【文献】
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2009年,19,pp.3573-3576
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
式(I)
【化1】
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〔式中、
R
1及びR
2は、互いに独立して、水素;置換されているか若しくは置換されていない
C
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換され
ていないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアルケニル;置換されているか若し
くは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;シアノ;
イソニトリル;ニトロ;ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されてい
ないC
2−C
8−アルケニルオキシ;C
2−C
8−ハロアルケニルオキシ、置換されてい
るか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルオキシ;C
1−C
8−ハロアルキ
ニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;
置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;置換さ
れているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルホニル;置換されている
か若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフィニル;アミノ;置換されてい
るか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは
置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換され
ていないC
1−C
8−アルコキシカルボニル;置換されているか若しくは置換されていな
いC
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないジ−
C
1−C
8−アルキルカルバモイル;又は、置換されているか若しくは置換されていない
N−C
1−C
8−アルキル−C
1−C
8−アルコキシ−カルバモイルを表し;又は、
R
1とR
2は、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置
換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;又は、C
3−C
7−ハロシクロアルキルを
形成することができ;
R
3は、水素;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アル
ケニル;C
2−C
8−ハロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2
−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;シアノ;イソニトリル;ニトロ;ハ
ロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニ
ルオキシ;C
2−C
8−ハロアルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されてい
ないC
2−C
8−アルキニルオキシ;C
1−C
8−ハロアルキニルオキシ;置換されてい
るか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;置換されているか若しくは
置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換さ
れていないC
1−C
8−アルキルスルホニル;置換されているか若しくは置換されていな
いC
1−C
8−アルキルスルフィニル;アミノ;置換されているか若しくは置換されてい
ないC
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1
−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8
)アルキルシリル−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない
トリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
2−C
8−アルケニル;置換されているか若しく
は置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
2−C
8−アルキニル;置換
されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニル;置換されて
いるか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されているか
若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルカルバモイル;又は、置換されてい
るか若しくは置換されていないN−C
1−C
8−アルキル−C
1−C
8−アルコキシ−カ
ルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないアリール;又は、置換されてい
るか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環
は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し;又は、
R
3とR
1又はR
2は、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若
しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;C
3−C
7−ハロシクロアルキル
;又は、置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員の飽和ヘテ
ロ環を形成することができ;
Yは、酸素原子又は硫黄原子を表し;
Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5及びQ
6は、互いに独立して、水素;ハロゲン;ニトロ
;シアノ;イソニトリル;ヒドロキシル;アミノ;スルファニル;ペンタフルオロ−λ
6
−スルファニル;ホルミル;ホルミルオキシ;ホルミルアミノ;置換されているか若しく
は置換されていない(ヒドロキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若
しくは置換されていない(C
1−C
8−アルコキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置
換されているか若しくは置換されていない(C
2−C
8−アルケニルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
2−C
8−アルキ
ニルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていな
い(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;カルボキシ;カルバモイル;N−
ヒドロキシカルバモイル;カルバメート;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されて
いないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアルケニル;置換されているか若しく
は置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;置換されて
いるか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ
;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;C
1
−C
8−ハロアルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−
C
8−アルキルスルフィニル;C
1−C
8−ハロアルキルスルフィニル;置換されている
か若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルホニル;C
1−C
8−ハロアルキ
ルスルホニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ
;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ;置換さ
れているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ;C
2−C
8−ハロ
アルケニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−アルキニル
オキシ;C
2−C
8−ハロアルキニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていな
いC
3−C
7−シクロアルキル;C
3−C
7−ハロシクロアルキル;置換されているか若
しくは置換されていない(C
3−C
7−シクロアルキル)−C
1−C
8−アルキル;置換
されているか若しくは置換されていないC
4−C
7−シクロアルケニル;C
4−C
7−ハ
ロシクロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていない(C
3−C
7−シクロ
アルキル)−C
2−C
8−アルケニル;置換されているか若しくは置換されていない(C
3−C
7−シクロアルキル)−C
2−C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換
されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル;置換されているか若しくは置換されて
いないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若
しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
2−C
8−アルケニル;
置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
2−
C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカ
ルボニル;C
1−C
8−ハロアルキルカルボニル;置換されているか若しくは置換されて
いないC
1−C
8−アルキルカルボニルオキシ;C
1−C
8−ハロアルキルカルボニルオ
キシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニルアミ
ノ;C
1−C
8−ハロアルキルカルボニルアミノ;置換されているか若しくは置換されて
いないC
1−C
8−アルコキシカルボニル;C
1−C
8−ハロアルコキシカルボニル;置
換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルオキシカルボニルオキシ
;C
1−C
8−ハロアルコキシカルボニルオキシ;置換されているか若しくは置換されて
いないC
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていない
ジ−C
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノカルボニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていな
いジ−C
1−C
8−アルキルアミノカルボニルオキシ;置換されているか若しくは置換さ
れていないN−(C
1−C
8−アルキル)ヒドロキシカルバモイル;置換されているか若
しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルバモイル;置換されているか若しく
は置換されていないN−(C
1−C
8−アルキル)−C
1−C
8−アルコキシカルバモイ
ル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいアリール
;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいC
1−C
8
−アリールアルキル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されてい
てもよいC
2−C
8−アリールアルケニル;同一であるか若しくは異なっている6以下の
基R
aで置換されていてもよいC
2−C
8−アリールアルキニル;同一であるか若しくは
異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいアリールオキシ;同一であるか若し
くは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいアリールスルファニル;同一で
あるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいアリールアミノ;同
一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいC
1−C
8−ア
リールアルキルオキシ;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されて
いてもよいC
1−C
8−アリールアルキルスルファニル;同一であるか若しくは異なって
いる6以下の基R
aで置換されていてもよいC
1−C
8−アリールアルキルアミノ;同一
であるか若しくは異なっている4以下の基R
aで置換されていてもよい5員、6員若しく
は7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し
;
R
aは、互いに独立して、ハロゲン;シアノ;ニトロ;置換されているか若しくは置換
されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若し
くは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換され
ているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;C
1−C
8−ハ
ロアルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8
)アルキルシリル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アル
キルシリル−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
1
−C
8−アルコキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;又は、置換されているか若しくは
置換されていない(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキルを表し;
R
4は、水素、ヒドロキシル、シアノ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニ
ル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;置換されてい
るか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル、置換されているか若しくは
置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;置換されているか若しくは置換されていない
C
2−C
8−アルケニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8
−アルキニルオキシを表し;
Aは、直接結合、O、S、NR
5、SO、SO
2を表すか、又は、A
1〜A
6
【化2】
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から選択される二価連結基を表し;
ここで、
R
6、R
7、R
8、R
9、R
10又はR
11は、互いに独立して、水素;置換されてい
るか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換
されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアル
ケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;シアノ;イソニトリル;ニトロ;ハロゲン;置換されているか若し
くは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換され
ているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ;C
2−C
8−ハロア
ルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルオ
キシ;C
1−C
8−ハロアルキニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていない
C
3−C
7−シクロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−
アルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキ
ルスルホニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフ
ィニル;アミノ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミ
ノ;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ;置換
されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニル;置換されて
いるか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されているか
若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルカルバモイル;又は、置換されてい
るか若しくは置換されていないN−C
1−C
8−アルキル−C
1−C
8−アルコキシ−カ
ルバモイルを表し;又は、
R
6とR
7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置
換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;又は、C
3−C
7−ハロシクロアルキルを
形成することができ;又は、
R
8とR
9は、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置
換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;又は、C
3−C
7−ハロシクロアルキルを
形成することができ;又は、
R
10とR
11は、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しく
は置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;又は、C
3−C
7−ハロシクロアルキ
ルを形成することができ;又は、
R
13は、水素、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、
C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−ア
ルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;置換さ
れているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル、置換されているか若
しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;置換されているか若しくは置換されて
いないC
2−C
8−アルケニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3
−C
8−アルキニルオキシを表し;
Xは、水素;ハロゲン;ニトロ;シアノ;イソニトリル;ヒドロキシル;アミノ;スル
ファニル;ペンタフルオロ−λ
6−スルファニル;ホルミル;ホルミルオキシ;ホルミル
アミノ;置換されているか若しくは置換されていない(ヒドロキシイミノ)−C
1−C
8
−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
1−C
8−アルコキシイミ
ノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
2−C
8
−アルケニルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換さ
れていない(C
2−C
8−アルキニルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換され
ているか若しくは置換されていない(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;
カルボキシ;カルバモイル;N−ヒドロキシカルバモイル;カルバメート;置換されてい
るか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換
されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアル
ケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキ
シ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;C
1−C
8−ハロアルキルスルファニル;置換されているか
若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフィニル;C
1−C
8−ハロアルキ
ルスルフィニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスル
ホニル;C
1−C
8−ハロアルキルスルホニル;置換されているか若しくは置換されてい
ないC
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1
−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アル
ケニルオキシ;C
2−C
8−ハロアルケニルオキシ;置換されているか若しくは置換され
ていないC
3−C
8−アルキニルオキシ;C
2−C
8−ハロアルキニルオキシ;置換され
ているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;C
3−C
7−ハロシク
ロアルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
3−C
7−シクロアルキル
)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
7−シ
クロアルケニル;C
4−C
7−ハロシクロアルケニル;置換されているか若しくは置換さ
れていない(C
3−C
7−シクロアルキル)−C
2−C
8−アルケニル;置換されている
か若しくは置換されていない(C
3−C
7−シクロアルキル)−C
2−C
8−アルキニル
;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル;置換
されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
1−C
8
−アルキル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシ
リル−C
2−C
8−アルケニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1
−C
8)アルキルシリル−C
2−C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換され
ていないC
1−C
8−アルキルカルボニル;C
1−C
8−ハロアルキルカルボニル;置換
されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニルオキシ;C
1−
C
8−ハロアルキルカルボニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1
−C
8−アルキルカルボニルアミノ;C
1−C
8−ハロアルキルカルボニルアミノ;置換
されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニル;C
1−C
8
−ハロアルコキシカルボニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−
アルキルオキシカルボニルオキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシカルボニルオキシ;置換
されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されて
いるか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されてい
るか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノカルボニルオキシ;置換され
ているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノカルボニルオキシ;
置換されているか若しくは置換されていないN−(C
1−C
8−アルキル)ヒドロキシカ
ルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルバ
モイル;置換されているか若しくは置換されていないN−(C
1−C
8−アルキル)−C
1−C
8−アルコキシカルバモイル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
b
で置換されていてもよいアリール;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで
置換されていてもよいC
1−C
8−アリールアルキル;同一であるか若しくは異なってい
る6以下の基R
bで置換されていてもよいC
2−C
8−アリールアルケニル;同一である
か若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいC
2−C
8−アリールア
ルキニル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいア
リールオキシ;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよ
いアリールスルファニル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換され
ていてもよいアリールアミノ;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換
されていてもよいC
1−C
8−アリールアルキルオキシ;同一であるか若しくは異なって
いる6以下の基R
bで置換されていてもよいC
1−C
8−アリールアルキルスルファニル
;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいC
1−C
8
−アリールアルキルアミノ;同一であるか若しくは異なっている4以下の基R
bで置換さ
れていてもよい5員若しくは6員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ
原子を有している)を表し;
R
bは、互いに独立して、ハロゲン;シアノ;ニトロ;置換されているか若しくは置換
されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若し
くは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換され
ているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;C
1−C
8−ハ
ロアルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8
)アルキルシリル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アル
キルシリル−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
1
−C
8−アルコキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;又は、置換されているか若しくは
置換されていない(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか
若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、
1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し;又は、
2つのR
bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置
換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環;又は、置換されているか若しくは置
換されていない5員若しくは6員の炭素環を形成することができ;又は、
R
4はA及びXと一緒になって、AとR
4が結合している窒素と一緒に、置換されてい
るか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環を形成することができ
る〕
で表されるキノリン−イソオキサゾリン誘導体及びその塩又はN−オキシド。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現代の活性成分(例えば、殺菌剤)に求められる生態学的及び経済学的な要求、例えば、活性スペクトル、毒性、選択性、施用量、残留物の形成及び好ましい製造方法などに関する要求は、継続的に増大しており、また、例えば抵抗性に関する問題も存在し得るので、少なくとも一部の領域において既知組成物よりも有利な新規殺菌剤組成物を開発することは絶えず求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式(I)
【化1】
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【0006】
〔式中、
R
1及びR
2は、互いに独立して、水素;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;シアノ;イソニトリル;ニトロ;ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ;C
2−C
8−ハロアルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルオキシ;C
1−C
8−ハロアルキニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルホニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフィニル;アミノ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルカルバモイル;又は、置換されているか若しくは置換されていないN−C
1−C
8−アルキル−C
1−C
8−アルコキシ−カルバモイルを表し;又は、
R
1とR
2は、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;又は、C
3−C
7−ハロシクロアルキルを形成することができ;
R
3は、水素;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;シアノ;イソニトリル;ニトロ;ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ;C
2−C
8−ハロアルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルオキシ;C
1−C
8−ハロアルキニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルホニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフィニル;アミノ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
2−C
8−アルケニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
2−C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルカルバモイル;又は、置換されているか若しくは置換されていないN−C
1−C
8−アルキル−C
1−C
8−アルコキシ−カルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないアリール;又は、置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し;又は、
R
3とR
1又はR
2は、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;C
3−C
7−ハロシクロアルキル;又は、置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員の飽和ヘテロ環を形成することができ;
Yは、酸素原子又は硫黄原子を表し;
Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5及びQ
6は、互いに独立して、水素;ハロゲン;ニトロ;シアノ;イソニトリル;ヒドロキシル;アミノ;スルファニル;ペンタフルオロ−λ
6−スルファニル;ホルミル;ホルミルオキシ;ホルミルアミノ;置換されているか若しくは置換されていない(ヒドロキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
1−C
8−アルコキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
2−C
8−アルケニルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
2−C
8−アルキニルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;カルボキシ;カルバモイル;N−ヒドロキシカルバモイル;カルバメート;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;C
1−C
8−ハロアルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフィニル;C
1−C
8−ハロアルキルスルフィニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルホニル;C
1−C
8−ハロアルキルスルホニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ;C
2−C
8−ハロアルケニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−アルキニルオキシ;C
2−C
8−ハロアルキニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;C
3−C
7−ハロシクロアルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
3−C
7−シクロアルキル)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
7−シクロアルケニル;C
4−C
7−ハロシクロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていない(C
3−C
7−シクロアルキル)−C
2−C
8−アルケニル;置換されているか若しくは置換されていない(C
3−C
7−シクロアルキル)−C
2−C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
2−C
8−アルケニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
2−C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニル;C
1−C
8−ハロアルキルカルボニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニルオキシ;C
1−C
8−ハロアルキルカルボニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニルアミノ;C
1−C
8−ハロアルキルカルボニルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニル;C
1−C
8−ハロアルコキシカルボニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルオキシカルボニルオキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシカルボニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノカルボニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノカルボニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないN−(C
1−C
8−アルキル)ヒドロキシカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないN−(C
1−C
8−アルキル)−C
1−C
8−アルコキシカルバモイル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいアリール;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいC
1−C
8−アリールアルキル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいC
2−C
8−アリールアルケニル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいC
2−C
8−アリールアルキニル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいアリールオキシ;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいアリールスルファニル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいアリールアミノ;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいC
1−C
8−アリールアルキルオキシ;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいC
1−C
8−アリールアルキルスルファニル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいC
1−C
8−アリールアルキルアミノ;同一であるか若しくは異なっている4以下の基R
aで置換されていてもよい5員、6員若しくは7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し;
ここで、
R
aは、互いに独立して、ハロゲン;シアノ;ニトロ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;C
1−C
8−ハロアルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
1−C
8−アルコキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;又は、置換されているか若しくは置換されていない(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキルを表し;
R
4は、水素、ヒドロキシル、シアノ、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−アルキニルオキシを表し;
Aは、直接結合、O、S、NR
5、SO、SO
2を表すか、又は、A
1〜A
6
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
【0007】
から選択される二価連結基を表し;
ここで、
R
6、R
7、R
8、R
9、R
10又はR
11は、互いに独立して、水素;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;シアノ;イソニトリル;ニトロ;ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ;C
2−C
8−ハロアルケニルオキシ、置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニルオキシ;C
1−C
8−ハロアルキニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルホニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフィニル;アミノ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルカルバモイル;又は、置換されているか若しくは置換されていないN−C
1−C
8−アルキル−C
1−C
8−アルコキシ−カルバモイルを表し;又は、
R
6とR
7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;又は、C
3−C
7−ハロシクロアルキルを形成することができ;又は、
R
8とR
9は、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;又は、C
3−C
7−ハロシクロアルキルを形成することができ;又は、
R
10とR
11は、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;又は、C
3−C
7−ハロシクロアルキルを形成することができ;又は、
R
13は、水素、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル、C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−アルキニルオキシを表し;
Xは、水素;ハロゲン;ニトロ;シアノ;イソニトリル;ヒドロキシル;アミノ;スルファニル;ペンタフルオロ−λ
6−スルファニル;ホルミル;ホルミルオキシ;ホルミルアミノ;置換されているか若しくは置換されていない(ヒドロキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
1−C
8−アルコキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
2−C
8−アルケニルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
2−C
8−アルキニルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;カルボキシ;カルバモイル;N−ヒドロキシカルバモイル;カルバメート;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;C
1−C
8−ハロアルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフィニル;C
1−C
8−ハロアルキルスルフィニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルホニル;C
1−C
8−ハロアルキルスルホニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニルオキシ;C
2−C
8−ハロアルケニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
8−アルキニルオキシ;C
2−C
8−ハロアルキニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;C
3−C
7−ハロシクロアルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
3−C
7−シクロアルキル)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
4−C
7−シクロアルケニル;C
4−C
7−ハロシクロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていない(C
3−C
7−シクロアルキル)−C
2−C
8−アルケニル;置換されているか若しくは置換されていない(C
3−C
7−シクロアルキル)−C
2−C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
2−C
8−アルケニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
2−C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニル;C
1−C
8−ハロアルキルカルボニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニルオキシ;C
1−C
8−ハロアルキルカルボニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニルアミノ;C
1−C
8−ハロアルキルカルボニルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニル;C
1−C
8−ハロアルコキシカルボニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルオキシカルボニルオキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシカルボニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノカルボニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないジ−C
1−C
8−アルキルアミノカルボニルオキシ;置換されているか若しくは置換されていないN−(C
1−C
8−アルキル)ヒドロキシカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルバモイル;置換されているか若しくは置換されていないN−(C
1−C
8−アルキル)−C
1−C
8−アルコキシカルバモイル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいアリール;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいC
1−C
8−アリールアルキル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいC
2−C
8−アリールアルケニル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいC
2−C
8−アリールアルキニル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいアリールオキシ;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいアリールスルファニル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいアリールアミノ;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいC
1−C
8−アリールアルキルオキシ;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいC
1−C
8−アリールアルキルスルファニル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいC
1−C
8−アリールアルキルアミノ;同一であるか若しくは異なっている4以下の基R
bで置換されていてもよい5員若しくは6員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し;
ここで、
R
bは、互いに独立して、ハロゲン;シアノ;ニトロ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;C
1−C
8−ハロアルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
1−C
8−アルコキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;又は、置換されているか若しくは置換されていない(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し;又は、
2つのR
bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環;又は、置換されているか若しくは置換されていない5員若しくは6員の炭素環を形成することができ;又は、
R
4はA及びXと一緒になって、AとR
4が結合している窒素と一緒に、置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環を形成することができる〕
で表される新規キノリン−イソオキサゾリン誘導体及びその塩又はN−オキシドを提供する。
【0008】
式(I)で表されるキノリン−イソオキサゾリン誘導体の塩又はN−オキシドも、殺菌特性を有している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
式(I)は、本発明によるキノリン−イソオキサゾリン誘導体の一般的な定義を与えている。上記及び下記において示されている式のラジカルの好ましい定義について、以下に記載する。これらの定義は、式(I)で表される最終生成物に適用され、また、全ての中間体にも同様に適用される。
【0010】
R
1及びR
2は、
好ましくは、互いに独立して、水素;ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシを表し;又は、
R
1とR
2は、
好ましくは、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキルを形成することができる。
【0011】
R
1及びR
2は、
特に好ましくは、互いに独立して、水素;臭素;メチル;トリフルオロメチル;又は、メトキシを表し;又は、
R
1とR
2は、
特に好ましくは、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置換されていないシクロプロピルを形成することができる。
【0012】
R
1及びR
2は、
特に好ましくは、両方とも水素を表すか、又は、R
1とR
2のうちの一方は水素を表し、且つ、R
1とR
2のうちのもう一方はメチルを表す。
【0013】
R
3は、
好ましくは、水素;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;シアノ;ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシカルボニル;置換されているか若しくは置換されていないアリールを表し;又は、
R
3とR
1又はR
2は、それらが結合している炭素原子と一緒に、
好ましくは、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;C
3−C
7−ハロシクロアルキル;又は、置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員の飽和ヘテロ環を形成することができる。
【0014】
R
3は、
特に好ましくは、水素;ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
4−アルキル;C
1−C
4−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
4−アルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないアリールを表し;又は、
R
3とR
1又はR
2は、それらが結合している炭素原子と一緒に、
特に好ましくは、置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;又は、置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員の飽和ヘテロ環を形成することができる。
【0015】
R
3は、
極めて特に好ましくは、水素;メチル;エチル;イソプロピル;n−ブチル;フルオロメチル;クロロメチル;ブロモメチル;ジフルオロメチル;トリフルオロメチル;クロロジフルオロメチル;1−ヒドロキシエチル;ベンジル;シクロプロピル;メトキシ;ビニル;エチニル;フェニルを表し;又は、
R
3とR
1又はR
2は、それらが結合している炭素原子と一緒に、
極めて特に好ましくは、置換されているか若しくは置換されていない3員、5員若しくは6員の炭素環式環;1個の酸素原子を有している5員若しくは6員のヘテロ環式環を形成することができる。
【0016】
R
3に関して、置換されているC
1−C
8−アルキル又はC
1−C
4−アルキルは、
好ましくは、1以上のヒドロキシル、アリール又はシクロアルキルで置換されている該アルキルを包含し、特に、ヒドロキシル、フェニル又はシクロプロピルで置換されている該アルキルを包含する。
【0018】
Yは、さらにまた、
好ましくは、硫黄原子を表す。
【0019】
Q
1、Q
2及びQ
3は、
好ましくは、互いに独立して、水素;ハロゲン;シアノ;ニトロ;アミノ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;C
1−C
8−シアノアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルフィニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルホニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノ;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
2−C
8−アルキニル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
aで置換されていてもよいアリール;同一であるか若しくは異なっている4以下の基R
aで置換されていてもよい5員、6員若しくは7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し;
ここで、
R
aは、互いに独立して、ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
1−C
8−アルキルを表す。
【0020】
Q
1、Q
2及びQ
3は、
特に好ましくは、互いに独立して、水素;ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
4−アルキル;C
1−C
4−ハロアルキル;C
1−C
4−シアノアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
4−アルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
4−アルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
4−アルキルスルフィニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
4−アルキルスルホニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
4)アルキルシリル−C
2−C
4−アルキニルを表す。
【0021】
Q
1、Q
2及びQ
3は、
極めて特に好ましくは、互いに独立して、フッ素;塩素、臭素、ヨウ素;シアノ;シアノメチル;メチル;エチル;n−プロピル、イソプロピル;n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル;トリフルオロメチル;ジクロロフルオロメチル;クロロジフルオロメチル;2,2,2−トリフルオロエチル;2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル;2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル;メトキシ;エトキシ;n−プロポキシ、イソプロポキシ;n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ;メチルスルファニル;エチルスルファニル;n−プロピルスルファニル;メチルスルフィニル;エチルスルフィニル;メチルスルホニル;エチルスルホニル;エチニル;トリメチルシリルエチニル;フェニル;2−チエニル;5−ピリミジニルを表す。
【0022】
Q
1、Q
2及びQ
3は、
特に好ましい実施形態において、互いに独立して、水素;フッ素;塩素、臭素、ヨウ素;シアノ;シアノメチル;メチル;エチルメトキシ;エトキシ;メチルスルファニル;プロピルスルファニル;メチルスルフィニル;メチルスルホニル;エチニル;トリメチルシリルエチニル;フェニル;2−チエニル;5−ピリミジニルを表す。
【0023】
Q
1、Q
2及びQ
3は、
極めて特に好ましい実施形態において、互いに独立して、水素;塩素、臭素、ヨウ素;又は、エチニルを表す。
【0024】
好ましくは、Q
1、Q
2及びQ
3のうちの少なくとも1は、水素を表す。
【0025】
式(I)の好ましい実施形態において、Q
3は水素を表し、且つ、Q
1又はQ
2のうちの少なくとも一方は水素を表さない。
【0026】
式(I)の特に好ましい実施形態において、Q
3は水素を表し、且つ、Q
2は水素を表さない。
【0027】
式(I)の極めて特に好ましい実施形態において、Q
3及びQ
1は水素を表し、且つ、Q
2は水素を表さない。
【0028】
式(I)の極めて特に好ましい別の実施形態において、Q
3は水素を表し、且つ、Q
2及びQ
1は水素を表さない。
【0029】
Q
4、Q
5及びQ
6は、
好ましくは、互いに独立して、水素;ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;又は、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシを表す。
【0030】
Q
4、Q
5及びQ
6は、
特に好ましくは、互いに独立して、水素;ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;又は、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシを表す。
【0031】
Q
4、Q
5及びQ
6は、
極めて特に好ましくは、互いに独立して、水素;フッ素;メチル;又は、メトキシを表す。
【0032】
式(I)の好ましい実施形態において、Q
4は水素を表し、且つ、Q
5又はQ
6のうちの少なくとも一方は水素を表さない。
【0033】
式(I)の特に好ましい実施形態において、Q
4は水素を表し、且つ、Q
5及びQ
6は水素を表さない。
【0034】
R
4は、
好ましくは、水素、ヒドロキシル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;又は、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシを表す。
【0035】
R
4は、
特に好ましくは、水素;ヒドロキシル;又は、メチルを表す。
【0036】
R
4は、
極めて特に好ましくは、水素を表す。
【0037】
R
4は、さらにまた、
好ましくは、A及びXと一緒になって、AとR
4が結合している窒素と一緒に、5員、6員若しくは7員のヘテロ環を形成することができる。
【0038】
R
4は、さらにまた、
特に好ましくは、A及びXと一緒になって、AとR
4が結合している窒素と一緒に、5員、6員若しくは7員の飽和ヘテロ環を形成することができる。
【0039】
R
4は、さらにまた、
特に好ましくは、A及びXと一緒になって、AとR
4が結合している窒素と一緒に、少なくとも1個の窒素原子及び1個の酸素原子を含んでいる5員、6員若しくは7員の飽和ヘテロ環を形成することができる。
【0040】
Aは、
好ましくは、直接結合を表すか、又は、A
1〜A
6から選択される二価連結基を表し;
ここで、
R
6、R
7、R
8、R
9、R
10又はR
11は、互いに独立して、水素;又は、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルを表す。
【0041】
Aは、
特に好ましくは、直接結合を表すか、又は、A
1、A
2、A
3若しくはA
4から選択される二価連結基を表し;
ここで、
R
6、R
7、R
8、R
9、R
10又はR
11は、互いに独立して、水素;又は、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルを表す。
【0042】
Aは、
極めて特に好ましくは、直接結合を表すか、又は、A
1、A
3若しくはA
4から選択される二価連結基を表し;
ここで、
R
6及びR
7は、互いに独立して、水素;又は、メチルを表し;
R
8、R
9、R
10又はR
11は、水素を表す。
【0043】
式(I)の特に好ましい実施形態において、Aは、直接結合を表す。
【0044】
式(I)の特に好ましい別の実施形態において、Aは、メチレン基−CH
2−(R
6及びR
7が両方とも水素を表している二価連結基A
1)を表す。
【0045】
式(I)の特に好ましい別の実施形態において、Aは、n−プロピレン基−(CH
2)
3−(R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11が全て水素を表している二価連結基A
3)を表す。
【0046】
式(I)の特に好ましい別の実施形態において、Aは、ジメチルメチレン基−C(CH
3)
2−(R
6及びR
7が両方ともメチルを表している二価連結基A
1)を表す。
【0047】
式(I)の特に好ましい別の実施形態において、Aは、二価連結基A4−I又は二価連結基A4−II
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0049】
Xは、
好ましくは、水素;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
1−C
8−アルキル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいアリール;同一であるか若しくは異なっている4以下の基R
bで置換されていてもよい5員若しくは6員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し;
ここで、
R
bは、互いに独立して、ハロゲン;シアノ;ニトロ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルスルファニル;C
1−C
8−ハロアルキルスルファニル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル;置換されているか若しくは置換されていないトリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない(C
1−C
8−アルコキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;又は、置換されているか若しくは置換されていない(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し;又は、
2つのR
bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環;又は、置換されているか若しくは置換されていない5員若しくは6員の炭素環を形成することができる。
【0050】
Xは、
特に好ましくは、水素;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいフェニル;同一であるか若しくは異なっている4以下の基R
bで置換されていてもよい置換されているか若しくは置換されていない5員若しくは6員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し;
ここで、
R
bは、互いに独立して、ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し;又は、
2つのR
bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置換されていない5員若しくは6員のヘテロ環;又は、置換されているか若しくは置換されていない不飽和の6員芳香族炭素環を形成することができる。
【0051】
Xは、
極めて特に好ましくは、水素;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;同一であるか若しくは異なっている6以下の基R
bで置換されていてもよいフェニル;同一であるか若しくは異なっている4以下の基R
bで置換されていてもよいピラゾリル;同一であるか若しくは異なっている4以下の基R
bで置換されていてもよいピリジニルを表し;
ここで、
R
bは、互いに独立して、ハロゲン;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロアルコキシ;置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表し;又は、
2つのR
bは、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換されているか若しくは置換されていない5員若しくは6員のヘテロ環;又は、置換されているか若しくは置換されていない不飽和の6員芳香族炭素環を形成することができる。
【0052】
式(I)の特に好ましい実施形態において、AとXは一緒に、
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0054】
式(I)の極めて特に好ましい実施形態において、AとXは一緒に、
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0056】
式(I)の極めて特に好ましい別の実施形態において、AとXは一緒に、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0058】
式(I)の極めて特に好ましい別の実施形態において、AとXは一緒に、
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0060】
最後に、式(I)で表される新規キノリン−イソオキサゾリン誘導体が、極めて良好な殺微生物特性を有していて、作物保護と材料物質(materials)の保護の両方において有害な微生物を防除するのに使用することができるということが、分かった。
【0061】
しかしながら、上記において、ラジカルについて概括的に記載されているか又は好ましい範囲内において記載されている定義及び説明は、必用に応じて互いに組み合わせることも可能である、即ち、特定の範囲と好ましい範囲の間の組合せを包含する。それらは、最終生成物に適用され、そして、対応して、前駆物質及び中間体にも適用される。さらに、個々の定義は適合しないこともあり得る。
【0062】
好ましいのは、式(I)〔式中、ラジカルは、それぞれ、上記で記載されている好ましい定義を有する〕で表される化合物である。
【0063】
特に好ましいのは、式(I)〔式中、ラジカルは、それぞれ、上記で記載されているさらに好ましい定義を有する〕で表される化合物である。
【0064】
極めて特に好ましいのは、式(I)〔式中、ラジカルは、それぞれ、上記で記載されている最も好ましい定義を有する〕で表される化合物である。
【0065】
上記式中に記載されている記号の定義においては、概して以下の置換基を代表する集合語を使用した。
【0066】
定義「C
1−C
8−アルキル」は、アルキルラジカルについて本明細書で定義されている最も広い範囲を包含する。具体的には、この定義は、以下の意味を包含する:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、並びに、さらに、いずれの場合にも全ての異性形態のペンチル類、ヘキシル類、ヘプチル類及びオクチル類、例えば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−3−メチルプロピル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、1−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル、1−プロピルペンチル及び2−プロピルペンチル、特に、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルエチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、3−メチルペンチル、ヘプチル、1−メチルヘキシル、1−エチル−3−メチルブチル、1−メチルヘプチル、1,2−ジメチルヘキシル、1,3−ジメチルオクチル、4−メチルオクチル、1,2,2,3−テトラメチルブチル、1,3,3−トリメチルブチル、1,2,3−トリメチルブチル、1,3−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルヘキシル、5−メチル−3−ヘキシル、2−メチル−4−ヘプチル及び1−メチル−2−シクロプロピルエチル。好ましい範囲は、C
1−C
4−アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルである。
【0067】
定義「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を包含する。
【0068】
ハロゲンで置換されているアルキル(これは、C
1−C
8−ハロアルキルと称される)は、例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、3−クロロ−1−メチルブチル、2−クロロ−1−メチルブチル、1−クロロブチル、3,3−ジクロロ−1−メチルブチル、3−クロロ−1−メチルブチル、1−メチル−3−トリフルオロメチルブチル、3−メチル−1−トリフルオロメチルブチルを意味する。
【0069】
定義「トリ(C
1−C
8)アルキルシリル」は、好ましくは、以下のラジカルを表す:SiMe
3、SiMe
2Et、SiMe
2CHMe
2、SiMe
2CH
2CHMe
2、SiMe
2CH
2CMe
3、SiMe
2CMe
3、SiMe
2CH
2CH
2Me。
【0070】
定義「C
2−C
8−アルケニル」は、アルケニルラジカルについて本明細書で定義されている最も広い範囲を包含する。具体的には、この定義は、以下の意味を包含する:エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、tert−ブテニル、並びに、さらに、いずれの場合にも全ての異性形態のペンテニル類、ヘキセニル類、ヘプテニル類、オクテニル類、1−メチル−1−プロペニル、1−エチル−1−ブテニル、2,4−ジメチル−1−ペンテニル、2,4−ジメチル−2−ペンテニル。
【0071】
定義「C
2−C
8−アルキニル」は、アルキニルラジカルについて本明細書で定義されている最も広い範囲を包含する。具体的には、この定義は、以下の意味を包含する:エチニル、n−プロピニル、イソプロピニル、n−ブチニル、イソブチニル、sec−ブチニル、tert−ブチニル、並びに、さらに、いずれの場合にも全ての異性形態のペンチニル類、ヘキシニル類、ヘプチニル類、オクチニル類。
【0072】
定義「C
3−C
7−シクロアルキル」は、3〜7個の炭素環員を有している単環式飽和ヒドロカルビル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルなどを包含する。
【0073】
定義「アリール」は、置換されていないか又は置換されている芳香族の単環式環、二環式環又は三環式環、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル(アントリル)、フェナントラセニル(フェナントリル)などを包含する。
【0074】
定義「ヘテロ環」は、N、O及びSから選択される最大で4個までのヘテロ原子(好ましくは、1〜3個のヘテロ原子)を含んでいる、置換されていないか又は置換されている5〜7員の不飽和ヘテロ環式環:例えば、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロリル、3−ピロリル、1−ピロリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、1−ピラゾリル、1H−イミダゾール−2−イル、1H−イミダゾール−4−イル、1H−イミダゾール−5−イル、1H−イミダゾール−1−イル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル、1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル、2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル、2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル、1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル、4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル、1H−テトラゾール−1−イル、1H−テトラゾール−5−イル、2H−テトラゾール−2−イル、2H−テトラゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1,2,3−チアジアゾール−5−イル、1,2,5−オキサジアゾール−3−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−イル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、2−ピラジニル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イルなどを包含する。
【0075】
定義「ヘテロ環」は、さらにまた、N、O及びSから選択される最大で4個までのヘテロ原子(好ましくは、1〜3個のヘテロ原子)を含んでいる、置換されていないか又は置換されている5〜7員の飽和ヘテロ環式環:例えば、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチエニル、3−テトラヒドロチエニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、3−イソオキサゾリジニル、4−イソオキサゾリジニル、5−イソオキサゾリジニル、3−イソチアゾリジニル、4−イソチアゾリジニル、5−イソチアゾリジニル、3−ピラゾリジニル、4−ピラゾリジニル、5−ピラゾリジニル、2−オキサゾリジニル、4−オキサゾリジニル、5−オキサゾリジニル、2−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、5−チアゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、1,2,4−オキサジアゾリジン−3−イル、1,2,4−オキサジアゾリジン−5−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−3−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−5−イル、1,2,4−トリアゾリジン−3−イル、1,3,4−オキサジアゾリジン−2−イル、1,3,4−チアジアゾリジン−2−イル、1,3,4−トリアゾリジン−2−イル、2,3−ジヒドロフラ−2−イル、2,3−ジヒドロフラ−3−イル、2,4−ジヒドロフラ−2−イル、2,4−ジヒドロフラ−3−イル、2,3−ジヒドロチエン−2−イル、2,3−ジヒドロチエン−3−イル、2,4−ジヒドロチエン−2−イル、2,4−ジヒドロチエン−3−イル、2−ピロリン−2−イル、2−ピロリン−3−イル、3−ピロリン−2−イル、3−ピロリン−3−イル、2−イソオキサゾリン−3−イル、3−イソオキサゾリン−3−イル、4−イソオキサゾリン−3−イル、2−イソオキサゾリン−4−イル、3−イソオキサゾリン−4−イル、4−イソオキサゾリン−4−イル、2−イソオキサゾリン−5−イル、3−イソオキサゾリン−5−イル、4−イソオキサゾリン−5−イル、2−イソチアゾリン−3−イル、3−イソチアゾリン−3−イル、4−イソチアゾリン−3−イル、2−イソチアゾリン−4−イル、3−イソチアゾリン−4−イル、4−イソチアゾリン−4−イル、2−イソチアゾリン−5−イル、3−イソチアゾリン−5−イル、4−イソチアゾリン−5−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−1−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−2−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−3−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−4−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−5−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−1−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−3−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−4−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−5−イル、4,5−ジヒドロoピラゾール−1−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−3−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−4−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−5−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−2−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−3−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−4−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−5−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−2−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−3−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−4−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−5−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−2−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−3−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−4−イル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、1,3−ジオキサン−5−イル、2−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロチオピラニル、3−ヘキサヒドロピリダジニル、4−ヘキサヒドロピリダジニル、2−ヘキサヒドロピリミジニル、4−ヘキサヒドロピリミジニル、5−ヘキサヒドロピリミジニル、2−ピペラジニル、1,3,5−ヘキサヒドロトリアジン−2−イル及び1,2,4−ヘキサヒドロトリアジン−3−イルなども包含する。
【0076】
定義「飽和ヘテロ環」は、N、O及びSから選択される最大で4個までのヘテロ原子(好ましくは、1〜3個のヘテロ原子)を含んでいる、置換されていないか又は置換されている5〜7員のヘテロ環式環:例えば、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチエニル、3−テトラヒドロチエニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、3−イソオキサゾリジニル、4−イソオキサゾリジニル、5−イソオキサゾリジニル、3−イソチアゾリジニル、4−イソチアゾリジニル、5−イソチアゾリジニル、3−ピラゾリジニル、4−ピラゾリジニル、5−ピラゾリジニル、2−オキサゾリジニル、4−オキサゾリジニル、5−オキサゾリジニル、2−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、5−チアゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、1,2,4−オキサジアゾリジン−3−イル、1,2,4−オキサジアゾリジン−5−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−3−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−5−イル、1,2,4−トリアゾリジン−3−イル、1,3,4−オキサジアゾリジン−2−イル、1,3,4−チアジアゾリジン−2−イル、1,3,4−トリアゾリジン−2−イル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、1,3−ジオキサン−5−イル、2−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロチオピラニル、3−ヘキサヒドロピリダジニル、4−ヘキサヒドロピリダジニル、2−ヘキサヒドロピリミジニル、4−ヘキサヒドロピリミジニル、5−ヘキサヒドロピリミジニル、2−ピペラジニル、1,3,5−ヘキサヒドロトリアジン−2−イル、1,2,4−ヘキサヒドロトリアジン−3−イル、2−テトラヒドロ−1,4−オキサジニル及び3−テトラヒドロ−1,4−オキサジニルなどを包含する。
【0077】
置換されていてもよいラジカルは、1置換又は多置換されることが可能であり、多置換の場合は、該置換基は同一であっても又は異なっていてもよい。かくして、定義「ジアルキルアミノ」は、アルキルで非対称的に置換されているアミノ基(例えば、メチルエチルアミノ)も包含する。
【0078】
ハロゲンで置換されているラジカル(例えば、ハロアルキル)は、モノハロゲン化又はポリハロゲン化されている。ポリハロゲン化の場合、該ハロゲン原子は、同一であっても又は異なっていてもよい。好ましくは、該「ハロゲンで置換されているラジカル」は、1〜9個の同一であるか又は異なっているハロゲン原子を有している。ここで、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を表し、特に、フッ素、塩素及び臭素を表す。
【0079】
特に別途示されていない限り、本発明に従って置換されている基又は置換基は、好ましくは、以下のものからなるリストから選択される1以上の基で置換され得る:ハロゲン;ニトロ;ヒドロキシル;シアノ;アミノ;スルファニル;ペンタフルオロ−λ
6−スルファニル;ホルミル;ホルミルオキシ;ホルミルアミノ;カルバモイル;N−ヒドロキシカルバモイル;カルバメート;(ヒドロキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル;C
1−C
8−アルキル;トリ(C
1−C
8−アルキル)シリル−C
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−シクロアルキル;トリ(C
1−C
8−アルキル)シリル−C
1−C
8−シクロアルキル;C
1−C
8−ハロゲノアルキル;C
1−C
8−ハロゲノシクロアルキル;C
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−アルケニルオキシ;C
2−C
8−アルキニルオキシ;C
1−C
8−アルキルアミノ;ジ−C
1−C
8−アルキルアミノ;C
1−C
8−アルコキシ;C
1−C
8−ハロゲノアルコキシ;C
1−C
8−アルキルスルファニル;C
1−C
8−ハロゲノアルキルスルファニル;C
2−C
8−アルケニルオキシ;C
2−C
8−ハロゲノアルケニルオキシ;C
3−C
8−アルキニルオキシ;C
3−C
8−ハロゲノアルキニルオキシ;C
1−C
8−アルキルカルボニル;C
1−C
8−ハロゲノアルキルカルボニル;C
1−C
8−アルキルカルバモイル;ジ−C
1−C
8−アルキルカルバモイル;N−C
1−C
8−アルキルオキシカルバモイル;C
1−C
8−アルコキシカルバモイル;N−C
1−C
8−アルキル−C
1−C
8−アルコキシカルバモイル;C
1−C
8−アルコキシカルボニル;C
1−C
8−ハロゲノアルコキシカルボニル;C
1−C
8−アルキルカルボニルオキシ;C
1−C
8−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ;C
1−C
8−アルキルカルボニルアミノ;C
1−C
8−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ;C
1−C
8−アルキルアミノカルボニルオキシ;ジ−C
1−C
8−アルキルアミノカルボニルオキシ;C
1−C
8−アルキルオキシカルボニルオキシ;C
1−C
8−アルキルスルフィニル;C
1−C
8−ハロゲノアルキルスルフィニル;C
1−C
8−アルキルスルホニル;C
1−C
8−ハロゲノアルキルスルホニル;C
1−C
8−アルキルアミノスルファモイル;ジ−C
1−C
8−アルキルアミノスルファモイル;(C
1−C
6−アルコキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル;(C
1−C
6−アルケニルオキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル;(C
1−C
6−アルキニルオキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル;2−オキソピロリジン−1−イル、(ベンジルオキシイミノ)−C
1−C
6−アルキル;C
1−C
8−アルコキシアルキル;C
1−C
8−ハロゲノアルコキシアルキル;ベンジルオキシ;ベンジルスルファニル;ベンジルアミノ;フェノキシ;フェニルスルファニル;又は、フェニルアミノ。
【0080】
特に別途示されていない限り、本発明に従って置換されている基又は置換基は、好ましくは、以下のものからなるリストから選択される1以上の基で置換され得る:ハロゲン;ヒドロキシル;ニトロ、シアノ、C
1−C
8−アルキル;1〜9個の同一であるか若しくは異なっているハロゲン原子を有しているC
1−C
4−ハロアルキル;C
1−C
8−アルコキシ;1〜9個の同一であるか若しくは異なっているハロゲン原子を有しているC
1−C
4−ハロアルコキシ;C
1−C
8−アルキルスルファニル;1〜9個の同一であるか若しくは異なっているハロゲン原子を有しているC
1−C
4−ハロアルキルスルファニル;C
1−C
8−アルキルスルホニル;1〜9個の同一であるか若しくは異なっているハロゲン原子を有しているC
1−C
4−ハロアルキルスルホニル;C
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−アルキニル;C
3−C
7−シクロアルキル;フェニル;トリ(C
1−C
8)アルキルシリル;トリ(C
1−C
8)アルキルシリル−C
1−C
8−アルキル。
【0081】
Xに対して定義されている基は、付加的に又は代替的に、以下のものから選択される1以上の基で置換され得る:置換されているか若しくは置換されていないアリール;又は、置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員のヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)。
【0082】
適切な場合には、本発明による化合物は、種々の可能な異性体形態の混合物として、特に、立体異性体(例えば、E及びZ、トレオ及びエリトロ)の混合物として、及び、さらに、光学異性体の混合物として存在することができ、さらに、適切な場合には、互変異性体の混合物としても存在することができる。特許請求されているのは、E異性体とZ異性体の両方、及び、さらに、トレオとエリトロの両方、並びに、光学異性体、これら異性体の任意の混合物、及び、可能な互変異性体形態である。
【0083】
適切な場合には、本発明の化合物は、その化合物内の不斉中心の数に応じて、1種類以上の光学異性体形態又はキラル異性体形態で存在し得る。かくして、本発明は、等しく、全ての光学異性体及びそれらのラセミ混合物又はスケールミック混合物(用語「スケールミック(scalemic)」は、異なった比率のエナンチオマーの混合物を意味する)、並びに、可能な全ての立体異性体の全ての比率における混合物に関する。当業者は、自体公知の方法により、ジアステレオ異性体及び/又は光学異性体を分離させることができる。
【0084】
適切な場合には、本発明の化合物は、その化合物内の二重結合の数に応じて、1種類以上の幾何異性体形態でも存在し得る。かくして、本発明は、等しく、全ての幾何異性体及びその全ての比率における可能な全ての混合物に関する。当業者は、自体公知の一般的な方法により、幾何異性体を分離させることができる。
【0085】
適切な場合には、本発明の化合物は、環Bの置換基の相対的な位置(シン/アンチ、又は、シス/トランス)に応じて、1種類以上の幾何異性体形態でも存在し得る。かくして、本発明は、等しく、全てのシン/アンチ(又は、シス/トランス)異性体及びその全ての比率における可能な全てのシン/アンチ(又は、シス/トランス)混合物に関する。当業者は、自体公知の一般的な方法により、シン/アンチ(又は、シス/トランス)異性体を分離させることができる。
【0086】
調製方法及び中間体についての説明
式(I)で表される化合物は、種々の方法で調製することができる。最初に、可能な調製方法について以下に図式的に示す。特に別途示されていない限り、記載されているラジカルは、それぞれ、上記で定義されているとおりである。以下の全てのスキームに関して特に別途示されていない限り、(Q)
nは、置換基Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5及びQ
6を表し、ここで、それらに対して、互いに独立して、上記定義が適用される。以下の式及びスキームに関するラジカルの好ましい定義は、既に上記で記載されている。それらの定義は、式(I)で表される最終生成物に適用されるのみではなく、同様に、全ての中間体にも適用される。
【0087】
本発明による式(I)で表される化合物は、スキーム1に示されている調製方法1に従って合成することができる。U
1は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、−OR
A、−OC(=O)R
A[ここで、R
Aは、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
6−アルキル基、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
6−ハロアルキル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基又はペンタフルオロフェニル基である]からなるリストの中で選択される脱離基を表す。
【0088】
スキーム1:調製方法1
【化8】
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【0089】
U
1がヒドロキシ基を表す場合、本発明による調製方法1は、縮合剤の存在下で実施しする。アミド形成に関する縮合剤は、例えば、以下のものであり得る:カルボジイミド、例えば、N,N’−ジエチルカルボジイミド、N,N’−ジプロピルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、又は、N,N’−カルボニルジイミダゾール、又は、1,2−オキサゾリウム化合物、例えば、2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム−3−スルフェート若しくは2−tert.−ブチル−5−メチル−イソオキサゾリウム−ペルクロレート、又は、アシルアミノ化合物、例えば、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、又は、イソブチルクロロホルミエート、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン 2,4,6−トリオキシド、ジエチルホスホロシアニドエート、ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスホリルクロリド、(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)[トリス(ジメチルアミノ)]ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)(トリピロリジン−1−イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、N−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)(ジメチルアミノ)メチリデン]−N−メチルメタンアミニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、N−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)(ジメチルアミノ)メチリデン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、N−{(ジメチルアミノ)[(2−オキソピリジン−1(2H)−イル)オキシ]メチリデン}−N−メチルメタンアミニウムテトラフルオロボレート(TPTU)、N−[(ジメチルアミノ)(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)メチリデン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、又は、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチリデン]−5−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イウム 3−オキシドテトラフルオロボレート(TCTU)、ここで、これらは、必用に応じて、別の誘導体[例えば、1H−ベンゾトリアゾール−1−オール(HOBt)、プロパンホスホン酸無水物(T3P)、又は、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)]と組み合わせられる。当該縮合は、触媒の存在下で実施することができる。適切な触媒は、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール又はN,N−ジメチルホルムアミドからなるリストに中で選択することができる。
【0090】
U
1がハロゲン原子を表す場合、本発明による調製方法1は、酸結合剤の存在下で実施する。適切な酸結合剤は、何れの場合にも、そのような反応に関して慣習的な全ての無機塩基及び有機塩基である。好ましくは、以下のものを使用する:アルカリ土類金属、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、又は、アルカリ金属アルコキシド、例えば、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、カリウムtert−ブトキシド、又は、別の水酸化アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酢酸塩、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、及び、さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロ−ノネン(DBN)、又は、ジアザビシクロウンデセン(DBU)。
【0091】
付加的な縮合剤の非存在下で実施することも可能であるか、又は、過剰量の当該アミン成分を用いてそのアミン成分を同時に酸結合剤として作用させることも可能である。
【0092】
本発明による調製方法1を実施するのに適している溶媒は、慣習的な不活性有機溶媒であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:ハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、i−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノール;エステル類、例えば、酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド;又は、スルホン類、例えば、スルホラン。
【0093】
本発明による調製方法1を実施する場合、該アミン誘導体は、その塩として、例えば、塩酸塩又は別の任意の都合のよい塩として、使用することが可能である。
【0094】
本発明による調製方法1を実施する場合、式(B)で表される試薬の1モル当たり、1モル又は過剰量の該アミン誘導体及び1〜3モルの該酸結合剤を使用することができる。
【0095】
当該反応成分を別の比率で使用することも可能である。後処理は、既知方法によって行う。
【0096】
本発明による調製方法1は、一般に、−20℃〜+60℃の温度で、好ましくは、0℃〜+40℃の温度で、実施する。該反応は、標準圧力下、高圧下又は低圧下(例えば、0.5〜5バール)で実施することも可能である。一般に、該反応は、標準圧力下で実施する。
【0097】
式(I)で表される化合物は、スキーム2に示されているように、エステル(II−Me)を直接的な変換(調製方法2)に付すことによって得ることも可能である。
【0098】
スキーム2:調製方法2
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【0099】
この変換に適した活性化試薬は、文献(MgBr
2, MgCl
2, 「Z. Guo et al. Tetrahedron Lett. 2001, 42, 1843」; AlMe
3, 「Woodward et al Tetrahedron Lett. 2006, 47, 5767」、「Tetrahedron Lett. 2008, 49, 5687」)に記載されており、還流下又はマイクロ波照射下についても記載されている(S. Woodward et al. Tetrahedron Lett. 2008, 49, 5687)。
【0100】
記載されているように、アミドは、エステルを、不活性溶媒中、トリアルキルアルミニウムの存在下で、アミンで処理することによって、直接的に調製される。該トリアルキルアルミニウムは、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ−tert−ブチルアルミニウム、トリブチルアルミニウムなどであり得る。トリメチルアルミニウムが好ましい。
【0101】
直接的なアミド化のための有機溶媒は、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン又はグリコールジメチルエーテル、又は、別の溶媒、例えば、トルエン又はジクロロメタンなどである。テトラヒドロフラン及びトルエンが、好ましい溶媒である。
【0102】
この段階は、一般に、0℃〜沸点の温度範囲で、好ましくは、沸点で、実施する。該反応は、標準圧力下、高圧下又は低圧下(例えば、0.5〜5バール)で実施することが可能である。一般に、該反応は、標準圧力下で実施する。
【0103】
該アミド化は、マイクロ波照射下において実施することも可能である。
【0104】
U
1がヒドロキシル基を表す化合物(B)(スキーム2Aにおいて(II−H)で表されている)は、対応するエステル類似体[例えば、式(II−Me)(スキーム2A)で表されるメチルエステル]をけん化することによって得ることができる。そのようなけん化は、「R. Larock, C., Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Ed., Wiley−VCH, New York, 1999」に記載されているように、典型的には、塩基又は酸の存在下で、適切な溶媒の中で実施する。典型的な溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、トルエン及び水、並びに、それらの2成分混合物又は3成分混合物である。典型的な塩基は、例えば、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム)、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム)である。
【0105】
スキーム2A:調製方法2A
【化10】
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【0106】
式(I)で表される化合物のさらなる修飾は、WO 2011/154240に記載されているように、例えば、トリブチル(ビニル)スズ及びパラジウム触媒を使用して、スキーム3に示されている遷移金属が触媒する反応によって達成することができるか、又は、高温下、DMF中で、種々のオレフィンと適切なパラジウム触媒[例えば、Pd(OAc)
2]を使用して、ヘックカップリングによって達成することができる(WO 2011/22216も参照されたい)。得られたオレフィンを、異なって置換されているオキシムクロリドと、[3+2]付加環化を介してさらに反応させて、対応するイソオキサゾリンとする。そのキノリン環に、炭素で結合した置換基[例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル又はアリール置換基(ここで、アリールは、炭素を介してキノリン環に結合しているヘテロアリール置換基を包含する)]を導入するために、ハロゲン化物(好ましくは、ヨウ化物)を、ボロン酸を使用するスズキカップリング(Tetrahedron, 2011, 67, 4689)、又は、WO 2011/154240に記載されているDMF中のボロキシン及び塩基を使用するスズキカップリングによって、さらに置換することも可能である。該ヨウ化物を、「Tetrahedron Lett., 1999, 40, 4379」に従って、ソノガシラカップリングによってアセチレン類と反応させた。これらのアセチレン類は、US 2007/105904に記載されているように、[3+2]を介して、オキシムクロリドと反応させる。全ての反応は、該キノリン環の3位における個々のハロゲン化物(例えば、ヨウ化物、臭化物又は塩化物)と作用し、さらには、2位、4位、5位、7位及び8位のハロゲン化物(これらの多くは、市販されているか、又は、文献に記載されている)とも作用する。市販されていない場合、該ヨウ化物は、当業者には知られている別の方法の中で、例えば、コバルト触媒(Synlett, 2006, 881)を使用して、トリフラート(Synthesis, 2005, 547)を介して、対応するヒドロキシル−キノリンから調製することができる。
【0107】
スキーム3:調製方法3
【化11】
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【0108】
スキーム3に関して、(Q)
nは、置換基Q
1、Q
3、Q
4、Q
5及びQ
6を表し、ここで、それらに対して、互いに独立して、上記定義が適用される。スキーム3に関して、Halは、Cl、Br又はIを表し、及び、Q
2は、キノリン環における炭素で結合した置換基[例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル又はアリール置換基(ここで、アリールは、炭素を介してキノリン環に結合しているヘテロアリール置換基を包含する)]を表す。
【0109】
さらに、Q
2における官能基化は、例えば、WO 2011/144444(スキーム4)に記載されているように、強求核試薬(例えば、MeOH又はアルキルチオレート)を介してヘテロ原子を導入することによって達成することも可能である。ヨウ化物(I−1)(ここで、Halは、Cl、Br又はIによって代表される)は、パラジウム触媒の存在下で、ピラゾールなどのヘテロ環とさらに反応させることができる(Angew. Chem. Int. Ed., 2006, 45、6523; Angew. Chem., 2006, 118, 6673)。
【0110】
スキーム4:調製方法4
【化12】
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【0111】
スキーム4に関して、(Q)
nは、置換基Q
1、Q
3、Q
4、Q
5及びQ
6を表し、ここで、それらに対して、互いに独立して、上記定義が適用される。スキーム4に関して、Halは、Cl、Br又はIを表し、及び、Q
2は、キノリン環におけるヘテロ原子で結合した置換基(例えば、キノリン環にヘテロ原子を介して結合しているアルコキシ、アルキルスルファニル、アルキルアミノ又はヘテロ環置換基)を表す。
【0112】
本発明は、さらに、式(I)で表されるチオアミド(I−4)にも関し、これは、式(I)で表されるそれらのアミド前駆物質(I−5)から得ることができる(スキーム5)。
【0113】
スキーム5:調製方法5
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0114】
本発明の調製方法5による適切なチオン化剤(thionating agent)は、場合により触媒量又は化学量論的量又は過剰量の塩基(例えば、無機塩基及び有機塩基)の存在下における、硫黄(S)、メルカプト酸(sulfhydric acid)(H
2S)、硫化ナトリウム(Na
2S)、水硫化ナトリウム(NaHS)、三硫化ホウ素(B
2S
3)、ビス(ジエチルアルミニウム)スルフィド[(AlEt
2)
2S]、硫化アンモニウム[(NH
4)
2S]、五硫化リン(phosphorous pentasulfide)(P
2S
5)、ローソン試薬[2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,2,3,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド]、又は、ポリマー担持チオン化試薬(cf. J. Chem. Soc. Perkin 1, 2001, 358」であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム;ヘテロ環式芳香族塩基、例えば、ピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン;及び、さらに、第3級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン又はN−メチル−ピペリジン。本発明によるこの調製方法を実施するのに適している溶媒は、慣習的な不活性有機溶媒であり得る。好ましくは、以下のものを使用する:ハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン又は1,2−ジエトキシエタン;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、i−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;硫黄含有溶媒、例えば、スルホラン又は二硫化炭素。
【0115】
本発明によるこの調製方法を実施する場合、アミド反応体(I−4)の1モル当たり、1モル又は過剰量の硫黄当量(sulfur equivalent)のチオン化剤及び1〜3モルの塩基を使用することができる。
【0116】
当該反応成分を別の比率で使用することも可能である。後処理は、既知方法によって行う。
【0117】
本発明による化合物(II−Me)は、1,3−双極子付加環化によって調製することができる(スキーム6)。
【0118】
スキーム6:調製方法6
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0119】
オキシドアザニリジンアクリレート化合物の1,3−双極子付加環化は、幾つかの総説に記載されている:1,3 dipolar Cycloaddition Chemistry, Padwa, ed. Wiley, New−York, 1984; Kanemasa and Tsuge, Heterocycles 1990, 30, 719。該反応は、典型的には、溶媒の中で、場合により塩基の存在下で、実施する。
【0120】
R
1又はR
2のいずれかとR
3において置換されているイソオキサゾールは、親双極子として適切に1,2−二置換されたオレフィンを用いて、1,3−双極子付加環化によって調製することができる。多くの場合、この付加環化から、ジアステレオマー混合物が得られる。このジアステレオマーは、カラムクロマトグラフィーを用いて分離させることが可能である。キラル分子は、キラルHPLCによって得ることが可能であり、また、Olssen(J. Org. Chem. 1988, 53, 2468)によって記載されているように、エナンチオ選択的な反応(例えば、酵素によるエステル加水分解又はアミド加水分解)によって又はキラル付加環化によって得ることも可能である。
【0121】
スキーム7において詳述されているように、市販されている2−(ブロモメチル)アクリル酸メチルエステルを、塩基性条件下において、2−(アルコキシメチル)アクリル酸メチルエステルに変換することができる。これらの2−(アルコキシメチル)アクリル酸メチルエステルを、(D)のようなクロロオキシム(又は、それらの、それぞれの、ニトリルオキシド)を用いた1,3−双極子付加環化に付す。
【0122】
同様に、チオエーテル類も得ることができる。これらは、さらに酸化して、それらのそれぞれのスルホキシド及びスルホンを生成させることができる。
【0123】
別の2−アルキルアクリル酸メチルエステルは、2−(ブロモメチル)アクリル酸メチルエステルを有機金属試薬と反応させることによって得ることができる。そのような変換は、Metzge,A.;Piller,F.M.;Knochel,P.(Chem. Commun., 2008, 44, 5824)によって記載されており、及び、WO 2006/33551に記載されている。
【0124】
スキーム7:調製方法7
【化15】
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【0125】
R
3にシアノ基を有している本発明による物質は、適切なシアノアクリレート(例えば、エチル−2−シアノアクリレート)を用いることによって合成することができる。R
1又はR
2とR
3が二置換されている本発明による物質の合成に関しては、適切に置換されているクロトン酸エステルを使用することができる。これらは、商業的に入手し得るか、又は、合成することができる。そのような合成は、Birkofer,L.;Hempel,K.(Chem. Ber., 1963, 96, 1373)、Tanoury,G.J.;Chen,M.;Dong,Y.;Forslund,R.E.;Magdziak,D.(Org. Lett., 2008, 10, 185)によって記載されている。
【0126】
R
3にビニル基又はジフルオロメチル基を有している物質に関し、合成は、スキーム8に記載されている。そのような合成においては、市販されている2−(ヒドロキシメチル)プロパ−2−エン酸メチルをクロロオキシム(D)と反応させて、イソオキサゾリン誘導体(C−4)を生成させる(J. Med. Chem., 1999, 42, 2760)。酸化及びそれに続くウィッティッヒ反応に付せば、類似体(C−6)を得ることができる。同様に、酸化及びそれに続くフッ素化剤(例えば、三フッ化ジエチルアミノ硫黄)による処理に付せば、ジフルオロメチル類似体(C−5)を得ることができる(US 4,092,310)。
【0127】
スキーム8:調製方法8
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0128】
スキーム8に示されている調製方法の別法として、R
3にジフルオロメチル基を有している化合物は、スキーム8Aに従って調製することができる。かくして、オキシム(G)を塩素化(例えば、N−クロロスクシンイミドを用いて塩素化)し、保護されているジフルオロメチルアリルアルコール(X)(「Chem. Commun., 2009, 1956」から知られているアルデヒド(X−1)から調製されたもの)と反応させて、イソオキサゾリン(III−Ac)を生成させる。加水分化による脱保護に付してアルコール(III−H)を生成させ、次いで、酸化することによって、酸誘導体(II−H)を得ることができ、これをさらに反応させて、式(I)で表される化合物を生成させることができる。(III−H)などの第1級アルコールのカルボン酸(II−H)へと至る酸化がアルデヒド中間体(スキーム8Aには示されていない)を経由するということは、当業者には知られている。
【0129】
スキーム8A:調製方法8A
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0130】
スキーム8に示されている調製方法のさらなる別法として、R
3にビニル基を有している化合物は、スキーム8Bに従って調製することができる。かくして、スキーム8Bに示されているように、ヒドロキシエチルイソオキサゾリン(II−7−Me)をさらに処理して、ビニルで置換されているイソオキサゾリン(II−Me)を得ることができる。とりわけ、この慣習的な脱水に関する一般的な方法は、ヒドロキシル基の脱離基への変換であろう。適切な既知脱離基には、例えば、メタンスルホニルオキシ(OMs)、パラ−トルエンスルホニルオキシ(OTs)及びトリフルオロメタンスルホニルオキシ(OTf)などが包含される。同様に、(II−7−Me)のヒドロキシル基のハロゲンへの変換(例えば、「Synthesis, 2011, 342」を参照されたい)及びそれに続く塩基が誘発する脱離は、可能なさらなる選択肢である。脱離基の導入又はハロゲン化に由来するそれぞれの中間体は、単離することが可能であるか、又は、当該中間体を単離することなくさらに反応させることが可能である。該脱離反応を誘発させるのに適した塩基は、包括的に以下に記載されている。これらは、単独の塩基であり得るか、又は、必用に応じて、2種類以上の塩基の組合せであり得る。
【0131】
スキーム8B:調製方法8B
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0132】
R
3がアセチレン基を含んでいる本発明による化合物を得るために、市販されている3−ヒドロキシ−2−メチリデンブタン酸メチルをクロロオキシム(D)と反応させて、イソオキサゾリン誘導体(II−7−Me)を生成させる(スキーム9)。Shi et al.(J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 14944)によって記載されているように、そのヒドロキシエチルイソオキサゾリン(II−7−Me)をさらに処理して、アセチレンイソオキサゾリン(II−8−Me)を生成させることができる。
【0133】
スキーム9:調製方法9
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0134】
スキーム6に記載されている変換に加えて、Tokerと同僚によって「J. Org. Chem., 2005, 70, 7810」の中で先に記載された1,3−双極子付加環化と同様の、カルボキシイミドイルクロリド(D)とアクリルアミド誘導体(E)の間の1,3−双極子付加環化も、式(I)で表される化合物を生成させる方法である(スキーム10)。
【0135】
スキーム10:調製方法10
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0136】
アクリル酸誘導体(F)を活性化させるために、EDCIのようなカルボジイミドを使用することができる(Chen, F. M. F.;Benoiton, N. L. Synthesis 1979, 709)。アクリルアミド(E)の合成に関しては、US 2,521,902、JP−A 60112746、「Journal of Polymer Science 1979, 17, 1655」を参照されたい(スキーム11)。
【0137】
スキーム11:調製方法11
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
【0138】
スキーム6に記載されているクロロオキシム(D)は、それらのオキシム前駆物質(G)から得ることができる(スキーム12)。かくして、オキシム(G)を適切な溶媒の中で塩素化剤(例えば、NCS)で処理して、クロロオキシム(D)を生成させることができる。
【0139】
スキーム12:調製方法12
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【0140】
スキーム13に記載されている調製方法によれば、オキシム(G)は、文献に記載されているように、それらのカルバルデヒド前駆物質(H)から得ることができる(スキーム13)。
【0141】
スキーム13:調製方法13
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0142】
アルデヒド(H)は、多くの経路によって得ることができる。
【0143】
かくして、スキーム14によれば、6−シアノキノリン(J)は、「Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii, 1975, 10, 1364」に記載されている条件に従い、又は、「Justus Liebigs Annalen der Chemie, 1966, 699, 98」に記載されている条件と極めて類似した条件で、又は、当業者には知られている別の方法によって、還元することができる。
【0144】
スキーム14:調製方法14
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0145】
さらに、6−ハロキノリン(K)〔ここで、Xは、ハロゲン原子(Br、I)を意味する〕をカルボニル化して、化合物(H)を生成させることができる(スキーム15)。該反応は、適切な溶媒の中で、塩基及び適切な遷移金属触媒(好ましくは、パラジウム)の存在下で、実施する(US−A 2006/4046)。あるいは、該6−ヒドロキシ−キノリンを反応させてトリフラートとすることができ(Synthesis, 2005, 547)、次いで、それを、パラジウム触媒によってさらにカルボニル化する(WO 2005/75439、「Bioorg. Med. Chem. Lett., 2011, 21, 2264」)。
【0146】
スキーム15:調製方法15
【化25】
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【0147】
同様に、キノリンカルバルデヒド誘導体(H)は、スキーム16〔ここで、OLは、脱離基、例えば、トリフルオロメチルスルホネート(OTf)、パラ−トルエンスルホネート(OTs)又はメタンスルホネート(OMs)などを意味する〕に示されているように、対応する6−ヒドロキシキノリン類似体(L)を遷移金属が触媒するカルボニル化に付すことによって、得ることができる。該反応は、適切な溶媒の中で、塩基及び適切な遷移金属触媒(好ましくは、パラジウム)の存在下で実施する(WO 2005/75439;WO 2012/3145194;Synthesis, 1996, 470)。
【0148】
スキーム16:調製方法16
【化26】
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【0149】
スキーム17に示されているように、置換されている(Q
1、Q
3、Q
4、Q
5及び/又はQ
6)キノリンカルバルデヒド誘導体(H)は、それぞれのメチルキノリン誘導体(M)から、文献(Chemistry−A European Journal, 2009, 15, 10144)に記載されているように二酸化セレンを用いた酸化に付し、次いで、文献に記載されているように対応するハロゲン又はスクシンイミド(例えば、NCS=N−クロロスクシンイミド;NIS=N−ヨードスクシンイミド)を用いてQ
2位をハロゲン化して、(H−1)、(H−2)又は(H−3)を生成させる(WO 2005/040124)ことによって、調製される。これらの反応は、適切な溶媒の中で実施する。
【0150】
スキーム17:調製方法17A及び調製方法17B
【化27】
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【0151】
スキーム17に関し、(Q)
nは、置換基Q
1、Q
3、Q
4、Q
5及びQ
6を表し[ここで、それらに対して、互いに独立して、上記定義が適用される]、並びに、式(M)及び式(H)において、Q
2は、Hを表す。
【0152】
Q
1、Q
3で置換されている6−メチルキノリン(M−1)及び(M−2)は、キノリン誘導体(M)を適切な溶媒の中で3−クロロペルオキシ安息香酸、過酸化水素又はトリオキシランを用いて酸化することによって得られる。好ましい溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸又は水である。3−クロロペルオキシ安息香酸が、好ましい酸化剤である。次いで、無水キノリン−N−オキシド(N)を、溶媒を用いてまたは用いずに、適切な反応体(例えば、三塩化ホスホリル)と反応させることによって、異性体(M−1)と異性体(M−2)の両方の混合物が得られ、この混合物は、クロマトグラフィーによって分離させることができる(Tetrahedron、2005, 61, 9042)(スキーム18 Fehler! Verweisquelle konnte nicht gefunden werden.)。
【0153】
スキーム18:調製方法18
【化28】
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【0154】
スキーム18において、(Q)
nは、置換基Q
2、Q
4、Q
5及びQ
6を表し、並びに、式(M)及び式(N)において、Q
1及びQ
3は、Hを表す。
【0155】
スキーム19に示されているように、Q
4、Q
5、Q
6で置換されているキノリン(M−3)は、文献(WO 2010/54006)に記載されているように、それぞれの4−メチルアニリン(O)から合成することができる。
【0156】
スキーム19:調製方法19
【化29】
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【0157】
スキーム19において、Q
1、Q
2及びQ
3は、水素を表す。
【0158】
別法として、Q
2位に臭素を有し、Q
4、Q
5、Q
6で置換されているキノリン(M−4)は、文献(WO 2008/028624、US 4,489,098)に記載されているように、対応するアニリン誘導体(O)とトリブロモプロパナールから調製される(スキーム20)。
【0159】
スキーム20:調製方法20
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0160】
スキーム20において、Q
1及びQ
3は、水素を表す。
【0161】
特に別途示されていない限り、以下の定義が使用される:
塩基
上記で記載されている本発明による調製方法に関して適切な塩基は、そのような反応に関して慣習的な全ての無機塩基及び有機塩基である。好ましくは、以下のものを使用する:アルカリ土類金属、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、又は、アルカリ金属アルコキシド、例えば、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、カリウムtert−ブトキシド、又は、別の水酸化アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酢酸塩、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、及び、さらに、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、又は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)。
【0162】
溶媒
本発明を実施するのに適している溶媒は、慣習的な不活性有機溶媒である。好ましくは、以下のものを使用する:ハロゲン化されていてもよい脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、イソブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば、酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド;又は、スルホン類、例えば、スルホラン。
【0163】
遷移金属触媒(Pd−カップリング)
上記で記載されている本発明による調製方法に関して適切な遷移金属触媒は、遷移金属塩又は遷移金属錯体から選択され得る。この目的のための適切な金属誘導体は、パラジウム系である。この目的のための適切な金属塩又は金属錯体は、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド又は1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリドである。
【0164】
パラジウム塩とリガンド又は塩〔例えば、ホスフィン、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィン)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル、トリフェニルホスフィン、トリス−(o−トリル)ホスフィン、3−(ジフェニルホスフィノ)ベンゾールスルホン酸ナトリウム、トリス−2−(メトキシフェニル)ホスフィン、2,2’−ビス−(ジフェニルホスフィン)−1,1’−ビナフチル、1,4−ビス−(ジフェニルホスフィン)ブタン、1,2−ビス−(ジフェニルホスフィン)エタン、1,4−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィン)ブタン、1,2−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィン)エタン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリス−(2,4−tert−ブチルフェニル)−ホスフィト、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン、(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(S)−(+)−1−[(R)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−t−ブチルホスフィン、又は、1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド〕を該反応に別々に加えることによって、当該反応混合物の中でパラジウム錯体を生成させることも可能である。
【0165】
Strem Chemicalsによる“Metal Catalysts for Organic Synthesis”又はStrem Chemicalsによる“Phosphorous Ligands and Compounds”などの商業用カタログから適切な触媒及び/又はリガンドを選択することも有利である。
【0166】
酸活性化
上記で記載されている本発明による調製方法に関して適切な縮合剤は、酸ハロゲン化物形成物質〔例えば、ホスゲン、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リン、三塩化リン酸化物(phosphorous trichloride oxide)、又は、塩化チオニル〕、無水物形成物質〔例えば、クロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチル、又は、メタンスルホニルクロリド〕、カルボジイミド類〔例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)〕、又は、別の慣習的な縮合剤〔例えば、五酸化リン、ポリリン酸、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、トリフェニルホスフィン/テトラクロロメタン、4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド水和物、又は、ブロモ−トリピロリジノ−ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート〕であるように選択され得る。
【0167】
例えば、本発明による調製方法3又は調製方法4を実施するのに適している触媒は、4−ジメチル−アミノピリジン、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール又はジメチルホルムアミドであるように選択され得る。
【0168】
チオン化(thionation)
上記で記載されている本発明による調製方法(例えば、調製方法5)に関して適切なチオン化剤は、硫黄(S)、メルカプト酸(sulfhydric acid)(H
2S)、硫化ナトリウム(Na
2S)、水硫化ナトリウム(NaHS)、三硫化ホウ素(B
2S
3)、ビス(ジエチルアルミニウム)スルフィド[(AlEt
2)
2S]、硫化アンモニウム[(NH
4)
2S]、五硫化リン(phosphorous pentasulfide)(P
2S
5)、ローソン試薬[2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,2,3,4−ジチアジホスフェタン 2,4−ジスルフィド]、又は、ポリマー担持チオン化試薬(cf. J. Chem. Soc. Perkin 1, 2001, 358」であり得る。
【0169】
一般原則
当該反応成分を別の比率で使用することも可能である。後処理は、既知方法によって行う。
【0170】
一般に、当該反応混合物を減圧下で濃縮する。残った残渣から、依然として存在している可能性のある不純物を、クロマトグラフィー又は結晶化などの既知方法によって除去することができる。
【0171】
本発明による調製方法を実施する場合、その反応温度は、比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、これらの調製方法は、0℃〜160℃の温度で、好ましくは、10℃〜120℃の温度で実施する。本発明による調製方法に関してその温度を制御する方法は、マイクロ波技術を使用することである。
【0172】
スキーム1〜スキーム18による調製方法は、一般に、大気圧下で実施する。高圧下又は減圧下で実施することも可能である。
【0173】
本発明による化合物は、上記で記載し調製方法に準じて調製することができる。それにもかかわらず、当業者が、自分の一般的な知識及び利用可能な刊行物に基づいて、合成することが望まれる本発明化合物のそれぞれの特性に応じて該調製方法を適合させることができるということは理解されるであろう。
【0174】
本発明は、さらに、式(I)で表される化合物及びその塩の新規酸中間体及びエステル中間体にも関し、それらは、本発明の一部分を構成する。
【0175】
式(II)で表される新規キノリン−イソオキサゾリン−5−カルボキシル酸若しくはキノリン−イソオキサゾリン−5−チオカルボン酸又はキノリン−イソオキサゾリン−5−カルボキシル酸エステル若しくはキノリン−イソオキサゾリン−5−チオカルボン酸エステルは、
【化31】
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【0176】
であり、上記式中、
Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5、Q
6、Y、R
1、R
2及びR
3は、上記式(I)に関して定義されている意味と同じ意味を有し;
R
cは、水素;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルケニル;C
2−C
8−ハロアルケニル;置換されているか若しくは置換されていないC
2−C
8−アルキニル;C
2−C
8−ハロアルキニル;置換されているか若しくは置換されていないアリール;又は、置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員の不飽和ヘテロ環(ここで、該不飽和ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表す。
【0177】
R
cは、
好ましくは、水素を表すか、又は、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルを表す。
【0178】
R
cは、
特に好ましくは、水素を表すか、又は、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
4−アルキルを表す。
【0179】
R
cは、
極めて特に好ましくは、水素、メチル又はエチルを表す。
【0180】
Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5、Q
6、Y、R
1、R
2及びR
3に関するラジカルの好ましい定義は、式(I)で表される化合物に関して上記で既に与えられている。ラジカルのそのような好ましい定義は、式(II)で表されるエステル又は酸に対しても適用される。
【0181】
本発明は、さらに、式(III)で表される新規中間体及びその塩にも関し、それらは、本発明の一部分を構成する。
【0182】
式(III)で表される新規化合物は、
【化32】
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【0183】
であり、上記式中、
Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5、Q
6、R
1、R
2及びR
3は、上記式(I)に関して定義されている意味と同じ意味を有し;
R
dは、水素;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
3−C
7−シクロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノカルボニル;置換されているか若しくは置換されていないアリール;又は、置換されているか若しくは置換されていない5員、6員若しくは7員の不飽和ヘテロ環(ここで、該不飽和ヘテロ環は、1〜3個のヘテロ原子を有している)を表す。
【0184】
R
dは、
好ましくは、水素;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキル;C
1−C
8−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルカルボニル、置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
8−アルキルアミノカルボニル;又は、置換されているか若しくは置換されていないアリールを表す。
【0185】
R
dは、
特に好ましくは、水素;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
4−アルキル;C
1−C
4−ハロアルキル;置換されているか若しくは置換されていないC
1−C
4−アルキルカルボニルを表す。
【0186】
本発明の好ましい実施形態において、式(III)で表される中間体の化合物は、式(III−Ac)
【化33】
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【0187】
〔式中、Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5、Q
6、R
1、R
2及びR
3は、上記式(I)に関して定義されている意味と同じ意味を有する〕
で表される化合物によって代表される。
【0188】
本発明の好ましい別の実施形態において、式(III)で表される中間体の化合物は、式(III−H)
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0189】
〔式中、Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5、Q
6、R
1、R
2及びR
3は、上記式(I)に関して定義されている意味と同じ意味を有する〕
で表される化合物によって代表される。
【0190】
Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5、Q
6、R
1、R
2及びR
3に関するラジカルの好ましい定義は、式(I)で表される化合物に関して上記で既に与えられている。ラジカルのそのような好ましい定義は、式(III)、式(III−Ac)及び式(III−H)で表される中間体に対しても適用される。
【0191】
スキーム8Aにおいて明示的には示されていないが、式(III−H)で表される第1級アルコールの式(II−H)で表されるカルボン酸へと至る酸化は、式(IV)で表されるアルデヒド中間体を経由する。
【0192】
従って、本発明は、さらに、式(IV)で表される新規アルデヒド中間体及びその塩にも関し、それらは、本発明の一部分を構成する。
【0193】
式(IV)で表される新規化合物は
【化35】
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【0194】
であり、上記式中、Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5、Q
6、R
1、R
2及びR
3は、上記式(I)に関して定義されている意味と同じ意味を有する。
【0195】
Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5、Q
6、R
1、R
2及びR
3に関するラジカルの好ましい定義は、式(I)で表される化合物に関して上記で既に与えられている。ラジカルのそのような好ましい定義は、式(IV)で表されるアルデヒド中間体に対しても適用される。
【0196】
本発明は、さらに、式(V)で表される新規オキシム中間体又はクロロオキシム中間体及びその塩にも関し、それらは、本発明の一部分を構成する。
【0197】
式(V)で表される新規化合物は
【化36】
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【0198】
であり、上記式中、
Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5及びQ
6は、上記式(I)に関して定義されている意味と同じ意味を有し;
Tは、H又はClを表す;
但し、以下の化合物は除く
・ N−ヒドロキシキノリン−6−カルボキシイミドイルクロリド;
・ N−ヒドロキシキノリン−6−カルボキシイミドイルクロリド塩酸塩(1:1);
・ (E)−N−ヒドロキシ−1−(キノリン−6−イル)メタンイミン;
・ 6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]キノリン−5−アミン;
・ (E)−N−ヒドロキシ−1−(5−ニトロキノリン−6−イル)メタンイミン;
・ (Z)−N−ヒドロキシ−1−(5−ニトロキノリン−6−イル)メタンイミン;
・ (1R,2R)−6−(ジメチルアミノ)−1−{6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−2−メトキシキノリン−3−イル}−1,2−ジフェニルヘキサン−2−オール;
・ (1R,2S)−4−(ジメチルアミノ)−1−{6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−2−メトキシキノリン−3−イル}−2−(1−ナフチル)−1−フェニルブタン−2−オール;
・ (1R,2R)−4−(ジメチルアミノ)−1−{6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−2−メトキシキノリン−3−イル}−2−(1−ナフチル)−1−フェニルブタン−2−オール;
・ (1R,2S)−6−(ジメチルアミノ)−1−{6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−2−メトキシキノリン−3−イル}−2−(2−ナフチル)−1−フェニルヘキサン−2−オール;
・ (1R,2R)−6−(ジメチルアミノ)−1−{6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−2−メトキシキノリン−3−イル}−2−(2−ナフチル)−1−フェニルヘキサン−2−オール;
・ (5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−{2−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]フェナントリジン−8−イル}−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸;
・ (5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−{2−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]フェナントリジン−8−イル}−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸−ナトリウム(1:1);
・ (3aS,4R,9R,10R,11R,13R,15R,15aR)−4−エチル−7−フルオロ−11−{[(2Z)−3−{6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]キノリン−3−イル}プロパ−2−エン−1−イル]オキシ}−3a,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−2,6,8,14−テトラオキソテトラデカヒドロ−2H−オキサシクロテトラデシノ[4,3−d][1,3]オキサゾール−10−イル−3,4,6−トリデオキシ−3−(ジメチルアミノ)−ベータ−D−キシロ−ヘキソピラノシド。
【0199】
式(V)で表される化合物は、上記スキームにおいては、化合物(D)[TがClを表す場合]又は化合物(G)[TがHを表す場合]としてとして表されている。
【0200】
従って、式(V)で表される特に好ましい化合物は、式(G)
【化37】
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【0201】
〔式中、Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5及びQ
6は、上記式(I)に関して定義されている意味と同じ意味を有する〕
で表されるオキシムである:
但し、以下の化合物は除く
・ (E)−N−ヒドロキシ−1−(キノリン−6−イル)メタンイミン;
・ 6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]キノリン−5−アミン;
・ (E)−N−ヒドロキシ−1−(5−ニトロキノリン−6−イル)メタンイミン;
・ (Z)−N−ヒドロキシ−1−(5−ニトロキノリン−6−イル)メタンイミン;
・ (1R,2R)−6−(ジメチルアミノ)−1−{6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−2−メトキシキノリン−3−イル}−1,2−ジフェニルヘキサン−2−オール;
・ (1R,2S)−4−(ジメチルアミノ)−1−{6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−2−メトキシキノリン−3−イル}−2−(1−ナフチル)−1−フェニルブタン−2−オール;
・ (1R,2R)−4−(ジメチルアミノ)−1−{6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−2−メトキシキノリン−3−イル}−2−(1−ナフチル)−1−フェニルブタン−2−オール;
・ (1R,2S)−6−(ジメチルアミノ)−1−{6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−2−メトキシキノリン−3−イル}−2−(2−ナフチル)−1−フェニルヘキサン−2−オール;
・ (1R,2R)−6−(ジメチルアミノ)−1−{6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]−2−メトキシキノリン−3−イル}−2−(2−ナフチル)−1−フェニルヘキサン−2−オール;
・ (5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−{2−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]フェナントリジン−8−イル}−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸;
・ (5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−{2−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]フェナントリジン−8−イル}−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸−ナトリウム(1:1);
・ (3aS,4R,9R,10R,11R,13R,15R,15aR)−4−エチル−7−フルオロ−11−{[(2Z)−3−{6−[(E)−(ヒドロキシイミノ)メチル]キノリン−3−イル}プロパ−2−エン−1−イル]オキシ}−3a,7,9,11,13,15−ヘキサメチル−2,6,8,14−テトラオキソテトラデカヒドロ−2H−オキサシクロテトラデシノ[4,3−d][1,3]オキサゾール−10−イル−3,4,6−トリデオキシ−3−(ジメチルアミノ)−ベータ−D−キシロ−ヘキソピラノシド。
【0202】
さらにまた、式(V)で表される特に好ましい化合物は、式(D)
【化38】
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【0203】
〔式中、Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5及びQ
6は、上記式(I)に関して定義されている意味と同じ意味を有する〕
で表されるクロロオキシムである:
但し、以下の化合物は除く
・ N−ヒドロキシキノリン−6−カルボキシイミドイルクロリド;
・ N−ヒドロキシキノリン−6−カルボキシイミドイルクロリド塩酸塩(1:1)。
【0204】
Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5及びQ
6に関するラジカルの好ましい定義は、式(I)に関する化合物に関して既に上記で与えられている。そのようなラジカルの好ましい定義は、式(V)で表される化合物にも適用される。
【0205】
本発明による式(I)で表される化合物は、生理学的に許容される塩(例えば、酸付加塩又は金属塩錯体)に変換することができる。
【0206】
上記で定義した置換基の種類に応じて、式(I)で表される化合物は、酸性特性又は塩基性特性を有していて、無機酸若しくは有機酸との、又は、塩基との、又は、金属イオンとの、塩を形成することが可能であり、場合により、分子内塩又は付加体も形成することが可能である。式(I)で表される化合物が、アミノ基を有しているか、アルキルアミノ基を有しているか又は塩基性特性を誘導する別の基を有している場合、そのような化合物は、酸と反応させて塩を生成させることが可能であり、又は、そのような化合物は、合成において直接的に塩として得られる。式(I)で表される化合物が、ヒドロキシル基を有しているか、カルボキシル基を有しているか、又は、酸性特性を誘導する別の基を有している場合、そのような化合物は、塩基と反応させて塩を生成させることが可能である。適切な塩基は、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、特に、ナトリウウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩であり、さらに、アンモニア、(C
1−C
4)−アルキル基を有する第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミン、(C
1−C
4)−アルカノールのモノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン及びトリアルカノールアミン、コリン及びクロロコリンも適している。
【0207】
このようにして得ることができる塩も、同様に、殺菌特性を有している。
【0208】
無機酸の例は、ハロゲン化水素酸(例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素)、硫酸、リン酸及び硝酸、並びに、酸性塩(例えば、NaHSO
4及びKHSO
4)である。有用な有機酸は、例えば、ギ酸、炭酸及びアルカン酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸及びプロピオン酸)、並びに、さらに、グリコール酸、チオシアン酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、ソルビン酸、シュウ酸、アルキルスルホン酸(1〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルラジカルを有しているスルホン酸)、アリールスルホン酸又はアリールジスルホン酸(1又は2のスルホン酸基を有している、フェニル及びナフチルなどの芳香族ラジカル)、アルキルホスホン酸(1〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルラジカルを有しているホスホン酸)、アリールホスホン酸又はアリールジホスホン酸(1又は2のホスホン酸ラジカルを有している、フェニル及びナフチルなどの芳香族ラジカル)などであり、ここで、前記アルキルラジカル及びアリールラジカルは、さらなる置換基も有することができる(例えば、p−トルエンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸など)。
【0209】
適切な金属イオンは、特に、第2主族の元素(特に、カルシウム及びマグネシウム)のイオン、第3及び第4主族の元素(特に、アルミニウム、スズ及び鉛)のイオン、並びに、さらに、第1〜第8遷移族の元素(特に、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛など)のイオンである。特に好ましいのは、第4周期の元素の金属イオンである。ここで、該金属は、可能なさまざまな原子価で存在することができる。
【0210】
式(I)で表される化合物の酸付加塩は、塩を形成させるための慣習的な方法によって、例えば、式(I)で表される化合物を適切な不活性溶媒に溶解させ及び当該酸(例えば、塩酸)を添加することによって、容易に得ることが可能であり、並びに、既知方法で、例えば、それらを濾過することによって、単離することが可能であり、並びに、必用に応じて、不活性有機溶媒で洗浄することによって精製することが可能である。
【0211】
当該塩の適切なアニオンは、好ましくは、以下の酸から誘導されるアニオンである: ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸及び臭化水素酸、並びに、さらに、リン酸、硝酸及び硫酸。
【0212】
式(I)で表される化合物の金属塩錯体は、慣習的な方法によって、例えば、当該金属塩をアルコール(例えば、エタノール)に溶解させ及び式(I)で表される化合物の溶液を添加することによって、容易に得ることができる。金属塩錯体は、既知方法で、例えば、濾過することによって単離することが可能であり、及び、必用に応じて、再結晶させることによって、精製することが可能である。
【0213】
式(I)で表される化合物又はその中間体のN−オキシドは、慣習的な方法によって、例えば、過酸化水素(H
2O
2)、過酸[例えば、ペルオキシ硫酸又はペルオキシカルボン酸、例えば、メタ−クロロペルオキシ安息香酸又はペルオキシ一硫酸(カロ酸)]を用いてN−オキシド化することによって、容易に得ることができる。
【0214】
組成物/製剤
本発明は、さらに、有効で且つ植物に対して毒性を示さない量の本発明による活性成分を含んでいる、有害な微生物(特に、望ましくない菌類及び細菌類)を防除するための作物保護組成物にも関する。そのような作物保護組成物は、好ましくは、農業上適切な補助剤、溶媒、担体、界面活性剤又は増量剤を含んでいる殺菌剤組成物である。
【0215】
本発明に関連して、「有害な微生物の防除」は、処理されていない植物と比較して、殺菌効力として測定された有害な微生物による感染が低減されていること、好ましくは、処理されていない植物(100%)と比較して25〜50%低減されていること、さらに好ましくは、処理されていない植物(100%)と比較して40〜79%低減されていること、さらに一層好ましくは、有害な微生物による感染が完全に(70〜100%)抑制されていることを意味する。該防除は、治療的なもの、即ち、既に感染している植物を処理するためのものであり得るか、又は、未だ感染していない植物を保護するための、保護的なものであり得る。
【0216】
「有効で且つ植物に対して毒性を示さない量(effective but non−phytotoxic amount)」は、植物の菌類病を満足のいくように防除するか又は植物の菌類病を完全に根絶するのに充分でありながら、同時に、植物毒性の重大などのような症状も引き起こすことのない、本発明組成物の量を意味する。一般に、そのような施用量は、比較的広い範囲内で変動し得る。それは、いくつかの要因に依存し、例えば、防除対象の菌類、植物、気候条件及び本発明組成物の成分などに依存する。
【0217】
適切な有機溶媒には、製剤目的のために一般的に使用される極性及び非極性の全ての有機溶媒が包含される。好ましくは、該溶媒は、以下のものから選択される:ケトン類、例えば、メチル−イソブチル−ケトン及びシクロヘキサノン、アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド及びアルカンカルボン酸アミド類、例えば、N,N−ジメチルデカンアミド及びN,N−ジメチルオクタンアミド、さらに、環状溶媒、例えば、N−メチル−ピロリドン、N−オクチル−ピロリドン、N−ドデシル−ピロリドン、N−オクチル−カプロラクタム、N−ドデシル−カプロラクタム及びブチロラクトン、さらに、強極性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、及び、芳香族炭化水素類、例えば、キシロール、Solvesso
TM、鉱油、例えば、ホワイトスピリット、石油、アルキルベンゼン類及びスピンドル油、さらに、エステル類、例えば、プロピレングリコール−モノメチルエーテルアセテート、アジピン酸ジブチルエステル、酢酸ヘキシルエステル、酢酸ヘプチルエステル、クエン酸トリ−n−ブチルエステル及びフタル酸ジ−n−ブチルエステル、さらに、アルコール類、例えば、ベンジルアルコール及び1−メトキシ−2−プロパノール。
【0218】
本発明によれば、担体は、特に植物又は植物の部分又は種子への施用に関して、適用性を良好にするために、当該活性成分と混合させるか又は合する天然又は合成の有機物質又は無機物質である。このような担体(ここで、該担体は、固体又は液体であり得る)は、一般に、不活性であり、そして、農業において使用するのに適しているべきである。
【0219】
有用な固体又は液体の担体としては、以下のものなどがある:例えば、アンモニウム塩、並びに、天然岩粉、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、並びに、合成岩粉、例えば、微粉化シリカ、アルミナ及び天然又は合成のシリケート、樹脂、蝋、固形肥料、水、アルコール、特に、ブタノール、有機溶媒、鉱油及び植物油、並びに、それらの誘導体。そのような担体の混合物も同様に使用し得る。
【0220】
適切な固体増量剤及び担体としては、以下のものなどがある:無機粒子、例えば、0.005〜20μm(好ましくは、0.02〜10μm)の平均粒径を有する炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩及び酸化物、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、尿素、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、所謂、微粒子シリカ、シリカゲル、天然又は合成のシリケート、及び、アルモシリケート、並びに、植物生成物、例えば、穀粉、木粉/おがくず、及び、セルロース粉末。
【0221】
粒剤に有用な固体担体としては、以下のものなどがある:例えば、粉砕して分別した天然石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、苦灰岩、並びに、無機及び有機の粗挽き粉からなる合成顆粒、並びに、さらに、有機材料、例えば、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などからなる顆粒。
【0222】
有用な液化ガス増量剤又は担体は、標準温度及び標準圧力下では気体である液体、例えば、エーロゾル噴射剤、例えば、ハロ炭化水素類、さらに、ブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素などである。
【0223】
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、並びに、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然ポリマー及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、及び、合成リン脂質などを使用することができる。さらなる添加剤は、鉱油及び植物油であり得る。
【0224】
使用する増量剤が水である場合、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。有用な液体溶媒は、本質的に、以下のものである:芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物及び塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又はジクロロメタン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、鉱油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコールとそれらのエーテル及びエステル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、及び、さらに、水。
【0225】
適切な界面活性剤(アジュバント、乳化剤、分散剤、保護コロイド、湿潤剤及び粘着剤)には、一般的な全てのイオン性物質及び非イオン性物質、例えば、以下のものが包含される:エトキシ化ノニルフェノール類、直鎖アルコール又は分枝鎖アルコールのポリアルキレングリコールエーテル類、アルキルフェノールとエチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシドとの反応生成物、脂肪酸アミンとエチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシドとの反応生成物、さらに、脂肪族エステル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アルキルエーテルスルフェート類、アルキルエーテルホスフェート類、アリールスルフェート類、エトキシ化アリールアルキルフェノール類、例えば、トリスチリル−フェノール−エトキシレート類、さらに、エトキシ化及びプロポイキシ化アリールアルキルフェノール類、同様に、硫酸化若しくはリン酸化アリールアルキルフェノール−エトキシレート類並びに硫酸化若しくはリン酸化アリールアルキルフェノール−エトキシ及びプロポキシレート類。さらなる例は、以下のものである:天然及び合成の水溶性ポリマー、例えば、リグノスルホネート類、ゼラチン、アラビアゴム、リン脂質、澱粉、疎水性化工澱粉及びセルロース誘導体、特に、セルロースエステル及びセルロースエーテル、さらに、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及び(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルのコポリマー、さらに、アルカリ金属水酸化物で中和されたメタクリル酸とメタクリル酸エステルのコポリマー、及び、場合により置換されていてもよいナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドの縮合物。該活性成分のうちの1種類及び/又は該不活性担体のうちの1種類が水不溶性であり且つ施用が水で行われる場合は、界面活性剤を存在させることが必要である。界面活性剤の割合は、本発明による組成物の5重量%〜40重量%である。
【0226】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian Blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0227】
該製剤中に存在させることができる消泡剤としては、例えば、シリコーンエマルション類、長鎖アルコール類、脂肪酸とそれらの塩、及び、さらに、フルオロ有機物質、並びに、それらの混合物などを挙げることができる。
【0228】
増粘剤の例は、多糖類、例えば、キサンタンガム又はVeegum、シリケート類、例えば、アタパルジャイト、ベントナイト、及び、微粒子シリカなどである。
【0229】
適切な場合には、付加的な別の成分、例えば、保護コロイド、結合剤、粘着剤、増粘剤、揺変性物質、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤、錯化剤なども存在させることができる。一般的に、該活性成分は、製剤目的で通常使用される固体又は液体の任意の添加剤と組み合わせることが可能である。
【0230】
本発明の活性成分又は組成物は、そのままで使用することが可能であるか、又は、それらの特定の物理的及び/若しくは化学的特性に応じて、以下のようなそれらの製剤の形態若しくはその製剤から調製される使用形態で使用することが可能である:例えば、エーロゾル、カプセル懸濁液剤、冷煙霧濃厚剤(cold−fogging concentrate)、温煙霧濃厚剤(warm−fogging concentrate)、カプセル化粒剤、細粒剤、種子処理用フロアブル剤、即時使用可能な溶液剤(ready−to−use solution)、散粉性粉剤、乳剤、水中油型エマルション剤、油中水型エマルション剤、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液剤、ガス剤(加圧下)、ガス生成剤(gas generating product)、泡剤(foam)、ペースト剤、農薬粉衣種子、懸濁製剤(suspension concentrate)、サスポエマルション製剤、可溶性濃厚剤(soluble concentrate)、懸濁液剤(suspension)、水和剤、可溶性粉剤(soluble powder)、粉剤及び粒剤、水溶性及び水分散性の顆粒剤及び錠剤、種子処理用の水溶性粉剤及び水分散性粉剤、水和剤、活性成分が含浸されている天然生成物及び合成物質、並びに、さらに、ポリマー物質中にマイクロカプセル化されているもの及び種子用のコーティング物質中にマイクロカプセル化されているもの、並びに、さらに、ULV冷煙霧製剤(ULV cold−fogging formulation)及びULV温煙霧製剤(ULV warm−fogging formulation)。
【0231】
本発明の組成物には、既に使用し得る状態にあって適切な装置を用いて植物又は種子に対して施用可能な製剤のみではなく、使用前に水で希釈することが必要な商業的な濃厚物も包含される。慣習的な施用は、例えば、水で希釈し、その後、得られた散布液を噴霧すること、油で希釈した後、施用すること、希釈せずに直接施用すること、種子処理又は顆粒剤の土壌施用などである。
【0232】
本発明による組成物及び製剤は、一般に、0.05〜99重量%、0.01〜98%重量%、好ましくは、0.1〜95重量%、さらに好ましくは、0.5〜90重量%の活性成分を含有し、最も好ましくは、10〜70重量%の活性成分を含有する。特別な施用の場合、例えば、材木及びそれから形成された木材製品を保護するための特別な施用の場合、本発明による組成物及び製剤は、一般に、0.0001〜95重量%、好ましくは、0.001〜60重量%の活性成分を含有する。
【0233】
市販製剤から調製された施用形態の中の該活性成分の含有量は、広い範囲内でさまざまであり得る。該施用形態中の活性成分の濃度は、一般に、0.000001〜95重量%であり、好ましくは、0.0001〜2重量%である。
【0234】
上記製剤は、自体公知の方法で、例えば、当該活性成分を少なくとも1種類の慣習的な増量剤、溶媒又は希釈剤、アジュバント、乳化剤、分散剤及び/又は結合剤又は固着剤、湿潤剤、撥水剤、適切な場合には、乾燥剤及び紫外線安定剤、並びに、適切な場合には、染料及び顔料、消泡剤、防腐剤、無機増粘剤及び有機増粘剤、粘着剤、ジベレリン類、並びに、さらに、さらなる加工助剤、及び、さらに、水と混合させることによって、調製することができる。調製しようとする製剤の型に応じて、例えば、湿式粉砕、乾式粉砕及び造粒などの、さらなる加工段階が必要である。
【0235】
本発明の活性成分は、それだけで存在し得るか、又は、その(商業用)製剤中に、及び、そのような製剤から調製された使用形態中に、殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節剤、除草剤、肥料、薬害軽減剤及び/又は情報化学物質などの別の(既知)活性成分との混合物として、存在し得る。
【0236】
上記活性成分若しくは組成物を用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法によって、例えば、浸漬、散布、噴霧、潅漑、気化、散粉、煙霧、ばらまき、泡状化、塗布、拡散(spreading−on)、潅水(潅注(drenching))、点滴潅漑などによって、直接的に行うか、又は、該活性成分若しくは組成物を植物及び植物の部分の周囲、生息環境若しくは貯蔵空間に作用させることにより行い、また、繁殖器官(propagation material)の場合、特に種子の場合には、さらに、乾式種子処理、湿式種子処理、スラリー処理、被覆化(incrustation)、1以上の塗膜(coat)によるコーティングなどによっても行う。さらに、該活性成分を微量散布法(ultra−low volume method)によって使用することも可能であり、又は、該活性成分調製物若しくは活性成分自体を土壌中に注入することも可能である。
【0237】
植物/作物保護
本発明の活性成分又は組成物は、強力な殺微生物活性(microbicidal activity)を有しており、作物保護と材料物質(materials)の保護において、有害な微生物(例えば、菌類及び細菌類)を防除するために使用することができる。
【0238】
本発明は、さらに、有害な微生物を防除する方法にも関し、ここで、該方法は、本発明の活性成分を当該植物病原性菌類、植物病原性細菌類及び/又はそれらの生息環境に施用することを特徴とする。
【0239】
殺菌剤は、作物保護において、植物病原性菌類を防除するために使用することができる。それらは、土壌伝染性病原体を包含する広範囲の植物病原性菌類〔ここで、該植物病原性菌類は、特に、ネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Peronosporomycetes)(同義語:Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)(同義語:Fungi imperfecti)のクラスのメンバーである〕に対する顕著な効力によって特徴付けられる。一部の殺菌剤は、浸透移行的な活性を示し、そして、植物保護において、茎葉処理殺菌剤、種子粉衣殺菌剤又は土壌殺菌剤として使用することができる。さらに、それらは、菌類、特に、材木又は植物の根を侵襲する菌類を防除するのに適している。
【0240】
殺細菌剤(bactericide)は、作物保護において、、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)及びストレプトミセス科(Streptomycetaceae)を防除するために、使用することができる。
【0241】
本発明に従って治療することが可能な菌類病の病原体の非限定的な例としては、以下のものを挙げることができる:
・ 例えば以下のような、うどんこ病病原体に起因する病害: ブルメリア属各種(Blumeria species)、例えば、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis); ポドスファエラ属各種(Podosphaera species)、例えば、ポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha); スファエロテカ属各種(Sphaerotheca species)、例えば、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea); ウンシヌラ属各種(Uncinula species)、例えば、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator);
・ 例えば以下のような、さび病病原体に起因する病害: ギムノスポランギウム属各種(Gymnosporangium species)、例えば、ギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae); ヘミレイア属各種(Hemileia species)、例えば、ヘミレイア・バスタトリクス(Hemileia vastatrix); ファコプソラ属各種(Phakopsora species)、例えば、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae); プッシニア属各種(Puccinia species)、例えば、プッシニア・レコンジテ(Puccinia recondite)、プッシニア・トリチシナ(P. triticina)、プッシニア・グラミニス(P. graminis)又はプッシニア・ストリイホルミス(P. striiformis); ウロミセス属各種(Uromyces species)、例えば、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus);
・ 例えば以下のような、卵菌類(Oomycetes)の群の病原体に起因する病害: アルブゴ属各種(Albugo species)、例えば、アルブゴ・カンジダ(Albugo candida); ブレミア属各種(Bremia species)、例えば、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae); ペロノスポラ属各種(Peronospora species)、例えば、ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae); フィトフトラ属各種(Phytophthora species)、例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans); プラスモパラ属各種(Plasmopara species)、例えば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola); プセウドペロノスポラ属各種(Pseudoperonospora species)、例えば、プセウドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はプセウドペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis); ピシウム属各種(Pythium species)、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum);
・ 例えば以下のものに起因する、斑点病(leaf blotch disease)及び萎凋病(leaf wilt disease): アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani); セルコスポラ属各種(Cercospora species)、例えば、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola); クラジオスポリウム属各種(Cladiosporium species)、例えば、クラジオスポリウム・ククメリヌム(Cladiosporium cucumerinum); コクリオボルス属各種(Cochliobolus species)、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(分生子形態:Drechslera, 同義語:Helminthosporium)、コクリオボルス・ミヤベアヌス(Cochliobolus miyabeanus); コレトトリクム属各種(Colletotrichum species)、例えば、コレトトリクム・リンデムタニウム(Colletotrichum lindemuthanium); シクロコニウム属各種(Cycloconium species)、例えば、シクロコニウム・オレアギヌム(Cycloconium oleaginum); ジアポルテ属各種(Diaporthe species)、例えば、ジアポルテ・シトリ(Diaporthe citri); エルシノエ属各種(Elsinoe species)、例えば、エルシノエ・ファウセッチイ(Elsinoe fawcettii); グロエオスポリウム属各種(Gloeosporium species)、例えば、グロエオスポリウム・ラエチコロル(Gloeosporium laeticolor); グロメレラ属各種(Glomerella species)、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata); グイグナルジア属各種(Guignardia species)、例えば、グイグナルジア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli); レプトスファエリア属各種(Leptosphaeria species)、例えば、レプトスファエリア・マクランス(Leptosphaeria maculans)、レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum); マグナポルテ属各種(Magnaporthe species)、例えば、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea); ミクロドキウム属各種(Microdochium species)、例えば、ミクロドキウム・ニバレ(Microdochium nivale); ミコスファエレラ属各種(Mycosphaerella species)、例えば、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)、ミコスファエレラ・アラキジコラ(M. arachidicola)及びミコスファエレラ・フィジエンシス(M. fijiensis); ファエオスファエリア属各種(Phaeosphaeria species)、例えば、ファエオスファエリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum); ピレノホラ属各種(Pyrenophora species)、例えば、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)、ピレノホラ・トリチシ・レペンチス(Pyrenophora tritici repentis); ラムラリア属各種(Ramularia species)、例えば、ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo−cygni)、ラムラリア・アレオラ(Ramularia areola); リンコスポリウム属各種(Rhynchosporium species)、例えば、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis); セプトリア属各種(Septoria species)、例えば、セプトリア・アピイ(Septoria apii)、セプトリア・リコペルシイ(Septoria lycopersii); チフラ属各種(Typhula species)、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata); ベンツリア属各種(Venturia species)、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis);
・ 例えば以下のものに起因する、根及び茎の病害: コルチシウム属各種(Corticium species)、例えば、コルチシウム・グラミネアルム(Corticium graminearum); フサリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum); ガエウマンノミセス属各種(Gaeumannomyces species)、例えば、ガエウマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis); リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani); サロクラジウム(Sarocladium)病、これは、例えば、サロクラジウム・オリザエ(Sarocladium oryzae)に起因する; スクレロチウム(Sclerotium)病、これは、例えば、スクレロチウム・オリザエ(Sclerotium oryzae)に起因する; タペシア属各種(Tapesia species)、例えば、タペシア・アクホルミス(Tapesia acuformis); チエラビオプシス属各種(Thielaviopsis species)、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola);
・ 例えば以下のものに起因する、穂の病害(ear and panicle disease)(トウモロコシの穂軸を包含する): アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria spp.); アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus); クラドスポリウム属各種(Cladosporium species)、例えば、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides); クラビセプス属各種(Claviceps species)、例えば、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea); フサリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum); ジベレラ属各種(Gibberella species)、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae); モノグラフェラ属各種(Monographella species)、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis); セプトリア属各種(Septoria species)、例えば、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum);
・ 例えば以下のものなどの、黒穂病菌類(smut fungi)に起因する病害: スファセロテカ属各種(Sphacelotheca species)、例えば、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana); チレチア属各種(Tilletia species)、例えば、チレチア・カリエス(Tilletia caries)、チレチア・コントロベルサ(T. controversa); ウロシスチス属各種(Urocystis species)、例えば、ウロシスチス・オクルタ(Urocystis occulta); ウスチラゴ属各種(Ustilago species)、例えば、ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)、ウスチラゴ・ヌダ・トリチシ(U. nuda tritici);
・ 例えば以下のものに起因する、果実の腐敗(fruit rot): アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus); ボトリチス属各種(Botrytis species)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea); ペニシリウム属各種(Penicillium species)、例えば、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)及びペニシリウム・プルプロゲヌム(P. purpurogenum); スクレロチニア属各種(Sclerotinia species)、例えば、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum); ベルチシリウム属各種(Verticilium species)、例えば、ベルチシリウム・アルボアトルム(Verticilium alboatrum);
・ 例えば以下のものに起因する、種子及び土壌が媒介する腐朽性、黴性、萎凋性、腐敗性及び苗立ち枯れ性の病害(seed and soilborne decay, mould, wilt, rot and damping−off disease): アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア・ブラシシコラ(Alternaria brassicicola)に起因する; アファノミセス属各種(Aphanomyces species)、例えば、アファノミセス・エウテイケス(Aphanomyces euteiches)に起因する; アスコキタ属各種(Ascochyta species)、例えば、アスコキタ・レンチス(Ascochyta lentis)に起因する; アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因する; クラドスポリウム属各種(Cladosporium species)、例えば、クラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum)に起因する; コクリオボルス属各種(Cochliobolus species)、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)に起因する;(分生子形態:Drechslera、Bipolaris 異名:Helminthosporium); コレトトリクム属各種(Colletotrichum species)、例えば、コレトトリクム・ココデス(Colletotrichum coccodes)に起因する; フサリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に起因する; ジベレラ属各種(Gibberella species)、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)に起因する; マクロホミナ属各種(Macrophomina species)、例えば、マクロホミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)に起因する; モノグラフェラ属各種(Monographella species)、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)に起因する; ペニシリウム属各種(Penicillium species)、例えば、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)に起因する; ホマ属各種(Phoma species)、例えば、ホマ・リンガム(Phoma lingam)に起因する; ホモプシス属各種(Phomopsis species)、例えば、ホモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae)に起因する; フィトフトラ属各種(Phytophthora species)、例えば、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)に起因する; ピレノホラ属各種(Pyrenophora species)、例えば、ピレノホラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)に起因する; ピリクラリア属各種(Pyricularia species)、例えば、ピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)に起因する; ピシウム属各種(Pythium species)、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum)に起因する; リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因する; リゾプス属各種(Rhizopus species)、例えば、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)に起因する; スクレロチウム属各種(Sclerotium species)、例えば、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)に起因する; セプトリア属各種(Septoria species)、例えば、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)に起因する; チフラ属各種(Typhula species)、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)に起因する; ベルチシリウム属各種(Verticillium species)、例えば、ベルチシリウム・ダーリアエ(Verticillium dahliae)に起因する;
・ 例えば以下のものに起因する、癌性病害(cancer)、こぶ(gall)及び天狗巣病(witches’ broom): 例えば、ネクトリア属各種(Nectria species)、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena);
・ 例えば以下のものに起因する、萎凋病(wilt disease): モニリニア属各種(Monilinia species): 例えば、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa);
・ 例えば以下のものに起因する、葉水泡性病害又は縮葉病(leaf blister or leaf curl disease): 例えば、エキソバシジウム属各種(Exobasidium species)、例えば、エキソバシジウム・ベキサンス(Exobasidium vexans); タフリナ属各種(Taphrina species)、例えば、タフリナ・デホルマンス(Taphrina deformans);
・ 例えば以下のものに起因する、木本植物の衰退性病害(decline disease of wooden plant): エスカ(Esca)病、これは、例えば、ファエオモニエラ・クラミドスポラ(Phaemoniella clamydospora)、ファエオアクレモニウム・アレオフィルム(Phaeoacremonium aleophilum)及びフォミチポリア・メジテラネア(Fomitiporia mediterranea)に起因する;ユーティパダイバック病(Eutypa dyeback)、これは、例えば、ユーティパ・ラタ(Eutypa lata)に起因する; ガノデルマ(Ganoderma)病、これは、例えば、ガノデルマ・ボニネンセ(Ganoderma boninense)に起因する;リジドポルス(Rigidoporus)病、これは、例えば、リジドポルス・リグノスス(Rigidoporus lignosus)に起因する;
・ 例えば以下のものに起因する、花及び種子の病害: ボトリチス属各種(Botrytis species)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);
・ 例えば以下のものに起因する、植物塊茎の病害: リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani); ヘルミントスポリウム属各種(Helminthosporium species)、例えば、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani);
・ 例えば以下のものに起因する、根瘤病(club root): プラスモジオホラ属各種(Plasmodiophora species)、例えば、プラスモジオホラ・ブラシカエ(Plamodiophora brassicae);
・ 例えば以下のものなどの、細菌性病原体に起因する病害: キサントモナス属各種(Xanthomonas species)、例えば、キサントモナス・カムペストリス pv.オリザエ(Xanthomonas campestris pv. oryzae); シュードモナス属各種(Pseudomonas species)、例えば、シュードモナス・シリンガエ pv.ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv. lachrymans); エルウィニア属各種(Erwinia species)、例えば、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)。
【0242】
ダイズの以下の病害を、好ましくは、防除することができる:
・ 例えば以下のものに起因する、葉、茎、鞘及び種子の菌類病:
アルテルナリア斑点病(alternaria leaf spot)(Alternaria spec. atrans tenuissima)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporoides dematium var. truncatum)、褐紋病(brown spot)(Septoria glycines)、紫斑病(cercospora leaf spot and blight)(Cercospora kikuchii)、コアネホラ葉枯病(choanephora leaf blight)(Choanephora infundibulifera trispora(Syn.))、ダクツリオホラ斑点病(dactuliophora leaf spot)(Dactuliophora glycines)、べと病(Peronospora manshurica)、ドレクスレラ胴枯病(drechslera blight)(Drechslera glycini)、斑点病(frogeye leaf spot)(Cercospora sojina)、そばかす病(leptosphaerulina leaf spot)(Leptosphaerulina trifolii)、灰星病(phyllostica leaf spot)(Phyllosticta sojaecola)、黒点病(pod and stem blight)(Phomopsis sojae)、うどんこ病(Microsphaera diffusa)、ピレノカエタ斑点病(pyrenochaeta leaf spot)(Pyrenochaeta glycines)、葉腐病(rhizoctonia aerial, foliage, and web blight)(Rhizoctonia solani)、さび病(Phakopsora pachyrhizi, Phakopsora meibomiae)、黒とう病(Sphaceloma glycines)、ステムフィリウム葉枯病(stemphylium leaf blight)(Stemphylium botryosum)、褐色輪紋病(Corynespora cassiicola);
・ 例えば以下のものに起因する、根及び茎基部の菌類病:
黒根腐病(Calonectria crotalariae)、炭腐病(Macrophomina phaseolina)、赤かび病(fusarium blight or wilt, root rot, and pod and collar rot)(Fusarium oxysporum、Fusarium orthoceras、Fusarium semitectum、Fusarium equiseti)、ミコレプトジスクス根腐病(mycoleptodiscus root rot)(Mycoleptodiscus terrestris)、根腐病(neocosmospora)(Neocosmospora vasinfecta)、黒点病(Diaporthe phaseolorum)、茎腐爛病(stem canker)(Diaporthe phaseolorum var. caulivora)、茎疫病(phytophthora rot)(Phytophthora megasperma)、落葉病(brown stem rot)(Phialophora gregata)、根茎腐敗病(pythium rot)(Pythium aphanidermatum、Pythium irregulare、Pythium debaryanum、Pythium myriotylum、Pythium ultimum)、リゾクトニア根腐病(rhizoctonia root rot, stem decay, and damping−off)(Rhizoctonia solani)、菌核病(sclerotinia stem decay)(Sclerotinia sclerotiorum)、スクレロチニアサウザンブライト病(sclerotinia southern blight)(Sclerotinia rolfsii)、チエラビオプシス根腐病(thielaviopsis root rot)(Thielaviopsis basicola)。
【0243】
本発明の殺菌剤組成物は、植物病原性菌類を治療的又は保護的/予防的に防除するために使用することができる。従って、本発明は、本発明の活性成分又は組成物を使用して植物病原性菌類を防除するための治療的方法及び保護的方法にも関し、ここで、該活性成分又は組成物は、種子、植物若しくは植物の部分、果実又は植物がそこで成育している土壌に施用される。
【0244】
植物病害を防除するのに必要とされる濃度の該活性成分に対して植物は充分な耐性を示すという事実により、植物の地上部の処理、繁殖器官(propagation stock)及び種子の処理、並びに、土壌の処理が可能である。
【0245】
本発明に従って、全ての植物及び植物の部分を処理することができる。植物は、望ましい及び望ましくない野生植物、栽培品種(cultivar)及び植物変種(plant variety)(植物変種又は植物育種家の権利によって保護されても又は保護されなくても)のような全ての植物及び植物個体群を意味する。栽培品種及び植物変種は、慣習的な繁殖方法及び育種方法(これらは、1種類以上の生物工学的方法によって、例えば、倍加半数体、プロトプラスト融合、ランダム突然変異誘発及び定方向突然変異誘発、分子標識若しくは遺伝標識又は生物工学法及び遺伝子工学法などを使用して、補助することができるか又は補うことができる)によって得られる植物であることができる。植物の部分は、植物の地上及び地下の全ての部分及び全ての器官、例えば、枝条、葉、花及び根などを意味し、ここで、例えば、葉、針状葉、茎、枝、花、子実体、果実及び種子、並びに、根、球茎及び根茎などを挙げることができる。作物並びに栄養繁殖器官及び生殖繁殖器官(vegetative and generative propagating material)、例えば、挿木(cutting)、球茎、根茎、匍匐茎及び種子なども、植物の部分に属する。
【0246】
本発明の活性成分は、植物が良好な耐性を示し、温血動物に対する毒性が望ましい程度であり、及び、環境によって充分に許容される場合、植物及び植物の器官を保護するのに適しており、収穫高を増大させるのに適しており、収穫物の質を向上させるのに適している。それらは、好ましくは、作物保護組成物として使用することができる。それらは、通常の感受性種及び抵抗性種に対して有効であり、並びに、全ての発育段階又は一部の発育段階に対して有効である。
【0247】
本発明に従って処理することが可能な植物としては、以下の主要な作物植物を挙げることができる:トウモロコシ、ダイズ、アルファルファ、ワタ、ヒマワリ、アブラナ属油料種子(Brassica oil seeds)、例えば、セイヨウアブラナ(Brassica napus)(例えば、カノラ、ナタネ)、カブ(Brassica rapa)、カラシナ(B.juncea)(例えば、(フィールド)マスタード)及びアビシニアガラシ(Brassica carinata)、ヤシ科各種(Arecaceae sp.)(例えば、ギネアアブラヤシ、ココナツ)、イネ、コムギ、テンサイ、サトウキビ、エンバク、ライムギ、オオムギ、アワ及びソルガム、ライコムギ、アマ、ナッツ、ブドウ及びブドウの木、並びに、種々の植物学的分類群に属するさまざまな果実及び野菜、例えば、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、仁果、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、核果、例えば、アンズ、サクラ、アーモンド、プラム及びモモ、並びに、液果(berry fruits)、例えば、イチゴ、キイチゴ、アカフサスグリ、クロフサスグリ及びグーズベリー)、リベシオイダエ科各種(Ribesioidae sp.)、クルミ科各種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科各種(Betulaceae sp.)、ウルシ科各種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科各種(Fagaceae sp.)、クワ科各種(Moraceae sp.)、モクセイ科各種(Oleaceae sp.)(例えば、オリーブの木)、マタタビ科各種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科各種(Lauraceae sp.)(例えば、アボガド、シナモン、樟脳)、バショウ科各種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びプランテーション)、アカネ科各種(Rubiaceae sp.)(例えば、コーヒー)、ツバキ科各種(Theaceae sp.)(例えば、チャ)、アオギリ科各種(Sterculiceae sp.)、ミカン科各種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ、マンダリン及びグレープフルーツ);ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト、ジャガイモ、カラシ、トウガラシ、ナス、タバコ)、ユリ科各種(Liliaceae sp.)、キク科各種(Compositiae sp.)(例えば、レタス、チョウセンアザミ及びチコリー(これは、ルートチコリー(root chicory)、エンダイブ又はキクニガナを包含する))、セリ科各種(Umbelliferae sp.)(例えば、ニンジン、パセリ、セロリ及びセルリアック)、ウリ科各種(Cucurbitaceae sp.)(例えば、キュウリ(これは、ガーキンを包含する)、カボチャ、スイカ、ヒョウタン及びメロン)、ネギ科各種(Alliaceae sp.)(例えば、リーキ及びタマネギ)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)(例えば、白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、タイサイ、コールラビ、ラディッシュ、セイヨウワサビ、コショウソウ及びハクサイ)、マメ科各種(Leguminosae sp.)(例えば、ラッカセイ、エンドウ、ヒラマメ及びインゲンマメ(例えば、インゲンマメ(common bean)及びソラマメ))、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、フダンソウ、飼料用ビート、ホウレンソウ、ビートルート)、アマ科各種(Linaceae sp.)(例えば、アサ)、アサ科各種(Cannabeacea sp.)(例えば、タイマ)、アオイ科(Malvaceae)(例えば、オクラ、ココア)、ケシ科各種(Papaveraceae)(例えば、ケシ)、クサスギカズラ科(Asparagaceae)(例えば、アスパラガス);庭園及び森林における有用な植物及び観賞植物、例えば、芝生(turf)、芝生(lawn)、牧草及びステビア(Stevia rebaudiana);及び、いずれの場合にも、これら植物の遺伝子組み換えが行われたタイプのもの。
【0248】
植物成長調節
場合によっては、本発明の化合物は、特定の濃度又は特定の施用量において、成長調節剤若しくは植物の特性を改善する作用剤としても使用し得るか、又は、殺微生物剤(microbicide)として、例えば、抗真菌剤(antimycotic)、殺細菌剤若しくは殺ウイルス剤(これは、ウイロイドに対する組成物も包含する)としても使用し得るか、又は、MLO(マイコプラズマ様生物)及びRLO(リケッチア様生物)に対する組成物としても使用し得る。適切な場合には、それらは、別の活性成分を合成するための中間体又は前駆物質としても使用することができる。
【0249】
本発明の活性成分は、植物の代謝に干渉し、従って、成長調節剤として使用することも可能である。
【0250】
植物成長調節剤は、植物に対してさまざまな効果を及ぼし得る。該物質の効果は、本質的に、植物の成育段階に関連した施用の時期、及び、さらに、植物又はそれらの環境に対して施用される活性成分の量、及び、施用のタイプに依存する。何れの場合にも、成長調節剤は、作物植物に対して特定の望ましい効果を有しているべきである。
【0251】
植物の成長を調節する化合物は、例えば、植物の栄養成長を阻害するために使用することができる。成長に対するそのような阻害は、例えば芝生の場合、観賞用庭園、公園及びスポーツ施設において、路傍において、空港において、又は、果実作物において、芝生を刈り込む頻度を低減することが可能であるので、経済的に興味深い。さらにまた、路傍において、及び、パイプライン若しくは高架線の周辺において、又は、極めて一般的には、植物の力強い成長が望まれていない区域において、草本植物及び木本植物の成長を抑制することも重要である。
【0252】
禾穀類の縦成長を阻害するために成長調節剤を使用することも重要である。これにより、収穫前に植物が倒伏するリスクが低減されるか又は完全に排除される。さらに、禾穀類の場合における成長調節剤は、稈を強化することが可能であり、倒伏に対しても対抗する。稈を短くし且つ強化するために成長調節剤を使用することによって、禾穀類作物が倒伏するリスクを伴うことなく、収量を増大させるためにそれまでよりも多い量の肥料を施用することが可能となる。
【0253】
多くの種類の作物植物において、栄養成長を抑制することによってより密集した植え付けが可能となり、従って、土壌の表面に基づいて、より高い収穫量を達成することが可能である。このようにして得られる矮小な植物の別の有利点は、作物の栽培及び収穫がより容易であるということである。
【0254】
植物の栄養成長を阻害することにより、栄養素及び同化産物が植物の茎葉や根などの栄養部分(vegetative part)に対してよりも花及び果実の形成に対して多く利用されるので、収量も増大し得る。
【0255】
しばしば、成長調節剤は、栄養成長を促進するためにも使用され得る。このことは、植物の茎葉部を収穫する場合、極めて有益である。しかしながら、栄養成長を促進することにより、より多くの同化産物が形成され、その結果、より多くの又はより大きな果実が形成されるので、生殖成長も促進され得る。
【0256】
場合によっては、収量の増大は、栄養成長における検出可能な変化を伴うことなく、植物の代謝を操作することによって達成され得る。さらに、成長調節剤を使用して植物の組成を変えることが可能であり、植物の組成が変えられると、結果として、収穫された生成物の質が改善され得る。例えば、テンサイ、サトウキビ、パイナップルの糖度を高めることが可能であり、柑橘類果実の糖度を高めることが可能であり、又は、ダイズ若しくは穀類のタンパク質含有量を高めることが可能である。さらに、例えば、成長調節剤を用いて、収穫前又は収穫後に、望ましい成分(例えば、テンサイ又はサトウキビにおける糖分)の劣化を抑制することも可能である。さらに、植物の第2の成分の産生又は排除に対して積極的に影響を及ぼすことも可能である。1つの例は、ゴムの木におけるラテックスの流れに対する刺激である。
【0257】
成長調節剤の影響下において、単為結果果実が形成され得る。さらに、花の性別に影響を及ぼすことも可能であり得る。不稔花粉を産生することも可能であり、これは、育種において、及び、交雑種子の産生において、極めて重要である。
【0258】
成長調節剤を使用することにより、植物の分枝を制御することができる。一方では、頂芽優性を乱すことにより、側枝の発育を促進することが可能であり、これは、成長の抑制との組合せにおいても、特に観賞植物の栽培において、極めて望ましいであろう。しかしながら、他方では、側枝の成長を抑制することも可能である。この効果は、例えば、タバコの栽培において、又は、トマトの栽培において、特に興味深い。
【0259】
成長調節剤の影響下において、望ましい時点において植物の落葉が達成されるように、植物の葉の量を制御することが可能である。そのような落葉は、ワタの機械収穫において重要な役割を果たすが、同様に、別の作物(例えば、ブドウ栽培)における収穫を容易なものとするためにも興味深い。植物の落葉は、植物を移植する前にその植物の蒸散作用を低下させるためにも実施することができる。
【0260】
成長調節剤は、さらに、果実の裂開を調節するために使用することも可能である。一方では、果実の時期尚早の裂開を防止することが可能である。他方では、果実の裂開を促進することも可能であるか、又は、交互(alternation)を排除するために、望ましい集団(「間引き」)を達成するために花の成育不良(flower abortion)を促進することさえ可能である。交互(alternation)は、内生的な理由で毎年毎年収穫量が大きく変動する、一部の果実種の特徴を意味するものと理解される。最後に、機械収穫を可能とするか、又は、手作業による収穫を容易なものとするために、収穫時に成長調節剤を使用して果実を切り離すのに必要とされる力を低減させることができる。
【0261】
成長調節剤は、さらに、収穫前又は収穫後に、収穫物の熟成を早めるために又は遅くするために使用することも可能である。このことは、市場の要求に対して最適に適合させることを可能とするので、特に有利である。さらに、成長調節剤は、場合によっては、果実の色合いを改善し得る。さらに、成長調節剤は、特定の期間内に成熟を集中させるために使用することも可能である。これによって、例えば、タバコ、トマト又はコーヒーなどの場合において、機械的な又は手作業による単一操作での完全な収穫のための必要条件が確立される。
【0262】
成長調節剤を使用することによって、さらに、植物の種子又は芽の休眠に影響を及ぼすことも可能であり、その結果、植物(例えば、苗畑におけるパイナップル又は観賞植物など)は、例えば、通常であればそのようなことはない時点において、発芽するか、萌芽するか、又は、開花する。霜のリスクがある地域においては、晩霜に起因する損傷を回避するために、成長調節剤を用いて芽生え又は種子の発芽を遅延させることは望ましいであろう。
【0263】
最後に、成長調節剤は、霜、渇水又は土壌の高塩分に対する植物の抵抗性を誘発し得る。これによって、通常であれば植物の栽培には適さない地域において植物を栽培することが可能となる。
【0264】
抵抗性誘発/植物の健康及び別の効果
本発明による活性化合物は、さらにまた、植物において強力な強化効果(strengthening effect)も示し得る。従って、該活性化合物は、望ましくない微生物による攻撃に対して植物の防御を動員させるために使用することができる。
【0265】
本発明に関連して、植物を強化する(抵抗性を誘発する)物質は、処理された植物が、その後で望ましくない微生物を接種されたときに、それらの微生物に対して高度な抵抗性を発揮するように、植物の防御システムを刺激することができる物質を意味するものと理解される。
【0266】
本発明による活性化合物は、作物の収穫量を増大させるのにも適している。さらに、それらは、低減された毒性を示し、及び、植物が良好な耐性を示す。
【0267】
さらに、本発明に関連して、植物の生理学的効果には、以下のものが包含される。
【0268】
温度耐性、渇水耐性及び渇水ストレス後の回復、水の利用効率(これは、低減された水の消費に関連する)、浸水耐性、オゾンストレス及び紫外線に対する耐性、化学物質(例えば、重金属、塩類、農薬(薬害軽減剤)など)に対する耐性を包含する、非生物的ストレス耐性。
【0269】
増強された菌類抵抗性、並びに、線虫類、ウイルス類及び細菌類に対する増強された抵抗性を包含する、生物的ストレス耐性。本発明に関連して、生物的ストレス耐性は、好ましくは、増強された菌類抵抗性及び線虫類に対する増強された抵抗性を包含する。
【0270】
植物の健康/植物の質及び種子の活力、低減された立毛不良(stand failure)、改善された外観、増強された再生、改善された緑化効果及び改善された光合成効率を包含する、植物の強化された活力。
【0271】
植物ホルモン及び/又は機能性酵素に対する効果。
【0272】
より早い発芽、より良好な出芽、より発達した根系及び/又は根の改善された成長、増強された分げつ能、より生産的な分げつ、より早い開花、増大された草高及び/又はバイオマス、茎の短小化、苗条の成長における改善、穀粒/穂の数、1平方メートル当たりの穂の数、匍匐茎の数及び/又は花の数、増大された収穫高指数、より大きな葉、より少ない枯れた根出葉、改善された葉序、より早い成熟/より早い果実の完熟(fruit finish)、均一な成熟(riping)、登熟(grain filling)のより長い持続期間、より良好な果実の完熟(fruit finish)、果実/野菜のより大きなサイズ、萌芽抵抗性及び低減された倒伏を包含する、成長調節剤(プロモーター)に対する効果。
【0273】
1ヘクタール当たりの総バイオマス、1ヘクタール当たりの収穫量、穀粒/果実の重量、種子のサイズ及び/又はヘクトリットル重量及び増大された生産物の品質に関する、増大された収穫量;これは、以下のものを包含する:
サイズ分布に関する改善された加工性(穀粒、果実など)、均一な成熟(riping)、穀粒水分、より良好な製粉、より良好なアルコール発酵、より良好な醸造、増大されたジュース収穫量、収穫性(harvestability)、消化性、沈降価、落下数(falling number)、莢安定性、貯蔵安定性、繊維の改善された長さ/強度/一様性、サイレージで飼育された動物のミルク及び/又は肉の品質における増強、料理及びフライに対する適応;
さらに、以下のものも包含する:
果実/穀粒の改善された品質、サイズ分布(穀粒、果実など)、増大された貯蔵寿命(storage/shelf−life)、堅さ/柔らかさ、風味(芳香、テクスチャーなど)、等級(サイズ、形状、液果の数など)、1果房あたりの液果/果実の数、クリスプ性、鮮度、ワックスによる被覆、生理障害の頻度、色などに関する、市場性;
さらに、以下のものも包含する:
増大された所望成分、例えば、タンパク質含有量、脂肪酸、オイル含有量、オイルの質、アミノ酸組成、糖質含有量、酸含有量(pH)、糖質/酸比(Brix)、ポリフェノール、デンプン含有量、栄養価、グルテン含有量/指数、エネルギー含量、風味など;
及び、さらに、以下のものも包含する:
低減された望ましくない成分、例えば、より少ないマイコトキシン、より少ないアフラトキシン、ゲオスミンレベル、フェノール性香気、ラッカーゼ(lacchase)、ポリフェノールオキシダーゼ及びペルオキシダーゼ、硝酸塩(nitrate)含有量など。
【0274】
栄養素の使用効率、特に、窒素(N)−使用効率、リン(P)−使用効率、水の使用効率、改善された蒸散、呼吸及び/又はCO
2同化速度、より良好な根粒形成、改善されたCa−代謝などを包含する、持続可能な農業。
【0275】
遅延された老化、これは、植物生理学における改善〔これは、例えば、より長い登熟相(これは、より多い収穫量をもたらす)、植物の葉が緑色を呈しているより長い持続期間において、明瞭に示される〕を包含し、及び、従って、色(緑化)、含水量、乾燥度などを包含する。従って、本発明に関連して、該活性化合物組合せの本発明による特定の施用によって緑色の葉の領域の持続期間を延長させる〔これは、植物の成熟(老化)を遅延させる〕ことが可能であるということが分かった。農業従事者にとっての主な有利点は、より長い登熟相であり、これは、より多い収穫量をもたらす。収穫時期におけるより大きなフレキシビリティーに基づいた、農業従事者に対する有利点も存在している。
【0276】
ここで、「沈降価(sedimentation value)」は、タンパク質の品質に関する尺度であり、Zeleny(Zeleny価)に従って、標準的な時間間隔の間に乳酸溶液中に懸濁された小麦粉の沈降の程度を表す。これは、製パン性の尺度として受け入れられている。乳酸溶液中の小麦粉のグルテンフラクションの膨潤は、小麦粉懸濁液の沈降速度に影響する。より高いグルテン含有量及びより良好なグルテン品質は、いずれも、沈降を遅くし、より高いZeleny試験価をもたらす。小麦粉の沈降価は、小麦のタンパク質組成に依存し、主に、タンパク質含有量、小麦の堅さ及び鍋と炉床のパン塊(hearth loaves)の体積に相関している。SDS沈降体積と比較したZeleny沈降体積と膨化体積(loaf volume)の間のより強い相関は、該体積とZeleny価の両方に影響するタンパク質含有量に起因するであろう(Czech J. Food Sci. Vol. 21, No. 3:91−96, 2000)。
【0277】
さらに、本明細書中において記載されている「落下数(falling number)」は、禾穀類(特に、小麦)の製パン性に関する尺度である。落下数試験は、芽の損傷が生じ得たことを示す。それは、小麦穀粒のデンプン部分における物理的特性に対する変化が既に起こっていることを意味する。ここで、落下数機器は、小麦粉と水のペーストの落下プランジャーに対する抵抗性を測定することによって、粘性を分析する。これが起こる時間(秒)は、落下数として知られている。落下数の結果は、小麦又は小麦粉のサンプルにおける酵素の指標として記録され、そして、結果は、時間(秒)で表される。高い落下数(例えば、約300秒)は、最小限の酵素活性を示しており、そして、無傷品質の小麦又は小麦粉を示している。低い落下数(例えば、250秒未満)は、実質的な酵素活性を示しており、そして、芽が損傷を受けている小麦又は小麦粉を示している。
【0278】
用語「より発達した根系」/「根の改善された成長」は、より長い根系、根のより深い成長、根のより速い成長、根のより重い乾物重/生体重、根のより大きな体積、根のより大きな表面積、根のより大きな直径、根のより高い安定性、根のより多い枝分かれ、より多い根毛の数及び/又はより多い根端を示しており、そして、根の構成(architecture)を適切な方法と画像解析プログラム(例えば、WinRhizo)を用いて分析することによって、測定することができる。
【0279】
用語「作物の水の利用効率」は、技術的には、消費された単位水当たりの農業収穫物の質量を示しており、経済的には、消費された単位水当たりの生産された生産物の値を示していて、例えば、1ha当たりの収穫量、植物のバイオマス、千粒重(thousand−kernel mass)及び1平方メートル当たりの穂の数などに関して、測定することができる。
【0280】
用語「窒素の利用効率」は、技術的には、消費された単位窒素当たりの農業収穫物の質量を示しており、経済的には、消費された単位窒素当たりの生産された生産物の値を示していて、摂取と利用率(utilization efficiency)を反映している。
【0281】
緑化の改善/改善された色、及び、改善された光合成効率、並びに、老化の遅延は、よく知られている技術〔例えば、HandyPeaシステム(Hansatech)〕を用いて、測定することができる。Fv/Fmは、光化学系II(PSII)の最大量子効率を示すために広く使用されているパラメーターである。このパラメーターは、典型的に約0.85の最大Fv/Fm値を達成する健康なサンプルでの、植物光合成能の選択的な指標として広く認められている。これより低い値は、PSII内におけるエネルギーの光化学的クエンチングに関する能力を低減させたある種の生物的又は非生物的なストレス因子にサンプルが晒された場合に観察されるであろう。Fv/Fmは、可変蛍光(Fv)を最大蛍光(Fm)で除した比として与えられる。該性能指数は、本質的に、サンプルの活力の指標である。(例えば、以下のものを参照されたい:Advanced Techniques in Soil Microbiology, 2007, 11, 319−341; Applied Soil Ecology, 2000, 15, 169−182.)。
【0282】
緑化の改善/改善された色、及び、改善された光合成効率、並びに、老化の遅延は、純光合成速度(Pn)の測定、クロロフィル含有量の測定(例えば、Ziegler及びEhleの顔料抽出方法によるクロロフィル含有量の測定)、光化学的効率(Fv/Fm比)の測定、苗条成長の測定及び最終的な根及び/又は草冠のバイオマスの測定、分げつ密度の測定、並びに、根の枯死率の測定によっても、評価することができる。
【0283】
本発明に関連して、好ましいのは、以下のものを包含する群から選択される植物生理学的効果の改善である:根の増強された成長/より発達した根系、改善された緑化、改善された水の利用効率(これは、低減された水の消費に相関する)、改善された栄養分の利用効率(これは、特に、改善された窒素(N)−利用効率を包含する)、遅延された老化及び増大された収穫量。
【0284】
収穫量の増大の範囲内において、好ましいのは、特に禾穀類(好ましくは、小麦)の群から選択される植物における、沈降価及び落下数における改善並びにタンパク質含有量及び糖質含有量の改善である。
【0285】
好ましくは、本発明の殺菌剤組成物の新規使用は、(a)病原性菌類及び/又は線虫類の予防的及び/又は治療的な防除(抵抗性管理の有無)と(b)根の増強された成長、改善された緑化、改善された水の利用効率、遅延された老化及び増大された収穫量のうちの少なくとも1種類の組合せられた使用に関する。群(b)の中から、根系、水の利用効率及びN−利用効率の増大が特に好ましい。
【0286】
種子処理
本発明は、さらに、種子を処理する方法も包含する。
【0287】
本発明は、さらに、前の段落において記述されている方法のうちの1つによって処理された種子にも関する。本発明による種子は、有害な微生物から種子を保護するための方法において使用される。これらの方法においては、本発明による少なくとの1種類の活性成分で処理された種子を使用する。
【0288】
本発明の活性成分又は組成物は、種子を処理するのにも適している。有害な生物に起因する作物植物に対する被害の大部分は、貯蔵中に、又は、播種後、並びに、さらに、植物が発芽している最中及び発芽の後に、種子が感染することによって引き起こされる。この相は特に危険である。それは、生長している植物の根及び苗条は特に感受性が高く、ささいな損傷であってもその植物が死に至り得るからである。従って、適切な組成物を用いて種子及び発芽中の植物を保護することに、大きな関心が持たれている。
【0289】
植物の種子を処理することによる植物病原性菌類の防除は、長い間知られており、継続的に改良が加えられている。しかしながら、種子の処理には、必ずしも満足のいくように解決することができるわけではない一連の問題に伴っている。例えば、播種後又は植物の出芽後に作物保護組成物を追加で施用(deployment)することを不要とするか又は少なくとも著しく低減させるような、種子及び発芽中の植物を保護する方法を開発することは望ましい。さらに、使用する活性成分によって植物自体に損傷を与えることなく、植物病原性菌類による攻撃から種子及び発芽中の植物が最適に保護され得るように、使用する活性成分の量を最適化することも望ましい。特に、種子を処理する方法では、最少量の作物保護組成物を使用して種子及び発芽中の植物の最適な保護を達成するために、トランスジェニック植物の内因性の殺菌特性も考慮に入れるべきである。
【0290】
従って、本発明は、植物病原性菌類による攻撃から種子及び発芽中の植物を保護する方法にも関し、ここで、該方法は、当該種子を本発明の組成物で処理することによる。本発明は、さらに、種子及び発芽中の植物を植物病原性菌類から保護するために種子を処理するための本発明の組成物の使用にも関する。本発明は、さらに、植物病原性菌類から保護されるように、本発明の組成物で処理された種子にも関する。
【0291】
出芽後の植物に損傷を与える植物病原性菌類の防除は、主として、土壌及び植物の地上部を作物保護組成物で処理することによって行われる。作物保護組成物は、環境並びにヒト及び動物の健康に対して影響を及ぼし得ることに関して懸念があるので、使用する活性成分の量を低減する努力が成されている。
【0292】
本発明の有利な点の1つは、本発明の活性成分及び組成物が有している際立った浸透移行特性によって、その活性成分及び組成物で種子を処理することにより、植物病原性菌類から、その種子自体が保護されるのみではなく、出芽後に生じる植物も保護されるということである。このようにして、播種時又は播種後間もなくの作物の即時的な処理を省くことができる。
【0293】
さらにまた、本発明の活性成分又は組成物が、特に、トランスジェニック種子(トランスジェニック種子の場合、その種子から成長した植物は、有害生物に対して作用するタンパク質を発現することができる)と一緒に使用することが可能であるということも、有利な点として見なされる。そのような種子を本発明の活性成分又は組成物で処理することで、単にタンパク質(例えば、殺虫性タンパク質)が発現することによって、特定の有害生物は防除可能である。驚くべきことに、この場合、さらなる相乗効果が観察されることがあり得る。そのような相乗効果は、有害生物による攻撃に対する保護の有効性をさらに改善する。
【0294】
本発明による組成物は、農業において、温室内で、森林で又は園芸及びブドウ栽培において使用される全ての植物品種の種子を保護するのに適している。特に、これは、禾穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、ソルガム/アワ、及び、エンバク)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、インゲンマメ、コーヒー、ビート(例えば、テンサイ、及び、飼料用ビート)、ラッカセイ、ナタネ、ケシ、オリーブ、ココナッツ、カカオ、サトウキビ、タバコ、野菜(例えば、トマト、キュウリ、タマネギ、及び、レタス)、芝生及び観賞植物の種子である(下記も参照されたい)。禾穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、及び、エンバク)、トウモロコシ及びイネの種子を処理することは、特に重要である。
【0295】
以下でも記載されているように、本発明の活性成分又は組成物によるトランスジェニック種子の処理は、特に重要である。このことは、少なくとも1種類の異種遺伝子を含んでいる植物の種子に関連する。適切な異種遺伝子に関する定義及び説明は、以下に記載されている。
【0296】
本発明に関連して、本発明による組成物は、種子に対して、単独で施用するか、又は、適切な製剤中に含ませて施用する。好ましくは、種子は、処理の過程で損傷が起こらないように、充分に安定な状態で処理する。一般に、種子は、収穫と播種の間の任意の時点で処理することができる。慣習的には、植物から分離されていて、穂軸、殻、葉柄、外皮、被毛又は果肉を伴っていない種子を使用する。例えば、収穫され、不純物が取り除かれ、含水量が15重量%未満となるまで乾燥された種子を使用することができる。あるいは、乾燥後に例えば水で処理され、その後再度乾燥された種子を使用することもできる。
【0297】
種子を処理する場合、種子の発芽が損なわれないように、又は、種子から生じた植物が損傷を受けないように、種子に施用する本発明組成物の量及び/又はさらなる添加剤の量を選択することに関して一般に注意しなくてはならない。このことは、とりわけ、特定の施用量で薬害作用を示し得る活性成分の場合には、留意しなくてはならない。
【0298】
本発明の組成物は、直接的に施用することが、即ち、別の成分を含ませることなく、また、希釈することなく、施用することが可能である。一般に、該組成物は、適切な製剤の形態で種子に施用するのが好ましい。種子を処理するための適切な製剤及び方法は、当業者には知られており、例えば、以下の文献に記載されている:US 4,272,417、US 4,245,432、US 4,808,430、US 5,876,739、US 2003/0176428A1、WO 2002/080675、WO 2002/028186。
【0299】
本発明に従って使用することが可能な活性成分は、慣習的な種子粉衣製剤、例えば、溶液剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末剤、泡剤、スラリー剤又は種子用の別のコーティング組成物や、及び、さらに、ULV製剤などに変換することができる。
【0300】
これらの製剤は、既知方法で、活性成分を、慣習的な添加剤、例えば、慣習的な増量剤、及び、さらに、溶媒又は希釈剤、着色剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、防腐剤、第2の増粘剤、粘着剤、ジベレリン類などと混合させ、及び、さらに、水と混合させることによって、調製する。
【0301】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる有用な着色剤は、そのような目的に関して慣習的な全ての着色剤がである。水中であまり溶解しない顔料と水中で溶解する染料のいずれも使用することができる。その例としては、「Rhodamin B」、「C.I.Pigment Red 112」及び「C.I.Solvent Red 1」の名称で知られている着色剤などを挙げることができる。
【0302】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる有用な湿潤剤は、農薬活性成分の製剤に関して慣習的に使用される、湿潤を促進する全ての物質である。好ましくは、アルキルナフタレンスルホネート類、例えば、ジイソプロピルナフタレンスルホネート又はジイソブチルナフタレンスルホネートなどを使用する。
【0303】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる有用な分散剤及び/又は乳化剤は、農薬活性成分の製剤に関して慣習的に使用される非イオン性、アニオン性及びカチオン性の全ての分散剤である。好ましくは、非イオン性若しくはアニオン性の分散剤又は非イオン性若しくはアニオン性の分散剤の混合物を使用することができる。適している非イオン性分散剤としては、特に、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー類、アルキルフェノールポリグリコールエーテル類及びトリスチリルフェノールポリグリコールエーテル類、並びに、それらのリン酸化誘導体又は硫酸化誘導体などを挙げることができる。適しているアニオン性分散剤は、特に、リグノスルホネート類、ポリアクリル酸塩類及びアリールスルホネート/ホルムアルデヒド縮合物である。
【0304】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる消泡剤は、農薬活性成分の製剤中に関して慣習的に使用される全ての泡抑制物質である。好ましくは、シリコーン消泡剤及びステアリン酸マグネシウムを使用することができる。
【0305】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる防腐剤は、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質がである。例として、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマールなどを挙げることができる。
【0306】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる第2の増粘剤は、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質である。好ましい例としては、セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、変性クレー及び微粉砕シリカなどを挙げることができる。
【0307】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる粘着剤は、種子粉衣製品中で使用可能な全ての慣習的な結合剤である。好ましい例としては、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びチロースなどを挙げることができる。
【0308】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができるジベレリンは、好ましくは、ジベレリンA1、ジベレリンA3(=ジベレリン酸)、ジベレリンA4及びジベレリンA7であり得る。特に好ましくは、ジベレリン酸を使用する。ジベレリン類は知られている(cf. R.Wegler “Chemie der Pflanzenschutz−und Schadlingsbekampfungsmittel”[Chemistry of the Crop Protection Compositions and Pesticides], vol. 2、Springer Verlag, 1970, p. 401−412)。
【0309】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤は、広い範囲の異なった種子(これは、トランスジェニック植物の種子を包含する)を処理するために、直接的に使用することができるか、又は、予め水で希釈したあとで使用することができる。この場合、発現により形成された物質との相互作用において、付加的な相乗効果が生じることもあり得る。
【0310】
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤又は水を添加することによってその種子粉衣製剤から調製された調製物で種子を処理するために、種子粉衣に関して慣習的に使用可能な全ての混合装置が有用である。具体的には、種子粉衣における手順は、種子を混合機の中に入れること、所望される特定量の種子粉衣製剤を、そのままで添加するか又は予め水で希釈したあとで添加すること、及び、該製剤が当該種子の表面に均質に分配されるまで全てを混合させることである。適切な場合には、続いて乾燥工程を行う。
【0311】
マイコトキシン
さらに、本発明の処理によって、収穫物並びにその収穫作物から作られる食料及び飼料におけるマイコトキシンの含有量を低減させることが可能である。マイコトキシンとしては、限定するものではないが、特に、以下のものを挙げることができる:デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール、15−Ac−DON、3−Ac−DON、T2−トキシン、HT2−トキシン、フモニシン類、ゼアラレノン、モニリホルミン、フザリン、ジアセトキシシルペノール(DAS)、ベアウベリシン(beauvericin)、エンニアチン、フサロプロリフェリン(fusaroproliferin)、フサレノール(fusarenol)、オクラトキシン類、パツリン、エルゴットアルカロイド類及びアフラトキシン類〔これらは、例えば、以下の菌類によって産生され得る:とりわけ、フサリウム属各種(Fusarium spec.)、例えば、フサリウム・アクミナツム(F. acuminatum)、フサリウム・アシアチクム(F. asiaticum)、フサリウム・アベナセウム(F. avenaceum)、フサリウム・クロオクウェレンセ(F. crookwellense)、フサリウム・クルモルム(F. culmorum)、フサリウム・グラミネアルム(F. graminearum)(ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae))、フサリウム・エクイセチ(F. equiseti)、フサリウム・フジコロイ(F. fujikoroi)、フサリウム・ムサルム(F. musarum)、フサリウム・オキシスポルム(F. oxysporum)、フサリウム・プロリフェラツム(F. proliferatum)、フサリウム・ポアエ(F. poae)、フサリウム・プセウドグラミネアルム(F. pseudograminearum)、フサリウム・サムブシヌム(F. sambucinum)、フサリウム・シルピ(F. scirpi)、フサリウム・セミテクツム(F. semitectum)、フサリウム・ソラニ(F. solani)、フサリウム・スポロトリコイデス(F. sporotrichoides)、フサリウム・ラングセチアエ(F. langsethiae)、フサリウム・スブグルチナンス(F. subglutinans)、フサリウム・トリシンクツム(F. tricinctum)、フサリウム・ベルチシリオイデス(F. verticillioides)など、及び、さらに、アスペルギルス属各種(Aspergillus spec.)、例えば、アスペルギルス・フラブス(A. flavus)、アスペルギルス・パラシチクス(A. parasiticus)、アスペルギルス・ノミウス(A. nomius)、アスペルギルス・オクラセウス(A. ochraceus)、アスペルギルス・クラバツス(A. clavatus)、アスペルギルス・テレウス(A. terreus)、アスペルギルス・ベルシコロル(A. versicolor)、ペニシリウム属各種(Penicillium spec.)、例えば、ペニシリウム・ベルコスム(P. verrucosum)、ペニシリウム・ビリジカツム(P. viridicatum)、ペニシリウム・シトリヌム(P. citrinum)、ペニシリウム・エキスパンスム(P. expansum)、ペニシリウム・クラビホルメ(P. claviforme)、ペニシリウム・ロクエホルチ(P. roqueforti)、クラビセプス属各種(Claviceps spec.)、例えば、クラビセプス・プルプレア(C. purpurea)、クラビセプス・フシホルミス(C. fusiformis)、クラビセプス・パスパリ(C. paspali)、クラビセプス・アフリカナ(C. africana)、スタキボトリス属各種(Stachybotrys spec.)など〕。
【0312】
材料物質の保護
本発明の活性成分又は組成物は、材料物質の保護において、有害な微生物(例えば、菌類)及び昆虫類による攻撃及び破壊に対して工業材料を保護するするために用いることもできる。
【0313】
さらに、本発明の化合物は、単独で、又は、別の活性成分と組み合わせて、汚れ止め組成物として用いることもできる。
【0314】
本発明に関連して、工業材料とは、工業において使用するために準備された無生物材料を意味するものと理解される。例えば、本発明の活性成分で微生物による変性又は破壊から保護することが意図されている工業材料は、接着剤、膠、紙、壁紙及び厚紙/板紙、織物、カーペット、皮革、木材、繊維及び薄織物、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑油、並びに、微生物によって感染又は破壊され得る別の材料などであり得る。微生物の増殖により損なわれ得る建造物及び製造プラントの部品、例えば、冷却水循環路、冷却装置及び暖房装置、並びに、換気装置及び空調設備なども、保護すべき材料の範囲内のものとして挙げることができる。本発明の範囲内における工業材料としては、好ましくは、接着剤、サイズ、紙及び厚紙、皮革、木材、塗料、冷却用潤滑油及び熱媒液などを挙げることができ、さらに好ましくは、木材を挙げることができる。
【0315】
本発明の活性成分又は組成物は、腐朽、腐敗、変色、脱色又は黴発生などの、悪影響を防止することができる。
【0316】
木材を処理する場合、本発明による化合物/組成物は、材木の表面又は内部で増殖するであろう菌類病に対しても使用することができる。用語「材木(timber)」は、全ての種類の木材、そのような木材を建築用に加工した全てのタイプのもの、例えば、ソリッドウッド、高密度木材、積層木材及び合板などを意味する。本発明による材木の処理方法は、主に、本発明の1種類以上の化合物又は本発明の組成物を接触させることにより行う。これには、例えば、直接的な塗布、噴霧、浸漬、注入、又は、別の適切な任意の方法が包含される。
【0317】
さらにまた、本発明の化合物は、海水又は淡海水と接触するもの(特に、船体、障壁(screen)、網、建造物、係船設備及び信号システム)を付着物に対して保護するために使用することもできる。
【0318】
望ましくない菌類を防除するための本発明の方法は、貯蔵品を保護するために使用することもできる。貯蔵品は、長期間の保護が望まれる、植物若しくは動物起源の天然物質又は自然起源のそれら天然物質の加工製品を意味するものと理解される。植物起源の貯蔵品、例えば、植物若しくは植物の分部、例えば、茎、葉、塊茎、種子、果実、穀粒などは、新たに収穫された状態で保護することができるか、又は、(予備)乾燥、加湿、粉砕、摩砕、加圧成形又は焙焼によって加工された後で保護することができる。貯蔵品には、さらに、未加工の木材(例えば、建築用木材、電柱及び柵)又は完成品の形態にある木材(例えば、家具)の両方とも包含される。動物起源の貯蔵品は、例えば、皮革、革製品、毛皮及び獣毛などである。本発明による活性成分は、腐朽、腐敗、変色、脱色又は黴発生などの、不利な効果を防止することができる。
【0319】
工業材料を劣化又は変性させることができる微生物としては、例えば、細菌類、菌類、酵母類、藻類及び粘菌類(slime organisms)などを挙げることができる。本発明の活性成分は、好ましくは、菌類、特に、カビ類、材木を変色させる菌類及び材木を破壊する菌類(子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)、不完全菌類(Deuteromycetes)及び接合菌類(Zygomycetes))、並びに、粘菌類(slime organisms)及び藻類に対して作用する。以下の属の微生物を例として挙げることができる: アルテルナリア(Alternaria)、例えば、アルテルナリア・テヌイス(Alternaria tenuis); アスペルギルス(Aspergillus)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger); カエトミウム(Chaetomium)、例えば、カエトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum); コニオホラ(Coniophora)、例えば、コニオホラ・プエタナ(Coniophora puetana); レンチヌス(Lentinus)、例えば、レンチヌス・チグリヌス(Lentinus tigrinus); ペニシリウム(Penicillium)、例えば、ペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum); ポリポルス(Polyporus)、例えば、ポリポルス・ベルシコロル(Polyporus versicolor); アウレオバシジウム(Aureobasidium)、例えば、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans); スクレロホマ(Sclerophoma)、例えば、スクレロホマ・ピチオフィラ(Sclerophoma pityophila); トリコデルマ(Trichoderma)、例えば、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride);オフィオストマ属種(Ophiostoma spp.)、セラトシスチス属種(Ceratocystis spp.)、フミコラ属種(Humicola spp.)、ペトリエラ属種(Petriella spp.)、トリクルス属種(Trichurus spp.)、コリオルス属種(Coriolus spp.)、グロエオフィルム属種(Gloeophyllum spp.)、プレウロツス属種(Pleurotus spp.)、ポリア属種(Poria spp.)、セルプラ属種(Serpula spp.)及びチロミセス属種(Tyromyces spp.)、クラドスポリウム属種(Cladosporium spp.)、パエシロミセス属種(Paecilomyces spp.)、ムコル属種(Mucor spp.)、エシェリキア(Escherichia)、例えば、エシェリキア・コリ(Escherichia coli); シュードモナス(Pseudomonas)、例えば、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa); スタフィロコッカス(Staphylococcus)、例えば、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、カンジダ属種(Candida spp.)及びサッカロミセス属種(Saccharomyces spp.)、例えば、サッカロミセス・セレビサエ(Saccharomyces cerevisae)。
【0320】
抗真菌活性
さらに、本発明の活性成分は、極めて優れた抗真菌活性も有している。それらは、極めて広い抗真菌活性スペクトルを有しており、特に、皮膚糸状菌、並びに、酵母菌、カビ及び二相性真菌類に対して〔例えば、カンジダ属各種(Candida species)、例えば、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)、カンジダ・グラブラタ(C.glabrata)に対して〕、並びに、エピデルモフィトン・フロコスム(Epidermophyton floccosum)、アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(A.niger)及びアスペルギルス・フミガツス(A.fumigatus)、トリコフィトン属各種(Trichophyton species)、例えば、トリコフィトン・メンタグロフィテス(T.mentagrophytes)、ミクロスポロン属各種(Microsporon species)、例えば、ミクロスポロン・カニス(M.canis)及びミクロスポロン・アウドウイニイ(M.audouinii)などに対して、極めて広い抗真菌活性スペクトルを有している。これら菌類のリストは、包含される真菌スペクトルを決して限定するものではなく、単に例示な性質のものである。
【0321】
従って、本発明の活性成分は、医薬用途と非医薬用途の両方で使用することができる。
【0322】
GMO
上記で既に述べたように、本発明に従って、全ての植物及びそれらの部分を処理することができる。好ましい実施形態では、野生の植物種及び植物品種、又は、交雑若しくはプロトプラスト融合のような慣習的な生物学的育種法により得られた植物種及び植物品種、並びに、それらの部分を処理する。好ましいさらなる実施形態では、適切な場合には慣習的な方法と組み合わせた遺伝子工学的方法により得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物)及びそれらの部分を処理する。用語「部分(parts)」又は「植物の部分(parts of plants)」又は「植物の部分(plant parts)」については、既に上記で説明した。さらに好ましくは、市販されているか又は使用されている植物品種の植物を、本発明に従って処理する。植物品種は、慣習的な育種又は突然変異誘発又は組換えDNA技術によって得られた、新しい特性(「形質」)を有する植物を意味するものと理解される。これらは、品種、変種、生物型又は遺伝子型であることができる。
【0323】
本発明による処理方法は、遺伝子組換え生物(GMO)(例えば、植物又は種子)の処理において使用することができる。遺伝子組換え植物(又は、トランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。表現「異種遺伝子」は、本質的に、供給されたか又は当該植物の外部で構築された遺伝子であって、核のゲノム、葉緑体のゲノム又はミトコンドリアのゲノムの中に導入されたときに、興味深いタンパク質若しくはポリペプチドを発現することにより、又は、その植物内に存在している別の1つ若しくは複数の遺伝子をダウンレギュレート若しくはサイレンシングすることにより、当該形質転換された植物に新しい又は改善された作物学的特性又は別の特性を付与する遺伝子を意味する〔例えば、アンチセンス技術、コサプレッション技術、RNA干渉(RNAi)技術又はミクロRNA(miRNA)技術などを使用する〕。ゲノム内に位置している異種遺伝子は、導入遺伝子とも称される。植物ゲノム内におけるその特異的な位置によって定義される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子導入イベントと称される。
【0324】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分(diet))に応じて、本発明の処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)も生じ得る。かくして、例えば、本発明により使用し得る活性化合物及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、促進された成熟、収穫量の増加、果実の大きさの増大、植物の高さの増大、葉の緑色の向上、より早い開花、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、果実内の糖度の上昇、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上などが可能であり、これらは、実際に予期された効果を超えるものである。
【0325】
本発明に従って処理するのが好ましい植物及び植物品種は、特に有利で有益な形質を植物に付与する遺伝物質を有している全ての植物(育種によって得られたものであろうと、及び/又は、生物工学的方法によって得られたものであろうと)を包含する。
【0326】
本発明に従って処理するのが同様に好ましい植物及び植物品種は、1以上の生物的ストレスに対して抵抗性を示す。即ち、そのような植物は、害虫及び有害微生物に対して、例えば、線虫類、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類、ウイルス類及び/又はウイロイド類などに対して、良好な防御を示す。
【0327】
線虫抵抗性植物又は昆虫抵抗性植物の例は、例えば、以下のものに記載されている:米国特許出願第11/765,491号、米国特許出願第11/765,494号、米国特許出願第10/926,819号、米国特許出願第10/782,020号、米国特許出願第12/032,479号、米国特許出願第10/783,417号、米国特許出願第10/782,096号、米国特許出願第11/657,964号、米国特許出願第12/192,904号、米国特許出願第11/396,808号、米国特許出願第12/166,253号、米国特許出願第12/166,239号、米国特許出願第12/166,124号、米国特許出願第12/166,209号、米国特許出願第11/762,886号、米国特許出願第12/364,335号、米国特許出願第11/763,947号、米国特許出願第12/252,453号、米国特許出願第12/209,354号、米国特許出願第12/491,396号、米国特許出願第12/497,221号、米国特許出願第12/644,632号、米国特許出願第12/646,004号、米国特許出願第12/701,058号、米国特許出願第12/718,059号、米国特許出願第12/721,595号、米国特許出願第12/638,591号。
【0328】
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、1以上の非生物的ストレスに対して抵抗性を示す植物である。非生物的なストレス状態としては、例えば、渇水、低温に晒されること、熱に晒されること、浸透ストレス、湛水、土壌中の塩分濃度の上昇、より多くの鉱物に晒されること、オゾンに晒されること、強い光に晒されること、利用可能な窒素養分が限られていること、利用可能なリン養分が限られていること、日陰回避などを挙げることができる。
【0329】
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、増大した収量特性を特徴とする植物である。そのような植物における増大した収量は、例えば、改善された植物の生理機能、生長及び発育、例えば、水の利用効率、水の保持効率、改善された窒素の利用性、強化された炭素同化作用、改善された光合成、上昇した発芽効率及び促進された成熟などの結果であり得る。収量は、さらに、改善された植物の構成(architecture)によっても影響され得る(ストレス条件下及び非ストレス条件下)。そのような改善された植物の構成としては、限定するものではないが、早咲き、ハイブリッド種子産生のための開花制御、実生の活力、植物の寸法、節間の数及び距離、根の成長、種子の寸法、果実の寸法、莢の寸法、莢又は穂の数、1つの莢又は穂当たりの種子の数、種子の体積、強化された種子充填、低減された種子分散、低減された莢の裂開及び耐倒伏性などがある。収量についてのさらなる形質としては、種子の組成、例えば、炭水化物含有量、タンパク質含有量、油含有量及び油の組成、栄養価、抗栄養化合物の低減、改善された加工性並びに向上した貯蔵安定性などがある。
【0330】
本発明に従って処理し得る植物は、雑種強勢(これは、結果として、一般に、増加した収量、向上した活力、向上した健康状態並びに生物的及び非生物的ストレスに対する向上した抵抗性をもたらす)の特性を既に呈しているハイブリッド植物である。そのような植物は、典型的には、雄性不稔交配母体近交系(inbred male−sterile parent line)(雌性親)を別の雄性稔性交配母体近交系(inbred male−fertile parent line)(雄性親)と交雑させることによって作られる。ハイブリッド種子は、典型的には、雄性不稔植物から収穫され、そして、栽培者に販売される。雄性不稔植物は、場合により(例えば、トウモロコシにおいて)、雄穂を除去することによって〔即ち、雄性繁殖器官(又は雄花)を機械的に除去することによって〕、作ることができる。しかしながら、より典型的には、雄性不稔性は、植物ゲノム内の遺伝的決定基の結果である。その場合、及び、特に種子がハイブリッド植物から収穫される所望の生産物である場合、典型的には、該ハイブリッド植物において雄性稔性を確実に完全に回復させることは有用である。これは、雄性不稔性に関与する遺伝的決定基を含んでいるハイブリッド植物において雄性稔性を回復させることが可能な適切な稔性回復遺伝子を雄性親が有していることを確実なものとすることによって達成することができる。雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、細胞質内に存在し得る。細胞質雄性不稔(CMS)の例は、例えば、アブラナ属各種(Brassica species)に関して記述された(WO 92/05251、WO 95/09910、WO 98/27806、WO 05/002324、WO 06/021972、及び、US 6,229,072)。しかしながら、雄性不稔性に関する遺伝的決定基は、核ゲノム内にも存在し得る。雄性不稔性植物は、遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によっても得ることができる。雄性不稔性植物を得る特に有用な方法は、WO 89/10396に記載されており、ここでは、例えば、バルナーゼなどのリボヌクレアーゼを雄ずい内のタペータム細胞において選択的に発現させる。次いで、タペータム細胞内においてバルスターなどのリボヌクレアーゼインヒビターを発現させることによって、稔性を回復させることができる(例えば、WO 91/02069)。
【0331】
本発明に従って処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、除草剤耐性植物、即ち、1種類以上の所与の除草剤に対して耐性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、当該除草剤耐性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0332】
除草剤抵抗性植物は、例えば、グリホセート耐性植物、即ち、除草剤グリホセート又はその塩に対して耐性にされた植物である。植物は、種々の方法によって、グリホセートに対して耐性にすることができる。例えば、グリホセート耐性植物は、酵素5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換させることによって得ることができる。そのようなEPSPS遺伝子の例は、以下のものである:細菌サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(突然変異CT7)(Science 1983, 221, 370−371)、細菌アグロバクテリウム属各種(Agrobacterium sp.)のCP4遺伝子(Curr. Topics Plant Physiol. 1992, 7, 139−145)、ペチュニアのEPSPSをコードする遺伝子(Science 1986, 233, 478−481)、トマトのEPSPSをコードする遺伝子(J. Biol. Chem. 1988, 263, 4280−4289)又はオヒシバ属(Eleusine)のEPSPSをコードする遺伝子(WO 01/66704)。それは、例えばEP 0837944、WO 00/66746、WO 00/66747又はWO 02/26995などに記述されているように、突然変異EPSPSであることも可能である。グリホセート耐性植物は、さらにまた、US 5,776,760及びUS 5,463,175に記述されているように、グリホセートオキシドレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、例えばWO 02/036782、WO 03/092360、WO 2005/012515及びWO 2007/024782などに記述されているように、グリホセートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホセート耐性植物は、さらにまた、例えばWO 01/024615又はWO 03/013226などに記述されているように、上記遺伝子の自然発生突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることもできる。グリホセート耐性を付与するEPSPS遺伝子を発現する植物は、例えば、米国特許出願第11/517,991号、米国特許出願第10/739,610号、米国特許出願第12/139,408号、米国特許出願第12/352,532号、米国特許出願第11/312,866号、米国特許出願第11/315,678号、米国特許出願第12/421,292号、米国特許出願第11/400,598号、米国特許出願第11/651,752号、米国特許出願第11/681,285号、米国特許出願第11/605,824号、米国特許出願第12/468,205号、米国特許出願第11/760,570号、米国特許出願第11/762,526号、米国特許出願第11/769,327号、米国特許出願第11/769,255号、米国特許出願第11/943801号又は米国特許出願第12/362,774号などに記載されている。グリホセート耐性を付与する別の遺伝子(例えば、デカルボキシラーゼ遺伝子)を含んでいる植物は、例えば、米国特許出願第11/588,811号、米国特許出願第11/185,342号、米国特許出願第12/364,724号、米国特許出願第11/185,560号又は米国特許出願第12/423,926号などに記載されている。
【0333】
別の除草剤抵抗性植物は、例えば、酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤(例えば、ビアラホス、ホスフィノトリシン又はグルホシネート)に対して耐性にされている植物である。そのような植物は、当該除草剤を解毒する酵素を発現させるか、又は、阻害に対して抵抗性を示す突然変異グルタミンシンターゼ酵素を発現させることによって、得ることができる(例えば、米国特許出願第11/760,602号に記載されている)。そのような有効な一解毒酵素は、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする酵素である(例えば、ストレプトマイセス属各種(Streptomyces species)に由来するbarタンパク質又はpatタンパク質)。外因性のホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する植物は、例えば、米国特許第5,561,236号、米国特許第5,648,477号、米国特許第5,646,024号、米国特許第5,273,894号、米国特許第5,637,489号、米国特許第5,276,268号、米国特許第5,739,082号、米国特許第5,908,810号及び米国特許第7,112,665号などに記述されている。
【0334】
さらなる除草剤耐性植物は、さらにまた、酵素ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性にされている植物である。HPPDは、パラ−ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)がホモゲンチセートに変換される反応を触媒する酵素である。HPPD阻害薬に対して耐性を示す植物は、WO 96/38567、WO 99/24585、WO 99/24586、WO 09/144079、WO 02/046387又はUS 6,768,044に記述されているように、自然発生抵抗性HPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、又は、突然変異HPPD酵素若しくはキメラHPPD酵素をコードする遺伝子を用いて、形質転換させることができる。HPPD阻害薬に対する耐性は、さらにまた、HPPD阻害薬による天然HPPD酵素の阻害にもかかわらずホモゲンチセートを形成させることが可能な特定の酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによっても得ることができる。そのような植物及び遺伝子は、WO 99/34008及びWO 02/36787に記述されている。HPPD阻害薬に対する植物の耐性は、さらにまた、WO 04/024928に記述されているように、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えてプレフェナートデスヒドロゲナーゼ(PDH)活性を有する酵素をコードする遺伝子を用いて植物を形質転換させることによって改善することもできる。さらに、植物は、WO 2007/103567及びWO 2008/150473に記載されているように、そのゲノムの中にHPPD阻害薬を代謝又は分解することが可能な酵素(例えば、CYP450酵素)をコードする遺伝子を加えることによって、HPPD阻害薬除草剤に対してさらに耐性にすることができる。
【0335】
さらに別の除草剤抵抗性植物は、アセトラクテートシンターゼ(ALS)阻害薬に対して耐性にされている植物である。既知ALS阻害薬としては、例えば、スルホニル尿素系除草剤、イミダゾリノン系除草剤、トリアゾロピリミジン系除草剤、ピリミジニルオキシ(チオ)ベンゾエート系除草剤、及び/又は、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系除草剤などがある。ALS酵素(「アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)」としても知られている)における種々の突然変異体は、例えば「Tranel and Wright(Weed Science 2002, 50, 700−712)」などに記述され、さらに、米国特許第5,605,011号、米国特許第5,378,824号、米国特許第5,141,870号及び米国特許第5,013,659号などにも記述されているように、種々の除草剤及び除草剤の群に対する耐性を付与することが知られている。スルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物の作製については、米国特許第5,605,011号、米国特許第5,013,659号、米国特許第5,141,870号、米国特許第5,767,361号、米国特許第5,731,180号、米国特許第5,304,732号、米国特許第4,761,373号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,928,937号及び米国特許第5,378,824号並びにWO 96/33270に記述されている。別のイミダゾリノン耐性植物についても、例えば、WO 2004/040012、WO 2004/106529、WO 2005/020673、WO 2005/093093、WO 2006/007373、WO 2006/015376、WO 2006/024351及びWO 2006/060634などに記述されている。さらなるスルホニル尿素耐性植物及びイミダゾリノン耐性植物は、さらにまた、例えば、WO 2007/024782及び米国特許出願第61/288958号などにも記述されている。
【0336】
イミダゾリノン及び/又はスルホニル尿素に対して耐性を示す別の植物は、例えば、ダイズに関してはUS 5,084,082に記述されているように、イネに関してはWO 97/41218に記述されているように、テンサイに関してはUS 5,773,702及びWO 99/057965に記述されているように、レタスに関してはUS 5,198,599に記述されているように、又は、ヒマワリに関してはWO 01/065922に記述されているように、誘導された突然変異誘発、当該除草剤の存在下での細胞培養における選抜又は突然変異育種によって得ることができる。
【0337】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、昆虫抵抗性トランスジェニック植物、即ち、特定の標的昆虫による攻撃に対して抵抗性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような昆虫抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
【0338】
本明細書中で使用されている場合、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」には、以下のものをコードするコード配列を含んでいる少なくとも1の導入遺伝子を含んでいる任意の植物が包含される:
(1) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、クリックモアら「Crickmore et al. (1998, Microbiology and Molecular Biology Reviews, 62:807−813」によって記載され、クリックモアら「Crickmore et al. (2005)」によって、オンライン「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/」上で「バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)毒素命名法」において更新された殺虫性結晶タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、Cryタンパク質類(Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1B、Cry1C、Cry1D、Cry1F、Cry2Ab、Cry3Aa、又は、Cry3Bb)のタンパク質若しくはその殺虫活性を示す一部分(例えば、EP−A 1999141、及び、WO 2007/107302)、又は、例えば米国特許出願第12/249,016に記載されている合成遺伝子によってコードされているタンパク質;又は、
(2) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する第2の別の結晶タンパク質又はその一部分の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質又はその一部分、例えば、Cry34結晶タンパク質とCry35結晶タンパク質で構成されているバイナリートキシン(Nat. Biotechnol. 2001, 19, 668−72; Applied Environm. Microbiol. 2006, 71, 1765−1774)、又は、Cry1A若しくはCry1Fタンパク質とCry2Aa若しくはCry2Ab若しくはCry2Aeタンパク質で構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第12/214,022号、及び、EP−A 2300618);又は、
(3) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する種々の殺虫性結晶タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド、例えば、トウモロコシイベントMON89034で産生されるCry1A.105タンパク質(WO 2007/027777);又は、
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、トウモロコシイベントMON863若しくはMON88017におけるCry3Bb1タンパク質又はトウモロコシイベントMIR604におけるCry3Aタンパク質;又は、
(5) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する殺虫性分泌タンパク質又はその殺虫活性を示す一部分、例えば、「http://www.lifesci.sussex.ac.uk/home/Neil_Crickmore/Bt/vip.html」において挙げられている栄養生長期殺虫性タンパク質(vegetative insecticidal protein)(VIP)、例えば、VIP3Aaタンパク質類のタンパク質;又は、
(6) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する第2の分泌タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、VIP1Aタンパク質とVIP2Aタンパク質で構成されているバイナリートキシン(WO 94/21795);又は、
(7) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する種々の分泌タンパク質の一部分を含んでいる殺虫性ハイブリッドタンパク質、例えば、上記(1)のタンパク質のハイブリッド、又は、上記(2)のタンパク質のハイブリッド;又は、
(8) 上記(5)〜(7)のいずれか1つのタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの、例えば、ワタイベントCOT102におけるVIP3Aaタンパク質;又は、
(9) バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する結晶タンパク質の存在下において殺虫活性を示す、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)又はバシルス・セレウス(Bacillus cereus)に由来する分泌タンパク質、例えば、VIP3とCry1A若しくはCry1Fで構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第61/126083号、及び、米国特許出願第61/195019号)、又は、VIP3タンパク質とCry2Aaタンパク質若しくはCry2Abタンパク質若しくはCry2Aeタンパク質で構成されているバイナリートキシン(米国特許出願第12/214,022号、及び、EP−A 2300618);又は、
(10) 上記(9)のタンパク質において、標的昆虫種に対するさらに強い殺虫活性を得るために、及び/又は、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、及び/又は、クローニング若しくは形質転換に際してコード化DNA中に導入された変化(それでも、まだ、殺虫性タンパク質をコードしている)に起因して、幾つかのアミノ酸(特に、1〜10のアミノ酸)が別のアミノ酸で置き換えられていているもの。
【0339】
もちろん、「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、本明細書中で使用されている場合、上記クラス(1)〜(10)のいずれか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組合せを含んでいる任意の植物も包含する。一実施形態では、異なった標的昆虫種に対して異なったタンパク質を使用した場合に影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、又は、同一の標的昆虫種に対して殺虫活性を示すが作用機序は異なっている(例えば、当該昆虫体内の異なった受容体結合部位に結合する)異なったタンパク質を用いることによって当該植物に対する昆虫の抵抗性の発達を遅延させるために、昆虫抵抗性植物は、上記クラス(1)〜(10)のいずれか1つのタンパク質をコードする2つ以上の導入遺伝子を含んでいる。
【0340】
「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、本明細書中で使用されている場合、さらに、例えばWO 2007/080126、WO 2006/129204、WO 2007/074405、WO 2007/080127及びWO 2007/035650などに記述されているような、植物の害虫に摂取されたときにその害虫の成長を阻害する二本鎖RNAを発現時に産生する配列を含んでいる少なくとも1の導入遺伝子を含んでいる任意の植物も包含する。
【0341】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、非生物的ストレスに対して耐性を示す。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのようなストレス抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。特に有用なストレス耐性植物としては、以下のものなどがある:
(1) 植物細胞内又は植物内におけるポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能な導入遺伝子を含んでいる植物(WO 00/04173、WO /2006/045633、EP−A 1807519又はEP−A 2018431に記述されている);
(2) 植物又は植物細胞のPARGコード化遺伝子の発現及び/又は活性を低減させることが可能なストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物(例えば、WO 2004/090140などに記述されている);
(3) ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼ又はニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを包含するニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ合成経路の植物機能性酵素(plant−functional enzyme)をコードするストレス耐性を強化する導入遺伝子を含んでいる植物(例えば、EP−A 1794306、WO 2006/133827、WO 2007/107326、EP−A 1999263又はWO 2007/107326などに記述されている)。
【0342】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、収穫された生産物の改変された量、品質及び/若しくは貯蔵安定性、並びに/又は、収穫された生産物の特定の成分の改変された特性を示す。例えば:
(1) 野生型の植物細胞又は植物において合成された澱粉と比較して、その物理化学的特性〔特に、アミロース含有量若しくはアミロース/アミロペクチン比、枝分かれ度、平均鎖長、側鎖分布、粘性挙動、ゲル化強度(gelling strength)、澱粉粒径及び/又は澱粉粒子形態〕が変えられていて、特定の用途により適した変性澱粉を合成するトランスジェニック植物。変性澱粉を合成する該トランスジェニック植物は、例えば、EP−A 0571427、WO 95/04826、EP−A 0719338、WO 96/15248、WO 96/19581、WO 96/27674、WO 97/11188、WO 97/26362、WO 97/32985、WO 97/42328、WO 97/44472、WO 97/45545、WO 98/27212、WO 98/40503、WO 99/58688、WO 99/58690、WO 99/58654、WO 00/08184、WO 00/08185、WO 00/08175、WO 00/28052、WO 00/77229、WO 01/12782、WO 01/12826、WO 02/101059、WO 03/071860、WO 04/056999、WO 05/030942、WO 2005/030941、WO 2005/095632、WO 2005/095617、WO 2005/095619、WO 2005/095618、WO 2005/123927、WO 2006/018319、WO 2006/103107、WO 2006/108702、WO 2007/009823、WO 00/22140、WO 2006/063862、WO 2006/072603、WO 02/034923、WO 2008/017518、WO 2008/080630、WO 2008/080631、WO 2008/090008、WO 01/14569、WO 02/79410、WO 03/33540、WO 2004/078983、WO 01/19975、WO 95/26407、WO 96/34968、WO 98/20145、WO 99/12950、WO 99/66050、WO 99/53072、US 6,734,341、WO 00/11192、WO 98/22604、WO 98/32326、WO 01/98509、WO 01/98509、WO 2005/002359、US 5,824,790、US 6,013,861、WO 94/04693、WO 94/09144、WO 94/11520、WO 95/35026、WO 97/20936、WO 2010/012796、WO 2010/003701に開示されている;
(2) 非澱粉炭水化物ポリマーを合成するか又は遺伝子組換えがなされていない野生型植物と比較して改変された特性を有する非澱粉炭水化物ポリマーを合成するトランスジェニック植物。その例は、ポリフルクトース(特に、イヌリン型及びレバン型のポリフルクトース)を産生する植物(EP−A 0663956、WO 96/01904、WO 96/21023、WO 98/39460及びWO 99/24593に開示されている)、α−1,4−グルカン類を産生する植物(WO 95/31553、US 2002031826、US 6,284,479、US 5,712,107、WO 97/47806、WO 97/47807、WO 97/47808及びWO 00/14249に開示されている)、α−1,6−分枝 α−1,4−グルカン類を産生する植物(WO 00/73422に開示されている)、及び、アルテルナンを産生する植物(WO 00/47727、WO 00/73422、US 5,908,975及びEP−A 0728213などに開示されている)である;
(3) ヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物(例えば、WO 2006/032538、WO 2007/039314、WO 2007/039315、WO 2007/039316、JP−A 2006−304779及びWO 2005/012529などに開示されている)。
【0343】
(4) トランスジェニック植物又はハイブリッド植物、例えば、「可溶性固形物高含有量」、「低辛味」(LP)及び/又は「長期保存」(LS)などの特性を有するタマネギ(米国特許出願第12/020,360号に記述されている)。
【0344】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変された繊維特性を有する植物(例えば、ワタ植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された繊維特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) 改変された形態のセルロースシンターゼ遺伝子を含んでいる植物(例えば、ワタ植物)(WO 98/00549に記述されている);
(b) 改変された形態のrsw2相同核酸又はrsw3相同核酸を含んでいる植物(例えば、ワタ植物)(WO 2004/053219に記述されている);
(c) スクロースリン酸シンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物)(WO 01/17333に記述されている);
(d) スクロースシンターゼの発現が増大している植物(例えば、ワタ植物)(WO 02/45485に記述されている);
(e) 繊維細胞に基づいた原形質連絡のゲーティングのタイミングが(例えば、繊維選択的β−1,3−グルカナーゼのダウンレギュレーションを介して)改変されている植物(例えば、ワタ植物)(WO 2005/017157に記述されているか、又は、WO 2009/143995に記述されている);
(f) 反応性が(例えば、nodCを包含するN−アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子の発現及びキチンシンターゼ遺伝子の発現を介して)改変されている繊維を有する植物(例えば、ワタ植物)(WO 2006/136351に記述されている)。
【0345】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変されたオイルプロフィール特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変されたオイル特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、以下のものなどがある:
(a) オレイン酸含有量が高いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(例えば、US 5,969,169、US 5,840,946、US 6,323,392又はUS 6,063,947などに記載されている);
(b) リノレン酸含有量が低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(US 6,270,828、US 6,169,190又はUS 5,965,755に記載されている);
(c) 飽和脂肪酸のレベルが低いオイルを産生する植物(例えば、ナタネ植物)(例えば、US 5,434,283又は米国特許出願第12/668303号などに記載されている)。
【0346】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変された種子脱粒特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された種子脱粒特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、種子の脱粒が遅延されているか又は低減されている植物(例えば、ナタネ植物)などがある(米国特許出願第61/135,230号、WO 2009/068313及びWO 2010/006732に記述されている)。
【0347】
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、翻訳後タンパク質修飾パターンが改変されている植物(例えば、タバコ植物)である(例えば、WO 2010/121818及びWO 2010/145846に記載されている)。
【0348】
本発明に従って処理し得る特に有用なトランスジェニック植物は、アメリカ合衆国内における規制除外(non−regulated status)についてのアメリカ合衆国農務省(USDA)の動植物検疫局(APHIS)に対する申請の対象である(ここで、そのような申請は、許可されているか又は審理中である)、形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる植物である。いつ何時でも、この情報は、APHIS(4700 River Road, Riverdale, MD 20737,USA)から、例えば、そのインターネットサイト(URL http://www.aphis.usda.gov/brs/not_reg.html)において、容易に入手することができる。本出願の出願日においてAPHISが審理中であるか又はAPHISによって許可された規制除外に対する申請は、下記情報を含んでいる申請であった:
− 申請: 当該申請の識別番号。形質転換イベントについての技術的な記述は、APHISから(例えば、APHISのウェブサイトにおいて、該申請番号を参照することによって)入手可能な個々の申請書類の中に見いだすことができる。それらの記述は、参照によって本明細書中に組み入れる。
【0349】
− 申請の拡張: 拡張が請求されている、先の申請についての言及。
【0350】
− 会社: 当該申請を提出している事業体の名称。
【0352】
− トランスジェニック表現型: 形質転換イベントによって植物に付与された形質。
【0353】
− 形質転換イベント又はライン: 規制除外が請求されている1つ又は複数のイベント(場合により、ラインとも称される)の名称。
【0354】
− APHIS文書: APHISに請求することが可能な、申請に関してAPHISによって刊行されている種々の文書。
【0355】
単一の形質転換イベント又は形質転換イベントの組合せを含んでいる特に有用なさらなる植物は、例えば、国又は地域のさまざまな規制機関によるデータベースに記載されている〔例えば、「http://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspx」及び「http://www.agbios.com/dbase.php」を参照されたい〕。
【0356】
施用量及び施用時期
本発明の活性成分を殺菌剤として使用する場合、その施用量は、施用の種類に応じて、比較的広い範囲内で変えることができる。本発明の活性成分の施用量は、以下のとおりである:
・ 植物の部分、例えば、葉を処理する場合: 0.1〜10000g/ha、好ましくは、10〜1000g/ha、さらに好ましくは、10〜800g/ha、さらに一層好ましくは、50〜300g/ha(潅水又は滴下によって施用する場合、特に、ロックウール又はパーライトなどの不活性底土を用いる場合には、上記施用量はさらに低減させることができる);
・ 種子を処理する場合: 種子100kg当たり2〜200g、好ましくは、種子100kg当たり3〜150g、さらに好ましくは、種子100kg当たり2.5〜25g、さらに一層好ましくは、種子100kg当たり2.5〜12.5g;
・ 土壌を処理する場合: 0.1〜10000g/ha、好ましくは、1〜5000g/ha。
【0357】
上記施用量は、単に例としてのものであり、本発明の目的に関して限定するものではない。
【0358】
本発明の活性成分又は式(I)で表される化合物を含んでいる組成物は、かくして、処理後ある一定の期間、上記病原体による攻撃から植物を保護するために用いることができる。保護がもたらされる期間は、植物が該活性成分で処理されてから、一般に、1〜28日間、好ましくは、1〜14日間、さらに好ましくは、1〜10日間、最も好ましくは、1〜7日間に及び、又は、種子処理後、最大で200日間に及ぶ。
【0359】
上記で挙げられている植物は、一般式(I)で表される化合物及び本発明の組成物を用いて、本発明に従って特に有利に処理することができる。該活性成分又は組成物に関して上記で示されている好ましい範囲は、これら植物の処理にも当てはまる。特に重要なのは、本明細書中において具体的に挙げられている化合物又は組成物を用いた植物の処理である。
【0360】
下記実施例によって、本発明について詳細に例証する。しかしながら、本発明は、それら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0361】
調製実施例
6−キノリンカルバルデヒドの調製(調製方法17Aによる)
【化39】
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【0362】
50mL容マイクロ波反応器の中に、酸化セレン(IV)(6.20g)及び6−メチルキノリン(12.0g)を添加した。次いで、その反応物を、500Wで150℃で2分間加熱し、300Wで190℃でさらに2分間加熱し、最後に、190℃で1時間加熱した。次いで、その媒体をジクロロメタン(250mL)の中に注ぎ入れ、濾過し、減圧下で濃縮して、褐色の油状物を得た。その褐色の油状物をシリカゲルクロマトグラフィーでさらに精製して、標題化合物を黄色の粉状物として得た(12.2g)。分析データは、文献中で報告されている分析データと一致した。
【0363】
3−ヨードキノリン−6−カルバルデヒドの調製(調製方法17Bによる)
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0364】
3−ヨード−6−メチルキノリン(10.0g)及び酸化セレン(IV)(4.95g)を160℃で8時間加熱した。冷却後、固体を吸引濾過によって除去し、その粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物を褐色の固体として得た(5.00g);m.p.145−149℃;logP(HCOOH):2.12。
【0365】
3−ブロモキノリン−6−カルバルデヒドの調製(調製方法17Bによる)
【化41】
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【0366】
6−キノリンカルバルデヒド(1.00g)をピリジン(4.90g)に溶解させた溶液を室温で撹拌しながら、それに、臭素(1.10g)を滴下して加えた。その反応混合物を還流温度まで昇温させた。還流温度で2時間経過した後、さらなる臭素(3.30g)を添加し、その混合物を還流温度に4時間維持した。次いで、その反応混合物を室温まで冷却した後、氷−水の中に注ぎ入れた。その有機成分を酢酸エチルで抽出し、その有機層をNaHSO
3水溶液(10%)で洗浄し、濃縮した。その粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た(1.12g);m.p.142−145℃;logP(HCOOH)2.08。
【0367】
3−クロロキノリン−6−カルバルデヒドの調製(調製方法17Bによる)
【化42】
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【0368】
キノリン−6−カルバルデヒド(2.0g)を酢酸(20mL)に溶解させた溶液を室温で撹拌しながら、それに、N−クロロスクシンイミド(3.4g)を添加した。次いで、その反応混合物を80℃で16時間撹拌した。標準的な後処理及びシリカゲルクロマトグラフィーに付して、標題化合物をオフホワイトの固体として得た(1.0g);m.p.130−132℃;logP(HCOOH):1.96。
【0369】
3−ブロモ−7,8−ジフルオロキノリン−6−カルバルデヒドの調製(調製方法14による)
【化43】
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【0370】
3−ブロモ−7,8−ジフルオロキノリン−6−カルボニトリル(4.20g)をジクロロメタンに溶解させた溶液を−5℃で撹拌しながら、それに、水素化ジイソブチルアルミニウム(di−idobutylaluminium hydride)(ジクロロメタン中1M、2.66g)を添加した。−5℃で2時間撹拌を継続し、室温でさらに2時間継続した。次いで、その反応混合物を、−5℃で、水性HCl(1M、50mL)で処理し、その有機成分をジクロロメタンで抽出した。その有機層を水性NAHCO
3(10%、100mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーに付して、標題化合物を黄色の固体として得た(4.10g);LC−MS:[MH]
+272及び274;logP(HCOOH)2.71。
【0371】
1−(3−クロロキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシメタンイミンの調製(調製方法13による)
【化44】
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【0372】
3−クロロキノリン−6−カルバルデヒド(7.0g)をメタノール(70mL)に溶解させた溶液に、室温で、アンバーリスト(7.0g)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(3.0g)を添加した。その反応物を16時間撹拌した。標準的な後処理に付して、粗製物質をオフホワイトの固体として得た(5.0g);m.p.212−214℃;logP(HCOOH):1.78。そのオフホワイトの固体は、それ以上精製することなく使用することが可能であった。
【0373】
1−(3−ヨードキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシメタンイミンの調製(調製方法13による)
【化45】
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【0374】
上記と同様: 3−ヨードキノリン−6−カルバルデヒド(5.0g)をオフホワイトの固体としての標題化合物に変換した(4.0g);m.p.229−232℃;logP(HCOOH)1.98。
【0375】
3−クロロ−N−ヒドロキシキノリン−6−カルボキシイミドイルクロリドの調製(調製方法12による)
【化46】
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【0376】
1−(3−クロロキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシメタンイミン(5.0g)をDMF(25mL)に溶解させた溶液に、室温で、N−クロロスクシンイミド(2.68g)を添加し、その反応混合物をその温度で4時間撹拌した。標準的な後処理に付して粗製物質を得た(3.9g);logP(HCOOH):1.96。その粗製物質は、それ以上精製することなく使用することが可能であった。
【0377】
3−ヨード−N−ヒドロキシキノリン−6−カルボキシイミドイルクロリドの調製(調製方法12による)
【化47】
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【0378】
上記と同様: 1−(3−ヨードキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシメタンイミン(4.0g)をオフホワイトの固体としての3−ヨード−N−ヒドロキシキノリン−6−カルボキシイミドイルクロリドに変換した(3.0g):m.p.201−205℃;logP(HCOOH)2.63。
【0379】
化合物No.II−23の調製(調製方法10による)
【化48】
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【0380】
3−クロロ−N−ヒドロキシキノリン−6−カルボキシイミドイルクロリド(3.5g)及びメタクリル酸メチル(1.45g)をクロロホルム(35mL)に溶解させた溶液を室温で撹拌しながら、それに、トリエチルアミン(2.93g)を添加し、得られた混合物をその温度で2時間撹拌した。標準的な後処理及びシリカゲルクロマトグラフィーに付して、標題化合物をオフホワイトの固体として得た(2.0g);m.p.113−115℃;logP(HCOOH)2.58。
【0381】
化合物No.II−30の調製(調製方法10による)
【化49】
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【0382】
上記と同様: 3−ヨード−N−ヒドロキシキノリン−6−カルボキシイミドイルクロリド(3.0g)をオフホワイトの固体としての標題化合物に変換した(2.5g);m.p.93−96℃;logP(HCOOH)2.71。
【0383】
化合物No.II−01の調製(調製方法2Aによる):
【化50】
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【0384】
3−(3−クロロキノリン−6−イル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸メチル(2.0g)をメタノール(10mL)に溶解させた溶液を室温で撹拌しながら、それに水性NaOH(2M、10mL)を添加した。その最終的な混合物をその温度で2時間撹拌した。標準的な酸−塩基後処理に付して、標題化合物をオフホワイトの固体として得た(1.1g);m.p.141−145℃;logP(HCOOH)1.87。
【0385】
化合物No.II−09の調製(調製方法2Aによる):
【化51】
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【0386】
上記と同様: 3−(3−クロロキノリン−6−イル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸メチル(2.5g)を変換して、目標化合物を黄色の固体として得た(1.8g);m.p.235−240℃;logP(HCOOH)1.93。
【0387】
化合物No.55の調製(調製方法1による)
【化52】
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【0388】
3−(3−クロロキノリン−6−イル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸(500mg)をDMF(5mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、順次、室温で、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(664mg)、ジ−イソプロピルエチルアミン(667mg)及びイソプロピルアミン(305mg)を添加した。その混合物をその温度で1時間撹拌した。標準的な後処理及び分取HPLCに付して、目標化合物をオフホワイトの固体として得た(100mg);m.p.167−170℃;logP(HCOOH)2.61。
【0389】
化合物No.38の調製(調製方法1による):
【化53】
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【0390】
上記と同様: 3−(3−クロロキノリン−6−イル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸(500mg)を変換して、目標化合物をオフホワイトの固体として得た(390mg);m.p.208−210℃;logP(HCOOH)2.88。
【0391】
化合物No.259の調製(調製方法3による):
【化54】
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【0392】
3−(3−ヨードキノリン−6−イル)−N−イソプロピル−5−メチル−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボキサミド(108mg)をトルエン(2.6g)と水(200mg)に溶解させた溶液に、酢酸パラジウム(5.2mg)、トリシクロヘキシルホスフィン(12.9mg)及びリン酸カリウム(293mg)を添加した。その反応物を100℃で4時間撹拌し、さらに16時間静置した。その反応混合物を水の中に注ぎ入れ、酢酸エチルで3回抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、目標化合物を橙色の固体として得た(21mg);logP(HCOOH)1.94。
【0393】
化合物No.258の調製(調製方法3による):
【化55】
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【0394】
3−(3−ヨードキノリン−6−イル)−N−イソプロピル−5−メチル−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボキサミド(111mg)をアセトニトリル(10mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、ピリミジン−5−ボロン酸(35mg)、炭酸カリウム(65mg)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(27mg)を添加した。その反応物を還流温度で4時間撹拌し、さらに16時間静置した。その反応混合物を水の中に注ぎ入れ、酢酸エチルで3回抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、目標化合物を橙色の固体として得た(29mg);logP(HCOOH)1.79。
【0395】
化合物No.150の調製(調製方法3による):
【化56】
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【0396】
3−(3−ヨードキノリン−6−イル)−N−イソプロピル−5−メチル−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボキサミド(400mg)をジ−イソプロピルエチルアミン(10mL)に溶解させた溶液を脱ガスし、それに、ヨウ化銅(I)(4.5mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(109mg)を添加し、最後に、(トリメチルシリル)アセチレン(371mg)を添加した。その反応物を、密閉された管の中で、90℃で6時間撹拌した。冷却後、その反応混合物を水の中に注ぎ入れ、酢酸で3回抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、目標化合物を得た(180mg);logP(HCOOH)4.41。
【0397】
化合物No.144の調製(調製方法3による):
【化57】
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【0398】
3−(3−ヨードキノリン−6−イル)−N−イソプロピル−5−メチル−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボキサミド(60mg)をDMF(660mg)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、2−チオフェンボロン酸(24mg)、酢酸パラジウム(1.6mg)及び炭酸カリウム(59mg)を添加した。次いで、その反応物を100℃で2.5時間撹拌した。その反応混合物を水の中に注ぎ入れ、酢酸エチルで3回抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、目標化合物を褐色の固体として得た(13mg);logP(HCOOH)3.04。
【0399】
化合物No.141の調製(調製方法3による):
【化58】
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【0400】
目標化合物を上記実施例19に関して記載されている方法と同様にして調製して、所望の化合物をオフホワイトの固体として得た(20mg);logP(HCOOH)3.02。
【0401】
化合物No.266の調製(調製方法2による):
【化59】
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【0402】
3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−3a,4,5,6−テトラヒドロ−7aH−ピラノ[3,2−d][1,2]オキサゾール−7a−カルボン酸メチル(化合物II−32)(120mg)をトルエン(5mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、室温で、アルゴン下、トリメチルアルミニウム(トルエン中2M、0.5mL)及び1−(1−エチル−3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタンアミン(51mg)を添加した。その最終的な混合物を室温で2時間撹拌した後、酢酸エチル(25mL)で希釈し、水性飽和NaCl(50mL)で洗浄した。揮発性物質を減圧下で除去した後、その粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、目標化合物を得た(53mg);logP(HCOOH)2.59。
【0403】
2−(ジフルオロメチル)プロパ−2−エン−1−イルアセテートの調製(スキーム8Aの調製方法による)
【化60】
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【0404】
2−(ヒドロキシメチル)プロパ−2−エン−1−イルアセテート(31.5g)をジクロロメタン(800mL)に溶解させ、二酸化マンガン(IV)(105g)を添加した。その反応物を、全ての出発物質が消費されるまで、室温で撹拌した。次いで、その混合物を濾過し、0℃まで冷却した。その粗製2−ホルミルプロパ−2−エン−1−イルアセテートを三フッ化ジエチルアミノ硫黄(78g)で処理し、室温で16時間撹拌した。その混合物を氷/塩浴内で冷却し、水(50mL)及び水性飽和NaHCO
3(100mL)を滴下して加えた。その混合物を水性飽和NaHCO
3で洗浄し、その水層をジクロロメタンで抽出した。その有機層を合して水性飽和NaClで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、40℃及び750mbarで濃縮して、目標化合物を淡褐色の液体として得た(57.5g、69%ジクロロメタン含有)。これは、それ以上精製することなく使用した。
【0405】
[3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−(ジフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−イル]メチルアセテートの調製(調製方法8Aによる)
【化61】
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【0406】
乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(250mL)中の1−(3−ブロモキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシメタンイミン(12.5g)の懸濁液に、N−クロロスクシンイミド(6.65g)を添加した。得られた懸濁液を60℃で1時間撹拌した。その混合物を室温まで冷却した後、2−(ジフルオロメチル)プロパ−2−エン−1−イルアセテート(24.1g、純度31%)及びNaHCO
3(8.36g)を添加し、その混合物を室温で16時間撹拌した。その混合物を濃縮し、ジクロロメタンを添加し、その混合物を濾過した。その濾液を水及び水性飽和NaClで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーに付して、目標化合物を白色の固体として得た(7.69g)。
【0407】
[3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−(ジフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−イル]メタノールの調製(調製方法8Aによる)
【化62】
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【0408】
[3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−(ジフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−イル]メチルアセテート(7.69g)をメタノール(150mL)に溶解させ、水性NaOH(1M、38.5mL)を添加した。その混合物を50℃で90分間撹拌し、次いで、室温まで冷却し、濃縮した。その残渣を水とジクロロメタンの間で分配させた。その水層をジクロロメタンを用いて抽出した。その有機層を合してNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、目標化合物をオフホワイトの固体として得た(2.65g)。さらに、その水層を濾過して、さらなる目標化合物をオフホワイトの固体として得た(2.97g)。
【0409】
3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−(ジフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸の調製(調製方法8Aによる)
【化63】
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【0410】
酸化クロム(VI)(7.87g)を氷浴で冷却しながら水(100mL)で希釈し、それに、硫酸(15.43g)を添加した。得られた混合物を、[3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−(ジフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−イル]メタノール(5.62g)をアセトン(100mL)に溶解させた溶液に滴下して加えた。その黄色の混合物を50℃で一晩撹拌した。プロパン−2−オール(125mL)を添加し、その後、緑色の混合物は青色に変わった。水(750mL)を添加し、その混合物を酢酸エチル(EtOAc)(2×500mL)で抽出した。その有機相を合して水性飽和NaClで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物を淡緑色の固体として得た(4.73g)。
【0411】
化合物No.623の調製(調製方法1による)
【化64】
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【0412】
3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−(ジフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸(300mg)をジクロロメタンに溶解させた溶液に、1滴のN,N−ジメチルホルムアミドを添加した。塩化オキサリル(154mg)を添加し、その混合物を室温で30分間撹拌した後、濃縮し、トルエンで2回除去して、中間体3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−(ジフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボニルクロリド(315mg)を得た。この酸塩化物をジクロロメタン(10mL)と乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解させた。これに、3−エトキシプロパン−1−アミン(92mg)及びN,N−ジ−イソプロピルエチルアミン(209mg)を添加した。その混合物を室温で1時間撹拌した後、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーに付して、目標化合物を白色の固体として得た(227mg)。LC−MS:[MH]
+456及び458;logP(HCOOH)3.06。
【0413】
化合物No.615の調製(調製方法3による)
【化65】
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【0414】
3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−(ジフルオロメチル)−N−(3−エトキシプロピル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボキサミド(720mg)をトリエチルアミン(6mL)と乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(6mL)に溶解させた溶液に、ヨウ化銅(I)(6mg)を添加し、その際、その混合物にアルゴンをフラッシュした。アルゴン下、トリメチルシリルアセチレン(465mg)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(91mg)を添加した。マイクロ波バイアルを密閉し、マイクロ波を照射しながら、その混合物を100℃で30分間撹拌した。テトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリドをTHFに溶解させた溶液(1M、3.16mL)を添加し、その混合物を室温で1時間撹拌した。揮発性物質を除去し、その粗製残渣を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、目標化合物をオフホワイトの固体として得た(329mg)。LC−MS:[MH]
+402;logP(HCOOH)2.73。
【0415】
3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸メチルの調製(調製方法9による)
【化66】
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【0416】
乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(250mL)中の3−ブロモキノリン−6−カルバルデヒドオキシム(11.2g)の懸濁液に、N−クロロスクシンイミド(5.96g)を添加した。得られた黄色の懸濁液を60℃で1時間撹拌した。その混合物を室温まで冷却した。3−ヒドロキシ−2−メチレンブタン酸メチル(5.81g)及び炭酸水素ナトリウム(7.49g)を添加し、その混合物を室温で一晩撹拌した。その混合物を濃縮し、EtOAcを添加した。その懸濁液を水及び水性飽和NaClで洗浄した。その有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。橙色の残渣をシリカゲルで精製して、目標化合物を得た(13.5g)。
【0417】
3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−(1−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸メチルの調製(中間体を単離する調製方法8Bによる)
【化67】
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【0418】
ジクロロメタン(500mL)中の3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸メチル(13.5g)の懸濁液に、ピリジン(5.36g)を添加した。その混合物を0℃まで冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(12.4g)を滴下して加えた。その混合物を、室温まで昇温させながら、30分間撹拌した。次いで、その混合物を水及び水性飽和NaClで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、目標化合物を得た(18.1g)。これは、それ以上精製することなく次の段階で使用した(純度約80%)。
【0419】
3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−ビニル−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸メチルの調製(調製方法8Bによる)
【化68】
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【0420】
3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−(1−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}エチル)−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸メチル(18.1g、約80%)をジクロロメタン(500mL)に溶解させた溶液に、炭酸セシウム(9.23g)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU、0.43g)を添加した。その混合物を室温で一晩撹拌した。追加のDBU(0.65g)を添加し、撹拌を24時間継続した。3回目のDBU(0.43g)を添加し、撹拌を24時間継続した。次いで、その混合物を濾過し、濃縮した。その残渣をシリカで精製して、目標化合物を白色の固体として得た(9.29g)。
【0421】
3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−ビニル−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸の調製(調製方法2Aによる)
【化69】
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【0422】
メタノール(500mL)中の3−(3−ブロモキノリン−6−イル)−5−ビニル−4,5−ジヒドロ−1,2−オキサゾール−5−カルボン酸メチル(9.29g)の懸濁液を、全ての固体が溶解するまで、ヒートガンを用いて穏やかに加熱した。水(100mL)中の水酸化リチウム一水和物(1.30g)を添加し、その混合物を45分間撹拌した。メタノールを蒸発させ、pH=1になるまで水性HCl(1M)を添加した。次いで、水(500mL)を添加し、EtOAc(2×250mL)を用いて生成物を抽出した。その有機層を合して水性飽和NaClで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、目標化合物(8.55g)を白色の泡状物として得た。
【0423】
表1、表2及び表3に記載されている本発明の代表的な化合物は、上記で記載した調製方法と同様にして合成した。
【0424】
下記表1は、式(I)で表される化合物の例について、非限定的に例証している。
【化70】
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【0425】
表1
【表1】
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【0426】
logP値の測定は、「EEC directive 79/831 Annex V.A8」に従い、下記方法を用いて、逆相カラムでのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)によって実施した;
[a] LC−MSの測定は、溶離液として0.1%水性ギ酸及びアセトニトリル(0.1%ギ酸含有)を使用し、10%アセトニトリルから95%アセトニトリルまでの直線勾配で、pH2.7で実施した。
【0427】
較正は、logP値が知られている非分枝鎖アルカン−2−オン(3個〜16個の炭素原子含有)を用いて実施した(logP値は、連続するアルカノンの間の線形補間を使用し、保持時間を用いて測定)。ラムダマックス値は、200nm〜400nmの紫外線スペクトル及びクロマトグラフシグナルのピーク値を用いて決定した。
【0428】
NMRピークリスト
選択された実施例の1H−NMRデータは、1H−NMRピークリストの形態で記載されている。各シグナルピークに対して、δ値(ppm)及びシグナル強度(丸括弧内)が記載されている。δ値−シグナル強度の対の間には、区切り符合としてセミコロンが記載されている。
【0429】
従って、1つの例のピークリストは、以下の形態を有している:
δ
1(強度
1);δ
2(強度
2);....;δ
i(強度
i);....;δ
n(強度
n)。
【0430】
NMRピークリスト 表1
【表2】
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【0431】
先鋭なシグナルの強度は、NMRスペクトルの印刷された例におけるシグナルの高さ(cm)と相関し、シグナル強度の真の関係を示している。幅が広いシグナルからは、数種類のピーク又は該シグナルの中央及び当該スペクトルの中の最も強いシグナルと比較したそれらの相対的強度が示され得る。
【0432】
1Hスペクトルの化学シフトを較正するために、特にスペクトルがDMSO中で測定される場合には、テトラメチルシランを使用するか及び/又は用いられる溶媒の化学シフトを使用する。従って、NMRピークリストでは、テトラメチルシランのピークは存在し得るが、必ずしも存在するわけではない。
【0433】
1H−NMRピークリストは、古典的な1H−NMRのプリントと類似しており、従って、通常、NMRの古典的な解釈で記載される全てのピークを含んでいる。
【0434】
さらに、それらは、古典的な1H−NMRのプリントのように、溶媒のシグナル、目標化合物の立体異性体(これも、本発明の対象である)のシグナル及び/又は不純物のピークのシグナルも示し得る。
【0435】
溶媒及び/又は水のデルタ−範囲内における化合物シグナルを示すために、溶媒の通常のピーク(例えば、DMSO−D
6中のDMSOのピーク)及び水のピークは、本発明者らの1H−NMRピークリストの中に示されており、そして、通常、平均して高い強度を有している。
【0436】
目標化合物の立体異性体のピーク及び/又は不純物のピークは、通常、平均して、目標化合物(例えば、純度>90%)のピークよりも低い強度を有している。
【0437】
そのような立体異性体及び/又は不純物は、特定の調製方法に対して特有であり得る。従って、それらのピークは、本発明者らの調製方法の再現性を「副産物の指紋(side−products−fingerprints)」によって認識するのに役立ち得る。
【0438】
目標化合物のピークを既知方法(MestreC、ACD−シミュレーション、さらに、経験的に評価された期待値の使用)で計算する専門家は、必用に応じて、場合により付加的な強度フィルターを使用して、目標化合物のピークを分離することができる。この分離は、1H−NMRの古典的な解釈での関連するピークのピッキングに類似しているであろう。
【0439】
ピークリストによるNMRデータの記載のさらなる詳細については、「Research Disclosure Database Number 564025」の刊行物「Citation of NMR Peaklist Data within Patent Applications」の中に見いだすことができる。
【0440】
下記表2は、式(II)で表される化合物の例について、非限定的に例証している。
【化71】
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【0441】
表2
【表3】
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【0442】
logP値の測定は、「EEC directive 79/831 Annex V.A8」に従い、下記方法を用いて、逆相カラムでのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)によって実施した;
[a] LC−MSの測定は、溶離液として0.1%水性ギ酸及びアセトニトリル(0.1%ギ酸含有)を使用し、10%アセトニトリルから95%アセトニトリルまでの直線勾配で、pH2.7で実施した。
【0443】
較正は、logP値が知られている非分枝鎖アルカン−2−オン(3個〜16個の炭素原子含有)を用いて実施した(logP値は、連続するアルカノンの間の線形補間を使用し、保持時間を用いて測定)。ラムダマックス値は、200nm〜400nmの紫外線スペクトル及びクロマトグラフシグナルのピーク値を用いて決定した。
【0444】
NMR−ピークリスト
選択された実施例の1H−NMRデータは、1H−NMRピークリストの形態で記載されている。各シグナルピークに対して、δ値(ppm)及びシグナル強度(丸括弧内)が記載されている。δ値−シグナル強度の対の間には、区切り符合としてセミコロンが記載されている。
【0445】
従って、1つの例のピークリストは、以下の形態を有している:
δ
1(強度
1);δ
2(強度
2);....;δ
i(強度
i);....;δ
n(強度
n)。
【0446】
NMRピークリスト 表2
【表4】
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【0447】
先鋭なシグナルの強度は、NMRスペクトルの印刷された例におけるシグナルの高さ(cm)と相関し、シグナル強度の真の関係を示している。幅が広いシグナルからは、数種類のピーク又は該シグナルの中央及び当該スペクトルの中の最も強いシグナルと比較したそれらの相対的強度が示され得る。
【0448】
1Hスペクトルの化学シフトを較正するために、特にスペクトルがDMSO中で測定される場合には、テトラメチルシランを使用するか及び/又は用いられる溶媒の化学シフトを使用する。従って、NMRピークリストでは、テトラメチルシランのピークは存在し得るが、必ずしも存在するわけではない。
【0449】
1H−NMRピークリストは、古典的な1H−NMRのプリントと類似しており、従って、通常、NMRの古典的な解釈で記載される全てのピークを含んでいる。
【0450】
さらに、それらは、古典的な1H−NMRのプリントのように、溶媒のシグナル、目標化合物の立体異性体(これも、本発明の対象である)のシグナル及び/又は不純物のピークのシグナルも示し得る。
【0451】
溶媒及び/又は水のデルタ−範囲内における化合物シグナルを示すために、溶媒の通常のピーク(例えば、DMSO−D
6中のDMSOのピーク)及び水のピークは、本発明者らの1H−NMRピークリストの中に示されており、そして、通常、平均して高い強度を有している。
【0452】
目標化合物の立体異性体のピーク及び/又は不純物のピークは、通常、平均して、目標化合物(例えば、純度>90%)のピークよりも低い強度を有している。
【0453】
そのような立体異性体及び/又は不純物は、特定の調製方法に対して特有であり得る。従って、それらのピークは、本発明者らの調製方法の再現性を「副産物の指紋(side−products−fingerprints)」によって認識するのに役立ち得る。
【0454】
目標化合物のピークを既知方法(MestreC、ACD−シミュレーション、さらに、経験的に評価された期待値の使用)で計算する専門家は、必用に応じて、場合により付加的な強度フィルターを使用して、目標化合物のピークを分離することができる。この分離は、1H−NMRの古典的な解釈での関連するピークのピッキングに類似しているであろう。
【0455】
ピークリストによるNMRデータの記載のさらなる詳細については、「Research Disclosure Database Number 564025」の刊行物「Citation of NMR Peaklist Data within Patent Applications」の中に見いだすことができる。
【0456】
下記表3は、式(V)で表される化合物の例について、非限定的に例証している。
【化72】
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【0457】
表3
【表5】
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【0458】
logP値の測定は、「EEC directive 79/831 Annex V.A8」に従い、下記方法を用いて、逆相カラムでのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)によって実施した;
[a] LC−MSの測定は、溶離液として0.1%水性ギ酸及びアセトニトリル(0.1%ギ酸含有)を使用し、10%アセトニトリルから95%アセトニトリルまでの直線勾配で、pH2.7で実施した。
【0459】
較正は、logP値が知られている非分枝鎖アルカン−2−オン(3個〜16個の炭素原子含有)を用いて実施した(logP値は、連続するアルカノンの間の線形補間を使用し、保持時間を用いて測定)。ラムダマックス値は、200nm〜400nmの紫外線スペクトル及びクロマトグラフシグナルのピーク値を用いて決定した。
【0460】
NMR−ピークリスト
選択された実施例の1H−NMRデータは、1H−NMRピークリストの形態で記載されている。各シグナルピークに対して、δ値(ppm)及びシグナル強度(丸括弧内)が記載されている。δ値−シグナル強度の対の間には、区切り符合としてセミコロンが記載されている。
【0461】
従って、1つの例のピークリストは、以下の形態を有している:
δ
1(強度
1);δ
2(強度
2);....;δ
i(強度
i);....;δ
n(強度
n)。
【0462】
NMRピークリスト 表3
【表6】
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【0463】
先鋭なシグナルの強度は、NMRスペクトルの印刷された例におけるシグナルの高さ(cm)と相関し、シグナル強度の真の関係を示している。幅が広いシグナルからは、数種類のピーク又は該シグナルの中央及び当該スペクトルの中の最も強いシグナルと比較したそれらの相対的強度が示され得る。
【0464】
1Hスペクトルの化学シフトを較正するために、特にスペクトルがDMSO中で測定される場合には、テトラメチルシランを使用するか及び/又は用いられる溶媒の化学シフトを使用する。従って、NMRピークリストでは、テトラメチルシランのピークは存在し得るが、必ずしも存在するわけではない。
【0465】
1H−NMRピークリストは、古典的な1H−NMRのプリントと類似しており、従って、通常、NMRの古典的な解釈で記載される全てのピークを含んでいる。
【0466】
さらに、それらは、古典的な1H−NMRのプリントのように、溶媒のシグナル、目標化合物の立体異性体(これも、本発明の対象である)のシグナル及び/又は不純物のピークのシグナルも示し得る。
【0467】
溶媒及び/又は水のデルタ−範囲内における化合物シグナルを示すために、溶媒の通常のピーク(例えば、DMSO−D
6中のDMSOのピーク)及び水のピークは、本発明者らの1H−NMRピークリストの中に示されており、そして、通常、平均して高い強度を有している。
【0468】
目標化合物の立体異性体のピーク及び/又は不純物のピークは、通常、平均して、目標化合物(例えば、純度>90%)のピークよりも低い強度を有している。
【0469】
そのような立体異性体及び/又は不純物は、特定の調製方法に対して特有であり得る。従って、それらのピークは、本発明者らの調製方法の再現性を「副産物の指紋(side−products−fingerprints)」によって認識するのに役立ち得る。
【0470】
目標化合物のピークを既知方法(MestreC、ACD−シミュレーション、さらに、経験的に評価された期待値の使用)で計算する専門家は、必用に応じて、場合により付加的な強度フィルターを使用して、目標化合物のピークを分離することができる。この分離は、1H−NMRの古典的な解釈での関連するピークのピッキングに類似しているであろう。
【0471】
ピークリストによるNMRデータの記載のさらなる詳細については、「Research Disclosure Database Number 564025」の刊行物「Citation of NMR Peaklist Data within Patent Applications」の中に見いだすことができる。
【0472】
使用実施例
実施例A: アルテルナリア・ブラシカエ(Alternaria brassicae)(ハツカダイコンの黒斑病(leaf spot))に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0473】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、17℃で成育させたハツカダイコン植物(品種「Pernod Clair」)を、2葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0474】
24時間経過した後、アルテルナリア・ブラシカエ(Alternaria brassicae)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり50000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取する。汚染されたイネ植物を、20℃、相対湿度100%でインキュベートする。
【0475】
上記汚染から5日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0476】
これらの条件下、下記化合物を薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
48(97%)、52(71%、75%)、84(80%)、85(96%)、95(70%)、98(70%)、99(70%)、105(70%)、135(100%)、161(75%)、162(88%)、163(88%)、164(88%)、170(81%)、171(75%)、173(88%)、178(75%)、180(75%)、187(88%)、188(88%)、198(98%)、208(88%)、214(75%)、215(75%)、219(75%)、220(88%)、221(98%)、226(81%)、227(75%)、234(75%)、237(71%)、241(81%)、242(94%)、244(81%)、245(94%)、246(75%)、247(75%)、273(75%)、278(86%)、306(71%)、383(83%)、384(83%)、402(71%)、411(80%)、412(70%)、415(80%)、422(72%)、423(83%)、426(78%)、427(83%)。
【0477】
実施例B: ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(灰色かび病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質とする。
【0478】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、24℃で成育させたガーキン(gherkin)植物(品種「Vert petit de Paris」)を、Z11子葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0479】
24時間経過した後、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)の低温保存された胞子の水性懸濁液(1mL当たり50000胞子)を子葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、10g/LのPDB、50g/LのD−フルクトース、2g/LのNH
4NO
3及び1g/LのKH
2PO
4で構成される栄養溶液に懸濁させる。汚染されたガーキン植物を、17℃、相対湿度80%でインキュベートする。
【0480】
上記汚染から4〜5日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0481】
これらの条件下、下記化合物を薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
14(100%)、17(100%)、22(93%)、31(93%)、32(98%)、34(100%)、38(100%)、39(100%)、40(100%)、43(100%)、44(99%)、45(98%、100%)、47(95%)、48(100%)、49(100%)、50(100%)、51(100%)、52(100%)、53(99%)、55(99%)、64(77%)、66(100%)、68(98%)、69(99%)、70(93%)、75(93%)、78(74%)、82(95%)、83(100%)、87(97%)、99(100%)、100(97%)、103(98%)、120(100%)、125(100%)、127(80%)、128(98%)、130(89%)、131(92%)、132(98%)、147(88%)、155(100%)、162(99%)、164(71%)、167(100%)、168(99%)、169(100%)、170(100%)、178(100%)、180(95%)、181(92%)、182(99%)、185(95%)、186(92%)、190(89%)、193(74%)、195(97%)、197(100%)、198(95%)、199(99%)、202(87%)、205(84%)、214(100%)、215(87%)、216(99%)、219(99%)、220(100%)、227(92%)、234(99%)、238(82%)、242(86%)、247(100%)、259(75%)、260(75%)、262(95%)、267(85%)、268(93%)、291(88%)、293(97%)、296(97%)、298(87%)、300(99%)、402(99%)、409(100%)、414(100%)、418(79%)、428(100%)、429(100%)、442(100%)、444(97%)、445(93%)、446(98%)、447(97%)、448(98%)、449(99%)、450(100%)、455(98%)、456(98%)、458(100%)、461(99%)、462(98%)、463(100%)、464(98%)、465(88%)、470(100%)、471(89%)、474(100%)、475(100%)、476(100%)、481(97%)、482(100%)、483(100%)、493(100%)、496(99%)、497(100%)、498(92%)、500(85%)、501(100%)、502(98%)、504(99%)、505(75%)、506(100%)、508(100%)、511(100%)、512(98%)、514(100%)、515(100%)、516(100%)、517(80%)、523(73%)、524(100%)、525(100%)、527(100%)、528(99%)、529(100%)、530(100%)、531(100%)、532(100%)、533(100%)、534(100%)、535(100%)、536(100%)、537(100%)、538(100%)、539(100%)、540(100%)、541(100%)、542(100%)、543(100%)、544(100%)、545(100%)、546(100%)、547(100%)、548(94%)、549(83%)、550(98%)、551(98%)、558(97%)、559(95%)、565(100%)、567(100%)、568(99%)、569(100%)、595(100%)、596(99%)、597(100%)、599(100%)、613(100%)、614(100%)、615(95%)、617(95%)、619(73%)、621(83%)、724(98%)、725(98%)、726(99%)、727(98%)、728(97%)、729(97%)、730(85%)、734(95%)。
【0482】
実施例C: ペロノスポラ・パラシチカ(Peronospora parasitica)(アブラナ科植物のべと病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/Tween/DMSOの混合物中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質とする。
【0483】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させた、育苗カップ内のキャベツ植物(品種「Eminence」)を、子葉期で、上記で記載した水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0484】
24時間経過した後、ペロノスポラ・パラシチカ(Peronospora parasitica)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり50000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染された植物から採取する。汚染されたキャベツ植物を、湿潤雰囲気下、20℃で5日間インキュベートする。
【0485】
上記汚染から5日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0486】
これらの条件下、下記化合物を薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
31(90%)、34(98%)、35(90%)、36(98%)、39(100%)、41(75%)、43(94%)、45(98%)、47(100%)、48(98%)、49(100%)。
【0487】
実施例D: フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)(トマトの疫病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/Tween/DMSOの混合物中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質とする。
【0488】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、20〜25℃で成育させたトマト植物(品種「Rentita」)を、Z12葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0489】
24時間経過した後、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり20000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染された植物から採取する。汚染されたトマト植物を、湿潤雰囲気下、16〜18℃インキュベートする。
【0490】
上記汚染から5日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0491】
これらの条件下、下記化合物を薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)が観察される:
34(99%)、39(100%)、40(97%)、43(100%)、45(76%)、48(100%)、49(100%)、50(100%)、51(75%)、70(82%)、82(74%)、83(97%)、87(100%)、88(100%)、100(98%)、106(100%)、129(85%)、146(85%)、180(86%)、181(92%)、182(83%)、183(86%)、194(94%)、195(100%)、196(94%)、197(97%)、199(92%)、201(92%)、206(93%)、257(100%)、260(90%)、291(87%)、298(100%)、312(100%)、338(92%)、351(100%)、365(79%)、381(95%)、409(100%)、437(70%)、438(87%)、442(94%)、445(100%)、449(100%)、455(100%)、461(100%)、463(100%)、464(100%)、465(100%)、470(98%)、474(78%)、476(85%)、477(98%)、500(94%)、506(94%)、511(100%)、514(97%)、516(73%)、533(90%)、549(96%)、550(83%)、551(81%)、565(99%)、599(85%)、724(100%)、725(83%)、726(97%)、728(100%)、730(100%)、733(100%)。
【0492】
実施例E: ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)(オオムギの網斑病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0493】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、22℃(12h)/20℃(12h)で成育させたオオムギ植物(品種「Plaisant」)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0494】
24時間経過した後、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり12000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、12日間培養したものから採取する。汚染されたオオムギ植物を、20℃、相対湿度100%で48時間インキュベートし、次いで、20℃、相対湿度80%で12日間インキュベートする。
【0495】
上記汚染から12日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0496】
これらの条件下、下記化合物を薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
36(79%)、46(75%)、47(75%)、48(93%)、52(71%)、71(83%、88%)、105(79%)、106(71%、75%)、122(86%)、129(88%)、169(79%)、177(86%)、179(86%)、198(86%)、200(71%)、206(71%)、219(71%)、225(79%)、256(75%)、260(75%)、306(75%)、383(86%)、384(86%)、406(83%)、419(75%)、435(83%)、436(92%)、440(75%)、520(88%)。
【0497】
実施例F: プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)(コムギの赤さび病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0498】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、22℃(12h)/20℃(12h)で成育させたコムギ植物(品種「Scipion」)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0499】
24時間経過した後、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり100000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染した植物から採取し、2.5mL/LのTween80(10%)を含んでいる水に懸濁させる。汚染されたコムギ植物を、20℃、相対湿度100%で24時間インキュベートし、次いで、20℃、相対湿度70%で10日間インキュベートする。
【0500】
上記汚染から10日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0501】
これらの条件下、下記化合物を薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
34(75%)、36(79%)、43(75%)、45(88%)、48(89%)、50(88%)、51(98%)、52(88%)、71(94%)、74(88%)、105(71%)、135(89%)、140(81%)、146(72%)、157(72%)、247(72%)、257(81%)、262(81%)、265(88%)、380(78%)、382(79%)、383(94%)、384(89%)、394(92%)、414(89%)、420(94%)、423(78%)、424(72%)、428(89%)、429(89%)、434(88%)、436(94%)、438(88%)、441(83%)、442(89%)、446(83%)、447(89%)、450(89%)、451(89%)、454(94%)、456(83%)、457(83%)、469(80%)、476(90%)、477(90%)、480(90%)、482(83%)、504(72%)、530(79%)、536(72%)、548(83%)、567(75%)、599(88%)、617(71%)、724(71%)。
【0502】
実施例G: セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)(コムギの葉枯病(leaf spot))に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0503】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、22℃(12h)/20℃(12h)で成育させたコムギ植物(品種「Scipion」)を、1葉期(草丈10cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0504】
24時間経過した後、セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)の低温保存された胞子の水性懸濁液(1mL当たり500000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物に接種する。汚染されたコムギ植物を、18℃、相対湿度100%で72時間インキュベートし、次いで、相対湿度90%で21〜28日間インキュベートする。
【0505】
上記汚染から21〜28日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0506】
これらの条件下、下記化合物を薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
5(86%)、6(71%)、7(93%)、8(100%)、17(100%)、18(93%)、20(71%)、22(83%)、23(75%)、24(75%)、28(100%)、29(100%)、30(100%)、31(100%)、32(79%、97%)、35(97%)、36(100%)、38(100%)、40(100%)、44(93%、97%)、45(100%)、46(100%)、47(100%)、48(100%)、49(79%、97%)、50(100%)、51(100%)、52(93%、97%)、53(97%)、54(100%)、55(100%)、56(70%)、59(70%)、61(80%)、63(90%)、64(70%)、66(100%)、68(97%)、69(97%)、70(100%)、71(75%、86%)、74(83%)、76(75%)、78(97%)、82(100%)、83(92%)、85(75%)、86(75%)、91(75%)、100(75%)、103(75%)、104(92%)、105(75%)、106(83%、100%)、108(75%)、115(75%)、120(100%)、121(75%)、125(100%)、128(83%)、129(100%)、131(83%)、132(100%)、133(100%)、134(71%)、135(100%)、137(93%)、138(93%)、140(80%)、143(71%)、148(100%)、149(93%)、150(100%)、152(71%)、153(71%)、155(100%)、160(71%)、162(86%)、167(100%)、168(71%)、169(100%)、170(71%)、171(71%)、176(93%)、178(100%)、180(100%)、183(86%)、184(71%)、185(86%)、186(71%)、189(71%)、190(71%)、191(71%)、192(71%)、195(100%)、197(86%)、198(86%)、201(86%)、205(100%)、206(100%)、213(97%)、214(100%)、215(86%)、216(100%)、222(71%)、223(71%)、227(93%)、234(86%)、238(93%)、242(86%)、243(71%)、245(71%)、247(100%)、256(100%)、259(100%)、260(98%)、261(97%)、267(93%)、279(75%)、284(100%)、285(100%)、286(92%)、287(83%)、290(96%)、291(100%)、292(96%)、293(96%)、294(70%)、295(80%)、296(100%)、298(100%)、301(80%)、304(100%)、306(78%)、307(100%)、309(86%)、310(100%)、311(100%)、312(100%)、314(100%)、322(98%)、323(78%)、326(98%)、329(100%)、330(100%)、331(83%)、332(100%)、333(98%)、334(100%)、335(78%)、336(100%)、337(78%)、338(100%)、339(78%)、341(100%)、343(100%)、345(100%)、347(100%)、349(94%)、350(100%)、351(100%)、353(94%)、355(100%)、357(78%)、361(78%)、365(100%)、366(100%)、368(100%)、371(100%)、374(100%)、376(86%)、377(100%)、378(97%)、381(97%)、383(100%)、384(100%)、388(100%)、389(100%)、390(98%)、391(100%)、392(98%)、396(97%)、397(75%)、402(100%)、406(100%)、407(92%)、408(100%)、409(100%)、410(100%)、414(100%)、416(100%)、417(100%)、418(83%)、428(100%)、429(100%)、434(100%)、436(100%)、438(100%)、439(93%)、441(100%)、442(97%)、443(88%)、444(100%)、445(94%)、446(100%)、447(75%)、448(98%)、449(98%)、450(98%)、451(94%)、456(100%)、457(88%)、458(100%)、462(100%)、463(100%)、464(100%)、465(97%)、466(97%)、467(97%)、468(100%)、469(97%)、470(97%)、471(97%)、472(75%)、473(75%)、474(97%)、475(83%)、476(97%)、481(86%)、482(100%)、483(100%)、489(93%)、490(88%)、491(75%)、493(97%)、496(100%)、497(100%)、498(71%)、500(86%)、501(97%)、502(100%)、503(71%)、504(100%)、506(100%)、507(97%)、508(94%)、509(97%)、511(100%)、512(97%)、514(98%)、515(97%)、520(79%)、523(97%)、524(93%)、525(93%)、527(97%)、528(97%)、529(100%)、531(100%)、532(100%)、533(100%)、534(92%)、535(100%)、536(100%)、537(100%)、538(100%)、539(83%)、540(92%)、541(100%)、542(83%)、543(100%)、544(100%)、545(100%)、546(83%)、548(100%)、549(97%)、550(100%)、551(93%)、555(71%)、556(97%)、558(100%)、559(100%)、560(97%)、561(100%)、562(86%)、564(100%)、565(100%)、566(100%)、567(100%)、568(100%)、569(100%)、595(100%)、596(100%)、597(100%)、599(100%)、613(79%)、614(97%)、615(79%)、618(93%)、619(71%)、621(97%)、724(100%)、725(100%)、726(100%)、727(100%)、729(100%)、730(100%)、731(100%)、732(100%)、733(92%)、734(100%)。
【0507】
実施例H: スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)(ウリ科植物のうどんこ病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質とする。
【0508】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、24℃で成育させたガーキン(gherkin)植物(品種「Vert petit de Paris」)を、Z11子葉期で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0509】
24時間経過した後、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり100000胞子)を子葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染した植物から採取する。汚染されたガーキン植物を、約20℃/25℃、相対湿度60/70%でインキュベートする。
【0510】
上記汚染から12日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0511】
これらの条件下、下記化合物を薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
6(89%)、17(85%)、31(100%)、32(100%)、34(94%、98%)、38(97%)、39(100%)、40(100%)、43(100%)、44(98%)、45(98%)、48(100%)、49(98%)、50(100%)、51(98%)、52(100%)、53(88%)、55(94%、98%)、66(98%)、68(98%)、70(100%)、71(98%)、75(94%、98%)、80(93%)、82(97%、98%)、83(97%、98%)、87(89%)、100(94%)、103(78%)、105(100%)、120(94%)、125(98%)、129(80%)、132(94%)、140(83%)、150(95%)、155(89%)、162(94%)、176(83%)、180(98%)、181(98%)、182(98%)、185(78%)、195(98%)、197(98%)、199(98%)、205(75%)、206(94%)、214(78%)、216(98%)、234(94%)、247(89%)、259(94%)、261(85%)、277(71%)、278(100%)、284(100%)、291(80%)、293(90%)、296(100%)、309(100%)、312(94%)、314(81%)、323(81%)、326(88%)、332(98%)、334(94%)、336(81%)、337(88%)、338(100%)、341(98%)、343(100%)、345(94%)、351(98%)、365(98%)、368(100%)、371(98%)、374(100%)、377(98%)、381(94%)、391(95%)、392(90%)、406(100%)、407(100%)、408(100%)、409(98%)、414(98%)、428(98%)、429(83%)、436(100%)、437(100%)、438(89%)、439(78%)、440(89%)、441(94%)、442(100%)、445(94%)、446(94%)、447(75%)、448(100%)、449(100%)、450(98%)、453(88%)、455(98%)、456(98%)、458(98%)、461(98%)、462(98%)、463(97%)、464(100%)、465(81%)、470(75%)、471(98%)、474(98%)、475(88%)、476(98%)、477(75%)、482(100%)、483(100%)、496(100%)、497(98%)、500(100%)、501(100%)、503(78%)、504(100%)、505(98%)、506(97%)、508(98%)、511(88%)、512(97%)、514(75%)、515(93%)、524(93%)、527(94%)、531(98%)、532(89%)、533(100%)、534(100%)、535(100%)、536(100%)、538(100%)、540(94%)、541(98%)、543(100%)、544(98%)、545(100%)、546(100%)、547(100%)、548(80%)、550(80%)、558(85%)、559(85%)、565(98%)、566(89%)、567(100%)、568(94%)、569(100%)、595(100%)、596(83%)、599(100%)、613(100%)、614(92%)、617(100%)、621(97%)、724(100%)、725(98%)、726(98%)、727(98%)、728(100%)、729(100%)、730(98%)、731(75%)、733(98%)、734(98%)。
【0512】
実施例I: ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)(インゲンマメのさび病)に対するインビボ予防試験
被験活性成分を、アセトン/tween/DMSOの混合物の中で均質化することにより調製し、次いで、水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0513】
育苗カップ内の50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、24℃で成育させたインゲンマメ植物(品種「Saxa」)を、2葉期(草丈9cm)で、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、該活性物質を含んでいないアセトン/tween/DMSO/水の混合物で処理する。
【0514】
24時間経過した後、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)の胞子の水性懸濁液(1mL当たり150000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染した植物から採取し、2.5mL/LのTween80(10%)を含んでいる水に懸濁させる。汚染されたインゲンマメ植物を、20℃、相対湿度100%で24時間インキュベートし、次いで、20℃、相対湿度70%で10日間インキュベートする。
【0515】
上記汚染から10日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力の%)を行う。
【0516】
これらの条件下、下記化合物を薬量500ppmで用いて、良好な保護(少なくとも70%)又は完全な保護が観察される:
43(97%)、48(96%)、105(86%)、106(78%)、129(100%)、140(96%)、205(70%)、237(80%)、265(96%)、305(80%)、306(100%)、382(89%)、383(99%)、384(79%)、414(100%)、420(97%)、428(87%)、429(71%)、434(97%)、435(77%)、436(100%)、438(97%)、441(91%)、442(88%)、447(100%)、450(91%)、476(77%)、477(86%)、480(83%)、482(98%)、515(91%)。