2に記載の経口医薬製剤。
【請求項4】
前記化合物が、2日目よりも1日目において大きな正規化網膜電図応答をもたらす、請求項1〜3のいずれかに記載の経口医薬製剤。
【請求項5】
前記化合物が、1日目よりも2日目において大きな治療応答をもたらす、請求項1〜3のいずれかに記載の経口医薬製剤。
【請求項6】
前記治療応答が網膜電図によって決定される、請求項5に記載の経口医薬製剤。
【請求項7】
前記非レチノイド化合物の量が20mg7mg、又は5mgである、請求項1〜6のいずれかに記載の経口医薬製剤。
【請求項8】
網膜電図の錐体応答幅が処置前の幅の10%以内に、処置前の幅の20%以内に、又は処置前の幅の30%以内に留まる、請求項1〜7のいずれかに記載の経口医薬製剤。
【請求項9】
徐放固体剤形である、請求項1〜8のいずれかに記載の経口医薬製剤。
【請求項10】
投与後の血漿Tmaxが投与後12時間で起こる、請求項8記載の経口医薬製剤。
【請求項11】
前記非レチノイド化合物の量が夜間視の顕著な欠損をもたらさない、請求項1〜10のいずれかに記載の経口医薬製剤。
【請求項12】
前記非レチノイド化合物の量が明所視の顕著な喪失をもたらさないか、又は明所状態における感受性に対して検出可能な効果をもたらさない、請求項1〜11のいずれかに記載の経口医薬製剤。
【請求項13】
前記非レチノイド化合物が朝以外の時間に投与される、請求項1〜12のいずれかに記載の経口医薬製剤。
【請求項14】
前記非レチノイド化合物が昼食の間又は昼食に引き続いて投与される、請求項13に記載の経口医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全文が参照によって本明細書に組み入れられる、2009年7月2日出願の米国仮特許出願第61/222,875号、及び2009年12月4日出願の米国仮特許出願第61/266,922号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
緑内障、黄斑変性症、及びアルツハイマー病などの神経変性疾患は、世界中で何百万人もの患者が発症している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの疾患に付随する生活の質の喪失は相当なものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様は、非レチノイド化合物を投与することを含み、前記非レチノイド化合物を投与して約12時間後から約48時間後に約5%から約55%までの正規化網膜電図応答をもたらす、眼科疾患又は障害を処置する方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が約5%から約15%までである方法である。
別の一態様は、正規化網膜電図応答が約15%から約25%までである方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が約25%から約35%までである方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が約35%から約55%までである方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約12時間後から約16時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約2時間後から約12時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約16時間後から約20時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約20時間後から約24時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約24時間後から約30時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約30時間後から約36時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約36時間後から約42時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約42時間後から約48時間後に決定される方法である。
一態様は、単回投与量の非レチノイド化合物を投与することを含み、2日目におけるよりも1日目において大きな正規化網膜電図応答をもたらす、眼科疾患又は障害を処置する方法である。
【0005】
一態様は、非レチノイド化合物を投与することを含み、単回投与量を投与した後1日目よりも2日目において大きな治療応答をもたらす、眼科疾患又は障害を処置する方法である。
【0006】
一態様は、治療応答が網膜電図によって決定される方法である。
【0007】
一態様は、非レチノイド化合物を投与することを含み、前記非レチノイド化合物の血漿濃度が0.3Cmaxに減少した後約4時間から約36時間までの期間に約50%未満の正規化網膜電図応答をもたらす、眼科疾患又は障害を処置する方法である。一態様は、前記期間が約4時間から約10時間までである方法である。一態様は、前記期間が約10時間から約16時間までである方法である。一態様は、前記期間が約16時間から約24時間までである方法である。一態様は、前記期間が約24時間から約36時間までである方法である。別の一態様は、非レチノイド化合物が経口投与される方法である。別の一態様は、非レチノイド化合物が朝に投与される方法である。別の一態様は、非レチノイド化合物が起床時に投与される方法である。別の一態様は、非レチノイド化合物が朝の起床時に投与される方法である。
【0008】
別の一態様は、非レチノイド化合物が、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、幾何異性体、又は薬学的に許容される溶媒和物、水和物、塩、多形、N−オキシド若しくはプロドラッグから選択される方法である
【化1】

[式中、
Zは、結合、−C(R)(R)−、−C(R)(R10)−C(R)(R)−、−X−C(R31)(R32)−、−C(R)(R10)−C(R)(R)−C(R36)(R37)−、又は−X−C(R31)(R32)−C(R)(R)−であり、
及びRは、各々独立に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、フルオロアルキル、−OR、若しくは−NRから選択され、又はR及びRは一緒になってオキソを形成し、
31及びR32は、各々独立に、水素、C〜Cアルキル、又はフルオロアルキルから選択され、
36及びR37は、各々独立に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、フルオロアルキル、−OR若しくは−NRから選択され、又はR36及びR37は、一緒になってオキソを形成し、又は場合により、R36及びRは、一緒になって直接結合を形成して二重結合を提供し、又は場合により、R36及びRは、一緒になって直接結合を形成し、R37及びRは一緒になって直接結合を形成して三重結合を提供し、
及びRは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル又はC−結合ヘテロシクリルから選択され、又はR及びRは、これらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボシクリル若しくはヘテロシクリルを形成し、又はR及びRは一緒になってイミノを形成し、
は、C〜C15アルキル、カルボシクリルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキルであり、
及びRは、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−C(=O)R13、SO13、CO13若しくはSONR2425から選択され、又はR及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
Xは、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−、−N(R30)−、−C(=CH)−、−C(=N−NR35)−、又は−C(=N−OR35)−であり、
及びR10は、各々独立に、水素、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、−OR19、−NR2021若しくはカルボシクリルから選択され、又はR及びR10は一緒になってオキソを形成し、又は場合により、R及びRは一緒になって直接結合を形成して二重結合を提供し、又は場合により、R及びRは、一緒になって直接結合を形成し、R10及びRは一緒になって直接結合を形成して三重結合を提供し、
11及びR12は、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、−C(=O)R23、−C(NH)NH、SO23、CO23若しくはSONR2829から選択され、又はR11及びR12は、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
13、R22、及びR23は、各々独立に、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、カルボシクリル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルから選択され、
、R19、R30、R34及びR35は、各々独立に、水素又はアルキルであり、
20及びR21は、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−C(=O)R22、SO22、CO22若しくはSONR2627から選択され、又はR20及びR21は、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
24、R25、R26、R27、R28及びR29は、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル又はヘテロシクリルから選択され、
33は、各々独立に、ハロゲン、OR34、アルキル、又はフルオロアルキルから選択され、
nは、0、1、2、3、又は4である]。
【0009】
別の一態様は、式(I)の化合物が式(II)の構造を有する方法である
【化2】

[式中、
及びRは、各々独立に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、フルオロアルキル、−OR若しくは−NRから選択され、又はR及びRは一緒になってオキソを形成し、
及びRは、各々独立に、水素又はアルキルから選択され、又はR及びRは一緒になってイミノを形成し、
及びRは、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル若しくは−C(=O)R13から選択され、又はR及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
及びR10は、各々独立に、水素、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、−OR19、−NR2021若しくはカルボシクリルから選択され、又はR及びR10はオキソを形成し、
11及びR12は、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル若しくは−C(=O)R23から選択され、又はR11及びR12は、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
13、R22及びR23は、各々独立に、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、カルボシクリル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルから選択され、
、R19及びR34は、各々独立に、水素又はアルキルであり、
20及びR21は、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル若しくは−C(=O)R22から選択され、又はR20及びR21は、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
24、R25、R26、R27、R28及びR29は、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル又はヘテロシクリルから選択され、
14及びR15は、各々独立に、水素又はアルキルから選択され、
16及びR17は、各々独立に、水素、C〜C13アルキル、ハロ若しくはフルオロアルキルから選択され、又はR16及びR17は、これらが結合している炭素と一緒になってカルボシクリルを形成し、
33は、各々独立に、ハロゲン、OR34、アルキル、又はフルオロアルキルから選択され、
nは0、1、2、3、又は4であり、
18は、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ又はフルオロアルキルから選択される]。
【0010】
別の一態様は、式(II)の化合物が、
及びRは、各々独立に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、又は−ORから選択され、
及びR10は、各々独立に、水素、ハロゲン、アルキル、若しくは−OR19から選択され、又はR及びR10は、一緒にオキソを形成し、
及びR19は、各々独立に、水素又はアルキルであり、
16及びR17は、これらが結合している炭素と一緒になってカルボシクリルを形成し、
18は、水素、アルコキシ又はヒドロキシから選択される
とさらに規定される方法である。
【0011】
別の一態様は、式(II)の化合物が、R16及びR17は、これらが結合している炭素と一緒になって、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はシクロオクチルを形成し、R18は水素又はヒドロキシであるとさらに規定される方法である。
【0012】
別の一態様は、式(II)の化合物が(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールである方法である。
【0013】
別の一態様は、非レチノイド化合物、又はその互変異性体、立体異性体、幾何異性体、薬学的に許容される溶媒和物、水和物、塩、多形、N−オキシド若しくはプロドラッグが、
【化3】

からなる群から選択される、非レチノイド化合物を投与することを含む、眼科疾患又は障害を処置するための方法である。
【0014】
別の一態様は、投与量が約4mgから約100mgまでである方法である。別の一態様は、投与量が約75mgである方法である。別の一態様は、投与量が約60mgである方法である。別の一態様は、投与量が約40mgである方法である。
【0015】
別の一態様は、投与量が約20mgである方法である。別の一態様は、投与量が約7mgである方法である。別の一態様は、投与量が約5mgである方法である。
【0016】
一態様は、非レチノイド視覚サイクルモジュレーターの投与によって眼科疾患又は障害を処置するために投与する投与量を決定する方法であって、単回投与量の前記非レチノイド視覚サイクルモジュレーターを投与して約12時間後から約48時間後までに正規化網膜電図応答を決定することを含む方法である。別の一態様は、単回投与量の前記非レチノイド視覚サイクルモジュレーターを投与して約2時間後から約12時間後までに正規化網膜電図応答を決定することを含む、非レチノイド視覚サイクルモジュレーターの投与によって眼科疾患又は障害を処置するために投与する投与量を決定する方法である。
【0017】
一態様は、血漿Tmaxが投与12時間後に観察される、式(I)の化合物を含む眼科疾患又は障害を処置するための、徐放固体剤形である。
【0018】
一態様は、約3カ月の連続毎日投与から約12カ月の連続毎日投与までの後に休薬期間を含む、眼科疾患又は障害を処置するための投与計画である。別の一態様は、休薬期間が約3日から約21日までの期間である投与計画である。別の一態様は、休薬期間が約1カ月から約2カ月までの期間である投与計画である。
別の一態様は、眼科疾患又は障害が、網膜剥離、出血性網膜症、網膜色素変性症、錐体−杆体ジストロフィー、ソーズビー眼底ジストロフィー、視神経症、炎症性網膜疾患、糖尿病性網膜症、糖尿病黄斑症、網膜血管閉塞、未熟児網膜症、虚血再灌流に関連する網膜損傷、増殖性硝子体網膜症、網膜ジストロフィー、遺伝性視神経症、ソーズビー眼底ジストロフィー、ぶどう膜炎、網膜損傷、アルツハイマー病に付随する網膜障害、多発性硬化症に付随する網膜障害、パーキンソン病に付随する網膜障害、ウイルス感染に付随する網膜障害、光への過剰曝露に関連する網膜障害、近視、及びAIDSに付随する網膜障害から選択される方法である。別の一態様は、眼科疾患又は障害が加齢黄斑変性又はスタガルト黄斑変性である方法である。別の一態様は、眼科疾患又は障害が乾燥加齢黄斑変性である方法である。別の一態様は、眼科疾患又は障害が糖尿病性網膜症である方法である。
【0019】
一実施形態は、
【化4】

から選択される化合物、又はその互変異性体、立体異性体、幾何異性体、薬学的に許容される溶媒和物、水和物、塩、多形、N−オキシド若しくはプロドラッグを提供する。
【0020】
本明細書において言及する出版物及び特許出願は全て、引用される目的で参照によって本明細書に組み入れられる。
【0021】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲において特に記載される。本発明の特徴及び利点のよりよい理解は、本発明の原理が利用される、例示の実施形態を記載する以下の発明を実施するための形態、及び添付の図面を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量の投与後時間に対する血漿濃度を示す線形目盛のグラフである。
【0023】
図2】(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量の投与後時間に対する血漿濃度を示す対数目盛のグラフである。
【0024】
図3】ベースライン(薬物処置なし)と比較した、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量の投与後1、2、及び7日目の、網膜照射時間に対する単一患者ERG応答を示す図である。図3(a)は20mg投与量、図3(b)は40mg投与量、図3(c)は60mg投与量に対するものである。
【0025】
図4】ベースライン(薬物処置なし)と比較した、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量の投与後1日目(投与4時間後)の、網膜照射時間に対する正規化ERG応答を示す図である。試験した投与量は、20mg、40mg、60mg、及び75mgである。
【0026】
図5】ベースライン(薬物処置なし)と比較した、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量の投与後2日目(投与24時間後)の、網膜照射時間に対する正規化ERG応答を示す図である。試験した投与量は、20mg、40mg、60mg、及び75mgである。
【0027】
図6】(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量に対して、網膜照射30分後の正規化ERG応答の阻害率を比較した表である。1日目の測定値は投与4時間後、2日目の測定値は投与24時間後に得たものであった。
【0028】
図7】ベースライン(薬物処置なし)と比較した、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量75mgの投与後1日目(投与4時間後)、2日目(投与24時間後)、4日目、及び7日目の、網膜照射時間に対する正規化ERG応答を示す図である。
【0029】
図8】(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量75mgの投与後時間の長さに対して、網膜照射30分後の正規化ERG応答の阻害率を比較した表である。1日目の測定値は投与4時間後、2日目の測定値は投与24時間後に得たものであった。
【0030】
図9】例1に記載する試験によって決定した血漿濃度対時間のグラフである。
【0031】
図10】例1に記載する試験において利用したERGデータ収集順序を示す図である。
【0032】
図11】例1に記載する通りに得られた2日目のERG応答曲線である。
【0033】
図12】例1に記載する通りに得られたERG抑制データの概要を示す図である。
【0034】
図13】例1に記載する試験によって決定した錐体応答曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明者らは、上記に記載したものを含む眼科機能障害をもたらす眼科疾患又は障害を処置するための効果的な処置に対する必要性を認めている。とりわけ、本発明者らは、進行性網膜変性、LCA様状態、色盲、夜盲症若しくは暗順応の遅れ、又は全身性ビタミンA欠乏症などのさらなる不必要な副作用を引き起こさずに、スタガルト病及び加齢黄斑変性(AMD)を処置するための組成物及び方法に対する必要性を認めている。本発明者らは、網膜に有害な影響を及ぼす他の眼科疾患及び障害に対する効果的な処置に対する必要性も認めている。
【0036】
加齢黄斑変性(AMD)は、米国において1000万人と1500万人の間の患者に発症し、世界中の老齢人口における失明の主な原因である。AMDは中心視覚に影響を及ぼし、黄斑と呼ばれる網膜の中心部分における光受容体細胞の喪失を引き起こす。黄斑変性は、乾燥型と湿潤型の2タイプに分類することができる。乾燥型は湿潤型より一般的であり、加齢黄斑変性の約90%が乾燥型と診断される。湿潤型の疾患及び地図状萎縮は、乾燥型AMDの末期の表現型であり、最も深刻な視力喪失を引き起こす。湿潤型AMDを発症する患者は全て、以前に長期間乾燥型AMDを発症していたと考えられている。AMDの正確な原因はまだ分かっていない。乾燥型のAMDは、老化及び黄斑網膜色素上皮における色素の沈着に付随する黄斑組織の菲薄化に起因する可能性がある。湿潤型AMDにおいては、網膜の下に新しい血管が成長し、瘢痕組織を形成し、出血し、液が漏出する。覆い被さる網膜がひどく損傷し、中心視覚における「ブラインド(blind)」領域を作り出し得る。
【0037】
乾燥型のAMDを有する患者の大多数に対して、有効な治療は未だ得られていない。乾燥型のAMDは湿潤型のAMDの発症に先行するので、乾燥型のAMDにおける疾患の進行を防止し、又は遅らせる治療的介入は、乾燥型のAMDを有する患者に利益をもたらし、湿潤型のAMDの発生率を低下し得る。
【0038】
患者が気づく視力の低下、又は日常の目の検査の間に眼科医が検出する特有な特徴が、AMDの最初の指標であることがある。「ドルーゼ」、即ち黄斑の網膜色素上皮の下の膜状の組織片の形成が、AMDが発症している最初の身体的徴候であることが多い。後期の症状には直線がゆがんで知覚されることが含まれ、進行した症例では視覚の中央に暗くかすんだ領域若しくは視覚の失われた領域が出現し、且つ/又は色覚の変化が存在することがある。
【0039】
様々な形態の、遺伝に関連する黄斑変性が若い患者に生じることもある。他の黄斑症において、疾患における因子は、遺伝、栄養、外傷性、感染、又は他の生態学的因子である。
【0040】
緑内障は、通常無症候性に、ゆっくりと進行する視野の喪失をもたらす一群の疾患を記述するのに用いられる幅広い語である。症状がないことにより、疾患の末期まで緑内障の診断の遅れがもたらされることがある。緑内障の有病率は米国において220万人であると推定されており、約120,000症例の失明がこの状態に起因する。この疾患は日本においてとりわけ蔓延しており、日本では400万症例が報告されている。世界の多くの地域において、治療は米国及び日本ほど利用できず、このため緑内障は世界中の失明の主な原因として位置付けられている。緑内障に罹患している対象は失明しなくても、その視力は多くの場合著しく損なわれる。
【0041】
緑内障における周辺視野の進行性の喪失は、網膜における神経節細胞の死滅によってもたらされる。神経節細胞は、目と脳を連結する、特異的なタイプの投射ニューロンである。緑内障は通常、眼圧の上昇を伴う。現在の治療には眼圧を低下させる薬物の使用が含まれるが、眼圧を低下させる最近の方法は、疾患の進行を完全に止めるのに不十分であることが多い。神経節細胞は圧力の影響を受けやすいと考えられており、眼圧が低下する前に永続的な変性を受けることがある。眼圧の上昇が観察されずに神経節細胞が変性する正常眼圧緑内障が、ますます多くの数観察されている。現在の緑内障治療薬は眼圧を治療するだけで、神経節細胞の変性の防止又は逆転において効果がない。
【0042】
最近の報告は、緑内障は、脳におけるアルツハイマー病及びパーキンソン病同様、神経変性疾患であるが、緑内障が網膜ニューロンに特異的に影響を及ぼすことが異なることを示唆している。目の網膜ニューロンは、脳の間脳ニューロンを起源とする。網膜ニューロンは脳の部分ではないとしばしば誤って考えられているが、網膜細胞は中枢神経系の主要構成成分であり、光覚細胞からのシグナルを読み取る。
【0043】
アルツハイマー病(AD)は高齢者間で最も一般的な形態の痴呆である。痴呆は、人間が日常活動を行う能力に重大な影響を及ぼす脳の障害である。アルツハイマー病は、米国だけで400万人に罹患している疾患である。アルツハイマー病は、記憶及び他の精神機能に不可欠である脳の領域における神経細胞の喪失を特徴とする。現在入手可能な薬物は、比較的限りある期間ADの症状を回復させることができるが、疾患を治療し、又は精神機能の進行性の減退を完全に停止する薬物は入手できない。最近の研究は、ニューロン又は神経細胞を支持するグリア細胞がAD患者において欠損を有することがあることを示唆しているが、ADの原因は依然として分かっていない。ADを有する個体は緑内障及び加齢黄斑変性の発生率が高い様子であり、同様の病原性が、これら目及び脳の神経変性疾患の根底にあり得ることを指摘している(Giassonら、Free Radic.Biol.Med.、32巻、1264〜75頁(2002年);Johnsonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、99巻、11830〜35頁(2002年);Dentchevら、Mol.Vis.、9巻、184〜90頁(2003年)を参照されたい)。
【0044】
神経細胞死がこれらの疾患の病原性の根底にある。残念なことに、網膜神経細胞の生存を、とりわけ光受容細胞の生存を増強する組成物及び方法はほとんど発見されていなかった。したがって、病原性における主要な、又は付随するエレメントとして神経細胞死を有する数々の網膜疾患及び障害の治療及び予防に用いることができる組成物を同定し、開発する必要性がある。
【0045】
脊椎動物の光受容細胞において、光子の照射は、11−cis−レチニリデン発色団の、オールトランス−レチニリデンへの異性化、及び視覚オプシン受容器からの脱共役をもたらす。この光異性化はオプシンの立体配置の変化を誘発し、これは次に光伝達と呼ばれる生化学的連鎖応答を開始させる(Filipekら、Annu.Rev.Physiol.、65巻、851〜79頁(2003年))。視物質の再生は、レチノイド(視)サイクルと総称的に呼ばれているプロセスにおいて、発色団が11−cis−立体配置に変換して戻されることを必要とする(例えば、McBeeら、Prog.Retin.Eye Res.、20巻、469〜52頁(2001年)を参照されたい)。最初に、発色団がオプシンから放出され、レチノールデヒドロゲナーゼによって光受容器において還元される。生成物であるオールトランス−レチノールは、レチノソーム(retinosome)として知られている細胞下構造において不溶性脂肪酸エステルの形態の近接する網膜色素上皮(RPE)中に捕捉される(Imanishiら、J.Cell Biol.、164巻、373〜87頁(2004年))。
【0046】
フリッパーゼとして働くABCRトランスポーターにおける変異に付随する疾患であるスタガルト病において(Allikmetsら、Nat.Genet.、15巻、236〜46頁(1997年))、オールトランス−レチナールの蓄積はリポフスチン色素であるA2Eの形成を担うことがあり、A2Eは網膜色素上皮細胞に対して毒性であり、進行性の網膜変性を引き起こし、結果的に視力の喪失を引き起こす(Mataら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、97巻、7154〜59頁(2000年);Wengら、Cell、98巻、13〜23頁(1999年))。レチノールデヒドロゲナーゼの阻害物質である13−cis−RA(Isotretinoin、Accutane(登録商標)、Roche)で患者を処置することは、A2Eの形成を防止し、又は遅らせ得る治療法と考えられており、正常視を維持する保護的性質を有し得る(Raduら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、100巻、4742〜47頁(2003年))。13−cis−RAは、11−cis−RDHを阻害することによって、11−cis−レチナールの合成を遅らせるのに用いられているが(Lawら、Biochem.Biophys.Res.Commun.、161巻、825〜9頁(1989年))、その使用には著しい夜盲症が付随し得る。13−cis−RAが、目における異性化プロセスに不可欠なタンパク質であるRPE65に結合することによって、発色団の再生を防止するように働くと提唱している者もいる(Gollapalliら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、101巻、10030〜35頁(2004年))。Gollapalliらは、13−cis−RAがA2Eの形成を阻止することを報告し、この治療はリポフスチンの蓄積を阻害することがあり、したがって両方とも網膜色素に関連するリポフスチンの蓄積に付随するスタガルト病又は加齢黄斑変性における視力喪失の開始を遅らせることを示唆していた。しかし、レチノイドサイクルの阻止及びリガンド非結合のオプシンの形成は、より重篤な結果をもたらし、患者の予後を悪化させることがある(例えば、Van Hooserら、J.Biol.Chem.、277巻、19173〜82頁(2002年);Woodruffら、Nat.Genet.、35巻、158〜164頁(2003年)を参照されたい)。発色団が形成しないと、進行性の網膜変性がもたらされることがあり、出生直後の小児に罹患する非常に希な遺伝的状態である、レーベル先天黒内障(LCA)に類似する表現型を生成することがある。
【0047】
定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられている通り、反対のことが特定されなければ、以下の語は指摘される意味を有する。
【0048】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられる、単数形の「一つの(a)」、「及び(and)」、及び「その(the)」は、文脈が明らかに別のものを指示しなければ複数の指示物を含む。したがって、例えば、「一つの化合物」に対する言及は複数のそのような化合物を含み、「その細胞」に対する言及は1つ又は複数の細胞(又は複数の細胞)及び当業者には知られているこれらの同等物に対する言及などを含む。本明細書において、分子量などの物理的性質、又は化学式などの化学的性質に対して範囲が用いられる場合、範囲及びそれらにおける特定の実施形態の全ての組合せ及びサブコンビネーションが含まれるものとされる。「約」の語は、数又は数値的な範囲に関する場合、言及する数又は数値的な範囲は実験上の変動内の(若しくは統計的な実験誤差内の)近似であり、したがって数又は数値的な範囲は記載されている数又は数値的範囲の1%と15%との間で変化し得ることを意味する。「含む(comprising)」(及び「含む(comprise)」又は「含む(comprises)」又は「有する(having)」又は「含む(including)」などの関連語)は、他のある実施形態において、例えば、本明細書に記載する物体のあらゆる組成、組成物、方法、又はプロセスなどの実施形態において、記載されている特徴「からなる(consist of)」又は「から本質的になる(consist essentially of)」ことができることを除外することを意図しない。
【0049】
「アミノ」は−NH基を意味する。
【0050】
「シアノ」は−CN基を意味する。
【0051】
「ニトロ」は−NO基を意味する。
【0052】
「オキサ」は−O−基を意味する。
【0053】
「オキソ」は=O基を意味する。
【0054】
「チオキソ」は=S基を意味する。
【0055】
「イミノ」は=N−H基を意味する。
【0056】
「ヒドラジノ」は=N−NH基を意味する。
【0057】
「アルキル」は、不飽和を含まず、炭素原子1個から15個までを有する、炭素原子及び水素原子のみからなる直鎖又は分枝の炭化水素鎖基を意味する(例えば、C〜C15アルキル)。ある実施形態において、アルキルは1個から13個の炭素原子を含む(例えば、C〜C13アルキル)。ある実施形態において、アルキルは1個から8個の炭素原子を含む(例えば、C〜Cアルキル)。他の実施形態において、アルキルは5個から15個の炭素原子を含む(例えば、C〜C15アルキル)。他の実施形態において、アルキルは5個から8個の炭素原子を含む(例えば、C〜Cアルキル)。アルキルは、単結合によって残りの分子に結合しており、例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシルなどがある。特に本明細書において別段の記載がなければ、アルキル基は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)(式中、tは1又は2である)、−S(O)OR(式中、tは1又は2である)、及び−S(O)N(R(式中、tは1又は2である)の1つ又は複数によって場合により置換されており、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。
【0058】
「アルケニル」は、炭素原子及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、2個から12個までの炭素原子を有する、直鎖又は分枝の炭化水素鎖基を意味する。ある実施形態において、アルケニルは2個から8個の炭素原子を含む。他の実施形態において、アルケニルは2個から4個の炭素原子を含む。アルケニルは単結合によって残りの分子に結合しており、例えば、エテニル(即ち、ビニル)、プロパ−1−エニル(即ち、アリル)、ブタ−1−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニルなどがある。特に本明細書において別段の記載がなければ、アルケニル基は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)(式中、tは1又は2である)、−S(O)OR(式中、tは1又は2である)、及び−S(O)N(R(式中、tは1又は2である)の1つ又は複数によって場合により置換されており、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。
【0059】
「アルキニル」は、炭素原子及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの三重結合を含み、2個から12個までの炭素原子を有する、直鎖又は分枝の炭化水素鎖基を意味する。ある実施形態において、アルキニルは2個から8個の炭素原子を含む。他の実施形態において、アルキニルは2個から4個の炭素原子を有する。アルキニルは単結合によって残りの分子に結合しており、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどがある。特に本明細書において別段の記載がなければ、アルキニル基は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)(式中、tは1又は2である)、−S(O)OR(式中、tは1又は2である)、及び−S(O)N(R(式中、tは1又は2である)の1つ又は複数によって場合により置換されており、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。
【0060】
「アルキレン」又は「アルキレン鎖」は、炭素及び水素のみからなり、不飽和を含有せず、1個から12個までの炭素原子を有する、残りの分子を基に連結している直鎖又は分枝の2価炭化水素鎖を意味し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレンなどがある。アルキレン鎖は残りの分子に単結合によって結合し、基に単結合によって結合している。アルキレン鎖の残りの分子及び基に対する結合点は、アルキレン鎖における1個の炭素、又は鎖内のあらゆる2個の炭素によるものであってよい。特に本明細書において別段の記載がなければ、アルキレン基は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)(式中、tは1又は2である)、−S(O)OR(式中、tは1又は2である)、及び−S(O)N(R(式中、tは1又は2である)の1つ又は複数によって場合により置換されており、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。
【0061】
「アルケニレン」又は「アルケニレン鎖」は、炭素及び水素のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、2個から12個までの炭素原子を有する、残りの分子を基に連結している直鎖又は分子の2価炭化水素鎖を意味し、例えば、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレンなどがある。アルケニレン鎖は残りの分子に二重結合又は単結合によって結合し、基に二重結合又は単結合によって結合している。アルケニレン鎖の、残りの分子及び基に対する結合点は、1個の炭素、又は鎖内のあらゆる2個の炭素によるものであってよい。特に本明細書において別段の記載がなければ、アルケニレン鎖は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)(式中、tは1又は2である)、−S(O)OR(式中、tは1又は2である)、及び−S(O)N(R(式中、tは1又は2である)の1つ又は複数によって場合により置換されており、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール(1つ若しくは複数のハロ基によって場合により置換されている)、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり、式中、上記の置換基は各々、別段の記載がなければ非置換である。
【0062】
アリールは、環状炭素原子から水素原子を除去することによる、芳香族単環式又は多環式炭化水素環系に由来する基を意味する。芳香族単環式又は多環式炭化水素環系は水素及び6個から18個までの炭素原子のみを含み、環系における少なくとも1つの環は完全に不飽和であり、即ち、ヒュッケル理論による、環状の、非局在化の(4n+2)π−電子系を含んでいる。アリール基には、それだけには限定されないが、フェニル、フルオレニル、及びナフチルなどの基が含まれる。特に本明細書において別段の記載がなければ、「アリール」の語、又は接頭辞「ar−」(例えば、「アラルキル」における)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアラルキル、場合により置換されているアラルケニル、場合により置換されているアラルキニル、場合により置換されているカルボシクリル、場合により置換されているカルボシクリルアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているヘテロシクリルアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロアリールアルキル、−R−OR、−R−OC(O)−R、−R−N(R、−R−C(O)R、−R−C(O)OR、−R−C(O)N(R、−R−O−R−C(O)N(R、−R−N(R)C(O)OR、−R−N(R)C(O)R、−R−N(R)S(O)(式中、tは1又は2である)、−R−S(O)OR(式中、tは1又は2である)、及び−R−S(O)N(R(式中、tは1又は2である)から独立に選択される1つ又は複数の置換基によって場合により置換されているアリール基を含み、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール(1つ若しくは複数のハロ基によって場合により置換されている)、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり、各Rは、独立に、直接結合、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン若しくはアルケニレン鎖であり、Rは直鎖若しくは分枝のアルキレン若しくはアルケニレン鎖であり、上記の各置換基は別段の指摘がなければ非置換であることを意味する。
【0063】
「アラルキル」は、式−R−アリールの基であり、式中、Rは上記で規定したアルキレン鎖、例えば、ベンジル、ジフェニルメチルなどである。アラルキル基のアルキレン鎖部分は、アルキレン鎖に対して上記で記載した通り、場合により置換されている。アラルキル基のアリール部分は、アリール基に対して上記で記載した通り、場合により置換されている。
【0064】
「アラルケニル」は、式−R−アリールの基を意味し、式中、Rは上記で規定したアルケニレン鎖である。アラルケニル基のアリール部分は、アリール基に対して上記で記載した通り、場合により置換されている。アラルケニル基のアルケニレン鎖部分は、アルケニレン基に対して上記で記載した通り、場合により置換されている。
【0065】
「アラルキニル」は、式−R−アリールの基を意味し、式中、Rは上記で規定したアルキニレン鎖である。アラルキニル基のアリール部分は、アリール基に対して上記で記載した通り、場合により置換されている。アラルキニル基のアルキニレン鎖部分は、アルキニレン基に対して上記で記載した通り、場合により置換されている。
【0066】
「カルボシクリル」は、炭素原子及び水素原子のみからなる、安定な非芳香族単環式又は多環式炭化水素基を意味し、炭素原子3個から15個までを有する縮合又は架橋されている環系を含むことができる。ある実施形態において、カルボシクリルは3個から10個の炭素原子を含む。他の実施形態において、カルボシクリルは5個から7個の炭素原子を含む。カルボシクリルは残りの分子に単結合によって結合している。カルボシクリルは飽和(即ち、C−C単結合だけを含む)でもよく、又は不飽和(即ち、1つ又は複数の二重結合又は三重結合を含む)でもよい。完全に飽和しているカルボシクリル基は「シクロアルキル」とも呼ばれる。単環式シクロアルキルの例には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが含まれる。不飽和のカルボシクリルは「シクロアルケニル」とも呼ばれる。単環式シクロアルケニルの例には、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、及びシクロオクテニルが含まれる。多環式カルボシクリル基には、例えば、アダマンチル、ノルボルニル(即ち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル、デカリニル(decalinyl)、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが含まれる。特に本明細書において別段の記載がなければ、「カルボシクリル」の語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアラルキル、場合により置換されているアラルケニル、場合により置換されているアラルキニル、場合により置換されているカルボシクリル、場合により置換されているカルボシクリルアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているヘテロシクリルアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロアリールアラキル、−R−OR、−R−SR、−R−OC(O)−R、−R−N(R、−R−C(O)R、−R−C(O)OR、−R−C(O)N(R、−R−O−R−C(O)N(R、−R−N(R)C(O)OR、−R−N(R)C(O)R、−R−N(R)S(O)(式中、tは1又は2である)、−R−S(O)OR(式中、tは1又は2である)、及び−R−S(O)N(R(式中、tは1又は2である)から独立に選択される1つ又は複数の置換基によって場合により置換されているカルボシクリル基を含み、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり、各Rは、独立に、直接結合、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン若しくはアルケニレン鎖であり、Rは直鎖若しくは分枝のアルキレン若しくはアルケニレン鎖であり、上記の各置換基は別段の指摘がなければ非置換であることを意味する。
【0067】
「カルボシクリルアルキル」は式−R−カルボシクリルの基を意味し、式中、Rは上記で規定したアルキレン鎖である。アルキレン鎖及びカルボシクリル基は、上記で規定した通り、場合により置換されている。
【0068】
「ハロ」又は「ハロゲン」は、臭素、塩素、フッ素、又はヨウ素の置換基を意味する。
【0069】
「フルオロアルキル」は、上記で規定した通り、1つ又は複数のフッ素基によって置換されている、上記で規定した通りのアルキル基を意味し、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロメチル−2−フルオロエチルなどがある。フルオロアルキル基のアルキル部分は、アルキル基に対して上記で規定した通り、場合により置換されていてよい。
【0070】
「ヘテロシクリル」は、2個から12個の炭素原子、並びに窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個から6個のヘテロ原子を含む、安定な3員から18員の非芳香族環基を意味する。特に本明細書において別段の記載がなければ、ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、三環式、又は四環式の環系であり、縮合又は架橋されている環系が含まれ得る。ヘテロシクリル基におけるヘテロ原子は、場合により酸化されていてよい。1つ又は複数の窒素原子が、存在する場合には、場合により四級化されている。ヘテロシクリル基は、部分的に、又は完全に飽和されている。ヘテロシクリルは、環(単数又は複数)のあらゆる原子によって、残りの分子に結合していてよい。このようなヘテロシクリル基の例には、それだけには限定されないが、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、及び1,1−ジオキソ−チオモルホリニルが含まれる。特に本明細書において別段の記載がなければ、「ヘテロシクリル」の語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアラルキル、場合により置換されているアラルケニル、場合により置換されているアラルキニル、場合により置換されているカルボシクリル、場合により置換されているカルボシクリルアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているヘテロシクリルアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロアリールアルキル、−R−OR、−R−SR、−R−OC(O)−R、−R−N(R、−R−C(O)R、−R−C(O)OR、−R−C(O)N(R、−R−O−R−C(O)N(R、−R−N(R)C(O)OR、−R−N(R)C(O)R、−R−N(R)S(O)(式中、tは1又は2である)、−R−S(O)OR(式中、tは1又は2である)、及び−R−S(O)N(R(式中、tは1又は2である)から選択される1つ又は複数の置換基によって場合により置換されている、上記で規定したヘテロシクリル基を含み、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり、各Rは、独立に、直接結合、又は直鎖若しくは分枝のアルキレン若しくはアルケニレン鎖であり、Rは、直鎖若しくは分枝のアルキレン若しくはアルケニレン鎖であり、上記の各置換基は別段の指摘がなければ非置換であることを意味する。
【0071】
「N−ヘテロシクリル」又は「N−結合ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの窒素を含有する上記で規定したヘテロシクリル基を意味し、ヘテロシクリル基の残りの分子に対する結合点がヘテロシクリル基における窒素原子によるヘテロシクリル基を意味する。N−ヘテロシクリル基は、ヘテロシクリル基に対して上記で記載した通り、場合により置換されている。このようなN−ヘテロシクリル基の例には、それだけには限定されないが、1−モルホリニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、1−ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、及びイミダゾリジニルが含まれる。
【0072】
「C−ヘテロシクリル」又は「C−結合ヘテロシクリル」は、少なくとも1つのヘテロ原子を含有する上記で規定したヘテロシクリル基を意味し、ヘテロシクリル基の残りの分子に対する結合点がヘテロシクリル基における炭素原子によるヘテロシクリル基を意味する。C−ヘテロシクリル基は、ヘテロシクリル基に対して上記で記載した通り、場合により置換されている。このようなC−ヘテロシクリル基の例には、それだけには限定されないが、2−モルホリニル、2−又は3−又は4−ピペリジニル、2−ピペラジニル、2−又は3−ピロリジニルなどが含まれる。
【0073】
「ヘテロシクリルアルキル」は、式−R−ヘテロシクリルの基を意味し、式中、Rは上記で規定したアルキレン鎖である。ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルは窒素原子でアルキル基に場合により結合している。ヘテロシクロアルキル基のアルキレン鎖は、アルキレン鎖に対して上記で規定した通り、場合により置換されている。ヘテロシクリル基のヘテロシクリル部分は、ヘテロシクリル基に対して上記で規定した通り、場合により置換されている。
【0074】
「ヘテロアリール」は、2個から17個の炭素原子、並びに窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個から6個までのヘテロ原子を含む3員から18員の芳香族環基に由来する基を意味する。本明細書で用いられるヘテロアリール基は、単環式、二環式、三環式、又は四環式環系であってよく、環系における少なくとも1つの環は完全に不飽和であり、即ち、ヒュッケル理論による、環状の、非局在化の(4n+2)π−電子系を含んでいる。ヘテロアリールは、縮合又は架橋されている環系を含む。ヘテロアリール基におけるヘテロ原子(単数又は複数)は、場合により酸化されている。1つ又は複数の窒素原子は、存在する場合、場合により四級化されている。ヘテロアリールは、残りの分子に、環(単数又は複数)のあらゆる原子によって結合している。ヘテロアリールの例には、それだけには限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、フロ[3,2−c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソキサゾリル、5,8−メタノ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6−ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a−オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2−d]ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,5−c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、チエノ[3,2−d]ピリミジニル、チエノ[2,3−c]ピリミジニル、及びチオフェニル(即ち、チエニル)が含まれる。特に本明細書において別段の記載がなければ、「ヘテロアリール」の語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアラルキル、場合により置換されているアラルケニル、場合により置換されているアラルキニル、場合により置換されているカルボシクリル、場合により置換されているカルボシクリルアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているヘテロシクリルアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロアリールアルキル、−R−OR、−R−SR、−R−OC(O)−R、−R−N(R、−R−C(O)R、−R−C(O)OR、−R−C(O)N(R、−R−O−R−C(O)N(R、−R−N(R)C(O)OR、−R−N(R)C(O)R、−R−N(R)S(O)(式中、tは1又は2である)、−R−S(O)OR(式中、tは1又は2である)、及び−R−S(O)N(R(式中、tは1又は2である)から選択される1つ又は複数の置換基によって場合により置換されている、上記で規定したヘテロアリール基を含み、式中、各Rは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり、各Rは、独立に、直接結合、又は直鎖若しくは分岐のアルキレン若しくはアルケニレン鎖であり、Rは直鎖若しくは分枝のアルキレン若しくはアルケニレン鎖であり、上記の各置換基は別段の指摘がなければ非置換であることを意味する。
【0075】
「N−ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素を含む上記で規定したヘテロアリール基を意味し、ヘテロアリール基の残りの分子に対する結合点は、ヘテロアリール基における窒素原子によるヘテロアリール基を意味する。N−ヘテロアリール基は、ヘテロアリール基に対して上記で記載した通り、場合により置換されている。
【0076】
「C−ヘテロアリール」は、上記で規定したヘテロアリール基を意味し、ヘテロアリール基の残りの分子に対する結合点は、ヘテロアリール基における炭素原子によるヘテロアリール基を意味する。C−ヘテロアリール基は、ヘテロアリール基に対して上記で記載した通り、場合により置換されている。
【0077】
「ヘテロアリールアルキル」は、式−R−ヘテロアリールの基を意味し、式中、Rは上記で規定したアルキレン鎖である。ヘテロアリールが窒素含有ヘテロアリールである場合、ヘテロアリールは、窒素原子でアルキル基に場合により結合している。ヘテロアリールアルキル基のアルキレン鎖は、アルキレン鎖に対して上記で規定した通り、場合により置換されている。ヘテロアリールアルキル基のヘテロアリール部分は、ヘテロアリール基に対して上記で規定した通り、場合により置換されている。
【0078】
化合物、又はその薬学的に許容される塩は、1つ又は複数の不斉中心を含むことができ、それゆえ、絶対立体化学の点から、アミノ酸に対して(R)−若しくは(S)−、又は(D)−若しくは(L)−と規定され得る、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性体型を生じることができる。本明細書に記載する化合物がオレフィン二重結合又は幾何学的非対称の他の中心を含む場合、及び別段の規定がない場合、化合物はE及びZ両方の幾何異性体を含むものとされる(例えば、cis又はtrans)。同様に、全ての可能な異性体、並びにこれらのラセミ体及び光学的に純粋な形態、並びに全ての互変異性体も含まれるものとされる。
【0079】
「立体異性体」は、同じ結合によって結合している同じ原子からできているが、互換的ではない、異なる3次元構造を有する化合物を意味する。それゆえ様々な立体異性体及びそれらの組合せは、それらの分子が相互に重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を意味する「エナンチオマー」を含むことが企図される。
【0080】
「互変異性体」は、ある分子の1個の原子から、同じ分子の別の原子へのプロトン移行を意味する。本明細書に提示する化合物は、互変異性体として存在することができる。互変異性体は、単結合及び隣接する二重結合の切換えを伴う、水素原子の移動によって相互変換できる化合物である。互変異性が可能である溶液において、互変異性体の化学平衡が存在する。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒、及びpHを含めたいくつかの因子に依存する。互変異性体対のいくつかの例には、
【化5】

が含まれる。
【0081】
「場合による」又は「場合により」は、引き続き記載される事象又は状況が起こり得る、又は起こり得ないことを意味し、記述は、事象又は状況が生じる場合、及び事象又は状況が生じない場合を含むことを意味する。例えば、「場合により置換されているアリール」は、アリール基が置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよいことを意味し、記述は、置換されているアリール基及び置換を有さないアリール基の両方を含んでいる。
【0082】
「薬学的に許容される塩」は、酸付加塩及び塩基付加塩の両方を含む。本明細書に記載するアルコキシフェニル連結しているアミン誘導体化合物のあらゆる1つの薬学的に許容される塩は、あらゆる全ての薬学的に適する塩形態を包含するものとされる。本明細書に記載する化合物の好ましい薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される酸付加塩及び薬学的に許容される塩基付加塩である。
【0083】
「薬学的に許容される酸付加塩」は、生物学的又は別の方法で望ましくないわけではない、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸などの無機酸と形成される、遊離塩基の生物学的有効性及び性質を保持している塩を意味する。脂肪族モノカルボン酸及びジカルボン酸、フェニル置換されているアルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカンジオン酸(alkanedioic acid)、芳香族酸、脂肪族及び芳香族のスルホン酸などの有機酸と形成される塩も含まれ、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などが含まれる。したがって、例示の塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などが含まれる。アミノ酸の塩、例えば、アルギン酸塩、グルコン酸塩、及びガラクツロン酸塩も企図される(例えば、その全文が参照によって本明細書に組み入れられる、Berge S.M.ら、「製薬用の塩(Pharmaceutical Salts)」、Journal of Pharmaceutical Science、66巻、1〜19頁(1997年)を参照されたい)。塩基性化合物の酸付加塩は、遊離塩基形態を十分量の所望の酸と接触させて、当業者には馴染みのある方法及び技術にしたがって塩を生成することによって調製されてよい。
【0084】
「薬学的に許容される塩基付加塩」は、生物学的又は別の方法で望ましくないわけではない、遊離酸の生物学的有効性及び性質を保持している塩を意味する。これらの塩は、無機塩基又は有機塩基を遊離酸に加えることから調製される。薬学的に許容される塩基付加塩は、アルカリ及びアルカリ土類金属、又は有機アミンなどの金属又はアミンと形成されてよい。無機塩基に由来する塩には、それだけには限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などが含まれる。有機塩基に由来する塩には、それだけには限定されないが、1級、2級、及び3級アミンの塩、天然に存在する置換されているアミンを含めた置換されているアミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、エチレンジアニリン、N−メチルグルカミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などが含まれる。Bergeら、上述を参照されたい。
【0085】
「非レチノイド化合物」は、レチノイドではないあらゆる化合物を意味する。レチノイドは、トリメチルシクロヘキセニル環及び極性の末端基を終わりとするポリエン鎖を有するジテルペン骨格を有する化合物である。レチノイドの例には、レチナールデヒド及び派生するイミン/ヒドラジド/オキシム、レチノール及びあらゆる派生するエステル、レチニルアミン及びあらゆる派生するアミド、レチノイン酸及びあらゆる派生するエステル又はアミドが含まれる。非レチノイド化合物は、内部の環状基(例えば、芳香族基)を含むことができるが、内部の環状基を必要としない。非レチノイド化合物は、アルコキシフェニル連結しているアミノ基を含有することができるが、アルコキシフェニル連結しているアミノ基を必要としない。
【0086】
本明細書で用いられる「処置(treatment)」、又は「処置する(treating)」、又は「緩和する(palliating)」、又は「回復させる(ameliorating)」は、本明細書において交換可能に用いられる。これらの語は、それだけには限定されないが、治療的利点及び/又は予防的利点を含めた有益な、又は所望の結果を得るための取組みを意味する。「治療的利点」は、根底をなす、処置されている障害の根治又は回復を意味する。また、治療的利点は、根底をなす障害に付随する1つ又は複数の生理学的症状の根治又は回復とともに実現され、そのため、患者が根底をなす障害に依然として罹患している可能性があるにもかかわらず患者において改善が観察される。予防的利点のために、組成物を、特定の疾患を発症する危険のある患者に、又は疾患の1つ若しくは複数の生理学的症状を報告する患者に、この疾患の診断がなされない可能性があっても投与することができる。
【0087】
「プロドラッグ」は、生理学的条件下、又は加溶媒分解によって、本明細書に記載する生物学的に活性な化合物に変換され得る化合物を示すことを意味する。したがって「プロドラッグ」の語は、薬学的に許容される、生物学的に活性な化合物の前駆物質を意味する。プロドラッグは対象に投与するときに不活性であり得るが、in vivoで、例えば加水分解によって活性な化合物に変換される。プロドラッグ化合物は、哺乳動物の生物体において、溶解性、組織適合性、又は放出の遅延の利点をもたらすことが多い(例えば、Bundgard,H.、プロドラッグのデザイン(Design of Prodrugs)(1985年)、7〜9頁、21〜24(Elsevier、Amsterdamを参照されたい)。
【0088】
プロドラッグの考察は、両方とも全文が本明細書に参照によって組み入れられる、Higuchi,T.ら、「新規な送達系としてのプロドラッグ(Pro−drugs as Novel Delivery Systems)」、A.C.S.Symposium Series、14巻、及び「薬物デザインにおけるバイオリバーシブル担体(Bioreversible Carriers in Drug Design)」Edward B.Roche編集、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987年によって示されている。
【0089】
「プロドラッグ」の語は、このようなプロドラッグを哺乳動物の対象に投与した場合にin vivoで活性な化合物を放出する、あらゆる共有結合している担体を含むことも意味する。活性な化合物のプロドラッグは、本明細書に記載する通り、修飾が定法の操作又はin vivoのいずれかで切断されて活性な親化合物になるように、活性な化合物に存在する官能基を修飾することによって調製することができる。プロドラッグは、活性な化合物のプロドラッグを哺乳動物対象に投与する場合、切断されて、遊離のヒドロキシ基、遊離のアミノ基、又は遊離のメルカプト基を形成する、それぞれヒドロキシ基、アミノ基、又はメルカプト基があらゆる基に結合している化合物を含む。プロドラッグの例には、それだけには限定されないが、活性な化合物などにおける、アルコール又はアミンの官能基の、アセテート、ホルメート、及びベンゾエート誘導体が含まれる。
【0090】
本発明の化合物
一実施形態は、
【化6】

から選択される化合物、又はその互変異性体、立体異性体、幾何異性体、薬学的に許容される溶媒和物、水和物、塩、多形、N−オキシド若しくはプロドラッグを提供する。
【0091】
本方法の組成物
一実施形態は、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、幾何異性体若しくは薬学的に許容される溶媒和物、水和物、塩、多形、N−オキシド若しくはプロドラッグを投与することを含む、眼科疾患又は障害を処置する方法を提供する。
【化7】

[式中、
Zは、結合、−C(R)(R)−、−C(R)(R10)−C(R)(R)−、−X−C(R31)(R32)−、−C(R)(R10)−C(R)(R)−C(R36)(R37)−、又は−X−C(R31)(R32)−C(R)(R)−であり、
及びRは、各々独立に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、フルオロアルキル、−OR若しくは−NRから選択され、又はR及びRは一緒になってオキソを形成し、
31及びR32は、各々独立に、水素、C〜Cアルキル、又はフルオロアルキルから選択され、
36及びR37は、各々独立に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、フルオロアルキル、−OR若しくは−NRから選択され、又はR36及びR37は、一緒になってオキソを形成し、又は場合により、R36及びRは、一緒になって直接結合を形成して二重結合を提供し、又は場合により、R36及びRは、一緒になって直接結合を形成し、R37及びRは一緒になって直接結合を形成して三重結合を提供し、
及びRは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル又はC−結合ヘテロシクリルから選択され、又はR及びRは、これらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボシクリル若しくはヘテロシクリルを形成し、又はR及びRは一緒になってイミノを形成し、
は、C〜C15アルキル、カルボシクリルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル又はヘテロシクリルアルキルであり、
及びRは、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−C(=O)R13、SO13、CO13若しくはSONR2425から選択され、又はR及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
Xは、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−、−N(R30)−、−C(=CH)−、−C(=N−NR35)−、又は−C(=N−OR35)−であり、
及びR10は、各々独立に、水素、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、−OR19、−NR2021若しくはカルボシクリルから選択され、又はR及びR10はオキソを形成し、又は場合により、R及びRは一緒になって直接結合を形成して二重結合を提供し、又は場合により、R及びRは、一緒になって直接結合を形成し、R10及びRは一緒になって直接結合を形成して三重結合を提供し、
11及びR12は、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、−C(=O)R23、−C(NH)NH、SO23、CO23若しくはSONR2829から選択され、又はR11及びR12は、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
13、R22及びR23は、各々独立に、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、カルボシクリル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルから選択され、
、R19、R30、R34及びR35は、各々独立に、水素又はアルキルであり、
20及びR21は、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−C(=O)R22、SO22、CO22若しくはSONR2627から選択され、又はR20及びR21は、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
24、R25、R26、R27、R28及びR29は、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル又はヘテロシクリルから選択され、
33は、各々独立に、ハロゲン、OR34、アルキル、又はフルオロアルキルから選択され、
nは、0、1、2、3、又は4である]。
【0092】
別の一実施形態は、式(I)の化合物が式(II)の構造を有する方法を提供する
【化8】

[式中、
及びRは、各々独立に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、フルオロアルキル、−OR若しくは−NRから選択され、又はR及びRは一緒になってオキソを形成し、
及びRは、各々独立に、水素又はアルキルから選択され、又はR及びRは一緒になってイミノを形成し、
及びRは、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル若しくは−C(=O)R13から選択され、又はR及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
及びR10は、各々独立に、水素、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、−OR19、−NR2021若しくはカルボシクリルから選択され、又はR及びR10は一緒になってオキソを形成し、
11及びR12は、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル若しくは−C(=O)R23から選択され、又はR11及びR12は、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
13、R22及びR23は、各々独立に、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、カルボシクリル、ヘテロアリール又はヘテロシクリルから選択され、
、R19及びR34は、各々独立に、水素又はアルキルであり、
20及びR21は、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、−C(=O)R22から選択され、又はR20及びR21は、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
24、R25、R26、R27、R28及びR29は、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル又はヘテロシクリルから選択され、
14及びR15は、各々独立に、水素又はアルキルから選択され、
16及びR17は、各々独立に、水素、C〜C13アルキル、ハロ若しくはフルオロアルキルから選択され、又はR16及びR17は、これらが結合している炭素と一緒になってカルボシクリルを形成し、
33は、各々独立に、ハロゲン、OR34、アルキル、又はフルオロアルキルから選択され、
nは0、1、2、3、又は4であり、
18は、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ又はフルオロアルキルから選択される]。
【0093】
別の一実施形態は、式(II)の化合物が、R及びRは、各々独立に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、若しくは−ORから選択され、R及びR10は、各々独立に、水素、ハロゲン、アルキル、若しくは−OR19から選択され、又はR及びR10は一緒になってオキソを形成し、R及びR19は、各々独立に、水素又はアルキルであり、R16及びR17は、これらが結合している炭素と一緒になってカルボシクリルを形成し、R18は、水素、アルコキシ、又はヒドロキシから選択されるとさらに規定される方法を提供する。
【0094】
別の一実施形態は、式(II)の化合物が、R16及びR17は、これらが結合している炭素と一緒になってシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はシクロオクチルを形成し、R18は水素又はヒドロキシであるとさらに規定される方法を提供する。
【0095】
別の一実施形態は、式(II)の化合物が(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールである方法を提供する。
【化9】
【0096】
別の一態様は、非レチノイド化合物、又はその互変異性体、立体異性体、幾何異性体、薬学的に許容される溶媒和物、水和物、塩、多形、N−オキシド若しくはプロドラッグが、
【化10】

からなる群から選択される、非レチノイド化合物を投与することを含む眼科疾患又は障害を処置するための方法である。
【0097】
処置方法
一態様は、非レチノイド化合物の投与を含み、前記非レチノイド化合物を投与して約12時間後から約48時間後に約5%から約55%までの正規化網膜電図応答をもたらす、眼科疾患又は障害を処置する方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が約5%から約15%までである方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が約15%から約25%までである方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が約25%から約35%までである方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が約35%から約55%までである方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約12時間後から約16時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約2時間後から約12時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約16時間後から約20時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約20時間後から約24時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約24時間後から約30時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約30時間後から約36時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約36時間後から約42時間後に決定される方法である。別の一態様は、正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約42時間後から約48時間後に決定される方法である。
【0098】
一態様は、単回投与量の非レチノイド化合物を投与することを含み、2日目よりも1日目において大きな正規化網膜電図応答をもたらす、眼科疾患又は障害を処置する方法である。別の一態様は、非レチノイド化合物を投与することを含み、単回投与量を投与した後1日目よりも2日目において大きな治療応答をもたらす、眼科疾患又は障害を処置する方法である。別の一態様は、治療応答が網膜電図によって決定される方法である。
【0099】
一態様は、非レチノイド化合物を投与することを含み、前記非レチノイド化合物の血漿濃度が0.3Cmaxに減少した後約4時間から約36時間までの期間に約50%未満の正規化網膜電図応答をもたらす、眼科疾患又は障害を処置する方法である。
【0100】
図1は、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量の投与後時間に対する血漿濃度の線形目盛のグラフを示し、このように式(I)のこの化合物が広範囲の投与量にわたって経口で生物学的に利用可能であり、約4時間のCmax及び約6〜7時間のt1/2を有することを指摘している。
【0101】
図2は、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量の投与後時間に対する血漿濃度の対数目盛のグラフを示す。
【0102】
図3は、ベースライン(薬物処置なし)と比較した、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量の投与後1、2、及び7日目の、網膜照射時間に対する単一患者ERG応答を示す。図3(a)は20mg投与量、図3(b)は40mg投与量、図3(c)は60mg投与量に対するものである。1日目及び2日目に対するEGRの決定は、それぞれ投与4時間後及び24時間後に行った。EGRの決定は、2日目(投与24時間後)に顕著な薬力学的効果があり、これは7日目までに沈静化することを明らかに指摘していた。図1及び2において提供する血中レベルの比較は、血中に化合物がほとんどない薬力学的効果を指摘している。
【0103】
図4は、ベースライン(薬物処置なし)と比較した、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量の投与後1日目(投与4時間後)の、網膜照射時間に対する正規化ERG応答を示す。試験した投与量は、20mg、40mg、60mg、及び75mgである。図5は、ベースライン(薬物処置なし)と比較した、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量の投与後2日目(投与24時間後)の、網膜照射時間に対する正規化ERG応答を示す。試験した投与量は、20mg、40mg、60mg、及び75mgである。図4図5を比較すると、薬理学的効果は1日目よりも2日目においてより顕著であることが指摘される。図1及び2に提供する血中レベルの比較は、血中に化合物がほとんどから全くない薬力学的効果を指摘している。
【0104】
図6は、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量に対して、網膜照射30分後の正規化ERG応答の阻害率を比較した表である。1日目の測定値は投与4時間後、2日目の測定値は投与24時間後に得たものであった。図4図5に対する比較に対して、阻害率%=(100−正規化EGR応答)であることに留意されたい。
【0105】
図7は、ベースライン(薬物処置なし)と比較した、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量75mgの投与後1日目(投与4時間後)、2日目(投与24時間後)、4日目、及び7日目の、網膜照射時間に対する正規化ERG応答を示す。図7に示すデータは、1日目よりも2日目において薬力学的効果は大きいが、4日目までに沈静化することを指摘している。
【0106】
図8は、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの単回経口投与量75mgの投与後時間の長さに対して、網膜照射30分後の正規化ERG応答の阻害率を比較した表である。1日目の測定値は投与4時間後に得、2日目の測定値は投与24時間後に得た。図8は、図7において示したデータを表にまとめたものである。図6に対する比較は、阻害率%=(100−正規化EGR応答)であることに留意されたい。
【0107】
投与計画
一実施形態において、眼科疾患又は障害を処置するために投与すべき非レチノイド視覚サイクルモジュレーターの投与量を決定する方法であって、単回投与量の前記非レチノイド視覚サイクルモジュレーターを投与して約12時間から約48時間後に正規化網膜電図応答を決定することを含む方法を提供する。
【0108】
別の一態様は、本明細書に記載する眼科疾患及び障害を処置するための投与計画(例えば、1日あたりの投与回数)である。一実施形態において、化合物を1日1回毎日投与し(およそ同じ時間に投与する化合物の複数のサブドーズ(sub−dose)を含む)、別の一実施形態において、化合物を2日毎に1回投与し(およそ同じ時間に投与する化合物の複数のサブドーズを含む)、別の一実施形態において、化合物を3日又はそれを超えた毎に1回投与する(およそ同じ時間に投与する化合物の複数のサブドーズを含む)。
【0109】
別の一態様は、本明細書に記載する眼科疾患及び障害を処置するための投与計画(例えば、その後の投与の投与量間の変動)である。一実施形態において、1日目に、化合物を、翌日投与する投与量レベルの2倍投与する(例えば、負荷投与量)。別の一実施形態において、1日目に、化合物を、翌日投与する投与量レベルの3倍投与する。
【0110】
別の一態様は、本明細書に記載する眼科疾患又は障害を処置するための投与計画(例えば、化合物を投与する1日の中の時間)である。一実施形態において、化合物を朝に投与し、別の一実施形態において、化合物を夕方投与し、別の一実施形態において、化合物を起床時に投与し、別の一実施形態において、化合物を就寝前に投与する。一実施形態において、化合物を、徐放製剤として夕方投与する。一実施形態において、化合物を、徐放製剤として夕方就寝前に投与する。別の一実施形態において、化合物を食前に、或いは食間に、或いは食直後に投与する。いくつかの実施形態において、このような食事は朝食であり、他の実施形態においてこのような食事は昼食であり、さらに他の実施形態において、この食事は正餐/夕食である。
【0111】
一態様において、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの一日量は約4mgから約100mgである。別の一態様において、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの一日量は約5mg、約7mg、約15mg、約20mg、約40mg、約60mg、約75mg、及び約100mgである。別の一態様において、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの一日量は約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、及び約400mgである。
【0112】
休薬期間
ある状況において、眼科疾患及び障害を処置する技術分野における熟練した医師であれば、式(I)の化合物の投与を、場合により、一時的に中止し、或いは投与量を低減して休薬期間を設けることができる。一実施形態は、約3カ月の連続毎日投与から約12カ月の連続毎日投与までの後に休薬期間を含む、眼科疾患又は障害を処置するための投与計画を提供する。別の一実施形態は、休薬期間が約3日から約21日までの期間である、休薬期間を含む眼科疾患又は障害を処置するための投与計画を提供する。患者の状態の改善が生じた後は、適宜維持量を投与する。引き続き、投与量若しくは投与頻度、又はその両方を、症状の関数として、疾患、障害、又は状態の改善が保持されるレベルに低減することができる。
【0113】
徐放製剤
一実施形態において、血漿Tmaxが投与12時間後に観察される、式(I)の化合物を含む眼科疾患又は障害を処置するための徐放固体製剤を提供する。別の一実施形態において、血漿Tmaxは投与10時間後に観察される。別の一実施形態において、血漿Tmaxは投与14時間後に観察される。
【0114】
放出の遅れをもたらし、したがって血漿Tmaxの遅れをもたらす徐放製剤は、医薬品配合及び製剤の当業者には知られている。本明細書に記載する徐放医薬製剤は、式(I)の化合物を含有するコア、並びに前記コアを取り囲む、撥水性の塩、及び水不溶性でわずかに水浸透性の、トリメチルアンモニウムエチル基を有するアクリルポリマーを含有するコーティング層を含んでいる。所望により、エチルセルロース、又はヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つの材料の別のコーティング層が、前記コーティング層の周囲に提供されてよい。
【0115】
本出願において、分子中にトリメチルアンモニウムエチル基を有する、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどのポリマーを、コーティング層を構成する水不溶性でわずかに水浸透性のアクリルポリマーとして用いてもよい。例えば、他の中性アクリルモノマー1モルあたり約0.025モルから約0.033モルのβ−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドを含有する、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、及びβ−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの共重合体を用いるのが好ましい。このような共重合体は、Rohm Pharma、ドイツなどから「Eudragit RS」の登録商標の下で市販されている。上記で記載したポリマーは、例えば、少量の水浸透性ポリマーを含有していてよい。このような共重合体は、例えば、Rohm Pharma、ドイツなどから「Eudragit RL」の登録商標の下で市販されている。
【0116】
アクリルポリマーのコーティング層の周囲に提供される別のコーティング層の材料であるエチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースとして、例えば、約46.5%から約51.0%のエトキシ基を含有するエチルセルロース、約53.4%から約77.5%のヒドロキシプロポキシ基を含有するヒドロキシプロピルセルロースなどを用いるのが適切であり得る。
【0117】
アクリルポリマーとともにコーティング層を構成する撥水性の塩として、高級脂肪酸とアルカリ土類金属との塩を用いるのが好ましい。塩の例として、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどがある。
【0118】
一実施形態は、コーティング層中に、約0.5重量部から約5重量部の割合の、上記で言及したアクリルポリマー及び撥水性の塩を提供する。別の一実施形態は、コーティング層中に、約1.5重量部から約4.5重量部の割合の、上記で言及したアクリルポリマー及び撥水性の塩を提供する。別の一実施形態は、コーティング層中に、撥水性の塩の1重量部あたりに含有されるアクリルポリマーの約2重量部から約4重量部の割合の、上記で言及したアクリルポリマー及び撥水性の塩を提供する。
【0119】
コア用のコーティング層の量は、コアの形態又はサイズに依存する。用いられるコーティング層の量が単位重量あたりの表面積の増大、即ちコアの粒子サイズの低減に応じて増大するのが好ましい。例えば、平均粒子サイズが約500マイクロメートルから約1000マイクロメートルである球状粒子の場合は、コーティング層の量は、コアの重量をベースにして、約5%から約80%、好ましくは約7%から約50%であり、とりわけ約8%から約30%であるのが好ましい。
【0120】
本出願において、コーティングされるコアの形態は特に限定されず、素錠、丸剤、顆粒剤、及び細粒剤などの様々な形態を用いるのが適切であり得る。平均粒子サイズが約300マイクロメートルから約5000マイクロメートル、とりわけ約500マイクロメートルから約1500マイクロメートルである顆粒化されたコアが用いられ得る。
【0121】
さらに、賦形剤、結合剤、滑沢剤、凝集防止剤、及び可溶化剤などの様々な添加剤がコア中に含有されていてよい。
【0122】
賦形剤の例として、ショ糖、ラクトース、マンニトール、及びグルコースなどの糖、デンプン、結晶セルロース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウムなどがある。粒子サイズを調節するための担体の例として、ショ糖、ラクトース、デンプン、結晶セルロースなどがある。結合剤の例として、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルピロリドン、グルコース、ショ糖、ラクトース、マルトース、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、マクロゴール、アラビアゴム、ゼラチン、寒天、デンプンなどがある。滑沢剤の例として、ステアリン酸、タルクなどがある。凝集防止剤の例として、上記に記載した滑沢剤、二酸化ケイ素(silicone dioxide)、コロイド状二酸化ケイ素(colloidal silicone dioxide)などがある。可溶化剤の例として、フマル酸、コハク酸、及びリンゴ酸などの有機酸がある。
【0123】
本発明の医薬製剤は、式(I)の化合物を含有するコアを、トリメチルアンモニウムエチル基を有する、水不溶性で、わずかに水浸透性のアクリルポリマー、及び撥水性の塩の分散物でコーティングすることによって調製することができる。コアの調製は、例えば、レミントンの製薬科学(Remingtons Pharmaceutical Sciences)、17巻、1603〜1632頁、1633〜1643頁(Mack Publishing Company、1985年出版)に記載されている通り、調製のための通常の手順にしたがって行うことができる。例えば、コアは、医薬化合物、結合剤、及び賦形剤などの他の添加剤の組成物を、顆粒を得るための湿式振盪造粒、回転造粒、流動床造粒などの方法にしたがって造粒することによって調製することができる。或いは、例えば、粒子サイズを調節するための担体を用いてコアを調製してもよく、この場合、球状に造粒された担体が、コアを得るためのパウダーコーティング法などの通常の方法にしたがって式(I)の化合物でコーティングされ得る。パウダーコーティングは、例えば、回転造粒、パンコーティング、流動床コーティングなどの方法にしたがって、結合剤を、水、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、若しくはブタノール)、低級アルカノン(例えば、アセトン、若しくはメチルエチルケトン)、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、又はこれらの混合物などの適切な溶媒中に溶解することによって得た溶液を、コアとなる担体粒子上にスプレーして式(I)の化合物及び賦形剤などの適切な添加剤を徐々に加えることによって行うことができる。
【0124】
このようにして得られたコアに対するコーティングは、撥水性の塩及びアクリルポリマーの分散物をコアに接着させ、引き続き乾燥することによって行うことができる。
【0125】
上記で言及したコーティング層の成分に対する分散媒体として、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、又はプロパノール)、ケトン(例えば、アセトン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、メチレンクロリド、又はクロロホルム)、これらの混合物などが例として挙げられる。水、アルコール、又はこれらの混合液が好ましく、エタノール、又はエタノールと水の混合液がとりわけ好ましい。
【0126】
コーティングは、流動床コーティング法又はパンコーティング法などの調製のための当分野において一般的に用いられる方法にしたがって行うことができる。例えば、流動床コーティング法の場合は、以下のようにコーティングを行うことができる。空気圧によって装置中にコアを流動化し、これらを撥水性の塩及びアクリル酸ポリマーの水性分散液で、スプレーガンのノズルから適切な速度でスプレーコーティングする。
【0127】
撥水性の塩及びアクリルポリマーの分散液中の濃度は特に限定されないが、これらの成分を、約5重量%から約40重量%の濃度となる、両化合物の好ましい比率の上記で言及した範囲内で加えるのが好ましい。さらに、可塑剤、着色剤などが分散液中に含有されていてよい。可塑剤として、例えば、トリアセチン、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、フタル酸ジエチル、ポリエチレングリコール、ポリソルベートなどを用いるのが適切であり得る。用いる可塑剤の量は、アクリルポリマーの重量をベースにして約5重量%から約40重量%であるのが好ましい。
【0128】
このようにして得られたコーティング層の乾燥は、例えば、約35℃から約100℃、とりわけ約40℃から約70℃に加熱することによって、容易に行うことができる。
【0129】
このようにして得られた本発明の徐放医薬製剤は、そのままで、又はカプセル中に充填されている形態で投与することができる。
【0130】
本明細書に記載する徐放医薬製剤は、わずかに水浸透性のアクリルポリマーのコーティング層のために、以下の特徴を有する。即ち、式(I)の化合物は、コーティング層の量に応じたある期間の後のみ、調製物から速やかに溶解する。式(I)の化合物の溶解が始まるまでの時間は、コーティング層の量を変えることによって任意に調節することができる。
【0131】
眼科疾患又は障害
一実施形態において、眼科疾患又は障害は、網膜剥離、出血性網膜症、網膜色素変性症、錐体−杆体ジストロフィー、ソーズビー眼底ジストロフィー、視神経症、炎症性網膜疾患、糖尿病性網膜症、糖尿病黄斑症、網膜血管閉塞、未熟児網膜症、虚血再灌流に関連する網膜損傷、増殖性硝子体網膜症、網膜ジストロフィー、遺伝性視神経症、ソーズビー眼底ジストロフィー、ぶどう膜炎、網膜損傷、アルツハイマー病に付随する網膜障害、多発性硬化症に付随する網膜障害、パーキンソン病に付随する網膜障害、ウイルス感染に付随する網膜障害、光への過剰曝露に関連する網膜障害、近視、及びAIDSに付随する網膜障害から選択される。別の一実施形態において、眼科疾患又は障害は加齢黄斑変性又はスタガルト黄斑変性である。さらなる一実施形態において、眼科疾患又は障害は乾燥加齢黄斑変性である。さらなる一実施形態において、眼科疾患又は障害は糖尿病性網膜症である。
【実施例】
【0132】
(例1)
安全性及び薬力学的効果のフェーズ1A試験
暗順応網膜電図(ERG)によって測定する、単回経口投与量の(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの安全性及び薬力学的効果を決定するための、単一施設無作為化二重目隠しプラセボ対照投与量増加フェーズ1A試験を行った。試験参加者は、55歳から80歳の男女の体重50kgと110kgの間の健康志願者であった。主な除外基準として、他の眼科状態(例えば、白内障、緑内障、ぶどう膜炎、糖尿病性網膜症、活動性結膜炎)、慢性の薬物療法の処方における前28日以内の変更、前年以内にレチノイド化合物での処置、クエン酸シルディナフィル、タダラフィル、又はクエン酸バルデナフィルでの前週以内の処置、又は催眠薬、抗不安薬、精神賦活物質、ジギタリス配糖体、L−ドーパ、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、全身性コルチコステロイド、局所的抗緑内障薬物療法、又は湿潤型AMDの処置のための薬物療法との併用処置が含まれる。8コホートを、薬物:プラセボ/5:1に無作為化し、2mg、7mg、10mg、2×20mg、40mg、60mg、及び75mgの投与量コホートに割り当てた。血漿濃度対時間を決定し、図9に示す。最大血漿濃度(Cmax)は、投与量の増大とともに直線的に増大した。試験化合物は消化管から速やかに吸収され、Cmaxを達成する時間の中央値は約4時間であった。最終排泄相の半減期(t1/2)の平均は、全投与量にわたって4〜6時間であった。
【0133】
図10において概要する通り、ERG試験を、投与前、投与4〜6時間後(1日目ERG)、投与24時間後(2日目ERG)、任意選択で4日目、及び7日目(投与144時間後)に行った。2日目ERGの応答曲線を図11に示す。プラセボを投与した患者では、幅における急速な上昇があり、応答は20分までに90%回復した。(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールを投与した患者では、明白な投与量に関連する回復速度の緩徐化が存在し、即ち、回復機能の勾配は投与量を増加するとより遅くなった。最高の投与量では、60分後に幅は依然としてベースライン応答の10%未満であった。プラセボ、10mg、及び20mg群では脱色前(pre−bleach)の幅は処置前の値と区別できず、即ち、40分の暗順応は前処置の暗順応値に匹敵するERGを生成するのに十分であった。40mg投与量では、脱色前の幅は、処置前の暗順応した幅の50%未満であり、即ち通常の室内光線に曝露後40分の暗順応は通常の暗順応した幅を生成するのに十分ではなかった。投与量が高いほど脱色前の幅に累進的により影響を及ぼし、75mg投与量では幅はベースラインの11%であった。1〜7日目にわたるコホート3〜8からのERGデータの概略を図12に示す。
【0134】
2日目に判定した錐体応答曲線を図13に示す。桿状体の幅と異なり、錐体の幅は、全ての投与量に対して前処置の幅の20%以内に留まる。40mg及びそれより高い投与量では、夜間視の顕著な欠損を引き起こすことがある。(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールが、明順応(明所視)状態における感受性に対して検出できる効果を有するという証拠は存在しない。
【0135】
(例2)
乾燥型加齢黄斑変性の処置
乾燥型加齢黄斑変性と診断された個体を、5mg経口投与量の(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールで、毎朝起床時に処置する。2、4、6、8、12、18、24、及び30日目に個体に網膜電図測定を受けさせて処置応答を評価し、暗順応の遅れ及び色盲、並びに全身性有害効果の場合に個体をモニタリングする。
【0136】
(例3)
徐放製剤の調製
直径350マイクロメートルから500マイクロメートルのノンパレイル(顆粒化ショ糖)(80g)を遠心流動型造粒及びコーティング装置中に入れ、これに、水とエタノール(3:2)の混合液(640g)中に溶解したポリビニルピロリドン(20g)の溶液をスプレーしながら、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの細粒(900g)を徐々に加える。したがって、ノンパレイルはその表面周囲に(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールがコーティングされ、単味の顆粒として得られる。この単味顆粒を、Eudragit RS30部、ステアリン酸カルシウム10部、及びクエン酸トリエチル3部を含有する溶液でスプレーコーティングして、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールを含有する徐放薬剤を得る。
【0137】
本発明の好ましい実施形態を示し、本明細書に記載してきたが、当業者であれば、このような実施形態は例示のみによって示されることは明らかである。多数の変形、変更、及び代替は、当業者には、本発明から逸脱することなしにいまや生じるであろう。本明細書に記載する本発明の実施形態に対する様々な代替が、本発明を実践するのに用いることができることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定し、これら特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内の方法及び構成がそれによって網羅されるものとされる。
【0138】
(例4)
健康対象における単回25mg経口投与量の(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オール後の、フェーズ1オープンラベル無作為化2方向クロスオーバー食事効果及び薬物動態パイロット試験
目的
本試験の目的は、
1.正常健康対象における、単回経口投与量の(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの薬物動態(PK)に対する食事の効果を決定すること、及び
2.正常健康対象における、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの安全性をさらに評価すること
であった。
【0139】
試験デザイン
これは、絶食条件下(10時間絶食)又は摂食条件下(標準の食品医薬品局(FDA)高脂肪朝食後)いずれかの12人の健康な男女対象において行った、オープンラベル無作為化2方向クロスオーバー食事効果及びPK試験であった。
【0140】
計画及び分析した対象
対象12人が試験に登録し、試験を完了し、安全性及びPKの分析に含まれた。
【0141】
診断及び適格基準
対象は、男性又は女性、年齢25歳と55歳の間(25歳、55歳を含める)、体重指数(BMI)は18.5kg/mと32.0kg/mの間、非喫煙者であり、病歴、身体検査、12誘導心電図(ECG;正常限界以内)、臨床検査結果、及び外観状態の試験の結果に基づき健康であった。
【0142】
試験生成物、投与量、経路、ロット番号
対象に、統計的な無作為化計画にしたがったクロスオーバーデザインにおいて、およそ10時間の絶食後、及び標準のFDA高脂肪朝食後、単回経口投与量の25mg(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールを、室温の水240mLと一緒に投与した。
【0143】
評価基準
薬物動態:
各対象に対して、可能な場合には、非コンパートメント法を用いて、以下のPKパラメータを計算した。
max 血漿濃度で観察された最大値
max 最大血漿濃度までの時間
AUC0−t 線形アップ/対数ダウン(linear up/log down)台形ルールによって計算した、時間0から測定可能な最終の血漿濃度からの、血漿濃度−時間曲線下の面積
AUC0−∞ 式:
【数1】

[式中、Cは測定可能な最終の血漿濃度であり、λは見かけの末期の速度定数である]
を用いて計算した、無限大まで外挿した血漿濃度−時間曲線下の面積
λ 見かけの末期の速度定数であり、この場合、λは末期間の対数濃度対時間プロファイルの直線回帰の勾配の大きさである
1/2 見かけの最終排泄相半減期(可能である場合)であり、この場合、t1/2=(ln2)/λである
CL/F 投与量/血漿中AUC0−∞として計算した、見かけの経口クリアランス
【0144】
薬物動態の計算は、市販のソフトウエアであるWinNonlin(Pharsight Corporation、バージョン5.2)を用いて行った。薬物動態分析は、Case Report Form上に記録された実際の時間を用いた。PK分析には、プロファイル開始時の数量化のレベル下(BLQ)の濃度値を0に設定し、あらゆる埋め込まれたBLQ(数量化可能な2つの濃度の間)又はプロファイル終了時のBLQをないものと設定した。
【0145】
安全性:
安全性の手順には、有害事象(AE)評価、12誘導ECG、バイタルサイン、身体検査、及び臨床検査評価が含まれた。
【0146】
統計学的方法
全般:
PK及び安全性データにデータの列挙を提供する。適用可能な場合には、概要の統計をデータに提供した。スクリーニング時又はチェックイン時のみに収集された対象の適格性データは表にまとめなかった。データ分析は、Statistical Analysis Software(SAS(登録商標))バージョン9.1を用いて行った。
【0147】
薬物動態:
記述統計(平均値、標準偏差[SD]、及び変動係数[CV])を、PKパラメータに対して計算した。統計は全て非調整値として報告する。絶食又は摂食状態下(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの投与後の、個々のCmax、AUC0−t、及びAUC0−∞をグラフに表す。
【0148】
安全性:
記述統計を、安全性データに対して計算した。推計統計学分析は計画又は実施しなかった。
【0149】
薬物動態の結果
試験処置Bにおける、(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの高脂肪食との投与は、非調整の平均値をベースにして、基準処置Aにおける絶食条件と比べて、Cmax、AUC0−t、及びAUC0−∞を、平均でそれぞれ9.0%、12.0%、及び13.0%上昇させた。
【0150】
安全性の結果
全体で、AE47件が12人の対象によって報告され、AE26件がPeriod1で、AE21件がPeriod2で報告された。AE24件が絶食状態における(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの投与後に報告され、AE23件が摂食状態における(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの投与後に報告された。全体的に発生率が最も多く報告されたAEは色視症であった。本試験における12人の対象全員が、色視症、視力障害、かすみ目、及びトンネル視を含めた目の障害の器官別大分類における少なくとも1件のAEを報告した。
【0151】
報告されたAEは全て重症度が軽度であった。報告されたAEの試験薬物に対する関連性は、非関連のAE1件、関連する可能性のあるAE4件、及びおそらく関連するAE42件であった。本試験の間に死亡又はSAE、及び試験の中断をもたらすAEは存在しなかった。AEは全て、試験終了時まで処置なしで回復した。
【0152】
本試験に対する臨床検査評価、バイタルサイン測定、身体検査、又は12誘導ECGから、臨床上重要な変化又は所見は認められなかった。
全体に、臨床上の安全性評価における変化は顕著ではなかった。
【0153】
結論
試験処置Bにおける(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールの食事との投与は、非調整の平均値をベースにして、基準処置Aにおける絶食条件と比べて、Cmax、AUC0−t、及びAUC0−∞を、平均でそれぞれ9.0%、12.0%、及び13.0%上昇させた。
【0154】
単回経口投与量の25mg(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールは、摂食状態及び絶食状態両方の健康対象に投与した場合、概して、耐容性が良好であった。
本発明は以下の態様にも関する。
[1]
非レチノイド化合物を投与することを含み、前記非レチノイド化合物を投与して約12時間後から約48時間後に約5%から約55%までの正規化網膜電図応答をもたらす、眼科疾患又は障害を処置する方法。
[2]
正規化網膜電図応答が約5%から約15%までである、[1]に記載の方法。
[3]
正規化網膜電図応答が約15%から約25%までである、[1]に記載の方法。
[4]
正規化網膜電図応答が約25%から約35%までである、[1]に記載の方法。
[5]
正規化網膜電図応答が約35%から約55%までである、[1]に記載の方法。
[6]
正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約12時間後から約16時間後に決定される、[1]に記載の方法。
[7]
正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約16時間後から約20時間後に決定される、[1]に記載の方法。
[8]
正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約20時間後から約24時間後に決定される、[1]に記載の方法。
[9]
正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約24時間後から約30時間後に決定される、[1]に記載の方法。
[10]
正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約30時間後から約36時間後に決定される、[1]に記載の方法。
[11]
正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約36時間後から約42時間後に決定される、[1]に記載の方法。
[12]
正規化網膜電図応答が、前記非レチノイド化合物を投与して約42時間後から約48時間後に決定される、[1]に記載の方法。
[13]
単回投与量の非レチノイド化合物を投与することを含み、2日目よりも1日目において大きな正規化網膜電図応答をもたらす、眼科疾患又は障害を処置する方法。
[14]
非レチノイド化合物を投与することを含み、単回投与量を投与した後1日目よりも2日目において大きな治療応答をもたらす、眼科疾患又は障害を処置する方法。
[15]
治療応答が網膜電図によって決定される、[14]に記載の方法。
[16]
非レチノイド化合物を投与することを含み、前記非レチノイド化合物の血漿濃度が0.3Cmaxに減少した後約4時間から約36時間までの期間に約50%未満の正規化網膜電図応答をもたらす、眼科疾患又は障害を処置する方法。
[17]
前記期間が約4時間から約10時間までである、[16]に記載の方法。
[18]
前記期間が約10時間から約16時間までである、[16]に記載の方法。
[19]
前記期間が約16時間から約24時間までである、[16]に記載の方法。
[20]
前記期間が約24時間から約36時間までである、[16]に記載の方法。
[21]
非レチノイド化合物が経口投与される、[1]、[13]、[14]、又は[16]のいずれかに記載の方法。
[22]
非レチノイド化合物が朝に投与される、[1]、[13]、[14]、[16]、又は[21]のいずれかに記載の方法。
[23]
非レチノイド化合物が起床時に投与される、[1]、[13]、[14]、[16]、又は[21]のいずれかに記載の方法。
[24]
非レチノイド化合物が朝の起床時に投与される、[1]、[13]、[14]、[16]、又は[21]のいずれかに記載の方法。
[25]
非レチノイド化合物が、式(I)の化合物、又はその互変異性体、立体異性体、幾何異性体若しくは薬学的に許容される溶媒和物、水和物、塩、多形、N−オキシド若しくはプロドラッグから選択される、[1]、[13]、[14]、[16]、又は[21]から[24]までのいずれかに記載の方法
【化11】

[式中、
Zは、結合、−C(R)(R)−、−C(R)(R10)−C(R)(R)−、−X−C(R31)(R32)−、−C(R)(R10)−C(R)(R)−C(R36)(R37)−、又は−X−C(R31)(R32)−C(R)(R)−であり、
及びRは、各々独立に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、フルオロアルキル、−OR、若しくは−NRから選択され、又はR及びRは一緒になってオキソを形成し、
31及びR32は、各々独立に、水素、C〜Cアルキル、又はフルオロアルキルから選択され、
36及びR37は、各々独立に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、フルオロアルキル、−OR、若しくは−NRから選択され、又はR36及びR37は、一緒になってオキソを形成し、又は場合により、R36及びRは、一緒になって直接結合を形成して二重結合を提供し、又は場合により、R36及びRは、一緒になって直接結合を形成し、R37及びRは一緒になって直接結合を形成して三重結合を提供し、
及びRは、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、又はC−結合ヘテロシクリルから選択され、又はR及びRは、これらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボシクリル若しくはヘテロシクリルを形成し、又はR及びRは一緒になってイミノを形成し、
は、C〜C15アルキル、カルボシクリルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、又はヘテロシクリルアルキルであり、
及びRは、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−C(=O)R13、SO13、CO13、若しくはSONR2425から選択され、又はR及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
Xは、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−、−N(R30)−、−C(=CH)−、−C(=N−NR35)−、又は−C(=N−OR35)−であり、
及びR10は、各々独立に、水素、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、−OR19、−NR2021、若しくはカルボシクリルから選択され、又はR及びR10はオキソを形成し、又は場合により、R及びRは一緒になって直接結合を形成して二重結合を提供し、又は場合により、R及びRは、一緒になって直接結合を形成し、R10及びRは一緒になって直接結合を形成して三重結合を提供し、
11及びR12は、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、−C(=O)R23、−C(NH)NH、SO23、CO23、若しくはSONR2829から選択され、又はR11及びR12は、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
13、R22、及びR23は、各々独立に、アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、カルボシクリル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルから選択され、
、R19、R30、R34、及びR35は、各々独立に、水素又はアルキルであり、
20及びR21は、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−C(=O)R22、SO22、CO22、若しくはSONR2627から選択され、又はR20及びR21は、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
24、R25、R26、R27、R28、及びR29は、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、又はヘテロシクリルから選択され、
33は、各々独立に、ハロゲン、OR34、アルキル、又はフルオロアルキルから選択され、
nは、0、1、2、3、又は4である]。
[26]
式(I)の化合物が式(II)の構造を有する、[25]に記載の方法
【化12】

[式中、
及びRは、各々独立に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、フルオロアルキル、−OR、若しくは−NRから選択され、又はR及びRは一緒になってオキソを形成し、
及びRは、各々独立に、水素、又はアルキルから選択され、又はR及びRは一緒になってイミノを形成し、
及びRは、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、若しくは−C(=O)R13から選択され、又はR及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
及びR10は、各々独立に、水素、ハロゲン、アルキル、フルオロアルキル、−OR19、−NR2021、若しくはカルボシクリルから選択され、又はR及びR10は一緒になってオキソを形成し、
11及びR12は、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、若しくは−C(=O)R23から選択され、又はR11及びR12は、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
13、R22、及びR23は、各々独立に、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、カルボシクリル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルから選択され、
、R19、及びR34は、各々独立に、水素又はアルキルであり、
20及びR21は、各々独立に、水素、アルキル、カルボシクリル、若しくは−C(=O)R22から選択され、又はR20及びR21は、これらが結合している窒素原子と一緒になってN−ヘテロシクリルを形成し、
24、R25、R26、R27、R28、及びR29は、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、フルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、又はヘテロシクリルから選択され、
14及びR15は、各々独立に、水素又はアルキルから選択され、
16及びR17は、各々独立に、水素、C〜C13アルキル、ハロ、若しくはフルオロアルキルから選択され、又はR16及びR17は、これらが結合している炭素と一緒になってカルボシクリルを形成し、
33は、各々独立に、ハロゲン、OR34、アルキル、又はフルオロアルキルから選択され、
nは0、1、2、3、又は4であり、
18は、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、又はフルオロアルキルから選択される]。
[27]
式(II)の化合物が、さらに、
及びRは、各々独立に、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、又は−ORから選択され、
及びR10は、各々独立に、水素、ハロゲン、アルキル、若しくは−OR19から選択され、又はR及びR10は、一緒にオキソを形成し、
及びR19は、各々独立に、水素又はアルキルであり、
16及びR17は、これらが結合している炭素と一緒になってカルボシクリルを形成し、
18は、水素、アルコキシ、又はヒドロキシから選択される
と規定される、[26]に記載の方法。
[28]
式(II)の化合物が、さらに、R16及びR17が、これらが結合している炭素と一緒になって、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はシクロオクチルを形成し、R18は水素又はヒドロキシであると規定される、[27]に記載の方法。
[29]
式(II)の化合物が(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールである、[28]に記載の方法。
[30]
投与量が約4mgから約100mgまでである、[29]に記載の方法。
[31]
投与量が約75mgである、[30]に記載の方法。
[32]
投与量が約60mgである、[30]に記載の方法。
[33]
投与量が約40mgである、[30]に記載の方法。
[34]
投与量が約20mgである、[30]に記載の方法。
[35]
投与量が約7mgである、[30]に記載の方法。
[36]
投与量が約5mgである、[30]に記載の方法。
[37]
非レチノイド視覚サイクルモジュレーターの投与によって眼科疾患又は障害を処置するために投与すべき投与量を決定する方法であって、単回投与量の前記非レチノイド視覚サイクルモジュレーターを投与して約12時間後から約48時間後までに正規化網膜電図応答を決定することを含む方法。
[38]
血漿Tmaxが投与12時間後に観察される、式(I)の化合物を含む眼科疾患又は障害を処置するための徐放固体製剤。
[39]
約3カ月の連続毎日投与から約12カ月の連続毎日投与までの後に休薬期間を含む、眼科疾患又は障害を処置するための投与計画。
[40]
休薬期間が約3日から約21日までの期間である、[39]に記載の投与計画。
[41]
眼科疾患又は障害が、網膜剥離、出血性網膜症、網膜色素変性症、錐体−杆体ジストロフィー、ソーズビー眼底ジストロフィー、視神経症、炎症性網膜疾患、糖尿病性網膜症、糖尿病黄斑症、網膜血管閉塞、未熟児網膜症、虚血再灌流に関連する網膜損傷、増殖性硝子体網膜症、網膜ジストロフィー、遺伝性視神経症、ソーズビー眼底ジストロフィー、ぶどう膜炎、網膜損傷、アルツハイマー病に付随する網膜障害、多発性硬化症に付随する網膜障害、パーキンソン病に付随する網膜障害、ウイルス感染に付随する網膜障害、光への過剰曝露に関連する網膜障害、近視、及びAIDSに付随する網膜障害から選択される、[1]から[40]までのいずれかに記載の方法。
[42]
眼科疾患又は障害が加齢黄斑変性又はスタガルト黄斑変性である、[41]に記載の方法。
[43]
眼科疾患又は障害が乾燥加齢黄斑変性である、[42]に記載の方法。
[44]
眼科疾患又は障害が糖尿病性網膜症である、[41]に記載の方法。
[45]
錐体応答幅が処置前の幅の約10%以内に留まる、[1]、[13]、[14]、又は[16]のいずれかに記載の方法。
[46]
錐体応答幅が処置前の幅の約20%以内に留まる、[1]、[13]、[14]、又は[16]のいずれかに記載の方法。
[47]
錐体応答幅が処置前の幅の約30%以内に留まる、[1]、[13]、[14]、又は[16]のいずれかに記載の方法。
[48]
処置が夜間視の顕著な欠損をもたらさない、[1]、[13]、[14]、又は[16]のいずれかに記載の方法。
[49]
非レチノイド化合物の投与量が、夜間視の顕著な欠損をもたらさないように調節される、[1]、[13]、[14]、又は[16]のいずれかに記載の方法。
[50]
明所視の顕著な喪失をもたらさない、[1]、[13]、[14]、又は[16]のいずれかに記載の方法。
[51]
明所状態における感受性に対して検出可能な効果をもたらさない、[1]、[13]、[14]、又は[16]のいずれかに記載の方法。
[52]
非レチノイド化合物、又はその互変異性体、立体異性体、幾何異性体、薬学的に許容される溶媒和物、水和物、塩、多形、N−オキシド若しくはプロドラッグが、
【化13】

からなる群から選択される、[1]、[13]、[14]、[16]、又は[21]から[24]までのいずれかに記載の方法。
本発明はまた以下の態様にも関する。
<1>

【化14】

を有する非レチノイド化合物(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールを、該化合物の血漿濃度が0.3Cmaxに減少した後約4時間から約36時間までの期間に約50%未満の正規化網膜電図応答をもたらす量で含む、加齢黄斑変性の治療に使用するための経口医薬製剤。
<2>
正規化網膜電図応答が約5%から約15%まで、約15%から約25%まで、又は約25%から約35%までである、<1>に記載の経口医薬製剤。
<3>
前記期間が前記非レチノイド化合物の投与後約4時間から約10時間まで、前記非レチノイド化合物の投与後約10時間から約16時間まで、前記非レチノイド化合物の投与後約16時間から約24時間まで、又は約24時間から約36時間までである、<1>又は<2>に記載の経口医薬製剤。
<4>
前記化合物が、2日目よりも1日目において大きな正規化網膜電図応答をもたらす、<1>〜<3>のいずれかに記載の経口医薬製剤。
<5>
前記化合物が、1日目よりも2日目において大きな治療応答をもたらす、<1>〜<3>のいずれかに記載の経口医薬製剤。
<6>
前記治療応答が網膜電図によって決定される、<5>に記載の経口医薬製剤。
<7>
前記非レチノイド化合物の量が約4mgから約100mgまでである、<1>〜<6>のいずれかに記載の経口医薬製剤。
<8>
前記非レチノイド化合物の量が約75mg、約60mg、約40mg、約20mg、
約7mg、又は約5mgである、<7>に記載の経口医薬製剤。
<9>
網膜電図の錐体応答幅が処置前の幅の約10%以内に、処置前の幅の約20%以内に、又は処置前の幅の約30%以内に留まる、<1>〜<8>のいずれかに記載の経口医薬製剤。
<10>
徐放固体剤形である、<1>〜<9>のいずれかに記載の経口医薬製剤。
<11>
投与後の血漿Tmaxが投与後約12時間で起こる、<9>記載の経口医薬製剤。
<12>
前記非レチノイド化合物の量が夜間視の顕著な欠損をもたらさない、<1>〜<11>のいずれかに記載の経口医薬製剤。
<13>
前記非レチノイド化合物の量が明所視の顕著な喪失をもたらさないか、又は明所状態における感受性に対して検出可能な効果をもたらさない、<1>〜<12>のいずれかに記載の経口医薬製剤。
本発明は以下の態様にも関する。
(1)

【化15】

を有する非レチノイド化合物(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールを、該化合物の血漿濃度が0.3Cmaxに減少した後4時間から36時間までの期間に50%未満の正規化網膜電図応答をもたらす、2mgから20mgまでの一日単回経口投与量で含む、加齢黄斑変性の治療に使用するための経口医薬製剤。
(2)
正規化網膜電図応答が5%から15%まで、15%から25%まで、又は25%から35%までである、(1)に記載の経口医薬製剤。
(3)
前記期間が前記非レチノイド化合物の投与後4時間から10時間まで、前記非レチノイド化合物の投与後10時間から16時間まで、前記非レチノイド化合物の投与後16時間から24時間まで、又は24時間から36時間までである、(1)又は(2)に記載の経口医薬製剤。
(4)
前記化合物が、2日目よりも1日目において大きな正規化網膜電図応答をもたらす、(1)〜(3)のいずれかに記載の経口医薬製剤。
(5)
前記化合物が、1日目よりも2日目において大きな治療応答をもたらす、(1)〜(3)のいずれかに記載の経口医薬製剤。
(6)
前記治療応答が網膜電図によって決定される、(5)に記載の経口医薬製剤。
(7)
前記非レチノイド化合物の量が4mgから100mgまでである、(1)〜(6)のいずれかに記載の経口医薬製剤。
(8)
前記非レチノイド化合物の量が75mg、60mg、40mg、20mg、7mg、又は5mgである、(7)に記載の経口医薬製剤。
(9)
網膜電図の錐体応答幅が処置前の幅の10%以内に、処置前の幅の20%以内に、又は処置前の幅の30%以内に留まる、(1)〜(8)のいずれかに記載の経口医薬製剤。
(10)
徐放固体剤形である、(1)〜(9)のいずれかに記載の経口医薬製剤。
(11)
投与後の血漿Tmaxが投与後12時間で起こる、(9)記載の経口医薬製剤。
(12)
前記非レチノイド化合物の量が夜間視の顕著な欠損をもたらさない、(1)〜(11)のいずれかに記載の経口医薬製剤。
(13)
前記非レチノイド化合物の量が明所視の顕著な喪失をもたらさないか、又は明所状態における感受性に対して検出可能な効果をもたらさない、(1)〜(12)のいずれかに記載の経口医薬製剤。
本発明はさらにまた以下の態様にも関する。
[1]

【化16】

を有する非レチノイド化合物(R)−3−アミノ−1−(3−(シクロヘキシルメトキシ)フェニル)プロパン−1−オールを、該化合物の血漿濃度が0.3Cmaxに減少した後4時間から36時間までの期間に50%未満の正規化網膜電図応答をもたらす、2mgから20mgまでの一日単回経口投与量で含む、加齢黄斑変性の治療に使用するための経口医薬製剤。
[2]
正規化網膜電図応答が5%から15%まで、15%から25%まで、又は25%から35%までである、[1]に記載の経口医薬製剤。
[3]
前記期間が前記非レチノイド化合物の投与後4時間から10時間まで、前記非レチノイド化合物の投与後10時間から16時間まで、前記非レチノイド化合物の投与後16時間から24時間まで、又は24時間から36時間までである、[1]又は[2]に記載の経口医薬製剤。
[4]
前記化合物が、2日目よりも1日目において大きな正規化網膜電図応答をもたらす、[1]〜[3]のいずれかに記載の経口医薬製剤。
[5]
前記化合物が、1日目よりも2日目において大きな治療応答をもたらす、[1]〜[3]のいずれかに記載の経口医薬製剤。
[6]
前記治療応答が網膜電図によって決定される、[5]に記載の経口医薬製剤。
[7]
前記非レチノイド化合物の量が20mg、7mg、又は5mgである、[1]〜[6]のいずれかに記載の経口医薬製剤。
[8]
網膜電図の錐体応答幅が処置前の幅の10%以内に、処置前の幅の20%以内に、又は処置前の幅の30%以内に留まる、[1]〜[7]のいずれかに記載の経口医薬製剤。
[9]
徐放固体剤形である、[1]〜[8]のいずれかに記載の経口医薬製剤。
[10]
投与後の血漿Tmaxが投与後12時間で起こる、[8]記載の経口医薬製剤。
[11]
前記非レチノイド化合物の量が夜間視の顕著な欠損をもたらさない、[1]〜[10]のいずれかに記載の経口医薬製剤。
[12]
前記非レチノイド化合物の量が明所視の顕著な喪失をもたらさないか、又は明所状態における感受性に対して検出可能な効果をもたらさない、[1]〜[11]のいずれかに記載の経口医薬製剤。
図1
図2
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図13