(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る緊急通報システム1の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施形態はあくまで本発明の一例であり、本発明が下記に説明する実施形態に限定されるものはなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0011】
本実施形態の緊急通報システム1は、商店街や町内会などの距離的に短く、免許の不要な特定小電力無線(小電力セキュリティーシステム)が到達する例えば300m程度の範囲のある一のグループ、例えば、隣組や近くの商店街組合のグループを構成する使用者毎に配布した複数の緊急通報装置11から構成されるものである。尚、ここでは、説明の便宜上、6台の緊急通報装置11で1グループを構成して、各緊急通報装置11で相互に後述する緊急事態発生信号を送受信可能なものとして説明するが、本発明では、6台に限定されるものではなく、4台や、10台等、6台未満でも、6台より多くても良い。
【0012】
<本実施形態の緊急通報システム1を構成する各緊急通報装置11の構成>
図1〜
図3は、それぞれ、本発明に係る実施形態の緊急通報システム1を構成する緊急通報装置の表側の外観を示す平面図、裏側の外観を示す底面図、内部構成を示すブロック図である。
【0013】
本発明に係る実施形態の緊急通報システム1を構成する各緊急通報装置11は、免許の不要な特定小電力無線(小電力セキュリティーシステム)により相互に後述する非常ボタン(緊急ボタン)11cが押下された場合に緊急事態(非常事態)発生信号や停止信号等を送受信可能なもので、装置本体11aの表側には、
図1に示すように、非常ランプ11b付きの非常ボタン11cと、停止ボタン11dと、緊急事態発生ランプ(図面上では、「緊急ランプ」と略す。)11eと、警報ブザー11fと、複数(ここでは、説明の便宜上、6台とするが、本発明では、6台に限定されるものではない。)の発信者特定ランプ11g1〜11g6と、通信状態表示ランプ11h1〜11h6と、電源ランプ11iとを有する一方、装置本体11aの裏側には、
図2に示すように、グループ番号設定スイッチ(SW)11jと、個別機器番号設定スイッチ(SW)11kと、通信状態表示選択スイッチ(SW)11m等を有する。
【0014】
また、本発明に係る実施形態の緊急通報システム1を構成する各緊急通報装置11は、装置本体11a内には、
図3に示すように通信回路11nと、内蔵アンテナ11oと、制御回路11p等を有する。
【0015】
ここで、非常ボタン(緊急ボタン)11cは、非常時(緊急時)に押下されるボタンであり、押下されると後述するようにその非常ボタン11cの非常ランプ11bが点灯すると共に、通信回路11nから内蔵アンテナ11oを介して緊急事態(非常事態)発生信号が、運用モード1であれば同一グループ内の他の緊急通報装置11へ、運用モード2であれば同一グループ内の親機の緊急通報装置11へ送信される。尚、本実施形態非常ボタン11cは、緊急事態(非常事態)発生信号を送信するボタンであるため、誤って押されないように透明なカバー(蓋)などで覆うようにしても良い。
【0016】
停止ボタン11dは、非常ボタン11cの押下によって起動した緊急事態報知動作を停止させるために使用するボタンで、押下されると、制御回路11pが、後述するように自機、すなわち非常ボタン(緊急ボタン)11cが押下された緊急通報装置11における非常ランプ11bの点灯や緊急事態発生ランプ11eおよび該当する通信状態表示ランプ11h1〜11h6の点滅、および警報ブザー11fの鳴動を停止させると共に、緊急事態(非常事態)発生信号を送信した他の緊急通報装置11に対し停止信号を送信する。
【0017】
緊急事態発生ランプ(図面上では、「緊急ランプ」と略す。)11eは、後述するように非常ボタン11cが押下された緊急通報装置11で緊急事態が発生したことを、例えば赤色等で点滅して、同一グループ内の他の緊急通報装置11で緊急事態が発生したことを報知する。
【0018】
警報ブザー11fは、後述するように非常ボタン11cが押下された緊急通報装置11で緊急事態が発生したことを、警報音により各緊急通報装置11のユーザに対し報知する。
【0019】
発信者特定ランプ11g1〜11g6は、同一グループ内の緊急通報装置11毎に割り当てられるもので、後述するように非常ボタン11cが押下された緊急通報装置11に該当するランプが例えば赤色等で点滅する。
【0020】
通信状態表示ランプ11h1〜11h6は、同一グループ内の他の緊急通報装置11との間で距離が所定の通信可能範囲内で無線通信状況が良好である場合に例えば橙色などで点灯し、他の緊急通報装置11との間の距離が離れていたり、他の緊急通報装置11が電源が入れられてない等、無線通信が出来ない場合には消灯する。尚、
図2に示すように通信状態表示選択スイッチ(SW)11mが状態表示“ON”に設定されている場合は、通信状態表示ランプ11h1〜11h6を点灯させて無線通信可能な緊急通報装置11を表示する一方、状態表示“OFF”に設定されている場合は、無線通信可能な緊急通報装置11があっても通信状態表示ランプ11h1〜11h6を消灯させる。
【0021】
電源ランプ11iは、電源が供給されているときに緑色などで点灯する。
【0022】
グループ番号設定スイッチ(SW)11jは、
図2に示すように、例えば“0”〜“9”までの値に設定可能な4個のロータリスイッチから構成されており、同一グループ毎に同じグループアドレス(0000〜9999)を設定する。
【0023】
個別機器番号(No)設定スイッチ11kも、例えば“0”〜“9”までの値に設定可能な1個のロータリスイッチなどから構成されており、同一グループ内における自機の通し番号(識別番号)を設定する。尚、本実施形態では、運用モード1の場合は、“1”〜“6”まで設定可能が可能であり、運用モード2の場合は親機であれば“0”、子機であれば“1”〜“6”までが設定可能である。
【0024】
通信状態表示選択スイッチ11mは、例えばディップスイッチなどから構成され、“ON”または“OFF”のいずれかが設定可能であり、自機における通信状態表示ランプ11h1〜11h6の点灯または消灯を選択できる。
【0025】
通信回路11nは、非常ボタン11c等が押された場合、制御回路11pが作成した緊急事態発生信号や停止信号等を、内蔵アンテナ11oを介し他の緊急通報装置11へ送信したり、他の緊急通報装置11が送信してきた緊急事態発生信号や停止信号等を内蔵アンテナ11oを介し受信して制御回路11pへ出力する。
【0026】
制御回路11pは、図示しないがCPUやプログラムROM、RAM等を備えたマイコンで構成されており、プログラムROM等に格納したプログラムを実行することによって緊急通報装置11全体の動作を後述するように制御する。
【0027】
尚、本実施形態の非常ランプ11bや、緊急事態発生ランプ11e、発信者特定ランプ11g1〜11g6、および通信状態表示ランプ11h1〜11h6等のランプは、小電力なLEDで構成しているが、本発明では、LED以外のランプを使用しても良い。
【0028】
<緊急通報システム1を構成する各緊急通報装置11の動作モード>
本実施形態の緊急通報システム1を構成する緊急通報装置11には、運用モード1、運用モード2、エラーモードが存在する。
【0030】
運用モード1は、同一グループ、すなわち自機と同じグループ番号(近隣グループアドレス)を有する他の緊急通報装置11へ緊急事態(非常事態)発生信号を送信し、その緊急事態(非常事態)発生信号を受信した各緊急通報装置11では、緊急ランプ11eの点滅や、警報ブザー11fの出力等により各緊急通報装置11のユーザへ報知する。
【0031】
図4は、本発明に係る実施形態の緊急通報システムの運用モード1における同一グループ内における各緊急通報装置11間の通信状況を示す図である。
【0032】
図4に示すように、運用モード1の場合、グループ番号設定スイッチ(SW)11jによって同一番号が設定されて同一グループに設定された場合、その同一グループを構成する複数(ここでは、例えば、6台とする。)の各緊急通報装置11は、親機や子機という区別なしに、自機(自端末)から自機以外の他の5台の各緊急通報装置11へ緊急事態発生信号や停止信号等の各種信号を一斉に送信し、各緊急通報装置11では他の各緊急通報装置11からの緊急事態発生信号や停止信号等の各種信号を受信する。この運用モード1の場合、グループ内の特定の緊急通報装置11にのみ送信することは出来ない。尚、
図4において6台の各緊急通報装置11の中に付された“1”〜“6”までの番号は、各緊急通報装置11の裏側の個別機器番号設定スイッチ(SW)11kによって設定された各緊急通報装置11の番号であり、後述するように運用モード1の場合、“1”〜“6”までの番号を任意に設定できる。
【0033】
<運用モード2の概略>
図5は、運用モード2における同一グループ内における各緊急通報装置11間の通信状況を示す図である。
【0034】
運用モード2の場合は、
図5に示すように、グループ番号設定スイッチ(SW)11jによって同一のグループ番号が設定されて同一グループに設定された各緊急通報装置11では、子機から親機のみに緊急事態発生信号や停止信号等の各種信号が送信され、子機から他の子機には送信されない。また、親機から子機へも緊急事態発生信号や停止信号は送信されない。尚、親機は、各緊急通報装置11裏側の個別機器番号設定スイッチ(SW)11kを“0”に設定することにより設定できる。また、個別機器番号設定スイッチ(SW)11kを“0”以外の“1”〜“6”に設定することによって子機に設定できる。
【0035】
そして、詳細は後述するが、運用モード2の場合、個別機器番号(No)設定スイッチ11kが“0”に設定された親機の緊急通報装置11は、自機と同じグループ番号(近隣グループアドレス)を有する子機の緊急通報装置11から緊急事態発生信号を受信すると、緊急ランプ11eおよびその子機の緊急通報装置11に対応する個別機器番号(No)設定スイッチ11kを点滅させると共に、警報ブザー11fを鳴動させて親機のユーザに報知する。
【0036】
その一方、個別機器番号(No)設定スイッチ11kが“1”〜“6”に設定された子機の緊急通報装置11では、自機と同じグループ番号(近隣グループアドレス)からの緊急事態発生信号を受信しても無視する。また、自機の非常ボタン11cが押下された場合、非常ランプ11bを点灯させ、緊急ランプ11eおよびその子機の緊急通報装置11に対応する個別機器番号(No)設定スイッチ11kを点滅させると共に、個別機器番号(No)設定スイッチ11kが“0”に設定の緊急通報装置11へ緊急事態発生信号を送信する。
【0037】
<運用モード1,2の切り替え方法>
次に、本実施形態の緊急通報システム1を構成する緊急通報装置11における運用モード1と運用モード2との切り替え方法について説明する。
【0038】
緊急通報システム1を構成する各緊急通報装置11は、起動表示終了後に運用モード1と運用モード2のどちらの運用モードで動作するかを、制御回路11pがその内蔵メモリであるRAM(図示せず。)等に保持する。尚、出荷時には、運用モード1で動作するための情報を記録している。
【0039】
以下の操作を行うことで、各緊急通報装置11の動作モードを運用モード1から運用モード2へ、または運用モード2から運用モード1へ切り替えることができる。
【0040】
(i)電源が入っている場合は、電源を切る。
(ii)個別機器番号(No)設定スイッチ11kを“9”に設定する。
(iii)電源を入れる。
(iv)2秒間電源ランプ11iが点灯し、モード切り替え待ち状態に移行する。
(v)モード切り替え待ち状態中に、非常ボタン11cを押下するとモードを以下のように切り替える。
・運用モード1で動作していた場合は、運用モード2に切り替える。
・運用モード2で動作していた場合は、運用モード1に切り替える。
・出荷状態の場合、初期設定が運用モード1であるので、運用モード2に切り替える。
(vi)モード切り替え終了後、起動表示を行い、切り替えられた各運用モードで動作する。
【0041】
また、モード切り替え状態中に非常ボタン11cが押されずにタイムアウトになった場合も起動表示を行い、動作していた運用モードで動作を開始する(出荷時の場合は、運用モード1で動作する)。
【0042】
<本実施形態の緊急通報システム1を構成する各緊急通報装置11の起動時処理>
【0043】
本実施形態の緊急通報システム1を構成する各緊急通報装置11では、電源が投入されると、制御回路11pが内蔵のRAMからグループ番号や個別機器番号等の設定情報と、現在、運用モード1または運用モード2のいずれの運用モードであるかを示す運用モード情報等を読み込み、グループ番号や個別機器番号等の設定情報が正しく設定されているか、および運用モード1または運用モード2のいずれの運用モードが正しく設定されているか否かを判断する。
【0044】
そして、各緊急通報装置11の制御回路11pは、グループ番号や個別機器番号等の設定情報、および運用モード1または運用モード2のいずれの運用モードのいずれかが正しく設定されていないと判断した場合、エラーモードに移行して無線通信機能やボタン、スイッチ入力機能を停止させると共に、
図6に示すように全ランプ、すなわち非常ランプ11bや、緊急事態発生ランプ11e、自機の発信者特定ランプ11g1〜11g6および通信状態表示ランプ11h1〜11h6を、0.5秒の点灯と0.5秒の消灯の繰り返しで点滅させる。これにより、この緊急通報装置11のユーザは、エラー状態、すなわちエラーモードにあることを認識することができる。
【0045】
これに対し、各緊急通報装置11の制御回路11pは、RAM内のデータが正常、すなわちグループ番号や個別機器番号等の設定情報、および運用モード1または運用モード2のいずれの運用モードが正しく設定されていると判断した場合、個別機器番号(No)設定スイッチ11kの状態を確認して、個別機器番号(No)設定スイッチ11kが“9”以外に設定されている場合は、起動表示を行った後にRAM内に格納してある運用モード情報に従い、運用モード1または運用モード2で動作を開始する。
【0046】
尚、運用モード1における起動表示の場合、各緊急通報装置11の制御回路11pは、例えば、
図7に示すように、電源ランプ11iの点滅(0.25秒点灯/0.25秒消灯)を5秒間行う。
【0047】
その一方、運用モード2における起動表示の場合、各緊急通報装置11の制御回路11pは、例えば、
図8に示すように、電源ランプ11iの点滅(1秒点灯/1秒消灯)を5秒間行う。
【0048】
<運用モード切り替え待ち処理>
図9は、運用モード切り替え待ち処理で運用モード切り替え成功時の状態を示す図である。
【0049】
各緊急通報装置11では、制御回路11pは個別機器番号(No)設定スイッチ11kが“9”に設定されている場合、運用モード切り替え待ち状態に移行し、電源ランプ11iを点灯させる。
【0050】
そして、運用モード切り替え待ち状態中に、非常ボタン11cが押下されると、制御回路11pは、運用モードを切り替える。つまり、制御回路11pは、現在、運用モード1であれば運用モード2へ移行する一方、現在、運用モード2であれば運用モード1へ移行することができる。
【0051】
また、制御回路11pは、非常ボタン11cが押下されて、運用モードを切り替えた場合、
図9に示すように非常ランプ11bを1秒間点灯させると共に、警報ブザー11fを1秒間鳴動させることにより、当該緊急通報装置11のユーザに運用モードが切り替わったことを報知する。
【0052】
尚、運用モード切り替え待ち状態の終了条件は、以下の通りである。
・非常ボタン11cが押される。
・2秒経過する。
【0053】
これに対し、電源オン後、個別機器番号(No)設定スイッチ11kが“9”に設定された運用モード切り替え待ち状態中の緊急通報装置11において、非常ボタン11cが押下されない場合、制御回路11pは、
図10に示すように、運用モード切り替えが失敗して、非常ランプ11bおよび警報ブザー11fへ動作信号を送らず、非常ランプ11bを点灯させず、かつ、警報ブザー11fを鳴動もさせない。
【0054】
<個別機器番号(No)設定スイッチ11kの設定異常検知動作>
【0055】
本実施形態の緊急通報装置11では、個別機器番号(No)設定スイッチ11kが適切に設定されていない場合、システムが正常に動作できなくなる可能性があるため、個別機器番号(No)設定スイッチ11kが、
図11に示す異常設定範囲に設定されていた場合は、個別機器番号(No)設定スイッチ11kの設定異常出力を行う。
【0056】
図11は、本実施形態の緊急通報システム1を構成する緊急通報装置11における個別機器番号(No)設定スイッチ11kの運用モード1と運用モード2における有効設定範囲および異常設定範囲を示す図である。
【0057】
図11に示すように、運用モード1(
図4参照。)の場合、個別機器番号(No)設定スイッチ11kが“1”〜“6”であれば有効設定範囲、“0”および“7”〜“9”は異常設定範囲であると制御回路11pは判断する。また、運用モード2(
図5参照。)の場合、個別機器番号(No)設定スイッチ11kが“0”〜“6”であれば有効設定範囲、“7”〜“9”は異常設定範囲であると制御回路11pは判断する。
【0058】
そして、個別機器番号(No)設定スイッチ11kの設定異常の場合、緊急通報装置11の制御回路11pは、例えば、
図12に示すように警報ブザー11fを0.5秒毎に「ピッ」と音を鳴動させると共に、全ランプ、すなわち非常ランプ11bや緊急事態発生ランプ11e、発信者特定ランプ11g1〜11g6等を1秒間隔で点滅させる。
【0059】
尚、個別機器番号(No)設定スイッチ11kの設定異常表示中、制御回路11pは、自機の非常ボタン11c、停止ボタン11dを無効にすると共に、通信回路11nを停止させ、同一グループ内の他の緊急通報装置11から送信されてきた緊急事態発生信号等の無線信号を無視する。
【0060】
また、個別機器番号(No)設定スイッチ11kの設定異常表示中に個別機器番号(No)設定スイッチ11kが有効設定範囲に設定されると、制御回路11pは、設定異常表示を解除して、自機の非常ボタン11cや停止ボタン11dを有効にすると共に、通信回路11nを送受信可能状態にして、後述するような各運用モード1,2での動作を開始する。
【0061】
<本実施形態の緊急通報システム1を構成する各緊急通報装置11の動作>
次に、以上のように構成された本実施形態の緊急通報システム1を構成する各緊急通報装置11の動作を、運用モード1と、運用モード2とに分けて説明する。
【0062】
<各緊急通報装置11の運用モード1における動作>
【0063】
図13は、ある緊急通報装置11が運用モード1において非常ボタン11cが押下された場合の緊急事態報知動作を示す図である。
【0064】
運用モード1において、同一グループを構成する各緊急通報装置11で非常ボタン11cが押下されると、
図4で説明したように、非常ボタン11cが押下された当該緊急通報装置11では、制御回路11pは、
図13に示すように非常ランプ11bを点灯させると共に、緊急事態発生ランプ(図では、緊急ランプ)11eと、自機に該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6を点滅させて、自機のユーザに対して緊急事態が発生したことを報知する。
【0065】
また、非常ボタン11cが押下された当該緊急通報装置11では、制御回路11pは、警報ブザー11fが、例えば、2秒経過する毎に警報音の音量が小→中→大と変化するように制御する。
【0066】
そして、制御回路11pは、自機は非常ボタン11cが押下された緊急通報装置11であるため、10分経過しても音量は大のままとする。
【0067】
そのため、後述する運用モード2において非常ボタン11cが押下された場合に警報ブザー11fが一瞬だけ「ピィ」と鳴動する場合とは異なり、運用モード1において非常ボタン11cが押下された当該緊急通報装置11では、警報音の音量が小→中→大と変化し、10分経過した場合には大音量のまま鳴動するので、警報音によって非常ボタン11cが押下された当該緊急通報装置11で緊急事態が発生したことを報知することが可能となり、非常ボタン11cが押下された当該緊急通報装置11のユーザが倒れる等の緊急事態の発生を確実に報知することができる。
【0068】
また、非常ボタン11cが押下された当該緊急通報装置11の制御回路11pは、自機で緊急事態(非常事態)が発生したことを同一グループ内の他の緊急通報装置11へ報知するため、
図13に示すように緊急事態発生信号を、例えば、3秒送信し、2秒休止を繰り返して1分間発信し、
図4に示すように同一グループの他の緊急通報装置11に対し送信する。
【0069】
つまり、本実施形態の非常ボタン11cが押下された緊急通報装置11では、
図13に示すように、非常ランプ11bの点灯や、緊急事態発生ランプ11eおよび自機に該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6の点滅、さらには警報ブザー11fから警報音の発生だけでなく、同一グループ内の他の緊急通報装置11に対し緊急事態発生信号を送信して自機の緊急事態発生を報知する。
【0070】
尚、非常ボタン11cが押下され
図13に示すように自機の緊急事態発生を報知している緊急通報装置11において、続いて停止ボタン11dが所定時間未満、例えば、3秒未満の短時間押下された場合、制御回路11pは、非常ボタン11cの押下が間違いであると判断して、当該緊急通報装置11の警報ブザー11fを停止する。このとき、自機以外の緊急事態を検知している場合は、該当の発信者特定ランプ11g1〜11g6を消灯させる。
【0071】
そして、警報ブザー11f停止状態で再度自機の非常ボタン11cが押下された場合、制御回路11pは、警報ブザー11f出力を、再度、2秒経過する毎に音量を小→中→大と変化させて警報音を発生させ、10分経過した場合でも音量は大のままとする。また、制御回路11pは、通信回路11nから同一グループ内の他の緊急通報装置11へ緊急事態発生信号を3秒送信、2秒休止を繰り返して1分間、送信する。
【0072】
これに対し、非常ボタン11cが押下され
図13に示すように自機の緊急事態発生を報知している緊急通報装置11において、停止ボタン11dが所定時間以上、例えば、3秒以上押下された場合、制御回路11pは、
図15に示すように制御する。
【0073】
<運用モード1で同一グループ内の他の緊急通報装置11で非常ボタン11cが押下され、送信された緊急事態発生信号を受信した緊急通報装置11での動作>
【0074】
次に、運用モード1で同一グループ内の他の緊急通報装置11で非常ボタン11cが押下され、送信された緊急事態発生信号を受信した緊急通報装置11での動作について説明する。
【0075】
図14は、本発明に係る実施形態の緊急通報システム1を構成する緊急通報装置11が運用モード1において同一グループ内の他の緊急通報装置11で非常ボタン11cが押下され、送信された緊急事態発生信号を受信した緊急通報装置11での動作を示す図である。
【0076】
同一グループ内の他の緊急通報装置11から緊急事態発生信号を内蔵アンテナ11cおよび通信回路11nを介して受信した緊急通報装置11では、制御回路11pは、
図14に示すように、緊急事態発生ランプ11eを点滅させると共に、該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6、すなわち緊急事態発生信号を送信してきた緊急通報装置11を示す発信者特定ランプ11g1〜11g6を点滅させて緊急事態(非常事態)の発生を報知する。尚、同一グループ内の他の緊急通報装置11から緊急事態発生信号を受信した緊急通報装置11では、制御回路11pは非常ランプ11bを点灯させないが、非常ランプ11bを点灯させても良い。
【0077】
また、同一グループ内の他の緊急通報装置11から緊急事態発生信号を受信した緊急通報装置11の制御回路11pは、警報ブザー11fから警報音を、例えば、2秒経過する毎に小→中→大と変化させながら10分間発生させて、緊急事態(非常事態)の発生を報知する。
【0078】
ただし、同一グループ内の他の緊急通報装置11から緊急事態発生信号を受信した緊急通報装置11の制御回路11pは、非常ボタン11cが押下された緊急通報装置11とは異なり、警報ブザー11fによる警報音の発生開始から所定時間経過、例えば10分経過した場合には、警報ブザー11fの音量を中に下げ、さらに10分経過した場合には、警報ブザー11fの音量を小に制御する。つまり、同一グループ内の他の緊急通報装置11から緊急事態発生信号を受信した緊急通報装置11の警報ブザー11fの音量は、小→中→大と変化した後、大→中→小と変化する。なお、その後は、そのまま警報音の音量を小のままでも良いし、警報音の発生を停止させても良い。
【0079】
これにより、緊急事態発生信号を受信した緊急通報装置11では、警報ブザー11fによる警報音の発生開始から30分も経過すれば音量が小となるので、緊急事態発生信号を受信した緊急通報装置11のユーザが不在の場合でも、緊急通報装置11のユーザ宅において当該ユーザの具合が突然悪くなる等して緊急事態が発生したものと勘違いすることを防止できる。
【0080】
これに対し、非常ボタン11cが押下された緊急通報装置11では、警報ブザー11fによる警報音の発生開始から30分経過した場合でも、その警告音が大のまま小さくならず、当該緊急通報装置11のユーザ宅でそのユーザに緊急事態(非常事態)が発生したことを報知し続けるため、ユーザの具合が突然悪くなる等して緊急事態が発生した場合に有効である。
【0081】
尚、警報ブザー11fの音量が大→中→小と変化した状態で、新たに別の緊急事態発生信号を受信した場合でも、制御回路11pは、警報ブザー11fの音量は小のままとする。
【0082】
また、緊急事態発生信号を受信した緊急通報装置11において警報ブザー11fの音量を大→中→小と変化させた状態で、自機の緊急事態が発生した場合、制御回路11pは、警報ブザー11fの音量が段階的に、例えば、2秒経過する毎に1段階ずつ大きくなるように制御し、警告音が大となった場合には警告音が大の状態を維持するように制御する。
【0083】
これにより、緊急事態発生信号を受信した緊急通報装置11において警報ブザー11fの音量を大→中→小と変化させた状態で、当該緊急通報装置11のユーザ宅でそのユーザに緊急事態(非常事態)が発生した場合には、警報ブザー11fの音量が段階的に大きくなり、最終的には報知し続けるため、たとえ警報ブザー11fの音量が小となったユーザ宅でも、ユーザの具合が突然悪くなったことを報知できる。
【0084】
<運用モード1で非常ボタン11cが押下された緊急通報装置11で、続いて停止ボタン11dが所定時間以上の長押された場合の動作>
【0085】
図15は、本発明に係る実施形態の緊急通報システム1を構成する緊急通報装置11が運用モード1において非常ボタン11cが押下された後、停止ボタン11dが所定時間以上の長押された場合の緊急事態報知の解除動作を示す図である。
【0086】
非常ボタン11cが押下され
図13に示すように自機の緊急事態発生を報知している緊急通報装置11において、続いて非常ボタン11cを押下した発信者等が停止ボタン11dを所定時間以上、例えば、3秒以上押下した場合、制御回路11pは、
図15に示すように停止ボタン11dが3秒以上押下された時点で警報ブザー11fに一瞬だけ「ピィ」音を鳴らさせると共に、自機の非常ランプ11bおよび自機に相当する発信者特定ランプ11g1〜11g6も消灯させる。
【0087】
また、制御回路11pは、停止ボタン11dが所定時間以上、例えば、3秒以上押下された場合、
図15に示すように、同一グループ内の他の緊急通報装置11へ通信回路11nからの緊急事態発生信号の送信を休止し(例えば、通信回路11nからの緊急事態発生信号の送信休止時間を2秒とする。)、その後、停止信号を所定時間、例えば、3秒ほど送信する。
【0088】
ここで、全ての緊急事態が解除されている場合、制御回路11pは、
図15に示すように、緊急事態発生ランプ(緊急ランプ)11eも消灯させる。
【0089】
また、停止ボタン11dを押下して3秒経過するまでに同一グループ内の他の緊急通報装置11からの緊急事態を検知していた場合、制御回路11pは、該当の発信者特定ランプ11g1〜11g6および緊急事態発生ランプ11eの点滅を継続する。
【0090】
また、自機の緊急事態報知中に同一グループ内の他の緊急通報装置11から停止信号を受信した場合、制御回路11pは、該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6のみを消灯する。警報ブザー11fの警報音が鳴動中の場合、制御回路11pは、停止信号を受信しても警報ブザー11fを停止させない。
【0091】
そして、自機の緊急事態報知を開始してから1分経過した場合、制御回路11pは、通信回路11nからの緊急事態発生信号の送信を停止するのに対し、非常ランプ11bおよび緊急事態発生ランプ11eの点灯、および警報ブザー11fの鳴動は継続する。
【0092】
尚、同一グループ内の全ての緊急通報装置11で緊急事態が解除されている場合、制御回路11pは、緊急事態発生ランプ11eを消灯させる。また、この状態で停止ボタン11dを3秒押下した場合、制御回路11pは、警報ブザー11fにて「ピィ」音を鳴らして、同一グループ内の他の緊急通報装置11へ通信回路11nから停止信号を3秒間送信する。
【0093】
そして、制御回路11pは、停止信号を送信した場合、新たに自機で緊急事態報知が発生するまで、停止ボタン11dを3秒押下しても停止信号の送信は行わない。
【0094】
<同一グループ内の他の緊急通報装置11から緊急事態発生信号を受信している状態の緊急通報装置11において停止ボタン11dが押下された場合>
【0095】
また、同一グループ内の他の緊急通報装置11から緊急事態発生信号を受信している状態の緊急通報装置11において停止ボタン11dが押下された場合、制御回路11pは、該当の発信者特定ランプ11g1〜11g6を消灯させて警報ブザー11fの警報音を停止する。このとき自機の緊急事態を検知していなければ、緊急事態発生ランプ11eを消灯させる。
【0096】
また、同一グループ内の他の緊急通報装置11から停止信号を受信した場合、制御回路11pは、該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6のみを消灯させる。このとき、全ての緊急事態が解除されれば、制御回路11pは、緊急事態発生ランプ11eも消灯させ、警報ブザー11fの警報音も停止させる。尚、その後、制御回路11pは、対象No(対象の個別機器番号)、すなわち一度非常ボタン11cが押下され、その後停止ボタン11dが押下された緊急通報装置11からの緊急事態発生信号を1分間受け付けない。
【0097】
また、自機の個別機器番号(No)設定スイッチ11kと同じNo(個別機器番号)に設定された緊急通報装置11から緊急事態発生信号を受信した場合、制御回路11pは、その緊急事態発生信号を無効とする。また、制御回路11pは、自機Noに該当する通信状態表示ランプ11h1〜11h6を消灯させる。
【0098】
<各緊急通報装置11の運用モード2における動作>
次に、本発明に係る実施形態の緊急通報システム1を構成する緊急通報装置11の運用モード2における動作について説明する。
【0099】
<運用モード2で子機の緊急通報装置11で非常ボタン11cが押下された場合の動作>
図16は、本発明に係る実施形態の緊急通報システム1を構成する緊急通報装置11が運用モード2において子機として非常ボタン11cが押下された場合の緊急事態報知動作を示す図である。
【0100】
図5でも上述したように、運用モード2は、同一グループ内で子機の緊急通報装置11から親機の緊急通報装置11に対し緊急事態発生信号を送信するモードであり、各緊急通報装置11の個別機器番号(No)設定スイッチ11kの設定が子機を示す“1”〜“6”に設定されている緊急通報装置11から親機を示す“0”に設定されている緊急通報装置11に対し緊急事態報知を行うことができる。
【0101】
つまり、個別機器番号(No)設定スイッチ11kが“1”〜“6”の子機の番号に設定された緊急通報装置11において非常ボタン11cが押下されると、非常ボタン11cが押下された子機の制御回路11pは、運用モード2の場合、
図16に示すように自機の非常ボタン11cの非常ランプ11bを点灯させると共に、自機の緊急事態発生ランプ11eおよび自機に該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6を点滅させる。尚、これらのランプの制御は、運用モード1の場合と同様である。
【0102】
ただし、運用モード2で非常ボタン11cが押下された子機の緊急通報装置11の制御回路11pは、運用モード2の場合、運用モード1とは異なり、
図5に示すように、個別機器番号(No)設定スイッチ11kが“0”に設定された親機の緊急通報装置11に対してのみ、緊急事態発生信号を、3秒送信、2秒休止を繰り返して1分間送信する。
【0103】
また、運用モード2で非常ボタン11cが押下された子機の緊急通報装置11の制御回路11pは、運用モード2の場合、運用モード1とは異なり、
図16に示すように、非常ボタン11cの押下時に、警報ブザー11fを「ピィ音」で一瞬だけ鳴動させる。尚、運用モード1の場合に非常ボタン11cが押下された緊急通報装置11では、警報ブザー11fは、
図13に示すように小→中→大と鳴動して緊急事態(非常事態)の発生を報知する。
【0104】
そのため、本発明に係る実施形態の緊急通報システム1では、同一グループを構成する各緊急通報装置11に個別機器番号(No)設定スイッチ11kによって子機または親機の番号が設定され、かつ、運用モード2が設定された場合、非常ボタン11cが押下された子機の緊急通報装置11では運用モード1の場合とは異なり警報音は「ピィ音」で一瞬だけ鳴動するだけとなるので、静かな病室などにおいてナースコール的に使用することが可能となる。
【0105】
<運用モード2で子機の緊急通報装置11で非常ボタン11cが押下された後、停止ボタン11dが押下された場合の緊急事態報知の解除動作>
【0106】
図17は、本発明に係る実施形態の緊急通報システム1を構成する緊急通報装置11が運用モード2において非常ボタン11cの押下後、停止ボタン11dが押下された場合の緊急事態報知の解除動作を示す図である。
【0107】
図17に示すように、運用モード2で非常ボタン11cが押下され緊急事態報知中の子機の緊急通報装置11において、続いて停止ボタン11dが所定時間、例えば3秒以上押下された場合、制御回路11pは、その3秒経過した時点で警報ブザー11fを「ピィ音」で一瞬だけ鳴動させると共に、点灯や点滅していた非常ランプ11b、緊急事態発生ランプ11eおよび当該緊急通報装置11に対応する発信者特定ランプ11g1〜11g6を消灯させる。
【0108】
これにより、子機の緊急通報装置11において間違って非常ボタン11cが押下された場合や、親機の緊急通報装置11が設置されたユーザ宅から人が駆けつけて来た場合には、運用モード2で非常ボタン11cが押下され緊急事態報知中の子機の緊急通報装置11が設置されたユーザ宅において、点灯や点滅していた非常ランプ11b、緊急事態発生ランプ11eおよび当該緊急通報装置11に対応する発信者特定ランプ11g1〜11g6を消灯させることができる。
【0109】
また、運用モード2で非常ボタン11cが押下され緊急事態報知中の子機の緊急通報装置11において、停止ボタン11dが3秒以上押下された場合、個別機器番号(No)設定スイッチ11kが“0”である親機の緊急通報装置11に対し、
図17に示すように、通信回路11nから停止信号を3秒間送信して、緊急事態の報知を停止する。
【0110】
尚、緊急事態未発生状態で、停止ボタン11dが3秒以上押下されても、停止信号の送信は行わない。また、子機の緊急通報装置11では、緊急事態報知中に同一グループ内の他の緊急通報装置11から停止信号を受信しても無効とし、緊急事態報知を継続する。さらに、個別機器番号(No)設定スイッチ11kの設定が“0”に設定されている親機の緊急通報装置11では、非常ボタン11cが押下されても無効とする。
【0111】
これにより、子機の緊急通報装置11において非常ボタン11cが押下された場合には、停止ボタン11dを所定時間以上、長押しすることにより親機の緊急通報装置11に対し停止信号を送信することができる。
【0112】
<運用モード2で子機の緊急通報装置11で非常ボタン11cが押下され送信された緊急事態発生信号を受信した親機の動作>
【0113】
図18は、本発明に係る実施形態の緊急通報システム1を構成する緊急通報装置11が運用モード2において親機として子機の緊急通報装置11から緊急事態(異常事態)発生信号を受信した場合の動作を示す図である。
【0114】
運用モード2において個別機器番号(No)設定スイッチ11kの設定が“0”に設定されている親機の緊急通報装置11では、同一グループ内で個別機器番号(No)設定スイッチ11kの設定が“1”〜“6”に設定されている子機の緊急通報装置11から緊急事態発生信号を受信した場合、
図18に示すように、緊急事態発生ランプ(緊急ランプ)11eを点滅させると共に、該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6を点滅させ、警報ブザー11fの音量を小→中→大と変化させて出力する。
【0115】
尚、運用モード2の場合、個別機器番号(No)設定スイッチ11kの設定が“1”〜“6”に設定されている緊急通報装置11では、同一グループ内の他の緊急通報装置11から緊急事態報知を受信しても無視する。
【0116】
<子機の緊急通報装置11から緊急事態(異常事態)発生信号を受信後、親機で停止ボタン11dが所定時間未満の短押しされた場合の動作>
【0117】
図19は、本発明に係る実施形態の緊急通報システム1を構成する親機の緊急通報装置11が運用モード2において2台の子機の緊急通報装置11から緊急事態(異常事態)発生信号を受信後、親機で停止ボタン11dが所定時間未満の短押しされた場合の動作を示す図である。
【0118】
図19に示すように、運用モード2において親機の緊急通報装置11が、例えば、個別番号設定スイッチ11kが“1”,“2”の2台の子機の緊急通報装置11から緊急事態(異常事態)発生信号を受信すると、親機の制御回路11pは、
図18にも示すように警報ブザー11fの警報音を小→中→大と音量を上げながら鳴動すると共に、緊急事態発生信号を送信している個別番号設定スイッチ11kが“1”,“2”の2台の子機の緊急通報装置11に該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6を点灯させる。
【0119】
このような子機の緊急通報装置11から緊急事態発生信号を受信している際に、親機の緊急通報装置11において停止ボタン11dが短押し、すなわち所定時間未満(例えば、3秒未満とする。)の短時間だけ押下されると、親機の制御回路11pは、
図19に示すように、警報ブザー11fの警報音のみ停止して、緊急事態発生信号を送信している子機の緊急通報装置11に該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6および緊急事態発生ランプ11eは消灯しない。
【0120】
そのため、本発明に係る実施形態の緊急通報システム1を構成する親機の緊急通報装置11は、運用モード2の場合に子機から緊急事態(異常事態)発生信号を受信し、当該親機で停止ボタン11dを短押しした場合には、警報ブザー11fの警報音のみが停止し、緊急事態発生信号を送信している子機の緊急通報装置11に該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6および緊急事態発生ランプ11eは消灯しないので、異常事態(緊急事態)が発生している子機は確実に特定することができ、ナースコール的な使用が可能となる。
【0121】
また、緊急事態発生信号を送信している個別番号設定スイッチ11kが“1”,“2”の2台の子機の緊急通報装置11においてそれぞれ停止ボタン11dが押下され、親機に向けて停止信号が送信され、親機がその2台の子機からの停止信号を受信すると、親機の制御回路11pは、
図19に示すように、それぞれの停止信号の受信のタイミングで、個別番号設定スイッチ11kが“1”,“2”の2台の子機の緊急通報装置11に該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6をそれぞれ消灯させる。
【0122】
また、運用モード2で親機において停止ボタン11dが短押しされた場合、親機の制御回路11pは、緊急事態発生信号を送信している全ての子機の緊急通報装置11から停止信号を受信した時点で緊急事態発生ランプ11eを消灯させるように制御する。
【0123】
そのため、個別番号設定スイッチ11kが“1”,“2”の2台の子機の緊急通報装置11においてそれぞれ非常ボタン11cが押下され、その後、親機で停止ボタン11dが所定時間未満の短押しされた場合には、
図19に示すように、先に停止ボタン11dが押下された個別番号設定スイッチ11kが“1”の子機からの停止信号の受信時には緊急事態発生ランプ11eを消灯させず、その後に停止ボタン11dが押下された個別番号設定スイッチ11kが“2”の子機からの停止信号の受信時に緊急事態発生ランプ11eを消灯させるので、親機の停止ボタン11dによって緊急事態発生ランプ11eを停止させた後でも、非常ボタン11cが押下された子機の緊急通報装置11を確実に特定することができる。
【0124】
<子機の緊急通報装置11から緊急事態(異常事態)発生信号を受信後、親機で停止ボタン11dが所定時間以上の長押しされた場合の動作>
【0125】
図20は、本発明に係る実施形態の緊急通報システム1を構成する親機の緊急通報装置11が運用モード2において2台の子機の緊急通報装置11から緊急事態(異常事態)発生信号を受信後、当該親機で停止ボタン11dが所定時間(例えば、3秒間とする。)以上、長押しされた場合の動作を示す図である。
【0126】
図20に示す当該親機での停止ボタン11dが所定時間(例えば、3秒間とする。)以上、長押しされた場合、当該親機の制御回路11pは、
図19に示す当該親機での停止ボタン11dが所定時間未満の短押しされた場合と同様に、停止ボタン11dが押下された時点で警報ブザー11fの鳴音を中止させる。
【0127】
しかし、当該親機での停止ボタン11dが所定時間(例えば、3秒間とする。)以上、長押しされた場合、当該親機の制御回路11pは、3秒間の所定時間経過した時点で、
図19に示す当該親機での停止ボタン11dが所定時間未満の短押しの場合とは異なり、
図20に示すように、緊急事態発生信号を送信している個別番号設定スイッチ11kが“1”,“2”の2台の子機の緊急通報装置11がそれぞれ緊急事態(異常事態)発生信号の送信中でも緊急事態発生ランプ11eの点滅を停止させると共に、緊急事態発生信号を送信している個別番号設定スイッチ11kが“1”,“2”の2台の子機の緊急通報装置11に該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6を同時に消灯させる。
【0128】
そのため、各緊急通報装置11に子機および親機を設定する運用モード2の場合においては、子機で非常ボタン11cが押下され緊急事態発生信号が親機に送信され、親機で警報ブザー11fが鳴動すると共に、緊急事態発生ランプ11eおよび該当する子機の発信者特定ランプ11g1〜11gが点滅した場合でも、当該親機で停止ボタン11dを所定時間以上の長押しすることにより、警報ブザー11fの停止だけでなく、緊急事態発生信号を送信している子機で停止ボタン11dが押下されなくても、緊急事態発生ランプ11eおよび該当する子機の発信者特定ランプ11g1〜11gが同時に消灯させることが可能となるため、病院や介護施設などでは使い勝手が向上する。
【0129】
また、親機の緊急通報装置11では、停止ボタン11dを所定時間(例えば、3秒間とする。)以上、長押しすることにより警報ブザー11fや、緊急事態発生ランプ11eおよび該当する子機の発信者特定ランプ11g1〜11gの停止動作後、制御回路11pは、該当する子機からの緊急事態発生信号を所定時間、例えば、1分間受け付けないように制御する。
【0130】
尚、上記実施形態の緊急通報システム1を構成する複数の緊急通報装置11では、子機および親機の関係にない運用モード1と、子機および親機の関係に設定する運用モード2とを、個別機器番号(No)設定スイッチ11kの設定によって切り替え可能に構成して説明したが、本発明では、これに限らず、運用モード1でのみ動作する複数の緊急通報装置11によって緊急通報システム1を構成するようにしても良いし、運用モード2でのみ動作する複数の緊急通報装置11によって緊急通報システム1を構成するようにしても勿論良い。
【課題】インターネットや電話や携帯電話等の特別な契約や工事をしないでも、無線電波により、ある緊急通報装置で緊急事態が発生した場合、ご近所の他の緊急通報装置に対しその緊急事態を迅速かつ確実に通報する。
【解決手段】緊急通報装置11の制御回路11pは、非常ボタン11cが押下された場合、非常ボタン11cがオンになった当該緊急通報装置11の個別機器番号を含む緊急事態発生信号を、通信回路11nから同一グループ内の他の緊急通報装置11に対し送信し、通信回路11nが他の緊急通報装置11からの緊急事態発生信号を受信した場合、警報ブザー11fにより報知すると共に、緊急事態発生ランプ(緊急ランプ)11eおよび非常ボタン11cが押下された緊急通報装置11に該当する発信者特定ランプ11g1〜11g6を点滅させて自機の使用者に対し非常ボタン11cが押下された緊急通報装置11を報知する。