(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一面側に薬剤入りのポケットを配列した薬剤シートを、基準面から設定方向に向けて重ねるようにして収納する薬剤カセットと、この薬剤カセットに収納された薬剤シートを前記薬剤カセットの基準面に最も近いものから順に外部に取り出す取り出しユニットとを備え、前記薬剤カセット内に、前記薬剤シートの一面側同士を互いのポケット同士が重ならない状態で対向配置することにより、該薬剤シートを2枚ずつのセットにして収納しておき、前記取り出しユニットで、この2枚ずつのセットにして収納した薬剤シートを、セット単位又は当該セットの倍数単位で前記薬剤カセット外へ取り出すように構成した調剤装置の薬剤取り出し機構であって、
該薬剤カセットに形成された薬剤シートの取出口に、該取出口を部分的に塞ぐ仕切部と、この仕切部よりも薬剤シートの取り出し方向の下流側に、取り出される薬剤シート同士の分離を防止する分離防止部とを備え、
前記分離防止部は、前記取り出される薬剤シートに対して前記基準面とは反対側から当接して、前記取り出される薬剤シート間の開き角度を規制することで、前記取り出される薬剤シート同士の分離を防止することを特徴とする調剤装置の薬剤取り出し機構。
前記取出口よりも該薬剤シートの取り出し方向の下流側に、前記取り出される薬剤シート同士の分離を防止する分離防止手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の調剤装置の薬剤取り出し機構。
【背景技術】
【0002】
従来、病院等の薬局における調剤作業は薬剤師が医師の処方箋に従って行っているが、特に診療分野が広い総合病院等にあっては、常時取り出し可能にしておく錠剤の種類が多くなり、保管場所を必要とするばかりか、処方箋に基づいて調剤する作業は非常に精神的、肉体的に負担を強いられるものであった。
【0003】
そこで、予め設定したプログラムに基づいて所定の錠剤の所定個数分を、PTP錠剤シートの端数分を含めて自動的に払い出す調剤装置が開発された(例えば特許文献1,2参照)。かかる従来の調整装置では、複数枚のPTP錠剤シートを上下方向に重ねて錠剤カセット内に収納しておき、最下位置のPTP錠剤シートを1枚ずつ払い出すように構成されていた。
【0004】
なお、PTP錠剤シートとは、錠剤側を押圧することで底のアルミシート部分を破ることにより錠剤を取り出すようにした包装形式であり、一般には錠剤の10個以上を1枚のシート状にして供給されるものである。
【0005】
図7はそのPTP錠剤シート900の構成を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図7(a)(b)に示すように、PTP錠剤シート900の表面910には、それぞれ錠剤を封入したポケット920が形成されており、前記錠剤カセット内には、このポケット920が上を向くようにして、各PTP錠剤シート900が収納されるようになっており、その長手方向の一端側には、チャッキング装置でチャッキングするための耳部930が設けられているのが通常であった。
【0006】
一方、PTP錠剤シート900は、製造元などで箱に収納されて販売されており、この箱から取り出されて錠剤カセットに充填される。箱には、ポケット形成面が向かい合うようにして、PTP錠剤シート900が収納されている。このため、従来の調剤装置では、PTP錠剤シート900を箱から錠剤カセットに移すときに、PTP錠剤シート900の向きを揃える作業が必要になり、手間がかかるといった問題があった。
【0007】
また、従来の調剤装置では、すべてのPTP錠剤シート900をそのポケット920が上向きとなるように揃えているので、錠剤カセット内での収納枚数が少ない。このため、PTP錠剤シート900の錠剤カセットへの充填を頻繁に行う必要があり、シート枚数が多量である処方が施されたときには、このPTP錠剤シート900の錠剤カセットへの充填のために払出作業を中断することになりかねないといった問題があった。
【0008】
さらに、従来の調剤装置では、錠剤カセットから、PTP錠剤シート900を1枚ずつ払い出しているので、PTP錠剤シート900の払出速度が遅い。このため、シート枚数が多量である処方が施されたときには、払出作業に時間がかかるといった問題もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図8は上記従来の調剤装置の改良技術におけるPTP錠剤シートの取り出し動作を示す説明図であって、(a)は2枚のPTP錠剤シートが同時に取り出しされている場合、(b)は1枚のPTP錠剤シートが取り残されている場合をそれぞれ示す。ここでは、上記従来の調剤装置の問題を踏まえて、
図8(a)に示すように、PTP錠剤シート900(901,902,903,904,・・・)は、それぞれのポケット形成面が向かい合うようにして、上下方向に2枚ずつ重ねた状態で錠剤カセット内に設置し、錠剤カセットの1番下の1組(セット)のPTP錠剤シート901,902を押出部材5515で同時に払い出すという仕組みをとることとしている(例えば特許文献3参照)。なお、
図8(a)中の符号Aは、PTP錠剤シート903,904,・・・による荷重の加わる方向、符号Bは、押出部材5515の移動方向をそれぞれ示している。
【0010】
この払い出し時に、2組(セット)目のPTP錠剤シート903,904が飛び出さないように、仕切片5313を設置するが、その設置の目安は、PTP錠剤シート901,902の重ね合わせ高さHの1.5倍程度としていた。
【0011】
しかし、
図8(b)に示すように、錠剤カセットから取り出されるPTP錠剤シート901,902の後端に、上方にあるPTP錠剤シート903,904,・・・による荷重がA方向に加わる。このため、その取り出されるPTP錠剤シート901,902のいずれかの最後端にあるポケットを支点として、PTP錠剤シート902がC方向に回転する。すると、PTP錠剤シート901,902のポケット同士が離れた状態となる。このPTP錠剤シート901,902のポケット同士が離れた状態で、PTP錠剤シート901を押出部材5515でB方向にさらに押し出す。すると、PTP錠剤シート901,902が分離してしまい、PTP錠剤シート901だけが錠剤カセット外に取り出されるが、PTP錠剤シート902は錠剤カセット外に取り出されることなく、そこに残ってしまう。その結果、PTP錠剤シート901,902,・・・を大量にかつ安定して供給することができなくなる。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、薬剤シートを大量にかつ安定して供給することができる調剤装置の薬剤取り出し機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、一面側に薬剤入りのポケットを配列した薬剤シートを、基準面から設定方向に向けて重ねるようにして収納する薬剤カセットと、この薬剤カセットに収納された薬剤シートを前記薬剤カセットの基準面に最も近いものから順に外部に取り出す取り出しユニットとを備え、前記薬剤カセット内に、前記薬剤シートの一面側同士を互いのポケット同士が重ならない状態で対向配置することにより、該薬剤シートを2枚ずつのセットにして収納しておき、前記取り出しユニットで、この2枚ずつのセットにして収納した薬剤シートを、セット単位又は当該セットの倍数単位で前記薬剤カセット外へ取り出すように構成した調剤装置の薬剤取り出し機構であって、該薬剤カセットに形成された薬剤シートの取出口に、該取出口を部分的に塞ぐ仕切部と、こ
の仕切部よりも薬剤シートの取り出し方向の下流側に
、取り出される薬剤シート同士の分離を防止する分離防止部とを備え
、前記分離防止部は、前記取り出される薬剤シートに対して前記基準面とは反対側から当接して、前記取り出される薬剤シート間の開き角度を規制することで、前記取り出される薬剤シート同士の分離を防止することを特徴とするものである。なお、薬剤には、錠剤、カプセル剤などを含む。
【0014】
本発明によれば、該薬剤カセットに形成された薬剤シートの取出口に、該取出口を部分的に塞ぐ仕切部と、こ
の仕切部よりも薬剤シートの取り出し方向の下流側に
、取り出される薬剤シート同士の分離を防止する分離防止部とを備え
、前記分離防止部は、前記取り出される薬剤シートに対して前記基準面とは反対側から当接して、前記取り出される薬剤シート間の開き角度を規制することで、前記取り出される薬剤シート同士の分離を防止するので、仕切部を介して取り出される薬剤シートの後端に、別の薬剤シートによる荷重などが加わり、その取り出される薬剤シートの最後端にあるポケットを支点として、一方の薬剤シートの前端が他方の薬剤シートに対して回転したとしても、その回転による薬剤シート間の開き角度が分離防止部で規制される。すると、薬剤シートのポケット同士が離れた状態となることがなくなる。したがって、薬剤シートをさらに押し出したとしても、薬剤シート同士が分離せず、薬剤シートの一部が薬剤カセット外に取り出されることなく、そこに残ってしまうことがなくなる。このようにして、取出口から取り出される薬剤シート同士の分離を防止することができ、薬剤シートを、セット単位又は当該セットの倍数単位で薬剤カセット外へ取り出すことができる。その結果、薬剤シートを大量にかつ安定して供給することができる。
【0015】
また、前記分離防止部は、前記仕切部よりも基準面側に位置することが好ましい。
【0016】
この場合、前記分離防止部は、前記仕切部よりも基準面側に位置するので、薬剤シート間の開き角度がより小さくなる。すると、薬剤シートのポケット同士が離れた状態となることがなくなり、取出口から取り出される薬剤シート同士の分離を確実に防止することができる。
【0017】
また、前記分離防止部は、前記仕切部と一体形成されることが好ましい。
【0018】
この場合、前記分離防止部は、前記仕切部と一体形成されたので、部品点数を削減することができる。
【0019】
また、前記仕切部と前記分離防止部との間に、滑らかな面を形成することが好ましい。
【0020】
この場合、前記仕切部と前記分離防止部との間に、滑らかな面を形成したので、取出口から取り出される薬剤シートが引っ掛かることを防止することができる。
【0021】
また、前記取出口よりも該薬剤シートの取り出し方向の下流側に、前記取り出される薬剤シート同士の分離を防止する分離防止手段をさらに備えることが好ましい。
【0022】
前記取出口よりも該薬剤シートの取り出し方向の下流側に、前記取り出される薬剤シート同士の分離を防止する分離防止手段をさらに備えたので、前記仕切部と分離防止部とによる前記作用効果と相俟って、取出口から取り出される薬剤シート同士の分離をより確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、該薬剤カセットに形成された薬剤シートの取出口に、該取出口を部分的に塞ぐ仕切部と、この記仕切部よりも薬剤シートの取り出し方向の下流側に、前記取り出される薬剤シート同士の分離を防止する分離防止部とを備えたので、仕切部を介して取り出される薬剤シートの後端に、別の薬剤シートによる荷重などが加わり、その取り出される薬剤シートの最後端にあるポケットを支点として、一方の薬剤シートの前端が他方の薬剤シートに対して回転したとしても、その回転による薬剤シート間の開き角度が分離防止部で規制される。すると、薬剤シートのポケット同士が離れた状態となることがなくなる。したがって、薬剤シートをさらに押し出したとしても、薬剤シート同士が分離せず、薬剤シートの一部が薬剤カセット外に取り出されることなく、そこに残ってしまうことがなくなる。このようにして、取出口から取り出される薬剤シート同士の分離を防止することができ、薬剤シートを、セット単位又は当該セットの倍数単位で薬剤カセット外へ取り出すことができる。その結果、薬剤シートを大量にかつ安定して供給することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る調剤装置1の主たる構成要素を示す分解斜視図である。
【0026】
図1に示すように、この調剤装置1は、箱状の装置本体100の奥側左右に2台設けられたYキャリッジ200,200と、これらのYキャリッジ200,200にそれぞれ支持されたXキャリッジ300,300と、これらのXキャリッジ300,300にそれぞれ支持された取り出しユニット400,400と、前記装置本体100の手前側左右に2台設けられ、複数の錠剤カセット(薬剤カセットに相当する。)500,500,・・・を左右方向に並べて搭載可能なカセット棚600,600と、左右のカセット棚600,600の下方に、両カセット棚600,600の左右両端間に亘って配置された1台の搬送コンベアユニット800とを備えている。
【0027】
以下、複数存在する構成要素については、その代表的なものについて説明する。Yキャリッジ200は、サーボモータ210と、このサーボモータ210で駆動される縦軸方向(
図1中のY方向)のボールネジ220と、ボールネジ220の左右にそれぞれ配置された縦ガイド230,230と、ボールネジ220の回転により上下動するナット240とを備えており、Xキャリッジ300は、縦ガイド230,230に案内されつつ、ボールネジ220の回転によりナット240とともに上下動するキャリッジ本体310と、このキャリッジ本体310上に、サーボモータ410と、このサーボモータ410で駆動される横軸方向(
図1中のX方向)のボールネジ415と、図示しないナットとを備えている。
【0028】
図2は本実施形態1における錠剤カセット500の構成を示す斜視図である。なお、この
図2中では、特にことわらない限り、錠剤カセット500の取り出しユニット400に対向する正面側を前側、その背面側を後側といい、左側と右側とは前側から後側を見たときのものを示している(後述する
図4、
図6についても同様である)。
【0029】
本実施形態1における錠剤カセット500は、積載される各種PTP錠剤シート(薬剤シートに相当する。)900よりも若干幅広に形成されている。したがって、錠剤カセット500としては、同じものはもちろんのこと、各種PTP錠剤シート900の有する幅に応じて、幅寸法のみが異なるものが複数用意される。それらの具体的な構成は、いずれも
図2に示すように、断面凹状をなす長尺のカセット基部510と、このカセット基部510の長手方向から着脱自在に嵌合されるカセット本体520とからなっている。
【0030】
カセット基部510は、カセット棚600の棚板602への取り付け部(図略)を備えており、これにより、幅寸法が同じ錠剤カセット500はもちろんのこと、幅寸法の異なる錠剤カセット500であっても、その幅方向で任意の位置に配置することができるようになっている。
【0031】
カセット本体520は、さらに複数のPTP錠剤シート900(901,902,・・・)を横向きにして積載可能な本体上部530と、この本体上部530の下部にあって、前記カセット基部510内に取り付けられた本体下部540とからなっている。
【0032】
本体下部540は、カセット本体520のカセット基部510への組み立て状態で、該カセット基部510内に埋没して配置されるものであるが、その単体で見ると、断面凹状の長尺形状をなした筐体内に前記本体上部530の一番下とその直ぐ上に積載されたPTP錠剤シート901,902をセットで取り出すための押出機構550を備えている。
【0033】
本体上部530は、カセット本体520のカセット基部510への組み立て状態で、中間部から前部にかけてカセット基部510の上方に突出して配置される側面視L字状をなしており、当該突出させた左右両側壁5311,5312が前端で互いに内側に屈曲されることにより、所定の間隙を介して対向配置されることで、前壁531を形成している。左右両側壁5311,5312の上端同士は補強板532で互いに連結されている。
【0034】
ところで、錠剤カセット500の本体上部530内に積載されたPTP錠剤シート901,902,・・・は、先に搭載したPTP錠剤シート901,902のセットが、その次に搭載されたPTP錠剤シート903,904のセットの下側になるので、先に搭載したPTP錠剤シート901,902のセットを、その次に搭載されたPTP錠剤シート903,904のセットよりも先に取り出すこととなる、いわゆるセット単位での先入れ、先出しをする。
【0035】
このため、錠剤カセット500の本体上部530内の一番下にあるPTP錠剤シート901,902のセットごとに、その本体上部530外に取り出すこととなるのであるが、PTP錠剤シート901,902のセットと、PTP錠剤シート903,904のセットとの間の摩擦により、一番下にあるPTP錠剤シート901,902のセットと、その上のPTP錠剤シート903,904のセットとを同時に本体上部530外に取り出してしまう、いわゆる多重取り出しとなることがある。
【0036】
そこで、本実施形態1では、錠剤カセット500内に2枚ずつのセットにして収納したPTP錠剤シート901,902,・・・の多重取り出しを防止するために、この錠剤カセット500の本体上部530の底板(底面、基準面に相当する。)5301上の一番下にあるPTP錠剤シート901から数えて4枚目以上の偶数番目の設定位置よりも高い位置にあるPTP錠剤シート904,・・・が前記錠剤カセット500外へ取り出されることを禁止する仕切片5313を備えている。
【0037】
図3は実施形態1における仕切片5313の構成図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。仕切片5313は、
図3(a)〜(c)に示すように、正面視では長四角形状であるが、断面L字状の本体5313dの上部から中間部にかけて上下方向の長孔5313eが形成され、その下部には縦断面がL字状のブロック5313bが2本のネジ5313f,5313fで螺合されている。このブロック5313bは、PTP錠剤シート904,・・・が当接したときに、該PTP錠剤シート904,・・・を傷つけないために、例えば合成樹脂製のものとしている。また、このブロック5313bは、PTP錠剤シート904,・・・が当接する仕切部5313cと、仕切部5313cの手前(薬剤シートの取り出し方向の下流側に相当する。)にあって、当該仕切部5313cを介して取り出されるPTP錠剤シート901,902の分離を防止する分離防止部5313aとを備えている。さらに、仕切部5313cと分離防止部5313aとの間には、PTP錠剤シート901,902がそこで引っ掛からないように、滑らかな面5313gが形成されている。
【0038】
ここで、PTP錠剤シート901,902,・・・の種類等によっては、ポケット高さの違いなどから、シート間隔が大きく異なるので、仕切片5313の高さ位置を一定とするのは好ましくない。そこで、錠剤カセット500の前壁531の正面に向かって左側部分には、凸状部材5314が取り付けられている。仕切片5313は、その長孔5313eに図示しない2本のビスを挿通して凸状部材5314に取り付けられている。
【0039】
したがって、仕切片5313は、前記2本のビスを緩めて、凸状部材5314に沿って本体5313dを上下方向にスライドさせることにより、仕切片5313の高さ位置の設定をすることができる。ここでは、仕切片5313の仕切部5313cは、錠剤カセット500の本体上部530の底板5301上の一番下にあるPTP錠剤シート900から数えて4枚目のPTP錠剤シート904が当接可能な高さ位置に設定する。例えば、PTP錠剤シート901,902間の高さ×2−数mmに設定しておけばよい。
【0040】
また、分離防止部5313aの高さは、この仕切部5313cの高さよりも若干低く、かつ、PTP錠剤シート901,902間の高さよりも高い位置に設定する。滑らかな面5313gは、例えば仕切部5313cと分離防止部5313aとを適当なアール面と前下がりの傾斜面とで接続してなっている。そうすれば、取出口5318において、PTP錠剤シート901,902間の開き角度を規制して、それらのポケット同士が離れた状態となりにくくなる。
【0041】
このようにして、仕切片5313で錠剤カセット500の前壁531の下方に形成された取出口5318を上から下に向けて部分的に塞ぐことで、仕切片5313の設定値の決定が容易となる。そして、簡単な構成で、取出口5318からの多重取り出しを確実に防止するとともに、そこから取り出されるシート同士の分離を確実に防止して、大量のPTP錠剤シート901,902,・・・を安定して取り出すことができるようになる。
【0042】
なお、仕切片5313の左右方向の位置については、調整する必要はない。仕切片5313が当接する、一番下から偶数番目の設定位置にあるPTP錠剤シート900は、ポケット920が下向きになっているので、わざわざその仕切片5313が、そのポケット920を回避して当接する必要がないからである。ただし、2枚目のPTP錠剤シート902に当接したのでは、そのポケット920で、一番下のPTP錠剤シート901の取り出しを阻害することとなる。4枚目以上の偶数番目の設定位置としたゆえんである。
【0043】
取り出しユニット400は、
図1に示すように、キャリッジ本体310から前方(
図1中のZ方向)に延びるZキャリッジ411と、Zキャリッジ411で進退自在かつ開閉自在に配置された払出板430,430と、払出板430,430の一方(
図1中の右側)の前記錠剤カセット500に対向する側に配置されたプッシャ440とを備えている。なお、払出板430,430が水平姿勢のときに、その各先端がそれぞれ先下がりとなるように傾斜している(後述の
図5参照)。
【0044】
そして、払出板430,430の進退動作は、サーボモータ420で図略のボールネジを回転駆動することにより行い、その開閉動作は、図示しないステッピングモータを駆動することにより行うような構成となっている。払出板430,430の下部には、一次バケット450が設けられており、この一次バケット450の下方には、さらにシャッター470付きの二次バケット480が設けられている。
【0045】
以下、本実施形態1の調剤装置1による錠剤カセット500からのPTP錠剤シート900(901,902,903,904,・・・)の払出動作を概略説明する。
図4は実施形態1における仕切片5313の機能を示す説明図であって、(a)は最下部のPTP錠剤シート901,902のセットが仕切片5313を通過するときの状態を示す側断面図、(b)は(a)のPTP錠剤シート901,902,・・・を押し出すときの状態を示す側断面図である。
【0046】
いま、
図4(a)に示すように、錠剤カセット500内に各PTP錠剤シート901,902,・・・を、ポケット920,920,・・・が交互に上下となるように2枚ずつセット(市販の箱から取り出したままの状態であり、その上下のPTP錠剤シート901,902間で、耳部930,930が前後逆向きで、かつ、表裏逆向きとなっている。)にして積載しておき、押出部材5515は、この最下位置のPTP錠剤シート901の後端に当接するようになっているものとする。
【0047】
このとき、取り出しユニット400は、錠剤カセット500の正面側に対向する位置にあって、払出板430,430は、その一方に取り付けられたプッシャ440とともに水平姿勢となっているものとする。
【0048】
まず、取り出しユニット400のサーボモータ420を駆動させることにより、払出板430,430を錠剤カセット500の正面側に向かって移動させる。やがて払出板430,430の一方に取り付けられたプッシャ440が、直接に錠剤カセット500の図示しない部材を押圧するようになる。すると、前記押出機構550の働きでもって、
図4(a)における押出部材5515が前向きに移動し、
図4(b)における押出部材5515の状態となる。
【0049】
このとき、押出部材5515は、PTP錠剤シート901,902を錠剤カセット500の本体上部530から前方に押し出す。すると、PTP錠剤シート901,902のセットの前端は、仕切片5313のブロック5313bの下部後側に形成された仕切部5313cの下方を通り抜けることができる。一方、PTP錠剤シート903,904のセットの前端については、上のPTP錠剤シート904が仕切部5313cに当接し、PTP錠剤シート903,904のセットの前端が仕切部5313cの下方を通り抜けするのを阻止する。
【0050】
そして、仕切部5313cの下方を通り抜けた2枚のPTP錠剤シート901,902の後端は、PTP錠剤シート903,904のセットの前端に押圧されて、そのPTP錠剤シート901,902の前端が開いているものの、その開き角度が仕切片5313のブロック5313bの下部前側に形成された分離防止部5313aで規制されている。したがって、PTP錠剤シート901,902は、そのポケット同士が係合したままとなるから、完全には分離することがなくなり、セットのまま取り出しユニット400の払出板430,430上に移動することになる。このようにして、取り出しユニット400でこのPTP錠剤シート901,902を払い出して、錠剤カセット500から取り出すことができる。
【0051】
PTP錠剤シート901,902のセットが取り出されると、取り出しユニット400の払出板430,430がプッシャ440とともにこのPTP錠剤シート901,902を受けて元の位置に復帰するが、これに伴い、押出部材5515も元の最後部へと復帰する。この復帰時には、押出部材5515は次のPTP錠剤シート903,904のセットの下方を通って引き戻されて待機状態となる。
【0052】
ついで、例えば図示しないステッピングモータを駆動することにより、払出板430,430を回転軸の回りに互いに逆向きに回転させて下方に開き、前記錠剤カセット500から取り出されたPTP錠剤シート901,902を一次バケット450内に落下させることができる。Xキャリッジ300と、Yキャリッジ200とを用いてこの一次バケット450を二次バケット480上に移動させる。
【0053】
そして、一次バケット450の図示しない底部シャッターを開口して、PTP錠剤シート901,902を二次バケット480内に落下させる。ついで、二次バケット480の底部シャッター470を開口して、PTP錠剤シート901,902を搬送コンベアユニット800上に落下させる。
【0054】
搬送コンベアユニット800は、ローラ群等801と、このローラ群等801で前後・左右方向に移動される錠剤取出バケット802,802とを備えている。そして、前記二次バケット480からシャッター470を介して落下したPTP錠剤シート901,902は、錠剤取出バケット802,802のいずれかに落下する。
【0055】
錠剤取出バケット802,802のいずれかに落下したPTP錠剤シート901,902は、この錠剤取出バケット802,802内に収納された状態でさらに所定の部位に移動され、そこから外部に払い出される。
【0056】
以上説明したように、本実施形態1の調剤装置1は、錠剤カセット500内に、PTP錠剤シート901,902,・・・の一面側同士を互いのポケット同士が重ならない状態で対向配置することにより、該PTP錠剤シート901,902,・・・を2枚ずつのセットにして収納しておき、取り出しユニット400で、この2枚ずつのセットにして収納したPTP錠剤シート901,902,・・・を、セット単位で前記錠剤カセット500外へ取り出すように構成し、該錠剤カセット500の前壁に形成されたPTP錠剤シート901,902,・・・の取出口5318に、この取出口5318を部分的に塞ぐ仕切片5313の仕切部5313cと、この仕切部5313cよりも該PTP錠剤シート901,902,・・・の取り出し方向の下流側に、前記取り出されるPTP錠剤シート901,902同士の分離を防止する分離防止部5313aとを備えたので、取出口5318から取り出されるPTP錠剤シート901,902同士の分離を防止することができ、PTP錠剤シート901,902,・・・を、セット単位で錠剤カセット500外へ確実に取り出すことができる。その結果、PTP錠剤シート901,902,・・・を大量にかつ安定して供給することができる。
【0057】
(実施形態2)
ところで、上記実施形態1では、錠剤カセット500の仕切片5313の形状だけで対応できるが、仕切片5313のブロック5313bの形状等により、その仕切部5313cと分離防止部5313aとを接続する面5313gの傾斜角度(前下がり)が決まってくることから、一定の制約がある。
【0058】
すなわち、この傾斜角度を大きく設定すると、その面5313gでの摩擦抵抗が大きくなってPTP錠剤シート901,902の通過が困難となる。一方、この傾斜角度を小さく設定すると、ブロック5313bの前後方向の寸法が大きくなり、その分だけ錠剤カセット500内に積載されるPTP錠剤シート901,902,・・・の最大長さが短くなるか、錠剤カセット500から突出して取り出しユニット400と干渉しやすくなる。また、錠剤カセット500に充填されるPTP錠剤シート901,902,・・・のセットの厚さが大きく変わったときには、仕切片5313の高さ位置の調整を行う必要があり、その手間がかかる。
【0059】
そこで、本実施形態2では、取り出しユニット400の払出板(分離防止手段に相当する。)430,430の上面から所定の間隔でもって離設された分離防止板(分離防止手段に相当する。)435をさらに備えている。なお、調剤装置1の各要素のうち、上記実施形態1と共通する要素には同一符号を付すことにより、その重複説明を省略している。
【0060】
図5は本実施形態2における分離防止板435の構成を示す斜視図である。分離防止板435は、
図5に示すように、正面視がY字状でかつ側面視がL字状を呈しており、払出板430,430の上面に対向配置された水平板4351と、水平板4351の前端が傾斜面を介して上方に折り曲げられた垂直板4352と、垂直板4352の上部左右端がそれぞれ後方に折り曲げられた左右取付板4353,4354と、垂直板4352の上部左右端間の一部がそれぞれ後方に折り曲げられた中間取付部材4355,4356とを備えている。これらの取付板4353〜4356でもって、分離防止板435が取り出しユニット400の図示しない筐体に固定されるようになっている。
【0061】
なお、水平板4351の長さは、PTP錠剤シート900(901,902,・・・)の最大長さに応じて設定されており、この水平板4351と払出板430,430との間隔は、PTP錠剤シート900(901,902,・・・)のポケットの最大高さと、それらの開く角度とに応じて設定されている。
【0062】
以下、本実施形態2の調剤装置1による錠剤カセット500からのPTP錠剤シート900(901,902,903,904,・・・)の払出動作を概略説明する。
図6は実施形態1における分離防止板435の機能を示す図であって、(a)は最下部のPTP錠剤シート901,902のセットが仕切片5313を通過するときの状態を示す側断面図、(b)は(a)のPTP錠剤シート901,902,・・・を押し出すときの状態を示す側断面図である。
【0063】
いま、
図6(a)に示すように、錠剤カセット500内に各PTP錠剤シート901,902,・・・を、ポケット920,920,・・・が交互に上下となるように2枚ずつセット(市販の箱から取り出したままの状態であり、その上下のPTP錠剤シート901,902間で、耳部930,930が前後逆向きで、かつ、表裏逆向きとなっている。)にして積載しておき、押出部材5515は、この最下位置のPTP錠剤シート901の後端に当接するようになっているものとする。
【0064】
このとき、取り出しユニット400は、錠剤カセット500の正面側に対向する位置にあって、払出板430,430は、その一方に取り付けられたプッシャ440とともに水平姿勢となっており、払出板430,430の各先端は、先下がりに傾斜しているものとする。
【0065】
まず、取り出しユニット400のサーボモータ420を駆動させることにより、払出板430,430を錠剤カセット500の正面側に向かって移動させる。やがて払出板430,430の一方に取り付けられたプッシャ440が、直接に錠剤カセット500の図示しない部材を押圧するようになる。すると、前記押出機構550の働きでもって、
図6(a)における押出部材5515が前向きに移動し、
図6(b)における押出部材5515の状態となる。
【0066】
このとき、押出部材5515は、PTP錠剤シート901,902を錠剤カセット500の本体上部530から前方に押し出す。すると、PTP錠剤シート901,902のセットの前端は、仕切片5313のブロック5313bの下部後側に形成された仕切部5313cの下方を通り抜けることができる。一方、PTP錠剤シート903,904のセットの前端については、上のPTP錠剤シート904が仕切部5313cに当接し、PTP錠剤シート903,904のセットの前端が仕切部5313cの下方を通り抜けするのを阻止する。
【0067】
そして、仕切部5313cの下方を通り抜けた2枚のPTP錠剤シート901,902の後端は、PTP錠剤シート903,904のセットの前端に押圧されて、そのPTP錠剤シート901,902の前端が開いているものの、その開き角度が仕切片5313のブロック5313bの下部後側に形成されて分離防止部5313aで規制される。しかし、前述の制約により、分離防止部5313aによる規制だけでは十分でないことがある。
【0068】
その場合には、仕切部5313cの下方をPTP錠剤シート901だけが通過し、PTP錠剤シート902が取り残されることになりかねない。このような状態を回避するために、分離防止板435によって、PTP錠剤シート901,902の前端の開き角度が規制される。
【0069】
すると、PTP錠剤シート901,902は、そのポケット同士が係合したままとなるから、完全には分離することがなくなり、セットのまま取り出しユニット400の払出板430,430上に移動することになる。このようにして、取り出しユニット400でこのPTP錠剤シート901,902を払い出して、錠剤カセット500から取り出すことができる。以下、上記実施形態1と同様である。
【0070】
以上説明したように、本実施形態2の調剤装置1は、錠剤カセット500の前壁に形成されたPTP錠剤シート901,902,・・・の取出口5318よりも該PTP錠剤シート901,902,・・・の取り出し方向の下流側に、前記取り出されるPTP錠剤シート901,902同士の分離を防止する分離防止板435をさらに備えたので、取出口5318から取り出されるPTP錠剤シート901,902同士の分離をより確実に防止することができる。
【0071】
なお、上記実施形態1では、仕切片5313において、例えば合成樹脂製のブロック5313bに仕切部5313cと分離防止部5313aとを一体形成することにより部品点数を少なくしているが、この仕切部5313cと分離防止部5313aとを他の材料を用いて組み立ててもよいし、この仕切部5313cと分離防止部5313aとを、別体に設けてもよい。
【0072】
また、上記実施形態2では、分離防止板435を例えば板金加工で一体形成した上で、取り出しユニット400に組み込んでいるが、この分離防止板435を他の材料を用いて組み立ててもよいし、この分離防止板435を取り出しユニット400と別体に設けてもよい。
【0073】
また、上記実施形態1,2では、左右に2台のカセット棚600,600を配置しているが、前後に配置することとしてもよいし、1台、或いは3台以上のカセット棚を配置することとしてもよい。その場合には、各キャリッジ、取り出しユニット等の台数もこれに対応したものとするのが作業効率の点から好ましい。
【0074】
また、2台以上のカセット棚を配置する場合には、その一部を従来の調剤装置のように、PTP錠剤シートを1枚ずつ錠剤カセットからチャックで取り出すように構成してもよい。その場合には、PTP錠剤シートをカッティングユニットで所定の錠剤数にカットして調剤する、いわゆる端数処理を行うようにしてもよい。
【0075】
また、上記実施形態1,2では、複数の錠剤カセット500に、1台の取り出しユニット400を移動させて、当該錠剤カセット500からPTP錠剤シートを払い出すようにしているが、各錠剤カセットと取り出しユニットとを1対1で対応させて設けてもよい。その場合は、取り出しユニットの構成が簡単化できる。
【0076】
また、上記実施形態1,2では、錠剤カセット500から各PTP錠剤シート901,902,・・・を、2枚ずつのセット単位で払い出しているが、このセットの倍数単位で払い出してもよい。
【0077】
また、PTP錠剤シート901,902・・・を錠剤カセット500からセット単位又はその倍数のセット単位で押し出す方式に代えて、PTP錠剤シート901,902,・・・を錠剤カセット500からセット単位又はその倍数のセット単位で引き出す方式を採用することとしてもよい。
【0078】
また、上記実施形態1,2では、錠剤カセット500に、横向き姿勢のPTP錠剤シート901,902,・・・を2枚ずつのセットにして、上下方向に重ねて収納したものを例示しているが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、錠剤カセットに、縦向き姿勢のPTP錠剤シート901,902,・・・を2枚ずつのセットにして前後方向に重ねて収納したものであってもよい。この場合は、重力に代えてバネ力が働いているから、上記と同様の結果となる。
【0079】
また、上記実施形態1,2では、PTP錠剤シート901,902,・・・は、それぞれが耳部930を備えた、いわゆる耳付きシートとしたが、その一部又は全部が耳部930の無い、いわゆる耳なしシートであってもよい。
【0080】
また、上記実施形態1,2では、各PTP錠剤カセット500,500,・・・は、カセット棚600の棚板602上に、該各PTP錠剤カセット500,500,・・・の幅方向に列設されているが、この棚板は静止した平板状のものに限定されず、例えば所定の軸心まわりに回転する円筒形状のものであってもよい。その場合には、取り出しユニット400を、この回転する棚板上に搭載された各PTP錠剤カセット500,500,・・・に対して相対移動させることで足りる。