(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6118950
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】偏電効果を用いたMIMO用無指向性アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/28 20060101AFI20170410BHJP
H01Q 1/52 20060101ALI20170410BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20170410BHJP
【FI】
H01Q21/28
H01Q1/52
H01Q13/08
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-523945(P2016-523945)
(86)(22)【出願日】2015年3月24日
(65)【公表番号】特表2016-537867(P2016-537867A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(86)【国際出願番号】KR2015002877
(87)【国際公開番号】WO2015190675
(87)【国際公開日】20151217
【審査請求日】2016年4月13日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0072000
(32)【優先日】2014年6月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516111133
【氏名又は名称】ソウウェーブ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SAWWAVE CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョン スク
【審査官】
佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2008−0035555(KR,A)
【文献】
特開2013−201496(JP,A)
【文献】
特開平05−102721(JP,A)
【文献】
特開2000−312112(JP,A)
【文献】
韓国登録特許第10−0672967(KR,B1)
【文献】
特開平06−237120(JP,A)
【文献】
特表2000−510305(JP,A)
【文献】
特開2012−015921(JP,A)
【文献】
特表2002−524896(JP,A)
【文献】
特開2004−343402(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0257680(US,A1)
【文献】
米国特許第06239750(US,B1)
【文献】
米国特許第06008763(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0140942(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/52
H01Q 3/00− 3/46
H01Q 13/08
H01Q 21/00− 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体基板に入力ポート、信号を分配するためのT分配器、及び180°信号位相変換器を金属ストリップ線路で構成し、金属板をパッチアンテナのラジエーターとして適用して偏電效果を用いるアンテナを基盤に無指向性アンテナを具現するにあたり、
一側面上にx軸方向に信号を偏波させることができるようにx軸マイクロストリップ線路110を形成し、他側面上にy軸方向に信号を偏波させることができるようにy軸マイクロストリップ線路120を形成し、x軸マイクロストリップ線路110のノード110a、110bの部分に対応し、回路基板を貫通するように形成されてy軸マイクロストリップ線路120が形成される基板面上に備えられるスルーホール130a、130b、及びy軸マイクロストリップ線路120のノード120a、120bの部分に対応し、回路基板を貫通するように形成されてx軸マイクロストリップ線路110が形成される基板面上に備えられるスルーホール140a、140bからなる第1基板100と、
前記第1基板100と同一の構造で形成され、基板面上に具現されるx軸マイクロストリップ線路とy軸マイクロストリップ線路をy軸を中心に45°±5°で回転させたx軸マイクロストリップ線路210及びy軸マイクロストリップ線路220が基板上に具現される第2基板200と、
前記第1基板100及び第2基板200の一側面に結合されて回路網を構成し、信号を放射するための金属板形状の放射アンテナ300と、
前記第1基板100と第2基板200を結線するための結線回路基板400と、を含み、
前記第1基板100及び第2基板200と結線回路基板400を組み合わせて立方体構造で具現される
ことを特徴とする偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナ。
【請求項2】
前記偏電效果を用いた無指向性アンテナを具現するにあたり、x軸マイクロストリップ線路110が前面部に配置される第1基板100、前記第1基板100を逆にしてy軸マイクロストリップ線路120が前面部に配置されるリバース第1基板100’、x軸マイクロストリップ線路210が前面部に配置される第2基板200、及び第2基板200を逆にしてy軸マイクロストリップ線路220が前面部に配置されるリバース第2基板200’を側面部に配置し、且つ、それぞれの基板の側面が結合されるようにして筺体構造として配置し、下端部における開放された部分に結線回路基板400を結合した後、それぞれの基板の前面部に放射アンテナ300を結合して完成させる
請求項1に記載の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナ。
【請求項3】
前記結線回路基板400の底面には信号を印加する第1端子410及び第2端子420が形成され、前記第1端子410は回路基板を貫通して一側面に形成されるストリップ線路に結線され、第2端子420は他側面に形成されるストリップ線路に結線される
請求項1に記載の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナ。
【請求項4】
前記第1端子410及び第2端子420にそれぞれ異なる信号を印加し、信号を偏電させて複数個の周波数を放射するとき、それぞれの信号が混線しないようにする
請求項3に記載の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナ。
【請求項5】
前記第1基板100、第2基板200、回路結線基板400、及び放射アンテナ300で具現される立方体形状の無指向性アンテナの第1基板100及び第2基板200にそれぞれ複数個のストリップ線路を形成し、これに対応する複数個の放射アンテナを備えて立方体を形成することにより、マルチバンド通信が可能なアンテナ構造体を具現することができる
請求項1ないし4のいずれかに記載の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏電効果を用いたMIMO用無指向性アンテナに関するもので、より詳細には、偏電効果を用いてMIMO用無指向性アンテナを具現することで多重送信/受信ができる無線通信用アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、通信回路では複数個の高周波信号を一つに合わせたり、一つに結むことで、他の回路と連結してマルチバンドのような通信手段を構築する。
【0003】
このような複数個の信号を一つの線路において連結して用いるとき、各信号別特性によって相殺されたり、分岐による損失などが発生するという問題点が生じる。
これにより、それぞれの信号別に固有のアンテナを備えたり、ノイズをフィルターリングするフィルターなどを設置するなど、その構造が複雑となり、回路のサイズが大きくなるなどの短所があった。
【0004】
したがって、本出願人は、特許文献1(偏電效果とその応用、以下、「先行技術」とする)における偏電效果を応用して、金属板において高周波信号の電流が流れる方向を一定の方向に制御して所望する方向にだけ流れるようにする方法とこれを応用したアンテナを提案する。高周波信号を極性によって「+」信号と「−」信号に分離し、二つの信号を金属板に引き込むとき、一定の間隔を維持して連結させる。これにより、引き込まれた電流の方向は引込軸に沿って引込方向にだけ流させる結果を得る効果を用いる。ここで、複数の入力信号を一つの信号に合わせるコンバイナなどを使用して、各入力信号を互いに異なる入力ポートには伝達させず、単に出力ポートにだけ送らせて入力ポート間のアイソレーション効果に優れ、結合損失がない結合回路として用いることができる技術を開発した。
【0005】
上記のような先行技術により、その構造が簡単であり効果に優れた応用アンテナ技術が提示されたが、より多くの量の伝送量を維持しながら信号の相殺なく伝達効率を高める指向性を維持させて、より効果的な送受信ができるMIMO(MIMO:Multi−Input Multi−Output)用無指向性アンテナの開発が求められている。また、簡単な構造で具現できる技術も求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10−1017690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような技術的なニーズにより、偏電效果を用いた無指向性MIMOアンテナを提供するにあたり、その構造が簡単であり高性能を有する無指向性MIMOアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的を達成するために、誘電体基板に入力ポート、信号を分配するためのT分配器、及び180°信号位相変換器を金属ストリップ線路で構成し、金属板をパッチアンテナのラジエーターとして適用して偏電效果を用いるアンテナを基盤に無指向性アンテナを具現するにあたり、一側面上にx軸方向に信号を偏波させることができるようにx軸マイクロストリップ線路110を形成し、他側面上にy軸方向に信号を偏波させることができるようにy軸マイクロストリップ線路120を形成し、x軸マイクロストリップ線路110のノード110a、110bの部分に対応し、回路基板を貫通するように形成されてy軸マイクロストリップ線路120が形成される基板面上に備えられるスルーホール130a、130b、及びy軸マイクロストリップ線路120のノード120a、120bの部分に対応し、回路基板を貫通するように形成されてx軸マイクロストリップ線路110が形成される基板面上に備えられるスルーホール140a、140bからなる第1基板100と、上記第1基板100と同一の構造で形成され、基板面上に具現されるx軸マイクロストリップ線路とy軸マイクロストリップ線路をy軸を中心に45°±5°で回転させたx軸マイクロストリップ線路210及びy軸マイクロストリップ線路220が基板上に具現される第2基板200と、上記第1基板100及び第2基板200の一側面に結合されて回路網を構成し、信号を放射するための金属板形状の放射アンテナ300と、上記第1基板100と第2基板200を結線するための結線回路基板400と、を含み、上記第1基板100及び第2基板200と結線回路基板400を組み合わせて立方体構造で具現されることを特徴とする偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナを提供する。
【0009】
また、上記のような偏電效果を用いたMIMOアンテナを具現するにあたり、x軸マイクロストリップ線路110が前面部に配置される第1基板100、上記第1基板100を逆にしてy軸マイクロストリップ線路120が前面部に配置されるリバース第1基板100’、x軸マイクロストリップ線路210が前面部に配置される第2基板200、及び第2基板200を逆にしてy軸マイクロストリップ線路220が前面部に配置されるリバース第2基板200’を側面部に配置し、且つ、それぞれの基板の側面が結合されるようにして筺体構造として配置し、下端部における開放された部分に結線回路基板400を結合した後、それぞれの基板の前面部に放射アンテナ300を結合する。上記結線回路基板400の底面には信号を印加する第1端子410及び第2端子420が形成され、上記第1端子410は回路基板を貫通して一側面に形成されるストリップ線路に結線され、第2端子420は他側面に形成されるストリップ線路に結線されるようにする。
【0010】
このような構造により、上記第1端子410及び第2端子420にそれぞれ異なる信号を印加し、信号を偏電させて複数個の周波数を放射するとき、それぞれの信号が混線しないようにすることで複数個の周波数を送受信できるようする。
【0011】
また、上記第1基板100、第2基板200、回路結線基板400、及び放射アンテナ300で具現される立方体形状の無指向性アンテナの第1基板100及び第2基板200にそれぞれ複数個のストリップ線路を形成し、これに対応する複数個の放射アンテナを備えて立方体を形成することにより、マルチバンド通信が可能なアンテナ構造体を具現できる偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナをさらに具現することができる。
【発明の効果】
【0012】
上記のような技術的ニーズにより、偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナを提供することができるため、その構造が簡単で多様な形態に拡大することができる高性能のMIMO用無指向性アンテナを提供するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明で用いられる偏電效果を説明するための概要説明図
【
図2】本発明の第1基板100のマイクロストリップ線路の構成を示すための前面図及び背面図
【
図3】本発明の第2基板200のマイクロストリップ線路の構成を示すための前面図及び背面図
【
図4】本発明の偏電アンテナの構成を示すための断面図
【
図5】本発明の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナの斜視図
【
図6】本発明の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナの底面斜視図
【
図7】本発明の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナの外周面に対する展開図
【
図8】本発明の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナの放射パターンを示す放射パターン図
【
図9】本発明の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナの放射パターンを示す放射パターン図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、当業者が本発明の偏電効果を用いた無指向性MIMOアンテナを容易に実施することができるように図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明で用いられる偏電效果を説明するための概要図である。
【0016】
図1を参照して偏電效果について簡略に説明すると、回路基板上に具現されるマイクロストリップに信号を印加すると、印加された信号の「+」信号と「−」信号がそれぞれ位相差によって分離され、分離された信号によってアンテナの給電が行われて偏電效果が発生する。
【0017】
これは、誘電体回路基板上に、ストリップ線路を用いることにより、入力ポート、信号を分配するためのT分配器、及び180°信号位相変換器を金属ストリップ線路で構成し、金属板をパッチアンテナのラジエーターに適用して発生する偏電效果を用いるためである。
【0018】
このような偏電效果を発生させるために、x軸とy軸にそれぞれ偏波される一対のストリップを同一の基板上に配置してアンテナ効果を奏するようにする。
【0019】
これに関連する具体的な説明は特許文献1で説明されている公知の技術であるため省略する。
【0020】
上記のような偏電效果を用いるMIMO用無指向性アンテナに関しては、以下でより具体的に説明する。
【0021】
図2は本発明の第1基板100のマイクロストリップ線路の構成を示すための前面図及び背面図であり、
図3は本発明の第2基板200のマイクロストリップ線路の構成を示すための前面図及び背面図である。
【0022】
図2及び
図3を参照して詳細に説明すると、回路基板上の一側面にx軸方向に偏向する偏波を発生させるためのx軸マイクロストリップ線路110が形成され、上記x軸マイクロストリップ線路110が形成された回路基板の反対側面上にy軸方向に偏向する偏波を発生させるためのy軸マイクロストリップ線路120が形成される第1基板100を形成する。即ち、上記第1基板100には、回路基板の前面部及び背面部にx軸マイクロストリップ線路110及びy軸マイクロストリップ線路120がそれぞれ形成される。
【0023】
また、上記x軸マイクロストリップ線路110のノード110a、110bの部分に対応するスルーホール130a、130bをy軸マイクロストリップ線路120が具現された回路基板面上に形成し、y軸マイクロストリップ線路120のノード120a、120bの部分に対応するスルーホール140a、140bをx軸マイクロストリップ線路110が具現された回路基板面上にそれぞれ形成して、回路基板を貫通するようにする。また、金属板形状の放射アンテナ300の一側面に形成された4つのリードピン310がそれぞれ結合されるようにする。
【0024】
上記のように回路基板の両側面にそれぞれx軸マイクロストリップ線路110とy軸マイクロストリップ線路120を区分して具現するのは、同一の基板上にマイクロストリップ線路を具現する場合、ショートなどの問題が発生する可能性があり、精密なパターンの具現時に、回路基板のサイズが大きくなるという短所があるため、これを克服するために立体的に具現するためである。
【0025】
ここで、同一面上に具現する回路基板とそれぞれの基板面に具現する技術が同一の効果を示すのは、当業者であれば誰でも分かる事実であるためこれに関する付加的な説明は省略する。
【0026】
また、上記第1基板100とともに本発明の偏電效果を用いたMIMOアンテナを構成する第2基板200は、上記第1基板100のy軸を基準に45°±5°回転されて配置されたx軸マイクロストリップ線路210及びy軸マイクロストリップ線路220を含む。
【0027】
より詳細に説明すると、第1基板100のx軸マイクロストリップ線路110及び第2基板200のx軸マイクロストリップ線路210、及び第1基板100のy軸マイクロストリップ線路120及び第2基板200のy軸マイクロストリップ線路220がそれぞれ45°±5°の角度差を発生する。
【0028】
このような第2基板200におけるx軸マイクロストリップ線路210のノード210a、210b及びy軸マイクロストリップ線路220のノード220a、220bの部分にも、回路基板の反対側面上にそれぞれ放射アンテナ300のリードピン310を結合するためのスルーホール230a、230b及び240a、240bが形成される。
【0029】
上記のように構成される第1基板100及び第2基板200の一側面には、信号を放射するための金属板形状の放射アンテナ300が備えられる。
【0030】
上記放射アンテナ300は、上述の通り、一側面に4つのリードピン310を備え、それぞれの回路基板上に形成されるスルーホールに結合されて回路を構成する。
【0031】
上記のように、第1基板100及び第2基板200にそれぞれ放射アンテナ300を結合して偏電アンテナを完成させる。
【0032】
このとき、上記第1基板100及び第2基板200に結合される放射アンテナ300は、エアギャップ150が形成されるように互いに離れて結合される。
【0033】
これは、放射アンテナ300から発生する偏波の共振周波数などを合わせるためである。
【0034】
図5は本発明の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナの斜視図であり、
図6は本発明の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナの底面斜視図であり、
図7は本発明の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナの外周面に対する展開図として入力ポート別に発生する偏波を示す。
【0035】
図5から
図7を参照して詳細に説明すると、第1基板100及び第2基板200上にそれぞれ放射アンテナ300を結合して完成される偏電アンテナをそれぞれの面に配置することで立方体形状のMIMO用無指向性アンテナを具現する。
【0036】
このとき、複数個の上記第1基板100及び第2基板200を側面部に配置した後、結線のための結線回路基板400を底面部に配置して回路網を完成させる。
【0037】
ここで、上記第1基板100と隣接する側面には他の第1基板100が配置される。このとき、回路網を具現するために、第1基板100のy軸マイクロストリップ線路120が前面部に配置されるように逆にしたリバース第1基板100’を配置する。
【0038】
上記リバース第1基板100’は、単に第1基板100を逆にしたもので、正常的な第1基板100と区分するための表示であるだけで、他の構成要素ではないことを明示する。また、立体的な回路及び回路網の構成のための配置であるだけで、他の効果及び機能的な差異によるものでもないことを明示する。
【0039】
また、上記のように一対の第1基板100を配置した後、残りの側面には第2基板200を配置する。
【0040】
ここも、第2基板200、及び第2基板200を単に逆にしたリバース第2基板200’を配置して立方体の側面部分を具現する。
【0041】
上記のように、第1基板100及び第2基板200をそれぞれ配置して立方体の側面部分を具現した後、底面部に結線回路基板400を配置して回路網を完成させる。
【0042】
このとき、上記結線回路基板400の一側面には、入出力を担当する第1端子410及び第2端子420がそれぞれ備えられる。
【0043】
上記のような第1端子410及び第2端子420は、両側面にそれぞれ回路を具現するために形成されるストリップ線路の端部にそれぞれ結線される。
【0044】
より詳細に説明すると、上記結線回路基板400の上端面に形成されるストリップ線路の端部には第1端子410が回路基板を貫通して結線され、結線回路基板400の反対側には第2端子420がそれぞれ結線される。
【0045】
上記のように構成された本発明の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナに信号を印加すると、それぞれの面に配置される偏電アンテナによって信号が放射される(
図8及び
図9参照)。
【0046】
図8は第1端子410に信号を印加したときの放射パターンを示すものであり、
図9は第2端子420に信号を印加したときの放射パターンを示すものである。
【0047】
このとき、第1端子410及び第2端子420に信号を印加すると、それぞれの偏波アンテナを通じて放射される信号は、アンテナを中心に均一な範囲に放射されて、無指向性アンテナとしての役割をすることができる。
【0048】
このような無指向性アンテナを用いて放射される信号は、単一周波数の信号だけでなく、複数の周波数の信号を放射することができる。これは、特許文献1に記載されている偏電效果を用いたものであるため、これに関する詳細な説明は省略する。
【0049】
このように、本発明の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナを適用して送受信するための周波数は、金属板形状の放射アンテナ300のサイズを調節して選択することができ、金属板形状の放射アンテナ300の長さによって異なる。これは、当業者であれば誰でも分かるものである。
【0050】
図10及び
図11は本発明の一実施例を示す例示図である。
【0051】
図10及び
図11を参照して詳細に説明すると、本発明の偏電效果を用いたMIMO用無指向性アンテナは、単一構造体で適用されることができ、周波数の使用量によって1つの基板に複数個のストリップ線路を形成し、複数個の放射アンテナを備えてマルチバンド型MIMO用無指向性アンテナを具現することもできる。
【0052】
このとき、1つの基板に具現されるストリップ線路及び結合される放射アンテナの個数は2
n個で形成されることが好ましい。
【0053】
上記のような方法により、1つの基板上に2つのストリップ線路と放射アンテナを結合した2段マルチバンド型MIMO用無指向性アンテナ、及び4段マルチバンド型MIMO用無指向性アンテナが具現されることができる。
【0054】
より詳細に説明すると、ストリップ線路及び放射アンテナが備えられる複数個の基板を側面部に配置した後、下端部における開放された部分に結線回路基板を結合して構造体を完成させる。
【0055】
このような構造体を具現するには、上述の単一構造体の具現方法と同一の方法が適用される。また、2段または4段マルチバンド型アンテナの場合、1つの回路基板に具現されるストリップ線路及び放射アンテナの個数の差異があるだけである。
【0056】
上記のような方法により、本発明の偏電效果を用いたMIMOアンテナ及びマルチバンド型MIMOアンテナを具現することができる。
【0057】
ここで、上記マルチバンド型MIMOアンテナは、単一構造体と区分するためのものであるだけで、本発明の技術的思想の範疇で拡大できることを明示する。
【符号の説明】
【0058】
100 第1基板
110 x軸マイクロストリップ線路
120 y軸マイクロストリップ線路
200 第2基板
210 x軸マイクロストリップ線路
220 y軸マイクロストリップ線路
300 放射アンテナ
400 結線回路基板