(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定するように構成された第1の設定ユニットであって、前記第1の設定ユニットはデータ送信を行っていないUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定するようにさらに構成される第1の設定ユニットをさらに備える、請求項1に記載の電力制御装置。
前記第1の制御ユニットは、前記エア・インタフェースの前記RTWPが前記第1の輻輳閾値より小さいときに、前記RNCにより送信された前記ターゲットSIRを上方制御するようにさらに構成され、前記エア・インタフェースの前記RTWPが前記第1の輻輳閾値に等しいときに、上方制御した前記ターゲットSIRは前記RNCにより送信されたターゲットSIRより大きくない、請求項1乃至4の何れか1項に記載の電力制御装置。
前記第2の制御ユニットは、前記エア・インタフェースの前記RTWPが前記第1の輻輳閾値より小さいときに前記RNCにより送信された前記ターゲットSIRを上方制御するようにさらに構成され、前記エア・インタフェースの前記RTWPが前記第1の輻輳閾値に等しいときに、上方制御した前記ターゲットSIRは前記RNCにより送信されたターゲットSIRより大きくない、請求項6乃至9の何れか1項に記載の電力制御装置。
パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定するように構成された第5の設定ユニットであって、前記第5の設定ユニットは、データ送信を行っていないUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定するようにさらに構成される第5の設定ユニットをさらに備える、請求項11に記載の電力制御装置。
前記第3の制御ユニットは、前記エア・インタフェースの前記RTWPが前記第1の輻輳閾値より小さいときに前記RNCにより送信された前記ターゲットSIRを上方制御するようにさらに構成され、前記エア・インタフェースの前記RTWPが前記第1の輻輳閾値に等しいときに、上方制御した前記ターゲットSIRは前記RNCにより送信されたターゲットSIRより大きくない、請求項11乃至14の何れか1項に記載の電力制御装置。
基地局のエア・インタフェースの受信総広帯域電力RTWPが設定された第1の輻輳閾値を超過したと前記基地局が判定したときには、前記基地局により送信された輻輳指示を受信するように構成され、前記輻輳指示は、ユーザ装置UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合であっても、RNCがターゲット信号対雑音比SIRを上方制御することを禁じられていることを示すために使用される第4の受信ユニットと、
前記第4の受信ユニットにより受信された前記輻輳指示に従って、ターゲット信号対雑音比SIRの上方制御を禁止するように構成された処理ユニットと、
上方制御されていない前記ターゲットSIRを前記基地局に送信するように構成された第4の送信ユニットと、
を備え、
前記基地局は、前記ターゲットSIRを下方制御し、下方制御された前記ターゲットSIRに基づいて、送信電力を減らすように前記UEに通知する、電力制御装置。
前記処理ユニットは、前記第4の受信ユニットが前記基地局により送信された次の輻輳指示を事前設定禁止解禁期間に受信しないときには、前記ターゲットSIRの上方制御の禁止を解禁するようにさらに構成された、請求項16に記載の電力制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下で、本発明の諸実施形態における添付図面を参照して本発明の諸実施形態の技術的解決策を明確かつ十分に説明する。明らかに、説明する諸実施形態は本発明の諸実施形態の全てではなく一部にすぎない。創造的作業なしに本発明の諸実施形態に基づいて当業者により取得される他の全ての実施形態は本発明の保護範囲に入るものとする。
【0018】
実施形態1
本発明の当該実施形態では電力制御方法を提供する。
図1に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0019】
101では、基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の設定輻輳閾値を超過したかどうかを当該基地局が判定する。
【0020】
当該エア・インタフェースのRTWPは当該基地局に関連する全てのUEの送信電力の和である。当該エア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過するときには、輻輳現象が当該基地局で発生しており、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制御する必要がある。
【0021】
102では、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の設定輻輳閾値を超過したときには、当該基地局が輻輳指示をRNCに送信する。
【0022】
当該輻輳指示は当該RNCがターゲットSIRの上方制御を禁じられていることを示すのに使用される。RNCが、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを調節してもよい。ブロック・エラー率を例としてとる。即ち、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が過度に高い場合には、RNCがUEのターゲットSIRを上方制御して、UEの送信電力を増大させ、それによりブロック・エラー率を減らす。UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、アップリンク・データの送信電力を節約するために、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御して、UEの送信電力を減らす。輻輳が基地局のエア・インタフェースで発生しているときには、ネットワークの全体的な安定性を保証するために、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合であっても、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することはできず、それにより、基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証する。
【0023】
103では、当該基地局が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを受信する。
【0024】
当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、当該基地局が輻輳指示をRNCに送信して、RNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁じられていることを示す。ターゲットSIRを上方制御する必要がある場合には、当該基地局により送信された輻輳指示に従ってRNCはターゲットSIRを上方制御せず、上方制御されていないターゲットSIRを当該基地局に送信する。当該基地局は、RNCにより送信され上昇が制限されているターゲットSIRを受信する。
【0025】
104では、基地局がRNCにより送信されたターゲットSIRを下方制御する。
【0026】
当該基地局が、RNCにより上昇が制限されているターゲットSIRを下方制御する。RNCがターゲットSIRの上昇を制限することにより、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証できるが、輻輳現象が基地局で既に発生しているので、単に当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制限するだけでは当該基地局の輻輳現象を排除することができない。したがって、当該基地局はRNCにより上昇が制限されているターゲットSIRを下方制御して、UEのターゲットSIRをさらに減らし、UEの送信電力を減らすことにより、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを第1の輻輳閾値より小さい値に減らす必要がある。
【0027】
105では、当該基地局が、下方制御したターゲットSIRに基づいて、送信電力を減らすようにUEに通知する。
【0028】
SIRはUEがアップリンク・データを送信したときの送信電力対干渉信号比として定義される。特定のUEに対して、干渉信号の規模は大きくは変化せず、近似的に不変であるとみなしてもよい。基地局の下方制御を通じてターゲットSIRを減らすときに、UEの送信電力が減らされた場合にのみ、データをアップロードするためのUEの実際のSIRをターゲットSIRまで減らすことができ、UEの送信電力を減らし基地局のエア・インタフェースのRTWPを減らすという目的が達成される。
【0029】
本発明の当該実施形態で提供する電力制御方法では、UEのターゲットSIRの上昇を基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の場合において制限することができ、既に過度に高い基地局のエア・インタフェースのRTWP上のUEの送信電力がさらに上昇することで形成される輻輳圧力が回避される。一方、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、既に上昇が制限されているターゲットSIRの値を下方制御して、UEの送信電力を減らすことができる。基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の問題が解決され、システムの状態が安定化し、端末ユーザとQoSに敏感なユーザのサービス品質が保証される。
【0030】
実施形態2
本発明の当該実施形態では電力制御方法を提供する。
図2に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0031】
201では、基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の設定輻輳閾値を超過したかどうかを当該基地局が判定する。
【0032】
当該エア・インタフェースのRTWPは基地局に関連する全てのUEの送信電力の和である。当該エア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過するときには、輻輳現象が基地局で発生しており、基地局のエア・インタフェースのRTWPを制御する必要がある。
【0033】
202では、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の設定輻輳閾値を超過したときには、当該基地局が輻輳指示をRNCに送信する。
【0034】
当該輻輳指示は当該RNCがターゲットSIRの上方制御を禁じられていることを示すのに使用される。RNCが、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを調節してもよい。ブロック・エラー率を例としてとる。即ち、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が過度に高い場合には、RNCがUEのターゲットSIRを上方制御して、UEの送信電力を増大させ、それによりブロック・エラー率を減らす。UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、アップリンク・データの送信電力を節約するために、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御して、UEの送信電力を減らす。輻輳が基地局のエア・インタフェースで発生しているときには、ネットワークの全体的な安定性を保証するために、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合であっても、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することはできず、それにより、基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証する。
【0035】
203では、当該基地局が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを受信する。
【0036】
当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、当該基地局が輻輳指示をRNCに送信して、RNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁じられていることを示す。ターゲットSIRを上方制御する必要がある場合には、当該基地局により送信された輻輳指示に従ってRNCはターゲットSIRを上方制御せず、上方制御されていないターゲットSIRを当該基地局に送信する。当該基地局は、RNCにより送信され上昇が制限されているターゲットSIRを受信する。
【0037】
204では、当該基地局が、当該RNCにより送信されたターゲットSIRに基づいて、送信電力を制限するようにUEに通知する。
【0038】
SIRはUEがアップリンク・データを送信したときの送信電力対干渉信号比として定義される。特定のUEに対して、干渉信号の規模は大きくは変化せず、近似的に不変であるとみなしてもよい。RNCにより制限されているときにターゲットSIRが上昇しないと、UEの送信電力も上昇せず、UEの送信電力を制限するという目的が達成される。
【0039】
本発明の当該実施形態で提供する電力制御方法では、UEのターゲットSIRの上昇を基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の場合において制限することができ、既に過度に高い基地局のエア・インタフェースのRTWP上のUEの送信電力がさらに上昇することで形成される輻輳圧力が回避される。
【0040】
実施形態3
本発明の当該実施形態では電力制御方法を提供する。図
3に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0041】
301では、RNCにより送信されたターゲットSIRを受信する。302では、基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の設定輻輳閾値を超過したかどうかを当該基地局が判定する。
【0042】
当該エア・インタフェースのRTWPは基地局に関連する全てのUEの送信電力の和である。当該エア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過するときには、輻輳現象が当該基地局で発生しており、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制御する必要がある。
【0043】
303では、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の設定輻輳閾値を超過したときには、当該基地局が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを下方制御する。
【0044】
当該基地局が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを下方制御する、それによりUEの送信電力を減らし、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを当該第1の輻輳閾値より小さい値に減らす。
【0045】
304では、当該基地局が、下方制御したターゲットSIRに基づいて、送信電力を減らすようにUEに通知する。
【0046】
SIRはUEがアップリンク・データを送信したときの送信電力対干渉信号比として定義される。特定のUEに対して、干渉信号の規模は大きくは変化せず、近似的に不変であるとみなしてもよい。基地局の下方制御を通じてターゲットSIRを減らすときに、UEの送信電力が減らされた場合にのみ、データをアップロードするためのUEの実際のSIRをターゲットSIRまで減らすことができ、UEの送信電力を減らし基地局のエア・インタフェースのRTWPを減らすという目的が達成される。
【0047】
本発明の当該実施形態で提供する電力制御方法では、当該RNCにより送信されたターゲットSIRの値を下方制御して、UEの送信電力を減らすことができる。基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の問題が解決され、システムの状態が安定化し、端末ユーザとQoSに敏感なユーザのサービス品質が保証される。
【0048】
実施形態4
本発明の当該実施形態では電力制御方法を提供する。
図4に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0049】
401では、基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の設定輻輳閾値を超過したと当該基地局が判定したとき、RNCが当該基地局により送信された輻輳指示を受信する。
【0050】
当該輻輳指示は当該RNCがターゲットSIRの上方制御を禁じられていることを示すのに使用される。RNCが、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを調節してもよい。ブロック・エラー率を例としてとる。即ち、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合には、RNCがUEのターゲットSIRを上方制御して、UEの送信電力を増大させ、それによりブロック・エラー率を減らす。UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、アップリンク・データの送信電力を節約するために、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御して、UEの送信電力を減らす。輻輳が基地局のエア・インタフェースで発生しているときには、ネットワークの全体的な安定性を保証するために、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合であっても、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することはできず、それにより、基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証する。
【0051】
402では、当該輻輳指示に従って、RNCはターゲットSIRを上方制御することを禁じられる。基地局が輻輳指示をRNCに送信した後に、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することを禁じられるが、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御してもよい。UEのターゲットSIRの下方制御は当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらには増大させず、実際には当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらに減らし、したがって、RNCによるUEのターゲットSIRの下方制御機能は限定されない。
【0052】
403では、RNCがターゲットSIRを基地局に送信する。当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、当該基地局が輻輳指示をRNCに送信して、RNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁じられていることを示す。ターゲットSIRを上方制御する必要がある場合には、当該基地局により送信された輻輳指示に従ってRNCはターゲットSIRを上方制御せず、上方制御されていないターゲットSIRを当該基地局に送信する。
【0053】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、RNCがターゲットSIRを基地局に送信した後に、当該基地局がさらに当該RNCにより送信されたターゲットSIRを下方制御して、ターゲットSIRを減らしてもよい。それによりUEの送信電力を減らし、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を減らす。
【0054】
本発明の当該実施形態で提供する電力制御方法では、UEのターゲットSIRの上昇を基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の場合において制限することができ、既に過度に高い基地局のエア・インタフェースのRTWP上のUEの送信電力がさらに上昇することで形成される輻輳圧力が回避される。一方、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、既に上昇が制限されているターゲットSIRの値を下方制御して、UEの送信電力を減らすことができる。基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の問題が解決され、システムの状態が安定化し、端末ユーザとQoSに敏感なユーザのサービス品質が保証される。
【0055】
実施形態5
本発明の当該実施形態では電力制御方法を提供する。
図5に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0056】
501では、基地局が第1の輻輳閾値を設定する。当該第1の輻輳閾値を実際の動作環境における現在のネットワーク状態に従って運用者により設定してもよく、現在のネットワーク状態が異なるセルに対しては異なる第1の輻輳閾値を設定してもよい。一方、異なる時点における同一セルの異なる現在のネットワーク状態に従うセルに対して異なる第1の輻輳閾値を設定してもよく、本発明の当該実施形態で限定されるものではない。
【0057】
502では、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したかどうかを当該基地局が判定する。
【0058】
当該エア・インタフェースのRTWPは基地局に関連する全てのUEの送信電力の和である。当該エア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過するときには、輻輳現象が当該基地局で発生しており、セルの状態は不安定で、端末ユーザのカバレッジ品質が低下する。音声サービスのようなQoSに敏感なサービスでは特に、過渡的な呼停滞(transient call stagnation)のような現象または音声遅延が容易に生じ、深刻な場合にはさらに呼切断現象が生じ、ユーザのサービス・エクスペリエンスに影響が生ずる。したがって、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制限する必要がある。
【0059】
503では、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、当該基地局が輻輳指示をRNCに送信する。
【0060】
当該輻輳指示は当該RNCがターゲットSIRの上方制御を禁じられていることを示すのに使用される。RNCが、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを調節してもよい。ブロック・エラー率を例としてとる。即ち、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が相対的に高い場合には、RNCがUEのターゲットSIRを上方制御して、UEの送信電力を増大させ、それによりブロック・エラー率を減らす。UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、アップリンク・データの送信電力を節約するために、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御して、UEの送信電力を減らす。輻輳が基地局のエア・インタフェースで発生しているときには、ネットワークの全体的な安定性を保証するために、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合であっても、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することはできず、それにより、基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証する。
【0061】
基地局が輻輳指示をRNCに送信した後に、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することを禁じられるが、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御してもよいことに留意されたい。UEのターゲットSIRの下方制御は当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらには増大させず、実際には当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらに減らし、したがって、RNCによるUEのターゲットSIRの下方制御機能は限定されない。
【0062】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、輻輳指示をRNCに送信する前に、当該基地局はさらにアップリンク・パケット・スケジューリングを停止してもよい。回線交換ドメイン・サービスと比べて、パケット交換ドメイン・サービスのQoS感受性は低く、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、パケット交換ドメインが断続的に大量のデータ・パケットをアップロードし続けるのを優先的に止めて、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減してもよい。例えば、ユーザの大量のデータ・パケットのアップロードを一時的に停止してもよく、ユーザ・プレーンの視点からは、サービス・データをアップロードするための送信時間が長い場合には、大量のデータ・パケットを短時間アップリンクで停止することにより追加された待機時間によりユーザの限界効用を縮小させる。当該縮小はユーザ・エクスペリエンスにさらなる影響は及ぼさない。
【0063】
504では、当該基地局が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを受信する。当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、当該基地局が輻輳指示をRNCに送信して、RNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁じられていることを示す。ターゲットSIRを上方制御する必要がある場合には、当該基地局により送信された輻輳指示に従ってRNCはターゲットSIRを上方制御せず、上方制御されていないターゲットSIRを当該基地局に送信する。当該基地局は、RNCにより送信され上昇が制限されているターゲットSIRを受信する。
【0064】
505では、当該基地局が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを下方制御する。当該基地局が、RNCにより上昇が制限されているターゲットSIRを下方制御する。RNCがターゲットSIRの上昇を制限することにより当該基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証できるが、輻輳現象が基地局で既に発生しているので、単に当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制限するだけでは当該基地局の輻輳現象を排除することができない。したがって、当該基地局はRNCにより上昇が制限されているターゲットSIRを下方制御して、UEのターゲットSIRをさらに減らし、UEの送信電力を減らすことにより、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを第1の輻輳閾値より小さい値に減らす必要がある。
【0065】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、基地局が定期的かつ均等にターゲットSIRを下方制御してもよい。例えば、当該ターゲットSIRを10msごとに0.2dBだけ下方制御してもよく、期間の長さと或る期間における下方制御の範囲の設定は本発明の当該実施形態では限定されない。
【0066】
本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、基地局が下方制御期間をさらに短縮してもよく、高速な短ステップ期間を介してUEのターゲットSIRを下方制御して下方制御効果を高める。RNCが外部ループ電力制御の方式でUEのターゲットSIRを調節する期間は長いので、RNCがUEのターゲットSIRを調節する期間を短縮することによりトラフィックの影響がRNCと基地局の間のインタフェースに容易に及ぶ。したがって、短ステップ期間の下方制御を、基地局自体を介してUEのターゲットSIRに対して実施してもよい。
【0067】
506では、当該基地局が、下方制御したターゲットSIRに基づいて、送信電力を減らすようにUEに通知する。
【0068】
SIRはUEがアップリンク・データを送信したときの送信電力対干渉信号比として定義される。特定のUEに対して、干渉信号の規模は大きくは変化せず、近似的に不変であるとみなしてもよい。基地局の下方制御を通じてターゲットSIRを減らすときに、UEの送信電力が減らされた場合にのみ、データをアップロードするためのUEの実際のSIRをターゲットSIRまで減らすことができ、UEの送信電力を減らし基地局のエア・インタフェースのRTWPを減らすという目的が達成される。例えば、広帯域符号分割多重接続(Widebおよび Code Division Multiple Access、WCDMA(登録商標))ネットワークでは、異なるキャリアが同一の周波数点を使用し、これが自己干渉現象を生じさせる。即ち、特定のUEに対して、別のUEの送信電力は当該UEの干渉信号である。多数のUEがセル内に存在するので、或るUEに対して、別のUEにより生成された干渉信号はほぼ安定的である。したがって、当該UEの実際のSIRの値を、UEの送信電力を減らすことによって減らすことができる。
【0069】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、基地局が、タイム・スロットのグレードの粒度でのターゲットSIRに従って下方制御をUEの送信電力に対して実施してもよく、それにより、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制御する細かさとリアルタイム性能がさらに高まる。
【0070】
基地局により測定されたUEの実際のSIRはターゲットSIRと厳密に等しくはないが、ターゲットSIRの周りで変動しターゲットSIRに収束することに留意されたい。実際のSIRはターゲットSIRより大きいかまたはターゲットSIRより小さいが、当該ターゲットSIRは基地局がUEの送信電力を調節する基礎の役割を果たし、依然として実際のSIRを誘導する上で重要である。ターゲットSIRが低下したときには、実際のSIRは対応する変動間隔でも低下し、それにより、UEの送信電力を減らす目的が達成される。
【0071】
本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、さらにRNCを異常から保護してもよい。基地局のエア・インタフェースが第1の輻輳閾値に到達した後に、RNCはターゲットSIRを上方制御するのを禁じられている状態にある。或る期間内に、RNCが基地局により再送された輻輳指示を受信しない場合には、ターゲットSIRを上方制御することを禁じられるという制限は自動的に削除され、RNCは、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを上方制御または下方制御することができる。当該期間は、実際の動作環境に従って運用者により設定された禁止解禁期間である。RNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁ずる機能により当該基地局のエア・インタフェースのRTWPのさらなる上昇を制限してもよいが、この制限にはデータ・パケットの送信成功率を減らすという代償が伴う。動作手続きでは、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過しないことを保証するのと同時に、データ・パケット送信成功率をさらに考慮する必要があり、したがってRNCを異常から保護する必要がある。
【0072】
さらに、本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値より小さい値に低下したとき、基地局が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを上方制御してもよい。ターゲットSIRを上方制御する目的は、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減した後に、ターゲットSIRを上方制御する方式でUEの送信電力を上方制御して、UEがデータ・パケットを送信する成功率を改善することにある。基地局が短いステップでターゲットSIRを安定的に上方制御し、基地局のRTWPが第1の輻輳閾値と等しいときのターゲットSIRを上方制御すべきターゲットSIRが超過しないことを制限としてとり、それによりUEがデータ・パケットを送信する成功率を可能な限り改善し当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが再び第1の輻輳閾値を超過しない場合にユーザ・サービスの品質を保証する。データ・パケットを送信するためのUEの実際のSIRはターゲットSIRの周りで変動しターゲットSIRに収束し、基地局のRTWPが第1の輻輳閾値と等しいときのターゲットSIRを上方制御されたターゲットSIRが超過しないが、増大した基地局のエア・インタフェースのRTWPが再び第1の輻輳閾値を超過するという場合が生ずることに留意されたい。この場合、ステップ503乃至ステップ506を繰り返し実行し、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを再び下方制御する。具体的な手続きについては、
図5のステップ503乃至ステップ506の実装を参照することができるので、詳細はここでは繰り返し説明することはしない。
【0073】
さらに、本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、本発明の当該実施形態において、下方制御が優先的に実施されているUEをユーザ・サービス機能やユーザ送信状態に従ってさらに設定してもよく、第2の輻輳閾値をさらに設定してもよい。当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値を超過したときには、下方制御が優先的に実施されているUEに対して電力の下方制御を先ず実施して、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減する。詳細は
図6に示されている。
図5に基づいて、例示的な解決策はさらに以下のステップを含む。
【0074】
601では、基地局が、下方制御が優先的に実施されているUEを設定する。下方制御が優先的に実施されているUEがQoSに対する敏感度に従ってもよい。例えば、回線交換ドメインにおける音声サービスはQoSに敏感であり、パケット交換ドメインのデータ・パケット・アップロード・サービスはQoSに敏感でないので、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定してもよい。音声サービスはQoSに敏感であるので、UEの過度に小さな送信電力により呼サービスの過渡的な停滞または呼切断ですら生じ、それにより多大な影響がユーザ・エクスペリエンスに及ぶ。データ・パケットをアップロードするサービスの送信電力が小さいときには、データ・パケットのアップロードの手続きにおいてアップロードの停滞現象も生ずるが、ユーザに対して過度に大規模な効用の減少は生じない。したがって、比較して述べると、一部のUEの送信電力を減らす必要があるときには、回線交換ドメイン・サービスを実行しているUEの送信電力を優先的に保護する必要があり、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEの送信電力を優先的に下方制御してもよい。
【0075】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、基地局がさらに、UEがデータ送信を行っているかどうかに従って、下方制御が優先的に実施されているUEを設定してもよい。例えば、データ送信を行っていないUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定してもよい。ネットワーク運用の観点からは、データ送信を行っていないUEの送信電力を維持することは基地局のエア・インタフェースの電力の無駄であり、ユーザの効用の観点からは、データ送信を行っているUEとデータ送信を行っていないUEにおいて、データ送信を行っているUEの送信電力を優先的に保証すべきであり、したがって比較して述べると、一部のUEの送信電力を減らす必要があるときには、データ送信を行っているUEの送信電力を優先的に保護する必要があり、データ送信を行っていないUEの送信電力を優先的に下方制御してもよい。
【0076】
本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、下方制御が優先的に実施されているUEを、以上の2つの設定方式を組み合わせることによって設定してもよい。例えば、データ送信を行っていないUEをさらにパケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEから選択し、下方制御を当該UEで優先的に実施する。さらに、電力下方制御手続きにおいて、データ送信を行っていないUEに対して、電力レベルが制御チャネルの送信品質を保証できる限りUEの送信電力を当該電力レベルに下方制御してもよい。以上の全てを、実際の動作環境の運用ポリシに従って運用者により設定、調節、および組み合せてもよく、本発明の当該実施形態で限定されるものではない。
【0077】
602では、基地局が第2の輻輳閾値を設定する。当該第2の輻輳閾値は第1の輻輳閾値よりも小さい。第2の輻輳閾値を設定する目的は、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値に到達したが当該第1の輻輳閾値にはまだ到達していないときに、UEの一部の送信電力を前もって下方制御して、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に到達する前に、当該基地局のエア・インタフェースの電力圧力の一部を軽減することにある。当該UEの一部とは、ステップ601で設定した下方制御が優先的に実施されているUEである。
【0078】
603では、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値を超過したときには、下方制御が優先的に実施されているUEの送信電力を当該基地局が下方制御する。
【0079】
送信電力の下方制御は以下のステップを含む。
(1)基地局が、RNCにより送信された下方制御が優先的に実施されているUEのターゲットSIRを受信する。
(2)基地局が、当該RNCにより送信された下方制御が優先的に実施されている当該UEの当該ターゲットSIRを下方制御する。
(3)基地局が、下方制御が優先的に実施されているUEの下方制御したターゲットSIRに基づいて、下方制御が優先的に実施されている当該UEに送信電力を減らすよう通知する。
【0080】
ステップ(1)、ステップ(2)およびステップ(3)の実行手続きはそれぞれ
図5のステップ504、ステップ505、およびステップ506に対応してもよい。
図5のステップ504、ステップ505、およびステップ506の実装を参照することができるので、詳細はここでは繰り返し説明することはしない。
【0081】
図7に示す本発明の当該実施形態の適用シナリオは、UEの送信電力の上昇効果(drive−up effect)のため、先行技術における当該基地局のエア・インタフェースのRTWPは正常な値−105dBから−65dBまで上昇する。基地局の電力制御最適化の後に、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPはその正常値から−88dBまで上昇し、RTWPは先行技術の−65dBと比べて23dBだけ減少し、それにより当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが効果的に下方制御され、基地局のエア・インタフェースの電力圧力が軽減される。
【0082】
本発明の当該実施形態で提供する電力制御方法では、UEのターゲットSIRの上昇を基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の場合において制限することができ、既に過度に高い基地局のエア・インタフェースのRTWP上のUEの送信電力がさらに上昇することで形成される輻輳圧力が回避される。一方、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、既に上昇が制限されているターゲットSIRの値を下方制御して、UEの送信電力を減らすことができる。基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の問題が解決され、システムの状態が安定化し、端末ユーザとQoSに敏感なユーザのサービス品質が保証される。
【0083】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に到達する前に、QoSに敏感でないサービスを実行しているUEの一部および/またはセル内でデータ送信を実施していないUEの一部の送信電力をさらに優先的に下方制御することができる。ユーザの効用に及ぼす影響が少ないUEは当該基地局のエア・インタフェースのRTWPの下方制御にさらに寄与し、QoSに敏感なサービスを実行しているUEの送信電力がさらに保証されるかまたは同時に増大され、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを減らす場合には、QoSに敏感なユーザのサービス品質が当該基地局のエア・インタフェースのRTWPの下方制御によって影響されないことが保証される。
【0084】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、異常保護をさらにRNCに対して設定することができ、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過しないことが保証され、同時にデータ・パケット送信成功率をさらに考慮することができる。
【0085】
実施形態6
本発明の当該実施形態では電力制御方法を提供する。
図8に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0086】
801では、基地局が第1の輻輳閾値を設定する。当該第1の輻輳閾値を実際の動作環境における現在のネットワーク状態に従って運用者により設定してもよく、現在のネットワーク状態が異なるセルに対しては異なる第1の輻輳閾値を設定してもよい。一方、異なる時点における同一セルの異なる現在のネットワーク状態に従うセルに対して異なる第1の輻輳閾値を設定してもよく、本発明の当該実施形態で限定されるものではない。
【0087】
802では、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したかどうかを当該基地局が判定する。
【0088】
当該エア・インタフェースのRTWPは基地局に関連する全てのUEの送信電力の和である。当該エア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過するときには、輻輳現象が当該基地局で発生しており、セルの状態は不安定で、端末ユーザのカバレッジ品質が低下する。音声サービスのようなQoSに敏感なサービスでは特に、過渡的な呼停滞のような現象または音声遅延が容易に生じ、深刻な場合にはさらに呼切断現象が生じ、ユーザのサービス・エクスペリエンスに影響が生ずる。したがって、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制限する必要がある。
【0089】
803では、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、当該基地局が輻輳指示をRNCに送信する。
【0090】
当該輻輳指示は当該RNCがターゲットSIRの上方制御を禁じられていることを示すのに使用される。RNCが、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを調節してもよい。ブロック・エラー率を例としてとる。即ち、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が相対的に高い場合には、RNCがUEのターゲットSIRを上方制御して、UEの送信電力を増大させ、それによりブロック・エラー率を減らす。UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、アップリンク・データの送信電力を節約するために、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御して、UEの送信電力を減らす。輻輳が基地局のエア・インタフェースで発生しているときには、ネットワークの全体的な安定性を保証するために、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合であっても、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することはできず、それにより、基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証する。
【0091】
基地局が輻輳指示をRNCに送信した後に、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することを禁じられるが、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御してもよいことに留意されたい。UEのターゲットSIRの下方制御は当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらには増大させず、実際には当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらに減らし、したがって、RNCによるUEのターゲットSIRの下方制御機能は限定されない。
【0092】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、輻輳指示をRNCに送信する前に、当該基地局はさらにアップリンク・パケット・スケジューリングを停止してもよい。回線交換ドメイン・サービスと比べて、パケット交換ドメイン・サービスのQoS感受性は低く、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、パケット交換ドメインが断続的に大量のデータ・パケットをアップロードし続けるのを優先的に止めて、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減してもよい。例えば、ユーザの大量のデータ・パケットのアップロードを一時的に停止してもよく、ユーザ・プレーンの視点からは、サービス・データをアップロードするための送信時間が長い場合には、大量のデータ・パケットを短時間アップリンクで停止することにより追加された待機時間によりユーザの限界効用を縮小させる。当該縮小はユーザ・エクスペリエンスにさらなる影響は及ぼさない。
【0093】
804では、当該基地局が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを受信する。当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、当該基地局が輻輳指示をRNCに送信して、RNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁じられていることを示す。ターゲットSIRを上方制御する必要がある場合には、当該基地局により送信された輻輳指示に従ってRNCはターゲットSIRを上方制御せず、上方制御されていないターゲットSIRを当該基地局に送信する。当該基地局は、RNCにより送信され上昇が制限されているターゲットSIRを受信する。
【0094】
805では、当該基地局が、当該RNCにより送信されたターゲットSIRに基づいて、送信電力を制限するようにUEに通知する。
【0095】
SIRはUEがアップリンク・データを送信したときの送信電力対干渉信号比として定義される。特定のUEに対して、干渉信号の規模は大きくは変化せず、近似的に不変であるとみなしてもよい。RNCにより制限されているときにターゲットSIRを上方制御しない場合には、UEの送信電力はさらには上昇せず、それにより、UEの送信電力および当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制限するという目的が達成される。例えば、WCDMA(登録商標)ネットワークでは、異なるキャリアが同一の周波数点を使用し、これが自己干渉現象を生じさせる。即ち、特定のUEに対して、別のUEの送信電力は当該UEの干渉信号である。多数のUEがセル内に存在するので、或るUEに対して、別のUEにより生成された干渉信号はほぼ安定的である。したがって、当該UEの実際のSIRの値を、当該UEの送信電力を制限することによって制限することができる。
【0096】
基地局により測定されたUEの実際のSIRはターゲットSIRと厳密に等しくはないが、ターゲットSIRの周りで変動しターゲットSIRに収束することに留意されたい。実際のSIRはターゲットSIRより大きいかまたはターゲットSIRより小さいが、当該ターゲットSIRは基地局がUEの送信電力を調節する基礎の役割を果たし、依然として実際のSIRを誘導する上で重要である。ターゲットSIRの上昇が制限されていないときには、実際のSIRも対応する変動間隔での上昇が制限され、それによりUEの送信電力を制限するという目的が達成される。
【0097】
本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、当該基地局がRNCにより上昇が制限されているターゲットSIRを下方制御してもよい。RNCがターゲットSIRの上昇を制限することにより、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証できるが、輻輳現象が基地局で既に発生しているので、単に当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制限するだけでは当該基地局の輻輳現象を排除することができない。したがって、当該基地局はRNCにより上昇が制限されているターゲットSIRを下方制御して、UEのターゲットSIRをさらに減らし、UEの送信電力を減らすことにより、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを第1の輻輳閾値より小さい値に減らす必要がある。
【0098】
本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、さらにRNCを異常から保護してもよい。基地局のエア・インタフェースが第1の輻輳閾値に到達した後に、RNCはターゲットSIRを上方制御するのを禁じられている状態にある。或る期間内に、RNCが基地局により再送された輻輳指示を受信しない場合には、ターゲットSIRを上方制御することを禁じられるという制限は自動的に削除され、RNCは、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを上方制御または下方制御することができる。当該期間は、実際の動作環境に従って運用者により設定された禁止解禁期間である。RNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁ずる機能により当該基地局のエア・インタフェースのRTWPのさらなる上昇を制限してもよいが、この制限にはデータ・パケットの送信成功率を減らすという代償が伴う。動作手続きでは、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過しないことを保証するのと同時に、データ・パケット送信成功率をさらに考慮する必要があり、したがってRNCを異常から保護する必要がある。
【0099】
さらに、本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、本発明の当該実施形態において、下方制御が優先的に実施されているUEをユーザ・サービス機能やユーザ送信状態に従ってさらに設定してもよく、第2の輻輳閾値をさらに設定してもよい。当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値を超過したときには、下方制御が優先的に実施されているUEに対して電力の下方制御を先ず実施して、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減する。詳細を
図6に示す。
図8に基づいて、当該例示的な解決策はさらに以下のステップを含む。
【0100】
601では、基地局が、下方制御が優先的に実施されているUEを設定する。下方制御が優先的に実施されているUEがQoSに対する敏感度に従ってもよい。例えば、回線交換ドメインにおける音声サービスはQoSに敏感であり、パケット交換ドメインのデータ・パケット・アップロード・サービスはQoSに敏感でないので、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEを、下方制御が優先的に実施されているUEとして設定してもよい。音声サービスはQoSに敏感であるので、UEの過度に小さな送信電力により呼サービスの過渡的な停滞または呼切断ですら生じ、それにより多大な影響がユーザ・エクスペリエンスに及ぶ。データ・パケットをアップロードするサービスの送信電力が小さいときには、データ・パケットのアップロードの手続きにおいてアップロードの停滞現象も生ずるが、ユーザに対して過度に大規模な効用の減少は生じない。したがって、比較して述べると、一部のUEの送信電力を減らす必要があるときには、回線交換ドメイン・サービスを実行しているUEの送信電力を優先的に保護する必要があり、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEの送信電力を優先的に下方制御してもよい。
【0101】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、基地局がさらに、UEがデータ送信を行っているかどうかに従って、下方制御が優先的に実施されているUEを設定してもよい。例えば、データ送信を行っていないUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定してもよい。ネットワーク運用の観点からは、データ送信を行っていないUEの送信電力を維持することは基地局のエア・インタフェースの電力の無駄であり、ユーザの効用の観点からは、データ送信を行っているUEとデータ送信を行っていないUEにおいて、データ送信を行っているUEの送信電力を優先的に保証すべきであり、したがって比較して述べると、一部のUEの送信電力を減らす必要があるときには、データ送信を行っているUEの送信電力を優先的に保護する必要があり、データ送信を行っていないUEの送信電力を優先的に下方制御してもよい。
【0102】
本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、下方制御が優先的に実施されているUEを、以上の2つの設定方式を組み合わせることによって設定してもよい。例えば、データ送信を行っていないUEをさらにパケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEから選択し、下方制御を当該UEで優先的に実施する。さらに、電力下方制御手続きにおいて、データ送信を行っていないUEに対して、電力レベルが制御チャネルの送信品質を保証できる限りUEの送信電力を当該電力レベルに下方制御してもよい。以上の全てを、実際の動作環境の運用ポリシに従って運用者により設定、調節、および組み合せてもよく、本発明の当該実施形態で限定されるものではない。
【0103】
602では、基地局が第2の輻輳閾値を設定する。当該第2の輻輳閾値は第1の輻輳閾値よりも小さい。第2の輻輳閾値を設定する目的は、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値に到達したが当該第1の輻輳閾値にはまだ到達していないときに、UEの一部の送信電力を前もって下方制御して、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に到達する前に、当該基地局のエア・インタフェースの電力圧力の一部を軽減することにある。当該UEの一部とは、ステップ601で設定した下方制御が優先的に実施されているUEである。
【0104】
603では、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値を超過したときには、下方制御が優先的に実施されているUEの送信電力を当該基地局が下方制御する。
【0105】
送信電力の下方制御は以下のステップを含む。
(1)基地局が、RNCにより送信された下方制御が優先的に実施されているUEのターゲットSIRを受信する。
(2)当該基地局が、当該RNCにより送信された下方制御が優先的に実施されている当該UEの当該ターゲットSIRを下方制御する。
(3)当該基地局が、下方制御が優先的に実施されているUEの下方制御したターゲットSIRに基づいて、下方制御が優先的に実施されている当該UEに送信電力を減らすよう通知する。
【0106】
ステップ(1)、ステップ(2)およびステップ(3)の実行手続きはそれぞれ
図5のステップ504、ステップ505、およびステップ506に対応してもよく、
図5のステップ504、ステップ505、およびステップ506の実装を参照することができるので、詳細はここでは繰り返し説明することはしない。
【0107】
本発明の当該実施形態で提供する電力制御方法では、UEのターゲットSIRの上昇を基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の場合において制限することができ、既に過度に高い基地局のエア・インタフェースのRTWP上のUEの送信電力がさらに上昇することで形成される輻輳圧力が回避される。
【0108】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、既に上昇が制限されているターゲットSIRの値を下方制御して、UEの送信電力を減らすことができる。基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の問題が解決され、システムの状態が安定化し、端末ユーザとQoSに敏感なユーザのサービス品質が保証される。
【0109】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に到達する前に、QoSに敏感でないサービスを実行しているUEの一部および/またはセル内でデータ送信を実施していないUEの一部の送信電力をさらに優先的に下方制御することができる。ユーザの効用に及ぼす影響が少ないUEは当該基地局のエア・インタフェースのRTWPの下方制御にさらに寄与し、QoSに敏感なサービスを実行しているUEの送信電力がさらに保証されるかまたは同時に増大され、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを減らす場合には、QoSに敏感なユーザのサービス品質が当該基地局のエア・インタフェースのRTWPの下方制御によって影響されないことが保証される。
【0110】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、異常保護をさらにRNCに対して設定することができ、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過しないことが保証され、同時にデータ・パケット送信成功率をさらに考慮することができる。
【0111】
実施形態7
本発明の当該実施形態では電力制御方法を提供する。
図9に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0112】
901では、基地局がRNCにより送信されたターゲットSIRを受信する。902では、当該基地局が第1の輻輳閾値を設定する。当該第1の輻輳閾値を実際の動作環境における現在のネットワーク状態に従って運用者により設定してもよく、現在のネットワーク状態が異なるセルに対しては異なる第1の輻輳閾値を設定してもよい。一方、異なる時点における同一セルの異なる現在のネットワーク状態に従うセルに対して異なる第1の輻輳閾値を設定してもよく、本発明の当該実施形態で限定されるものではない。
【0113】
903では、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したかどうかを当該基地局が判定する。
【0114】
当該エア・インタフェースのRTWPは基地局に関連する全てのUEの送信電力の和である。当該エア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過するときには、輻輳現象が当該基地局で発生しており、セルの状態は不安定で、端末ユーザのカバレッジ品質が低下する。音声サービスのようなQoSに敏感なサービスでは特に、過渡的な呼停滞のような現象または音声遅延が容易に生じ、深刻な場合にはさらに呼切断現象が生じ、ユーザのサービス・エクスペリエンスに影響が生ずる。したがって、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、基地局のエア・インタフェースのRTWPを下方制御する必要がある。
【0115】
904では、当該基地局が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを下方制御する。当該基地局が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを下方制御して、UEのターゲットSIRを減らし、さらにUEの送信電力を減らす。それにより、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを当該第1の輻輳閾値より小さい値に減らす。
【0116】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、基地局が定期的かつ均等にターゲットSIRを下方制御してもよい。例えば、当該ターゲットSIRを10msごとに0.2dBだけ下方制御してもよく、期間の長さと或る期間における下方制御の範囲の設定は本発明の当該実施形態では限定されない。
【0117】
本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、基地局が下方制御期間をさらに短縮してもよく、高速な短ステップ期間を介してUEのターゲットSIRを下方制御して下方制御効果を高める。RNCが外部ループ電力制御の方式でUEのターゲットSIRを調節する期間は長いので、RNCがUEのターゲットSIRを調節する期間を短縮することによりトラフィックの影響がRNCと基地局の間のインタフェースに容易に及ぶ。したがって、短ステップ期間の下方制御を、基地局自体を介してUEのターゲットSIRに対して実施してもよい。
【0118】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過したと判定したときに、当該基地局がさらに輻輳指示を当該RNCに送信してもよい。輻輳指示を受信した後に、RNCがさらにターゲットSIRの上昇を制限し、したがって、さらに基地局のエア・インタフェースの電力圧力の悪化を回避することができる。
【0119】
RNCにより送信され上昇が制限されているターゲットSIRを受信した後に、当該基地局が、上昇が制限されたターゲットSIRを下方制御し、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを当該第1の輻輳閾値より小さい値に下方制御する。
【0120】
さらに、本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、当該RNCにより送信されたターゲットSIRを下方制御する前に、当該基地局はさらにアップリンク・パケット・スケジューリングを停止してもよい。回線交換ドメイン・サービスと比べて、パケット交換ドメイン・サービスのQoS感受性は低く、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、パケット交換ドメインが断続的に大量のデータ・パケットをアップロードし続けるのを優先的に止めて、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減する。例えば、ユーザの大量のデータ・パケットのアップロードを一時的に停止してもよく、ユーザ・プレーンの視点からは、サービス・データをアップロードするための送信時間が長い場合には、大量のデータ・パケットを短時間アップリンクで停止することにより追加された待機時間によりユーザの限界効用を縮小させる。当該縮小はユーザ・エクスペリエンスにさらなる影響は及ぼさない。
【0121】
905では、当該基地局が、下方制御したターゲットSIRに基づいて、送信電力を減らすようにUEに通知する。
【0122】
SIRはUEがアップリンク・データを送信したときの送信電力対干渉信号比として定義される。特定のUEに対して、干渉信号の規模は大きくは変化せず、近似的に不変であるとみなしてもよい。基地局の下方制御を通じてターゲットSIRを減らすときに、UEの送信電力が減らされた場合にのみ、データをアップロードするためのUEの実際のSIRをターゲットSIRまで減らすことができ、UEの送信電力を減らし基地局のエア・インタフェースのRTWPを減らすという目的が達成される。例えば、WCDMA(登録商標)ネットワークでは、異なるキャリアが同一の周波数点を使用し、これが自己干渉現象を生じさせる。即ち、特定のUEに対して、別のUEの送信電力は当該UEの干渉信号である。多数のUEがセル内に存在するので、或るUEに対して、別のUEにより生成された干渉信号はほぼ安定的である。したがって、当該UEの実際のSIRの値を、UEの送信電力を減らすことによって減らすことができる。
【0123】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、基地局が、タイム・スロットのグレードの粒度でのターゲットSIRに従って下方制御をUEの送信電力に対して実施してもよく、それにより、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制御する細かさとリアルタイム性能がさらに高まる。
【0124】
基地局により測定されたUEの実際のSIRはターゲットSIRと厳密に等しくはないが、ターゲットSIRの周りで変動しターゲットSIRに収束することに留意されたい。実際のSIRはターゲットSIRより大きいかまたはターゲットSIRより小さいが、当該ターゲットSIRは基地局がUEの送信電力を調節する基礎の役割を果たし、依然として実際のSIRを誘導する上で重要である。ターゲットSIRが低下したときには、実際のSIRは対応する変動間隔でも低下し、それにより、UEの送信電力を減らす目的が達成される。
【0125】
本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、さらにRNCを異常から保護してもよい。基地局のエア・インタフェースが第1の輻輳閾値に到達した後に、RNCはターゲットSIRを上方制御するのを禁じられている状態にある。或る期間内に、RNCが基地局により再送された輻輳指示を受信しない場合には、ターゲットSIRを上方制御することを禁じられるという制限は自動的に削除され、RNCは、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを上方制御または下方制御することができる。当該期間は、実際の動作環境に従って運用者により設定された禁止解禁期間である。RNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁ずる機能により当該基地局のエア・インタフェースのRTWPのさらなる上昇を制限してもよいが、この制限にはデータ・パケットの送信成功率を減らすという代償が伴う。動作手続きでは、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過しないことを保証するのと同時に、データ・パケット送信成功率をさらに考慮する必要があり、したがってRNCを異常から保護する必要がある。
【0126】
さらに、本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値より小さい値に低下したとき、基地局が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを上方制御してもよい。ターゲットSIRを上方制御する目的は、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減した後に、ターゲットSIRを上方制御する方式でUEの送信電力を上方制御して、UEがデータ・パケットを送信する成功率を改善することにある。基地局が短いステップでターゲットSIRを安定的に上方制御し、基地局のRTWPが第1の輻輳閾値と等しいときのターゲットSIRを上方制御すべきターゲットSIRが超過しないことを制限としてとり、それによりUEがデータ・パケットを送信する成功率を可能な限り改善し当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが再び第1の輻輳閾値を超過しない場合にユーザ・サービスの品質を保証する。データ・パケットを送信するためのUEの実際のSIRはターゲットSIRの周りで変動しターゲットSIRに収束し、基地局のRTWPが第1の輻輳閾値と等しいときのターゲットSIRを上方制御されたターゲットSIRが超過しないが、増大した基地局のエア・インタフェースのRTWPが再び第1の輻輳閾値を超過するという場合が生ずることに留意されたい。この場合、ステップ904とステップ905が繰り返し実行され、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを再び下方制御する。具体的な手続きについては、
図9のステップ904乃至ステップ905の実装を参照することができるので、詳細はここでは繰り返し説明することはしない。
【0127】
さらに、本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、本発明の当該実施形態において、下方制御が優先的に実施されているUEをユーザ・サービス機能やユーザ送信状態に従ってさらに設定してもよく、第2の輻輳閾値をさらに設定してもよい。当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値を超過したときには、下方制御が優先的に実施されているUEに対して電力の下方制御を先ず実施して、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減する。詳細は
図6に示されている。
図9に基づいて、当該例示的な解決策はさらに以下のステップを含む。
【0128】
601では、基地局が、下方制御が優先的に実施されているUEを設定する。下方制御が優先的に実施されているUEがQoSに対する敏感度に従ってもよい。例えば、回線交換ドメインにおける音声サービスはQoSに敏感であり、パケット交換ドメインのデータ・パケット・アップロード・サービスはQoSに敏感でないので、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定してもよい。音声サービスはQoSに敏感であるので、UEの過度に小さな送信電力により呼サービスの過渡的な停滞または呼切断ですら生じ、それにより多大な影響がユーザ・エクスペリエンスに及ぶ。データ・パケットをアップロードするサービスの送信電力が小さいときには、データ・パケットのアップロードの手続きにおいてアップロードの停滞現象も生ずるが、ユーザに対して過度に大規模な効用の減少は生じない。したがって、比較して述べると、一部のUEの送信電力を減らす必要があるときには、回線交換ドメイン・サービスを実行しているUEの送信電力を優先的に保護する必要があり、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEの送信電力を優先的に下方制御してもよい。
【0129】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、基地局がさらに、UEがデータ送信を行っているかどうかに従って、下方制御が優先的に実施されているUEを設定してもよい。例えば、データ送信を行っていないUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定してもよい。ネットワーク運用の観点からは、データ送信を行っていないUEの送信電力を維持することは基地局のエア・インタフェースの電力の無駄であり、ユーザの効用の観点からは、データ送信を行っているUEとデータ送信を行っていないUEにおいて、データ送信を行っているUEの送信電力を優先的に保証すべきであり、したがって比較して述べると、一部のUEの送信電力を減らす必要があるときには、データ送信を行っているUEの送信電力を優先的に保護する必要があり、データ送信を行っていないUEの送信電力を優先的に下方制御してもよい。
【0130】
本発明の当該実施形態の別の適用シナリオでは、下方制御が優先的に実施されているUEを、以上の2つの設定方式を組み合わせることによって設定してもよい。例えば、データ送信を行っていないUEをさらにパケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEから選択し、下方制御を当該UEで優先的に実施する。さらに、電力下方制御手続きにおいて、データ送信を行っていないUEに対して、電力レベルが制御チャネルの送信品質を保証できる限りUEの送信電力を当該電力レベルに下方制御してもよい。以上の全てを、実際の動作環境の運用ポリシに従って運用者により設定、調節、および組み合せてもよく、本発明の当該実施形態で限定されるものではない。
【0131】
602では、基地局が第2の輻輳閾値を設定する。当該第2の輻輳閾値は第1の輻輳閾値よりも小さい。第2の輻輳閾値を設定する目的は、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値に到達したが当該第1の輻輳閾値にはまだ到達していないときに、UEの一部の送信電力を前もって下方制御して、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に到達する前に、当該基地局のエア・インタフェースの電力圧力の一部を軽減することにある。当該UEの一部とは、ステップ601で設定した下方制御が優先的に実施されているUEである。
【0132】
603では、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値を超過したときには、下方制御が優先的に実施されているUEの送信電力を当該基地局が下方制御する。
【0133】
送信電力の下方制御は以下のステップを含む。
(1)基地局が、RNCにより送信された下方制御が優先的に実施されているUEのターゲットSIRを受信する。
(2)当該基地局が、当該RNCにより送信された下方制御が優先的に実施されている当該UEの当該ターゲットSIRを下方制御する。
(3)当該基地局が、下方制御が優先的に実施されているUEの下方制御したターゲットSIRに基づいて、下方制御が優先的に実施されている当該UEに送信電力を減らすよう通知する。
【0134】
ステップ(1)、ステップ(2)およびステップ(3)の実行手続きはそれぞれ
図5のステップ504、ステップ505、およびステップ506に対応してもよく、
図5のステップ504、ステップ505、およびステップ506の実装を参照することができるので、詳細はここでは繰り返し説明することはしない。
【0135】
本発明の当該実施形態で提供する電力制御方法では、当該RNCにより送信されたターゲットSIRの値を下方制御して、UEの送信電力を減らすことができる。基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の問題が解決され、システムの状態が安定化し、端末ユーザとQoSに敏感なユーザのサービス品質が保証される。
【0136】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、UEのターゲットSIRの上昇を基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の場合において制限することができ、既に過度に高い基地局のエア・インタフェースのRTWP上のUEの送信電力がさらに上昇することで形成される輻輳圧力が回避される。
【0137】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に到達する前に、QoSに敏感でないサービスを実行しているUEの一部および/またはセル内でデータ送信を実施していないUEの一部の送信電力をさらに優先的に下方制御することができる。ユーザの効用に及ぼす影響が少ないUEは当該基地局のエア・インタフェースのRTWPの下方制御にさらに寄与し、QoSに敏感なサービスを実行しているUEの送信電力がさらに保証されるかまたは同時に増大され、および当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを減らす場合には、QoSに敏感なユーザのサービス品質が当該基地局のエア・インタフェースのRTWPの下方制御によって影響されないことが保証される。
【0138】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、異常保護をさらにRNCに対して設定することができ、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過しないことが保証され、同時にデータ・パケット送信成功率をさらに考慮することができる。
【0139】
実施形態8
以上の方法の実施形態の実装形態を参照すると、本発明の当該実施形態では電力制御装置を提供する。当該装置を以上の本発明の方法の実施形態を実装するように構成してもよい。
図10に示すように、当該装置は、第1の判定ユニット1001、第1の送信ユニット1002、第1の受信ユニット1003、第1の制御ユニット1004および第1の通知ユニット1005を備える。
【0140】
第1の判定ユニット1001を、方法の実施形態5のステップ502を実行、即ち、基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過したかどうかを判定するように構成してもよい。
【0141】
当該エア・インタフェースのRTWPは基地局に関連する全てのUEの送信電力の和である。当該エア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過するときには、輻輳現象が当該基地局で発生しており、セルの状態は不安定で、端末ユーザのカバレッジ品質が低下する。音声サービスのようなQoSに敏感なサービスでは特に、過渡的な呼停滞のような現象または音声遅延が容易に生じ、深刻な場合にはさらに呼切断現象が生じ、ユーザのサービス・エクスペリエンスに影響が生ずる。したがって、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制限する必要がある。
【0142】
第1の送信ユニット1002を、方法の実施形態5のステップ503を実行、即ち、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したと第1の判定ユニット1001が判定したときに、輻輳指示をRNCに送信するように構成してもよい。
【0143】
当該輻輳指示は当該RNCがターゲットSIRの上方制御を禁じられていることを示すのに使用される。RNCが、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを調節してもよい。ブロック・エラー率を例としてとる。即ち、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合には、RNCがUEのターゲットSIRを上方制御して、UEの送信電力を増大させ、それによりブロック・エラー率を減らす。UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、アップリンク・データの送信電力を節約するために、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御して、UEの送信電力を減らす。輻輳が基地局のエア・インタフェースで発生しているときには、ネットワークの全体的な安定性を保証するために、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合であっても、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することはできず、それにより、基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証する。
【0144】
第1の送信ユニット1002が当該輻輳指示をRNCに送信した後に、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することを禁じられるが、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御してもよいことに留意されたい。UEのターゲットSIRの下方制御は当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらには増大させず、実際には当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらに減らし、したがって、RNCによるUEのターゲットSIRの下方制御機能は限定されない。
【0145】
第1の受信ユニット1003を、方法の実施形態5のステップ504を実行、即ち、当該RNCにより送信されたターゲットSIRを受信するように構成してもよい。
【0146】
当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、第1の送信ユニット1002は輻輳指示をRNCに送信して、RNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁じられていることを示す。ターゲットSIRを上方制御する必要がある場合には、RNCは第1の送信ユニット1002により送信された当該輻輳指示に従ってターゲットSIRを上方制御せず、上方制御されていないターゲットSIRを第1の受信ユニット1003に送信する。
【0147】
第1の制御ユニット1004を、方法の実施形態5のステップ505を実行、即ち、当該RNCにより送信され第1の受信ユニット1003により受信された当該ターゲットSIRを下方制御するように構成してもよい
【0148】
第1の制御ユニット1004が、RNCにより上昇が制限されているターゲットSIRを下方制御する。RNCがターゲットSIRの上昇を制限することだけでは当該基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証できないが、輻輳現象が基地局で既に発生しているので、単に当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制限するだけでは当該基地局の輻輳現象を排除することができない。したがって、第1の制御ユニット1004は、RNCにより上昇が制限されているターゲットSIRを下方制御して、UEのターゲットSIRをさらに減らし、次いでUEの送信電力を減らすことにより、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを当該第1の輻輳閾値より小さい値に減らす必要がある。
【0149】
当該第1の通知ユニット1005を、方法の実施形態5のステップ506を実行、即ち、第1の制御ユニット1004により下方制御された当該ターゲットSIRに基づいて、送信電力を減らすようにUEに通知するように構成してもよい
【0150】
SIRはUEがアップリンク・データを送信したときの送信電力対干渉信号比として定義される。特定のUEに対して、干渉信号の規模は大きくは変化せず、近似的に不変であるとみなしてもよい。基地局の下方制御を通じてターゲットSIRを減らすときに、UEの送信電力が減らされた場合にのみ、データをアップロードするためのUEの実際のSIRをターゲットSIRまで減らすことができ、UEの送信電力を減らし基地局のエア・インタフェースのRTWPを減らすという目的が達成される。例えば、WCDMA(登録商標)ネットワークでは、異なるキャリアが同一の周波数点を使用し、これが自己干渉現象を生じさせる。即ち、特定のUEに対して、別のUEの送信電力は当該UEの干渉信号である。多数のUEがセル内に存在するので、或るUEに対して、別のUEにより生成された干渉信号はほぼ安定的である。したがって、当該UEの実際のSIRの値を、UEの送信電力を減らすことによって減らすことができる。
【0151】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、
図11に示すように1、当該装置はさらに第1の設定ユニット1101を備える。第1の設定ユニット1101を、方法の実施形態5のステップ601を実行、即ち、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定するように構成してもよい。
【0152】
第1の設定ユニット1101をさらに、方法の実施形態5のステップ601を実行、即ち、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したかどうかを第1の判定ユニット1001が判定する前に、データ送信を行っていないUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定するように構成してもよい。
【0153】
第1の設定ユニット1101が、QoSに対する敏感度に従って下方制御が優先的に実施されているUEを設定してもよい。例えば、回線交換ドメインにおける音声サービスはQoSに敏感であり、パケット交換ドメインのデータ・パケット・アップロード・サービスはQoSに敏感でないので、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定してもよい。音声サービスはQoSに敏感であるので、UEの過度に小さな送信電力により呼サービスの過渡的な停滞または呼切断ですら生じ、それにより多大な影響がユーザ・エクスペリエンスに及ぶ。データ・パケットをアップロードするサービスの送信電力が小さいときには、データ・パケットのアップロードの手続きにおいてアップロードの停滞現象も生ずるが、ユーザに対して過度に大規模な効用の減少は生じない。したがって、比較して述べると、一部のUEの送信電力を減らす必要があるときには、回線交換ドメイン・サービスを実行しているUEの送信電力を優先的に保護する必要があり、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEの送信電力を優先的に下方制御してもよい。
【0154】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、第1の設定ユニット1101がさらに、UEがデータ送信を行っているかどうかに従って、下方制御が優先的に実施されているUEを設定してもよい。例えば、データ送信を行っていないUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定してもよい。ネットワーク運用の観点からは、データ送信を行っていないUEの送信電力を維持することは基地局のエア・インタフェースの電力の無駄であり、ユーザの効用の観点からは、データ送信を行っているUEとデータ送信を行っていないUEにおいて、データ送信を行っているUEの送信電力を優先的に保証すべきであり、したがって比較して述べると、一部のUEの送信電力を減らす必要があるときには、データ送信を行っているUEの送信電力を優先的に保護する必要があり、データ送信を行っていないUEの送信電力を優先的に下方制御してもよい。
【0155】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、第1の設定ユニット1101が、以上の2つの設定方式を組み合わせることによって、下方制御が優先的に実施されているUEを設定してもよい。例えば、データ送信を行っていないUEをさらにパケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEから選択し、下方制御を当該UEで優先的に実施する。さらに、電力下方制御手続きにおいて、データ送信を行っていないUEに対して、電力レベルが制御チャネルの送信品質を保証できる限りUEの送信電力を当該電力レベルに下方制御してもよい。以上の全てを、実際の動作環境の運用ポリシに従って運用者により設定、調節、および組み合せてもよく、本発明の当該実施形態で限定されるものではない。
【0156】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、
図12に示すように、当該装置はさらに第2の設定ユニット1201を備える。第2の設定ユニット1201を、方法の実施形態5のステップ602を実行、即ち、第2の輻輳閾値を設定するように構成してもよい。
【0157】
当該第2の輻輳閾値は第1の輻輳閾値よりも小さい。第2の設定ユニット1201により第2の輻輳閾値を設定する目的は、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値に到達したが当該第1の輻輳閾値にはまだ到達していないときに、UEの一部の送信電力を前もって下方制御して、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に到達する前に、当該基地局のエア・インタフェースの電力圧力の一部を軽減することにある。当該UEの一部は、第1の設定ユニット1101により設定された下方制御が優先的に実施されているUEである。
【0158】
第1の判定ユニット1001をさらに、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第2の設定ユニット1201により設定された第2の輻輳閾値を超過したかどうかを判定するように構成してもよい。
【0159】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値を超過したときには、第1の受信ユニット1003をさらに、方法の実施形態5のステップ603を実行、即ち、当該RNCにより送信された、下方制御が優先的に実施されているUEのターゲットSIRを受信するように構成してもよく、第1の制御ユニット1004をさらに、方法の実施形態5のステップ603を実行、即ち、当該RNCにより送信され第1の受信ユニット1003により受信される、下方制御が優先的に実施されているUEの当該ターゲットSIRを下方制御するように構成してもよく、第1の通知ユニット1005をさらに、方法の実施形態5のステップ603を実行、即ち、第1の制御ユニット1004により下方制御された当該ターゲットSIRに基づいて、下方制御が優先的に実施されているUEに送信電力を減らすよう通知するように構成してもよい。
【0160】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、
図13に示すように、当該装置はさらに第1の停止ユニット1301を備える。第1の停止ユニット1301を、アップリンク・パケット・スケジューリングを停止するように構成してもよい。
【0161】
回線交換ドメイン・サービスと比べて、パケット交換ドメイン・サービスのQoS感受性は低く、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、第1の停止ユニット1301が、パケット交換ドメインが断続的に大量のデータ・パケットをアップロードするのを優先的に停止して、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減してもよい。例えば、ユーザの大量のデータ・パケットのアップロードを一時的に停止してもよく、ユーザ・プレーンの視点からは、サービス・データをアップロードするための送信時間が長い場合には、大量のデータ・パケットを短時間アップリンクで停止することにより追加された待機時間によりユーザの限界効用を縮小させる。当該縮小はユーザ・エクスペリエンスにさらなる影響は及ぼさない。
【0162】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、第1の制御ユニット1004をさらに、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値よりも小さいとき、当該RNCにより送信されたターゲットSIRを上方制御するように構成してもよい。当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、上方制御した当該ターゲットSIRは当該RNCにより送信されたターゲットSIRより大きくない。
【0163】
当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値より小さい値に低下したとき、第1の制御ユニット1004が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを上方制御してもよい。ターゲットSIRを上方制御する目的は、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減した後に、ターゲットSIRを上方制御する方式でUEの送信電力を上方制御して、UEがデータ・パケットを送信する成功率を改善することにある。第1の制御ユニット1004は短いステップでターゲットSIRを安定的に上方制御し、上方制御すべきターゲットSIRが当該RNCにより送信され第1の受信ユニット1003により受信されたターゲットSIRを超過しないことを制限としてとり、それによりUEがデータ・パケットを送信する成功率を可能な限り改善し当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが再び第1の輻輳閾値を超過しない場合にユーザ・サービスの品質を保証する。
【0164】
実際の適用では、本発明の当該実施形態における装置は、基地局(NodeB、NB)、発展型基地局(evolved Node B、eNB)またはアクセス・ポイント(Access Point、AP)であってもよいがこれらに限られず、本発明の当該実施形態で限定されるものではない。
【0165】
本発明の当該実施形態で提供する電力制御装置では、UEのターゲットSIRの上昇を基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の場合において制限することができ、既に過度に高い基地局のエア・インタフェースのRTWP上のUEの送信電力がさらに上昇することで形成される輻輳圧力が回避される。一方、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、既に上昇が制限されているターゲットSIRの値を下方制御して、UEの送信電力を減らすことができる。基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の問題が解決され、システムの状態が安定化し、端末ユーザとQoSに敏感なユーザのサービス品質が保証される。
【0166】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、本発明の当該実施形態で提供する電力制御装置はさらに、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に到達する前に、QoSに敏感でないサービスを実行しているUEの一部および/またはセル内でデータ送信を実施していないUEの一部の送信電力を優先的に下方制御することができる。ユーザの効用に及ぼす影響が少ないUEは当該基地局のエア・インタフェースのRTWPの下方制御にさらに寄与し、QoSに敏感なサービスを実行しているUEの送信電力がさらに保証されるかまたは同時に増大され、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを減らす場合には、QoSに敏感なユーザのサービス品質が当該基地局のエア・インタフェースのRTWPの低下の影響を受けないことが保証される。
【0167】
実施形態9
以上の方法の実施形態の実装形態を参照すると、本発明の当該実施形態では電力制御装置を提供する。当該装置を以上の本発明の方法の実施形態を実装するように構成してもよい。
図14に示すように、当該装置は、第2の判定ユニット1401、第2の送信ユニット1402、第2の受信ユニット1403および第2の通知ユニット1404を備える。
【0168】
第2の判定ユニット1401を、方法の実施形態6のステップ802を実行、即ち、基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過したかどうかを判定するように構成してもよい。
【0169】
当該エア・インタフェースのRTWPは基地局に関連する全てのUEの送信電力の和である。当該エア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過するときには、輻輳現象が当該基地局で発生しており、セルの状態は不安定で、端末ユーザのカバレッジ品質が低下する。音声サービスのようなQoSに敏感なサービスでは特に、過渡的な呼停滞のような現象または音声遅延が容易に生じ、深刻な場合にはさらに呼切断現象が生じ、ユーザのサービス・エクスペリエンスに影響が生ずる。したがって、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制限する必要がある。
【0170】
第2の送信ユニット1402を、方法の実施形態6のステップ803を実行、即ち、当該当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したと第2の判定ユニット1401が判定したときに、輻輳指示をRNCに送信するように構成してもよい
【0171】
当該輻輳指示は当該RNCがターゲットSIRの上方制御を禁じられていることを示すのに使用される。RNCが、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを調節してもよい。ブロック・エラー率を例としてとる。即ち、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合には、RNCがUEのターゲットSIRを上方制御して、UEの送信電力を増大させ、それによりブロック・エラー率を減らす。UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、アップリンク・データの送信電力を節約するために、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御して、UEの送信電力を減らす。輻輳が基地局のエア・インタフェースで発生しているときには、ネットワークの全体的な安定性を保証するために、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合であっても、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することはできず、それにより、基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証する。
【0172】
第2の送信ユニット1402が輻輳指示をRNCに送信した後に、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することを禁じられるが、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御してもよいことに留意されたい。UEのターゲットSIRの下方制御は当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらには増大させず、実際には当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらに減らし、したがって、RNCによるUEのターゲットSIRの下方制御機能は限定されない。
【0173】
第2の受信ユニット1403を、方法の実施形態6のステップ804を実行、即ち、当該RNCにより送信されたターゲットSIRを受信するように構成してもよい。
【0174】
当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、第2の送信ユニット1402は輻輳指示をRNCに送信して、RNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁じられていることを示す。ターゲットSIRを上方制御する必要がある場合には、RNCは第2の送信ユニット1402により送信された輻輳指示に従ってターゲットSIRを上方制御せず、上方制御されていないターゲットSIRを第2の受信ユニット1403に送信する。
【0175】
第2の通知ユニット1404を、方法の実施形態6のステップ805を実行、即ち、当該RNCにより送信され第2の受信ユニット1403により受信されるターゲットSIRに従って、送信電力を制限するようにUEに通知するように構成してもよい。
【0176】
SIRはUEがアップリンク・データを送信したときの送信電力対干渉信号比として定義される。特定のUEに対して、干渉信号の規模は大きくは変化せず、近似的に不変であるとみなしてもよい。RNCにより制限されているときにターゲットSIRを上方制御しない場合には、UEの送信電力はさらには上昇せず、それによりUEの送信電力および当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制限するという目的が達成される。例えば、WCDMA(登録商標)ネットワークでは、異なるキャリアが同一の周波数点を使用し、これが自己干渉現象を生じさせる。即ち、特定のUEに対して、別のUEの送信電力は当該UEの干渉信号である。多数のUEがセル内に存在するので、或るUEに対して、別のUEにより生成された干渉信号はほぼ安定的である。したがって、当該UEの実際のSIRの値を、当該UEの送信電力を制限することによって制限することができる。
【0177】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、
図15に示すように、当該装置はさらに第2の制御ユニット1501を備える。第2の制御ユニット1501を、方法の実施形態5のステップ505を実行、即ち、当該RNCにより送信され第2の受信ユニット1403により受信されるターゲットSIRを下方制御するように構成してもよい。
【0178】
第2の制御ユニット1501が、RNCにより上昇が制限されているターゲットSIRを下方制御する。RNCがターゲットSIRの上昇を制限することだけでは当該基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証できないが、輻輳現象が基地局で既に発生しているので、単に当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制限するだけでは当該基地局の輻輳現象を排除することができない。したがって、第2の制御ユニット1501は、RNCにより上昇が制限されているターゲットSIRを下方制御して、UEのターゲットSIRをさらに減らし、次いでUEの送信電力を減らすことにより、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを当該第1の輻輳閾値より小さい値に減らす必要がある。
【0179】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、
図16に示すように、当該装置はさらに第3の設定ユニット1601を備える。第3の設定ユニット1601を、方法の実施形態5のステップ601を実行、即ち、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定するように構成してもよい。
【0180】
第3の設定ユニット1601をさらに、方法の実施形態5のステップ601を実行、即ち、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したと第2の判定ユニット1401が判定する前に、データ送信を行っていないUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定するように構成してもよい。
【0181】
第3の設定ユニット1601を、QoSに対する敏感度に従って下方制御が優先的に実施されているUEを設定してもよい。例えば、回線交換ドメインにおける音声サービスはQoSに敏感であり、パケット交換ドメインのデータ・パケット・アップロード・サービスはQoSに敏感でないので、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定してもよい。音声サービスはQoSに敏感であるので、UEの過度に小さな送信電力により呼サービスの過渡的な停滞または呼切断ですら生じ、それにより多大な影響がユーザ・エクスペリエンスに及ぶ。データ・パケットをアップロードするサービスの送信電力が小さいときには、データ・パケットのアップロードの手続きにおいてアップロードの停滞現象も生ずるが、ユーザに対して過度に大規模な効用の減少は生じない。したがって、比較して述べると、一部のUEの送信電力を減らす必要があるときには、回線交換ドメイン・サービスを実行しているUEの送信電力を優先的に保護する必要があり、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEの送信電力を優先的に下方制御してもよい。
【0182】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、第3の設定ユニット1601がさらに、UEがデータ送信を行っているかどうかに従って、下方制御が優先的に実施されているUEを設定してもよい。例えば、データ送信を行っていないUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定してもよい。ネットワーク運用の観点からは、データ送信を行っていないUEの送信電力を維持することは基地局のエア・インタフェースの電力の無駄であり、ユーザの効用の観点からは、データ送信を行っているUEとデータ送信を行っていないUEにおいて、データ送信を行っているUEの送信電力を優先的に保証すべきであり、したがって比較して述べると、一部のUEの送信電力を減らす必要があるときには、データ送信を行っているUEの送信電力を優先的に保護する必要があり、データ送信を行っていないUEの送信電力を優先的に下方制御してもよい。
【0183】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、第3の設定ユニット1601が、以上の2つの設定方式を組み合わせることによって、下方制御が優先的に実施されているUEを設定してもよい。例えば、データ送信を行っていないUEをさらにパケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEから選択し、下方制御を当該UEで優先的に実施する。さらに、電力下方制御手続きにおいて、データ送信を行っていないUEに対して、電力レベルが制御チャネルの送信品質を保証できる限りUEの送信電力を当該電力レベルに下方制御してもよい。以上の全てを、実際の動作環境の運用ポリシに従って運用者により設定、調節、および組み合せてもよく、本発明の当該実施形態で限定されるものではない。
【0184】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、
図17に示すように、当該装置はさらに第4の設定ユニット1701を備える。第4の設定ユニット1701を、方法の実施形態5のステップ602を実行、即ち、第2の輻輳閾値を設定するように構成してもよい。
【0185】
当該第2の輻輳閾値は第1の輻輳閾値よりも小さい。第4の設定ユニット1701によって第2の輻輳閾値を設定する目的は、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値に到達したが当該第1の輻輳閾値にはまだ到達していないときに、UEの一部の送信電力を前もって下方制御して、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に到達する前に、当該基地局のエア・インタフェースの電力圧力の一部を軽減することにある。当該UEの一部は、第3の設定ユニット1601により設定された下方制御が優先的に実施されているUEである。
【0186】
第2の判定ユニット1401をさらに、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第4の設定ユニット1701により設定された第2の輻輳閾値を超過したかどうかを判定するように構成してもよい。
【0187】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値を超過したときには、第2の受信ユニット1403をさらに、方法の実施形態5のステップ603を実行、即ち、当該RNCにより送信された、下方制御が優先的に実施されているUEのターゲットSIRを受信するように構成してもよく、第2の制御ユニット1501をさらに、方法の実施形態5のステップ603を実行、即ち、当該RNCにより送信され当該第2の受信ユニット1403により受信された、下方制御が優先的に実施されているUEの当該ターゲットSIRを下方制御するように構成してもよく、第2の通知ユニット1404をさらに、方法の実施形態5のステップ603を実行、即ち、第2の制御ユニット1501により下方制御された当該ターゲットSIRに基づいて、下方制御が優先的に実施されている当該UEに送信電力を減らすよう通知するように構成してもよい。
【0188】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、
図18に示すように、当該装置はさらに第2の停止ユニット1801を備える。第2の停止ユニット1801を、アップリンク・パケット・スケジューリングを停止するように構成してもよい。
【0189】
回線交換ドメイン・サービスと比べて、パケット交換ドメイン・サービスのQoS感受性は低く、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、第2の停止ユニット1801が、パケット交換ドメインが断続的に大量のデータ・パケットをアップロードするのを優先的に停止して、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減してもよい。例えば、ユーザの大量のデータ・パケットのアップロードを一時的に停止してもよく、ユーザ・プレーンの視点からは、サービス・データをアップロードするための送信時間が長い場合には、大量のデータ・パケットを短時間アップリンクで停止することにより追加された待機時間によりユーザの限界効用を縮小させる。当該縮小はユーザ・エクスペリエンスにさらなる影響は及ぼさない。
【0190】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、第2の制御ユニット1501をさらに、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値よりも小さいとき、当該RNCにより送信されたターゲットSIRを上方制御するように構成してもよい。当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に等しいときには、上方制御した当該ターゲットSIRは当該RNCにより送信されたターゲットSIRより大きくない。
【0191】
当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値より小さい値に低下したとき、第2の制御ユニット1501が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを上方制御してもよい。ターゲットSIRを上方制御する目的は、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減した後に、ターゲットSIRを上方制御する方式でUEの送信電力を上方制御して、UEがデータ・パケットを送信する成功率を改善することにある。第2の制御ユニット1501が短いステップでターゲットSIRを安定的に上方制御し、上方制御すべきターゲットSIRが、当該RNCにより送信され第2の受信ユニット1403により受信されるターゲットSIRを超過しないことを制限としてとり、それによりUEがデータ・パケットを送信する成功率を可能な限り改善し当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが再び第1の輻輳閾値を超過しない場合にユーザ・サービスの品質を保証する。
【0192】
実際の適用では、本発明の当該実施形態における装置は、基地局(Node B、NB)、発展型基地局(evolved Node B、eNB)またはアクセス・ポイント(Access Point、AP)であってもよいがこれらに限られず、本発明の当該実施形態で限定されるものではない。
【0193】
本発明の当該実施形態で提供する電力制御装置では、UEのターゲットSIRの上昇を基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の場合において制限することができ、既に過度に高い基地局のエア・インタフェースのRTWP上のUEの送信電力がさらに上昇することで形成される輻輳圧力が回避される。
【0194】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、既に上昇が制限されているターゲットSIRの値を下方制御して、UEの送信電力を減らすことができる。基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の問題が解決され、システムの状態が安定化し、端末ユーザとQoSに敏感なユーザのサービス品質が保証される。
【0195】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に到達する前に、QoSに敏感でないサービスを実行しているUEの一部および/またはセル内でデータ送信を実施していないUEの一部の送信電力をさらに優先的に下方制御することができる。ユーザの効用に及ぼす影響が少ないUEは当該基地局のエア・インタフェースのRTWPの下方制御にさらに寄与し、QoSに敏感なサービスを実行しているUEの送信電力がさらに保証されるかまたは同時に増大され、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを減らす場合には、QoSに敏感なユーザのサービス品質が当該基地局のエア・インタフェースのRTWPの下方制御によって影響されないことが保証される。
【0196】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、異常保護をさらにRNCに対して設定することができ、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過しないことが保証され、同時にデータ・パケット送信成功率をさらに考慮することができる。
【0197】
実施形態10
以上の方法の実施形態の実装形態を参照すると、本発明の当該実施形態では電力制御装置を提供する。当該装置を以上の本発明の方法の実施形態を実装するように構成してもよい。
図19に示すように、当該装置は、第3の判定ユニット1901、第3の受信ユニット1902、第3の制御ユニット1903および第3の通知ユニット1904を備える。
【0198】
第3の判定ユニット1901を、方法の実施形態7のステップ903を実行、即ち、基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過したかどうかを判定するように構成してもよい。
【0199】
当該エア・インタフェースのRTWPは基地局に関連する全てのUEの送信電力の和である。当該エア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過するときには、輻輳現象が当該基地局で発生しており、セルの状態は不安定で、端末ユーザのカバレッジ品質が低下する。音声サービスのようなQoSに敏感なサービスでは特に、過渡的な呼停滞のような現象または音声遅延が容易に生じ、深刻な場合にはさらに呼切断現象が生じ、ユーザのサービス・エクスペリエンスに影響が生ずる。したがって、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを制限する必要がある。
【0200】
3の受信ユニット1902を、方法の実施形態7のステップ901を実行、即ち、RNCにより送信されたターゲットSIRを受信するように構成してもよい。
【0201】
第3の制御ユニット1903を、方法の実施形態7のステップ904を実行、即ち、当該RNCにより送信され第3の受信ユニット1902により受信されるターゲットSIRを下方制御するように構成してもよい。
【0202】
第3の制御ユニット1903が、RNCにより送信されたターゲットSIRを下方制御し、UEのターゲットSIRを減らし、さらにUEの送信電力を減らすことにより、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを当該第1の輻輳閾値より小さい値に減らす。
【0203】
第3の通知ユニット1904を、方法の実施形態7のステップ905を実行、即ち、第3の制御ユニットにより下方制御された当該ターゲットSIR1903に従って、送信電力を下方制御するようにUEに通知するように構成してもよい。
【0204】
SIRはUEがアップリンク・データを送信したときの送信電力対干渉信号比として定義される。特定のUEに対して、干渉信号の規模は大きくは変化せず、近似的に不変であるとみなしてもよい。ターゲットSIRがRNCにより下方制御されたときには、UEの送信電力も低下し、それにより、UEの送信電力と当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを下方制御する目的が達成される。例えば、WCDMA(登録商標)ネットワークでは、異なるキャリアが同一の周波数点を使用し、これが自己干渉現象を生じさせる。即ち、特定のUEに対して、別のUEの送信電力は当該UEの干渉信号である。多数のUEがセル内に存在するので、或るUEに対して、別のUEにより生成された干渉信号はほぼ安定的である。したがって、当該UEの実際のSIRの値を、当該UEの送信電力を制限することによって制限することができる。
【0205】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、
図20に示すように、当該装置はさらに第3の送信ユニット2001を備える。第3の送信ユニット2001を、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、輻輳指示を当該RNCに送信するように構成してもよい。
【0206】
当該輻輳指示は当該RNCがターゲットSIRの上方制御を禁じられていることを示すのに使用される。RNCが、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを調節してもよい。ブロック・エラー率を例としてとる。即ち、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合には、RNCがUEのターゲットSIRを上方制御して、UEの送信電力を増大させ、それによりブロック・エラー率を減らす。UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、アップリンク・データの送信電力を節約するために、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御して、UEの送信電力を減らす。輻輳が基地局のエア・インタフェースで発生しているときには、ネットワークの全体的な安定性を保証するために、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合であっても、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することはできず、それにより、基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証する。
【0207】
第3の送信ユニット2001が輻輳指示をRNCに送信した後に、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することを禁じられるが、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御してもよいことに留意されたい。UEのターゲットSIRの下方制御は当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらには増大させず、実際には当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらに減らし、したがって、RNCによるUEのターゲットSIRの下方制御機能は限定されない。
【0208】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、第3の受信ユニット1902をさらに、RNCにより上昇が制限されているターゲットSIRを受信するように構成してもよい。第3の送信ユニット2001により送信された輻輳指示を受信した後に、RNCがさらにターゲットSIRの上昇を制限し、上昇が制限されたターゲットSIRを第3の受信ユニット1902に送信する。
【0209】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、
図21に示すように、当該装置はさらに第5の設定ユニット2101を備える。第5の設定ユニット2101を、方法の実施形態5のステップ601を実行、即ち、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定するように構成してもよい。
【0210】
第5の設定ユニット2101をさらに、方法の実施形態5のステップ601を実行、即ち、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したと第3の判定ユニット1901が判定する前に、データ送信を行っていないUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定するように構成してもよい。
【0211】
第5の設定ユニット2101は、QoSに対する敏感度に従って下方制御が優先的に実施されているUEを設定してもよい。例えば、回線交換ドメインにおける音声サービスはQoSに敏感であり、パケット交換ドメインのデータ・パケット・アップロード・サービスはQoSに敏感でないので、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定してもよい。音声サービスはQoSに敏感であるので、UEの過度に小さな送信電力により呼サービスの過渡的な停滞または呼切断ですら生じ、それにより多大な影響がユーザ・エクスペリエンスに及ぶ。データ・パケットをアップロードするサービスの送信電力が小さいときには、データ・パケットのアップロードの手続きにおいてアップロードの停滞現象も生ずるが、ユーザに対して過度に大規模な効用の減少は生じない。したがって、比較して述べると、一部のUEの送信電力を減らす必要があるときには、回線交換ドメイン・サービスを実行しているUEの送信電力を優先的に保護する必要があり、パケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEの送信電力を優先的に下方制御してもよい。
【0212】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、第5の設定ユニット2101がさらに、UEがデータ送信を行っているかどうかに従って、下方制御が優先的に実施されているUEを設定してもよい。例えば、データ送信を行っていないUEを下方制御が優先的に実施されているUEとして設定してもよい。ネットワーク運用の観点からは、データ送信を行っていないUEの送信電力を維持することは基地局のエア・インタフェースの電力の無駄であり、ユーザの効用の観点からは、データ送信を行っているUEとデータ送信を行っていないUEにおいて、データ送信を行っているUEの送信電力を優先的に保証すべきであり、したがって比較して述べると、一部のUEの送信電力を減らす必要があるときには、データ送信を行っているUEの送信電力を優先的に保護する必要があり、データ送信を行っていないUEの送信電力を優先的に下方制御してもよい。
【0213】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、第5の設定ユニット2101が、以上の2つの設定方式を組み合わせることによって、下方制御が優先的に実施されているUEを設定してもよい。例えば、データ送信を行っていないUEをさらにパケット交換ドメイン・サービスを実行しているUEから選択し、下方制御を当該UEで優先的に実施する。さらに、電力下方制御手続きにおいて、データ送信を行っていないUEに対して、電力レベルが制御チャネルの送信品質を保証できる限りUEの送信電力を当該電力レベルに下方制御してもよい。以上の全てを、実際の動作環境の運用ポリシに従って運用者により設定、調節、および組み合せてもよく、本発明の当該実施形態で限定されるものではない。
【0214】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、
図22に示すように、当該装置はさらに第6の設定ユニット2201を備える。第6の設定ユニット2201を、方法の実施形態5ステップ602を実行、即ち、第2の輻輳閾値を設定するように構成してもよい。
【0215】
当該第2の輻輳閾値は第1の輻輳閾値よりも小さい。第6の設定ユニット2201により第2の輻輳閾値を設定する目的は、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値に到達したが当該第1の輻輳閾値にはまだ到達していないときに、UEの一部の送信電力を前もって下方制御して、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に到達する前に、当該基地局のエア・インタフェースの電力圧力の一部を軽減することにある。当該UEの一部は、第5の設定ユニット2101により設定された下方制御が優先的に実施されているUEである。
【0216】
第3の判定ユニット1901をさらに、方法の実施形態5のステップ602を実行、即ち、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第6の設定ユニット2201により設定された第2の輻輳閾値を超過したかどうかを判定するように構成してもよい。
【0217】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第2の輻輳閾値を超過したときには、第3の受信ユニット1902をさらに、方法の実施形態5のステップ603を実行、即ち、当該RNCにより送信された、下方制御が優先的に実施されているUEのターゲットSIRを受信するように構成してもよく、第3の制御ユニット1903をさらに、方法の実施形態5のステップ603を実行、即ち、当該RNCにより送信され第3の受信ユニット1902により受信される、下方制御が優先的に実施されているUEの当該ターゲットSIRを下方制御するように構成してもよく、第3の通知ユニット1904をさらに、方法の実施形態5のステップ603を実行、即ち、第3の制御ユニット1903により下方制御された当該ターゲットSIRに基づいて、下方制御が優先的に実施されている当該UEに送信電力を減らすように通知するように構成してもよい。
【0218】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、
図23に示すように、当該装置はさらに第3の停止ユニット2301を備える。第3の停止ユニット2301を、アップリンク・パケット・スケジューリングを停止するように構成してもよい。
【0219】
回線交換ドメイン・サービスと比べて、パケット交換ドメイン・サービスのQoS感受性は低く、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、第3の停止ユニット2301が、パケット交換ドメインが断続的に大量のデータ・パケットをアップロードするのを優先的に停止して、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減してもよい。例えば、ユーザの大量のデータ・パケットのアップロードを一時的に停止してもよく、ユーザ・プレーンの視点からは、サービス・データをアップロードするための送信時間が長い場合には、大量のデータ・パケットを短時間アップリンクで停止することにより追加された待機時間によりユーザの限界効用を縮小させる。当該縮小はユーザ・エクスペリエンスにさらなる影響は及ぼさない。
【0220】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、第3の制御ユニット1903をさらに、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値よりも小さいとき、当該RNCにより送信されたターゲットSIRを上方制御するように構成してもよい。当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値を超過したときには、上方制御した当該ターゲットSIRは当該RNCにより送信されたターゲットSIRより大きくない。
【0221】
当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値より小さい値に低下したとき、第3の制御ユニット1903が当該RNCにより送信されたターゲットSIRを上方制御してもよい。ターゲットSIRを上方制御する目的は、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を軽減した後に、ターゲットSIRを上方制御する方式でUEの送信電力を上方制御して、UEがデータ・パケットを送信する成功率を改善することにある。第3の制御ユニット1903が短いステップでターゲットSIRを安定的に上方制御する、上方制御すべきターゲットSIRが、当該RNCにより送信され第3の受信ユニット1902により受信されるターゲットSIRを超過しないことを制限としてとり、それによりUEがデータ・パケットを送信する成功率を可能な限り改善し当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが再び第1の輻輳閾値を超過しない場合にユーザ・サービスの品質を保証する。
【0222】
実際の適用では、本発明の当該実施形態における装置は、基地局(Node B、NB)、発展型基地局(evolved Node B、eNB)またはアクセス・ポイント(Access Point、AP)であってもよいがこれらに限られず、本発明の当該実施形態で限定されるものではない。
【0223】
本発明の当該実施形態で提供する電力制御装置は、当該RNCにより送信されたターゲットSIRの値を下方制御して、UEの送信電力を減らすことができる。基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の問題が解決され、システムの状態が安定化し、端末ユーザとQoSに敏感なユーザのサービス品質が保証される。
【0224】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、UEのターゲットSIRの上昇を基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の場合において制限することができ、既に過度に高い基地局のエア・インタフェースのRTWP上のUEの送信電力がさらに上昇することで形成される輻輳圧力が回避される。
【0225】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが当該第1の輻輳閾値に到達する前に、QoSに敏感でないサービスを実行しているUEの一部および/またはセル内でデータ送信を実施していないUEの一部の送信電力をさらに優先的に下方制御することができる。ユーザの効用に及ぼす影響が少ないUEは当該基地局のエア・インタフェースのRTWPの下方制御にさらに寄与し、QoSに敏感なサービスを実行しているUEの送信電力がさらに保証されるかまたは同時に増大され、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPを減らす場合には、QoSに敏感なユーザのサービス品質が当該基地局のエア・インタフェースのRTWPの下方制御によって影響されないことが保証される。
【0226】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、異常保護をさらにRNCに対して設定することができ、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過しないことが保証され、同時にデータ・パケット送信成功率をさらに考慮することができる。
【0227】
実施形態11
以上の方法の実施形態の実装形態を参照すると、本発明の当該実施形態では電力制御装置を提供する。当該装置を以上の本発明の方法の実施形態を実装するように構成してもよい。
図24に示すように、当該装置は、第4の受信ユニット2401、処理ユニット2402および第4の送信ユニット2403を備える。
【0228】
第4の受信ユニット2401を、方法の実施形態4のステップ401を実行、即ち、基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過したと当該基地局が判定したときに、当該基地局により送信された輻輳指示を受信するように構成してもよい。
【0229】
当該輻輳指示は、RNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁じられていることを示すのに使用される。RNCが、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを調節してもよい。ブロック・エラー率を例としてとる。即ち、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合には、RNCがUEのターゲットSIRを上方制御して、UEの送信電力を増大させ、それによりブロック・エラー率を減らす。UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、アップリンク・データの送信電力を節約するために、RNCはUEのターゲットSIRを下方制御して、UEの送信電力を減らす。輻輳が基地局のエア・インタフェースで発生しているときには、ネットワークの全体的な安定性を保証するために、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が高い場合であっても、RNCはUEのターゲットSIRを上方制御することはできず、それにより、基地局のエア・インタフェースのRTWPがさらに上昇しないことを保証する。
【0230】
処理ユニット2402を、方法の実施形態4のステップ402を実行、即ち、第4の受信ユニット2401により受信された当該輻輳指示に従って、当該ターゲットSIRの上方制御を禁止するように構成してもよい
【0231】
基地局が輻輳指示をRNCに送信した後に、処理ユニット2402はRNCがUEのターゲットSIRを上方制御するのを禁止するが、UEがデータをアップロードしたときにブロック・エラー率が小さい場合には、処理ユニット2402はRNCがUEのターゲットSIRを下方制御するのを可能とする。UEのターゲットSIRの下方制御は当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらには増大させず、実際には当該基地局のエア・インタフェースのRTWPをさらに減らし、UEのターゲットSIRを下方制御する機能は限定されない。
【0232】
第4の送信ユニット2403を、方法の実施形態4のステップ403を実行、即ち、処理ユニット2402により処理されたターゲットSIRを基地局に送信するように構成してもよい。
【0233】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、処理ユニット2402は当該ターゲットSIRの上方制御の禁止を解禁するするようにさらに構成される。基地局のエア・インタフェースが第1の輻輳閾値に到達した後に、処理ユニット2402はRNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁止する。或る期間において、第4の受信ユニット2401が当該基地局により再送された輻輳指示を受信しなかった場合には、処理ユニット2402は、RNCがターゲットSIRを上方制御するのを禁止するという制限を自動的に削除し、RNCは、UEがデータをアップロードしたときのブロック・エラー率、HARQ送信率またはエア・インタフェース・パケット損失率に従ってUEのターゲットSIRを上方制御または下方制御することができる。当該期間は、実際の動作環境に従って運用者により設定された禁止解禁期間である。RNCがターゲットSIRを上方制御するのを処理ユニット2402により禁ずる機能により、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPのさらなる上昇を制限してもよいが、この制限にはデータ・パケットの送信成功率を減らすという代償が伴う。動作手続きでは、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過しないことを保証するのと同時に、データ・パケット送信成功率をさらに考慮する必要があり、したがってRNCを異常から保護する必要がある。
【0234】
本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、上昇が制限されRNCにより送信されたターゲットSIRを受信した後に、基地局は上昇が制限されたターゲットSIRをさらに下方制御し、下方制御されたSIRに従って、送信電力を減らすようにUEに通知してもよい。それにより、基地局のエア・インタフェースの電力圧力を制御するという目的が達成される。
【0235】
実際の適用では、本発明の当該実施形態における装置が無線ネットワーク・コントローラ(Radio Network Controller、RNC)、または、無線ネットワーク・コントローラで必要な機能を有する物理装置もしくは論理装置であってもよく、無線ネットワーク・コントローラは本発明の当該実施形態における装置を限定しない。
【0236】
本発明の当該実施形態で提供する電力制御装置では、UEのターゲットSIRの上昇を基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の場合において制限することができ、既に過度に高い基地局のエア・インタフェースのRTWP上のUEの送信電力がさらに上昇することで形成される輻輳圧力が回避される。一方、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、既に上昇が制限されているターゲットSIRの値を下方制御して、UEの送信電力を減らすことができる。基地局のエア・インタフェースの電力輻輳の問題が解決され、システムの状態が安定化し、端末ユーザとQoSに敏感なユーザのサービス品質が保証される。
【0237】
さらに、本発明の当該実施形態の適用シナリオにおいて、本発明の当該実施形態で提供する電力制御装置は、RNCに対する異常保護を設定することができ、当該基地局のエア・インタフェースのRTWPが第1の輻輳閾値を超過しないことが保証され、さらにデータ・パケット送信成功率が同時に考慮される。
【0238】
種々の実装方式を以上で説明したが、本発明をソフトウェアと必要な汎用ハードウェアで実装してもよく、明らかに、ハードウェアで実装してもよいが、多くの場合は前者が好適な実装方式であることは当業者には明確に理解される。かかる理解のもとに、原則として、本発明の技術的解決策または先行技術に寄与する部分をソフトウェア製品の形で具体化してもよい。当該コンピュータ・ソフトウェア製品は読取可能記憶媒体、例えば、コンピュータのフロッピ・ディスク、ハード・ディスク、または光ディスクに格納され、本発明の諸実施形態で説明した方法を実施するようにコンピュータ装置(パーソナル・コンピュータ、サーバ、またはネットワーク装置等であってもよい)に指示する幾つかの命令を含む。
【0239】
以上の説明は本発明の具体的な実装方式にすぎず、本発明の保護範囲を限定しようとするものではない。本発明で開示した技術的範囲における当業者に容易想到な任意の変形または置換えは本発明の保護範囲に入るものとする。したがって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲により支配される。